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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024375
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/22 20060101AFI20240215BHJP
   B65D 5/30 20060101ALI20240215BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
B65D5/22 F
B65D5/30 Z
B65D5/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127163
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】植月 陽介
(72)【発明者】
【氏名】大谷 昌義
(72)【発明者】
【氏名】東 則嘉
(72)【発明者】
【氏名】高比良 仁司
(72)【発明者】
【氏名】牧内 隆文
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB18
3E060BB01
3E060BC02
3E060DA18
3E060DA25
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】 差込片を差込穴に差し込みやすく抜け難くすることができる包装容器を提供する。
【解決手段】
包装容器1は、一対の第1側壁11に連設され、差込穴22を有する一対の内折返し壁13と、一対の第2側壁12に連設され、補助折線L8を有する一対の桟壁16と、桟壁16の両側端に連設され、差込折線L9に沿って折り曲げられて一対の差込穴22に差し込まれる一対の差込片17と、を備え、差込片17は先端凸部23を有することで差込穴22の全長よりも長い寸法に形成され、内折返し壁13(額縁部20)が折り曲げられた後、桟壁16が折り曲げられ且つ補助折線L8で正折りされ、差込片17の一部が差込穴22に差し込まれ、続いて、補助折線L8で屈曲した桟壁16が伸ばされながら額縁部20に積層されることで、差込片17は先端凸部23を差込穴22よりも桟壁16の自由端側に位置する額縁部20の裏側に潜り込ませる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の第1側壁(11,51)と一対の第2側壁(12,52)とを交互に配置して筒状に形成される周壁(1W,2W,3W)と、
一対の前記第1側壁に連設され、一対の前記第1側壁との第1の境界線(L3,L13)に沿って開口する少なくとも各1つの差込穴(22,42,62)を有する一対の内フラップ(13,30,55)と、
一対の前記第2側壁の少なくとも一方に連設され、一対の前記第2側壁との第2の境界線(L7,L13)に沿う方向に延びる補助折線(L8)を有する少なくとも1つの外フラップ(16,32,57)と、
前記補助折線から前記外フラップの自由端までの範囲において前記外フラップの両側端に連設され、前記外フラップとの第3の境界線(L9)に沿って折り曲げられて一対の前記内フラップの前記差込穴に差し込まれる少なくとも一対の差込片(17,34,58)と、を備え、
前記第3の境界線は、前記第1の境界線に沿った前記差込穴の全長と同一の寸法または僅かに短い寸法に形成され、
前記差込片は、前記外フラップの自由端側に向かって突出する先端凸部(23,43,63)を有することで前記差込穴の全長よりも長い寸法に形成され、
前記内フラップが前記第1の境界線で前記周壁の内側に折り曲げられた後、前記外フラップが前記第2の境界線で前記周壁の内側に折り曲げられ且つ前記補助折線で正折りされ、前記差込片の一部が前記差込穴に差し込まれ、続いて、前記補助折線で屈曲した前記外フラップが伸ばされながら前記内フラップに積層されることで、前記差込片は、前記補助折線を支点に回動しながら前記差込穴に差し込まれ、前記先端凸部を前記差込穴よりも前記外フラップの自由端側に位置する前記内フラップの裏側に潜り込ませることを特徴とする包装容器。
【請求項2】
前記差込片は、前記先端凸部の反対側となる前記外フラップの基端側に向かって突出する基端凸部(24,64)を更に有し、
前記基端凸部は、前記先端凸部よりも小さな突出量とされ、
前記第3の境界線と前記基端凸部とを合わせた長さは、前記差込穴の全長と同一または僅かに長く設定され、
前記補助折線で屈曲した前記外フラップが伸ばされながら前記内フラップに積層されることで、前記差込片は、前記補助折線を支点に回動しながら前記差込穴に差し込まれ、前記基端凸部を前記差込穴よりも前記外フラップの基端側に位置する前記内フラップの裏側に潜り込ませることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記差込片は、前記先端凸部の反対側となる前記外フラップの基端側を斜めに隅切りした、または抉り取って窪ませた、若しくは隅切りと窪みとを組み合わせた干渉回避部(26,46,66)を更に有していることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項4】
前記補助折線は、前記先端凸部の反対側となる一対の前記第3の境界線の基端同士を結ぶ仮想線と前記第2の境界線との間の中央よりも前記仮想線の側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
【請求項5】
前記周壁(1W)は、底壁(10)の周縁に立設され、
各々の前記内フラップ(13)は、
一対の前記差込穴が形成され、前記第1側壁の上端から前記周壁の内側に延設される額縁部(20)と、
前記額縁部の先端から前記底壁に向けて延設され、前記第1側壁に対向する内壁部(21)と、を有し、
一対の前記外フラップ(16)は、一対の前記第2側壁の上端に連設され、前記周壁の内側に折り曲げられて前記額縁部に積層され、
前記額縁部に積層された一対の前記外フラップの先端同士は、上面開口部(1A)を挟んで離間することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装容器。
【請求項6】
前記周壁は、底壁(10,53,54)の周縁に立設され、
一対の前記外フラップ(31,32,56,57)は、一対の前記第2側壁の上端に連設され、
前記補助折線および一対の前記差込片(34,58)は、一対の前記外フラップのいずれか一方に連設され、
一対の前記内フラップ(30,55)、一対の前記外フラップのいずれか他方(31,56)、一対の前記外フラップのいずれか一方(32,57)が、この順に前記周壁(2W,3W)の内側に折り曲げられ、
前記内フラップに積層された一対の前記外フラップの先端側は、互いに重なり合っていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
