(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024260
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20240215BHJP
B25F 5/02 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
B25F5/00 A
B25F5/02
B25F5/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126964
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】一戸 浩志
【テーマコード(参考)】
3C064
【Fターム(参考)】
3C064AA04
3C064AB01
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA06
3C064BB02
3C064BB43
3C064BB79
3C064CA03
3C064CA08
3C064CA26
3C064CA53
3C064CB05
3C064CB08
3C064CB17
3C064CB32
3C064CB33
3C064CB36
3C064CB37
3C064CB39
3C064CB63
3C064CB72
3C064CB77
(57)【要約】
【課題】性能向上を図る。
【解決手段】ハンマドリル10では、リヤカバー24が、モータハウジング22に後側から組付けられ、モータハウジング22及びテールカバー23と共にコントローラ収容部25を画定する。コントローラ収容部25では、吸気口25Cがコントローラ60の上側に設けられ、流出部25Aがコントローラ60の下側に設けられている。ここで、コントローラ収容部25は、コントローラ60を前後方向両側から支持する支持機構70を有し、支持機構70は、上下方向に延在するリブ状の上側支持リブ81及び下側支持リブ82を有している。これにより、上側支持リブ81及び下側支持リブ82によって、下側へ流れる冷却風CWを整流しつつ、コントローラ60を支持することができる。その結果、冷却風CWによるコントローラ60に対する冷却効果を高めることができ、コントローラ60の温度上昇を抑制することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータの駆動を制御する制御部を有すると共に、第1方向を厚み方向とする偏平状のコントローラと、
前記モータの駆動力によって回転して冷却風を生成する冷却ファンと、
前記モータ、前記冷却ファン、及び前記コントローラを収容するハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、
前記コントローラに対して前記第1方向の一方側に配置された第1部材と、
前記第1部材に前記第1方向の他方側から組付けられて、前記コントローラを収容するコントローラ収容部を前記第1部材と共に画定する第2部材と、
を有しており、
前記コントローラ収容部は、
前記コントローラに対して前記第1方向に直交する第2方向の一方側に配置され、前記冷却風を前記コントローラ収容部の内部に流入させる流入部と、
前記コントローラに対して前記第2方向の他方側に配置され、前記冷却風をコントローラ収容部の外部へ流出させる流出部と、
前記コントローラを前記第1方向の両側から支持すると共に、前記第2方向に沿って延在するリブ状の支持部を有する支持機構と、
を含んで構成されている作業機。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記制御部が実装された基板と、
前記第1方向の一方側へ開放された箱状に形成され、前記基板を収容する金属製のケースと、
を含んで構成されており、
前記支持部が、前記第2部材に設けられ、前記ケースの底壁を前記第1方向の他方側から支持する請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記第1部材には、前記ケースが嵌合される嵌合部が設けられており、
前記嵌合部は、
前記ケースの開口端面を前記第1方向の一方側から受ける受け部と、
前記ケースの外周面を囲む囲繞部と、
を有している請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記囲繞部が、前記ケースの周方向において断続的に形成されている請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記囲繞部が、前記ケースから前記第1方向の他方側へ突出しない請求項3に記載の作業機。
【請求項6】
前記第1部材は、前記モータを収容するモータ収容部を有しており、
前記モータ収容部には、前記モータ収容部と前記コントローラ収容部とを連通する配線用孔部が形成されており、
前記基板から前記第1方向の一方側へ延出された第1配線が、前記配線用孔部を挿通すると共に、前記モータに接続されている請求項2に記載の作業機。
【請求項7】
前記コントローラの前記第1方向の他方側には、前記モータの駆動を操作するための操作部と、前記操作部によって作動するスイッチを有するスイッチ機構と、が設けられており、
前記基板から前記第1方向の一方側へ延出された第2配線が、前記第1方向の他方側へ折り返されて、前記スイッチ機構に接続されている請求項2に記載の作業機。
【請求項8】
前記流入部は、前記コントローラよりも前記第1方向の他方側に配置されている請求項1に記載の作業機。
【請求項9】
前記モータ収容部は、前記第2方向の一方側へ開放された有底筒状に形成されており、
