(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024070
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】連続テザー付き組織アンカーならびに関連するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20240214BHJP
A61B 17/04 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A61F2/24
A61B17/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000620
(22)【出願日】2024-01-05
(62)【分割の表示】P 2021574975の分割
【原出願日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】62/862,519
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/965,610
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア シー. ハーラー
(57)【要約】
【課題】良好なアンカーなどを提供すること。
【解決手段】本発明は、医療処置における組織アンカーに関する。より具体的には、本発明は、テザー付きアンカーに関する。互いに連続的に編組されたテザー部分及びアンカー部分を含むテザー付きアンカーであって、テザー部分はアンカー部分から連続的に延在し、アンカー部分はテザー部分の幅よりも広い幅を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連続的に編組されているテザー部分及びアンカー部分を含む、テザー付きアンカーであって、
前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分から連続的に延在しており、そして、
前記アンカー部分が崩潰されたときに、前記アンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、テザー付きアンカー。
【請求項2】
前記テザー部分は丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定し、前記アンカー部分は平坦な横断方向プロファイルを画定する、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項3】
前記テザー部分は平坦な横断方向プロファイルを画定し、前記アンカー部分は丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定する、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項4】
前記テザー部分及び前記アンカー部分は両方とも丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定する、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項5】
前記テザー部分及び前記アンカー部分は両方とも平坦な横断方向プロファイルを画定する、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項6】
前記アンカー部分は、複数の交差アパチャを画定し、さらに、前記テザー部分のある長さは前記アンカー部分の交差アパチャを通して通過される、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項7】
前記テザー部分は第一のピックカウントを特徴とし、前記アンカー部分は前記第一のピックカウントとは異なる第二のピックカウントを特徴とする、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項8】
前記テザー部分及び前記アンカー部分のピックカウントは変化する、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項9】
前記テザー部分のあるセクションは第一のピックカウントを特徴とし、前記テザー部分の別のセクションは前記第一のピックカウントより大きな第二のピックカウントを特徴とする、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項10】
前記アンカー部分の少なくとも一部は組織の内部成長を促進するように構成された編組パターンを特徴する、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項11】
前記アンカー部分は、複数の個々の編組フィラメントを含み、前記アンカー部分は、前記個々の編組フィラメントを一緒に結合するように熱処理される、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項12】
前記テザー部分に結合され、前記テザー部分が前記アンカー部分を通過するのを防ぐように構成された停止構成要素をさらに含む、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項13】
前記テザー部分及び前記アンカー部分の少なくとも1つは、その中にエラストマー軸方向部材を組み込んでいる、請求項1記載のテザー付きアンカー。
【請求項14】
テザー部分及びアンカー部分を連続的に編組することを含む方法によって調製されるテザー付きアンカーであって、前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分から連続的に延在しており、前記アンカー部分は、前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、テザー付きアンカー。
【請求項15】
前記テザー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される、請求項14記載のテザー付きアンカー。
【請求項16】
前記テザー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される、請求項14記載のテザー付きアンカー。
【請求項17】
前記テザー部分及び前記アンカー部分は、両方とも、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される、請求項14記載のテザー付きアンカー。
【請求項18】
前記テザー部分及び前記アンカー部分は、両方とも、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される、請求項14記載のテザー付きアンカー。
【請求項19】
前記アンカー部分は、複数の交差アパチャを画定するように編組され、さらに、前記テザー部分のある長さは、前記アンカー部分の交差アパチャを通して通過される、請求項14記載のテザー付きアンカー。
【請求項20】
前記テザー部分は第一のピックカウントで編組され、前記アンカー部分は前記第一のピックカウントとは異なる第二のピックカウントで編組される、請求項14記載のテザー付きアンカー。
【請求項21】
前記テザー部分及び前記アンカー部分は変化しているピックカウントで編組される、請求項14記載のテザー付きアンカー。
【請求項22】
前記テザー部分のあるセクションは第一のピックカウントで編組され、前記テザー部分の別のセクションは前記第一のピックカウントより大きな第二のピックカウントで編組される、請求項14記載のテザー付きアンカー。
【請求項23】
前記アンカー部分の少なくとも一部は、組織の内部成長を促進するように構成された編組パターンで編組される、請求項14記載のテザー付きアンカー。
【請求項24】
テザー部分及びアンカー部分を連続的に編組すること、及び、
前記テザー部分を前記アンカー部分から連続的に延在させること、
を含み、
前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、テザー付きアンカーを形成する方法。
【請求項25】
前記テザー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記テザー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される、請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記テザー部分及び前記アンカー部分は両方とも丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される、請求項24記載の方法。
