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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002409
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】車両用カメラユニット
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/24 20220101AFI20231228BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
B60R1/24
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101568
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(71)【出願人】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】福原 諒
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 啓一郎
(72)【発明者】
【氏名】塩野 智幸
(72)【発明者】
【氏名】魚住 太一
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA20
3D020BC02
3D020BD02
3D020BD11
(57)【要約】
【課題】車室内ミラーの裏面投影部分に重なる位置に配置され、車両前方方向から車両に衝撃が加わった場合に、車室内ミラーの離脱を阻害しない。
【解決手段】フロントガラス3に固定されたブラケット10と、ブラケット10に対して取外し可能なレンズフード20と、レンズフード20に装着される撮像装置30と、撮像装置30を覆うカバー部40と、を備え、レンズフード20は、ブラケット10に対して、フロントガラス3の傾斜方向に離脱可能に装着されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントガラスに固定されたブラケットと、
該ブラケットに対して取外し可能なレンズフードと、
該レンズフードに装着される撮像装置と、
該撮像装置を覆うカバー部と、
を備え、
前記フロントガラスの傾斜方向に離脱可能な車室内ミラーあるいは該車室内ミラーの機能を有する表示装置の裏面投影部分に重なって配置され、前記レンズフードは、前記ブラケットに対して、前記フロントガラスの前記傾斜方向に離脱可能に装着されていることを特徴とする車両用カメラユニット。
【請求項2】
前記レンズフードは、車両に前記車室内ミラーあるいは該車室内ミラーの機能を有する表示装置に離脱する衝撃が加わった場合に、離脱した前記車室内ミラーあるいは該車室内ミラーの機能を有する表示装置が衝突する衝撃力により前記ブラケットから離脱することを特徴とする請求項1に記載の車両用カメラユニット。
【請求項3】
前記フロントガラスの前記傾斜方向と交わる方向に配設され、前記レンズフードを前記ブラケットに固定するとともに、前記フロントガラスの前記傾斜方向に加わる前記衝撃力が作用した場合には、前記レンズフードを前記ブラケットから離脱させる第1の固定部と第2の固定部とを有することを特徴とする請求項2に記載の車両用カメラユニット。
【請求項4】
前記第1の固定部および前記第2の固定部の固定部材が、樹脂クリップであることを特徴とする請求項3に記載の車両用カメラユニット。
【請求項5】
前記第1の固定部および前記第2の固定部の固定部材が、金属クリップであることを特徴とする請求項3に記載の車両用カメラユニット。
【請求項6】
前記フロントガラスの前記傾斜方向と交わる方向に配設された前記第1の固定部と前記第2の固定部とに離間し、ピッチ方向あるいはヨー方向の回転を規制するとともに、前記フロントガラスの前記傾斜方向に加わる前記衝撃力が作用した場合には、前記第1の固定部と前記第2の固定部とともに、前記レンズフードを前記ブラケットから離脱させる第1の回転規制部と第2の回転規制部とを有することを特徴とする請求項3に記載の車両用カメラユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用カメラユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の車室内前方には、運転者が後方を視認するための車室内ミラーが車室内上部に固着して取り付けられている。
そのため、車両前方の運転席に着座する乗員がシートベルトを正しく装着している場合には問題はないが、乗員がシートベルトを正しく装着しておらず、特に、車両の斜め前方方向から車両に衝突等による衝撃が加わった場合には、その衝撃により、運転席に着座する乗員が車室内ミラー方向に押し出されることにより、車室内ミラーに接触することも想定される。
【0003】
