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特開2024-24181基板作業システムおよび不良情報表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024181
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】基板作業システムおよび不良情報表示方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20240215BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126829
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】中根 孝之
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353AA02
5E353CC01
5E353CC04
5E353CC21
5E353CC23
5E353EE02
5E353EE53
5E353EE61
5E353EE89
5E353GG01
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353JJ52
5E353KK02
5E353KK03
5E353LL03
5E353LL04
5E353LL07
5E353MM04
5E353MM08
5E353QQ30
(57)【要約】
【課題】基板作業装置において発生した不良が作業者の作業に起因する不良か否かを容易に確認することが可能な基板作業システムを提供する。
【解決手段】この基板作業システム100は、部品を実装した基板Pを製造するための基板製造作業を行うように構成された基板作業装置と、基板作業装置に対して基板Pの製造に関する作業を行う作業者Wの作業動画Mvを撮影する動画撮影部8と、基板作業装置において検出された基板製造作業の不良に関連する作業者Wの作業動画Mvの候補を検索し、候補として検索された作業動画Mvを取得する制御を行う制御装置7と、表示部71とを備える。制御装置7は、取得した作業動画Mvを再生可能な状態で表示部71に表示する制御を行うように構成されている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を実装した基板を製造するための基板製造作業を行うように構成された基板作業装置と、
前記基板作業装置に対して前記基板の製造に関する作業を行う作業者の作業動画を撮影する動画撮影部と、
前記基板作業装置において検出された前記基板製造作業の不良に関連する前記作業者の前記作業動画の候補を検索し、候補として検索された前記作業動画を取得する制御を行う制御装置と、
表示部とを備え、
前記制御装置は、取得した前記作業動画を再生可能な状態で前記表示部に表示する制御を行うように構成されている、基板作業システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記基板製造作業の不良が発生した不良発生時間に基づいて、前記不良発生時間よりも前に、前記基板製造作業の不良が検出された前記基板に前記基板製造作業を行った前記基板作業装置に対して作業をしていた前記作業者の前記作業動画を候補として検索する制御を行うように構成されている、請求項1に記載の基板作業システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記不良発生時間から所定時間遡った時間と前記不良発生時間との間の所定範囲時間に基づいて、前記基板製造作業の不良が検出された前記基板に前記基板製造作業を行った前記基板作業装置に対して作業を行っていた前記作業者の前記作業動画を候補として検索する制御を行うように構成されている、請求項2に記載の基板作業システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記所定範囲時間内に前記基板製造作業の不良が検出された前記基板に前記基板製造作業を行った前記基板作業装置に対して作業を行っていた前記作業者が複数人いた場合、前記複数の作業者の各々の前記作業動画を候補として検索する制御を行うように構成されている、請求項3に記載の基板作業システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記基板作業装置に対して前記作業者が作業を行えるようにするための操作を前記作業者が前記基板作業装置に行った時刻に基づいて、前記作業動画の再生開始位置を設定する制御を行うように構成されている、請求項3に記載の基板作業システム。
【請求項6】
前記動画撮影部は、前記作業者が装着可能に構成されたウェアラブル端末を含む、請求項1に記載の基板作業システム。
【請求項7】
前記動画撮影部は、前記作業者の作業の間、前記作業者の作業を低フレームレートで動画撮影し続けるように構成されており、
低フレームレートで動画撮影された前記作業動画を記憶する記憶部をさらに備える、請求項1に記載の基板作業システム。
【請求項8】
撮像部をさらに備え、
前記制御装置は、前記基板製造作業の不良が検出された前記基板の基板識別情報と、前記不良発生時間と、前記撮像部により撮像された撮像画像のうち前記基板製造作業の不良が検出された不良画像と、再生可能な状態の前記作業動画とを含む不良情報確認画面を前記表示部に表示する制御を行うように構成されている、請求項2に記載の基板作業システム。
【請求項9】
部品を実装した基板を製造するための基板製造作業を行うように構成された基板作業装置に対して前記基板の製造に関する作業を行う作業者を動画撮影部により撮影した作業動画のうち、前記基板作業装置において検出された前記基板製造作業の不良に関連する前記作業者の前記作業動画の候補を検索するステップと、
