(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024361
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】移植作業システム
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20240215BHJP
【FI】
A01B69/00 303T
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127141
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】今泉 大介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 学
(72)【発明者】
【氏名】竹▲崎▼ 直人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 礼
【テーマコード(参考)】
2B043
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB15
2B043BA03
2B043BA08
2B043BA09
2B043BB06
2B043CA03
2B043DA01
2B043DC03
2B043EA06
2B043EA40
2B043EB05
2B043EB08
2B043EB15
2B043EB18
2B043EB23
2B043EB24
2B043ED12
(57)【要約】
【課題】移植作業中に既植苗列をカメラで認識して、進行方向と既植苗列を整合させる移植作業システムがある。然しながら、1台の田植機の進行方向と既植苗列を整合させる移植作業システムであって、複数台の移植作業機で移植作業を行う移植作業システムではない。そこで、複数台の移植作業機で移植作業が効率良く行える移植作業システムを提供する。
【解決手段】先行する移植作業機1Aに後行する移植作業機1B,1Cの走行方向の目標となる目標物13を設け、後行する移植作業機1B,1Cに設けた目標物13を検出する検出手段14にて測定した走行方向及び先行する移植作業機1Aとの距離に基づいて後行する移植作業機1B,1Cの走行方向及び走行速度を制御して、先行する移植作業機1A後方の側方位置を後行する移植作業機1B,1Cが追従走行する移植作業システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行する移植作業機(1A)に後行する移植作業機(1B,1C)の走行方向の目標となる目標物(13)を設け、後行する移植作業機(1B,1C)に該目標物(13)を検出する検出手段(14)を設けて走行方向及び先行する移植作業機(1A)との距離を測定し、該測定した走行方向及び先行する移植作業機(1A)との距離に基づいて後行する移植作業機(1B,1C)の走行方向及び走行速度を制御して先行する移植作業機(1A)後方の側方位置を後行する移植作業機(1B,1C)が追従走行することを特徴とする移植作業システム。
【請求項2】
後行する移植作業機(1B,1C)に既植苗列(N)を検出する第2検出手段(16)を設けて走行方向を測定し、該測定した走行方向と検出手段(14)にて測定した走行方向に基づいて後行する移植作業機(1B,1C)の走行方向を制御することを特徴とする請求項1に記載の移植作業システム。
【請求項3】
先行する移植作業機(1A)は畦際で旋回作動開始時に無線通信装置にて後行する移植作業機(1B,1C)に旋回作動開始の情報を送り、後行する移植作業機(1B,1C)は該情報を受け取った時の検出手段(14)にて測定した先行する移植作業機(1A)との距離を記憶し、該距離分だけ前進して田植作業を行って停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移植作業システム。
【請求項4】
先行する移植作業機(1A)は畦際で旋回して次工程で所定距離だけ前進の田植作業を行って停止した時に無線通信装置にて後行する移植作業機(1B,1C)に旋回が終了し停止している情報を送り、後行する移植作業機(1B,1C)は該情報を受けて自動旋回制御により旋回して停止し、無線通信装置にて先行する移植作業機(1A)に旋回が終了し停止した情報を送ることを特徴とする請求項3に記載の移植作業システム。
【請求項5】
先行する移植作業機(1A)は後行する移植作業機(1B,1C)が旋回を終了し停止した情報を受けて田植作業を再開し、無線通信装置にて後行する移植作業機(1B,1C)に田植作業を再開した情報を送り、後行する移植作業機(1B,1C)は該情報を受けて田植作業を再開することを特徴とする請求項4に記載の移植作業システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の移植作業機で移植作業を行う移植作業システムに関する。
【背景技術】
【0002】
