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特開2024-24168バイオマス粉砕システム、およびバイオマス粉砕システムの運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024168
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】バイオマス粉砕システム、およびバイオマス粉砕システムの運転方法
(51)【国際特許分類】
   F23K 1/04 20060101AFI20240215BHJP
   F23C 9/06 20060101ALI20240215BHJP
   F23G 7/00 20060101ALI20240215BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20240215BHJP
【FI】
F23K1/04
F23C9/06
F23G7/00 103Z
B09B3/35 ZAB
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126798
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】木谷 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】中島 寛貴
(72)【発明者】
【氏名】山口 聡太朗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅之
【テーマコード(参考)】
3K091
3K161
4D004
【Fターム(参考)】
3K091AA03
3K091BB02
3K091CC12
3K091CC22
3K161AA01
3K161CA01
3K161DB32
3K161JA12
3K161JA25
4D004AA02
4D004AA12
4D004AA46
4D004AC05
4D004BA03
4D004CA04
4D004CA28
4D004CA32
4D004CB05
4D004CB13
4D004CB46
4D004CC02
4D004CC11
(57)【要約】
【課題】バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼してボイラで蒸気を生成する際のボイラ効率を向上させる。
【解決手段】バイオマス燃料を粉砕するバイオマスミル10と、バイオマスミル10が粉砕したバイオマス燃料を燃焼装置22で燃焼して蒸気を生成するボイラ20と、ボイラ20から排出される排ガスにより空気を加熱する空気予熱器30と、空気予熱器30により加熱された加熱空気をバイオマスミル10へ供給する第1空気供給路50と、第1空気供給路50から加熱空気の一部を分岐させる第1分岐供給路51と、ボイラ20から排出される未燃のバイオマス燃料を第1分岐供給路51から供給される加熱空気により乾燥させて燃焼装置22へ再び供給するための炉底灰処理設備40と、を備えるボイラシステム100を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマス燃料を粉砕する第1粉砕装置と、
前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼して蒸気を生成するボイラと、
前記ボイラから排出される排ガスにより空気を加熱する空気予熱器と、
前記空気予熱器により加熱された加熱空気を前記第1粉砕装置へ供給する第1空気供給路と、
前記第1空気供給路から前記加熱空気の一部を分岐させる第1分岐供給路と、
前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第1分岐供給路から供給される前記加熱空気により乾燥させて前記燃焼装置へ再び供給するための再供給部と、を備えるバイオマス粉砕システム。
【請求項2】
前記再供給部は、
前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を粉砕する第2粉砕装置と、
前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第2粉砕装置へ搬送する未燃燃料搬送部と、を有し、
前記第1分岐供給路は、前記第1空気供給路から前記加熱空気の一部を分岐させて前記第2粉砕装置へ供給して、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を乾燥させる請求項1に記載のバイオマス粉砕システム。
【請求項3】
前記空気予熱器により加熱されない非加熱空気を前記第1粉砕装置へ供給する第2空気供給路と、
前記第2空気供給路から前記非加熱空気の一部を分岐させて前記第2粉砕装置へ供給する第2分岐供給路と、を備える請求項2に記載のバイオマス粉砕システム。
【請求項4】
前記ボイラは、冷却媒体で前記バイオマス燃料の燃焼灰を冷却する湿式の未燃燃料搬送部を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバイオマス粉砕システム。
【請求項5】
バイオマス燃料を粉砕する第1粉砕装置と、
前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼して蒸気を生成するボイラと、
前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を粉砕する第2粉砕装置と、
前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第2粉砕装置へ搬送する未燃燃料搬送部と、
前記第2粉砕装置が粉砕した未燃の前記バイオマス燃料を前記燃焼装置へ再び供給するための再供給部と、を備えるバイオマス粉砕システム。
【請求項6】
前記再供給部は、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を前記燃焼装置へ供給する未燃燃料供給路を有する請求項2、請求項3または請求項5のいずれか一項に記載のバイオマス粉砕システム。
【請求項7】
前記燃焼装置へ添加剤を投入する投入部を備え、
前記再供給部は、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を前記投入部へ導く請求項2、請求項3または請求項5のいずれか一項に記載のバイオマス粉砕システム。
【請求項8】
前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を前記燃焼装置へ供給するバイオマス燃料供給路を備え、
前記再供給部は、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を前記バイオマス燃料供給路へ合流させる請求項2、請求項3または請求項5のいずれか一項に記載のバイオマス粉砕システム。
【請求項9】
前記第1粉砕装置が粉砕する前記バイオマス燃料を貯蔵するバイオマス燃料貯蔵部を備え、
前記再供給部は、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を前記バイオマス燃料貯蔵部へ導く請求項2、請求項3または請求項5のいずれか一項に記載のバイオマス粉砕システム。
【請求項10】
前記第1粉砕装置が粉砕する前記バイオマス燃料を貯蔵するバイオマス燃料貯蔵部と、
前記バイオマス燃料貯蔵部へ前記バイオマス燃料を搬送するバイオマス燃料搬送部と、を備え、
