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特開2024-24071植物における真菌病原体の成長の防止または低減のための微生物組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024071
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】植物における真菌病原体の成長の防止または低減のための微生物組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20240214BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20240214BHJP
   A01N 63/22 20200101ALI20240214BHJP
   A01N 63/27 20200101ALI20240214BHJP
【FI】
C12N1/20 E ZNA
A01P3/00
A01N63/22
A01N63/27
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024000625
(22)【出願日】2024-01-05
(62)【分割の表示】P 2020564811の分割
【原出願日】2019-02-12
(31)【優先権主張番号】62/629,525
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520298927
【氏名又は名称】ブースト バイオームズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロバート マクブライド
(72)【発明者】
【氏名】カレン ハント
(72)【発明者】
【氏名】ジェイミー バッカー
(72)【発明者】
【氏名】ベロニカ ガルシア
(57)【要約】
【課題】植物における真菌病原体の成長の防止または低減のための微生物組成物の提供。
【解決手段】本明細書において、植物真菌病原体に対する生物防除組成物、および作物損失または食品の品質低下の防止または低減のための、その使用方法を開示する。生物防除組成物は、抗真菌活性を有する少なくとも1つの微生物、または少なくとも1つの微生物の二次代謝物を含み得る。方法は、生物防除組成物の植物、種子、もしくはその農産物への、または農産物を輸送もしくは貯蔵するために使用されるパッケージング材料への適用を含み得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2018年2月12日に提出された米国仮出願第62/629,525号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
真菌病原体は、有意な農業上の損失を引き起こし、作物損失、食品廃棄、および経済的損失をもたらす。抗真菌特性を有する微生物は、これらの真菌病原体による作物損失および食品の品質低下の両方を低減させるための生物防除剤として開発されている。市販の製品は、所望の植物または真菌特異性または有効性を示すことができない。さらに、農産物、特に有機農産物の収穫後保護のための選択肢は限られている。真菌の成長を防止するための生物防除組成物は、現在利用可能な製品の代替物を提供することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、少なくとも1つの微生物が、配列番号1および配列番号9の群から選択される16S rRNA配列と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有するか、または少なくとも1つの微生物が、配列番号17および配列番号20の群から選択されるITS配列と99%を超えて同一であるITS配列を有するか、または少なくとも1つの微生物が、配列番号18のITS配列と90%を超えて同一であるITS配列を有する、生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、少なくとも1つの微生物が、配列番号1および配列番号9からなる群より選択されるrRNA配列を含む、200塩基より長い配列と99%を超えて同一であるrRNA配列を含むか、または少なくとも1つの微生物が、配列番号17のITS配列と99%を超えて同一であるITS配列を有するか、または少なくとも1つの微生物が、配列番号18と90%を超えて同一であるITS配列を有する、生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、Fusarium oxysporumまたはVerticillium dahliaeの生存をそれぞれ測定することによって決定した場合に、生物防除組成物に曝露されていない対照と比較してFusarium oxysporumの成長を25%もしくはそれより大きく阻害するか、または生物防除組成物に曝露されていない対照と比較してVerticillium dahliaeの成長を60%もしくはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、少なくとも1つの微生物が、配列番号22の16S rRNA配列と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有する、生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、少なくとも1つの微生物が、配列番号23の16S rRNA配列と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有する、生物防除組成物を記載する。さらに、本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、少なくとも1つの微生物が、配列番号24の群から選択される16S rRNA配列と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有するか、または少なくとも1つの微生物が、配列番号25の群から選択されるITS配列と99%を超えて同一であるITS配列を有するか、または少なくとも1つの微生物が、配列番号25のITS配列と90%を超えて同一であるITS配列を有する、生物防除組成物を記載する。
【0004】
さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Botrytis cineriaの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Monilinia vaccinii-corymbosiの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Colletotrichum spaethaniumの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Puccinia sorghiの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Plasmopara viticolaの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Erysiphe necatorの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Podasphaera macularisの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Pytium属の生物の成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Rhizopus属の生物の成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物を記載する。
【0005】
さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物の二次代謝物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、少なくとも1つの微生物が、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、および配列番号25の群から選択されるITS配列と99%を超えて同一であるITS配列を有する、生物防除組成物を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、(i)少なくとも1つの微生物の二次代謝物、および(ii)担体を含む生物防除組成物であって、少なくとも1つの微生物が、配列番号1、配列番号9、配列番号22、配列番号23、および配列番号24の群から選択される16S rRNA配列と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有する、生物防除組成物を記載する。
【0006】
一態様では、生物防除組成物はさらに、第2の微生物を含み、第2の微生物は、少なくとも1つの微生物と同一ではない。第2の微生物は、配列番号1~25からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一であるRNA配列を含み得る。第2の微生物は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、22、23、および24からなる群より選択される16S rRNA配列と少なくとも95%同一である16S rRNA配列を含み得る。第2の微生物は、配列番号17、18、19、20、21、および25からなる群より選択される内部転写スペーサー(ITS)配列と少なくとも95%同一であるITS配列を含み得る。第2の微生物は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、22、23、および24からなる群より選択される16S rRNA配列と少なくとも99%同一である16S rRNA配列を含み得る。第2の微生物は、配列番号17、18、19、20、21、および25からなる群より選択される内部転写スペーサー(ITS)配列と少なくとも99%同一であるITS配列を含み得る。第2の微生物は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、22、23、および24からなる群より選択される16S rRNA配列である16S rRNA配列を含み得る。第2の微生物は、配列番号17、18、19、20、21、および25からなる群より選択される内部転写スペーサー(ITS)配列であるITS配列を含み得る。
【0007】
一部の実施形態では、少なくとも微生物は、配列番号24と少なくとも99%同一である16S rRNA配列を含み、第2の微生物は、配列番号25と少なくとも99%同一であるITS配列を含む。
【0008】
一態様では、生物防除組成物はさらに第3の微生物を含み、第3の微生物は第2または少なくとも1つの微生物のいずれとも同一ではない。一部の実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号23と99%を超えて同一である16S rRNA配列を含み、第2の微生物は、配列番号23と99%を超えて同一である16S rRNA配列を含み、第3の微生物は、配列番号23と99%を超えて同一である16S rRNA配列を含む。一態様では、生物防除組成物はさらに第4の微生物を含み、第3の微生物は、第3、第2、または少なくとも1つの微生物のいずれとも同一ではない。一態様では、生物防除組成物はさらに第5の微生物を含み、第5の微生物は、第4、第3、第2、または少なくとも1つの微生物のいずれとも同一ではない。生物防除組成物における微生物のいずれも、単離および精製された微生物であり得る。本明細書に開示の生物防除組成物は、1つまたは複数の単離および精製された微生物を含み得る。本明細書に開示の生物防除組成物は、1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、または5つもしくはそれより多くの単離および精製された微生物を含み得る。一部の例では、生物防除組成物は、単一の微生物種に由来する異なる株の単離および精製された微生物を含み得る。
【0009】
少なくとも1つの微生物は、配列番号18と90%を超えて同一であるITS配列を有し得、第2の微生物は、Gluconacetobacter種である。Gluconacetobacter種は、Gluconacetobacter liquefaciensであり得る。Gluconacetobacter種は、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、および配列番号16からなる群より選択される16S rRNA配列を有し得る。
【0010】
一態様では、少なくとも1つの微生物の二次代謝物は、少なくとも1つの微生物の培養物の上清から単離される。少なくとも1つの微生物の二次代謝物は、リポペプチドを含み得る。リポペプチドは、サーファクチン、フェンギシン、およびイツリンからなる群より選択される環状リポペプチドであり得る。少なくとも1つの微生物の二次代謝物は、ポリケチドを含み得る。少なくとも1つの微生物の二次代謝物は、揮発性抗真菌化合物を含み得る。
【0011】
一態様では、対照は、Bacillus subtilis株QST 713に曝露される。一態様では、少なくとも1つの微生物は、単離および精製される。一態様では、生物防除組成物は、液体または粉末である。一態様では、生物防除組成物は胞子を含む。
【0012】
本明細書において、ある特定の実施形態では、植物、根、種子、その中に種子を加える土壌もしくは畝、またはその農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法であって、抗真菌活性を有する本明細書に記載の生物防除組成物を、植物、根、種子、その中に種子もしくは植物を加える土壌もしくは畝、またはその農産物に適用するステップを含む方法を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、植物、種子、根、その中に種子もしくは植物を加える土壌もしくは畝、またはその農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法であって、抗真菌活性を有する本明細書に記載の生物防除組成物を土壌に適用するステップを含む方法を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法であって、抗真菌活性を有する本明細書に記載の生物防除組成物を、収穫前の農産物に噴霧するかまたは別の方法で処置するステップを含む方法を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法であって、抗真菌活性を有する本明細書に記載の生物防除組成物を、農産物に噴霧する、浸漬する、または別の方法で処置するステップを含む方法を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法であって、抗真菌活性を有する本明細書に記載の生物防除組成物を、農産物を輸送または貯蔵するために使用されるパッケージング材料に適用するステップを含む方法を記載する。さらに本明細書において、ある特定の実施形態では、種子または農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法であって、本明細書に記載の生物防除組成物を、農産物または種子を洗浄すること、農産物または種子をコーティングすること、およびその組合せからなる群より選択されるプロセスに組み入れるステップを含む方法を記載する。
【0013】
一態様では、植物、種子、またはその農産物は、Rosaceae科の植物またはその農産物である。Rosaceae科の植物、種子、またはその農産物は、Rubus、Malus、Pyrus、Cydonia、Prunus、Rosa、またはFragariaの属であり得る。Rubus属の植物、種子、またはその農産物は、ラズベリーまたはブラックベリーであり得る。Fragaria属の植物、種子、またはその農産物は、イチゴであり得る。Pyrus属の植物、種子、またはその農産物は、ナシであり得る。Cydonia属の植物、種子、またはその農産物は、マルメロであり得る。Prunus属の植物、種子、またはその農産物は、アーモンド、モモ、プラム、アプリコット、サクランボ、またはスピノサスモモであり得る。Rosa属の植物、種子、またはその農産物は、バラであり得る。Malus属の植物、種子、またはその農産物は、リンゴであり得る。
【0014】
一態様では、植物、種子、またはその農産物は、Ericaceae科の植物またはその農産物であり得る。植物、種子、またはその農産物は、Vaccinium属のものであり得る。Vaccinium属の植物、種子、またはその農産物は、ブルーベリーであり得る。
【0015】
一態様では、植物、種子、またはその農産物は、Vitaceae科の植物またはその農産物であり得る。植物、種子、またはその農産物は、Vitis属のものであり得る。Vitis属の植物、種子、またはその農産物は、ブドウであり得る。
【0016】
一態様では、生物防除組成物を適用するステップは、植物、種子、または農産物に、生物防除組成物を振りかける、浸漬する、延ばす(rolling)、注入する、擦りつける、噴霧する、または刷毛塗りするステップを含む。植物に生物防除組成物を適用するステップは、生物防除組成物を、滴下線(drip line)、灌漑システム、薬液灌漑システム(chemigation system)、噴霧剤、または浸漬剤に添加するステップを含み得る。
【0017】
生物防除組成物を植物に適用するステップは、生物防除組成物を植物の根に適用するステップを含み得る。根への適用は間接的であり得る。生物防除組成物は、農産物を植物から採取した後に農産物に適用することができる。一態様では、適用するステップは、植物を死滅させない。一態様では、方法はさらに、植物に肥料、除草剤、殺有害生物剤(pesticide)、またはその組合せを適用するステップを含む。肥料、除草剤、または殺有害生物剤は、生物防除組成物の前、後、または同時に適用することができる。
【0018】
一態様では、パッケージング材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、成形繊維、配向ポリスチレン(OPS)、ポリスチレン(PS)フォーム、ポリプロピレン(PP)、またはその組合せを含む。パッケージング材料に適用するステップは、パッケージング材料を洗浄する、または含浸するステップを含み得る。
【0019】
一態様では、抗真菌活性は、真菌病原体の成長の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日間の防止である。抗真菌活性は、生物防除組成物に曝露されていないRosaceae科の植物、種子、またはその農産物である対照における真菌病原体の成長と比較して、植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長の低減であり得る。真菌病原体の成長は、生物防除組成物に曝露されていない植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長と比較して、真菌病原体を生物防除組成物に曝露後少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日間低減させることができる。一態様では、生物防除組成物は、糸状または非糸状の真菌病原体に対して抗真菌活性を有する。糸状または非糸状の真菌病原体は、Albugo candida、Albugo occidentalis、Alternaria alternata、Alternaria cucumerina、Alternaria dauci、Alternaria solani Alternaria tenuis、Alternaria tenuissima、Alternaria tomatophila、Aphanomyces euteiches、Aphanomyces raphani、Armillaria mellea、Botrydia theobromae、Botrytis cinerea、Botrytinia fuckeliana、Bremia lactuca、Cercospora beticola、Cercosporella rubi、Cladosporium herbarum、Colletotrichum acutatum、Colletotrichum gloeosporioides、Colletotrichum lindemuthianum、Colletotrichum musae、Colletotrichum spaethanium、Cordana musae、Corynespora cassiicola、Daktulosphaira vitifoliae、Didymella bryoniae、Elsinoe ampelina、Elsinoe mangiferae、Elsinoe veneta、Erysiphe cichoracearum、Erysiphe necator、Eutypa lata、Fusarium oxysporum、Fusarium solani、Ganoderma boninense、Guignardia bidwellii、Gymnoconia peckiana、Helminthosporium solani、Leptosphaeria coniothyrium、Leptosphaeria maculans、Leveillula taurica、Macrophomina phaseolina、Microsphaera alni、Monilinia fructicola、Monilinia vaccinii-corymbosi、Mycosphaerella angulate、Mycosphaerella brassicicola、Mycosphaerella fragariae、Mycosphaerella fijiensis、Oidopsis taurica、Passalora fulva、Peronospora sparse、Peronospora farinosa、Phoma exigua、Phomopsis obscurans、Phomopsis vaccinia、Phomopsis viticola、Phytophthora capsica、Phytophthora erythroseptica、Phytophthora infestans、Phytophthora parasitica、Plasmopara viticola、Plasmodiophora brassicae、Podosphaera macularis、Polyscytalum pustulans、Pseudocercospora vitis、Puccinia allii、Puccinia sorghi、Pucciniastrum vaccinia、Pythium debaryanum、Pythium sulcatum、Pythium ultimum、Ralstonia solanacearum、Ramularia tulasneii、Rhizoctonia solani、Rhizopus arrhizus、Rhizopus stoloniferz、Sclerotinia minor、Sclerotinia sclerotiorum、Sclerotium cepivorum、Sclerotium rolfsii、Sclerotinia minor、Sclerotinia sclerotiorum、Septoria apiicola、Septoria lactucae、Septoria lycopersici、Septoria petroelini、Sphaceloma perseae、Sphaerotheca macularis、Spongospora subterrannea、Stemphylium vesicarium、Synchytrium endobioticum、Thielaviopsis basicola、Uncinula necator、Uromyces appendiculatus、Uromyces betae、Verticillium albo-atrum、Verticillium dahliae、Verticillium theobromae、およびその任意の組合せからなる群より選択することができる。糸状真菌病原体は、Fusarium oxysporum、Verticillium dahlia、Botrytis cinerea、Colletotrichum spaethaniu、Erysiphe necator、Podosphaera macularis、Monilinia vaccinii-corymbosi、Puccinia sorghi、およびその任意の組合せからなる群より選択することができる。植物、種子、またはその農産物は、アーモンド、アプリコット、リンゴ、アーティチョーク、バナナ、オオムギ、ビーツ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、アサ、トウガラシ、ニンジン、セロリー、フダンソウ、サクランボ、柑橘類、トウモロコシ、ウリ、ナツメヤシ、イチジク、ニンニク、ブドウ、薬草、香辛料、ケール、レタス、アブラヤシ、オリーブ、タマネギ、エンドウ、ナシ、モモ、落花生、パパイヤ、パースニップ、ペカン、カキ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、マルメロ、ラディッシュ、ラズベリー、バラ、コメ、スピノサスモモ、モロコシ、ダイズ、ホウレンソウ、イチゴ、サツマイモ、タバコ、トマト、カブの葉、クルミ、およびコムギからなる群より選択することができる。