移植作業中に既植苗列をカメラで認識して、進行方向と既植苗列を整合させる移植作業システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然しながら、そのシステムは1台の田植機の進行方向と既植苗列を整合させる移植作業システムであって、複数台の移植作業機で移植作業を行う移植作業システムではない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数台の移植作業機で移植作業が効率良く行える移植作業システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、先行する移植作業機1Aに後行する移植作業機1B,1Cの走行方向の目標となる目標物13を設け、後行する移植作業機1B,1Cに該目標物13を検出する検出手段14を設けて走行方向及び先行する移植作業機1Aとの距離を測定し、該測定した走行方向及び先行する移植作業機1Aとの距離に基づいて後行する移植作業機1B,1Cの走行方向及び走行速度を制御して先行する移植作業機1A後方の側方位置を後行する移植作業機1B,1Cが追従走行する移植作業システムである。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、先行する移植作業機1Aに設けた目標物13を検出する検出手段14を後行する移植作業機1B,1Cに設けて、走行方向及び先行する移植作業機1Aとの距離を測定し、後行する移植作業機1B,1Cの走行方向及び走行速度を制御して先行する移植作業機1A後方の側方位置を後行する移植作業機1B,1Cが追従走行する移植作業システムとしたので、安価な構成で複数台の移植作業機1A,1B,1Cで移植作業が効率良く行える移植作業システムを提供することができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、後行する移植作業機1B,1Cに既植苗列Nを検出する第2検出手段16を設けて走行方向を測定し、該測定した走行方向と検出手段14にて測定した走行方向に基づいて後行する移植作業機1B,1Cの走行方向を制御する請求項1に記載の移植作業システムである。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、後行する移植作業機1B,1Cに既植苗列Nを検出する第2検出手段16を設けて走行方向を測定し、該測定した走行方向と検出手段14にて測定した走行方向に基づいて後行する移植作業機1B,1Cの走行方向を制御するので、後行する移植作業機1B,1Cは前方と側方の二ヶ所を合わせながら走行方向を制御し、精度の高い追従走行を行って適正な田植作業が行える。
【0010】
請求項3記載の発明は、先行する移植作業機1Aは畦際で旋回作動開始時に無線通信装置にて後行する移植作業機1B,1Cに旋回作動開始の情報を送り、後行する移植作業機1B,1Cは該情報を受け取った時の検出手段14にて測定した先行する移植作業機1Aとの距離を記憶し、該距離分だけ前進して田植作業を行って停止する請求項1または請求項2に記載の移植作業システムである。
【0011】
請求項4記載の発明は、先行する移植作業機1Aは畦際で旋回して次工程で所定距離だけ前進の田植作業を行って停止した時に無線通信装置にて後行する移植作業機1B,1Cに旋回が終了し停止している情報を送り、後行する移植作業機1B,1Cは該情報を受けて自動旋回制御により旋回して停止し、無線通信装置にて先行する移植作業機1Aに旋回が終了し停止した情報を送る請求項3に記載の移植作業システムである。
【0012】
請求項5記載の発明は、先行する移植作業機1Aは後行する移植作業機1B,1Cが旋回を終了し停止した情報を受けて田植作業を再開し、無線通信装置にて後行する移植作業機1B,1Cに田植作業を再開した情報を送り、後行する移植作業機1B,1Cは該情報を受けて田植作業を再開する請求項4に記載の移植作業システムである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態にかかる移植作業システムの直進田植作業時の作用説明用平面図である。
【
図2】同移植作業システムの直進田植作業時の作用説明用側面図である。
【
図3】同移植作業システムの畦際旋回時の作用説明用平面図である。
【
図4】同移植作業システムの畦際周回植付時の作用説明用平面図である。
【
図5】本発明の他の実施形態を示す移植作業システムの作用説明用平面図である。
【
図6】本発明の他の実施形態を示す移植作業システムの作用説明用平面図である。
【
図7】本発明の他の実施形態を示す管理システムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態として、圃場Fで田植作業を行う移植作業機である3台の乗用型田植機1A,1B,1Cの田植作業システムについて説明する。
【0015】
なお、先行する移植作業機を親機である乗用型田植機1Aと謂い、後行する移植作業機を第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cと謂う。
【0016】
<乗用型田植機1A,1B,1C>
図1及び
図2に示すように、乗用型田植機1A,1B,1Cは、走行車体2の後側に昇降リンク装置を介して6条植えの苗植付部3が昇降可能に装着されている。なお、乗用型田植機1の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向と後進方向をそれぞれ前、後という。
【0017】
走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪4,4及び左右一対の後輪5,5を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケースが配置され、そのミッションケースの左右側方に左右前輪ファイナルケースが設けられ、該左右前輪ファイナルケースの操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右前輪4,4が各々取り付けられている。
【0018】
