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特開2024-24137頭髪用ツヤ増強剤及び頭髪のツヤ増強方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024137
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】頭髪用ツヤ増強剤及び頭髪のツヤ増強方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/39 20060101AFI20240215BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20240215BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240215BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
A61K8/39
A61K8/64
A61Q5/02
A61K8/92
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126733
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】内田 浩行
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB102
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC122
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC401
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC532
4C083AC581
4C083AC582
4C083AC642
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC782
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD212
4C083AD282
4C083AD352
4C083AD411
4C083AD412
4C083AD432
4C083AD452
4C083BB05
4C083CC38
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】
シリコーン性油剤を使用せずに、頭髪に十分なツヤを付与することができる頭髪用ツヤ増強剤及びシャンプー組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
下記(A)及び(B)からなることを特徴とするシリコーン系油剤を含有しないシャンプー組成物のための頭髪用ツヤ増強剤により上記課題を解決する。さらに下記(C)、(D)、(E)を含有するシリコーン系油剤を含有しないシャンプー組成物により解決する。
(A)ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル
(B)タンパク質の加水分解物
(C)植物油
(D)アミノ酸系アニオン性界面活性剤
(E)カチオン性ポリマー
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)及び(B)からなることを特徴とするシリコーン系油剤を含有しないシャンプー組成物のための頭髪用ツヤ増強剤。
(A)ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル
(B)タンパク質の加水分解物
【請求項2】
下記(C)、(D)、(E)に、請求項1に記載の頭髪用ツヤ増強剤を配合するシリコーン系油剤を含有しないシャンプー組成物。
(C)植物油
(D)アミノ酸系アニオン性界面活性剤
(E)カチオン性ポリマー
【請求項3】
下記(A)及び(B)を配合したシリコーン系油剤を含有しないシャンプー組成物で頭髪を洗浄する頭髪のツヤ増強方法。
(A)ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル
(B)タンパク質の加水分解物
【請求項4】
さらに下記(C)、(D)、(E)を配合したシリコーン系油剤を含有しないシャンプー組成物で頭髪を洗浄する請求項3に記載の頭髪のツヤ増強方法。
(C)植物油
(D)アミノ酸系アニオン性界面活性剤
(E)カチオン性ポリマー

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンプー後の毛髪にツヤを与えることを目的とする。
【背景技術】
【0002】
近年では、ファッションとしてヘアスタイルや髪の色を楽しむようになり、ヘアカラーやパーマを行うことは日常的になっている。ヘアカラーやパーマなどによって毛髪はダメージを受け、毛髪の質感がパサつくことで頭髪全体の面が整いにくくなりツヤが弱く見える。
【0003】
また毛髪がダメージを受けることでシャンプー時に髪が絡まったり、すすぎ時に指通りが悪くギシギシとした感触となったり、乾燥後にも髪が絡まるなどによっても、毛髪のツヤ感が弱く見えるようになる。そのため毛髪のツヤを改善する方法が求められている。