候補として検索された前記作業動画を再生可能な状態で表示部に表示するステップとを備える、不良情報表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板作業システムおよび不良情報表示方法に関し、特に、基板製造作業を行うように構成された基板作業装置を備える基板作業システムおよび不良情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板製造作業を行うように構成された基板作業装置を備える基板作業システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、電子部品を基板に実装する作業(基板製造作業)を行うように構成された表面実装装置(基板作業装置)を備える作業支援システム(基板作業システム)が開示されている。この作業支援システムは、判定部および結果表示部を含む検査機を備えている。検査機は、表面実装装置において撮像された基板に実装された電子部品の撮像データを取得するように構成されている。検査機は、取得した撮像データに基づいて、判定部により、チップ浮き状態判定などの不良の判定を行うように構成されている。結果表示部は、判定部による不良の判定結果を表示するように構成されている。
【0004】
上記特許文献1の結果表示部は、上記判定結果に基づいて、不良が発生した時刻および不良と判定された基板に実装された電子部品の不良画像を表示するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6666997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の作業支援システムでは、結果表示部により表示された不良画像を見た作業者は、たとえば、電子部品の一部が基板上から浮いたチップ浮き状態を確認することができるが、チップ浮き状態の原因が、作業者の誤った作業または作業者の不注意などの作業者の作業に起因する不良か否かを確認することが困難である。そこで、表面実装装置(基板作業装置)において発生した不良が作業者の作業に起因する不良か否かを容易に確認することが可能なシステムが望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、基板作業装置において発生した不良が作業者の作業に起因する不良か否かを容易に確認することが可能な基板作業システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における基板作業システムは、部品を実装した基板を製造するための基板製造作業を行うように構成された基板作業装置と、基板作業装置に対して基板の製造に関する作業を行う作業者の作業動画を撮影する動画撮影部と、基板作業装置において検出された基板製造作業の不良に関連する作業者の作業動画の候補を検索し、候補として検索された作業動画を取得する制御を行う制御装置と、表示部とを備え、制御装置は、取得した作業動画を再生可能な状態で表示部に表示する制御を行うように構成されている。
【0009】
この発明の第1の局面による基板作業システムでは、上記のように、取得した作業動画を再生可能な状態で表示部に表示する制御を行うように構成された制御装置を設ける。これにより、制御装置を操作している操作者が作業動画を再生することにより、操作者が基板製造作業の不良に関連する作業者の作業を容易に確認することができるので、基板作業装置において発生した不良が作業者の作業に起因する不良か否かを容易に確認することができる。
【0010】
上記第1の局面による基板作業システムにおいて、好ましくは、制御装置は、基板製造作業の不良が発生した不良発生時間に基づいて、不良発生時間よりも前に、基板製造作業の不良が検出された基板に基板製造作業を行った基板作業装置に対して作業をしていた作業者の作業動画を候補として検索する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、作業動画が多数記憶されている場合であっても、基板製造作業の不良に関連すると想定される作業動画の候補を最小限にすることができるので、制御装置の操作者による作業動画の確認作業が煩雑になることを抑制することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、制御装置は、不良発生時間から所定時間遡った時間と不良発生時間との間の所定範囲時間に基づいて、基板製造作業の不良が検出された基板に基板作業を行った基板作業装置に対して作業を行っていた作業者の作業動画を候補として検索する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、基板製造作業の不良に関連すると想定される作業動画の候補をさらに少なくすることができるので、制御装置の操作者による作業動画の確認作業が煩雑になることをより抑制することができる。
【0012】
上記制御装置が、所定範囲時間に基づいて、作業者の作業動画を候補として検索する制御を行うように構成された基板作業システムにおいて、好ましくは、制御装置は、所定範囲時間内に基板製造作業の不良が検出された基板に基板作業を行った基板作業装置に対して作業を行っていた作業者が複数人いた場合、複数の作業者の各々の作業動画を候補として検索する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、基板製造作業の不良に関連すると想定される複数の作業者の作業動画が表示されるので、操作者は基板製造作業の不良に関連する作業者の作業をより確実に確認することができる。
【0013】
上記制御装置が、所定範囲時間に基づいて、作業者の作業動画を候補として検索する制御を行うように構成された基板作業システムにおいて、好ましくは、制御装置は、基板作業装置に対して作業者が作業を行えるようにするための操作を作業者が基板作業装置に行った時刻に基づいて、作業動画の再生開始位置を設定する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、作業動画の再生開始位置を所定範囲時間内の作業者の作業開始位置に自動で設定することができるので、制御装置の操作者による作業動画の確認作業が煩雑になることをより一層抑制することができる。
【0014】
上記第1の局面による基板作業システムにおいて、好ましくは、動画撮影部は、作業者が装着可能に構成されたウェアラブル端末を含む。このように構成すれば、作業者とともに移動して作業者の作業を動画撮影することができるので、作業者の作業を動画撮影するために必要なカメラの数を少なくすることができる。
【0015】