また、ミッションケースの背面部にメインフレームの前端部が固着されており、そのメインフレームの後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケースがローリング自在に支持され、その後輪ギヤケースから外向きに突出する後輪車軸に後輪5,5が取り付けられている。
【0019】
エンジンは走行車体2前部に搭載されており、該エンジンの回転動力が、ベルト伝動装置及びHSTを介してミッションケースに伝達される。ミッションケースに伝達された回転動力は、該ミッションケース内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。
【0020】
そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケースに伝達されて前輪4,4を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケースに伝達されて後輪5,5を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケースに伝達され、それから植付伝動軸によって苗植付部3へ伝動される。
【0021】
走行車体2中央部上には、座席6が設置されている。座席6の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー7があり、その上方に前輪4,4を操向操作するハンドル8が設けられている。
【0022】
フロントカバー7の下端左右両側及び後方は、水平状のフロアステップ9になっている。フロアステップ9は一部格子状になっており、該フロアステップ9を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下するようになっている。フロアステップ9上の後部は、後輪フェンダを兼ねるリヤステップ10となっている。
【0023】
昇降リンク装置は平行リンク構成であって、1本の上リンクと左右一対の下リンクを備え、その基部側がメインフレームの後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレームに回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンクが連結されている。
【0024】
そして、縦リンクの下端部に苗植付部3に回転自在に支承された連結軸が挿入連結され、連結軸を中心として苗植付部3がローリング自在に連結されている。
【0025】
リンクベースフレームと縦リンクとの間に昇降油圧シリンダが設けられており、該昇降油圧シリンダを油圧で伸縮させることにより、昇降リンク装置が上下に回動し、苗植付部3がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
【0026】
苗植付部3は6条植えの構成で、フレームを兼ねる伝動ケース、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ各条の苗取出口に供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口に供給する苗送りベルトにより苗を下方に移送する苗載台11、苗取出口に供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置を備えている。
【0027】
苗植付部3の下部には中央にセンターフロート、その左右両側にサイドフロートがそれぞれ設けられ、圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置により苗が植付けられる。
【0028】
センターフロート及び左右サイドフロートは圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロートの前部の上下動が迎角制御センサにより検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダを制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部3を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
【0029】
次に、乗用型田植機1Aの詳細構成を説明する。
【0030】
親機である乗用型田植機1Aの前部には、左右両側に設けた左右線引きマーカ12,12の端部に左右目標物13,13が設けられている。
【0031】
図1に示すように、親機である乗用型田植機1Aが田植作業を行いながら前進している際に、左右両側後方を追従して前進して田植作業を行う第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cが機体の左右中心を該左右目標物13,13に合わせて前進すれば、3台の親機である乗用型田植機1A及び第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cにて各6条ずつの18条が整然と植付けられる。
【0032】
そして、親機である乗用型田植機1Aの前部には、GPS受信装置と制御部と無線通信装置を搭載している。
【0033】
親機である乗用型田植機1Aは、GPS受信装置により測位衛星からの信号を受信して衛星測位システムにて位置情報を算出する。そして、周知の直進アシスト機能を装備し、モニタに現在位置と直進方向を表示して、操縦者は直進方向の表示に追従するようにハンドル8を操作して直進田植作業を行う。
【0034】