【0004】
毛髪にツヤを与える方法として、毛髪表面に適度な油分を残すことや、毛髪表面を整えて光の乱反射を抑制することが知られている。またその成分として、シリコーンが一般的に知られている。そのため艶のある仕上がりとするシャンプー・コンディショナー製剤には、シリコーン等の油性成分が配合されることが多い。
【0005】
水性洗浄剤にシリコーンを配合することで、仕上がりの髪にツヤとまとまりと滑らかさを与える組成物が知られている(特許文献1)。シリコーンを配合している水性洗浄剤を使用することで、洗浄後の毛髪にシリコーンが残留することで、毛髪に滑らかさとツヤを与えている。
【0006】
また、毛髪にツヤを与えるために、毛髪表面を補修する成分としてコラーゲンのようなタンパク質を加水分解した成分が知られている(特許文献2)。これらの成分をシャンプー・コンディショナー製剤に配合することで、毛髪の損傷を防止し、損傷した毛髪の補修や毛髪、皮膚に保湿性を付与することが報告されている。
【0007】
しかしながら近年では、シャンプーに配合されるシリコーンが毛穴付近に残留することが知られるようになり、毛穴へのつまりを懸念する消費者が増えた。そのためノンシリコーンのシャンプー製剤が消費者から求められるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007-045727号公報
【特許文献2】特開2002-226330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、シリコーン性油剤を使用せずに、頭髪に十分なツヤを付与することができる頭髪用ツヤ増強剤及びシャンプー組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、シリコーン性油剤を含まないシャンプー組成物に、ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル及びタンパク質の加水分解物を配合することで、頭髪に十分なツヤを付与できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
本願第一の発明は、下記(A)及び(B)からなることを特徴とするシリコーン系油剤を含有しないシャンプー組成物のための頭髪用ツヤ増強剤である。
(A)ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル
(B)タンパク質の加水分解物
【0012】
本願第二の発明は、下記(C)、(D)、(E)に前記記載の頭髪用ツヤ増強剤を配合するシリコーン系油剤を含有しないシャンプー組成物である。
(C)植物油
(D)アミノ酸系アニオン性界面活性剤
(E)カチオン性ポリマー
【0013】
本願第三の発明は、下記(A)及び(B)を配合したシリコーン系油剤を含有しないシャンプー組成物で頭髪を洗浄する頭髪のツヤ増強方法である。
(A)ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル
(B)タンパク質の加水分解物
【0014】
本願第四の発明は、さらに下記(C)、(D)、(E)を配合したシリコーン系油剤を含有しないシャンプー組成物で頭髪を洗浄する前記記載の頭髪のツヤ増強方法である。
(C)植物油
(D)アミノ酸系アニオン性界面活性剤
(E)カチオン性ポリマー
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、シリコーン性油剤を使用しないシャンプー組成物に(A)ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル及び(B)タンパク質の加水分解物を配合することで、頭髪に十分なツヤを付与することができる頭髪用ツヤ増強剤及びシャンプー組成物を提供することができる。
【0016】
さらに予期せぬ効果として、シャンプー組成物に前記(A)及び(B)成分に加え、(C)植物油、(D)アミノ酸系アニオン性界面活性剤、(E)カチオン性ポリマーを配合することで、頭髪のツヤがさらに増強され、洗髪時のきしみ感が軽減され、すすぎ後のしっとり感が優れたシャンプー組成物を提供することができた。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
本発明において、頭髪のツヤとは、シャンプー組成物で頭髪を洗浄し、タオルドライ・ドライヤーにて乾燥させた後における、頭髪のツヤがある状態をいう。
【0019】
<(A)ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル>
本発明で配合される(A)は、ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテルである。(A)成分は、ベンジルアルコールという芳香族アルコールをアルコキシル化したエステル油であり、石油由来の合成ポリマーで、エモリエント剤として使用される。シャンプー組成物においては、シリコーンの代わりとして配合されることが知られ、水分を保持ししっとりさせる効果がある。
【0020】
また、本発明においては、当該成分は屈折率が高いので、頭髪に光沢や輝きを与える効果がある。
【0021】
