(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024384
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】収容装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6563 20140101AFI20240215BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20240215BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240215BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240215BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240215BHJP
H01M 50/202 20210101ALI20240215BHJP
【FI】
H01M10/6563
H01M50/296
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M50/209
H01M50/202 501S
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127177
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉立 健太
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031KK00
5H031KK08
5H040AA01
5H040AA28
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】収容する電力機器を冷却できる収容装置を提供する。
【解決手段】収容装置1は、第1電気端子が設けられる電力機器を出し入れ可能に収容する収容部を備え、収容部は、電力機器を出し入れする開口と、該開口と対向する位置に配置される底部と、収容部に収容される電力機器の外周を囲む筒部と、を有し、底部には、収容部の内側と外側とを連通し、第1電気端子又は第1電気端子に接続される第2電気端子が挿通される挿通穴が設けられ、筒部には、収容部の内側と外側とを連通する連通穴が設けられ、筒部の外周には、連通穴と対応する位置に固定され、空気の流動を促進する起風部が設けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電気端子が設けられる電力機器を出し入れ可能に収容する収容部を備え、
前記収容部は、前記電力機器を出し入れする開口と、該開口と対向する位置に配置される底部と、前記収容部に収容される前記電力機器の外周を囲む筒部と、を有し、
前記底部には、前記収容部の内側と外側とを連通し、前記第1電気端子又は前記第1電気端子に接続される第2電気端子が挿通される挿通穴が設けられ、
前記筒部には、前記収容部の内側と外側とを連通する連通穴が設けられ、
前記筒部の外周には、前記連通穴と対応する位置に固定され、空気の流動を促進する起風部が設けられる
ことを特徴とする収容装置。
【請求項2】
前記電力機器は、電力を蓄積する電力蓄積器であり、
前記電力蓄積器は、該電力蓄積器の電力を該電力蓄積器の外部に出力可能な、又は該電力蓄積器の外部の電力を該電力蓄積器に入力可能な起動状態と、
前記電力蓄積器の電力を該電力蓄積器の外部に出力不能な、又は該電力蓄積器の外部の電力を該電力蓄積器に入力不能な非起動状態と、に切り替える切替制御部を有し、
前記収容装置は、前記収容部に収容された前記電力蓄積器の前記切替制御部と電気伝達可能に設けられる他の電力蓄積器を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の収容装置。
【請求項3】
前記他の電力蓄積器は、前記外周に固定される
ことを特徴とする請求項2に記載の収容装置。
【請求項4】
前記筒部は、前記電力機器の出し入れ方向と直交する平面における断面が4つの辺を有する略四角形状に設けられ、
前記起風部及び前記他の電力蓄積器は、前記筒部の4つの前記辺のうちの一つの辺に対応する一つの側面に、配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の収容装置。
【請求項5】
前記起風部は、前記他の電力蓄積器よりも前記底部側の位置に配置される
ことを特徴とする請求項4に記載の収容装置。
【請求項6】
前記電力機器は、前記収容部に対する出し入れ方向と直交する平面における断面が4つの辺を有する略四角形状に設けられ、
4つの前記辺のうちの少なくとも一つが直線状、かつ、少なくとも一つが曲線状に形成され、
前記筒部は、前記電力機器の形状と相似形状に設けられ、
前記起風部は、前記筒部の側面のうち、直線状に形成された前記辺に対応する位置の外周、又は曲線状に形成された前記辺に対応する位置を避けた位置の外周に設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力機器であるモバイルバッテリを保持するバッテリ交換機が知られている。このバッテリ交換機は、モバイルバッテリを保持するスロットスリーブを備え、このスロットスリーブは、底部にモバイルバッテリを冷却するファンが設けられる(例えば、特許文献1参照)。
また、バッテリ交換機のようにモバイルバッテリを保持する装置として、収容装置が知られている。この収容装置は、筐体を備え、モバイルバッテリを当該筐体に収容することで保持するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、筐体の内部における部材の配置位置によっては、ファン等のモバイルバッテリを冷却する装置を収容装置に配置できない場合がある。