【請求項28】
前記テザー部分及び前記アンカー部分は両方とも平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される、請求項24記載の方法。
【請求項29】
前記アンカー部分は、複数の交差アパチャを画定するように編組され、さらに、テザー部分のある長さは、前記アンカー部分の交差アパチャを通して通過される、請求項24記載の方法。
【請求項30】
前記テザー部分は第一のピックカウントで編組され、前記アンカー部分は前記第一のピックカウントとは異なる第二のピックカウントで編組される、請求項24記載の方法。
【請求項31】
前記テザー部分及び前記アンカー部分は、変化しているピックカウントで編組される、請求項24記載の方法。
【請求項32】
前記テザー部分のあるセクションは第一のピックカウントで編組され、前記テザー部分の別のセクションは前記第一のピックカウントより大きな第二のピックカウントで編組される、請求項24記載の方法。
【請求項33】
前記アンカー部分の少なくとも一部は、組織の内部成長を促進するように構成された編組パターンで編組される、請求項24記載の方法。
【請求項34】
テザー付きアンカーを患者内の標的位置に配置することを含む、心臓弁機能不全を治療する方法であって、前記テザー付きアンカーは、互いに連続的に編組されたテザー部分及びアンカー部分を含み、前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分から連続的に延在し、前記アンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、方法。
【請求項35】
前記テザー付きアンカーは、腱索修復もしくは交換のため、又は欠陥弁の治療のために構成される、請求項34記載の方法。
【請求項36】
互いに連続的に編組されたテザー部分及び少なくとも1つのアンカー部分、及び、
前記少なくとも1つのアンカー部分に結合された少なくとも1つの外科用針、
を含み、
前記テザー部分は長尺であり、前記少なくとも1つのアンカー部分から連続的に延在しており、前記少なくとも1つのアンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、テザー付きアンカー。
【請求項37】
前記少なくとも1つのアンカー部分は、前記テザー部分の端部に配置された第一のアンカー部分、及び、前記テザー部分の別の端部に配置された第二のアンカー部分を含む、請求項36記載のテザー付きアンカー。
【請求項38】
前記少なくとも1つの外科用針は、前記第一のアンカー部分に結合された第一の外科用針及び前記第二のアンカー部分に結合された第二の外科用針を含む、請求項37記載のテザー付きアンカー。
【請求項39】
互いに連続的に編組されたテザー部分及び少なくとも1つのアンカー部分、及び、
前記少なくとも1つのアンカー部分に結合された少なくとも1つの組織アンカー、
を含み、
前記テザー部分は長尺であり、前記少なくとも1つのアンカー部分から連続的に延在しており、前記少なくとも1つのアンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、テザー付きアンカー。
【請求項40】
前記少なくとも1つのアンカー部分は、前記テザー部分の端部に配置された第一のアンカー部分及び前記テザー部分の別の端部に配置された第二のアンカー部分を含む、請求項39記載のテザー付きアンカー。
【請求項41】
前記少なくとも1つの組織アンカーは、前記第一のアンカー部分に結合された第一の組織アンカー及び前記第二のアンカー部分に結合された第二の組織アンカーを含む、請求項40記載のテザー付きアンカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年1月24日に出願された仮出願第62/965,610号の利益を主張し、また、2019年6月17日に出願された仮出願第62/862,519号の利益を主張し、これらの両方をあらゆる目的のために全体の参照により本明細書に取り込む。
【背景技術】
【0002】
背景
様々な組織アンカーは患者の体内へのデリバリーのために提案されてきた。幾つかの例において、そのようなアンカーは経皮又は経カテーテルアプローチ(例えば、デリバリーカテーテルを使用)を使用してデリバリーされる。綿撒糸及びテザーの配置を利用する幾つかの組織アンカーが提案されている。そのようなアンカーは、例えば、解剖学的構造を互いに固定するために、解剖学的構造をインプラントされたデバイスに固定するために、又は2つのインプラントされたデバイスを一緒に固定するために利用されうる。
【発明の概要】
【0003】
要旨
様々な開示された概念は、シームレスに相互接続されたアンカー部分及びテザー部分を含む、連続的又は一体型のインプラント可能な組織アンカーに関する。幾つかの例は、編組アンカー部分及びテザー部分に関し、アンカー部分及び/又はテザー部分は、予定された使用に従って向上された物理的特性を示すように編組パターンが変化する1つ以上のセクションを有する。
【0004】
1つの例(「例1」)によれば、テザー付きアンカーは、テザー部分及びアンカー部分を含む。前記テザー部分と前記アンカー部分は、互いに連続的に編組されるように構成されている。前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分から連続的に延在している。前記アンカー部分が崩潰されたときに、前記アンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する。
【0005】
例1に加えて別の例(「例2」)によれば、前記テザー部分は丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定し、前記アンカー部分は平坦な横断方向プロファイルを画定する。
【0006】
例1に加えて別の例(「例3」)によれば、前記テザー部分は平坦な横断方向プロファイルを画定し、前記アンカー部分は丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定する。
【0007】
例1に加えて別の例(「例4」)によれば、前記テザー部分及び前記アンカー部分は両方とも丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定する。
【0008】
例1に加えて別の例(「例5」)によれば、前記テザー部分及び前記アンカー部分は両方とも平坦な横断方向プロファイルを画定する。
【0009】
例1に加えて別の例(「例6」)によれば、前記アンカー部分は、複数の交差アパチャを画定し、さらに、前記テザー部分のある長さは前記アンカー部分の交差アパチャを通して通過される。
【0010】
例1に加えて別の例(「例7」)によれば、前記テザー部分は第一のピックカウントを特徴とし、前記アンカー部分は前記第一のピックカウントとは異なる第二のピックカウントを特徴とする。
【0011】
例1に加えて別の例(「例8」)によれば、前記テザー部分及び前記アンカー部分のピックカウントは変化する。
【0012】
例1に加えて別の例(「例9」)によれば、前記テザー部分のあるセクションは第一のピックカウントを特徴とし、前記テザー部分の別のセクションは前記第一のピックカウントより大きな第二のピックカウントを特徴とする。
【0013】
例1に加えて別の例(「例10」)によれば、前記テザー付きアンカーは、組織の内部成長を促進するように構成された編組パターンを特徴する前記アンカー部分の少なくとも一部をさらに含む。
【0014】
例1に加えて別の例(「例11」)によれば、前記アンカー部分は、複数の個々の編組フィラメントを含み、前記アンカー部分は、前記個々の編組フィラメントを一緒に結合するように熱処理される。
【0015】
例1に加えて別の例(「例12」)によれば、前記テザー付きアンカーは、前記テザー部分に結合され、前記テザー部分が前記アンカー部分を通過するのを防ぐように構成された停止構成要素を含む。
【0016】
例1に加えて別の例(「例13」)によれば、前記テザー部分及び前記アンカー部分の少なくとも1つは、その中にエラストマー軸方向部材を組み込んでいる。
【0017】
別の例(「例14」)によれば、テザー部分及びアンカー部分を連続的に編組する方法によって調製されるテザーアンカーであって、前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分から連続的に延在しており、前記アンカー部分は、前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する。
【0018】