本発明において、(A)の配合量は、シャンプー組成物全体質量中0.02~2質量%が好ましい。0.02質量%以上であれば頭髪のツヤが良好であり、2質量%以下であれば頭髪に適度な油性感が付与できツヤが良好である。
【0022】
<(B)タンパク質の加水分解物>
本発明で配合される(B)は、タンパク質の加水分解物である。具体的には、加水分解コラーゲン、加水分解シルク、加水分解コンキオリン、加水分解ケラチン等が挙げられる。当該成分は、一定の吸水性と毛髪に対する浸透性をもつことから損傷した毛髪に水分を補給することが知られている。
【0023】
また、本発明においては、(B)成分が毛髪表面のキューティクルに吸着し、毛髪表面を補修することから、髪の毛1本1本のキューティクル表面が整い、髪の毛の面が整うことで、光の反射がつよくなり、頭髪にツヤを付与することができる。
【0024】
本発明において、(B)の配合量は、シャンプー組成物全体質量中0.005~0.5質量%が好ましい。0.005質量%以上であれば頭髪のツヤが良好となり、0.5質量%以下であればタンパク質加水分解物特有の匂いを抑えることができ、シャンプー組成物の香り立ちが良好となる。
【0025】
タンパク質の加水分解物としては、特に限定するものでないが、加水分解シルクや加水分解コンキオリンが好ましい。本発明の頭髪用ツヤ増強剤又はシャンプー組成物において、(B)成分はこれらのうちの1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
本発明において、(A)及び(B)を組み合わせることで、頭髪表面をコートする作用と頭髪の表面を補修し整える効果により、頭髪のツヤが相乗的に増強される。
【0027】
<(C)植物油>
本発明のシャンプー組成物に配合される(C)は、植物油である。植物油は、植物の実、種、花などの部位から抽出・圧搾・精製して得られた油である。植物油としては、特に限定されるものではないが、アサイヤシ果実油、コメヌカ油、ツバキ油、コメ胚芽油、ホホバ油、チャ種子油、ヒマワリ種子油、アンズ核油等が挙げられる。
【0028】
(C)成分は、植物由来の油性成分であるため、毛髪にエモリエント効果を与えて、頭髪の水分蒸散を抑制することで、すすぎ後のしっとり感のさらなる向上が望める。また、(C)成分は加脂作用を有するため、洗髪時のきしみ感を軽減することができる。
【0029】
(C)成分の配合量は、特に限定されるものではないが、シャンプー組成物全体に対して0.01~1.0質量%が好ましい。0.01質量%以上であれば、すすぎ後のしっとり感が良好となり、1.0質量%以下であれば、脂ぎしむ使用感にならない。また(C)成分は、植物から抽出・圧搾・精製された成分であるため、脂肪酸部位に不飽和結合を有するため、1%より多くの量を配合した場合には、時間経過によってのシャンプー組成物の匂いが変化してしまう。
【0030】
本発明のシャンプー組成物において、(C)成分はこれらのうちの1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。この成分として好ましくは、アサイヤシ果実油である。
【0031】
(C)と(A)の質量比((C)/(A))は、0.05~1が好ましい。0.05以上であれば、すすぎ後のしっとり感が良好で、1以下であれば乾燥後の頭髪のツヤ感が良
好である。
【0032】
<(D)アミノ酸系アニオン性界面活性剤>
本発明のシャンプー組成物に配合される(D)は、アミノ酸系アニオン性界面活性剤である。(D)成分は、アシル基(脂肪酸残基)とアミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、アラニンなど)からなるアニオン性界面活性剤である。(D)成分は、油分を洗い流す洗浄性能を有し、頭皮頭髪の汚れ皮脂を洗浄する成分となる。
【0033】
本発明のシャンプー組成物においては、当該(D)成分に後述する(E)カチオン性ポリマーと組み合わせることで、コアセルベートという複合体を形成することが可能である。このコアセルベートが、洗髪時に毛髪に付着することできしみ感を軽減することが可能となる。なお、本発明にて用いるアミノ酸系アミノ酸系活性剤は硫酸系界面活性剤と比較して、より多くのコアセルベートを形成することが可能である。
【0034】
(D)成分として、特に限定されるものではないが、洗髪時のきしみ軽減感を与えられるという観点から、ラウロイルサルコシンTEA、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルメチルタウリンNaを用いることが好ましい。
【0035】
本発明のシャンプー組成物において、(D)成分はこれらのうちの本発明の洗浄剤組成物において、これらのうちの1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0036】
(D)成分の配合量は、特に限定されるものではないが、シャンプー組成物全体に対して5~20質量%であることが好ましい。5質量%以上であれば、洗浄性能が発揮できる程の十分な泡が形成でき、洗髪時にきしみ感を感じることがない。20質量%以下であれば、洗浄力(脱脂能力)が高すぎることがなく、すすぎ後のしっとり感が良好である。
【0037】
<(E)カチオン性ポリマー>