前記モータ収容部の底壁には、前記流出部から流出される冷却風を前記モータ収容部へ流入させる冷却用孔部が形成されている請求項6に記載の作業機。
【請求項10】
前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向における前記支持部の長さが、前記コントローラ収容部の内部における前記第3方向の長さの10%以下に設定されている請求項1に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の作業機では、モータ及び制御基板がハウジング内に収容されており、制御基板がモータの後側に配置されている。モータは、ハウジング内に設けられたモータケース内に収容されており、モータの出力軸には、冷却ファンが一体回転可能に設けられている。制御基板は、樹脂製の基板ケース内に収容されており、基板ケースは、モータケース等に締結固定される。
【0003】
モータの駆動によって冷却ファンが回転すると、基板ケースの下側に形成された吸気口から冷却風が流入され、冷却風は、基板に設けられたヒートシンクの側部を上側へ流れる。ヒートシンクを通過した冷却風は、基板及び基板ケースに形成された孔部を通過して、モータケース内に流入される。これにより、制御基板に実装された部品を冷却し、制御基板を含むコントローラの温度上昇を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年の作業機では、例えば、作業機の性能向上を目的として、モータの高速回転化等が行われている。この場合には、コントローラの一層の温度上昇抑制を行う必要がある。つまり、コントローラの温度上昇抑制効果を高くすることで、作業機の性能向上を図ることができる。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、性能向上を図ることができる作業性を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、モータと、前記モータの駆動を制御する制御部を有すると共に、第1方向を厚み方向とする偏平状のコントローラと、前記モータの駆動力によって回転して冷却風を生成する冷却ファンと、前記モータ、前記冷却ファン、及び前記コントローラを収容するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、前記コントローラに対して前記第1方向の一方側に配置された第1部材と、前記第1部材に前記第1方向の他方側から組付けられて、前記コントローラを収容するコントローラ収容部を前記第1部材と共に画定する第2部材と、を有しており、前記コントローラ収容部は、前記コントローラに対して前記第1方向に直交する第2方向の一方側に配置され、前記冷却風を前記コントローラ収容部の内部に流入させる流入部と、前記コントローラに対して前記第2方向の他方側に配置され、前記冷却風をコントローラ収容部の外部へ流出させる流出部と、前記コントローラを前記第1方向の両側から支持すると共に、前記第2方向に沿って延在するリブ状の支持部を有する支持機構と、を含んで構成されている作業機である。
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記コントローラは、前記制御部が実装された基板と、前記第1方向の一方側へ開放された箱状に形成され、前記基板を収容する金属製のケースと、を含んで構成されており、前記支持部が、前記第2部材に設けられ、前記ケースの底壁を前記第1方向の他方側から支持する作業機である。
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1部材には、前記ケースが嵌合される嵌合部が設けられており、前記嵌合部は、前記ケースの開口端面を前記第1方向の一方側から受ける受け部と、前記ケースの外周面を囲む囲繞部と、を有している作業機である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記囲繞部が、前記ケースの周方向において断続的に形成されている作業機である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記囲繞部が、前記ケースから前記第1方向の他方側へ突出しない作業機である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1部材は、前記モータを収容するモータ収容部を有しており、前記モータ収容部には、前記モータ収容部と前記コントローラ収容部とを連通する配線用孔部が形成されており、前記基板から前記第1方向の一方側へ延出された第1配線が、前記配線用孔部を挿通すると共に、前記モータに接続されている作業機である。
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記コントローラの前記第1方向の他方側には、前記モータの駆動を操作するための操作部と、前記操作部によって作動するスイッチを有するスイッチ機構と、が設けられており、前記基板から前記第1方向の一方側へ延出された第2配線が、前記第1方向の他方側へ折り返されて、前記スイッチ機構に接続されている作業機である。
【0014】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記流入部は、前記コントローラよりも前記第1方向の他方側に配置されている作業機である。
【0015】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記モータ収容部は、前記第2方向の一方側へ開放された有底筒状に形成されており、前記モータ収容部の底壁には、前記流出部から流出される冷却風を前記モータ収容部へ流入させる冷却用孔部が形成されている作業機である。