前後一対の端壁と左右一対の側壁とを底壁の周縁に立設させ、両端壁の上縁部に連設された前後一対の桟板を両側壁の上縁部に連結したトレイが知られている(特許文献1)。各々の側壁の上縁部には、前後一対の上側取付穴が開口すると共に、一方の上側取付穴から他方の上側取付穴に向けて位置決め溝(スリット)が切り込まれている。各々の桟板には、上側取付穴および位置決め溝に差し込まれる左右一対の上側差込片が連設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-216118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したトレイでは、上側取付穴および位置決め溝に上側差込片を差し込む際、上側差込片はスリット状の位置決め溝を無理やり広げながら押し込まれることになる。このため、上側差込片を位置決め溝に差し込みにくいという問題があった。また、上側差込片を差し込むことで上縁部の位置決め溝付近が損傷するため、上側差込片が上側取付穴および位置決め溝から引き抜き易くなる虞があった。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、差込片を差込穴に差し込みやすく抜け難くすることができる包装容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る包装容器は、一対の第1側壁と一対の第2側壁とを交互に配置して筒状に形成される周壁と、一対の前記第1側壁に連設され、一対の前記第1側壁との第1の境界線に沿って開口する少なくとも各1つの差込穴を有する一対の内フラップと、一対の前記第2側壁の少なくとも一方に連設され、一対の前記第2側壁との第2の境界線(L7,L13)に沿う方向に延びる補助折線を有する少なくとも1つの外フラップと、前記補助折線から前記外フラップの自由端までの範囲において前記外フラップの両側端に連設され、前記外フラップとの第3の境界線に沿って折り曲げられて一対の前記内フラップの前記差込穴に差し込まれる少なくとも一対の差込片と、を備え、前記第3の境界線は、前記第1の境界線に沿った前記差込穴の全長と同一の寸法または僅かに短い寸法に形成され、前記差込片は、前記外フラップの自由端側に向かって突出する先端凸部を有することで前記差込穴の全長よりも長い寸法に形成され、前記内フラップが前記第1の境界線で前記周壁の内側に折り曲げられた後、前記外フラップが前記第2の境界線で前記周壁の内側に折り曲げられ且つ前記補助折線で正折りされ、前記差込片の一部が前記差込穴に差し込まれ、続いて、前記補助折線で屈曲した前記外フラップが伸ばされながら前記内フラップに積層されることで、前記差込片は、前記補助折線を支点に回動しながら前記差込穴に差し込まれ、前記先端凸部を前記差込穴よりも前記外フラップの自由端側に位置する前記内フラップの裏側に潜り込ませる。
【0007】
この場合、前記差込片は、前記先端凸部の反対側となる前記外フラップの基端側に向かって突出する基端凸部を更に有し、前記基端凸部は、前記先端凸部よりも小さな突出量とされ、前記第3の境界線と前記基端凸部とを合わせた長さは、前記差込穴の全長と同一または僅かに長く設定され、前記補助折線で屈曲した前記外フラップが伸ばされながら前記内フラップに積層されることで、前記差込片は、前記補助折線を支点に回動しながら前記差込穴に差し込まれ、前記基端凸部を前記差込穴よりも前記外フラップの基端側に位置する前記内フラップの裏側に潜り込ませるとよい。
【0008】
この場合、前記差込片は、前記先端凸部の反対側となる前記外フラップの基端側を斜めに隅切りした、または抉り取って窪ませた、若しくは隅切りと窪みとを組み合わせた干渉回避部を更に有してもよい。
【0009】
この場合、前記補助折線は、前記先端凸部の反対側となる一対の前記第3の境界線の基端同士を結ぶ仮想線と前記第2の境界線との間の中央よりも前記仮想線の側に形成されてもよい。
【0010】
この場合、前記周壁は、底壁の周縁に立設され、各々の前記内フラップは、一対の前記差込穴が形成され、前記第1側壁の上端から前記周壁の内側に延設される額縁部と、前記額縁部の先端から前記底壁に向けて延設され、前記第1側壁に対向する内壁部と、を有し、一対の前記外フラップは、一対の前記第2側壁の上端に連設され、前記周壁の内側に折り曲げられて前記額縁部に積層され、前記額縁部に積層された一対の前記外フラップの先端同士は、上面開口部を挟んで離間するとよい。
【0011】
この場合、前記周壁は、底壁の周縁に立設され、一対の前記外フラップは、一対の前記第2側壁の上端に連設され、前記補助折線および一対の前記差込片は、一対の前記外フラップのいずれか一方に連設され、一対の前記内フラップ、一対の前記外フラップのいずれか他方(31,56)、一対の前記外フラップのいずれか一方が、この順に前記周壁の内側に折り曲げられ、前記内フラップに積層された一対の前記外フラップの先端側は、互いに重なり合っているとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、差込片を差込穴に差し込みやすく抜け難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係る包装容器を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る包装容器のブランクを示す平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る包装容器のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る包装容器の組立手順を説明する斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る包装容器の差込片を差込穴に差し込む過程を説明する斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る包装容器の差込片を差込穴に差し込む過程を段階的に示す正面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る包装容器を示す斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る包装容器のブランクを示す平面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る包装容器の組立手順を説明する斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る包装容器の差込片を差込穴に差し込む過程を説明する斜視図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る包装容器の差込片を差込穴に差し込む過程を段階的に示す側面図である。
図12】本発明の第3実施形態に係る包装容器を示す斜視図である。
図13】本発明の第3実施形態に係る包装容器のブランクを示す平面図である。
図14】本発明の第3実施形態に係る包装容器のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
図15】本発明の第3実施形態に係る包装容器の組立手順を説明する斜視図である。
図16】本発明の第3実施形態に係る包装容器の差込片を差込穴に差し込む過程を説明する斜視図である。
図17】本発明の第3実施形態に係る包装容器の差込片を差込穴に差し込む過程を段階的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。前後方向、左右方向および上下方向は互いに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、方向や位置を示す用語は、包装容器を使用する際の方向や位置を基準にしている。
【0015】
[第1実施形態]
図1ないし図3を参照して、第1実施形態に係る包装容器1について説明する。図1は包装容器1を示す斜視図である。図2は包装容器1のブランク1Aを示す平面図である。図3はブランク1Aの一部を拡大して示す平面図である。
【0016】
