(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024245
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】リニアモータアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
H02K 41/03 20060101AFI20240215BHJP
【FI】
H02K41/03 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126927
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊 栄生
(72)【発明者】
【氏名】保阪 友宏
(72)【発明者】
【氏名】小川 暁
(72)【発明者】
【氏名】増山 良太郎
【テーマコード(参考)】
5H641
【Fターム(参考)】
5H641BB06
5H641GG02
5H641HH03
5H641JA03
5H641JA09
5H641JA20
(57)【要約】
【課題】可動子を軽量化し出力加速度や応答性を向上しつつ、ガイド機構の耐久性を長寿命化したリニアモータアクチュエータを提供する。
【解決手段】固定子に対向しながら移動可能なヨークを備えるリニアモータアクチュエータであって、 前記ヨークの厚み方向の両面に直接配置されるマグネットと、 前記ヨークの幅方向両端を支持する幅方向ローラガイド機構と、 前記ヨークの厚み方向両端を支持する厚み方向ローラガイド機構と、を備え、 前記幅方向ローラガイド機構は、前記ヨークの幅方向の少なくとも一方を当該幅方向の位置を固定し、前記ヨークの幅方向の他方を当該幅方向の位置が可変であるように支持することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子に対向しながら移動可能なヨークを備えるリニアモータアクチュエータであって、
前記ヨークの厚み方向の両面に直接配置されるマグネットと、
前記ヨークの幅方向両端を支持する幅方向ローラガイド機構と、
前記ヨークの厚み方向両端を支持する厚み方向ローラガイド機構と、
を備え、
前記幅方向ローラガイド機構は、前記ヨークの幅方向の少なくとも一方を当該幅方向の位置を固定し、前記ヨークの幅方向の他方を当該幅方向の位置が可変であるように支持することを特徴とするリニアモータアクチュエータ。
【請求項2】
前記マグネットは、前記ヨークの厚み方向両面に磁極を反転させるように配置されることを特徴とする請求項1に記載のリニアモータアクチュエータ。
【請求項3】
前記幅方向ローラガイド機構は、一方のローラガイドを前記リニアモータアクチュエータの本体に固定し、他方のローラガイドを弾性体で押さえ可変することを特徴とする請求項2に記載のリニアモータアクチュエータ。
【請求項4】
前記厚み方向ローラガイド機構は、二対のローラガイドを有し、それぞれ前記ヨークの幅方向両端を支持することを特徴とする請求項3に記載のリニアモータアクチュエータ。
【請求項5】
前記ヨークの移動により生じる負荷を抑制する負荷抑制ローラガイド機構を着脱可能にさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリニアモータアクチュエータ。
【請求項6】
前記負荷抑制ローラガイド機構は、前記ヨークを固定するブロックと、当該ブロックに固定される少なくとも1つのガイドシャフトと、前記少なくとも1つのガイドシャフトを支持する少なくとも二対のローラガイドとを、備えることを特徴とする請求項5に記載のリニアモータアクチュエータ。
【請求項7】
固定子に対向しながら移動可能なヨークを備えるリニアモータアクチュエータであって、
前記ヨークの厚み方向の両面に直接配置されるマグネットと、
前記ヨークの幅方向両端を支持する幅方向ローラガイド機構と、
前記ヨークの厚み方向両端を支持する厚み方向ローラガイド機構と、
前記ヨークの移動により生じる負荷を抑制する負荷抑制ローラガイド機構と、
を備え、
前記幅方向ローラガイド機構は、前記ヨークの幅方向の少なくとも一方を当該幅方向の位置を固定し、前記ヨークの幅方向の他方を当該幅方向の位置が可変であるように支持することを特徴とするリニアモータアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両や車両用部品の各種試験において、供試部品の伸縮方向に対して、直線的に加振するリニアモータアクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な車両や車両用部品の各種試験において耐久性評価や性能評価のニーズがある。このような耐久性評価や性能評価の試験では、加振機を用いて供試部品を直線的に加振することにより行われ、例えば、加振機としてリニアモータアクチュエータを駆動する。そして、リニアモータアクチュエータの内部では、発熱による温度上昇が生じ、可動子を有するヨークが幅方向に膨張する恐れがある。