そして、左右後輪5,5の駆動系に回転センサを装備し、制御部は該回転センサの回転数から走行距離を算出する。
【0035】
そして、親機である乗用型田植機1Aは、周知の自動旋回制御を装備しており、畦際でハンドル8が旋回操作されると、全自動で苗植付部3の駆動を切って苗植付部3を上昇して、
図3に示す次工程の位置まで旋回して、苗植付部3を下降させて、苗植付部3の駆動を入りにして前進の田植作業を行う。
【0036】
次に、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの詳細構成を説明する。
【0037】
第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの前部には、先行して走行する親機である乗用型田植機1Aの左右目標物13,13を撮影して方向と距離を検出する検出手段としてのカメラ14が設けられている。
【0038】
そして、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの前部には、制御部と無線通信装置を搭載している。
【0039】
親機である乗用型田植機1A、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cは、無線通信装置にて相互通信する。
【0040】
そして、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cは、HSTを制御部の指令で自動変速する変速電動モータとハンドル8を制御部の指令で操作する操向電動モータを備えている。
【0041】
また、左右後輪5,5の駆動系に回転センサを装備し、制御部は該回転センサの回転数から走行距離を算出する。
【0042】
そして、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cは、親機である乗用型田植機1Aと同様の自動旋回制御を装備している。
【0043】
図1に示すように、田植作業を行いながら先行して前進している親機である乗用型田植機1Aの左右目標物13,13を左右両側後方で前進して田植作業を行う第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cがカメラ14でとらえて、制御部が操向電動モータを作動させて機体の左右中心を左右目標物13,13に合わせて前進するように機体を操向操作し、且つ、変速電動モータを作動させて親機である乗用型田植機1Aとの距離が所定距離を維持するように前進速度を変速操作する。
【0044】
従って、親機である移植作業機1Aに設けた目標物13,13を検出するカメラ14を第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cに設けて、走行方向及び親機である移植作業機1Aとの距離を測定し、第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cの走行方向及び走行速度を制御して親機である移植作業機1A後方の左右側方位置を第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cが追従走行する移植作業システムとしたので、安価な構成で3台の親機である移植作業機1Aと第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cで移植作業が効率良く行える移植作業システムを提供することができる。
【0045】
また、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cは、既植苗列Nをトレースして機体を操向操作して機体を苗列に沿って前進させる為のサイドマーカ15に第2検出手段としてのサブカメラ16を装備している。
【0046】
そして、制御部は、親機である乗用型田植機1Aの左右目標物13,13を左右両側後方で前進して田植作業を行う第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cがカメラ14でとらえて機体の左右中心を左右目標物13,13に合わせて前進するように、且つ、サブカメラ16にて撮った既植苗列Nに沿って機体が前進するように操向電動モータを作動させて機体を操向操作する。
【0047】
従って、カメラ14で前方の目標物13をとらえて、サブカメラ16で側方の既植苗列Nをとらえて、制御部が操向電動モータを作動させて機体を操向操作するので、常に前方と側方の二ヶ所を合わせながら操向操作して前進し、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cは、親機である乗用型田植機1Aの走行経路に平行に沿った精度の高い追従走行を行って適正な田植作業が行える。
【0048】
また、親機である乗用型田植機1Aの次工程側で田植作業をする第2子機である乗用型田植機1Cには、畦際で旋回後の次工程で親機である乗用型田植機1Aが走行するセンターラインを圃場に引く線引きマーカ17が装着されている。
【0049】
図3に示すように、親機である乗用型田植機1Aは、畦際で旋回して第2子機である乗用型田植機1Cが線引きマーカ17で引いたセンターラインにセンターマーカを合わせて走行して田植作業を行う。
【0050】
従って、親機である乗用型田植機1Aの次工程側で田植作業をする第2子機である乗用型田植機1Cに畦際で旋回後の次工程で親機である乗用型田植機1Aが走行するセンターラインを圃場に引く線引きマーカ17を装着したので、親機である乗用型田植機1Aに線引きマーカを装着するのに比して、線引きマーカ17の左右長さを短く構成できる。