図1に示すように、包装容器1は、底壁10の周縁に周壁1Wを立設させ、左右両側の一部を除いた周壁1Wの上面(上面開口部1U)を開放する所謂桟付きトレイである。周壁1Wは、一対の第1側壁11と一対の第2側壁12とを周方向に交互に配置して角筒状に形成されている。なお、包装容器1は物品を収容した状態で上下に複数積層可能とされている。
【0017】
包装容器1は、図2に示すブランク1Aを組み立てることで形成されている。ブランク1Aは、1枚の紙製の段ボールシートを打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、例えば、波状の中しん9Aに表ライナ9Bと裏ライナ9C(図1も参照)とを貼り合せた両面段ボールシートである。なお、図2および図3は、表ライナ9B側を示している。本明細書では、段ボールシートの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。
【0018】
[ブランク]
図2に示すように、ブランク1Aは、底壁10と、一対の第1側壁11と、一対の第2側壁12と、一対の内折返し壁13と、二対の外折込片14と、二対の内折込片15と、一対の桟壁16と、二対の差込片17と、を備えている。なお、図2において、一対の第1側壁11および一対の内折返し壁13は、それぞれ左右対称となる形状であるため、本明細書では、主に、1つの第1側壁11および1つの内折返し壁13について説明する。また、一対の第2側壁12および一対の桟壁16は、それぞれ上下対称となる形状であるため、本明細書では、主に、1つの第2側壁12および1つの桟壁16について説明する。また、二対の外折込片14、二対の内折込片15および二対の差込片17についても、適宜1つの部位について説明する。
【0019】
<底壁、第1側壁、第2側壁>
底壁10は、段方向よりも流れ方向に長い略長方形状に形成されている。一対の第1側壁11は、第1折曲線L1を介して底壁10の段方向の両端部に連設されている。第1側壁11は略長方形状に形成されており、その段方向の寸法(延出寸法)は底壁10の段方向の寸法の1/3程度に設定されている。底壁10には、各々の第1折曲線L1に隣接して合計4つの係合穴10Aが穿設されている。一対の第2側壁12は、第2折曲線L2を介して底壁10の流れ方向の両端部に連設されている。第2側壁12は略長方形状に形成されており、その流れ方向の寸法(延出寸法)は第1側壁11の延出寸法と略同一である。
【0020】
<内折返し壁>
一対の内フラップの一例としての一対の内折返し壁13は、一対の第1側壁11に連設されている。内折返し壁13は、額縁部20と、内壁部21と、を有している。
【0021】
額縁部20は、第3折曲線L3を介して第1側壁11の段方向の先端(上端)に連設されている。額縁部20は、第1側壁11の側から先端に向かって徐々に幅狭くなる略台形状に形成されている。額縁部20の段方向の寸法(延出寸法)は、段ボールシート2枚分程度の厚さ程度に設定されている。内壁部21は、第4折曲線L4を介して額縁部20の段方向の先端に連設されている。内壁部21は、第1側壁11と略同一となる(正確には僅かに小さい)略長方形状に形成されている。内壁部21の先端(下端)には、底壁10の2つの係合穴10Aに対応する位置に2つの係合突起部21Aが突設されている。
【0022】
(差込穴)
一対の額縁部20には、一対の第1側壁11との境界線(第1の境界線)としての一対の第3折曲線L3に沿って二対の差込穴22が開口している。各々の額縁部20に開口した2つの差込穴22は、流れ方向の両端側(2つの係合穴10A(2つの係合突起部21A)よりも流れ方向の両外側)に形成されている。各々の差込穴22は、正確には、額縁部20から第1側壁11にかけて穿設されている。各々の差込穴22は、額縁部20を分断する長方形部分と、長方形部分に連続して第1側壁11に開口する三角形部分と、を有し、全体として略五角形状に形成されている。
【0023】
<外折込片、内折込片>
二対の外折込片14は、第5折曲線L5を介して一対の第1側壁11の流れ方向の両端に連設されている。外折込片14は略長方形に形成されており、その流れ方向の寸法(延出寸法)は底壁10の段方向の寸法の半分よりも若干短く設定されている。二対の内折込片15は、第6折曲線L6を介して一対の内壁部21の流れ方向の両端に連設されている。内折込片15は略長方形に形成されており、その流れ方向の寸法(延出寸法)は底壁10の段方向の寸法の半分よりも長く設定されている。各々の内折込片15の先端側には、略三角形状の噛合溝15Aが切り欠かれている。流れ方向の一方(図2で上方)に配置された一対の内折込片15では、噛合溝15Aが段方向の一端から他方(図2で右方から左方)に切り込まれ、流れ方向の一方(図2で下方)に配置された一対の内折込片15では、噛合溝15Aが段方向の他端から一方(図2で左方から右方)に切り込まれている。
【0024】
<桟壁>
一対の外フラップの一例としての一対の桟壁16は、第7折曲線L7を介して一対の第2側壁12の先端(上端)に連設されている。桟壁16は略長方形状に形成されており、その流れ方向の寸法(延出寸法)は第2側壁12の延出寸法と略同一である。一対の桟壁16には、一対の第2側壁12との境界線(第2の境界線)としての一対の第7折曲線L7に沿う方向(段方向)に延びる一対の補助折線L8が形成されている。補助折線L8は、桟壁16の流れ方向の略中央で第7折曲線L7と略平行に形成されている。
【0025】
<差込片>
二対の差込片17は、差込折線L9を介して一対の桟壁16の段方向の両端(両側端)に連設されている。差込片17は、桟壁16から段方向の外側に離れるに従ってブランク1Aの流れ方向の中央に向かって湾曲する勾玉状(シャークフィン状)に形成されている。上記した補助折線L8は、一対の差込折線L9の第2側壁12の側となる基端同士を結ぶように形成されている。つまり、差込片17は、補助折線L8から桟壁16の自由端までの範囲において桟壁16の両側端に連設されている。
【0026】
図3に示すように、差込片17と桟壁16との境界線(第3の境界線)としての差込折線L9(長さS1)は、第3折曲線L3(第1の境界線)に沿った差込穴22の全長S0と僅かに短い寸法に形成されている(S0<S1)。差込折線L9の長さS1は差込片17の付け根部分の寸法であり、上記のような長さに設定することで差込片17の付け根部分が差込穴22に無理なく嵌り込む。なお、一例として、差込穴22の全長S0は47mm、差込折線L9の長さS1は45mmとされている。また、差込折線L9(長さS1)は、差込穴22の全長S0と同一の寸法に形成されてもよい。
【0027】
差込片17は、桟壁16の(流れ方向の)自由端側に向かって突出する先端凸部23と、先端凸部23の反対側となる桟壁16の基端側に向かって突出する基端凸部24と、を有している。先端凸部23の流れ方向の先端は、桟壁16の流れ方向の先端よりも外側に突き出している。差込片17は、先端凸部23から段方向の先端に向かって膨らむように湾曲する円弧部25を有している。また、差込片17は、先端凸部23の反対側となる桟壁16の流れ方向の基端側を抉り取って窪ませた干渉回避部26を有している。
【0028】
差込片17は、先端凸部23(突出量S2)を有することで差込穴22の全長S0よりも長い寸法に形成されている(S0<S1+S2)。また、差込片17は、基端凸部24(突出量S3)を有することで、更に差込穴22の全長S0よりも長い寸法に形成されている(S0<S1+S2+S3)。なお、両凸部23,24は、差込折線L9の両端よりも流れ方向の外側に突き出した部分であり、両凸部23,24の突出量S2,S3とは、差込折線L9の両端から両凸部23,24の先端までの長さを指す(図3参照)。
