(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024382
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240215BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127175
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直彦
(72)【発明者】
【氏名】野原 修平
(72)【発明者】
【氏名】大秋 善幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲平
(72)【発明者】
【氏名】吉川 真史
(72)【発明者】
【氏名】湯川 強
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA26
2C333CA50
2C333CA53
2C333CA75
2C333FA05
2C333FA09
2C333FA19
(57)【要約】
【課題】遊技興趣の低下を抑える遊技機を提供すること。
【解決手段】表示部において、複数の演出図柄を変動表示させた後に、遊技者に有利な有利遊技状態になるか否かの特定判定の結果を示唆する態様で停止表示させることがあり、特定の組み合わせ(左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の演出図柄G10)からなる演出図柄が、有利遊技状態になる可能性があることを示唆する特定態様になる特定演出(リーチ)を実行することがあり、操作部(第5演出操作部55k)を表す操作部画像(第5操作対象画像G45a)と共に、特定の組み合わせからなる演出図柄を前記表示部に出現させ、当該操作部画像、および当該特定の組み合わせからなる演出図柄が所定態様になるか否かを煽る煽り演出(出現煽り演出)を実行することがある。
【選択図】
図71
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部において、複数の演出図柄を変動表示させた後に、遊技者に有利な有利遊技状態になるか否かの特定判定の結果を示唆する態様で停止表示させることがある演出実行手段と、
操作可能な操作部とを備え、
前記演出実行手段は、特定の組み合わせからなる演出図柄が、前記有利遊技状態になる可能性があることを示唆する特定態様になる特定演出を実行することがある遊技機において、
前記演出実行手段は、前記操作部を表す操作部画像と共に、前記特定の組み合わせからなる演出図柄を前記表示部に出現させ、当該操作部画像、および当該特定の組み合わせからなる演出図柄が所定態様になるか否かを煽る煽り演出を実行することがあることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記煽り演出の後に、当該操作部画像、および当該特定の組み合わせからなる演出図柄が前記所定態様になった場合、当該操作部画像の表示による前記操作部の操作を促す操作演出を実行し、
前記操作演出が実行されているときに前記操作部が操作されると、当該特定の組み合わせからなる演出図柄を前記特定態様にさせて前記特定演出を実行することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技機であって、
前記特定の組み合わせには、第1の特定の組み合わせと、前記第1の特定の組み合わせよりも前記有利遊技状態になる可能性が異なることを示唆する第2の特定の組み合わせとがあり、
前記第1特定の組み合わせからなる演出図柄を用いた前記煽り演出が実行される可能性よりも、前記第2特定の組み合わせからなる演出図柄を用いた前記煽り演出が実行される可能性の方が高いことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1または2に記載の遊技機であって、
前記特定の組み合わせには、第1の特定の組み合わせと、前記第1の特定の組み合わせよりも前記有利遊技状態になる可能性が異なることを示唆する第2の特定の組み合わせとがあり、
前記第2特定の組み合わせからなる演出図柄を用いた前記煽り演出が実行されることがあることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、大当たりにするかハズレにするかの大当たり判定を行う。大当たり判定を行うと、特別図柄の変動表示が実行される。特別図柄の変動表示が行われた後には、大当たり判定結果を示す態様で特別図柄の停止表示が行われる。大当たりを示す態様で特別図柄の停止表示が行われると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御されることがある(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の遊技機では、特別図柄の変動表示が行われているときに、演出図柄を変動表示または停止表示する変動演出を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、演出図柄を変動表示または停止表示する遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、
表示部において、複数の演出図柄を変動表示させた後に、遊技者に有利な有利遊技状態になるか否かの特定判定の結果を示唆する態様で停止表示させることがある演出実行手段と、
操作可能な操作部とを備え、
前記演出実行手段は、特定の組み合わせからなる演出図柄が、前記有利遊技状態になる可能性があることを示唆する特定態様になる特定演出を実行することがある遊技機において、
前記演出実行手段は、前記操作部を表す操作部画像と共に、前記特定の組み合わせからなる演出図柄を前記表示部に出現させ、当該操作部画像、および当該特定の組み合わせからなる演出図柄が所定態様になるか否かを煽る煽り演出を実行することがあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技興趣の低下を抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の斜視図である。
【
図3】(A)は盤可動体の待機状態を説明する正面図、(B)は盤可動体の移動状態を説明する正面図、(C)は盤可動体の回転状態を説明する正面図である。
【
図5】本発明の基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機の背面図である。
【
図6】遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図8】(A)は普図関連判定情報を示す表であり、(B)は特図関連判定情報を示す表である。
【
図9】(A)は当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの構成例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの構成例である。
【
図10】(A)は大当たり判定テーブルの構成例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの構成例であり、(C)はリーチ判定テーブルの構成例である。
【
図11】特
図1変動パターン判定テーブルの構成例である。
【
図12】特
図2変動パターン判定テーブルの構成例である。
【
図15】(A)は大当たり遊技制御テーブルの構成例であり、(B)は遊技状態設定テーブルの構成例である。
【
図16】(A)はデモ動画の一例を示す図であり、(B)は設定画面の一例を示す図である。
【
図17】(A)は第1通常用背景画像の一例を示す図であり、(B)は第2通常用背景画像の一例を示す図であり、(C)は第3通常用背景画像の一例を示す図であり、(D)は確変用背景画像の一例を示す図であり、(E)は時短用背景画像の一例を示す図である。
【
図18】(A)は大当たりオープニング演出の一例を示す図であり、(B)はラウンド演出の一例を示す図であり、(C)は大当たりエンディング演出の一例を示す図である。
【
図19】(A)は演出図柄の一例を示す図であり、(B)は演出図柄表示領域の一例を示す図である。
【
図20】リーチ無しハズレの特図変動演出の一例を表す図である。
【
図21】特図変動演出が開始してからリーチになるまでの一例を表す図である。
【
図24】Lリーチの一例を表す図であり、
図23の続きである。
【
図26】SPリーチの一例を表す図であり、
図25の続きである。
【
図27】SPリーチの一例を表す図であり、
図26の続きである。
【
図33】遊技制御メイン処理のフローチャートである。
【
図34】遊技制御側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図36】センサ検知処理のフローチャートであり、
図35の続きを表す図である。
【
図39】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図40】特
図1変動パターン判定処理のフローチャートである。
【
図41】特別図柄変動処理のフローチャートである。
【
図42】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図43】演出制御メイン処理のフローチャートである。
【
図44】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図45】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図46】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図47】受信コマンド解析処理のフローチャートであり、
図46の続きを表す図である。
【
図48】第1実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【
図49】(A)は枠可動体が待機状態のときの上皿付近の斜視図であり、(B)は、枠可動体の作動が完了した状態(作動完了状態)のときの上皿付近の斜視図である。
【
図50】第1実施形態に係る演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図51】(A)は第1操作促進演出画像の具体例を表す図であり、(B)は第2操作促進演出画像の具体例を表す図であり、(C)は第3操作促進演出画像の具体例を表す図である。
【
図52】(A)は第4操作促進演出画像の具体例を表す図であり、(B)は第5操作促進演出画像の具体例を表す図である。
【
図53】第1操作予告演出の具体例を説明する説明図である。
【
図54】第2操作予告演出の具体例を説明する説明図である。
【
図55】第3操作予告演出の具体例を説明する説明図である。
【
図56】第3操作予告演出の具体例を説明する説明図である。
【
図57】第1操作予告演出実行判定テーブルの構成例である。
【
図58】(A)は第2操作予告演出実行判定テーブルの構成例であり、(B)は第2操作予告演出種別判定テーブルの構成例であり、(C)は第2操作予告演出操作種別判定テーブルの構成例である。
【
図59】(A)は第3操作予告演出実行判定テーブルの構成例であり、(B)は第3操作予告演出種別判定テーブルの構成例であり、(C)は第3操作予告演出操作種別判定テーブルの構成例である。
【
図60】操作部選択演出の具体例を説明する説明図である。
【
図61】操作部選択演出の具体例を説明する説明図である。
【
図62】ロゴレバーチャレンジ演出の具体例を説明する説明図である。
【
図63】ロゴレバーチャレンジ演出の具体例を説明する説明図である。
【
図64】ロゴレバーチャレンジ演出の具体例を説明する説明図である。
【
図65】ロゴレバーチャレンジ演出の具体例を説明する説明図である。
【
図66】ロゴレバーチャレンジ演出の具体例を説明する説明図である。
【
図67】ロゴレバーチャレンジ演出の具体例を説明する説明図である。
【
図68】祝福演出、および枠可動体注意喚起演出の具体例を説明する説明図である。
【
図69】祝福演出、および枠可動体注意喚起演出の具体例を説明する説明図である。
【
図70】特別演出の具体例を説明する説明図である。
【
図71】特別演出の具体例を説明する説明図である。
【
図72】特別演出の具体例を説明する説明図である。
【
図73】特別演出の具体例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<基本的な実施形態>
最初に、本発明の遊技機の特徴部分の前提となる本発明の基本的な実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、以下において、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
【0010】
1.遊技機の機械的構成
本発明の遊技機の基本的な実施形態であるパチンコ遊技機PYについて説明する。最初に、パチンコ遊技機PYの機械的構成について
図1~
図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PYの各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PYに対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機PYから当該パチンコ遊技機PYに対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機PYに対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PYに近づく方向として、説明する。
【0011】
図1に示すように、パチンコ遊技機PYは、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
【0012】
外枠21、内枠22、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
【0013】
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PYが遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PYの前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PYの前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
【0014】
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
【0015】
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な第1演出ボタン41kが設けられている。第1演出ボタン41kの上皿34の上面から視認可能に突出している操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
【0016】
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体31、右側装飾体32、および左側装飾体33が設けられている。上側装飾体31の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカー52、具体的には左側に配されたスピーカー52Lと右側に配されたスピーカー52R、が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。また、右側装飾体32の下部には、下方に押下操作可能な第2演出ボタン42kが設けられている。第2演出ボタン42kの操作部分は棒状に成形されている。さらに、右側装飾体32から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体33から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
【0017】
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0018】
次に、遊技盤ユニットYUについて、
図1に加えて
図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
【0019】
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に略平行な湾曲状の内レール63と、が形成されている。
【0020】
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
【0021】
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PYで遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
【0022】
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
【0023】
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
【0024】
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
【0025】
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
【0026】
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方側先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。
【0027】
このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(例えば、2個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
【0028】
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
【0029】
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
【0030】
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。
【0031】
このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(基本的な実施形態では、1個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
【0032】
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
【0033】
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
【0034】
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。
【0035】
遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎによっても構成されている。
【0036】
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
【0037】
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
【0038】
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
【0039】
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の数センチ後方に配置されている。
【0040】
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、遊技盤1と画像表示装置50との間に配されている。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。すなわち、盤可動体55kは、待機状態において、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認でき、大部分が視認できないよう配されている(
図3(A)参照)。
【0041】
そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(
図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
【0042】
また、回転部材55k1は、その中心において前後方向に形成された回転軸を中心に正面視右回りおよび左回りに回転運動することが可能である(
図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
【0043】
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0044】
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。
図4に示すように、表示器類8には、第1特別図柄(以下、「特
図1」という)を可変表示する特
図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特
図2」という)を可変表示する特
図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特
図1保留数を表示する特
図1保留表示器83a、および後述する特
図2保留数を表示する特
図2保留表示器83bが含まれている。
【0045】
特
図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特
図1抽選が行われると実行される。また、特
図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特
図2抽選が行われると実行される。特
図1抽選、および特
図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特
図1、および特
図2を総称して「特図」といい、特
図1抽選、および特
図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特
図1表示器81a、および特
図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特
図1保留表示器83a、および特
図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
【0046】
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
【0047】
特
図1表示器81a、および特
図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特
図1表示器81a、および特
図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
【0048】
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
【0049】
ところで、パチンコ遊技機PYでは、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示が保留される。この保留された特図抽選および特図の可変表示のことを「特図保留」という。
【0050】
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて保留された特
図1抽選、および特
図1の可変表示を表す「特
図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて保留された特
図2抽選、および特
図2の可変表示を表す「特
図2保留」と、がある。そして、特
図1保留の数、すなわち保留されている特
図1抽選および特
図1の可変表示の数を特
図1保留表示器83aが表示する。一方、特
図2保留の数、すなわち保留されている特
図2抽選、および特
図2の可変表示の数を特
図2保留表示器83bが表示する。
【0051】
特
図1保留の数、および特
図2保留の数に上限値に設けることも設けないことも可能である。また、特
図1保留の数、および特
図2保留の数に上限値を設ける場合、特
図1保留の数と特
図2保留の数を同一にしても良いし、異ならせても良い。なお、基本的な実施形態では、特
図1保留の数、および特
図2保留の数の上限値が「4」に設定されているとする。
【0052】
特
図1保留表示器83aおよび特
図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特
図1保留および特
図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特
図1保留および特
図2保留の数を表示する。なお、以下において、特
図1保留の数を「特
図1保留数(U1)」といい、特
図2保留数の数を「特
図2保留数(U2)」という。また、「特
図1保留数」と「特
図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特
図1保留表示器83a」と「特
図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
【0053】
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13への入賞を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
【0054】
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
【0055】
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、基本的な実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
【0056】
2.遊技機の電気的構成
次に、
図5~
図7に基づいて、パチンコ遊技機PYの電気的な構成を説明する。
図5に示すように、パチンコ遊技機PYの背面側には、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の制御に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、画像の制御を行う画像制御基板140、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170、および各基板100、120、140、170に電力を供給する電源基板190が取り付けられている。
【0057】
電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
【0058】
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。よって、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。
【0059】
遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
【0060】
遊技用ROM103には、後述する遊技制御メイン処理や遊技制御側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
【0061】
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特
図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特
図2関連判定情報」という。また、特
図1関連判定情報と特
図2関連判定情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
【0062】
そして、特
図1関連判定情報は、特
図1保留として、特図保留記憶部105の中の特
図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特
図2関連判定情報は、特
図2保留として、特図保留記憶部105の中の特
図2保留記憶部105bに記憶される。特
図1保留記憶部105aに記憶可能な特
図1関連判定情報の数、すなわち、特
図1保留数の上限値は「4」に設定されている。また、特
図2保留記憶部105bに記憶可能な特
図2関連判定情報の数、すなわち、特
図2保留数の上限値は「4」に設定されている。
【0063】
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
【0064】
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
【0065】
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
【0066】
また、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
【0067】
なお、遊技制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、遊技制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0068】
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
【0069】
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PYに隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
【0070】
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
【0071】
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。
【0072】
さらに、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検知可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検知したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モーター72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PYにおいては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
【0073】
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。
【0074】
なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0075】
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。そして、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。ただし、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
【0076】
なお、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、第1演出ボタン41kや第2演出ボタン42kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
【0077】
演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
【0078】
演出用ROM123には、後述する演出制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および10msタイマー割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
【0079】
演出用RAM124には、後述する始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125、後述する図柄指定コマンドを記憶する図柄指定コマンド記憶部126、および後述する特図変動開始コマンドを記憶する特図変動開始コマンド記憶部127が設けられている。
【0080】
また、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
【0081】
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。
【0082】
CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクター、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
【0083】
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
【0084】
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
【0085】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声、楽曲、および効果音等を出力する。
【0086】
スピーカー52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカー52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
【0087】
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種センサ類や駆動源となる各種アクチュエータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
【0088】
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出ボタンセンサ41a、および第2演出ボタンセンサ42aが含まれている。第1演出ボタンセンサ41aは、第1演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。第2演出ボタンセンサ42aは、第2演出ボタン42kが押下操作されたことを検出する。第1演出ボタンセンサ41a、および第2演出ボタンセンサ42aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
【0089】
なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
【0090】
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤可動体回転用モーター55m1、および盤可動体昇降用モーター55m2が含まれている。盤可動体回転用モーター55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。盤可動体昇降用モーター55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。
【0091】
なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」と総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
【0092】
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
【0093】
なお、サブドライブ基板162を基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0094】
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な遊技について、
図8~
図15を用いて説明する。
【0095】
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を実行することができる。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。
【0096】
当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
【0097】
パチンコ遊技機PYは、普図変動始動条件が成立し、普図関連判定情報を取得して普図抽選を行うことに基づいて、普図の可変表示、および補助遊技といった一連の遊技を行うことができる。取得する普図関連判定情報には、
図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
【0098】
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、例えば
図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。
【0099】
各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
【0100】
3-1-2.普図変動パターン判定・普図可変表示
普図変動パターン判定は、例えば
図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
【0101】
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられる場合、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
【0102】
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PYは、非時短状態と時短状態とで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。なお、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。
【0103】
そして、普図変動パターン判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
【0104】
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。補助遊技において、電チュー12Dが開放する
【0105】
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。パチンコ遊技機PYは、補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。例えば
図9(C)に示すように、補助遊技制御テーブルに遊技状態(非時短状態/時短状態)を関連付けることが可能である。すなわち、補助遊技構成要素を、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。なお、開放回数や開放時間などの各要素の具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
【0106】
パチンコ遊技機PYは、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、0.2秒などの遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な第1の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。一方、時短状態における補助遊技では、例えば、1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放などの第1の開放時間よりも長く、遊技球を電チュー12Dに入賞させることが容易な第2の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。
【0107】
なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。一方、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。また、各補助遊技における開放時間は、その補助遊技での合計時間であり、例えば、一度開放した後に一旦閉鎖するインターバルを挟んで再度開放するなど、1回の補助遊技の中で複数回開放するように構成しても良い。
【0108】
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特
図1抽選を実行することができる。特
図1抽選が行われると、特
図1表示器81aにおいて、特
図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図1には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。
【0109】
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。また、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0110】
同様に、パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特
図2抽選を実行することができる。特
図2抽選が行われると、特
図2表示器81bにおいて、特
図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特
図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特
図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特
図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。
【0111】
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。さらに、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
【0112】
また、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
【0113】
パチンコ遊技機PYは、始動条件が成立し、特図関連判定情報を取得して特図抽選を行うことに基づいて、特図の可変表示、および大当たり遊技といった一連の遊技を行う。そして、特図の可変表示を行うために、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、
図8(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
【0114】
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。
【0115】
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり、またはハズレの何れかを決定することである。大当たり判定テーブルは、例えば
図10(A)に示すように、後述する遊技状態に関連付けて設けることができる。具体的には、大当たり判定テーブルには、後述する通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「通常確率用大当たり判定テーブル」という)と、後述する高確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)と、がある。
【0116】
遊技状態に関連付けられた各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PYは、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに、取得した特別図柄乱数を照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。
図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
【0117】
なお、大当たり確率や各種大当たり判定の判定結果に対する特別図柄乱数判定値の振り分け方については、適宜に変更することが可能である。
【0118】
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、例えば
図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定することである。大当たり図柄の種別に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素(遊技者に有利な内容)を対応付けることが可能である。
【0119】
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特
図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
【0120】
大当たり図柄は複数種類設定可能である。各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
【0121】
特
図1の大当たり図柄、および特
図2の大当たり図柄の種類は適宜に設定することができるが、例えば、
図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、特
図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄を設け、特
図2の大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄を設けることができる。そして、
図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
【0122】
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、例えば、大当たり判定の結果がハズレである場合に、
図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定することである。
【0123】
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、例えば、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
【0124】
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。
【0125】
図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。また、「リーチ無しハズレ」のことを「どハズレ」と称し、「リーチ有りハズレ」のことを「リーチハズレ」と称することもある。
【0126】
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、例えば
図11~
図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定することである。
【0127】
特図変動パターンとは、特図変動時間、所謂「尺」や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果、およびリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることも可能である。なお、特図変動パターンの種類や数は適宜に変更することが可能である。
【0128】
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特
図1/特
図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特
図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図1変動パターン判定テーブル:
図11)と、特
図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特
図2変動パターン判定テーブル:
図12)とがある。
【0129】
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。具体的には、特
図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(非時短用特
図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特
図1変動パターン判定テーブル(時短用特
図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特
図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(非時短用特
図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特
図2変動パターン判定テーブル(時短用特
図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
【0130】
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特
図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特
図1変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、非時短用特
図2変動パターン判定テーブルおよび時短用特
図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
【0131】
さらに、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルは、特
図1保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特
図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、特
図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルも、特
図2保留数にも関連付けることが可能である。具体的には、特