本発明は、収容する電力機器を冷却できる収容装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1電気端子が設けられる電力機器を出し入れ可能に収容する収容部を備え、前記収容部は、前記電力機器を出し入れする開口と、該開口と対向する位置に配置される底部と、前記収容部に収容される前記電力機器の外周を囲む筒部と、を有し、前記底部には、前記収容部の内側と外側とを連通し、前記第1電気端子又は前記第1電気端子に接続される第2電気端子が挿通される挿通穴が設けられ、前記筒部には、前記収容部の内側と外側とを連通する連通穴が設けられ、前記筒部の外周には、前記連通穴と対応する位置に固定され、空気の流動を促進する起風部が設けられることを特徴とする収容装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、収容する電力機器を冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る収容装置の斜視図である。
【
図8】収容機構を収容装置の右方向から視た概略図である。
【
図9】収容機構を収容装置の右方向から視た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.実施形態]
[1.1.構成]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
各図面において、符号FRは、収容装置1が下面を設置面に接する底面として設置された状態における前方を示し、符号UPは、当該収容装置1の上方を示し、符号LHは、当該収容装置1の左方を示す。以下の説明において、特に説明がない限り、各方向は、これらの収容装置1の方向に沿った方向である。以下、収容装置1が下面を設置面に接する底面として設置された状態を第1姿勢という。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係る収容装置1の斜視図である。
収容装置1は、当該収容装置1を着脱可能な電力機器であるバッテリ100を収容し、当該バッテリ100に蓄電された電力を使用者の操作に応じて変換し、他の電動装置等に給電するものである(
図2)。
図1に示すように、収容装置1は、略直方体状の筐体10を備える。筐体10は、いずれも平坦面である上面と、下面と、前面と、後面と、左右に位置する一対の側面とを備える。収容装置1の第1姿勢では、筐体10の下面が設置面に接する底面となる。
なお、筐体10は、直方体状に限らず、例えば略立方体状等、互いに異なる方向を向く6つの略四角形状の面を有すると共に、略多面体であればどのような形状であってもよい。
【0010】
図2は、収容装置1の分解斜視図である。
図2に示すように、筐体10は、収容装置1の第1姿勢で、上面を形成する上面パネル12と、底面となる下面を形成する下面パネル14と、前面を形成する前面パネル16と、後面を形成する後面パネル18と、左右の側面の各々を形成する一対の側面パネル19とを備える。本実施の形態において、各パネルは、いずれも樹脂材によって形成されるが、これに限らず、少なくとも一つが金属材等の他の材料で形成されていてもよい。
【0011】
上面パネル12は、収容装置1に沿って所定の厚さ寸法を備えるように形成される。上面パネル12は、略中央が上面側から下面側に向かって平面視で矩形状に窪む上面凹部11が設けられる。上面凹部11の底面の略中央には、平面視で略矩形状の貫通孔である上面開口13が設けられる。上面凹部11の底面において、上面開口13の角部の各々に接近した位置には、貫通孔であるねじ孔15が設けられる。
【0012】
上面パネル12には、平面視で矩形状の蓋体20が設けられる。蓋体20は、上面パネル12の後方側に位置する上面凹部11の縁部に回動自在に固定される。蓋体20は、使用者によって回動されることで、上面凹部11と、上面開口13との全体を覆うと共に、開放可能である。上面パネル12においては、この蓋体20の上面が筐体10の上面の大部分を形成する。
蓋体20において、上面開口13に対向する下面には、当該上面開口13に向かって、当該下面の略全面が膨出することで形成される膨出部21が設けられる(
図9)。
【0013】
下面パネル14の下面には、外部に向かって突出する複数の脚部17が設けられる。第1姿勢では、収容装置1は、これらの脚部17によって支持される。第1姿勢では、筐体10の上下方向において、下面パネル14が鉛直下方に配置される。
【0014】
図1に示すように、前面パネル16において、筐体10の前面に位置し、且つ下面側よりも上面側に接近する位置には、表示ユニット22が設けられる。表示ユニット22は、LED(Light Emitting Diode)等が設けられ、収容装置1の運転状態や、バッテリ100のエネルギの残量等を表示するディスプレイエリアと、使用者から収容装置1の運転状態の切り替え指示等といった操作を受ける操作子であるスイッチが設けられるスイッチエリアとを備える。
【0015】
前面パネル16において、表示ユニット22よりも下方には、端子ユニット24が設けられる。端子ユニット24は、交流電力出力端子と、直流電力出力端子とを備える。交流電力出力端子と、直流電力出力端子とは、それぞれに接続された外部の端子を介して、交流電力と直流電力とを他の電動装置等に供給する。
端子ユニット24は、交流電力入力端子と、直流電力入力端子とを備える。交流電力入力端子と、直流電力入力端子とには、それぞれに接続された外部の端子を介して、太陽電池パネルや発電機等の他の発電装置から交流電力と直流電力とが供給される。
端子ユニット24は、収容装置1に対する所定の操作を受ける操作子や、他の収容装置1に接続される接続端子などを備える。
【0016】
端子ユニット24には、上述した各種端子の各々や、操作子を覆うカバー部材26が設けられる。カバー部材26は、端子ユニット24から着脱可能に設けられる。なお、カバー部材26は、端子ユニット24に一体に設けられ、開閉可能に形成されてもよい。
【0017】
