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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024409
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】安全ドア装置および成形機
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/26 20060101AFI20240215BHJP
   B29C 45/84 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
B22D17/26 K
B29C45/84
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127215
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】芝浦機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公一
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM05
4F206JA07
4F206JL01
4F206JL03
4F206JL07
4F206JL08
4F206JP30
4F206JQ02
4F206JQ06
4F206JQ07
4F206JQ90
(57)【要約】
【課題】スライドドアの脱輪および転倒を抑制することが可能であるとともに、スライドドア、上部レール、および、下部レールの製造時の寸法精度および組み立て精度の許容範囲を大きくすることが可能な安全ドア装置を提供する。
【解決手段】この安全ドア装置100は、ダイカストマシン200に設けられる安全ドア装置であって、水平面内の第1方向に沿って延びる上部レール1および下部レール2と、スライドドア3と、スライドドア3の上部3aの、上部レール1の下端面1aと対向する位置に設けられ、スライドドア3の上方向の移動を規制する上方向移動規制部材4と、スライドドア3の下部3bに設けられ、下部レール2上を転動する複数の下部転動体5と、スライドドア3の上部3aに設けられ、第1方向と直交する第2方向から上部レール1に当接することにより、第2方向におけるスライドドア3の移動を規制する第2方向移動規制部材6と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機に設けられる安全ドア装置であって、
水平面内の第1方向に沿って延びる上部レールと、
前記上部レールの下方に設けられ、前記第1方向に沿って延びる下部レールと、
前記上部レールと前記下部レールとの間でスライド移動するスライドドアと、
前記スライドドアの上部の、前記上部レールの下端面と対向する位置に設けられ、前記スライドドアの上方向の移動を規制する上方向移動規制部材と、
前記スライドドアの下部に設けられ、前記下部レールの上面上を転動する複数の下部転動体と、
前記スライドドアの上部に設けられ、水平面内において、前記第1方向と直交する第2方向から前記上部レールに当接することにより、前記第2方向における前記スライドドアの移動を規制する第2方向移動規制部材と、を備える、安全ドア装置。
【請求項2】
前記第2方向移動規制部材は、前記第2方向の一方側に設けられた第1移動規制部材と、前記第2方向の他方側に設けられた第2移動規制部材とを含み、
前記第1移動規制部材と前記第2移動規制部材とは、前記第1移動規制部材と前記第2移動規制部材との間の間隔が、前記上部レールの水平方向の厚みよりも大きくなる位置に配置されている、請求項1に記載の安全ドア装置。
【請求項3】
前記第1移動規制部材および前記第2移動規制部材の各々は、前記上部レールの側面上を転動する転動体である、請求項2に記載の安全ドア装置。
【請求項4】
前記上方向移動規制部材は、前記上部レールの下端面と離間した位置に設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の安全ドア装置。
【請求項5】
前記上方向移動規制部材は、前記第2方向に延びる軸線回りに転動可能な転動体である、請求項4に記載の安全ドア装置。
【請求項6】
前記上方向移動規制部材、および、前記第2方向移動規制部材の各々は、前記第1方向において、前記スライドドアの複数か所に設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の安全ドア装置。
【請求項7】
前記第1方向は、前記スライドドアを開く方向である開方向と、前記スライドドアを閉じる方向である閉方向とを含み、
前記閉方向側の前記上部レールの端部は、前記閉方向側の前記下部レールの端部よりも、前記開方向側に設けられており、
前記スライドドアの上部に設けられ、前記開方向側の前記スライドドアの端面から前記開方向に向けて突出する突出部をさらに備え、
複数の前記第2方向移動規制部材の少なくとも1つは、前記突出部に設けられている、請求項6に記載の安全ドア装置。
【請求項8】
キャビティが形成された金型を保持する金型保持部と、
前記キャビティ内に成形材料を供給する材料供給部と、
前記金型保持部を覆う安全ドア装置とを備え、
前記安全ドア装置は、
水平面内の第1方向に沿って延びる上部レールと、
前記上部レールの下方に設けられ、前記第1方向に沿って延びる下部レールと、
前記上部レールと前記下部レールとの間でスライド移動するスライドドアと、
前記スライドドアの上部の、前記上部レールの下端面と対向する位置に設けられ、前記スライドドアの上方向の移動を規制する上方向移動規制部材と、
前記スライドドアの下部に設けられ、前記下部レールの上面上を転動する複数の下部転動体と、
