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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024203
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20240215BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240215BHJP
   B65H 7/20 20060101ALI20240215BHJP
   B65H 20/02 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
B65H5/06 J
B41J2/01 125
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B65H7/20
B65H20/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126865
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】山口 健司
【テーマコード(参考)】
2C056
3F048
3F049
3F103
【Fターム(参考)】
2C056EB13
2C056EB38
2C056EB45
2C056EC12
2C056EC35
2C056FA10
2C056HA27
2C056HA33
2C056JB18
3F048AA05
3F048AB01
3F048AC04
3F048BA11
3F048BB05
3F048DB11
3F048EA15
3F048EB22
3F048EB24
3F049AA01
3F049AA05
3F049DA04
3F049EA22
3F049EA24
3F049LA07
3F049LB03
3F103AA01
3F103BA25
(57)【要約】
【課題】媒体の浮きを抑制する。
【解決手段】液体吐出装置は、第3ローラーは、搬送方向における第1位置と、第1位置の下流の第2位置と、の間を移動可能に構成され、搬送ベルトに載置された媒体を加圧する第1状態と、媒体を巻き掛けた状態で搬送ベルトに対して上昇する第2状態と、に移行可能に構成され、第2位置から上流に、少なくとも第2状態において第3ローラーが上昇した寸法分を移動させた位置を規定位置とした場合に、制御部は、規定位置と第1位置との間において第3ローラーを停止させた後に第1状態から第2状態に移行させ、第3ローラーを第2状態から第1状態に移行させた後に第3ローラーを第2位置まで移動させる。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の第1面に当接して前記媒体を載置し、搬送方向へ搬送させる無端状の搬送ベルトと、前記搬送ベルトが架け渡される第1ローラー及び第2ローラーと、を含む搬送部と、
前記搬送ベルトの周回方向における前記第1ローラーの下流であって、かつ、前記第2ローラーの上流において、前記搬送ベルトに載置された前記媒体の第2面に液体を吐出する吐出部と、
前記搬送部に前記媒体を繰り出す繰出し部と、
前記繰出し部から繰り出された前記媒体を支持する支持部と、
前記支持部を経由して前記媒体を巻き掛けた状態で、前記吐出部側に向かうように前記媒体を支持し、前記媒体を加熱し加圧する第3ローラーと、
制御部と、を備え、
前記第3ローラーは、
前記搬送方向における第1位置と、前記第1位置の下流の第2位置と、の間を移動可能に構成され、
前記搬送ベルトに載置された前記媒体を加圧する第1状態と、前記媒体を巻き掛けた状態で前記搬送ベルトに対して上昇する第2状態と、に移行可能に構成され、
前記第2位置から上流に、少なくとも前記第2状態において前記第3ローラーが上昇した寸法分を移動させた位置を規定位置とした場合に、前記制御部は、
前記規定位置と前記第1位置との間において前記第3ローラーを停止させた後に前記第1状態から前記第2状態に移行させ、
前記第3ローラーを前記第2状態から前記第1状態に移行させた後に前記第3ローラーを前記第2位置まで移動させる、液体吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記制御部は、
補正値に基づいて、前記規定位置を補正する、液体吐出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液体吐出装置であって、
前記補正値は、前記媒体の形態に応じて設定される、液体吐出装置。
【請求項4】
請求項2に記載の液体吐出装置であって、
前記搬送ベルトを洗浄する洗浄ユニットを備え、
前記補正値は、前記搬送ベルトの洗浄状態に応じて設定される、液体吐出装置。
【請求項5】
請求項2に記載の液体吐出装置であって、
