(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024098
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】磁性粒子を含むエアロゾル形成物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240214BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240214BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20240214BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/46
A24F40/57
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024001664
(22)【出願日】2024-01-10
(62)【分割の表示】P 2022004105の分割
【原出願日】2015-05-20
(31)【優先権主張番号】14169238.4
(32)【優先日】2014-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレク
(57)【要約】
【課題】追加的な機能性を消費者に提供する検出器を含む改良型のエアロゾル形成物品および電気加熱式エアロゾル発生装置を提供し、偽造品の製造を困難にすること。
【解決手段】電気加熱式エアロゾル発生装置(30)で使用するためのエアロゾル形成物品(10)に関連し、このエアロゾル形成物品(10)は、マウスピース(18)と、エアロゾル形成基体(12)と、60℃~200℃のキュリー温度を有する磁性材料を含む複数の磁性粒子(22)とを含む。また、エアロゾル形成物品(10)を受けるための電気加熱式エアロゾル発生装置(30)に関連し、この装置(30)は、エアロゾル形成物品(10)を加熱するためのヒーター要素(32)と、インダクタ(38)と、インダクタ(38)のインダクタンスを測定し、測定されたインダクタンスに応答してヒーター要素(32)への電流供給を制御するためのコントローラ(42)とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気加熱式エアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル形成物品であって、前記エアロゾル形成物品が、
マウスピースと、
エアロゾル形成基体と、
60℃~200℃のキュリー温度を有する磁性材料を含む複数の磁性粒子を含む、エアロゾル形成物品。
【請求項2】
前記複数の磁性粒子が前記エアロゾル形成基体内に提供される、請求項1に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項3】
前記複数の磁性粒子が、前記エアロゾル形成基体の1~30重量パーセントの量だけ存在する、請求項1または2に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項4】
前記磁性粒子の数平均直径が、25マイクロメートル~75マイクロメートルである、請求項1、2または3に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項5】
エアロゾル形成物品を受けるための電気加熱式エアロゾル発生装置であって、前記装置が、
エアロゾル形成物品を加熱するためのヒーター要素と、
インダクタと、
前記インダクタのインダクタンスを測定し、前記測定されたインダクタンスに応答して前記ヒーター要素への電流の供給を制御するためのコントローラとを備える、装置。
【請求項6】
前記装置が前記ヒーター要素および前記インダクタの両方を形成する導電コイルを含む、請求項5に記載の電気加熱式エアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記コントローラが前記導電コイルを通した前記電流の供給を脈動させてエアロゾル形成物品を加熱するように構成され、また前記コントローラが、電流パルス間での前記導電コイルのインダクタンスを測定するよう構成されている、請求項6に記載の電気加熱式エアロゾル発生装置。
【請求項8】
請求項5~7のいずれか1項に記載の電気加熱式エアロゾル発生装置と、請求項1~4のいずれか1項に記載のエアロゾル形成物品との組み合わせを含む、電気加熱式エアロゾル発生システム。
【請求項9】
電気加熱式エアロゾル発生システムを動作させる方法であって、前記システムが、エアロゾル形成物品と、前記エアロゾル形成物品を加熱するためのヒーター要素と、インダクタと、前記インダクタのインダクタンスを測定し、前記ヒーター要素への電流の供給を制御するように構成されたコントローラとを備え、前記方法が、
前記インダクタのインダクタンスを測定する工程と、
前記測定されたインダクタンスを1つ以上の所定のインダクタンス値と比較する工程と、