これに対して、特許文献1には、発熱によるヨークの熱膨張を吸収する構造を備えたリニアモータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、スライドガイドを側面に取り付けるための可動子の厚みやスペースが必要となり可動部質量の増加により、リニアモータアクチュエータの出力加速度や応答性が低下してしまう。一方、軽量化のため可動子の厚みを薄くすると、取り付けられるスライドガイドのサイズが小さくなり、微小加振時のフレッティングなどによりガイド機構の耐久性が低下し、振動の発生やガイド移動音が増加してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、可動子を軽量化し出力加速度や応答性を向上しつつ、ガイド機構の耐久性を長寿命化したリニアモータアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、固定子に対向しながら移動可能なヨークを備えるリニアモータアクチュエータであって、 ヨークの厚み方向の両面に直接配置されるマグネットと、 ヨークの幅方向両端を支持する幅方向ローラガイド機構と、 ヨークの厚み方向両端を支持する厚み方向ローラガイド機構と、を備え、 幅方向ローラガイド機構は、ヨークの幅方向の少なくとも一方を当該幅方向の位置を固定し、ヨークの幅方向の他方を当該幅方向の位置が可変であるように支持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上の構成によれば、リニアモータアクチュエータの出力加速度や応答性を向上しつつ、ガイド機構の耐久性を長寿命化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るリニアモータアクチュエータの模式的部分破断断面図である。
【
図2】
図2(a)は、
図1のIIa枠内の拡大図であり、
図2(b)は、
図2(a)のIIb枠内の拡大図である。
【
図3】
図3は、
図1のIII-III線の模式的断面図である。
【
図4】
図4(a)は、熱膨張によりヨークが幅方向に膨張する前の
図3の部分断面図であり、
図4(b)は、熱膨張によりヨークが幅方向に膨張した後の
図3の部分断面図である。なお、ブロック33とブロック39とは互いに接することがないような位置に設けてある。
【
図5】
図5は、本発明の他の実施形態に係るリニアモータアクチュエータの模式的断面図である。
【
図7】
図7は、従来のリニアモータアクチュエータの模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
(リニアモータアクチュエータの構成例)
図1は、本発明の一実施形態に係るリニアモータアクチュエータの模式的破断断面図である。
図2(a)は、
図1のIIa枠内の拡大図であり、
図2(b)は、
図2(a)のIIb枠内の拡大図である。
図3は、
図1のIII-III線の模式的断面図である。リニアモータアクチュエータ1は、一対のフレーム10と、ロの字の断面形状を形成するように一対のフレーム10の両端部にそれぞれ配設された脚部12(
図3参照)と、一対のフレーム10の内面に、互いに対向するように配設される固定子11と、固定子11に対向しながら移動可能なヨーク21を備えた可動子20と、ヨーク21の幅方向の少なくとも一方を当該幅方向の位置を固定し、ヨーク21の幅方向の他方を当該幅方向の位置が可変である幅方向ローラガイド機構31a、31bと、一対のフレーム10の内面に配設され、ヨーク21の厚み方向両端を支持する厚み方向ローラガイド機構37と、を有している。
【0011】
(固定子)
固定子11には、磁界を発生させるためにコイルが含まれ、長手方向に配設されており、フレーム10に複数のボルトによって固定されている。固定子11は、一方の固定子11と他方の固定子11とが対向するように配置され、固定子11間を可動子20が移動する。本実施形態では、固定子11を固定する際に、ボルトによって固定されるようにしたが、フレーム10と固定子11とが固定できればよく、耐熱性のある接着剤などによって固定してもよい。コイルに不図示の電源供給部から駆動電流を流すことによって直線的に移動する移動界磁を発生させ、可動子20を固定子11に対して直線的に移動させる。
【0012】
(可動子)
可動子20は、ヨーク21と、マグネット22と、ヨーク21の幅方向両端部および厚み方向両端部に配置される当て板23と、を有している。
図2(b)に示すように、マグネット22は、ヨーク21の長手方向に磁極が異なるように交互に配置され、ヨーク21の厚み方向両面に磁極を反転させるように配置される。本実施形態では、マグネット22aは固定子11側の磁極がN極、ヨーク21側の磁極がS極であり、マグネット22bは固定子11側の磁極がS極、ヨーク21側の磁極がN極である。また、当て板23は、硬度の高い部材を後述する厚み方向ローラガイド機構37のローラ38の当て板として取り付け、当て板23とローラ38の接触部分が長時間の繰り返しの接触に耐えられる。当て板23は、ローラ38が接触する範囲のみのサイズとして可動子20の質量を最小限に抑えている。本実施形態では、ヨーク21に当て板23を配置したが、これに限られることなく、ヨーク21のみでもよい。この場合、ヨーク21自体にローラ38の接触に耐えられる硬度を必要するため、強磁性体を有する炭素鋼等でヨークを作製してもよい。
