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特開2024-24113演出出力玩具および演出出力玩具セット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024113
(43)【公開日】2024-02-21
(54)【発明の名称】演出出力玩具および演出出力玩具セット
(51)【国際特許分類】
   A63H 5/00 20060101AFI20240214BHJP
   A63H 33/22 20060101ALI20240214BHJP
   A63H 33/26 20060101ALI20240214BHJP
   A63H 33/30 20060101ALI20240214BHJP
【FI】
A63H5/00 H
A63H5/00 C
A63H5/00 S
A63H33/22 A
A63H33/26 A
A63H33/30 H
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002520
(22)【出願日】2024-01-11
(62)【分割の表示】P 2023008988の分割
【原出願日】2019-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】隅田 将之
(72)【発明者】
【氏名】増川 祐子
(72)【発明者】
【氏名】井口 充弘
(72)【発明者】
【氏名】福谷 泰明
(72)【発明者】
【氏名】小縣 依美
(57)【要約】
【課題】使用者の操作に応じた演出を出力可能な演出出力玩具を提供する。
【解決手段】演出出力玩具10は、本体部11と、本体部11に設けられた線状部12と、線状部12への操作に応じた演出を出力可能な出力部24とを備え、本体部11は、線状部12の下端部を可動状態で支持し得る支持部13を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出出力玩具であって、
本体部と、
前記本体部に設けられた線状部と、
前記線状部への操作に応じた演出を出力可能な出力部とを備え、
前記本体部は、前記線状部の少なくとも一方の端部を可動状態で支持し得る支持部を含む、
演出出力玩具。
【請求項2】
前記線状部への操作に基づく前記線状部の動きを検知可能な検知部を、さらに備える、
請求項1に記載の演出出力玩具。
【請求項3】
前記線状部への操作は、前記線状部に対する接触操作である、
請求項1または2に記載の演出出力玩具。
【請求項4】
前記線状部の非支持部分は、前記本体部に設けられた開口部の内側に位置するように設けられている、
請求項1~3のいずれか1項に演出出力玩具。
【請求項5】
前記線状部は、計n本(nは2以上の整数)の第1線状部~第n線状部から成る、
請求項1~4に記載の演出出力玩具。
【請求項6】
前記第1線状部~第n線状部は、互いが平行で、かつ、間隔が等しい、
請求項5に記載の演出出力玩具。
【請求項7】
前記支持部は、前記線状部の一端部を不動状態で支持する不動支持部と、前記線状部の他端部を可動状態で支持する可動支持部とから成り、
前記線状部は、前記線状部の一端部を基点とした弾性を有する硬質材から形成されている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項8】
前記不動支持部と前記可動支持部は、前記本体部に設けられた開口部の内面に対向して設けられている、
請求項7に演出出力玩具。
【請求項9】
前記可動状態は、前記線状部の他端部の動きの最大値が制限された状態である、
請求項7または8に記載の演出出力玩具。
【請求項10】
前記演出出力玩具が請求項2に記載の前記検知部を備える場合、
前記検知部は、前記線状部の他端部が検知素子に触れたときに前記線状部の動きを検知し、前記検知素子に触れないときに前記線状部の動きを検知しないように構成されている、
請求項7~9のいずれか1項に演出出力玩具。
【請求項11】
前記線状部が請求項5または6に記載の前記第1線状部~第n線状部から成る場合、
前記出力部から出力される前記演出は、前記第1線状部~第n線状部のうちの操作された線状部の位置および数に対応した演出である、
請求項1~10のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項12】
前記出力部は、音出力部と光出力部の少なくとも何れかを含み、
前記演出は、音出力による演出と光出力による演出の少なくとも何れかである、
請求項1~11に記載の演出出力玩具。
【請求項13】
物品を装着可能な装着部と、