【0020】
参照による組み入れ
本明細書において言及した全ての刊行物、特許、および特許出願は、各々の個々の刊行物、特許、または特許出願が、参照により本明細書に組み込まれていることが具体的および個別に示されているのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれている。
【0021】
本発明の新規特色を、添付の特許請求の範囲において詳しく記載する。本発明の特色および利点のよりよい理解は、本発明の原理を利用する実例となる実施形態を記載する以下の詳細な説明、および以下の添付の図面を参照することによって得られるであろう:
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、対照(Serenade(登録商標))と比較した、14の候補微生物の適用後の半固形寒天上でのVerticillium dahliaeおよびFusarium oxysporumの%生存を説明する。
【0023】
図2図2は、表1における16SおよびITS配列の間の系統発生的関係を説明する。
【0024】
図3図3は、環境における種間の相互作用の理解を使用した候補体の同定を説明する。Hanseniaspora uvarumは、Fusarium oxysporumと直接相互作用して、この真菌の成長阻害を引き起こすとして同定された。Hanseniaspora uvarumがFusarium oxysporumの成長を阻害する能力を確認し、Hanseniaspora uvarumを産物候補体として進めた。この図面では、H.uvarumとF.oxysporumとの間の同定された第1層の相互作用;H.uvarumの同定および単離;ならびにH.uvarumによって引き起こされるF.oxysporumの阻害の確認を示す。
【0025】
図4図4は、異なる処置後のBotrytis cinereaに感染させたラズベリーのパーセント表面積を説明する:Botrytis cinereaに感染させた(+)対照、非感染(-)対照、およびBotrytis cinereaに感染させたが、産物候補体BC8(Bacillus amyloliquefaciens;株28B)の培養上清を適用した試料。
【0026】
図5-1】図5A~5Cは、異なる処置レジメン後のラズベリーにおける真菌の成長を説明する。図5Aは、Botrytis cinereaに感染させた対照における真菌の成長を説明する。図5Bは、非感染対照における真菌の成長を説明する。図5Cは、Botrytis cinereaに感染させ、産物候補体BC8(Bacillus amyloliquefaciens;株28B)の培養上清を適用したラズベリーにおける真菌の成長を説明する。
図5-2】図5A~5Cは、異なる処置レジメン後のラズベリーにおける真菌の成長を説明する。図5Cは、Botrytis cinereaに感染させ、産物候補体BC8(Bacillus amyloliquefaciens;株28B)の培養上清を適用したラズベリーにおける真菌の成長を説明する。
【0027】
図6図6は、BC8株および2つのB.velezensis FZB42単離体の16S RNA配列のヌクレオチドアライメントを説明する。
【0028】
図7図7は、処置および無処置植物のブルーベリー低木におけるBotrytisの発生率を説明する。
【0029】
図8図8は、処置および無処置植物におけるBotrytisに感染したブルーベリーのパーセントを説明する。
【0030】
図9図9は、処置および無処置植物におけるブルーベリー低木あたりのBotrytis花腐病の発生数を説明する。
【0031】
図10図10は、処置および無処置植物におけるBotrytisに感染したブルーベリーのパーセントを説明する。
【0032】
図11図11は、処置および無処置植物におけるブルーベリー低木あたりのBotrytis花腐病の発生数を説明する。
【0033】
図12図12は、処置および無処置植物におけるBotrytisに感染したブルーベリーのパーセントを説明する。
【0034】
図13-1】図13Aは、処置および無処置ブルーベリー低木における罹病苗条(shootstrike)数を説明する。
図13-2】図13Bは、処置および無処置ブルーベリー低木におけるミイラ果数を説明する。
【0035】
図14-1】図14Aは、処置および無処置ブルーベリー低木における罹病苗条数を説明する。
図14-2】図14Bは、処置および無処置ブルーベリー低木におけるミイラ果数を説明する。
【0036】
図15図15は、処置および無処置トウモロコシ植物におけるトウモロコシサビ病によって引き起こされたパーセント病害を説明する。
【0037】
図16-1】図16Aは、処置および無処置トウモロコシ植物におけるトウモロコシサビ病によって引き起こされたパーセント病害を説明する。
図16-2】図16Bは、処置および無処置トウモロコシ植物におけるトウモロコシサビ病の発病度指数(disease severity index)を説明する。
【0038】
図17-1】図17Aは、処置および無処置トウモロコシ植物におけるトウモロコシサビ病によって引き起こされたパーセント病害を説明する。
図17-2】図17Bは、処置および無処置トウモロコシ植物におけるトウモロコシサビ病の発病度指数を説明する。
【0039】
図18-1】図18Aは、処置および無処置ブドウの葉におけるべと病のパーセント発病度を説明する。
図18-2】図18Bは、処置および無処置ブドウの葉におけるべと病のパーセント発病度を説明する。
【0040】
図19-1】図19Aは、処置および無処置ブドウの房におけるBotrytisのパーセント発病度を説明する。
図19-2】図19Bは、処置および無処置ブドウの房におけるBotrytisのパーセント罹病指数(percent disease index)を説明する。
【0041】
図20-1】図20Aは、処置および無処置ブドウの葉におけるうどんこ病のパーセント発病度を説明する。
図20-2】図20Bは、処置および無処置ブドウの葉におけるうどんこ病のパーセント罹病指数を説明する。
【0042】
図21-1】図21Aは、処置および無処置ブドウの葉におけるべと病のパーセント発病度を説明する。
図21-2】図21Bは、処置および無処置ブドウの葉におけるべと病のパーセント罹病指数を説明する。
【0043】
図22図22は、処置および無処置ブドウの房におけるBotrytisのパーセント発病度を説明する。
【0044】
図23-1】図23Aは、処置および無処置ブドウの葉におけるべと病のパーセント発病度を説明する。
図23-2】図23Bは、処置および無処置ブドウの葉におけるべと病のパーセント罹病指数を説明する。
【0045】
図24-1】図24Aは、処置および無処置ブドウの葉におけるべと病のパーセント発病度を説明する。
図24-2】図24Bは、処置および無処置ブドウの葉におけるべと病のパーセント罹病指数を説明する。
【0046】
図25-1】図25Aは、処置および無処置ブドウの房におけるBotrytisのパーセント発病度を説明する。
図25-2】図25Bは、処置および無処置ブドウの房におけるBotrytisのパーセント罹病指数を説明する。
【0047】
図26-1】図26Aは、処置および無処置ブドウの葉におけるうどんこ病のパーセント発病度を説明する。
図26-2】図26Bは、処置および無処置ブドウの葉におけるうどんこ病のパーセント罹病指数を説明する。
【0048】
図27-1】図27Aは、処置および無処置ラズベリー低木におけるBotrytisのパーセント平均発病度を説明する。
図27-2】図27Bは、処置および無処置ラズベリー低木におけるBotrytisのパーセント平均罹病指数を説明する。
【0049】
図28-1】図28Aは、処置および無処置ラズベリーの葉におけるうどんこ病のパーセント平均発病度を説明する。
図28-2】図28Bは、処置および無処置ラズベリーの葉におけるうどんこ病のパーセント平均罹病指数を説明する。
【0050】
図29-1】図29Aは、処置および無処置ラズベリーにおけるうどんこ病のパーセント平均発病度を説明する。
図29-2】図29Bは、処置および無処置ラズベリーにおけるうどんこ病のパーセント平均罹病指数を説明する。
【0051】
図30-1】図30Aは、処置および無処置ラズベリー低木におけるBotrytisのパーセント平均発病度を説明する。
図30-2】図30Bは、処置および無処置ラズベリー低木におけるBotrytisのパーセント平均罹病指数を説明する。
【0052】
図31-1】図31Aは、処置および無処置ラズベリーの葉におけるうどんこ病のパーセント発病度を説明する。
図31-2】図31Bは、処置および無処置ラズベリーの葉におけるうどんこ病のパーセント罹病指数を説明する。
【0053】
図32-1】図32Aは、処置および無処置ラズベリーにおけるうどんこ病のパーセント発病度を説明する。
図32-2】図32Bは、処置および無処置ラズベリーにおけるうどんこ病のパーセント罹病指数を説明する。
【0054】
図33-1】図33Aは、処置および無処置ラズベリー低木におけるBotrytisのパーセント平均発病度を説明する。
図33-2】図33Bは、処置および無処置ラズベリー低木におけるBotrytisのパーセント平均罹病指数を説明する。
【0055】
図34-1】図34Aは、処置および無処置ラズベリーの葉におけるうどんこ病のパーセント発病度を説明する。
図34-2】図34Bは、処置および無処置ラズベリーの葉におけるうどんこ病のパーセント罹病指数を説明する。
【0056】
図35-1】図35Aは、処置および無処置ラズベリーにおけるうどんこ病のパーセント発病度を説明する。
図35-2】図35Bは、処置および無処置ラズベリーにおけるうどんこ病のパーセント罹病指数を説明する。
【0057】
図36図36は、処置および無処置植物におけるBotrytisおよびRhizopusに感染した腐ったイチゴの数を説明する。
【0058】
図37図37は、処置および無処置植物におけるBotrytisおよびRhizopusに感染した腐ったイチゴの数を説明する。
【0059】
図38図38は、処置および無処置植物におけるPythiumに感染したダイズ植物の1メートルあたりの作物植分を説明する。
【0060】
図39図39は、Botrytis cineriaに感染している処置および無処置ラズベリーを説明する。
【0061】
図40図40は、Botrytis cinereaに感染している処置および無処置ブドウを説明する。
【0062】
図41図41は、Botrytis cinereaに感染している処置および無処置リンゴを説明する。
【0063】
図42図42は、Botrytis cinereaに感染している処置リンゴを説明する。
【0064】
図43図43は、Botrytis cinereaに感染している処置および無処置リンゴにおいて壊死したリンゴのパーセンテージを説明する。
【0065】
図44図44は、Botrytis cinereaに感染している処置および無処置モモを説明する。
【発明を実施するための形態】
【0066】
多数の真菌病原体が、農業上重要な植物に感染し、植物が圃場に存在する間の、または収穫後の食品腐敗および食品の品質低下をもたらし得る。例えば、真菌病原体Botrytis cinereaによって引き起こされる灰色カビ病は、圃場および食料品店の両方において、しばしばイチゴおよびラズベリーなどの果実に見出され得る。真菌病原体によって引き起こされる損失を低減させる方法を発見することは、食品生産および消費に関係する人にとって非常に望ましく、化学および生物学に基づく防除戦略がこれまでに開発されている。しかし、食品作物における化学および生物学に基づく殺真菌剤の使用は、有効ではあるが、消費者の立場から望ましくないことに加えて、意図しない副作用(例えば、毒性)を提供し得る。さらに、現在利用可能な市販の生物防除組成物は、所望の病原体または植物の特異性または有効性を提供しない可能性がある。最後に、農家および生産者に対してやっかいな合成化学殺有害生物剤の適用の記録および報告に関するかなりの負担が存在し得る。
【0067】
本明細書に記載の生物防除組成物は、農業上重要な真菌に対して抗真菌活性を有することができ、生産プロセスの様々な時点で使用するように製剤化することができる。例えば、これらの生物防除組成物は、収穫前に使用するために、例えば組成物を灌漑ラインに組み入れるように、または肥料と共に投与するように、ならびに収穫後の農産物の加工、パッケージング、輸送、貯蔵、および商業的な陳列の際に、例えば収穫した農産物に組成物を噴霧するように、または農産物を貯蔵もしくは輸送するために使用されるパッケージング材料に組成物を適用するように製剤化することができる。さらに、これらの生物防除組成物は、市販の生物防除組成物と比較した場合に改善された有効性を示すことができる。
【0068】
本明細書で使用される場合、用語「発病度指数」は、一般的に植物において目に見える罹病症状の程度を表すスコアを指す。例えば、所与の発病度指数は、罹病を示す、葉における特定の病斑数(または数の範囲)を有し得る。例えば、より多くの罹病症状を有する植物は、より低い発病度指数を有する植物より高い発病度指数を有する。異なる種の植物は、それに関連する異なる発病度指数を有し得る。
【0069】
本明細書で使用される場合、用語「発病度」または「平均発病度」または「パーセント平均発病度」は、一般的に植物または植物集団において目に見える罹病症状の程度を指す。発病度は、罹病症状で覆われた植物のパーセンテージによって計算され得る。パーセント平均発病度は、各植物の発病度を評価すること、および各植物の発病度を平均することを使用することによって集団に関して計算され得る。
【0070】
本明細書で使用される場合、用語「罹病指数」、「平均罹病指数」、または「パーセント平均罹病指数」は、一般的に植物集団において目に見える罹病症状の程度を表す植物集団のスコアを指す。罹病指数は、罹病発生率に発病度を乗じたものとして計算され得る。平均罹病指数は、平均発病度を表す荷重平均値を得るために、個々の植物の発病度指数またはスコア、その発病度指数を有する植物数、植物の総数、最高罹病指数、およびパーセント罹病発生率に基づいて計算され得る。非限定的な例では、パーセント平均罹病指数の一般的計算は、[合計(所与のスコアの植物数にそのスコアを乗じたもの)]/[(最高スコアを乗じた植物総数)]×100として行われ得る。
【0071】
作物損失および食品の品質低下の防止または低減のための組成物
本明細書において、植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させることができる生物防除組成物を開示する。用語「農産物」は、本明細書において、植物の食用部分、例えば葉、茎、種子、根、花、または果実を指すために使用することができる。用語「植物」は、本明細書において植物の任意の部分、例えば葉、茎、種子、根、または果実を指すために使用することができる。植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させることは、植物から農産物を収穫する前、間、または後に作物の損失および食品の品質低下の量を低減させることができる。
【0072】
少なくとも1つの微生物は、細菌または酵母であり得る。少なくとも1つの微生物は、Bacillus、Burkholderia、Cutaneotrichosporon、Cyberlindnera、Gluconacetobacter、Gluconobacter、Hanseniaspora、Paraburkholderia、Pseudomonas、Torulaspora、およびその任意の組合せからなる群より選択される属の微生物を含み得る。
【0073】
少なくとも1つの微生物は、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus subtilis、Bacillus velezensis、Cutaneotrichosporon jirovecii、Cutaneotrichosporon moniliiforme、Cutaneotrichosporon mucoides、Cyberlindnera mrakii、Cyberlindnera saturnus、Gluconacetobacter liquefaciens、Gluconobacter cerinus、Hanseniaspora uvarum、Paraburkholderia phytofirmans、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas frederiksbergensis、Pseudomonas lini、Pseudomonas migulae、Torulaspora delbrueckiiおよびその任意の組合せからなる群より選択される微生物を含み得る。
【0074】
少なくとも1つの微生物は、Bacillus属の微生物であり得る。少なくとも1つの微生物は、Burkholderia属の微生物であり得る。少なくとも1つの微生物は、Cutaneotrichosporon属の微生物であり得る。少なくとも1つの微生物は、Cyberlindnera属の微生物であり得る。少なくとも1つの微生物は、Gluconacetobacter属の微生物であり得る。少なくとも1つの微生物は、Gluconobacter属の微生物であり得る。少なくとも1つの微生物は、Hanseniaspora属の微生物であり得る。少なくとも1つの微生物は、Paraburkholderia属の微生物であり得る。少なくとも1つの微生物は、Pseudomonas属の微生物であり得る。少なくとも1つの微生物は、Torulaspora属の微生物であり得る。
【0075】
少なくとも1つの微生物は、Bacillus amyloliquefaciensであり得る。少なくとも1つの微生物は、Bacillus subtilisであり得る。少なくとも1つの微生物は、Bacillus velezensisであり得る。少なくとも1つの微生物は、Cutaneotrichosporon jivroveciiであり得る。少なくとも1つの微生物は、Cutaneotrichosporon moniliiformeであり得る。少なくとも1つの微生物は、Cutaneotrichosporon mucoidesであり得る。少なくとも1つの微生物は、Cyberlindnera mrakiiであり得る。少なくとも1つの微生物は、Cyberlindnera saturnusであり得る。少なくとも1つの微生物は、Gluconacetobacter liquefaciensであり得る。少なくとも1つの微生物は、Gluconobacter cerinusであり得る。少なくとも1つの微生物は、Hanseniaspora uvarumであり得る。少なくとも1つの微生物は、Paraburkholderia phytofirmansであり得る。少なくとも1つの微生物は、Paraburkholderia fluroescensであり得る。少なくとも1つの微生物は、Paraburkholderia frederiksbergensisであり得る。少なくとも1つの微生物は、Pseudomonas liniであり得る。少なくとも1つの微生物は、Pseudomonas migulaeであり得る。少なくとも1つの微生物は、Torulaspora delbrueckiiであり得る。
【0076】
少なくとも1つの微生物は、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus subtilis、Bacillus velezensis、Cutaneotrichosporon jirovecii、Cutaneotrichosporon moniliiforme、Cutaneotrichosporon mucoides、Cyberlindnera mrakii、Cyberlindnera saturnus、Gluconacetobacter liquefaciens、Gluconobacter cerinus、Hanseniaspora uvarum、Paraburkholderia phytofirmans、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas frederiksbergensis、Pseudomonas lini、Pseudomonas migulae、Torulaspora delbrueckii、およびその任意の組合せからなる群より選択される微生物のrRNAと少なくとも約70%、75%、80%、85%、87%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含み得る。rRNAは、16S rRNA、23S rRNA、内部転写スペーサー(ITS)、またはその組合せであり得る。少なくとも1つの微生物は、1つまたは複数の微生物種からの微生物株の組合せであり得る。
【0077】
生物防除組成物は、(i)少なくとも1つの微生物または少なくとも1つの微生物の二次代謝物、および(ii)担体を含み得、少なくとも1つの微生物は、配列番号1および配列番号9の群から選択される16S rRNA配列と98%を超えて同一である16S
rRNA配列を有するか、または少なくとも1つの微生物は、配列番号17および配列番号20の群から選択されるITS配列と98%を超えて同一であるITS配列を有するか、または少なくとも1つの微生物は、配列番号18のITS配列と90%を超えて同一であるITS配列を有する。
【0078】
微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、および配列番号25からなる群より選択される配列と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有するRNA配列を含み得る。
【0079】
生物防除組成物はさらに、第2の微生物を含み得、第2の微生物は少なくとも1つの微生物と同一ではない。第2の微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、および配列番号25からなる群より選択される配列と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有するRNA配列を含み得る。一部の場合では、第1の微生物および第2の微生物は同じ種である。例えば、第1の微生物および第2の微生物の両方が、Bacillus amyloliquefaciensであり得る。さらに非限定的な例では、第1の微生物および第2の微生物、ならびに必要に応じて各々が同じ種の異なる株である2つより多くの微生物を、本明細書に開示の生物防除組成物に含めてもよい。一部の場合では、第1の微生物および第2の微生物は、同じ種ではない。例えば、第1の微生物はGluconobacter cerinusであり得、第2の微生物はHanseniaspora uvarumであり得る。一部の場合では、第1の微生物および第2の微生物は同じ属ではない。一部の場合では、第1の微生物および第2の微生物は同じ科に存在しない。一部の場合では、第1の微生物および第2の微生物は同じ目に存在しない。一部の場合では、第1の微生物および第2の微生物は同じ綱に存在しない。一部の場合では、第1の微生物および第2の微生物は、同じ門に存在しない。一部の場合では、第1の微生物および第2の微生物は同じ界に存在しない。
【0080】
一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、Bacillus種のrRNA配列と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。Bacillus種は、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus subtilis、またはBacillus velezensisであり得る。rRNA配列は、16S配列であり得る。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号1または配列番号23と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。
【0081】
一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、Gluconacetobacter種のrRNA配列と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。Gluconacetobacter種は、Gluconacetobacter liquefaciensであり得る。rRNA配列は16S配列であり得る。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、または配列番号16と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。