前記測定されたインダクタンスと前記1つ以上の所定のインダクタンス値との前記比較に基づき、前記ヒーター要素への前記電流の供給を制御する工程とを含む、方法。
【請求項10】
前記ヒーター要素への前記電流の供給を制御する工程が、前記測定されたインダクタンスが前記1つ以上の所定のインダクタンス値のいずれとも一致しない場合に、前記ヒーター要素に電流が供給されないようにする工程を含み、前記1つ以上の所定のインダクタンス値はそれぞれエアロゾル形成物品のタイプに対応する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の所定のインダクタンス値が、複数の所定のインダクタンス値を含み、前記ヒーター要素への前記電流の供給を制御する工程が、前記ヒーター要素に供給される前記電流を変化させて所定の加熱プロフィールを提供する工程を含み、前記所定の加熱プロフィールが、どの前記複数の所定のインダクタンス値が前記測定されたインダクタンスと一致するかに基づき選択される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
請求項9、10または11に記載の方法であって、前記エアロゾル形成物品が、複数の磁性粒子を含み、前記ヒーター要素への前記電流の供給を制御する工程が、前記ヒーター要素への前記電流の供給を起動して前記エアロゾル形成物品を前記複数の磁性粒子のキュリー温度を超える温度に加熱する工程を含み、前記方法がさらに、
前記エアロゾル形成物品の加熱中に前記インダクタのインダクタンスおよび前記ヒーター要素の温度を繰り返し測定する工程と、
前記エアロゾル形成物品の加熱中に前記測定されたインダクタンスの低下がいつ発生するかを決定する工程であって、前記インダクタンスの前記低下が、前記複数の磁性粒子が前記キュリー温度に加熱されていることを示す工程と、
前記ヒーター要素に供給される電流を変化させて所定の加熱プロフィールを提供する工程であって、前記所定の加熱プロフィールが、前記測定されたインダクタンスの低下が発生する時間と、前記測定されたインダクタンスの低下が発生する前記ヒーター要素温度のうち少なくとも一つに基づき選択される工程とを含む、方法。
【請求項13】
前記電気加熱式エアロゾル発生システムが、前記ヒーター要素および前記インダクタの両方を形成する導電コイルを備え、前記ヒーター要素への電流の供給を起動させて前記エアロゾル形成基体を加熱する工程が、前記導電コイルを通した前記電流の供給を脈動させる工程を含み、前記インダクタの前記インダクタンスを繰り返し測定する工程が電流パルス間での前記導電コイルの前記インダクタンスを測定する工程を含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気加熱式エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル形成物品に関連し、このエアロゾル形成物品は、約60℃~約200℃のキュリー温度を有する磁性材料を含む磁性粒子を含む。本発明はまた、エアロゾル形成物品を受けるための電気加熱式エアロゾル発生装置に関連し、この装置は、インダクタと、測定されたインダクタのインダクタンスに応答して制御されるヒーター要素とを備える。本発明はさらに、エアロゾル形成物品と組み合わせて装置を作動させる方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
数多くの文献、例えば第US-A-5 060 671号、第US-A-5 388 594号、第US-A-5 505 214号、第WO-A-2004/043175号、第EP-A-1 618 803号、第EP-A 1 736 065号および第WO-A-2007/131449号が、数多くの利点を持つ電気的に動作するエアロゾル発生、喫煙、システムを開示している。1つの利点は、副流煙を著しく減少させつつ、喫煙者が喫煙を選択的に一時停止したり再開したりできることである。
【0003】
電気加熱式の喫煙システムは一般に、エアロゾル形成基体を加熱して喫煙者に提供されるエアロゾルを形成するヒーターに接続された電源(電池など)を備える。動作時に、これらの電気加熱式の喫煙システムは一般に、動作のために望ましい温度範囲を提供して揮発性化合物を放出する高電力パルスをヒーターに供給する。電気加熱式の喫煙システムは、再使用可能としてもよく、またエアロゾルを形成するために、エアロゾル形成基体を含む使い捨て喫煙物品を受けるように配置されてもよい。
【0004】
電気加熱式の喫煙システム用に開発されたエアロゾル発生、喫煙、物品は一般に特別設計されるが、これはエアロゾル形成基体の制御された加熱によって、点火端のある紙巻たばこおよびその他の喫煙物品で発生する燃焼なしに、風味が生成され放出されるためである。したがって、電気加熱式の喫煙システム用に設計された喫煙物品の構造は、点火端のある喫煙物品の構造とは異なりうる。点火端のある喫煙物品を電気加熱式の喫煙システムと併用すると、ユーザーにとって低質の喫煙体験となることがあり、また例えば、喫煙物品にシステムとの互換性がないためにシステムを損傷することもありうる。さらに、それぞれシステムと併用するよう構成されてはいるが、それぞれユーザーにとって異なる喫煙の体験を提供する数多くの異なる喫煙物品もありうる。