前記装着部に装着された前記物品を認識可能な認識部と、をさらに備える、
請求項1~12のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項14】
前記出力部から出力される前記演出は、前記認識部で認識された前記物品と前記操作部への操作との組み合わせに対応した演出である、
請求項13に記載の演出出力玩具。
【請求項15】
前記演出出力玩具は、ハープを模した外観に形成されている、
請求項1~14のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の前記演出出力玩具と、請求項13に記載の前記物品とを含む
演出出力玩具セット。
【請求項17】
前記物品は、複数種類の物品である、
請求項16に記載の演出出力玩具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音等による演出を出力可能な演出出力玩具と、当該演出出力玩具を含む演出出力玩具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
後記特許文献1には、動物を模した第1動作体とハープを模した第2動作体とが異なる速度で往復移動するように基台上に設け、第1動作体(動物)が第2動作体(ハープ)を奏でているような動きが得られるゼンマイ利用玩具が開示されている。
【0003】
しかしながら、前掲のゼンマイ利用玩具は、第1動作体(動物)と第2動作体(ハープ)の予め定められた動きが演出の主体であり、当該演出は使用者の操作に応じたものではないため、この点において興趣性が高いとは言いがたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭62-074888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、使用者の操作に応じた演出を出力可能な演出出力玩具および演出出力玩具セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る演出出力玩具は、本体部と、本体部に設けられた線状部と、線状部への操作に応じた演出を出力可能な出力部とを備え、本体部は、線状部の少なくとも一方の端部を可動状態で支持し得る支持部を含む。また、本発明に係る演出出力玩具は、前掲の演出出力玩具と、演出出力玩具に装着可能な物品とを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る演出出力玩具および演出出力玩具セットによれば、使用者の操作に応じた演出を出力して興趣性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1(A)は本発明を適用した演出出力玩具の前面図、図1(B)は図1(A)のB-B線断面図、図1(C)は図1(A)のC-C線断面図である。
図2図2図1に示した演出出力玩具の制御系の説明図である。
図3図3(A)は図1に示した演出出力玩具に装着可能な物品(一例)の前面図、図3(B)は同物品の後面図、図3(C)は同物品の側面図、図3(D)は同物品の図1に示した演出出力玩具への装着方法の説明図である。
図4図4(A)および図4(B)は図1に示した演出出力玩具の使用方法の説明図である。
図5図5図1に示した演出出力玩具による演出出力の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、便宜上、図1(A)の手前側を前、奥側を後、左側を右、右側を左、上側を上、下側を下と表記し、他の図においてもこれと同様に向きを表記する。
【0010】
《演出出力玩具および制御系の構成》
まず、図1および図2を用いて、本発明を適用した演出出力玩具10の構成と、その制御系20の構成を説明する。
【0011】
演出出力玩具10は、図1に示したように、本体部11と、線状部12と、支持部13と、装着部14と、透光部15とを備える。
【0012】
演出出力玩具10はハープ(楽器)を模した外観に形成され、本体部11は、前後方向に貫通する前面視が矩形状を成す開口部11aが形成されている。図示を省略したが、本体部11内には蓄電池や充電池等の電源部が出し入れ可能に収容され、本体部11の後面には電源スイッチが設けられている。
【0013】
なお、図1(A)には開口部11aとして前面視が矩形状を成すものを示してあるが、線状部12を配置できる形であれば特段の制限はない。また、開口部11aの形等に合わせて本体部11の前面視形を変えてもよい。
【0014】