【0016】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向における前記支持部の長さが、前記コントローラ収容部の内部における前記第3方向の長さの10%以下に設定されている作業機である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、性能向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係るハンマドリルを示す右側から見た側面図である。
【
図2】
図1に示されるハンマドリルの内部を示す右側から見た断面図である。
【
図3】
図2に示されるコントローラ収容部の周辺を拡大して示す断面図である。
【
図4】
図3に示されるコントローラをモータハウジングから取外した状態を示す右斜め後方から見た分解斜視図である。
【
図5】
図4に示されるコントローラをモータハウジングの篏合部に篏合させた状態を示す斜視図である。
【
図6】
図5に示されるコントローラの篏合部への篏合状態の他の方向から見た斜視図である。
【
図7】
図5に示されるコントローラの篏合部への篏合状態の後側から見た後面図である。
【
図8】
図3に示されるリヤカバーの後部を示す右斜め前方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を用いて、本実施形態に係る作業機としてのハンマドリル10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印RHは、ハンマドリル10の上側、前側、右側を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、ハンマドリル10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。そして、前後方向が本発明の第1方向に対応し、上下方向が本発明の第2方向に対応し、左右方向が本発明の第3方向に対応している。
【0020】
図1及び
図2に示されるように、ハンマドリル10は、被加工材に対して穿孔加工等を行う電動工具として構成されている。ハンマドリル10は、ハウジング20と、モータ40と、モータ40の駆動力を先端工具T(
図2参照)に伝達する伝達機構50と、を含んで構成されている。また、ハンマドリル10は、モータ40の駆動を制御するためのコントローラ60と、コントローラ60を支持するための支持機構70と、を有している。以下、ハンマドリル10の各構成について説明する。
【0021】
(ハウジング20について)
ハウジング20は、ハンマドリル10の外郭を構成している。ハウジング20は、ハウジング20の前部を構成する本体ハウジング21と、ハウジング20の後部を構成するハンドルハウジング26と、を含んで構成されている。
【0022】
本体ハウジング21は、右側から見て略逆L字形状に形成されている。具体的には、本体ハウジング21は、本体ハウジング21の上部を構成するアッパハウジング部21Aと、アッパハウジング部21Aの後部から下側へ延出されたロアハウジング部21Bと、を有している。ロアハウジング部21Bは、後述するモータ40を収容するためのモータハウジング22と、モータハウジング22を下側から覆うテールカバー23と、モータハウジング22を後側から覆う第2部材としてのリヤカバー24と、を有している。リヤカバー24は、モータハウジング22よりも上側へ延出されて、アッパハウジング部21Aの後端部も構成している。換言すると、リヤカバー24が、本体ハウジング21の後端部を構成している。
【0023】
図4にも示されるように、モータハウジング22は、後述するモータ40を収容するモータ収容部22Aを有しており、モータ収容部22Aは、上側へ開放された略有底円筒状に形成されている。モータ収容部22Aの底壁22Bの略中央部には、軸受固定部22Cが形成されており、軸受固定部22Cは、上側へ開放された略有底円筒状に形成されている。モータハウジング22の底壁22Bには、軸受固定部22Cの径方向外側において、複数の冷却用孔部としての連通孔22D(
図2参照)が上下方向に貫通形成されている。また、モータハウジング22は、左右一対のカバー部22Eを有しており、カバー部22Eは、モータ収容部22Aの左右方向両側部から後側へ延出している。
【0024】
テールカバー23は、後側及び上側へ開放された凹状に形成されて、モータ収容部22Aの下端部を下側から覆うように、モータハウジング22のカバー部22Eに組付けられると共に、モータ収容部22Aの底壁22Bに締結固定されている。そして、モータハウジング22及びテールカバー23が、本発明の第1部材に対応している。
【0025】
図1~
図3、及び
図8に示されるように、リヤカバー24は、前後方向を板厚方向とし且つ上下方向に延在された略長尺パネル状に形成されると共に、リヤカバー24の外周部が前側へ屈曲されている。そして、リヤカバー24の外周部がモータハウジング22のカバー部22E及びテールカバー23に後側から突き合わさるように、リヤカバー24が、モータハウジング22に組付けられて、モータハウジング22に締結固定されている。
【0026】
そして、ロアハウジング部21Bにおけるモータハウジング22、テールカバー23、及びリヤカバー24によって画定された部分が、後述するコントローラ60を収容するためのコントローラ収容部25として構成されている。コントローラ収容部25の下端部(モータ収容部22Aよりも下側部分)は、流出部25Aとして構成されている。流出部25Aは、後述する冷却風CWが通過する通路として構成され、連通孔22Dによって、モータ収容部22Aの内部と連通している。