【0029】
基端凸部24(突出量S3)は、先端凸部23(突出量S2)よりも小さな突出量とされている(S3<S2)。差込折線L9(第3の境界線)と基端凸部24とを合わせた長さ(S1+S3)は、差込穴22の全長S0よりも僅かに長く設定されている(S0<S1+S3)。なお、一例として、先端凸部23の突出量S2は10mm、基端凸部24の突出量S3は3mmとなっている。また、差込折線L9(第3の境界線)と基端凸部24とを合わせた長さ(S1+S3)は、差込穴22の全長S0と同一であってもよい。
【0030】
なお、第1~第5折曲線L1~L5、第7折曲線L7および差込折線L9は、段ボールシートを裏ライナ9Cから直線状に凹ませた汎用罫線である。また、第6折曲線L6は、段ボールシートを表ライナ9Bから直線状に凹ませた逆罫線である。また、補助折線L8は、汎用罫線上にミシン目を形成したリード罫である。汎用罫線やリード罫は、裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(正折りする)機能を有し、逆罫線は、表ライナ9Bを内側に向けるように段ボールシートを折り曲げる(逆折りする)機能を有している。なお、第1~第7折曲線L1~L7、補助折線L8および差込折線L9は、汎用罫線、逆罫線、リード罫に限らず、段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0031】
[包装容器の組立]
次に、図1図4ないし図6を参照して、包装容器1の組立手順について説明する。図4は包装容器1の組立手順を説明する斜視図である。図5は差込片17を差込穴22に差し込む過程を説明する斜視図である。図6は差込片17を差込穴22に差し込む過程を段階的に示す正面図である。なお、包装容器1は、裏ライナ9Cを上方に向けたブランク1Aを適宜折り曲げることで組み立てられる。ここでは、一例として、作業者が包装容器1を組み立てる場合について説明する。
【0032】
図4に示すように、作業者は、第1側壁11を第1折曲線L1に沿って上方に折り曲げ、額縁部20を第3折曲線L3に沿って内側に折り曲げ、内壁部21を第4折曲線L4に沿って下方に折り曲げる。この状態で、第1側壁11は底壁10に対して立設され、額縁部20は第1側壁11の上端から(周壁1Wの)内側に延設され、内壁部21は額縁部20の先端から底壁10に向けて延設されている。また、内壁部21は第1側壁11に対向し、内折込片15は外折込片14に対向する(重なる)。
【0033】
作業者は、互いに重なり合った外折込片14と内折込片15とを内向きに折り曲げる。詳細には、外折込片14が第5折曲線L5に沿って正折りされ、内折込片15が第6折曲線L6に沿って逆折りされる。そして、作業者は、前後一対の内折込片15の先端側を交差させながら一対の噛合溝15Aを噛み合わせて連結する。また、作業者は、内壁部21の係合突起部21Aを底壁10の係合穴10Aに嵌合させる。この状態で、第1側壁11と内壁部21とは底壁10の前後方向の端部に立設した二重壁となり、外折込片14と内折込片15とは底壁10の左右方向の端部に立設した二重壁となる。
【0034】
続いて、図5に示すように、作業者は、第2側壁12を第2折曲線L2に沿って上方に折り曲げる。第2側壁12は、底壁10に対して立設され、前後一対の外折込片14に対向する(重なる)。この状態で、一対の第1側壁11と一対の第2側壁12とが周方向に交互に配置されて周壁1Wを構成する。
【0035】
次に、作業者は、桟壁16を補助折線L8に沿って軽く正折り(山折り)しつつ第7折曲線L7に沿って周壁1Wの内側に折り曲げ(正折りし)、その桟壁16の前後一対の差込片17を差込折線L9に沿って折り曲げて(正折りして)一対の額縁部20の差込穴22に差し込む。この際、作業者は、一対の差込片17の先端側(下側)を、一対の第1側壁11に開口した三角形部分に進入させ、内壁部21に接触させながら差し込みを進行させるとよい。この状態で、差込片17の先端側(下側)は差込穴22に差し込まれているが、先端凸部23や基端凸部24は差込穴22の外側に配置されている(差込穴22に差し込まれていない(図6の上段を参照))。
【0036】
図6の中段に示すように、作業者は、桟壁16を第7折曲線L7と補助折線L8とで更に折り曲げ、差込片17を左右方向の中央に向かって下傾する姿勢とし、先端凸部23を差込穴22に差し込む。この状態で、干渉回避部26の上側部は差込穴22の縁部に押し当てられ、基端凸部24は差込穴22の外側に配置されている(差込穴22に差し込まれていない)。
【0037】
作業者は、補助折線L8で屈曲した桟壁16を伸ばしながら額縁部20に積層する。この際、差込片17は、左右方向の中央に向かってスライドし、且つ補助折線L8を支点に回動しながら差込穴22に差し込まれる(図6の中段に示す太矢印を参照)。すると、図6の下段に示すように、先端凸部23は、差込穴22よりも左右方向の中央側(図6の左側(桟壁16の自由端側))に位置する額縁部20の裏側に潜り込む。基端凸部24は、差込穴22の縁部(額縁部20)に押し当てられながら差込穴22に進入し、差込穴22よりも左右方向の外側(図6の右側(桟壁16の基端側))に位置する額縁部20の裏側に潜り込む(図6の下段に示す太矢印を参照)。以上のように、先端凸部23と基端凸部24とが差込穴22の左右両縁部(額縁部20)に接触可能に配置される(図6の下段を参照)。このため、差込穴22から差込片17の引き抜きが規制され、桟壁16が略水平な姿勢で額縁部20に積層された状態に保持される。額縁部20に積層された一対の桟壁16の先端同士は、上面開口部1Uを挟んで離間している(図1参照)。
【0038】
以上によって、包装容器1が組み立てられる(図1参照)。作業者は、組み立てた包装容器1の底壁10の上に物品を載置する。
【0039】
以上説明した第1実施形態に係る包装容器1では、額縁部20が周壁1Wの内側に折り曲げられた後、桟壁16が周壁1Wの内側に折り曲げられ且つ補助折線L8で正折りされ、差込片17の一部が差込穴22に差し込まれ、続いて、補助折線L8で屈曲した桟壁16が伸ばされながら額縁部20に積層されることで、差込片17は、補助折線L8を支点として回動しながら差込穴22に差し込まれ、先端凸部23を差込穴22よりも桟壁16の自由端側に位置する額縁部20の裏側に潜り込ませる構成とした。この構成によれば、差込片17が差込穴22の全長S0よりも長い寸法に形成されていたとしても、差込片17を差込穴22の縁部(額縁部20)に強く干渉させることなく、円滑に差込穴22に差し込むことができる。これにより、差込穴22の縁部(額縁部20)の損傷を予防することができる。また、差込片17が差込穴22に差し込まれた状態で、先端凸部23が額縁部20の下側に配置されるため、差込片17を上方に引き抜こうとしても、先端凸部23が額縁部20の裏面(裏ライナ9C)に当接し、差込片17の引き抜きを規制することができる。以上のように、差込片17を差込穴22に差し込みやすく抜け難くすることができる。
【0040】
また、第1実施形態に係る包装容器1では、補助折線L8で屈曲した桟壁16が伸ばされながら額縁部20に積層されることで、差込片17は、補助折線L8を支点として回動しながら差込穴22に差し込まれ、基端凸部24を差込穴22よりも桟壁16の基端側に位置する額縁部20の裏側に潜り込ませる構成とした。この構成によれば、差込片17が差込穴22に差し込まれた状態で、先端凸部23に加えて基端凸部24も額縁部20の下側に配置されるため、差込片17の引き抜き規制を更に強くすることができる。また、基端凸部24の突出量S3が先端凸部23の突出量S2よりも小さく、差込折線L9(第3の境界線)と基端凸部24とを合わせた長さ(S1+S3)が差込穴22の全長S0よりも僅かに長いだけであるため、差込穴22への差込片17の差し込み時において、基端凸部24による差込穴22の縁部の損傷を最小限に抑えることができる。