線状部12は、図1(A)および図1(B)に示したように、計4本の第1線状部12a、第2線状部12b、第3線状部12cおよび第4線状部12dから成り、各々の非支持部分(上端部および下端部を除く部分)は開口部11aの内側に位置している。各線状部12a~12dは、ABS樹脂やポリプロピレン等の剛性材から線状に形成されたものであって、好ましくは直径が等しく、より好ましくは左右方向において互いが平行で、かつ、間隔が等しい。
【0015】
なお、図1(A)には線状部12として計4本の線状部12a~12dから成るものを示してあるが、3本以下または5本以上としてもよい。すなわち、線状部は1本でもよいが、演出出力の多様化を考慮すればn本(nは2以上の整数)であることが好ましい。
【0016】
支持部13は、図1(B)に示したように、上側の4個の不動支持部13aと下側の4個の可動支持部13bとから成り、各不動支持部13aと各可動支持部13bは開口部11aの内側上面と内側下面に対向して設けられている。
【0017】
各不動支持部13aは、各線状部12a~12dの上端部を不動状態で支持するものであって、例えば、開口部11aの内側上面に設けられた凹部(符号省略)から成り、各線状部12a~12dの上端部は各凹部に接着剤を介して嵌め込まれて固定されている。
【0018】
各可動支持部13bは、各線状部12a~12dの下端部を可動状態で支持するものであって、例えば、開口部11aの内側下面を上下方向に貫通する長穴13b1から成り、各線状部12a~12dの下端部は各長穴13b1に前後方向に動けるように挿入されている。
【0019】
すなわち、各線状部12a~12dは、各々の非支持部分を指先等によって弾く操作(接触操作、図4の矢印を参照)によって、各々の上端部を基点とした弾性下で各々の下端部を各長穴13b1に沿って動かせるようになっている。ちなみに、各線状部12a~12dの下端部の動きの最大値は、各長穴13b1の前後方向寸法によって制限されている。
【0020】
また、図1(B)に示したように、本体部11の下部内には、各線状部12a~12dの下端と対向するように、タクタイルスイッチやプッシュスイッチ等の周知のスイッチから成る検知素子22a(計4個、図3を参照)が設けられている。
【0021】
各検知素子22aは、各線状部12a~12dに前掲の接触操作が付与されて各々の下端が各検知素子22aに触れたときに(図4(B)を参照)、各線状部12a~12dへの操作を検知するためのものである。無論、各線状部12a~12dに前掲の接触操作が付与されても各々の下端が各検知素子22aに触れないときには、各線状部12a~12dの操作は検知されない。
【0022】
装着部14は、図1(A)および図1(C)に示したように、本体部11の下部前面を前後方向に貫通する前面視が横長長方形状を成す穴から成り、その最深部には、タクタイルスイッチやプッシュスイッチ等の周知のスイッチから成る認識素子23a(計5個、図3を参照)が設けられている。装着部14への物品AR(図2を参照)の装着方法および認識方法については後に詳述する。
【0023】
透光部15は、図1(A)および図1(B)に示したように、本体部11の上面中央に設けられ、球状を成しており、その内側下部には、単色発光ダイオードや多色発光ダイオード等から成る光出力部24b(図3を参照)が設けられている。透光部15は、透明または半透明(乳白色や薄い彩色で色付けされたものを含む)であり、光出力部24b(図3を参照)からの光は透光部15を透過して外部に放出される。
【0024】
演出出力玩具10の制御系20は、図2に示したように、マイクロコンピュータと各種ドライバ等を含む主制御部21と、前述の4個の検知素子22aを有する操作検知用の検知部22と、前述の5個の認識素子23aを有する物品認識用の認識部23と、スピーカ等の音出力部24aと前述の光出力部24bとを有する出力部24と、記憶部25とを備える。
【0025】
主制御部21のROMあるいは記憶部25には、図5に示した演出出力を行うためのプログラムが格納されている。また、記憶部25には、音声や音楽や効果音等の音の出力による演出を行うための演出データと、連続発光や点滅発光等(多色発光の光出力部24bの場合は発光色も含む)の光の出力による演出を行うための演出データが記憶されている。
【0026】
《物品の構成と装着方法および認識方法》
次に、図3を用いて前述の演出出力玩具10の装着部14に装着可能な物品AR(一例)の構成と、装着部14への物品ARの装着方法および認識方法を説明する。
【0027】