前記補正値は、前記搬送ベルトの使用状態に応じて設定される、液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、媒体に印刷を行う印刷部と、前記媒体を支持する搬送ベルトと、前記搬送ベルトを回転させることで、前記媒体を搬送方向に搬送する駆動ローラーと、ヒーターとを有し、前記媒体を加熱して前記搬送ベルトに押圧しながら前記搬送方向に沿って移動可能に設けられた加熱押圧部と、前記加熱押圧部の移動と温度とを制御する制御部と、を備えた印刷装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-192733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記装置では、媒体に対して加熱押圧部が押し圧する部分が狭いため、十分に媒体を加熱することができない、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
液体吐出装置は、媒体の第1面に当接して前記媒体を載置し、搬送方向へ搬送させる無端状の搬送ベルトと、前記搬送ベルトが架け渡される第1ローラー及び第2ローラーと、を含む搬送部と、前記搬送ベルトの周回方向における前記第1ローラーの下流であって、かつ、前記第2ローラーの上流において、前記搬送ベルトに載置された前記媒体の第2面に液体を吐出する吐出部と、前記搬送部に前記媒体を繰り出す繰出し部と、前記繰出し部から繰り出された前記媒体を支持する支持部と、前記支持部を経由して前記媒体を巻き掛けた状態で、前記吐出部側に向かうように前記媒体を支持し、前記媒体を加熱し加圧する第3ローラーと、制御部と、を備え、前記第3ローラーは、前記搬送方向における第1位置と、前記第1位置の下流の第2位置と、の間を移動可能に構成され、前記搬送ベルトに載置された前記媒体を加圧する第1状態と、前記媒体を巻き掛けた状態で前記搬送ベルトに対して上昇する第2状態と、に移行可能に構成され、前記第2位置から上流に、少なくとも前記第2状態において前記第3ローラーが上昇した寸法分を移動させた位置を規定位置とした場合に、前記制御部は、前記規定位置と前記第1位置との間において前記第3ローラーを停止させた後に前記第1状態から前記第2状態に移行させ、前記第3ローラーを前記第2状態から前記第1状態に移行させた後に前記第3ローラーを前記第2位置まで移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態にかかる液体吐出装置の構成を示す模式図。
図2】第1実施形態にかかる液体吐出装置の制御構成を示すブロック図。
図3A】第1実施形態にかかる加圧ユニットの構成を示す模式図。
図3B】第1実施形態にかかる加圧ユニットの構成を示す模式図。
図3C】第1実施形態にかかる加圧ユニットの構成を示す模式図。
図4A】第1実施形態にかかる液体吐出装置の制御方法を示す模式図。
図4B】第1実施形態にかかる液体吐出装置の制御方法を示す模式図。
図4C】第1実施形態にかかる液体吐出装置の制御方法を示す模式図。
図4D】第1実施形態にかかる液体吐出装置の制御方法を示す模式図。
図5】第2実施形態にかかる液体吐出装置の制御方法を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
1.第1実施形態
まず、液体吐出装置100の構成について説明する。液体吐出装置100は、液体としてのインクを吐出して媒体Mに画像などを形成するインクジェット式のプリンターである。
【0008】
図1に示すように、液体吐出装置100は、繰出し部10、搬送部20、吐出部40、巻取り部30、乾燥ユニット27、洗浄ユニット50、ブレーキ部60、支持部70、加圧ユニット80等を備える。そして、これらの各部を制御する制御部1を有する。液体吐出装置100の各部は、フレーム部90に取り付けられる。
なお、本実施形態では、Z軸に沿った方向は重力に沿う方向であり、X軸に沿った方向は、吐出部40における媒体Mの搬送方向に沿った方向であり、Y軸に沿った方向は、媒体Mの幅方向に沿った方向である。また、媒体Mの搬送方向又は搬送ベルト23の周回方向(移動方向)に沿う位置関係を「上流」「下流」ともいう。
【0009】
繰出し部10は、媒体Mを吐出部40側に供給するものである。媒体Mとしては、例えば、コットン、シルク、ウール、ポリエステルなどの布帛が用いられる。繰出し部10は、供給軸部11及び軸受部12を有する。供給軸部11は、円筒状又は円柱状に形成されており、円周方向に回転可能に設けられる。供給軸部11には、帯状の媒体Mがロール状に巻かれている。供給軸部11は、軸受部12に対して着脱可能に取り付けられる。これにより、予め供給軸部11に巻かれた状態の媒体Mは、供給軸部11と共に軸受部12に取り付けできるようになっている。
【0010】