【0041】
また、第1実施形態に係る包装容器1によれば、差込片17の角部には大きく窪んだ干渉回避部26が形成されているため、差込片17を回動させながら差込穴22に差し込む際において、差込穴22の縁部に対する基端凸部24の干渉を緩和することができる。これにより、差込片17を円滑に差込穴22に差し込むことができ、差込穴22の縁部の損傷を抑制することができる。
【0042】
なお、第1実施形態に係る包装容器1では、二対の差込穴22が一対の額縁部20等の左右両側に開口していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、一対の額縁部20には各1つの差込穴22が開口していればよく、これに対応して、1つの第2側壁12のみに1つの桟壁16が連設されてもよい(図示せず)。また、差込穴22は、額縁部20から第1側壁11にかけて開口していたが、これに限らず、額縁部20のみに開口していてもよい(図示せず)。
【0043】
また、第1実施形態に係る包装容器1では、内折返し壁13が額縁部20と内壁部21とを有していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、内壁部21が省略され、内折返し壁13が額縁部20(内フラップ)のみで構成されてもよい(図示せず)。この場合、額縁部20は、包装容器1の左右方向全体にわたって設けられる必要はなく、例えば、差込穴22が開口した額縁部20は、桟壁16が積層される範囲にのみ設けられていればよい(図示せず)。
【0044】
また、第1実施形態に係る包装容器1では、干渉回避部26が差込片17の一部を略半円形状に抉り取った窪みとされていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、干渉回避部26は、差込片17の基端凸部24の側を斜めに隅切りしたものでもよいし、隅切りと窪みとを組み合わせたものでもよい(図示せず)。また、干渉回避部26は省略されてもよく、差込片17は、干渉回避部26の無い、多角形状に形成されてもよい(図示せず)。
【0045】
また、第1実施形態に係る包装容器1では、外折込片14および内折込片15が設けられていたが、これに限らず、これらのうち少なくとも一方が省略されてもよい(図示せず)。また、内折込片15に噛合溝15Aが切り込まれていたが、噛合溝15Aは省略されてもよい(図示せず)。
【0046】
[第2実施形態]
次に、図7および図8を参照して、第2実施形態に係る包装容器2について説明する。図7は包装容器2を示す斜視図である。図8は包装容器2のブランク2Aを示す平面図である。なお、以下、説明の便宜上、主に、第1実施形態に係る包装容器1と同一または対応する構成には同一の符号を付し、包装容器1と同一または対応する説明は省略する。
【0047】
包装容器2は、底壁10(後述する図9参照)の周縁に周壁2Wを立設させ、周壁2Wの上面開口部2U(後述する図9参照)を一対の外フラップ31,32で閉塞して略直方体状に形成されている(図7参照)。包装容器2は、例えば、郵便箱に投函することができる厚さに形成された所謂ポストイン・ボックスである。包装容器2は、図8に示すブランク2Aを組み立てることで形成されている。
【0048】
[ブランク]
図8に示すように、ブランク2Aは、底壁10と、一対の第1側壁11と、一対の第2側壁12と、二対の外折込片14と、一対の内フラップ30と、前外フラップ31と、後外フラップ32と、一対の仮止め片33と、一対の差込片34と、を備えている。なお、図8において、一対の第1側壁11、一対の内フラップ30、一対の仮止め片33および一対の差込片34は、それぞれ左右対称となる形状であり、一対の第2側壁12は、上下対称となる形状であるため、本明細書では、主に、1つの部位について説明する。また、二対の外折込片14についても、適宜1つの外折込片14について説明する。
【0049】
一対の第1側壁11は、第1折曲線L1を介して底壁10の流れ方向の両端部に連設され、一対の第2側壁12は、第2折曲線L2を介して底壁10の段方向の両端部に連設されている。第1側壁11および第2側壁12はそれぞれ略長方形状に形成されており、それらの延出寸法(高さ)は郵便箱に投函することができる程度(例えば50mm未満)に設定されている。二対の外折込片14は、第5折曲線L5を介して一対の第1側壁11の段方向の両端に連設されている。外折込片14は略長方形に形成されており、その段方向の寸法(延出寸法)は第2側壁12の延出寸法と略同一である。なお、第2実施形態では、底壁10に係合穴10Aは形成されていない。
【0050】
<内フラップ>
一対の内フラップ30は、第3折曲線L3を介して一対の第1側壁11の流れ方向の先端(上端)に連設されている。内フラップ30は略長方形状に形成されており、その流れ方向の寸法(延出寸法)は第1側壁11の延出寸法の半分程度に設定されている。一対の内フラップ30には、一対の第3折曲線L3に沿って一対の仮止め穴35および一対の差込穴42が開口している。
【0051】
(仮止め穴)
仮止め穴35は、内フラップ30の前方(前外フラップ31の側)において、内フラップ30から第1側壁11にかけて穿設されている。仮止め穴35は、第1側壁11の側を湾曲させた略半円状に形成されている。一対の仮止め穴35は、後方から前方に向かって互いに接近するように傾斜している。
【0052】
(差込穴)
差込穴42は、内フラップ30の段方向の中央よりも若干後方(後外フラップ32の側)において、第3折曲線L3よりも僅かに流れ方向の外側にずれた位置に穿設されている。差込穴42は段方向に細長い略四角形状に形成され、差込穴42の段方向の両縁から第3折曲線L3までの間には一対の切目42Aが形成されている。一対の切目42Aの間には、第1側壁11から差込穴42を狭めるよう突き出した凸部42Bが設けられている。なお、凸部42Bには第3折曲線L3は形成されていない。
【0053】
<前外フラップ、後外フラップ>
前外フラップ31は、第7折曲線L7を介して一方(前方)の第2側壁12の先端(上端)に連設されている。後外フラップ32は、第7折曲線L7を介して他方(後方)の第2側壁12の先端(上端)に連設されている。前外フラップ31は、第2側壁12と略同一となる略長方形状に形成されている。後外フラップ32は、前外フラップ31よりも段方向に長い略長方形状に形成されている。前外フラップ31と後外フラップ32とを合わせた段方向の寸法は、底壁10の段方向の寸法よりも長く設定されている。後外フラップ32の段方向の中間あたりには、第7折曲線L7に沿う方向(流れ方向)に延びる補助折線L8が形成されている。また、後外フラップ32の段方向の基端部には、第7折曲線L7に沿って延びる開封帯36が一対のジッパー37によって区画されている。なお、後外フラップ32の基端側のジッパー37は、第7折曲線L7上に形成されている。
【0054】
<仮止め片>