【0082】
一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、Gluconobacter種のrRNA配列と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。Gluconobacter種はGluconobacter cerinusであり得る。rRNA配列は16S配列であり得る。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号24と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。
【0083】
一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、Burkholderia種またはParaburkholderia種のrRNA配列と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。Paraburkholderia種はParaburkholderia phytofirmansであり得る。rRNA配列は16S配列であり得る。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号3、配列番号7、または配列番号9と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。
【0084】
一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、Pseudomonas種のrRNA配列と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。Pseudomonas種は、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas lini、Pseudomonas migulae、またはPseudomonas frederiksbergensisであり得る。rRNA配列は16S配列であり得る。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号6、配列番号10、配列番号15、または配列番号22と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。
【0085】
一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号8と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。
【0086】
一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、Cyberlindnera種のrRNA配列と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。Cyberlindnera種は、Cyberlinderna saturnusまたはCyberlindera mrakkiiであり得る。rRNA配列はITS配列であり得る。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号17と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。
【0087】
一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、Hanseniaspora種のrRNA配列と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。Hanseniaspora種はHanseniaspora uvarumであり得る。rRNA配列はITS配列であり得る。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号18または配列番号25と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号18または配列番号25と少なくとも90%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号18または配列番号25と少なくとも95%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号18または配列番号25と少なくとも99%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。
【0088】
一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、Torulaspora種のrRNA配列と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。Torulaspora種はTorulaspora delbrueckiiであり得る。rRNA配列はITS配列であり得る。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号19と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。
【0089】
一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、Cutaneotrichosporon種のrRNA配列と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。Cutaneotrichosporon種は、Cutaneotrichosporon moniliiforme、Cutaneotrichosporon jirovecii、またはCutaneotrichosporon mucoidesであり得る。rRNA配列はITS配列であり得る。一実施形態では、少なくとも1つの微生物は、配列番号20または配列番号21と少なくとも約85%、87%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または100%の配列同一性を有する少なくとも1つの微生物を含む。
【0090】
生物防除組成物は、複数の微生物を含む微生物共同体を含み得る。複数の微生物は、少なくとも2つの微生物、少なくとも3つの微生物、少なくとも4つの微生物、少なくとも5つの微生物、少なくとも6つの微生物、少なくとも7つの微生物、少なくとも8つの微生物、少なくとも9つの微生物、または少なくとも10個の微生物であり得る。複数の微生物の各々の微生物は、異なる微生物であり得る。生物防除組成物は、複数の微生物を含む微生物の共同体からの二次代謝物を含み得、複数の微生物は、少なくとも2つの微生物、少なくとも3つの微生物、少なくとも4つの微生物、少なくとも5つの微生物、少なくとも6つの微生物、少なくとも7つの微生物、少なくとも8つの微生物、少なくとも9つの微生物、または少なくとも10個の微生物である。
【0091】
少なくとも2つの微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号22、配列番号23、配列番号24からなる群より選択される16S rRNA配列を有する微生物、ならびに配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、および配列番号25からなる群より選択されるITS配列を有する微生物からなる群より選択される少なくとも2つの微生物を含み得る。少なくとも2つの微生物は、配列番号1もしくは配列番号9から選択される16S rRNA配列を有する第1の微生物を含み得るか、または第1の微生物は、配列番号17および配列番号20の群から選択されるITS配列と98%を超えて同一であるITS配列を有するか、もしくは第1の微生物は、配列番号18のITS配列と90%を超えて同一であるITS配列を有する。少なくとも2つの微生物は、配列番号18と90%を超えて同一であるITS配列を有する第1の微生物を含み得、第2の微生物は、Gluconacetobacter種であり得る。Gluconacetobacter種は、Gluconacetobacter liquefaciensであり得る。Gluconacetobacter種は、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、および配列番号16からなる群より選択される16S rRNA配列を有するGluconacetobacter種であり得る。少なくとも2つの微生物は、Gluconobacter種である第1の微生物、およびHanseniaspora種である第2の微生物を含み得る。少なくとも2つの微生物は、Gluconobacter
cerinusである第1の微生物およびHanseniaspora uvarumである第2の微生物を含み得る。
【0092】
少なくとも2つの微生物は、配列番号24と90%を超えて同一である16S配列を有する第1の微生物、および配列番号25と90%を超えて同一であるITS配列を有する第2の微生物を含み得る。少なくとも2つの微生物は、配列番号24と95%を超えて同一である16S配列を有する第1の微生物、および配列番号25と95%を超えて同一であるITS配列を有する第2の微生物を含み得る。少なくとも2つの微生物は、配列番号24と98%を超えて同一である16S配列を有する第1の微生物、および配列番号25と98%を超えて同一であるITS配列を有する第2の微生物を含み得る。
【0093】
少なくとも3つの微生物は、配列番号23と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有する第1の微生物、配列番号23と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有する第2の微生物、配列番号23と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有する第3の微生物を含み得、第1の微生物、第2の微生物、および第3の微生物は、同一ではないゲノムを含む。一部の場合では、ゲノムは、一塩基多型(SNP)によって異なり得る。一部の場合では、ゲノムは、1つより多くのSNPによって異なり得る。一部の場合では、ゲノムは、各ゲノムにおける遺伝子の数が異なり得る。一部の場合では、ゲノムは、再配列、例えば挿入、欠失、並べかえ(reordering)、リファクタリング(refactoring)、または溶原性もしくは不活性ファージ、挿入配列、反復ゲノム配列、またはゲノム領域もしくは遺伝子の他の異なる内容物によって異なり得る。一部の場合では、細胞DNA含有量は、株によって異なり得る1つまたは複数のプラスミドを含めることによって異なり得る。一部の場合では、ゲノムは遺伝子の異なるアイソフォームをコードし得る。例えば遺伝子から発現されたタンパク質は、タンパク質の機能に影響を及ぼし得る点変異、欠失、挿入を含有し得る。例えば、遺伝子から発現されたタンパク質は、タンパク質の機能に影響を及ぼし得ない、またはタンパク質の機能に実質的に影響を及ぼし得ない点変異、欠失、挿入を含有し得る。
【0094】
少なくとも3つの微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号22、配列番号23、および配列番号24からなる群より選択される16S rRNA配列を有する微生物、ならびに配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、および配列番号25からなる群より選択されるITS配列を有する微生物からなる群より選択される少なくとも3つの微生物を含み得る。少なくとも3つの微生物は、配列番号1、配列番号9、もしくは配列番号23から選択される16S rRNA配列、または配列番号17、配列番号18、もしくは配列番号20から選択されるITS配列を有する少なくとも1つの微生物を含み得る。
【0095】
少なくとも4つの微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号22、配列番号23、および配列番号24からなる群より選択される16S rRNA配列を有する微生物、ならびに配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、および配列番号25からなる群より選択されるITS配列を有する微生物からなる群より選択される少なくとも4つの微生物を含み得る。少なくとも4つの微生物は、配列番号1、配列番号9、もしくは配列番号23から選択される16S rRNA配列、または配列番号17、配列番号18、もしくは配列番号20から選択されるITS配列を有する少なくとも1つの微生物を含み得る。
【0096】
少なくとも5つの微生物は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号22、配列番号23、および配列番号24からなる群より選択される16S rRNA配列を有する微生物、ならびに配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、および配列番号25からなる群より選択されるITS配列を有する微生物からなる群より選択される少なくとも5つの微生物を含み得る。少なくとも5つの微生物は、配列番号1、配列番号9、もしくは配列番号23から選択される16S rRNA配列、または配列番号17、配列番号18、もしくは配列番号20から選択されるITS配列を有する少なくとも1つの微生物を含み得る。
【0097】
表1は、本明細書に記載する微生物株の識別子、推定の微生物属または種、および対応する配列番号を説明する。少なくとも1つの微生物は、表1の微生物であり得る。これらの株のいくつかの系統発生関係を図2に示す。表2は、これらの配列番号に対応する配列を説明する。
【表1-1】
【表1-2】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0098】
少なくとも1つの微生物は、培養において成長させることができる。少なくとも1つの微生物は、培養物から単離および精製することができる。培養物から精製された少なくとも1つの微生物は、少なくとも1つの微生物の栄養細胞または胞子を含み得る。培養物は、固体または半固体培地であり得る。培養物は液体培地であり得る。培養物はバイオリアクターであり得る。任意の適したバイオリアクターを使用することができる。バイオリアクターの例には、フラスコ、連続撹拌タンクバイオリアクター(CSTR)、バブルレスバイオリアクター、エアリフト反応器、およびメンブレンバイオリアクターが挙げられるがこれらに限定されない。一部の例では、培養物の上清は、少なくとも1つの微生物の二次代謝物を含む。少なくとも1つの微生物の二次代謝物は、上清から単離および精製することができる。一部の場合では、上清を、本明細書の他所で説明される生物防除組成物として適用することができる。
【0099】
生物防除組成物は、少なくとも1つの微生物の1つまたは複数の二次代謝物を含み得る。1つまたは複数の二次代謝物は、単独で抗真菌特性を有することができる。1つまたは複数の二次代謝物は、生物防除組成物における他の微生物と共に抗真菌特性を有し得る。1つまたは複数の二次代謝物は、少なくとも1つの微生物の培養上清から単離することができる。1つまたは複数の二次代謝物は、リポペプチド、ジペプチド、アミノポリオール、タンパク質、シデロフォア、フェナジン化合物、ポリケチド、またはその組合せを含み得る。
【0100】
リポペプチドは、線形のリポペプチドまたは環状のリポペプチド(CLP)であり得る。リポペプチドの例には、サーファクチン、フェンギシン、イツリン、マセトリド、アムフィシン、アルスロファクチン、トラシン、シリンゴペプチド、シリンゴマイシン、プチソルビン、バシロマイシン、バシロペプチン、バシトラシン、ポリミキシン、ダプトマイシン、ミコサブチリン、クルスタキン、テンシン、プリパスタチン、ビスコシン、およびエキノキャンディンが挙げられるがこれらに限定されない。エキノキャンディンは、エキノキャンディンB(echinocandib B)(ECB)であり得る。一部の例では、二次代謝物は、サーファクチン(surfatin)、フェンギシン、イツリン、またはその組合せである。
【0101】
ジペプチドは、バシリシンまたはクロロテタインであり得る。ポリケチドは、デフィシジン、マクロラクチン、バシラエン、ブチロラクトールA、ソラフェンA、ヒッポラクニンA、またはホラゾリンAであり得る。二次代謝物は、アミノポリオールであり得る。アミノポリオールは、ツヴィッターマイシンAであり得る。二次代謝物はタンパク質であり得る。タンパク質は、バシスビン、サブチリシン、またはフンギシンであり得る。
【0102】
シデロフォアは、ピオベルジン、チオキノロバクチン、またはピオケリンであり得る。フェナジン化合物は、フェンジン-1-カルボン酸、1-ヒドロキシフェナジン、またはフェナジン-1-カルボキサミドであり得る。二次代謝物は、キチナーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、またはグルカナーゼであり得る。二次代謝物は、揮発性抗真菌化合物であり得る。
【0103】
生物防除組成物は、液体製剤または乾燥製剤として製剤化することができる。液体製剤は、流動性または水性懸濁物であり得る。液体製剤は、水、油、またはその混合物(乳剤)に懸濁した少なくとも1つの微生物またはその二次代謝物を含み得る。乾燥製剤は、水和剤、ドライフレーク、ダスト、または顆粒であり得る。水和剤は、植物、種子、花、またはその農産物に懸濁剤として適用することができる。ダストは、植物、種子、またはその農産物、例えば種子または葉に乾燥状態で適用することができる。顆粒剤は、乾燥状態で適用することができるか、または水と混合して懸濁物を作製することができる。少なくとも1つの微生物またはその二次代謝物は、マイクロカプセル化として製剤化することができ、少なくとも1つの微生物またはその二次代謝物は保護内層を有する。保護内層は、任意の適したポリマーを含み得る。
【0104】
生物防除組成物はさらに、追加の化合物を含み得る。追加の化合物は、担体、界面活性剤、湿潤剤、浸透剤、乳化剤、展着剤(spreader)、粘着剤(sticker)、安定化剤、栄養、結合剤、乾燥剤、増粘剤、分散剤、UV保護剤、またはその組合せであり得る。担体は、液体担体、無機担体、または有機担体であり得る。液体担体の例には、植物油または水が挙げられるがこれらに限定されない。無機担体の例には、カオリナイト粘土または珪藻土が挙げられるがこれらに限定されない。有機担体の例には、穀粉が挙げられるがこれに限定されない。界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、または非イオン界面活性剤であり得る。界面活性剤は、Tween(登録商標)20またはTween(登録商標)80であり得る。湿潤剤は、ポリオキシエチレンエステル、エトキシサルフェート、またはその誘導体を含み得る。一部の場合では、湿潤剤を、非イオン界面活性剤と混合する。浸透剤は、炭化水素を含み得る。展着剤は、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、作物油(crop oil)(例えば、綿実)、または無機油を含み得る。粘着剤は、乳化ポリエチレン、重合化樹脂、脂肪酸、石油蒸留物、またはアルファ化コーンフラワーを含み得る。油は、ココナツ油、ヤシ油、ヒマシ油、またはラノリンであり得る。安定化剤は、ラクトースまたは安息香酸ナトリウムであり得る。栄養は、糖蜜またはペプトンであり得る。結合剤は、アラビアゴムまたはカルボキシメチルセルロースであり得る。乾燥剤は、シリカゲルまたは無水塩であり得る。増粘剤は、ポリアクリルアミド、ポリエチレンポリマー、多糖類、キサンタンガム、または植物油を含み得る。分散剤は、微結晶セルロースであり得る。UV保護剤は、オキシベンゾン、blankophor BBH、またはリグニンであり得る。
【0105】
生物防除組成物はさらに、ジピコリン酸を含み得る。
【0106】
少なくとも1つの微生物は、液体培養物から単離および精製された単離および精製微生物の有効量を含み得る。液体培養物からの少なくとも1つの微生物を、風乾、フリーズドライ、噴霧乾燥、または流動層乾燥させて、乾燥製剤を産生することができる。乾燥製剤を液体中で再溶解して、液体製剤を産生することができる。
【0107】
生物防除組成物は、少なくとも1つの微生物が、それらが標的生息地(例えば、土壌、植物、種子、および/または農産物)に適用/または送達されると複製することができるように製剤化することができる。
【0108】
生物防除組成物は、少なくとも1週間、1ヶ月、6ヶ月、少なくとも1年、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、または少なくとも5年の貯蔵寿命を有し得る。貯蔵寿命は、生物防除組成物が、その抗真菌特性の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または100%を維持する期間の長さを示し得る。生物防除組成物は、室温、4℃もしくはそれ未満、0℃もしくはそれ未満、または-20℃もしくはそれ未満で貯蔵することができる。
【0109】
生物防除組成物は、胞子を含み得る。胞子含有組成物は、本明細書に記載の方法によって適用することができる。胞子含有組成物は、生物防除組成物の貯蔵寿命を延長させることができる。胞子含有組成物は、標的生息地の低いpHまたは低温を生存することができる。例えば、胞子含有組成物は、より低温(例えば、10℃未満)で土壌に適用することができ、より高温(例えば、20℃)で植え付けられた種子に関して抗真菌特性を有し得る。胞子は、栄養細胞となることができ、それらに栄養細胞の任意の利点を与える。
【0110】
生物防除組成物は、栄養細胞を含み得る。栄養細胞含有組成物を、本明細書に記載の方法によって適用することができる。栄養細胞は増殖して、組成物の有効性を増加し得る。例えば、生物防除組成物中の栄養細胞は、適用後に増殖して、生物防除組成物に曝露される植物の表面積を増加させ得る。別の例では、生物防除組成物における栄養細胞は、適用後に増殖して、生物防除組成物が生存する時間の量を増加させ、このように生物防除組成物が有効性を有する期間を延長させ得る。栄養細胞は、増殖し、真菌病原体と栄養について競合し得る。栄養細胞は、抗真菌特性を有する1つまたは複数の二次代謝物を活発に産生し得る。栄養細胞は、胞子となることができ、それらに胞子の任意の利点を与える。
【0111】
生物防除組成物は、抗真菌活性、例えば、植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長の防止または真菌病原体の成長の低減を有し得る。生物防除組成物は、植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長を少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、または少なくとも5日間防止することができる。生物防除組成物は、植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長を少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、または少なくとも10日間防止することができる。生物防除組成物は、植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長を10日間より長く防止することができる。
【0112】
生物防除組成物は、生物防除組成物に曝露されていない植物、種子、花、またはその農産物である対照における真菌病原体の成長と比較して、植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長を低減させることができる。対照は、抗真菌剤が適用されていない植物、種子、もしくはその農産物であり得るか、または市販の抗真菌剤が適用されている植物、種子、花、もしくはその農産物であり得る。市販の抗真菌剤の例には、Bacillus subtilis株QST713(Serenade(登録商標))、Bacillus subtilis株GB02(Kodiak(登録商標))、Bacillus subtilis株MBI 600(Subtilex(登録商標))、Bacillus pumilus株GB34(YieldShield)、Bacillus licheniformis株SB3086(EcoGuard(登録商標))が挙げられるがこれらに限定されない。生物防除組成物は、植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長を、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、または少なくとも5日間低減させることができる。生物防除組成物は、植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長を少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、または少なくとも10日間低減させることができる。生物防除組成物は、植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長を10日間より長く低減させることができる。生物防除組成物は、対照における真菌病原体の成長と比較して真菌病原体の成長を少なくとも25%低減することができる。生物防除組成物は、対照における真菌病原体の成長と比較して真菌病原体の成長を少なくとも60%低減させることができる。生物防除組成物は、対照における真菌病原体の成長と比較して真菌病原体の成長を少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれより大きく低減させることができる。
