(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024165
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】シート収納箱及び集合包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 21/032 20060101AFI20240215BHJP
B65D 83/08 20060101ALI20240215BHJP
B65D 71/02 20060101ALN20240215BHJP
【FI】
B65D21/032
B65D83/08 A
B65D71/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126793
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】篠原 忍
【テーマコード(参考)】
3E006
3E014
3E067
【Fターム(参考)】
3E006AA03
3E006BA01
3E006CA03
3E006DA03
3E006DB05
3E014LA00
3E067AA24
3E067AB77
3E067AC03
3E067AC11
3E067BA17A
3E067BB01A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067CA02
3E067CA24
3E067DA03
3E067FC05
(57)【要約】
【課題】集合包装体用の樹脂フィルムの使用量を削減しても、集合体がずれにくいシート収納箱を提供すること。
【解決手段】複数枚のシートが収容される直方体状のシート収納箱であって、前記シート収納箱の天面に形成された凹部及び/又は凸部からなる第1凹凸部と、前記シート収納箱の前記天面と高さ方向に対向する底面に形成された凹部及び/又は凸部からなる第2凹凸部と、を有し、前記第2凹凸部の前記凹部は、前記第1凹凸部の前記凸部と前記高さ方向に対向して配置され、且つ別のシート収納箱における前記第1凹凸部の前記凸部と係合し、前記第2凹凸部の前記凸部は、前記第1凹凸部の前記凹部と前記高さ方向に対向して配置され、且つ別のシート収納箱における前記第1凹凸部の前記凹部と係合する、シート収納箱。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシートが収容される直方体状のシート収納箱であって、
前記シート収納箱の天面に形成された凹部及び/又は凸部からなる第1凹凸部と、
前記シート収納箱の前記天面と高さ方向に対向する底面に形成された凹部及び/又は凸部からなる第2凹凸部と、を有し、
前記第2凹凸部の前記凹部は、前記第1凹凸部の前記凸部と前記高さ方向に対向して配置され、且つ別のシート収納箱における前記第1凹凸部の前記凸部と係合し、
前記第2凹凸部の前記凸部は、前記第1凹凸部の前記凹部と前記高さ方向に対向して配置され、且つ別のシート収納箱における前記第1凹凸部の前記凹部と係合する、
シート収納箱。
【請求項2】
前記第2凹凸部の前記凹部の寸法は、前記高さ方向に対向する前記第1凹凸部の前記凸部の寸法よりも大きく、
前記第2凹凸部の前記凸部の寸法は、前記高さ方向に対向する前記第1凹凸部の前記凹部の寸法よりも小さい、
請求項1に記載のシート収納箱。
【請求項3】
前記第1凹凸部の前記凹部又は前記凸部の形状は、天面視で前記シート収納箱の長手方向又は幅方向に延びる細長い長方形であり、
前記第2凹凸部の前記凹部又は前記凸部の形状は、底面視で前記長手方向又は幅方向に延びる細長い長方形である、
請求項1に記載のシート収納箱。
【請求項4】
前記第1凹凸部及び前記第2凹凸部は、前記シート収納箱の長側面寄り又は短側面寄りに設けられている、
請求項1に記載のシート収納箱。
【請求項5】
前記第1凹凸部及び前記第2凹凸部は、エンボス加工により形成されている、
請求項1に記載のシート収納箱。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシート収納箱の少なくとも2つを上下に積み重ねた集合体が包装されてなる、
集合包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート収納箱及び集合包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ティシューペーパーなどのシートは、厚紙等で作られた箱(カートンともいう)に収納され、該箱の天面に開口する取出口から引き出されるシート収納箱の形態で使用される(例えば、特許文献1参照)。このようなシート収納箱は、複数が集積された集合体の状態で、樹脂フィルムの包材でキャラメル包装又はガセット包装され、さらに樹脂フィルムの取っ手が取り付けられた集合包装体として流通する(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
近年、CO2排出量削減・脱プラスチックの観点から、包装資材に用いられる樹脂の削減又は減量化が注目されている。集合包装体に用いられる樹脂フィルムは、持ち運び用の取っ手又は一時的な保管用の包材として利用されるものの、最終的には破棄されることになるため、集合包装体においても樹脂の使用量を削減することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-83866号公報
【特許文献2】特開2019-177938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシート収納箱は、2つを上下に積み重ねたときに、相互にずれようとする力(横滑りする力)が働くと、2つのシート収納箱はずれ(横滑りし)やすい。そのため、集合包装体における樹脂フィルムの使用量を削減すると、集合体の包装が不安定になり、集積された集合体がずれやすくなる(