【0005】
従来の技術の一部の電気加熱式の喫煙システムには、喫煙システムで受けられる喫煙物品の存在を検出できる検出器を含むものがある。一般に周知のシステムは、喫煙物品の表面に識別可能なインクを印刷して、これが電気加熱式の喫煙装置によって検出される。追加的な機能性を消費者に提供する検出器を含む改良型のエアロゾル形成物品および電気加熱式エアロゾル発生装置を提供し、偽造品の製造を困難にすることが、本発明の目的である。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明は電気加熱式エアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル形成物品を提供し、このエアロゾル形成物品は、マウスピースと、エアロゾル形成基体と、約60℃~約200℃のキュリー温度を有する磁性材料を含む複数の磁性粒子を含む。
【0007】
「エアロゾル形成物品」という用語は、本明細書では、加熱時にエアロゾルを形成する少なくとも一つの基体を含む物品を意味するために使用される。当業者にとっては周知の通り、エアロゾルは、固体粒子または液体小滴が空気などのガス中に浮遊したものである。エアロゾルは、空気などのガス中に固体粒子および液体小滴が浮遊したものでありうる。
【0008】
複数の磁性粒子をエアロゾル形成物品上またはその中に提供することにより、本発明に従い形成された物品は、電気加熱式エアロゾル発生装置が物品の存在を検出するための新しい手段を有利にも提供する。特に、使用時に、エアロゾル形成物品は、磁性粒子の存在を検出するための手段を含む電気加熱式エアロゾル発生装置内に受けられる。下記にさらに詳細に考察する通り、磁性粒子の存在を検出するための手段は装置内に提供されるインダクタを含むことが好ましい。
【0009】
有利にも、約60℃~約200℃のキュリー温度を有する磁性材料から磁性粒子を形成することで、電気加熱式エアロゾル発生装置によるエアロゾル形成物品の検出にさらなる要素を追加できる。例えば、装置は、エアロゾル形成物品内の磁性粒子の存在を検出することにより、装置と併用することが意図されるエアロゾル形成物品の存在を第一に検出できる。エアロゾル形成物品の初期的な加熱の後で、装置は、磁性粒子の属性が変化する温度を検出できるが、この温度は磁性粒子を形成する磁性材料のキュリー温度を示す。キュリー温度を基に、その後で装置は、検出されたエアロゾル形成物品のタイプに応じて特定の加熱プロフィールを導入するなど、さらなる動作を行うことができる。
【0010】
したがって、磁性粒子は、電気加熱式エアロゾル発生装置内での電気ヒーターの使用温度の範囲内に収まるキュリー温度を有する磁性材料を含むことが好ましい。磁性粒子は、少なくとも約70℃、好ましくは少なくとも約80℃のキュリー温度を有する磁性材料を含みうる。その上、または別の方法として、磁性粒子は、約140℃より低い、好ましくは約130℃より低いキュリー温度を有する磁性材料を含みうる。
【0011】
本発明は、エアロゾル形成物品で使用するための二つ以上のタイプの磁性粒子を提供することが好ましく、各タイプの磁性粒子は異なるキュリー温度を有する。このように複数のエアロゾル形成物品を提供しうるが、そのそれぞれが、エアロゾル発生装置が検出されたキュリー温度に基づきエアロゾル形成物品を区別しそれに従い作動できるように、異なるタイプの磁性粒子を持つ。
【0012】
その上、または別の方法として、本発明は、エアロゾル発生装置が磁性粒子の量に基づき異なるタイプのエアロゾル形成物品を区別し、それにしたがって作動できるように、それぞれが異なる量の磁性粒子を含む複数のエアロゾル形成物品を提供しうる。
【0013】
磁性粒子は、紙(ラッパー紙など)、フィルター、チッピングペーパー、たばこ、たばこラップ、コーティング、結合剤、定着剤、接着剤、インク、泡、中空アセテートチューブ、ラップ、およびラッカーを含むがこれに限定されない、エアロゾル形成物品の任意の成分に組み込まれうる。磁性粒子は、例えば、タガントを紙スラリーに追加するなど材料の製造中に追加するか、または乾燥前に貼り付けるか、またはそれらを成分に塗るかまたは吹き付けるかのいずれかの方法で成分中に組み込まれうる。
【0014】
一部の実施形態では、エアロゾル形成基体中に磁性粒子を提供することが好ましい場合があり、特に、エアロゾル形成物品が使用時にエアロゾル形成基体に挿入されるヒーターおよびインダクタを備えた電気加熱式エアロゾル発生装置と併用される場合が好ましい。また、エアロゾル形成基体内に磁性粒子を提供することで、製造時のエアロゾル形成物品のその後の取扱中および消費者による取扱中に粒子が遊離しないように阻止される。
【0015】