【0113】
真菌病原体は、Albugo、Alternaria、Aphanomyces、Armillaria、Aspergillus、Botrytis、Botrydiplodia、Botrytinia、Bremia、Cercospora、Cercosporella、Cladosporium、Colletotrichum、Cordana、Corynespora、Cylindrocarpon、Daktulosphaira、Didymella、Elsinoe、Erysiphe、Eutypa、Fusarium、Ganoderma、Guignardia、Gymnoconia、Helminthosporium、Leptosphaeria、Leveillula、Macrophomina、Microsphaera、Monolinia、Mycosphaerella、Oidopsis、Passalora、Peronospora、Phomopsis、Phytophthora、Peronospora、Phoma、Plasmodiophora、Plasmopara、Podosphaera、Polyscytalum、Pseudocercospora、Puccinia、Pucciniastrum、Pythium、Ralstonia、Ramularia、Rhizoctonia、Rhizopus、Septoria、Sclerotinia、Sclerotium、Sphaerotheca、Sphaceloma、Spongospora、Stemphylium、Synchytrium、Thielaviopsis、Uncinula、Uromyces、またはVerticillium属の真菌病原体であり得る。真菌病原体は、Albugo candida、Albugo occidentalis、Alternaria alternata、Alternaria cucumerina、Alternaria dauci、Alternaria solani Alternaria tenuis、Alternaria tenuissima、Alternaria tomatophila、Aphanomyces euteiches、Aphanomyces raphani、Armillaria mellea、Botrydia theobromae、Botrytis cinerea、Botrytinia fuckeliana、Bremia lactuca、Cercospora beticola、Cercosporella rubi、Cladosporium herbarum、Colletotrichum acutatum、Colletotrichum gloeosporioides、Colletotrichum lindemuthianum、Colletotrichum musae、Colletotrichum spaethanium、Cordana musae、Corynespora cassiicola、Daktulosphaira vitifoliae、Didymella
bryoniae、Elsinoe ampelina、Elsinoe mangiferae、Elsinoe veneta、Erysiphe cichoracearum、Erysiphe necator、Eutypa lata、Fusarium germinareum、Fusarium oxysporum、Fusarium solani、Ganoderma boninense、Guignardia bidwellii、Gymnoconia peckiana、Helminthosporium solani、Leptosphaeria coniothyrium、Leptosphaeria maculans、Leveillula taurica、Macrophomina phaseolina、Microsphaera alni、Monilinia fructicola、Monilinia vaccinii-corymbosi、Mycosphaerella angulate、Mycosphaerella brassicicola、Mycosphaerella fragariae、Mycosphaerella fijiensis、Oidopsis taurica、Passalora fulva、Peronospora sparse、Peronospora farinosa、Phoma exigua、Phomopsis obscurans、Phomopsis vaccinia、Phomopsis viticola、Phytophthora capsica、Phytophthora erythroseptica、Phytophthora infestans、Phytophthora parasitica、Plasmopara viticola、Plasmodiophora brassicae、Podosphaera macularis、Polyscytalum pustulans、Pseudocercospora vitis、Puccinia allii、Puccinia sorghi、Pucciniastrum vaccinia、Pythium debaryanum、Pythium sulcatum、Pythium ultimum、Ralstonia solanacearum、Ramularia tulasneii、Rhizoctonia solani、Rhizopus arrhizus、Rhizopus stoloniferz、Sclerotinia minor、Sclerotinia sclerotiorum、Sclerotium cepivorum、Sclerotium rolfsii、Sclerotinia minor、Sclerotinia sclerotiorum、Septoria apiicola、Septoria lactucae、Septoria lycopersici、Septoria petroelini、Sphaceloma perseae、Sphaerotheca macularis、Spongospora subterrannea、Stemphylium vesicarium、Synchytrium endobioticum、Thielaviopsis basicola、Uncinula necator、Uromyces appendiculatus、Uromyces betae、Verticillium albo-atrum、Verticillium dahliae、Verticillium theobromae、またはその組合せであり得る。真菌病原体は、Fusarium oxysporumまたはVerticillium dahliaeであり得る。真菌病原体は、Botrytis cinereaであり得る。真菌病原体は、Colletotrichum spaethaniumであり得る。真菌病原体は、Erysiphe necatorであり得る。真菌病原体は、Peronospora farinosaであり得る。真菌病原体は、Podosphaera maculariであり得る。真菌病原体は、Monilinia vaccinii-corymbosiであり得る。真菌病原体は、Puccinia sorghiであり得る。真菌病原体は、うどんこ病を引き起こす真菌病原体であり得る。真菌病原体は、べと病を引き起こす真菌病原体であり得る。真菌病原体は、マミーベリー病(mummy berry)を引き起こす真菌病原体であり得る。真菌病原体は、トウモロコシサビ病を引き起こす真菌病原体であり得る。
【0114】
植物、花、種子、またはその農産物は、アーモンド、アプリコット、リンゴ、アーティチョーク、バナナ、オオムギ、ビーツ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、アサ、トウガラシ、ニンジン、セロリー、フダンソウ、サクランボ、柑橘類、トウモロコシ、ウリ、ナツメヤシ、イチジク、ニンニク、ブドウ、薬草、香辛料、ケール、レタス、アブラヤシ、オリーブ、タマネギ、エンドウ、ナシ、モモ、落花生、パパイヤ、パースニップ、ペカン、カキ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、マルメロ、ラディッシュ、ラズベリー、バラ、コメ、スピノサスモモ、モロコシ、ダイズ、ホウレンソウ、イチゴ、サツマイモ、タバコ、トマト、カブの葉、クルミ、またはコムギのものであり得る。植物、種子、花、またはその農産物は、Rosaceae科に由来し得る植物またはその農産物であり得る。Rosaceae科の植物、花、種子、またはその農産物は、Rubus属、例えばラズベリーまたはブラックベリー、Fragaria属、例えばイチゴ、Pyrus属、例えばナシ、Cydonia属、例えばマルメロ、Prunus属、例えばアーモンド、モモ、プラム、アプリコット、サクランボ、もしくはスピノサスモモ、Rosa属、例えばバラ、またはMalus属、例えばリンゴに由来し得る。植物、種子、花、またはその農産物は、Ericaceae科の植物またはその農産物であり得る。Ericaceae科の植物、種子、花、またはその農産物は、Vaccinium属、例えばブルーベリーに由来し得る。植物、種子、花、またはその農産物は、Ericaceae科の植物またはその農産物であり得る。Ericaceae科の植物、種子、花、またはその農産物は、Vaccinium属、例えばブルーベリーに由来し得る。植物、種子、花、またはその農産物は、Vitaceae科の植物またはその農産物であり得る。Vitaceae科の植物、種子、花、またはその農産物は、Vitis属、例えばブドウに由来し得る。
【0115】
生物防除組成物を同定および単離する方法
【0116】
生物防除組成物を同定および/または選択する方法は、少なくとも1つの微生物を単独で、または複数の他の微生物および/もしくは真菌病原体と共に培養するステップを含み得る。例えば、少なくとも1つの微生物を真菌病原体と共に培養して、少なくとも1つの微生物が真菌病原体の成長を阻害する有効性を同定することができる。少なくとも1つの微生物が真菌病原体の成長を阻害する有効性は、真菌病原体の成長パラメーターを観察することによって決定することができる。例えば、半固体または固体増殖培地において少なくとも1つの微生物の近くで生存真菌病原体が存在しないことを使用して、高い阻害の有効性を決定してもよい。少なくとも1つの微生物および真菌病原体を含有する液体培地の光学濃度を使用して、少なくとも1つの微生物の有効性を同定してもよい。
【0117】
少なくとも1つの微生物は、多様な方法によって同定することができる。少なくとも1つの微生物を、シークエンシング反応に供することができる。シークエンシング反応は、16S rRNA、12S rRNA、18S rRNA、28S rRNA、13S rRNAおよび23S rRNA、内部転写スペーサー(ITS)、ITS1、ITS2、シトクロムオキシダーゼI(COI)、シトクロムb、またはその任意の組合せの配列を同定し得る。シークエンシング反応は、16S rRNA配列、ITS配列、またはその組合せを同定し得る。シークエンシング反応を使用して、少なくとも1つの微生物の種または株を同定してもよい。
【0118】
少なくとも1つの微生物は、他の微生物によって影響を受け得る。微生物は、個別に培養した場合と比較して共に培養した場合に抗真菌特性が改善されるように、共に培養した場合に相乗的に挙動し得る。例えば、少なくとも1つの微生物は、別の微生物と共に培養した場合に増加した生存度を有し得る。少なくとも1つの微生物は、別の微生物と共に培養した場合に増加した増殖を有し得る。少なくとも1つの微生物は、別の微生物によって産生される化学物質または代謝物を使用し得る。少なくとも1つの微生物は、別の微生物と直接相互作用し得る。例えば、少なくとも1つの微生物および別の微生物は、バイオフィルムまたは多細胞構造を形成し得る。少なくとも1つの微生物は、別の微生物と共に培養した場合に、増加量の二次代謝物を産生および/または分泌し得る。例えば、少なくとも1つの微生物は中間代謝物を産生してもよく、これが次に別の微生物によって処理され、二次代謝物をもたらす。本明細書の他所で開示する方法を使用して、別の微生物との培養から利益が得られ得る微生物を同定することができ、ならびに第2の微生物が第1の微生物と同一ではない第1の微生物および第2の微生物を含む生物防除組成物を同定することができる。
【0119】
一部の場合では、少なくとも1つの微生物は、環境条件によって影響を受け得る。少なくとも1つの微生物は、特定のpHで成長し得るか、または二次代謝物を産生し得る。例えば、少なくとも1つの微生物が成長するpHは、3.0、4.0、5.0、6.0、6.2、6.4、6.6、6.8、7.0、7.2、7.4、7.6、7.8、8.0、9.0、10.0、またはそれより高いpHであり得る。例えば、少なくとも1つの微生物が成長するpHは、3.0、4.0、5.0、6.0、6.2、6.4、6.6、6.8、7.0、7.2、7.4、7.6、7.8、8.0、9.0、10.0、またはそれより低いpHであり得る。少なくとも1つの微生物は、塩の存在下で成長し得るか、または二次代謝物を産生し得る。塩は緩衝塩であり得る。少なくとも1つの微生物は、糖または炭水化物の存在下で成長し得るか、または二次代謝物を産生し得る。糖または炭水化物は、グルコースまたはグリセロールであり得る。
【0120】
生物防除組成物は、多様な培地または基質を使用して培養することができる。少なくとも1つの微生物は、寒天皿上の培養物であり得る。少なくとも1つの微生物は、半固形寒天皿において培養することができる。少なくとも1つの微生物は、液体培地において培養することができる。
【0121】
微生物共同体の選択
【0122】
微生物共同体を含む生物防除組成物を同定または選択する方法を使用することができる。例えば、米国特許公開第US20180127796号に開示される方法を、微生物共同体を同定または選択するために使用することができる。一部の場合では、複数の微生物を共に成長させることができる。一部の場合では、方法は、試料を希釈して複数の希釈物を形成するステップを含み得、複数の希釈物における1つの希釈物は、複数の微生物のサブセットを含む。希釈物は、複数の微生物の異なる微生物が相互作用することができる複数のサブセットの生成を可能にし得る。複数の微生物のサブセットを、微生物が増殖し得るように培養に供することができる。サブセットを、微生物の配列を得ることができるようにシークエンシング反応に供することができる。シークエンシング反応から、種、株、または他の分類学的情報を得ることができる。特定の微生物を同定するための配列は、本明細書において他所で考察する。サブセットを、様々な培養時間に供することができ、それにより、様々な時点でシークエンシング反応に供して、特定の種、株、または他の分類学上カテゴリーの存在および/または相対的存在量をモニターすることができる。特定の種、株、または他の分類学上のカテゴリーの存在および/または相対的存在量の変化を観察することによって、複数の微生物間の相互作用を決定することができる。例えば、第1の微生物は、第2の微生物と共に培養していない場合の相対的存在量と比較すると、第2の微生物と共に培養した場合に高い相対的存在量を有し得る。この例では、第1の微生物は、第1の微生物の全体的な生存度が増加するように、第2の微生物と相互作用し得る。複数の希釈物をそれぞれ、各々の希釈物の微生物を同定することができるようにシークエンシング反応に供することができ、多重化されたハイスループットアプローチを可能にすることができる。
【0123】
複数の微生物を、複数の微生物のサブセットが共に成長するように希釈することができる。一部の場合では、複数の微生物を連続希釈して試料の複数の連続希釈物を形成することが実施され得る。試料の複数の連続希釈物中の微生物は、分散または偶然が原因であり得る。複数の連続希釈物は、異なるインプリメンテーションにおいて異なり得る。一部の実施形態では、試料の複数の連続希釈物は、試料の1:10、1:100、1:1000、1:10000、1:100000、1:1000000、1:10000000、1:100000000、1:1000000000、または約1:10、1:100、1:1000、1:10000、1:100000、1:1000000、1:10000000、1:100000000、1:1000000000、またはこれらの値の任意の2つの間の数または範囲の希釈物を含み得る。一部の実施形態では、試料の複数の連続希釈物は、試料の少なくともまたは多くて1:10、1:100、1:1000、1:10000、1:100000、1:1000000、1:10000000、1:100000000、または1:1000000000希釈物を含み得る。例えば、試料を、例えば緩衝液を使用して試料の1:10希釈物へと10倍希釈することができる。試料の1:10希釈物を、試料の1:100希釈物へと10倍希釈することができる。複数の連続希釈物は、試料の1:10希釈物、試料の1:100希釈物、および類似に調製した試料の他の希釈物を含み得る。別の例として、試料を、例えば緩衝液を使用して試料の1:10希釈物へと10倍希釈することができる。試料を、試料の1:100希釈物へと100倍希釈することができる。複数の連続希釈物は、試料の1:10希釈物、試料の1:100希釈物、および類似に調製した試料の他の希釈物を含み得る。
【0124】
一部の実施形態では、第1の培養条件において試料の複数の希釈物を培養することは、1分もの短い期間から1年まで変化し得る複数の期間、第1の培養条件において試料の複数の希釈物を培養することを含む。
【0125】
複数の微生物を、シークエンシング反応に供し、特定の微生物を同定することができる。サブセットを一定期間培養すると、サブセットにおける各々の微生物の全体的なパーセンテージ表示は、培養開始時のパーセンテージから変化し得る。例えば、異なる培養期間後に他の微生物の中で生存したままである微生物は、培養物の微生物間の共生的関係または相互作用を示し、これらの微生物は微生物共同体を形成し得る。微生物共同体は、本明細書の他所で記載した少なくとも1つの微生物の有効性を同定するために使用した方法と類似の様式で真菌病原体の成長を阻害する有効性に関して試験することができる。
【0126】
特定の微生物の単離はまた、本明細書の他所で記載の方法または組成物において使用するためにも実施され得る。例えば、複数の微生物を、特定の微生物のコロニーを単離することができるように連続希釈に供することができる。連続希釈物を各々、液体、半固体、または固体培地において培養することができる。半固体または寒天プレートなどの固体培地上で、複数の微生物がコロニーを形成することができる。コロニーは、コロニーが単一の株または微生物の種を含有することができるように十分に分散させることができる。特定の微生物の単離はまた、遠心分離などの物理的分離方法を使用して実施することができる。例えば、複数の微生物を液体培地において培養し、培養物から微生物を単離するために遠心分離してもよい。特定の微生物はまた、特定の成長条件を使用して単離され得る。例えば、特定の微生物は、嫌気性条件で培養した場合に別の微生物と比較してより高い生存度を有し得る。特定の微生物は、特定の栄養に富む培地において培養した場合に、別の微生物と比較して高い生存度を有し得る。
【0127】
食品腐敗および食品の品質低下を防止または低減させる方法
植物、種子、花、またはその農産物を、収穫前に生物防除組成物によって処置する
植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法は、収穫される前の植物、種子、花、または農産物に、本明細書に記載の少なくとも1つの微生物または1つもしくは複数のその二次代謝物および担体を含む生物防除組成物を適用するステップを含み得る。農産物の収穫は、植物の食用部分を植物の残りから採取することを指し得る、または植物全体を採取した後、食用部分を後に採取することを指し得る。
【0128】
生物防除組成物を収穫前に適用するステップは、植物、種子、またはその農産物に生物防除組成物を振りかける、注入する、噴霧する、または刷毛塗りするステップを含み得る。生物防除組成物を適用するステップは、生物防除組成物を滴下線、灌漑システム、薬液灌漑システム、噴霧剤、または浸漬剤に添加するステップを含み得る。一部の場合では、生物防除組成物は、植物の根、植物の種子、植物の葉、植物周辺の土壌、または本明細書において植物の農産物とも呼ばれる植物の可食部分に適用される。
【0129】
方法はさらに、植物に、肥料、除草剤、殺有害生物剤、他の生物防除剤、またはその組合せを適用するステップを含み得る。一部の例では、肥料、除草剤、殺有害生物剤、他の生物防除剤またはその組合せは、生物防除組成物の前、後、または同時に適用される。
【0130】
真菌病原体の成長を防止または低減させる方法は、本明細書に記載の少なくとも1つの微生物またはその二次代謝物および担体を含む生物防除組成物を種子に適用するステップを含み得る。生物防除組成物を植物の種子に適用するステップは、植え付け前、植え付け時または植え付け後で発芽前に起こり得る。例えば、生物防除組成物を、植え付け前の種子の表面に適用することができる。一部の場合では、植え付け前に起こる種子の処置は、着色剤または色素、担体、結合剤、粘着剤、消泡剤、潤滑剤、栄養、またはその組合せを生物防除組成物に添加するステップを含み得る。
【0131】
真菌病原体の成長を防止または低減させる方法は、本明細書に記載の少なくとも1つの微生物またはその二次代謝物および担体を含む生物防除組成物を土壌に適用するステップを含み得る。生物防除組成物は、土壌に種子を植え付ける前、後、もしくは間に、または植物を新しい場所に移植する前に適用することができる。一例では、土壌改良剤を、植え付けの前に土壌に添加し、土壌改良剤は、植物の成長の改善をもたらし、土壌改良剤は、生物防除組成物を含む。一部の場合では、土壌改良剤はさらに肥料を含む。
【0132】
真菌病原体の成長を防止または低減させる方法は、本明細書に記載の少なくとも1つの微生物またはその二次代謝物および担体を含む生物防除組成物を、根に適用するステップを含み得る。生物防除組成物は、根に直接適用することができる。植物の根への直接適用の一例は、生物防除組成物を含む溶液に根を浸漬することを含み得る。生物防除組成物は、根に間接的に適用することができる。植物の根への間接的適用の一例は、植物の基部付近に生物防除組成物を噴霧することを含み得、生物防除組成物は土壌に浸透して根に到達する。
【0133】
収穫後にその農産物を生物防除組成物によって処置する
農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法は、収穫前または収穫後の農産物に、本明細書に記載の少なくとも1つの微生物またはその二次代謝物および担体を含む生物防除組成物を適用するステップを含み得る。
【0134】
収穫前または収穫後に生物防除組成物を適用するステップは、植物の農産物に生物防除組成物を振りかける、浸漬する、延ばす、注入する、擦りつける、噴霧する、または刷毛塗りするステップを含み得る。生物防除組成物は、収穫直前、または収穫直後、または収穫後1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは1週間以内に農産物に適用することができる。一部の場合では、生物防除組成物は、収穫直前または収穫直後に農産物を処置するプロセスにおいて収穫を行う実体によって、農産物をパッケージングする実体によって、農産物を輸送する実体によって、または農産物を販売もしくは消費者のために商業的に陳列する実体によって、適用される。
【0135】
収穫後に生物防除組成物を適用するステップはさらに、収穫後の農産物を処置するプロセスに生物防除組成物を組み込むステップを含むことができる。農産物は、収穫直後、例えば1回または複数回の洗浄時に処置することができる。1回または複数回の洗浄は、漂白剤(塩素)および/もしくは重炭酸ナトリウムが添加された水またはオゾン添加水の使用を含み得る。農産物をまた、油、樹脂、または構造もしくは化学マトリクスによって処置してもよい。生物防除組成物を、適用のために、油、樹脂、または構造もしくは化学マトリクスと混合してもよい。農産物は、農産物を乾燥する前または後に処置することができる。例えば、生物防除組成物を、ロウ、アラビアゴム、または農産物をコーティングするために使用される他のコーティングに添加することができる。生物防除組成物を、プロセスにおける任意の時点で添加してもよく、新しい洗浄液の一部として洗浄液の1つに含めてもよく、またはロウ、アラビアゴム、もしくは農産物の他のコーティングと混合してもよい。
【0136】
生物防除組成物によるパッケージング材料の処置