軸受部12は、供給軸部11の軸方向の両端を回転可能に支持する。繰出し部10は、供給軸部11を回転駆動させる回転駆動部(図示せず)を有する。回転駆動部は、媒体Mが送り出される方向に供給軸部11を回転させる。回転駆動部の動作は、制御部1によって制御される。
【0011】
搬送部20は、搬送ベルト23と、第1ローラー24及び第2ローラー25と、を備える。搬送ベルト23は、帯状のベルトの両端部が接続されて無端状に形成される。搬送ベルト23は、第1ローラー24と第1ローラー24の下流に配置された第2ローラー25との間に架け渡される。本実施形態では、第2ローラー25は駆動する駆動ローラーであり、第1ローラー24は、搬送ベルト23の回転移動に伴って回転する従動ローラーである。
搬送ベルト23は、第1ローラー24と第2ローラー25との間の部分が水平になるように、所定の張力が作用した状態で保持される。搬送ベルト23の表面(支持面)23aには、媒体Mを粘着させる粘着剤29が塗布されおり、媒体Mは、粘着剤29を介して搬送ベルト23に貼り付けられる。
繰出し部10側から供給された媒体Mは、後述の加圧ユニット80によって加圧されて、媒体Mの第1面Maが搬送ベルト23に当接した状態で媒体Mが搬送ベルト23に載置される。そして、搬送ベルト23が回転移動することで媒体Mが搬送方向に搬送される。
【0012】
粘着剤29は、加熱されることによって粘着性が増大することが好ましい。このような粘着剤29としては、例えば、熱可塑性エラストマーSISを主成分とするホットメルト系粘着剤などを使用することができる。加圧ユニット80によって粘着剤29を加熱することで媒体Mを搬送ベルト23に好適に貼り付けることができる。
【0013】
第1ローラー24及び第2ローラー25は、搬送ベルト23の内周面23bを支持する。第1ローラー24と第2ローラー25との間には、搬送ベルト23を支持する当接部69及びプラテン46が配置される。
当接部69は、搬送ベルト23を介して加圧ユニット80と対向する領域に配置される。プラテン46は、搬送ベルト23を介して吐出部40と対向する領域に配置される。当接部69及びプラテン46が搬送ベルト23を支持することにより、搬送ベルト23を移動させることに伴って搬送ベルト23が振動することなどを抑制することができる。
【0014】
本実施形態では、搬送ベルト23の表面23aが吐出部40と対向する側(+Z軸側)において媒体Mが支持され、媒体Mが搬送ベルト23と共に第1ローラー24側から第2ローラー25側に搬送される。また、搬送ベルト23の表面23aが洗浄ユニット50と対向する側(-Z軸側)においては、搬送ベルト23のみが第2ローラー25側から第1ローラー24側に移動する。
【0015】
巻取り部30は、搬送部20によって搬送された媒体Mを回収する。巻取り部30は、巻取り軸部31及び軸受部32を有する。巻取り軸部31は、円筒状又は円柱状に形成されており、円周方向に回転可能に設けられる。巻取り軸部31には、帯状の媒体Mがロール状に巻き取られる。巻取り軸部31は、軸受部32に対して着脱可能に取り付けられる。これにより、巻取り軸部31に巻き取られた状態の媒体Mは、巻取り軸部31と共に取り外せるようになっている。
【0016】
軸受部32は、巻取り軸部31の軸線方向の両端を回転可能に支持している。巻取り部30は、巻取り軸部31を回転駆動させる回転駆動部(図示せず)を有する。回転駆動部は、媒体Mが巻き取られる方向に巻取り軸部31を回転させる。回転駆動部の動作は、制御部1によって制御される。
【0017】
繰出し部10と搬送部20との間の媒体Mの搬送経路には、ブレーキ部60と、支持部70と、加圧ユニット80と、が配置される。
ブレーキ部60は、媒体Mに所定のテンションを掛けるブレーキローラー、ブレーキローラーに対して搬送方向の上流及び下流に配置されている複数のブレーキ従動ローラーを含んで構成される。
ブレーキ部60は、ブレーキローラーの位置を移動する不図示のブレーキローラー移動機構を含んでいてもよい。ブレーキ部60は、制御部1の制御の下、ブレーキローラー移動機構により、ブレーキローラーの位置を移動させて、媒体Mに所定のテンションを掛けることができる。
なお、支持部70及び加圧ユニット80の構成は後述する。
【0018】
次に、吐出部40の構成について説明する。
吐出部40は、搬送ベルト23に対して上方(+Z方向)に配置され、搬送ベルト23の表面23a上に載置された媒体Mに印刷を行うものである。吐出部40は、ヘッドユニット42、ヘッドユニット42が搭載されるキャリッジ43、キャリッジ43を搬送方向と交差する媒体Mの幅方向(Y軸に沿った方向)に移動させるキャリッジ移動部45などを備える。ヘッドユニット42は、インクを液滴として吐出する複数の吐出ヘッド(図示せず)を備える。各吐出ヘッドには、インク供給部(図示せず)からインク(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックなど)が供給される。そして、各吐出ヘッドから媒体Mの第2面Mbに向けてインクが吐出され、媒体Mに画像等が形成される。