一対の仮止め片33は、仮止め折線L10(汎用罫線)を介して前外フラップ31の流れ方向の両端に連設されている。仮止め折線L10(長さS5)は、仮止め穴35の全長S4(第3折曲線L3と平行な長さ)よりも短い寸法に形成されている(S5<S4)。仮止め片33は、前外フラップ31の(段方向の)自由端側に向かって突出する仮止め凸部38(突出量S6)を有している。仮止め凸部38の段方向の先端は、前外フラップ31の自由端と略一致している。また、仮止め片33の段方向の先端側は湾曲し、基端側は斜めに隅切りされている。なお、一例として、仮止め穴35の全長S4は40.5mm、仮止め折線L10の長さS5は35mm、仮止め凸部38の突出量S6は7mmとされている。したがって、仮止め片33全体の長さ(S5+S6)は、仮止め穴35の全長S4よりも長くなるが、仮止め穴35は斜めに形成されているため、斜め方向の最長寸法は仮止め片33全体の長さ(S5+S6)と略同一となる。
【0055】
<差込片>
一対の差込片34は、差込折線L9を介して後外フラップ32の流れ方向の両端(両側端)に連設されている。差込片34は、後外フラップ32の段方向の中間に接続され、後外フラップ32から流れ方向の外側に離れるに従って段方向に幅狭くなる略台形状に形成されている。第2実施形態では、差込折線L9(第3の境界線)の長さS11(=35mm)が差込穴42の全長S10(35mm)と同一に設定されている(S10=S11)が、これに限らず、差込穴42の全長S10よりも僅かに短く設定されてもよい(S10>S11)。
【0056】
差込片34は、後外フラップ32の(段方向の)自由端側に向かって突出する先端凸部43を有している。差込片34の段方向の先端側の角部は、丸められた円弧部45とされている。なお、差込片34では、基端凸部24が省略されている。また、差込片34の段方向の基端側の角部が斜めに隅切りされることで、干渉回避部46が形成されている。
【0057】
差込片34は、先端凸部43(突出量S12)を有することで差込穴42の全長S10よりも長い寸法に形成されている(S10<S11+S12)。なお、一例として、先端凸部43の突出量S12は5mmとなっている。
【0058】
[包装容器の組立]
次に、図7図9ないし図11を参照して、包装容器2の組立手順について説明する。
図9は包装容器2の組立手順を説明する斜視図である。図10は差込片34を差込穴42に差し込む過程を説明する斜視図である。図11は差込片34を差込穴42に差し込む過程を段階的に示す側面図である。なお、包装容器2は、裏ライナ9Cを上方に向けたブランク2Aを適宜折り曲げることで組み立てられる。ここでは、一例として、作業者が包装容器2を組み立てる場合について説明する。
【0059】
図9に示すように、作業者は、第1側壁11を第1折曲線L1に沿って上方に折り曲げ、内フラップ30を第3折曲線L3に沿って内側に折り曲げる。続いて、作業者は、前方の外折込片14を第5折曲線L5に沿って内向きに折り曲げた後、前方の第2側壁12を第2折曲線L2に沿って上方に折り曲げ、前外フラップ31を第7折曲線L7に沿って後方に折り曲げながら、仮止め折線L10に沿って折り曲げた一対の仮止め片33を一対の仮止め穴35に差し込む。この際、作業者は、一対の仮止め片33の仮止め凸部38を互いに内側に撓ませながら、仮止め穴35の傾斜した一辺に沿って仮止め片33を差し込むとよい。この状態で、一対の第1側壁11および前方の第2側壁12は底壁10に対して立設され、一対の内フラップ30は第1側壁11の上端から内側に延設され、前外フラップ31は一対の内フラップ30に積層されている。前外フラップ31は、仮止め穴35に差し込まれた仮止め片33によって仮固定されている。なお、内フラップ30を折り曲げると、相対的に凸部42Bが内フラップ30から上方に突出する。
【0060】
次に、作業者は、組み立てた包装容器2の底壁10の上に物品を載置した後、後方の外折込片14を第5折曲線L5に沿って内向きに折り曲げ、後方の第2側壁12を第2折曲線L2に沿って上方に折り曲げる(図10も参照)。一対の第1側壁11と一対の第2側壁12とが周方向に交互に配置されて周壁2Wを構成する。続いて、図10に示すように、作業者は、後外フラップ32を補助折線L8に沿って正折りしつつ第7折曲線L7に沿って前方に折り曲げ、差込折線L9に沿って折り曲げた一対の差込片34を一対の差込穴42に差し込む。この状態で、差込片34の下側は差込穴42に差し込まれているが、先端凸部43は差込穴42の外側に配置されている(図11の上段を参照)。
【0061】
図11の中段に示すように、作業者は、後外フラップ32の先端部を前外フラップ31上に押し付けて、後外フラップ32の先端側(差込片34よりも先端側)を撓ませながら、差込片34を前方に向かって下傾する姿勢とし、先端凸部43を差込穴42に差し込む。次に、図11の下段に示すように、作業者は、補助折線L8で屈曲した後外フラップ32を伸ばしながら内フラップ30に積層する。この際、差込片34は、前方にスライドし、且つ補助折線L8を支点に回動しながら差込穴42に差し込まれ、先端凸部43は、差込穴42よりも前方に位置する内フラップ30の裏側に潜り込む(図11の中段および下段に示す太矢印を参照)。この状態で、一対の内フラップ30、前外フラップ31(一対の前記外フラップのいずれか他方)、後外フラップ32(一対の前記外フラップのいずれか一方)が、この順に周壁2Wの内側に折り曲げられ、後外フラップ32の先端側が、前外フラップ31の先端側に積層される(図11の下段を参照)。内フラップ30に積層された一対の外フラップ31,32の先端側は、互いに重なり合って、周壁2Wの上面開口部2U(図9参照)を閉塞する(図7参照)。
【0062】
以上によって、包装容器2が組み立てられる(封緘される(図7参照))。なお、一対の外フラップ31,32に亘って配送伝票や粘着テープ等(図示せず)が貼付されてもよい。また、封緘された包装容器2を開封する場合、開封帯36を一対のジッパー37に沿って切断し、後外フラップ32を第2側壁12から分断するとよい(図示せず)。
【0063】
以上説明した第2実施形態に係る包装容器2によれば、差込片34を差込穴42に差し込みやすく抜け難くすることができる等、第1実施形態に係る包装容器1と同様の効果を得ることができる。
【0064】
なお、第2実施形態に係る包装容器2では、一対の仮止め片33が前外フラップ31に連設されていたが、一対の仮止め片33に代えて、一対の差込片34が前外フラップ31に連設されてもよい(図示せず)。この場合、前後二対の差込片34に対応するように、一対の内フラップ30に二対の差込穴42が穿設されるとよい(図示せず)。また、他にも、前外フラップ31が省略されてもよい(図示せず)。この場合、後外フラップ32が、周壁2Wの上面開口部2Uの略全部を閉塞するような大きさに形成されてもよい(図示せず)。
【0065】
また、第2実施形態に係る包装容器2では、干渉回避部46が差込片17の基端凸部24の側を斜めに隅切りされたものであったが、第1実施形態と同様に、差込片17の一部を略半円形状に抉り取った窪みとされてもよいし、隅切りと窪みとを組み合わせたものでもよい(図示せず)。また、干渉回避部46は省略されてもよい(図示せず)。
【0066】
また、第2実施形態に係る包装容器2では、封緘した状態で、後外フラップ32の先端側が前外フラップ31の先端側に積層されていたが、これに限らず、例えば、両外フラップ31,32の先端同士が突き合わされてもよい(図示せず)。また、後外フラップ32には、一対のジッパー37(開封帯36)が形成されていたが、これに限らず、ジッパー37は、1本であってもよいし、省略されてもよい(図示せず)。
【0067】
[第3実施形態]
次に、図12ないし図14を参照して、第3実施形態に係る包装容器2について説明する。図12は包装容器3を示す斜視図である。図13は包装容器3のブランク3Aを示す平面図である。図14は包装容器3のブランク3Aの一部を拡大して示す平面図である。なお、以下、説明の便宜上、主に、第1実施形態に係る包装容器1と同一または対応する構成には同一の符号を付し、包装容器1と同一または対応する説明は省略する。