本発明のシャンプー組成物に配合される(E)成分は、カチオン性ポリマーである。(E)成分は、水に溶けたときに親水基がカチオン(プラス、陽)イオンになるもので、毛髪に吸着しやすいことが知られ、起泡性向上や泡の持続性向上の効果を有する。
【0038】
本発明においては、前述したとおり(D)成分と組み合わせて使用することで、コアセルベート複合体を形成することができ、洗髪時のきしみ軽減感を付与するために加えられる。
【0039】
(E)成分として、特に限定されるものではないが、ポリクオタニウム―7、ポリクオタニウム―10、ポリクオタニウム―49、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド等が挙げられる。
【0040】
本発明のシャンプー組成物において、(E)成分はこれらのうちの本発明の洗浄剤組成物において、これらのうちの1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
(E)成分の配合量は、特に限定されるものではないが、シャンプー組成物全体に対して0.1~0.7質量%であることが好ましい。0.1質量%以上であれば洗髪時のきしみ感を軽減することが可能であり、0.7質量%以下であれば脂ぎしみのような使用感が発生せずきしみ軽減感が低下することがない。
【0042】
本発明のシャンプー組成物において、(D)及び(E)成分に、さらに(C)成分が加
わることで、洗髪時のきしみ感が飛躍的に改善されることを見出した。これは、(C)成分による加脂作用と(D)及び(E)成分によるコアセルベート形成作用が相乗的にはたらいた結果によるものと推測される。
【0043】
本発明の(A)及び(B)からなる頭髪用ツヤ増強剤に、さらに(C)(D)(E)成分を組み合わせることで、頭髪のツヤが飛躍的に向上することを見出した。これは、形成されたコアセルベートが毛髪に吸着・残留する作用によって、(A)成分の残留及び(B)成分吸着が促進されたものと推測される。
【0044】
<その他の成分>
本発明の組成物は、前記の必須成分に加えて必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料に使用されている任意の成分を使用することが可能である。これらの成分としては、アニオン界面活性剤、両性活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、油分、紫外線吸収剤、防腐剤、保湿剤、ポリマー類、アミノ酸誘導体、糖誘導体、香料、水、アルコール、増粘剤、色剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、薬剤等が挙げられる。
【0045】
<シャンプー組成物>
本発明を用いてシャンプー組成物にする場合の剤型は任意であり、粘稠液、ゲル状とすることが可能である。
【実施例0046】
以下、試験例及び実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例及び比較例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0047】
(1)シャンプー組成物のツヤ値の定量評価
<ツヤ値の算出>
Bossa Nove社のSAMBA Hair Systemにて、ビューラックス社の中国人毛の黒髪毛束にて、100本を1組とする毛束を作成した。その毛束に、本シャンプー組成物を塗布し洗浄、乾燥後ツヤ値(ラスター値)を測定した。以下の各測定値を、下記式(1)にてツヤ値(ラスター値)を算出した。各10回測定・算出を実施しその平均値を求めた(小数点以下は四捨五入)。
【0048】
【数1】
L Reich-Robbins :Luster Value(ラスター値)
S :全反射光量
D :散乱光のトータル量
θ1/2:散乱光分布の1/2の幅
【0049】
<ツヤ値の評価>
本発明品の評価にて、測定値の平均点を以下のように判断した。
かなりツヤ値が高い(◎) ・・・ ツヤ値の平均値が27点以上
ツヤ値が高い(○) ・・・・・・ ツヤ値が平均値23点以上27点未満
ツヤ値が低い(△) ・・・・・・ ツヤ値が平均値18点以上23点未満
かなりツヤ値が低い(×) ・・・ ツヤ値が平均値18点未満
【0050】
(2)シャンプー組成物の使用感評価
男女被験者10名を用いて、本シャンプー組成物を用いて、シャンプーを行い、洗髪時のきしみ軽減感、すすぎ後のしっとり感、乾燥後のツヤ感を判定した。評点は下記のように分類し、平均値を算出した。
【0051】
<洗髪時のきしみ軽減感評価>
きしみ軽減感が非常に高い ・・・ 5点
きしみ軽減感がやや高い ・・・ 4点
どちらでもない ・・・ 3点
きしみ軽減感がやや低い ・・・ 2点
きしみ軽減感が低い ・・・ 1点
【0052】
<すすぎ後のしっとり感評価>
指通りが非常によい ・・・ 5点
指通りが良い ・・・ 4点
どちらでもない ・・・ 3点
指通りが良くない ・・・ 2点
指通りが非常に良くない ・・・ 1点
【0053】
<乾燥後のツヤ感評価>
ツヤ感が非常に高い ・・・ 5点
ツヤ感が良い ・・・ 4点
どちらでもない ・・・ 3点
ツヤ感が低い ・・・ 2点
ツヤ感が非常に低い ・・・ 1点
【0054】
各評価項目の平均値を算出後、以下のように効果を判断した。
非常に効果が高いと見なす(◎) ・・・ 平均値が3.5点以上
効果が高いと見なす(〇) ・・・・・・ 平均値が2.5点以上3.5点未満