例14に加えて別の例(「例15」)によれば、テザー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される。
【0019】
例14に加えて別の例(「例16」)によれば、前記テザー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される。
【0020】
例14に加えて別の例(「例17」)によれば、前記テザー部分及び前記アンカー部分は、両方とも、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される。
【0021】
例14に加えて別の例(「例18」)によれば、前記テザー部分及び前記アンカー部分は、両方とも、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される。
【0022】
例14に加えて別の例(「例19」)によれば、前記アンカー部分は、複数の交差アパチャを画定するように編組され、さらに、前記テザー部分のある長さは、前記アンカー部分の交差アパチャを通して通過される。
【0023】
例14に加えて別の例(「例20」)によれば、前記テザー部分は第一のピックカウントで編組され、前記アンカー部分は前記第一のピックカウントとは異なる第二のピックカウントで編組される。
【0024】
例14に加えて別の例(「例21」)によれば、前記テザー部分及び前記アンカー部分は変化しているピックカウントで編組される。
【0025】
例14に加えて別の例(「例22」)によれば、前記テザー部分のあるセクションは第一のピックカウントで編組され、前記テザー部分の別のセクションは前記第一のピックカウントより大きな第二のピックカウントで編組される。
【0026】
例14に加えて別の例(「例23」)によれば、前記アンカー部分の少なくとも一部は、組織の内部成長を促進するように構成された編組パターンで編組される。
【0027】
別の例(「例24」)によれば、テザー付きアンカーを形成する方法は、テザー部分及びアンカー部分を連続的に編組することを含み、ここで、前記テザー部分は長尺である。この方法はまた、前記テザー部分を前記アンカー部分から連続的に延在させることを含み、前記アンカー部分は、前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する。
【0028】
例24に加えて別の例(「例25」)によれば、前記テザー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される。
【0029】
例24に加えて別の例(「例26」)によれば、前記テザー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される。
【0030】
例24に加えて別の例(「例27」)によれば、前記テザー部分及び前記アンカー部分は、両方とも、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される。
【0031】
例24に加えて別の例(「例28」)によれば、前記テザー部分及び前記アンカー部分は、両方とも、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される。
【0032】
例24に加えて別の例(「例29」)によれば、前記アンカー部分は、複数の交差アパチャを画定するように編組され、さらに、前記テザー部分のある長さは、前記アンカー部分の交差アパチャを通して通過される。
【0033】
例24に加えて別の例(「例30」)によれば、前記テザー部分は第一のピックカウントで編組され、前記アンカー部分は前記第一のピックカウントとは異なる第二のピックカウントで編組される。
【0034】
例24に加えて別の例(「例31」)によれば、前記テザー部分及び前記アンカー部分は、変化しているピックカウントで編組される。
【0035】
例24に加えて別の例(「例32」)によれば、前記テザー部分のあるセクションは、第一のピックカウントで編組され、前記テザー部分の別のセクションは、前記第一のピックカウントより大きな第二のピックカウントで編組される。
【0036】
例24に加えて別の例(「例33」)によれば、前記アンカー部分の少なくとも一部は、組織の内部成長を促進するように構成された編組パターンで編組される。
【0037】
1つの例(「例34」)によれば、心臓弁機能不全を治療する方法は、テザー付きアンカーを患者内の標的位置に配置することを含み、前記テザー付きアンカーは、互いに連続的に編組されたテザー部分及びアンカー部分を含み、前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分から連続的に延在し、前記アンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する。
【0038】
例34の方法に加えて別の例(「例35」)によれば、前記テザー付きアンカーは、腱索修復もしくは交換のため、又は欠陥弁の治療のために構成される。
【0039】
1つの例(「例36」)によれば、テザー付きアンカーは、互いに連続的に編組されたテザー部分及び少なくとも1つのアンカー部分、ここで、前記テザー部分は長尺であり、前記少なくとも1つのアンカー部分から連続的に延在しており、前記少なくとも1つのアンカー部分は、前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、及び、前記少なくとも1つのアンカー部分に結合された少なくとも1つの外科用針を含む。
【0040】
例36のテザー付きアンカーに加えて別の例(「例37」)によれば、前記少なくとも1つのアンカー部分は、前記テザー部分の端部に配置された第一のアンカー部分、及び、前記テザー部分の別の端部に配置された第二のアンカー部分を含む。
【0041】
例37のテザー付きアンカーに加えて別の例(「例38」)によれば、前記少なくとも1つの外科用針は、前記第一のアンカー部分に結合された第一の外科用針及び前記第二のアンカー部分に結合された第二の外科用針を含む。
【0042】
1つの例(「例39」)によれば、テザー付きアンカーは、互いに連続的に編組されたテザー部分及び少なくとも1つのアンカー部分、ここで、前記テザー部分は長尺であり、前記少なくとも1つのアンカー部分から連続的に延在しており、前記少なくとも1つのアンカー部分は、前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、及び、前記少なくとも1つのアンカー部分に結合された少なくとも1つの組織アンカーを含む。
【0043】
例39のテザー付きアンカーに加えて別の例(「例40」)によれば、前記少なくとも1つのアンカー部分は、前記テザー部分の端部に配置された第一のアンカー部分及び前記テザー部分の別の端部に配置された第二のアンカー部分を含む。
【0044】
例39のテザー付きアンカーに加えて別の例(「例41」)によれば、前記少なくとも1つの組織アンカーは、前記第一のアンカー部分に結合された第一の組織アンカー及び前記第二のアンカー部分に結合された第二の組織アンカーを含む。
【0045】
上述の例はまさに実施例であり、本開示によって他の方法で提供される本発明の概念のいずれの範囲をも制限又は他の方法で狭めるように読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示して記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0047】
【
図1】
図1は、幾つかの実施形態による、編組綿撒糸アンカー及び縫合糸を示す。
【0048】
【
図2】
図2は、
図1の編組綿撒糸アンカー及び縫合糸を部分的に作動した構成で示している。
【0049】
【
図3】
図3は、
図1及び2の編組綿撒糸アンカー及び縫合糸を完全に作動した構成で示している。
【0050】
【
図4】
図4は、編組の詳細を示すために、1つの実施形態による編組綿撒糸アンカー及び縫合糸の一部を示す。
【0051】
【
図5】
図5は、幾つかの実施形態による、編組綿撒糸アンカー及び縫合糸を示す。
【0052】
【
図6】
図6は、幾つかの実施形態による、編組綿撒糸アンカー及び縫合糸を示す。
【0053】
【
図7】
図7は、幾つかの実施形態による、編組綿撒糸アンカー及び縫合糸を示す。
【0054】
【
図8】
図8は、幾つかの実施形態による、編組綿撒糸アンカー及び縫合糸を示す。
【0055】
【
図9】
図9は、幾つかの実施形態による、外科用針を有するテザー付きアンカーのアンカー部分を示す。
【0056】
【
図10】
図10は、幾つかの実施形態による、腱索修復手順で使用されるテザー付きアンカー及び外科用針を示す。
【0057】