【0019】
キャリッジ移動部45は、搬送ベルト23の上方(+Z軸側)に設けられる。キャリッジ移動部45は、Y軸に沿って延在する一対のガイドレール45a,45bを備える。ヘッドユニット42は、キャリッジ43と共にY軸に沿って往復移動可能な状態でガイドレール45a,45bに支持される。
【0020】
キャリッジ移動部45は、図示しない移動機構及び動力源を備える。移動機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などを採用することができる。さらに、キャリッジ移動部45は、キャリッジ43をガイドレール45a,45bに沿って移動させるための動力源として、モーター(図示せず)を有する。制御部1の制御によりモーターが駆動されると、ヘッドユニット42は、キャリッジ43と共にY軸に沿って移動する。
【0021】
乾燥ユニット27は、媒体Mの搬送経路における吐出部40と巻取り部30との間に配置される。乾燥ユニット27は、媒体Mに吐出されたインクを乾燥するものであり、乾燥ユニット27には、例えば、IRヒーターが含まれ、IRヒーターを駆動させることにより媒体Mに吐出されたインクを短時間で乾燥させることができる。これにより、画像などの形成された帯状の媒体Mを巻取り軸部31に巻き取ることができる。
【0022】
洗浄ユニット50は、搬送ベルト23の下方であり、X軸に沿った方向において第1ローラー24と第2ローラー25の間に配置される。洗浄ユニット50は、洗浄部51、押圧部52及び移動部53を備える。移動部53は、床面99に沿って洗浄ユニット50を一体的に移動させて所定の位置に固定させる。
【0023】
押圧部52は、例えば、エアーシリンダー56とボールブッシュ57とで構成された昇降装置であり、その上部に備えられている洗浄部51を搬送ベルト23の表面23aに当接させるものである。洗浄部51は、第2ローラー25から第1ローラー24に向かって移動する搬送ベルト23の表面23aを下方(-Z方向)から洗浄する。
【0024】
洗浄部51は、洗浄槽54、洗浄ローラー58及びブレード55を備える。洗浄槽54は、搬送ベルト23の表面23aに付着したインクや異物の洗浄に用いる洗浄液を貯留する槽であり、洗浄ローラー58及びブレード55は洗浄槽54の内側に設けられる。洗浄液としては、例えば、水や水溶性溶剤(アルコール水溶液など)を用いることができ、必要に応じて界面活性剤や消泡剤を添加させてもよい。
【0025】
洗浄ローラー58が回転すると、洗浄液が搬送ベルト23の表面23aに供給されると共に、洗浄ローラー58と搬送ベルト23とが摺動する。これにより、搬送ベルト23に付着したインクや媒体Mの繊維などが洗浄ローラー58で取り除かれる。
【0026】
ブレード55は、例えば、シリコンゴムなどの可撓性の材料で形成することができる。ブレード55は、搬送ベルト23の搬送方向において洗浄ローラー58よりも下流側に配置される。搬送ベルト23とブレード55とが摺動することにより、搬送ベルト23の表面23aに残っている洗浄液が除去される。
【0027】
図2に示すように、液体吐出装置100は、液体吐出装置100で実行される各種動作を制御する制御部1を備える。制御部1は、CPU2と、メモリー3と、制御回路4と、I/F(インターフェイス)5と、を有する。CPU2は演算処理装置である。メモリー3は、CPU2のプログラムを格納する領域または作業領域等を確保する記憶装置であり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。例えば、制御部1は、操作部8からの入力情報や、情報処理端末等の外部からI/F5を介して印刷データ等を取得すると、CPU2が各種プログラムに従って演算を実行し、制御回路4を介して各駆動部等を制御する。情報処理端末としては、例えば、印刷条件などが入力される入力装置を含むパーソナルコンピューター(PC)や、タブレット型端末、携帯型端末等である。
【0028】
次に、支持部70及び加圧ユニット80の構成について説明する。
図3Aに示すように、液体吐出装置100は、繰出し部10から繰り出された媒体Mを支持する支持部70と、加圧ユニット80と、を備える。
支持部70は、ブレーキ部60の下流に配置され、繰出し部10からブレーキ部60を介して搬送される媒体Mを支持する。本実施形態の支持部70は、ローラーである。支持部70の配置位置は固定される。ブレーキ部60を介して+X方向に搬送される媒体Mは、支持部70に巻き掛けられ、支持部70を支点として-X方向側に搬送される。
【0029】
加圧ユニット80は、媒体Mを支持する第3ローラー81を備える。第3ローラー81は、支持部70の-X方向側に配置される。また、第3ローラー81は、支持部70の-Z方向側に配置される。第3ローラー81は、支持部70を経由して-X方向側に搬送された媒体Mを巻き掛けた状態で支持する。媒体Mは、第3ローラー81の外周面の半分(半周)程度に巻き掛けられる。そして、第3ローラー81は、媒体Mを巻き掛けた状態で媒体Mが吐出部40側(+X方向側)に向かうように媒体Mを支持する。