図20)。
【0006】
本発明の課題は、集合包装体用の樹脂フィルムの使用量を削減しても、集合体がずれにくいシート収納箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る第1の態様は、複数枚のシートが収容される直方体状のシート収納箱であって、前記シート収納箱の天面に形成された凹部及び/又は凸部からなる第1凹凸部と、前記シート収納箱の前記天面と高さ方向に対向する底面に形成された凹部及び/又は凸部からなる第2凹凸部と、を有し、前記第2凹凸部の前記凹部は、前記第1凹凸部の前記凸部と前記高さ方向に対向して配置され、且つ別のシート収納箱における前記第1凹凸部の前記凸部と係合し、前記第2凹凸部の前記凸部は、前記第1凹凸部の前記凹部と前記高さ方向に対向して配置され、且つ別のシート収納箱における前記第1凹凸部の前記凹部と係合する、シート収納箱である。
【0008】
第1の態様では、シート収納箱の天面に形成された凹部からなる第1凹凸部及び天面と高さ方向に対向する底面に形成された凸部からなる第2凹凸部を有し、第2凹凸部の凸部が第1凹凸部の凹部と高さ方向に対向して配置され、且つ別のシート収納箱における第1凹凸部の凹部と係合する。このような構成により、2つのシート収納箱を上下に積み重ねた際に、上側のシート収納箱の底面の凸部が下側のシート収納箱の天面の凹部に嵌合する。
【0009】
また、第1の態様では、天面に形成された凸部からなる第1凹凸部及び底面に形成された凹部からなる第2凹凸部を有し、第2凹凸部の凹部が第1凹凸部の凸部と高さ方向に対向して配置され、且つ別のシート収納箱における第1凹凸部の凸部と係合する。このような構成により、2つのシート収納箱を上下に積み重ねた際に、上側のシート収納箱の底面の凹部に下側のシート収納箱の天面の凸部が嵌合する。
【0010】
これにより、上下に積み重ねた2つのシート収納箱に、相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、上側のシート収納箱の底面と下側のシート収納箱の天面とは相互に係止されるため、2つのシート収納箱はずれにくい(横滑りしにくい)。そのため、第1の態様では、集合包装体における樹脂フィルムの使用量を削減しても、集積された集合体がずれにくくなり、集合体の包装を安定化させることができる。
【0011】
本発明に係る第2の態様は、前記第2凹凸部の前記凹部の寸法は、前記高さ方向に対向する前記第1凹凸部の前記凸部の寸法よりも大きく、前記第2凹凸部の前記凸部の寸法は、前記高さ方向に対向する前記第1凹凸部の前記凹部の寸法よりも小さい、第1の態様に記載のシート収納箱である。
【0012】
第2の態様では、シート収納箱の底面の第2凹凸部が凹部で天面の第1凹凸部が凸部の場合、第2凹凸部の凹部の寸法が第1凹凸部の凸部の寸法よりも大きいため、2つのシート収納箱を上下に積み重ねた際に、上側のシート収納箱の底面の凹部に下側のシート収納箱の天面の凸部が嵌合しやすい。また、シート収納箱の底面の第2凹凸部が凸部で天面の第1凹凸部が凹部の場合、2つのシート収納箱を上下に積み重ねた際に、下側のシート収納箱の天面の凹部が上側のシート収納箱の底面の凸部に嵌合しやすい。
【0013】
これにより、上下に積み重ねた2つのシート収納箱は、相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、上側のシート収納箱の底面は下側のシート収納箱の天面に係止されやすくなり、さらにずれ(横滑りし)にくくなる。そのため、第1の態様では、集合包装体における樹脂フィルムの使用量を削減しても、集積された集合体がさらにずれにくくなり、集合体の包装をより安定化させることができる。
【0014】
本発明に係る第3の態様は、前記第1凹凸部の前記凹部又は前記凸部の形状は、天面視で前記シート収納箱の長手方向又は幅方向に延びる細長い長方形であり、前記第2凹凸部の前記凹部又は前記凸部の形状は、底面視で前記長手方向又は幅方向に延びる細長い長方形である、第1又は第2の態様に記載のシート収納箱である。
【0015】
第3の態様では、第1凹凸部の凹部又は凸部の形状が天面視でシート収納箱の長手方向に延びる細長い長方形であり、第2凹凸部の凹部又は凸部の形状が底面視で長手方向に延びる細長い長方形である。この場合は、上下に積み重ねた2つのシート収納箱の幅方向に、2つのシート収納箱が相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、2つのシート収納箱は幅方向にずれ(横滑りし)にくくなる。
【0016】
また、第3の態様では、第1凹凸部の凹部又は凸部の形状が天面視でシート収納箱の幅方向に延びる細長い長方形であり、第2凹凸部の凹部又は凸部の形状が底面視で幅方向に延びる細長い長方形である。この場合は、上下に積み重ねた2つのシート収納箱の長手方向に、2つのシート収納箱が相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、2つのシート収納箱は長手方向にずれ(横滑りし)にくくなる。
【0017】
本発明に係る第4の態様は、前記第1凹凸部及び前記第2凹凸部は、前記シート収納箱の長側面寄り又は短側面寄りに設けられている、第1乃至第3の態様の何れかの態様に記載のシート収納箱である。本明細書において、長側面は、天面の長辺と底面の長辺との間でシート収納箱の幅方向に対向する一対の側面を示す。また、短側面は、天面の短辺と底面の短辺との間でシート収納箱の長手方向に対向する一対の妻面を示す。
【0018】
本発明が対象とするシート収納箱は、通常シート収納箱の天面の中央部に開口するシート取出口が設けられる。第4の態様では、第1凹凸部及び第2凹凸部をシート収納箱の長側面寄り又は短側面寄りに設けることで、天面の第1凹凸部を天面のシート取出口が形成される中央部から外れた領域に形成することができる。そのため、第4の態様では、第1凹凸部を天面のシート取出口にかからない領域に形成することができる。