【0027】
リヤカバー24の上下方向中間部には、コントローラ収容部25の上壁を構成する区画壁25Bが一体に形成されている。区画壁25Bは、上下方向を板厚方向とする略矩形状に形成され、リヤカバー24から前側へ延出されており、区画壁25Bによってコントローラ収容部25の内部が上側から閉塞されている。リヤカバー24の左右方向中央部には、区画壁25Bの下側において、複数(本実施の形態では、6箇所)の流入部としての吸気口25Cが貫通形成されている。吸気口25Cは、左右方向を長手方向とする長孔状に形成されており、上下方向に並ぶ3箇所の吸気口25Cを1列として、2列の吸気口25Cが左右方向に並んで配置されている。
【0028】
図3~
図7に示されるように、モータ収容部22Aの上端部には、後側(コントローラ収容部25側)へ張り出された張出部22Fが形成されており、張出部22Fは、平面視で前側へ開放された凹状に形成されている。張出部22Fの下端部には、左右方向中央部において、配線用孔部としての前側配線孔22Gが貫通形成されている。前側配線孔22Gは、左右方向を長手方向とする略矩形状に形成されており、吸気口25Cよりも下側に位置している(
図7参照)。
図8に示されるように、リヤカバー24には、吸気口25Cよりも下側において、後側配線孔24Aが貫通形成されている。後側配線孔24Aは、左右方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。
【0029】
図1に示されるように、本体ハウジング21の前端部における左右両側壁部には、それぞれ複数(本実施の形態では、6箇所)の第1排気口21Cが貫通形成されている。第1排気口21Cは、前後方向を長手方向とする略長孔状に形成されて、上下方向に並んで配置されている。
図2に示されるように、本体ハウジング21の前後方向中間部における上壁部には、複数の第2排気口21Dが貫通形成されている。
【0030】
ハンドルハウジング26は、上下方向に延在されており、ハンドルハウジング26の上端部及び下端部が、前側へ屈曲されて、本体ハウジング21の後端部に連結されている。具体的には、ハンドルハウジング26の上端部における前端部が、上側連結機構30によってアッパハウジング部21Aの上端部に前後方向に相対移動可能に連結されている。また、ハンドルハウジング26の下端部が、下側連結機構31によって、左右方向を軸方向として回転可能にロアハウジング部21Bに連結されており、下側連結機構31は、後側配線孔24Aの上側に位置している。
【0031】
ハンドルハウジング26における上下に延在された部分は、作業者が把持する把持部26Aとして構成されている。把持部26Aの上端部には、操作部としてのトリガ32が設けられている。トリガ32は、ハンドルハウジング26から前側へ突出しており、後側へ引き操作可能に構成されている。把持部26Aには、トリガ32の後側において、スイッチ機構33が設けられている。スイッチ機構33は、トリガ32によって操作されるスイッチ(図示省略)を有している。当該スイッチは、後述するコントローラ60に電気的に接続されており、トリガ32の操作状態に応じた出力信号をコントローラ60に出力する。ハンドルハウジング26の下端部には、バッテリパック34が装着されている。バッテリパック34は、コントローラ60に電気的に接続されており、バッテリパック34によって、モータ40に電力が供給される。
【0032】
(モータ40について)
モータ40は、3相のブラシレスモータとして構成されており、モータハウジング22のモータ収容部22A内に収容されている。モータ40は、上下方向を軸方向とする出力軸41を有している。出力軸41の下端部は、モータハウジング22の軸受固定部22Cに固定されたモータ軸受42に回転可能に支持されており、出力軸41の上端側部分が、後述する伝達機構50におけるインナケース51に固定されたモータ軸受43に回転可能に支持されている。出力軸41の上端部には、ピニオンギヤ41Aが形成されている。
【0033】
出力軸41の上下方向中間部には、モータ軸受43の下側において、冷却ファン44が一体回転可能に設けられている。冷却ファン44は、全体として、上下方向を厚み方向とする略円盤状に形成されると共に、遠心ファンとして構成されている。そして、冷却ファン44が出力軸41と共に回転すると、本体ハウジング21の吸気口25Cからコントローラ収容部25内に流入される冷却風CWが発生する。冷却風CWは、コントローラ収容部25及びモータ収容部22A内を通過し、冷却ファン44の下部の中央部から冷却ファン44の内部に流入され、流入された空気が、冷却ファン44の径方向外側且つ上側へ流れて、第1排気口21C及び第2排気口21Dから排気されるように構成されている。これにより、冷却風CWによって、モータ40及び後述するコントローラ60が冷却される構成になっている。
【0034】
(伝達機構50について)
伝達機構50は、モータ40の駆動力を先端工具Tに伝達して、先端工具Tを駆動させる機構部として構成されている。伝達機構50は、インナケース51と、クランク機構52と、回転機構54と、動力付与機構56と、を含んで構成されて、アッパハウジング部21A内に収容されている。
【0035】
インナケース51は、全体として前後方向に延在された略中空状に形成されている。インナケース51の後部の下端部には、前述したモータ軸受43が保持されており、モータ軸受43に支持されたモータ40の出力軸41がインナケース51内に配置されている。
【0036】