図1に示すように、前面パネル16において、筐体10の前面に位置し、且つ上面側よりも下面側に接近する位置には、貫通孔である前面吸気口23が設けられる。この前面吸気口23は、筐体10の左右方向に沿って延びる長孔状に形成され、複数のルーバが設けられる。
【0018】
後面パネル18には、貫通孔である後面排気口25が設けられる。本実施の形態において、後面排気口25は、後面パネル18の平面視で矩形に形成され、筐体10の下面側よりも上面側に接近する位置に設けられる。後面排気口25には、複数のルーバが設けられる。
なお、前面パネル16と、後面パネル18との少なくともいずれか一方は、1つの部材に限らず2つ以上の部材から形成されてもよい。
【0019】
前面パネル16と、後面パネル18とにおいて、筐体10の下面側よりも上面側に接近する位置には、いずれも筐体10の左右方向に沿って延びる棒状の把手28が設けられる。前面パネル16の把手28は、筐体10の前面側から上面側に向かって前面パネル16がくりぬかれることで形成され、後面パネル18の把手28は、筐体10の後面側から上面側に向かって前面パネル16がくりぬかれることで形成される。これによって、把手28の各々は、筐体10の各面から突出することなく設けられる。このため、収容装置1の意匠性と操作性との向上を図ることが可能である。
【0020】
把手28の各々は、中空に形成され、収容装置1の外方側に位置する側面は、前面パネル16と、後面パネル18とは別体の把手カバー27によって形成される。
使用者は、これらの把手28を把持することで収容装置1の運搬や設置が可能となる。
なお、把手28は、上述のような使用者が全周を握ることができる形状に限らず、例えば溝形状のように、使用者が指や手を掛けて収容装置1を保持可能な他の形状でもよい。
【0021】
図1、
図2に示すように、上面パネル12の前端には、前面パネル16の上端が連結され、上面パネル12の後端には、後面パネル18の上端が連結される。下面パネル14の前端には、前面パネル16の下端が連結され、下面パネル14の後端には、後面パネル18の下端が連結される。これによって、上面パネル12と、下面パネル14と、前面パネル16と、後面パネル18とは、筐体10の左右方向から視て、矩形の枠状となるように互いに連結される。
【0022】
これによって、各パネルは、互いに補強し合い、このため、収容装置1の強度の向上を図ることが可能である。
加えて、把手28が設けられる前面パネル16と、後面パネル18とが上面パネル12と、下面パネル14とに固定されるため、使用者が把手28を把持して収容装置1を運ぶ場合における当該収容装置1の強度が確保される。
なお、本実施形態の各パネルは、ねじ部材等の締結部材によって互いに連結される。
【0023】
側面パネル19の各々は、平面視で矩形の板状部材である。側面パネル19の各辺には、一方の平面側に突出する係合片が設けられる。側面パネル19の各々は、左右それぞれから、これらの係合片の各々を、上面パネル12と、下面パネル14と、前面パネル16と、後面パネル18の各々に設けられる係合溝に係合させることで、これらのパネルの各々に固定される。
なお、これに限らず、側面パネル19の各々は、締結部材を用いて各パネルに固定されてもよい。また例えば、側面パネル19の各々の少なくともいずれか一方は、1つの部材に限らず2つ以上の部材から形成されてもよい。
【0024】
収容装置1は、側面パネル19の各々、すなわち左右側面を底面とする第2姿勢で設置することができる。これによって、収容装置1は、使用者の用途に応じて、設置姿勢を変更することが可能である。
【0025】
図2に示すように、筐体10の内部には、バッテリ100を収容する収容機構30が設けられる。当該収容機構30は、筐体10の前後方向において、略中央に配置され、上面開口13の直下に位置する。
【0026】
筐体10の前後方向において、収容機構30の後方には、インバータユニット80が設けられる。インバータユニット80は、インバータ82とシュラウド90とを備える。
インバータ82は、バッテリ100から供給された電力を使用者の操作に応じて変換し、交流電力と、直流電力を出力する。インバータ82は、両面に所定の電気部品86が実装された矩形の基板84を備える。基板84は、平面の各々が筐体10の前後方向に向かうように配置される。電気部品86は、インバータ回路や、コンバータ回路等の所定の電気回路を形成する。
なお、基板84には、DC-DCコンバータ等の、他の電気作動部が実装されてもよい。
【0027】
シュラウド90は、筐体10の前後方向において、インバータ82を後方から覆う被覆部材である。シュラウド90には、バッテリ100やインバータ82を冷却する複数の送風機92が設けられる。
【0028】
インバータユニット80は、基板84の上縁が上縁支持部材87に支持され、基板84の下縁が下縁支持部材88に支持されることで筐体10の内部に固定される。
上縁支持部材87は、筐体10の前後方向において、後方に向かってU字状に湾曲する線状の部材である。上縁支持部材87は、両端が収容機構30に固定され、長手方向における略中央が基板84に当接することで基板84、及びインバータユニット80を支持する。
【0029】
下縁支持部材88は、下面パネル14に設けられ、筐体10の左右方向に沿って延びる線状の部材である。下縁支持部材88は、筐体10の前面側から視て、略M字状に湾曲して形成され、筐体10の上方向かってに突出する2つの頂部が基板84に当接することで基板84、及びインバータユニット80を支持する。これによって、インバータユニット80は、筐体10に固定される。
【0030】
図3は、収容機構30の斜視図である。
図4は、
図3の平面IVにおける縦断面図である。平面IVは、収容機構30の左右方向における略中央を通る仮想面である。
図5は、
図3の平面Vにおける横断面図である。平面Vは、バッテリ100に直交し、送風機140を通る仮想面である。平面Vは、本開示の「平面」に相当する。
図3、
図4、