前記スライドドアの上部に設けられ、前記第1方向と直交する第2方向から前記上部レールに当接することにより、前記第2方向における前記スライドドアの移動を規制する第2方向移動規制部材と、を含む、成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、安全ドア装置および成形機に関し、特に、成形機に設けられた安全ドア装置および安全ドア装置を備える成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、成形機に設けられた安全ドア装置および安全ドア装置を備える成形機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、引き戸式の安全ドアが設けられた成形機が開示されている。上記特許文献1に開示されている安全ドアは、ドア本体と、上側のレールと、下側のレールと、ドア本体の上端および下端に設けられ、上下のレールに係合される車輪とを備える。また、車輪は、ドア本体の上端の2か所と、ドア本体の下端の2か所との、合計4か所に設けられている。すなわち、上記特許文献1に開示されている構成は、上側のレールが、ドア本体の上端に設けられた2つの車輪に当接し、下側のレールがドア本体の下端に設けられた2つの車輪に当接することによって、ドア本体の上下方向の移動を規制している。言い換えると、上記特許文献1の構成では、上側のレールおよび下側のレールは、ドア本体の上端および下端に設けられた車輪を、上側のレールおよび下側のレールで挟み込むことにより、ドア本体の上下方向の移動を規制しつつ、ドア本体を摺動可能に保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平04-197567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている安全ドア(安全ドア装置)のように、上側のレールおよび下側のレールによって車輪(転動体)を上下方向から挟み込むことによりドア本体(スライドドア)の上下方向の移動を規制する構成の場合、スライドドアをスライドドア移動させる際に、車輪の脱輪、および、スライドドアの転倒を防止するために、上下のレールと車輪とが常に当接した状態を維持しなければならない。すなわち、上記特許文献1に開示されている構成では、スライドドア、上部レール、および、下部レールの製造時の寸法精度および組み立て精度の許容範囲が小さいという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、スライドドアの脱輪および転倒を抑制することが可能であるとともに、スライドドア、上部レール、および、下部レールの製造の寸法精度および組み立て精度の許容範囲を大きくすることが可能な安全ドア装置および成形機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における安全ドア装置は、成形機に設けられる安全ドア装置であって、水平面内の第1方向に沿って延びる上部レールと、上部レールの下方に設けられ、第1方向に沿って延びる下部レールと、上部レールと下部レールとの間でスライド移動するスライドドアと、スライドドアの上部の、上部レールの下端面と対向する位置に設けられ、スライドドアの上方向の移動を規制する上方向移動規制部材と、スライドドアの下部に設けられ、下部レールの上面上を転動する複数の下部転動体と、スライドドアの上部に設けられ、水平面内において、第1方向と直交する第2方向から上部レールに当接することにより、第2方向におけるスライドドアの移動を規制する第2方向移動規制部材と、を備える。
【0008】
この発明の第1の局面による安全ドア装置では、上記のように、スライドドアの上方向の移動を規制する上方向移動規制部材と、水平面内の第1方向と直交する第2方向から上部レールに当接することにより、第2方向におけるスライドドアの移動を規制する第2方向移動規制部材とを備える。これにより、上部レールおよび下部レールによってスライドドアの上端および下端に設けられた転動体を介してスライドドアを挟み込む構成と異なり、上部レールとスライドドアとが転動体を介して接触していない状態であっても、上方向移動規制部材および第2方向移動規制部材によって、スライドドアの脱輪および転倒を抑制することができる。その結果、スライドドアの脱輪および転倒を抑制することが可能であるとともに、スライドドア、上部レール、および、下部レールの製造時の寸法精度および組み立て精度の許容範囲を大きくすることができる。また、スライドドアに生じた撓みによってスライドドアと上部レールとが離間する場合でも、上方向移動規制部材および第2方向移動規制部材によって、スライドドアの脱輪および転倒を抑制することができる。したがって、スライドドアの剛性を低くすることが可能となるので、スライドドアを形成する材料を変更することなく、スライドドアの重量を小さくすることができる。その結果、スライドドアの重量を小さくすることが可能になるので、操作者は、スライドドアのスライド移動を容易に行うことができる。
【0009】
また、上記第1の局面による安全ドア装置において、好ましくは、第2方向移動規制部材は、第2方向の一方側に設けられた第1移動規制部材と、第2方向の他方側に設けられた第2移動規制部材とを含み、第1移動規制部材と第2移動規制部材とは、第1移動規制部材と第2移動規制部材との間の間隔が、上部レールの水平方向の厚みよりも大きくなる位置に配置されている。このように構成すれば、第1移動規制部材と第2移動規制部材との間に上部レールを配置する際に、上部レール、第1移動規制部材、および、第2移動規制部材の製造時の寸法精度が低い場合でも、第1移動規制部材および第2移動規制部材の少なくとも一方を、上部レールと離間した位置に容易に配置することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、第1移動規制部材および第2移動規制部材の各々は、上部レールの側面上を転動する転動体である。このように構成すれば、スライドドアをスライド移動させる際に、第1移動規制部材および第2移動規制部材の少なくとも一方がスライドドアに当接したとしても、第1移動規制部材および第2移動規制部材の少なくとも一方が転動するので、スライドドアに対する摩擦抵抗が大きくなることを抑制することができる。その結果、第1移動規制部材および第2移動規制部材の少なくとも一方がスライドドアに当接した場合でも、スライドドアを容易にスライド移動させることができる。