クランク機構52は、モータ40のピニオンギヤ41Aに噛合されたクランクギヤ53を有しており、モータ40の回転力を前後方向に打撃力に変換して、動力付与機構56へ伝達する。回転機構54は、モータ40のピニオンギヤ41Aに噛合された伝達ギヤ55を有しており、モータ40の回転力を動力付与機構56に伝達する。動力付与機構56の前端部には、先端工具Tが装着されており、クランク機構52及び回転機構54から伝達された打撃力及び回転力を、動力付与機構56によって先端工具Tに伝達する。これにより、先端工具Tに回転力及び打撃力が付与されて、ハンマドリル10による穿孔加工が行われる。
【0037】
(コントローラ60について)
図3に示されるように、コントローラ60は、全体として前後方向を厚み方向とする略矩形偏平状に形成され、ハウジング20のコントローラ収容部25に収容されると共に、後述する支持機構70によって支持されている。具体的は、コントローラ60は、モータ収容部22Aの後側に配置されると共に、吸気口25Cの下側で且つ流出部25Aの上側に位置している。コントローラ60は、ケースとしての基板ケース61と、基板ケース61内に収容され且つ保持された基板としての制御基板62と、を含んで構成されている。基板ケース61は、アルミニウム等の熱伝導性のよい金属製とされている。基板ケース61は、前側へ開放された比較的底の浅い略矩形箱形状に形成されている。詳しくは、基板ケース61は、前後方向を板厚方向とし且つ上下方向を長手方向とする略矩形板状の底壁61Aと、底壁61Aの外周部から前側へ延出された側壁61Bと、を含んで構成されている。
【0038】
制御基板62は、前後方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されている。制御基板62は、基板ケース61内に収容され、基板ケース61に締結固定されている。制御基板62には、モータ40を駆動制御するための制御部としてのスイッチング素子(図示省略)が実装されている。このスイッチング素子は、例えば、制御基板62の後面等に実装されて、基板ケース61の底壁61Aに当接されている。これにより、スイッチング素子によって発生した熱を基板ケース61に伝達して、基板ケース61によって当該熱を放熱するように構成されている。すなわち、基板ケース61はヒートシンクとしても機能するようになっている。
【0039】
制御基板62には、モータ40、スイッチ機構33のスイッチ、バッテリパック34が電気的に接続されている。具体的には、制御基板62から前側へ引出された第1配線63が、モータハウジング22の前側配線孔22G内を挿通して、モータ40に接続されている。また、制御基板62から前側へ引出された第2配線64が、後側へ折り返されて、基板ケース61の側壁61Bの外側に配策され、後側配線孔24A内を挿通して、スイッチ機構33のスイッチ及びバッテリパック34に電気的に接続されている。
【0040】
(支持機構70について)
図3~
図8に示されるように、支持機構70は、モータハウジング22に設けられた嵌合部71と、リヤカバー24に設けられた突当支持部80と、を含んで構成され、嵌合部71及び突当支持部80によって基板ケース61を前後方向外側から挟み込んで、コントローラ60をコントローラ収容部25内に固定している。
【0041】
嵌合部71は、左右一対の上側嵌合部72と、左右一対の第1下側嵌合部73と、第2下側嵌合部74と、上下一対の右側嵌合部75と、上下一対の左側嵌合部76と、を有している。
【0042】
上側嵌合部72は、モータ収容部22Aの張出部22Fに形成され、前側配線孔22Gの左右方向両側にそれぞれ設けられている。上側嵌合部72は、上下方向に延在されたリブ状の受け部としての上側受け部72Aを有しており、上側受け部72Aの後面が、前後方向に対して直交する面に沿って形成されている。また、上側嵌合部72は、囲繞部としての上側囲繞部72Bを有しており、上側囲繞部72Bは、上側受け部72Aの上端部から後側へ突出している。そして、コントローラ60の基板ケース61の上側開口端面(
図4のグレーにて塗り潰された部分)が、上側受け部72Aの後端面(
図4のグレーにて塗り潰された部分)の後側に隣接配置され、上側囲繞部72Bが、基板ケース61の外周部の上側に隣接配置されている。左右一対の上側嵌合部72は、基板ケース61の左右方向中央部に対して左右対称となる位置に配置されると共に、基板ケース61の上端部の左右方向外側部分を支持するように配置されている。
【0043】
第1下側嵌合部73は、左右方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略長尺板状に形成されて、モータ収容部22Aの下端部から後側へ延出されている。第1下側嵌合部73の後端部には、後側且つ上側へ開放された切欠部73Aが形成されており、第1下側嵌合部73における切欠部73Aよりも前側部分が受け部としての第1下側受け部73Bとして構成されている。第1下側受け部73Bの後端面は、上側受け部72Aの後端面と面一に配置されている。第1下側嵌合部73の後端部(第1下側受け部73Bよりも後側へ突出した部分)は、囲繞部としての第1下側囲繞部73Cとして構成されている。そして、コントローラ60における基板ケース61の下側開口端面(
図4のグレーにて塗り潰された部分)が、第1下側受け部73Bの後端面(
図4のグレーにて塗り潰された部分)の後側に隣接配置され、第1下側囲繞部73Cが、基板ケース61の外周部の下側に隣接配置されている。左右一対の第1下側嵌合部73は、基板ケース61の左右方向中央部に対して左右対称となる位置に配置されると共に、基板ケース61の下端部の左右方向外側部分を支持するように配置されている。
【0044】