【
図11】
図11は、幾つかの実施形態による、テザー付きアンカーの端部及び各端部に配置された外科用針を示す。
【0058】
【
図12】
図12は、幾つかの実施形態による、テザー付きアンカーの端部及び前記端部に配置された組織アンカーを示す。
【0059】
【
図13】
図13は、幾つかの実施形態による、テザー付きアンカーの端部及び前記端部に配置された組織アンカーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的な方法で読まれることが意図されていない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の用語がそのような用語に帰する意味の文脈で広く読まれるべきである。
【0061】
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。別の言い方をすれば、意図された機能を発揮するために、他の方法及び装置を本明細書に組み込むことができる。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張されていることがあり、その点で、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【0062】
不正確さの用語に関して、「約」及び「ほぼ」という用語は、交換可能に、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値を含む、測定値を指すために使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に少量だけ逸脱している。このような逸脱は、例えば、測定誤差又は性能を最適化するために行われた小さな調整に起因する可能性がある。
【0063】
本明細書で使用されるときに、「結合する(couple)」とは、直接的又は間接的であるかどうか、及び恒久的又は一時的であるかどうかにかかわらず、連結、接続、取り付け、接着、貼り付け又はボンド結合することを意味する。
【0064】
「ピックカウント」という用語は、本明細書で使用されるときに、編組構造のインチあたり又はセンチメートルあたりなどの単位長さあたりのストランド横断の数を指す。ピックカウントの数が多いほど、編組構造は細かくなる。
【0065】
「編組角度」という用語は、本明細書で使用されるときに、編組の軸から編組を形成する材料の軸まで測定され、それによって編組を形成する材料の配向を規定する鋭角を指す。
【0066】
「アスペクト比」という用語は、本明細書で使用されるときに、横断面の高さに対する横断面の幅の比を指す。
【0067】
様々な実施形態の説明
開示された様々な概念は、シームレスに相互接続されたアンカー部分及びテザー部分を含む、連続的又は一体型のインプラント可能なアンカーに関する。幾つかの例は、編組アンカー部分及びテザー部分に関連し、ここで、アンカー部分及び/又はテザー部分は、予定される使用に従って向上された物理的特性を示すために編組パターン(例えば、ピックカウント)が変化する1つ以上のセクションを有する。
【0068】
以下でさらに詳細に記載されるように、本明細書で論じられるインプラント可能なアンカーは、様々な医療処置で使用することができる。例えば、特定の例において、インプラント可能なアンカーは腱索修復に使用できる。さらに、インプラント可能なアンカーは、欠陥のある弁(例えば、僧帽弁、三尖弁)を治療するために使用することができる。インプラント可能なアンカーは、逆流を経験している弁の閉鎖を確実にするために、心臓又は弁輪の周囲に巻き付けられることができる。さらに、インプラント可能なアンカーは、心臓の弁輪形成術の手順、又は、心室又は心房中隔壁欠損などの心臓の壁に形成された開口部又はアパチャを閉鎖する際に使用することができる。
【0069】
図1は、テザー部分102又は縫合糸、及び、アンカー部分104又は綿撒糸を備えたテザー付きアンカー100を示し、テザー部分102及びアンカー部分104は、シームレスな一体の構成で1つ以上のフィラメントを使用して互いに連続的に編組されている。様々な例において、テザー付きアンカー100は、1つ以上のフィラメントを一緒にテザー部分102及びアンカー部分104に連続的に編組することによって(例えば、一端から他端まで)形成され、ここで、アンカー部分104は、テザー部分102の幅よりも広い幅を有する。幾つかの例において、編組パターンは、テザー部分102における管状編組パターンからアンカー部分104における平坦な編組パターンに遷移する。幾つかの例において、テザー部分102及び/又はアンカー部分104は、軸方向部材(図示せず)をその中に組み込み、軸方向部材はテザー部分102及び/又はアンカー部分104に弾性特性を提供するように、エラストマー材料から作られた軸方向ストランドであることができる。
【0070】
様々な実施形態において、テザー部分102は長尺であり、アンカー部分104から連続的に延在し、同一のフィラメントがテザー部分102を形成し、また、アンカー部分104も形成する。テザー部分102は、場合により、端部106(例えば、自由端)を画定し、又は、アンカー部分104の反対側の端部106を画定し、それらの間の長さを画定する。テザー部分102は、1cm、10cm、100cm、200cm、上述の例のいずれかの間の任意の値又は範囲、又は200cmを超えるなど、様々な長さのいずれかを有することができる。テザー部分102は、0.1mm、0.3mm、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、上述の例のいずれかの間の任意の値又は範囲、又は2mmを超えるなど、様々な直径のいずれかを規定することができる。テザー部分102は、場合により、円形又は管状の横断面を有する。幾つかの例において、テザー部分102は、横断面又は横断方向外側プロファイルを含み、これは、例えば、様々な値が考えられるが、約1(すなわち、1:1)、又は0.5~2のアスペクト比を規定する。幾つかの例において、テザー付きアンカー100のある部分は、アンカー部分104及び/又はテザー部分102を形成する個々のフィラメントが互いに結合するように熱処理されうる。他の例において、接着剤を使用して、テザー付きアンカー100の部分を一緒に結合することができる。所望の長さ、直径及び/又は断面は、テザー付きアンカー100の使用(例えば、腱索修復、弁処置又は弁輪形成術、心室又は心房中隔壁欠損などの心臓の壁に形成された開口部又はアパチャを閉じる)に基づいて選択されうる。
【0071】
アンカー部分104は、場合により、平坦でタブ状であり、平面図から見てほぼ矩形のプロファイルを有する。アンカー部分104は、例えば、約5(すなわち、5:1)以上、10以上、15以上又は20以上などの比較的高いアスペクト比を規定することができる。したがって、幾つかの例において、テザー部分102は、場合により、円形の横断面又は横断方向外側プロファイル及び1に近いアスペクト比を規定し、一方、アンカー部分104は、平坦な横断面、又は横断方向外側プロファイル及びテザー部分102よりも比較的に高いアスペクト比を規定する。アンカー部分104は、場合により、1つ以上の交差アパチャ108、110、112、114、116、例えば、複数の交差アパチャ108、110、112、114、116を有し、テザー部分102は、
図2に示されるように、交互のジグザグ又はひも締めパターンでそれらを通して通過することができる。交差アパチャ108、110、112、114、116は、アンカー部分104を形成するために使用される編組パターンの隣接するフィラメント間のギャップ又は空間によって形成されることができ、及び/又は、さもなければアンカー部分104を通して形成されることができる。
【0072】
1つの例において、1つ以上の交差アパチャ108、110、112、114、116は、テザー部分102が前記交差アパチャ107を通して案内される必要があるだけであるように、製造中(例えば、編組中)にアンカー部分104に予備形成されて、端部106に張力をかけてアンカー部分104を崩潰させて、アンカー部分104をデリバリー構成からアンカー構成に移行させることができる配置を作成する。幾つかの例において、アンカー部分104は、予備形成された交差アパチャ又は開口部なしで形成され、交差アパチャは、アンカー部分104の表面を穿刺することにより、アンカー部分104が形成された(例えば、編組された)後に形成され、テザー部分102が通過することができる開口部を提供する。
【0073】