上記第1の局面による基板作業システムにおいて、好ましくは、動画撮影部は、作業者の作業の間、作業者の作業を低フレームレートで動画撮影し続けるように構成されており、低フレームレートで動画撮影された作業動画を記憶する記憶部をさらに備える。このように構成すれば、記憶部に記憶される作業動画のデータ量を比較的小さくすることができるので、記憶部において作業動画を記憶するために必要な記憶容量が増大することを抑制することができる。
【0016】
上記制御装置が、不良発生時間よりも前に、基板製造作業の不良が検出された基板に基板作業を行った基板作業装置に対して作業をしていた作業者の作業動画を候補として検索する制御を行うように構成された基板作業システムにおいて、好ましくは、撮像部をさらに備え、制御装置は、基板製造作業の不良が検出された基板の基板識別情報と、不良発生時間と、撮像部により撮像された撮像画像のうち基板製造作業の不良が検出された不良画像と、再生可能な状態の作業動画とを含む不良情報確認画面を表示部に表示する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、制御装置の操作者が表示部に表示された不良情報確認画面を確認することにより、操作者は基板識別情報、不良発生時間、不良画像および作業動画を確認することができるので、操作者による基板製造作業の不良の確認作業を効率的に行うことができる。
【0017】
この発明の第2の局面における不良情報表示方法は、部品を実装した基板を製造するための基板製造作業を行うように構成された基板作業装置に対して基板の製造に関する作業を行う作業者を動画撮影部により撮影した作業動画のうち、基板作業装置において検出された基板製造作業の不良に関連する作業者の作業動画の候補を検索するステップと、候補として検索された作業動画を再生可能な状態で表示部に表示するステップとを備える。
【0018】
この発明の第2の局面による不良情報表示方法では、上記のように、候補として検索された作業動画を再生可能な状態で表示部に表示するステップを設ける。これにより、制御装置を操作している操作者が作業動画を再生することにより、操作者が基板製造作業の不良に関連する作業者の作業を容易に確認することができるので、基板作業装置において発生した不良が作業者の作業に起因する不良か否かを容易に確認することが可能な不良情報表示方法を提供できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、基板作業装置において発生した不良が作業者の作業に起因する不良か否かを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態の基板作業システムの概略図である。
図2】一実施形態の基板作業システムの印刷装置の構成を示したブロック図である。
図3】一実施形態の基板作業システムの部品実装装置の構成を示したブロック図である。
図4】一実施形態の基板作業システムの第1検査装置の構成を示したブロック図である。
図5】一実施形態の基板作業システムの第2検査装置の構成を示したブロック図である。
図6】一実施形態の基板作業システムの管理サーバの構成を示したブロック図である。
図7】一実施形態の基板作業システムのクライアント端末の構成を示したブロック図である。
図8】一実施形態の基板作業システムのスマートグラスの構成を示したブロック図である。
図9】一実施形態の基板作業システムのクライアント端末の表示部に不良情報確認画面を表示した状態を示した模式図である。
図10】一実施形態の基板作業システムの不良情報確認画面を示した模式図である。
図11】一実施形態の基板作業システムの不良情報確認画面において作業動画を再生した状態を示した模式図である。
図12】一実施形態による基板作業システムのクライアント端末において実施される不良情報表示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1図12を参照して、本発明の実施形態による基板作業システム100の構成について説明する。
【0023】
(基板作業システムの構成)
図1に示すように、基板作業システム100は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品E(電子部品)をプリント基板などに実装して、部品Eが実装された基板Pを製造するシステムである。
【0024】
基板作業システム100は、印刷装置1と、部品実装装置2と、第1検査装置3と、リフロー炉4と、第2検査装置5と、管理サーバ6と、クライアント端末7と、スマートグラス8とを備えている。なお、印刷装置1、部品実装装置2、第1検査装置3、リフロー炉4、および、第2検査装置5の各々は、特許請求の範囲の「基板作業装置」の一例である。また、クライアント端末7は、特許請求の範囲の「制御装置」の一例である。スマートグラス8は、特許請求の範囲の「動画撮影部」の一例である。
【0025】
(印刷装置)
図1および図2に示すように、印刷装置1は、部品Eを実装した基板Pを製造するための基板製造作業として、プリント基板にはんだをスクリーン印刷する印刷作業を行う装置である。印刷装置1は、スクリーンマスク11と、スキージ12と、マスク撮像部13と、印刷検査撮像部14と、通信部15と、CPU(Central Processing Unit)16と、記憶部17とを含んでいる。マスク撮像部13および印刷検査撮像部14の各々は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
【0026】
スキージ12は、プリント基板に押し付けられたスクリーンマスク11上に乗せたはんだを塗り広げるように構成されている。これにより、所定パターンのはんだがプリント基板に印刷(転写)される。
【0027】
マスク撮像部13は、スクリーンマスク11の撮像画像を撮像するように構成されている。印刷装置1では、スクリーンマスク11の撮像画像に基づいて、スクリーンマスク11を検査が行われる。これにより、たとえば、スクリーンマスク11の目詰まりを検出可能である。
【0028】