【0011】
また、上記第1の局面による安全ドア装置において、好ましくは、上方向移動規制部材は、上部レールの下端面と離間した位置に設けられている。このように構成すれば、上方向移動規制部材が上部レールの下端面と離間した位置に配置されているので、上方向移動規制部材と上部レールの下端面とが常に当接する位置に上方向移動規制部材が設けられる構成と異なり、上部レールおよびスライドドアの製造時の寸法精度の許容範囲、および、組み立て精度の許容範囲を大きくすることができる。その結果、安全ドア装置の組み立て性を向上させることができる。
【0012】
この場合、好ましくは、上方向移動規制部材は、第2方向に延びる軸線回りに転動可能な転動体である。このように構成すれば、たとえば、上方向移動規制部材が上部レールの下端面と当接した場合でも、上方向移動規制部材が上部レールの下端面上を転動するので、上部レールの下端面に対する摩擦抵抗が大きくなることを抑制することができる。その結果、上方向移動規制部材と上部レールの下端面とが当接した場合でも、スライドドアを容易にスライド移動させることができる。
【0013】
また、上記第1の局面による安全ドア装置において、好ましくは、上方向移動規制部材、および、第2方向移動規制部材の各々は、第1方向において、スライドドアの複数か所に設けられている。このように構成すれば、上方向移動規制部材および第2方向移動規制部材が、第1方向において、複数か所に設けられているので、上方向移動規制部材および第2方向移動規制部材の各々が1つのみしか設けられていない構成と比較して、スライドドアをスライド移動する際に、スライドドアにぐらつきが生じることを抑制することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、第1方向は、スライドドアを開く方向である開方向と、スライドドアを閉じる方向である閉方向とを含み、閉方向側の上部レールの端部は、閉方向側の下部レールの端部よりも、開方向側に設けられており、スライドドアの上部に設けられ、開方向側のスライドドアの端面から開方向に向けて突出する突出部をさらに備え、複数の第2方向移動規制部材の少なくとも1つは、突出部に設けられている。ここで、たとえば、成形機に用いる金型を交換する場合には、成形機の設置場所などの制約により、金型を垂直方向ではなく第2方向(奥行方向)に移動させたい場合がある。その際、閉方向側の上部レールの端部が、閉方向側の下部レールの端部と対向する位置に配置されている場合、上部レールが干渉し、金型の交換が困難になる場合がある。そこで、閉方向側の上部レールの端部を閉方向側の下部レールの端部よりも開方向側に配置することにより、上記開放空間を形成することが可能になるので、成形機に用いる金型を交換する際などに、上記開放空間によって金型を容易に交換することができる。また、金型などを交換するための開放空間を設けるために、閉方向側の上部レールの端部を閉方向側の下部レールの端部よりも開方向側に配置した場合でも、開方向に向けて突出する突出部に第2方向移動規制部材が設けられるので、閉方向側の上部レールの端部の位置を開方向側にずらした分、第2方向移動規制部材の配置を閉方向側にずらすことができる。その結果、閉方向側の上部レールの端部を閉方向側の下部レールの端部よりも、開方向側に配置した場合でも、スライドドアをスライド移動させる際に、スライドドアにぐらつきが生じることを抑制することができる。
【0015】
また、この発明の第2の局面における成形機は、キャビティが形成された金型を保持する金型保持部と、キャビティ内に成形材料を供給する材料供給部と、金型保持部を覆う安全ドア装置とを備え、安全ドア装置は、水平面内の第1方向に沿って延びる上部レールと、上部レールの下方に設けられ、第1方向に沿って延びる下部レールと、上部レールと下部レールとの間でスライド移動するスライドドアと、スライドドアの上部の、上部レールの下端面と対向する位置に設けられ、スライドドアの上方向の移動を規制する上方向移動規制部材と、スライドドアの下部に設けられ、下部レールの上面上を転動する複数の下部転動体と、スライドドアの上部に設けられ、水平面内において、第1方向と直交する第2方向から上部レールに当接することにより、第2方向におけるスライドドアの移動を規制する第2方向移動規制部材と、を含む。
【0016】
この発明の第2の局面による成形機では、上記のように、スライドドアの上方向の移動を規制する上方向移動規制部材と、水平面内の第1方向と直交する第2方向から上部レールに当接することにより、第2方向におけるスライドドアの移動を規制する第2方向移動規制部材とを含む安全ドア装置を備える。これにより、上記第1の局面による安全ドア装置と同様に、スライドドアの脱輪および転倒を抑制することが可能であるとともに、スライドドア、上部レール、および、下部レールの製造時の寸法精度および組み立て精度の許容範囲を大きくすることが可能な成形機を提供することができる。また、スライドドアの剛性を低くすることが可能となるので、スライドドアの重量を小さくすることが可能な成形機を提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、上記のように、スライドドアの脱輪および転倒を抑制することが可能であるとともに、スライドドア、上部レール、および、下部レールの製造時の精度および組み立て精度の許容範囲を大きくすることが可能な安全ドア装置および成形機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態による安全ドア装置および安全ドア装置を備えるダイカストマシンの構成を模式的に示した図である。
図2】スライドドアが閉位置に位置している状態の模式図である。
図3】スライドドアが開位置に位置している状態の模式図である。
図4】一実施形態による上部レール、上方向移動規制部材、および、第2方向移動規制部材の配置を説明するための模式図である。
図5】一実施形態による上部レールと上方向移動規制部材との配置の詳細、および、上部レールと第2方向移動規制部材との配置の詳細を説明するための拡大図である。