製造の一部として、又は、インプラント前又はインプラント中に、針又は他の器具を利用して、交差アパチャ108、110、112、114、116を通して端部106をデリバリーし、及び/又は交差アパチャ108、110、112、114、116を形成することができる。交差アパチャ108、110、112、114、116のサイズは、テザー部分102の厚さと同じであっても、それよりも小さくても、又はそれよりも大きくてもよい。幾つかの例において、交差アパチャ108、110、112、114、116は、テザー部分102の厚さよりも小さいが、アンカー部分104の材料は、テザー部分102又はアンカー部分104のいずれにも損傷を引き起こすことなくテザー部分102が交差アパチャを通過できるように、拡張可能又は弾性である。交差アパチャ108、110、112、114、116は等間隔に離間されているか、又は変化している間隔を有することができる。1つの例において、交差アパチャは比較的直線に沿って配置されるが、交差アパチャ108、110、112、114、116は互い違いに配置されるか、又は別のやり方で配置されることができる。そして、
図2は5つの交差アパチャを示しているが、任意の適切な数の交差アパチャを使用することができることが理解される。
【0074】
幾つかの例において、テザー部分は、端部106から延在している近位セクション101、アンカー部分104に隣接する遠位セクション105、及び、近位セクション101と遠位セクション105との間の中間セクション103を画定する。近位セクション101、中間セクション103及び遠位セクション105は、テザー部分102の長さの様々な百分率のいずれかを構成することができ、例えば、1/3-1/3-1/3、80%-10%-10%、又は、様々な組み合わせのいずれかである。幾つかの例において、セクション101、103、105のそれぞれは、テザー部分102の長さの少なくとも5%を構成する。幾つかの例において、テザー部分102を形成するために使用される編組パターンは、テザー部分102の長さに沿って変化する。例えば、近位セクション101は第一のピックカウントを有することができ、中間セクション103は第二のピックカウントを有することができ、遠位セクション105は第一のピックカウント及び第二のピックカウントのそれぞれとは異なる、又は、第一のピックカウント及び第二のピックカウントの一方と同じである第三のピックカウントを有することができる。
【0075】
幾つかの実施形態において、テザー部分102の少なくとも一部(例えば、近位セクション101、中間セクション103及び/又は遠位セクション105)は、アンカー部分104の少なくとも一部のピックカウントよりも大きいピックカウントを特徴とする。そして、テザー部分102と同様に、アンカー部分104は、場合により、その長さに沿って編組パターンが変化する(例えば、連続的に、段階的に又はそれらの組み合わせで)。所望ならば、テザー部分102の少なくとも一部のピックカウントは、アンカー部分104の少なくとも一部のピックカウントよりも少ない。さらに別の例において、ピックカウントは、テザー部分102及びアンカー部分104の全体にわたって同じである。さらに別の例において、ピックカウントは、テザー部分102及び/又はアンカー部分104で変化する。
【0076】
1つの例において、アンカー部分104(又はテザー部分102)の少なくとも一部は、体内に配置されたときに組織の内部成長を促進するように構成された編組パターンを特徴とする。関連する例において、全体のアンカー部分104(又はテザー部分102)は、組織の内部成長を促進するように構成された編組パターンを特徴とする。幾つかの例示的な編組パターンは、組織の内部成長を促進するために直径が少なくとも75μmの細孔を画定する間質距離を特徴とする。さらに、アンカー部分104又はテザー部分102の少なくとも一部は、体内に配置されたときに組織の内部成長を促進しなくてもよい。
【0077】
図2は、端部106がアンカー部分104の交差アパチャのそれぞれを通して挿入され、アンカー部分104が曲げられるか又は折り畳まれて複数のプリーツ200を形成する、テザー付きアンカー100の中間構成を示す。幾つかの例において、示されるように、形成されるプリーツ200の数は、アンカー部分104にある交差アパチャの数と同じである。この構成は、アンカー部分104が第一の交差アパチャ108と第二の交差アパチャ110との間に折り畳まれるように、端部106を第一の交差アパチャ108に通過させ、端部106を第二の交差アパチャ110を通過させるときに得られる。
図2に示されるように、これらの工程を、端部106が全ての交差アパチャを通過するまで繰り返し、アンカー部分104に複数のプリーツ200、例えば、第一のプリーツ202、第二のプリーツ204、第三のプリーツ206、第四のプリーツ208及び第五のプリーツ210を形成する。プリーツ200は側面から見たときにジグザグ又はアコーディオンの形に似ている。この配置は、アンカー部分104が最初に長尺の、より直線的なプロファイルをとることを可能にし、次にテザー部分102に張力をかけると、アンカー部分104は、長手方向軸に対して拡大された横断方向プロファイルに折りたたまれる。このようにして、アンカー部分104は、最初に、より低いプロファイル又はデリバリー構成で展開され(例えば、組織構造を通して挿入されることによって)、その後、拡大プロファイル又はアンカー構成に張力がかけられる。
【0078】
図3は、端部106がアンカー部分104から引き離された後の拡大プロファイル又はアンカー構成の最終製品を示す。示されるように、プリーツ200は、テザー部分102に張力をかけた後に、互いに崩潰されて、
図1に示される元の形態のアンカー部分104の厚さよりも厚いアンカー300を形成する。アンカー部分104は、
図3に示されるように、崩潰構成で崩潰されている。
【0079】
図4は、テザー部分102の遠位セクション105及びアンカー部分104の近位セクション400の拡大図を示す。ここで、遠位セクション105及び近位セクション400は組み合わされてテザー部分102とアンカー部分104との間の遷移領域402を画定する。拡大図は、テザー部分102及びアンカー部分104の形状及び構造に応じて変化する遷移領域402での連続的な編組を示している。テザー付きアンカー100の組織の内部成長の能力などの物理的特性は編組パターンを変えることで調整されうる。例えば、断面形状、ピックカウント及び編組の角度は、性能を変更するために調整することができる幾つかの特性であり、テザー部分102及びアンカー部分104の使用(例えば、腱索修復、弁処置又は弁輪形成術、心室又は心房中隔壁欠損など、心臓の壁に形成された開口部又はアパチャの閉止)に関連しうる。
【0080】
構成要素又はそのセクションに関係なく、編組角度を下げることは、伸長に対する抵抗を増加させることができ、編組角度を増加させることは、曲げ抵抗を減少させることができ、テザー部分102及びアンカー部分104の使用(例えば、腱索修復、弁処置又は弁輪形成術、心室又は心房中隔壁欠損など、心臓の壁に形成された開口部又はアパチャの閉止)に関連しうる。
【0081】
テザー部分102及びアンカー部分104は、5°、10°、20°、30°、45°、60°、上述の例のいずれかの間の任意の値又は範囲、又は60°を超えるなど、様々な編組角度を有することができる。次に、ピックカウントを増やすと、耐摩耗性を高めることを支援できる。テザー部分102及びアンカー部分104は、インチ当たり50ピック(ppi)、100ppi、150ppi、200ppi、300ppi、上述の例のいずれかの間の任意の値又は範囲、又は300ppiを超えるなど、様々なピックカウントを有することができる。幾つかの例において、丸みを帯びた断面がテザー部分102に好ましく、それにより、テザー部分102が取り付けられている構成要素(例えば、メディカルデバイス)に対してテザー部分102を配向する必要性を回避し、そのようなデバイスとの同時摩耗を低減する。
【0082】
幾つかの例において、遷移領域400は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを有するアスペクト比から平坦な横断方向プロファイルを有する異なるアスペクト比に遷移又は拡大するように構成されている。この例の1つの態様において、直径が0.015インチ(0.381mm)の丸い繊維は、幅が0.050インチ(1.27mm)のビーバーテール形状に遷移する。別の態様において、ビーバーテール形状は、0.100インチ(2.54mm)の幅を有する。ビーバーテール形状の幅は、テザー部分102の軸方向に対して垂直方向に測定されたアンカー部分104の2つの端部間の距離であることを理解されたい。ビーバーテール形状は、1mm、1.5mm、2mm、3mm、5mm、上述の例のいずれかの間の任意の値又は範囲、又は5mmを超える幅など、様々な任意の幅を有することができる。1つの例において、