印刷検査撮像部14は、はんだが印刷された印刷作業後のプリント基板の撮像画像を撮像するように構成されている。印刷装置1では、印刷作業後のプリント基板の撮像画像に基づいて、プリント基板上のはんだの検査が行われる。これにより、たとえば、プリント基板上のはんだのにじみ、かすれ、位置ずれ量などが検査可能である。また、印刷装置1では、プリント基板上のはんだの検査結果に基づいて、プリント基板上のはんだが良か不良かの判断が行われる。不良と判断された画像は、不良画像である。この場合、基板製造作業としての印刷作業が不良と判断されている。
【0029】
通信部15は、印刷装置1以外の他の装置(部品実装装置2、第1検査装置3、リフロー炉4、第2検査装置5、および、管理サーバ6)と通信を行うように構成されている。
【0030】
記憶部17には、マスク撮像部13により撮像された撮像画像および印刷検査撮像部14により撮像された撮像画像が画像データとして記憶される。
【0031】
(部品実装装置)
図1および図3に示すように、部品実装装置2は、部品Eを実装した基板Pを製造するための基板製造作業として、はんだが印刷されたプリント基板に部品Eを実装する実装作業を行う装置である。部品実装装置2は、実装ヘッド21と、部品撮像部22と、基板撮像部23と、通信部24と、CPU25と、記憶部26とを含んでいる。なお、部品撮像部22および基板撮像部23の各々は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
【0032】
実装ヘッド21は、部品Eを基板Pに実装する際に部品Eを吸着するノズルが着脱可能に取り付けられるように構成されている。
【0033】
部品撮像部22は、実装ヘッド21のノズルに吸着された部品Eを下側から撮像するように構成されている。部品実装装置2は、部品撮像部22により撮像された撮像画像に基づいて、実装ヘッド21のノズルに吸着された部品Eを検査するように構成されている。これにより、たとえば、部品Eの下側から見た吸着状態、部品Eのノズル中心に対する位置ずれ量、部品Eのサイズ(奥行および幅)などが検査可能である。また、部品実装装置2では、実装ヘッド21のノズルに吸着された部品Eの検査結果に基づいて、実装ヘッド21のノズルに吸着された部品Eが良または不良かの判断が行われる。不良と判断された画像は、不良画像である。この場合、基板製造作業としての吸着作業が不良と判断されている。
【0034】
基板撮像部23は、プリント基板への部品Eの実装に先立って、プリント基板の上面に付されたFIマーク(Fiducial Mark(フィデューシャルマーク):図示せず)を撮像するように構成されている。FIマークは、プリント基板の位置を検査するためのマークである。部品実装装置2は、基板撮像部23により撮像された撮像画像に基づいて、プリント基板の位置を検査するように構成されている。これにより、たとえば、プリント基板の基板搬送方向における位置ずれなどを検査可能である。また、部品実装装置2では、FIマークの検査結果に基づいて、プリント基板の位置が良または不良の判断が行われる。不良と判断された画像は、不良画像である。この場合、基板製造作業としての搬送作業が不良と判断されている。
【0035】
通信部24は、部品実装装置2以外の他の装置(印刷装置1、第1検査装置3、リフロー炉4、第2検査装置5、および、管理サーバ6)と通信を行うように構成されている。
【0036】
記憶部26には、部品撮像部22により撮像された撮像画像および基板撮像部23により撮像された撮像画像が画像データとして記憶される。
【0037】
(第1検査装置)
図1および図4に示すように、第1検査装置3は、部品Eを実装した基板Pを製造するための基板製造作業として、部品Eが実装された実装作業後の基板P上の部品Eのリフロー前検査作業を行う装置である。第1検査装置3は、検査撮像部31と、通信部32と、CPU33と、記憶部34とを含んでいる。なお、検査撮像部31は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
【0038】
検査撮像部31は、部品Eが実装された実装作業後のプリント基板上の部品Eの撮像するように構成されている。第1検査装置3は、実装作業後のプリント基板上の部品Eの撮像画像に基づいて、プリント基板上の部品Eを検査するように構成されている。これにより、たとえば、プリント基板上のはんだの不足、部品Eの位置ずれ量、部品Eの浮きなどを検査可能である。また、第1検査装置3では、プリント基板上の部品Eの検査結果に基づいて、プリント基板上の部品Eの良または不良の判断が行われる。不良と判断された画像は、不良画像である。この場合、基板製造作業としての実装作業が不良と判断されている。
【0039】
通信部32は、第1検査装置3以外の他の装置(印刷装置1、部品実装装置2、リフロー炉4、第2検査装置5、および、管理サーバ6)と通信を行うように構成されている。
【0040】
記憶部34には、検査撮像部31により撮像された撮像画像が画像データとして記憶される。
【0041】
(リフロー炉)
図1に示すように、リフロー炉4は、部品Eを実装した基板Pを製造するための基板製造作業として、プリント基板に印刷されたはんだを溶融させて固化させることにより、部品Eをプリント基板に接合するリフロー作業を行う。リフロー炉4は、図示しないが、通信部52は、リフロー炉4以外の他の装置(印刷装置1、部品実装装置2、第1検査装置3、第2検査装置5、および、管理サーバ6)と通信を行うことが可能な通信部を含んでいる。
【0042】
(第2検査装置)
図1および図5に示すように、第2検査装置5は、部品Eを実装した基板Pを製造するための基板製造作業として、リフロー作業後のプリント基板上の部品Eのリフロー後検査作業を行う装置である。第2検査装置5は、検査撮像部51と、通信部52と、CPU53と、記憶部54とを含んでいる。なお、検査撮像部51は、特許請求の範囲の「撮像部」の一例である。
【0043】
検査撮像部51は、部品Eが実装された実装作業後のプリント基板上の部品Eの撮像するように構成されている。第2検査装置5は、リフロー作業後のプリント基板上の部品Eの撮像画像に基づいて、プリント基板上の部品Eを検査するように構成されている。これにより、たとえば、プリント基板上のはんだの不足、部品Eの位置ずれ量および部品Eの浮きなどを検査可能である。また、第2検査装置5では、プリント基板上の部品Eの検査結果に基づいて、プリント基板上の部品Eの良または不良の判断が行われる。不良と判断された画像は、不良画像である。この場合、基板製造作業としての印刷作業、実装作業およびリフロー作業の少なくともいずれかが不良と判断されている。