上記のような場面を想定し、運転席に着座する乗員の、例えば頭部が車室内ミラーに接触した場合に、車室内ミラーに加わる荷重によって、車室内ミラーを離脱させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-93710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る技術を用いても、車室内ミラーの裏面投影部分に重なって、ユニットなどが配置された場合には、車室内ミラーの離脱が阻害される虞があるという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、車室内ミラーあるいは車室内ミラーの機能を有する表示装置の裏面投影部分に重なる位置に配置され、車両前方方向から車両に衝撃が加わった場合に、車室内ミラーの離脱を阻害しないよう離脱する車両用カメラユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、フロントガラスに固定されたブラケットと、該ブラケットに対して取外し可能なレンズフードと、該レンズフードに装着される撮像装置と、該撮像装置を覆うカバー部と、を備え、前記フロントガラスの傾斜方向に離脱可能な車室内ミラーあるいは該車室内ミラーの機能を有する表示装置の裏面投影部分に重なって配置され、前記レンズフードは、前記ブラケットに対して、前記フロントガラスの傾斜方向に離脱可能に装着されていることを特徴とする車両用カメラユニットを提案している。
【0008】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記レンズフードは、車両に前記車室内ミラーあるいは該車室内ミラーの機能を有する表示装置に離脱する衝撃が加わった場合に、離脱した前記車室内ミラーあるいは該車室内ミラーの機能を有する表示装置が衝突する衝撃力により前記ブラケットから離脱することを特徴とする車両用カメラユニットを提案している。
【0009】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記フロントガラスの前記傾斜方向と交わる方向に配設され、前記レンズフードを前記ブラケットに固定するとともに、前記フロントガラスの前記傾斜方向に加わる前記衝撃力が作用した場合には、前記レンズフードを前記ブラケットから離脱させる第1の固定部と第2の固定部とを有することを特徴とする車両用カメラユニットを提案している。
【0010】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記第1の固定部および前記第2の固定部の固定部材が、樹脂クリップであることを特徴とする車両用カメラユニットを提案している。
【0011】
形態5;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記第1の固定部および前記第2の固定部の固定部材が、金属クリップであることを特徴とする車両用カメラユニットを提案している。
【0012】
形態6;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記フロントガラスの前記傾斜方向と交わる方向に配設された前記第1の固定部と前記第2の固定部とに離間し、ピッチ方向あるいはヨー方向の回転を規制するとともに、前記フロントガラスの前記傾斜方向に加わる前記衝撃力が作用した場合には、前記第1の固定部と前記第2の固定部とともに、前記レンズフードを前記ブラケットから離脱させる第1の回転規制部と第2の回転規制部とを有することを特徴とする車両用カメラユニットを提案している。
【発明の効果】
【0013】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、車室内ミラーあるいは車室内ミラーの機能を有する表示装置の裏面投影部分に重なる位置に配置され、車両前方方向から車両に衝撃が加わった場合に、車室内ミラーの離脱を阻害しないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る車両用カメラユニットの取付構造を車両前方側方から見た断面図である。
図2】本発明の実施形態に係るブラケットに対するレンズフードの組付け状態を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るブラケットに対するレンズフードの組付け状態を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るブラケットとレンズフードの分解図である。
図5】本発明の実施形態に係るブラケットの斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係るレンズフードの斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る車両用カメラユニットを車両前方上部から見た平面図である。
図8】本発明の実施形態に係る車両用カメラユニットの図7におけるA-A断面図である。
図9】本発明の実施形態に係る車両用カメラユニットの図7におけるB部の拡大図である。
図10】本発明の実施形態に係る車両用カメラユニットの図9におけるC-C断面図である。
図11】本発明の実施形態に係る車両用カメラユニットの第1の固定部および第2の固定部の断面図である。
図12】本発明の実施形態に係る車両用カメラユニットにおけるレンズフードに対する撮像装置の組付け構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