図6】一実施形態による第1移動規制部材および第2移動規制部材の配置を説明するための模式図である。
図7】一実施形態による下部レールと下部転動体との配置を説明するための模式図である。
図8】一実施形態による下部レールと下部転動体との配置の詳細を説明するための拡大図である。
図9】第1変形例による上部レール、上方向移動規制部材、および、第2方向移動規制部材の配置を説明するための上面視における模式図である。
図10】第2変形例による上部レール、および、第2方向移動規制部材の配置を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1を参照して、本実施形態による安全ドア装置100を備えるダイカストマシン200の構成について説明する。なお、ダイカストマシン200は、特許請求の範囲の「成形機」の一例である。
【0021】
安全ドア装置100は、ダイカストマシン200に設けられる安全ドア装置である。
【0022】
以下の説明において、後述するスライドドア3の移動方向をX方向とする。X方向(第1方向)は、水平面内で、スライドドア3を移動させる方向である。第1方向は、スライドドア3を開く方向である開方向(X1方向)と、スライドドア3を閉じる方向である閉方向(X2方向)とを含む。また、上下方向をZ方向とし、上方向をZ1方向、下方向をZ2方向とする。また、X方向およびZ方向と直交する方向を、Y方向とし、一方側をY1方向とし、他方側をY2方向とする。すなわち、Y方向は、水平面内において、第1方向(X方向)と直交する方向である。なお、Y方向は、特許請求の範囲の「第2方向」の一例である。
【0023】
(ダイカストマシンの構成)
図1に示すダイカストマシン200は、固定金型201aおよび移動金型201bを備える金型201内(製品形状となるキャビティ(空洞部分))に液状の金属部材(溶湯)を射出し、溶湯を金型201内で凝固させることにより、ダイカスト品(図示せず)を成形するように構成されている。成形される金属材料は、たとえば、アルミニウム合金や、亜鉛合金、マグネシウム合金などである。
【0024】
ダイカストマシン200は、図1に示すように、型締装置202と、射出装置203と、制御ユニット204とを備えている。
【0025】
型締装置202は、キャビティが形成された金型201を保持するように構成されている。型締装置202は、固定ダイプレート202aと、移動ダイプレート202bと、タイバー202cと、型締駆動部(図示せず)とを含んでいる。固定ダイプレート202aは、固定金型201aを保持するように構成されている。移動ダイプレート202bは、移動金型201bを保持するように構成されている。型締装置202は、特許請求の範囲の「金型保持部」の一例である。
【0026】
タイバー202cは、X方向に延びる複数の柱状の部材である。また、タイバー202cは、一方がフレームに固定され、他方が固定ダイプレート202aに固定されている。また、タイバー202cは、固定ダイプレート202aおよび移動ダイプレート202bに架け渡されており、移動ダイプレート202bは、タイバー202cに対して摺動可能に嵌合されている。タイバー202cは、移動ダイプレート202bを保持しながらX方向への移動をガイドする機能を有している。
【0027】
型締駆動部は、トグル機構を有しており、モータにより駆動されることによって、移動ダイプレート202bおよび移動金型201bを、タイバー202cに沿ってX方向に往復移動させるように構成されている。これにより、型締装置202は、金型201(移動金型201bおよび固定金型201a)を型締め可能に構成されている。
【0028】
射出装置203は、キャビティ内に成形材料を供給するように構成されている。射出装置203は、固定金型201aの背面側(X1方向側)から金型201内に溶湯を射出するように構成されている。また、射出装置203は、スリーブ203aと、プランジャ駆動部203bと、プランジャ203cとを有している。プランジャ203cは、スリーブ203a内にX方向に進退可能に配置されている。スリーブ203aは、供給口203dを有しており、供給装置(図示せず)により、供給口203dから溶湯が供給される(注ぎ込まれる)ように構成されている。また、スリーブ203aの先端は、固定金型201aの経路部Sに接続されている。プランジャ駆動部203bは、油圧シリンダ(図示せず)を有しており、油圧により、プランジャ203cをX方向に往復移動させるように構成されている。これにより、プランジャ203c(プランジャチップ)は、金型201内に溶湯を圧入(射出)するように構成されている。射出装置203は、特許請求の範囲の「材料供給部」の一例である。
【0029】
制御ユニット204は、型締装置202および射出装置203を含むダイカストマシン200の各部の駆動を制御するように構成されている。制御ユニット204は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。
【0030】
本実施形態では、安全ドア装置100は、型締装置202を覆う安全ドア装置である。なお、図1に示す例では、安全ドア装置100は、ダイカストマシン200のY1方向側において、型締装置202を覆う位置に設けられている。なお、安全ドア装置100は、ダイカストマシン200のY2方向側において、型締装置202を覆う位置に設けられていてもよい。
【0031】
安全ドア装置100は、上部レール1と、下部レール2と、スライドドア3と、上方向移動規制部材4と、複数の下部転動体5と、第2方向移動規制部材6とを備える。また、安全ドア装置100は、突出部7を含む。また、安全ドア装置100は、上部レール1および下部レール2を支持する支持フレーム8を備える。
【0032】
上部レール1は、水平面内の第1方向(X方向)に沿って延びるように設けられている。上部レール1は、第1方向に沿って延びる柱状部材である。上部レール1は、第2方向(Y方向)の一方側(Y1方向側)の第1側面1b(図4参照)と他方側(Y2方向側)の第2側面1c(図4参照)とを含む。また、上部レール1は、下端面1a(図4参照)を含む。下端面1aは、上部レール1のうちの、Z2方向側の面である。上部レール1は、たとえば、鉄材料により形成される。上部レール1の配置の詳細については、後述する。