エアロゾル発生装置内でのエアロゾル形成物品の向きが重要ではないように、磁性粒子はエアロゾル形成基体全体に分布することが好ましい。これにより、システムの使用が消費者にとってより簡単なものとなる。特に好ましい実施形態では、磁性粒子はエアロゾル形成基体全体に実質的に均一に分布される。
【0016】
磁性粒子は、エアロゾル形成基体の約1~約30重量パーセント、より好ましくはエアロゾル形成基体の約1~約10重量パーセント、最も好ましくはエアロゾル形成基体の約1~約5重量パーセントの量で存在することが好ましい。これらの範囲内の量の磁性粒子を提供することで、使用時の電気加熱式エアロゾル発生装置による有効な検出を可能とする十分な数が存在することが確保される。
【0017】
磁性粒子の数平均直径は、約25マイクロメートル~約75マイクロメートルが好ましい。この範囲内の粒子サイズにより、既存の製造工程への修正を最小限に抑えたエアロゾル形成物品への導入が許容される。例えば、エアロゾル形成基体が紙巻たばこ用紙に包まれたたばこを含む実施形態では、たばこが包装されて個別のエアロゾル形成物品を形成する前に、たばこの調整・処理中に磁性粒子をたばこに追加して混合できる。エアロゾル形成基体がキャストリーフシートの形態のたばこを含む実施形態では、こうしたシートの典型的な厚さを増やす必要なく、約75マイクロメートル未満の直径を持つ磁性粒子をキャストリーフシートに組み込むことができる。少なくとも約25マイクロメートルの直径を持つ磁性粒子を使用することで、物品の使用時に、磁性物品がエアロゾル形成基体からエアロゾル形成物品の他の部品または消費者へと移動することを阻止できる。
【0018】
磁性粒子を形成するために適切な磁性材料には、フェライト、合金鉄およびニッケル合金が含まれる。
【0019】
エアロゾル形成物品は、同軸に順番どおりに配置され、外側ラッパーによって囲まれた、エアロゾル形成基体、中空の管状要素、エアロゾル冷却要素およびマウスピースを備えうる。エアロゾル形成物品が外側ラッパーを含む場合に、外側ラッパーは例えば、紙巻たばこ用紙の外側ラッパーとしうる。
【0020】
エアロゾル形成物品の長さは、約30mm~約120mm、例えば約45mmとしうる。エアロゾル形成物品の直径は、約4mm~約15mm、例えば約7.2mmとしうる。エアロゾル形成基体の長さは、約3mm~約30mmとしうる。
【0021】
上述の通り、エアロゾル形成物品はエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含むことが好ましい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、第EP-A-1 750 788号および第EP-A-1 439 876号の装置で使用されているものなど、非たばこ材料を含みうる。エアロゾル形成基体は、さらにエアロゾル形成体を含むことが好ましい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。潜在的に適切なエアロゾル形成体の追加的な例が、第EP-A-0 277 519号および第US-A-5 396 911号に説明されている。エアロゾル形成基体は固体の基体であってもよい。固体基体は、例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこおよび膨化たばこのうち1つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち一つ以上を含みうる。随意に、基体は、基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含みうる。
【0022】
随意に、固体の基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートなどの形態をとりうる。別の方法として、担体は、その内側表面上(第US-A-5 505 214号、第US-A-5 591 368号および第US-A-5 388 594号で開示されているものなど)、またはその外側表面上、またはその内側および外側の表面両方に配置された固体基体の薄い層を持つ、管状の担体としうる。こうした管状の担体は、例えば、紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、質量の小さく目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穴あきの金属箔またはその他の任意の熱的に安定した高分子マトリクスで形成しうる。固体の基体は、例えば、シート、泡、ゲルまたはスラリーの形態で担体の表面上に沈着してもよい。固体の基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または代わりに、使用の間、均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。別の方法として、担体は、第EP-A-0 857 431号に説明されているものなど、たばこ成分が組み込まれた不織布繊維または繊維の束としうる。不織布繊維または繊維の束は、例えば、炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含みうる。