農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法は、農産物を輸送または貯蔵するために使用されるパッケージング材料に、本明細書に記載の少なくとも1つの微生物またはその二次代謝物および担体を含む生物防除組成物を適用するステップを含み得る。
【0137】
パッケージング材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、成形繊維、配向ポリスチレン(OPS)、ポリスチレン(PS)フォーム、ポリプロピレン(PP)、またはその組合せを含み得る。パッケージング材料は、厚紙、堅い板、スタイロフォーム(登録商標)、または成形パルプを含み得る。パッケージング材料は、基材、例えばセルロースを含み得る。パッケージング材料は、水平流(HFFS)パッケージ、垂直流(VFFS)パッケージ、熱成形パッケージ、密封トレイ、または伸縮フィルムであり得る。熱成形パッケージは、クラムシェルパッケージであり得る。パッケージング材料は、かご、トレイ、バスケット、またはクラムシェルであり得る。
【0138】
生物防除組成物によって処置するパッケージング材料は、インサートであり得る。インサートは、パッド、シート、またはブランケットであり得る。シートは、かご、トレイ、バスケット、またはクラムシェルの中またはその上に配置することができる。インサートは、セルロースまたはセルロース誘導体を含み得る。インサートは、少なくとも1つの層の微孔質ポリマー、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン、および少なくとも1つの層の高吸水性ポリマーを含み得る。一部の場合では、インサートは、外層および内層を含む。内層は吸水層であり得る。内層は、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、ポリビニルピロリドン、デンプン、デキストロース、ゼラチン、ペクチン、またはその組合せを含み得る。外層は、水透過層であり得る。
【0139】
生物防除組成物をパッケージング材料に適用するステップは、生物防除組成物によってパッケージング材料を洗浄、噴霧、または含浸するステップを含み得る。
【0140】
本明細書で使用される用語は、特定の場合のみを記載する目的のためであり、限定的であることを意図しない。以下の用語は、当業者によるこれらの用語の理解に加えて、本明細書で使用される用語の意味を説明するために考察される。本明細書においておよび添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの」、「1つの(an)」、および「その」は、文脈がそれ以外であることを明らかに示していない限り、複数の指示物を含む。特許請求の範囲は、任意の必要に応じた要素を除外するように立案することができることにさらに注意されたい。そのためこの声明は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連した「唯一」、「のみ」などの排他的用語の使用、または「負の」限定の使用に関する先行する基礎としての役目を果たすことが意図される。
【0141】
ある特定の範囲を、用語「約」の後に続く数値として本明細書において表す。用語「約」は、本明細書においてその後に続く正確な数ならびにその用語の後に続く数に近いまたは近似する数に関する文字通りの根拠を提供するために使用される。数が具体的に列挙された数に近いまたは近似するか否かを決定する場合、近いまたは近似する列挙されていない数は、それが提示される文脈において、具体的に列挙された数の実質的な同等物を提供する数であり得る。値の範囲が提供される場合、その範囲の上限および下限の間の、文脈が明らかにそれ以外であることを示していない限りその下限の単位の10分の1までの各々の介在する値、およびその明記された範囲内の他の任意の明記されたまたは介在する値が、本明細書に記載の方法および組成物に包含されると理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立してより小さい範囲に含まれてもよく、明記された範囲内の任意の具体的に除外された限界を条件として、本明細書に記載の方法および組成物内にも包含される。明記された範囲が限界の1つまたは両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲もまた、本明細書に記載の方法および組成物に含まれる。
【0142】
特に定義していない限り、本明細書で使用した全ての科学技術用語は、本明細書に記載の方法および組成物が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載の方法および材料と類似または同等の任意の方法および材料もまた、本明細書に記載の方法および組成物の実践または試験において使用することができるが、代表的な例示的な方法および材料を以下に記載する。
【実施例0143】
(実施例1:抗真菌活性に関する微生物のスクリーニング)
微生物を、真菌有害生物Verticillium dahliaeおよびFusarium oxysporumの成長を防止するその能力に関してスクリーニングした。14の候補体が、第1層スクリーニングにおいて活性であると同定され、真菌叢において透明域を形成することができた(例えば、Fusarium oxysporumを阻害するHanseniaspora uvarumの同定に関しては図3を参照されたい)。次に、これらの14の候補体を、半固形寒天を利用することによって構造土壌環境を模倣するように設計された第2層アッセイにおいてスクリーニングした。このアッセイでは、無処置の真菌の成長を100%に設定し、無処置真菌と比較した成長の低減を決定した。Bacillus subtilisのQST 713株の活性成分を含有する市販の製品であるSerenadeを対照として使用し、これはF.oxysporumの成長を約25%、およびV.dahliaeの成長を>99%低減させた。これらの候補体の中で10個がF.oxysporumの成長をSerenade(登録商標)より大きく低減させ、11個がV.dahliaeの成長をSerenadeと区別できないレベルで低減させた(図1)。
【0144】
試験した候補株は、同定された最も近縁の微生物種または属と共に表3に見出される。
【表3-1】
【表3-2】
【0145】
(実施例2:ラズベリーにおけるBacillus amyloliquefaciens(株28B;BC8)上清の抗真菌活性)
ラズベリーにおけるBotrytis cinereaに対するBacillus amyloliquefaciens(株28B;BC8)の単離株の培養上清の抗真菌活性を決定した。120時間後、Bacillus amyloliquefaciens株の上清を適用したラズベリーは、陰性対照ラズベリー(Botrytis cinereaに感染していない)と類似の真菌成長を示し、真菌成長がラズベリーの表面積の5%未満を覆った。これに対し、陽性対照ラズベリー(Botrytis cinereaに感染させた)は、120時間後に真菌成長で覆われた約90%の表面積を示した(図4図5A~5C)。
【0146】
(実施例3:ブルーベリー作物におけるBotrytis cinereaおよびColletotrichum spaethanium誘導花腐病に対するBC8の有効性の評価)
ブルーベリーにおけるBotrytis cinereaおよびColletotrichum spaethanium誘導花腐病に対するBC8の有効性を評価した。ブルーベリー低木を、BC8または対照処置によって処置した。対照処置として、低木を無処置のままとしたか、またはLifegard(Certis;活性成分:Bacillus mycoides)によって、Stargus(Marrone;活性成分:Bacillus amyloliquefaciens株F727)およびNufilm(Fertrell;テルペンポリマーおよび乳化剤の混合物)の組合せによって、もしくはBravo Weatherstik(Syngenta;活性成分:Chlorothalonil(テトラクロロイソフタロニトリル)54%)、Captevate(Arysta;活性成分:フェンヘキサミド、カプタン)およびPristine(BASF;活性成分:ピラクロストロビン、ボスクリド)の逐次適用によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。処置製品を75ガロンの体積の水と混合し(0.9L/処置でまたはラベルの仕様に従う)、噴霧装置を使用して定期的な間隔で植物に適用した。低木を、初期葉芽(EGT)、後期葉芽(LGT)、ピンクのつぼみ(PB)、開花(BLM)、落花(PF)、緑色の実(GRF)、10%青い実(BLF)を含む様々な成長段階で処置した。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0147】
Botrytis cinerea感染は、ブルーベリー低木あたりの花腐病の数を計数することによって評価した。処置あたり4回の反復を、無作為化プロットデザインフォーマットで実施した。
【0148】
低木あたりのB.cinerea誘導花腐病の発生率として表記する結果を、図7に示す。BC8は、無処置対照と比較して花腐病の発生率を約55%低減させるのに有効であった。
【0149】
データを、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値を、Fisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0150】
(実施例4:ブルーベリー作物におけるBotrytis cinereaおよびColletotrichum spaethaniumによって引き起こされた収穫後腐敗に対するBC8の有効性の評価)
ブルーベリー作物におけるBotrytis cinereaまたはColletotrichum sp.感染によって引き起こされた収穫後腐敗に対するBC8の有効性を評価した。ブルーベリー低木を、収穫前にBC8または対照処置によって処置し、そこから得たブルーベリーを収穫後観察した。対照処置として低木を無処置のままとしたか、またはLifegard(Certis)によって、StargusおよびNufilm(Fertrell)の組合せによって、もしくはBravo Weatherstik(Syngenta)、Captevate(Aresta)、およびPristine(Bayer)の逐次処置によって処置した。
【0151】
50個のベリーを収穫し、室温の湿潤チャンバーに12~14日間入れた後のB.cinereaおよびColletrotrichum sp.によって引き起こされた収穫後腐敗に関して評価した。%感染果実として表記する結果を図8に示す。収穫物中の処置ベリーは、10%のベリー腐敗発生率を有したが、収穫物中の無処置ベリーは、85%の腐敗発生率を有した(図8)。BC8は、ブルーベリー作物における収穫後腐敗の低減において、市販の標準であるBravo Weatherstik(Syngenta)、Captevate(Aresta)およびPristine(Bayer)の組合せと同程度に有効であった(図8)。
【0152】
データを、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値を、Fisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0153】
(実施例5:ブルーベリー作物におけるBotrytis cinereaおよびColletotrichum spaethanium誘導花腐病に対するBC16の有効性の評価)
BC16を、ブルーベリーにおけるBotrytis cinereaおよびColletotrichum spaethanium誘導花腐病に対するその有効性に関して評価した。ブルーベリー低木を、BC16または対照処置によって処置した。対照処置として、低木を無処置のままとしたか、またはLifegard(Certis)によって、StargusおよびNufilm(Fertrell)の組合せによって、もしくはBravo Weatherstik(Syngenta)、Captevate(Aresta)およびPristine(Bayer)の逐次処置によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。処置製品を75ガロンの体積の水と混合し(0.9L/処置でまたは製造元の仕様に従う)、噴霧装置を使用して定期的な間隔で植物に適用した。低木を、初期葉芽(EGT)、後期葉芽(LGT)、ピンクのつぼみ(PB)、開花(BLM)、落花(PF)、緑色の実(GRF)、10%青い実(BLF)を含む様々な成長段階で処置した。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0154】
Botrytis cinereaおよびColletotrichum spaethanium感染の発生率を、ブルーベリー低木あたりの花腐病の数を計数することによって評価した。処置あたり4回の反復を、無作為化プロットデザインフォーマットで実施した。低木あたりの花腐病の発生率として表記する結果を図9に示す。BC16は、無処置対照と比較して花腐病の発生率を約52%低減させるのに有効であった。
【0155】
データを、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値を、Fisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0156】
(実施例6:ブルーベリー作物におけるBotrytis cinereaおよびColletotrichum spaethaniumによって引き起こされた収穫後腐敗に対するBC16の有効性の評価)
ブルーベリー作物におけるBotrytis cinereaまたはColletotrichum sp.感染によって引き起こされた収穫後腐敗に対するBC16の有効性を評価した。ブルーベリー低木を、収穫前にBC16または対照処置によって処置し、そこから得たブルーベリーを収穫後に観察した。対照処置として、ベリーを無処置のままとしたか、またはLifegard(Certis)によって、StargusおよびNufilm(Fertrell)の組合せによって、もしくはBravo Weatherstik(Syngenta)、Captevate(Aresta)およびPristine(Bayer)の逐次処置によって処置した。50個のベリーを収穫し、室温の湿潤チャンバーに12~14日間入れた後にB.cinereaおよびColletrotrichum sp.によって引き起こされた収穫後腐敗に関して評価した。%感染果実として表記する結果を図10に示す。収穫物1におけるBC16処置低木は、5%のベリー腐敗発生率を有したが(図10)、収穫物1における無処置ベリーは収穫物1において85%の腐敗を有した(図10)。BC16は、ブルーベリー作物における収穫後腐敗の低減において、市販の標準であるBravo Weatherstik(Syngenta)、Captevate(Aresta)およびPristine(Bayer)と同程度に有効であった(図10)。
【0157】
データを、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値を、Fisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0158】
(実施例7:ブルーベリー作物におけるBotrytis cinereaおよびColletotrichum spaethanium誘導花腐病に対するBC17の有効性の評価)
BC17を、ブルーベリーにおけるBotrytis cinereaおよびColletotrichum spaethanium誘導花腐病に対するその有効性に関して評価した。ブルーベリー低木を、BC17または対照製品によって処置した。対照処置として、低木を無処置のままとしたか、またはLifegard(Certis)によって、StargusおよびNufilm(Fertrell)の組合せによって、もしくはBravo Weatherstik(Syngenta)、Captevate(Aresta)およびPristine(Bayer)の逐次処置によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。処置製品を、75ガロンの体積の水と0.9L/処置でまたは製造元の仕様に従って混合し、噴霧装置を使用して定期的な間隔で植物に適用した。低木を、初期葉芽(EGT)、後期葉芽(LGT)、ピンクのつぼみ(PB)、開花(BLM)、落花(PF)、緑色の実(GRF)、10%青い実(BLF)を含む様々な成長段階で処置した。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0159】
Botrytis cinerea感染を、ブルーベリー低木あたりの花腐病の数を計数することによって評価した。処置あたり4回の反復を、無作為化プロットデザインフォーマットで実施した。
【0160】
低木あたりの花腐病の発生率として表記する結果を、図11に示す。BC17は、無処置対照と比較して、花腐病の発生率を80%低減させるのに有効であった。
【0161】
データを、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値を、Fisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0162】
(実施例8:ブルーベリー作物におけるBotrytis cinereaおよびColletotrichum spaethaniumによって引き起こされた収穫後腐敗に対するBC17の有効性の評価)
BC17を、ブルーベリー作物におけるBotrytis cinereaまたはColletotrichum sp.感染によって引き起こされた収穫後腐敗に対するその有効性に関して評価した。ブルーベリー低木を、収穫前にBC17または対照処置によって処置し、そこから得たブルーベリーを収穫後に観察した。対照処置として、ベリーを無処置のままとしたか、またはLifegard(Certis)によって、StargusおよびNufilm(Fertrell)の組合せによって、もしくはBravo Weatherstik(Syngenta)、Captevate(Aresta)およびPristine(Bayer)の逐次処置によって処置した。50個のベリーを収穫し、室温の湿潤チャンバーに12~14日間入れた後のB.cinereaおよびColletrotrichum sp.によって引き起こされた収穫後腐敗に関して評価した。
【0163】
%感染果実として表記する結果を図12に示す。BC17処置低木は、7%のベリー腐敗発生率を有したが(図12)、無処置ベリーは85%の腐敗を有した(図12)。BC17は、ブルーベリー作物における収穫後腐敗の低減において、市販の標準であるBravo Weatherstik(Syngenta)、Captevate(Aresta)およびPristine(Bayer)と同程度に有効であった(図12)。
【0164】
データを、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値を、Fisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0165】
(実施例9:ブルーベリー作物におけるMonilinia vaccinii-corymbosi誘導マミーベリー病に対するBC16の有効性の評価)
BC16を、ブルーベリー作物におけるMonilinia vaccinii-corynbosi誘導マミーベリー病に対するその有効性に関して評価した。対照処置として、低木を、無処置のままとしたか、またはBravo Weatherstik(Syngenta)、Indar 2F(Corteva Agriscience;活性成分:フェンブコナゾール)およびPristine(Bayer)の組合せによって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。処置製品を、75ガロンの体積の水と0.9L/処置でまたは製造元の仕様に従って混合し、噴霧装置を使用して定期的な間隔で、ほぼ毎週植物に適用した。低木を、初期葉芽(EGT)、後期葉芽(LGT)、ピンクのつぼみ(PB)、開花(BLM)、落花(PF)、緑色の実(GRF)、10%青い実(BLF)を含む様々な成長段階で処置した。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。処置あたり4回の反復を、無作為化プロットデザインフォーマットで実施した。感染を、果実産生前およびベリー産生後に評価した。
【0166】
Monilinia vaccinii-corymbosi感染によるマミーベリー病の発生率を、一般的に罹病苗条と呼ばれる花腐病に罹患したブルーベリー苗条の存在によって評価した。M.vaccinii-corymbosi誘導罹病苗条の発生率(低木あたり)として表記する結果を、図13Aに示す。BC16は、無処置対照と比較して、花腐病の発生率を約52%低減させるのに有効であった。
【0167】
発生率はまた、感染ベリーが硬化するおよび萎びることによって特徴付けられるミイラ果の表現型によっても評価した。BC16を投与したブルーベリーを、作物が緑色の実の段階に達した7日後にミイラ果の存在に関して評価した。ミイラ果の発生率として表記する結果を、図13Bに示す。BC16は、ミイラ果の数を無処置対照と比較して約59%低減させるのに有効であった。
【0168】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0169】
(実施例10:ブルーベリー作物におけるMonilinia vaccinii-corymbosi誘導マミーベリー病に対するBC17の有効性の評価)
BC17を、ブルーベリー作物におけるMonilinia vaccinii-corynbosi誘導マミーベリー病に対するその有効性に関して評価した。低木を、BC17または対照処置によって処置した。対照処置として、低木を無処置のままとしたか、またはBravo Weatherstik(Syngenta)、Indar 2F(Corteva Agriscience)およびPristine(BASF)の組合せによって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。処置製品を75ガロンの体積の水と0.9L/処置でまたは製造元の仕様に従って混合し、噴霧装置を使用して定期的な間隔で植物に適用した。低木を、初期葉芽(EGT)、後期葉芽(LGT)、ピンクのつぼみ(PB)、開花(BLM)、落花(PF)、緑色の実(GRF)、10%青い実(BLF)を含む様々な成長段階で処置した。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。処置あたり4回の反復を、無作為化プロットデザインフォーマットで実施した。感染を、果実産生前およびベリー産生後に評価した。
【0170】
Monilinia vaccinii-corymbosi感染によるマミーベリー病を、一般的に罹病苗条と呼ばれる花腐病に罹患したブルーベリー苗条の存在によって評価した。低木あたりの罹病苗条の発生率として表記する結果を、図14Aに示す。BC17は、無処置対照と比較して、花腐病の発生率を約75%低減させるのに有効であった。
【0171】
罹病発生率はまた、感染ベリーが硬化するおよび萎びることによって特徴付けられるミイラ果の表現型によっても評価した。BC17を投与したブルーベリーを、作物が緑色の実の段階に達した7日後にミイラ果の存在に関して評価した。ミイラ果の発生率として表記する結果を図14Bに示す。BC17は、ミイラ果の数を無処置対照と比較して、約80%低減させるのに有効であった。
【0172】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0173】
(実施例11:真菌トウモロコシ病原体Puccinia sorghiに対するBC8の有効性の評価)
BC8を、トウモロコシ作物における真菌病原体Puccinia sorghiによって引き起こされたトウモロコシサビ病に対するその有効性に関して評価した。BC8処置は、40qt/エーカーの割合で7~10日間隔の3回適用からなった。各々長さ20フィートの2本の列をBC8によって処置し、1列を処置区画の間の緩衝帯として残した。各処置プロトコールにおいて4回の反復を実施した。
【0174】
対照処置として、列を無処置のままとしたか、またはDaconil SDG(Syngenta;活性成分:クロロタロニル)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0175】
処置製品を20ガロン/エーカーの体積の水と混合し、ナップサック式噴霧装置(28psiのフラットファンノズルを有する7.5フィートブーム)を使用して定期的な間隔で植物に適用した。作物を、通常の時期(6月終わり)の開始時、または罹病の最初の徴候時(どちらか早いほう)に処置した。
【0176】