【0033】
下部レール2は、上部レール1の下方に設けられ、第1方向(X方向)に沿って延びるように設けられている。具体的には、下部レール2は、上部レール1の下方において、少なくとも1部が上部レール1と対向する位置に配置されている。下部レール2は、第1方向に沿って延びる柱状部材である。また、下部レール2は、上面2a(図7参照)を含む。上面2aは、下部レール2のうちの、Z1方向側の面である。下部レール2は、たとえば、鉄材料により形成される。下部レール2の配置の詳細については、後述する。
【0034】
スライドドア3は、第2方向(Y方向)から場合に、矩形形状を有する板状部材である。図1に示す例では、スライドドア3は、第1方向(X方向)の辺が長辺で、Z方向の辺が短辺の長方形形状を有している。スライドドア3は、上部レール1と下部レール2との間でスライド移動するように構成されている。図1に示す例では、スライドドア3は、上部レール1と下部レール2との間で、第1方向(X方向)にスライド移動可能に構成されている。また、スライドドア3は、第2方向の一方側(Y1方向側)の側面である第1側面3d(図2参照)と、他方側(Y2方向側)の側面である第2側面3f(図4参照)とを有する。スライドドア3は、たとえば、鉄材料により形成される。
【0035】
上方向移動規制部材4は、スライドドア3の上部3aに設けられている。上方向移動規制部材4は、スライドドア3の上方向(Z1方向)の移動を規制するように構成されている。なお、スライドドア3の上部3aとは、スライドドア3のうち、Z方向におけるスライドドア3の中央よりも上側(Z1方向側)の位置である。具体的には、スライドドア3の上部3aは、Z1方向におけるスライドドア3の端部近傍の位置である。また、Z1方向におけるスライドドア3の端部近傍の位置とは、Z1方向におけるスライドドア3の端部の位置と、その周辺の位置とを含む。また、上方向移動規制部材4の構造の詳細については、後述する。
【0036】
複数の下部転動体5は、スライドドア3の下部3bに設けられ、下部レール2の上面2a(図7参照)上を転動するように構成されている。下部転動体5は、たとえば、ローラを含む。なお、スライドドア3の下部3bとは、スライドドア3のうち、Z方向におけるスライドドア3の中央よりも下側(Z2方向側)の位置である。具体的には、スライドドア3の下部3bは、Z2方向におけるスライドドア3の端部近傍の位置である。また、Z2方向におけるスライドドア3の端部近傍の位置とは、Z2方向におけるスライドドア3の端部の位置と、その周辺の位置とを含む。
【0037】
第2方向移動規制部材6は、スライドドア3の上部3aに設けられる。また、第2方向移動規制部材6は、第1方向(X方向)と直交する第2方向(Y方向)から上部レール1に当接することにより、第2方向におけるスライドドア3の移動を規制する。第2方向移動規制部材6の詳細な構成については、後述する。
【0038】
支持フレーム8は、第2方向(Y方向)から見た場合に、矩形形状を有する枠状部材である。支持フレーム8は、第2方向において、スライドドア3と対向する位置に配置されている。支持フレーム8は、第1方向(X方向)の大きさが、スライドドア3よりも大きい。また、支持フレーム8は、上部レール1を支持している。また、支持フレーム8は、下部レール2を支持している。すなわち、支持フレーム8は、上部レール1および下部レール2を介して、スライドドア3を支持している。支持フレーム8が上部レール1および下部レール2を支持する構成の詳細については、後述する。
【0039】
(支持フレームによる上部レールおよび下部レールの保持、および、スライドドアの移動軌道)
次に、図2および図3を参照して、支持フレーム8が上部レール1および下部レール2を保持する構成、および、スライドドア3の移動軌道について説明する。なお、スライドドア3の移動軌道とは、スライドドア3が移動可能な経路である。本実施形態では、スライドドア3の移動軌道は、図2および図3に示すように、第1方向(X方向)において互いに異なる位置である閉位置から開位置にわたる経路である。
【0040】
図2に示すように、支持フレーム8は、上部レール支持部材10(図4参照)によって上部レール1を支持する上部梁部8aと、下部レール支持部材13(図7参照)によって下部レール2を支持する下部梁部8bと、上部梁部8aと下部梁部8bとを支持する上部柱部8cと、下部梁部8bを支持する下部柱部8dとを備える。図2に示す例では、支持フレーム8は、複数の上部柱部8cを備える。また、支持フレーム8は、複数の下部柱部8dを備える。
【0041】
図2に示すように、上部梁部8aは、複数の上部柱部8cに支持される。また、複数の上部柱部8cは、下部梁部8bに支持される。支持フレーム8は、上部梁部8aと、複数の上部柱部8cと、下部梁部8bとによって、矩形形状に形成される。また、下部梁部8bは、複数の下部柱部8dに支持される。
【0042】
また、図2に示すように、型締装置202(図1参照)の金型201(移動金型201b)が移動する領域Rと、スライドドア3とが、第2方向において対向する位置が、閉位置である。本実施形態では、スライドドア3は、閉位置の状態から、X2方向に移動可能に上部レール1および下部レール2に保持されている。また、図2に示すように、スライドドア3には、把持部3cが設けられている。具体的には、把持部3cは、スライドドア3の第1側面3dに設けられている。操作者は、把持部3cを把持することにより、スライドドア3を移動させる。
【0043】
上方向移動規制部材4、および、第2方向移動規制部材6の各々は、第1方向(X方向)において、スライドドア3の複数か所に設けられている。本実施形態では、上方向移動規制部材4は、スライドドア3の上部3aのうちの、第1方向の2か所に設けられている。また、第2方向移動規制部材6は、スライドドア3の上部3aのうちの、第1方向の2か所に設けられている。
【0044】