以下、図1から図12を用いて、本実施形態に係る車両用カメラユニット1について説明する。
なお、図1から図12の図面では、車両の前方側を矢印FRで、車両の後方側を矢印BKで、車両の上方側を矢印UPで、車両上方側から見たときの車両の左方側(車幅方向一方側)を矢印LHで、車両の右方側(車幅方向他方側)を矢印RHで示している。
また、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、車両上下方向、車両前後方向、車両左右方向を示すものとする。
【0016】
<取付構造>
図1に示すように、車両用カメラユニット1は、フロントガラス3の傾斜方向に離脱可能に装着された車室内ミラー2の裏面側投影部分に重なる位置に離脱可能に装着されている。
また、車両用カメラユニット1は、車室内ミラー2に対して、車両前方側に離間し、フロントガラス3の左右方向の中央部に装着されている。
さらに、車室内ミラー2は、車室内ミラー2の表面側に加わる衝撃に応じて離脱可能となっている。
【0017】
また、車両用カメラユニット1は、車両前方側に車室内ミラー2が離脱するような衝撃が加わった場合に、離脱した車室内ミラー2が衝突する衝撃力により、後述するレンズフード20がブラケット10から離脱可能となっている。
より具体的には、車両前方側に車室内ミラー2が離脱するような衝撃が加わった場合に、車室内ミラー2が離脱し、離脱した車室内ミラー2が、後述するカバー部に衝突すると、カバー部が外れる、または、カバー部40の固定部が破損し、その後、カバー部40が後述する撮像装置30に衝突する衝撃力により、後述するレンズフード20がブラケット10から離脱可能となっている。
なお、本実施形態においては、車室内ミラー2を例示したが、車室内ミラー2と同様の機能を有する表示装置であってもよい。
この場合、表示装置は、車室内ミラー2と同様の離脱機構を有する。
【0018】
<車両用カメラユニット1の構成>
車両用カメラユニット1は、ブラケット10と、レンズフード20と、撮像装置30と、カバー部40と、を含んで構成されている。
車両用カメラユニット1には、図2図3に示すように、ブラケット10にレンズフード20が組付けられたときに、第1の固定部100、第2の固定部200、第1の回転規制部300、第2の回転規制部400が形成される。
【0019】
ブラケット10は、図1に示すように、レンズフード20と対向する対向面の裏面側に塗布された接着剤等によりフロントガラス3に固着されている。
【0020】
レンズフード20は、車両前方側から車両に車室内ミラー2が離脱する衝撃が加わった場合に、離脱した車室内ミラー2が衝突する衝撃力に応じて、ブラケット10に対して、離脱可能に組付けられている。
【0021】
<車両用カメラユニット1の固定構造>
ブラケット10は、図4図5に示すように、第1の固定部100の一部をなす第1の固定部材110と、第2の固定部200の一部をなす第2の固定部材210と、第1の回転規制部300の一部をなす第1の回転規制部材310と、第2の回転規制部400の一部をなす第2の回転規制部材410とを含んで構成されている。
【0022】
レンズフード20は、図4図6に示すように、第1の固定部100の一部をなす第1の被固定部材120と、第2の固定部200の一部をなす第2の被固定部材220と、第1の回転規制部300の一部をなす第1の被回転規制部材320と、第2の回転規制部400の一部をなす第2の被回転規制部材420と、第1の撮像装置嵌合部材500と、第2の撮像装置嵌合部材600とを含んで構成されている。
【0023】
図7は、車両用カメラユニット1を車両前方上部から見た平面図であるが、紙面左側に、第2の回転規制部400の一部をなす第2の被回転規制部材420が設けられ、紙面右側に、第1の回転規制部300の一部をなす第1の被回転規制部材320が設けられている。
【0024】
図8に示すように、第2の被回転規制部材420の延出壁部420Aは、車両下方側に位置する第2の回転規制部材410の副壁部410Bに当接し、第2の被回転規制部材420の係合壁部420Bは、先端の凸部が車両上方側にラップするように第2の回転規制部材410の主壁部410Aに対して、嵌合している。
【0025】
また、図10に示すように、第1の回転規制部材310は、基壁部310Aと基壁部310Aから突出するL字状突出壁部310Bとからなり、第1の被回転規制部材320の保持壁部320Bに車両前方方向から係合された係合壁部320Aの先端凸部が車両上方側にラップするように第1の回転規制部材310の基壁部310Aに対して、嵌合している。
また、図9に示すように、第1の被回転規制部材320の係合壁部320Cの先端の凸部は、車両車幅方向に第1の回転規制部材310の屈曲延伸壁部310Cに対して押し込まれるように係合している。
【0026】
また、第1の固定部材110と第2の固定部材210とは、同一の構造をなし、第1の被固定部材120と第2の被固定部材220とは、同一の構造をなしている。
図11に示すように、第1の固定部材110には、嵌合固定部材としての、例えば、樹脂クリップ110Aがはめ込まれており、U字状の弾性部が露出している。
【0027】
第1の被固定部材120は、矩形状開口部として形成されており、第1の固定部材110の樹脂クリップ110Aが押し込まれると、樹脂クリップ110AのU字状弾性部の自由端部が弾性変形する。