図5に示すように、バッテリ100は、内部に電池セル等のエネルギ蓄積器が収められる略直方体状の蓄電装置である。バッテリ100の長手方向に位置する一対の端面101、103の各々は、平面視でいずれも矩形である。
図3に示すように、収容機構30は、バッテリ100を収容する。
バッテリ100は、長手方向における一方の端面101に、使用者が把持可能なバッテリハンドル102が設けられる。
【0031】
図4に示すように、他方の端面103には、バッテリ端子108が設けられる。バッテリ端子108は、端面103において、一辺に接近する位置に設けられ、当該辺に沿って延びる雌型の端子である。
バッテリ端子108は、本開示の「第1電気端子」に相当する。
【0032】
バッテリ100は、バッテリ100の長手方向に沿って延び、長手方向における両端が端面101、103に連続する4つのバッテリ側面107を備える。
図5に示すように、これらのバッテリ側面107のうち、1つのバッテリ側面107は、バッテリ100の長手方向から視て、バッテリ100の長手方向に交差する方向に沿って、曲線を描くように曲がる、曲面状に形成される。これに対して、他のバッテリ側面107は、略平坦面状に形成される。すなわち、バッテリ100は、バッテリ100の平面視における中心を通り、バッテリ100の長手方向に沿って延びる仮想線Iを回転軸とする回転非対称に形成される(
図8)。以下、曲面状に形成されるバッテリ側面107を曲面109とする。
曲面109は、バッテリ端子108が接近して配置される端面103の辺に連続する。
【0033】
図4に示すように、バッテリ100は、収容装置1の制御を行うプロセッサ130を備える。プロセッサ130は、バッテリ100の起動状態と、被起動状態とを切り替える。
起動状態は、バッテリ100の電力を当該バッテリ100の外部に出力可能、又はバッテリ100の外部の電力を当該バッテリ100に入力可能な状態である。
非起動状態は、バッテリ100の電力を当該バッテリ100の外部に出力不能、又は該バッテリ100の外部の電力を該バッテリ100に入力不能な状態である。
プロセッサ130は、本開示の「切替制御部」に相当する。
【0034】
図6は、バッテリケース32の分解斜視図である。
収容機構30は、バッテリ100を収容すると共に、バッテリ100のバッテリ端子108と電気的に接続する。収容機構30は、バッテリケース32を備える。バッテリケース32は、バッテリ100を収容して保持する、例えば樹脂製の容器である。バッテリケース32は、長手方向が筐体10の上下方向に沿って延びる略直方体状に形成される。
図6に示すように、本実施の形態では、バッテリケース32は、2つのケース構成体32a、32bが連結されることで形成される。
バッテリケース32は、本開示の「収容部」に相当する。
【0035】
バッテリケース32は、バッテリケース32の内部における底面を形成する奥部40と、当該奥部40の各辺から起立する側壁48とを備える。奥部40は、筐体10の下方側に位置し、バッテリケース32の下端部に相当する。奥部40は、平面視で略四角形状に形成される。
【0036】
奥部40には、バッテリケース32の上下方向に沿って、バッテリケース32の外方に突出する複数の奥部ボス45が設けられる。奥部ボス45の各々は、バッテリケース32の平面視で、バッテリケース32の前後方向における略中央に設けられる。奥部ボス45の各々は、バッテリケース32の左右方向に沿って所定の間隔を空けて設けられる。奥部ボス45の各々の頂部には、ねじ孔が設けられる。
奥部40は、本開示の「底部」に相当する。
【0037】
側壁48の各々は、バッテリケース32の側面の各々を形成する。側壁48の各々は、平面視で略長方形状に形成され、長手方向が筐体10の上下方向に沿って延びる。
本実施の形態では、側壁48の長手方向における長さ寸法は、バッテリ側面107の長手方向における長さ寸法と略同一となるように形成される。
側壁48の各々は、本開示の「筒部」に相当する。
【0038】
図5に示すように、側壁48のうち、1つの側壁48は、バッテリケース32の長手方向から視て、バッテリケース32の長手方向に交差する方向に沿って、曲線を描くように曲がる、曲面状に形成される。これに対して、他の側壁48は、バッテリケース32の長手方向から視て、バッテリケース32の長手方向に交差する方向に沿って、直線を描くように、略平坦面状に形成される。バッテリケース32において、曲面状に形成される1つの側壁48は、筐体10の後方側に位置する。
以下、曲面状に形成される側壁48を側壁47とする。
【0039】
このように、側壁48の各々で形成されるバッテリケース32の内周面は、バッテリ側面107の各々で形成されるバッテリ100の外周面と平面視で略同一形状、あるいは相似形状となるように形成される。
【0040】
なお、本実施の形態では、バッテリ100がバッテリケース32に収められた場合、側壁47と、曲面109との隙間は、側壁48の各々と、バッテリ側面107の各々との隙間より大きい幅寸法を備える。
【0041】
側壁48のうち、側壁47に対向して配置される側壁48には、バッテリケース32の外方に突出する複数のバッテリボス42が設けられる。バッテリボス42の各々は、バッテリケース32の上下方向において、奥部40よりも上端側に接近した位置に設けられる。バッテリボス42の各々は、バッテリケース32の上下方向に沿って所定の間隔を空けて設けられる。バッテリボス42の各々の頂部には、ねじ孔が設けられる。
【0042】
側壁47に対向して配置される側壁48において、バッテリボス42の各々の下方には、連通孔43が設けられる。連通孔43は、側壁47に対向して配置される側壁48において、バッテリケース32の内外を連通させる貫通孔にメッシュ形状が設けられて形成される。
連通孔43の周囲には、バッテリケース32の外方に突出する複数の送風機ボス44が設けられる。送風機ボス44の各々の頂部には、ねじ孔が設けられる。
連通孔43は、本開示の「連通穴」に相当する。
【0043】