図5は、例えば、1:1に近いアスペクト比を有し、それにより、丸みを帯びた横断方向プロファイルを有するテザー部分102を備え、アンカー部分502もまた、同じ又は同様のアスペクト比を有するテザー付きアンカー500を示している。別の例において、
図6は、例えば、10:1より大きいアスペクト比を有し、それにより、平坦な横断方向プロファイルを有するテザー部分602を備え、アンカー部分104もまた平坦な横断方向プロファイルを有するテザー付きアンカー600を示している。さらに別の例において、
図7は、平坦な横断方向プロファイルを有するテザー部分602及び円形の横断方向プロファイルを有するアンカー部分502を備えたテザー付きアンカー700を示している。テザー部分及び/又はアンカー部分がその様々なセクションに円形及び平坦な横断方向プロファイルの両方を有するなど、他の組み合わせも考えられる。丸みを帯びた横断方向プロファイルの場合は、例えば1:2~2:1、平坦な横断方向プロファイルの場合は、例えば15:1、20:1又は25:1を超えるなど、他のアスペクト比を使用することができる。
【0083】
図8は、複数のアンカー部分802を含む別の実施形態によるテザー付きアンカー800を示している。
図8は、4つのアンカー部分804、806、808及び810を示しているが、任意の適切な数のアンカー部分を実装することができる。隣接するアンカー部分802の各対は、アンカー部分804及び806が接続部材805に接続され、アンカー部分806及び808が接続部材807に接続され、アンカー部分808及び810が接続部材809に接続されるようにして、接続部材に接続される。接続部材の数は、アンカー部分802の数より1つ少ない。上述の実施形態と同様に、アンカー部分802は、互いに折り畳まれて、
図3のアンカー300と同様のアンカーを形成する。
【0084】
図9は、針900を有するテザー付きアンカー100のアンカー部分104の1つの実施形態を示している。この実施形態において、端部106は、針900がテザー付きアンカー100の一部として端部106に実装されるように、アンカー部分104の端部106にねじ込まれた針900を含む。特定の例において、針900は端部106に結合され、取り付けられ又は接着される。テザー部分102は、上で詳細に記載したように、アンカー部分104の対向する端部106に取り付けられ又は結合されうる。
図11に示されるように、複数の針900は、テザー付きアンカーに結合されうる。幾つかの例において、針900は、皮膚の閉鎖、最小限の外傷での軟組織の縫合又は他の顕微手術手順に使用することができる。針900は、組織を貫通する尖ったエッジを有することができ、幾つかの例において、顕微手術手順中に開いた組織を切断することができる切断ブレードエッジを含むこともできる。針900は、幾つかの例によれば、一般的にC字形、J字形又はS字形の構成を有することができる。さらに、針900は、任意の適切な形状(幾つかの例において、直線、湾曲、フック付き、曲げ、ねじれなど)、サイズ(幾つかの例において、長さが3mmより短い、3mm~5mm、5mm~7mm、又は、7mmより長い)、及び外科的処置に適切な材料(幾つかの例において、ニチノール、ステンレス鋼又は他の種類の金属)であることができる。
【0085】
さらに、編組に使用される繊維材料の直径は調整可能である。1つの例において、繊維材料は、小さな粒子サイズ(例えば、1ミクロン未満)のタングステン粉末などの放射線不透過性充填剤を含む超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)であることができる。別の例において、繊維材料は、ナイロン、ポリウレタン、ポリエチレン又はシリコーンであることができる。別の例において、繊維材料は、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)又は延伸ETFEから作ることができる。幾つかの実施形態において、繊維材料は、他のフルオロポリマーから作ることができる。幾つかの実施形態において、繊維材料は、生体再吸収性又は生体吸収性ポリマーであることができる。
【0086】
特定の例において、本明細書に記載のとおりのテザー付きアンカー100は、
図10に示されるように、腱索修復又は交換に使用することができる。これらのこのような例において、心臓の頂端領域は、カテーテルベースのデバイスで経皮的にアクセスされる。心臓弁は、少なくとも1つの腱索を交換することによって修復される。置換された腱索は、テザー付きアンカー100(テザー部分102及びアンカー部分104を含む)を含むことができ、これは、心臓組織の2つの部分を接続するテザー部分102のために組織コネクタとも呼ばれることができる。他の例において、テザー部分102は、心臓の周囲に巻き付けられてよく、又は、弁輪は、弁尖又は組織内に配置されてよい。特定の例において、テザー付きアンカー100は、心臓をわずかに圧縮して、弁の弁尖が完全に閉じることを確実にすることができる。
【0087】
図10は、心臓弁の修復の1つの例を示している。健康な弁において、腱索1006は、各弁尖1004を乳頭筋1002に接続する。しかしながら、腱索が裂けるか又は破裂するときに、テザー付きアンカー100は1つ以上の弁尖1000に取り付けられることができ、その腱索は裂ける又は乳頭筋1002に対して弁尖1000の遠位面に向けてアンカー部分104を配置又は配備することによって損傷する。アンカー部分104は、
図2に示すようにテザー部分102の張力がかかると、それ自体の上に曲げられるか又は折り畳まれて、複数のプリーツ200を形成する。テザー部分102は、ジグザグパターンで交差アパチャ107のそれぞれを通過することができ、その後、テザー部分102は張力をかけられ、
図3及び10に示されるように、プリーツ200を完全に崩潰してアンカー300を形成し、アンカー300は崩潰構成に崩潰される。テザー部分102の端部106は、続いて乳頭筋1002に取り付けられるので、乳頭筋の動きは弁尖の動きを誘発し、
図11に示されるように、この又は他の用途で使用されるテザー付きアンカー100がテザー付きアンカー100の両端に縫合針、又は、
図12~13に示されるように、テザー付きアンカー100の一端又は両端に組織アンカーを含むことができる。
【0088】
図11は、幾つかの実施形態による、テザー付きアンカー100の端部及び各端部に配置された針900を示す。示されるように、テザー付きアンカー100の端部106のそれぞれは、テザー付きアンカー100のアンカー部分104の端部106にねじ込まれた針900を含む。テザー部分102は、上で詳細に記載したように、アンカー部分104の対向する端部108に取り付けられ又は結合されることができる。二重針テザー付きアンカー100は、皮膚閉鎖、最小限の外傷を伴う軟組織の縫合又は他の顕微手術手順、心臓弁修復又は他の同様の手順などの多くの手順で使用することができる。特定の例において、針の一方又は両方は、
図12~13を参照して示され、記載されるように、組織アンカーで置き換えることができる。
【0089】
図12は、幾つかの実施形態による、テザー付きアンカー100の端部及び端部に配置された組織アンカー1210を示している。示されるように、組織アンカー1210は、テザー付きアンカー100の端部106に結合される。組織アンカー1210が、テザー付きアンカー100の一部として端部106に実装されるように、組織アンカー1210は、アンカー部分104の端部106にねじ込まれることができる。特定の例において、組織アンカー1210は、端部106に結合され、取り付けられ又は接着されている。テザー部分102は、上記で詳細に記載したように、アンカー部分104の対向する端部111に取り付けられ又は結合されうる。
図11に示されるように、組織アンカー1210は、テザー付きアンカー100の両端に結合されうる。
【0090】
図12に示されるように、組織アンカー1210はらせん形状を含む。示されているように、組織アンカー1210は1つ以上のコイルを有することができる。組織アンカー1210の巻数又はコイルの数は、組織アンカー1210が弁尖又は組織内に配置されうる深さを長くし又は短かくするために変えることができる。組織アンカー1210は、
図11を参照して上で詳細に論じたように、テザー102の一端又は両端に結合されうる。さらに、1つより多くの組織アンカー1210を、テザー付きアンカー100の一端又は両端に、又は、テザー付きアンカー100に沿って配置することができる。
【0091】
図13は、幾つかの実施形態による、テザー付きアンカー100の端部及び端部に配置された組織アンカー1320を示している。示されるように、組織アンカー1320は、テザー付きアンカー100の端部106に結合される。組織アンカー1320は、組織アンカー1320がテザー付きアンカー100の一部として端部106に実装されるように、アンカー部分104の端部106にねじ込まれることができる。特定の例において、組織アンカー1320は、端部106に結合され、取り付けられ又は接着されている。テザー部分102は、上記で詳細に記載したように、アンカー部分104の対向する端部111に取り付けられ又は結合されることができる。