そして、第1の固定部材110の壁部110Bと、第1の被固定部材120の矩形状開口部を形成する壁部120Aとが当接するまで押し込まれると、樹脂クリップ110Aは、元のU字状に復元して固定される。
なお、本実施形態においては、樹脂クリップ110Aを例示したが、金属クリップを用いてもよい。
【0028】
第1の撮像装置嵌合部材500と第2の撮像装置嵌合部材600とは、同一の嵌合構造をなしている。
ここで、撮像装置30は、例えば、車両前方の人物や車両、地物等を撮像する単眼カメラユニットを例示することができる。
【0029】
図12に示すように、レンズフード20は、撮像装置30の第1の嵌合突起部31と嵌合する第1の嵌合溝部500Aと、撮像装置30の第2の嵌合突起部32と嵌合する第2の嵌合溝部500Bとを有している。
【0030】
図12に示すように、第1の嵌合溝部500Aの奥側には、板バネ33が配置されており、板バネ33の弾性変形箇所に対向する溝の形状が凹状になっている。
【0031】
また、図12に示すように、第2の嵌合溝部500Bの先端部は、第2の嵌合突起部32の先端部を保持するような形状となっている。
なお、第1の嵌合突起部31および第2の嵌合突起部32の先端部は、曲面形状となっている。
【0032】
撮像装置30の第1の嵌合突起部31と第2の嵌合突起部32とが、嵌合する第1の嵌合溝部500Aと第2の嵌合溝部500Bとに挿入されると、その挿入途中から、第1の嵌合突起部31が板バネを弾性変形させながら侵入し、第1の嵌合突起部31の先端部の曲面形状部が第1の嵌合溝部500Aの凹部に落ち込むと、板バネにより付勢されて、嵌合する。
【0033】
<車室内ミラー2の固定構造>
車室内ミラー2の固定部は、例えば、ベース2A、マウント2Bから構成されている。
【0034】
ベース2Aは、車両に固定される上面と、上面とは反対向きの下面と、下面と上面との間に配置される第1側面と、第1側面の反対側に配置される第2側面とを含む。
【0035】
マウント2Bは、上記下面に対向する底面と、底面からベースの第1側面に対向して立設される第1側壁と、底面からベース2Aの第2側面に対向して立設される第2側壁とを備える。
また、第1側壁から第2側壁に向かう方向における第1側壁の厚さは、底面から離れた部分よりも底面に近い部分において薄くなっている。
そして、マウント2Bは、ベース2Aに対して、第1側面と下面と第2側面と、を囲みながらスライドして組み付けられている。
【0036】
つまり、マウント2Bには、底面と第1側壁と第2側壁とが備えられ、左右方向における第1側壁の厚さは、底面から離れた部分よりも底面に近い部分において薄くなっている。
そのため、衝撃を受けた場合に、その衝撃により第1側壁が破損することから、車室内ミラー2を衝撃により容易に離脱させることができる。
【0037】
<作用・効果>
【0038】
上記のように、車室内ミラー2において、車両に固定される上面と、上面とは反対向きの下面と、下面と上面との間に配置される第1側面と、第1側面の反対側に配置される第2側面とを含むベース2Aを保持するマウント2Bには、底面と第1側壁と第2側壁とが備えられ、左右方向における第1側壁の厚さは、底面から離れた部分よりも底面に近い部分において薄くなっている。
そのため、車両に衝撃が加わり、その衝撃により、車室内ミラー2に直接的な衝撃が加わった場合には、その直接的な衝撃力により第1側壁が破損し、容易に車室内ミラー2を離脱させることができる。
一方で、車両前方側に車室内ミラー2が離脱する衝撃が加わった場合に、離脱した車室内ミラー2が衝突する衝撃力により、レンズフード20がブラケット10から離脱する。
つまり、車両前方側に車室内ミラー2が離脱するような衝撃が加わった場合には、車室内ミラー2が離脱し、離脱した車室内ミラー2が、カバー部40に衝突すると、カバー部40が外れる、または、カバー部40の固定部が破損し、その後、カバー部40が撮像装置30に衝突する衝撃力により、レンズフード20がブラケット10から離脱する。
そのため、車室内ミラー2の裏面投影部分に重なって配置された車両用カメラユニット1が、車室内ミラー2に先立って離脱落下することから、車室内ミラー2の離脱を阻害することを避けることができる。
【0039】
また、車両用カメラユニット1の第1の固定部100(第2の固定部200)は、レンズフード20に設けられた第1の被固定部材120とブラケット10に設けられた第1の固定部材110とからなっている。
そして、第1の固定部材110には、嵌合固定部材としての、例えば、樹脂クリップ110Aがはめ込まれており、U字状の弾性部が露出している。
第1の被固定部材120は、矩形状開口部として形成されており、第1の固定部材110の樹脂クリップ110Aが押し込まれると、樹脂クリップ110AのU字状弾性部の自由端部が弾性変形する。
そして、樹脂クリップ110Aが、第1の固定部材110の壁部110Bと第1の被固定部材120の矩形状開口部の壁部120Aとが当接するまで押し込まれると、樹脂クリップ110Aは、元のU字状に復元して固定される。
一方で、車両前方側から車両に車室内ミラー2が離脱するような衝撃が加わった場合には、離脱した車室内ミラー2が衝突する衝撃力が第1の固定部100(第2の固定部200)の組付け方向と逆方向に作用する。