図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、特
図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特
図2変動パターン判定テーブルと、がある。
【0132】
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の変動表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の変動表示の後に、特図可変表示の表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
【0133】
また、各特図変動パターンに、
図11~
図12の表の右から3番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローを関連付けることが可能である。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する代表的な演出について説明する。
【0134】
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、バトルリーチ、リーチガセ、短縮変動がある。
【0135】
通常変動は、停止表示していた演出図柄が変動を開始し、各演出図柄を構成する1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示して特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出である。そして、リーチ無しハズレ変動に係る特図変動演出(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、リーチが発生する特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されることがある。
【0136】
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、例えば当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチ、およびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチ、SPリーチに発展する(切り替わる)。したがって、Nリーチは、演出が発展するかハズレるか否かの演出と位置付けることもできる。
【0137】
Lリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、Lリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わる(Lリーチ専用の映像が流れる)。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクターが必殺技を習得するために特訓を行うなど後述のSPリーチに係る試合とは異なるシーンの映像が表示される。
【0138】
SPリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、SPリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Lリーチよりも長時間行われ、Lリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、SPリーチ専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクターが所属するチームと、主人公キャラクターのライバルが所属するチームとが試合を行うシーンの映像が表示される。
【0139】
バトルリーチは、例えば時短状態においてリーチ後に実行可能な演出であり、通常変動よりも大当たり期待度が高いことを示唆する演出である。バトルリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、バトル演出専用の背景画像に切り替わる(バトル演出専用の映像が流れる)。また、バトル演出では、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。
【0140】
リーチガセは、通常変動の直後にリーチが成立するか否かを煽るリーチ煽り演出を行い、リーチ煽り演出の結果、リーチが成立せずに、演出図柄EZ1~EZ3がハズレを示す態様で停止表示する演出である。リーチ煽り演としては、例えば、まずは、通常変動として、高速変動していた左演出図柄EZ1が表示部50aの上下方向略中央で仮停止表示し、次いで、左演出図柄EZ1と同一の演出図柄G10からなる右演出図柄EZ3が減速して上から下降してきて、表示部50aの上下方向略中央で仮停止表示するか否かの状態となる。すなわち、リーチが成立するか否かの状態となる。この左演出図柄EZ1が仮停止表示してから、リーチが成立するか否かの状態となるまでの左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3の挙動がリーチ煽り演出を構成する。そして、最終的には、右演出図柄EZ3が表示部50aの上下方向略中央で仮停止表示せずに、そのまま滑って下降し、表示部50aからフレームアウトすると共に、仮停止表示している左演出図柄EZ1と異なる演出図柄G10からなる右演出図柄EZ3が表示部50aの上下方向略中央で仮停止表示し、続いて、仮停止表示している左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3と異なる演出図柄G10からなる中演出図柄EZ2が仮停止表示することによって、演出図柄EZ1~EZ3がハズレを示す態様で仮停止表示することになり、そのまま確定的に停止表示する。
【0141】
短縮変動は、表示内容については基本的には通常変動と略同一であるが、当該演出に要する時間について通常変動よりも短い。
【0142】
なお、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトルリーチにおける「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトルリーチにおいてリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。また、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトルリーチの演出内容は適宜に変更可能である。さらに、特図変動演出を構成する演出は、これらに限られず、適宜に加え、あるいは減らすことが可能である。
【0143】
また、
図11~
図12の表の右から2番目の欄に示すように、特図変動パターンに、大当たり判定結果および特図変動演出の演出内容などを関連付けて名称を付すことが可能である。そして、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と総称することもある。
【0144】
さらに、大当たり判定結果に関わらずSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチ変動」と総称することもある。また、リーチ有りのハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しのハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」と総称することもある。
【0145】
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PYは、大当たり判定を行う前に、取得した特図関連判定情報に基づいて、例えば
図13~
図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行うことが可能である。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)、言い換えると、その始動入賞によって可変表示される特図の種類(特
図1/特
図2)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞し、特
図1の可変表示が行われる場合の第1先読み判定テーブル(
図13)と、第2始動口12に入賞し、特
図2の可変表示が行われる場合の第2先読み判定テーブル(
図14)と、がある。なお、第1先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第1先読み判定」、第2先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第2先読み判定」ともいう。
【0146】
また、先読み判定テーブルは、後述する遊技状態(通常遊技状態/高確率高ベース遊技状態/低確率高ベース遊技状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(通常遊技状態用先読み判定テーブル)と、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(高確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(低確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、がある。
【0147】
つまり、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、通常遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。
【0148】
なお、
図13~
図14に示す先読み判定テーブルを用いる先読み判定によって、当該始動口11、12への入賞によって行われる特図の可変表示に係る特図変動パターンが特定される。すなわち、当該入賞に基づく特図の可変表示が行われるよりも前にその特図の可変表示に係る特図変動パターンが先読み判定結果として特定される。特図変動パターンを特定する過程で、大当たりの当否も先読み判定結果として特定される。
【0149】
そして、特図変動パターンなどに関する情報が含まれる先読み判定結果は始動入賞コマンドに対応付けられている。後述するように、始動入賞コマンドは、その生成に伴って先読み判定結果として演出制御基板120に送信される。なお、先読み判定結果としてどのような情報を特定させるかは適宜に変更可能である。例えば、大当たり図柄種別に関する情報も先読み判定結果に含ませることができる。
【0150】
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
【0151】
3-3.大当たり遊技
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。
【0152】
なお、OPやEDを設けないようすることが可能である。また、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
【0153】
そして、パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルは大当たり図柄の種別毎に設定することが可能である。すなわち、大当たり遊技を大当たり図柄の種別に対応付けることが可能である。そして、大当たり遊技は1種類、または複数種類設定可能である。
【0154】
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)が格納されている。大当たり遊技構成要素には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
【0155】
そして、パチンコ遊技機PYは、例えば
図15(A)に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御することが可能である。すなわち、
図15(A)に示すような大当たり遊技の種別および各大当たり遊技に対する大当たり遊技構成要素を設定することが可能である。ここで、
図15(A)で設定されている大当たり遊技について説明する。
【0156】
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0157】
大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第2大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第2大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0158】
大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第3大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第3大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0159】
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第4大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0160】
大当たり図柄Eに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第5大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0161】
大当たり図柄Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第6大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
【0162】
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14aによって検知されると、大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
【0163】
また、
図15(A)に示す大当たり遊技制御テーブルでは、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、大当たり図柄の種類によって決定されているが、これとは異なる方法で大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
【0164】
3-4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PYが制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技が実行されている状態である大当たり遊技状態と、大当たり遊技が実行されていない非大当たり遊技状態がある。非大当たり遊技状態には、基本的なベースとなる遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、がある。この特定遊技状態に係る「遊技者に有利」となる要素には大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性とがある。すなわち、特定遊技状態に大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性を関連付けることができる。
【0165】
大当たり確率について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも大当たり確率が高くなり、大当たり当選し易くなるということである。また、第2始動口12の開放の容易性について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも第2始動口12の開放の容易性が高くなり、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということである。
【0166】
そして、特定遊技状態としては、大当たり確率および第2始動口12の単位時間あたりの開放時間の何れもが遊技者に有利な第1特定遊技状態と、大当たり確率のみが遊技者に有利な第2特定遊技状態と、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間のみが遊技者に有利な第3特定遊技状態の3種類を設定可能である。なお、これらの3種類の特定遊技状態の全てをパチンコ遊技機PYに搭載せずに、3種類の特定遊技状態の中の一部を搭載することもできる。
【0167】
ここで、大当たり確率に注目した部分的な遊技状態として、大当たり確率が通常遊技状態よりも高くなり、大当たり確率について遊技者に有利な状態を「高確率状態」という。これに対して、大当たり確率が通常遊技状態での通常確率であり、大当たり確率について遊技者に有利ではない状態を「通常確率状態」という。
【0168】
また、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間に注目した部分的な遊技状態として、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長く、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利な状態を「時短状態」という。これに対して、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態での開放時間であり、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利ではない状態を「非時短状態」という。
【0169】
ここで、非時短状態と時短状態について詳細に説明する。前述のように、時短状態は、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。すなわち、時短状態は非時短状態よりも第2始動口12に入賞させ易い状態である。ここで、非時短状態よりも時短状態で第2始動口12に入賞させ易くするための具体的な方法について説明する。
【0170】
例えば、時短状態を、非時短状態に比べて普図変動時間が短くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、当たり判定の結果に関わらず、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30.0秒)よりも短い普図変動時間(5.0秒)が決定されるようにする。その結果、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が同一であると、単位時間あたりにおける普図抽選の実行回数が多い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
【0171】
また、時短状態を、非時短状態に比べて1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と普図変動時間が同一であると、単位時間あたりの補助遊技の実行回数が等しくなるため、1回の補助遊技での電チュー12Dの開放時間が長い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
【0172】
さらに、時短状態を、非時短状態に比べて当たり判定で当たりと判定され易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間と普図変動時間が同一であると、当たり判定で当たりと判定される確率が高い分、単位時間あたりの当たり判定の回数が多くなるため、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
【0173】
このように、時短状態においては非時短状態よりも当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる3つの条件が成立することによって、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞を容易にすることができる。この結果、発射球数に対する賞球数の割合である所謂「ベース」が高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、通常遊技状態に比べて所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利であるといえる。
【0174】
なお、時短状態においては、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間が長くなるための3つの条件が全て揃わずに一部の条件のみが揃うようにしても良い。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞が容易になればよい。
【0175】
また、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易くなるようにするなどして、単位時間あたりにおける特図可変表示の実行回数が少ない、または特図変動時間の平均が低くなるようにしても良い。その結果、時短状態では、特図保留が消化されるペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0176】
なお、以下において、各特定遊技状態について遊技者に対する有利性の内容に関連付けて、第1特定遊技状態のことを「高確率高ベース遊技状態」、第2特定遊技状態のことを「高確率低ベース遊技状態」、および第3特定遊技状態のことを「低確率高ベース遊技状態」ともいう。さらに、通常遊技状態のことを「低確率低ベース遊技状態」ともいう。
【0177】
よって、低確率低ベース遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態で制御されている遊技状態といえる。同様に、低確率高ベース遊技状態は通常確率状態且つ時短状態、高確率低ベース遊技状態は高確率状態且つ非時短状態、および高確率高ベース遊技状態は高確率状態且つ時短状態で制御されている遊技状態といえる。
【0178】
このように、パチンコ遊技機PYは、低確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および大当たり遊技状態で制御可能である。なお、大当たり遊技状態では、大入賞口14が長時間開放し、遊技球を多量に獲得することができるので、大当たり遊技状態も遊技者に有利な遊技状態ということができる。よって、大当たり遊技状態と、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な「有利遊技状態」ということもできる。
【0179】
なお、高確率高ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態は、大当たり確率が通常確率状態よりも高確率となっている点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。また、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態は、第2始動口12への入賞容易性が非時短状態よりも高い点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。さらには、大当たり遊技状態では、1回の入賞による賞球数が第1始動口11、および第2始動口12よりも多い大入賞口14が開放するので、大当たり遊技状態は低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
【0180】
また、パチンコ遊技機PYの電源が投入されると最初に通常遊技状態が設定される。また、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の停止表示が行われることによって設定される。一方、特定遊技状態は、大当たり当選して大当たり遊技が実行されることによって設定される。次に、特定遊技状態の設定について説明する。
【0181】
3-5.特定遊技状態の設定
パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技の終了に伴って、新たに特定遊技状態を設定することができる。すなわち、大当たり遊技の後に、特定遊技状態にて遊技を制御・進行させることができる。この特定遊技状態の継続期間は適宜に設定可能である。例えば、特定遊技状態を次回大当たり当選するまで継続させることができる。また、特定遊技状態が継続できる期間を制限することもできる。
【0182】
特定遊技状態の継続期間を制限させる場合は、継続期間に対する終了条件が成立することを契機に特定遊技状態を終了させることができる。そして、特定遊技状態が終了すると通常遊技状態が設定されるようにすることができる。また、高確率高ベース遊技状態については、終了条件が成立すると、低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態が設定されるようにすることもできる。この場合、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態は次回大当たり当選するまで継続するようにしても良い。また、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態についても同一または異なる終了条件を設け、当該終了条件が成立すると通常遊技状態が設定されるようにしても良い。
【0183】
また、特定遊技状態の継続期間に対する終了条件は適宜に設定することができる。終了条件として、例えば特図可変表示の実行回数を設定することができる。また、特図可変表示の実行回数に限られず、大当たり遊技後の経過時間、大当たり遊技後の遊技球の発射球数、大当たり遊技後のゲート13への通過回数、または特定遊技状態を終了させるか否かの抽選(所謂、「転落抽選」)において終了させるという結果の導出などを終了条件に設定することができる。さらには、これらの要素を単独で終了条件に設定しても良く、また複合的に設定しても良い。
【0184】
なお、これらの終了条件は、大当たり遊技後に設定可能な全ての特定遊技状態に対して同一に設定しても良く、また設定可能な特定遊技状態の中の一部の特定遊技状態に対して設定しても良い。さらに、特定遊技状態毎に終了条件を異ならせても良い。
【0185】
さらに、大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容は、その大当たり遊技に係る大当たり図柄種別に対応付けることが可能である。例えば、前述のように大当たり図柄種別が設定されている場合、
図15(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに係る大当たり遊技の終了後に高確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この高確率高ベース遊技状態については終了条件を設けずに、大当たり当選するまで継続可能にすることができる。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技の終了後に低確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この低確率高ベース遊技状態については終了条件を設け、終了条件として100回の特図可変表示に設定することができる。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
【0186】
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行する大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
【0187】
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な演出について、
図16~
図32を用いて説明する。なお、パチンコ遊技機PYには、演出上、主人公キャラクターや敵キャラクターによる野球の物語が題材として対応付けられている。
【0188】
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PYは、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
【0189】
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図可変表示が行われていないときに設定可能であり、特図可変表示が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、
図16(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PYを紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン41kが操作されると、
図16(B)に示すように、パチンコ遊技機PYの演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカー52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、および実行される演出の頻度設定などがある。なお、演出に関する設定の項目は適宜に設定することができる。また、客待ちデモ動画G100から遊技者の操作によって設定画面G101が表示されないようにすることもできる。
【0190】
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。そして、さらに通常演出モードに属する下位の演出モードを複数設けることができる。例えば、通常演出モードに属する下位の階層の演出モードとして、第1通常演出モード、第2通常演出モード、および第3通常演出モードなどを設けることができる。
【0191】
なお、以下において、演出モードに属する下位の階層の演出モードを「演出ステージ」ともいう。それに伴って、第1通常演出モードを「第1通常演出ステージ」ともいい、第2通常演出モードを「第2通常演出ステージ」ともいい、第3通常演出モードを「第3通常演出ステージ」ともいう。なお、特段の事情がない場合以外、基本的にはパチンコ遊技機PYの電源が投入された後、最初に特図変動表示が開始されたときに設定される演出モードは第1通常演出ステージ(第1通常演出モード)であるとする。ただし、当該最初に設定される演出モードの種類は特に限定されずに適宜変更しても良い。
【0192】
このように通常演出モードに属する複数の演出ステージを設けた場合、所定の切替条件が成立すると演出ステージを順番に繰り返して切り替えていくことができる。切替条件は適宜に設定可能であるが、例えば、切替条件として、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変演出が行われることに設定することができる。さらに、切替条件として、SPリーチハズレ変動に基づく特図変動演出など、特定の演出が実行されることに設定することもできる。
【0193】
また、後述するように特図変動演出においてリーチが発生することがあるが、特図変動演出を、リーチが発生しない場合の特図変動演出の全区間、およびリーチが発生する場合のリーチが成立する前の前段部分と、リーチが発生する場合のリーチが成立した後の後段部分と、に分けることができる。なお、前段部分は、前述の「通常変動」で構成される。
【0194】
そして、第1通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に街の景色を表す背景画像(
図17(A):第1通常用背景画像G111)が表示される。第2通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に野球場のグラウンドを表す背景画像(
図17(B):第2通常用背景画像G112)が表示される。第3通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に飲食店内を表す背景画像(
図17(C):第3通常用背景画像G113)が表示される。一方、第1通常演出ステージ~第3通常演出ステージの後段部分では、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112および第3通常用背景画像G113が表示されず、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0195】
なお、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像は、演出ステージの種別に関係なく通常演出モードに共通の背景画像としても良く、また、演出ステージ毎に異なる背景画像としても良い。
【0196】
また、「高確率低ベース遊技状態」においても通常演出モードを設定可能にし、通常演出モードは非時短状態であることを示す演出モードにしても良い。あるいは「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定され、通常演出モードとは異なる所定の演出モードを設けても良い。さらに、ある条件で発生した低確率低ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態において、通常演出モードと異なる所定の演出モードを設定しても良い。
【0197】
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、高確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードである。確変演出モードの前段部分では、例えば、
図17(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G120)が表示され、確変用BGMがスピーカー52から出力される。また、確変演出モードの後段部分では、確変演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0198】
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、低確率高ベース遊技状態、または高確率高ベース遊技状態の何れかであり、少なくとも時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードの前段部分では、例えば、
図17(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G130)が表示され、時短用BGMがスピーカー52から出力される。また、時短演出モードの後段部分では、時短演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
【0199】
なお、時短演出モードは、低確率高ベース遊技状態においてのみ設定され、低確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードにすることもできる。
【0200】
また、確変演出モードおよび時短演出モードの何れもまたは何れか一方について、通常演出モードと同様に、さらにその演出モード用の演出ステージを複数設け、所定の切替条件が成立すると、演出ステージが切り替わるようにしても良い。
【0201】
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中に、
図18(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G1や「右打ち」を促す右打ち画像G2が表示される大当たりオープニング演出が行われる。加えて、オープニング中には、大当たりオープニング演出として、表示部50aにおいて、オープニング画像G1や右打ち画像G2の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(オープニング用背景画像G200)が表示される。
【0202】
また、大当たり演出モードでは、大当たり遊技におけるラウンド遊技中に、
図18(B)に示すように、表示部50aにおいて、右打ち画像G2がオープニングから引き続いて表示されると共に、ラウンド数を示すラウンド画像G3や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G4が表示されるラウンド演出が行われる。加えて、ラウンド遊技中には、ラウンド演出として、表示部50aにおいて、右打ち画像G2、ラウンド画像G3、および賞球数画像G4の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(ラウンド用背景画像G201)が表示されると共に、スピーカー52から大当たり遊技の種別に応じたBGMが出力される。
【0203】
さらに、大当たり遊技におけるエンディング中には、
図18(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G5や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される大当たりエンディング演出が行われる。加えて、エンディング中には、大当たりエンディング演出として、表示部50aにおいて、エンディング画像G5や総賞球数画像G6の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(エンディング用背景画像G202)が表示される。
【0204】
なお、以下において、大当たりオープニング演出、ラウンド演出、および大当たりエンディング演出を合わせて、大当たり遊技において実行される演出として「大当たり遊技演出」ともいう。すなわち、大当たり演出モードにおいて大当たり遊技演出が行われる。
【0205】
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。
【0206】
特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、基本的には、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
【0207】
なお、表示部50aで行われる特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外の画像を用いることも可能である。さらに、表示部50aを含む画像表示装置50以外に、スピーカー52、枠ランプ53、盤可動装置55、第1演出入力装置41、および第2演出ボタン装置42などの様々な演出装置を用いた特図変動演出を行うことが可能である。
【0208】
次に、特図可変表示に応じて実行される特図変動演出において、表示部50aに表示される演出図柄について説明する。演出図柄は、特図抽選結果を示すための識別情報でもあり、複数種類設けられている。詳細には、演出図柄の構成要素の1つが、特図抽選結果を示すための識別情報を構成し、その識別情報の違いによって演出図柄が複数種類設けられている。
【0209】
例えば、
図19(A)に示すように、演出図柄を1~9の数字で構成させ、9つの演出図柄を設けることができる。そして、数字「1」を含む演出図柄を演出図柄G10aとする。同様に、数字「2」~数字「9」を含む演出図柄を演出図柄G10b~演出図柄G10iとする。なお、便宜上、個々の演出図柄を区別なく取り扱う場合は、「演出図柄G10」と総称する。また、数字「1」を含む演出図柄G10aのことを「1図柄」と称することもある。同様に、数字「2」~「9」を含む演出図柄G10b~演出図柄G10iのことを「2図柄」~「9図柄」と称することもある。
【0210】
また、「3」、および「7」に係る演出図柄G10c、G10gの数字部分は赤色であり、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、および「9」の演出図柄G10a、G10b、G10d、G10e、G10f、G10h、G10iの数字部分は青色である。すなわち、演出図柄G10の構成要素に、色が含まれている。以下において、数字部分が赤色である演出図柄G10c、G10gのことを「赤図柄」と称し、数字部分が青色である演出図柄G10a、G10b、G10d、G10e、G10f、G10h、G10iのことを「青図柄」と称することもある。なお、演出図柄G10の構成や識別情報を何に設定するかは適宜に変更しても良い。例えば、演出図柄G10に、各数字に対応付けられたキャラクターなどの他の構成要素を加えても良い。
【0211】
続いて、演出図柄G10を表示するための演出図柄表示領域について説明する。例えば、
図19(B)に示すように、表示部50aを水平方向に略均等に3つに分けた左側、中央および右側を、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3とすることができる。左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3の何れにも演出図柄G10が表示される。
【0212】
そして、主に、特図変動演出の前段部分において、左演出図柄領域50b1に表示される演出図柄G10を「左演出図柄EZ1」と総称し、中演出図柄領域50b2に表示される演出図柄G10を「中演出図柄EZ2」と総称し、および右演出図柄領域50b3に表示される演出図柄G10を「右演出図柄EZ3」と総称する。すなわち、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3において、共通して、数字の1~9からなる演出図柄G10が表示されるが、相対的な表示位置で演出図柄G10を区別する場合には、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3と表記する。
【0213】
なお、後述するように、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、最終的には、特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別、リーチ判定結果)を示す態様で演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、特図抽選結果として大当たりを報知する場合には、同じ数字の演出図柄G10が3つ横に並ぶように(所謂「ゾロ目」で)、演出図柄EZ1~EZ3が停止表示する。そこで、以下において、大当たりを報知する場合に停止表示している演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「大当たり演出図柄」と称する。例えば、演出図柄EZ1~EZ3が「7・7・7」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10g」となり、「9・9・9」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10i」となる。また、さらに、大当たり演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、大当たり演出図柄が「演出図柄G10g」であれば大当たり演出図柄は「7」となり、大当たり演出図柄が「演出図柄G10i」であれば大当たり演出図柄は「9」となる。また、後述するように、特図変動演出において、特図抽選結果が完全に示されるのは、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示するときである。しかしながら、基本的には、特図変動演出の途中で、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する前に、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示(仮停止表示)する。これは、一度暫定的に停止表示された演出図柄EZ1~EZ3の内容が変更することもあるからである。例えば、ある(相対的に遊技者に不利な)大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示した後に、別の(相対的に遊技者に有利な)大当たりを示す態様に変更されることがある。そこで、このように最初に大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示する場合(変更される前)の演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことについても「大当たり演出図柄」と称する。
【0214】
また、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の途中で、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が同じ数字の演出図柄G10で暫定的に停止表示(仮停止表示)するリーチを行うことがある。後述するように、リーチは、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、リーチが行われたことによって大当たりに対してチャンスアップしたことになる。そこで、リーチに係る左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「リーチ演出図柄」と称する。例えば、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が「1」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10a」となり、「3」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10c」となる。また、さらに、リーチ演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、リーチ演出図柄が「演出図柄G10a」であればリーチ演出図柄を「1」と略称し、リーチ演出図柄が「演出図柄G10c」であればリーチ演出図柄を「3」と略称する。
【0215】
また、
図19(B)に示すように、表示部50aの下端部の左端(左下隅)の一区画に、小図柄を可変表示する小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cにおいて、特図の可変表示に応じて小図柄を可変表示させることができる。なお、小図柄のデザインは適宜に設定可能であるが、例えば、演出図柄G10の数字部分をそのまま縮小させて構成させることができる。
【0216】
なお、
図19(B)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは一点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
【0217】
また、前述したように、特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出がある。ここで、これらの一部について説明する。
【0218】
4-2-1.通常変動
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。次に、通常変動を具体的に説明する。なお、小図柄として、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3に対応する左小図柄KZ1、中小図柄KZ2、および右小図柄KZ3が小図柄領域50cで可変表示する。
【0219】
例えば、
図20(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、特図の可変表示が開始されると、
図20(B)に示すように、その開始に伴って特図変動演出が開始される。具体的には、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。
【0220】
演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを異ならせることができる。例えば、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示は、各演出図柄EZ1~EZ3が表示部50aの上から下にスクロール表示して行い、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は、各小図柄KZ1~KZ3を定位置で次々に入れ替えて行うようにしても良い。なお、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを同一にしても良い。
【0221】
また、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は変動表示の開始直後から高速で変動表示する。演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3が高速で変動表示されている間は、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は、基本的に背景画像G111~G114などのその背景側の画像が視認容易な透明性を持って表示される。
【0222】
そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
【0223】
演出図柄EZ1~EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に
図20(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に
図20(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、さらに、
図20(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)する。
【0224】
そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で暫定的に停止(仮停止)している演出図柄EZ1~EZ3が、
図20(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる)。暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。
【0225】
なお、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止するとは、演出図柄EZ1~EZ3がスクロール表示のように場所を大きく移動することはなく、その場で微かに揺れたり小さく往復運動することをいう。よって、厳密には、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示している状態と、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示している状態とは異なるが、この暫定的な停止表示と確定的な停止表示を広義に「停止表示」と称することもある。また、