【0023】
エアロゾル形成基体は、液体基体でもよく、また喫煙物品は、液体基体を保持するための手段を含みうる。例えば、喫煙物品は、第EP-A-0 893 071号で説明されているものなど容器を含みうる。別の方法としてまたはさらに、喫煙物品は、第WO-A-2007/024130号、第WO-A-2007/066374号、第EP-A-1 736 062号、第WO-A-2007/131449号および第WO-A-2007/131450号に説明のある通り、その内部に液体基体が吸収されうる多孔性担体材料を含みうる。エアロゾル形成基体は別の方法として、その他任意の種類の基体(例えば、ガス基体)、または様々な基体タイプの任意の組み合わせとしうる。磁性粒子は、例えば、液体基体を保持するための容器を形成する材料内など、液体基体を保持するための手段に組み込まれうる。別の方法としてまたは追加的に、存在する場合には、磁性粒子は多孔性担体材料内に組み込まれうる。
【0024】
エアロゾル形成物品は、喫煙物品が好ましい。
【0025】
さらなる態様によれば、本発明は、磁性材料を含むエアロゾル形成物品を受けるための電気加熱式エアロゾル発生装置を提供するが、この装置は、エアロゾル形成物品を加熱するためのヒーター要素、およびインダクタを備える。装置はさらに、インダクタのインダクタンスを測定し、測定されたインダクタンスに応答してヒーター要素への電流の供給を制御するためのコントローラを備える。
【0026】
有利にも、本発明によるエアロゾル発生装置は、装置に挿入されたエアロゾル形成物品内での磁性材料の存在を検出し、それに従いヒーター要素への電流を制御することができる。特に、エアロゾル形成物品内の磁性材料がインダクタの近傍に配置される結果としてのインダクタのインダクタンスの変化を検出することにより、コントローラは、装置との併用が意図されるエアロゾル形成物品が挿入されたかどうかを判断できる。
【0027】
ヒーター要素への電流の制御には、電流をオンすること、電流をオフにすること、およびその他の方法での電流供給の調整が含まれうる。例えば、上述したエアロゾル形成物品中の磁性粒子など、磁性材料の存在が検出されると、コントローラは、ヒーター要素への電流の供給を起動してエアロゾル形成物品の加熱を開始しうる。
【0028】
上述した通り、コントローラは、異なるタイプのエアロゾル形成物品を検出するよう構成されうる。例えば、エアロゾル形成物品が挿入された時に測定されたインダクタのインダクタンスに基づき、コントローラは、存在する磁性材料の量を決定し、それに従いエアロゾル形成物品のタイプを決定しうる。
【0029】
その上、または別の方法として、エアロゾル形成物品の加熱時にインダクタのインダクタンスを繰り返し測定することにより、コントローラは、インダクタンスの有意な変化が発生した温度を決定しうるが、この温度はエアロゾル形成物品内の磁性材料のキュリー温度を示す。決定されたキュリー温度に基づき、コントローラはエアロゾル形成物品のタイプを決定できる。
【0030】
エアロゾル形成物品のタイプの決定に応答して、コントローラはそれに従い、ヒーター要素への電流の供給を調節できる。例えば、エアロゾル形成物品のタイプに基づき、コントローラは、電流を調節して、エアロゾル形成物品のタイプにとって適切な特定の加熱プロフィールを提供できる。
【0031】
ヒーター要素は電気抵抗性の材料を含むことが好ましい。適切な電気抵抗性の材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金およびセラミック材料および金属材料でできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含む場合がある。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例は、ステンレス鋼、ニッケル-、コバルト-、クロミウム-、アルミニウム-チタン-ジルコニウム-、ハフニウム-、ニオビウム-、モリブデン-、タンタル-、タングステン-、スズ-、ガリウム-、マンガン-および鉄を含有する合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)および鉄-マンガン-アルミニウム系の合金を含む。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要なエネルギー移動の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料へ埋込、封入、または塗布されてもよく、あるいはその逆であってもよい。適切な化合物ヒーター要素の例は、第US 5,498,855号、第WO 03/095688号および第US 5,514,630号に開示されている。
【0032】