前記再供給部は、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を前記バイオマス燃料搬送部へ導く請求項2、請求項3または請求項5のいずれか一項に記載のバイオマス粉砕システム。
【請求項11】
バイオマス燃料を粉砕する第1粉砕装置と、前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼して蒸気を生成するボイラと、前記ボイラから排出される排ガスにより空気を加熱する空気予熱器と、前記空気予熱器により加熱された加熱空気を前記第1粉砕装置へ供給する第1空気供給路と、前記第1空気供給路から前記加熱空気の一部を分岐させる第1分岐供給路と、を備えるバイオマス粉砕システムの運転方法であって、
前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第1分岐供給路から供給される前記加熱空気により乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程により乾燥させた未燃の前記バイオマス燃料を前記燃焼装置へ再び供給する再供給工程と、を備えるバイオマス粉砕システムの運転方法。
【請求項12】
バイオマス燃料を粉砕する第1粉砕装置と、前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼して蒸気を生成するボイラと、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を粉砕する第2粉砕装置と、を備えるバイオマス粉砕システムの運転方法であって、
前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第2粉砕装置へ搬送する搬送工程と、
前記第2粉砕装置が粉砕した未燃の前記バイオマス燃料を前記燃焼装置へ再び供給する再供給工程と、を備えるバイオマス粉砕システムの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バイオマス粉砕システム、およびバイオマス粉砕システムの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミルで石炭を粉砕し、バーナを通じてボイラへ供給する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、ボイラの底部から未燃焼物質を回収してミルに投入し、粉砕した未燃焼物質を、バーナを通じてボイラへ送ることで、未燃焼物質を再び燃料として利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4861318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、燃料として石炭(微粉炭燃料)のみを用いており、バイオマス燃料を用いる場合や、バイオマス燃料と微粉炭燃料を混焼する際のボイラ効率の低下を考慮したものではない。石炭を粉砕した微粉炭燃料を用いるように設計されたボイラにおいて、バイオマス燃料を用いる場合またはバイオマス燃料と微粉炭燃料を混焼させる場合、微粉炭燃料のみを燃焼させる場合に比べ、燃料中の灰分の総量が小さくなるため、ボイラの火炉の底部に堆積する炉底灰の総量が少なくなる利点がある。一方、バイオマス燃料またはバイオマス燃料と微粉炭燃料を混焼させる場合、炉底灰に含まれる未燃の燃料の総質量が多くなり、未燃の燃料が増加することによりボイラ効率が低下(未燃分損失が増加)してしまう。
【0005】
また、粉砕装置において燃料を乾燥させるためにボイラの排ガスにより加熱された一次空気が利用されるが、バイオマス燃料は微粉炭燃料と比較し燃料中水分が少ないことから燃料を乾燥させるための熱量が微粉炭燃料より少なく、またバイオマス燃料の発火性を考慮して一次空気の温度を微粉炭燃料に比べて低く設定することがあり、この場合に排ガスからの熱回収量が減少してボイラ効率が低下(排ガス損失が増加)してしまう。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼してボイラで蒸気を生成する際のボイラ効率を向上させることが可能なバイオマス粉砕システム、およびバイオマス粉砕システムの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示は以下の手段を採用する。
本開示に係るバイオマス粉砕システムは、バイオマス燃料を粉砕する第1粉砕装置と、前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼して蒸気を生成するボイラと、前記ボイラから排出される排ガスにより空気を加熱する空気予熱器と、前記空気予熱器により加熱された加熱空気を前記第1粉砕装置へ供給する第1空気供給路と、前記第1空気供給路から前記加熱空気の一部を分岐させる第1分岐供給路と、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第1分岐供給路から供給される前記加熱空気により乾燥させて前記燃焼装置へ再び供給するための再供給部と、を備える。
【0008】
本開示に係るバイオマス粉砕システムの運転方法は、バイオマス燃料を粉砕する第1粉砕装置と、前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼して蒸気を生成するボイラと、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を粉砕する第2粉砕装置と、を備えるバイオマス粉砕システムの運転方法であって、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第2粉砕装置へ搬送する搬送工程と、前記第2粉砕装置が粉砕した未燃の前記バイオマス燃料を前記燃焼装置へ再び供給する再供給工程と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼してボイラで蒸気を生成する際のボイラ効率を向上させることが可能なバイオマス粉砕システム、およびバイオマス粉砕システムの運転方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第1実施形態に係るボイラシステムの概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態の炉底灰処理設備の起動動作を示すフローチャートである。
図3】第1実施形態の炉底灰処理設備の停止動作を示すフローチャートである。
図4】本開示の第2実施形態に係るボイラシステムの概略構成を示す図である。
図5】本開示の第3実施形態に係るボイラシステムの概略構成を示す図である。
図6】本開示の第4実施形態に係るボイラシステムの概略構成を示す図である。
図7】本開示の第5実施形態に係るボイラシステムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1実施形態〕
以下に、本開示の第1実施形態に係るボイラシステム(バイオマス粉砕システム)100について、図1を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態のボイラシステム100は、バイオマスミル(第1粉砕装置)10と、バイオマス燃料貯蔵部15と、ボイラ20と、空気予熱器30と、炉底灰処理設備(再供給部)40と、第1空気供給路50と、第1分岐供給路51と、第2空気供給路(非加熱空気供給路)60と、第2分岐供給路61と、押込通風機70と、一次通風機80と、制御装置90と、を備える。
【0012】