【0044】
通信部52は、第2検査装置5以外の他の装置(印刷装置1、部品実装装置2、第1検査装置3、リフロー炉4、および、管理サーバ6)と通信を行うように構成されている。
【0045】
記憶部54には、検査撮像部51により撮像された撮像画像が画像データとして記憶される。
【0046】
(管理サーバ)
図1および図6に示すように、管理サーバ6は、印刷装置1、部品実装装置2、第1検査装置3、リフロー炉4、および、第2検査装置5を直線状に並べた実装ラインに関する情報などを管理する制御装置である。管理サーバ6は、通信部61と、CPU62と、記憶部63となどを含んでいる。通信部61は、印刷装置1、部品実装装置2、第1検査装置3、リフロー炉4、および、第2検査装置5、クライアント端末7およびスマートグラス8と通信を行うように構成されている。記憶部63には、実装ラインによる実装に関するデータを管理するデータ管理プログラムが記憶されている。また、記憶部63には、印刷装置1、部品実装装置2、第1検査装置3、リフロー炉4、第2検査装置5の各々の撮像画像、および、動画撮影用カメラ81により撮影された作業動画Mvなどの情報をデータベース化した装置用データベースDbが記憶されている。
【0047】
(クライアント端末)
図1および図7に示すように、クライアント端末7は、作業者Wが操作する据置型のパーソナルコンピュータなどの端末である。クライアント端末7は、表示部71と、通信部72と、CPU73と、記憶部74とを含んでいる。表示部71は、液晶画面により構成されている。表示部71は、管理サーバ6から送信された情報を画面に表示するように構成されている。通信部72は、管理サーバ6と通信を行うように構成されている。記憶部74には、印刷装置1、部品実装装置2、第1検査装置3、および、第2検査装置5において検出された不良に関する情報を含む不良情報確認画面Gcを表示部71に表示させる不良情報確認プログラムPrが記憶されている。不良情報確認プログラムPrについては、後に詳細に説明する。
【0048】
(スマートグラス)
図1および図8に示すように、スマートグラス8は、作業者Wが装着可能な頭部装着型のウェアラブル端末である。スマートグラス8は、動画撮影用カメラ81と、通信部82と、CPU83と、記憶部84とを含んでいる。
【0049】
スマートグラス8は、作業者Wと同一の視点を撮影するように構成されている。これにより、スマートグラス8は、作業者Wの手元周辺を撮影することが可能である。スマートグラス8は、作業者Wが印刷装置1および部品実装装置2などに対して基板Pの製造に関する作業を行っている間中、作業者Wの作業を撮影するように構成されている。作業者Wの作業は、スクリーンマスク11を印刷装置1に供給する供給作業と、部品実装装置2に部品Eを収容したリールを供給する供給作業と、部品実装装置2から空になったリールを取り出す取出作業と、印刷装置1および部品実装装置2などの装置のカバーを開けて装置内の構成を調整する調整作業となどがある。
【0050】
ここで、作業者Wは、印刷装置1、部品実装装置2、第1検査装置3、および、第2検査装置5に対して作業を行う場合、作業を行う装置に対して作業者Wが作業を行えるようにするための操作を作業を行う必要がある。すなわち、作業者Wは、作業を行う前に、予め管理サーバ6に登録された作業者Wの識別ID(Identification)と、識別IDに関連付けられたパスワードとを入力する操作を作業を行う装置に対して行う。管理サーバ6は、登録された識別IDおよびパスワードが一致した場合、作業を行う装置に対する作業者Wの作業を許可する信号を作業を行う装置に対して送信する制御を行うように構成されている。作業を行う装置は、作業者Wの作業を許可する信号を取得したことに基づいて、装置のロックを解除するように構成されている。これにより、作業者Wは、装置に対して作業を行うことが可能になる。この操作は、認証操作である。この認証操作の際、管理サーバ6は、登録された識別IDおよびパスワードが一致したことに基づいて、日時を記録する制御を行うように構成されている。
【0051】
動画撮影用カメラ81は、作業者Wの作業動画Mvを撮影する動画撮影用のカメラである。動画撮影用カメラ81は、作業者Wの作業の間、作業者Wの作業を低フレームレートで動画撮影し続けるように構成されている。低フレームレートとは、2~3fps程度のフレームレートを示す。動画撮影用カメラ81は、動画の形式により作業者Wの作業を撮影するように構成されている。通信部82は、作業者Wが印刷装置1および部品実装装置2などに対して基板Pの製造に関する作業を行っている間中、動画撮影用カメラ81により撮影された作業動画Mvを管理サーバ6に送信するように構成されている。これにより、管理サーバ6の記憶部63には、低フレームレートで動画撮影された作業動画Mvが記憶される。記憶部84には、動画を撮影するためのプログラムが記憶されている。
【0052】
(不良情報確認プログラム)
図9および図10に示すように、本実施形態のクライアント端末7は、不良情報確認プログラムPrに基づいて表示部71に表示される不良情報確認画面Gcに対する操作者の操作に基づいて、作業動画Mvを再生可能な状態で表示部71に表示する制御を行うように構成されている。作業動画Mvを再生可能な状態とは、操作者による再生開始の操作に基づいて作業動画Mvが再生される状態で不良情報確認画面Gcに表示されていることを示す。図10では、横向きの黒色の三角形を操作者がクリックするという操作が、操作者の再生開始の操作である。
【0053】
図10に示すように、クライアント端末7は、不良発生時間Tmと、基板製造作業の不良が検出された基板Pの基板識別情報Sbと、上記した撮像画像のうち基板製造作業の不良が検出された不良画像と、再生可能な状態の作業動画Mvとを含む不良情報確認画面Gcを表示部71に表示する制御を行うように構成されている。
【0054】