【0051】
<田植作業システム>
先ず、
図1に基づいて、親機である乗用型田植機1A、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cが直進して田植作業を行う場合の田植作業システムについて説明する。
【0052】
親機である乗用型田植機1Aの左右両側に設けた左右線引きマーカ12,12を左右に展開して作業状態とし、機体の左右に左右目標物13,13が配置された状態として、座席6に着座した操縦者は、直進アシスト機能を活用して直進田植作業を行う。
【0053】
すると、親機である乗用型田植機1Aの左右後方で田植作業を行いながら前進している第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cは、左右目標物13,13をカメラ14でとらえて機体の左右中心を左右目標物13,13に合わせて前進するように、且つ、サブカメラ16にて撮った既植苗列Nに沿って機体が前進するように制御部が操向電動モータを作動させて機体を操向操作し、即ち、常に前方と側方の二ヶ所を合わせながら操向操作して前進し、親機である乗用型田植機1Aの走行経路に平行に沿った精度の高い追従走行する。なお、第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cは、操縦者が乗っていない無人走行である。
【0054】
そして、第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cは、制御部がカメラ14にてとらえた親機である乗用型田植機1Aとの距離を基に変速電動モータを作動させて前進速度を変速操作して、親機である乗用型田植機1Aとの距離を所定距離に維持する。
【0055】
従って、第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cは、所定距離を維持して親機である乗用型田植機1Aに適切に追従走行し、3台の親機である乗用型田植機1A、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cにて各6条ずつの18条が整然と植付けられる。
【0056】
次に、
図3に基づいて、親機である乗用型田植機1A、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cが畦際で旋回する場合の田植作業システムについて説明する。
【0057】
畦際には、枕地植付け時に親機である乗用型田植機1A、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cが同時に走行して田植作業ができるように18条分の植付幅を枕地Aとして設定する。
【0058】
親機である乗用型田植機1Aが畦際の枕地Aの植付終了/植付開始位置Bに来ると、操縦者はハンドル8を旋回操作する。
【0059】
すると、親機である乗用型田植機1Aは、自動旋回制御により苗植付部3の駆動を切って苗植付部3を上昇(連動して左右目標物13,13が設けられた左右線引きマーカ12,12も上昇)して、3工程先の次工程の位置まで旋回して、枕地Aの植付終了/植付開始位置Bに来ると苗植付部3を下降(連動して左右目標物13,13が設けられた左右線引きマーカ12,12も下降)させて、苗植付部3の駆動を入りにして第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cが追従する所定距離だけ前進の田植作業を行って停止する。
【0060】
そして、操縦者がハンドル8を旋回操作して自動旋回制御が作動する制御開始時点に、親機である乗用型田植機1Aの制御部は、無線通信装置にて第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cに旋回開始(植付部3の駆動切り)の情報を送る。
【0061】
すると、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの制御部は、親機である乗用型田植機1Aが旋回開始(植付部3の駆動切り)であることの情報を受け取った時のカメラ14にてとらえた親機である乗用型田植機1Aとの距離を記憶し、左右後輪5,5の駆動系に設けた回転センサの回転数から走行距離を算出しながら該距離分だけ前進して田植作業を行って停止する。
【0062】
この時の第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの停止位置は、必然的に、枕地Aの植付終了/植付開始位置Bとなる。
【0063】
そして、親機である乗用型田植機1Aが旋回して次工程で所定距離だけ前進の田植作業を行って停止した時点で、親機である乗用型田植機1Aの制御部は、無線通信装置にて第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cに旋回が終了し停止している情報を送る。
【0064】
すると、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの制御部は、親機である乗用型田植機1Aが旋回を終了し停止している情報を受けとると、各々自動旋回制御により旋回を開始し3工程先の次工程の位置まで旋回して枕地Aの植付終了/植付開始位置Bに至ると停止し、無線通信装置にて親機である乗用型田植機1Aに旋回が終了し停止した情報を送る。
【0065】