図3に示す例は、閉位置から開位置にスライドドア3を移動させた状態を示している。なお、開位置とは、領域Rと、スライドドア3とが、第2方向において対向しない位置である。また、スライドドア3を開位置に移動させることにより、開放空間60が形成される。開放空間60とは、第2方向(Y方向)において、領域R(図1参照)と対向する位置にスライドドア3および上部レール1が配置されない空間である。
【0045】
図3に示すように、閉方向側(X1方向側)の上部レール1の端部1dと、閉開方向側の下部レール2の端部2bとは、第1方向(X方向)において、互いに異なる位置に配置されている。具体的には、閉方向側の上部レール1の端部1dは、閉方向側の下部レール2の端部2bよりも、開方向側(X2方向側)に設けられている。
【0046】
また、突出部7は、スライドドア3の上部3aに設けられ、開方向側(X2方向側)のスライドドア3の端面3eから開方向(X2方向)に向けて突出するように、スライドドア3に設けられている。
【0047】
本実施形態では、複数の上方向移動規制部材4の少なくとも1つは、突出部7に設けられている。具体的には、2つの上方向移動規制部材4のうちの1つが突出部7に設けられている。
【0048】
また、本実施形態では、複数の第2方向移動規制部材6の少なくとも1つは、突出部7に設けられている。具体的には、2つの第2方向移動規制部材6のうちの1つが、突出部7に設けられている。
【0049】
(上部レール、スライドドア、上方向移動規制部材、および、第2方向移動規制部材の配置)
次に、図4および図5を参照して、上部レール1、スライドドア3、上方向移動規制部材4および第2方向移動規制部材6の構成について説明する。
【0050】
図4に示すように、上部レール1は、第2方向(Y方向)において、上部梁部8aとスライドドア3との間の位置に配置される。本実施形態では、上部梁部8aは、上部レール1に対してY2方向側に配置される。また、スライドドア3は、上部レール1に対してY1方向側に配置される。
【0051】
また、上方向移動規制部材4は、第2方向において、上部梁部8aとスライドドア3との間の位置で、かつ、上部レール1と対向する位置に配置される。具体的には、上方向移動規制部材4は、第2方向において、上部梁部8aとスライドドア3との間の位置で、かつ、上部レール1の下端面1aと対向する位置に配置される。
【0052】
図4に示すように、上方向移動規制部材4は、第1支持部材11aによって、回転可能に支持されている。具体的には、上方向移動規制部材4は、第1支持部材11aによって、第2方向に延びる軸線50の周りの回転方向に回転可能に支持されている。すなわち、上方向移動規制部材4は、軸線50回りに転動可能な転動体である。第1支持部材11aは、たとえば、鉄材料により形成される。なお、本実施形態では、上方向移動規制部材4は、上部レール1の下端面1aと対向する位置に設けられている。また、転動体は、たとえば、ローラである。
【0053】
また、第1支持部材11aは、第2支持部材11bに固定されている。具体的には、第1支持部材11aは、第1固定部材11cによって、第2支持部材11bに固定されている。第2支持部材11bは、たとえば、鉄材料により形成される。また、第1固定部材11cは、たとえば、ねじである。
【0054】
また、第2支持部材11bは、スライドドア3の第2側面3fに固定される。第2支持部材11bは、たとえば、ねじ(図示せず)などによってスライドドア3の第1側面3dに固定される。
【0055】
なお、スライドドア3の上部3aには、開口部3gが設けられている。これにより、操作者がスライドドア3を上部レール1に設置する際に、開口部3gを介して上部レール1、上方向移動規制部材4、および、第2方向移動規制部材6を視認することができる。その結果、スライドドア3を上部レール1に対して容易に設置することができる。また、図3に示すように、第1固定部材11cのY1方向側の端部11dを、スライドドア3の第1側面3dと第2側面3fとの間の位置に配置することが可能となるので、第1固定部材11cがスライドドア3の第1側面3dからY1方向に対して突出することを抑制することができる。
【0056】
また、図4に示すように、第2方向移動規制部材6は、複数の移動規制部材を含む。本実施形態では、第2方向移動規制部材6は、一対の移動規制部材を含む。具体的には、第2方向移動規制部材6は、第2方向の一方側(Y1方向側)に設けられた第1移動規制部材6aと、第2方向の他方側(Y2方向側)に設けられた第2移動規制部材6bとを含む。第1移動規制部材6aは、上部レール1に対して、第2方向の一方側に配置されている。また、第2移動規制部材6bは、上部レール1に対して、第2方向の他方側に配置されている。
【0057】
第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bは、ブラケット12aによって、スライドドア3に設けられている。
【0058】
第1移動規制部材6aは、第2固定部材12bによって、ブラケット12aに設けられている。具体的には、第1移動規制部材6aは、第2固定部材12bによって、軸線51の周りに回転可能にブラケット12aに設けられている。第2固定部材12bは、たとえば、第1移動規制部材6aの軸部などに設けられたねじ孔(図示せず)に係合するねじである。
【0059】
第2移動規制部材6bは、第3固定部材12cによって、ブラケット12aに設けられている。具体的には、第2移動規制部材6bは、第3固定部材12cによって、軸線52の周りに回転可能にブラケット12aに設けられている。第3固定部材12cは、たとえば、第2移動規制部材6bの軸部などに設けられたねじ孔(図示せず)に係合するねじである。
【0060】
すなわち、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの各々は、上部レール1の第1側面1b上および第2側面1c上を転動する転動体である。具体的には、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bは、ローラである。図4に示す例では、第1移動規制部材6aが上部レール1の第1側面1b上を転動する。また、第2移動規制部材6bが、上部レール1の第2側面1c上を転動する。
【0061】