本実施形態のボイラシステム100は、バイオマス燃料貯蔵部15に貯蔵されるバイオマス燃料をバイオマスミル10で粉砕し、粉砕したバイオマス燃料をボイラ20で燃焼させて蒸気を生成する。空気予熱器30は、ボイラ20から排出される排ガスGにより一次通風機80が供給する空気を加熱する。空気予熱器30により加熱された加熱空気は、第1空気供給路50を介してバイオマスミル10へ供給されるとともに、第1分岐供給路51を介して炉底灰処理設備40に供給される。炉底灰処理設備40は、ボイラ20から排出される未燃のバイオマス燃料を含む炉底灰を粉砕してボイラ20に再び供給するための設備である。
【0013】
ここで、バイオマス燃料とは、再生可能な生物由来の有機性資源であり、例えば、間伐材、廃木材、流木、草類、廃棄物、汚泥、及びこれらを原料としたリサイクル燃料(ペレットやチップ)などであり、ここに提示したものに限定されることはない。バイオマス燃料は、バイオマスの成育過程において二酸化炭素を取り込むことから、地球温暖化ガスとなる二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルとされるため、その利用が種々検討されている。
【0014】
バイオマスミル10は、バイオマス燃料貯蔵部15に貯蔵されるバイオマス燃料を粉砕する装置である。バイオマスミル10は、例えば、粉砕テーブルを回転させ。粉砕テーブルと複数の粉砕ローラとの間に挟み込まれたバイオマス燃料を粉砕する。バイオマスミル10は、第1空気供給路50から供給される加熱空気によりバイオマス燃料を乾燥させつつ所定粒径以下に分級してバイオマス燃料供給路17へ供給する。バイオマス燃料供給路17に供給された所定粒径以下のバイオマス燃料は、ボイラ20に供給される。
【0015】
本開示に係るバイオマスミル10は、一次通風機80によって加圧された空気(一次空気)をバイオマスミル10内に吹き込むことで、粉砕されたバイオマス燃料を乾燥しつつ、ボイラ20の火炉21まで搬送する、いわゆる加圧式のミルである。バイオマスミル10のハウジング内の圧力が、外部(大気)の圧力よりも高い圧力となっている。
【0016】
ボイラ20は、バイオマスミル10により粉砕したバイオマス燃料を燃焼装置22により燃焼させ、この燃焼により発生した熱を給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成する装置である。ボイラ20は、火炉21と、燃焼装置22と、過熱器23と、再熱器24と、節炭器25と、を有する。ボイラ20は、バイオマス燃料を燃焼装置22で燃焼させ、火炉21で発生した燃焼ガスと熱交換器(過熱器23,再熱器24,節炭器25)の内部を流通する給水や蒸気との間で熱交換をさせる。
【0017】
火炉21の高さ方向HDの中段に、燃焼装置22が設けられている。燃焼装置22は、複数のバーナ22aと、バーナ22aへ燃焼用空気を供給する風箱22bとを有する。図1では、バイオマス燃料供給路17が複数のバーナ22aの1つに接続される例を示しているが、バイオマス燃料供給路17が各バーナ22aへ分岐して接続されるようにしてもよい。バイオマス燃料供給路17に接続されるバーナ22aの上方のバーナ22aは、後述する第2供給路47に接続される。
【0018】
図1では、バイオマス燃料供給路17に接続されるバーナ22aおよび第2供給路47に接続されるバーナ22aを除き、各バーナ22aが接続される配管の図示を省略している。図1に示すボイラシステム100は、バイオマスミル10および後述するミル41とは異なる他のミル(図示略)を備える。バイオマス燃料と微粉炭燃料を混焼させる場合は他のミルの少なくとも1つは、バイオマス燃料よりも発熱量の大きい石炭等の他の固体燃料を粉砕するものである。他のミルで粉砕された固体燃料は、各バーナ22aに供給される。
【0019】
図1に示すボイラシステム100は、バイオマスミル10およびミル41に加え、石炭等の他の固体燃料を粉砕する他のミルを備え、バイオマス燃料と微粉炭燃料を混焼させるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、ボイラシステム100として、1または複数のバイオマスミル10と、ミル41とを備え、バイオマス燃料のみを燃焼させるバイオマス燃料専焼のシステムとしてもよい。
【0020】
図1に示すように、火炉21の高さ方向HDの下方には、炉底部21aが設けられている。炉底部21aは、水等の冷却媒体で満たされているコンベア43に浸かっており、火炉21内部は外気と隔絶されている。火炉21に供給されたバイオマス燃料のうち燃焼装置22により燃焼しなかった未燃のバイオマス燃料や燃焼灰は、炉底部21aに落下して冷却媒体により冷却される。このように、本実施形態の炉底灰処理設備40は、冷却媒体で未燃のバイオマス燃料や燃焼灰を冷却する湿式のコンベア43を有する。
【0021】
空気予熱器30は、ボイラ20の火炉21から排出される排ガスGにより空気を加熱する装置である。図1に示すように、空気予熱器30には、押込通風機70および一次通風機80のそれぞれから空気が供給される。また、空気予熱器30には、火炉21から排出される排ガスGが排ガス供給路26を介して供給され、押込通風機70および一次通風機80のそれぞれから供給される空気との熱交換が行われる。
【0022】
炉底灰処理設備40は、ボイラ20から排出される未燃のバイオマス燃料を燃焼装置22へ再び供給するための設備である。炉底灰処理設備40は、後述する第1分岐供給路51から供給される加熱空気により未燃のバイオマス燃料を乾燥させる。炉底灰処理設備40は、ミル41と、貯蔵部42と、コンベア(未燃燃料搬送部)43と、サイロ44と、ブロワ45と、第1供給路46と、第2供給路(未燃燃料供給路)47と、を有する。
【0023】
ミル41は、ボイラ20の炉底部21aから排出される未燃のバイオマス燃料を含む炉底灰BAを粉砕する装置である。ボイラ20の炉底部21aから排出される未燃のバイオマス燃料の量は、バイオマス燃料供給路17から燃焼装置22へ供給されるバイオマス燃料の総量の1%から数%程度である。そのため、ミル41はバイオマスミル10に比べて小型かつ必要な動力が小さい。
【0024】
ミル41が単位時間当たりに粉砕可能な炉底灰BAの量は、バイオマスミル10が単位時間当たりに粉砕可能なバイオマス燃料の量よりも十分に少ない(例えば、1/10以下)。また、ミル41から排出される未燃のバイオマス燃料の粒径は、バイオマスミル10から排出されるバイオマス燃料の粒径よりも大きいものとしてもよい。ミル41で粉砕された炉底灰BAは、第1供給路46によりサイロ44へ導かれる。
【0025】
貯蔵部42は、コンベア43により搬送される未燃のバイオマス燃料を含む炉底灰BAを貯蔵する装置である。貯蔵部42がミル41に供給する炉底灰BAの供給量は、制御装置90により制御される。
コンベア43は、火炉21の炉底部21aから排出される未燃のバイオマス燃料を含む炉底灰BAを、貯蔵部42へ搬送する装置である。
【0026】
サイロ44は、ミル41により粉砕された炉底灰BAを一時的に保管する装置である。ミル41により粉砕された炉底灰BAは第1分岐供給路51と、第2分岐供給路61から供給される空気によりサイロ44へ搬送され、サイロ44へ流入した空気はサイロ44に設置されるバグフィルタ44aを通して粉砕された炉底灰BAと分離され大気へ放出される。サイロ44に保管された炉底灰BAは、制御装置90がブロワ45を動作させることにより、第2供給路47を介してボイラ20の燃焼装置22へ供給される。なお、貯蔵部42からミル41への炉底灰BAの供給量が制御装置90によって制御されるため、サイロ44を介さずに第1供給路46からボイラ20の燃焼装置22へ供給することも可能である。
【0027】