この時、親機である乗用型田植機1Aが先に旋回を終了しているので、第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cは、1工程分離れた位置で旋回するので、両者が干渉することなく2台同時の旋回が適切に行える。
【0066】
すると、親機である乗用型田植機1Aの制御部は、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cが旋回を終了し停止した情報を受けて、前進を開始し田植作業を再開し、無線通信装置にて第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cに田植作業を再開した情報を送る。
【0067】
すると、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの制御部は、親機である乗用型田植機1Aが田植作業を再開した情報を受けて、前進を開始し田植作業を開始する。
【0068】
そして、前述と同様に、第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cは、所定距離を維持して親機である乗用型田植機1Aに適切に追従走行し、3台の親機である乗用型田植機1A、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cにて各6条ずつの18条が整然と植付けられる。
【0069】
上記実施形態では、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cが同時に旋回する例を示したが、第1子機である乗用型田植機1Bと第2子機である乗用型田植機1Cが、1台ずつ順番に旋回しても良い。
【0070】
即ち、親機である乗用型田植機1Aが旋回して次工程で第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cが追従する所定距離だけ前進の田植作業を行って停止した時点で、親機である乗用型田植機1Aの制御部は、無線通信装置にて第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cに旋回が終了し停止している情報を送る。
【0071】
すると、先ず、第2子機である乗用型田植機1Cの制御部は、親機である乗用型田植機1Aが旋回を終了し停止している情報を受けとると、自動旋回制御により旋回を開始し3工程先の次工程の位置まで旋回して枕地Aの植付終了/植付開始位置Bに至って親機である乗用型田植機1Aの左目標物13をカメラ14がとらえて停止し、無線通信装置にて親機である乗用型田植機1A及び第1子機である乗用型田植機1Bに旋回が終了し停止した情報を送る。
【0072】
すると、次に、第1子機である乗用型田植機1Bの制御部は、第2子機である乗用型田植機1Cが旋回を終了し停止している情報を受けとると、自動旋回制御により旋回を開始し3工程先の次工程の位置まで旋回して枕地Aの植付終了/植付開始位置Bに至って親機である乗用型田植機1Aの右目標物13をカメラ14がとらえて停止し、無線通信装置にて親機である乗用型田植機1A及び第2子機である乗用型田植機1Cに旋回が終了し停止した情報を送る。
【0073】
すると、親機である乗用型田植機1Aの制御部は、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの両方が旋回を終了し停止した情報を受けて、前進を開始し田植作業を再開し、無線通信装置にて第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cに田植作業を再開した情報を送る。
【0074】
すると、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの制御部は、親機である乗用型田植機1Aが田植作業を再開した情報を受けて、前進を開始し田植作業を開始する。
【0075】
従って、親機である乗用型田植機1A、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cは、同時に旋回することがないので、何れかが圃場で進行不能となって停止しても、衝突するような事態を回避できる。
【0076】
次に、
図4に基づいて、親機である乗用型田植機1A、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cが圃場Fの畦際を周回植付け(枕地植付け)を行う場合の田植作業システムについて説明する。
【0077】
操縦者が搭乗する親機である乗用型田植機1Aが畦1’のすぐ際を走行して田植作業を行い、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cが親機である乗用型田植機1Aの内側を追従走行して田植作業を行う。
【0078】
枕地植付けでは、親機である乗用型田植機1A及びその内側を走行する第1子機である乗用型田植機1Bが内側(
図4では左線引きマーカ12を作用状態とし左目標物13を展開させる)で追従走行する。
【0079】
従って、操縦者が搭乗する親機である乗用型田植機1Aが畦1’のすぐ際を走行して田植作業を行うので、操縦者が畦1’に沿って機体を操向操作し障害物等も避けて機体を走行させ、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cは親機である乗用型田植機1Aの内側で障害物等が無い工程を追従走行するので、安全に且つ作業性の良い作業体系となる。
【0080】