側壁48のうち、バッテリケース32の左右方向に位置する側壁48の各々には、バッテリケース32の外方に突出する金具ボス46が設けられる。金具ボス46の各々は、バッテリケース32の上下方向において、奥部40よりも上端側に接近した位置に設けられる。金具ボス46の各々の頂部には、ねじ孔が設けられる。
【0044】
図3、
図5に示すように、バッテリケース32は、上端面全体が開口する矩形の出し入れ口31を備える。出し入れ口31は、筐体10の平面視で、上面開口13に重なる位置に配置される。
出し入れ口31は、本開示の「開口」に相当する。
【0045】
バッテリ100は、出し入れ口31を介して、バッテリケース32に出し入れされる。バッテリ100の出し入れ方向は、バッテリ100、及びバッテリケース32の長手方向に沿う方向である。すなわち、バッテリ100の出し入れ方向は、筐体10の上下方向に沿う方向である。
【0046】
バッテリケース32において、出し入れ口31の周縁には、所定の幅寸法で外方に延出する枠状延出部34が設けられる。枠状延出部34は、平面視で、矩形の枠状に形成される。枠状延出部34の角部の各々には、ねじ孔33が設けられる。
枠状延出部34において、出し入れ口31を挟んで筐体10の左右方向に位置する箇所には、貫通孔である金具挿通孔37が設けられる。
【0047】
図5に示すように、バッテリケース32は、長手方向における出し入れ口31の反対側に平面視で矩形の奥部40を備える。すなわち、バッテリケース32は、角筒状に形成された側壁48の各々の一端が奥部40によって閉塞される形状を備える。
【0048】
奥部40には、バッテリケース32の内部と外部を連通させる貫通孔である端子孔41が設けられる。端子孔41は、奥部40において、筐体10の後方側に位置する一辺に沿って延びる長孔である。
端子孔41は、本開示の「挿通穴」に相当する。
【0049】
図3に示すように、バッテリケース32の左右に位置する側壁48の各々には、内部に空間が設けられた筒状の金具保持体49が設けられる。金具保持体49は、バッテリケース32の上下方向に沿って延びる。金具保持体49の上端は、金具挿通孔37の下方に位置し、金具保持体49の下端は、奥部40の側方まで延びる。
【0050】
金具保持体49の各々には、金具挿通孔37を介して取付金具60が収められる。取付金具60は、筐体10の上下方向に沿って延びる板状部材である。取付金具60の各々の下方側は、金具保持体49の内部に収められ、当該金具保持体49の外部から挿通された締結部材150によって金具ボス46に共締めされることで、バッテリケース32に固定される。
取付金具60の各々の上端は、出し入れ口31よりも上方に配置される。
【0051】
図7は、
図3の平面VIIにおける縦断面図である。平面VIIは、収容機構30の前後方向における略中央を通る仮想面である。
図7に示すように、取付金具60の各々は、保持ハンドル62を筐体10の前後方向に沿って回動自在に支持する。保持ハンドル62は、筐体10の左右方向に沿って延びる備える線状の部材である。保持ハンドル62は、筐体10の前方から視て略U字状に形成され、長手方向における両端が金具軸体64を介して、取付金具60の各々に回動自在に取り付けられる。保持ハンドル62の略中央において、線状に延びるロックプレート63は、出し入れ口31よりも上方に配置される。ロックプレート63は、使用者が把持可能に形成される。
保持ハンドル62の両端には、金具軸体64から筐体10の後方側に向かって延びるリンク連結端61が設けられる。
【0052】
リンク連結端61の各々の先端には、リンク軸体68を介して、リンクプレート70の長手方向における一方の端部が回動自在に連結される。リンクプレート70は、左右に位置する側壁48の各々の外方で、筐体10の上下方向に沿って延びる板状部材である。リンクプレート70の各々は、枠状延出部34の下方に配置され、バッテリケース32の左右方向に位置する側壁48に沿って延びる。
【0053】
リンクプレート70の各々が備える他方の端部には、端子保持プレート72の長手方向における両端のそれぞれがプレート軸体74を介して回動自在に連結される。
端子保持プレート72は、所定の長さ寸法を備える板状部材である。端子保持プレート72は、長手方向における一方の端部が左右方向に位置する一方の側壁48の下方に沿って配置される。端子保持プレート72は、一方の側壁48の下方から奥部40、及び端子孔41の下方側を通り、他方の端部が左右方向に位置する一方の側壁48の下方に沿って配置される。このため、端子保持プレート72は、筐体10の前面視で略U字状に折り曲げられて形成される。
【0054】
端子保持プレート72において、端子孔41に対向する位置には、ケース側接続端子54が設けられる。
ケース側接続端子54は、バッテリ端子108に接続可能に形成される雄型の端子である。ケース側接続端子54は、端子孔41に挿通可能である。ケース側接続端子54は、所定の配線を介してインバータ82に電気的に接続される。このため、ケース側接続端子54がバッテリ端子108に接続されると、バッテリ100に蓄電された電力がインバータ82に供給される。
ケース側接続端子54は、本開示の「第2端子」に相当する。
【0055】
図8、
図9は、収容機構30を収容装置1の右方向から視た概略図である。
図8、
図9では、説明の便宜上、バッテリ100と、ロック機構76とを一点鎖線で示し、バッテリ100の平面視における中心を通り、バッテリ100の長手方向に沿って延びる仮想線Iを二点鎖線で示す。
図8に示すように、保持ハンドル62のロックプレート63が出し入れ口31に対して筐体10の後方側に移動された場合、リンク連結端61の各々が筐体10の下方側に移動し、リンクプレート70の各々と、端子保持プレート72とが下方に移動する。これによって、ケース側接続端子54は、バッテリケース32の外部、且つ下方に移動する。
【0056】
図9に示すように、保持ハンドル62のロックプレート63が出し入れ口31に対して筐体10の上方側に移動された場合、リンク連結端61の各々が筐体10の上方側に移動し、リンクプレート70の各々と、端子保持プレート72とが上方に移動する。これによって、ケース側接続端子54は、端子孔41を通って、バッテリケース32の内部に移動する。