物品ARは、図3(A)~図3(C)に示したように、前面視がハート状を成し、後面に後面視が横長長方形状を成す差込部ARaを有し、差込部ARbの後面に半球状の突起から成る計5個の被認識部ARbを有する。差込部ARaの後面視形は、装着部14に所定向きで着脱可能に嵌め込むことが可能な形となっている。
【0028】
物品ARを演出出力玩具10の装着部14に装着するときには、図3(D)に示したように、物品ARの差込部ARaの向きを装着部14の向きと合わせてから、差込部ARaを装着部14に嵌め込めばよい。この装着により、物品ARの各被認識部ARbが認識部23の各認識素子23aに触れて、物品ARが認識される。
【0029】
なお、図3(A)~図3(C)に示した物品ARの差込部ARaが上下逆向きで装着部14に装着される懸念がある場合は、物品ARの差込部ARaに上下向きを示す印を設けてもよいし、差込部ARaと装着部14に位置合わせ用の凹凸を設けてもよいし、差込部ARaの後面視形と装着部14の前面視形を多角形状にして装着向きを制限してもよい。
【0030】
また、図3(A)~図3(C)には被認識部ARbの数および位置を、前述の認識部23の認識素子23aの数および位置に合わせてものを便宜上示しているが、被認識部ARbの数および位置を変えた少なくとも1種類の他の物品(図示省略)を用意しておけば、被認識部ARbの数および位置によって物品ARおよび他の物品の種類を識別して認識することができる。ここでの他の物品は、物品ARと色が異なるものの他、物品ARと前面視形が異なるもの等を含む。
【0031】
物品ARおよび他の物品の識別について補足すれば、被認識部ARbの数が5個の場合、被認識部ARbの数が5個のときと、被認識部ARbの数を1個~4個としそれぞれの位置を変えたときの組み合わせとを含めると、被認識部ARbの配列は最大で31パターンとなる。つまり、5個の認識素子23を有する認識部23は、最大で31種類の物品の種類の識別が可能である。
【0032】
《演出出力玩具の使用方法と演出出力の流れ》
次に、図4および図5を用いて、前述の演出出力玩具10の使用方法と、前述の演出出力玩具10による演出出力の流れを説明する。この説明では、便宜上、前述の物品ARおよび他の物品を含む複数種類の物品を包括して「物品AR」と言う。
【0033】
使用者は、複数種類の物品ARから好みの物品ARを選び、これを演出出力玩具10の装着部14に装着する(図3(D)および図4を参照)。そして、使用者は、線状部12を構成する4本の線状部12a~12dのうちの少なくとも1本を指先等によって弾く操作(接触操作)を付与する(図4の矢印を参照)。
【0034】
物品ARが装着部14に装着されると、認識部23の5個の認識素子23aのうちのすくなくとも1個に物品ARの被認識部ARbが触れて、当該物品ARが認識(種類識別を含む)される。
【0035】
また、4本の線状部12a~12dのうちの少なくとも1本に接触操作が付与されると、当該線状部が撓んでその下端が検知部22の4個の検知素子22aのうちの少なくとも1個に触れて、当該線状部への操作が検知される。先に述べたように、4本の線状部12a~12dのうちの少なくとも1本に接触操作が付与されても当該線状部の下端が検知素子22aに触れないときには、当該線状部への操作は検知されない。
【0036】
接触操作について補足すれば、線状部12は4本の線状部12a~12dから成るため、接触操作が付与された線状部の数が4本のときと、接触操作が付与された線状部の数が1本~3本でそれぞれの位置が異なるときの組み合わせとを含めると、線状部12a~12dへの操作は最大で15パターンとなる。つまり、4個の検知素子22aを有する検知部22は、最大で15種類の操作の識別が可能である。また、接触操作には、4本の線状部12a~12dのうちの1本~4本に指先を沿えて個別に弾く場合と、指先を左右方向に移動させて4本の線状部12a~12dのうちの2本~4本を連続して弾く場合とが含まれる。
【0037】
演出出力玩具10の演出出力は、検知部22の4個の検知素子22aによる操作検知と、認識部23の5個の認識素子23aによる物品認識(種類識別を含む)に基づくものであるため、装着部14に物品ARが装着されていない場合も演出出力を行う場合、前述の使用時には、(X1)物品認識と操作検知の両方を満足するケース、(X2)操作検知のみを満足するケース、(X3)物品認識のみを満足するケースと、が生じ得る。すなわち、前述の使用時には、ケースX1~X3のいずれに該当するかが図5のステップST101~ST103で判別される。
【0038】
ケースX1の場合は、認識された物品ARの種類と、操作が検知された線状部12a~12dの位置および数と、の組み合わせに応じた演出データが、記憶部25に記憶されている全演出データから選択される(図5のステップST104を参照)。