【0030】
第3ローラー81は、媒体Mを加熱可能に構成される。さらに、第3ローラー81は、媒体Mを加圧可能に構成される。
第3ローラー81は、軸方向がY軸に沿った方向に延在して配置される。第3ローラー81は、媒体MのY軸に沿った幅寸法よりも長い円柱状に形成され、円周方向に回転可能に構成にされる。
第3ローラー81は、金属製である。第3ローラー81の内部には、ヒーターが配置される。当該ヒーターによって第3ローラー81の表面は加熱される。ヒーターは、例えば、ニッケル、クロムを主成分とした合金(ニクロム)や、鉄、クロム、アルミニウムの合金等による電熱線で構成することができる。
なお、第3ローラー81に配置されるヒーターは、例えば、媒体Mの幅寸法に応じて加熱制御可能に構成してもよい。
【0031】
第3ローラー81は、第3ローラー81の自重によって媒体Mを搬送ベルト23に押し圧する。この時、搬送ベルト23は、媒体Mを介して熱せられる。搬送ベルト23の表面23aには、加熱されることで粘着性の増大する粘着剤29が塗布されているので、媒体Mは、搬送ベルト23に好適に貼り付けられる。
【0032】
第3ローラー81は、搬送方向における第1位置Pt1と、第1位置Pt1の下流の第2位置Pt2と、の間を移動可能に構成される。すなわち、第3ローラー81は、X軸に沿った方向に移動可能であり、第1位置Pt1と第2位置Pt2との間の第1領域Rg1を往復移動可能に構成される。第3ローラー81は、例えば、モーター等の駆動源を用いたボールねじ機構等によって移動可能に構成される。なお、第1位置Pt1及び第2位置Pt2は、第3ローラー81の軸中心を基準に規定される。第3ローラー81が媒体Mを巻き掛けながら第1領域Rg1の範囲で往復移動するので、媒体Mの広い領域を十分に加熱させることができる。また、媒体Mに加熱痕が付くことを抑制することができる。さらに、より広い範囲で粘着剤29が加熱されるので、搬送ベルト23に対する媒体Mの密着性を向上させることができる。
なお、当接部69は、第3ローラー81が移動可能な第1領域Rg1に対応する領域に配置される。具体的には、当接部69は、第1領域Rg1において第3ローラー81と対向する領域に配置される。これにより、第3ローラー81と当接部69との間で、媒体M、搬送ベルト23及び粘着剤29を好適に加熱し加圧することができる。
【0033】
また、図3Bに示すように、第3ローラー81は、搬送ベルト23に載置された媒体Mを加圧する第1状態St1と、媒体Mを巻き掛けた状態で搬送ベルト23に対して上昇する第2状態St2と、に移行可能に構成される。加圧ユニット80は、第3ローラー81を第1状態St1と第2状態St2とに移行可能な昇降機構を備える。昇降機構は、例えば、エアーシリンダーとボールブッシュとで構成される。そして、昇降機構(エアーシリンダー)のロッドを鉛直方向の+Z方向に伸長させることにより、第3ローラー81が上昇し、第3ローラー81が媒体Mを巻き掛けた状態で第2状態St2に移行する。一方、第2状態St2において、昇降機構(エアーシリンダー)のロッドを鉛直方向の-Z方向に短縮させることにより、第3ローラー81が下降し、第3ローラー81が媒体Mを巻き掛けた状態で第1状態St1に移行する。
なお、第1状態St1から第2状態St2に移行するために上昇する寸法である上昇寸法Hdは、媒体Mの厚み等に応じて適宜設定される。
そして、例えば、吐出部40が動作する場合に、第3ローラー81を第1状態St1に移行し、媒体M及び搬送ベルト23を加熱・加圧する。一方、吐出部40が停止する場合には、第3ローラー81を第2状態St2に移行する。第3ローラー81を第2状態St2に移行とすることにより、媒体M及び搬送ベルト23への過度の加圧が抑えられる。すなわち、第3ローラー81の加熱・加圧による媒体Mへの圧痕や、搬送ベルト23への圧痕を抑制し、媒体Mの画像のバンディング(スジ状)の発生を抑制できる。
【0034】
ここで、図3Bに示すように、第3ローラー81には媒体Mが巻き掛かっているため、第3ローラー81を上昇させて第2状態St2に移行させた際、第3ローラー81の上昇に伴って媒体Mの一部も上昇する。すなわち、第3ローラー81の上昇に伴って媒体Mの一部が搬送ベルト23から剥がれる。
次いで、図3Cに示すように、第3ローラー81を下降させて第1状態St1に移行させた際、第3ローラー81の下降に伴って媒体Mの剥がれた一部も下降する。このとき、媒体Mの剥がれた一部の全てが搬送ベルト23と当接せず、第3ローラー81の下方端部の+X方向側に媒体Mの浮き部分Cvが発生する場合がある。なお、本実施形態の第3ローラー81は金属製なので、弾性力が低く、第1状態St1に移行させたとき、浮き部分Cvを潰しにくい。なお、第3ローラー81が弾性体であっても、同様の浮き部分Cvが発生するおそれがある。