【0068】
図12に示すように、包装容器3は、角筒状の周壁3Wの上下両端面を閉塞して略直方体状に形成されている。包装容器3は、図13に示すブランク3A(両面段ボールシート製)を組み立てることで形成されている。
【0069】
[ブランク]
図13に示すように、ブランク3Aは、一対の第1側壁51と、一対の第2側壁52と、一対の第1底壁53と、一対の第2底壁54と、一対の内フラップ55と、前外フラップ56と、後外フラップ57と、一対の差込片58と、を備えている。なお、一対の第1側壁51は略同一形状であるため、本明細書では、主に、1つの第1側壁51について説明する。これと同様の理由で、1つの第2側壁52、1つの第1底壁53および1つの第2底壁54について説明する。また、図13において、一対の差込片58は左右対称となる形状であるため、本明細書では、主に、1つの差込片34について説明する。
【0070】
<第1側壁、第2側壁>
一対の第1側壁51と一対の第2側壁52とは、縦折曲線L11を介して流れ方向に交互に連設されている。第1側壁51と第2側壁52とは、略長方形状に形成されている。詳細には、第2側壁52は、第1側壁51よりも流れ方向に長い略長方形状に形成されている。第2側壁52の流れ方向の自由端には、縦折曲線L11を介して継代片59が連設されている。
【0071】
<第1底壁>
第1底壁53は、下横折曲線L12を介して第1側壁51の段方向の一端(下端)に連設されている。第1底壁53は基端から先端に向かって徐々に先細る略台形状に形成されている。第1底壁53の段方向の寸法(延出寸法)は、第1側壁51の流れ方向の寸法の約半分に設定されている。
【0072】
<第2底壁>
第2底壁54は、下横折曲線L12を介して第2側壁52の段方向の一端に連設されている。第2底壁54は概ね長方形状に形成され、第2底壁54の段方向の寸法(延出寸法)は第1底壁53の延出寸法よりも長く設定されている。第2底壁54の先端側には、噛合凹部54Aが略台形状に切り欠かれている。第2底壁54には、噛合凹部54Aから第2底壁54の角部に向かって傾斜折線L14が斜めに形成され、傾斜折線L14によって略三角形状の底接着部54Bが区画されている。
【0073】
<内フラップ>
一対の内フラップ55は、上横折曲線L13を介して一対の第1側壁51の段方向の他端(上端)に連設されている。内フラップ55は概ね長方形状に形成され、内フラップ55の段方向の寸法(延出寸法)は第2底壁54の延出寸法と略同等とされている。一対の内フラップ55には、一対の上横折曲線L13に沿って一対の差込穴62が開口している。
【0074】
(差込穴)
差込穴62は、内フラップ55の流れ方向の略中央において、上横折曲線L13よりも僅かに内フラップ30の側にずれた位置に穿設されている。図14に示すように、差込穴62は流れ方向に細長い略四角形状に形成され、差込穴62の流れ方向の両縁から上横折曲線L13までの間には一対の切目62Aが形成されている。一対の切目62Aの間には、第1側壁51から差込穴62を狭めるよう突き出した凸部62Bが設けられている。なお、凸部62Bには第3折曲線L3は形成されておらず、凸部62B(差込穴62)の近傍の上横折曲線L13は、他の部分の上横折曲線L13よりも僅かに第1側壁51側(下方)にずれている。
【0075】
<第1外フラップ、第2外フラップ>
図13に示すように、前外フラップ56は、上横折曲線L13を介して一方の第2側壁52(継代片59が連設された第2側壁52)の段方向の他端に連設されている。後外フラップ57は、上横折曲線L13を介して他方の第2側壁52(一対の第1側壁51の間に挟まれた第2側壁52)の段方向の他端に連設されている。前外フラップ56および後外フラップ57は概ね長方形状に形成され、前外フラップ56の段方向の寸法(延出寸法)は、内フラップ55の延出寸法と略同等とされている。前外フラップ56の流れ方向の両側かつ段方向の先端側には、前外フラップ56を一対の内フラップ55に積層したときに差込穴62を露出させる一対の欠損部56Aが切り欠かれている。後外フラップ57の段方向の先端側には流れ方向に延びる補助折線L8が形成され、後外フラップ57の段方向の基端側には流れ方向に延びる開封帯40が一対のジッパー41によって区画されている。なお、後外フラップ57を補助折線L8や上横折曲線L13で折り曲げる際に、後外フラップ57がジッパー41で折れ曲がることを抑制するため、ジッパー41は波形状に形成されている。
【0076】
<差込片>
一対の差込片58は、差込折線L9を介して後外フラップ57の流れ方向の両端(両側端)に連設されている。一対の差込片58は、後外フラップ57の段方向の先端側に接続され、一対の内フラップ55に食い込むように延出している。つまり、内フラップ55の先端角部は、差込片58に対応するように切り欠かれている。差込片58は、第1実施形態の差込片17に近似した形状に形成されている。なお、第3実施形態では、差込穴42の全長S0および差込折線L9(第3の境界線)の長さS1は、第1実施形態と同一である(図14参照)。
【0077】
図14に示すように、差込片58は、後外フラップ57の(段方向の)自由端側に向かって突出する先端凸部63と、先端凸部63の反対側となる後外フラップ57の基端側に向かって突出する基端凸部64と、を有している。差込片58は、先端凸部63から流れ方向の先端に向かって膨らむように湾曲する円弧部65と、基端凸部64の近傍を抉り取って窪ませると共に流れ方向の先端側を斜めに隅切りした干渉回避部66と、を有している。
【0078】
差込片58は、先端凸部63(突出量S2)を有することで差込穴62の全長S0よりも長い寸法に形成されている(S0<S1+S2)。また、差込片58は、基端凸部64(突出量S3)を有することで、更に差込穴22の全長S0よりも長い寸法に形成されている(S0<S1+S2+S3)。基端凸部64は、先端凸部63よりも小さな突出量とされている(S3<S2)。差込折線L9と基端凸部64とを合わせた長さ(S1+S3)は、差込穴62の全長S0と同一とされている(S0=S1+S3)。なお、第3実施形態では、先端凸部63の突出量S2は第1実施形態と同一であり、基端凸部64の突出量S3は2mmとなっている。
【0079】
なお、縦折曲線L11、下横折曲線L12および上横折曲線L13は、汎用罫線であり、傾斜折線L14は逆罫線であるが、これらに限らず、段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0080】
[包装容器の組立]
次に、図12図15ないし図17を参照して、包装容器3の組立手順について説明する。図15は包装容器3の組立手順を説明する斜視図である。図16は包装容器3の差込片58を差込穴62に差し込む過程を説明する斜視図である。図17は包装容器3の差込片58を差込穴62に差し込む過程を段階的に示す側面図である。ここでは、作業者が手作業で包装容器1を組み立てる場合の一例について説明する。
【0081】
まず、包装容器3の組み立て前の初期状態について説明する。第1底壁53および第2底壁54は下横折曲線L12に沿って裏面側に折り返され、第2底壁54の底接着部54Bは傾斜折線L14で逆折りされる。ブランク1Aの流れ方向の両外側に位置する第1側壁51と第2側壁52とが縦折曲線L11で折り曲げられ、継代片59が反対側の第1側壁51の裏面(裏ライナ9C)に接着され、底接着部54Bが第1底壁53の表面(表ライナ9B)に接着される。これにより、包装容器3は二重に折り畳まれた初期状態になる(図示せず)。