第1空気供給路50は、一次通風機80から供給され、空気予熱器30により加熱された加熱空気を、バイオマスミル10へ供給する流路である。第1空気供給路50には、開閉ダンパ50aと、調整ダンパ50bとが設けられている。制御装置90により、開閉ダンパ50aを開状態とし、調整ダンパ50bの開度を調整することにより、第1空気供給路50を介してバイオマスミル10へ導かれる加熱空気の流量が調整される。
【0028】
第1分岐供給路51は、第1空気供給路50から加熱空気の一部を分岐させてミル41へ供給する流路である。第1分岐供給路51は、第1空気供給路50から加熱空気の一部を分岐させてミル41へ供給して、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を乾燥させる。第1分岐供給路51には、開閉ダンパ51aと、調整ダンパ51bとが設けられている。制御装置90により、開閉ダンパ51aを開状態とし、調整ダンパ51bの開度を調整することにより、第1分岐供給路51を介してミル41へ導かれる加熱空気の流量が調整される。
【0029】
第2空気供給路60は、一次通風機80から供給され、空気予熱器30により加熱されない非加熱空気(冷空気)を、バイオマスミル10へ供給する流路である。第2空気供給路60には、開閉ダンパ60aと、調整ダンパ60bとが設けられている。制御装置90により、開閉ダンパ60aを開状態とし、調整ダンパ60bの開度を調整することにより、第2空気供給路60を介してバイオマスミル10へ導かれる冷空気の流量が調整される。
【0030】
第2分岐供給路61は、第2空気供給路60から冷空気の一部を分岐させてミル41へ供給する流路である。第2分岐供給路61には、開閉ダンパ61aと、調整ダンパ61bとが設けられている。制御装置90により、開閉ダンパ61aを開状態とし、調整ダンパ61bの開度を調整することにより、第2分岐供給路61を介してミル41へ導かれる冷空気の流量が調整される。
【0031】
押込通風機70は、空気(外気)を燃焼用空気供給路71へ押し込んで燃焼装置22の風箱22bへ供給する装置である。押込通風機70が燃焼用空気供給路71へ押し込んだ空気を空気予熱器30で加熱し、加熱された空気を風箱22bへ供給する。
【0032】
一次通風機80は、空気(外気)を第1空気供給路50および第2空気供給路60へ押し込んでバイオマスミル10へ供給する装置である。また、第1分岐供給路51および第2分岐供給路61へも空気(外気)を押し込んでミル41へ供給する。
【0033】
制御装置90は、ボイラシステム100の各部を制御する装置である。制御装置90は、記憶部(図示略)から制御プログラムを読み出して実行することにより、ボイラシステム100の各部を制御する。
【0034】
次に、図2を参照して、炉底灰処理設備40の起動動作について説明する。図2は、第1実施形態の炉底灰処理設備40の起動動作を示すフローチャートである。図2に示す各処理は、制御装置90により実行される。なお、図2に示す処理を実行する際に、バイオマスミル10およびボイラ20を含む、炉底灰処理設備40を除くボイラシステム100の各部は、予め起動されているものとする。
【0035】
ステップS101で、制御装置90は、炉底灰処理設備40を起動するよう炉底灰処理設備40を制御する。制御装置90は、ミル41、コンベア43と、ブロワ45とを含む炉底灰処理設備40の各部を起動させる。コンベア43が起動することにより、火炉21の炉底部21aから排出された炉底灰BAが貯蔵部42に供給される。
【0036】
ステップS102で、制御装置90は、貯蔵部42に貯蔵される炉底灰BAの貯蔵量が予め定めた規定量以上であるかどうかを判断し、YESであればステップS103に処理を進め、NOであればステップS102の判断を繰り返し実行する。
【0037】
ステップS103で、制御装置90は、開閉ダンパ61aを開状態とし、調整ダンパ61bの開度を調整し、第2分岐供給路61を開放する。調整ダンパ61bの開度は、ミル41の内部の目標温度や必要とされる空気量に応じて調整される。
【0038】
ステップS104で、制御装置90は、開閉ダンパ51aを開状態とし、調整ダンパ51bの開度を調整し、第1分岐供給路51を開放する。調整ダンパ51bの開度は、ミル41の内部の目標温度や必要とされる空気量に応じて調整される。
【0039】
ステップS105で、制御装置90は、ミル41の内部が規定温度に到達したかどうかを判断し、YESであればステップS106に処理を進め、NOであればステップS105の判断を繰り返し実行する。
【0040】
ステップS106で、制御装置90は、貯蔵部42からミル41への炉底灰BAの供給を開始することで、ミル41による炉底灰BAの粉砕動作を開始する。ミル41により粉砕された炉底灰BAは、第1供給路46を介してサイロ44へ供給される。
【0041】
ステップS107で、制御装置90は、ボイラ20が、炉底灰が投入可能となる所定のボイラ負荷に到達したかどうかを判断し、YESであればステップS108へ処理を進め、NOであればステップS107の判断を繰り返す。
ステップS108で、制御装置90は、ブロワ45を動作させ、ボイラ20への炉底灰BAの供給を開始する。
以上により、制御装置90は、炉底灰処理設備40を起動させる。
【0042】
次に、図3を参照して、炉底灰処理設備40の停止動作について説明する。図3は、第1実施形態の炉底灰処理設備40の停止動作を示すフローチャートである。図2に示す各処理は、制御装置90により実行される。
【0043】
ステップS201で、制御装置90は、ブロワ45を停止させ、ボイラ20への炉底灰BAの供給を停止する。
ステップS202で、制御装置90は、コンベア43による貯蔵部42への炉底灰BAの供給を停止し、炉底灰BAを貯蔵部42とは異なる外部へ排出するよう排出先を切り替える。なお、炉底灰BAを外部へ排出する機構を持たない場合は、ステップS202およびステップS203の処理を省略して、ボイラ20の停止過程でステップS204に処理を進めるようにしても良い。
【0044】
ステップS203で、制御装置90は、貯蔵部42に貯蔵される炉底灰BAの貯蔵量が予め定めた規定量を下回るかどうかを判断し、YESであればステップS204に処理を進め、NOであればステップS203の判断を繰り返し実行する。
【0045】
ステップS204で、制御装置90は、貯蔵部42からミル41への炉底灰BAの供給量を、予め定めた最低の量である規定量まで低下させるよう制御する。
【0046】
ステップS205で、制御装置90は、調整ダンパ51bと開閉ダンパ51aを、順に閉状態とし、第1分岐供給路51を遮断する。第1分岐供給路51を遮断することにより、ミル41には、第2分岐供給路61から冷空気のみが供給される状態となる。
【0047】
ステップS206で、制御装置90は、ミル41の内部が規定温度未満となったかどうかを判断し、YESであればステップS207に処理を進め、NOであればステップS206の判断を繰り返し実行する。
【0048】
ステップS207で、制御装置90は、貯蔵部42からミル41への炉底灰BAの供給を停止する。
ステップS208で、制御装置90は、第2分岐供給路61からミル41の内部への冷空気の供給を一定時間継続し、ミル41に残存する炉底灰BAの排出処理(パージ処理)を行う。
【0049】
ステップS209で、制御装置90は、ミル41による粉砕動作を停止させる。
ステップS210で、制御装置90は、調整ダンパ61bと開閉ダンパ61aを、順に閉状態とし、第2分岐供給路61を遮断する。
以上により、制御装置90は、炉底灰処理設備40を停止させる。
【0050】