そして、例えば、媒体Mの浮き部分Cvを潰さずに、下流に搬送した場合、搬送方向の下流に配置されるヘッドユニット42(吐出ヘッド)に浮き部分Cvが衝突して、吐出ヘッドを破損させてしまうおそれがある。
【0035】
そこで、本実施形態の液体吐出装置100では、第2位置Pt2から上流に、少なくとも第2状態St2における第3ローラー81の上昇寸法Hd分を移動させた位置を規定位置Ptrとした場合に、制御部1は、規定位置Ptrと第1位置Pt1との間において第3ローラー81を停止させた後に第1状態St1から第2状態St2に移行させ、第3ローラー81を第2状態St2から第1状態St1に移行させた後に第3ローラー81を第2位置Pt2まで移動させる。なお、規定位置Ptrは、第3ローラー81の軸中心を基準に規定される。
【0036】
具体的には、図4Aに示すように、第3ローラー81の第1状態St1から第2状態St2への移行、或いは第3ローラー81の第2状態St2から第1状態St1への移行は、第2領域Rg2内において実行される。
第2領域Rg2は、第1領域Rg1よりも狭い領域である。規定位置Ptrは、第2位置Pt2から上流側(第1位置Pt1側)に上昇寸法Hd分ずらした位置である。すなわち、第2領域Rg2は、第1領域Rg1から上昇寸法Hdを減算した値である。規定位置Ptrは、第2領域Rg2における下流端である。第2位置Pt2は、規定位置Ptrの下流に配置される。
【0037】
図4Aに示すように、例えば、吐出部40が停止する場合に、制御部1は、第2領域Rg2において第3ローラー81を停止させ、その後、第3ローラー81を第1状態St1から第2状態St2に移行させる。なお、本実施形態では、第3ローラー81の規定位置Ptr(第2領域Rg2における下流端)において動作させた場合について説明する。
第3ローラー81を第2状態St2に移行させることにより、第3ローラー81が上昇寸法Hd分上昇するので、第3ローラー81の加圧による搬送ベルト23への圧痕の発生を抑制できる。また、第3ローラー81を第2状態St2に移行させた際、第3ローラー81には媒体Mが巻き掛かっているため、第3ローラー81の上昇に伴って媒体Mの一部が搬送ベルト23から剥がれる。
【0038】
次いで、図4Bに示すように、例えば、吐出部40が動作する場合、制御部1は、第3ローラー81を第2状態St2から第1状態St1に移行させる。第3ローラー81を第1状態St1に移行させた際、第3ローラー81の下降に伴って媒体Mの剥がれた一部も下降する。このとき、媒体Mの剥がれた一部の全ての部分が搬送ベルト23に当接せず、第3ローラー81の下方端部の+X方向側に媒体Mの浮き部分Cvが発生する。
【0039】
次いで、図4Cに示すように、制御部1は、第1状態St1において第3ローラー81を第2位置Pt2まで移動させる。すなわち、第3ローラー81は、少なくとも上昇寸法Hd分の移動領域が確保されており、第3ローラー81で媒体Mを加圧しながら第2位置Pt2まで移動可能である。そして、第3ローラー81が第2位置Pt2まで移動する過程において第3ローラー81による加圧によって媒体Mの浮き部分Cvが潰され、媒体M全体が搬送ベルト23に当接される。
【0040】
次いで、図4Dに示すように、制御部1は、第1状態St1において第3ローラー81を第1位置Pt1と規定位置Ptrとの間の第2領域Rg2をX軸に沿った方向に往復移動させる。すなわち、制御部1は、第3ローラー81が第2状態St2から第1状態St1に移行した場合は、第3ローラー81を第2位置Pt2に移動させ、その後は、第3ローラー81を第2領域Rg2において往復移動させる。
以降、上記同様の動作が繰り返し行われる。
【0041】
以上、本実施形態によれば、第3ローラー81を第2状態St2から第1状態St1に移行させた際、媒体Mの浮き部分Cvが発生しても、第3ローラー81を第2位置Pt2に移動させることで、浮き部分Cvを押し潰すことができる。これにより、吐出部40の吐出ヘッドと媒体Mとの衝突を抑制することができる。
【0042】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本実施形態では、制御部1は、補正値Ajに基づいて、規定位置Ptrを補正する。そして、制御部1は、補正された規定位置Ptrと第1位置Pt1との間において第3ローラー81を停止させた後に第1状態St1から第2状態St2に移行させ、第3ローラー81を第2状態St2から第1状態St1に移行させた後に第3ローラー81を第2位置Pt2まで移動させる。
【0043】
具体的には、図5に示すように、第3ローラー81の第1状態St1から第2状態St2への移行、或いは第3ローラー81の第2状態St2から第1状態St1への移行は、上昇寸法Hd及び補正値Ajが加味された第2領域Rg2内において実行される。