【0019】
また、第4の態様では、第1凹凸部が設けられた天面の長側面寄り又は短側面寄りで、第1凹凸部がリブ構造となって、天面を補強することができる。また、第2凹凸部が設けられた底面の長側面寄り又は短側面寄りで、第2凹凸部がリブ構造となって、底面を補強することができる。これにより、集合包装体として複数のシート収納箱を集積した場合でも、集合体を構成する個々のシート収納箱が潰れにくい。
【0020】
本発明に係る第5の態様は、前記第1凹凸部及び前記第2凹凸部は、エンボス加工により形成されている、第1乃至第4の態様の何れかの態様に記載のシート収納箱である。シート収納箱を構成する箱体は、通常ボール紙(板紙)に折り線を設け、ボール紙をこの折り線に沿って折ることで組み立てられる。
【0021】
第5の態様では、エンボス加工により、シート収納箱の天面に第1凹凸部を形成し、底面に第2凹凸部を形成することで、ボール紙(板紙)に折り線を設ける際に、エンボス加工を施すことができる。これにより、第5の態様では、シート収納箱の天面における第1凹凸部の凹部又は凸部の位置決めが容易になり、底面における第2凹凸部の凹部又は凸部の位置決めも容易になる。
【0022】
また、第5の態様では、エンボス加工により、シート収納箱の天面に第1凹凸部を形成し、底面に第2凹凸部を形成することで、天面の第1凹凸部及び底面の第2凹凸部の何れでも凹部の深さを浅くすることができ、凸部の高さを低くすることができる。これにより、シート収納箱の外観及び質感をほとんど変えずに、天面に第1凹凸部の凹部又は凸部を形成することができ、底面に第2凹凸部の凹部又は凸部を形成することができる。
【0023】
本発明に係る第6の態様は、第1乃至第5の態様の何れかの態様に記載のシート収納箱の少なくとも2つを上下に積み重ねた集合体が包装されてなる、集合包装体である。第6の態様では、シート収納箱の少なくとも2つを上下に積み重ねた集合体におけるシート収納箱が、第1乃至第5の態様の何れかの態様に記載のシート収納箱であるため、第1乃至第5の態様の効果がそのまま得られる集合包装体を提供することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、集合包装体用の樹脂フィルムの使用量を削減しても、集合体がずれにくいシート収納箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1実施形態のシート収納箱を示す斜視図である。
【
図2】
図1のシート収納箱を天面から見た図である。
【
図3】
図1のシート収納箱を底面から見た図である。
【
図4】
図1のシート収納箱を正面から見た図である。
【
図5】
図1のシート収納箱を背面から見た図である。
【
図6】
図1のシート収納箱を左側面から見た図である。
【
図7】
図1のシート収納箱を右側面から見た図である。
【
図9】
図8のシート収納箱を上下に2つ積み重ねた状態を示す図である。
【
図10】
図1のシート収納箱を上下に5つ積み重ねて帯包装した集合包装体を示す図である。
【
図11】第2実施形態のシート収納箱を示す斜視図である。
【
図19】
図18のシート収納箱を上下に2つ積み重ねた状態を示す図である。
【
図20】従来のシート収納箱を上下に2つ積み重ねた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、共通する部分は、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図において、各部の縮尺は実際とは異なる場合がある。また、各図では、3軸方向(X方向、Y方向、Z方向)の3次元直交座標系を用い、把手構造の長手方向(左右方向)をX方向とし、短手方向(幅方向)をY方向とし、厚み方向(上下方向又は高さ方向)をZ方向とする。
【0027】
なお、本明細書において、直交などの方向には、実施形態の作用、効果を損なわない程度のずれが許容される。直交には、略直交が含まれてもよい。
【0028】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のシート収納箱10を示す。
図2は、
図1のシート収納箱を天面から見た図である。
図3は、
図1のシート収納箱を底面から見た図である。
図4は、
図1のシート収納箱を正面から見た図である。
図5は、
図1のシート収納箱を背面から見た図である。
図6は、
図1のシート収納箱を左側面から見た図である。
図7は、
図1のシート収納箱を右側面から見た図である。
図8は、
図2のI-I線断面図である。
【0029】
シート収納箱10は、箱体(カートン)に複数枚のシートが収容されたものである。
【0030】
複数枚のシートは、積層方向(Z方向)に積層されたシート積層体SLで構成される。シートの材質は、特に限定されず、例えば、紙、不織布又は布等であり、好ましくは薄葉紙である。シートが薄葉紙の場合、パルプ組成は、薄葉紙における公知の組成を用いることができる。パルプの配合割合は、例えば、50質量%以上にすることができ、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%である。
【0031】
また、シートの坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は5g/m2以上80g/m2以下、不織布の場合は20g/m2以上100g/m2以下のものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準拠して測定される。
【0032】
また、シートの厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートが薄葉紙の場合、薄葉紙の紙厚は、1プライ(2プライの場合は2プライあたり)、50μm以上500μm以下にすることができ、好ましくは60μm以上330μm以下である。