以上で説明した本実施形態のボイラシステム100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のボイラシステム100によれば、バイオマスミル10が粉砕したバイオマス燃料が燃焼装置22で燃焼し、ボイラ20で蒸気が生成される。ボイラ20から排出される排ガスGにより空気予熱器30で空気が加熱され、加熱された加熱空気が第1空気供給路50を介してバイオマスミル10へ供給される。ボイラ20から排出される未燃のバイオマス燃料は、炉底灰処理設備40により、第1分岐供給路51から供給される加熱空気により乾燥されて燃焼装置22へ再び供給される。
【0051】
本実施形態のボイラシステム100によれば、バイオマスミル10でバイオマスを粉砕する際に、バイオマス燃料の発火性を考慮してバイオマスミル10へ供給される加熱空気(一次空気)の温度を、微粉炭燃料を粉砕する場合と比べて低く設定する場合であっても、空気予熱器30における排ガスGからの熱回収量を大きく下げる必要がない。これは、加熱空気の一部がミル41における未燃のバイオマス燃料の乾燥に用いられるからである。そのため、本実施形態のボイラシステム100によれば、バイオマス燃料を燃焼装置22で燃焼してボイラ20で蒸気を生成する際のボイラ効率を向上させることができる。
【0052】
また、本実施形態のボイラシステム100によれば、ボイラ20から排出される未燃のバイオマス燃料が、コンベア43と貯蔵部42を介してミル41に搬送され、ミル41により粉砕される。本実施形態のボイラシステム100によれば、ミル41により粉砕された未燃のバイオマス燃料を第1分岐供給路51から供給される加熱空気により乾燥させることにより、バイオマス燃料を燃焼装置22で燃焼してボイラ20で蒸気を生成する際のボイラ効率を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態のボイラシステム100によれば、第2空気供給路60からバイオマスミル10へ供給される非加熱空気が、第1空気供給路50からバイオマスミル10へ供給される加熱空気と混合し、バイオマスミル10の内部へ導かれる非加熱空気と加熱空気との混合気(一次空気)の温度が適切に調整される。また、第2分岐供給路61からミル41へ供給される非加熱空気が、第1分岐供給路51からミル41へ供給される加熱空気と混合し、ミル41の内部へ導かれる非加熱空気と加熱空気との混合気(一次空気)の温度が適切に調整される。
【0054】
また、本実施形態のボイラシステム100によれば、ボイラ20で燃焼したバイオマス燃料により生成される燃焼灰は冷却媒体で満たされているコンベア43に落下し、冷却媒体により冷却することができる。未燃のバイオマス燃料は、コンベア43で冷却媒体と接触することにより冷却媒体を含んだものとなるが、炉底灰処理設備40において、第1分岐供給路51から供給される加熱空気により乾燥される。そのため、湿式のコンベア43を有するボイラ20において、ボイラ20から排出される排ガスから空気予熱器30で回収した熱を有効に利用して未燃のバイオマス燃料を乾燥させることができる。
【0055】
また、本実施形態のボイラシステム100によれば、バイオマスミル10が粉砕したバイオマス燃料が燃焼装置22で燃焼し、ボイラ20で蒸気が生成される。ボイラ20から排出される未燃のバイオマス燃料がコンベア43と貯蔵部42を介してミル41に搬送され、ミル41により粉砕される。ミル41により粉砕された未燃のバイオマス燃料は、炉底灰処理設備40により燃焼装置22へ再び供給される。本実施形態のボイラシステム100によれば、ボイラ20から排出される未燃のバイオマス燃料をミル41により粉砕してから燃焼装置22へ再び供給することにより、未燃のバイオマス燃料を燃焼装置22で確実に燃焼させることができる。
【0056】
本実施形態のボイラシステム100によれば、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を燃焼装置22へ直接的に供給するため、バイオマスミル10から燃焼装置22へバイオマス燃料を供給する既存の供給路に影響を与えることがない。
【0057】
〔第2実施形態〕
次に、本開示の第2実施形態に係るボイラシステム100Aについて説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
【0058】
第1実施形態のボイラシステム100は、炉底灰処理設備40の第2供給路47が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を燃焼装置22へ直接的に供給、または第1供給路46が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を燃焼装置22へ直接的に供給するものであった。それに対して、本実施形態のボイラシステム100Aは、炉底灰処理設備40Aの第1供給路46が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、燃焼装置22へ添加剤を投入する投入部110へ導くものである。この添加剤は、バイオマス燃料を使用する際に、ボイラ20の火炉21や伝熱部への灰付着や腐食を軽減するために、ボイラ20の火炉21に投入されるものであり、例えば、石炭灰などが用いられる。
【0059】
図4は、本開示の第2実施形態に係るボイラシステム100Aの概略構成を示す図である。図4に示すように、ボイラシステム100Aは、投入部110と、ブロワ120と、添加剤供給路130と、を備える。一方、ボイラシステム100Aは、第1実施形態のボイラシステム100のサイロ44およびブロワ45を備えない。
【0060】
投入部110は、燃焼装置22へ添加剤(例えば、石炭灰)を投入する装置である。制御装置90は、ブロワ(添加剤投入装置)120を動作させることにより、投入部110に貯蔵される添加剤を、添加剤供給路130を介して燃焼装置22へ供給する。図4に示すように、本実施形態では、添加剤供給路130が、バイオマス燃料供給路17に合流するように配置されている。添加剤供給路130からバイオマス燃料供給路17に合流した添加剤は、バイオマスミル10から供給されるバイオマス燃料とともに、燃焼装置22のバーナ22aに供給される。
【0061】
本実施形態のボイラシステム100によれば、バイオマス燃料を使用する際のボイラ20の火炉21や伝熱部への灰付着や腐食を、添加剤を投入することにより軽減することができる。また、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、投入部110を介して燃焼装置22へ適切に供給することができる。
【0062】
本実施形態ではミル41粉砕された未燃のバイオマス燃料専用の燃焼装置22への供給経路を添加剤供給路130と共有できるため、既存ボイラ設備内の配管配置への影響がなく、容易に改造、追設が可能となる。また、バイオマス燃料供給路17に接続されたバーナ22aにて未燃バイオマス燃料を燃焼させることができるため、未燃バイオマス燃料燃焼用の独自の燃焼装置が不要とすることができる。
【0063】
〔第3実施形態〕
次に、本開示の第3実施形態に係るボイラシステム100Bについて説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
【0064】