【0039】
そして、選択された演出データに基づく音(音声や音楽や効果音等)による演出が出力部24の音出力部24aから出力されるとともに、選択された演出データに基づく光(連続発光や点滅発光等、多色発光の光出力部24bの場合は発光色も含む)による演出が光出力部24bから出力されて透光部15を通じて外部に放出される(図5のステップST105を参照)。ちなみに、ケースX1においてステップST105で出力される演出は予め定められた時間を持つものであるため、時間が経過すると演出出力は停止する。
【0040】
ケースX2の場合は、操作が検知された線状部12a~12dの位置および数に応じた演出データが、記憶部25に記憶されている全演出データから選択される(図5のステップST104を参照)。ちなみに、ケースX2の場合、装着部14への物品ARの装着が不要であるため、図示省略の蓋部品等により装着部14を覆えるようにしておけば見栄えの低下を防止できる。
【0041】
そして、選択された演出データに基づく音(音声や音楽や効果音等)による演出が出力部24の音出力部24aから出力されるとともに、選択された演出データに基づく光(連続発光や点滅発光等、多色発光の光出力部24bの場合は発光色も含む)による演出が光出力部24bから出力されて透光部15を通じて外部に放出される(図5のステップST105を参照)。ちなみに、ケースX2においてステップST104で出力される演出は予め定められた時間を持つものであるため、時間が経過すると演出出力は停止する。
【0042】
ケースX3の場合は、4本の線状部12a~12dへの操作の検知が無いため、原則として、音による演出と光による演出は出力されない。
【0043】
《主たる作用効果》
次に、前述の演出出力玩具10によって得られる主たる作用効果を説明する。この説明では、便宜上、前述の物品ARおよび他の物品を包括して「物品AR」と言う。
【0044】
演出出力玩具10によれば、操作部12への操作に応じた演出を出力できるため、興趣性を高めることができる。加えて、線状部12を2本以上とすれば出力可能な演出の種類も多様化できるので、前掲の興趣性をより高めることができる。
【0045】
また、演出出力玩具10によれば、装着部14に装着された物品ARの認識と、線状部12への操作の検知との組み合わせに応じた演出をも出力できるため、より多様な演出の出力を可能にして、前掲の興趣性をより高めることができる。
【0046】
《変形例》
次に、前述の演出出力玩具10の変形例を説明する。この説明では、便宜上、前述の物品ARおよび他の物品を包括して「物品AR」と言う。
【0047】
(変形例1)線状部12(12a~12d)の上端部を不動状態で支持し下端部を可動状態で支持したものを示したが、上端部も可動状態で支持して、線状部12に操作が付与されたときにその全体が動くようにしてもよい。
【0048】
例えば、開口部11aの内側上面と内側下面に非貫通の長穴(輪郭が長穴13b1と同じ)を設け、上下の長穴に挿入された線状部12の上端部と下端部をコイルバネ等の弾性部材によって前方に付勢しておくとともに、線状部12が後方に動いたときにその下端が触れるように検知素子22aを配置しておけば、線状部12全体が後方に動いたときに当該線状部12への操作を検知することができる。
【0049】
(変形例2)物品ARを装着可能な装着部14と同物品ARを認識可能な認識部23とを有するものを示したが、線状部12への操作のみによって演出を出力する場合には、当該装着部14および認識部23を排除してもよい。
【0050】
(変形例3)線状部12への操作に応じて音による演出と光による演出を出力するものを示したが、音による演出のみを出力する場合には光出力部24bを排除してもよい。この場合、透光部15を不透明なもの(単なる飾り)としてもよいし、透光部15自体を排除してもよい。
【0051】
(変形例4)装着部13に種類が異なる物品ARを装着できるようにしたものを示したが、装着部14および認識部23を排除し、物品ARの代わりとなる代用物品を交換不能に、かつ、回転可能に設けておけば、当該代用物品を回転させることによって、線状部12が操作されたときに出力される演出を変えることも可能である。
【0052】
例えば、前掲の代用物品の回転部分に突起等から成る被検知部を設けるとともに当該回転部分の周囲に4個の検知素子を45°間隔で設け、代用物品を45°回転させることによってその被検知部がいずれかの検知素子に触れるように構成しておけば、4個の検知素子で検知された代用物品の回転位置(4位置)と、操作が検知された線状部12a~12dの位置および数と、の組み合わせに応じた演出を出力することができる。