この衝撃力により、第1の固定部材110の嵌合固定部材である樹脂クリップ110AのU字状弾性部の自由端部は弾性変形し、第1の被固定部材120の矩形状開口部をすり抜けると元のU字状に復元しつつ離脱する。
そのため、車室内ミラー2の裏面投影部分に重なって配置された車両用カメラユニット1におけるレンズフード20の第1の被固定部材120および第2の被固定部材220に、車両前方側から車両に車室内ミラー2が離脱するような衝撃が加わった場合には、離脱した車室内ミラー2が衝突する衝撃力の作用により、レンズフード20の第1の被固定部材120および第2の被固定部材220が、ブラケット10の第1の固定部材110および第2の固定部材210から離脱するため、簡易な構造により、レンズフード20をブラケット10に対して、固定および離脱させることができる。
【0040】
また、レンズフード20の第2の被回転規制部材420の延出壁部420Aは、ブラケット10の車両下側方向に位置する第2の回転規制部材410の副壁部410Bに当接し、第2の被回転規制部材420の係合壁部420Bは、先端の凸部が車両上側方向にラップするように第2の回転規制部材410の主壁部410Aに対して、嵌合している。
また、ブラケット10の第1の回転規制部材310は、基壁部310Aと基壁部310Aから突出するL字状突出壁部310Bとからなり、レンズフード20の第1の被回転規制部材320の保持壁部320Bに車両前方方向から係合された係合壁部320Aの先端凸部が車両下側方向にラップするように第1の回転規制部材310の基壁部310Aに対して、嵌合し、レンズフード20の係合壁部320Cは、車両車幅方向にブラケット10の屈曲延伸壁部310Cに対して当接している。
そのため、上記衝撃力が、第1の回転規制部300および第2の回転規制部400の組付け方向と逆方向に作用することから、レンズフード20の第2の被回転規制部材420および第1の被回転規制部材320は、ブラケット10の第1の回転規制部材310および第2の回転規制部材410から、レンズフード20の第1の被固定部材120および第2の被固定部材220と同調して離脱するため、簡易な構造により、レンズフード20をブラケット10対して、離脱させることができる。
【0041】
また、レンズフード20の第2の被回転規制部材420の延出壁部420Aは、ブラケット10の車両下側方向に位置する第2の回転規制部材410の副壁部410Bに当接し、第2の被回転規制部材420の係合壁部420Bは、先端の凸部が車両上側方向にラップするように第2の回転規制部材410の主壁部410Aに対して、嵌合している。
つまり、レンズフード20の第2の被回転規制部材420は、ブラケット10の第2の回転規制部材410に対して、車両の上下方向の回転を規制している。
そのため、第1の回転規制部300は、レンズフード20をブラケット10に固定するとともに、レンズフード20のピッチ方向の回転規制としても機能している。
【0042】
また、ブラケット10の第1の回転規制部材310は、基壁部310Aと基壁部310Aから突出するL字状突出壁部310Bとからなり、レンズフード20の第1の被回転規制部材320の保持壁部320Bに車両前方方向から係合された係合壁部320Aの先端凸部が車両上方側にラップするように第1の回転規制部材310の基壁部310Aに対して、嵌合し、レンズフード20の係合壁部320Cは、車両幅方向にブラケット10の屈曲延伸壁部310Cに対して当接している。
つまり、レンズフード20の第1の被回転規制部材320は、ブラケット10の第2の回転規制部材410に対して、車両の下方向および幅方向の回転を規制している。
そのため、第2の回転規制部400は、レンズフード20をブラケット10に固定するとともに、レンズフード20のピッチ方向およびヨー方向の回転規制としても機能している。
【0043】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、本実施形態においては、車室内ミラー2が離脱し、車両用カメラユニット1に接触する衝撃力により、レンズフード20の第1の被固定部材120および第2の被固定部材220がブラケット10の第1の固定部材110および第2の固定部材210から離脱する構造を例示したが、例えば、車両前方側から車両に車室内ミラー2が離脱する衝撃が加わった場合には、その衝撃によって発生する慣性力の作用により、ブラケット10の第1の固定部材110および第2の固定部材210から離脱する構造であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1;車両用カメラユニット
2;車室内ミラー
2A;ベース
2B;マウント
3;フロントガラス
10;ブラケット
20;レンズフード
30;撮像装置
40;カバー部
100;第1の固定部
110;第1の固定部材
120;第1の被固定部材
200;第2の固定部
210;第2の固定部材
220;第2の被固定部材
300;第1の回転規制部
310;第1の回転規制部材
320;第1の被回転規制部材
400;第2の回転規制部
410;第2の回転規制部材
420;第2の被回転規制部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12