【0013】
このように、本実施形態の可動子20には、マグネット22による磁極飽和を考慮することなく、マグネット22を配置することができ、ヨーク21は、厚み方向の厚さを最低限に最薄化することができる。さらに、可動子20の質量を軽量化し、加振動作の出力加速度と応答性を向上することができる。
【0014】
(リニアモータアクチュエータの断面形状の特徴)
本発明では、厚み方向ローラガイド機構37は、2つまたは3つのローラ38と、ローラ38を支持するブロック39とを有しており、長手方向に複数の配置されている。また、厚み方向ローラガイド機構37は、フレーム10にボルトによって固定され、フレーム10の内面に位置し、可動子20の厚み方向、すなわち
図3紙面上の上下方向にそれぞれ位置し、可動子20の当て板23に当接している。厚み方向ローラガイド機構37が可動子20に当接することによって、厚み方向の位置を支持することができ、ローラ38によって、可動子20を移動可能に支持している。これにより、車両や車両用部品の各種試験における加振の際でも、可動子20の位置を支持することができる。ローラ38は可動子20の質量に含まれないため、可動部質量を増加させずに負荷容量の大きなサイズを使用できガイド機構の長寿命化が可能となる。なお、厚み方向ローラガイド機構37のブロック39は、後述する幅方向ローラガイド機構31a、31bのブロック33と互いに接触しない位置に設けられている。
【0015】
幅方向ローラガイド機構31a、31bは、一方のフレーム10の脚部12と他方のフレーム10の脚部12との間に、可動子20の幅方向に対向するように設けられている。
図3に示すように、一方の幅方向ローラガイド機構31aは、可動子20を支持するローラ32と、ローラ32を支持するブロック33と、ブロック33をボルト33aにより内面に固定し、フレーム10の脚部12の側面にボルト34aにより固定されるブロック34とを有している。幅方向ローラガイド機構31aのローラ32は、可動子20の側端部を支持しながら幅方向の位置を固定している。厚み方向ローラガイド機構37と同様に、ローラ32は可動子20の質量に含まれないため、可動部質量を増加させずに負荷容量の大きなサイズを使用できガイド機構の長寿命化が可能となる。
【0016】
他方の幅方向ローラガイド機構31bは、可動子20を支持するローラ32と、ローラ32を支持するブロック33と、ブロック33をボルト33aにより内面に固定し、フレーム10の脚部12の側面に、弾性体であるバネ35bを介してボルト35aにより可変可能に固定されるブロック35と、ブロック35のヨーク21の厚み方向および長手方向を固定するように支持し、フレーム10の脚部12の側面にボルト36aにより固定されるローラガイド支持体36と、を有している。詳細には後述するが、幅方向ローラガイド機構31bのローラ32は、可動子20の側端部を支持しながら幅方向の位置を可変可能に支持している。本実施形態では、ブロック35とボルト35aとの間には、ヨーク21の熱膨張に対応するために、弾性部材であるバネ35bが設けられている。これにより、ヨーク21が熱によってヨーク21の幅方向に膨張したとしても、幅方向ローラガイド機構31bのローラ32からブロック35の方向に力が働き、膨張による力に対応することができる。
【0017】
図4(a)は、ヨーク21が膨張する前のリニアモータアクチュエータ1の
図3の模式的断面図である。本実施形態では、可動子20を長手方向に移動させることにより、加振が行なわれる。その際、幅方向ローラガイド機構31bのローラ32は、可動子20の幅方向の位置を支持し、一対の厚み方向ローラガイド機構37のローラ38によって可動子20の厚み方向の位置を支持している。これにより、幅方向ローラガイド機構31bと一対の厚み方向ローラガイド機構37によって、可動子20を長手方向に移動することができる。
【0018】
一方、可動子20の熱膨張によってヨーク21が幅方向に膨張すると、
図4(b)に示すように、一対の厚み方向ローラガイド機構37によって厚み方向を支持しつつ、幅方向ローラガイド機構31bのローラ32を介してブロック33およびブロック35に対する熱膨張を吸収するように、幅方向外側にばね35bを付勢する。
【0019】
また、可動子20の幅方向の当て板23と幅方向ローラガイド機構31bのローラ32とを接触させ、可動子20の厚み方向の当て板23と一対の厚み方向ローラガイド機構37のローラ38によって支持する構造としたため、可動子20の位置を支持することができる。
【0020】
フレーム10の脚部12の外側面に設けられたブロック35は、ブロック33を介してローラ32を支持する機能を有しているが、さらにブロック35の剛性を補強するために、長手方向および厚み方向をローラガイド支持体36によって支持されている。このローラガイド支持体36は、ブロック35の位置を可変可能に支持している。本実施形態では、ローラガイド支持体36をブロック35の接触面のすべてと接触するようにしたが、ブロック35を支持できればよく、ブロック35の一部とローラガイド支持体36とが接触するようにしてもよい。
【0021】