ヒーター要素は任意の適切な形態をとりうる。例えば、少なくとも一つのヒーター要素は、第US-A-5 388 594号、第US-A-5 591 368号および第US-A-5 505 214号に記述されたものなどの、加熱用ブレードの形態をとりうる。あるいは、少なくとも一つのヒーター要素は、第EP A-1 128 741号に記載されるように異なる導電性部分または第WO-A-2007/066374号に記載されるように電気抵抗性の金属チューブを持つケーシングまたは基体の形態をとってもよい。別の方法として、第KR-A-100636287号および第JP-A-2006320286号に説明されている通り、エアロゾル形成基体の中心を貫通する1つ以上の加熱用の針または棒も適切である場合がある。あるいは、少なくとも一つのヒーター要素は、ディスク型の(末端の)ヒーターまたはディスク型のヒーターと加熱用の針または棒を組み合わせたものであってもよい。その他の代替物としては、第EP-A-1 736 065号に記述されたものなどの加熱用のワイヤーまたはフィラメント、例えばニッケルクロム(Ni-Cr)、プラチナ、タングステンまたは合金製のワイヤーまたは加熱プレートが挙げられる。
【0033】
ヒーター要素は伝導によりエアロゾル形成物品を加熱する場合がある。ヒーター要素はエアロゾル形成基体と、または基体が付着している担体と、少なくとも部分的に接触する場合がある。別の方法として、ヒーター要素からの熱は熱伝導性の要素の手段によって基体に伝導する場合がある。別の方法として、ヒーター要素は、使用中に電気加熱式エアロゾル発生装置を通して引き出された周囲空気に熱を伝達しうるが、これが次に、対流によってエアロゾル形成物品を加熱する。周囲空気は、第WO-A-2007/066374号に説明されている通り、エアロゾル形成基体を通過する前に加熱される場合がある。
【0034】
インダクタは、コントローラがインダクタのインダクタンスを測定できるようにするコントローラに接続された導電コイルを備えうる。インダクタは、物品が装置に挿入された時にエアロゾル形成物品中の磁性材料がインダクタの近傍に位置するように装置内に配置されることが好ましい。
【0035】
装置は、ヒーター要素およびインダクタの両方として機能する導電コイルを備えることが好ましい。例えば、装置は不導電性の基体中に包埋された導電コイルを含むヒーターブレードを備えうるが、ここで、導電コイルはインダクタおよび抵抗発熱体として機能する。ヒーター要素およびインダクタを単一の導電コイルから形成することはコスト効果が高く、装置の製造・構成を簡略化する。
【0036】
装置がヒーター要素および導電体の両方として機能する単一の導電コイルを備えた実施形態では、コントローラは、導電コイルを通した電流の供給を脈動させて、エアロゾル形成物品を加熱し、電流パルス間での導電コイルのインダクタンスを測定するよう構成されることが好ましい。コントローラは、導電コイルを通した電流の供給を約1 MHz~約30 MHz、好ましくは約1 MHz~約10 MHz、より好ましくは約5 MHz~約7 MHzの周波数で脈動させるよう構成されうる。
【0037】
さらなる態様によれば、本発明は、上述の任意の実施形態による電気加熱式エアロゾル発生装置と上述の任意の実施形態によるエアロゾル形成物品との組み合わせを含む、電気加熱式エアロゾル発生システムを提供する。
【0038】
なおさらなる態様によれば、本発明は、電気加熱式エアロゾル発生システムを作動させる方法を提供するが、システムは、エアロゾル形成物品と、エアロゾル形成物品を加熱するためのヒーター要素と、インダクタと、インダクタのインダクタンスを測定し、ヒーター要素への電流の供給を制御するように構成されたコントローラとを備える。方法は、インダクタのインダクタンスを測定する工程と、測定されたインダクタンスを1つ以上の所定のインダクタンス値と比較する工程とを含む。ヒーター要素への電流の供給は、測定されたインダクタンスと1つ以上の所定のインダクタンス値との比較に基づき制御される。
【0039】
例えば、測定されたインダクタンスが基準のインダクタンスに対応しない場合、エアロゾル形成物品が装置内に存在しないか、または挿入されたエアロゾル形成物品が磁性材料を含まず、したがって装置と併用するように設計されていないかのいずれかである、とコントローラは想定しうる。これらの状況下で、コントローラは、ヒーター要素への電流の供給を阻止するよう構成されうる。すなわち、コントローラはヒーター要素を起動しない。したがって、ヒーター要素への電流の供給を制御する工程は、測定されたインダクタンスが1つ以上の所定のインダクタンス値のいずれとも一致しない場合に、ヒーター要素に電流を供給しない工程を含むことが好ましく、ここで、1つ以上の所定のインダクタンス値はそれぞれ、装置と併用するように設計されたエアロゾル形成物品のタイプに対応する。
【0040】
別の方法として、測定されたインダクタンスが基準のインダクタンスと著しく異なる場合は、装置と併用するよう設計されたエアロゾル形成物品が挿入されたとコントローラが想定するようにしてもよい。この場合には、コントローラはヒーター要素への電流の供給をオンにして、エアロゾル形成物品の加熱を開始しうる。
【0041】