図20の例では、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が停止したが、停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。
【0226】
4-2-2.リーチ
次に、リーチの成立について説明する。特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)である場合も、基本的には前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、
図21(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示されていると共に、小図柄KZ1~KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、
図21(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始すると共に、小図柄KZ1~KZ3の変動表示が開始する。
【0227】
その後、所定時間が経過した後に、
図21(C)に示すように、数字「5」に係る左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に、
図21(D)に示すように、同一の数字「5」に係る右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで暫定的に停止(仮停止)して、リーチが成立する。リーチが成立したときには、リーチが成立したことを示す画像(リーチ成立示唆画像)G11が表示される。なお、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3でリーチが成立しても、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は継続して行われている。
【0228】
さらに、
図21の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が暫定的に停止(仮停止)したが、仮停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、暫定的に停止(仮停止)する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
【0229】
このように、リーチ無しハズレである場合の特図変動演出の全期間と、リーチが発生する場合の特図変動演出の開始時からリーチ成立時までの区間を通常変動とすることができる。ただし、リーチが成立するまでの時間は、特図変動パターンなどに基づいて適宜に設定することができる。さらに、リーチが成立するまでの間に、所謂「疑似連」や、カットイン予告、台詞予告などの種々の予告演出を実行することも可能である。あるいは、リーチが成立するまでの間に、所謂「ゾーン」に突入するようにすることも可能である。
【0230】
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PYは、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。次に、Nリーチを具体的に説明する。
【0231】
リーチが成立すると、例えば、
図21(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、
図22(A)に示すように、リーチが成立したときの状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、
図22(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
【0232】
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、
図22(C-1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(
図22(C-1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、
図22(D-1)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
【0233】
また、暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。なお、Nリーチの内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0234】
Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、
図22(C-2)に示すように、停止していない残りの1つの中演出図柄EZ2が再び高速で変動すると、表示部50a全体が徐々に白くなっていき、
図22(D-2)に示すように、ホワイトアウトした後に、LリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)ことがある。
【0235】
4-2-4.Lリーチ
パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、
図23(A)に示すように、Lリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
【0236】
また、Lリーチの開始時に、例えば、
図23(A)に示すように、表示部50aにLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像G114)が表示される。Lリーチ用背景画像G114は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。Lリーチ用背景画像G114に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクターが女の子に告白するという内容で構成されている。
【0237】
Lリーチ用背景画像G114が表示されると、最初に、
図23(A)に示すように、主人公キャラクターがある待ち合わせ場所で女の子を待っているシーンから開始される。続いて、
図23(B)に示すように、待ち合わせ場所に女の子が現れる。このとき、表示部50aの略中央にて、中演出図柄EZ2として、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が現れて、奥側から手前側に出てきてはまた奥側へ戻るようにゆっくりと回転する。
【0238】
数字「4」の演出図柄と数字「5」の演出図柄の回転が継続して行われている中、Lリーチ用背景画像G114に係るスーリーが進展する。そして、
図23(C)に示すように、主人公キャラクターが女の子に告白するシーンを迎える。このとき、表示部50aの略中央にて、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が相互に相手を弾き飛ばそうとぶつかり合う。数字「5」の演出図柄はリーチを構成し、数字「4」の演出図柄はリーチを構成していないことから、数字「4」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「5」の演出図柄が残ると、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する一方、数字「5」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「4」の演出図柄が残ると、リーチハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する。よって、この
図23(C)の場面は、当該Lリーチの最終局面であり、大当たりを示唆する演出(大当たり示唆演出)が実行されるかハズレを示唆する演出(ハズレ示唆演出)が実行されるかに分岐する分岐点(所謂「当落分岐点」)を構成している。
【0239】
当落分岐点において、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(L大当たり変動)であると、
図24(A-1)に示すように、表示部50aに、笑顔の女の子がアップで表示された後、
図24(B-1)に示すように、告白に成功して喜んでいる主人公キャラクターが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、そのリーチを構成している数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3が大当たりを示す態様で仮停止表示している。
【0240】
告白に成功して喜んでいる主人公キャラクターの表示と、所定の効果音の出力とは、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、
図24(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
【0241】
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動(Lハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、Lリーチ用背景画像G114にて、
図24(A-2)に示すように、表示部50aに、悲しい表情をした女の子がアップで表示された後、
図24(B-2)に示すように、告白に失敗して落胆している主人公キャラクターが表示される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、リーチを構成していない数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3がリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
【0242】
告白に失敗して落胆している主人公キャラクターの表示は、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、
図24(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
【0243】
4-2-5.SPリーチ
また、パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Lリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、
図25(A)に示すように、SPリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
【0244】
また、SPリーチの開始時に、例えば、
図25(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G115)が表示される。SPリーチ用背景画像G115は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。SPリーチ用背景画像G115に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクターと、主人公キャラクターのライバルである敵キャラクターとが対決するという内容で構成されている。なお、主人公キャラクターは野球のピッチャーであり、敵キャラクターは野球のバッターであり、両者は野球の試合においてピッチャーとバッターの立場で対決する。
【0245】
SPリーチ用背景画像G115が表示されると、最初に、
図25(A)に示すように、敵キャラクターが出現し、続いて、
図25(B)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G14が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G14は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G14a「
図25(B)において「敵バッター○○を打ち取れ!!」」と、タイトル画像G14aを引き立てるエフェクト画像G14bとで構成される。
【0246】
次に、
図25(C)に示すように、主人公キャラクターと敵キャラクターが対峙しているシーンが表示される。その後、SPリーチ用背景画像G115にて、
図26(A)に示すように、主人公キャラクターがボールを投げ、
図26(B)に示すように、ボールが敵キャラクターに向かって進み、
図26(C)に示すように、敵キャラクターがバットを振り始める。続いて、
図26(D)に示すように、ボールとバットとが接近し、主人公キャラクターと敵キャラクターとの対決に決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、ピッチャーとバッターの対決で主人公キャラクターが勝利して大当たりが示唆されるか敗北してハズレが示唆されるかの分岐点(当落分岐点)を構成する。
【0247】
この当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、
図27(A-1)に示すように、表示部50aに、敵キャラクターが空振りをして対決に勝利した後、
図27(B-1)に示すように、敵キャラクターを三振に取ってマウンド上で雄叫びを上げる主人公キャラクターが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1~EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。
【0248】
対決に勝利して雄叫びを上げている主人公キャラクターの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、
図27(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
【0249】
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G115にて、
図27(A-2)に示すように、敵キャラクターがホームランを打って対決に敗北し、
図27(B-2)に示すように、主人公キャラクターがマウンド上で落胆する。このとき、演出図柄EZ1~EZ3はリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
【0250】
対決に敗北して落胆している主人公キャラクターの表示が、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、
図27(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
【0251】
次に、特図変動演出において行われる可動体演出と操作演出について説明する。可動体演出と操作演出は、前述のSPリーチ、Lリーチ、およびNリーチ、さらには大当たり遊技演出などに組み込まれる形でこれらの演出の一部として行われる場合と、これらの演出とは独立して行われる場合とがある。最初に可動体演出について説明する。
【0252】
4-3.可動体演出
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで可動体の動作を伴う可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば盤可動装置55などの可動装置を用いた演出であり、大当たり期待度やSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する。
【0253】
例えば、可動体演出がSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する場合、
図28(A)に示すように、特図変動演出において、NリーチからSPリーチに発展する際に、まずは
図28(B)に示すように、盤可動装置55が作動し、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持される。さらに、このとき、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13も表示される。そして、
図28(C)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、盤可動体55kが待機位置まで上昇して、盤可動装置55が通常の待機状態に戻る。盤可動装置55が通常の待機状態に戻ると、SPリーチに発展する。なお、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
【0254】
4-4.操作演出
次に操作演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで、操作促進演出、および第1演出ボタン41kや第2演出ボタン42k等の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作促進演出は、遊技者に操作手段の操作を促す演出であり、操作結果演出は、操作促進演出における操作手段の操作に応じて行われる演出であり、それぞれ遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0255】
例えば、前述のように、LリーチやSPリーチにおいて当落分岐点に達すると、第1演出ボタン41kの押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、
図29(A)に示すように、第1演出ボタン41kの操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。
【0256】
操作促進演出において、表示部50aに、第1ボタン操作促進演出画像G12が表示される。第1ボタン操作促進演出画像G12は、操作対象である第1演出ボタン41kを表す画像(操作対象画像)G12aと、第1演出ボタン41kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G12bと、第1演出ボタン41kの操作に係る操作有効期間(操作有効期間)の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像)G12cと、を含む。
【0257】
なお、操作有効期間残り時間画像G12cは、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、
図29(B)は、操作有効期間が発生して、操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
【0258】
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン41kが押下操作された後、または、操作有効期間において第1演出ボタン41kが操作されることなく操作有効期間の残り時間がなくなった後、操作結果演出が行われる。
【0259】
操作結果演出としては、例えば
図29(C)に示すように、盤可動装置55が作動して、盤可動体55kが作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持されると共に、回転部材55k1が所定時間回転する。このように、操作結果演出に可動体演出も含まれている。さらに、このとき、操作結果演出として、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13が表示される。そして、
図29(D)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、回転部材55k1の回転が止まり、盤可動体55kが上昇することによって操作結果演出が終了する。操作結果演出が終了すると大当たり示唆演出が行われる。
【0260】
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン41kが押下操作されても、または、第1演出ボタン41kが押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、操作結果演出が行われることがなく、ハズレ示唆演出が行われる。
【0261】
なお、操作結果演出は、盤可動装置55の作動やエフェクト画像G13の表示に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、操作演出は特図変動演出に限られず大当たり演出においても実行可能である。
【0262】
4-5.先読み演出
次に、特図保留の対象となる特図可変表示が実行される前に実行可能な先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、大当たり判定が行われていない特
図1保留または特
図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特
図1保留または特
図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特図の可変表示の前から大当たりを期待させる演出として機能する。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留変化予告がある。ここで、通常演出モードにおいて行われる保留演出、および保留変化予告について説明する。
【0263】
保留演出は、
図30(A)に示すように、表示部50aの下端部における略中央の一区画において横長矩形状に形成された保留表示領域50dにおいて行われる。保留表示領域50dは、保留表示領域50dを左右方向に略均等に4つに分割した第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および、第4領域50d4で構成されている。すなわち、保留表示領域50dにおいて、第1領域50d1~第4領域50d4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
【0264】
第1領域50d1には、保留されている特
図1保留の中で最も先に発生し、その特
図1保留に対応する特
図1関係乱数に基づいて最も先に特
図1可変表示が行われる特
図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域50d2~第4領域50d4には、保留されている特
図1保留の中で2~4番目に発生し、その特
図1保留に対応する特
図1関係乱数に基づいて2~4番目に特
図1可変表示が行われる特
図1保留を表す保留アイコンが表示される。
【0265】
なお、以下において、第1領域50d1に表示される保留アイコンに対応する特
図1保留のことを「保留順1の特
図1保留」と称する。同様に、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4に表示される保留アイコンに対応する特
図1保留のことを「保留順2の特
図1保留」、「保留順3の特
図1保留」、および「保留順4の特
図1保留」と称する。すなわち、存在している特
図1保留について、発生した順に「保留順1」~「保留順4」と称する。
【0266】
また、保留表示領域50dの左隣には、当該表示領域50eが形成されている。当該表示領域50eには、現在実行中の特
図1変動表示を表す当該アイコンが表示される。よって、当該表示領域50eに表示される当該アイコンが示す対象は、保留表示領域50dに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特
図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと当該アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。さらに、当該アイコンが示す実行中の特
図1変動表示を「当該変動」とも称する。
【0267】
なお、
図30(A)において保留表示領域50dおよび当該表示領域50eは一点鎖線で明示され、第1領域50d1~第4領域50d4は破線で明示されているが、これは保留表示領域50d、第1領域50d1~第4領域50d4、および当該表示領域50eの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
【0268】
次に、保留演出の具体例について説明する。なお、以降の説明では、小図柄KZ1~KZ3の可変表示は省略する。前提として、特
図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特
図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、
図30(B)に示すように、前述した不図示の第1領域50d1において、現在保留されている特
図1保留の中で最も先に発生した特
図1保留(保留順1の特
図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域50d2において、保留アイコンHA2が表す特
図1保留の次に発生した特
図1保留(保留順2の特
図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該表示領域50eには、現在実行中の特
図1変動表示を表す当該アイコンHA1が表示されている。なお、
図30(B)で表示されているアイコンHA1~HA3の表示態様は通常態様である。
【0269】
このように、保留演出においては、特
図1保留が発生した順に保留表示領域50dの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
【0270】
そして、
図30(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特
図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、不図示の第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該表示領域50eに移動し、不図示の第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域50d1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特
図1保留が、現在保留されている特
図1保留の中で最も先に発生した特
図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
【0271】
また、当該表示領域50eに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特
図1変動表示を表しているので、当該表示領域50eに表示される際に当該アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域50dに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該表示領域50eに表示されているアイコンについては「当該」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが当該アイコンとして表示される。
【0272】
なお、保留アイコンから当該アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に、アイコンの大きさが同一のままでも拡大されても良い。
図30(C)では、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に約2倍に拡大している。
【0273】
そして、この状況から第1始動口11に遊技球が入賞して、特
図1保留が発生すると、
図30(E)に示すように、当該特
図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
【0274】
このように、第1始動口11に入賞して特
図1関係乱数が取得されると、1つの共通したアイコンが表示される。このアイコンは、当該入賞に基づく特
図1可変表示が終了すると消去されるが、表示されている間は、当該特
図1可変表示の置かれている状態(保留の状態および実行中の状態)に応じて、異なる名称(保留アイコンおよび当該アイコン)で存在していることになる。
【0275】
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PYは、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留変化予告」という。
【0276】
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留変化予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留変化予告の具体例について説明する。保留変化予告の具体例として、
図30(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
【0277】
保留変化予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特
図1保留の発生時(第1始動口11への入賞時)に保留変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、
図31(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(
図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特
図1保留が発生すると、
図30(E)の場合と同様に、当該特
図1保留の発生に応じて、通常態様の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。なお、図面においては、通常態様の保留アイコンは完全に静止しているように見えるが、実際には、基本的には、完全に静止状態にするようにしても、表示位置は移動しないがその場で軽く揺れたりするように構成しても良い。
【0278】
そして、その直後に、
図31(B)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(
図31(B)において灰色)に変化する(保留変化予告が行われる)。なお、
図31の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
【0279】
別の保留変化予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特
図1保留のシフト時に保留変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、
図32(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(
図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特
図1保留が発生すると、
図32(B)に示すように、当該特
図1保留の発生に応じて、通常態様(
図32(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
【0280】
そして、
図32(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特
図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、
図32(D)に示すように、第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該表示領域50eに移動し、第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域50d1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域50d2から第1領域50d1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(
図32(D)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。
【0281】
また、保留変化予告に係る特別態様を複数種類設けて、特別態様の種類によって大当たり期待度が異なるようにすることができる。例えば、保留アイコンの表示態様を、保留アイコンの色に関連付け、保留アイコンの表示態様として白色、緑色、赤色、および金色が設定されているとする。ここで、白色が通常態様であり、緑色、赤色、および金色が特別態様とする。そして、保留アイコンの表示態様が示す大当たり期待度は、白色<緑色<赤色<金色の順で高くなるように設定することができる。
【0282】
なお、先読み演出は、特
図1保留および特
図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様に限られず、例えば背景画像などの表示部50aにおける保留アイコンHA以外の画像や、スピーカー52から出力される音、枠ランプ53による発光、および盤可動装置55による動作などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行することが可能である。さらには、先読み演出の演出態様として、保留アイコンHAによる保留変化予告などのように実行されてから特図変動表示が開始されるまで途切れることなく継続する演出態様の他に、演出図柄の停止表示が行われる度または演出図柄の変動表示が開始される度など、断続的且つ連続的に実行する演出態様にしても良い。
【0283】
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に
図33~
図42に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
【0284】
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
【0285】
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、遊技用ROM103から
図33に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO(SyStem Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
【0286】
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
【0287】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0288】
[遊技制御側タイマ割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図34に示すように、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
【0289】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
【0290】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図33の遊技制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0291】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検知処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
【0292】
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
【0293】
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
【0294】
[センサ検知処理]
次に、
図35~
図36を用いてセンサ検知処理について説明する。センサ検知処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「3」)を加算する。
【0295】
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
【0296】
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「2」)を加算する。
【0297】
次に、特
図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特
図2保留数をカウントするカウンタ(特
図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特
図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特
図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特
図2保留数加算処理を行う(S210)。特
図2保留数加算処理では、特
図2保留数カウンタを「1」加算し、特
図2保留表示器83bが示す特
図2保留数を「1」増加させる。
【0298】
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特
図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
【0299】
次に、第2先読み判定処理を行う(S212)。第2先読み判定処理では、
図14に示す第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特
図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0300】
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特
図2関連判定情報を特
図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
【0301】
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「4」)を加算する。
【0302】
次に、特
図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特
図1保留の数をカウントするカウンタ(特
図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特
図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特
図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特
図1保留数加算処理を行う(S217)。特
図1保留数加算処理では、特
図1保留数カウンタを「1」加算し、特
図1保留表示器83aが示す特
図1保留数を「1」増加させる。
【0303】
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特
図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
【0304】
次に、第1先読み判定処理を行う(S219)。第1先読み判定処理では、
図13に示す第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特
図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0305】
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特
図1関連判定情報を特
図1保留記憶部105aのうち現在の特
図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
【0306】
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検知処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。基本的な実施形態では、1回のラウンド遊技において賞球に関われる大入賞口14への入賞個数(入賞規定個数)が「10」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
【0307】
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であると(S222でYES)、センサ検知処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検知処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「9」)を加算する。
【0308】
なお、遊技球を検知可能なセンサとして、センサ10a~14a以外のセンサを設け、そのセンサが遊技球を検知したことに基づいて、
図35~
図36に示す処理以外の処理を行うようにしても良い。
【0309】
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。
図37に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
【0310】
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動パターン判定結果に応じた普図変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0311】
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0312】
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。さらに、遊技制御用マイコン101は、補助遊技の開始時に、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0313】
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
【0314】
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。
図38に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。
【0315】
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
【0316】
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
【0317】
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
【0318】
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
【0319】
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお、遊技制御用マイコン101が、特別動作ステータス「4」を設定し、大当たり遊技を制御する状態が、「大当たり遊技状態」であり、特別動作ステータス「4」が設定されていることを「大当たり遊技状態」と称する。
【0320】
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。例えば、大当たり遊技後に高確率状態で制御する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONして高確率状態を設定する。さらにこのときに、高確率状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、高確率状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「高確率規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定する。さらにこのときに、時短状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、時短状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「時短規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
【0321】
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理において、大当たり遊技後の遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
【0322】
[特別図柄待機処理]
次に
図39を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特
図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特
図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特
図2関連判定情報の記憶がない場合には、特
図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特
図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特
図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
【0323】
また、特
図2保留数が「0」であるが特
図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特
図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特
図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特
図1判定処理(S1609)及び特
図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
【0324】
特
図1判定処理(S1609)では、特
図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。
【0325】
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
【0326】
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
【0327】
次に、特
図1変動パターン判定処理(S1610)について
図40を用いて説明する。特
図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特
図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特
図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
【0328】
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。大当たりでなければ(S1654でNO)、ステップS1655に進み、大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特
図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄用の特
図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進む。
【0329】
ステップS1655において、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定を行う。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
【0330】
遊技制御用マイコン101は、次に、ステップS1655のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特
図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特
図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特
図1変動パターン判定テーブルの中から特
図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特
図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
【0331】
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657~ステップS1659の何れかで選択した特
図1変動パターン判定テーブルに照合して、特
図1変動パターンを判定する特
図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特
図1変動パターンを示す特
図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特
図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特
図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
【0332】
なお、特別動作用タイマは、遊技制御側タイマ割り込み処理におけるその他の処理において、4ms分、更新される。また、セットされる特
図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特
図1であるということ)に関する情報や特
図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
【0333】
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特
図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特
図1表示器81aに特
図1の変動表示を開始させる(S1611)。
【0334】
次に、遊技制御用マイコン101は、特
図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特
図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特
図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特
図1保留が保留された順に消化される。
【0335】
次に、遊技制御用マイコン101は、特