【0057】
図7、
図8に示すように、取付金具60の各々の上端には、ロック機構76が設けられる。ロック機構76の各々は、取付金具60の上端において、筐体10の左右方向に沿って回動可能に取り付けられる。
【0058】
ロック機構76は、保持ハンドル62の両端よりも出し入れ口31側に位置する。保持ハンドル62のロックプレート63が出し入れ口31に対して筐体10の上方側に移動された場合、ロック機構76の各々は、保持ハンドル62の両端の各々によって、出し入れ口31の内側に位置するように回動が規制される。
【0059】
図7に示すように、バッテリケース32の上下方向において、奥部40の下方には、ロアフレーム110が設けられる。
ロアフレーム110は、所定の長さ寸法を備える板状部材である。ロアフレーム110は、長手方向における一方の端部が左右方向に位置する一方の側壁48の下方に沿って配置される。ロアフレーム110は、一方の側壁48の下方から奥部40、及び端子孔41の下方側を通り、他方の端部が左右方向に位置する一方の側壁48の下方に沿って配置される。このため、ロアフレーム110は、筐体10の前面視で略U字状に折り曲げられて形成される。奥部40の下方において、ロアフレーム110は、端子保持プレート72よりも筐体10の前面側を通る。
【0060】
ロアフレーム110の直線箇所には、奥部40に向かって開口する複数のねじ孔111が設けられる。ねじ孔111の各々は、締結部材150によって、奥部ボス45に共締めされる。これによって、ロアフレーム110は、バッテリケース32に固定される。
【0061】
ロアフレーム110の直線箇所の両端には、外方に向かって開口するねじ孔113がいずれも設けられる。ロアフレーム110は、ボルト等の締結部材によって、ねじ孔113の各々が下面パネル14と共締めされることで、当該下面パネル14に固定可能である。
なお、ロアフレーム110において、ねじ孔113の各々は、省略されてもよい。
【0062】
ロアフレーム110の両端は、締結部材150によって、いずれも金具保持体49の各々の下端に連結される。
図7に示すように、バッテリケース32は、筐体10の前後方向から視て、保持ハンドル62と、取付金具60の各々と、金具保持体49の各々と、ロアフレーム110とによって、全周が囲まれる。保持ハンドル62と、取付金具60の各々と、金具保持体49の各々と、ロアフレーム110とは、互いに連結されると共に、バッテリケース32に固定される。
これによって、バッテリケース32は、保持ハンドル62と、取付金具60の各々と、金具保持体49の各々と、ロアフレーム110とによって、補強される。加えて、収容機構30は、より確実にバッテリケース32に収められるバッテリ100を保持することが可能である。
【0063】
図3、
図4に示すように、バッテリケース32の外側面(外周)において、筐体10の前後方向における前面側に配置される側壁48には、起動バッテリ94が設けられる。起動バッテリ94は、バッテリ100の制御を行うプロセッサ130や収容装置1の制御を行う制御装置、各種の電気部品等に電力を供給する蓄電装置である。収容装置1を起動させる操作子が操作されると、この起動バッテリ94がプロセッサ130に給電し、当該プロセッサ130が収容装置1の制御を開始することで収容装置1が駆動する。起動バッテリ94は、バッテリ100よりも低い電圧で電力を供給する。
起動バッテリ94は、締結部材150によって、バッテリボス42と共締めされることで、バッテリケース32に取り付けられる。
起動バッテリ94は、本開示の「他の電力蓄積器」に相当する。
【0064】
バッテリケース32の外側面(外周)において、筐体10の前後方向における前面側に配置される側壁48には、送風機140が設けられる。送風機140は、ハウジング142に収められた羽根車を回転駆動させることでバッテリケース32の内部に空気を送り出す、あるいはバッテリケース32の内部から空気を送り出す装置である。送風機140は、羽根車によって送り出される空気が出入り可能な2つの送風開口141、143を備える。本実施の形態では、送風機140は、シロッコファンを備えるが、これに限らず、軸流ファン等の他の羽根車であってもよい。
【0065】
送風機140は、締結部材150によって、送風機ボス44と共締めされることで、バッテリケース32に取り付けられる。この場合、送風機140は、送風開口141が連通孔43に重なるように取り付けられる。
上述の通り、送風機140は、バッテリケース32の上下方向において、下方側に配置される。これによって、収容装置1では、使用者がバッテリ100の着脱を行う場合であっても、当該送風機140が使用者に視認され難くなる。加えて、送風開口141は、バッテリケース32の内側から視て、連通孔43のメッシュ形状に覆われる。このため、使用者が送風機140に接触することが抑制される。
送風機140は、本開示の「起風部」に相当する。
【0066】
収容装置1において、起動バッテリ94と、送風機140とは、バッテリケース32と、表示ユニット22、及び端子ユニット24との間に配置される。
【0067】
ここで、筐体10と、バッテリケース32との固定構造について説明する。
上面パネル12と、バッテリケース32とは、ねじ孔15の各々と、ねじ孔33の各々とが筐体10の平面視で重なるように配置される。この状態で、ねじ孔15の各々と、ねじ孔33の各々とに締結部材150が螺合することで、上面パネル12と、バッテリケース32とが固定される。
【0068】
バッテリケース32には、締結部材150によって、筐体10の後方側に位置するねじ孔33の各々に上縁支持部材87の両端が共締めされることで取り付けられる。これによって、収容装置1では、部品点数の増加を抑制しつつ、上面パネル12と、バッテリケース32と、上縁支持部材87とが連結される。
【0069】
[1.2.動作]
以上のように構成された収容装置1について、その動作を説明する。