図11に示されるように、組織アンカー1320は、テザー付きアンカー100の両端に結合されうる。さらに、1つより多くの組織アンカー1320を、テザー付きアンカー100の一端又は両端に、又はテザー付きアンカー100に沿って配置されることができる。
【0092】
図13に示されるように、組織アンカー1320は、組織内に埋め込まれるように構成された複数の棘を含む。組織アンカー1320は、組織内での固定を容易にするために、3つ、4つ、5つ、6つ又は任意の追加の数の棘を含むことができる。組織アンカー1320は、
図11を参照して上で詳細に論じられるように、テザー102の一端又は両端に結合されうる。
【0093】
テザー付きアンカーの適用の別の例は、例えば、心臓の弁輪形成術におけるものであり、心臓の弁の周りのリング(弁輪)が広がり、その通常の形状から変化する。テザー付きアンカー100は、弁の弁輪を締めるか又は補強するように配置されうる。これにより、拡大した弁からの血液の漏れを防ぐことができる。本明細書に記載のとおりのテザー付きアンカーは、弁輪形成デバイスが弁輪に固定されたままであり、弁の通常の機能の回復を支援し続けるように使用することができる。
【0094】
テザー付きアンカー100の別の使用例は、心室又は心房中隔壁欠損など、心臓の壁に形成された開口部又はアパチャを閉じることである。テザー付きアンカー100は、心臓を通る血液の流れが、心臓内から掛かる一定の圧力のために、長期の使用により壁からアンカーを脱離しないように、心臓壁の内側で心臓内から開口部を閉じるのを支援するように使用されうる。
【0095】
以下の表1は、1つの実施形態による、テザー部分102、遷移領域402及びアンカー部分104の様々なセクションの繊維直径、編組角度及びピックカウントの例を示している。
【表1】
表1:テザー付きアンカーの様々なセクションの繊維直径、編組角度及びピックカウント
【0096】
幾つかの例において、ピックカウントは、テザー部分102の異なるセクション101、103、105の間で変化する。例えば、遠位セクション105は、近位セクション101よりも高いピックカウントを有することができる。幾つかの例において、ピックカウントは、テザー部分102とアンカー部分104との間で変化する。例えば、アンカー部分104は、テザー部分102よりも高いピックカウントを有することができる。幾つかの例において、アンカー部分104は、長期間、脱離することなく心臓内に留まらなければならないので、アンカー部分104をより耐摩耗性にすることが有益であることができる。したがって、アンカー部分104のより高いピックカウントは、幾つかの例において有利であることができる。
【0097】
幾つかの例において、ピックカウントは、テザー部分102及びアンカー部分104の少なくとも1つで同じままである。幾つかの例において、遷移領域402及びアンカー部分104は、テザー部分102よりも大きい編組角度を有する。一般に、より大きな編組角度は、曲げに対する抵抗を減少させるので、遷移領域402、及び、テザー部分102よりもより多くの折り畳み及び曲げを受けるアンカー部分104は、より大きな編組角度から利益を得ることができる。
【0098】
様々な例によれば、固定テザーの材料は、フルオロポリマー(限定するわけではないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び/又は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む)、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、PVDF、シルク又は他の同様の材料を含むことができる。幾つかの例において、固定テザーは、本明細書に開示されるように、複合材料を形成するように、フルオロエラストマーなどのエラストマー又はエラストマー性材料と組み合わされたePTFEなどの膜を含む。固定テザーに関して様々な例が論じられているが、本明細書で論じられる様々な例及び実施形態は、本明細書で論じられる固定テザーのそれぞれ及び/又は固定テザーの様々な構成要素に普遍的に適用されうることが理解されよう。
【0099】
幾つかの例において、エコー源性は、アンカーが医療用超音波検査などの医療画像化中に正確にキャプチャされうるように、テザー付きアンカーを実装するときに考慮されるべき要素である。例えば、材料に高エコー空気が実装されている場合に、材料はよりエコー源性が高く、材料が疎水性の水不混和性マトリックスを含む場合に、材料はそのような高エコー空気をよりキャプチャすることができる。1つの例において、テザー付きアンカーは疎水性材料から作られており、及び/又は、高エコー空気が環境に逃げるのを防ぐために、疎水剤の層が吸収又はコーティングされている。別の例において、テザー付きアンカーは、小さな粒子サイズ(例えば、1ミクロン未満)のタングステン粉末などの放射線不透過性フィラーを有し、それにより、放射線不透過性フィラーはテザー付きアンカーの機能を妨害しないが、テザー付きアンカーは蛍光透視又はX線下で見ることができる。
【0100】
様々な特徴は、幾つかの例に関連して具体的に説明されており、他の例に関連して説明されていない。しかしながら、例の間の特徴の組み合わせを排除することは意図されない。代わりに、そのような組み合わせが具体的に考えられ、本開示の一部を形成する。本開示の発明の概念は、一般的に、そして特定の実施形態に関しての両方で記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0100】
様々な特徴は、幾つかの例に関連して具体的に説明されており、他の例に関連して説明されていない。しかしながら、例の間の特徴の組み合わせを排除することは意図されない。代わりに、そのような組み合わせが具体的に考えられ、本開示の一部を形成する。本開示の発明の概念は、一般的に、そして特定の実施形態に関しての両方で記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内に入るかぎり、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
互いに連続的に編組されているテザー部分及びアンカー部分を含む、テザー付きアンカーであって、
前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分から連続的に延在しており、そして、
前記アンカー部分が崩潰されたときに、前記アンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、テザー付きアンカー。
(態様2)
前記テザー部分は丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定し、前記アンカー部分は平坦な横断方向プロファイルを画定する、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様3)
前記テザー部分は平坦な横断方向プロファイルを画定し、前記アンカー部分は丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定する、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様4)
前記テザー部分及び前記アンカー部分は両方とも丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定する、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様5)
前記テザー部分及び前記アンカー部分は両方とも平坦な横断方向プロファイルを画定する、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様6)
前記アンカー部分は、複数の交差アパチャを画定し、さらに、前記テザー部分のある長さは前記アンカー部分の交差アパチャを通して通過される、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様7)
前記テザー部分は第一のピックカウントを特徴とし、前記アンカー部分は前記第一のピックカウントとは異なる第二のピックカウントを特徴とする、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様8)