第1実施形態のボイラシステム100は、炉底灰処理設備40の第2供給路47が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマス燃料供給路17からバイオマス燃料が供給されるバーナ22aとは異なる他のバーナ22aに供給するものであった。それに対して、本実施形態のボイラシステム100Bは、炉底灰処理設備40Bの第2供給路47が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマス燃料供給路17に合流させるものである。なお、第1実施形態同様に貯蔵部42からミル41への炉底灰BAの供給量が制御装置90によって制御されるため、サイロ44を介さずに第1供給路46からミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマス燃料供給路17に合流することも可能である。
【0065】
図5は、本開示の第3実施形態に係るボイラシステム100Bの概略構成を示す図である。図5に示すように、本実施形態のボイラシステム100Bは、炉底灰処理設備40Bの第2供給路47が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマス燃料供給路17に合流させるように配置されている。制御装置90は、ブロワ45を動作させることにより、サイロ44に貯蔵される未燃のバイオマス燃料を含む炉底灰BAを、第2供給路47からバイオマス燃料供給路17に合流させる。または、制御装置90は、貯蔵部42からミル41への供給量を制御することにより、ミル41にて粉砕された未燃のバイオマス燃料を含む炉底灰BAを、第1供給路46からバイオマス燃料供給路17に合流させる。
【0066】
本実施形態のボイラシステム100Bによれば、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマスミル10から燃焼装置22へバイオマス燃料を供給する既存のバイオマス燃料供給路17へ合流させるため、第1実施形態のボイラシステム100のように未燃のバイオマス燃料を燃焼させるバーナ22aを燃焼装置22に新たに追加する必要がないため、既存設備に対して容易に改造や追設が可能となる。
【0067】
〔第4実施形態〕
次に、本開示の第4実施形態に係るボイラシステム100Cについて説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
【0068】
第1実施形態のボイラシステム100は、炉底灰処理設備40の第2供給路47が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を燃焼装置22へ直接的に供給、または第1供給路46が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を燃焼装置22へ直接的に供給するものであった。それに対して、本実施形態のボイラシステム100Cは、炉底灰処理設備40Cの第1供給路46が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマス燃料貯蔵部15へ導くものである。
【0069】
図6は、本開示の第4実施形態に係るボイラシステム100Cの概略構成を示す図である。図6に示すように、ボイラシステム100Cは、炉底灰処理設備40Cの第1供給路46が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマス燃料貯蔵部15へ導くように配置されている。制御装置90は、ブロワ45を動作させることにより、サイロ44に貯蔵される未燃のバイオマス燃料を含む炉底灰BAを、第1供給路46からバイオマス燃料貯蔵部15へ導く。
【0070】
本実施形態のボイラシステム100Cによれば、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマスミル10が粉砕するバイオマス燃料を貯蔵するバイオマス燃料貯蔵部15に導くため、バイオマス燃料供給路17を含む既存の燃料供給系統の制御動作を変更せずに維持することができる。
【0071】
〔第5実施形態〕
次に、本開示の第5実施形態に係るボイラシステム100Dについて説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
【0072】
第1実施形態のボイラシステム100は、炉底灰処理設備40の第2供給路47が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を燃焼装置22へ直接的に供給するものであった。それに対して、本実施形態のボイラシステム100Dは、炉底灰処理設備40Dの第2供給路47が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマス燃料貯蔵部15へバイオマス燃料を搬送するバイオマス燃料コンベア(バイオマス燃料搬送部)18へ導くものである。
【0073】
図7は、本開示の第5実施形態に係るボイラシステム100Dの概略構成を示す図である。図7に示すように、ボイラシステム100Dは、バイオマス燃料をバイオマス燃料貯蔵部15へ搬送するバイオマス燃料コンベア18を備える。ボイラシステム100Dは、炉底灰処理設備40Dの第2供給路47が、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマス燃料コンベア18へ導くように配置されている。
【0074】
制御装置90は、ブロワ45を動作させることにより、サイロ44に貯蔵される未燃のバイオマス燃料を含む炉底灰BAを、第2供給路47からバイオマス燃料コンベア18へ導く。バイオマス燃料コンベア18へ導かれた炉底灰BAは、バイオマス燃料とともにバイオマス燃料貯蔵部15に貯蔵される。
【0075】
本実施形態のボイラシステム100Dによれば、ミル41で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマスミル10が粉砕するバイオマス燃料を貯蔵するバイオマス燃料貯蔵部15へ搬送するバイオマス燃料コンベア18に導くため、バイオマス燃料供給路17を含む既存の燃料供給系統の制御動作を変更せずに維持することができる。
【0076】
以上説明した各実施形態に記載のバイオマス粉砕システムは例えば以下のように把握される。
本開示の第1態様に係るバイオマス粉砕システム(100)は、バイオマス燃料を粉砕する第1粉砕装置(10)と、前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼して蒸気を生成するボイラ(20)と、前記ボイラから排出される排ガスにより空気を加熱する空気予熱器(30)と、前記空気予熱器により加熱された加熱空気を前記第1粉砕装置へ供給する第1空気供給路(50)と、前記第1空気供給路から前記加熱空気の一部を分岐させる第1分岐供給路(51)と、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第1分岐供給路から供給される前記加熱空気により乾燥させて前記燃焼装置へ再び供給するための再供給部(40)と、を備える。
【0077】
本開示の第1態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、第1粉砕装置が粉砕したバイオマス燃料が燃焼装置で燃焼し、ボイラで蒸気が生成される。ボイラから排出される排ガスにより空気予熱器で空気が加熱され、加熱された加熱空気が第1空気供給路を介して第1粉砕装置へ供給される。ボイラから排出される未燃のバイオマス燃料は、再供給部により、第1分岐供給路から供給される加熱空気により乾燥されて燃焼装置へ再び供給される。
【0078】