図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特
図1保留表示器83aが示す特
図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
【0336】
遊技制御用マイコン101は、続いて、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
【0337】
また、ステップS1601において特
図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特
図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特
図2判定処理(S1602)及び特
図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特
図2判定処理(S1602)及び特
図2変動パターン判定処理(S1603)は、特
図1判定処理(S1609)および特
図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
【0338】
特
図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特
図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特
図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特
図2変動パターン判定で用いるテーブルが特
図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特
図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
【0339】
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特
図2表示器81bに特
図2の変動表示を開始させる(S1604)。
【0340】
次に、遊技制御用マイコン101は、特
図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特
図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特
図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特
図2保留が保留された順に消化される。
【0341】
続いて遊技制御用マイコン101は、特
図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特
図2保留表示器83bが示す特
図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
【0342】
上記のように基本的な実施形態では、特
図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特
図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特
図2保留の消化は、特
図1保留の消化に優先して実行される。そして基本的な実施形態では、特
図2保留に基づく抽選の方が、特
図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特
図1保留の消化を特
図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特
図1保留の消化と特
図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
【0343】
[特別図柄変動処理]
次に
図41を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
【0344】
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
【0345】
[特別図柄確定処理]
次に
図42を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する(S1752)。
【0346】
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であれば(S1752でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1753)。遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1757に進み、現在、時短状態であれば(S1753でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1754)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1755)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1755でNO)、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1755でYES)、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)(S1756)、ステップS1757に進む。
【0347】
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1757)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1758)。大当たり図柄でなければ(S1758でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更して(S1762)、特別図柄確定処理を終え、大当たり図柄であれば(S1758でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1759)。
【0348】
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1760)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1761)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
【0349】
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に
図43~
図47のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下に説明する演出を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
【0350】
また、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、
図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
【0351】
同図に示すように、演出制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0352】
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述する停止図柄パターン判定用乱数、および特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
【0353】
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
【0354】
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
【0355】
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(大当たりオープニング演出、ラウンド演出、大当たりエンディング演出)、客待ち演出、操作演出、および先読み演出等がある。
【0356】
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマー割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマー割り込み処理(S4012)については後述する。
【0357】
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
【0358】
[1msタイマ割り込み処理]
次に
図44を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタンセンサ41aからの検出信号に基づいて第1演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、第2演出ボタンセンサ42aからの検出信号に基づいて第2演出ボタンスイッチデータを作成する。
【0359】
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマー割り込み処理における発光データ作成処理(S4203)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
【0360】
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
【0361】
次に、演出制御用マイコン121は、タイマー更新処理を行う(S4104)。タイマー更新処理では、各種所定の演出に関する時間の管理・制御を行うために、後述する演出用RAM124に設けられた各種タイマの更新が行われる。当該処理では、演出用RAM124に設けられたタイマが1msec分、更新される。
【0362】
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4105)、1msタイマ割り込み処理を終える。
【0363】
[10msタイマー割り込み処理]
次に
図45を用いて10msタイマー割り込み処理について説明する。10msタイマー割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマー割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述の基本的な実施形態で詳細に説明する。
【0364】
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカー52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
【0365】
次いで、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
【0366】
[受信コマンド解析処理]
次に
図46~
図47を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
【0367】
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの判定を行う。先読み演出には、保留アイコンを特別態様で表示する保留変化予告の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われる連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0368】
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)ことが可能である。
【0369】
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
【0370】
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
【0371】
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、特図変動開始コマンドを演出用RAM124にある特図変動開始コマンド記憶部127に記憶する。次いで、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止特図および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。
【0372】
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を決定して、決定した演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一で、中演出図柄EZ2がそれらと異なるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。
【0373】
次に、演出制御用マイコン121は、滞在している演出モードと特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容が対応付けられた特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。
【0374】
演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータ(特図変動演出パターンデータ)を演出用RAM124の所定領域にセットすると共に、特図変動演出パターンを示す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0375】
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。
【0376】
また、特図変動演出開始コマンドには、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに関連付けられた演出フローに関する情報が含まれている。また、特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカー52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
【0377】
また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
【0378】
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
【0379】
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を停止)する。
【0380】
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4309でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4310)。
【0381】
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
【0382】
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4311でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4312)、受信コマンド解析処理を終える。
【0383】
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0384】
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、オープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4314)。
【0385】
演出制御用マイコン121は、大当たりオープニング演出開始処理では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0386】
ステップS4315において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4317に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4315でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4316)。
【0387】
演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0388】
ステップS4317において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4317でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4317でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4318)、および演出モード設定処理(S4319)を行ってから受信コマンド解析処理を終える。
【0389】
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、エンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0390】
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定する処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
【0391】
例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率高ベース遊技状態を示唆する確変演出モードに設定する。そして、確変演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、確変演出モードを設定することを示す確変演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変用背景画像G120を表示し、BGMとして確変用BGMを出力する。
【0392】
また、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄B、大当たり図柄C、または大当たり図柄Eであると、高確率高ベース遊技状態、または低確率高ベース遊技状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な時短演出モードを設定する。そして、演出制御用マイコン121は、時短演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、時短演出モードを設定することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時短演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として時短用背景画像G130を表示し、BGMとして時短用BGMを出力する。
【0393】
<第1実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第1実施形態について説明する。以下においては、主に、第1実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
【0394】
第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1は、演出全般に対応付けられた所定のモチーフについて基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機PYと異なる。第1実施形態では、変身可能な主人公キャラクター「ロゴ」が中心に据えられ、主人公キャラクター「ロゴ」が仲間と共に敵と対立してバトル(戦闘)するという物語がパチンコ遊技機PY1に係る演出全般に対応付けられたモチーフに設定されている。したがって、SPリーチやLリーチの演出内容(SPリーチ用背景画像G115やLリーチ用背景画像G114に係る動画の内容)は、主人公キャラクター「ロゴ」に関連するストーリーに適宜に変更されているものとする。
【0395】
また、パチンコ遊技機PY1は、外観についてパチンコ遊技機PYと異なる。
図48はパチンコ遊技機PY1の正面図である。
図48に示すように、パチンコ遊技機PY1の上皿34には、作動可能な枠可動体56が設けられている。
図49(A)は、枠可動体56が待機状態のときの上皿34付近の斜視図であり、
図49(B)は、枠可動体56の作動が完了した状態(作動完了状態)のときの上皿34付近の斜視図である。枠可動体56については後述する。
【0396】
さらに、パチンコ遊技機PY1には、発光可能な枠ランプ53が前枠23mの上部に設けられているが、枠ランプ53は、主人公キャラクター「ロゴ」を文字で表すように構成されている。また、パチンコ遊技機PY1の上皿34の右端部と、前枠23mの右側部の下端部との境界付近には略球体状の装飾球体部36が形成されている。装飾球体部36の外観の略左側半分は略半球に形成された透明の板状部材で構成されており、装飾球体部36は板状部材を介して内部を視認可能に構成されている。そして、装飾球体部36の内部には発光可能な球体発光部54が配置されており、球体発光部54は板状部材を介して視認可能である。
【0397】
また、パチンコ遊技機PY1には、演出に係る入力装置として、第1演出入力装置41、第2演出入力装置42、第3演出入力装置43、第4演出入力装置44、および第5演出入力装置45が搭載されている。
【0398】
第1演出入力装置41は、下方への押下操作が可能な第1演出操作部41kを備える。第1演出操作部41kは、上皿34の左右方向略中央で前方寄りに上方、および前方が大きく開放された正面視、および平面視略横長矩形状の上皿開放穴34aに収まった状態で配置されている。上皿開放穴34aの底面には、左右方向略中央において前後方向に略直線状で上側が略平坦に成形された土台部34bが設けられている。土台部34bには、当該土台部34bの延設方向に沿ってスライド(摺動)可能な第4演出操作部44kが設置されている。第4演出操作部44kについては後述するが、第1演出操作部41kは、第4演出操作部44kの上方側から鉛直方向に挿入しているように、第4演出操作部44kに取り付けられている。したがって、第1演出操作部41kは第4演出操作部44kのスライド(摺動)動作に伴ってスライド(摺動)する。
【0399】
また、第1演出操作部41kが操作を受けていない通常状態において、第1演出操作部41kの上端部は第4演出操作部44kの上面から突出し、第1演出操作部41kのそれ以外の部分は第4演出操作部44kの内部に収納されている。第1演出操作部41kの上端部は全体的に上方が凸となるようなドーム状に形成されている。この第1演出操作部41kの上端部を下方に押し込むことによって第1演出操作部41kが全体的に下降する。この第1演出操作部41kへの下方への押し込みが第1演出操作部41kに対する押下操作(第1演出操作)を構成する。
【0400】
なお、第1演出操作部41kは所定の第1長さまで押込操作可能に構成されている。第1長さは適宜に設定可能であるが、第1実施形態では1.5cmに構成されている。また、詳細な機構の説明は省略するが、第1演出操作部41kは押下操作に対して常に弾性力による反力が発生するように構成されており、押下操作されている第1演出操作部41kに対して押下操作が解除されると、第1演出操作部41kは自然に通常状態に戻る。
【0401】
第2演出入力装置42は、下方への押下操作が可能な第2演出操作部42kを備える。第2演出操作部42kは全体的に縦長形状に形成されている。そして、第2演出操作部42kは、装飾球体部36の平面視で略右側半分の略中央に上から突き刺さっているように装飾球体部36に取り付けられている。第2演出操作部42kが操作を受けていない通常状態において、第2演出操作部42kの視認可能な部分は、剣の手元側略半分を模している。第2演出操作部42kが操作を受けていない通常状態において、第2演出操作部42kは、剣の先端側から半分くらいが装飾球体部36に突き刺さっているような状態となっている。第2演出操作部42kの上側端部の剣の柄を模した部分は通常状態、および操作状態の何れにおいても露出しており、基本的にはこの部分を掴んで第2演出操作部42k全体を下方に押し込むことによって第2演出操作部42kが全体的に下降する。この第2演出操作部42kへの下方への押し込みが第2演出操作部42kに対する押下操作(第2演出操作)を構成する。
【0402】
なお、第2演出操作部42kは、第1長さよりも長い第2長さまで押下操作可能に構成されている。第2長さは適宜に設定可能であるが、第1実施形態では10.0cmに構成されている。また、詳細な機構の説明は省略するが、第2演出操作部42kは押下操作に対して常に弾性力による反力が発生するように構成されており、押下操作されている第2演出操作部42kに対して押下操作が解除されると、第2演出操作部42kは自然に通常状態に戻る。
【0403】
第3演出入力装置43は、第1演出操作部41kや第2演出操作部42kのように直接接触できる操作部を備えていない。しかしながら、第3演出入力装置43は、遊技者が透明板23tの略中央部近傍に手のひらをかざすと当該手のひらを検知できる第3演出操作部センサ43aを備えている。第3演出操作部センサ43aは、分離型のフォトセンサで構成されており、一対の発光素子43a1と受光素子43a2とを有する。透明板23tの略中央部近傍にかざされた手のひらを検知可能な範囲で、発光素子43a1、および受光素子43a2の設置位置は適宜に設定可能であるが、例えば、発光素子43a1が前枠23mの透明板23tの上端部付近の左右方向略中央に配置され、受光素子43a2が前枠23mの透明板23tの下端部付近の左右方向略中央に配置されている。したがって、遊技者が透明板23tの略中央部近傍に手のひらをかざすことが第3演出入力装置43に対する操作(タッチ操作)を構成する。
【0404】
なお、第3演出入力装置43は、第1演出操作部41kや第2演出操作部42kのように実際に接触できる操作部を備えていないが、便宜上、第3演出操作部センサ43aが検知可能な透明板23tの略中央部近傍の空間(
図48における一点鎖線で表された部分)が、仮想的な第3演出操作部43kを構成するものとする。そして、遊技者が透明板23tの略中央部近傍に手のひらをかざすことが、第3演出操作部43kに対する操作であり、当該操作のことを「第3演出操作部43kへのタッチ操作」と位置付ける。
【0405】
第4演出入力装置44は、後方への押し込み操作が可能な第4演出操作部44kを備える。前述の通り、第4演出操作部44kは、上皿開放穴34aの底面に形成された土台部34bの延設方向に沿ってスライド(摺動)可能に構成されている。土台部34bの前方側先端は、平面視において、上皿開放穴34aの底面の前方側先端と略一致している。そして、第4演出操作部44kが操作を受けていない通常状態において、第4演出操作部44kは、平面視で前方側先端が土台部34bの前方側先端と略一致するように保持されている。したがって、第1演出操作部41k、および第4演出操作部44kは、通常状態では、上皿開放穴34aにおいて、前方寄りに配置されていることになる。なお、通常状態のときの第4演出操作部44kの土台部34bに対する位置のことを「第4演出操作部通常位置」と称することもある。
【0406】
第4演出操作部44kが通常状態に保持されているとき、第4演出操作部44kと、上皿開放穴34aの後方側内壁との間には空間が形成されており、通常状態で保持されている第4演出操作部44kを全体的に後方に押し込むことによって第4演出操作部44kは土台部34bに沿って後方にスライド(摺動)する。この第4演出操作部44kへの後方への押し込みが第4演出操作部44kに対するスライド操作を構成する。
【0407】
なお、第4演出操作部44kは、第1長さよりも長い第4長さまでスライド操作可能に構成されている。第4長さは適宜に設定可能であるが、第1実施形態では3.0cmに構成されている。また、詳細な機構の説明は省略するが、第4演出操作部44kはスライド操作に対して常に弾性力による反力が発生するように構成されており、スライド操作されている第4演出操作部44kに対してスライド操作が解除されると、第4演出操作部44kは自然に通常状態に戻る。
【0408】
第5演出入力装置45は、基本的には後方斜め下方向への押し込み操作が可能な第5演出操作部45kを備える。「基本的には」というのは、第5演出操作部45kは、動作可能な枠可動体56kの装飾部562kに組み込まれる形で設けられており、構造上は、常時、装飾部562kに対して垂直に押し込み操作可能に構成されているが、装飾部562kは通常の待機状態においては、上皿34の内部に収納されており、枠可動体56kが作動することによって出現し、最終的には全体的に略前方斜め上方向を向くように保持されるので、結果的には第5演出操作部45kを後方斜め下方向に押し込み操作することが可能となるからである。
【0409】
枠可動体56kは、全体的には平面視で略門型形状、且つ側面視で略L字形状に形成されており、通常の待機状態において、上皿開放穴34aの周囲を囲うように、上皿34に配置されている。枠可動体56kは、装飾部562kと、装飾部562kを支持する支持部561kとを備える。支持部561kは、全体的には平面視で略門型形状、且つ側面視で略L字形状に形成されており、通常の待機状態において、上皿開放穴34aの周囲を囲うように上皿34に配置されている。支持部561kは、一対のアーム部561k1と、装飾部562kが取り付けられる取付部561k2とを備える。
【0410】
一対のアーム部561k1は、左右方向に所定間隔をおいて並設された2本の略直線状部材からなり、一対のアーム部561k1の基端部は、上皿34における前方側端部であって上皿開放穴34aの近傍で回転可能に支持されている。一対のアーム部561k1は、通常の待機状態において、基端部が前方側に位置し、先端部が後方側に位置するように平面視で上皿開放穴34aの左側面、および右側面に沿って上皿34に載置され、水平状態で保持されている。このとき、一対のアーム部561k1の前方側先端と、上皿34の前方側先端とは平面視で略一致しており、一対のアーム部561k1は、上皿34の前方側先端から後方側に少しセットバックした位置を通る左右方向の直線を回転軸として回転できるように上皿34に支持されている。
【0411】
取付部561k2は、全体的に矩形平板状に成形され、両隅部で一対のアーム部561k1と直交状態で接続されている。また、取付部561k2のアーム部561k1と反対側に装飾部562kが重なった状態で接着されている。重なって一体となっている装飾部562k、および取付部561k2は、待機状態において、上皿34の上皿開放穴34aの直ぐ後方側に形成された収納穴34cに収納されている。収納穴34cは、一体となった装飾部562k、および取付部561k2がちょうど収まるように一体となった装飾部562k、および取付部561k2に対応した形状に形成されている。
【0412】
枠可動体56kは、一対のアーム部561k1の基端部を回転軸として、右側面視で反時計回りに略120度まで回転可能である。枠可動体56kが回転すると、一体となった装飾部562k、および取付部561k2が収納穴34cから出てくる。枠可動体56kが回転可能な範囲の最後まで回転すると、一体となった装飾部562k、および取付部561k2は上皿開放穴34aの上方で保持される。このとき、一体となった装飾部562k、および取付部561k2は、後方へ向かうにつれて上昇するような斜め方向、言い換えると装飾部562kが前方斜め上方向を向くように保持されると共に、平面視で上皿開放穴34aを完全に覆った状態となる。ただし、上皿開放穴34aの前方側は、遊技者が上皿開放穴34aの中に手を入れて第1演出操作部41k、および第4演出操作部44kを操作可能な程度に開放されている。
【0413】
なお、以下において、枠可動体56kが回転可能な範囲の最後まで回転した状態を「作動完了状態」と称し、そのときの装飾部562kの状態を「出現完了状態」と称する。また、枠可動体56kの「待機状態」から「作動完了状態」に移行する途中の状態のことを「作動過程状態」と称し、そのときの装飾部562kの状態を「出現過程状態」と称する。さらに、待機状態の枠可動体56kが作動完了状態(収納状態の装飾部562kが出現状態)に向けて回転することを「出現動作」と称し、作動完了状態の枠可動体56kが待機状態(出現状態の装飾部562kが収納状態)に向けて回転することを「収納動作」と称することもある。
【0414】
装飾部562kは、主人公キャラクター「ロゴ」の顔を立体的に模している。装飾部562kが模している顔の中の鼻と口を一体的に囲む部分(鼻口一体部分)は、当該平板状の装飾部562kに直交する方向であって取付部561k2に向かう方向(内部側に直交する方向)に押し込み可能に構成されている。そして、この押し込み可能な部分が第5演出操作部45kを構成している。装飾部562kは、枠可動体56kの出現動作に伴って出現し、枠可動体56kの作動(回転)が完了した状態において、前方斜め上方向を向いて保持されるので、第5演出操作部45kは、実質的には、後方斜め下方向に押し込み可能ということになる。したがって、出現完了状態の装飾部562kに含まれる第5演出操作部45kを後方斜め下方向に押し込むことによって第5演出操作部45kが全体的に後方斜め下方向に移動する。この第5演出操作部45kへの後方斜め下方向の押し込みが第5演出操作部45kに対する押し込み操作(第5演出操作)を構成する。
【0415】
なお、第5演出操作部45kは、第1長さよりも長い第5長さまで押込操作可能に構成されている。第5長さは適宜に設定可能であるが、第1実施形態では2.0cmに構成されている。また、詳細な機構の説明は省略するが、第5演出操作部45kは押し込み操作に対して常に弾性力による反力が発生するように構成されており、押し込み操作されている第5演出操作部45kに対して押し込み操作が解除されると、第5演出操作部45kは自然に通常状態に戻る。
【0416】
また、第1実施形態では、第1演出操作部41k、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、第4演出操作部44k、および第5演出操作部45kには、演出上の名称が対応付けられている。第1演出操作部41kの演出上の名称は「Lボタン」であり、第2演出操作部42kの演出上の名称は「ロゴ剣」であり、第3演出操作部43kの演出上の名称は「ロゴタッチ」であり、第4演出操作部44kの演出上の名称は「Lレバー」であり、第5演出操作部45kの演出上の名称は「ロゴボタン」である。
【0417】
なお、第1演出操作部41kは振動可能に構成されている。また、第2演出操作部42kは振動可能に構成されている。さらには、第3演出操作部43kは仮想的な操作部であるが、便宜上振動可能に構成されている。具体的には、第3演出操作部43kを構成する表示部50aの略中央近傍の空間の左側に形成される前枠23mの左側部の上下方向略中央の第1特定位置X1と、右側に形成される前枠23mの右側部の上下方向略中央の第2特定位置X2とが振動可能に構成されている。すなわち、第1実施形態では、前枠23mの左側部の上下方向略中央の第1特定位置X1、および右側部の上下方向略中央の第2特定位置X2が振動することで、第3演出操作部43kが振動しているとみなされる。
【0418】
次に、第1実施形態に係る演出制御基板120側の電気的な構成について説明する。
図50は、第1実施形態に係る演出制御基板120側の電気的な構成を示すブロック図である。
【0419】
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出操作部センサ41a、第2演出操作部センサ42a、第3演出操作部センサ43a、第4演出操作部センサ44a、および第5演出操作部センサ45aが含まれている。第1演出操作部センサ41aは、第1演出操作部41kが押下操作されたことを検出する。第2演出操作部センサ42aは、第2演出操作部42kが押下操作されたことを検出する。第3演出操作部センサ43a(発光素子43a1、受光素子43a2)は、第3演出操作部43kがタッチ操作されたことを検出する。第4演出操作部センサ44aは、第4演出操作部44kがスライド操作されたことを検出する。第5演出操作部センサ45aは、第5演出操作部45kが押し込み操作されたことを検出する。第1演出操作部センサ41a、第2演出操作部センサ42a、第3演出操作部センサ43a、第4演出操作部センサ44a、および第5演出操作部センサ45aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号(操作検知信号)を演出制御基板120に出力する。
【0420】
また、演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤可動体回転用モーター55m1、盤可動体昇降用モーター55m2、枠可動体回転用モーター56m、第1演出操作部用モーター41m、第2演出操作部用モーター42m、第3演出操作部用モーター43m(第3演出操作部左側用モーター43m1、第3演出操作部右側用モーター43m2)が含まれている。盤可動体回転用モーター55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。盤可動体昇降用モーター55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。枠可動体回転用モーター56mは、枠可動体56kのアーム部561k1を駆動して、第5演出操作部45kを含む枠可動体56kを回転させることが可能である。第1演出操作部用モーター41mは、第1演出操作部41kを振動させることが可能である。第2演出操作部用モーター42mは、第2演出操作部42kを振動させることが可能である。第3演出操作部左側用モーター43m1は、前枠23mの左側部の上下方向略中央の第1特定位置X1を振動させることが可能である。第3演出操作部右側用モーター43m2は、前枠23mの右側部の上下方向略中央の第2特定位置X2を振動させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1、昇降部材55k2、および枠可動体56kの動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1、昇降部材55k2、および枠可動体56kの動作を制御する。また、演出制御用マイコン121は、第1演出操作部41k、第2演出操作部42k、ならびに前枠23mの左側部の第1特定位置X1、および右側部の第2特定位置X2の振動態様を決める振動パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、第1演出操作部41k、第2演出操作部42k、ならびに前枠23mの左側部の第1特定位置X1、および右側部の第2特定位置X2の振動を制御する。
【0421】
<第2実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態(パチンコ遊技機PY)、および第1実施形態(パチンコ遊技機PY1)に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。以下においては、主に、第2実施形態として、実施形態(パチンコ遊技機PY)、および第1実施形態(パチンコ遊技機PY1)と異なる点について説明する。また、実施形態(パチンコ遊技機PY)、および第1実施形態(パチンコ遊技機PY1)と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
【0422】
最初に、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2における、第1演出操作部41k、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kの位置付けについて説明する。第2実施形態では、第1演出操作部41kが標準的な通常の演出操作部に位置付けられ、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kは、第1演出操作部41kよりも、上位の特別な演出操作部に位置付けられている。後述するように、第1演出操作部41kの操作機会よりも第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kの操作機会の方が少なく、第1演出操作部41kを操作したときよりも第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kを操作したときの方が、遊技者に有利な大当たり遊技状態になる可能性が高い演出が実行される確率が高い。
【0423】
次に、第1演出操作部41kと、第2演出操作部42kと、第3演出操作部43kとの間に対応付けられた関係について説明する。前述の通り、第1演出操作部41kに対して押下操作可能な長さ(第1長さ)よりも第2演出操作部42kに対して押下操作可能な長さ(第2長さ)の方が長い。したがって、第2演出操作部42kの方が第1演出操作部41kよりも操作量が多いということになり、第2演出操作部42kは第1演出操作部41kよりもスケールが大きい。
【0424】
また、パチンコ遊技機PY2の前に遊技者が普通に着座すると、第1演出操作部41kは、遊技者の腹部辺りに対向することになるので当該遊技者の後方などからは完全に見えなくなる。一方、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kも当該遊技者の後方などから見えなくなる部分があり得るが、第1演出操作部41kに比べるとかなり見えやすい。したがって、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kは第1演出操作部41kよりも視認容易である(目立っている)。
【0425】
さらに、慣例を鑑みると、パチンコ遊技機PY2の前に着座した遊技者は、右手でハンドル72kを操作し、左手で第1演出操作部41k、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kを操作すると考えられる。そして、遊技中、左手は自身の太もも辺り、あるいはパチンコ遊技機PY2の下端手前辺りや上皿開放穴34aの底辺辺りに置かれていると考えられる。そうすると、遊技者がその体勢から第1演出操作部41k、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kのそれぞれを操作しようとすると、第1演出操作部41kまでの距離が最も短く、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kまでの距離は第1演出操作部41kまでの距離よりも遠い。言い換えると、自身の太もも辺り、あるいはパチンコ遊技機PY2の下端手前辺りや上皿開放穴34aの底面辺りを所定の基準位置とすると、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kは第1演出操作部41kよりもての移動量を多く伴う位置に設けられている。したがって、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kは第1演出操作部41kよりも操作し難い。
【0426】
また、遊技者は第1演出操作部41kに対して左手の手元で簡単に操作可能である。一方、第2演出操作部42kは前枠23mの右側部に配置されているので、遊技者は第2演出操作部42kを操作するには、左手を自身の身体にクロスさせて右側に移動させる必要がある。また、第3演出操作部43kは大体自身の顔付近に対向する高い位置に配置されているので、遊技者は第3演出操作部43kを操作するには、挙手するように左手を上げる必要がある。すなわち、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kに対する操作を行うための体勢は第1演出操作部41kに対する操作を行うための体勢よりも大袈裟である。
【0427】
次、第1演出操作部41k~第5演出操作部45kに対する操作を促す演出(操作促進演出)で用いられる画像(操作促進演出画像)の具体例について説明する。
図51(A)は、第1演出操作部41kに対する操作を促す演出(第1操作促進演出)で用いられる画像(第1操作促進演出画像)G41の具体例を表す図であり、
図51(B)は、第2演出操作部42kに対する操作を促す演出(第2操作促進演出)で用いられる画像(第2操作促進演出画像)G42の具体例を表す図であり、
図51(C)は、第3演出操作部43kに対する操作を促す演出(第3操作促進演出)で用いられる画像(第3操作促進演出画像)G43の具体例を表す図であり、
図52(A)は、第4演出操作部44kに対する操作を促す演出(第4操作促進演出)で用いられる画像(第4操作促進演出画像)G44の具体例を表す図であり、
図52(B)は、第5演出操作部45kに対する操作を促す演出(第5操作促進演出)で用いられる画像(第5操作促進演出画像)G45の具体例を表す図である。
【0428】
図51(A)に示すように、第1操作促進演出画像G41は、操作対象である第1演出操作部41kを表す画像(第1操作対象画像)G41aと、第1演出操作部41kの操作態様(押下操作)を表す画像(第1演出操作画像)G41bと、第1演出操作部41kの操作に係る有効期間(第1操作有効期間)の残り時間(第1操作有効期間残り時間)を表す画像(第1操作残り時間画像)G41cとを含む。
【0429】
図51(B)に示すように、第2操作促進演出画像G42は、操作対象である第2演出操作部42kを表す画像(第2操作対象画像)G42aと、第2演出操作部42kの操作態様(押下操作)を表す画像(第2演出操作画像)G42bと、第2演出操作部42kの操作に係る有効期間(第2操作有効期間)の残り時間(第2操作有効期間残り時間)を表す画像(第2操作残り時間画像)G42cとを含む。
【0430】
図51(C)に示すように、第3操作促進演出画像G43は、操作対象である第3演出操作部43k、言い換えると仮想の第3演出操作部43kを形成する空間を表す画像(第3操作対象画像)G43aと、第3演出操作部43kの操作態様(タッチ操作)を表す画像(第3演出操作画像)G43bと、第3演出操作部43kの操作に係る有効期間(第3操作有効期間)の残り時間(第3操作有効期間残り時間)を表す画像(第3操作残り時間画像)G43cとを含む。
【0431】
図52(A)に示すように、第4操作促進演出画像G44は、操作対象である第4演出操作部44kを表す画像(第4操作対象画像)G44aと、第4演出操作部44kの操作態様(スライド操作)を表す画像(第4演出操作画像)G44bと、第4演出操作部44kの操作に係る有効期間(第4操作有効期間)の残り時間(第4操作有効期間残り時間)を表す画像(第4操作残り時間画像)G44cとを含む。
【0432】
図52(B)に示すように、第5操作促進演出画像G45は、操作対象である第5演出操作部45kを表す画像(第5操作対象画像)G45aと、第5演出操作部45kの操作態様(押し込み操作)を表す画像(第5演出操作画像)G45bと、第5演出操作部45kの操作に係る有効期間(第5操作有効期間)の残り時間(第5操作有効期間残り時間)を表す画像(第5操作残り時間画像)G45cとを含む。
【0433】
図51(A)、
図51(B)、
図51(C)、
図52(A)、および
図52(B)に示すように、第1操作残り時間画像G41c、第2操作残り時間画像G42c、第3操作残り時間画像G43c、第4操作残り時間画像G44c、および第5操作残り時間画像G45cは直線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が各操作有効期間残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、第2実施形態では、第1操作残り時間画像G41c、第2操作残り時間画像G42c、第3操作残り時間画像G43c、第4操作残り時間画像G44c、および第5操作残り時間画像G45cは同一に構成されているが、全て相互に、または一部相互に異なって構成されていても良い。
【0434】
また、
図51(A)に示す第1操作促進演出画像G41は、第1操作促進演出で用いられる画像の一例であり、第1操作促進演出画像G41以外にも第1操作促進演出で用いられる画像があっても良い。第2操作促進演出画像G42、第3操作促進演出画像G43、第4操作促進演出画像G44、および第5操作促進演出画像G45についても同様である。
【0435】
ところで、基本的な実施形態では、通常遊技状態、且つ通常演出モードにおける特
図1変動パターンに基づく特図変動演出に係る演出フローを構成する演出(演出フロー構成演出)として、通常変動、および遊技者に有利な遊技状態になる可能性が通常変動よりも高いことを示唆するリーチ、ならびに各種リーチ演出、具体的には、Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチが実行可能であった。第2実施形態では、通常遊技状態、且つ通常演出モードでの特
図1変動パターンに基づく特図変動演出において、リーチや各種リーチ演出などのような演出フロー構成演出とは別に、遊技者に有利な遊技状態になる可能性があることを示唆する予告演出、言い換えると、実行されることが遊技者に有利な遊技状態(例えば、大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)になることに対するチャンスアップとなる予告演出が実行されることがある。
【0436】
第2実施形態では、第1演出操作部41kの操作、第2演出操作部42kの操作、または第3演出操作部43kの操作を伴う予告演出が実行されることがある。言い換えると、第1操作促進演出、第2操作促進演出、または第3操作促進演出を伴う予告演出が実行されることがある。以下において、第1操作促進演出、第2操作促進演出、または第3操作促進演出を伴う予告演出のことを「操作予告演出」と称することもある。
【0437】
操作予告演出では、最初に、第1操作促進演出、第2操作促進演出、または第3操作促進演出(操作促進演出)が実行され、当該操作促進演出が実行されているときに、当該操作促進演出の操作対象となる第1演出操作部41k、第2演出操作部42k、または第3演出操作部43kが操作されると、操作結果演出が実行される。
【0438】
第2実施形態で実行可能な操作予告演出には、第1操作予告演出、第2操作予告演出、および第3操作予告演出がある。第1操作予告演出、第2操作予告演出、および第3操作予告演出は、相互に演出内容、および実行タイミングが異なる。すなわち、演出内容、および実行タイミングに対応付けられた操作予告演出の演出種別(操作予告演出種別)として、第1操作予告演出、第2操作予告演出、および第3操作予告演出の3種類の操作予告演出種別がある。
【0439】
また、第1操作予告演出、第2操作予告演出、および第3操作予告演出の間で、当該操作予告演出が示唆する大当たり遊技状態になる期待度(大当たり期待度)の大小関係が設定されている。第2実施形態では、第1操作予告演出<第2操作予告演出<第3操作予告演出の順番で、大当たり期待度が高い。ただし、第1操作予告演出、第2操作予告演出、および第3操作予告演出の間での大当たり期待度の大小関係は適宜に変更しても良い。