BC8は、無処置区画と比較した場合にサビ病およびトウモロコシの罹病によって引き起こされた損害を阻害するのに有効であった。最後の処置の4日後にBC8によって処置した区画における平均病害は、病害がおよそ20%であることが観察された無処置区画と比較しておよそ8.8%であることが観察された(図15)。BC8は、トウモロコシ作物におけるトウモロコシサビ病によって引き起こされた損害の阻害において市販の処置より有効であった(図15)。
【0177】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0178】
(実施例12:真菌トウモロコシ病原体Puccinia sorghiに対するBC16の有効性の評価)
BC16を、トウモロコシ作物における真菌病原体Puccinia sorghiによって引き起こされたトウモロコシサビ病に対するその有効性に関して評価した。BC16処置は、20qt/エーカーまたは40qt/エーカーの割合で7~10日間隔の3回の適用からなった。各々長さ20フィートの2つの列をBC16によって処置し、1つの列は処置区画の間の緩衝帯として残した。各処置プロトコールにおいて4回の反復を実施した。
【0179】
対照処置として、列を無処置のままとしたか、またはDaconil SDG(Syngenta)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。トウモロコシ作物を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。処置製品を20ガロン/エーカーの体積の水と混合し、ナップサック式噴霧装置(28psiのフラットファンノズルを有する7.5フィートブーム)を使用して定期的な間隔で植物に適用した。作物を、通常の時期(6月終わり)の開始時、または罹病の最初の徴候時(どちらか早いほう)に処置した。
【0180】
BC16は、無処置区画と比較した場合にトウモロコシにおけるサビ病および罹病によって引き起こされた損害を阻害するのに有効であった。BC16の20qt/エーカーによって処置した区画における平均病害は、最後の処置の4日後に、病害がおよそ20%であることが観察された無処置区画と比較しておよそ10%であることが観察された(図16A)。BC16の20qt/エーカーによって処置した区画における平均病害は、最後の処置の4日後に、病害がおよそ20%であることが観察された無処置区画と比較しておよそ5%であることが観察された(図16A)。BC16は、トウモロコシ作物におけるトウモロコシサビ病によって引き起こされた損害の阻害において標準的な市販の処置より有効であった(図16A)。
【0181】
発病度指数を3回の適用後に測定した。無処置区画および市販の標準によって処置した区画と比較すると、BC16の20qt/エーカーおよび40qt/エーカーによって処置した区画は、低減された発病度を有した(図16B)。
【0182】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0183】
(実施例13:真菌トウモロコシ病原体Puccinia sorghiに対するBC17の有効性の評価)
BC17を、トウモロコシ作物における真菌病原体Puccinia sorghiによって引き起こされたトウモロコシサビ病に対するその有効性に関して評価した。BC17処置は、20qt/エーカーの割合で7~10日間隔で3回の適用からなった。各々長さ20フィートの2つの列をBC17によって処置し、1つの列は処置区画の間の緩衝帯として残した。各処置プロトコールにおいて4回の反復を実施した。
【0184】
対照処置として、低木を無処置のままとしたか、またはDaconil SDG(Syngenta)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。処置製品を20ガロン/エーカーの体積の水と混合し、ナップサック式噴霧装置(28psiのフラットファンノズルを有する7.5フィートブーム)を使用して定期的な間隔で植物に適用した。作物を、通常の時期(6月終わり)の開始時、または罹病の最初の徴候時(どちらか早いほう)に処置した。
【0185】
BC17は、無処置区画と比較した場合にトウモロコシにおけるトウモロコシサビ病および罹病によって引き起こされた損害を阻害するのに有効であった。BC17の20qt/エーカーによって処置した区画における平均病害は、最後の処置の4日後に、病害がおよそ20%であることが観察された無処置区画と比較しておよそ10%であることが観察された(図17A)。BC17の20qt/エーカーによって処置した区画における平均病害は、最後の処置の4日後に、病害がおよそ20%であることが観察された無処置区画と比較しておよそ13.8%であることが観察された(図17A)。BC17は、トウモロコシ作物におけるトウモロコシサビ病によって引き起こされた損害の阻害において標準的な市販の処置であるDaconil SDG(Syngenta)より有効であった(図17A)。
【0186】
発病度指数を3回の適用後に測定した。無処置区画および市販の標準処置と比較すると、BC17の20qt/エーカーによって処置した区画は、低減された発病度を有した(図17B)。
【0187】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0188】
(実施例14:ヴィニョールブドウにおけるPlasmopara viticolaに対するBC8の有効性の評価)
BC8を、ヴィニョールブドウにおけるPlasmopara viticolaによって引き起こされたべと病の進行に対するその有効性に関して評価した。ブドウの木をBC8または対照処置のいずれかによって処置した。BC8処置は、成長段階に応じて7~14日間隔で適用する8回の適用からなった。最初の4回の適用は、40ガロン/エーカーの割合で適用し、最後の4回の適用は50ガロン/エーカーの割合で適用した。対照処置として、ブドウの木を無処置のままとしたか、またはRevusTop(Syngenta;活性成分:マドニプロパミド、デフェノコナゾール)およびIntuity(Valent USA;活性成分:マンデストロビン)の組合せ(図18Aおよび図18BにIntuityとして言及)、もしくはManzate(Keystone Pest Solutions;活性成分:マンコゼブ)およびPristine(Bayer)の組合せ(図18Aおよび図18Bに市販の標準として言及)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。ブドウの木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、Sprayブルーム装置を使用して低木に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットデザインを試験のために採用した。
【0189】
BC8処置は、Plasmopara viticolaによって誘導された葉のべと病の有効な制御をもたらし、これは、無処置ブドウ植物の葉と比較して、発病度(図18A)および罹病指数(図18B)の両方の低減によって示された。
【0190】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0191】
(実施例15:ヴィニョールブドウにおけるBotrytis cinereaによって引き起こされた腐敗に対するBC8の有効性の評価)
BC8を、ヴィニョールブドウにおけるBotrytis cinereaによって引き起こされた腐敗に対するその有効性に関して評価した。ブドウの木を、BC8または対照処置のいずれかによって処置した。BC8処置は、成長段階に応じて7~14日間隔で適用する8回の適用からなった。最初の4回の適用は、40ガロン/エーカーの割合で適用し、最後の4回の適用は50ガロン/エーカーの割合で適用した。対照処置として、ブドウの木を無処置のままとしたか、またはRevusTop(Syngenta)およびIntuity(Valent USA)の組合せ(図19Aおよび図19BにIntuityとして言及)、もしくはManzate(Keystone Pest Solutions)およびPristine(Bayer)の組合せ(図19Aおよび図19Bに市販の標準として言及)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。ブドウの木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0192】
処置製品を製造元の指示書に従って水と混合し、Sprayブルーム装置を使用してブドウの木に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットデザインを試験のために採用した。全体として、区画あたり3本のブドウの木について4回の反復を行った。
【0193】
BC8処置は、ブドウの房におけるBotrytis cinereaによって誘導された腐敗の有効な制御をもたらし、これは無処置ブドウの房と比較して、発病度のほぼ32%低減(図19A)および罹病指数の約50%低減(図19B)の両方によって示された。
【0194】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0195】
(実施例16:ヴィニョールブドウにおけるErysiphe necatorによって誘導されたうどんこ病に対するBC8の有効性の評価)
BC8を、ヴィニョールブドウにおけるErysiphe necatorによって引き起こされたうどんこ病に対するその有効性に関して評価した。ブドウの木を、BC8または対照処置のいずれかによって処置した。BC8処置は、成長段階に応じて7~14日間隔で適用する8回の適用からなった。最初の4回の適用は、40ガロン/エーカーの割合で適用し、最後の4回の適用は50ガロン/エーカーの割合で適用した。対照処置として、ブドウの木を無処置のままとしたか、またはRevusTop(Syngenta)およびIntuity(Valent USA)の組合せ(図20Aおよび図20Bにおける「Intuity」)、もしくはManzate(Keystone Pest Solutions)およびPristine(Bayer)の組合せ(図20Aおよび図20Bにおける「市販の標準」)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。ブドウを、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0196】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、Sprayブルーム装置を使用してブドウの木に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットデザインを試験のために採用した。
【0197】
BC8処置は、ブドウの葉におけるErysiphe necatorによって誘導されたうどんこ病を低減させ、これは無処置ブドウ植物の葉と比較して、発病度のほぼ30%低減(図20A)および罹病指数の約50%低減(図20B)の両方によって示された。
【0198】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0199】
(実施例17:ヴィニョールブドウにおけるPlasmopara viticolaに対するBC16の有効性の評価)
BC16を、ヴィニョールブドウにおけるPlasmopara viticolaによって引き起こされたべと病の進行に対するその有効性に関して評価した。ブドウの木を、BC16または対照処置のいずれかによって処置した。BC16処置は、成長段階に応じて7~14日間隔で適用する8回の適用からなった。最初の4回の適用は、40ガロン/エーカーの割合で適用し、最後の4回の適用は50ガロン/エーカーの割合で適用した。対照処置として、ブドウの木を無処置のままとしたか、またはRevusTop(Syngenta)およびIntuity(Valent USA)の組合せ(図21Aおよび図21Bにおける「Intuity」)、もしくはManzate(Keystone
Pest Solutions)およびPristine(Bayer)の組合せ(図21Aおよび図21Bにおける「市販の標準」)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。ブドウを、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0200】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、Sprayブルーム装置を使用してブドウの木に適用した。
【0201】
各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットデザインを試験のために採用した。
【0202】
BC16処置は、Plasmopara viticolaによって誘導された葉のべと病を低減させ、これは、無処置ブドウ植物の葉と比較して、発病度(図21A)および罹病指数(図21B)の両方の低減によって示された。
【0203】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0204】
(実施例18:ヴィニョールブドウにおけるBotrytis cinereaによって引き起こされた腐敗に対するBC16の有効性の評価)
BC16を、ヴィニョールブドウにおけるBotrytis cinereaによって引き起こされた腐敗に対するその有効性に関して評価した。ブドウの木をBC16または対照処置によって処置した。BC16処置は、成長段階に応じて7~14日間隔で適用する8回の適用からなった。最初の4回の適用は、40ガロン/エーカーの割合で適用し、最後の4回の適用は50ガロン/エーカーの割合で適用した。対照処置として、ブドウの木を無処置のままとしたか、またはRevusTop(Syngenta)およびIntuity(Valent USA)の組合せ(図22における「Intuity」)、もしくはManzate(Keystone Pest Solutions)およびPristine(Bayer)の組合せ(図22における「市販の標準」)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。ブドウの木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0205】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、Sprayブルーム装置を使用してブドウの木に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットデザインを試験のために採用した。
【0206】
BC16処置は、ブドウの房におけるBotrytis cinereaによって誘導された腐敗を阻害し、これは無処置ブドウの房と比較して、発病度のほぼ32%低減(図22)によって示された。
【0207】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0208】
(実施例19:ヴィニョールブドウにおけるErysiphe necatorによって誘導されたうどんこ病に対するBC16の有効性の評価)
BC16を、ヴィニョールブドウにおけるErysiphe necatorによって引き起こされたうどんこ病に対するその有効性に関して評価した。ブドウの木を、BC16処置または対照処置のいずれかによって処置した。BC16処置は、成長段階に応じて7~14日間隔で適用する8回の適用からなった。最初の4回の適用は、40ガロン/エーカーの割合で適用し、最後の4回の適用は50ガロン/エーカーの割合で適用した。対照処置として、ブドウの木を無処置のままとしたか、またはRevusTop(Syngenta)およびIntuity(Valent USA)の組合せ(図23Aおよび図23Bにおいて「Intuity」として言及)、もしくはManzate(Keystone Pest Solutions)およびPristine(Bayer)の組合せ(図23Aおよび図23Bにおける「市販の標準」)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。ブドウの木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0209】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、Sprayブルーム装置を使用してブドウの木に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットデザインを試験のために採用した。
【0210】
BC16処置は、ブドウの葉におけるErysiphe necatorによって誘導されたうどんこ病の程度を低減させ(図23A)、無処置ブドウ植物の葉と比較して、罹病指数の約30%低減(図23B)をもたらした。
【0211】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0212】
(実施例20:ヴィニョールブドウにおけるPlasmopara viticolaに対するBC18の有効性の評価)
BC18を、ヴィニョールブドウにおけるPlasmopara viticolaによって引き起こされたべと病の進行に対するその有効性に関して評価した。ブドウの木をBC18または対照処置のいずれかによって処置した。BC18処置は、成長段階に応じて7~14日間隔で適用する8回の適用からなった。最初の4回の適用は、40ガロン/エーカーの割合で適用し、最後の4回の適用は50ガロン/エーカーの割合で適用した。対照処置として、ブドウの木を無処置のままとしたか、またはRevusTop(Syngenta)およびIntuity(Valent USA)の組合せ(図24Aおよび図24Bにおける「Intuity」)、もしくはManzate(Keystone Pest Solutions)およびPristine(Bayer)の組合せ(図24Aおよび図24Bにおける「市販の標準」)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。ブドウの木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0213】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、Sprayブルーム装置を使用してブドウの木に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットデザインを試験のために採用した。
【0214】
BC18は、ブドウの葉におけるべと病の制御において市販の標準処置と同程度に有効であった(それぞれ、図24Aおよび図24B)。BC18処置は、Plasmopara viticolaによって誘導された葉のべと病を低減させ、これは、無処置ブドウ植物の葉と比較して、発病度の約71%低減(図24A)および罹病指数の約80%低減(図24B)によって示された。
【0215】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0216】
(実施例21:ヴィニョールブドウにおけるBotrytis cinereaによって引き起こされた腐敗に対するBC18の有効性の評価)
BC18を、ヴィニョールブドウにおけるBotrytis cinereaによって引き起こされた腐敗に対するその有効性に関して評価した。ブドウの木を、BC18または対照処置のいずれかによって処置した。BC18処置は、成長段階に応じて7~14日間隔で適用する8回の適用からなった。最初の4回の適用は、40ガロン/エーカーの割合で適用し、最後の4回の適用は50ガロン/エーカーの割合で適用した。対照処置として、ブドウの木を無処置のままとしたか、またはRevusTop(Syngenta)およびIntuity(Valent USA)の組合せ(図25Aおよび図25Bにおける「Intuity」)、もしくはManzate(Keystone Pest Solutions)およびPristine(Bayer)の組合せ(図25Aおよび図25Bにおける「市販の標準」)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。ブドウの木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0217】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、Sprayブルーム装置を使用してブドウの木に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットデザインを試験のために採用した。
【0218】
BC18は、ブドウの房におけるBotrytis cinerea感染の制御において市販の標準処置と同程度に有効であった(それぞれ、図25Aおよび図25B)。BC18処置は、ブドウの房におけるBotrytis cinereaによって誘導された腐敗を阻害し、これは無処置ブドウの房と比較して、発病度のほぼ80%低減(図25A)および罹病指数の約87%低減(図25B)によって示された。
【0219】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0220】
(実施例22:ヴィニョールブドウにおけるErysiphe necatorによって誘導されたうどんこ病に対するBC18の有効性の評価)
BC18を、ヴィニョールブドウにおけるErysiphe necatorによって引き起こされたうどんこ病に対するその有効性に関して評価した。ブドウの木をBC18または対照処置のいずれかによって処置した。BC18処置は、成長段階に応じて7~14日間隔で適用する8回の適用からなった。最初の4回の適用は、40ガロン/エーカーの割合で適用し、最後の4回の適用は50ガロン/エーカーの割合で適用した。対照処置として、ブドウの木を無処置のままとしたか、またはRevusTop(Syngenta)およびIntuity(Valent USA)の組合せ(図26Aおよび図26Bにおける「Intuity」)、もしくはManzate(Keystone Pest
Solutions)およびPristine(Bayer)の組合せ(図26Aおよび図26Bにおける「市販の標準」)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。ブドウの木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0221】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、Sprayブルーム装置を使用してブドウの木に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットデザインを試験のために採用した。
【0222】
BC18は、ブドウの葉におけるうどんこ病の制御において市販の標準およびIntuity処置と同程度に有効であった(それぞれ、図26Aおよび図26B)。BC18処置は、ブドウの葉におけるErysiphe necatorによって誘導されたうどんこ病の程度を、無処置ブドウ植物の葉と比較して約80%低減させ(図26A)、罹病指数の約87%低減(図26B)をもたらした。
【0223】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0224】
(実施例23:ラズベリーにおけるBotrytis cinerea感染に対するBC8の有効性の評価)
BC8を、ラズベリーにおけるBotrytis cinereaおよびPodosphaera macularisによって引き起こされたうどんこ病に対するその有効性に関して評価した。低木を、BC8または対照処置のいずれかによって処置した。BC8処置を、成長段階に応じて14日間隔または7日間隔で適用した。処置は、39ガロン/エーカーの割合の全体で5~6回の適用からなった。対照処置として、低木を、無処置のままとしたか、あるいは業界標準(Rally(Corteva Agriscience;活性成分:ミコブタニル)、Pristine(BASF)、Elevate(Arysta LifeScience;活性成分:フェンヘキサミド)、およびSwitch(Syngenta)の組合せ)、またはBotector(Nufarm;活性成分:Aureobasidium pullalans)、Double Nickel(Certis;活性成分:Bacillus amyloliquefaciens株D747)、もしくはStargus/NuFilm Pを含む生物学的対照によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0225】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、定期的な間隔で植物に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットプロトコールを、処置あたり10’個の区画を使用する試験のために採用した。
【0226】