本開示の第1態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、バイオマス燃料の発火性を考慮して第1粉砕装置へ供給される加熱空気(一次空気)の温度を微粉炭燃料に比べて低く設定する場合であっても、空気予熱器における排ガスからの熱回収量の低下を抑制できる。これは、加熱空気の一部が未燃のバイオマス燃料の乾燥に用いられるため、第1粉砕装置へ供給される加熱空気により第1粉砕装置の内部が過度に高温となることが抑制されるからである。そのため、本開示の第1態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼してボイラで蒸気を生成する際のボイラ効率を向上させることができる。
【0079】
本開示の第2態様に係るバイオマス粉砕システムは、第1態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記再供給部は、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を粉砕する第2粉砕装置(41)と、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第2粉砕装置へ搬送する未燃燃料搬送部(43)と、を有し、前記第1分岐供給路は、前記第1空気供給路から前記加熱空気の一部を分岐させて前記第2粉砕装置へ供給して、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を乾燥させる。
【0080】
本開示の第2態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、ボイラから排出される未燃のバイオマス燃料が未燃燃料搬送部により第2粉砕装置に搬送され、第2粉砕装置により粉砕される。本開示の第2態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、第2粉砕装置により粉砕された未燃のバイオマス燃料を第1分岐供給路から供給される加熱空気により乾燥させることにより、バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼してボイラで蒸気を生成する際のボイラ効率を向上させることができる。
【0081】
本開示の第3態様に係るバイオマス粉砕システムは、第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記空気予熱器により加熱されない非加熱空気を前記第1粉砕装置へ供給する第2空気供給路(60)と、前記第2空気供給路から前記非加熱空気の一部を分岐させて前記第2粉砕装置へ供給する第2分岐供給路(61)と、を備える。
【0082】
本開示の第3態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、第2空気供給路から第1粉砕装置へ供給される非加熱空気が、第1空気供給路から第1粉砕装置へ供給される加熱空気と混合し、第1粉砕装置の内部へ導かれる非加熱空気と加熱空気との混合気(一次空気)の温度が適切に調整される。また、第2分岐供給路から第2粉砕装置へ供給される非加熱空気が、第1分岐供給路から第2粉砕装置へ供給される加熱空気と混合し、第2粉砕装置の内部へ導かれる非加熱空気と加熱空気との混合気(一次空気)の温度が適切に調整される。
【0083】
本開示の第4態様に係るバイオマス粉砕システムは、第1態様から第3態様のいずれかにおいて、更に以下の構成を備える。すなわち、前記ボイラは、冷却媒体で前記バイオマス燃料の燃焼灰を冷却する湿式の未燃燃料搬送部(43)を有する。
【0084】
本開示の第4態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、ボイラで燃焼したバイオマス燃料により生成される燃焼灰を湿式の未燃燃料搬送部で冷却媒体により冷却することできる。未燃のバイオマス燃料は、未燃燃料搬送部で冷却媒体と接触することにより冷却媒体を含んだものとなるが、再供給部において、第1分岐供給路から供給される加熱空気により乾燥される。そのため、湿式の未燃燃料搬送部を有するボイラにおいて、ボイラから排出される排ガスから空気予熱器で回収した熱を有効に利用して未燃のバイオマス燃料を乾燥させることができる。
【0085】
本開示の第5態様に係るバイオマス粉砕システムは、バイオマス燃料を粉砕する第1粉砕装置と、前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼して蒸気を生成するボイラと、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を粉砕する第2粉砕装置と、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第2粉砕装置へ搬送する搬送部と、前記第2粉砕装置が粉砕した未燃の前記バイオマス燃料を前記燃焼装置へ再び供給するための再供給部と、を備える。
【0086】
本開示の第5態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、第1粉砕装置が粉砕したバイオマス燃料が燃焼装置で燃焼し、ボイラで蒸気が生成される。ボイラから排出される未燃のバイオマス燃料が未燃燃料搬送部により第2粉砕装置に搬送され、第2粉砕装置により粉砕される。第2粉砕装置により粉砕された未燃のバイオマス燃料は、再供給部により燃焼装置へ再び供給される。本開示の第5態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、ボイラから排出される未燃のバイオマス燃料を第2粉砕装置により粉砕してから燃焼装置へ再び供給することにより、未燃のバイオマス燃料を燃焼装置で確実に燃焼させることができる。
【0087】
本開示の第6態様に係るバイオマス粉砕システムは、第2態様、第3態様または第5態様のいずれかにおいて、更に以下の構成を備える。すなわち、前記再供給部は、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を前記燃焼装置へ供給する未燃燃料供給路(47)を有する。
【0088】
本開示の第6態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、第2粉砕装置で粉砕された未燃のバイオマス燃料を燃焼装置へ直接的に供給するため、第1粉砕装置から燃焼装置へバイオマス燃料を供給する既存の供給路に影響を与えることがない。
【0089】
本開示の第7態様に係るバイオマス粉砕システムは、第2態様、第3態様または第5態様のいずれかにおいて、更に以下の構成を備える。すなわち、前記燃焼装置へ添加剤を投入する投入部(110)を備え、前記再供給部は、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を前記投入部へ導く。
【0090】
本開示の第7態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、バイオマス燃料を燃焼させることによるボイラの火炉への燃焼灰の付着を、添加剤を投入することにより適切に軽減することができる。また、第2粉砕装置で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、投入部を介して燃焼装置へ適切に供給することができる。本形態ではミル41粉砕された未燃のバイオマス燃料専用の燃焼装置22への供給経路を添加剤供給路130と共有できるため、既存ボイラ設備内の配管配置への影響がなく、容易に改造、追設が可能となる。
またバイオマス燃料供給路17に接続されたバーナ22aにて未燃バイオマス燃料を燃焼させることができるため、未燃バイオマス燃料燃焼用の独自の燃焼装置が不要とすることができる。