第2下側嵌合部74は、上下方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略長尺板状に形成されて、モータ収容部22Aの下端部から後側へ延出されている。第2下側嵌合部74は、左右一対の第1下側嵌合部73の間に配置されている。第2下側嵌合部74の後端部には、後側且つ上側へ開放された切欠部74Aが形成されており、第2下側嵌合部74における切欠部74Aよりも前側部分が受け部としての第2下側受け部74Bとして構成されている。第2下側受け部74Bの後端面は、上側受け部72Aの後端面と面一に配置されている。第2下側嵌合部74の後端部(第2下側受け部74Bよりも後側へ突出した部分)は、囲繞部としての第2下側囲繞部74Cとして構成されている。そして、基板ケース61の下側開口端面(
図4のグレーにて塗り潰された部分)が、第2下側受け部74Bの後端面(
図4のグレーにて塗り潰された部分)の後側に隣接配置され、第2下側囲繞部74Cが、基板ケース61の外周部の下側に隣接配置されている。また、第2下側受け部74Bには、左右方向中央部において、上側へ開放され且つ前後方向に延在された溝部74Dが形成されており、溝部74Dによって、第2下側受け部74Bが左右方向に2分割されている。
【0045】
上下一対の右側嵌合部75は、全体として左右方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略長尺板状に形成されて、モータ収容部22Aから後側へ延出されている。右側嵌合部75は、右側嵌合部75の左側部分を構成する受け部としての右側受け部75Aと、右側嵌合部75の右側部分を構成する囲繞部としての右側囲繞部75Bと、を有している。右側囲繞部75Bの後端部が、右側受け部75Aよりも後側へ突出しており、右側囲繞部75Bの幅寸法が、右側受け部75Aの幅寸法よりも大きく設定されている。そして、コントローラ60の基板ケース61の右側開口端面(
図4のグレーにて塗り潰された部分)が、右側受け部75Aの後端面(
図4のグレーにて塗り潰された部分)の後側に隣接配置され、右側囲繞部75Bが、基板ケース61の外周部の右側に隣接配置されている。上下一対の右側嵌合部75は、基板ケース61の上下方向中央部に対して上下対称となる位置に配置されると共に、基板ケース61の右端部の上下方向外側部分を支持するように配置されている。
【0046】
左側嵌合部76は、基板ケース61の左右方向中央部に対して、右側嵌合部75と左右対称に構成されている。すなわち、左側嵌合部76は、左側嵌合部76の右側部分を構成する受け部としての左側受け部76Aと、左側嵌合部76の左側部分を構成する囲繞部としての左側囲繞部76Bと、を含んで構成されている。そして、基板ケース61の左側開口端面(
図4のグレーにて塗り潰された部分)が、左側受け部76Aの後端面(
図4のグレーにて塗り潰された部分)の後側に隣接配置され、左側囲繞部76Bが、基板ケース61の外周部の左側に隣接配置されている。
【0047】
以上により、リヤカバー24のモータハウジング22への組付前の状態では、基板ケース61がモータハウジング22の嵌合部71に嵌め込まれて、コントローラ60が嵌合部71に保持される構成になっている。詳しくは、嵌合部71の上側受け部72A、第1下側受け部73B、第2下側受け部74B、右側受け部75A、及び左側受け部76Aによって、基板ケース61の開口端面を前側から受けると共に、嵌合部71の上側囲繞部72B、第1下側囲繞部73C、第2下側囲繞部74C、右側囲繞部75B、及び左側囲繞部76Bによって、基板ケース61の外周部を基板ケース61の周方向において断続的に囲んで、基板ケース61の上下方向及び左右方向に移動を規制している。
【0048】
また、基板ケース61の嵌合部71への篏合状態では、上側囲繞部72B、第1下側囲繞部73C、第2下側囲繞部74C、右側囲繞部75B、及び左側囲繞部76Bが、基板ケース61よりも後側へ突出しないように、これら囲繞部の前後方向の長さが設定されている。
【0049】
突当支持部80は、左右一対の支持部としての上側支持リブ81と、左右一対の支持部としての下側支持リブ82と、を有している。上側支持リブ81は、左右方向を板厚方向とし且つ上下方向に延在されたリブ状に形成されて、リヤカバー24から前側へ突出している。左右一対の上側支持リブ81は、吸気口25Cの下側で且つ後側配線孔24Aの上側に配置されている。また、左右一対の上側支持リブ81は、基板ケース61の底壁61Aにおける上部の後側に隣接配置されて、基板ケース61の上部を後側から支持している。これにより、嵌合部71によって保持された基板ケース61(コントローラ60)の後側への移動を上側支持リブ81によって制限するように構成されている。上側支持リブ81は、基板ケース61の左右方向中央部に対して左右対称の位置に配置されて、基板ケース61の左右方向外側部分を支持するようになっている。
【0050】
下側支持リブ82は、左右方向を板厚方向とし且つ上下方向に延在されたリブ状に形成されて、リヤカバー24から前側へ突出している。左右一対の下側支持リブ82は、後側配線孔24Aの下側に配置されている。また、左右一対の下側支持リブ82は、基板ケース61の底壁61Aにおける下部の後側に隣接配置されて、基板ケース61の下部を後側から支持している。これにより、嵌合部71によって保持された基板ケース61(コントローラ60)の後側への移動を下側支持リブ82によって制限するように構成されている。下側支持リブ82は、基板ケース61の左右方向中央部に対して左右対称の位置に配置されると共に、上側支持リブ81よりも左右方向内側に位置している。
【0051】
また、前述した吸気口25Cは、コントローラ60の上斜め後方側に位置している。さらに、コントローラ60の上端部は、上側嵌合部72における上側受け部72Aの後側に隣接配置されている。すなわち、コントローラ60の上端部は、モータ収容部22Aの上端部の張出部22Fの後側に隣接配置されている。このため、吸気口25Cからコントローラ収容部25内に流入される冷却風CWは、吸気口25Cから下側へ流れて、コントローラ60の後側の空間内を流れるようになっている。