【0082】
作業者は折り畳まれた包装容器3を組み立てる。具体的には、作業者は、一対の第1側壁51および一対の第2側壁52を縦折曲線L11に沿って略直角に折り曲げる(正折りする)。一対の第1側壁51と一対の第2側壁52とが周方向に交互に連設され、角筒状の周壁3Wが形成される(図15参照)。包装容器3の底壁は、周壁3Wの形成に伴って自動的に形成される所謂ワンタッチ底である。すなわち、周壁3Wの形成に伴って、内側に折り返された第1底壁53と第2底壁54とが、逆折りされた底接着部54Bを伸ばしながら下方に押し出される(図示せず)。一対の第2底壁54は、押し出される過程で互いの噛合凹部54Aに入り込んで噛み合わされる(図示せず)。一対の第1底壁53と一対の第2底壁54によって包装容器3の底壁が形成され、底壁の周縁に周壁3Wが立設される(図示せず)。
【0083】
作業者は、物品(図示せず)を周壁3Wの内部に収容した後、一対の内フラップ55、前外フラップ56の順に上横折曲線L13に沿って周壁3Wの内側に折り曲げる(図15参照)。差込穴62の近傍の上横折曲線L13は僅かに下方にずれているため、内フラップ55を折り曲げると、差込穴62の近傍の第1側壁51が僅かに外側に膨出する。また、内フラップ55を折り曲げると、相対的に凸部62Bが内フラップ55から上方に突出する。前外フラップ56は一対の内フラップ55に積層され、差込穴62や凸部62Bは前外フラップ56の欠損部56Aにおいて露出する。
【0084】
図16および図17の上段に示すように、作業者は、後外フラップ57を補助折線L8に沿って軽く正折りしつつ後外フラップ57を上横折曲線L13に沿って周壁3Wの内側に折り曲げ、差込折線L9に沿って折り曲げた一対の差込片58を一対の差込穴62に差し込む。図17の中段および下段に示すように、作業者は、差込片58を前方に向かって下傾する姿勢とし、先端凸部63を差込穴62に差し込み、補助折線L8で屈曲した後外フラップ57を伸ばしながら内フラップ55に積層する。差込片58は、前方にスライドし、且つ補助折線L8を支点に回動しながら差込穴62に差し込まれ(図17の中段および下段に示す太矢印を参照)、先端凸部63および基端凸部64は、差込穴42の前後両側となる内フラップ30の裏側に潜り込む(図17の下段を参照)。内フラップ55に積層された一対の外フラップ56,57の先端側は、互いに重なり合って、周壁3Wの上面開口部3U(図15参照)を閉塞する(図12参照)。
【0085】
以上によって、包装容器3が組み立てられる(封緘される(図12参照))。なお、一対の外フラップ56,57に亘って配送伝票や粘着テープ等(図示せず)が貼付されてもよい。また、封緘された包装容器3を開封する場合、開封帯40を一対のジッパー41に沿って切断し、後外フラップ57を二分割にするとよい(図示せず)。
【0086】
以上説明した第3実施形態に係る包装容器3によれば、差込片34を差込穴42に差し込みやすく抜け難くすることができる等、第1実施形態に係る包装容器1と同様の効果を得ることができる。
【0087】
なお、第3実施形態に係る包装容器3では、一対の差込片58が後外フラップ57のみに設けられていたが、これに限らず、例えば、二対の差込片58が両外フラップ56,57の両方に設けられてもよい(図示せず)。この場合、二対の差込片58に対応するように、一対の内フラップ55に二対の差込穴62が穿設されるとよい(図示せず)。また、他にも、前外フラップ56が省略されてもよい(図示せず)。この場合、後外フラップ57が、周壁3Wの上面開口部3Uの略全部を閉塞するような大きさに形成されてもよい(図示せず)。
【0088】
また、第3実施形態に係る包装容器3では、干渉回避部66が差込片58の一部を略半円形状に抉り取った窪みと隅切りとを組み合わせたものであったが、本発明はこれに限定されない。例えば、干渉回避部66は、窪みと隅切りとの位置関係を逆にしてもよいし、隅切りと窪みのいずれか一方のみでもよいし、省略されてもよい(図示せず)。
【0089】
また、第3実施形態に係る包装容器3では、所謂ワンタッチ底であったが、これに限らず、例えば、一対の下内フラップに一対の外フラップを折り重ねて底壁を構成してもよい(図示せず)。また、包装容器3を封緘した状態で、後外フラップ57の先端側が前外フラップ56の先端側に積層されていたが、これに限らず、例えば、両外フラップ56,57の先端同士が突き合わされてもよい(図示せず)。また、後外フラップ57には、一対のジッパー41(開封帯40)が形成されていたが、これに限らず、ジッパー41は、1本であってもよいし、省略されてもよい(図示せず)。
【0090】
なお、第1~第3実施形態に係る包装容器1~3では、補助折線L8が、一対の差込折線L9の基端同士を結ぶように形成されていたが、本発明はこれに限定されない。補助折線L8は、一対の差込折線L9(第3の境界線)の基端同士を結ぶ仮想線(実際には存在しない仮想の線)と第7折曲線L7または上横折曲線L13(第2の境界線)との間の中央よりも仮想線の側に形成されていればよい。この構成によれば、桟壁16、後外フラップ32および後外フラップ57を補助折線L8に山折りしつつ、差込片17,34,58を差込穴22,42,62に差し込み易くすることができ、補助折線L8で屈曲した桟壁16等を伸ばし易くすることが可能になる。
【0091】
また、第1および第3実施形態に係る包装容器1,3では、差込片17,58に基端凸部24,64が突設されていたが、これに限らず、基端凸部24,64は省略されてもよい(図示せず)。また、第2実施形態に係る包装容器2では、差込片34に基端凸部が突設されていなかったが、これに限らず、差込片34に基端凸部が突設されてもよい(図示せず)。
【0092】
また、第1~第3実施形態に係る包装容器1~3の組立手順では、桟壁16や後外フラップ32,57を補助折線L8で正折り(山折り)した後に、差込片17,34,58を差込穴22,42,62に差し込んでいたが、本発明はこれに限定されない。例えば、差込片17,34,58を差込穴22,42,62に差し込んだ後に、桟壁16や後外フラップ32,57を補助折線L8で正折りしてもよい。
【0093】
また、第1~第3実施形態に係る包装容器1~3は、紙製の両面段ボールシートで形成されていたが、これに限らず、片面段ボールシートや複両面段ボールシート、または厚紙、若しくは樹脂製の板(シート)等で形成されていてもよい。
【0094】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る包装容器の一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0095】
1,2,3 包装容器
1U,2U,3U 上面開口部
1W,2W,3W 周壁
10 底壁
11,51 第1側壁
12,52 第2側壁
13 内折返し壁(内フラップ)
16 桟壁(外フラップ)
17,34,58 差込片
20 額縁部
21 内壁部
22,42,62 差込穴
23,43,63 先端凸部
24,64 基端凸部
26,46,66 干渉回避部
30,55 内フラップ
32,57 後外フラップ(外フラップ)
53 第1底壁(底壁)
54 第2底壁(底壁)
L3 第3折曲線(第1の境界線)
L7 第7折曲線(第2の境界線)
L8 補助折線
L9 差込折線(第3の境界線)
L13 上横折曲線(第1の境界線、第2の境界線)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17