装置が異なるタイプのエアロゾル形成物品と併用できる場合、1つ以上の所定のインダクタンス値は複数の所定のインダクタンス値を含みうるが、ここでそれぞれの所定のインダクタンス値はエアロゾル形成物品のタイプに対応する。この場合には、ヒーター要素への電流の供給を制御する工程は、ヒーター要素に供給される電流を変化させて所定の加熱プロフィールを提供する工程を含みうるが、ここで所定の加熱プロフィールは、どの複数の所定のインダクタンス値が測定されたインダクタンスと一致するかに基づき選択される。すなわち、適切な加熱プロフィールは、装置に挿入されたエアロゾル形成物品のタイプについて選択される。例えば、異なるタイプのエアロゾル形成物品は、上述した通り、異なる量の磁性粒子など異なる量の磁性材料を含みうる。この場合には、所定のインダクタンス値はそれぞれ、対応する量の磁性材料の近傍に位置する時のインダクタのインダクタンスに対応する。
【0042】
その上、または別の方法として、装置は、上述した通り異なるタイプの磁性粒子など、それぞれが異なるキュリー温度を有する磁性材料を含む異なるタイプのエアロゾル形成物品と機能するように設計されてもよい。こうした実施形態では、ヒーター要素への電流の供給を制御する工程は、ヒーター要素への電流の供給を起動して、エアロゾル形成物品を複数の磁性粒子のキュリー温度を超える温度に加熱する工程を含む。この場合には、方法は、エアロゾル形成物品の加熱中にインダクタのインダクタンスおよびヒーター要素の温度を繰り返し測定する工程と、エアロゾル形成物品の加熱中に測定されたインダクタンスの低下がいつ発生したかを決定する工程とをさらに含むが、このインダクタンスの低下は複数の磁性粒子がキュリー温度にまで加熱されていることを示す。ヒーター要素に供給される電流はその後に変化して所定の加熱プロフィールを提供するが、ここで所定の加熱プロフィールは、測定されたインダクタンスの低下が発生する時間と、測定されたインダクタンスの低下が発生したヒーター要素温度とのうち少なくとも一つに基づき選択される。
【0043】
上述した通り、電気加熱式エアロゾル発生装置は、ヒーター要素およびインダクタの両方を形成する導電コイルを備えうる。この場合には、ヒーター要素への電流の供給を起動してエアロゾル形成基体を加熱する工程は、導電コイルを通した電流の供給を脈動させる工程を含み、またインダクタのインダクタンスを繰り返し測定する工程は、電流パルス間での導電コイルのインダクタンスを測定する工程を含む。導電コイルを通して電流の供給を脈動させる工程は、導電コイルを通して電流の供給を約1 MHz~約30 MHz、好ましくは約1 MHz~約10 MHz、より好ましくは約5 MHz~約7 MHzの周波数で脈動させることを含みうる。
【0044】
ここで、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、これは例証としてのみである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】
図1は、本発明によるエアロゾル形成物品を示す。
【
図2】
図2は、本発明による電気加熱式エアロゾル発生装置に挿入された
図1のエアロゾル形成物品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、エアロゾル形成基体12と、中空のアセテートチューブ14と、高分子フィルター16と、マウスピース18と、外側ラッパー20とを備えるエアロゾル形成物品10を示す。エアロゾル形成基体12は、たばこ24のプラグ内に分布された複数の強磁性粒子22を含む。マウスピース18は酢酸セルロース繊維のプラグを含む。
【0047】
図2は、電気加熱式エアロゾル発生装置30内に挿入されたエアロゾル形成物品10を示す。装置30は、基部部分34と、エアロゾル形成基体12を貫通するヒーターブレード36とを備えたヒーター要素32を含む。ヒーターブレード36は、装置30内に提供された電池40から電流の供給を受けるように構成された導電コイル38を含む。コントローラ42は、電池40からヒーターブレード36の導電コイル38への電流の供給を含めた、装置30の動作を制御する。
【0048】
使用中、コントローラ42は、エアロゾル形成基体12内の強磁性粒子22が導電コイル38の近傍に位置する結果としての導電コイル38のインダクタンスの変化を検出することにより、エアロゾル形成物品10が装置30との併用に適していることを判断する。
【0049】
エアロゾル形成物品10が装置30と併用できると判断した後、コントローラ42は、電池40から導電コイル38を通した電流を脈動させ、エアロゾル形成基体12の加熱を開始する。電流のパルス間で、コントローラ42は引き続き導電コイル38のインダクタンスを監視し、インダクタンスの有意な変化が発生する時点を決定する。インダクタンスの変化は、強磁性粒子22がそれらのキュリー温度に加熱されたことを示す。コントローラは、インダクタンスが変更した瞬間の導電コイル38の比抵抗を測定することにより温度を決定する。キュリー温度に基づき、コントローラ42はエアロゾル形成物品10のタイプを決定し、適切な加熱プロフィールを選択する。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気加熱式エアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル形成物品であって、前記エアロゾル形成物品が、