【0052】
図7に示されるように、左右方向における一対の上側支持リブ81(下側支持リブ82)の長さ(厚さ)tが、コントローラ収容部25の内部における左右方向の長さWの10%以下に設定されている。本実施の形態では、上側支持リブ81(下側支持リブ82)の板厚が2mmに設定されており、コントローラ収容部25の内部の左右寸法が92mmに設定されている。すなわち、一対の上側支持リブ81(下側支持リブ82)の左右方向の長さの合計が4mmであり、コントローラ収容部25の内部の左右寸法の5%以下に設定されている。
【0053】
(作用効果)
上記のように構成されたハンマドリル10の穿孔加工時には、作業者がハンマドリル10のトリガ32を引き操作することで、モータ40が駆動し、先端工具Tが自身の軸回りに回転する。これにより、被加工材に対して穿孔加工を施すことができる。具体的には、先端工具Tを被加工材側へ押し付けて、被加工材に対して穿孔加工を施す。
【0054】
また、モータ40の駆動時には、モータ40の出力軸41と共に、冷却ファン44が回転する。これにより、吸気口25Cからハウジング20内に流入する冷却風CWが発生する。具体的には、冷却風CWが、吸気口25Cからコントローラ収容部25内に流入され、コントローラ収容部25内を下側へ流れる(
図2参照)。吸気口25Cから下側へ流れる冷却風CWは、コントローラ60の後側を下側へ流れて、コントローラ収容部25の流出部25Aに流れる(
図3及び
図7参照)。流出部25Aに流れた冷却風CWは、モータハウジング22の連通孔22Dからモータ収容部22A内に流入される(
図2参照)。
【0055】
モータ収容部22A内に流入された冷却風CWは、モータ収容部22A内を上側へ流れて、冷却ファン44の下部の中央部から冷却ファン44の内部に流入される。冷却ファン44内に流入された冷却風CWは、冷却ファン44の径方向外側且つ上側へ流れて、第1排気口21C及び第2排気口21Dから排気される(
図2参照)。これにより、冷却風CWによって、コントローラ60及びモータ40が冷却される。
【0056】
以上説明したように、ハンマドリル10では、モータハウジング22及びテールカバー23がコントローラ60の前側に配置され、リヤカバー24が、モータハウジング22に後側から組付けられて、モータハウジング22及びテールカバー23と共にコントローラ60を収容するコントローラ収容部25を画定する。コントローラ収容部25では、吸気口25Cがコントローラ60の上側に設けられ、流出部25Aがコントローラ60の下側に設けられている。ここで、コントローラ収容部25は、コントローラ60を前後方向両側から支持する支持機構70を有しており、支持機構70は、上下方向に延在するリブ状の上側支持リブ81及び下側支持リブ82を有している。これにより、上側支持リブ81及び下側支持リブ82によって、吸気口25Cから流出部25Aへ向けて下側へ流れる冷却風CWを整流しつつ、コントローラ60を支持することができる。その結果、冷却風CWによるコントローラ60に対する冷却効果を高めることができ、コントローラ60の温度上昇を抑制することができる。したがって、ハンマドリル10の性能向上を図ることができる。
【0057】
また、コントローラ60は、金属製の基板ケース61と、制御基板62と、を含んで構成されている。基板ケース61は、前側へ開放された箱状に形成されており、制御基板62が、基板ケース61に収容されている。これにより、基板ケース61をヒートシンクとして機能させ、制御基板62のスイッチング素子等によって発生した熱を、基板ケース61によって放熱することができる。また、上側支持リブ81及び下側支持リブ82が、リヤカバー24に形成されて、基板ケース61の底壁61Aを後側から突き当てて支持している。これにより、基板ケース61の後側を流れる冷却風CWを上側支持リブ81及び下側支持リブ82によって整流しつつ、基板ケース61の底壁61Aを冷却風CWによって冷却することができる。すなわち、基板ケース61の外周部において、表面積の大きい底壁61Aを冷却風CWによって効果的に冷却することができる。したがって、基板ケース61による放熱効果を高めることができる。尚、上側支持リブ81及び下側支持リブ82を基板ケース61の底壁61Aへ直接当接させず、間に弾性体を介在させる構成とすると、放熱効果を確保しつつ、振動や衝撃による各部の破損等も防止できる。
【0058】
また、モータハウジング22には、基板ケース61が嵌合される嵌合部71が設けられている。嵌合部71は、基板ケース61の開口端面を前側から受ける上側受け部72A、第1下側受け部73B、第2下側受け部74B、右側受け部75A、及び左側受け部76Aを有している。また、嵌合部71は、基板ケース61の外周部を囲む上側囲繞部72B、第1下側囲繞部73C、第2下側囲繞部74C、右側囲繞部75B、及び左側囲繞部76Bを有している。これにより、基板ケース61を嵌合部71に篏合させてコントローラ60をモータハウジング22に仮固定した状態にし、その後に、リヤカバー24をモータハウジング22に後側から組付けることで、リヤカバー24の上側支持リブ81及び下側支持リブ82によってコントローラ60を後側から支持して、コントローラ60をハウジング20に固定することができる。したがって、コントローラ60のハウジング20への組付性を向上することができる。
【0059】