【0033】
シートの形態は、特に限定されず、例えば、ティシューペーパー、ペーパータオル、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ベビー用又は介護用の紙おむつ、生理用ナプキン等の物品に適用可能である。なお、ペーパータオル、ティシューペーパー等の衛生薄葉紙には、保湿成分を含んだ衛生薄葉紙(例えば、ローションティシュー等)も含まれる。また、シートの用途は、産業用、家庭用、携帯用の何れにも適用できる。
【0034】
シート収納箱10は、
図1に示すように、略直方体状に形成され、天面11、底面12、一対の側面13、14、及び一対の妻面15、16を有する。天面11と底面12は、シート収納箱10の高さ方向(Z方向)に対向する。側面13、14は、シート収納箱10の短手方向(Y方向)に対向する一対の長側面を構成する。妻面15、16は、シート収納箱10の長手方向(X方向)に対向する一対の短側面を構成する。
【0035】
シート収納箱10を構成するカートンの材質は、限定されず、例えば、パルプを主原料とする原紙が用いられる。ここで、原紙は、シート収納箱10を組み立てるための材料となる堅くて厚い紙を示す。
【0036】
原紙のパルプ組成は、特に限定されず、例えば、パルプの配合割合を、50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。本実施形態では、原紙としてバージンパルプ、古紙パルプなどを原料とするコートボール紙が用いられている。
【0037】
また、原紙の坪量は、限定されないが、使用に耐え得る十分な強度を確保する観点から、原紙の坪量が200g/m2以上500g/m2以下であり、好ましくは230g/m2以上450g/m2以下であり、より好ましくは270g/m2以上430g/m2以下である。なお、本明細書において、坪量は、JIS P 8124(2011)の規定に準じて測定される。
【0038】
原紙の厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、原紙がコートボール紙の場合、原紙の紙厚は、0.1mm以上3mm以下にすることができ、好ましくは0.3mm以上2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下である。
【0039】
シート収納箱10の寸法は、限定されず、収納されるシートの量や寸法などにより定めることができる。例えば、シート収納箱10の長手方向(X方向)の長さは、100mm以上300mm以下にすることができ、好ましくは150mm以上280mm以下にする。
【0040】
また、シート収納箱10の短手方向(Y方向)の幅は、100mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは100mm以上130mm以下にする。さらに、シート収納箱10の高さ方向(Z方向)の高さは、30mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは40mm以上100mm以下にする。
【0041】
天面11は、シートの取出口20が形成され、シート収納箱10の長手方向(X方向)に延びる。
【0042】
取出口20は、天面11に形成されたミシン目(図示せず)を開裂することで、天面11の一部が切り離され、天面11に開口として形成される。取出口20は、天面11の中央部(天面11の長手方向(X方向)の中央かつ幅方向(Y方向)の中央)に形成される。取出口20の形状は、シートを天面11から取り出せる形状であればよく、例えば、天面11の長手方向(X方向)に細長い略楕円形状(
図1、
図2)又は略長方形状等である。
【0043】
第1実施形態のシート収納箱10では、天面11に第1凹凸部30が設けられている。第1凹凸部30は、2つの凹部D(凹部31、32)で構成されている。第1凹凸部30は、本発明のシート収納箱における第1凹凸部の一例である。なお、第1凹凸部30を構成する凹部の数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。また、凹部の代わりに凸部を形成してもよく、2つの凹部のうち1つの凹部を凸部に代えてもよい。
【0044】
第1凹凸部30の凹部31、32の形状は、特に限定されず、例えば、天面視で(天面11から見て)円形、楕円形、三角形、四角形、五角形以上の多角形等にすることができる。本実施形態では、凹部31、32の形状は、天面視で(天面11から見て)シート収納箱10の幅方向(Y方向)に延びる細長い長方形である。なお、本実施形態では、凹部31、32は、ともに同じ形状で構成されているが、互いに異なる形状でもよい。
【0045】
第1凹凸部30の凹部31、32の寸法は、特に限定されない。本実施形態では、凹部31、32の長さL1は、シート収納箱10の幅Wより短くなっている。本実施形態では、凹部31、32は、ともに同じ長さL1で構成されている。
【0046】
第1凹凸部30を配置する位置は、特に限定されない。本実施形態では、凹部31がシート収納箱10の一方の短側面(妻面15)寄りに設けられ、凹部32がシート収納箱10の他方の短側面(妻面16)寄りに設けられている。
【0047】
第1凹凸部30の凹部31、32の形成方法は、特に限定されない。本実施形態では、凹部31、32がエンボス加工により形成されている。本明細書において、エンボス加工は、カートンを形成する前の原紙にエンボスロールを押し付けて原紙の表面に凹凸を賦形することを示す。
【0048】