マウスピースと、
エアロゾル形成基体と、
60℃~200℃のキュリー温度を有する磁性材料を含む複数の磁性粒子と、
を含み、前記エアロゾル形成物品が、
内部に複数の磁性粒子が提供される外側ラッパー、又は、
内部に複数の磁性粒子が提供されるフィルター、
を含む、エアロゾル形成物品。
【請求項2】
前記複数の磁性粒子が前記エアロゾル形成基体内に提供される、請求項1に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項3】
前記複数の磁性粒子が前記エアロゾル形成基体全体に分布している、請求項1または2に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項4】
前記複数の磁性粒子が前記エアロゾル形成基体全体に実質的に均一に分布している、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項5】
前記複数の磁性粒子が、前記エアロゾル形成基体の1~30重量パーセントの量だけ存在する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項6】
前記複数の磁性粒子が、前記エアロゾル形成基体の約1~約5重量パーセントの量だけ存在する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項7】
前記磁性粒子の数平均直径が、25マイクロメートル~75マイクロメートルである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項8】
前記エアロゾル形成基体がキャストリーフシートの形態のたばこを含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項9】
前記複数の磁性粒子が前記キャストリーフシート内に提供される、請求項8に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項10】
前記複数の磁性粒子が少なくとも約70℃のキュリー温度を有する磁性材料を含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項11】
前記複数の磁性粒子が約140℃より低いキュリー温度を有する磁性材料を含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項12】
前記複数の磁性粒子が、前記電気加熱式エアロゾル発生装置内での電気ヒーターの使用温度の範囲内に収まるキュリー温度を有する磁性材料を含む、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項13】
前記エアロゾル形成物品の長さが約30mm~約120mmである、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項14】
前記エアロゾル形成物品の直径が約4mm~約15mmである、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のエアロゾル形成物品。
【請求項15】
エアロゾル形成物品を加熱するためのヒーター要素と、インダクタと、前記インダクタのインダクタンスと前記ヒーター要素の温度を繰り返し測定し、前記測定されたインダクタンスに応答して前記ヒーター要素への電流の供給を変化させて所定の加熱プロフィールを提供するコントローラとを備える電気加熱式エアロゾル発生装置で使用するためのものである、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の複数のエアロゾル形成物品であって、
前記エアロゾル形成物品が前記ヒーター要素によって加熱される前記電気加熱式エアロゾル発生装置で使用される際に、前記複数の磁性粒子が前記インダクタの近傍であるように、前記エアロゾル形成物品が構成されている、前記エアロゾル形成物品。
【請求項16】
電気加熱式エアロゾル発生装置で使用するための複数のエアロゾル形成物品であって、各エアロゾル形成物品が、請求項1乃至14のいずれか1項に記載のものである、複数のエアロゾル形成物品。
【請求項17】
前記エアロゾル発生装置によってエアロゾル形成物品を区別することができるように、各エアロゾル形成物品が異なるタイプの磁性粒子を持つ、請求項16に記載の複数のエアロゾル形成物品。
【請求項18】
各タイプの磁性粒子が異なるキュリー温度を有する、請求項17に記載の複数のエアロゾル形成物品。
【請求項19】
各エアロゾル形成物品が異なる量の磁性粒子を含む、請求項16乃至18に記載の複数のエアロゾル形成物品。