ブラケット12aは、スペーサ部材12dを介して、スライドドア3の第2側面3fに設けられている。具体的には、ブラケット12aは、スペーサ部材12dとともに第4固定部材12eによって、スライドドア3に固定されている。すなわち、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bは、ブラケット12aおよびスペーサ部材12dを介して、スライドドア3の第2側面3f側に固定されている。
【0062】
図5に示すように、上方向移動規制部材4は、上部レール1の下端面1aと離間した位置に設けられている。具体的には、上方向移動規制部材4は、上部レール1の下端面1aと、距離W1だけ離間した位置に設けられている。
【0063】
また、図5に示すように、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bは、第2方向(Y方向)において、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの間に上部レール1が配置されるように、スライドドア3に固定されている。具体的には、第1移動規制部材6aと第2移動規制部材6bとは、第1移動規制部材6aと第2移動規制部材6bとの間の間隔W2が、上部レール1の水平方向の厚みDよりも大きくなる位置に配置されている。また、第1移動規制部材6aと第2移動規制部材6bとの間の間隔W2は、スライドドア3がY方向に傾いた際に、スライドドア3の上部3aが、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bのいずれかに当接するような大きさである。これにより、スライドドア3がY方向に傾いた際に、スライドドア3が転倒することを抑制することができる。
【0064】
したがって、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bによってスライドドア3が転倒することを抑制することが可能となるので、スライドドア3の厚み方向(Y方向)の寸法精度の誤差の許容範囲、および、上部レール1の第2方向(Y方向)の誤差の許容範囲を大きくすることができる。すなわち、第2方向移動規制部材6(第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6b)によって、第2方向(Y方向)の公差(許容誤差)を大きくすることができる。
【0065】
また、スライドドア3に撓みが生じた場合でも、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bによってスライドドア3の第2方向の移動が規制される。したがって、スライドドア3に撓みが生じることにより、スライドドア3の上部3aが第2方向に移動することを抑制することが可能となるので、剛性の低いスライドドア3を用いた場合でも、スライドドア3が転倒することを抑制することができる。そのため、スライドドア3の重量が増加することを抑制することができる。
【0066】
なお、図4および図5では、便宜的に、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの両方が、上部レール1と離間した状態の例を記載している。しかしながら、実際には、スライドドア3の傾く方向に応じて、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bのいずれかが、上部レール1と当接した状態となる。すなわち、スライドドア3がY1方向に傾いている場合、第1移動規制部材6aが上部レール1の第1側面1bと当接する。また、スライドドア3がY2方向に傾いている場合、第2移動規制部材6bが上部レール1の第2側面1cと当接する。
【0067】
また、上方向移動規制部材4および第2方向移動規制部材6は、突出部7(図2参照)においても、スライドドア3に対して設けられる構成と同様の構成によって設けられている。
【0068】
すなわち、上方向移動規制部材4は、第1支持部材11aおよび第2支持部材11bを介して突出部7に設けられている。また、第2方向移動規制部材6は、ブラケット12aおよびスペーサ部材12dを介して、突出部7に設けられている。
【0069】
また、図6に示すように、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bは、第2方向(Y方向)において、互いに対向するように配置されている。言い換えると、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bは、第1方向(X方向)における位置が、互いに等しくなるように配置されている。
【0070】
また、図6に示すように、ブラケット12aには、Z方向にブラケット12aを貫通し、Y方向に延びる長穴12fが設けられている。したがって、ブラケット12aは、第1移動規制部材6aの第2方向(Y方向)の位置を調整可能に構成されている。また、ブラケット12aには、Z方向にブラケット12aを貫通し、Y方向に延びる長穴12gが設けられている。したがって、ブラケット12aは、第2移動規制部材6bの第2方向の位置を調整可能に構成されている。すなわち、第2方向移動規制部材6は、第1移動規制部材6aと第2移動規制部材6bとの間の間隔W2を調整可能に構成されている。したがって、スライドドア3、上部レール1、および、下部レール2の製造精度の誤差および組み立て精度の誤差が大きい場合でも、第1移動規制部材6aと第2移動規制部材6bとの間の間隔W2を調整することにより、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの間に上部レール1を容易に配置することができる。
【0071】
(下部レール、スライドドア、および、複数の転動体)
次に、図7および図8を参照して、下部レール2、スライドドア3、および、スライドドア3の下部3bに設けられる複数の下部転動体5について説明する。なお、複数の下部転動体5の各々は、互いに同様の構成によってスライドドア3の下部3bに設けられているため、図7および図8では、1つの下部転動体5についてのみ説明する。