【0440】
第1操作予告演出は通常変動の序盤から中盤にかけて実行可能である。第1操作予告演出では、操作促進演出として、第1操作促進演出が実行され、操作結果演出として、第1操作結果演出が実行される。第1操作結果演出は、後述する所定の第1操作結果演出画像G51が表示部50aにカットインするカットイン予告で構成される。なお、第2実施形態において、第1操作結果演出画像G51の表示態様は1種類である。
【0441】
第2操作予告演出は通常変動の中盤から終盤にかけて実行可能である。第2操作予告演出では、操作促進演出として、第1操作促進演出、または第2操作促進演出が実行され、操作結果演出として、第2操作結果演出が実行される。第2操作結果演出は、後述する多数の馬の群を表す第2操作結果演出画像G52が表示部50aを左から右に横断する群予告で構成される。第2操作結果演出として表示される第2操作結果演出画像G52には、馬の数が相対的に少ない第2操作結果演出A画像G52Aと、馬の数が相対的に多い第2操作結果演出B画像G52Bとがある。
【0442】
第2操作結果演出の演出種別(第2操作結果演出種別)として、第2操作結果演出A画像G52Aが表示される第2操作結果演出のことを「第2操作結果演出A」と称し、第2操作結果演出B画像G52Bが表示される第2操作結果演出のことを「第2操作結果演出B」と称する。また、当該第2操作予告演出で実行される操作促進演出の種別に関わらず、第2操作結果演出Aが実行される第2操作予告演出のことを「第2操作予告演出A」と称し、第2操作結果演出Bが実行される第2操作予告演出のことを「第2操作予告演出B」と称する。すなわち、第2操作結果演出種別に対応付けられた第2操作予告演出の種別(第2操作予告演出種別)として、第2操作予告演出Aと第2操作予告演出Bとがある。
【0443】
第3操作予告演出はNリーチにおいて実行可能である。第3操作予告演出では、操作促進演出として、第1操作促進演出、第2操作促進演出、または第3操作促進演出が実行され、操作結果演出として、第3操作結果演出が実行される。第3操作結果演出の演出種別(第3操作結果演出種別)として、第3操作結果演出Aと、第3操作結果演出Bとがある。第3操作結果演出Aでは、枠可動体56kが作動(装飾部562kが出現)しないが、枠可動体56kの装飾部562kが模している主人公キャラクター「ロゴ」を表す第3操作結果演出画像G53が表示部50aに表示される。第3操作結果演出Bでは、枠可動体56kが出現作動して装飾部562kが出現完了状態になると共に、第3操作結果演出画像G53が表示部50aに表示される。
【0444】
なお、当該第3操作予告演出で実行される操作促進演出の種別に関わらず、第3操作結果演出Aが実行される第3操作予告演出のことを「第3操作予告演出A」と称し、第3操作結果演出Bが実行される第3操作予告演出のことを「第3操作予告演出B」と称する。すなわち、第3操作結果演出種別に対応付けられた第3操作予告演出の種別(第3操作予告演出種別)として、第3操作予告演出Aと第3操作予告演出Bとがある。
【0445】
次に、第1操作予告演出、第2操作予告演出、および第3操作予告演出の具体例を説明する。
図53は、第1操作予告演出の具体例を説明する説明図であり、
図54は、第2操作予告演出の具体例を説明する説明図であり、
図55~
図56は、第3操作予告演出の具体例を説明する説明図である。
【0446】
最初に、第1操作予告演出の具体例について説明する。第1操作予告演出が実行される場合は、
図53(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始された直後に実行される。第1操作予告演出が開始されると、最初に第1操作促進演出が実行される。具体的には、
図53(B)に示すように、第1操作促進演出画像G41が表示される。第1操作予告演出に係る第1演出操作部41kへの操作有効期間の継続可能時間は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、3秒に設定されている。
【0447】
第1操作促進演出として、第1操作促進演出画像G41が表示されると、時間の経過に応じて、第1操作残り時間画像G41cが適宜に変化する。そして、第1操作促進演出画像G41が表示(第1操作促進演出が実行)されているときに、第1演出操作部41kが操作されると、
図53(C)に示すように、第1操作促進演出画像G41が消えて第1操作促進演出が終了すると共に、第1操作結果演出の実行として表示部50aに第1操作結果演出画像G51がカットインされる。第1操作結果演出の演出時間は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、2秒に設定されている。したがって、第1操作結果演出画像G51がカットイン(第1操作結果演出が開始)されてから2秒が経過すると、
図53(D)に示すように、第1操作結果演出画像G51が消えて第1操作結果演出が終了する。第1操作結果演出の終了によって第1操作予告演出も終了したことになる。なお、第2実施形態では、第1操作結果演出画像G51は、矩形状の台紙にキャラクターAが表示されているような画像で構成されているが、第1操作結果演出画像G51の表示内容は特に限定されず適宜に変更しても良い。
【0448】
次に、第2操作予告演出の具体例について説明する。第2操作予告演出が実行される場合は、
図54(A)に示すように演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されてから、6秒が経過した時点で実行される。第2操作予告演出が開始されると、最初に第1操作促進演出、または第2操作促進演出が実行される。第1操作促進演出が実行される場合は、
図54(B-1)に示すように、変動表示している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に第1操作促進演出画像G41が表示される。一方、第2操作促進演出が実行される場合は、
図54(B-2)に示すように、変動表示している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に第2操作促進演出画像G42が表示される。第2操作予告演出における第1操作促進演出に係る第1演出操作部41kへの操作有効期間の継続可能時間、および第2操作予告演出における第2操作促進演出に係る第2演出操作部42kへの操作有効期間の継続可能時間は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、何れも3秒に設定されている。
【0449】
第2操作予告演出の操作促進演出として、第1操作促進演出画像G41、または第2操作促進演出画像G42が表示(第1操作促進演出、または第2操作促進演出が実行)されると、時間の経過に応じて、第1操作残り時間画像G41c、または第2操作残り時間画像G42cが適宜に変化する。そして、第1操作促進演出画像G41が表示(第1操作促進演出が実行)されているときに第1演出操作部41kが操作されると、第1操作促進演出画像G41が消えて第1操作促進演出が終了すると共に、第2操作促進演出Aが実行される場合と、第2操作促進演出Bが実行される場合とがある。一方、第2操作促進演出画像G42が表示(第2操作促進演出が実行)されているときに第2演出操作部42kが操作されると、第2操作促進演出画像G42が消えて第2操作促進演出が終了すると共に、第2操作促進演出Aが実行される場合と、第2操作促進演出Bが実行される場合とがある。すなわち、第2操作予告演出の操作促進演出として、第1操作促進演出画像G41が表示されたときも、第2操作促進演出画像G42が表示されたときも、第2操作結果演出Aが実行される場合と、第2操作結果演出Bが実行される場合とがある。ただし、後述するように、第1操作促進演出画像G41が表示(第1操作促進演出が実行)されたときよりも第2操作促進演出画像G42が表示(第2操作促進演出が実行)されたときの方が、第2操作結果演出Bが実行される期待度が高い。
【0450】
第2操作結果演出Aが実行される場合は、
図54(C-1)に示すように、第2操作結果演出A画像G52Aが表示部50aの左端からフレームインしてきて右方向に移動し、そのまま右端からフレームアウトする。一方、第2操作結果演出Bが実行される場合は、
図54(C-2)に示すように、第2操作結果演出B画像G52Bが表示部50aの左端からフレームインしてきて右方向に移動し、そのまま右端からフレームアウトする。第2操作結果演出Aの演出時間、言い換えると第2操作結果演出A画像G52Aがフレームインしてからフレームアウトするまでの時間は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、2秒に設定されている。一方、第2操作結果演出Bの演出時間、言い換えると第2操作結果演出B画像G52Bがフレームインしてからフレームアウトするまでの時間は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、2秒に設定されている。
【0451】
第2操作結果演出A画像G52Aの完全なフレームアウトが第2操作結果演出Aの終了を構成し、第2操作結果演出B画像G52Bの完全なフレームアウトが第2操作結果演出Bの終了を構成する。そして、第2操作結果演出Aの終了、および第2操作結果演出Bの終了は、第2操作予告演出の終了を構成する。したがって、第2操作予告演出が終了すると、
図54(D)に示すように、表示部50aには第2操作結果演出A画像G52A、または第2操作結果演出B画像G52Bが表示されていない。
【0452】
次に、第3操作予告演出の具体例について説明する。第3操作予告演出は、Nリーチにおいて実行される。
図55(A)に示すようにNリーチが実行されているときに、第3操作予告演出が開始されると、最初に第1操作促進演出、第2操作促進演出、または第3操作促進演出が実行される。第1操作促進演出が実行される場合は、
図55(B-1)に示すように、リーチを形成している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に第1操作促進演出画像G41が表示される。第2操作促進演出が実行される場合は、
図55(B-2)に示すように、リーチを形成している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に第2操作促進演出画像G42が表示される。第3操作促進演出が実行される場合は、
図55(B-3)に示すように、リーチを形成している演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に第3操作促進演出画像G43が表示される。第3操作予告演出における第1操作促進演出に係る第1演出操作部41kへの操作有効期間の継続可能時間、第3操作予告演出における第2操作促進演出に係る第2演出操作部42kへの操作有効期間の継続可能時間、および第3操作予告演出における第3操作促進演出に係る第3演出操作部43kへの操作有効期間の継続可能時間は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、何れも3秒に設定されている。
【0453】
第3操作予告演出の操作促進演出として、第1操作促進演出画像G41、第2操作促進演出画像G42、または第3操作促進演出画像G43が表示(第1操作促進演出、第2操作促進演出、または第3操作促進演出が実行)されると、時間の経過に応じて、第1操作残り時間画像G41c、第2操作残り時間画像G42c、または第3操作残り時間画像G43cが適宜に変化する。そして、第1操作促進演出画像G41が表示(第1操作促進演出が実行)されているときに第1演出操作部41kが操作されると、第1操作促進演出画像G41が消えて第1操作促進演出が終了すると共に、第3操作促進演出Aが実行される場合と、第3操作促進演出Bが実行される場合とがある。一方、第2操作促進演出画像G42が表示(第2操作促進演出が実行)されているときに第2演出操作部42kが操作されると、第2操作促進演出画像G42が消えて第2操作促進演出が終了すると共に、第3操作促進演出Aが実行される場合と、第3操作促進演出Bが実行される場合とがある。また、第3操作促進演出画像G43が表示(第3操作促進演出が実行)されているときに第3演出操作部43kが操作されると、第3操作促進演出画像G43が消えて第3操作促進演出が終了すると共に、第3操作促進演出Bが実行される。すなわち、第3操作予告演出の操作促進演出として、第1操作促進演出画像G41が表示されたときも、第2操作促進演出画像G42が表示されたときも、第3操作結果演出Aが実行される場合と、第3操作結果演出Bが実行される場合とがある。一方、第3操作促進演出画像G43が表示されたときには、第3操作結果演出Aが実行されることはなく、必ず第3操作結果演出Aが実行される。ただし、後述するように、第3操作促進演出画像G43が表示(第3操作促進演出が実行)されたとき>第2操作促進演出画像G42が表示(第2操作促進演出が実行)されたとき>第1操作促進演出画像G41が表示(第1操作促進演出が実行)されたときの順番で、第3操作結果演出Bが実行される期待度が高い。
【0454】
第3操作結果演出Aが実行される場合は、
図56(A-1)に示すように、表示部50a全体に第3操作結果演出画像G53が表示されるが、枠可動体56kは作動せずに、装飾部562kが上皿34に収納されている待機状態が保持される。一方、第3操作結果演出Bが実行される場合は、
図56(A-2)に示すように、表示部50a全体に第3操作結果演出画像G53が表示されると共に、枠可動体56kが作動して、装飾部562kが出現完了状態となる。第3操作結果演出Aの演出時間、および第3操作結果演出Bの演出時間は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、何れも4秒に設定されている。したがって、第3操作結果演出画像G53は、表示されてから4秒が経過すると、
図56(B)に示すように、消える。第3操作結果演出画像G53の消去は第3操作結果演出A、および第3操作結果演出Bの終了を構成する。第3操作結果演出A、および第3操作結果演出Bの終了によって第3操作予告演出も終了したことになる。なお、第3操作結果演出Bが実行されている場合、第3操作結果演出画像G53の消去に伴って、枠可動体56kは収納動作を開始し、そのまま待機状態に戻る。
【0455】
次に、操作予告演出に係る制御内容の一例について説明する。なお、以下に説明する制御内容は、操作予告演出に係る制御内容の一例であるので、その制御内容は以下の内容に限定されることなく、適宜に変更しても良い。
【0456】
例えば、演出制御用マイコン121は、ステップS4306において、通常遊技状態、且つ通常演出モードである場合には、特
図1変動パターンに基づいて特図変動演出パターンを決定した後に、特図変動開始コマンドに基づいて、第1操作予告演出の実行の可否を決定するための第1操作予告演出実行判定を行う。
【0457】
第1操作予告演出実行判定は、第1操作予告演出実行判定テーブルを参照して実行される。第1操作予告演出実行判定テーブルの構成例を
図57に示す。
図57に示すように、第1操作予告演出実行判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、第1操作予告演出実行判定テーブルとして、SP大当たり変動用の第1操作予告演出実行判定テーブル、L大当たり変動用の第1操作予告演出実行判定テーブル、SPハズレ変動用の第1操作予告演出実行判定テーブル、Lハズレ変動用の第1操作予告演出実行判定テーブル、Nハズレ変動用の第1操作予告演出実行判定テーブル、通常Aハズレ変動用の第1操作予告演出実行判定テーブル、通常Bハズレ変動用の第1操作予告演出実行判定テーブル、および通常Cハズレ変動用の第1操作予告演出実行判定テーブルが設けられている。
図57に示す各第1操作予告演出実行判定テーブルは、第1操作予告演出を実行する/実行しないに対する選択率が
図57に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
【0458】
図57に示すように、ハズレ変動だけでなく大当たり変動の場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、第1操作予告演出は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、大当たり遊技状態への移行に対してチャンスアップとなる演出である。また、リーチが成立しない特図変動の場合だけでなくリーチが成立する特図変動の場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、第1操作予告演出は、リーチが成立する可能性があることを示唆する演出であり、リーチの成立に対してチャンスアップとなる演出である。
【0459】
演出制御用マイコン121は、第1操作予告演出実行判定で第1操作予告演出を実行すると判定した場合には、第1操作予告演出の演出内容を示すコマンド(第1操作予告演出実行コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0460】
また、演出制御用マイコン121は、ステップS4306において、通常遊技状態、且つ通常演出モードである場合には、特
図1変動パターンに基づいて特図変動演出パターンを決定した後に、第1操作予告演出実行判定の判定結果に関わらず、特図変動開始コマンドに基づいて、第2操作予告演出の実行の可否を決定するための第2操作予告演出実行判定を行う。
【0461】
第2操作予告演出実行判定は、第2操作予告演出実行判定テーブルを参照して実行される。第2操作予告演出実行判定テーブルの構成例を
図58(A)に示す。
図58(A)に示すように、第2操作予告演出実行判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、第2操作予告演出実行判定テーブルとして、SP大当たり変動用の第2操作予告演出実行判定テーブル、L大当たり変動用の第2操作予告演出実行判定テーブル、SPハズレ変動用の第2操作予告演出実行判定テーブル、Lハズレ変動用の第2操作予告演出実行判定テーブル、Nハズレ変動用の第2操作予告演出実行判定テーブル、通常Aハズレ変動用の第2操作予告演出実行判定テーブル、通常Bハズレ変動用の第2操作予告演出実行判定テーブル、および通常Cハズレ変動用の第2操作予告演出実行判定テーブルが設けられている。
図58(A)に示す各第2操作予告演出実行判定テーブルは、第2操作予告演出を実行する/実行しないに対する選択率が
図58(A)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
【0462】
図58(A)に示すように、ハズレ変動だけでなく大当たり変動の場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、第2操作予告演出は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、大当たり遊技状態への移行に対してチャンスアップとなる演出である。また、リーチが成立しない特図変動の場合だけでなくリーチが成立する特図変動の場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、第2操作予告演出は、リーチが成立する可能性があることを示唆する演出であり、リーチの成立に対してチャンスアップとなる演出である。
【0463】
演出制御用マイコン121は、第2操作予告演出実行判定で第2操作予告演出を実行すると判定した場合には、引き続き、特図変動開始コマンドに基づいて、第2操作予告演出種別を決定するための第2操作予告演出種別判定を行う。
【0464】
第2操作予告演出種別判定は、第2操作予告演出種別判定テーブルを参照して実行される。第2操作予告演出種別判定テーブルの構成例を
図58(B)に示す。
図58(B)に示すように、第2操作予告演出種別判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、第2操作予告演出種別判定テーブルとして、SP大当たり変動用の第2操作予告演出種別判定テーブル、L大当たり変動用の第2操作予告演出種別判定テーブル、SPハズレ変動用の第2操作予告演出種別判定テーブル、Lハズレ変動用の第2操作予告演出種別判定テーブル、Nハズレ変動用の第2操作予告演出種別判定テーブル、および通常Aハズレ変動用の第2操作予告演出種別判定テーブルが設けられている。
図58(B)に示す各第2操作予告演出種別判定テーブルは、各第2操作予告演出種別に対する選択率が
図58(B)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
【0465】
図58(B)に示すように、SP大当たり変動の場合とSPハズレ変動の場合、およびL大当たり変動の場合とLハズレ変動の場合とで比べると、SP大当たり変動の場合、およびL大当たり変動の場合の方が「第2操作予告演出B」に対する選択率が高い。また、通常Aハズレ変動では、「第2操作予告演出B」が選択されることがなく、Nハズレ変動では、「第2操作予告演出B」の選択率が極めて低い。したがって、総じて第2操作予告演出種別が示唆する大当たり期待度については、第2操作予告演出A<第2操作予告演出Bという大小関係が成立する。
【0466】
演出制御用マイコン121は、第2操作予告演出種別判定を行った場合には、引き続き、第2操作予告演出種別判定結果に基づいて、第2操作予告演出での操作促進演出種別を決定するための第2操作予告演出操作種別判定を行う。
【0467】
第2操作予告演出操作種別判定は、第2操作予告演出操作種別判定テーブルを参照して実行される。第2操作予告演出操作種別判定テーブルの構成例を
図58(C)に示す。
図58(C)に示すように、第2操作予告演出操作種別判定テーブルは、第2操作予告演出種別判定結果に対応付けられている。具体的には、第2操作予告演出操作種別判定テーブルとして、第2操作予告演出A用の第2操作予告演出操作種別判定テーブル、および第2操作予告演出B用の第2操作予告演出操作種別判定テーブルが設けられている。
図58(C)に示す各第2操作予告演出操作種別判定テーブルは、各操作促進演出の種別に対する選択率が
図58(C)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
【0468】
図58(C)に示すように、第2操作予告演出Bについて、第2操作促進演出の選択率よりも第1操作促進演出の選択率の方が高いが、第2操作予告演出Bでの第1操作促進演出の選択率、および第2操作促進演出の選択率を、第2操作予告演出Aでの第1操作促進演出の選択率、および第2操作促進演出の選択率で除算すると、その値は第2操作促進演出の方が高い。したがって、第2操作予告演出においては、第1操作促進演出が実行された場合よりも第2操作促進演出が実行された場合の方が、第2操作予告演出Bの実行に対する期待度が高い。言い換えると、第2操作予告演出においては、第2操作促進演出>第1操作促進演出の順番で、大当たり期待度が高い。
【0469】
演出制御用マイコン121は、第2操作予告演出操作種別判定を終えると、第2操作予告演出種別判定の判定結果、および第2操作予告演出操作種別判定の判定結果、言い換えると第2操作予告演出の演出内容を示すコマンド(第2操作予告演出実行コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0470】
また、演出制御用マイコン121は、ステップS4306において、通常遊技状態、且つ通常演出モードである場合には、特
図1変動パターンに基づいて特図変動演出パターンを決定した後に、第1操作予告演出実行判定の判定結果、および第2操作予告演出実行判定の判定結果に関わらず、特図変動開始コマンドに基づいて、第3操作予告演出の実行の可否を決定するための第3操作予告演出実行判定を行う。
【0471】
第3操作予告演出実行判定は、第3操作予告演出実行判定テーブルを参照して実行される。第3操作予告演出実行判定テーブルの構成例を
図59(A)に示す。
図59(A)に示すように、第3操作予告演出実行判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、第3操作予告演出実行判定テーブルとして、SP大当たり変動用の第3操作予告演出実行判定テーブル、L大当たり変動用の第3操作予告演出実行判定テーブル、SPハズレ変動用の第3操作予告演出実行判定テーブル、Lハズレ変動用の第3操作予告演出実行判定テーブル、Nハズレ変動用の第3操作予告演出実行判定テーブル、通常Aハズレ変動用の第3操作予告演出実行判定テーブル、通常Bハズレ変動用の第3操作予告演出実行判定テーブル、および通常Cハズレ変動用の第3操作予告演出実行判定テーブルが設けられている。
図59(A)に示す各第3操作予告演出実行判定テーブルは、第3操作予告演出を実行する/実行しないに対する選択率が
図59(A)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。なお、第3操作予告演出はNリーチにおいて実行可能であるので、通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動、および通常Cハズレ変動の場合には、「第3操作予告演出を実行する」に対する選択率が「0」になっている。
【0472】
図59(A)に示すように、ハズレ変動だけでなく大当たり変動の場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、第2操作予告演出は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、大当たり遊技状態への移行に対してチャンスアップとなる演出である。また、SPリーチ、またはLリーチが実行されない特図変動の場合だけでなくSPリーチが実行される特図変動の場合、およびLリーチが実行される特図変動の場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、第3操作予告演出は、SPリーチ、またはLリーチに発展する可能性があることを示唆する演出であり、SPリーチ、またはLリーチへの発展に対してチャンスアップとなる演出である。
【0473】
演出制御用マイコン121は、第3操作予告演出実行判定で第3操作予告演出を実行すると判定した場合には、引き続き、特図変動開始コマンドに基づいて、第3操作予告演出種別を決定するための第3操作予告演出種別判定を行う。
【0474】
第3操作予告演出種別判定は、第3操作予告演出種別判定テーブルを参照して実行される。第3操作予告演出種別判定テーブルの構成例を
図59(B)に示す。
図59(B)に示すように、第3操作予告演出種別判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、第3操作予告演出種別判定テーブルとして、SP大当たり変動用の第3操作予告演出種別判定テーブル、L大当たり変動用の第3操作予告演出種別判定テーブル、SPハズレ変動用の第3操作予告演出種別判定テーブル、Lハズレ変動用の第3操作予告演出種別判定テーブル、およびNハズレ変動用の第3操作予告演出種別判定テーブルが設けられている。
図59(B)に示す各第3操作予告演出種別判定テーブルは、各第3操作予告演出種別に対する選択率が
図59(B)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
【0475】
図59(B)に示すように、SP大当たり変動の場合とSPハズレ変動の場合、およびL大当たり変動の場合とLハズレ変動の場合とで比べると、SP大当たり変動の場合、およびL大当たり変動の場合の方が「第3操作予告演出B」に対する選択率が高い。また、Nハズレ変動では、「第3操作予告演出B」が選択されることがない。したがって、総じて第3操作予告演出種別が示唆する大当たり期待度については、第3操作予告演出A<第3操作予告演出Bという大小関係が成立する。
【0476】
また、SP大当たり変動の場合とL大当たり変動の場合、およびSPハズレ変動の場合とLハズレ変動の場合とで比べると、SP大当たり変動の場合、およびSPハズレ変動の場合に「第3操作予告演出B」に対する選択率が高い。したがって、第3操作予告演出Aが実行された場合よりも第3操作予告演出Bが実行された場合の方がSPリーチに発展し易い。
【0477】
演出制御用マイコン121は、第3操作予告演出種別判定を行った場合には、引き続き、第3操作予告演出種別判定結果に基づいて、第3操作予告演出での操作促進演出種別を決定するための第3操作予告演出操作種別判定を行う。
【0478】
第3操作予告演出操作種別判定は、第3操作予告演出操作種別判定テーブルを参照して実行される。第3操作予告演出操作種別判定テーブルの構成例を
図59(C)に示す。
図59(C)に示すように、第3操作予告演出操作種別判定テーブルは、第3操作予告演出種別判定結果に対応付けられている。具体的には、第3操作予告演出操作種別判定テーブルとして、第3操作予告演出A用の第3操作予告演出操作種別判定テーブル、および第3操作予告演出B用の第3操作予告演出操作種別判定テーブルが設けられている。
図59(C)に示す各第3操作予告演出操作種別判定テーブルは、各操作促進演出の種別に対する選択率が
図59(C)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
【0479】
図59(C)に示すように、第3操作予告演出Bについては、第1操作促進演出、第2操作促進演出、および第3操作促進演出の何れも選択されることがあるが、第3操作予告演出Aについては、第1操作促進演出、および第2操作促進演出が選択されることがあるが、第3操作促進演出が選択されることはない。また、第3操作予告演出Bについて、第2操作促進演出の選択率よりも第1操作促進演出の選択率の方が高いが、第3操作予告演出Bでの第1操作促進演出の選択率、および第2操作促進演出の選択率を、第3操作予告演出Aでの第1操作促進演出の選択率、および第2操作促進演出の選択率で除算すると、その値は第2操作促進演出の方が高い。したがって、第3操作予告演出においては、第3操作促進演出>第2操作促進演出>第1操作促進演出の順番で、第3操作予告演出Bの実行に対する期待度が高い。言い換えると、第3操作予告演出においては、第3操作促進演出>第2操作促進演出>第1操作促進演出の順番で、大当たり期待度が高い。
【0480】
演出制御用マイコン121は、第3操作予告演出操作種別判定を終えると、第3操作予告演出種別判定の判定結果、および第3操作予告演出操作種別判定の判定結果、言い換えると第3操作予告演出の演出内容を示すコマンド(第3操作予告演出実行コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0481】
演出用RAM124の出力バッファにセットされた第1操作予告演出実行コマンド、第2操作予告演出実行コマンド、および第3操作予告演出実行コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。画像制御基板140の画像用CPU141は、第1操作予告演出実行コマンド、第2操作予告演出実行コマンド、および第3操作予告演出実行コマンドを受信すると、特図変動演出が開始した後に、表示部50aにおいて、適宜に各種操作予告演出実行コマンドが示す演出内容の操作予告演出を開始させる。
【0482】
また、演出制御用マイコン121は、各種操作予告演出を実行すると判定した場合には、当該特図変動演出の開始時を基準とした当該操作予告演出が開始する時間、および操作促進演出に係る操作有効期間残り時間の時間管理を適宜に行うものとする。そして、演出制御用マイコン121は、操作促進演出が実行されているときに、当該操作促進演出の対象となる演出操作部(第1演出操作部41k、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k)に対する操作(通常有効操作)の検知信号を受け付けると、その旨を示すコマンド(有効操作検知コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。具体的には、演出制御用マイコン121は、第1操作促進演出が実行されているときに第1演出操作部41kの操作が検知された場合、第2操作促進演出が実行されているときに第2演出操作部42kの操作が検知された場合、および第3操作促進演出が実行されているときに第3演出操作部43kの操作が検知された場合、有効操作検知コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0483】
なお、以下において、第1操作促進演出が実行されているときに第1演出操作部41kが操作されること、第2操作促進演出が実行されているときに第2演出操作部42kが操作されること、および第3操作促進演出が実行されているときに第3演出操作部43kが操作されることを「通常有効操作」と称する。
【0484】
出力バッファにセットされた有効操作検知コマンドコマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。画像制御基板140の画像用CPU141は、有効操作検知コマンドコマンドを受信すると、そのときに実行している操作促進演出を終了させると共に、表示部50aにおいて当該操作予告演出種別に対応した操作結果演出を開始させる。
【0485】
また、演出制御用マイコン121は、通常有効操作が行われた場合、当該演出操作部(第1演出操作部41k、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k)に対して、操作を受け付けたことを示唆する演出として、当該演出操作部(第1演出操作部41k、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k)を振動させる通常有効操作受付演出を実行する。前述の通り、パチンコ遊技機PY2には、実在する第1演出操作部41kを振動させる第1演出操作部用モーター41m、実在する第2演出操作部42kを振動させる第2演出操作部用モーター42m、および仮想の第3演出操作部43kの代わりに前枠23mの左側部の第1特定位置X1、および右側部の第2特定位置X2を振動させる第3演出操作部用モーター43mが搭載されている。したがって、演出制御用マイコン121は、第1操作促進演出が実行されているときに第1演出操作部41kの操作が検知された場合には、通常有効操作受付演出として、第1演出操作部用モーター41mを駆動して第1演出操作部41kを振動させ、第2操作促進演出が実行されているときに第2演出操作部42kの操作が検知された場合、通常有効操作受付演出として、第2演出操作部用モーター42mを駆動して第2演出操作部42kを振動させ、第3操作促進演出が実行されているときに第3演出操作部43kの操作が検知された場合、第3演出操作部用モーター43mを駆動して、仮想的な第3演出操作部43kの振動として、前枠23mの左側部の第1特定位置X1、および右側部の第2特定位置X2を振動させる。
【0486】
ところで、前述の通り、パチンコ遊技機PY2においては、第1演出操作部41kが基準となる標準的な操作部と位置付けられている。そして、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kに対する操作機会が示唆する大当たり期待度は、第1演出操作部41kに対する操作機会が示唆する大当たり期待度よりも高い。言い換えると、第2操作促進演出、および第3操作促進演出が示唆する大当たり期待度は、第1操作促進演出が示唆する大当たり期待度よりも高い。さらには、第2演出操作部42kに係る押下操作、および第3演出操作部43kに係るタッチ操作は、第1演出操作部41kに係る押下操作に比べて操作量が多く、体勢が大袈裟であり、目立つ。したがって、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kは、第1演出操作部41kよりも上位の操作部、言い換えると第1演出操作部41kよりも格式高い操作部として位置づけられている。そして、パチンコ遊技機PY2においては、第2操作促進演出が実行されているときに、相対的に下位の(格式の低い)操作部に位置付けられる第1演出操作部41kが操作されると、当該操作が有効と取り扱われる。同様に、第3操作促進演出が実行されているときに、相対的に下位の(格式の低い)操作部に位置付けられる第1演出操作部41kが操作されると、当該操作が有効と取り扱われる。以下において、第2操作促進演出が実行されているときに第1演出操作部41kが操作されること、および第3操作促進演出が実行されているときに第1演出操作部41kが操作されることを「特別有効操作」と称する。
【0487】
そして、演出制御用マイコン121は、第2操作予告演出で第2操作促進演出が実行されているときに第1演出操作部41kの操作が検知された場合、有効操作検知コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。また、演出制御用マイコン121は、第3操作予告演出で第2操作促進演出、または第3操作促進演出が実行されているときに第1演出操作部41kの操作が検知された場合、有効操作検知コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
【0488】
出力バッファにセットされた有効操作検知コマンドコマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。画像制御基板140の画像用CPU141は、有効操作検知コマンドコマンドを受信すると、そのときに実行している操作促進演出を終了させると共に、表示部50aにおいて当該操作予告演出種別に対応した操作結果演出を開始させる。
【0489】
さらに、演出制御用マイコン121は、特別有効操作が行われた場合、第1演出操作部41kに対して、操作を受け付けたことを示唆する演出として、第1演出操作部41kを振動させる特別有効操作受付演出を実行する。したがって、演出制御用マイコン121は、第2操作促進演出が実行されているときに、または第3操作促進演出が実行されているときに、第1演出操作部41kの操作が検知された場合、特別有効操作受付演出として、第1演出操作部用モーター41mを駆動して第1演出操作部41kを振動させる。
【0490】
次に、パチンコ遊技機PY2において、大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY2に係る大当たり図柄種別には、パチンコ遊技機PYに係る大当たり図柄種別と同様に、特
図1に係る大当たり図柄A~大当たり図柄Cと、特
図2に係る大当たり図柄D~大当たり図柄Fとがある。また、各種大当たり図柄種別に係る大当たり遊技構成要素もパチンコ遊技機PY2とパチンコ遊技機PYとで同様である。しかし、パチンコ遊技機PYでは、大当たり図柄Cに係る大当たり遊技(第3大当たり遊技)が終了することに応じて低確率高ベース遊技状態に移行していたが、パチンコ遊技機PY2では、大当たり図柄Cに係る大当たり遊技(第3大当たり遊技)が終了することに応じて低確率低ベース遊技状態(通常遊技状態)に移行する。そして、当該大当たり図柄Cに係る大当たり遊技(第3大当たり遊技)の後の低確率低ベース遊技状態(通常遊技状態)では、通常演出モードによる演出が実行される。したがって、通常遊技状態、且つ通常演出モードで大当たり図柄Cが停止表示すると、第3大当たり遊技の実行という恩恵を享受できるものの、当該第3大当たり遊技の終了と共に、通常遊技状態、且つ通常演出モードに戻ってしまう。
【0491】
そして、パチンコ遊技機PY2では、大当たり図柄Cに係る大当たり遊技(第3大当たり遊技)の終了に伴って低確率低ベース遊技状態(通常遊技状態)に移行する一方、大当たり図柄Bに係る大当たり遊技(第2大当たり遊技)の終了に伴って高確率高ベース遊技状態に移行する。しかし、大当たり図柄Bに係る大当たり遊技構成要素と大当たり図柄Cに係る大当たり遊技構成要素とは同一であるので、これらの大当たり遊技中の大入賞口14の開閉態様からはどちらの大当たり遊技が実行されているのか、言い換えると当該大当たり遊技の終了に応じてどちらの遊技状態に移行するのかの見極めが困難である。そこで、大当たり図柄Bに係る第2大当たり遊技、および大当たり図柄Cに係る第3大当たり遊技において、高確率高ベース遊技状態(確変演出モード)に移行できるか否かを煽ることを含むチャレンジ演出が実行される。
【0492】
次に、パチンコ遊技機PY2が第2大当たり遊技、および第3大当たり遊技において実行可能なチャレンジ演出、および操作部選択演出の概要について説明する。
【0493】
チャレンジ演出では、高確率高ベース遊技状態(確変演出モード)に移行できるか否かを煽るゲーム演出が実行された後に、高確率高ベース遊技状態(確変演出モード)に移行することを示唆する演出(成功演出)、または高確率高ベース遊技状態(確変演出モード)に移行しないことを示唆する演出(失敗演出)が実行される。
【0494】
チャレンジ演出には、3つの演出種別(チャレンジ演出種別)がある。チャレンジ演出種別は、演出操作部の種別に対応付けられている。具体的には、チャレンジ演出種別として、ゲーム演出で第2演出操作部42kの押下操作を伴い得るロゴ剣チャレンジ演出と、ゲーム演出で第3演出操作部43kのタッチ操作を伴い得るロゴタッチチャレンジ演出と、ゲーム演出で第4演出操作部44kのスライド操作を伴い得るロゴレバーチャレンジ演出とがある。
【0495】
以下において、ロゴ剣チャレンジ演出における「ゲーム演出」、「成功演出」、および「失敗演出」のことを「ロゴ剣ゲーム演出」、「ロゴ剣成功演出」、および「ロゴ剣失敗演出」と称する。同様に、ロゴタッチチャレンジ演出における「ゲーム演出」、「成功演出」、および「失敗演出」のことを「ロゴタッチゲーム演出」、「ロゴタッチ成功演出」、および「ロゴタッチ失敗演出」と称し、ロゴレバーチャレンジ演出における「ゲーム演出」、「成功演出」、および「失敗演出」のことを「ロゴレバーゲーム演出」、「ロゴレバー成功演出」、および「ロゴレバー失敗演出」と称する。
【0496】
なお、各種ゲーム演出では、当該ゲーム演出での操作対象となる演出操作部(第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44k)に対して操作をしてもらうことを前提としており、操作に応じて成功演出、または失敗演出が導出されることになる。そこで、パチンコ遊技機PY2において、各種ゲーム演出に係る演出操作部に対して操作を行い、当該操作に応じて、成功演出が実行されて高確率高ベース遊技状態に移行するという結果、または失敗演出が実行されて高確率高ベース遊技状態に移行しないという結果が導出されることが一種のゲームとして位置付けられている。そこで、以下において、ロゴ剣ゲーム演出に係るゲームを「ロゴ剣ゲーム」と称し、ロゴタッチゲーム演出に係るゲームを「ロゴタッチゲーム」と称し、ロゴレバーゲーム演出に係るゲームを「ロゴレバーゲーム」と称することもある。また、ロゴ剣ゲーム、ロゴタッチゲーム、およびロゴレバーゲームのそれぞれは、ロゴ剣ゲーム演出、ロゴタッチゲーム演出、およびロゴレバーゲーム演出のそれぞれを構成するものとする。
【0497】
1回の第2大当たり遊技、および第3大当たり遊技で実行可能なチャレンジ演出は、ロゴ剣チャレンジ演出、ロゴタッチチャレンジ演出、およびロゴレバーチャレンジ演出の何れか1つである。そして、何れのチャレンジ演出を実行させるのかを選択する演出として、操作部選択演出が実行される。操作部選択演出は、チャレンジ演出の直前に実行される。
【0498】
操作部選択演出では、第2演出操作部42k(ロゴ剣)、第3演出操作部43k(ロゴタッチ)、および第4演出操作部44k(ロゴレバー)が選択肢として提示され、何れか1つの選択肢が選択されると、当該操作部選択演出の終了に応じて、当該操作部選択演出で選択された選択肢に対応付けられたチャレンジ演出が実行される。詳細には、操作部選択演出で第2演出操作部42k(ロゴ剣)が選択されると、当該選択に応じて、操作部選択演出が終了すると共に、ロゴ剣チャレンジ演出が実行され、操作部選択演出で第3演出操作部43k(ロゴタッチ)が選択されると、当該選択に応じて、操作部選択演出が終了すると共に、ロゴタッチチャレンジ演出が実行され、操作部選択演出で第4演出操作部44k(ロゴレバー)が選択されると、当該選択に応じて、操作部選択演出が終了すると共に、ロゴレバーチャレンジ演出が実行される。また、操作部選択演出で第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kの何れも選択されなかった場合は、当該選択されなかったことに応じて、当該操作部選択演出が終了すると共に、チャレンジ演出が実行されることなく、何れも選択されなかったことに応じた特殊演出が実行される。
【0499】
第2大当たり遊技、および第3大当たり遊技における操作部選択演出、およびチャレンジ演出の実行タイミングは適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、操作部選択演出は第2ラウンド遊技から第3ラウンド遊技にまたがって、チャレンジ演出、および操作部選択演出が実行される。
【0500】
次に、操作部選択演出の具体例について説明する。
図60~
図61は、操作部選択演出の具体例を説明する説明図である。
【0501】
操作部選択演出は第2ラウンド遊技の途中から開始される。そして、操作部選択演出が開始されると、それまで表示部50a全体に表示されていたラウンド用背景画像G201(図示なし)から、
図60(A)に示すように、操作部選択演出専用の背景画像(操作部選択演出用背景画像)G230に切り替わる。操作部選択演出用背景画像G230の略中央には、パチンコ遊技機PY2の正面図が表示されている。なお、以下において、操作部選択演出用背景画像G230に表示されているパチンコ遊技機PY2のことを「背景画像内パチンコ遊技機部分」と称する。
【0502】
操作部選択演出の開始時には、これから実行され得るチャレンジ演出の演出内容、言い換えると成功演出が実行されると確変演出モードに突入することを説明する画像(チャレンジ演出内容説明画像)G54が操作部選択演出用背景画像G230に重畳的に表示される。チャレンジ演出内容説明画像G54の表示内容は、遊技者がチャレンジ演出の演出内容を理解可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第2実施形態ではチャレンジ演出内容説明画像G54は「演出成功で確変モードに突入!!」というフレーズで構成されている。なお、ラウンド用背景画像G201から操作部選択演出用背景画像G230に切り替わっても、右打ち画像G2、およびラウンド画像G3は、そのまま継続して表示される。
【0503】
次に、
図60(B)に示すように、チャレンジ演出で使用する演出操作部、言い換えるとチャレンジ演出種別を選択するように誘導することを表す画像(選択誘導画像)G55が操作部選択演出用背景画像G230に重畳的に表示される。選択誘導画像G55の表示内容は、遊技者がチャレンジ演出で使用する演出操作部を選択することを理解可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第2実施形態では選択誘導画像G55は「お前が信じるものに直接触れるんだ」というフレーズで構成されている。
【0504】
さらに、選択誘導画像G55の表示と共に、チャレンジ演出で使用可能な演出操作部を強調する画像(演出操作部強調画像)G56の表示(演出操作部強調表示)が行われる。演出操作部強調表示として、背景画像内パチンコ遊技機部分の中の第2演出操作部42kの部分(背景画像内第2演出操作部部分)が目立つように当該部分を囲う画像(第2演出操作部強調画像)G56aの表示と、背景画像内パチンコ遊技機部分の中の第3演出操作部43kの部分(背景画像内第3演出操作部部分)が目立つように当該部分に手のひらをかざしている様子を表す画像(第3演出操作部強調画像)G56bの表示と、背景画像内パチンコ遊技機部分の中の第4演出操作部44kの部分(背景画像内第4演出操作部部分)が目立つように当該部分を囲う画像(第4演出操作部強調画像)G56cの表示とが一斉に行われる。
【0505】
また、演出操作部強調表示においては、第2演出操作部強調画像G56aと一体化された背景画像内第2演出操作部部分が繰り返し第2演出操作(押下操作)されているような動作を行い、背景画像内第3演出操作部部分にかざされた第3演出操作部強調画像G56bが繰り返し第3演出操作(タッチ操作)しているような動作を行い、第4演出操作部強調画像G56cと一体化された背景画像内第4演出操作部部分が繰り返し第4演出操作(スライド操作)されているような動作を行う。
【0506】
そして、演出操作部強調表示が開始してから所定時間(例えば、3秒)が経過すると、当該演出操作部強調表示が継続したまま、チャレンジ演出で使用する演出操作部、言い換えるとチャレンジ演出種別を選択可能な期間(使用演出操作部選択期間)に突入する。使用演出操作部選択期間の継続可能時間(使用演出操作部選択期間継続可能時間)は特に限定されないが、第2実施形態では3秒に設定されている。
【0507】
使用演出操作部選択期間に突入すると、
図60(C)に示すように、使用演出操作部選択期間の残り時間(使用演出操作部選択期間残り時間)を表す画像(使用演出操作部選択期間残り時間画像)G57が表示される。使用演出操作部選択期間残り時間画像G57は、時間の経過と共に、遊技者が使用演出操作部選択期間残り時間を認識可能な態様で変化する。使用演出操作部選択期間残り時間画像G57の表示内容は、遊技者が使用演出操作部選択期間残り時間を認識可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、使用演出操作部選択期間残り時間画像G57は一桁の数字で構成され、使用演出操作部選択期間残り時間画像G57として最初に数字「3」が表示される。そして、使用演出操作部選択期間になってから時間の経過に応じて、使用演出操作部選択期間残り時間画像G57が表す数字はカウントダウンされる。
【0508】
使用演出操作部選択期間は、第2演出操作部42kに対する押下操作(第2演出操作)、第3演出操作部43kに対するタッチ操作(第3演出操作)、および第4演出操作部44kに対するスライド操作(第4演出操作)が有効な期間である。言い換えると、使用演出操作部選択期間は、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kが選択肢として提示される期間である。そして、使用演出操作部選択期間において、第2演出操作、第3演出操作、および第4演出操作の何れか1つが最初に行われると、その操作に係る演出操作部が選択されたこととなり、そこで使用演出操作部選択期間が終了する。すなわち、使用演出操作部選択期間において、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kの中で最初に有効に操作されたものが、当該使用演出操作部選択期間において選択された演出操作部(選択肢)ということになる。
【0509】
なお、使用演出操作部選択期間において、第1演出操作部41kが操作されても当該操作は無効化されるものとする。言い換えると、使用演出操作部選択期間において、第1演出操作部41kが操作されても、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、または第4演出操作部44kの何れも選択されたことにならず、使用演出操作部選択期間残り時間がある限り、そのまま継続する。