第1実施形態のシート収納箱10では、底面12に第2凹凸部40が設けられている。第2凹凸部40は、2つの凸部B(凸部41、42)で構成されている。第2凹凸部40は、本発明のシート収納箱における第2凹凸部の一例である。なお、第2凹凸部40を構成する凸部の数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。また、凸部の代わりに凹部を形成してもよく、2つの凸部のうち1つの凸部を凹部に代えてもよい。
【0049】
第2凹凸部40の凸部41、42の形状としては、例えば、底面視で(底面12から見て)円形、楕円形、三角形、四角形、五角形以上の多角形等にすることができる。本実施形態では、凸部41、42の形状は、底面視で(底面12から見て)シート収納箱10の幅方向(Y方向)に延びる細長い長方形である。なお、本実施形態では、凸部41、42は、ともに同じ形状で構成されているが、互いに異なる形状でもよい。
【0050】
第1実施形態のシート収納箱10では、第2凹凸部40の凸部41は、第1凹凸部30の凹部31と高さ方向(Z方向)に対向して配置されている。また、第2凹凸部40の凸部42は、第1凹凸部30の凹部32と高さ方向(Z方向)に対向して配置されている(
図8)。ここで、「高さ方向に対向する」とは、高さ方向(Z方向)に沿って第1凹凸部30の凹部31、32と第2凹凸部40の凸部41、42が並ぶことを示す。
【0051】
そして、第2凹凸部40の凸部41は、別のシート収納箱10における第1凹凸部30の凹部31と係合する。また、第2凹凸部40の凸部42は、別のシート収納箱10における第1凹凸部30の凹部32と係合する。これにより、シート収納箱10の底面12の第2凹凸部40(凸部41、42)が、別のシート収納箱10の天面11の第1凹凸部30(凹部31、32)に係止される。
【0052】
第1実施形態のシート収納箱10では、第2凹凸部40の凸部41の寸法は、高さ方向(Z方向)に対向する第1凹凸部30の凹部31の寸法よりも小さい。また、第2凹凸部40の凸部42の寸法は、高さ方向(Z方向)に対向する第1凹凸部30の凹部32の寸法よりも小さい。ここで、凹部の寸法は、凹部の開口面積を示す。また凸部の寸法は、凸部の頂部面積を示す。
【0053】
また、第2凹凸部40の凸部41、42の長さL2は、シート収納箱10の長さLより短くなっている。本実施形態では、凸部41、42は、ともに同じ長さL2で構成されている。
【0054】
第2凹凸部40を配置する位置は、特に限定されない。本実施形態では、凸部41がシート収納箱10の一方の短側面(妻面15)寄りに設けられ、凸部42がシート収納箱10の他方の短側面(妻面16)寄りに設けられている。
【0055】
第2凹凸部40の凸部41、42の形成方法は、特に限定されない。本実施形態では、凸部41、42がエンボス加工により形成されている。
【0056】
第1実施形態のシート収納箱10は、少なくとも2つを上下方向(Z方向)に積み重ねた集合体が包装されてなる集合包装体100を構成することができる(
図9)。本実施形態では、シート収納箱10が上下方向(Z方向)に5つ積まれた(集積した)集合体AGを構成する(
図10)。シート収納箱10の集合体AGは、フィルム又はシートFで包装されている。
【0057】
フィルムの材質としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂フィルムを用いることができる。また、シートの材質としては、クラフト紙等の紙シートを用いることができる。なお、フィルム又はシートの材質は、これらに限定されない。
【0058】
フィルム又はシートFは、第1帯体R1と第2帯体R2とで構成されている。
【0059】
第1帯体R1は、集合体AGの第1方向(Y方向及びZ方向)に巻き付けられている。第1帯体R1の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルム、クラフト紙等の紙シートが用いられ、第1帯体R1の両端は、第1帯体R1が集合体AGに巻き付けられた状態で接着されている。
【0060】
第1帯体R1の寸法は、特に限定されない。例えば、第1帯体R1の幅は、20mm以上120mm以下であり、好ましくは25mm以上115mm以下、より好ましくは30mm以上110mm以下である。また、第1帯体R1の厚みは20μm以上60μm以下であり、好ましくは25μm以上55μm以下、30μm以上50μm以下である。
【0061】
第2帯体R2は、集合体AGの第1方向(Y方向及びZ方向)と直交する第2方向(X方向及びZ方向)に第1帯体R1の上から巻き付けられている。第1帯体R1の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルム、クラフト紙等の紙シートが用いられ、中でもポリプロピレンが好ましい。第2帯体R2の両端は、第2帯体R2が集合体AGに巻き付けられた状態で接着されている。
【0062】
第2帯体R2の寸法は、特に限定されない。例えば、第2帯体R2の幅は、20mm以上120mm以下であり、好ましくは25mm以上115mm以下、より好ましくは30mm以上110mm以下である。また、第2帯体R2の厚みは20μm以上60μm以下であり、好ましくは25μm以上55μm以下、30μm以上50μm以下である。
【0063】
第1帯体R1と第2帯体R2とは、相互に接着されていてもよい。この場合は、第1帯体R1と第2帯体R2とを、集合体AGの底面12上で接着させることが好ましい。
【0064】
第1実施形態のシート収納箱10では、上述のように、天面11に形成された凹部31、32からなる第1凹凸部30と、天面11と高さ方向(Z方向)に対向する底面12に形成された凸部41、42からなる第2凹凸部40とを有する。そして、第2凹凸部40の凸部41、42は、第1凹凸部30の凹部31、32と高さ方向(Z方向)に対向して配置され、且つ別のシート収納箱10における第1凹凸部30の凹部31、32と係合する。
【0065】