先ず、親機である乗用型田植機1A及び第1子機である乗用型田植機1Bの左線引きマーカ12を展開して作業状態とし、機体の左に左目標物13が配置された状態として、親機である乗用型田植機1Aの座席6に着座した操縦者は、畦1’に沿って機体を操向して畦1’に沿って田植作業を行う。
【0081】
すると、親機である乗用型田植機1Aの左後方で田植作業を行いながら前進する第1子機である乗用型田植機1Bは、親機である乗用型田植機1Aの左目標物13をカメラ14でとらえて機体の左右中心を左目標物13に合わせて前進するように、且つ、サブカメラ16にて撮った既植苗列Nに沿って機体が前進するように制御部が操向電動モータを作動させて機体を操向操作し、即ち、常に前方と側方の二ヶ所を合わせながら操向操作して前進し、親機である乗用型田植機1Aの走行経路に平行に沿った精度の高い追従走行をする。
【0082】
そして、第1子機である乗用型田植機1Bの左後方で田植作業を行いながら前進する第2子機である乗用型田植機1Cは、第1子機である乗用型田植機1Bの左目標物13をカメラ14でとらえて機体の左右中心を左目標物13に合わせて前進するように、且つ、サブカメラ16にて撮った既植苗列Nに沿って機体が前進するように制御部が操向電動モータを作動させて機体を操向操作し、即ち、常に前方と側方の二ヶ所を合わせながら操向操作して前進し、第1子機である乗用型田植機1Bの走行経路に平行に沿った精度の高い追従走行をする。
【0083】
そして、第1子機である乗用型田植機1Bは、制御部がカメラ14にてとらえた親機である乗用型田植機1Aとの距離を基に変速電動モータを作動させて前進速度を変速操作して、親機である乗用型田植機1Aとの距離を所定距離に維持する。
【0084】
そして、第2子機である乗用型田植機1Cは、制御部がカメラ14にてとらえた第1子機である乗用型田植機1Bとの距離を基に変速電動モータを作動させて前進速度を変速操作して、第1子機である乗用型田植機1Bとの距離を所定距離に維持する。
【0085】
従って、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cは、所定距離を維持して親機である乗用型田植機1Aに適切に追従走行し、3台の親機である乗用型田植機1A、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cにて各6条ずつの18条が整然と枕地に植付けられる。
【0086】
次に、圃場Fの角部(コーナー部)での曲がり方を説明する。
【0087】
親機である乗用型田植機1Aに搭乗している操縦者は、その機体前端が対向する畦2’に至るまで親機である乗用型田植機1Aを畦1’に沿って前進させて田植作業を行って機体を停止させる。
【0088】
すると、親機である乗用型田植機1Aの制御部は、無線通信装置にて第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cに停止した情報を送る。
【0089】
すると、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの制御部は、親機である乗用型田植機1Aが停止した情報を受けて共に機体を停止する。
【0090】
なお、この時、第1子機である乗用型田植機1Bの制御部は、カメラ14にてとらえた親機である乗用型田植機1Aとの距離を記憶し、第2子機である乗用型田植機1Cの制御部は、カメラ14にてとらえた第1子機である乗用型田植機1Bとの距離を記憶する。
【0091】
そして、親機である乗用型田植機1Aに搭乗している操縦者は、機体の後進操作をすると、バックリフト機能が働いて苗植付部3が上昇して機体は後進する。
【0092】
そして、曲がれる位置まで後進すると、機体の前進操作をした後にハンドル8を操作して機体が畦2’に平行になるまで曲がって停止する。
【0093】
そして、機体の後進操作をして、苗植付部3後端が畦1’際に接近するまで機体を後進させて停止し、苗植付部3を下降させる。
【0094】
そして、苗植付部3を駆動させて畦2’に沿って前進させて田植作業を行い、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cが追従する位置まで前進して機体を停止させる。
【0095】
すると、親機である乗用型田植機1Aの制御部は、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cに無線通信装置にて角部を曲がって停止した情報を送る。
【0096】
すると、第1子機である乗用型田植機1Bの制御装置は、親機である乗用型田植機1Aが角部を曲がって停止した情報を受けて、前記記憶した親機である乗用型田植機1Aとの距離分だけ田植作業をしながら前進して停止する。
【0097】
そして、苗植付部3を上昇させて機体を後進させ、曲がれる位置まで後進すると、機体を前進させハンドル8を操向操作して機体が畦2’に平行になるまで曲がる。
【0098】
そして、カメラ14にてとらえた親機である乗用型田植機1Aとの距離が所定の追従距離になるまで前進して田植作業をして機体を停止し、親機である乗用型田植機1A及び第2子機である乗用型田植機1Cに無線通信装置にて角部を曲がって停止した情報を送る。
【0099】
すると、第2子機である乗用型田植機1Cの制御装置は、第1子機である乗用型田植機1Bが角部を曲がって停止した情報を受けて、前記記憶した第1子機である乗用型田植機1Bとの距離分だけ田植作業をしながら前進して停止する。
【0100】
そして、苗植付部3を上昇させて機体を後進させ、曲がれる位置まで後進すると、機体を前進させハンドル8を操向操作して機体が畦2’に平行になるまで曲がる。