効果が低いと見なす(△) ・・・・・・ 平均値が1.5点以上2.5点未満
非常に効果が低いと見なす(×) ・・・ 平均値が1.5点未満
【0055】
試験例1~5
各成分のツヤ値を評価するため、以下の評価用試験例1~5を作成した。(A)及び(B)成分を配合しないものが試験例1とした。そして、試験例1に、シリコン成分を配合したものを試験例2、(A)成分のみ配合したものを試験例3、(B)成分のみを配合したものを試験例4、(A)及び(B)成分を配合したものを試験例5として、ツヤ値の評価を実施した。その結果を表1に示す。
【0056】
表1の結果より、(A)及び(B)成分を配合した試験例5は、シリコンを配合した試験例2よりも良好な結果を得た。
【0057】
【表1】
【0058】
実施例1~17、比較例1~3
表2~3に示す処方の洗浄剤組成物を常法に従って作成し、前記の諸試験を実施して評価を行った。その結果を併せて表2~3に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
表2及び3より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1~17のシャンプー組
成物は比較例1~3の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
【0062】
以下、本発明のシャンプー組成物のその他の処方例を実施例として挙げる。なお、これらの実施例の洗浄剤組成物についても、上記の洗髪時のきしみ軽減感が弱く、すすぎ後のしっとり感に優れ、乾燥後のツヤなどの各項目を検討したところ、いずれの実施例においても、優れた特性を有しており良好であった。
【0063】
実施例18 シャンプー (質量%)
(1)ラウロイルサルコシンTEA 9.0
(2)ココイルグルタミン酸TEA 4.0
(3)ココイルメチルタウリンNa 2.0
(4)パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン 3.0
(5)コカミドプロピルベタイン 3.0
(6)ポリクオタニウム-10 0.1
(7)ポリクオタニウム-49 0.1
(8)グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド 0.1
(9)ポリクオタニウム-7 0.1
(10)ジステアリン酸グリコール 1.0
(11)ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル 0.5
(12)コメ胚芽油 0.1
(13)アサイヤシ果実油 0.1
(14)コカミドMEA 0.8
(15)コカミドメチルMEA 2.0
(16)加水分解シルク 0.1
(17)加水分解コンキオリン 0.1
(18)塩化Na 0.2
(19)BG 0.1
(20)ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル 1.0
(21)カラメル 0.01
(22)クエン酸 0.4
(23)香料 1.0
(24)EDTA-2Na 0.2
(25)安息香酸Na 0.5
(26)水 残差
【0064】
実施例19 シャンプー (質量%)
(1)ラウロイルメチルアラニンNa 6.0
(2)ラウラミドプロピルベタイン 9.0
(3)ポリクオタニウム-10 0.2
(4)ポリクオタニウム-107 0.1
(5)コカミドメチルMEA 1.0
(6)セテアレス-60ミリスチルグリコール 0.2
(7)加水分解シルク 0.1
(8)加水分解コンキオリン 0.1
(9)ヤシ油脂肪酸PEB-7グリセリル 0.5
(10)セバシン酸ジエチル 0.01
(11)BG 0.1
(12)チャ種子油 0.1
(13)アサイヤシ果実油 0.1
(14)カラメル 0.01
(15)クエン酸 0.2
(16)香料 1.0
(17)EDTA-2Na 0.2
(18)安息香酸Na 0.5
(19)水 残差
【0065】
実施例20 透明シャンプー (質量%)
(1)ラウレス硫酸Na 9.0
(2)ラウロイルサルコシンTEA 5.0
(3)ココアンホ酢酸Na 1.0
(4)ポリクオタニウム-10 0.2
(5)グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド 0.1
(6)ポリクオタニウム-7 0.1
(7)BG 0.1
(8)ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル 0.5
(9)塩化ナトリウム 1.0
(10)コメ胚芽油 0.1
(11)加水分解コラーゲン 0.1
(12)ミリスチン酸PPG-3ベンジルエーテル 0.2
(13)クエン酸 0.5
(14)香料 1.0
(15)EDTA-2Na 0.2
(16)安息香酸Na 0.5
(17)水 残差
【0066】
常法により上記組成のシャンプーを調製し、洗髪時のきしみ軽減感が弱く、すすぎ後のしっとり感に優れ、乾燥後のツヤを評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。
【0067】
本発明の組成物は、洗髪時のきしみ軽減感が弱く、すすぎ後のしっとり感に優れ、乾燥後の毛髪にツヤに優れた特性を有し、組成物としてきわめて有用である。