このような構成により、第1実施形態では、2つのシート収納箱10を上下方向(Z方向)に積み重ねた際に、上側のシート収納箱10の底面12の凸部41、42が下側のシート収納箱10の天面11の凹部31、32に嵌合する(
図9)。なお、
図9では、理解を容易にするため、シート収納箱10の箱体のみを示す(シート積層体SLは省略する)。
【0066】
これにより、第1実施形態では、上下方向(Z方向)に積み重ねた2つのシート収納箱10に、相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、上側のシート収納箱10の底面12と下側のシート収納箱10の天面11とは相互に係止されるため、2つのシート収納箱10はずれ(横滑りし)にくい(
図9)。そのため、第1実施形態では、集合包装体100における樹脂フィルムの使用量を削減しても、集積された集合体AGがずれにくくなり、集合体AGの包装を安定化させることができる(
図10)。
【0067】
また、第1実施形態では、上述のように、第2凹凸部40の凸部41、42の寸法は、高さ方向(Z方向)に対向する第1凹凸部30の凹部31、32の寸法よりも小さい。これにより、第1実施形態では、2つのシート収納箱10を上下方向(Z方向)に積み重ねた際に、上側のシート収納箱10の底面12の凸部41、42が下側のシート収納箱10の天面11の凹部31、32に嵌合しやすい。
【0068】
これにより、上下方向(Z方向)に積み重ねた2つのシート収納箱10は、相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、上側のシート収納箱10の底面12と下側のシート収納箱10の天面11とは相互に係止されやすくなり、さらにずれ(横滑りし)にくい(
図9)。そのため、第1実施形態では、集合包装体100においてフィルム又はシートFでシート収納箱10の集合体AGを包装することで樹脂フィルムの使用量を削減しても、集積されたシート収納箱10の集合体AGがさらにずれにくくなり、集合体AGの包装をより安定化させることができる(
図10)。
【0069】
また、第1実施形態では、上述のように、第1凹凸部30の凹部31、32の形状が天面視で(天面11から見て)シート収納箱10の幅方向(Y方向)に延びる細長い長方形であり、第2凹凸部40の凸部41、42の形状が底面視で(底面12から見て)幅方向(Y方向)に延びる細長い長方形である。この場合は、上下方向(Z方向)に積み重ねた2つのシート収納箱10の長手方向(X方向)に、2つのシート収納箱10が相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、2つのシート収納箱10は長手方向(X方向)にずれ(横滑りし)にくくなる(
図9)。
【0070】
また、第1実施形態では、上述のように、第1凹凸部30及び第2凹凸部40をシート収納箱10の短側面(妻面15、16)寄りに設けることで、天面11の第1凹凸部30を天面11の取出口20が形成される中央部から外れた領域に形成することができる。そのため、第1実施形態では、第1凹凸部30を天面11の取出口20にかからない領域に形成することができる。
【0071】
また、第1実施形態では、第1凹凸部30が設けられた天面11の短側面(妻面15、16)寄りで、第1凹凸部30がリブ構造となって、天面11を補強することができる(
図2、
図9)。また、第2凹凸部40が設けられた底面12の短側面(妻面15、16)寄りで、第2凹凸部40がリブ構造となって、底面12を補強することができる(
図3、
図9)。これにより、集合包装体100として複数のシート収納箱10を集積した場合でも、集合体AGを構成する個々のシート収納箱10が潰れにくい(
図9、
図10)。
【0072】
第1実施形態では、上述のように、エンボス加工により、シート収納箱10の天面11に第1凹凸部30を形成し、底面12に第2凹凸部40を形成することで、ボール紙(板紙)に折り線を設ける際に、エンボス加工を施すことができる。これにより、第1実施形態では、シート収納箱10の天面11における第1凹凸部30の凹部31、32の位置決めが容易になり、底面12における第2凹凸部40の凸部41、42の位置決めも容易になる。
【0073】
また、第1実施形態では、エンボス加工により、シート収納箱10の天面11に第1凹凸部30を形成し、底面12に第2凹凸部40を形成することで、天面11の第1凹凸部30の凹部31、32の深さを浅くすることができ、底面12の第2凹凸部40の凸部41、42の高さを低くすることができる。これにより、シート収納箱10の外観及び質感をほとんど変えずに、天面11に第1凹凸部30の凹部31、32を形成することができ、底面12に第2凹凸部40の凸部41、42を形成することができる。
【0074】
さらに、第1実施形態では、上述のシート収納箱10の少なくとも2つを上下方向(Z方向)に積み重ねた集合体AGが包装されてなる集合包装体を構成することで、シート収納箱10の少なくとも2つを上下方向(Z方向)に積み重ねた集合体AGにおけるシート収納箱10が、上述のシート収納箱10で得られる効果がそのまま得られる集合包装体100を提供することができる(
図9、
図10)。
【0075】
具体的には、上下方向(Z方向)に積み重ねた2つのシート収納箱10に、相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、上側のシート収納箱10の底面12と下側のシート収納箱10の天面11とは相互に係止されるため、2つのシート収納箱10はずれ(横滑りし)にくい(
図9)。そのため、第1実施形態では、樹脂フィルムの使用量を削減しても、集積された集合体AGがずれにくくなり、集合体AGの包装を安定化させることができる集合包装体100が得られる(
図10)。
【0076】
<第2実施形態>
図11~19は、第2実施形態のシート収納箱10を示す。なお、
図11~19では、第1実施形態(
図1~9)と共通する部分に、