【0510】
使用演出操作部選択期間が終了すると、続いて、選択された演出操作部(第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44k)を報知する選択演出操作部報知演出が実行される。具体的には、使用演出操作部選択期間において、第2演出操作部42k(ロゴ剣)が選択(押下操作)されると、第2演出操作部42kが選択されたことを報知するロゴ剣選択報知演出が実行され、第3演出操作部43k(ロゴタッチ)が選択(タッチ操作)されると、第3演出操作部43kが選択されたことを報知するロゴタッチ選択報知演出が実行され、第4演出操作部44k(ロゴレバー)が選択(スライド操作)されると、第4演出操作部44kが選択されたことを報知するロゴレバー選択報知演出が実行される。なお、使用演出操作部選択期間が終了すると、選択誘導画像G55、各種強調画像G56a~G56c、および使用演出操作部選択期間残り時間画像G57、ならびに背景画像内パチンコ遊技機部分が消える。
【0511】
選択演出操作部報知演出は、選択された演出操作部を示す画像(演出操作部選択報知演出画像)G58の表示部50aでの表示で構成される。演出操作部選択報知演出画像G58として、ロゴ剣選択報知演出を構成する第2演出操作部42kが選択されたことを示す画像(ロゴ剣選択報知演出画像)G58aと、ロゴタッチ選択報知演出を構成する第3演出操作部43kが選択されたことを示す画像(ロゴタッチ選択報知演出画像)G58bと、ロゴレバー選択報知演出を構成する第4演出操作部44kが選択されたことを示す画像(ロゴレバー選択報知演出画像)G58cとがある。
【0512】
各種演出操作部選択報知演出画像G58の表示内容は、選択された演出操作部を遊技者が認識可能な範囲で適宜に設定可能であるが、ロゴ剣選択報知演出画像G58aは、第2演出操作部42kの名称(ロゴ剣)を表す文字で構成され、ロゴタッチ選択報知演出画像G58bは、第3演出操作部43kの名称(ロゴタッチ)を表す文字で構成され、ロゴレバー選択報知演出画像G58cは、第4演出操作部44kの名称(ロゴレバー)を表す文字で構成される。なお、各種選択演出操作部報知演出の演出時間は特に限定されずに適宜に設定可能であるが、第2実施形態では3秒に設定されている。
【0513】
ロゴ剣選択報知演出では、
図61(A)に示すように、表示部50aの略中央にロゴ剣選択報知演出画像G58aが大きくが実行される。なお、図示されていないが、操作部選択演出用背景画像G230においては、第2演出操作部42kを模した画像が表示される。同様に、ロゴタッチ選択報知演出では、
図61(B)に示すように、表示部50aの略中央にロゴタッチ選択報知演出画像G58bが表示される。なお、図示されていないが、操作部選択演出用背景画像G230においては、第3演出操作部43kを模した画像が表示される。また、ロゴレバー選択報知演出では、
図61(C)に示すように、表示部50aの略中央にロゴレバー選択報知演出画像G58cが表示される。なお、図示されていないが、操作部選択演出用背景画像G230においては、背景画像内パチンコ遊技機部分が消えると共に、第5演出操作部45kを模した画像が表示される。
【0514】
そして、演出操作部選択報知演出が終了することによって、操作部選択演出が終了すると共に、選択された演出操作部に対応付けられたチャレンジ演出が実行される。したがって、第2演出操作部42kが選択されてロゴ剣選択報知演出が実行されると、続いてロゴ剣チャレンジ演出が実行され、第3演出操作部43kが選択されてロゴタッチ選択報知演出が実行されると、続いてロゴタッチチャレンジ演出が実行され、第4演出操作部44kが選択されてロゴレバー選択報知演出が実行されると、続いてロゴレバーチャレンジ演出が実行される。
【0515】
なお、ロゴ剣チャレンジ演出ではロゴ剣チャレンジ演出専用の背景画像(ロゴ剣チャレンジ演出用背景画像)G231aが表示部50a全体に表示され、ロゴタッチチャレンジ演出ではロゴタッチチャレンジ演出専用の背景画像(ロゴタッチチャレンジ演出用背景画像)G231bが表示部50a全体に表示され、ロゴレバーチャレンジ演出ではロゴレバーチャレンジ演出専用の背景画像(ロゴレバーチャレンジ演出用背景画像)G231cが表示部50a全体に表示される。ロゴ剣チャレンジ演出用背景画像G231a、ロゴタッチチャレンジ演出用背景画像G231b、およびロゴレバーチャレンジ演出用背景画像G231cは、相互に異なる内容のアニメーションで構成されている。
【0516】
次に、ロゴレバーチャレンジ演出の概要について説明する。ロゴレバーチャレンジ演出では、最初に、当該ロゴレバーチャレンジ演出で行われるロゴレバーゲームの概要、詳細には、第4演出操作部44kの操作方法、およびロゴレバー成功演出の演出内容などを説明する説明演出(ロゴレバー説明演出)が実行される。続いて、ロゴレバーゲームとして、第4演出操作部44kの操作を伴い得るロゴレバーゲーム演出が実行される。そして、最後に、ロゴレバー成功演出、またはロゴレバー失敗演出が実行される。
【0517】
ロゴレバーゲームでは、第4演出操作部44kを特定継続時間、継続してスライド操作させる必要がある。そして、原則的には、当該大当たり遊技が第2大当たり遊技である(当該大当たり遊技の終了に伴って高確率高ベース遊技状態に移行する)という特定条件が成立している状況で、第4演出操作部44kが特定継続時間、継続してスライド操作されることが当該ゲームの成功となる。一方、それ以外の場合、具体的には、特定条件が成立していない(当該大当たり遊技が第3大当たり遊技である(当該大当たり遊技の終了に伴って低確率低ベース遊技状態に移行する))場合、または特定条件が成立しているが(当該大当たり遊技が第2大当たり遊技である(当該大当たり遊技の終了に伴って高確率高ベース遊技状態に移行する)が)、第4演出操作部44kが特定継続時間、継続してスライド操作されなかった場合に当該ゲームの失敗となる。したがって、例えば、特定条件が成立している場合であっても、第4演出操作部44kへのスライド操作を始めてから特定継続時間が経過する前に、第4演出操作部44kから手を離すなどしてスライド操作を止めると失敗となる。すなわち、特定継続時間が、ロゴレバーチャレンジ演出に係る第4演出操作部44kの実質的な操作が有効な期間(ロゴレバーチャレンジ操作有効期間)を構成する。
【0518】
ロゴレバーゲームを構成する第4演出操作部44kへのスライド操作の特定継続時間は5つ設定されている。具体的には、特定継続時間として、1秒(特定継続時間1)、2秒(特定継続時間2)、3秒(特定継続時間3)、4秒(特定継続時間4)、および5秒(特定継続時間5)が設定されている。演出制御用マイコン121は、例えば、特定条件が成立している場合に使用演出操作部選択期間で第4演出操作部44kが選択されると、所定の判定(抽選)によって、特定継続時間として、1秒(特定継続時間1)、2秒(特定継続時間2)、3秒(特定継続時間3)、4秒(特定継続時間4)、および5秒(特定継続時間5)の何れにするかを決定する。
【0519】
なお、各特定継続時間の決定率は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、1秒(特定継続時間1)=5%、2秒(特定継続時間2)=10%、3秒(特定継続時間3)=20%、4秒(特定継続時間4)=30%、および5秒(特定継続時間5)=35%となっている。ただし、各特定継続時間の決定率は全て略同一になるようにしても良い。また、演出制御用マイコン121は、特定条件が成立していない場合、仮想的な特定継続時間としてのロゴレバーチャレンジ操作有効期間の時間(ロゴレバーチャレンジ操作有効期間時間)を5秒に設定する。
【0520】
このように、ロゴレバーゲームでは、原則的に、特定条件が成立している状況で、第4演出操作部44kが特定継続時間、継続してスライド操作されることによってロゴレバー成功演出が実行される一方、特定条件が成立している状況であっても、第4演出操作部44kが特定継続時間、継続してスライド操作されなければロゴレバー失敗演出が実行される。しかし、ロゴレバーゲームでは、例外的に、特定条件が成立している状況で、第4演出操作部44kがスライド操作されたが、当該操作が特定継続時間、継続しなかったとしてもロゴレバー成功演出が実行されることがある。以下において、第4演出操作部44kが特定継続時間、継続してスライド操作されたことを契機に実行されるロゴレバー成功演出を「通常ロゴレバー成功演出」と称し、第4演出操作部44kが特定継続時間、継続してスライド操作されなかったことを契機に実行されるロゴレバー成功演出を「特別ロゴレバー成功演出」と称することもある。
【0521】
例えば、演出制御用マイコン121は、特定継続時間を決定した後に、所定の判定(抽選)によって、当該ロゴレバーゲームにおいて、第4演出操作部44kが特定継続時間、継続してスライド操作されなかった場合の特別ロゴレバー成功演出の実行の可否を決定する。なお、特別ロゴレバー成功演出を実行すると決定される確率(特別ロゴレバー成功演出実行確率)は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、特定継続時間が1秒(特定継続時間1)である場合には10%であり、特定継続時間が2秒(特定継続時間2)である場合には15%であり、特定継続時間が3秒(特定継続時間3)である場合には20%であり、特定継続時間が4秒(特定継続時間4)である場合には25%であり、特定継続時間が5秒(特定継続時間5)である場合には30%である。すなわち、特別ロゴレバー成功演出実行確率は、特定継続時間が長くなるにつれて高くなっている。ただし、特別ロゴレバー成功演出実行確率は、特定継続時間が長くなるにつれて低くなるようにしても良い。あるいは、特別ロゴレバー成功演出実行確率は、特定継続時間に関わらず全て略同一になるようにしても良い。
【0522】
また、特別ロゴレバー成功演出を実行すると決定された場合であっても、少なくとも第4演出操作部44kがスライド操作されなければ特別ロゴレバー成功演出は実行されない。言い換えると、特別ロゴレバー成功演出の実行条件には、ロゴレバーチャレンジ操作有効期間において、第4演出操作部44kがスライド操作されることが含まれている。したがって、ロゴレバーチャレンジ操作有効期間が開始してから第4演出操作部44kが操作されずに特定継続時間が経過しても特別ロゴレバー成功演出が実行されることはない。
【0523】
特別ロゴレバー成功演出が実行されるためには、少なくとも第4演出操作部44kがスライド操作されることが必要であるが、特別ロゴレバー成功演出は、第4演出操作部44kへのスライド操作が止められたとき、言い換えると第4演出操作部44kが通常状態に戻るときに実行される。
【0524】
スライド操作されている第4演出操作部44kを通常状態に戻す方法として、第4演出操作部44kから手を離すという操作を行って自動的に(反力で)第4演出操作部44kを通常状態に戻す方法と、第4演出操作部44kを掴持したまま後方へ移動させるという操作を行って手動で第4演出操作部44kを通常状態に戻す方法とがある。以下において、スライド操作されている第4演出操作部44kを通常状態に戻すための第4演出操作部44kから手を離す操作や第4演出操作部44kを掴持したまま後方へ移動させる操作のことを「第4演出操作解除操作」と称する。したがって、ある意味、特別ロゴレバー成功演出は、第4演出操作解除操作に応じて実行されるということができる。
【0525】
なお、第2実施形態では、ロゴレバーチャレンジ操作有効期間において、第1演出操作部41kをはじめ第4演出操作部44k以外の演出操作部が操作されても当該操作は無効とされるものとする。ただし、例えば、第4演出操作部44kと一体的に配置されている第1演出操作部41kへの操作は有効となるようにしても良い。あるいは、第4演出操作部44k以外の全ての演出操作部への操作、もしくは、第4演出操作部44k以外の一部の演出操作部への操作は有効となるようにしても良い。
【0526】
ここで、ロゴレバーチャレンジ演出の具体例について説明する。
図62~
図67は、ロゴレバーチャレンジ演出の具体例を説明する説明図である。ロゴレバーチャレンジ演出が開始されると、
図62(A)に示すように、表示部50a全体に表示される背景画像が操作部選択演出用背景画像G230からロゴレバーチャレンジ演出用背景画像G231cに切り替わる。ロゴレバーチャレンジ演出では最初にロゴレバー説明演出が実行されるが、ロゴレバー説明演出が実行されているときには、表示部50aにおいて、ロゴレバーゲームの概要を説明する画像(ロゴレバー説明演出画像G60)が、ロゴレバーチャレンジ演出用背景画像G231cに重畳的に表示される。
【0527】
ロゴレバー説明演出画像G60の表示内容は、遊技者がロゴレバーゲームの概要を理解可能な範囲で適宜に設定可能であるが、ロゴレバーゲームの概要を説明する文章で構成されている。第2実施形態では、ロゴレバー説明演出画像G60は、3段階で変化する。具体的には、ロゴレバー説明演出画像G60として、最初に、
図62(A)に示すように、「勝負はこれからだ/確変をゲットしたければ、/レバーを押し続けて」という文章が表示される。ここでは、これからゲームが開始され、ロゴレバーゲームで成功すると確変演出モード(高確率高ベース遊技状態)に突入するが、そのためには第4演出操作部44kを継続してスライド操作する必要があることが説明されている。なお、このとき、当該ロゴレバー説明演出画像G60の表示内容に応じて、ロゴレバーチャレンジ演出用背景画像G231cでは、第4演出操作部44kがスライド操作されている様子が表示される。次に、
図62(B)に示すように、ロゴレバー説明演出画像G60として、「ロゴを発動させろ」という文章が表示される。ここでは、第4演出操作部44kをスライド操作した結果、成功演出として枠可動体56kが作動(装飾部562kが出現)することが説明されている。なお、このとき、当該ロゴレバー説明演出画像G60の表示内容に応じて、ロゴレバーチャレンジ演出用背景画像G231cでは、枠可動体56kが作動(装飾部562kが出現)した様子が表示される。そして、最後に、
図62(C)に示すように、ロゴレバー説明演出画像G60として、「発動タイミングは/予測不能だ/君は/レバーを押し続ける/ことができるのか!?」という文章が表示される。ここでは、枠可動体56kの作動タイミングは1つではないこと、言い換えると特定継続時間が複数種類設定されていることが説明されている。このようなロゴレバーゲームの概要を説明するロゴレバー説明演出画像G60の3段階の表示と、ロゴレバーチャレンジ演出用背景画像G231cの表示とがロゴレバー説明演出を構成する。
【0528】
ロゴレバー説明演出が終了すると、ロゴレバーゲーム演出に移行する。ロゴレバーゲーム演出の最初には、ロゴレバーゲームに係る第4演出操作部44kへのスライド操作(第4演出操作)が可能となる(ロゴレバーゲームが本格的に開始される)前の準備段階として、
図62(D)に示すように、表示部50aに、第4操作促進演出画像G44を構成する第4操作対象画像G44aが表示されると共に、現在ロゴレバーゲームの準備段階であり、間もなくロゴレバーゲームが本格的に開始されることを示唆する画像(ロゴレバーゲーム準備段階示唆画像)G61がロゴレバーチャレンジ演出用背景画像G231cに重畳的に表示される。ロゴレバーゲーム準備段階示唆画像G61の表示内容は、遊技者が間もなくロゴレバーゲームが開始されることを理解可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第2実施形態では「READY」という言葉で構成されている。
【0529】
そして、ロゴレバーゲームが本格的に開始されると、
図63(A)に示すように、第4操作対象画像G44aの他に、第4演出操作画像G44b、および第4操作残り時間画像G44cも加わって第4操作促進演出画像G44が完成すると共に、ロゴレバーチャレンジ操作有効期間が発生する。なお、前述の通り、特定継続時間の中で最も長い時間は5秒であるので、第4操作残り時間画像G44cは、実際の特定継続時間が何れであっても、ロゴレバーチャレンジ操作有効期間の時間が5秒という設定で適宜に変化する。
【0530】
ここで、特定条件が成立していない状況であるが、第4演出操作部44kへのスライド操作が継続して実行された場合、
図63(B)に示すように、第4操作残り時間画像G44cが示す第4操作残り時間が0秒になり、続いて、
図63(C)に示すように、第4操作促進演出画像G44が消えて第4操作促進演出、およびロゴレバーチャレンジ操作有効期間が終了すると共に、表示部50a全体が黒色に表示されて演出上の暗転が行われる。なお、この表示部50aでの暗転は、次にロゴレバー成功演出が実行されるかロゴレバー失敗演出が実行されるかの分岐点(ロゴレバー成否分岐点)を構成する。
【0531】
そして、
図63(C)に示す暗転が終わると、
図64(A)に示すように、表示部50a全体にはラウンド用背景画像G201が表示される。このように、暗転(ロゴレバー成否分岐点)の後、枠可動体56の出現動作、ならびに後述するロゴレバー成功演出画像G62の表示、および第1確変移行示唆画像G63の表示が行われることなくラウンド用背景画像G201が表示されることがロゴレバー失敗演出を構成する。そして、特定条件が成立していない状況では、この後は、ラウンド遊技の進行に応じて
図64(B)に示すように、ラウンド演出も適宜に進行し(
図64(B)では、第3大当たり遊技の最終ラウンド遊技である第5ラウンド遊技が実行されている)、ラウンド遊技が終了すると、エンディングに移行し、
図64(C)に示すように、エンディング演出が実行されて、最終的には、
図64(D)に示すように、当該第3大当たり遊技が終了して低確率低ベース遊技状態(通常遊技状態)に移行すると共に、通常演出モードによる演出が実行されることになる。なお、第3大当たり遊技のエンディング演出として、エンディング用背景画像G202には、大当たり遊技が終了することを示唆するフレーズ「大当たり/END」が表示されている。
【0532】
また、特定条件が成立している状況であり、当該ロゴレバーチャレンジ演出に係る特定継続時間が5秒(特定継続時間5)であり、第4演出操作部44kへのスライド操作が5秒(特定継続時間5)、継続して実行された場合も、
図63(B)に示すように、第4操作残り時間画像G44cが示す第4操作残り時間が0秒になり、
図63(C)に示すように、ロゴレバー成否分岐点を迎える。そうすると、この場合は続いて、ロゴレバー成功演出が実行される。
【0533】
ロゴレバー成功演出が開始されると、最初に、枠可動体56kが第1速度で出現動作を行って装飾部562kが素早く出現完了状態(枠可動体56kが素早く作動完了状態)になる(図示なし)と共に、
図65(A)に示すように、装飾部562kが模している主人公キャラクター「ロゴ」の顔を表す画像(ロゴレバー成功演出画像)G62が表示部50aの全体に表示される。続いて、
図65(B)に示すように、装飾部562kの出現完了状態(枠可動体56kの作動完了状態)が継続しつつ、表示部50aの全体に、高確率高ベース遊技状態に移行することを示唆する第1確変移行示唆画像G63が表示される。第1確変移行示唆画像G63の表示内容は、高確率高ベース遊技状態に移行することを遊技者が理解可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、「確変/演出モード」という文字で構成されている。
【0534】
このように、ロゴレバー成功演出では、枠可動体56kが出現作動を行って装飾部562kが出現完了状態になると共に、ロゴレバー成功演出画像G62が表示され、ロゴレバー成功演出画像G62から第1確変移行示唆画像G63に切り替わる。以下においては、枠可動体56kが出現動作を行って装飾部562kが出現完了状態になり、当該装飾部562kの出現完了状態が保持されていることと、ロゴレバー成功演出画像G62の表示とを合わせて「ロゴレバー成功演出の前半」と位置付け、装飾部562kの出現完了状態が保持されていることと、第1確変移行示唆画像G63の表示とを合わせて「ロゴレバー成功演出の後半」と位置付ける。
【0535】
ロゴレバー成功演出の前半に要する時間、およびロゴレバー成功演出の後半に要する時間は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、ロゴレバー成功演出の前半に要する時間は5秒に設定され、ロゴレバー成功演出の後半に要する時間は3秒に設定されている。また、ロゴレバー成功演出の前半において、枠可動体56は出現動作を始めてから0.5秒で作動完了状態になる。なお、ロゴレバー成功演出として枠可動体56が出現動作を行う際には、後述する枠可動体作動示唆画像G70のような枠可動体56kが作動することを説明する画像は表示されない。
【0536】
なお、ここでは、第4演出操作部44kへのスライド操作が当該特定継続時間、継続して実行されているので、遊技者が第4演出操作部44kを第4演出操作している状況でロゴレバー成功演出(通常ロゴレバー成功演出)が実行されたことになる。
【0537】
ロゴレバー成功演出が終了すると、枠可動体56kが第2速度で収納動作を行って装飾部562kはゆっくりと収納状態になる。なお、第2速度は第1速度よりも低速であり、第2実施形態では枠可動体56が収納動作を始めてから3.0秒で装飾部562kが収納状態になる。なお、ロゴレバー成功演出の終了に応じて枠可動体56が収納動作を行う際には、後述する枠可動体作動示唆画像G70のような枠可動体56kが作動することを説明する画像は表示されない。
【0538】
ロゴレバー成功演出の終了によってロゴレバーチャレンジ演出も終了する。ロゴレバーチャレンジ演出が終了すると、通常のラウンド演出に復帰し、第3大当たり遊技の場合と同様に、
図66(A)に示すように、表示部50a全体にはラウンド用背景画像G201が表示され、この後は、ラウンド遊技の進行に応じて
図66(B)に示すように、ラウンド演出も適宜に進行する。ただし、ロゴレバー成功演出が実行された場合は、第1確変移行示唆画像G63と同じく、高確率高ベース遊技状態に移行することを示唆する第2確変移行示唆画像G64が表示部50aの特定位置(
図66(A)、および
図66(B)では、右端部の上下方向略中央)にアイコンとして表示される。なお、第2確変移行示唆画像G64は第1確変移行示唆画像G63よりも小さく形成されている。また、第2確変移行示唆画像G64の表示内容は、遊技者が高確率高ベース遊技状態に移行することを理解可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、円の中に「確変演出モードゲット」という文字が表示されている図形で構成されている。
【0539】
第2確変移行示唆画像G64はラウンド遊技が終了するまで表示される。そして、ラウンド遊技が終了すると、エンディングに移行し、
図66(C)に示すように、エンディング演出が実行されて、最終的には、
図66(D)に示すように、当該第2大当たり遊技が終了して高確率高ベース遊技状態に移行すると共に、確変演出モードによる演出が実行されることになる。なお、ここでのエンディング演出として、エンディング用背景画像G202には、高確率高ベース遊技状態(確変演出モード)に移行することを示唆するフレーズ「確変演出モード/突入」が表示されている。
【0540】
また、特定条件が成立している状況で、当該ロゴレバーチャレンジ演出に係る特定継続時間が5秒(特定継続時間5)以外、具体的には、1秒(特定継続時間1)、2秒(特定継続時間2)、3秒(特定継続時間3)、または4秒(特定継続時間4)であり、第4演出操作部44kへのスライド操作が当該特定継続時間、継続して実行された場合、
図63(A)に示す状況と
図63(B)に示す状況との間のロゴレバーゲームが本格的に開始されてから当該特定継続時間が経過した時点で、
図63(C)に示すように、ロゴレバー成否分岐点が到来し、続いて、
図65(A)~
図65(B)に示すように、ロゴレバー成功演出(通常ロゴレバー成功演出)が実行される。その後は、5秒(特定継続時間5)継続して第4演出操作部44kがスライド操作された場合と同様に、演出が進行していく(
図66(A)→
図66(B)→
図66(C)→
図66(D))。
【0541】
また、特定条件が成立している状況で、ロゴレバー成功演出(特別ロゴレバー成功演出)を実行すると決定されていた場合に、当該ロゴレバーチャレンジ演出に係る特定継続時間に関わらず、第4演出操作部44kへのスライド操作が行われたが当該特定継続時間、継続して行われなかったとすると、言い換えると、ロゴレバーゲームが開始されてから当該特定継続時間が経過する前に第4演出操作解除操作が行われると、
図63(A)に示す状況と
図63(B)に示す状況との間の第4演出操作解除操作が行われた時点で、
図63(C)に示すように、ロゴレバー成否分岐点が到来し、続いて、
図65(A)~
図65(B)に示すように、ロゴレバー成功演出(特別ロゴレバー成功演出)が実行される。その後は、5秒(特定継続時間5)継続して第4演出操作部44kがスライド操作された場合と同様に、演出が進行していく(
図66(A)→
図66(B)→
図66(C)→
図66(D))。
【0542】
また、特定条件が成立している状況で、ロゴレバー成功演出(特別ロゴレバー成功演出)を実行しないと決定されていた場合に、当該ロゴレバーチャレンジ演出に係る特定継続時間に関わらず、第4演出操作部44kへのスライド操作が行われたが当該特定継続時間、継続して行われなかったとすると、言い換えると、ロゴレバーゲームが開始されてから当該特定継続時間が経過する前に第4演出操作解除操作が行われると、
図63(A)に示す状況と
図63(B)に示す状況との間の第4演出操作解除操作が行われた時点で、
図63(C)に示すように、ロゴレバー成否分岐点が到来し、続いて、
図64(A)に示すように、ロゴレバー失敗演出が実行される。その後は、ひとまず第3大当たり遊技の場合と同様に、ラウンド演出が進行していく(
図64(B))。しかしながら、この場合、第2大当たり遊技の最後のラウンド遊技(5ラウンド)において、ロゴレバー成功演出と同一の演出内容の演出がロゴレバーチャレンジ用復活演出として実行される。具体的には、
図64(B)に示すように、第2大当たり遊技が最後のラウンド遊技まで進行している中で、ロゴレバーチャレンジ用復活演出の前半として、枠可動体56kが突然、第1速度で出現動作を行って素早く装飾部562kが出現完了状態になると共に、
図67(A)に示すように、表示部50a全体にロゴレバー成功演出画像G62が表示される。続いて、ロゴレバーチャレンジ用復活演出の後半として、装飾部562kの出現完了状態が保持されたまま、
図67(B)に示すように、表示部50aには第1確変移行示唆画像G63が表示される。そして、第2実施形態においては、第2大当たり遊技のラウンド遊技が終了するときにロゴレバーチャレンジ用復活演出も終了する。ラウンド遊技が終了すると、エンディングに移行し、
図67(C)に示すように、エンディング演出が実行され、最終的には、
図67(D)に示すように、当該第2大当たり遊技が終了して高確率高ベース遊技状態に移行すると共に、確変演出モードによる演出が実行されることになる。
【0543】
また、特定条件が成立している状況において、ロゴレバーチャレンジ操作有効期間の最初から第4演出操作部44kへのスライド操作が行われておらず、ロゴレバーゲームが開始されてからスライド操作が行われることなく当該特定継続時間が経過したとする。この場合、ロゴレバー成功演出(特別ロゴレバー成功演出)を実行すると決定されていたとしても、ロゴレバー成功演出(特別ロゴレバー成功演出)を実行しないと決定されていたとしても、特定継続時間が5秒(特定継続時間)であれば
図63(B)に示すように、ロゴレバーゲームが開始されてから、5秒(特定継続時間5)が経過した直後に、特定継続時間が5秒(特定継続時間)以外であれば
図63(A)に示す状況と
図63(B)に示す状況との間のロゴレバーゲームが開始されてから、当該特定継続時間が経過した直後に、
図63(C)に示すように、ロゴレバー成否分岐点が到来し、続いて、
図64(A)に示すように、ロゴレバー失敗演出が実行される。その後は、ひとまず第3大当たり遊技において第4演出操作部44kへのスライド操作がロゴレバーチャレンジ操作有効期間時間、継続して実行された場合と同様に、ラウンド演出が進行していく(
図64(B))。しかしながら、この場合、第2大当たり遊技の最後のラウンド遊技(5ラウンド)において、ロゴレバー成功演出と同一の演出内容の演出がロゴレバーチャレンジ用復活演出として実行される。具体的には、
図64(B)に示すように、第2大当たり遊技が最後のラウンド遊技まで進行している中で、
図67(A)に示すように、ロゴレバーチャレンジ用復活演出の前半として、枠可動体56kが突然、第1速度で出現動作を行って装飾部562kが素早く出現完了状態になると共に、表示部50a全体にロゴレバー成功演出画像G62が表示される。続いて、ロゴレバーチャレンジ用復活演出の後半として、
図66(B)に示すように、装飾部562kの出現完了状態が保持されたまま、表示部50aには第1確変移行示唆画像G63が表示される。そして、第2実施形態においては、第2大当たり遊技のラウンド遊技が終了するときにロゴレバーチャレンジ用復活演出も終了する。ラウンド遊技が終了すると、エンディングに移行し、
図67(C)に示すように、エンディング演出が実行され、最終的には、
図67(D)に示すように、当該第2大当たり遊技が終了して高確率高ベース遊技状態に移行すると共に、確変演出モードによる演出が実行されることになる。
【0544】
このように、第2大当たり遊技でのロゴレバーチャレンジ演出において、第4演出操作部44kへのスライド操作が行われたが、当該特定継続時間、継続してスライド操作が行われなかった場合と、最初から第4演出操作部44kへのスライド操作が行われておらず、ロゴレバーゲームが開始されてからスライド操作が行われることなく当該特定継続時間が経過した場合とでは、ロゴレバー成否分岐点に到来するタイミングが異なるが、同じように最後のラウンド遊技において、ロゴレバーチャレンジ用復活演出が実行される。
【0545】
また、特定条件が成立していない状況において、第4演出操作部44kへのスライド操作が行われたが、ロゴレバーチャレンジ操作有効期間時間、継続してスライド操作が行われなかった場合、言い換えると、ロゴレバーゲームが開始されてからロゴレバーチャレンジ操作有効期間時間が経過する前に第4演出操作解除操作が行われた場合、
図63(A)に示す状況と
図63(B)に示す状況との間の第4演出操作解除操作が行われた時点で、
図63(C)に示すように、ロゴレバー成否分岐点が到来し、続いて、
図64(A)に示すように、ロゴレバー失敗演出が実行される。その後は、第3大当たり遊技において第4演出操作部44kへのスライド操作がロゴレバーチャレンジ操作有効期間時間、継続して実行された場合と同様に、大当たり演出(ラウンド演出、エンディング演出)が進行していく(
図64(B)→
図64(C)→
図64(D))。
【0546】
また、特定条件が成立していない状況において、最初から第4演出操作部44kへのスライド操作が行われておらず、ロゴレバーゲームが開始されてからスライド操作が行われることなくロゴレバーチャレンジ操作有効期間時間が経過すると、その経過時に
図63(C)に示すように、ロゴレバー成否分岐点が到来し、続いて、
図64(A)に示すように、ロゴレバー失敗演出が実行される。その後は、第3大当たり遊技において第4演出操作部44kへのスライド操作がロゴレバーチャレンジ操作有効期間時間、継続して実行された場合と同様に、大当たり演出(ラウンド演出、エンディング演出)が進行していく(
図64(B)→
図64(C)→
図64(D))。
【0547】
以上のように、様々な展開内容でロゴレバーチャレンジ演出が実行される。ロゴ剣チャレンジ演出、およびロゴタッチチャレンジ演出について、図面を用いた具体例は説明しないが、ロゴ剣チャレンジ演出、およびロゴタッチチャレンジ演出においても、ロゴレバーチャレンジ演出と同様に、最初に、当該チャレンジ演出(ロゴ剣チャレンジ演出、ロゴタッチチャレンジ演出)で行われるゲーム(ロゴ剣ゲーム、ロゴタッチゲーム)の概要、詳細には、当該演出操作部(第2演出操作部42k、第3演出操作部43k)の操作方法、および当該成功演出(ロゴ剣成功演出、ロゴタッチ成功演出)の演出内容などを説明する説明演出(ロゴ剣説明演出、ロゴタッチ説明演出)が実行される。続いて、当該ゲームとして、当該演出操作部(第2演出操作部42k、第3演出操作部43k)の操作を伴い得るゲーム演出(ロゴ剣ゲーム演出、ロゴタッチゲーム演出)が実行される。そして、最後に、成功演出(ロゴ剣成功演出、ロゴタッチ成功演出)、または失敗演出(ロゴ剣失敗演出、ロゴタッチ失敗演出)が実行される。ここで、ロゴ剣チャレンジ演出、およびロゴタッチチャレンジ演出の概略について説明する。
【0548】
最初に、ロゴ剣チャレンジ演出の概略について説明する。ロゴ剣チャレンジ演出を構成するロゴ剣ゲームでは、第2演出操作部42kに対する操作が有効な期間(ロゴ剣チャレンジ操作有効期間)において、第2演出操作部42kを1回、単純に押下操作させることが必要である。ロゴ剣ゲームにおいて第2演出操作部42kを押下操作できる機会は1回である。言い換えると、ロゴ剣ゲームにおいて、ロゴ剣チャレンジ操作有効期間は1回しか発生しない。
【0549】
そして、原則的には、特定条件が成立している状況のもと、ロゴ剣チャレンジ操作有効期間において第2演出操作部42kが1回単純に押下操作されることがロゴ剣ゲームの成功となる。一方、それ以外の場合、具体的には、特定条件が成立していない(当該大当たり遊技が第3大当たり遊技である(当該大当たり遊技の終了に伴って低確率低ベース遊技状態に移行する))場合、または特定条件が成立している(当該大当たり遊技が第2大当たり遊技である(当該大当たり遊技の終了に伴って高確率高ベース遊技状態に移行する))が、ロゴ剣チャレンジ操作有効期間において第2演出操作部42kの単純な押下操作が行われなかった場合にロゴ剣チャレンジの失敗となる。なお、ロゴ剣ゲームに係るロゴ剣チャレンジ操作有効期間の継続可能時間(ロゴ剣チャレンジ操作有効期間継続可能時間)は1種類(3秒)設定されている。
【0550】
また、ロゴ剣チャレンジ操作有効期間において第2演出操作部42kが押下操作されるとその操作時に、またはロゴ剣チャレンジ操作有効期間において第2演出操作部42kが押下操作されることなくロゴ剣チャレンジ操作有効期間継続可能時間(1秒)が経過するとその経過時に、ロゴレバーゲーム演出の場合と同様に、ロゴ剣チャレンジ操作有効期間が終了すると共に、表示部50a全体が黒色に表示されて演出上の暗転が行われる。なお、この表示部50aでの暗転も、次にロゴ剣成功演出が実行されるかロゴ剣失敗演出が実行されるかの分岐点(ロゴ剣成否分岐点)を構成する。
【0551】
ロゴ剣成功演出では、最初に、球体発光部54が発光すると共に、表示部50aにおいてロゴ剣成功演出に応じた専用画像(図示なし)が表示される。続いて、ロゴレバー成功演出の場合と同様に、球体発光部54の発光が継続した状況で、表示部50aにおいてロゴ剣成功演出に応じた専用画像(図示なし)の表示から第1確変移行示唆画像G63の表示に切り替わる。そして、ロゴ剣成功演出の後の演出内容としては、ロゴレバーチャレンジ演出の場合と同様である(
図66(A)→
図66(B)→
図66(C)→
図66(D))。
【0552】
ロゴ剣失敗演出は、ロゴレバー失敗演出の場合と同様に、暗転(ロゴレバー成否分岐点)の後、球体発光部54の発光、ならびにロゴ剣成功演出に応じた専用画像(図示なし)の表示、および第1確変移行示唆画像G63の表示が行われることなく、ラウンド用背景画像G201が表示されることで構成する。ここで、特定条件が成立していない場合にロゴ剣失敗演出が行われた後の演出内容としては、特定条件が成立していない場合でのロゴレバー失敗演出の場合と同様に、大当たり遊技の進行に応じて、通常の大当たり遊技演出が実行される(
図64(A)→
図64(B)→
図64(C)→
図64(D))。一方、特定条件が成立している場合にロゴ剣失敗演出が行われた後の演出内容としては、特定条件が成立している場合でのロゴレバー失敗演出の場合と同様に、最初はラウンド演出が進行していくが(
図64(B))、最後のラウンド遊技(5ラウンド)において、ロゴ剣成功演出と同一の演出内容の演出がロゴ剣チャレンジ用復活演出として実行される。具体的には、
図64(B)に示すように、第2大当たり遊技が最後のラウンド遊技まで進行している中で、ロゴ剣チャレンジ用復活演出の前半として、球体発光部54が発光すると共に、表示部50a全体にロゴ剣成功演出に応じた専用画像(図示なし)が表示される。続いて、ロゴ剣チャレンジ用復活演出の後半として、球体発光部54の発光が保持されたまま、表示部50aには第1確変移行示唆画像G63が表示される。そして、第2実施形態においては、第2大当たり遊技のラウンド遊技が終了するときに当該ロゴ剣チャレンジ用復活演出も終了する。ラウンド遊技が終了すると、エンディングに移行し、
図67(C)に示すように、エンディング演出が実行され、最終的には、
図67(D)に示すように、当該第2大当たり遊技が終了して高確率高ベース遊技状態に移行すると共に、確変演出モードによる演出が実行されることになる。
【0553】
なお、第2実施形態では、ロゴ剣チャレンジ操作有効期間において、第1演出操作部41kをはじめ第2演出操作部42k以外の演出操作部が操作されても当該操作は無効とされるものとする。ただし、例えば、相対的に目立たずに大袈裟でない体勢で操作可能な第1演出操作部41kへの操作は有効となるようにしても良い。あるいは、第2演出操作部42k以外の全ての演出操作部への操作、もしくは、第2演出操作部42k以外の一部の演出操作部への操作は有効となるようにしても良い。
【0554】
次に、ロゴタッチチャレンジ演出の概略について説明する。ロゴタッチゲームでは、第3演出操作部43kに対する操作が有効な期間(ロゴタッチゲーム操作有効期間)において、第3演出操作部43kを1回、タッチ操作させる必要がある。ただし、ロゴ剣ゲームの場合と異なり、ロゴタッチゲームにおいて第3演出操作部43kをタッチ操作できる機会は最大で3回である。言い換えると、ロゴタッチゲームにおいて、ロゴタッチゲーム操作有効期間は最大で3回発生する。
【0555】
ロゴタッチゲームにおける最初のロゴタッチゲーム操作有効期間に対して成功が導出されなかった(ロゴタッチ成功演出が実行されなかった)場合に2回目のロゴタッチゲーム操作有効期間が発生し、2回目のロゴタッチゲーム操作有効期間に対して成功が導出されなかった(ロゴタッチ成功演出が実行されなかった)場合に3回目のロゴタッチゲーム操作有効期間が発生する。なお、「ロゴタッチゲーム操作有効期間に対して成功が導出されなかった(ロゴタッチ成功演出が実行されなかった)」は、当該ロゴタッチゲーム操作有効期間において第3演出操作部43kがタッチ操作されたが失敗が導出された(ロゴタッチ失敗演出が実行された)ことと、当該ロゴタッチゲーム操作有効期間において第3演出操作部43kがタッチ操作されなかったこととで構成される。
【0556】
演出制御用マイコン121は、例えば、特定条件が成立している状況で使用演出操作部選択期間において第3演出操作部43kが選択されると、所定の判定(抽選)によって、成功可能なロゴタッチゲーム操作有効期間の順番(第3操作成功順序)を、1回目、2回目、および3回目の何れにするかを決定する。決定された第3操作成功順序での第3演出操作部43kのタッチ操作のみが成功を導出する。したがって、第3操作成功順序が1回目に決定された場合は、1回目で第3演出操作部43kがタッチ操作されると成功となるが、仮にこのときに第3演出操作部43kがタッチ操作されなければ、当該1回目は失敗となり、その後の2回目、および3回目で第3演出操作部43kがタッチ操作されても失敗となる。同様に、第3操作成功順序が2回目に決定された場合は、1回目で第3演出操作部43kがタッチ操作されてもされなくても失敗となる。そして、2回目で第3演出操作部43kがタッチ操作されると成功となるが、仮にこのときに第3演出操作部43kがタッチ操作されなければ、当該2回目は失敗となり、その後の3回目で第3演出操作部43kがタッチ操作されても失敗となる。第3操作成功順序が3回目に決定された場合は、1回目、および2回目で第3演出操作部43kがタッチ操作されてもされなくても失敗となる。そして、3回目で第3演出操作部43kがタッチ操作されると成功となるが、仮にこのときに第3演出操作部43kがタッチ操作されなければ、当該3回目は失敗となる。なお、第3操作成功順序が何れの場合であっても、3回目が失敗となれば、そこでロゴタッチゲームは終了する。
【0557】
各第3操作成功順序が決定される確率(第3操作成功順序決定確率)は適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、1回目の第3操作成功順序決定確率は15%であり、2回目の第3操作成功順序決定確率は30%であり、3回目の第3操作成功順序決定確率は55%である。すなわち、第3操作成功順序決定確率は、第3操作成功順序が後になるにつれて高くなっている。ただし、第3操作成功順序決定確率は、第3操作成功順序が後になるにつれて低くなるようにしても良い。あるいは、第3操作成功順序決定確率は、第3操作成功順序に関わらず全て略同一になるようにしても良い。
【0558】
なお、演出制御用マイコン121は、特定条件が成立していない状況で使用演出操作部選択期間において第3演出操作部43kが選択されても、第3操作成功順序を決定するための所定の判定(抽選)を行わない。ロゴタッチゲームで成功になることはないからである。
【0559】
そして、ロゴタッチゲーム操作有効期間単位では、特定条件が成立している状況で、第3操作成功順序のロゴタッチゲーム操作有効期間において第3演出操作部43kがタッチ操作された場合に成功となる。一方、特定条件が成立していない状況で、各ロゴタッチゲーム操作有効期間において第3演出操作部43kがタッチ操作された場合、特定条件が成立している状況であるが、第3操作成功順序ではないロゴタッチゲーム操作有効期間において第3演出操作部43kがタッチ操作された場合、および特定条件の成否に関係なく、ロゴタッチゲーム操作有効期間で第3演出操作部43kがタッチ操作されなかった場合に失敗となる。なお、各ロゴタッチゲーム操作有効期間の継続可能時間(ロゴタッチゲーム操作有効期間継続可能時間)は1種類(3秒)設定されている。
【0560】
また、第3操作成功順序のロゴタッチゲーム操作有効期間において第3演出操作部43kがタッチ操作される場合(成功の場合)、または第3操作成功順序ではないロゴタッチゲーム操作有効期間において第3演出操作部43kがタッチ操作される場合、もしくはロゴタッチゲーム操作有効期間において第3演出操作部43kがタッチ操作されることなく第3操作有効期間継続可能時間(3秒)が経過する場合(失敗の場合)、ロゴレバーゲーム演出などの場合と同様に、ロゴタッチゲーム操作有効期間が終了すると共に、表示部50a全体が黒色に表示されて演出上の暗転が行われる。なお、この表示部50aでの暗転も、次にロゴタッチ成功演出が実行されるかロゴタッチ失敗演出が実行されるかの分岐点(ロゴタッチ成否分岐点)を構成する。
【0561】
ロゴタッチ成功演出では、最初に、盤可動体55kが作動(下降)して所定位置(正面視で表示部50aの略中央)で停止すると共に、表示部50aにおいて当該作動に応じたエフェクト画像G13が表示される。続いて、ロゴレバー成功演出などの場合と同様に、盤可動体55kの所定位置での停止が継続した状況で、表示部50aにおいてエフェクト画像G13の表示から第1確変移行示唆画像G63の表示に切り替わる。そして、ロゴタッチ成功演出の後の演出内容としては、ロゴレバーチャレンジ演出などの場合と同様である(
図66(A)→
図66(B)→
図66(C)→
図66(D))。
【0562】
一方、ロゴタッチ失敗演出は、ロゴレバー失敗演出の場合と同様に、暗転(ロゴレバー成否分岐点)の後、盤可動体55kの作動、ならびにエフェクト画像G13の表示、および第1確変移行示唆画像G63の表示が行われることなく、演出が次に進むことで構成される。例えば、1回目のロゴタッチゲーム操作有効期間、および2回目のロゴタッチゲーム操作有効期間に対して失敗となると、盤可動体55kの作動、ならびにエフェクト画像G13の表示、および第1確変移行示唆画像G63の表示が行われることなく、表示部50aにおいてもう一度、ロゴタッチゲーム操作有効期間が発生する(第3操作促進演出が実行される)ことを示唆する演出が行われる。そして、当該演出の後に、2回目、または3回目のロゴタッチゲーム操作有効期間が発生する(第3操作促進演出が実行される)。これに対して、3回目のロゴタッチゲーム操作有効期間に対して失敗となると、特定条件が成立していない場合のロゴレバー失敗演出の場合と同様に、盤可動体55kの作動、ならびにエフェクト画像G13の表示、および第1確変移行示唆画像G63の表示が行われることなく、ラウンド用背景画像G201が表示されることで構成する。
【0563】
そして、特定条件が成立していない場合の3回目の第3操作有効期間に対してロゴタッチ失敗演出が行われた後の演出内容としては、特定条件が成立していない場合でのロゴレバー失敗演出の場合と同様に、最後まで大当たり遊技の進行に応じて、通常の大当たり遊技演出が実行される(
図64(A)→
図64(B)→
図64(C)→
図64(D))。一方、特定条件が成立している場合の3回目のロゴタッチゲーム操作有効期間に対してロゴタッチ失敗演出が行われた後の演出内容としては、特定条件が成立している場合でのロゴレバー失敗演出の場合と同様に、最初はラウンド演出が進行していくが(
図64(B))、最後のラウンド遊技(5ラウンド)において、ロゴタッチ成功演出と同一の演出内容の演出がロゴタッチチャレンジ用復活演出として実行される。具体的には、
図64(B)に示すように、第2大当たり遊技が最後のラウンド遊技まで進行している中で、ロゴタッチチャレンジ用復活演出の前半として、盤可動体55kが作動(下降)して所定位置(正面視で表示部50aの略中央)で停止すると共に、表示部50aにおいて当該作動に応じたエフェクト画像G13が表示される。続いて、ロゴタッチチャレンジ用復活演出の後半として、盤可動体55kの所定位置での停止が保持されたまま、表示部50aには第1確変移行示唆画像G63が表示される。そして、第2実施形態においては、第2大当たり遊技のラウンド遊技が終了するときにロゴタッチ当該チャレンジ用復活演出も終了する。ラウンド遊技が終了すると、エンディングに移行し、
図67(C)に示すように、エンディング演出が実行され、最終的には、
図67(D)に示すように、当該第2大当たり遊技が終了して高確率高ベース遊技状態に移行すると共に、確変演出モードによる演出が実行されることになる。
【0564】
なお、第2実施形態では、ロゴタッチチャレンジ操作有効期間において、第1演出操作部41kをはじめ第3演出操作部43k以外の演出操作部が操作されても当該操作は無効とされるものとする。ただし、例えば、相対的に目立たずに大袈裟でない体勢で操作可能な第1演出操作部41kへの操作は有効となるようにしても良い。あるいは、第3演出操作部43k以外の全ての演出操作部への操作、もしくは、第3演出操作部43k以外の一部の演出操作部への操作は有効となるようにしても良い。
【0565】
このように、使用演出操作部選択期間において、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kの何れかが選択された場合、当該演出操作部に対応付けられたチャレンジ演出が実行され、当該チャレンジ演出において、当該チャレンジ演出に特有のゲーム演出(ゲーム)、言い換えるとチャレンジ演出種別間で相互に操作内容が異なるゲーム演出(ゲーム)が実行される。また、各種チャレンジ演出の成功演出は、同様に前半と後半とで構成され、前半はチャレンジ演出種別間で相互に演出内容が異なるように構成され、後半はチャレンジ演出種別間で相互に演出内容が同一となるように構成されている。さらには、第2大当たり遊技において、各種チャレンジ演出で成功演出が実行されなかった場合でも、同じように各種成功演出と同一の演出内容のチャレンジ用復活演出が略同一のタイミングで実行される。
【0566】
なお、使用演出操作部選択期間において、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kの何れも選択されなかった場合(第2演出操作、第3演出操作、および第4演出操作の何れも行われなかった場合)、言い換えると、使用演出操作部選択期間が開始してから、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kの何れも選択されることなく、使用演出操作部選択期間時間(3秒)が経過すると、当該大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態の種類(高確率高ベース遊技状態、または低確率低ベース遊技状態)に関係なく、その経過時に使用演出操作部選択期間が終了すると共に、操作部選択演出が終了する。そして、その次には、チャレンジ演出が実行されることなく、使用演出操作部選択期間において何れの演出操作部も選択されなかったことに応じた特殊演出(演出操作部不選択演出)が実行される。演出操作部不選択演出では、演出操作部(第1演出操作部41k~第5演出操作部45k)に対する操作が有効になることはない。言い換えると、演出操作部不選択演出は、演出操作部(第1演出操作部41k~第5演出操作部45k)に操作を伴わない演出である。なお、演出操作部不選択演出では、演出操作部不選択演出専用の背景画像(演出操作部不選択演出用背景画像)G232が表示部50a全体に表示される。演出操作部不選択演出用背景画像G232は、所定のアニメーションで構成されている。ただし、演出操作部不選択演出が実行されているときには、チャレンジ演出が実行されている場合と同様に、右打ち画像G2の表示、およびラウンド画像G3の表示が行われる。
【0567】
特定条件が成立していない場合の演出操作部不選択演出は、ラウンド遊技の最後まで継続する。ラウンド遊技が終了すると、エンディングに移行し、
図64(C)に示すように、エンディング演出が実行され、最終的には、
図64(D)に示すように、当該第3大当たり遊技が終了して低確率低ベース遊技状態に移行すると共に、確変演出モードによる演出が実行されることになる。一方、特定条件が成立していない場合の演出操作部不選択演出は、最後のラウンド遊技(5ラウンド)における各種チャレンジ演出が実行されていれば各種チャレンジ用復活演出が実行されるタイミングと略同一のタイミングで終了する。そして、続いて、高確率高ベース遊技状態に移行することを報知する演出(演出操作部不選択用復活演出)が実行される。
【0568】
演出操作部不選択用復活演出の演出内容は、高確率高ベース遊技状態に移行することを遊技者が理解可能な範囲で適宜に設定可能であるが、第2実施形態では、表示部50aにおける第1確変移行示唆画像G63の表示、ならびに盤可動体55kの所定位置への移動および停止、枠可動体56の出現動作および装飾部562kの出現完了状態、球体発光部54の発光で構成される。
【0569】
演出操作部不選択用復活演出は、ラウンド遊技の最後まで継続する。ラウンド遊技が終了すると、エンディングに移行し、
図67(C)に示すように、エンディング演出が実行され、最終的には、
図67(D)に示すように、当該第2大当たり遊技が終了して高確率高ベース遊技状態に移行すると共に、確変演出モードによる演出が実行されることになる。