使用者が、収容装置1にバッテリ100を収容する場合、使用者は、蓋体20を開き、ロックプレート63が出し入れ口31に対して筐体10の後方側の所定位置に位置するように、保持ハンドル62を回動させる。これによって、ロック機構76の各々は、筐体10の左右方向に沿って回動され、平面視で出し入れ口31の外方に移動する。
【0070】
次いで、使用者は、バッテリハンドル102を把持し、仮想線Iに沿って、他方の端面103側から上面開口13、及び出し入れ口31に挿入する。このとき、使用者は、曲面109が筐体10の後方側に対向する姿勢でバッテリ100を挿入させる。
図8、
図9に示すように、バッテリ100が収容機構30に着脱される場合に、移動する方向である着脱方向は、バッテリ100の平面視における中心を通り、バッテリ100の長手方向に沿って延びる仮想線Iに沿った方向となる。換言すれば、当該着脱方向は、バッテリ100の長手方向、及びバッテリケース32の長手方向に沿う方向である。
【0071】
上述の通り、側壁47のみが円弧状に曲がるように形成される。このため、曲面109が筐体10の後方側に対向する姿勢で、使用者がバッテリ100を挿入させた場合のみ、バッテリ100は、バッテリケース32に挿通可能である。
これに対して、上述した姿勢と異なる姿勢で使用者がバッテリ100を挿入させた場合、バッテリ100は、バッテリケース32に収容することができない。
【0072】
これによって、収容装置1では、バッテリ端子108と、ケース側接続端子54とが接続不可能、すなわちバッテリ100が収容装置1に電気的に接続不可能な姿勢でバッテリ100が収容されることが抑制される。このため、収容装置1では、当該収容装置1と、バッテリ100との接続不良が生じることを抑制される。
【0073】
バッテリケース32に収められたバッテリ100は、端面101のみが出し入れ口31より上方に位置する。換言すれば、バッテリケース32に収められたバッテリ100は、端面101、及びバッテリハンドル102がバッテリケース32から露出する。
【0074】
バッテリ100がバッテリケース32に収められると、使用者は、
図9に示すように、ロックプレート63が出し入れ口31の上方の所定位置に位置するまで、保持ハンドル62を回動させる。この保持ハンドル62の回動に伴って、ロック機構76の各々は、筐体10の左右方向に沿って回動し、平面視で出し入れ口31の内側に移動し、バッテリ100の端面101に当接する。
さらに、保持ハンドル62の回動によって、ケース側接続端子54は、端子孔41を通って、バッテリケース32の内部に移動し、バッテリ端子108に接続される。これによって、収容装置1とバッテリ100とが電気的に接続される。
【0075】
この後、使用者は、蓋体20を回動させて上面開口13を閉塞する。このとき、
図9に示すように、膨出部21は、筐体10の後方側から保持ハンドル62に当接し、当該保持ハンドル62の回動を規制する。
これによって、収容装置1では、収容装置1とバッテリ100とが電気的に接続された後に、収容装置1がどのような姿勢で設置された場合であっても、保持ハンドル62が回動することが規制される。
【0076】
一方、ロックプレート63が出し入れ口31の上方の所定位置に位置していない、すなわち収容機構30によって、バッテリ100の収容が完了していない場合、上面開口13を閉塞するように蓋体20が回動されると、膨出部21の下面がロックプレート63に当接する。これによって、蓋体20によって上面開口13が閉塞されることが阻害される。このため、収容装置1では、バッテリ100の収容が完了していない場合に、使用開始されることが抑制される。
【0077】
上述のように、保持ハンドル62は、筐体10の左右方向に沿って延び、筐体10の前後方向に沿って回動するように設けられる。
【0078】
ロックプレート63が出し入れ口31に対して、筐体10の上方側に移動するまで保持ハンドル62が回動されると、ロック機構76の各々は、当該保持ハンドル62によって回動が規制されると共に、バッテリ100の端面101を押圧する。
【0079】
これによって、バッテリ100は、上端側における筐体10の上下方向、及び左右方向に沿った移動が規制される。このため、収容装置1では、バッテリ100の端面101側において、当該バッテリ100の振動や位置ずれが抑制される。
【0080】
収容装置1にバッテリ100が収容され、当該バッテリ100から収容装置1が駆動を開始すると、送風機92の各々と、送風機140とが駆動する。これによって、前面吸気口23を介して、筐体10の外部から内部に空気が取り込まれる。取り込まれた空気は、バッテリケース32の上方、下方、及び左右の側方を通過する。
【0081】
この後、一部の空気は、出し入れ口31からバッテリ100と、バッテリケース32との隙間を流れる。そして、バッテリ100と、バッテリケース32との隙間を流れた空気は、連通孔43を介して、送風機140に取り込まれることで、バッテリケース32の外部に排気される。排気された空気は、後面排気口25から筐体10の外部に排気される。
【0082】
上述の通り、側壁47と、曲面109との隙間は、側壁48の各々と、バッテリ側面107の各々との隙間より大きい幅寸法を備える。
すなわち、バッテリケース32における空気の流路では、バッテリ100と、バッテリケース32との隙間が大きく、圧力損失が小さい箇所が送風機140からより離間した位置に配置される。一方、バッテリケース32における空気の流路では、バッテリケース32における空気の流路では、バッテリ100と、バッテリケース32との隙間が小さく、圧力損失が大きい箇所が送風機140からより近接した位置に配置される。
【0083】
上述の通り、送風機140は、側壁47に対向する側壁48の下方に位置する。すなわち、バッテリケース32における空気の流路では、バッテリ100と、バッテリケース32との上端から下方に亘って空気が流れる。
これによって、収容装置1では、より高い効率でバッテリ100の冷却を行うことができる。