図1~9に付した符号と同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。
【0077】
第2実施形態のシート収納箱10では、天面11に第1凹凸部50が設けられている。第1凹凸部50は、2つの凸部B(凸部51、52)で構成されている。第1凹凸部50は、本発明のシート収納箱における第1凹凸部の他の一例である。なお、第1凹凸部50を構成する凸部の数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。また、凸部の代わりに凹部を形成してもよく、2つの凸部のうち1つの凸部が凹部でもよい。
【0078】
第1凹凸部50の凸部51、52の形状は、特に限定されず、例えば、天面視で(天面11から見て)円形、楕円形、三角形、四角形、五角形以上の多角形等にすることができる。本実施形態では、凸部51、52の形状は、天面視で(天面11から見て)シート収納箱10の長手方向(X方向)に延びる細長い長方形である。なお、本実施形態では、凸部51、52は、ともに同じ形状で構成されているが、互いに異なる形状でもよい。
【0079】
第1凹凸部50の凸部51、52の寸法は、特に限定されない。本実施形態では、凸部51、52の長さL3は、シート収納箱10の長さLより短くなっている。本実施形態では、凸部51、52は、ともに同じ長さL3で構成されている。
【0080】
第1凹凸部50を配置する位置は、特に限定されない。本実施形態では、凸部51がシート収納箱10の一方の長側面(側面13)寄りに設けられ、凸部52がシート収納箱10の他方の長側面(側面14)寄りに設けられている。
【0081】
第1凹凸部50の凸部51、52の形成方法は、特に限定されない。本実施形態では、凸部51、52がエンボス加工により形成されている。
【0082】
第2実施形態のシート収納箱10では、底面12に第2凹凸部60が設けられている。第2凹凸部60は、2つの凹部D(凹部61、62)で構成されている。第2凹凸部60は、本発明のシート収納箱における第2凹凸部の他の一例である。なお、第2凹凸部60を構成する凹部の数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。また、凹部の代わりに凸部を形成してもよく、2つの凹部のうち1つの凹部が凸部でもよい。
【0083】
第2凹凸部60の凹部61、62の形状としては、例えば、底面視で(底面12から見て)円形、楕円形、三角形、四角形、五角形以上の多角形等にすることができる。本実施形態では、凹部61、62の形状は、底面視で(底面12から見て)シート収納箱10の長手方向(X方向)に延びる細長い長方形である。なお、本実施形態では、凹部61、62は、ともに同じ形状で構成されているが、互いに異なる形状でもよい。
【0084】
第2実施形態のシート収納箱10では、第2凹凸部60の凹部61は、第1凹凸部50の凸部51と高さ方向(Z方向)に対向して配置されている。また、第2凹凸部60の凹部62は、第1凹凸部50の凸部52と高さ方向(Z方向)に対向して配置されている(
図18)。ここで、「高さ方向に対向する」とは、高さ方向(Z方向)に沿って凸部51、52と凹部61、62が並ぶことを示す。
【0085】
そして、第2凹凸部60の凹部61は、別のシート収納箱10における第1凹凸部50の凸部51と係合する。また、第2凹凸部60の凹部62は、別のシート収納箱10における第1凹凸部50の凸部52と係合する。これにより、シート収納箱10の底面12の第2凹凸部60(凹部61、62)に、別のシート収納箱10の天面11の第1凹凸部50(凸部51、52)が係止される。
【0086】
第2実施形態のシート収納箱10では、第2凹凸部60の凹部61の寸法は、高さ方向(Z方向)に対向する第1凹凸部50の凸部51の寸法よりも大きい。また、第2凹凸部60の凹部62の寸法は、高さ方向(Z方向)に対向する第1凹凸部50の凸部52の寸法よりも大きい。
【0087】
また、第2凹凸部60の凹部61、62の長さL4は、シート収納箱10の長さLより短くなっている。本実施形態では、凹部61、62は、ともに同じ長さL4で構成されている。
【0088】
第2凹凸部60を配置する位置は、特に限定されない。本実施形態では、凹部61がシート収納箱10の一方の長側面(側面13)寄りに設けられ、凹部62がシート収納箱10の他方の長側面(側面14)寄りに設けられている。
【0089】
第2凹凸部60の凹部61、62の形成方法は、特に限定されない。本実施形態では、凹部61、62がエンボス加工により形成されている。
【0090】
第2実施形態のシート収納箱10は、少なくとも2つを上下方向(Z方向)に積み重ねた集合体が包装されてなる集合包装体100を構成することができる(
図19)。なお、
図19では、理解を容易にするため、シート収納箱10の箱体のみを示す(シート積層体SLは省略する)。
【0091】
本実施形態では、第1実施形態のシート収納箱10の集合包装体(
図10)と同様に、シート収納箱10が上下方向(Z方向)に5つ積まれた(集積した)集合体を構成する(図示せず)。シート収納箱10の集合体は、フィルム又はシート(図示せず)で包装されている。
【0092】
第2実施形態のシート収納箱10では、上述のように、天面11に形成された凸部51、52からなる第1凹凸部50と、天面11と高さ方向(Z方向)に対向する底面12に形成された凹部61、62からなる第2凹凸部60とを有し、第2凹凸部60の凹部61、62は、第1凹凸部50の凸部51、52と高さ方向(Z方向)に対向して配置され、且つ別のシート収納箱10における第1凹凸部50の凸部51、52と係合する。
【0093】
このような構成により、第2実施形態では、2つのシート収納箱10を上下方向(Z方向)に積み重ねた際に、上側のシート収納箱10の底面12の凹部61、62が下側のシート収納箱10の天面11の凸部51、52に嵌合する(