規定位置Ptrは、第2位置Pt2から上流側(第1位置Pt1側)に上昇寸法Hdと補正値Ajとを加算した分をずらした位置である。すなわち、本実施形態の第2領域Rg2は、第1領域Rg1から上昇寸法Hdと補正値Ajとを減算した値である。規定位置Ptrは、第2領域Rg2における下流端である。第2位置Pt2は、規定位置Ptrの下流に配置される。
【0044】
本実施形態の補正値Ajは、媒体Mの形態に応じて設定される。補正値Ajは、例えば、媒体Mの収縮性に応じて設定される。具体的には、比較的硬く収縮性の低い媒体M(例えば、コットン)は、第3ローラー81を第2状態St2に移行させた際、搬送ベルト23から剥がれやすい。このため、補正値Ajをより大きく設定する。一方、比較的柔らかく収縮性の高い媒体M(例えば、ポリエステル)は、第3ローラー81を第2状態St2に移行させた際、搬送ベルト23から剥がれにくい。このため、補正値Ajをより小さく設定する。
【0045】
各種媒体Mに対応する補正値Ajは、例えば、メモリー3に格納される。操作部8は、入力部や表示部等を含み、ユーザーはメニュー画面から対象の媒体Mを入力する。制御部1は、入力された媒体Mに基づいて、当該媒体Mに対応する補正値Ajを設定する。次いで、制御部1は、補正値Ajに基づいて規定位置Ptrを設定する。これにより、第2領域Rg2が設定される。
【0046】
ここで、比較的収縮性の低い媒体Mは、比較的収縮性の高い媒体Mに比べ、補正値Ajが大きくなる。このため、規定位置Ptrと第2位置Pt2との寸法距離がより長くなる。すなわち、第3ローラー81の第2位置Pt2に向かう移動領域がより長く確保される。従って、例えば、比較的収縮性の低い媒体Mを用いた場合において、第3ローラー81を第2状態St2に移行させた場合、搬送ベルト23から媒体Mがより大きく剥がれ、媒体Mの浮き部分Cvもより大きく発生するおそれがある。しかしながら、第3ローラー81を第1状態St1に移行した後、第3ローラー81を第2位置Pt2に移動させる距離がより長く確保されているため、第3ローラー81が第2位置Pt2まで移動する過程において第3ローラー81による加圧によって媒体Mの浮き部分Cvが潰され、媒体M全体が搬送ベルト23に当接される。
【0047】
以上、本実施形態によれば、媒体Mの形態に応じて、規定位置Ptrが補正される。これにより、第2状態St2から第1状態St1に移行した後に、第3ローラー81を第2位置Pt2まで移動させる距離寸法が適切に確保され、確実に媒体Mの浮き部分Cvを潰すことができる。
【0048】
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。なお、第1及び第2実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
制御部1は、補正値Ajに基づいて、規定位置Ptrを補正する。本実施形態の補正値Ajは、搬送ベルト23の洗浄状態に応じて設定される。そして、制御部1は、補正された規定位置Ptrと第1位置Pt1との間において第3ローラー81を停止させた後に第1状態St1から第2状態St2に移行させ、第3ローラー81を第2状態St2から第1状態St1に移行させた後に第3ローラー81を第2位置Pt2まで移動させる。
【0049】
補正値Ajは、例えば、洗浄ユニット50によって搬送ベルト23が洗浄された洗浄時間の積算時間に応じて設定される。洗浄の積算時間が長くなるほど、粘着剤29の耐久性が低下していく。このため、洗浄の積算時間が長くなるほど、第3ローラー81を第2状態St2に移行させた際、媒体Mが搬送ベルト23から剥がれやすい。このため、洗浄の積算時間が長くなるほど、補正値Ajをより大きく設定する。
【0050】
搬送ベルト23の洗浄時間は、時間計測器によって計測され、計測された時間情報はI/F5を介してメモリー3に格納される。CPU2は、格納された時間情報を用いて積算時間を算出し、算出結果をメモリー3に格納する。制御部1は、積算時間を読み出し、積算時間に応じた補正値Ajを設定する。
また、積算時間に閾値を設け、段階ごとに補正値Ajを設定してもよい。
なお、例えば、粘着剤29のメンテナンスが実施された場合は、積算時間をリセットし、新たに時間の計測を開始する。
【0051】
ここで、搬送ベルト23の洗浄時間の積算時間が長くなるほど、補正値Ajが大きくなる。このため、規定位置Ptrと第2位置Pt2との寸法距離がより長くなる。すなわち、第3ローラー81の第2位置Pt2に向かう移動領域がより長く確保される。従って、積算時間が長くなると、第3ローラー81を第2状態St2に移行させた場合、搬送ベルト23から媒体Mがより大きく剥がれ、媒体Mの浮き部分Cvも大きく発生するおそれがある。しかしながら、第3ローラー81を第1状態St1に移行した後、第3ローラー81を第2位置Pt2に移動させる距離がより長く確保されているため、第3ローラー81が第2位置Pt2まで移動する過程において第3ローラー81による加圧によって媒体Mの浮き部分Cvが潰され、媒体M全体が搬送ベルト23に当接される。