まず、クライアント端末7は、装置用データベースDbに予め登録された、不良発生時間Tmと、不良発生時間Tmに関連する基板識別情報Sbおよびライン識別情報Liとを不良情報確認画面Gcに表示する制御を行うように構成されている。クライアント端末7は、不良発生時間Tmを選択するクライアント端末7の操作者の操作に基づいて、不良発生時間Tmに関連する、不良画像、および、再生可能な状態の作業動画Mvを取得する制御を行うように構成されている。ここで、不良画像、および、作業動画Mvは、装置用データベースDbに予め登録されている。また、基板製造作業は、上記した、印刷作業、実装作業、リフロー前検査作業、リフロー作業およびリフロー後検査作業を含んでいる。
【0055】
図10では、一例として、印刷装置1において、プリント基板上の所定の実装位置のはんだの不足が検出されたが、部品実装装置2、第1検査装置3、および、第2検査装置5の各々が基板製造作業を行い基板Pを製造した場合を示している。以下に、図10において表示されている内容について説明する。
【0056】
不良発生時間Tmは、不良情報確認画面Gcにおいて、年月日だけでなく時分まで表示されている。基板識別情報Sbは、不良情報確認画面Gcにおいて、予め管理サーバ6に登録された製造する基板Pの番号を表示している。ライン識別情報Liは、不良情報確認画面Gcにおいて、予め管理サーバ6に登録された上記した実装ラインの番号を表示している。
【0057】
図10では、不良画像の一例として、不良情報確認画面Gcにおいて、部品撮像部22により撮像された不良画像G1、第1検査装置3の検査撮像部31により撮像された不良画像G2、および、第2検査装置5により撮像された不良画像G3が表示されている。
【0058】
また、不良情報確認画面Gcにおいて、印刷装置1に対して作業を行っていた作業者W(図10では第1作業者と記載、以下では第1作業者W1と記載)の作業動画Mv1が再生可能に表示されている。
【0059】
また、作業動画Mv1の下には、第1作業者W1の作業動画Mv1のサムネイル画像Sa1が表示されている。サムネイル画像Sa1は、作業動画Mv1において、作業を行う装置に対して作業者Wが認証操作を行った日時ごとに表示されている。図10に表示された「▼」は、作業動画Mv1の再生開始位置を示している。また、操作者が選択したサムネイル画像Sa1は、ハッチングで覆うことにより示されている。これらにより、横向きの黒色の三角形を操作者がクリックすることにより、上記した再生開始位置から作業動画Mv1が再生される。
【0060】
また、作業動画Mv1の下には、第1作業者W1よりも少し前に印刷装置1に対して作業を行っていた作業者W(図10では第2作業者と記載、以下では第2作業者W2と記載)の作業動画Mvのサムネイル画像Sa2が表示されている。サムネイル画像Sa2は、第2作業者W2の作業動画Mvにおいて、作業を行う装置に対して作業者Wが認証操作を行った日時ごとに表示されている。
【0061】
このように、クライアント端末7は、上記した作業者Wの作業を確認するために、不良情報確認プログラムPrに基づいて、装置用データベースDbに登録された情報を検索し、作業動画Mvを取得する制御を行うように構成されている。すなわち、クライアント端末7は、上記した作業者Wの作業を確認するために、不良情報確認プログラムPrに基づいて、基板作業装置において検出された基板製造作業の不良に関連する作業者Wの作業動画Mvの候補を検索し、候補として検索された作業動画Mvを取得する制御を行うように構成されている。基板作業装置は、上記した、印刷装置1、部品実装装置2、第1検査装置3、リフロー炉4および第2検査装置5を含んでいる。図10では、第1作業者W1の作業動画Mv1および第2作業者W2の作業動画Mvが取得されている。
【0062】
具体的には、クライアント端末7は、基板製造作業の不良が発生した不良発生時間Tmに基づいて、不良発生時間Tmよりも前に、基板製造作業の不良が検出された基板Pに基板製造作業を行った基板作業装置に対して作業をしていた作業者Wの作業動画Mvを候補として検索する制御を行うように構成されている。図10に示す一例では、クライアント端末7は、印刷作業の不良が発生した不良発生時間Tmに基づいて、不良発生時間Tmよりも前に、印刷作業の不良が発生した印刷装置1に対して作業をしていた作業者Wの作業動画Mvを候補として検索することになる。
【0063】
クライアント端末7は、不良発生時間Tmから所定時間(たとえば、30分)遡った時間と不良発生時間Tmとの間の所定範囲時間に基づいて、基板製造作業の不良が検出された基板Pに基板製造作業を行った基板作業装置に対して作業を行っていた作業者Wの作業動画Mvを候補として検索する制御を行うように構成されている。図10に示す一例では、クライアント端末7は、不良発生時間Tmから所定時間遡った時間と不良発生時間Tmとの間の所定範囲時間に基づいて、印刷作業の不良が発生した印刷装置1に対して作業を行っていた第1作業者W1および第2作業者W2の作業動画Mvを候補として検索する制御を行うように構成されている。
【0064】
このように、クライアント端末7は、所定範囲時間内に基板製造作業の不良が検出された基板Pに基板製造作業を行った基板作業装置に対して作業を行っていた作業者Wが複数人いた場合、複数の作業者Wの各々の作業動画Mvを候補として検索する制御を行うように構成されている。図10に示す一例では、第1作業者W1および第2作業者W2の作業動画Mvが候補として検索されている。また、第1作業者W1の作業動画Mv1が再生可能に表示されている。
【0065】
クライアント端末7は、基板作業装置に対して作業者Wが作業を行えるようにするための操作を作業者Wが基板作業装置に行った時刻に基づいて、作業動画Mvの再生開始位置を設定する制御を行うように構成されている。図10に示す一例では、第1作業者W1の作業動画Mv1の設定された再生開始位置および第2作業者W2の作業動画Mvの設定された再生開始位置の各々が「▼」で表示されている。第1作業者W1の作業動画Mv1の設定された再生開始位置は、第1作業者W1が印刷装置1に対して認証操作を行った時刻である。また、第2作業者W2の作業動画Mvの設定された再生開始位置は、第2作業者W2が印刷装置1に対して認証操作を行った時刻である。
【0066】
クライアント端末7は、操作者の再生開始の操作を受け付けたことに基づいて、作業動画Mvを再生開始位置から再生する制御を行うように構成されている。
【0067】