図19)。
【0094】
これにより、第2実施形態では、上下方向(Z方向)に積み重ねた2つのシート収納箱10に、相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、上側のシート収納箱10の底面12と下側のシート収納箱10の天面11は相互に係止されるため、2つのシート収納箱10はずれ(横滑りし)にくい(
図19)。そのため、第2実施形態では、集合包装体100における樹脂フィルムの使用量を削減しても、集積された集合体AGがずれにくくなり、集合体AGの包装を安定化させることができる(
図10参照)。
【0095】
また、第2実施形態では、上述のように、第2凹凸部60の凹部61、62の寸法は、高さ方向(Z方向)に対向する第1凹凸部50の凸部51、52の寸法よりも大きい。これにより、第2実施形態では、2つのシート収納箱10を上下方向(Z方向)に積み重ねた際に、下側のシート収納箱10の天面11の凸部51、52が上側のシート収納箱10の底面12の凹部61、62に嵌合しやすい。
【0096】
これにより、上下方向(Z方向)に積み重ねた2つのシート収納箱10は、相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、上側のシート収納箱10の底面12と下側のシート収納箱10の天面11とは相互に係止されやすくなり、さらにずれ(横滑りし)にくく)なる(
図19)。そのため、第2実施形態では、集合包装体においてフィルム又はシートでシート収納箱10の集合体を包装することで樹脂フィルムの使用量を削減しても、集積されたシート収納箱10の集合体AGがさらにずれにくくなり、シート収納箱10の集合体の包装をより安定化させることができる(
図10参照)。
【0097】
また、第2実施形態では、上述のように、第1凹凸部50の凸部51、52の形状が天面視で(天面11から見て)シート収納箱10の長手方向(X方向)に延びる細長い長方形であり、第2凹凸部60の凹部61、62の形状が底面視で(底面12から見て)長手方向(X方向)に延びる細長い長方形である。この場合は、上下方向(Z方向)に積み重ねた2つのシート収納箱10の幅方向(Y方向)に、2つのシート収納箱10が相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、2つのシート収納箱10は幅方向(Y方向)にずれ(横滑りし)にくくなる(
図19)。
【0098】
また、第2実施形態では、上述のように、第1凹凸部50及び第2凹凸部60をシート収納箱10の長側面(側面13、14)寄りに設けることで、天面11の第1凹凸部50を天面11の取出口20が形成される中央部から外れた領域に形成することができる。そのため、第2実施形態では、第1凹凸部50を天面11の取出口20にかからない領域に形成することができる。
【0099】
また、第2実施形態では、第1凹凸部50が設けられた天面11の長側面(側面13、14)寄りで、第1凹凸部50がリブ構造となって、天面11を補強することができる(
図12)。また、第2凹凸部60が設けられた底面12の長側面(側面13、14)寄りで、第2凹凸部60がリブ構造となって、底面12を補強することができる(
図13)。これにより、集合包装体100として複数のシート収納箱10を集積した場合でも、集合体AGを構成する個々のシート収納箱10が潰れにくい(
図19、
図10参照)。
【0100】
第2実施形態では、上述のように、エンボス加工により、シート収納箱10の天面11に第1凹凸部50を形成し、底面12に第2凹凸部60を形成することで、ボール紙(板紙)に折り線を設ける際に、エンボス加工を施すことができる。これにより、第2実施形態では、シート収納箱10の天面11における第1凹凸部50の凸部51、52の位置決めが容易になり、底面12における第2凹凸部60の凹部61、62の位置決めも容易になる。
【0101】
また、第2実施形態では、エンボス加工により、シート収納箱10の天面11に第1凹凸部50を形成し、底面12に第2凹凸部60を形成することで、天面11の第1凹凸部50の凸部51、52の高さを低くすることができ、底面12の第2凹凸部60の凹部61、62の深さを浅くすることができる。これにより、シート収納箱10の外観及び質感をほとんど変えずに、天面11に第1凹凸部50の凸部51、52を形成することができ、底面12に第2凹凸部60の凹部61、62を形成することができる。
【0102】
さらに、第2実施形態では、上述のシート収納箱10の少なくとも2つを上下方向(Z方向)に積み重ねた集合体が包装されてなる集合包装体(図示せず)を構成することで、シート収納箱10の集合包装体において、上述のシート収納箱10で得られる効果がそのまま得られる(
図19、
図10参照)。
【0103】
具体的には、上下方向(Z方向)に積み重ねた2つのシート収納箱10に、相互にずれようとする力(横滑りする力)が働いても、上側のシート収納箱10の底面12と下側のシート収納箱10の天面11とは相互に係止されるため、2つのシート収納箱10はずれ(横滑りし)にくい(
図19)。そのため、第2実施形態では、樹脂フィルムの使用量を削減しても、集積されたシート収納箱10の集合体がずれにくくなり、集合体の包装を安定化させることができる集合包装体が得られる(
図10参照)。
【0104】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
10 シート収納箱(カートン)
11 天面
12 底面
13 側面(長側面)
14 側面(長側面)
15 妻面(短側面)
16 妻面(短側面)
20 取出口
30 第1凹凸部
D、31、32 凹部
40 第2凹凸部
B、41、42 凸部
50 第1凹凸部
B、51、52 凸部
60 第2凹凸部
D、61、62 凹部
100 集合包装体
AG 集合体
R1 第1帯体
R2 第2帯体