BC8は、ラズベリー低木におけるBotrytis cinerea感染の制御において市販の処置と同程度に有効であった。BC8処置は、無処置対照と比較して、ラズベリー植物におけるBotrytis cinerea感染の程度を約75%低減させ(図27A)、平均罹病指数を90%より多く低減させた(図27B)。
【0227】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0228】
(実施例24:ラズベリー低木におけるPodosphaera macularisによって引き起こされたうどんこ病に対するBC8の有効性の評価)
BC8を、ラズベリー低木においてPodosphaera macularisによって引き起こされたうどんこ病に対するその有効性に関して評価した。低木をBC8または対照処置のいずれかによって処置した。BC8処置を、成長段階に応じて14日間隔または7日間隔で適用した。処置は、39ガロン/エーカーの割合の全体で5~6回の適用からなった。対照処置として、低木を、無処置のままとしたか、あるいは業界標準(Rally(Corteva Agriscience)、Pristine(Bayer)、Elevate(Arysta LifeScience)、およびSwitch(Syngenta)の組合せ)、またはBotector、Double Nickel、もしくはStargus/NuFilm Pを含む生物学的対照によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0229】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、定期的な間隔で植物に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットプロトコールを、処置あたり10’個の区画を使用する試験のために採用した。
【0230】
ラズベリーの葉における平均発病度および平均罹病指数の低減によって測定したうどんこ病に対するBC8の有効性をそれぞれ、図28Aおよび図28Bに示す。BC8処置は、ラズベリーの葉におけるPodosphaera macularis感染の程度を約75%低減させた(図28A)。BC8処置は、市販の処置と同程度に有効であり、無処置対照と比較して、平均罹病指数を約70%低減させた(図28B)。
【0231】
ラズベリーのベリーにおける平均発病度および平均罹病指数の低減によって測定したうどんこ病に対するBC8の有効性をそれぞれ、図29Aおよび図29Bに示す。BC8処置は、ラズベリーのベリーにおけるPodosphaera macularis感染の程度を約70%低減させた(図29A)。BC8処置は、無処置対照と比較して、ラズベリーのベリーにおける平均罹病指数を約90%低減させた(図29B)。
【0232】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0233】
(実施例25:ラズベリーにおけるBotrytis cinerea感染に対するBC16の有効性の評価)
BC16を、ラズベリーにおけるBotrytis cinereaおよびPodosphaera macularisによって引き起こされたうどんこ病に対するその有効性に関して評価した。低木を、BC16または対照処置のいずれかによって処置した。BC16処置を、成長段階に応じて14日間隔または7日間隔で適用した。処置は、39ガロン/エーカーの割合の全体で5~6回の適用からなった。対照処置として、低木を、無処置のままとしたか、あるいは業界標準(Rally(Corteva Agriscience)、Pristine(Bayer)、Elevate(Arysta LifeScience)、およびSwitch(Syngenta)の組合せ)、またはBotector、Double Nickel、もしくはStargus/NuFilm Pを含む生物学的対照によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0234】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、定期的な間隔で植物に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットプロトコールを、処置あたり10’個の区画を使用する試験のために採用した。
【0235】
BC16は、ラズベリー低木におけるBotrytis cinerea感染の制御において有効であった。BC16処置は、無処置対照と比較して、ラズベリー植物におけるBotrytis cinerea感染の程度を約50%低減させ(図30A)、平均罹病指数を63%より多く低減させた(図30B)。
【0236】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0237】
(実施例26:ラズベリー低木におけるPodosphaera macularisによって引き起こされたうどんこ病に対するBC16の有効性の評価)
BC16を、ラズベリー低木におけるPodosphaera macularisによって引き起こされたうどんこ病に対するその有効性に関して評価した。低木を、BC16または対照処置のいずれかによって処置した。BC16処置を、成長段階に応じて14日間隔または7日間隔で適用した。処置は、39ガロン/エーカーの割合の全体で5~6回の適用からなった。対照処置として、低木を、無処置のままとしたか、あるいは業界標準(Rally(Corteva Agriscience)、Pristine(Bayer)、Elevate(Arysta LifeScience)およびSwitch(Syngenta)の組合せ)、またはBotector、Double Nickel、もしくはStargus/NuFilm Pを含む生物学的対照によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0238】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、定期的な間隔で植物に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットプロトコールを、処置あたり10’個の区画を使用する試験のために採用した。
【0239】
ラズベリーの葉における発病度および罹病指数の低減によって測定したうどんこ病に対するBC16の有効性をそれぞれ、図31Aおよび図31Bに示す。BC16処置は、ラズベリーの葉におけるPodosphaera macularis感染の程度を約56%低減させた(図31A)。BC16処置は、無処置対照と比較して、平均罹病指数を約70%低減させた(図31B)。
【0240】
ラズベリーのベリーにおける発病度および罹病指数の低減によって測定したうどんこ病に対するBC16の有効性をそれぞれ、図32Aおよび図32Bに示す。BC16処置は、ラズベリーのベリーにおけるPodosphaera macularis感染の程度を約50%低減させた(図32A)。BC16処置は、無処置対照と比較して、ラズベリーのベリーにおける平均罹病指数を約55%低減させた(図32B)。
【0241】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0242】
(実施例27:ラズベリーにおけるBotrytis cinerea感染に対するBC17の有効性の評価)
BC17を、ラズベリーにおけるBotrytis cinereaおよびPodosphaera macularisによって引き起こされたうどんこ病に対するその有効性に関して評価した。低木を、BC17または対照処置のいずれかによって処置した。BC17処置を、成長段階に応じて14日間隔または7日間隔で適用した。処置は、39ガロン/エーカーの割合の全体で5~6回の適用からなった。対照処置として、低木を、無処置のままとしたか、あるいは業界標準(Rally(Corteva Agriscience)、Pristine(Bayer)、Elevate(Arysta LifeScience)、およびSwitch(Syngenta)の組合せ)、またはBotector、Double Nickel、もしくはStargus/NuFilm Pを含む生物学的対照によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0243】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、定期的な間隔で植物に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットプロトコールを試験のために採用した。
【0244】
BC17は、ラズベリー低木におけるBotrytis cinerea感染の制御において有効であった。BC17処置は、無処置対照と比較して、ラズベリー植物におけるBotrytis cinerea感染の程度を約50%低減させ(図33A)、平均罹病指数を55%より多く低減させた(図33B)。
【0245】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0246】
(実施例28:ラズベリー低木におけるPodosphaera macularisによって引き起こされたうどんこ病に対するBC17の有効性の評価)
BC17を、ラズベリー低木におけるPodosphaera macularisによって引き起こされたうどんこ病に対するその有効性に関して評価した。低木を、BC17または対照処置のいずれかによって処置した。BC17処置を、成長段階に応じて14日間隔または7日間隔で適用した。処置は、39ガロン/エーカーの割合の全体で5~6回の適用からなった。対照処置として、低木を、無処置のままとしたか、あるいは業界標準(Rally(Corteva Agriscience)、Pristine(Bayer)、Elevate(Arysta LifeScience)、およびSwitch(Syngenta)の組合せ)、またはBotector、Double Nickel、もしくはStargus/NuFilm Pを含む生物学的対照によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0247】
処置製品を製造元の仕様に従って水と混合し、定期的な間隔で植物に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットプロトコールを、試験のために採用した。
【0248】
ラズベリーの葉における発病度および罹病指数の低減によって測定したうどんこ病に対するBC17の有効性をそれぞれ、図34Aおよび図34Bに示す。BC17処置は、ラズベリーの葉におけるPodosphaera macularis感染の程度を約45%低減させた(図34A)。BC17処置は、無処置対照と比較して、平均罹病指数を約70%低減させた(図34B)。
【0249】
ラズベリーのベリーにおける発病度および罹病指数の低減によって測定したうどんこ病に対するBC17の有効性をそれぞれ、図35Aおよび図35Bに示す。BC17処置は、ラズベリーのベリーにおけるPodosphaera macularis感染の程度を約50%低減させた(図35A)。BC17処置は、無処置対照と比較して、ラズベリーのベリーにおける平均罹病指数を約50%低減させた(図35B)。
【0250】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0251】
(実施例29:イチゴ果実におけるBotrytis cinereaおよびRhizopus spp.感染によって引き起こされた腐敗に対するBC16の有効性の評価)
BC16を、イチゴ果実におけるBotrytis cinereaおよびRhizopus spp.によって引き起こされた腐敗に対するその有効性に関して評価した。イチゴ広葉草本の区画をBC16または対照処置のいずれかによって処置した。BC16処置は、40クォート/エーカーの割合で毎週適用される、5回の葉への適用からなった。対照処置として、区画を、無処置のままとしたか、またはCAPTAN(Keystone Pest solutions)およびProcidic(Greenspire Global Inc.;活性成分:クエン酸)、Aviv(Sym Agro;活性成分:Bacillus subtilis株IAB/BS03)、Stk 73(STK;)、Procidic(Greenspire Global Inc.)を含む市販の標準によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。広葉草本を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0252】
処置製品を1エーカーあたり150ガロンの体積の水と混合し、8本のノズルを有する携帯型COバックパック噴霧装置を使用して広葉草本に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットデザインを試験のために採用した。最初の収穫は、最後の適用の翌日に採取し、2回目の収穫は、最後の適用の7日後に採取した。データを、各区画から収集した32個の熟したベリーから収集し、12~14日間観察してBotrytis cinereaまたはRhizopus spp.の存在によるベリーの腐敗を評価した。
【0253】
腐敗した果実の数として表記する結果を図36に示す。BC16処置ベリーは、無処置ベリーと比較して有意に少ない腐敗を有し、この試験で使用した市販の殺真菌剤と同等の成績であった。
【0254】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0255】
(実施例30:イチゴ果実におけるBotrytis cinereaおよびRhizopus spp.感染によって引き起こされた腐敗に対するBC17の有効性の評価)
BC17を、イチゴ果実におけるBotrytis cinereaおよびRhizopus spp.によって引き起こされた腐敗に対するその有効性に関して評価した。イチゴ広葉草本の区画を、BC17または対照処置のいずれかによって処置した。BC17処置は、40クォート/エーカーの割合で毎週適用される、5回の葉への適用からなった。対照処置として、低木を、無処置のままとしたか、またはCAPTAN(Keystone Pest solutions)およびProcidic(Greenspire
Global Inc.)、Aviv(Sym Agro)、Stk 73(STK)、Procidic(Greenspire Global Inc.)を含む市販の標準によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。低木を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。処置製品を1エーカーあたり150ガロンの体積の水と混合し、8本のノズルを有する携帯型COバックパック噴霧装置を使用して低木に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。無作為化プロットデザインを試験のために採用した。最初の収穫は、最後の適用の翌日に採取し、2回目の収穫は、最後の適用の7日後に採取した。データは各区画から収集した32個の熟したベリーから収集し、12~14日間観察してBotrytis cinereaまたはRhizopus spp.の存在によるベリーの腐敗を評価した。
【0256】
腐敗した果実の数として表記する結果を図37に示す。BC17処置ベリーは、無処置ベリーと比較して有意に少ない腐敗を有し、この試験で使用した市販の殺真菌剤と同等の成績であった。
【0257】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0258】
(実施例31:ダイズにおけるPythium sp.によって引き起こされた根腐病に対するBC17の有効性の評価)
BC17を、ダイズにおけるPythium sp.によって引き起こされた根腐病に対するその有効性に関して評価した。区画を、BC17または対照処置のいずれかによって処置した。BC17処置は、ダイズのCredenz品種に対する3回の適用からなった。1回目の適用は、植え付け後の実生(seed line)の上に畝またはドレンチのいずれかの植え付け時であった。ドレンチの2回目の適用は、100%発芽時であり。3回目の適用は2回目の適用の7~10日後に実施した。処置は、20クォート/エーカーまたは40クォート/エーカーの2つの異なる適用割合からなった。対照処置として、区画を無処置のままとしたか、または市販の標準であるDaconil SDG(Syngenta)(図38における「市販の標準」)によって処置した。全ての処置区域に、標準の商業的肥料および殺虫剤プログラムもまた行った。区画を、生産者の標準的な実施に従って成長させ、維持した。
【0259】
処置製品を20ガロン/エーカーの体積の水と混合し、ナップサック式噴霧装置(28psiのフラットノズルを有する0.5フィートブーム)を使用して、通常の時期(6月終わり)に、または罹病の最初の徴候時(どちらか早いほう)に植物に適用した。各処置に関して4回の反復を実施した。各々長さ20フィートの2本の列をBC17によって処置し、1列を処置区画の間の緩衝帯として残した。各処置プロトコールにおいて4回の反復を実施した。無作為化完全ブロックデザインをこの試験のために採用した。
【0260】
作物植分評価を、植物の健康および出芽率の尺度として実施した。作物植分(1メートルあたり)として表記する結果を図38に示す。作物植分数を2回目の適用時、3回目の適用前、および3回目の適用の14日後に評価した。BC17の40qt/エーカーでの処置は、無処置ダイズと比較した場合にダイズ作物植分を有意に増加させる。BC17は、作物植分の増加において市販の標準より良好な成績であった。
【0261】
データは全て、一元配置分散分析(ANOVA)を通して分析し、平均値をFisherの最小有意差(LSD)を使用して比較した。各々のグラフ内の同じ文字で表示する箱ひげ図は、有意に異ならない(LSD p=0.05)。
【0262】
(実施例32:ラズベリーの貯蔵寿命に及ぼすBotrytis cinereaによる感染に対する生物防除組成物の有効性)
ラズベリーを植物から収穫し、滅菌容器に入れた。ラズベリーは、いかなる認識可能な真菌感染も有しなかった。ラズベリーにBotrytis cinereaを故意に感染させた。2群のラズベリーを評価し、1群をBC8培養上清によって処置し、他方を無処置のままとした。処置は、果実を処置製剤に浸漬することによって適用したが、ラズベリーを保持するパッケージングに組み込んでもよく、または噴霧剤としてもしくは本明細書の他所で記載するように他の適した方法を使用して適用してもよい。3日後、無処置ラズベリーでは目に見える真菌感染が観察された。一方、BC8処置ラズベリーは、5日後でも感染を示さなかった。処置および無処置ラズベリーを図39に示す。
【0263】
(実施例33:ブドウの貯蔵寿命に及ぼすBotrytis cinereaによる感染に対する生物防除組成物の有効性)
ブドウを植物から収穫し、滅菌容器に入れた。ブドウは、いかなる認識可能な真菌感染も有しなかった。2群のブドウにBotrytis cinereaを故意に感染させた。図40は、評価した3群のブドウを示す。1群は、故意に感染させず、(-)ctrlと表示し、1群は、故意に感染させて生物防除組成物BC16によって処置し、BC16製品と表示し、1群は故意に感染させて無処置のままであり、(+)ctrlと表示した。処置は、果実を処置製剤に浸漬することによって適用したが、ブドウを保持するパッケージングに組み込んでもよく、または噴霧剤としてもしくは本明細書の他所で記載する他の適した方法を使用して適用してもよい。BC16処置ブドウは、認識可能な真菌感染を示さなかった。
【0264】
(実施例34:リンゴの貯蔵寿命に及ぼすBotrytis cinereaによる感染に対する生物防除組成物の有効性)
リンゴを植物から収穫し、滅菌容器に入れた。リンゴはいかなる認識可能な真菌感染も有しなかった。2つのリンゴにBotrytis cinereaを故意に感染させた。図42は、評価した3つのリンゴを示す。1つのリンゴは、故意に感染させず、(-)ctrlと表示し、1つのリンゴは、故意に感染させて生物防除組成物BC16によって処置し、BC16製品と表示し、1つのリンゴは故意に感染させて無処置のままであり、(+)ctrlと表示した。処置は、果実を処置製剤に浸漬することによって適用したが、リンゴを保持するパッケージングに組み込んでもよく、または噴霧剤としてもしくは本明細書の他所で記載する他の適した方法を使用して適用してもよい。BC16処置リンゴは、無処置リンゴと比較してより小さい真菌感染領域を示した。リンゴをまた故意に感染させてBC17によって処置し、BC17製品と表示した。BC17によって処置したリンゴ(図42)は、無処置リンゴと比較してより小さい真菌感染領域を示した。図43は、様々なリンゴの壊死した果実のパーセンテージを示す。
【0265】
(実施例35:モモの貯蔵寿命に及ぼすBotrytis cinereaによる感染に対する生物防除組成物の有効性)
モモを植物から収穫し、滅菌容器に入れた。モモはいかなる認識可能な真菌感染も有しなかった。モモにBotrytis cinereaを故意に感染させた。図44は、評価した3つのモモを示す。1つのモモは故意に感染させず、(-)対照と表示し、1つのモモは、故意に感染させて生物防除組成物BC17によって処置し、BC17と表示し、1つのモモは故意に感染させて無処置のままであり、(+)対照と表示した。処置は、果実を処置製剤に浸漬することによって適用したが、モモを保持するパッケージングに組み込んでもよく、または噴霧剤としてもしくは本明細書の他所で記載するように他の適した方法を使用して適用してもよい。BC17処置モモは、認識可能な真菌感染を示さなかった。
【0266】
本発明の好ましい実施形態を、本明細書において示し、記載してきたが、そのような実施形態は例としてのみ提供されることは当業者にとって明白である。多数の変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく当業者に想起されるであろう。本明細書に記載した本発明の実施形態に対する様々な代替物を、本発明の実践に使用してもよいと理解すべきである。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにその均等物は、それによって含まれることが意図される。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記少なくとも1つの微生物が、配列番号1および配列番号9の群から選択される16S
rRNA配列と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有するか、または前記少なくとも1つの微生物が、配列番号17および配列番号20の群から選択されるITS配列と99%を超えて同一であるITS配列を有するか、または前記少なくとも1つの微生物が、配列番号18のITS配列と90%を超えて同一であるITS配列を有する、生物防除組成物。
(項目2)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記少なくとも1つの微生物が、配列番号1および配列番号9からなる群より選択されるrRNA配列を含む、200塩基より長い配列と99%を超えて同一であるrRNA配列を含むか、または前記少なくとも1つの微生物が、配列番号17のITS配列と99%を超えて同一であるITS配列を有するか、または前記少なくとも1つの微生物が、配列番号18と90%を超えて同一であるITS配列を有する、生物防除組成物。
(項目3)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
Fusarium oxysporumまたはVerticillium dahliaeの生存をそれぞれ測定することによって決定した場合に、前記生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Fusarium oxysporumの成長を25%もしくはそれより大きく阻害する、または前記生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Verticillium dahliaeの成長を60%もしくはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物。
(項目4)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記少なくとも1つの微生物が、配列番号22の16S rRNA配列と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有する、生物防除組成物。
(項目5)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記少なくとも1つの微生物が、配列番号23の群から選択される16S rRNA配列と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有する、生物防除組成物。