【0101】
そして、カメラ14にてとらえた第1子機である乗用型田植機1Bとの距離が所定の追従距離になるまで前進して田植作業をして停止し、親機である乗用型田植機1A及び第1子機である乗用型田植機1Bに無線通信装置にて角部を曲がって停止した情報を送る。
【0102】
すると、親機である乗用型田植機1Aの制御部は、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの両方が旋回を終了し停止した情報を受けて、前進を開始し田植作業を再開し、無線通信装置にて第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cに田植作業を再開した情報を送る。
【0103】
すると、第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cの制御部は、親機である乗用型田植機1Aが田植作業を再開した情報を受けて、前進を開始し親機である乗用型田植機1Aに追従走行して田植作業をする。
【0104】
以下同様にして、圃場Fの畦際を周回して植付けを行う。
【0105】
最後に、他の実施形態の例を説明する。
【0106】
即ち、
図5に示すように、親機である乗用型田植機1Aと第1子機である乗用型田植機1Bの2台の田植作業システムとしても良く、その田植作業システムは、前記3台の田植作業システムの第2子機である乗用型田植機1Cを除いた形態で、前記の実施形態と同様の田植作業をするシステムである。
【0107】
また、
図6に示すように、親機である乗用型田植機1Aと第1子機である乗用型田植機1B及び第2子機である乗用型田植機1Cに加えて第3子機である乗用型田植機1D及び第4子機である乗用型田植機1Eの5台の田植作業システムとしても良く、その田植作業システムは、前記3台の田植作業システムの第1子機である乗用型田植機1Bの後方に追従走行する第3子機である乗用型田植機1Dを追加し、第2子機である乗用型田植機1Cの後方に追従走行する第4子機である乗用型田植機1Eを追加した形態で、前記の実施形態と同様の田植作業をするシステムである。
【0108】
なお、第3子機である乗用型田植機1D及び/または第4子機である乗用型田植機1Eの後方に追従走行する第5子機である乗用型田植機及び/または第6子機である乗用型田植機を追加しても良く、更に、その後方に追従走行する子機を何台設けても良い。
【0109】
なお、親機である乗用型田植機1Aは、地図データベースに登録された圃場Fで田植作業をする作業経路を算出して、該作業経路をGPSにより測位衛星からの信号を受信して衛星測位システムにて位置情報を算出しながら自律走行して自動的に田植作業を行う自律走行式としても良い。
【0110】
親機である乗用型田植機1Aを自律走行式とした場合は、田植作業システムが全自動走行で田植作業を行う無人のロボットシステムになる。
【0111】
<他の実施形態>
【0112】
(1)
図7は、管理システムの構成を示す模式図であり、圃場Fの環境や作物の生育状態等を管理する管理システムを示す。
【0113】
即ち、管理システムは、地上基地20内の管理サーバ21の地図データベースにユーザが所有する圃場Fを登録し、圃場F内に監視定点22を単数または複数設け、地上基地20から所定ルートL1にて定期的に監視定点22にドローン等の小型飛行機23を飛ばせて、監視定点22にて圃場Fの環境や作物の生育状態等を測定及び撮影して、該圃場Fの環境や作物の生育状態等を測定及び撮影したデータを地上基地20内の管理サーバ21やユーザのスマホ等の携帯端末24に送信し、管理サーバ21や携帯端末24にて圃場Fの環境や作物の生育状態等を確認する。
【0114】
地上基地20内の管理サーバ21にて、地図データベースに登録されたユーザが所有する圃場F内に設けた単数または複数の監視定点22へドローン等の小型飛行機23が往復飛行する経路L1及び飛行開始時間を設定し、無線装置25にて小型飛行機23に該経路L1を付加した地図データ及び飛行開始時間を送信する。
【0115】
ドローン等の小型飛行機23は、カメラ23aや温度、湿度、風速、降水量及び日照量等の計測機器23bを装備し、設定された飛行開始時間になると地上基地20から経路L1を飛行して圃場F内に設けられた単数または複数の監視定点22に飛行し、監視定点22にて作物の生育状態をカメラ23aにて撮影し、温度、湿度、風速、降水量及び日照量等を計測機器23bにて計測して、その各データを管理サーバ21やユーザの携帯端末24に送信し、所定時間になると監視定点22から経路L1を飛行して地上基地20に帰還する。
【0116】
地上基地20内の管理サーバ21または携帯端末24は、小型飛行機23から送信されたデータを受信して、所定のデータマップまたはデータ表にてユーザや管理者に提供し、ユーザや管理者は該データマップまたはデータ表を見て圃場の状態を確認することができる。
【0117】
このようにユーザや管理者は、圃場に行かなくても管理サーバ21または携帯端末24にてデータマップまたはデータ表を見て圃場の状態を確認することができるので、作物の生育状況や圃場の状況を把握して。肥培管理や収穫計画を容易に行える。
【0118】
特に、圃場Fが中山間地や傾斜地にある場合には、重労働となる圃場管理が効率的かつ容易に行える。
【符号の説明】
【0119】
1A 先行する移植作業機(親機である乗用型田植機)
1B 後行する移植作業機(第1子機である乗用型田植機)
1C 後行する移植作業機(第2子機である乗用型田植機)
13 目標物
14 検出手段(カメラ)
16 第2検出手段(サブカメラ)
N 既植苗列