【0084】
上述した実施形態は、本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0085】
上述した実施形態では、ケース側接続端子54は、保持ハンドル62の操作によるリンク機構によって上下動するとしたが、これに限らず、モータ等のアクチュエータによって、上下動してもよい。また、ケース側接続端子54は、駆動せず、奥部40から常に突出した状態で設けられてもよい。
【0086】
上述した実施形態では、バッテリ端子108は、雌型の端子であるとしたが、これに限らず、雄型の端子であってもよい。この場合、バッテリ端子108が端子孔41を通過する。
【0087】
上述した実施形態では、送風機140は、バッテリケース32の内部から外部に向かって送風するものであったが、これに限らず、バッテリケース32の外部から内部に向かって送風するものであってもよい。
【0088】
上述した実施形態では、電力機器として、電力を蓄電する所謂電力蓄積器であるバッテリ100であったが、これに限らず、例えば燃料電池に用いる水素を貯蔵する水素容器、所謂可搬水素タンク等の発電に用いられる燃料であってもよい。すなわち、収容装置1は、電力機器に限らず、エネルギ源蓄積器を着脱可能に収容するものであってもよい。この場合、収容装置1は、水素から発電する機構を備える。
【0089】
上述した実施形態では、収容装置1は、収容機構30と当該収容機構30に収容されるバッテリ100との隙間を封止して液密にする封止構造を備えてもよい。この場合、収容装置1は、蓋体20が省略されてもよい。
【0090】
上述した実施形態における水平、及び垂直等の方向や各種の形状は、特段の断りがない限り、それら方向や形状と同じ作用効果を奏する、いわゆる均等の範囲を含む。
【0091】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0092】
(構成1)第1電気端子が設けられる電力機器を出し入れ可能に収容する収容部を備え、前記収容部は、前記電力機器を出し入れする開口と、該開口と対向する位置に配置される底部と、前記収容部に収容される前記電力機器の外周を囲む筒部と、を有し、前記底部には、前記収容部の内側と外側とを連通し、前記第1電気端子又は前記第1電気端子に接続される第2電気端子が挿通される挿通穴が設けられ、前記筒部には、前記収容部の内側と外側とを連通する連通穴が設けられ、前記筒部の外周には、前記連通穴と対応する位置に固定され、空気の流動を促進する起風部が設けられることを特徴とする収容装置。
この構成によれば、電力機器を冷却することができる。このため、収容装置では、電力機器を出し入れ可能にしつつ冷却することができる。
【0093】
(構成2)前記電力機器は、電力を蓄積する電力蓄積器であり、前記電力蓄積器は、該電力蓄積器の電力を該電力蓄積器の外部に出力可能な、又は該電力蓄積器の外部の電力を該電力蓄積器に入力可能な起動状態と、前記電力蓄積器の電力を該電力蓄積器の外部に出力不能な、又は該電力蓄積器の外部の電力を該電力蓄積器に入力不能な非起動状態と、に切り替える切替制御部を有し、前記収容装置は、前記収容部に収容された前記電力蓄積器の前記切替制御部と電気伝達可能に設けられる他の電力蓄積器を備えることを特徴とする構成1に記載の収容装置。
この構成によれば、電力機器を起動させる他の電力蓄積器を設けることができる。このため、収容装置では、電力機器をより効率よく起動させることができる。
【0094】
(構成3)前記他の電力蓄積器は、前記外周に固定されることを特徴とする構成2に記載の収容装置。
この構成によれば、電力機器を起動させる他の電力蓄積器を電力機器に接近した位置に設けることができる。このため、収容装置では、筐体内部の省スペース化を図れると共に、配線を効率よく引き回すことができる。
【0095】
(構成4)前記筒部は、前記電力機器の出し入れ方向と直交する平面における断面が4つの辺を有する略四角形状に設けられ、前記起風部及び前記他の電力蓄積器は、前記筒部の4つの前記辺のうちの一つの辺に対応する一つの側面に、配置されることを特徴とする構成3に記載の収容装置。
この構成によれば、他の電力蓄積器と、送風部とを電力機器に接近した位置に集約して設けることができる。このため、収容装置では、筐体内部の省スペース化を図れると共に、配線を効率よく引き回すことができる。
【0096】
(構成5)前記起風部は、前記他の電力蓄積器よりも前記底部側の位置に配置されることを特徴とする構成4に記載の収容装置。
この構成によれば、電力機器を出し入れする開口から離間した位置に送風部を設けることができる。このため、収容装置では、使用者が送風部に接触することを抑制できる。
【0097】
(構成6)前記電力機器は、前記収容部に対する出し入れ方向と直交する平面における断面が4つの辺を有する略四角形状に設けられ、4つの前記辺のうちの少なくとも一つが直線状、かつ、少なくとも一つが曲線状に形成され、前記筒部は、前記電力機器の形状と相似形状に設けられ、前記起風部は、前記筒部の側面のうち、直線状に形成された前記辺に対応する位置の外周、又は曲線状に形成された前記辺に対応する位置を避けた位置の外周に設けられることを特徴とする構成1から構成5のいずれかに記載の収容装置。
この構成によれば、電力機器と収容部の空間が大きく圧力損失が小さい箇所から離間し、且つ電力機器と収容部の空間が小さく圧力損失が大きい箇所に起風部を設けることができる。このため、収容装置では、より効率よく電力危機を冷却できる。
【符号の説明】
【0098】
1 収容装置
10 筐体
24 端子ユニット
30 収容機構
32 バッテリケース(収容部)
40 奥部(底部)
41 端子孔(挿通穴)
43 連通孔(連通穴)
47、48 側壁
54 ケース側接続端子
92、140 送風機(起風部)
94 起動バッテリ(他の電力蓄積器)
100 バッテリ(電力機器)
107 バッテリ側面
108 バッテリ端子(第1電気端子)
109 曲面
130 プロセッサ(切り替え制御部)