【0570】
次に、パチンコ遊技機PY2が実行可能な祝福演出について説明する。祝福演出は、大当たり当選したことを示唆する演出である。なお、前述した通り、パチンコ遊技機PY2に係るモチーフは主人公キャラクター「ロゴ」であり、SPリーチに係る演出、具体的には、SPリーチ用背景画像G115を構成する動画の内容は、主人公キャラクター「ロゴ」と敵キャラクターとのバトルである。そして、SPリーチ用背景画像G115では、主人公キャラクター「ロゴ」と敵キャラクターとのバトルが展開され、主人公キャラクター「ロゴ」と敵キャラクターとが激しくぶつかり合って主人公キャラクター「ロゴ」が勝つか負けるかの緊迫した場面が当落分岐点を構成する。当落分岐点の後、SP大当たり変動であれば、大当たり示唆演出として、敵キャラクターが倒れて主人公キャラクター「ロゴ」が勝利するシーンが流れ、SPハズレ変動であれば、ハズレ示唆演出として、主人公キャラクター「ロゴ」が倒れて主人公キャラクター「ロゴ」が敗北するシーンが流れる。そして、祝福演出は、大当たり示唆演出の後に続いて行われる。
【0571】
祝福演出では、枠可動体56kが第1速度よりもかなり遅い略一定の第3速度で出現動作を行うと共に、表示部50a全体において、祝福演出専用の背景画像(祝福演出用背景画像)G116が背景画像として表示される。また、祝福演出においては、遊技者に接触する可能性がある枠可動体56kが出現動作を行うため、当該枠可動体56kの出現動作に対する注意喚起として、枠可動体56kが出現動作を行うことを示唆する枠可動体注意喚起演出が実行される。なお、枠可動体注意喚起演出は、祝福演出の一部を構成する演出と位置付けてもよいし、祝福演出には含まれない祝福演出から独立した別の演出と位置付けてもよい。
【0572】
枠可動体注意喚起演出では、表示部50aにおいて、祝福演出用背景画像G116に重畳的に、枠可動体56kが出現動作することを示唆する画像(枠可動体作動示唆画像)G70が表示される。後述するように、枠可動体作動示唆画像G70は、縦長の帯の中に枠可動体56kが動作することを説明する文章「ロゴボタンが飛び出します」が縦書きで内部に表示された縦長の帯を表しており、表示部50aの左端部、および右端部に表示される。そして、枠可動体作動示唆画像G70は上から下にスクロール表示される。なお、枠可動体作動示唆画像G70に含まれる文章は、枠可動体56が出現動作することを直接的に表現していないが、当該文章に含まれる「ロゴボタン」は第5演出操作部45kの演出上の名称であり、第5演出操作部45kは枠可動体56kの一部を形成し、第5演出操作部45kが飛び出すことは枠可動体56kの出現動作に伴って行われることであるので、当該文章「ロゴボタンが飛び出します」は、枠可動体56が出現動作を行うことと同義であるとみなされている。
【0573】
図68~
図69は、祝福演出、および枠可動体注意喚起演出の具体例を説明する説明図である。
図68(A)に示すように、大当たり示唆演出として、SPリーチ用背景画像G115において、主人公キャラクター「ロゴ」がバトルに勝利するシーンが流れた後に、祝福演出、および枠可動体注意喚起演出が開始される。例えば、祝福演出が開始されると、
図68(B)に示すように、表示部50a全体に祝福演出用背景画像G116が表示されて、背景画像がSPリーチ用背景画像G115から祝福演出用背景画像G116に切り替わると共に、図示しないが枠可動体56kが第3速度で出現動作を開始する。さらに、枠可動体注意喚起演出として、祝福演出用背景画像G116に重畳的に枠可動体作動示唆画像G70が表示される。
【0574】
第2実施形態において、祝福演出の演出時間は4秒である。そして、祝福演出を構成する枠可動体56kの出現動作は、祝福演出の演出時間(4秒)掛けて装飾部562kが収納状態から出現完了状態になるように、第1速度に比べてかなり遅い第3速度でゆっくりと行われる。
【0575】
また、祝福演出が開始されると、祝福演出用背景画像G116においては、主人公キャラクター「ロゴ」の顔の前面を模した装飾部562kを表す画像(装飾部画像)が徐々に出現する。具体的には、
図68(B)~
図68(C)に示すように、表示部50aの上端から、装飾部画像が表す主人公キャラクター「ロゴ」の顔がフレームインしてきて、そのまま装飾部画像が下方に移動する。そうすると、装飾部画像G116Aに係る主人公キャラクター「ロゴ」の顔が下から徐々に現われてくる。そして、装飾部562kが出現完了状態になるタイミングで、
図69(A)に示すように、装飾部画像の移動が停止し、表示部50a全体に、装飾部562kが模している主人公キャラクター「ロゴ」の顔面全体が表示される。
【0576】
なお、第2実施形態では、枠可動体注意喚起演出は、祝福演出と略同一タイミングで開始され、祝福演出と略同一タイミングで終了する。言い換えると、第2実施形態では、枠可動体注意喚起演出の演出時間は、祝福演出の演出時間と略同一となる。枠可動体56kの出現動作が開始するタイミングで祝福演出用背景画像G116が出現し、枠可動体56kの出現動作が完了するタイミングで祝福演出用背景画像G116が消える。そして、枠可動体作動示唆画像G70は、表示されている間は、継続的に上から下にスクロールされる。
【0577】
そして、祝福演出が終了すると、祝福演出用背景画像G116が消えると共に、枠可動体56kが作動完了状態で停止する。また、枠可動体注意喚起演出が終了すると、枠可動体作動示唆画像G70も消える。祝福演出、および枠可動体注意喚起演出が終了すると共に、表示部50aには、
図69(B)に示すように、当該SPリーチにおいてリーチを形成していたリーチ図柄(
図68では、7図柄)と同一の演出図柄を大当たり図柄として、大当たりを示す態様で揃った状態の演出図柄EZ1~EZ3が表示部50aの上下方向略中央に出現してその場で仮停止表示し、
図69(C)に示すように、そのまま確定的に(完全に)停止表示する。
【0578】
なお、祝福演出が終了しても枠可動体56kの作動完了状態、言い換えると装飾部562kの出現状態は継続される。枠可動体56kが収納状態に戻るタイミングは適宜に設定可能であるが、例えば、これから開始される大当たり遊技のエンディングが開始されるタイミングで枠可動体56kは収納動作を開始する。第2実施形態において、この場合の枠可動体56kの収納動作は、第3速度よりも速く第1速度、および第2速度よりも遅い第4速度で行われ、例えば、2秒かけて装飾部562kが出現完了状態から収納状態に戻る。また、枠可動体56kが収納動作を開始する前、および収納動作を行っている途中で、枠可動体注意喚起演出のような、当該枠可動体56kの収納動作に対する注意喚起は行われない。
【0579】
以上のように、パチンコ遊技機PY2によれば、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kを備え、第2演出操作部42kの選択、第3演出操作部43kの選択、および第4演出操作部44kの選択が可能な使用演出操作部選択期間において、第2演出操作部42kが選択されるとロゴ剣チャレンジ演出を実行し、第3演出操作部43kが選択されるとロゴタッチチャレンジ演出を実行し、第4演出操作部44kが選択されるとロゴレバーチャレンジ演出を実行し、使用演出操作部選択期間における第2演出操作部42kの選択は当該第2演出操作部42kを操作することであり、使用演出操作部選択期間における第3演出操作部43kの選択は当該第3演出操作部43kを操作することであり、使用演出操作部選択期間における第4演出操作部44kの選択は当該第4演出操作部44kを操作することである。したがって、使用演出操作部選択期間の3つ(複数)の演出を選択可能である状況下で、各種演出に対応付けられた演出操作部(第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44k)を1回操作すると、所望の演出を選択できるので、遊技者が被る手間が軽減されることとなり、演出効果の低下を防ぐことができると共に、遊技興趣が向上する。また、使用演出操作部選択期間において、選択誘導画像G55の表示と共に、演出操作部強調表示が行われることによって、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kのそれぞれが選択肢となっていることが示唆されている。したがって、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kのそれぞれが選択肢として提示されていることを遊技者が理解し易くなる。さらには、ロゴ剣チャレンジ演出において、第2演出操作部42kの操作を促す第2操作促進演出が実行され、第2操作促進演出において第2演出操作部42kが操作されると、ロゴ剣成功演出が実行されることがあり、ロゴタッチチャレンジ演出において、第3演出操作部43kの操作を促す第3操作促進演出が実行され、第3操作促進演出において第3演出操作部43kが操作されると、ロゴタッチ成功演出が実行されることがあり、ロゴレバーチャレンジ演出において、第4演出操作部44kの操作を促す第4操作促進演出が実行され、第4操作促進演出において第4演出操作部44kが操作されると、ロゴレバー成功演出が実行されることがある。すなわち、ロゴ剣チャレンジ演出、ロゴタッチチャレンジ演出、およびロゴレバーチャレンジ演出では、当該チャレンジ演出を選択する際に操作された演出操作部(第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44k)に対して操作が可能となるので、チャレンジ演出の演出効果が向上する。
【0580】
また、パチンコ遊技機PY2によれば、第1演出操作部41k、および第2演出操作部42kを備え、操作予告演出として、第1演出操作部41kの操作を促す第1操作促進演出を実行しているときに、第1演出操作部41kが操作された場合、第1操作結果演出が実行されることがあり、第1操作促進演出を実行しているときに、第2演出操作部42kが操作された場合、第1操作結果演出が実行されることはなく、第2演出操作部42kの操作を促す第2操作促進演出を実行しているときに、第2演出操作部42kが操作された場合、第2操作結果演出が実行されることがあり、第2操作促進演出を実行しているときに、第1演出操作部41kが操作された場合、第2操作結果演出が実行されることがある。したがって、第1操作促進演出の演出効果の低下を抑えることができると共に、第2操作促進演出に対して驚きを与えて遊技興趣を向上させることができる。さらに、第2演出操作部42kが操作されて第2操作結果演出が実行される場合、当該第2演出操作部42kが振動し、第1演出操作部41kが操作されて第2操作結果演出が実行される場合、当該第1演出操作部41kが振動する。したがって、第2操作促進演出が実行されている中で第1演出操作部41kが操作されたにも関わらず、第1演出操作部41kへの操作の体感度合いが増すこととなり、第1演出操作部41kへの操作機会の向上を図ることができる。また、第2演出操作部42kは第1演出操作部41kよりも遊技者の周囲から視認容易な位置に設けられている。したがって、第2演出操作部42kを操作している姿を見られることが恥ずかしいと感じる遊技者に対して、操作部を操作する機会の損失を軽減することができる。また、第2演出操作部42kは第1演出操作部41kよりも大袈裟な体勢で操作するように構成されている。具体的には、第2演出操作部42kは第1演出操作部41kよりも所定の基準位置(遊技者の膝の上、あるいはパチンコ遊技機PY2の下端辺りや上皿開放穴34aの底面など)からの手の移動量を多く伴う位置に設けられているしたがって、第2演出操作部42kを操作している姿を見られることが恥ずかしいと感じる遊技者に対して、操作部を操作する機会の損失を軽減することができる。
【0581】
さらに、パチンコ遊技機PY2によれば、ロゴレバーチャレンジ演出において、第4演出操作部44kの操作を促す第4操作促進演出を実行しているときに、第4演出操作部44kが特定継続時間、継続して操作されたことを条件にロゴレバー成功演出を実行することがあり、特定継続時間には、特定継続時間1、および特定継続時間1よりも長い特定継続時間2がある。したがって、第4演出操作部44kを継続して操作させる演出に対する飽きを防止し、当該演出の演出効果が低下することを防ぐことができると共に、遊技興趣が向上する。また、特定継続時間が、特定継続時間1の場合と特定継続時間2の場合とで、ロゴレバー成功演出の演出内容は同一である。したがって、特定継続時間の違いを際立たせてより一層、第4演出操作部44kを継続して操作させる演出の演出効果が低下することを防ぐことができる。さらには、第4操作促進演出において、第4演出操作部44kが操作されたが、当該操作が継続された時間が特定継続時間に満たなかったことを条件にロゴレバー成功演出を実行しないことがある。したがって、第4演出操作部44kへの操作の継続度合いに注目させることができる。
【0582】
また、パチンコ遊技機PY2によれば、ロゴレバーチャレンジ演出において、第4操作促進演出が実行されているときに、第4演出操作部44kが特定継続時間、継続して操作されたことに応じてロゴレバー成功演出が実行されることがある一方、第4操作促進演出が実行されているときに、第4演出操作部44kが特定継続時間継続して操作されなかったことに応じて、ロゴレバー成功演出が実行されないときと、ロゴレバー成功演出が実行されるときとがある。したがって、第4演出操作部44kへの継続的な操作を行うことができなかった場合でも、ロゴレバー成功演出の実行機会が設けられることとなるので、遊技興趣が向上する。さらに、第4演出操作部44kが操作されなかったことによって、第4演出操作部44kが特定継続時間継続して操作されなかった場合、ロゴレバー成功演出を実行しない。したがって、少なくとも遊技者に第4演出操作部44kを操作するように仕向けることができる。また、特定継続時間が経過する前に第4演出操作部44kへの操作が終了したことによって、第4演出操作部44kが特定継続時間継続して操作されなかった場合、当該操作の終了に応じてロゴレバー成功演出が実行される。したがって、ロゴレバー成功演出の実行に対して驚きを与えることができる。
【0583】
また、パチンコ遊技機PY2によれば、作動することによって収納状態から出現状態に変化可能な枠可動体56kを備え、枠可動体56kは、第3速度で作動して出現状態になるときと、第3速度よりも速い第1速度で作動して出現状態になるときとがあり、枠可動体56kが第3速度で作動する場合、当該作動に対して枠可動体56kが出現完了状態になる動作(出現動作)を行うことを示唆する枠可動体注意喚起演出を実行することがある一方、枠可動体56kが第1速度で作動する場合、枠可動体注意喚起演出のような枠可動体56kが出現完了状態になる動作(出現動作)を行うことを示唆する演出は行われない。したがって、相対的に速い第1速度での枠可動体56kの出現完了作動に対しては遊技者に驚きを与えつつ出現したことに注目してもらえると共に、相対的に遅い第3速度での枠可動体56kの作動に対しては安心感を与えつつ出現過程に注目してもらえることになるので、枠可動体56kの作動による演出の演出効果を向上させることができる。さらに、出現完了状態の枠可動体56kは第4演出操作部44kの近傍に配置され、第4演出操作部44kが操作されたことに応じて、枠可動体注意喚起演出のような枠可動体56kが出現状態になる動作(出現動作)を行うことを示唆する演出が行われることなく、枠可動体56kが第1速度で作動して出現状態になることがある。第4演出操作部44kへの操作が行われていることによって、第4演出操作部44kを操作する手が枠可動体56kに接触することが防がれると共に、遊技者をスリリングな気持ちにさせて当該作動による演出の演出効果を向上させることができる。
【0584】
(第2実施形態の変更例)
次に、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
【0585】
使用演出操作部選択期間において、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kが選択肢として選択可能であるが、選択可能な演出操作部の種類は特に限定されず適宜に変更しても良い。例えば、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kの中の何れか2つが選択肢として選択可能になっても良い。あるいは、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kの一部、もしくは全部に代えて、もしくは加えて、選択肢として第1演出操作部41k、および第5演出操作部45kの双方もしくは一方を加えても良い。この場合、使用演出操作部選択期間で第1演出操作部41kが選択されると、各種チャレンジ演出のように、当該第1演出操作部41kの操作を伴い得るチャレンジ演出が実行されるようにしても良い。第5演出操作部45kについても同様である。
【0586】
また、使用演出操作部選択期間において、第2演出操作部強調画像G56aの表示、第3演出操作部強調画像G56bの表示、および第4演出操作部強調画像G56cの表示を含む演出操作部強調表示が実行されることによって、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kが選択肢として選択可能であることが示唆されるが、第2演出操作部強調画像G56aの表示、第3演出操作部強調画像G56bの表示、および第4演出操作部強調画像G56cの表示の全て、もしくは一部を実行しないようにしても良い。
【0587】
ロゴ剣ゲーム演出におけるゲーム内容(第2演出操作部42kの操作態様:1回のみの単純な押下操作)と、ロゴタッチゲーム演出におけるゲーム内容(第3演出操作部43kの操作態様:最大3回のタッチ操作)と、ロゴレバーゲーム演出におけるゲーム内容(第4演出操作部44kの操作態様:継続的なレバー操作)とは相互に異なっているが、これらの一部、あるいは全部は同一となるようにしても良い。
【0588】
使用演出操作部選択期間において、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kが選択肢と選択された場合に実行される演出として、演出操作部の操作を目的としていない演出が実行されるようにしても良い。例えば、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kのそれぞれに、当該大当たり遊技の後の演出モードの種類が対応付けられており、当該大当たり遊技の後には使用演出操作部選択期間で選択された演出操作部に対応付けられた演出モードで演出が実行されるようにしても良い。あるいは、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kのそれぞれに、当該大当たり遊技における使用演出操作部選択期間の後のラウンド演出の種類が対応付けられており、当該使用演出操作部選択期間の後には使用演出操作部選択期間で選択された演出操作部に対応付けられたラウンド演出が実行されるようにしても良い。
【0589】
また、使用演出操作部選択期間は、特図変動演出において発生するようにしても良い。この場合、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kのそれぞれに、当該特図変動演出における使用演出操作部選択期間の後の演出の種類が対応付けられており、当該使用演出操作部選択期間の後には使用演出操作部選択期間で選択された演出操作部に対応付けられた演出が実行されるようにしても良い。例えば、使用演出操作部選択期間はNリーチで発生可能であり、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kのそれぞれに、SPリーチの種類が対応付けられているようにしても良い。さらには、使用演出操作部選択期間は、特図可変表示や大当たり遊技が行われていない客待ち状態において発生するようにしても良い。この場合、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kのそれぞれに、通常演出モードの種類が対応付けられており、特図可変表示などの遊技が開始された後には使用演出操作部選択期間で選択された演出操作部に対応付けられた通常演出モードで演出が実行されるようにしても良い。
【0590】
使用演出操作部選択期間において、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kの何れも選択されなかった場合は、当該選択されなかったことに応じた演出操作部不選択用復活演出が実行されるが、ロゴ剣チャレンジ演出、ロゴタッチチャレンジ演出、およびロゴレバーチャレンジ演出の何れかが実行されるようにしても良い。
【0591】
ロゴ剣ゲーム演出におけるロゴ剣ゲーム操作有効期間で第2演出操作部42kが押下操作されなかった場合、およびロゴタッチゲーム演出における第3操作成功順序のロゴタッチゲーム操作有効期間で第3演出操作部43kがタッチ操作されなかった場合、当該チャレンジ演出で成功演出が実行されることはなく、最後のラウンド遊技でチャレンジ用復活演出が実行されることで、高確率高ベース遊技状態に移行することが示唆されるが、何れか一方、もしくは双方について、当該チャレンジ演出で成功演出が実行されることがあるようにしても良い。この場合、ロゴ剣ゲーム操作有効期間や第3操作成功順序のロゴタッチゲーム操作有効期間で操作されることなく当該操作有効期間の時間が経過するときに、成功演出が実行されることがあるようにしても良い。
【0592】
チャレンジ演出は、当該大当たり遊技の終了に応じて高確率高ベース遊技状態に移行する第2大当たり遊技、および当該大当たり遊技の終了に応じて低確率低ベース遊技状態に移行する第3大当たり遊技において実行可能であり、成功演出は、高確率高ベース遊技状態に移行することを示唆する演出であるが、チャレンジ演出を実行可能な大当たり遊技の終了に応じて移行し得る遊技状態の種類、および成功演出の示唆内容は適宜に変更しても良い。例えば、チャレンジ演出は、当該大当たり遊技の終了に応じて時短状態に移行する大当たり遊技、および当該大当たり遊技の終了に応じて通常遊技状態に移行する大当たり遊技において実行可能であり、成功演出は、時短状態に移行することを示唆する演出であっても良い。
【0593】
また、チャレンジ演出は、5回のラウンド遊技で終了する大当たり遊技、および10回のラウンド遊技で終了する大当たり遊技で実行可能であり、成功演出は、6回目以降のラウンド遊技が実行されることを示唆する演出であっても良い。
【0594】
さらには、高確率高ベース遊技状態などの大当たり遊技の終了に応じて移行する遊技者に有利な遊技状態は、特図可変表示が第1回数(例えば、50回)実行されると終了するときと、特図可変表示が第1回数よりも多い第2回数(例えば、100回)実行されると終了するときとがあり、双方の場合で同一の演出モードによる演出が実行される場合、大当たり遊技の後の50回目の特図可変表示で演出操作部選択演出、およびチャレンジ演出が実行され、成功演出は、当該特図可変表示の後も遊技者に有利な遊技状態が継続することを示唆する演出であっても良い。
【0595】
ロゴ剣成功演出では、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kの中で、当該ロゴ剣ゲーム演出に係る第2演出操作部42kが最も近くに配置されている球体発光部54が発光し、ロゴタッチ成功演出では、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kの中で、当該ロゴタッチゲーム演出に係る第3演出操作部43kが最も近くに配置されている盤可動体55kが作動し、ロゴレバー成功演出では、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、および第4演出操作部44kの中で、当該ロゴレバーゲーム演出に係る第4演出操作部44kが最も近くに配置されている枠可動体56kが作動している。すなわち、各種チャレンジ演出では、当該演出操作部が相対的に最も近い位置に配置されている可動部(演出部)が作動することで成功演出が実行されている。したがって、より一層、演出操作部選択演出における演出操作部の選択と、チャレンジ演出との関係性が高まり、当該選択、およびチャレンジ演出の演出効果が向上する。しかし、各種成功演出で作動する可動部(演出部)の種類は適宜に変更しても良い。
【0596】
ロゴレバーゲーム演出について、特定継続時間が5つ設定されているが、特定継続時間の種類は特に限定されず、適宜に変更しても良い。さらに、第2実施形態では、ロゴレバーゲーム演出に係る特定継続時間は、1秒から5秒の間で1秒間隔に設定されているが、特定継続時間に係る時間間隔は統一されていても、部分的にあるいは全て異なっていても良い。また、第2実施形態では、ロゴレバーゲーム演出のような継続的な操作の対象は第4演出操作部44kであるが、当該対象を他の演出操作部(第1演出操作部41k、第2演出操作部42k、第3演出操作部43k、第5演出操作部45k)にしても良い。さらに、特別ロゴレバー成功演出は、第4演出操作解除操作を契機に実行されているが、第4演出操作解除操作が行われたロゴレバーゲーム操作有効期間が開始されてから特定継続時間が経過したときに特別ロゴレバー成功演出が実行されるようにしても良い。
【0597】
第2実施形態では、ロゴレバーゲーム演出において、第1演出操作部41kが操作されても当該操作は有効とならず、当該操作に応じてロゴレバー成功演出が実行されることはないが、第1演出操作部41kが操作されると当該操作が有効となり、当該操作に応じてロゴレバー成功演出が実行されることがあるようにしても良い。また、ロゴレバーゲーム演出において、第1演出操作部41kが操作されても当該操作が有効となることはないが、別の機会に第4操作促進演出が実行され、当該第4操作促進演出が実行されているときに第4演出操作部44kが操作されると、大当たり遊技状態などの遊技者に有利な遊技状態になる可能性がある(遊技者に有利な遊技状態になることに対する期待度が向上する)特定演出が実行されるところ、第1演出操作部41kが操作されると当該操作が有効となり、当該操作に応じて特定演出が実行されることがあるようにしても良い。この場合、第1演出操作部41kが操作されると、第1演出操作部41kが振動するようにしても良い。
【0598】
第2実施形態では、第1演出操作部41kが標準的な演出操作部と位置付けられているが、第4演出操作部44kなど第1演出操作部41kとは異なる演出操作部が標準的な演出操作部と位置付けられるようにしても良い。また、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kは第1演出操作部41kよりも上位の演出操作部と位置付けられているが、上位の演出操作部と位置付けられるのは何れか一方であっても良い。あるいは、第2演出操作部42k、および第3演出操作部43kの何れか一方、もしくは双方に代えて、あるいは加えて、第4演出操作部44kや第5演出操作部45kを第1演出操作部41kよりも上位の演出操作部と位置付けるようにしても良い。
【0599】
第2実施形態では、枠可動体56kが相対的に遅い速度(第3速度)で出現動作を行う場合に、枠可動体56kへの作動に対する注意喚起とする枠可動体注意喚起演出が実行される一方、枠可動体56kが相対的に速い速度(第1速度)で出現動作を行う場合に、枠可動体注意喚起演出の演出は実行されていない。しかしながら、枠可動体56kが相対的に速い速度で出現動作を行う場合に、枠可動体56kへの作動に対する注意喚起とする枠可動体注意喚起演出が実行される一方、枠可動体56kが相対的に遅い速度で出現動作を行う場合に、枠可動体注意喚起演出は実行されないことがあるようにしても良い。この場合、出現動作が速い場合は遊技者がその動作に気付く難いことから遊技者への安全性を向上させることができると共に、出現動作が遅い場合は遊技者がその動作に気づきやすいことから当該作動による演出の演出効果の低下を防ぐことができる。
【0600】
また、枠可動体注意喚起演出は、注意喚起の対象(作動の示唆対象)である枠可動体56kの作動が開始するタイミングで開始され、枠可動体56kの作動が終了するタイミングで終了されているが、枠可動体注意喚起演出の開始タイミング、および終了タイミングは適宜に変更しても良い。例えば、枠可動体56kの作動が開始する前に、枠可動体注意喚起演出が開始して終了するようにしても良い。また、枠可動体56kの作動が開始する前に、枠可動体注意喚起演出が開始し、枠可動体56kの作動が開始するタイミングで可動体注意喚起演出が終了するようにしても良い。あるいは、枠可動体56kの作動が開始する前に、枠可動体注意喚起演出が開始し、枠可動体56kの作動が開始した後であって枠可動体56kの作動途中で枠可動体注意喚起演出が終了するようにしても良い。さらには、枠可動体56kの作動が開始する前に、枠可動体注意喚起演出が開始し、枠可動体56kの作動が終了するタイミングで可動体注意喚起演出が終了するようにしても良い。また、枠可動体56kの作動が開始するタイミングで枠可動体注意喚起演出が開始し、枠可動体56kの作動が開始した後であって枠可動体56kの作動途中で可動体注意喚起演出が終了するようにしても良い。さらには、枠可動体56kの作動が開始するタイミングで枠可動体注意喚起演出が開始し、枠可動体56kの作動が終了するタイミングで可動体注意喚起演出が終了するようにしても良い。また、枠可動体56kの作動が開始した後であって枠可動体56kの作動途中で、可動体注意喚起演出が開始して終了するようにしても良い。あるいは、枠可動体56kの作動が開始した後であって枠可動体56kの作動途中で、可動体注意喚起演出が開始し、枠可動体56kの作動が終了するタイミングで可動体注意喚起演出が終了するようにしても良い。
【0601】
枠可動体注意喚起演出は枠可動体作動示唆画像G70の表示によって行われているが、枠可動体作動示唆画像G70の表示内容は、遊技者が枠可動体56kが作動すること、または作動していることを認識可能な範囲で適宜に変更しても良い。さらには、枠可動体作動示唆画像G70の表示位置も、遊技者が枠可動体作動示唆画像G70を認識可能な範囲で適宜に変更しても良い。
【0602】
また、枠可動体注意喚起演出を、枠可動体作動示唆画像G70の表示に代えて、あるいは加えて、スピーカー52からの特定音や特定音声の出力で構成させても良い。この場合、特定音を、遊技者が危険を察知できるような警告音で構成しても良い。また、特定音声を、枠可動体作動示唆画像G70に含まれる説明文、あるいは枠可動体作動示唆画像G70に含まれる説明文とは異なる遊技者に枠可動体56kが作動することを気付かせることが可能な文章で構成させても良い。
【0603】
枠可動体注意喚起演出を伴うか伴わないかに限らず、枠可動体56kが収納動作を行うときに、当該作動に対する注意喚起として、当該作動を示唆する演出が実行されていないが、全ての場合において、あるいは一部の場合において、そのような演出が実行されるようにしても良い。例えば、枠可動体注意喚起演出を伴って枠可動体56kが出現状態になった場合、枠可動体56kの収納動作に対応させて、枠可動体注意喚起演出と同一の演出内容の演出を行うようにしても良い。また、枠可動体注意喚起演出を伴って枠可動体56kが出現状態になった場合、枠可動体56kの収納動作に対応させて、枠可動体注意喚起演出と異なる演出内容の演出を行うようにしても良い。この場合、枠可動体56kの出現動作に対応するときは表示部50aによる画像の表示で行い、枠可動体56kの出現動作に対応するときはスピーカー52からの特定音や特定音声の出力で行うなど、枠可動体56kの出現動作に対応するときと枠可動体56kの収納動作に対応するときとで演出装置の種類を変えても良い。また、枠可動体56kの出現動作および枠可動体56kの収納動作の何れか一方に対応するときは、表示部50aによる画像の表示、およびスピーカー52からの特定音や特定音声の出力の双方で行い、他方に対応するときは、表示部50aによる画像の表示、およびスピーカー52からの特定音や特定音声の出力の一方で行うようにしても良い。
【0604】
また、第2実施形態では、祝福演出に含まれる枠可動体56kの出現動作に対して枠可動体注意喚起演出が実行されているが、枠可動体注意喚起演出の対象、言い換えると実行タイミングや実行機会は特に限定されず、適宜に変更しても良い。例えば、特図変動演出の開始時、通常変動の途中、リーチ成立時、Nリーチ中、NリーチからLリーチやSPリーチへの発展時、Lリーチの途中、SPリーチの途中、および大当たり遊技中の何れかで枠可動体56kが出現動作する演出が実行され、当該出現動作に対応して枠可動体注意喚起演出を実行するようにしても良い。特図変動演出である場合は、大当たり変動、およびハズレ変動の何れでも枠可動体56kが出現動作する演出が実行され、当該出現動作に対応して枠可動体注意喚起演出を実行するようにしても良い。
【0605】
枠可動体56kに代えて、あるいは加えて、収納状態と出現完了状態との間で作動可能な可動部が設けられ、当該可動部の作動に対応して、枠可動体注意喚起演出のような作動に対する注意喚起としての当該作動を示唆する演出を実行するようにしても良い。なお、この場合、当該可動部は第4演出操作部44kの近傍に設けられていても離れた位置に設けられていても良い。
【0606】
<第3実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態(パチンコ遊技機PY)、および第1実施形態(パチンコ遊技機PY1)に基づいて、本発明に係る第3実施形態について説明する。以下においては、主に、第3実施形態として、実施形態(パチンコ遊技機PY)、および第1実施形態(パチンコ遊技機PY1)と異なる点について説明する。また、実施形態(パチンコ遊技機PY)、および第1実施形態(パチンコ遊技機PY1)と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
【0607】
第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3では、パチンコ遊技機PYなどと同様に、数字「1」~数字「9」を含む演出図柄G10a~演出図柄G10iを用いた演出図柄EZ1~EZ3の変動表示、および停止表示が行われるが、演出図柄G10a~演出図柄G10iの表示態様についてパチンコ遊技機PY3とパチンコ遊技機PYとが異なる。具体的には、第3実施形態では、演出図柄G10gに係る数字の「7」は金色であり、演出図柄G10a、演出図柄G10b、演出図柄G10c、演出図柄G10d、演出図柄G10e、演出図柄G10f、演出図柄G10h、および演出図柄G10iに係る数字の「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「8」、「9」は銀色である。以下において、演出図柄G10gのことを「金図柄」と称し、それ以外の演出図柄G10のことを「銀図柄」と称することもある。
【0608】
なお、詳細な説明は省略するが、金図柄は、銀図柄よりも上位の演出図柄、言い換えると銀図柄よりも遊技者に有利な遊技状態に移行させる可能性が高いことを示唆する演出図柄に位置付けられている。例えば、パチンコ遊技機PY3は、銀図柄でリーチが成立した場合よりも金図柄でリーチが成立した場合の方が、遊技者に有利な遊技状態に移行する可能性が高いSPリーチに発展する可能性が高くなるように構成されている。また、パチンコ遊技機PY3は、銀図柄でリーチが成立した場合よりも金図柄でリーチが成立した場合の方が、遊技者に有利な大当たり遊技状態に移行する可能性が高くなるように構成されている。さらに、パチンコ遊技機PY3は、銀図柄による大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われた場合よりも金図柄による大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われた場合の方が、当該大当たり遊技の後に高確率高ベース遊技状態に移行する可能性が高くなるように構成されている。
【0609】
例えば、パチンコ遊技機PY3の演出制御用マイコン121は、大当たり図柄Aの場合は、大当たり演出図柄、およびリーチ演出図柄として、7図柄G10g(金図柄)を10%の確率で決定し、その他の演出図柄G10(各銀図柄)を略同一の確率(11%~12%)で決定する。また、演出制御用マイコン121は、大当たり図柄Bの場合は、大当たり演出図柄、およびリーチ演出図柄として、7図柄G10g(金図柄)を5%の確率で決定し、その他の演出図柄G10(各銀図柄)を略同一の確率(11%~12%)で決定する。さらに、演出制御用マイコン121は、大当たり図柄Bの場合は、大当たり演出図柄、およびリーチ演出図柄として、7図柄G10g(金図柄)を1%の確率で決定し、その他の演出図柄G10(各銀図柄)を略同一の確率(12%~13%)で決定する。
【0610】
さらに、パチンコ遊技機PY3の演出制御用マイコン121は、SPハズレ変動の場合は、リーチ演出図柄として、7図柄G10g(金図柄)を1%の確率で決定し、その他の演出図柄G10(各銀図柄)を略同一の確率(12%~13%)で決定する。また、演出制御用マイコン121は、Lハズレ変動、およびNハズレ変動の場合は、リーチ演出図柄として、7図柄G10g(金図柄)を決定することはなく、その他の演出図柄G10(各銀図柄)を略同一の確率(12%~13%)で決定する。
【0611】
また、パチンコ遊技機PY3を構成する装飾部562kは全体的に金色でメッキ塗装されている。ただし、主人公キャラクター「ロゴ」の顔を模した装飾部562kの目の部分は赤色でメッキ塗装され、歯(牙)の部分は銀色でメッキ塗装されているものとする。また、主人公キャラクター「ロゴ」の顔がより一層立体的に見えるように、装飾部562kの溝のようになっている部分などは適宜に黒色でメッキ塗装されている。
【0612】
ところで、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3では、通常遊技状態、且つ通常演出モードでの特
図1変動パターンに基づく特図変動演出において、遊技者に有利な遊技状態になる可能性があることを示唆する特別演出、言い換えると、実行されることが遊技者に有利な遊技状態(例えば、大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態など)になることに対するチャンスアップとなる特別演出が実行されることがある。
【0613】
特別演出は、少なくとも、枠可動体56が作動完了状態、言い換えると装飾部562kが出現完了状態になる可能性があることを示唆する出現示唆演出を含む。出現示唆演出では、最初に、装飾部562kが出現完了状態になるか否かを煽る演出(出現煽り演出)が実行され、当該出現煽り演出の結果として、装飾部562kが出現完了状態になることを示唆する演出(出現成功演出)、または装飾部562kが出現完了状態にならないことを示唆する演出(出現失敗演出)が実行される。出現成功演出の実行は、出現煽り演出の結果として成功が導出されたことを構成し、出現失敗演出の実行は、出現煽り演出の結果として失敗が導出されたことを構成する。
【0614】
出現失敗演出が実行されると、当該出現失敗演出の終了に伴って当該出現示唆演出も終了し、当該出現示唆演出の終了に伴って特別演出も終了する。一方、出現成功演出が実行されると、当該出現成功演出の終了に伴って当該出現示唆演出は終了するが、特別演出が継続することになり、続いて、枠可動体56kが作動完了状態、言い換えると装飾部562kが出現完了状態になり、さらに、出現煽り演出の成功、言い換えると、当該装飾部562kの出現完了状態への移行に伴う報酬演出が実行される。
【0615】
報酬演出では、最初に、第5演出操作部45kの操作を促す演出(第5操作促進演出)が実行される。第5操作促進演出が実行されているときに、第5演出操作部45kへの操作が有効となる。すなわち、第5操作促進演出の実行期間は、第5演出操作部45kへの操作が有効な期間(報酬演出操作有効期間)となる。第5操作促進演出の継続可能な演出時間(第5操作促進演出継続可能時間)は適宜に設定可能であるが、第3実施形態において、3秒に設定されている。したがって、第5操作促進演出(報酬演出操作有効期間)が開始されてから3秒が経過するまで、第5演出操作部45kへの操作が可能となる。
【0616】
そして、第5操作促進演出が実行されているときに(報酬演出操作有効期間において)、第5演出操作部45kが操作されると、報酬演出の一部として、7図柄によるリーチが成立(確定)することを示唆するリーチ成立示唆演出が実行された後に、リーチが成立(確定)する。当該リーチの成立によって、報酬演出が終了し、報酬演出の終了によって特別演出が終了する。
【0617】
なお、第5操作促進演出が実行されているときに(報酬演出操作有効期間において)、第5演出操作部45kが操作されると、その操作時に第5操作促進演出(報酬演出操作有効期間)が終了する。また、第5操作促進演出(報酬演出操作有効期間)が開始されてから第5操作促進演出継続可能時間(3秒)が経過するまでに、第5演出操作部45kが操作されなかった場合、その経過時に第5操作促進演出(報酬演出操作有効期間)が終了する。以下において、前者のパターンで第5操作促進演出が終了することを「第5操作促進演出操作終了」と称し、後者のパターンで第5操作促進演出が終了することを「第5操作促進演出満了終了」と称する。そして、第3実施形態では、第5操作促進演出操作終了が行われた場合も第5操作促進演出満了終了が行われた場合も、リーチ成立示唆演出が実行された後に、リーチが成立(確定)する。
【0618】
このように、特別演出では、最初に、出現煽り演出が実行され、その後に、出現失敗演出が実行されるとそこで特別演出が終了する一方、出現成功演出が実行されると、特別演出が継続して、報酬演出として、第5操作促進演出が実行されて、最も上位に位置付けられた演出図柄である7図柄(金図柄)によるリーチが成立(確定)を示唆するリーチ成立示唆演出を経てリーチが成立(確定)する。以下において、出現失敗演出が実行される場合の特別演出のことを「失敗特別演出」と称し、出現成功演出が実行される場合の特別演出のことを「成功特別演出」と称することもある。
【0619】
また、具体例は後述するが、出現煽り演出は、主人公キャラクター「ロゴ」の顔を模した装飾部562kを表す画像(出現煽り演出画像)G80の表示部50aでの表示を含む。出現煽り演出において、出現煽り演出画像G80が出現し、出現煽り演出画像G80がそのまま表示部50aにとどまるか、表示部50aから消えるかで、装飾部562kが出現完了状態になるかならないかが煽られる。出現煽り演出画像G80がそのまま表示部50aにとどまることが、装飾部562kが完全な出現状態になることに対応付けられ、出現煽り演出画像G80が表示部50aから消えることが、装飾部562kが出現完了状態にならないことに対応付けられている。
【0620】
さらには、装飾部562kを表す出現煽り演出画像G80における主人公キャラクター「ロゴ」の左側の頬の部分、および右側の頬の部分のそれぞれは7図柄G10gで構成されている。出現煽り演出画像G80は、表示部50aの左右方向において目一杯表示されるので、結果的に、左側の頬を構成する7図柄G10gは表示部50aを左右方向に3等分したうちの左側に配置され、右側の頬を構成する7図柄G10gは表示部50aを左右方向に3等分したうちの右側に配置されていることになる。そして、出現煽り演出において、左側の7図柄G10gは左演出図柄EZ1として扱われ、右側の7図柄G10gは右演出図柄EZ3として扱われる。加えて、左側の7図柄G10gと右側の7図柄G10gとは左右の頬を構成することから、上下方向において略同一の高さで揃えられていることになる。したがって、出現煽り演出において出現煽り演出画像G80が表示部50aに確定的にとどまっていないことは、左演出図柄EZ1としての左側の7図柄G10gと右演出図柄EZ3としての右側の7図柄G10gとでリーチが途中まで(部分的に)完成している状況ということになる。このような出現煽り演出画像G80の構成を鑑みると、出現煽り演出画像G80が出現し、出現煽り演出画像G80がそのまま表示部50aにとどまるか、表示部50aから消えるかという状況は、7図柄によってリーチが成立(確定)するか否かも煽られていることになる。すなわち、出現煽り演出は、7図柄によってリーチが成立するか否かを煽る演出としても機能する。その結果、出現成功演出は、リーチが成立(確定)することを示唆する演出としても機能し、出現失敗演出は、リーチが成立(確定)しないことを示唆する演出としても機能する。
【0621】
なお、第3実施形態において、出現煽り演出画像G80に銀図柄(G10a、G10b、G10c、G10d、G10e、G10f、G10h、G10i)が含まれることはない。すなわち、出現煽り演出が、銀図柄によってリーチが成立するか否かを煽る演出として機能することはない。したがって、同一の銀図柄左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3を用いた出現煽り演出が実行される可能性よりも、同一の金図柄からなる左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3を用いた出現煽り演出が実行される可能性の方が高いということになる。
【0622】
また、具体例は後述するが、出現煽り演出において、出現煽り演出画像演出G80は出現した後、段階的に下方に移動する。そして、その移動過程において、そのときに表示部50aに表示されている全ての当該アイコン、および保留アイコンが表示部50aからフレームアウトする。そして、出現失敗演出が実行される場合は当該出現失敗演出の終了に応じて、フレームアウトした全ての当該アイコン、および保留アイコンが表示部50aに表示される(復帰する)ことになる。一方、出現成功演出が実行される場合はその後の報酬演出の終了に応じて、フレームアウトした全ての当該アイコン、および保留アイコンが表示部50aに表示される(復帰する)ことになる。すなわち、出現煽り演出は、当該アイコン、および保留アイコンを一時的に表示部50aから見えなくさせる演出としても機能する。
【0623】
さらに、パチンコ遊技機PY3は、出現煽り演出の後に出現失敗演出が実行された場合よりも出現成功演出が実行された場合の方が、大当たり遊技状態になる(当該特図可変表示で大当たり特図が停止表示される)可能性(大当たり期待度)が高くなるように構成されている。第3実施形態において、出現失敗演出の演出時間(出現失敗演出時間)は、1秒に設定され、出現成功演出の演出時間(出現成功演出時間)は、2秒に設定されている。さらに、報酬演出の演出時間(報酬演出時間)は、第5操作促進演出継続可能時間と、リーチ成立示唆演出の演出時間(リーチ成立示唆演出時間)との合計からなり、第5操作促進演出継続可能時間は3秒に設定され、リーチ成立示唆演出時間は2秒に設定されているので、5秒となる。したがって、出現煽り演出の後に出現失敗演出が実行された場合よりも出現成功演出が実行された場合の方が、当該アイコン、および保留アイコンが見えなくなっている時間が長いということになる。その結果、出現煽り演出によって、当該アイコン、および保留アイコンが見えなくなっている時間が長い方が、大当たり期待度が高いということになる。
【0624】
次に、特別演出の具体例について説明する。
図70~
図73は、特別演出の具体例を説明する説明図である。なお、前提として、特別演出が開始されるときに、特
図1保留が2つあり、表示部50aには、そのときに実行されている特
図1変動表示に対応した当該アイコンHA0、保留順1の特
図1保留に対応した保留アイコンHA1、および保留順2の特
図1保留に対応した保留アイコンHA2が表示されているものとする。なお、以下において、当該アイコンHA0、保留アイコンHA1、および保留アイコンHA2をまとめて「アイコンHA0~HA2」と称することもある。
【0625】
なお、
図70~
図72においては、便宜上、出現煽り演出画像G80に含まれる7図柄G10gの全体的な色と、出現煽り演出画像G80における7図柄G10gを除く部分の全体的な色とは異なるように表されているが、実際には、出現煽り演出画像G80は色彩も含めて装飾部562kを表しており、主人公キャラクター「ロゴ」の顔の中の左右の頬の部分を構成する7図柄G10gを含めて出現煽り演出画像G80が表す装飾部562kの主人公キャラクター「ロゴ」の目や牙の部分を除く部分は全体的に金色で構成されており、出現煽り演出画像G80における7図柄G10gとそれ以外の部分との境界は目を凝らさないと分からない程度に、7図柄G10gは出現煽り演出画像G80に組み込まれているものとする。また、7図柄G10gが出現煽り演出画像G80を構成するかたちで表示されている間は、7図柄G10gは、上下方向を回転軸として平面視で反時計回りの15度の範囲での回動と時計回りの15度の範囲での回動とを繰り返すように揺動し続けるものとする。
【0626】
第3実施形態では、特別演出は、特図変動演出(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示)が開始された直後に開始される。したがって、
図70(A)に示すように、特図変動演出(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示)が開始して直ぐに、特別演出が開始される。特別演出が開始されると、
図70(B)に示すように、出現煽り演出画像G80が表示部50aの上端からフレームインしてきてそのまま下方に移動し、装飾部562kを表す出現煽り演出画像G80に係る主人公キャラクター「ロゴ」の上唇辺りが表示部50aの上端に位置したくらいのところで、一旦停止してその場で激しく揺れる。このときに、出現煽り演出画像G80が出現したときに表示されていたアイコンHA0~HA2は、当該出現前と同じ位置にとどまっているが、出現煽り演出画像G80の出現(下方へ移動)に応じて下方に押し出されようとするが耐えているかのように激しく揺れる。
【0627】
出現煽り演出画像G80は一旦停止するとまた直ぐに下方への移動を再開し、今度は、
図70(C)に示すように、装飾部562kを表す出現煽り演出画像G80に係る主人公キャラクター「ロゴ」の鼻先辺りが表示部50aの上端に位置したくらいのところで、再度一旦停止してその場で激しく揺れる。ここで、この2回目の出現煽り演出画像G80の下方への移動に伴って、アイコンHA0~HA2は、押し出されるように下方に移動するが、出現煽り演出画像G80の一旦停止に応じて、当該アイコンHA0~HA2の下半分が見えなくなった状態で一旦停止してその場で激しく揺れる。
【0628】
出現煽り演出画像G80の2回目の一旦停止の後直ぐに出現煽り演出画像G80はさらに下方への移動を再開し、今度は、
図70(D)に示すように、装飾部562kを表す出現煽り演出画像G80に係る主人公キャラクター「ロゴ」の顔面全体が表示部50aに表示されたところで、再度一旦停止してその場で激しく揺れる。この3回目の出現煽り演出画像G80の下方への移動に伴って、アイコンHA0~HA2はさらに押し出されるように下方に移動し、完全に見えなくなる。
【0629】
図70(D)に示すように、アイコンHA0~HA2が完全に見えなくなった後直ぐに出現煽り演出画像G80が移動することなく激しく揺れている状況は、出現成功演出が実行されるか出現失敗演出が実行されるかの分岐点を構成する。以下において、この
図70(D)に示す分岐点を「出現成否分岐点」と称する。出現成否分岐点を構成する出現煽り演出画像G80の3回目の一旦停止は、当該分岐点に至る過程を構成する1回目、および2回目の一旦停止に比べて重要な位置づけとなっているので、3回目の一旦停止に要する時間は、1回目、および2回目の一旦停止に要する時間よりも長くなるように設定されている。