【0052】
以上、本実施形態によれば、搬送ベルト23の洗浄状態(例えば、洗浄時間の積算時間)に応じて、規定位置Ptrが補正される。これにより、第2状態St2から第1状態St1に移行した後に、第3ローラー81を第2位置Pt2まで移動させる距離寸法が適切に確保され、確実に媒体Mの浮き部分Cvを潰すことができる。
なお、補正値Ajの設定は、洗浄時間の積算時間に限定されない。例えば、搬送ベルト23を洗浄した搬送ベルト23の積算距離に応じて補正値Ajを設定してもよい。なお、搬送ベルト23の積算距離(移動距離)は、例えば、第2ローラー25の回転駆動部にロータリーエンコーダー等を設置することで、制御部1で算出可能である。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【0053】
4.第4実施形態
次に、第4実施形態について説明する。なお、第1及び第2実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
制御部1は、補正値Ajに基づいて、規定位置Ptrを補正する。本実施形態の補正値Ajは、搬送ベルト23の使用状態に応じて設定される。そして、制御部1は、補正された規定位置Ptrと第1位置Pt1との間において第3ローラー81を停止させた後に第1状態St1から第2状態St2に移行させ、第3ローラー81を第2状態St2から第1状態St1に移行させた後に第3ローラー81を第2位置Pt2まで移動させる。
【0054】
補正値Ajは、例えば、搬送ベルト23の使用時間の積算時間に応じて設定される。使用時間の積算時間が長くなるほど、粘着剤29の耐久性が低下していく。このため、使用時間の積算時間が長くなるほど、第3ローラー81を第2状態St2に移行させた際、媒体Mが搬送ベルト23から剥がれやすい。このため、搬送ベルト23の使用時間が長くなるほど、補正値Ajをより大きく設定する。
【0055】
搬送ベルト23の使用時間は、時間計測器によって計測され、計測された時間情報はI/F5を介してメモリー3に格納される。CPU2は、格納された時間情報を用いて積算時間を算出し、算出結果をメモリー3に格納する。制御部1は、積算時間を読み出し、積算時間に応じた補正値Ajを設定する。
また、積算時間に閾値を設け、段階ごとに補正値Ajを設定してもよい。
なお、例えば、搬送ベルト23の交換が実施された場合は、積算時間をリセットし、新たに時間の計測を開始する。
【0056】
ここで、搬送ベルト23の使用時間の積算時間が長くなるほど、補正値Ajが大きくなる。このため、規定位置Ptrと第2位置Pt2との寸法距離がより長くなる。すなわち、第3ローラー81の第2位置Pt2に向かう移動領域がより長く確保される。従って、積算時間が長くなると、第3ローラー81を第2状態St2に移行させた場合、搬送ベルト23から媒体Mがより大きく剥がれ、媒体Mの浮き部分Cvも大きく発生するおそれがある。しかしながら、第3ローラー81を第1状態St1に移行した後、第3ローラー81を第2位置Pt2に移動させる距離がより長く確保されているため、第3ローラー81が第2位置Pt2まで移動する過程において第3ローラー81による加圧によって媒体Mの浮き部分Cvが潰され、媒体M全体が搬送ベルト23に当接される。
【0057】
以上、本実施形態によれば、搬送ベルト23の使用状態(例えば、使用時間の積算時間)に応じて、規定位置Ptrが補正される。これにより、第2状態St2から第1状態St1に移行した後に、第3ローラー81を第2位置Pt2まで移動させる距離寸法が適切に確保され、確実に媒体Mの浮き部分Cvを潰すことができる。
【符号の説明】
【0058】
1…制御部、2…CPU、3…メモリー、4…制御回路、5…I/F、8…操作部、10…繰出し部、11…供給軸部、12…軸受部、20…搬送部、23…搬送ベルト、23a…表面、23b…内周面、24…第1ローラー、25…第2ローラー、27…乾燥ユニット、29…粘着剤、30…巻取り部、31…巻取り軸部、32…軸受部、40…吐出部、42…ヘッドユニット、43…キャリッジ、45…キャリッジ移動部、45a,45b…ガイドレール、46…プラテン、50…洗浄ユニット、51…洗浄部、52…押圧部、53…移動部、54…洗浄槽、55…ブレード、56…エアーシリンダー、57…ボールブッシュ、58…洗浄ローラー、60…ブレーキ部、69…当接部、70…支持部、80…加圧ユニット、81…第3ローラー、90…フレーム部、99…床面、100…液体吐出装置、M…媒体、Ma…第1面、Mb…第2面、Pt1…第1位置、Pt2…第2位置、St1…第1状態、St2…第2状態、Hd…上昇寸法、Rg1…第1領域、Rg2…第2領域、Aj…補正値。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5