前記テザー部分及び前記アンカー部分のピックカウントは変化する、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様9)
前記テザー部分のあるセクションは第一のピックカウントを特徴とし、前記テザー部分の別のセクションは前記第一のピックカウントより大きな第二のピックカウントを特徴とする、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様10)
前記アンカー部分の少なくとも一部は組織の内部成長を促進するように構成された編組パターンを特徴とする、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様11)
前記アンカー部分は、複数の個々の編組フィラメントを含み、前記アンカー部分は、前記個々の編組フィラメントを一緒に結合するように熱処理される、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様12)
前記テザー部分に結合され、前記テザー部分が前記アンカー部分を通過するのを防ぐように構成された停止構成要素をさらに含む、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様13)
前記テザー部分及び前記アンカー部分の少なくとも1つは、その中にエラストマー軸方向部材を組み込んでいる、態様1記載のテザー付きアンカー。
(態様14)
テザー部分及びアンカー部分を連続的に編組することを含む方法によって調製されるテザー付きアンカーであって、前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分から連続的に延在しており、前記アンカー部分は、前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、テザー付きアンカー。
(態様15)
前記テザー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される、態様14記載のテザー付きアンカー。
(態様16)
前記テザー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される、態様14記載のテザー付きアンカー。
(態様17)
前記テザー部分及び前記アンカー部分は、両方とも、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される、態様14記載のテザー付きアンカー。
(態様18)
前記テザー部分及び前記アンカー部分は、両方とも、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される、態様14記載のテザー付きアンカー。
(態様19)
前記アンカー部分は、複数の交差アパチャを画定するように編組され、さらに、前記テザー部分のある長さは、前記アンカー部分の交差アパチャを通して通過される、態様14記載のテザー付きアンカー。
(態様20)
前記テザー部分は第一のピックカウントで編組され、前記アンカー部分は前記第一のピックカウントとは異なる第二のピックカウントで編組される、態様14記載のテザー付きアンカー。
(態様21)
前記テザー部分及び前記アンカー部分は変化しているピックカウントで編組される、態様14記載のテザー付きアンカー。
(態様22)
前記テザー部分のあるセクションは第一のピックカウントで編組され、前記テザー部分の別のセクションは前記第一のピックカウントより大きな第二のピックカウントで編組される、態様14記載のテザー付きアンカー。
(態様23)
前記アンカー部分の少なくとも一部は、組織の内部成長を促進するように構成された編組パターンで編組される、態様14記載のテザー付きアンカー。
(態様24)
テザー部分及びアンカー部分を連続的に編組すること、及び、
前記テザー部分を前記アンカー部分から連続的に延在させること、
を含み、
前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、テザー付きアンカーを形成する方法。
(態様25)
前記テザー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される、態様24記載の方法。
(態様26)
前記テザー部分は、平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組され、前記アンカー部分は、丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される、態様24記載の方法。
(態様27)
前記テザー部分及び前記アンカー部分は両方とも丸みを帯びた横断方向プロファイルを画定するように編組される、態様24記載の方法。
(態様28)
前記テザー部分及び前記アンカー部分は両方とも平坦な横断方向プロファイルを画定するように編組される、態様24記載の方法。
(態様29)
前記アンカー部分は、複数の交差アパチャを画定するように編組され、さらに、テザー部分のある長さは、前記アンカー部分の交差アパチャを通して通過される、態様24記載の方法。
(態様30)
前記テザー部分は第一のピックカウントで編組され、前記アンカー部分は前記第一のピックカウントとは異なる第二のピックカウントで編組される、態様24記載の方法。
(態様31)
前記テザー部分及び前記アンカー部分は、変化しているピックカウントで編組される、態様24記載の方法。
(態様32)
前記テザー部分のあるセクションは第一のピックカウントで編組され、前記テザー部分の別のセクションは前記第一のピックカウントより大きな第二のピックカウントで編組される、態様24記載の方法。
(態様33)
前記アンカー部分の少なくとも一部は、組織の内部成長を促進するように構成された編組パターンで編組される、態様24記載の方法。
(態様34)
テザー付きアンカーを患者内の標的位置に配置することを含む、心臓弁機能不全を治療する方法であって、前記テザー付きアンカーは、互いに連続的に編組されたテザー部分及びアンカー部分を含み、前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分から連続的に延在し、前記アンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、方法。
(態様35)
前記テザー付きアンカーは、腱索修復もしくは交換のため、又は欠陥弁の治療のために構成される、態様34記載の方法。
(態様36)
互いに連続的に編組されたテザー部分及び少なくとも1つのアンカー部分、及び、
前記少なくとも1つのアンカー部分に結合された少なくとも1つの外科用針、
を含み、
前記テザー部分は長尺であり、前記少なくとも1つのアンカー部分から連続的に延在しており、前記少なくとも1つのアンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、テザー付きアンカー。
(態様37)
前記少なくとも1つのアンカー部分は、前記テザー部分の端部に配置された第一のアンカー部分、及び、前記テザー部分の別の端部に配置された第二のアンカー部分を含む、態様36記載のテザー付きアンカー。
(態様38)
前記少なくとも1つの外科用針は、前記第一のアンカー部分に結合された第一の外科用針及び前記第二のアンカー部分に結合された第二の外科用針を含む、態様37記載のテザー付きアンカー。
(態様39)
互いに連続的に編組されたテザー部分及び少なくとも1つのアンカー部分、及び、
前記少なくとも1つのアンカー部分に結合された少なくとも1つの組織アンカー、
を含み、
前記テザー部分は長尺であり、前記少なくとも1つのアンカー部分から連続的に延在しており、前記少なくとも1つのアンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、テザー付きアンカー。
(態様40)
前記少なくとも1つのアンカー部分は、前記テザー部分の端部に配置された第一のアンカー部分及び前記テザー部分の別の端部に配置された第二のアンカー部分を含む、態様39記載のテザー付きアンカー。
(態様41)
前記少なくとも1つの組織アンカーは、前記第一のアンカー部分に結合された第一の組織アンカー及び前記第二のアンカー部分に結合された第二の組織アンカーを含む、態様40記載のテザー付きアンカー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連続的に編組されているテザー部分及びアンカー部分を含む、テザー付きアンカーであって、
前記テザー部分は長尺であり、前記アンカー部分から連続的に延在しており、そして、
前記アンカー部分が崩潰されたときに、前記アンカー部分は前記テザー部分の幅よりも広い幅を有する、テザー付きアンカー。
【外国語明細書】