また、モータハウジング22の嵌合部71では、上側囲繞部72B、第1下側囲繞部73C、第2下側囲繞部74C、右側囲繞部75B、及び左側囲繞部76Bによって、基板ケース61の外周部を基板ケース61の周方向において断続的に囲んで、基板ケース61の上下方向及び左右方向に移動を規制している。これにより、基板ケース61の外周部の全周を嵌合部71によって囲む構成と比べて、基板ケース61の外周部の露出面積を大きくすることができる。すなわち、基板ケース61の外周部の全周を嵌合部71によって囲む構成と比べて、基板ケース61の外周部を冷却風CWによって良好に冷却することができる。したがって、基板ケース61の放熱性を一層高くすることができる。
【0060】
また、基板ケース61の嵌合部71への篏合状態では、上側囲繞部72B、第1下側囲繞部73C、第2下側囲繞部74C、右側囲繞部75B、及び左側囲繞部76Bが、基板ケース61よりも後側へ突出していない。このため、これらの囲繞部が、基板ケース61よりも後側へ突出する構成と比べて、冷却風CWの流動抵抗を小さくすることができる。したがって、コントローラ収容部25内を流れる冷却風CWの流速の低下を抑制することができると共に、冷却風CWをモータ収容部22A側へ良好に流すことができる。
【0061】
また、制御基板62から前側へ延出された第1配線63が、モータハウジング22の前側配線孔22Gを挿通して、モータ40に接続されている。これにより、前後方向に区画されたモータ収容部22Aとコントローラ収容部25とを前側配線孔22Gによって連通して、両者を電気的に接続することができる。
【0062】
また、制御基板62から前側へ延出された第2配線64が、後側へ折り返され、コントローラ60の外周部の外側に配置されて、後側配線孔24Aを挿通して、スイッチ機構33のスイッチに接続されている。これにより、基板ケース61の開口方向とは反対側に配置されたスイッチ機構33とコントローラ60とを電気的に接続しつつ、コントローラ60に対する冷却効果を高くすることができる。
【0063】
また、吸気口25Cは、コントローラ60よりも後側に配置されている。このため、吸気口25Cからコントローラ収容部25内に流入された冷却風CWを、コントローラ60(すなわち、基板ケース61の底壁61A)の後側の空間領域に容易に導くことができる。これにより、冷却風CWの基板ケース61の底壁61Aに対する冷却効率を効果的に高くすることができる。
【0064】
また、モータハウジング22のモータ収容部22Aは、上側へ開放された有底筒状に形成されており、コントローラ収容部25の流出部25Aがモータ収容部22Aの下側に位置している。モータ収容部22Aの底壁22Bには、流出部25Aから流出された冷却風CWをモータ収容部へ流入させる連通孔22Dが形成されている。これにより、冷却風CWの通路として、コントローラ収容部25及びモータ収容部22Aを直列で配置した構成にして、コントローラ60及びモータ40を冷却風CWによって冷却することができる。よって、冷却風CWの通路として、コントローラ収容部25及びモータ収容部22Aを並列で配置する構成と比べて、コントローラ収容部25及びモータ収容部22A内を流れる冷却風CWの風量を多くすることができる。したがって、コントローラ60及びモータ40を良好に冷却することができる。
【0065】
また、左右方向における一対の上側支持リブ81(下側支持リブ82)の長さtが、コントローラ収容部25の内部における左右方向の長さWの10%以下に設定されている。これにより、コントローラ60を支持する上側支持リブ81(下側支持リブ82)が冷却風CWの流れを遮ることを抑制しつつ、コントローラ60の周囲において冷却風CWを良好に流すことができる。
【0066】
なお、本実施形態では、支持機構70において、突当支持部80がリヤカバー24に形成されているが、突当支持部80をリヤカバー24及びモータハウジング22に形成してもよい。すなわち、上側支持リブ81又は下側支持リブ82に対応するものを、コントローラ60の前側に配置して、例えば、冷却風CWを前側配線孔22Gからコントローラ60の前側に流して、この冷却風CWを整流してもよい。また、支持機構70において、嵌合部71をリヤカバー24に形成し、突当支持部80をモータハウジング22に形成してもよい。この場合は、コントローラ60を前後反転させる形態にして、冷却風CWをコントローラ60の前側空間に流すように構成してもよい。
【0067】
また、本実施の形態では、モータハウジング22とテールカバー23とが別体で構成され、テールカバー23をモータハウジング22に締結固定することで、モータハウジング22及びテールカバー23を一体化しているが、モータハウジング22及びテールカバー23を一部品として構成してもよい。
【符号の説明】
【0068】
10 ハンマドリル(作業機)
20 ハウジング
22 モータハウジング(第1部材)
22A モータ収容部
22D 連通孔(冷却用孔部)
22G 前側配線孔(配線用孔部)
23 テールカバー(第1部材)
24 リヤカバー(第2部材)
25 コントローラ収容部
25A 流出部
25C 吸気口(流入部)
32 トリガ(操作部)
33 スイッチ機構
40 モータ
44 冷却ファン
60 コントローラ
61 基板ケース(ケース)
61A 底壁
62 制御基板(基板)
63 第1配線
64 第2配線
70 支持機構
71 嵌合部
72A 上側受け部(受け部)
72B 上側囲繞部(囲繞部)
73B 第1下側受け部(受け部)
73C 第1下側囲繞部(囲繞部)
74B 第2下側受け部(受け部)
74C 第2下側囲繞部(囲繞部)
75A 右側受け部(受け部)
75B 右側囲繞部(囲繞部)
76A 左側受け部(受け部)
76B 左側囲繞部(囲繞部)
81 上側支持リブ(支持部)
82 下側支持リブ(支持部)
t 支持部の長さ
W コントローラ収容部の内部における長さ