これにより、図11に示す一例として、第1作業者W1が、スクリーンマスク11の所定パターンの部分を一部を触ったことを示す作業動画Mv1の場面が表示される。これにより、図10に一例として示した印刷作業の不良が、第1作業者W1によるスクリーンマスク11の誤った接触に起因するものであると、操作者が判断することが可能である。また、他の例としては、第1作業者W1が、印刷装置1の扉を何度も開閉していることを示す作業動画Mv1の場面が表示された場合では、印刷作業の不良が、第1作業者W1が扉を何度も開閉したことに起因して異物が印刷装置1内に侵入してしまったものであると、操作者が判断することが可能である。
【0068】
(不良情報表示処理)
図12を参照して、不良情報確認プログラムPrに基づいて、クライアント端末7により表示部71に作業動画Mvを再生可能に表示する不良情報表示処理について以下に説明する。
【0069】
ステップS1において、操作者による不良情報確認プログラムPrを実行するための操作に基づいて、不良情報確認画面Gcが表示部71に表示される。この際、不良情報確認画面Gcには、複数の不良発生時間Tmとともに、複数の不良発生時間Tmの各々に対応する、基板識別情報Sbおよびライン識別情報Liが表示されている。ステップS2において、操作者が複数の不良発生時間Tmのうちのいずれかを選択したか否かが判断される。操作者が選択した場合はステップS3に進み、操作者が選択していない場合はステップS2を繰り返す。ステップS3において、選択した不良発生時間Tmの不良に関連する不良画像を検索して不良情報確認画面Gcに表示する。すなわち、クライアント端末7が管理サーバ6の装置用データベースDbに登録された情報を検索することにより、不良画像が取得される。
【0070】
ステップS4において、選択した不良発生時間Tmの不良に関連する作業動画Mvの候補を検索して不良情報確認画面Gcに表示する。すなわち、クライアント端末7が管理サーバ6の装置用データベースDbに登録された情報を検索することにより、不良に関連する作業動画Mvが取得される。このように、ステップS4は、基板製造作業を行うように構成された基板作業装置に対して基板Pの製造に関する作業を行う作業者Wをスマートグラス8により撮影した作業動画Mvのうち、基板作業装置において検出された基板製造作業の不良に関連する作業者Wの作業動画Mvの候補を検索するステップである。また、ステップS4は、候補として検索された作業動画Mvを再生可能な状態で表示部71に表示するステップである。ステップS4の後、不良情報表示処理が終了する。
【0071】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
本実施形態では、上記のように、基板作業システム100は、取得した作業動画Mvを再生可能な状態で表示部71に表示する制御を行うように構成されたクライアント端末7を備えている。これにより、クライアント端末7を操作している操作者が作業動画Mvを再生することにより、操作者が基板製造作業の不良に関連する作業者Wの作業を容易に確認することができるので、基板作業装置において発生した不良が作業者Wの作業に起因する不良か否かを容易に確認することができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、クライアント端末7は、基板製造作業の不良が発生した不良発生時間Tmに基づいて、不良発生時間Tmよりも前に、基板製造作業の不良が検出された基板Pに基板製造作業を行った基板作業装置に対して作業をしていた作業者Wの作業動画Mvを候補として検索する制御を行うように構成されている。これにより、作業動画Mvが多数記憶されている場合であっても、基板製造作業の不良に関連すると想定される作業動画Mvの候補を最小限にすることができるので、クライアント端末7の操作者による作業動画Mvの確認作業が煩雑になることを抑制することができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、クライアント端末7は、不良発生時間Tmから所定時間遡った時間と不良発生時間Tmとの間の所定範囲時間に基づいて、基板製造作業の不良が検出された基板に基板作業を行った基板作業装置に対して作業を行っていた作業者Wの作業動画Mvを候補として検索する制御を行うように構成されている。これにより、基板製造作業の不良に関連すると想定される作業動画Mvの候補をさらに少なくすることができるので、クライアント端末7の操作者による作業動画Mvの確認作業が煩雑になることをより抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、クライアント端末7は、所定範囲時間内に基板製造作業の不良が検出された基板Pに基板製造作業を行った基板作業装置に対して作業を行っていた作業者Wが複数人いた場合、複数の作業者Wの各々の作業動画Mvを候補として検索する制御を行うように構成されている。これにより、基板製造作業の不良に関連すると想定される複数の作業者Wの作業動画Mvが表示されるので、操作者は基板製造作業の不良に関連する作業者Wの作業をより確実に確認することができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、クライアント端末7は、基板作業装置に対して作業者Wが作業を行えるようにするための操作を作業者Wが基板作業装置に行った時刻に基づいて、作業動画Mvの再生開始位置を設定する制御を行うように構成されている。これにより、作業動画Mvの再生開始位置を所定範囲時間内の作業者Wの作業開始位置に自動で設定することができるので、クライアント端末7の操作者による作業動画Mvの確認作業が煩雑になることをより一層抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、スマートグラス8は、作業者Wが装着可能に構成されたウェアラブル端末である。これにより、作業者Wとともに移動して作業者Wの作業を動画撮影することができるので、作業者Wの作業を動画撮影するために必要なカメラの数を少なくすることができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、スマートグラス8は、作業者Wの作業の間、作業者Wの作業を低フレームレートで動画撮影し続けるように構成されている。基板作業システム100は、低フレームレートで動画撮影された作業動画Mvを記憶する記憶部63を備えている。