【0091】
本開示の第8態様に係るバイオマス粉砕システムは、第2態様、第3態様または第5態様のいずれかにおいて、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を前記燃焼装置へ供給するバイオマス燃料供給路(17)を備え、前記再供給部は、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を前記バイオマス燃料供給路へ合流させる。
【0092】
本開示の第8態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、第2粉砕装置で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、第1粉砕装置から燃焼装置へバイオマス燃料を供給する既存の燃料供給路へ合流させるため、未燃のバイオマス燃料を燃焼させるバーナを燃焼装置に新たに追加する必要がないため、既存設備に対して容易に改造や追設が可能となる。
【0093】
本開示の第9態様に係るバイオマス粉砕システムは、第2態様、第3態様または第5態様のいずれかにおいて、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第1粉砕装置が粉砕する前記バイオマス燃料を貯蔵するバイオマス燃料貯蔵部(15)を備え、前記再供給部は、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を前記バイオマス燃料貯蔵部へ導く。
【0094】
本開示の第9態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、第2粉砕装置で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、第1粉砕装置が粉砕するバイオマス燃料を貯蔵するバイオマス燃料貯蔵部に導くため、既存の燃料供給系統の制御動作を変更せずに維持することができる。
【0095】
本開示の第10態様に係るバイオマス粉砕システムは、第2態様、第3態様、または第5態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第1粉砕装置が粉砕する前記バイオマス燃料を貯蔵するバイオマス燃料貯蔵部(42)と、前記バイオマス燃料貯蔵部へ前記バイオマス燃料を搬送するバイオマス燃料搬送部(43)と、を備え、前記再供給部は、前記第2粉砕装置で粉砕された未燃の前記バイオマス燃料を前記バイオマス燃料搬送部へ導く。
【0096】
本開示の第10態様に係るバイオマス粉砕システムによれば、第2粉砕装置で粉砕された未燃のバイオマス燃料を、バイオマス燃料を貯蔵するバイオマス燃料貯蔵部へバイオマス燃料を搬送するバイオマス燃料搬送部に導くため、既存の燃料供給系統の制御動作を変更せずに維持することができる。
【0097】
本開示の第11態様に係るバイオマス粉砕システムの運転方法は、バイオマス燃料を粉砕する第1粉砕装置と、前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼して蒸気を生成するボイラと、前記ボイラから排出される排ガスにより空気を加熱する空気予熱器と、前記空気予熱器により加熱された加熱空気を前記第1粉砕装置へ供給する第1空気供給路と、前記第1空気供給路から前記加熱空気の一部を分岐させる第1分岐供給路と、を備えるバイオマス粉砕システムの運転方法であって、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第1分岐供給路から供給される前記加熱空気により乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程により乾燥させた未燃の前記バイオマス燃料を前記燃焼装置へ再び供給する再供給工程と、を備える。
【0098】
本開示の第11態様に係るバイオマス粉砕システムの運転方法によれば、第1粉砕装置が粉砕したバイオマス燃料が燃焼装置で燃焼し、ボイラで蒸気が生成される。ボイラから排出される排ガスにより空気予熱器で空気が加熱され、加熱された加熱空気が第1空気供給路を介して第1粉砕装置へ供給される。ボイラから排出される未燃のバイオマス燃料は、乾燥工程により第1分岐供給路から供給される加熱空気により乾燥され、再供給工程により燃焼装置へ再び供給される。
【0099】
本開示の第11態様に係るバイオマス粉砕システムの運転方法によれば、バイオマス燃料の発火性を考慮して第1粉砕装置へ供給される加熱空気(一次空気)の温度を微粉炭燃料に比べて低く設定する場合であっても、空気予熱器における排ガスからの熱回収量を大きく下げる必要がない。これは、加熱空気の一部が未燃のバイオマス燃料の乾燥に用いられるため、第1粉砕装置へ供給される加熱空気により第1粉砕装置が過度に高温となることが抑制されるからである。そのため、本開示の第1態様に係るバイオマス粉砕システムの運転方法によれば、バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼してボイラで蒸気を生成する際のボイラ効率を向上させることができる。
【0100】
本開示の第12態様に係るバイオマス粉砕システムの運転方法は、バイオマス燃料を粉砕する第1粉砕装置と、前記第1粉砕装置が粉砕した前記バイオマス燃料を燃焼装置で燃焼して蒸気を生成するボイラと、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を粉砕する第2粉砕装置と、を備えるバイオマス粉砕システムの運転方法であって、前記ボイラから排出される未燃の前記バイオマス燃料を前記第2粉砕装置へ搬送する搬送工程と、前記第2粉砕装置が粉砕した未燃の前記バイオマス燃料を前記燃焼装置へ再び供給する再供給工程と、を備える。
【0101】
本開示の第12態様に係るバイオマス粉砕システムの運転方法によれば、第1粉砕装置が粉砕したバイオマス燃料が燃焼装置で燃焼し、ボイラで蒸気が生成される。ボイラから排出される未燃のバイオマス燃料が搬送工程により第2粉砕装置に搬送され、第2粉砕装置により粉砕される。第2粉砕装置により粉砕された未燃のバイオマス燃料は、再供給工程により燃焼装置へ再び供給される。本開示の第11態様に係るバイオマス粉砕システムの運転方法によれば、ボイラから排出される未燃のバイオマス燃料を第2粉砕装置により粉砕してから燃焼装置へ再び供給することにより、未燃のバイオマス燃料を燃焼装置で確実に燃焼させることができる。
【符号の説明】
【0102】
10 バイオマスミル(第1粉砕装置)
15 バイオマス燃料貯蔵部
17 バイオマス燃料供給路
18 バイオマス燃料コンベア
20 ボイラ
21 火炉
21a 炉底部
22 燃焼装置
22a バーナ
22b 風箱
23 過熱器
24 再熱器
25 節炭器
30 空気予熱器
40,40A,40B,40C,40D 炉底灰処理設備
41 ミル
42 貯蔵部
43 コンベア
44 サイロ
45 ブロワ
46 第1供給路
47 第2供給路
50 第1空気供給路
50a,51a,60a,61a 開閉ダンパ
50b,51b,60b,61b 調整ダンパ
51 第1分岐供給路
60 第2空気供給路
61 第2分岐供給路
70 押込通風機
71 燃焼用空気供給路
80 一次通風機
90 制御装置
100,100A,100B,100C,100D ボイラシステム
110 投入部
120 ブロワ
130 添加材供給路
BA 炉底灰
G 排ガス
HD 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7