(項目6)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記少なくとも1つの微生物が、配列番号24の16S rRNA配列と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有するか、または前記少なくとも1つの微生物が、配列番号25のITS配列と99%を超えて同一であるITS配列を有するか、または前記少なくとも1つの微生物が、配列番号25のITS配列と90%を超えて同一であるITS配列を有する、生物防除組成物。
(項目7)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Botrytis cineriaの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物。
(項目8)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Monilinia vaccinii-corymbosiの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物。
(項目9)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Colletotrichum
spaethaniumの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物。
(項目10)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Puccinia sorghiの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物。
(項目11)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Plasmopara viticolaの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物。
(項目12)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Erysiphe necatorの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物。
(項目13)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Podasphaera macularisの成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物。
(項目14)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Pytium属の生物の成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物。
(項目15)
(i)少なくとも1つの微生物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記生物防除組成物に曝露されていない対照と比較して、Rhizopus属の生物の成長を25%またはそれより大きく阻害することが可能である生物防除組成物。
(項目16)
(i)少なくとも1つの微生物の二次代謝物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記少なくとも1つの微生物が、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、および配列番号25の群から選択されるITS配列と99%を超えて同一であるITS配列を有する、生物防除組成物。
(項目17)
(i)少なくとも1つの微生物の1つまたは複数の二次代謝物、および
(ii)担体
を含む生物防除組成物であって、
前記少なくとも1つの微生物が、配列番号1、配列番号9、配列番号22、配列番号23、および配列番号24の群から選択される16S rRNA配列と99%を超えて同一である16S rRNA配列を有する、生物防除組成物。
(項目18)
前記少なくとも1つの微生物が単離および精製される、項目1~17のいずれか1項に記載の生物防除組成物。
(項目19)
前記生物防除組成物が第2の微生物をさらに含み、前記第2の微生物が前記少なくとも1つの微生物と同一ではない、項目1~17のいずれか1項に記載の生物防除組成物。
(項目20)
前記第2の微生物が単離および精製される、項目19に記載の生物防除組成物。
(項目21)
前記第2の微生物が、配列番号1~25からなる群より選択される配列と少なくとも95%同一であるRNA配列を含む、項目18または20に記載の生物防除組成物。
(項目22)
前記第2の微生物が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、22、23、および24からなる群より選択される16S
rRNA配列と少なくとも95%同一である16S rRNA配列を含む、項目21に記載の生物防除組成物。
(項目23)
前記第2の微生物が、配列番号17、18、19、20、21、および25からなる群より選択される内部転写スペーサー(ITS)配列と少なくとも95%同一であるITS配列を含む、項目21に記載の生物防除組成物。
(項目24)
前記第2の微生物が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、22、23、および24からなる群より選択される16S
rRNA配列と少なくとも99%同一である16S rRNA配列を含む、項目21に記載の生物防除組成物。
(項目25)
前記第2の微生物が、配列番号17、18、19、20、21、および25からなる群より選択される内部転写スペーサー(ITS)配列と少なくとも99%同一であるITS配列を含む、項目21に記載の生物防除組成物。
(項目26)
前記第2の微生物が、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、22、23、および24からなる群より選択される16S
rRNA配列である16S rRNA配列を含む、項目21に記載の生物防除組成物。(項目27)
前記第2の微生物が、配列番号17、18、19、20、21、および25からなる群より選択される内部転写スペーサー(ITS)配列であるITS配列を含む、項目21に記載の生物防除組成物。
(項目28)
前記少なくとも微生物が、配列番号24と少なくとも99%同一である16S rRNA配列を含み、前記第2の微生物が配列番号25と少なくとも99%同一であるITS配列を含む、項目21に記載の生物防除組成物。
(項目29)
前記生物防除組成物が第3の微生物を含み、前記第3の微生物が、前記第2の微生物または前記少なくとも1つの微生物のいずれとも同一ではない、項目21~27のいずれかに記載の生物防除組成物。
(項目30)
前記生物防除組成物が第4の微生物を含み、前記第3の微生物が、前記第3の微生物、前記第2の微生物、または前記少なくとも1つの微生物のいずれとも同一ではない、項目29に記載の生物防除組成物。
(項目31)
前記生物防除組成物が第5の微生物を含み、前記第5の微生物が、前記第4の微生物、前記第3の微生物、前記第2の微生物、または前記少なくとも1つの微生物のいずれとも同一ではない、項目30に記載の生物防除組成物。
(項目32)
前記少なくとも1つの微生物が、配列番号23と99%を超えて同一である16S rRNA配列を含み、前記第2の微生物が、配列番号23と99%を超えて同一である16S rRNA配列を含み、前記第3の微生物が、配列番号23と99%を超えて同一である16S rRNA配列を含む、項目29に記載の生物防除組成物。
(項目33)
前記少なくとも1つの微生物が、配列番号25と90%を超えて同一であるITS配列を有し、前記第2の微生物が、Gluconobacter種である、項目18に記載の生物防除組成物。
(項目34)
前記Gluconobacter種がGluconobacter cerinusである、項目33に記載の生物防除組成物。
(項目35)
前記Gluconobacterが、配列番号24と99%を超えて同一である16S
rRNA配列を有する、項目33に記載の生物防除組成物。
(項目36)
前記少なくとも1つの微生物が、配列番号18と90%を超えて同一であるITS配列を有し、前記第2の微生物がGluconacetobacter種である、項目18に記載の生物防除組成物。
(項目37)
前記Gluconacetobacter種がGluconacetobacter liquefaciensである、項目35に記載の生物防除組成物。
(項目38)
前記Gluconacetobacter種が、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、および配列番号16からなる群より選択される16S rRNA配列を有する、項目35に記載の生物防除組成物。
(項目39)
前記少なくとも1つの微生物の前記二次代謝物が、少なくとも1つの微生物の培養上清から単離される、項目16または17に記載の生物防除組成物。
(項目40)
少なくとも1つの微生物の前記1つまたは複数の二次代謝物が、リポペプチドを含む、項目16または17に記載の生物防除組成物。
(項目41)
前記リポペプチドが、サーファクチン、フェンギシン、およびイツリンからなる群より選択される環状リポペプチドである、項目40に記載の生物防除組成物。
(項目42)
少なくとも1つの微生物の前記1つまたは複数の二次代謝物が、ポリケチドを含む、項目16または17に記載の生物防除組成物。
(項目43)
少なくとも1つの微生物の前記1つまたは複数の二次代謝物が、揮発性抗真菌化合物を含む、項目16または17に記載の生物防除組成物。
(項目44)
前記対照が、Bacillus subtilis株QST 713に曝露される、項目3~15のいずれか1項に記載の生物防除組成物。
(項目45)
前記少なくとも1つの微生物が単離および精製される、項目1~15のいずれか1項に記載の生物防除組成物。
(項目46)
液体または粉末である、項目1~45のいずれか1項に記載の生物防除組成物。
(項目47)
栄養細胞を含む、項目1~46のいずれかに記載の生物防除組成物。
(項目48)
胞子を含む、項目1~46のいずれかに記載の生物防除組成物。
(項目49)
植物、種子、またはその農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法であって、前記植物、前記種子、花、または前記農産物に、項目1~46のいずれか1項に記載の生物防除組成物を適用するステップを含み、前記生物防除組成物が抗真菌活性を有する、方法。
(項目50)
植物、種子、花、またはその農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法であって、項目1~46のいずれか1項に記載の生物防除組成物を土壌に適用するステップを含み、前記生物防除組成物が抗真菌活性を有する、方法。
(項目51)
農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法であって、前記農産物を輸送または貯蔵するために使用されるパッケージング材料に、項目1~46のいずれか1項に記載の生物防除組成物を適用するステップを含み、前記生物防除組成物が抗真菌活性を有する、方法。
(項目52)
種子または農産物における真菌病原体の成長を防止または低減させる方法であって、項目1~46のいずれか1項に記載の生物防除組成物を、前記農産物または前記種子を洗浄すること、前記農産物または前記種子をコーティングすること、およびその組合せからなる群より選択されるプロセスに組み入れるステップを含む、方法。
(項目53)
前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、Ericaceae科の植物、種子、花、またはその農産物である、項目49~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目54)
前記植物、前記種子、または前記その農産物が、Vaccinium属である前記Ericaceae科の植物、種子、花、またはその農産物である、項目53に記載の方法。(項目55)
前記Vaccinium属の前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物がブルーベリーである、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、Vitaceae科の植物、種子、花、またはその農産物である、項目49~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目57)
前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、Vitis属である前記Vitaceae科の植物、種子、またはその農産物である、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記Vitis属の前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物がブドウである、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、Rosaceae科の植物、種子、またはその農産物である、項目49~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目60)
前記Rosaceae科の前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、Rubus、Malus、Pyrus、Cydonia、Prunus、Rosa、またはFragaria属である、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記Rubus属の前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、ラズベリーまたはブラックベリーである、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記Fragaria属の前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、イチゴである、項目60に記載の方法。
(項目63)
前記Pyrus属の前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、ナシである、項目60に記載の方法。
(項目64)
前記Cydonia属の前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、マルメロである、項目60に記載の方法。
(項目65)
前記Prunus属の前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、アーモンド、モモ、プラム、アプリコット、サクランボ、またはスピノサスモモである、項目60に記載の方法。
(項目66)
前記Rosa属の前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、バラである、項目60に記載の方法。
(項目67)
前記Malus属の前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物が、リンゴである、項目60に記載の方法。
(項目68)
前記生物防除組成物を適用するステップが、前記植物、前記種子、前記花、または前記農産物に、前記生物防除組成物を振りかける、浸漬する、延ばす、注入する、擦りつける、噴霧する、または刷毛塗りするステップを含む、項目49に記載の方法。
(項目69)
前記生物防除組成物を前記植物に適用するステップが、前記生物防除組成物を、滴下線、灌漑システム、薬液灌漑システム、噴霧剤、または浸漬剤に添加するステップを含む、項目49に記載の方法。
(項目70)
前記生物防除組成物を前記植物に適用するステップが、前記生物防除組成物を前記植物の根に適用するステップを含む、項目49に記載の方法。
(項目71)
前記根に適用するステップが間接的である、項目70に記載の方法。
(項目72)
前記農産物が前記植物から採取された後に、前記生物防除組成物が前記農産物に適用される、項目49に記載の方法。
(項目73)
前記適用するステップが前記植物を死滅させない、項目49に記載の方法。
(項目74)
前記植物に肥料、除草剤、殺有害生物剤、別の生物防除組成物、またはその組合せを適用するステップをさらに含む、項目49に記載の方法。
(項目75)
前記肥料、前記除草剤、前記殺有害生物剤、または前記別の生物防除組成物が、前記生物防除組成物の前、後、または同時に適用される、項目49に記載の方法。
(項目76)
前記パッケージング材料が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、成形繊維、配向ポリスチレン(OPS)、ポリスチレン(PS)フォーム、ポリプロピレン(PP)、またはその組合せを含む、項目51に記載の方法。
(項目77)
前記パッケージング材料に適用するステップが、前記パッケージング材料を洗浄するまたは含浸するステップを含む、項目51に記載の方法。
(項目78)
前記抗真菌活性が、前記真菌病原体の成長の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日間の防止である、項目49~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目79)
前記抗真菌活性が、前記生物防除組成物に曝露されていないRosaceae科の植物またはその農産物である対照における前記真菌病原体の成長と比較して、前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物における前記真菌病原体の成長の低減である、項目49~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目80)
前記真菌病原体の前記成長が、前記生物防除組成物に曝露されていない前記植物、前記種子、前記花、または前記その農産物における前記真菌病原体の成長と比較して、前記真菌病原体を前記生物防除組成物に曝露後、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20日間低減される、項目79に記載の方法。
(項目81)
前記生物防除組成物が、糸状または非糸状真菌病原体に対して抗真菌活性を有する、項目49~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目82)
前記糸状または非糸状真菌病原体が、Albugo candida、Albugo occidentalis、Alternaria alternata、Alternaria cucumerina、Alternaria dauci、Alternaria solani Alternaria tenuis、Alternaria tenuissima、Alternaria tomatophila、Aphanomyces euteiches、Aphanomyces raphani、Armillaria mellea、Botrydia theobromae、Botrytis cinerea、Botrytinia fuckeliana、Bremia lactuca、Cercospora beticola、Cercosporella rubi、Cladosporium herbarum、Colletotrichum acutatum、Colletotrichum gloeosporioides、Colletotrichum lindemuthianum、Colletotrichum musae、Colletotrichum spaethanium、Cordana musae、Corynespora cassiicola、Daktulosphaira vitifoliae、Didymella bryoniae、Elsinoe ampelina、Elsinoe mangiferae、Elsinoe veneta、Erysiphe cichoracearum、Erysiphe necator、Eutypa lata、Fusarium germinareum、Fusarium oxysporum、Fusarium solani、Ganoderma boninense、Guignardia bidwellii、Gymnoconia peckiana、Helminthosporium
solani、Leptosphaeria coniothyrium、Leptosphaeria maculans、Leveillula taurica、Macrophomina phaseolina、Microsphaera alni、Monilinia fructicola、Monilinia vaccinii-corymbosi、Mycosphaerella angulate、Mycosphaerella brassicicola、Mycosphaerella fragariae、Mycosphaerella fijiensis、Oidopsis taurica、Passalora fulva、Peronospora sparse、Peronospora farinosa、Phoma exigua、Phomopsis obscurans、Phomopsis vaccinia、Phomopsis viticola、Phytophthora capsica、Phytophthora erythroseptica、Phytophthora infestans、Phytophthora parasitica、Plasmopara viticola、Plasmodiophora brassicae、Podosphaera macularis、Polyscytalum pustulans、Pseudocercospora vitis、Puccinia allii、Puccinia sorghi、Pucciniastrum vaccinia、Pythium debaryanum、Pythium sulcatum、Pythium ultimum、Ralstonia solanacearum、Ramularia tulasneii、Rhizoctonia solani、Rhizopus
arrhizus、Rhizopus stoloniferz、Sclerotinia minor、Sclerotinia sclerotiorum、Sclerotium cepivorum、Sclerotium rolfsii、Sclerotinia minor、Sclerotinia sclerotiorum、Septoria apiicola、Septoria lactucae、Septoria lycopersici、Septoria petroelini、Sphaceloma perseae、Sphaerotheca macularis、Spongospora subterrannea、Stemphylium vesicarium、Synchytrium endobioticum、Thielaviopsis basicola、Uncinula necator、Uromyces appendiculatus、Uromyces betae、Verticillium
albo-atrum、Verticillium dahliae、Verticillium theobromae、およびその任意の組合せからなる群より選択される、項目81に記載の方法。
(項目83)
前記糸状真菌病原体が、Fusarium oxysporum、Verticillium dahliae、Botrytis cinerea、Colletotrichum spaethaniu、Erysiphe necator、Podosphaera macularis、Monilinia vaccinii-corymbosi、Puccinia sorghi、およびその任意の組合せからなる群より選択される、項目81に記載の方法。
(項目84)
前記植物、前記種子、または前記その農産物が、アーモンド、アプリコット、リンゴ、アーティチョーク、バナナ、オオムギ、ビーツ、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、アサ、トウガラシ、ニンジン、セロリー、フダンソウ、サクランボ、柑橘類、トウモロコシ、ウリ、ナツメヤシ、イチジク、ニンニク、ブドウ、薬草、香辛料、ケール、レタス、アブラヤシ、オリーブ、タマネギ、エンドウ、ナシ、モモ、落花生、パパイヤ、パースニップ、ペカン、カキ、プラム、ザクロ、ジャガイモ、マルメロ、ラディッシュ、ラズベリー、バラ、コメ、スピノサスモモ、モロコシ、ダイズ、ホウレンソウ、イチゴ、サツマイモ、タバコ、トマト、カブの葉、クルミ、およびコムギからなる群より選択される、項目49~52のいずれか1項に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図6
図7
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【配列表】
2024024071000001.app
【外国語明細書】