これにより、記憶部63に記憶される作業動画Mvのデータ容量を比較的小さくすることができるので、記憶部63において作業動画Mvを記憶するために必要な記憶容量が増大することを抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、基板作業システム100は、撮像部(マスク撮像部13、印刷検査撮像部14、部品撮像部22、基板撮像部23、検査撮像部31および検査撮像部51)を備えている。クライアント端末7は、基板製造作業の不良が検出された基板Pの基板識別情報Sbと、不良発生時間Tmと、撮像部により撮像された撮像画像のうち基板製造作業の不良が検出された不良画像G1、G2、G3と、再生可能な状態の作業動画Mvとを含む不良情報確認画面Gcを表示部71に表示する制御を行うように構成されている。これにより、クライアント端末7の操作者が表示部71に表示された不良情報確認画面Gcを確認することにより、操作者は基板識別情報Sb、不良発生時間Tm、不良画像G1、G2、G3および作業動画Mvを確認することができるので、操作者による基板製造作業の不良の確認作業を効率的に行うことができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、不良情報表示方法は、候補として検索された作業動画Mvを再生可能な状態で表示部71に表示するステップS4を備えている。これにより、クライアント端末7を操作している操作者が作業動画Mvを再生することにより、操作者が基板製造作業の不良に関連する作業者Wの作業を容易に確認することができるので、基板作業装置において発生した不良が作業者Wの作業に起因する不良か否かを容易に確認することが可能な不良情報表示方法を提供できる。
【0081】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0082】
たとえば、上記実施形態では、スマートグラス8が、特許請求の範囲の「動画撮影部」の一例である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、動画撮影部は、スマートグラスなどのウェアラブル端末ではなく、建物または装置などに固定された状態で作業者を動画撮影するカメラであってもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、スマートグラス8(動画撮影部)は、低フレームレートで動画撮影する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、動画撮影部は、低フレームレートよりもフレームレートを大きくして動画撮影を行ってもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、クライアント端末7(制御装置)は、作業者が操作する据置型のパーソナルコンピュータなどの端末である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置は、作業者が携帯する携帯端末であってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、不良情報確認画面Gcにおいて、作業動画Mv1は、不良画像G1、G2、G3の下に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示部には、作業動画を含む不良情報確認画面および不良画像を含む不良情報確認画面が表示されてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、クライアント端末7は、印刷作業の不良が発生した不良発生時間Tmに基づいて、不良発生時間Tmよりも前に、印刷作業の不良が発生した印刷装置1に対して作業をしていた作業者Wの作業動画Mvを候補として検索する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、クライアント端末は、基板製造作業の不良が発生した不良発生時間に基づいて、不良発生時間よりも前に、基板製造作業の不良が検出された基板に基板製造作業を行った基板作業装置に対して作業をしていた作業者の作業動画を候補として検索する制御を行うように構成されていてもよい。すなわち、一例としては、実装作業の不良を第1検査装置が検出した場合、基板に対して基板製造作業を行った装置は、印刷装置、部品実装装置および第1検査装置である。この場合、クライアント端末は、印刷装置に対して作業を行った作業者の作業動画、部品実装装置に対して作業を行った作業者の作業動画、および、第1検査装置に対して作業を行った作業者の作業動画を候補として検索することになる。
【0087】
また、上記実施形態では、候補として検索された作業動画Mvが2つである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、候補として検索された作業動画は、1、または、3つ以上あってもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、クライアント端末7(制御装置)の制御処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置の制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 印刷装置(基板作業装置)
2 部品実装装置(基板作業装置)
3 第1検査装置(基板作業装置)
4 リフロー炉(基板作業装置)
5 第2検査装置(基板作業装置)
7 クライアント端末(制御装置)
8 スマートグラス
13 マスク撮像部(撮像部)
14 印刷検査撮像部(撮像部)
22 部品撮像部(撮像部)
23 基板撮像部(撮像部)
31 検査撮像部(撮像部)
51 検査撮像部(撮像部)
63 記憶部
71 表示部
100 基板作業システム
E 部品
G1、G2、G3 不良画像
Gc 不良情報確認画面
Mv、Mv1 作業動画
P 基板
Sb 基板識別情報
Tm 不良発生時間
W 作業者
W1 第1作業者(作業者)
W2 第2作業者(作業者)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12