【0630】
出現煽り演出画像G80の一旦停止に要する時間は適宜に設定可能であるが、第3実施形態では、1回目、および2回目の一旦停止に要する時間は1秒に設定され、3回目の一旦停止に要する時間は2秒に設定されている。また、出現煽り演出が開始されてから出現成否分岐点に達するまでの時間(出現成否分岐点到達時間)は適宜に設定可能であるが、第3実施形態では、5秒に設定されている。したがって、出現成否分岐点到達時間から一旦停止に要する時間の合計を減算した時間が、下方の移動に要する時間となる。なお、出現煽り演出画像G80が下方へ移動する速度は各段階で略同一であるものとする。
【0631】
また、
図70(B)~
図70(D)に示すように、出現煽り演出において、出現煽り演出画像G80は、下方への移動と一旦停止とからなる1組の動作(セット動作)を3回行う。そして、出現煽り演出画像G80が1回目の一旦停止を行ったとき、出現煽り演出画像G80に含まれる2つの7図柄G10g(左演出図柄EZ1、右演出図柄EZ3)は見えていない。出現煽り演出画像G80が2回目の下方への移動を開始し始めたときに出現煽り演出画像G80に含まれる2つの7図柄G10g(左演出図柄EZ1、右演出図柄EZ3)が下端から見え始める。そして、3回目の一旦停止が行われているとき、2つの7図柄G10g(左演出図柄EZ1、右演出図柄EZ3)は完全な出現状態となる。ここで、出現煽り演出画像G80の3回目の一旦停止は、出現煽り演出画像G80が表示部50aにとどまるか表示部50aから消えるかの分岐点であり、リーチを途中まで(部分的に)完成させている2つの7図柄G10g(左演出図柄EZ1、右演出図柄EZ3)は出現煽り演出画像G80に含まれていることから、この状況は、7図柄G10g(金図柄)によるリーチが成立するか否かの分岐点(リーチ成否分岐点)も構成していることになる。
【0632】
さらには、前述の通り、出現煽り演出画像G80は装飾部562kを模しているが、装飾部562kに係る主人公キャラクター「ロゴ」の顔の鼻から口を一体的に含んだ部分は第5演出操作部45kを構成し、出現成功演出が実行されると、出現煽り演出画像G80がそのまま表示部50aに残ることになり、第5操作促進演出が実行される(報酬演出操作有効期間が発生する)ことになる。そこで、出現煽り演出画像G80における第5演出操作部45kに対応する部分を用いて第5操作促進演出が実行されることになる。以下において、出現煽り演出画像G80における第5演出操作部45kに対応する部分のことを「第5操作対象画像G45a」と称する。したがって、出現煽り演出画像G80には第5操作対象画像G45aが含まれていることになる。また、出現煽り演出画像G80において、第5操作対象画像G45aは、左演出図柄EZ1としての7図柄G10gと、右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとの間に配置されている。そして、第5操作対象画像G45a、および左右の7図柄G10gは何れも、出現煽り演出画像G80に組み込まれているので、第5操作対象画像G45aと、左右の7図柄G10gとは一体的に表示されていることになる。そのため、第5操作対象画像G45aと、左右の7図柄G10gとは同一の出現態様で表示部50aに出現し、同一の移動態様で表示部50a内を移動していることになる。
【0633】
第5操作対象画像G45aを含む出現煽り演出画像G80の3回目の一旦停止は、出現煽り演出画像G80が表示部50aにとどまるか表示部50aから消えるかの分岐点であり、出現煽り演出画像G80が表示部50aにとどまった場合に第5操作促進演出が実行される(第5操作有効期間が発生する)一方、出現煽り演出画像G80が表示部50aから消えた場合に第5操作促進演出が実行されない(報酬演出操作有効期間が発生しない)ことから、この状況は、第5操作促進演出が実行される(報酬演出操作有効期間が発生する)か否かの分岐点(第5操作促進演出成否分岐点)も構成していることになる。
【0634】
出現成否分岐点の状況から出現失敗演出が実行される場合は、
図71(A)に示すように、出現煽り演出画像G80はさらに下方への移動し、そのまま表示部50aの下端からフレームアウトすることで当該出現失敗演出が終了する。そして、その後すぐに、
図71(B)に示すように、出現煽り演出の実行前に表示されていた背景画像である第1通常用背景画像G111が表示部50aの全体に表示されると共に、変動表示している演出図柄EZ1~EZ3が出現する。このときに、見えなくっていたアイコンHA0~HA2も表示される。詳細には、アイコンHA0~HA2は揃って表示部50aの下端からフレームインしてきて、当該アイコンHA0はそのまま上方に移動して当該表示領域50e(図示なし)で停止し、保留アイコンHA1、HA2はそのまま上方に移動して第1領域50d1、第2領域50d2(図示なし)で停止する。すなわち、出現失敗演出が実行された場合は、見えなくなっていた当該アイコン、および保留アイコンは移動を伴って復帰する。このように出現煽り演出によって見えなくなった当該アイコン、および保留アイコンが出現失敗演出の終了によって見えるようになる一連の演出のことを「出現煽り失敗アイコン復帰演出」と称する。出現煽り失敗アイコン復帰演出の演出時間(出現煽り失敗アイコン復帰演出時間)、言い換えるとアイコンHA0~HA2がフレームインしてきてから当該表示領域50e、第1領域50d1、第2領域50d2で停止するまでに要する時間は適宜に設定可能であるが、第3実施形態では1秒に設定されているものとする。また、出現失敗演出が実行された場合、出現煽り演出の後において、見えなくなった当該アイコン、および保留アイコンに対して出現失敗演出は、当該アイコン、および保留アイコンの復帰を阻害していた演出と位置付けることができる。以下において、出現失敗演出のことを「出現煽り失敗アイコン復帰阻害演出」と称することもある。
【0635】
一方、出現成否分岐点の状況から出現成功演出が実行される場合は、出現煽り演出画像G80は、一瞬下方へ移動するが、その後は引き返して上方へ移動し、
図72(A)に示すように、装飾部562kを表す出現煽り演出画像G80に係る主人公キャラクター「ロゴ」の上端が表示部50aの上端から下方側に所定距離をおいた箇所に位置するところで(出現煽り演出画像G80に含まれる7図柄G10gの下端が表示部50aの下端と略一致するように)停止する。なお、通常、リーチが成立する場合、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3は表示部50aの上下方向略中央で仮停止表示するところ、
図72(A)に示す状況では、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gは表示部50aの上下方向略中央より下方で仮停止している。すなわち、この状況では、依然として、2つの7図柄G10gによるリーチは完全には成立していないことになる。
【0636】
出現煽り演出画像G80が停止すると、続いて、
図72(B)に示すように、出現煽り演出画像G80に重畳的に、第5演出操作部45kの操作態様(第5演出操作:押し込み操作)を表す画像(第5演出操作画像)G45bと、第5演出操作部45kの操作に係る有効期間(第5操作有効期間)の残り時間(第5操作有効期間残り時間)を表す画像(第5操作残り時間画像)G45cとが表示されると共に、第5演出操作部45kが繰り返し押し込み操作されているように第5操作対象画像G45aが動く。
【0637】
第5演出操作画像G45bの表示、および第5操作残り時間画像G45cの表示、ならびに第5操作対象画像G45aの動作は、第5操作促進演出を構成し、第5操作促進演出の開始に伴って報酬演出操作有効期間が発生する。なお、第5操作促進演出が開始されると、第5操作残り時間画像G45cは、遊技者が報酬演出操作有効期間残り時間を把握可能に適宜に変化する。また、第5操作対象画像G45a、第5演出操作画像G45b、および第5操作残り時間画像G45cによって、第5操作促進演出に対応付けられた画像(第5促進演出画像)G45を構成する。
【0638】
そして、第5操作促進演出が実行されているときに(報酬演出操作有効期間において)、第5演出操作部45kが操作されると、第5操作促進演出が終了すると共に、リーチ成立示唆演出が開始する。具体的には、第5操作促進演出の終了としては、
図73(A)に示すように、出現煽り演出画像G80に含まれる7図柄G10g以外の部分が消える。一方、リーチ成立示唆演出としては、最初に、
図73(A)に示すように、7図柄G10gがその場で拡大し、続いて、
図73(B)に示すように、7図柄G10gが表示部50aの上下方向略中央に移動しながら左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3としての通常の大きさに戻る。左側に配置された7図柄G10g、および右側に配置された7図柄G10gが通常の大きさで上下方向略中央に配置されると、リーチが成立したことを示唆するリーチ成立示唆画像G11が左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3に重畳的に表示される。このように、7図柄G10gが拡大してから通常の大きさに戻りながら上下方向略中央に移動するまでの当該7図柄G10gの動作と、リーチ成立示唆画像G11の表示とがリーチ成立示唆演出を構成する。
【0639】
そして、リーチ成立示唆画像G11が消えることによって、リーチ成立示唆演出、報酬演出、および特別演出(成功特別演出)が終了したことになるが、そのタイミングで、
図73(C)に示すように、Nリーチが開始される。さらにこのとき、見えなくっていたアイコンHA0~HA2が表示される(復帰する)。詳細には、見えなくなっていたアイコンHA0~HA2は、当該出現煽り演出が開始される前の元の位置において、透明度が100%から徐々に0%になっていくように出現する。すなわち、出現成功演出が実行された場合は、見えなくなっていた当該アイコン、および保留アイコンは移動を伴わずに復帰する。このように出現煽り演出によって見えなくなった当該アイコン、および保留アイコンが出現成功演出を介した報酬演出の終了に応じて見えるようになる演出のことを「出現煽り成功アイコン復帰演出」と称する。出現煽り成功アイコン復帰演出の演出時間(出現煽り成功アイコン復帰演出時間)、言い換えるとアイコンHA0~HA2が当該出現煽り演出が開始される前の元の位置で透明度が100%の状態から0%の状態になるまでに要する時間は適宜に設定可能であるが、第3実施形態では0.5秒に設定されているものとする。また、出現成功演出が実行された場合、出現煽り演出の後において、見えなくなった当該アイコン、および保留アイコンに対して出現成功演出、および報酬演出は、当該アイコン、および保留アイコンの復帰を阻害していた演出と位置付けることができる。以下において、出現成功演出、および報酬演出のことを「出現煽り成功アイコン復帰阻害演出」と称することもある。
【0640】
また、図示しないが、出現煽り演出が開始されると、枠可動体56kは、出現成否分岐点に達したところで作動完了状態の数cm(例えば5cm)手前の位置まで移動できているように一定速度での出現動作を開始する。すなわち、出現煽り演出は、装飾部562kが完全に出現するか否かを煽る演出であるが、当該出現煽り演出が実行されているときに、装飾部562kを含む枠可動体56kは同時進行で(並行して)出現動作を行っていることになる。言い換えると、装飾部562kを表す出現煽り演出画像G80の出現過程と、装飾部562kの出現過程とが略同調している。
【0641】
さらには、出現成否分岐点として出現煽り演出画像G80が3回目の一旦停止を行っている間、枠可動体56kは、作動完了状態の数cm(例えば5cm)手前の位置での停止状態を保持する。そして、出現失敗演出が実行されると、枠可動体56kは、例えば出現時と同じ速度で収納動作を開始する。一方、出現成功演出が実行されると、枠可動体56kは、当該位置に至るまでと略同一速度での出現動作を再開し、そのまま作動完了状態となる(装飾部562kが出現完了状態となる)。
【0642】
なお、出現成功演出が実行された場合、作動完了状態となった枠可動体56kが待機状態に戻るタイミングは適宜に設定可能であるが、例えば、当該特図変動演出が終了するタイミングで枠可動体56kが待機状態に戻るように収納動作を開始させても良い。
【0643】
以上のように、パチンコ遊技機PY3によれば、特定の組み合わせからなる(同一の演出図柄G10a(数字)で構成される)演出図柄(左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3)が、有利遊技状態(大当たり遊技状態)になる可能性があることを示唆する特定態様(表示部50aの上下方向略中央で仮停止状態)になる特定演出(リーチ)を実行することがあり、操作部(第5演出操作部45k)を表す操作部画像(第5操作対象画像G45a)と共に、特定の組み合わせからなる(同一の演出図柄G10a(数字)で構成される)演出図柄(左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3)を表示部50aに出現させ、当該操作部画像、および当該特定の組み合わせからなる演出図柄が所定態様(出現煽り演出画像G80が表示部50aにとどまって、出現煽り演出画像G80に係る主人公キャラクター「ロゴ」の上端が表示部50aの上端から下方側に所定距離をおいた箇所に位置するところで(出現煽り演出画像G80に含まれる7図柄G10gの下端が表示部50aの下端と略一致するように)停止する態様)になるか否かを煽る煽り演出(出現煽り演出)を実行することがある。したがって、操作部の操作と、特定演出の実行とに対する期待をまとめて一度に持つことができ、遊技興趣が向上する。
【0644】
さらに、パチンコ遊技機PY3によれば、煽り演出(出現煽り演出)の後に、当該操作部画像(第5操作対象画像G45a)、および当該特定の組み合わせからなる演出図柄(同一の演出図柄G10a(数字)で構成される左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3)が所定態様になった場合、当該操作部画像(第5操作対象画像G45a)の表示による操作部(第5演出操作部45k)の操作を促す操作演出(第5操作促進演出)を実行し、操作演出(第5操作促進演出)が実行されているときに操作部(第5演出操作部45k)が操作されると、当該特定の組み合わせからなる演出図柄を特定態様(表示部50aの上下方向略中央で仮停止状態)にさせて特定演出(リーチ)を実行する。特定演出(リーチ)の契機となる操作部(第5演出操作部45k)の操作を促す操作演出(第5操作促進演出)を構成する操作部画像(第5操作対象画像G45a)は、当該特定演出(リーチ)を構成する演出図柄(7図柄G10gで構成される左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3)と一緒に表示されているので、より一層、操作演出と特定演出との関連性が高まり、当該操作演出、および特定演出に対してインパクトを与えることができる。また、パチンコ遊技機PY3によれば、特定の組み合わせ(同一の演出図柄G10a(数字))には、第1の特定の組み合わせ(同一の銀図柄)と、第1の特定の組み合わせよりも有利遊技状態(大当たり遊技状態)になる可能性が異なることを示唆する第2の特定の組み合わせ(同一の金図柄)とがあり、第2特定の組み合わせ(同一の金図柄)からなる演出図柄(左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3)を用いた煽り演出(出現煽り演出)が実行されることがあり、しかも、第1特定の組み合わせ(同一の銀図柄)からなる演出図柄(左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3)を用いた煽り演出(出現煽り演出)が実行される可能性よりも、第2特定の組み合わせ(同一の金図柄)からなる演出図柄(左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3)を用いた煽り演出(出現煽り演出)が実行される可能性の方が高い。したがって、煽り演出への注目度を高めることができ、煽り演出(出現煽り演出)の演出効果を高めることができる。
【0645】
また、パチンコ遊技機PY3によれば、特定判定(大当たり判定)を実行する権利が発生したことに応じて判定画像(保留アイコン、当該アイコン)を表示部50aに表示することがあり、判定画像(保留アイコン、当該アイコン)が表示されているときに、特定画像(出現煽り演出画像G80)を表示することによって当該判定画像(保留アイコン、当該アイコン)を見えなくする特定演出(出現煽り演出)を実行することがあり、特定演出(出現煽り演出)の後に、復帰演出(出現失敗演出、出現成功演出・報酬演出)が実行されることによって見えなくなった当該判定画像(保留アイコン、当該アイコン)が見えるようになり、復帰演出には、当該判定画像(保留アイコン、当該アイコン)が見えなくなってから第1時間が経過したときに当該判定画像が見えるようになる第1復帰演出(出現失敗演出)と、当該判定画像が見えなくなってから第1時間と異なる第2時間が経過したときに当該判定画像が見えるようになる第2復帰演出(出現成功演出・報酬演出)とがあり、第1復帰演出(出現失敗演出)が実行された場合と第2復帰演出(出現成功演出・報酬演出)が実行された場合とで有利遊技状態(大当たり遊技状態)になる可能性が異なる。したがって、当該判定画像(保留アイコン、当該アイコン)が見えなくなっている時間に注目させることができ、判定画像(保留アイコン、当該アイコン)を表示する演出の演出効果を向上させることができる。さらに、パチンコ遊技機PY3によれば、第1復帰演出(出現失敗演出)の場合と、第2復帰演出(出現成功演出・報酬演出)の場合とで、見えなくなっていた当該判定画像(保留アイコン、当該アイコン)が見えるようになる態様が異なる。したがって、復帰演出に対する単調化を防ぐことができる。また、パチンコ遊技機PY3によれば、特定演出(出現煽り演出)では、特定画像(出現煽り演出画像G80)は所定方向(下方)への移動を伴って表示部50aに出現し、判定画像(保留アイコン、当該アイコン)は特定画像(出現煽り演出画像G80)の出現に応じた所定方向(下方)への移動を伴って表示部50aから見えなくなる。したがって、判定画像(保留アイコン、当該アイコン)が見えなくなることに対する演出効果が向上する。
【0646】
(第3実施形態の変更例)
次に、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
【0647】
出現煽り演出の後に、第5操作促進演出が実行され、当該第5操作促進演出において第5演出操作部45kが操作されると、7図柄G10gによるリーチが成立するという一連の演出に対して、出現煽り演出では、第5操作対象画像G45aと、左演出図柄EZ1としての7図柄G10g、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとは出現煽り演出画像G80に含まれるかたちで出現(表示)されるが、出現煽り演出画像G80に含まれずに第5操作対象画像G45aと、左演出図柄EZ1としての7図柄G10g、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとが単独で出現(表示)されるようにしても良い。
【0648】
第5操作対象画像G45aは、左演出図柄EZ1としての7図柄G10gと、右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとの間に挟まれた状態で表示されており、第5操作対象画像G45aと、左右の7図柄G10gとは出現煽り演出画像G80において一体的に表示されているが、第5操作対象画像G45aと、左演出図柄EZ1としての7図柄G10g、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとの表示位置の関係は適宜に変更しても良い。また、第5操作対象画像G45aと、左右の7図柄G10gとは相互に独立したかたちで表示されても良い。
【0649】
出現煽り演出では、7図柄G10g、すなわち金図柄によるリーチが成立するか否かが煽られ、銀図柄によるリーチが成立するか否かが煽られることはないが、銀図柄によるリーチが成立するか否かが煽られることがあっても良い。この場合、出現煽り演出が成功し、第5操作促進演出で第5演出操作部45kが操作されると、必ず出現煽り演出を構成する銀図柄によるリーチが成立することになるようにしても、出現煽り演出を構成する銀図柄によるリーチが成立する場合と、出現煽り演出を構成しない金図柄によるリーチが成立する場合とがあるようにしても良い。出現煽り演出を構成しない金図柄によるリーチが成立する場合としては、例えば、第5演出操作部45kが操作されたときに、出現煽り演出を構成する銀図柄が消えて、その後直ぐに当該銀図柄と略同一の位置に金図柄(7図柄G10g)が出現し、当該金図柄によってリーチ成立示唆演出が実行されるようにしても良い。
【0650】
また、第5操作促進演出で第5演出操作部45kが操作されると必ず7図柄G10gによるリーチが成立するが、リーチが成立しないこともあるようにしても良い。
【0651】
出現煽り演出の後に、第5操作促進演出が実行され、当該第5操作促進演出において第5演出操作部45kが操作されると、7図柄G10gによるリーチが成立するという一連の演出に対して、第5操作対象画像G45aと、左演出図柄EZ1としての7図柄G10g、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとが出現する際の出現態様、出現成否分岐点に至るまでの動作態様、および出現成否分岐点における表示位置は適宜に変更しても良い。例えば、第5操作対象画像G45aと、左演出図柄EZ1としての7図柄G10g、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとは下方への移動を伴って一体的に出現しているが、下方とは異なる方向へ移動しながら表示部50aに出現するようにしても良い。また、第5操作対象画像G45aと、左演出図柄EZ1としての7図柄G10g、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとは、表示位置が維持された状態で徐々に透過度が低くなるように出現するようにしても良い。また、第5操作対象画像G45aの出現態様と、左演出図柄EZ1としての7図柄G10g、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとの出現態様とは異なるようにしても良い。例えば、第5操作対象画像G45aと、左演出図柄EZ1としての7図柄G10g、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとの双方、または一方は、出現煽り演出画像G80から独立して存在しており、一方は下方へ移動しながら出現し、他方は上方へ移動しながら出現するようにしても良い。なお、この場合、出現態様は相互に異なりながらも、最終的には、第5操作対象画像G45aが左右の7図柄G10gの間に配置された状態で第5操作対象画像G45a、および左右の7図柄G10gが停止するようにしても良いし、第5操作対象画像G45aが左右の7図柄G10gの間に配置されていない状態で第5操作対象画像G45a、および左右の7図柄G10gが停止するようにしても良い。
【0652】
出現煽り演出の後に、操作部の操作を促進する演出が実行され、当該演出において操作部が操作されると、7図柄G10gによるリーチが成立するという一連の演出に対して、操作部は、第5演出操作部45kに限られず適宜に変更しても良い。
【0653】
出現煽り演出の後に、第5操作促進演出が実行され、当該第5操作促進演出において第5演出操作部45kが操作されると、演出図柄G10を用いたリーチが成立するという一連の演出に対して、第5演出操作部45kが操作されたことに応じて実行される演出図柄G10を用いた演出はリーチに限られず適宜に変更しても良い。例えば、第5演出操作部45kが操作されたことに応じて、疑似連(例えば、所謂「疑似2」や「疑似3」)が実行されることが確定するようにしても良い。この場合、例えば、第5操作対象画像G45aと共に、疑似連の実行を示唆する特定の組み合わせを構成する3つの演出図柄G10(例えば、1・3・5)が揃って演出図柄EZ1~EZ3として出現するようにしても良い。また、第5演出操作部45kが操作されたことに応じて、所謂「チャンス目」や「巡目」が実行されることが確定するようにしても良い。この場合、例えば、第5操作対象画像G45aと共に、所謂「チャンス目」や「順目」の実行を示唆する特定の組み合わせを構成する3つの演出図柄G10(例えば、1・2・3)が揃って演出図柄EZ1~EZ3として出現するようにしても良い。
【0654】
また、出現成功演出が実行された後、第5操作対象画像G45aと、左演出図柄EZ1としての7図柄G10g、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとは、7図柄G10gの下端が表示部50aの下端に略一致するような位置で一体的に表示されるが、この場合の第5操作対象画像G45aと、左演出図柄EZ1としての7図柄G10g、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとの表示位置は適宜に変更しても良い。例えば、7図柄G10gが表示部50aの上下方向略中央に配置されるように、第5操作対象画像G45aと、左演出図柄EZ1としての7図柄G10g、および右演出図柄EZ3としての7図柄G10gとが一体的に表示されるようにしても良い。
【0655】
出現煽り演出が保留アイコンや当該アイコンを見えなくする機能を有する演出としてとらえた場合、出現煽り演出画像G80の表示態様は特に限定されず、適宜に変更しても良い。例えば、出現煽り演出画像G80に、第5操作対象画像G45a、および7図柄G10gの双方、または一方が含まれないようにしても良い。
【0656】
出現煽り演出が保留アイコンや当該アイコンを見えなくする機能を有する演出としてとらえた場合、出現失敗演出と、出現成功演出、および報酬演出とは、見えなくなった保留アイコンや当該アイコンが見えるまでの間に実行される演出に位置づけられるが、これらの演出の具体的な演出内容や演出の機能は特に限定されず適宜に変更しても良い。
【0657】
さらには、出現煽り演出が保留アイコンや当該アイコンを見えなくする機能を有する演出としてとらえた場合、保留アイコンや当該アイコンが見えなくなる時間は特に限定されず、適宜に変更しても良い。また、保留アイコンや当該アイコンが見えなくなる時間は2種類であるが、3種類以上あるようにしても良い。この場合、保留アイコンや当該アイコンが見えなくなる時間に応じて、相互に大当たり期待度が異なるようにしても良い。例えば、保留アイコンや当該アイコンが見えなくなる時間が長くなるにつれて、大当たり期待度が高くなるようにしても良い。また、保留アイコンや当該アイコンが見えなくなる時間が3種類以上設けられることによって、当該時間の種類に応じて、見えなくなった保留アイコンや当該アイコンが見えるまでの間に実行される演出の種類を変更しても良い。
【0658】
出現失敗演出が実行されたときの保留アイコンおよび当該アイコンが見えるようになる態様と、出現成功演出、および報酬演出が実行されたときの保留アイコンおよび当該アイコンが見えるようになる態様とは特に限定されず、適宜に変更しても良い。
【0659】
また、出現煽り演出が保留アイコンや当該アイコンを見えなくする機能を有する演出としてとらえた場合、出現失敗演出が実行されたときと、出現成功演出、および報酬演出が実行されたときとで、見えなくなった保留アイコンおよび当該アイコンが見えるようになる態様が異なっているが、略同一となるようにしても良い。略同一である場合には、出現失敗演出が終了してから保留アイコンおよび当該アイコンが出現するまでの時間と、(出現成功演出、および)報酬演出が終了してから保留アイコンおよび当該アイコンが出現するまでの時間とが異なるようにしてもよいし、略同一となるようにしても良い。
【0660】
出現煽り演出が保留アイコンや当該アイコンを見えなくする機能を有する演出としてとらえた場合、出現煽り演出画像G80は表示部50aの上端から出現し、そのまま下方に移動することに応じて、保留アイコンや当該アイコンが見えなくなるが、出現煽り演出画像G80の出現位置、および移動方向は特に限定されず適宜に変更しても良い。また、保留アイコンや当該アイコンが見えなくなる出現煽り演出画像G80の動作内容も移動に限定されず適宜に変更しても良い。
【0661】
さらには、出現煽り演出が保留アイコンや当該アイコンを見えなくする機能を有する演出としてとらえた場合、出現煽り演出画像G80は移動を伴わずに出現するようにしても良い。例えば、出現煽り演出画像G80は小さい状態で表示部50aの略中央に出現し、その位置で徐々に拡大し、当該拡大に応じて保留アイコンや当該アイコンが表示部50aから押し出されて見えなくなるようにしても良い。あるいは、出現煽り演出画像G80は長細い形状を呈しており、出現煽り演出画像G80が回転することに応じて保留アイコンや当該アイコンが表示部50aから弾き飛ばされて見えなくなるようにしても良い。
【0662】
7.その他の変更例
次に、基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機PY、および第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1乃至第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3について、上述の各実施形態において変更例が説明されているが、その他の変更例を以下に説明する。以下、基本的な実施形態、および第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1乃至第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3について「パチンコ遊技機PYなど」という。
【0663】
パチンコ遊技機PYなどでは、特図抽選結果を報知するために表示部50aを用いて演出図柄EZ1~EZ3の可変表示を行っているが、画像表示装置に代えて、所謂「回胴式遊技機(スロットマシーン)」のように図柄が表示されたドラムを配設し、当該ドラムを可変表示することによって特図抽選結果を報知してもよい。
【0664】
また、パチンコ遊技機PYなどでは、大当たり遊技で大入賞口14が開放可能であるが、大入賞口14以外にも大当たり遊技で開放可能な入賞領域を設けても良い。
【0665】
また、パチンコ遊技機PYなどでは、特定の大当たり図柄種別に判定されると、必ず大当たり遊技後に高確率状態にて遊技が進行する。すなわち、高確率状態の設定が大当たり図柄種別に対応付けられている。しかしながら、高確率状態の設定条件を変更してもよい。例えば、大入賞装置14Dとは別に、開閉可能であり、開放時に遊技球が入球可能な第2大入賞装置を遊技領域6の遊技球が到達可能な位置に設けておき、大当たり遊技中の所定のラウンド遊技において第2大入賞装置が開放して第2大入賞装置に入球した遊技球が、その下流側に設けられた特定領域を通過すると、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態が設定されるようにしてもよい。
【0666】
この場合、例えば第2大入賞装置が入球容易な時間(例えば、29.5秒)開放する特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ易い大当たり図柄)と、第2大入賞装置が入球困難な時間(例えば、0.5秒)開放する非特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ難い大当たり図柄)と、を設けることができる。また、第2大入賞装置に入賞した遊技球が通過可能な領域として特定領域と非特定領域があり、遊技球を特定領域と非特定領域に振り分ける振分装置を設けておく。そして、第2大入賞装置の開放時間は同じであるが、第2大入賞装置の開放態様と振分装置の作動態様との組み合わせで、高確率状態を設定させ易い大当たり図柄と高確率状態を設定させ難い大当たり図柄を設けることも可能である。
【0667】
また、パチンコ遊技機PYなどでは、遊技の進行に係る基本的な制御を遊技制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御を演出制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
【0668】
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
【0669】
8.前述した実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A~発明Gが開示されている。発明A~発明Gの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A3の総称であり、発明Bは、以下の発明B1~B4の総称であり、発明Cは、以下の発明C1~C3の総称であり、発明Dは、以下の発明D1~D3の総称であり、発明Eは、以下の発明E1~E3の総称であり、発明Fは、以下の発明F1~F4の総称であり、発明Gは、以下の発明G1~G3の総称である。
【0670】
なお、発明A乃至発明Dによれば、特開2018-88993号公報に記載の遊技機について次に説明する課題1に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2018-88993号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動領域に入賞するなどの取得条件が成立すると、所定の判定情報を取得し、判定情報に基づいて、遊技者に有利な特定遊技を実行するか否かの判定を行っていた。ところで、特開2018-88993号公報に記載の遊技機には、操作可能な操作手段が備えられており、操作手段への操作に応じて所定の演出が実行されることがある。しかしながら、演出に関する操作を行うことが可能な操作手段を備えた遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題1とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
【0671】
また、発明Eによれば、特開2019-92621号公報に記載の遊技機について次に説明する課題2に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2019-92621号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動領域に入賞するなどの取得条件が成立すると、所定の判定情報を取得し、判定情報に基づいて、遊技者に有利な特定遊技を実行するか否かの判定を行っていた。ところで、特開2019-92621号公報に記載の遊技機には、収納状態と出現状態との間を作動可能な可動部が備えられており、当該可動部を用いた演出が実行されることがある。しかしながら、収納状態と出現状態との間を作動可能な可動部を備えた遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題2とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
【0672】
なお、発明Fによれば、特開2019-000700号公報に記載の遊技機について次に説明する課題3に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2019-000700号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、大当たりにするかハズレにするかの大当たり判定を行う。大当たり判定を行うと、特別図柄の変動表示が実行される。特別図柄の変動表示が行われた後には、大当たり判定結果を示す態様で特別図柄の停止表示が行われる。大当たりを示す態様で特別図柄の停止表示が行われると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御されることがある。そして、特別図柄の変動表示が行われているときに、演出図柄を変動表示または停止表示する変動演出を行う。しかしながら、演出図柄を変動表示または停止表示する遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題3とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
【0673】
さらに、発明Gによれば、特開2019-000700号公報に記載の遊技機について次に説明する課題4に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2019-000700号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、大当たりにするかハズレにするかの大当たり判定を行う。大当たり判定で大当たりとなると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御されることがある。そして、大当たり判定を行う権利が発生したことに応じてアイコン(保留アイコン、当該アイコン)を表示することがある。しかしながら、大当たり判定を行う権利が発生したことに応じてアイコン(保留アイコン、当該アイコン)を表示することがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題4とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
【0674】
8-1-1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、
第1操作部(第2演出操作部42k)、および第2操作部(第4演出操作部44k)とを備え、
前記演出実行手段は、
前記第1操作部の選択、および前記第2操作部の選択が可能な特定期間(使用演出操作部選択期間)において、前記第1操作部が選択されると第1演出(ロゴ剣チャレンジ演出)を実行し、前記第2操作部が選択されると第2演出(ロゴレバーチャレンジ演出)を実行し、
前記特定期間における前記第1操作部の選択は当該第1操作部を操作することであり、
前記特定期間における前記第2操作部の選択は当該第2操作部を操作することであることを特徴とする遊技機。
【0675】
8-1-2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記特定期間において、前記第1操作部、および前記第2操作部が選択肢となる選択演出(操作部選択演出)を実行することを特徴とする遊技機。
【0676】
8-1-3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A1または発明A2に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記第1演出において、前記第1操作部の操作を促す第1促進演出(第2操作促進演出)を実行し、前記第1促進演出において前記第1操作部が操作されると、第1操作結果演出を実行することがあり、
前記第2演出において、前記第2操作部の操作を促す第2促進演出(第4操作促進演出)を実行し、前記第2促進演出において前記第2操作部が操作されると、第2操作結果演出を実行することがあることを特徴とする遊技機。
【0677】
8-2-1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
演出を実行可能な演出実行手段と、
第1操作部(第1演出操作部41k)、および第2操作部(第2演出操作部42k)とを備え、
前記演出実行手段は、
前記第1操作部の操作を促す第1操作部演出(第1操作促進演出)を実行しているときに、前記第1操作部が操作された場合、第1特定演出(第1操作結果演出)を実行することがあり、前記第2操作部が操作された場合、前記第1特定演出を実行することはなく、
前記第2操作部の操作を促す第2操作部演出(第2操作促進演出)を実行しているときに、前記第2操作部が操作された場合、第2特定演出(第2操作結果演出)を実行することがあり、前記第1操作部が操作された場合、前記第2特定演出を実行することがあることを特徴とする遊技機。
【0678】
8-2-2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記第1操作部、および前記第2操作部は振動可能に構成され、
前記演出実行手段は、
前記第2操作部が操作されて前記第2特定演出が実行される場合、当該第2操作部を振動させ、
前記第1操作部が操作されて前記第2特定演出が実行される場合、当該第1操作部を振動させることを特徴とする遊技機。
【0679】
8-2-3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B1または発明B2に係る遊技機であって、
前記第2操作部は前記第1操作部よりも遊技者の周囲から視認容易な位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0680】
8-2-4.発明B4
発明B4に係る遊技機は、
発明B1または発明B2に係る遊技機であって、
前記第2操作部は前記第1操作部よりも所定の基準位置(遊技者の太股の上、あるいはパチンコ遊技機PY2の下端手前辺りや上皿開放穴34aの底面辺り)からの手の移動量を多く伴う位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0681】
8-3-1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、
遊技者が操作可能な操作部(第4演出操作部44k:ロゴレバー)とを備え、
前記演出実行手段は、前記操作部の操作を促す操作演出(第4操作促進演出:ロゴレバーチャレンジ操作有効期間)を実行しているときに、前記操作部が特定時間、継続して操作されたことを条件に特定演出(通常ロゴレバー成功演出)を実行することがあり、
前記特定時間には、第1特定時間(特定継続時間1)、および前記第1特定時間よりも長い第2特定時間(特定継続時間2)があることを特徴とする遊技機。
【0682】
8-3-2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記特定時間が前記第1特定時間の場合と前記第2特定時間の場合とで、当該操作演出の演出内容は略同一であることを特徴とする遊技機。
【0683】
8-3-3.発明C3
発明C3に係る遊技機は、
発明C1または発明C2に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記操作演出において、前記操作部が操作されたが、当該操作が継続された時間が前記特定時間に満たなかったことを条件に前記特定演出を実行しないことがあることを特徴とする遊技機。
【0684】
8-4-1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、
遊技者が操作可能な操作部(第4演出操作部44k)とを備え、
前記演出実行手段は、
前記操作部の操作を促す操作演出(第4操作促進演出:ロゴレバーチャレンジ操作有効期間)を実行することがあり、
前記操作演出において、前記操作部が特定時間継続して操作されたことに応じて特定演出(ロゴチャレンジ成功演出)を実行することがあり、
前記操作演出において、前記操作部が前記特定時間、継続して操作されなかったことに応じて、前記特定演出を実行しないときと、前記特定演出を実行するときとがあることを特徴とする遊技機。
【0685】
8-4-2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
発明D1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記操作部が操作されなかったことによって、前記操作部が前記特定時間継続して操作されなかった場合、前記特定演出を実行しないことを特徴とする遊技機。
【0686】
8-4-3.発明D3
発明D3に係る遊技機は、
発明D1または発明D2に係る遊技機であって、
請求項1または2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記特定時間が経過する前に前記操作部への操作が終了したことによって、前記操作部が前記特定時間継続して操作されなかった場合、当該操作の終了に応じて前記特定演出を実行することを特徴とする遊技機。
【0687】
8-5-1.発明E1
発明E1に係る遊技機は、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、
作動することによって収納状態から出現状態に変化可能な可動部(枠可動体56k)とを備え、
前記可動部は、第1速度(第3速度)で作動して出現状態になるときと、前記第1速度と異なる第2速度(第1速度)で作動して出現状態になるときとがあり、
前記演出実行手段は、前記可動部が前記第1速度で作動する場合、前記可動部が出現状態になることを示唆する示唆演出(枠可動体注意喚起演出)を実行することがある一方、前記可動部が前記第2速度で作動する場合、前記示唆演出を実行しないことがあることを特徴とする遊技機。
【0688】
8-5-2.発明E2
発明E2に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
操作可能な操作部(第4演出操作部44k)をさらに備え、
出現状態の前記可動部は前記操作部の近傍に配置され、
前記操作部が操作されたことに応じて前記可動部が前記第2速度で作動して出現状態になることがあることを特徴とする遊技機。
【0689】
8-5-3.発明E3
発明E3に係る遊技機は、
発明E1または発明E2に係る遊技機であって、
前記第1速度よりも前記第2速度の方が速いことを特徴とする遊技機。
【0690】
8-6-1.発明F1
発明F1に係る遊技機は、
表示部(表示部50a)において、複数の演出図柄(演出図柄EZ1~EZ3)を変動表示させた後に、遊技者に有利な有利遊技状態になるか否かの特定判定(大当たり判定)の結果を示唆する態様で停止表示させることがある演出実行手段と、
操作可能な操作部(第5演出操作部45k)とを備え、
前記演出実行手段は、特定の組み合わせ(左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の演出図柄G10)からなる演出図柄が、前記有利遊技状態になる可能性があることを示唆する特定態様(表示部50aの上下方向略中央で仮停止表示)になる特定演出(リーチ)を実行することがある遊技機において、
前記演出実行手段は、前記操作部を表す操作部画像(第5操作対象画像G45a)と共に、前記特定の組み合わせからなる演出図柄を前記表示部に出現させ、当該操作部画像、および当該特定の組み合わせからなる演出図柄が所定態様になるか否かを煽る煽り演出(出現煽り演出)を実行することがあることを特徴とする遊技機。
【0691】
8-6-2.発明F2
発明F2に係る遊技機は、
発明F1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記煽り演出の後に、当該操作部画像、および当該特定の組み合わせからなる演出図柄が前記所定態様になった場合、当該操作部画像の表示による前記操作部の操作を促す操作演出を実行し、
前記操作演出が実行されているときに前記操作部が操作されると、当該特定の組み合わせからなる演出図柄を前記特定態様にさせて前記特定演出を実行することを特徴とする遊技機。
【0692】
8-6-3.発明F3
発明F3に係る遊技機は、
発明F1または発明F2に係る遊技機であって、
前記特定の組み合わせには、第1の特定の組み合わせ(銀図柄)と、前記第1の特定の組み合わせよりも前記有利遊技状態になる可能性が異なることを示唆する第2の特定の組み合わせ(金図柄)とがあり、
前記第1特定の組み合わせからなる演出図柄を用いた前記煽り演出が実行される可能性よりも、前記第2特定の組み合わせからなる演出図柄を用いた前記煽り演出が実行される可能性の方が高いことを特徴とする遊技機。
【0693】
8-6-4.発明F4
発明F4に係る遊技機は、
発明F1または発明F2に係る遊技機であって、
前記特定の組み合わせには、第1の特定の組み合わせ(銀図柄)と、前記第1の特定の組み合わせよりも前記有利遊技状態になる可能性が異なることを示唆する第2の特定の組み合わせ(金図柄)とがあり、
前記第2特定の組み合わせからなる演出図柄を用いた前記煽り演出が実行されることがあることを特徴とする遊技機。
【0694】
8-7-1.発明G1
発明G1に係る遊技機は、
遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態)になるか否かの特定判定(大当たり判定)を実行する権利が発生したことに応じて判定画像(保留アイコン、当該アイコン)を表示部(表示部)に表示することがある演出実行手段(演出制御用マイコン121)を備えた遊技機において、
前記演出実行手段は、
前記表示部において、前記判定画像が表示されているときに、特定画像(出現煽り演出画像G80)を表示することによって当該判定画像を見えなくする特定演出(出現煽り演出)を実行することがあり、
前記特定演出の後に、復帰演出(報酬演出、出現失敗演出)が実行されることによって見えなくなった当該判定画像を見えるようにし、
前記復帰演出には、当該判定画像が見えなくなってから第1時間が経過したときに当該判定画像が見えるようになる第1復帰演出(報酬演出)と、当該判定画像が見えなくなってから前記第1時間と異なる第2時間が経過したときに当該判定画像が見えるようになる第2復帰演出(出現失敗演出)とがあり、
前記第1復帰演出が実行された場合と前記第2復帰演出が実行された場合とで前記有利遊技状態になる可能性が異なることを特徴とする遊技機。
【0695】
8-7-2.発明G2
発明G2に係る遊技機は、
発明G1に係る遊技機であって、
前記第1復帰演出の場合と、前記第2復帰演出の場合とで、見えなくなっていた当該判定画像が見えるようになるときの態様が異なることを特徴とする遊技機。
【0696】
8-7-3.発明G3
発明G3に係る遊技機は、
発明G1または発明G2に係る遊技機であって、
前記特定演出では、前記特定画像は所定方向(下方)への移動を伴って前記表示部に出現し、前記判定画像は前記特定画像の出現に応じた前記所定方向への移動を伴って前記表示部から見えなくなることを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0697】
PY,PY1,PY2,PY3…パチンコ遊技機
1…遊技盤
6…遊技領域
6A…左遊技領域
6B…右遊技領域
11…第1始動口
11a…第1始動口センサ
12…第2始動口
12a…第2始動口センサ
14…大入賞口
14a…大入賞口センサ
41k…第1演出操作部
42k…第2演出操作部
43k…第3演出操作部
44k…第4演出操作部
45k…第5演出操作部
50…画像表示装置
50a…表示部
52…スピーカー
53…枠ランプ
56k…枠可動体
100…遊技制御基板
101…遊技制御用マイコン
120…演出制御基板
121…演出制御用マイコン
140…画像制御基板