このように、幅方向ローラガイド機構31bのような構造により、ヨーク21が幅方向に熱膨張したとしても、幅方向ローラガイド機構31bのばねにより適切な与圧力をもってヨーク21の幅方向の側面に押し付けられており、離れることなくヨーク21の膨張と収縮に追従して可動子20の幅方向の位置を支持しながら、可動子20を移動させることができる。さらに、熱膨張の変位を弾性部材で逃がすことでローラガイド機構のローラに大きな負荷をかけることを防止し、長寿命化を可能とする。
【0022】
また、可動子20の側端部を幅方向ローラガイド機構31a、31bのローラ32によって支持しながら移動させることによって、特許文献1のスライドガイドによって生じる恐れのある移動音を低減することができ、供試部品の試験時に供試部品の音評価に影響を与えることを低減することができる。
【0023】
本実施形態では、弾性部材をばねとしたが、これに限られることなく、例えば、エラストマーなどの弾性体をボルト35aとブロック35との間に介在させてもよい。
【0024】
(リニアモータアクチュエータの負荷抑制ローラガイド機構の特徴)
図5は、本発明の他の実施形態に係るリニアモータアクチュエータの模式的断面図であり、横負荷ガイド機構を備えたリニアモータアクチュエータである。
図6は、
図5のVI枠内の拡大図である。車両や車両用部品の各種試験の際に、供試部品の試験条件として伸縮方向と直交方向に横荷重を加える場合や、供試部品の特性として直交方向に荷重が発生する場合がある。本発明のリニアモータアクチュエータ1は、その際に、長手方向に対して垂直な横方向に力(以下、横負荷ともいう)を受けるため、横負荷を抑制する負荷抑制ガイド機構40(以下、横負荷抑制ガイド機構ともいう)を着脱可能に備える。横負荷抑制ガイド機構40は、リニアモータアクチュエータ1と不図示のボルトによって着脱可能に固定されている。なお、本実施形態では、横負荷抑制ガイド機構40は、着脱可能としたが、リニアモータアクチュエータ1と一体的に構成されてもよい。
【0025】
横負荷抑制ガイド機構40は、テーブル41と、テーブル41の両端部に配置される一対のガイドシャフト42と、試験装置フレーム2に固定される横負荷ローラガイド43と、を備えている。
【0026】
テーブル41は、リニアモータアクチュエータ1の可動子20の先端と接続され、一対のガイドシャフト42とともに長手方向に移動する。テーブル41は、可動子20の先端と接続された面とは反対側の面に供試部品と接続され、供試部品に対して加振動作を伝える。
【0027】
横負荷ローラガイド43は、長手方向と直交する横方向と、長手方向および横方向と直交する縦方向とに、それぞれガイドシャフト42を狭持する二対のローラ44を備える。横負荷ローラガイド43は、長手方向の両端部に二対のローラ44を配置している。
【0028】
図6に示すように横負荷F
1がかかると、剛性のある横負荷抑制ガイド機構40のガイドシャフト42を通じて、横負荷抑制ガイド機構40のローラ44のそれぞれに対して、横負荷F
2およびF
3が伝わる。そして、横負荷抑制ガイド機構40の横負荷ローラガイド43は、固定されている試験装置フレーム2の反力F
4を吸収する。横負荷抑制ガイド機構40のローラ44は、横負荷F
2およびF
3を受けても回転運動ができるため、供試部品に対して加振動作の動きには影響を及ぼさない。
【0029】
このように、横負荷抑制ガイド機構40の横負荷ローラガイド43がF4を吸収することで、リニアモータアクチュエータ1の可動子20のヨーク21は、横負荷の影響を受けることがないため、横負荷に対応するための強度を必要とすることなく、最薄化することができる。また、これにより、可動子20を、軽量化したリニアモータアクチュエータ1の形態のまま、横負荷が入力される条件でも使用可能となる。
【0030】
(従来のリニアモータアクチュエータとの比較例)
図7は、従来のリニアモータアクチュエータの模式的断面図である。従来のリニアモータアクチュエータ100は、構造体101の側面に市場に多く出回っているヨーク102にマグネット103が配置されたマグネットプレートを複数備える可動子104と、可動子104に対向するコイルを備える固定子105と、を備えている。
【0031】
従来のリニアモータアクチュエータ100は、マグネットプレートを取り付けるための構造体101を有している。しかし、従来のリニアモータアクチュエータでは、可動子104の質量が増加してしまい、出力加速度や応答性などが低下する課題があった。
【0032】
しかしながら、本発明では、上記の課題を解決手段として、
図1などに示すように、可動子20のヨーク21に対して、マグネット22を長手方向に磁極が異なるように交互に配置し、ヨーク21の厚み方向両面に磁極を反転させるように配置することで、磁極飽和を考慮することなく、ヨーク21の厚み方向の厚さを最低限に最薄化することができる。これにより、従来のリニアモータアクチュエータのように、構造体を必要とせずに、可動子を軽量化することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 リニアモータアクチュエータ
11 固定子
21 ヨーク
22 マグネット
31a、31b 幅方向ローラガイド機構
37 厚み方向ローラガイド機構