【符号の説明】
【0053】
10…演出出力玩具、11…本体部、11a…開口部、12…線状部、12a~12d…第1線状部~第4線状部、13…支持部、13a…不動支持部、13b…可動支持部、、14…装着部、15…透光部、20…制御系、21…主制御部、22…検知部、22a…検知素子、23…認識部、23a…認識素子、24…出力部、24a…音出力部、24b…光出力部、AR…物品、ARa…差込部、ARa…被認識部。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出出力玩具であって、
本体部と、
前記本体部に設けられた線状部と、
音出力による演出を出力可能な出力部とを備え、
前記本体部は、前記線状部の少なくとも一方の端部を可動状態で支持し得る支持部を含み、
前記線状部は、計n本(nは2以上の整数)の第1線状部~第n線状部から成り、
各線状部に対する接触操作に基づく前記各線状部の動きを検知可能な検知部を各線状部毎に備え、
さらに物品を装着可能な装着部と、前記装着部に装着された前記物品を認識可能な認識部と、を備え、
前記物品は複数の種類があり、前記認識部は前記装着部に装着された前記物品の種類を認識可能であり、
前記音出力部は、前記検知部で前記線状部の動きが検知されたとき前記認識部で認識された前記物品の種類に対応した演出を出力可能である、
演出出力玩具。
【請求項2】
前記線状部の非支持部分は、前記本体部に設けられた開口部の内側に位置するように設けられている、
請求項1に記載の演出出力玩具。
【請求項3】
前記第1線状部~第n線状部は、互いが平行で、かつ、間隔が等しい、
請求項1~2のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項4】
前記支持部は、前記線状部の一端部を不動状態で支持する不動支持部と、前記線状部の他端部を可動状態で支持する可動支持部とから成り、
前記線状部は、前記線状部の一端部を基点とした弾性を有する硬質材から形成されている、
請求項1~のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項5】
前記不動支持部と前記可動支持部は、前記本体部に設けられた開口部の内面に対向して設けられている、
請求項記載の演出出力玩具。
【請求項6】
前記可動状態は、前記線状部の他端部の動きの最大値が制限された状態である、
請求項またはに記載の演出出力玩具。
【請求項7】
記検知部は、前記線状部の他端部が検知素子に触れたときに前記線状部の動きを検知し、前記検知素子に触れないときに前記線状部の動きを検知しないように構成されている、
請求項のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項8】
出力部から出力される前記演出は、前記第1線状部~第n線状部のうちの操作された線状部の位置または数に対応した演出である、
請求項1~のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項9】
前記演出出力玩具は、ハープを模した外観に形成されている、
請求項1~のいずれか1項に記載の演出出力玩具。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載の前記演出出力玩具と、請求項に記載の前記物品とを含む
演出出力玩具セット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る演出出力玩具は、本体部と、本体部に設けられた線状部と、線状部への操作に応じた演出を出力可能な出力部とを備え、本体部は、線状部の少なくとも一方の端部を可動状態で支持し得る支持部を含む。また、本発明に係る演出出力玩具は、本体部と、前記本体部に設けられた線状部と、音出力による演出を出力可能な音出力部とを備え、前記本体部は、前記線状部の少なくとも一方の端部を可動状態で支持し得る支持部を含み、前記線状部は、計n本(nは2以上の整数)の第1線状部~第n線状部から成り、各線状部に対する接触操作に基づく前記各線状部の動きを検知可能な検知部を各線状部毎に備え、さらに物品を装着可能な装着部と、前記装着部に装着された前記物品を認識可能な認識部と、を備え、前記物品は複数の種類があり、前記認識部は前記装着部に装着された前記物品の種類を認識可能であり、前記音出力部は、前記検知部で前記線状部の動きが検知されたとき前記認識部で認識された前記物品の種類に対応した演出を出力可能である。また、本発明に係る演出出力玩具は、前掲の演出出力玩具と、演出出力玩具に装着可能な物品とを含む。