【0072】
図7に示すように、下部レール2は、第2方向(Y方向)において、下部梁部8bとスライドドア3との間の位置に配置される。本実施形態では、スライドドア3は、下部レール2に対して一方側(Y1方向側)に配置される。また、下部梁部8bは、下部レール2に対して他方側(Y2方向側)に配置される。
【0073】
また、下部転動体5は、第2方向において、下部梁部8bとスライドドア3との間の位置で、かつ、下部レール2と対向する位置に配置される。具体的には、下部転動体5は、第2方向において、下部梁部8bとスライドドア3との間の位置で、かつ、下部レール2の上面2aと対向する位置に配置される。
【0074】
図7に示すように、下部転動体5は、転動体支持部材14aによって、第2方向(Y方向)に延びる軸線53の周りに回転可能に支持されている。すなわち、下部転動体5は、軸線53の周りに回転可能に構成されている。転動体支持部材14aは、たとえば、鉄材料により形成される。
【0075】
また、転動体支持部材14aは、第3支持部材14bに設けられている。具体的には、転動体支持部材14aは、転動体支持部材14aが第4固定部材14cによって、第3支持部材14bに固定されることにより、第3支持部材14bに設けられている。第3支持部材14bは、たとえば、鉄材料により形成される。また、第4固定部材14cは、たとえば、ねじである。
【0076】
また、第3支持部材14bは、スライドドア3の第2側面3fに固定される。具体的には、第3支持部材14bは、第5固定部材14dによって、スライドドア3の第2側面3fに固定される。第5固定部材14dは、たとえば、ねじである。
【0077】
図7に示すように、下部転動体5は、転動体支持部材14a、および、第3支持部材14bによって、スライドドア3に設けられている。
【0078】
また、下部転動体5は、下部レール2の上面2aと当接している。すなわち、スライドドア3は、下部転動体5を介して下部レール2に載置されている。
【0079】
また、図8に示すように、下部転動体5は、フランジ5aと、下部レール2と当接する当接面5bとを有している。すなわち、下部転動体5は、下部レール2と係合した状態で、下部レール2の上面2a上を転動する。
【0080】
また、図8に示すように、フランジ5aは、当接面5bからZ方向に向けて突出している。Z方向におけるフランジ5aの突出量W3は、上部レール1(図5参照)の下端面1a(図5参照)と、上方向移動規制部材4(図5参照)との間の距離W1(図5参照)よりも大きい。これにより、スライドドア3(図7参照)が上方向(Z1方向)に移動した場合でも、スライドドア3が上部レール1および下部レール2から脱輪することを抑制することができる。
【0081】
すなわち、フランジ5aの突出量W3の大きさに応じて、上部レール1の下端面1a(図5参照)と上方向移動規制部材4(図5参照)との間の距離W1を離間させることができる。したがって、フランジ5aの突出量W3の大きさに応じて、上部レール1および下部レール2のいずれかの製造精度(直線度)の誤差の許容範囲を大きくすることができる。また、フランジ5aの突出量W3の大きさに応じて、上部レール1および下部レール2の組み立て精度(平行度)の誤差の許容範囲を大きくすることができる。すなわち、上方向移動規制部材4によって、上下方向(Z方向)の公差(許容誤差)を大きくすることができる。
【0082】
(実施形態の効果)
本実施形態の効果について説明する。
【0083】
本実施形態では、上記のように、安全ドア装置100は、ダイカストマシン200に設けられる安全ドア装置であって、水平面内の第1方向(X方向)に沿って延びる上部レール1と、上部レール1の下方に設けられ、第1方向に沿って延びる下部レール2と、上部レール1と下部レール2との間でスライド移動するスライドドア3と、スライドドア3の上部3aの、上部レール1の下端面1aと対向する位置に設けられ、スライドドア3の上方向の移動を規制する上方向移動規制部材4と、スライドドア3の下部3bに設けられ、下部レール2の上面2a上を転動する複数の下部転動体5と、スライドドア3の上部3aに設けられ、水平面内において、第1方向と直交する第2方向(Y方向)から上部レール1に当接することにより、第2方向におけるスライドドア3の移動を規制する第2方向移動規制部材6と、を備える。
【0084】
これにより、上部レール1および下部レール2によってスライドドア3の上端およい下端に設けられた転動体を介してスライドドア3を挟み込む構成と異なり、上部レール1とスライドドア3とが転動体を介して接触していない状態であっても、上方向移動規制部材4および第2方向移動規制部材6によって、スライドドア3の脱輪および転倒を抑制することができる。その結果、スライドドア3の脱輪および転倒を抑制することが可能であるとともに、スライドドア3、上部レール1、および、下部レール2の製造時の寸法精度および組み立て精度の許容範囲を大きくすることができる。また、スライドドア3に生じた撓みによってスライドドア3と上部レール1とが離間する場合でも、上方向移動規制部材4および第2方向移動規制部材6によって、スライドドア3の脱輪および転倒を抑制することができる。したがって、スライドドア3の剛性を低くすることが可能となるので、スライドドア3を形成する材料を変更することなく、スライドドア3の重量を小さくすることができる。その結果、スライドドア3の重量を小さくすることが可能になるので、操作者は、スライドドア3のスライド移動を容易に行うことができる。
【0085】
また、本実施形態では、上記のように、第2方向移動規制部材6は、第2方向(Y方向)の一方側(Y2方向側)に設けられた第1移動規制部材6aと、第2方向の他方側(Y1方向側)に設けられた第2移動規制部材6bとを含み、第1移動規制部材6aと第2移動規制部材6bとは、第1移動規制部材6aと第2移動規制部材6bとの間の間隔W2が、上部レール1の水平方向の厚みDよりも大きくなる位置に配置されている。これにより、第1移動規制部材6aと第2移動規制部材6bとの間に上部レール1を配置する際に、上部レール1、第1移動規制部材6a、および、第2移動規制部材6bの製造時の寸法精度が低い場合でも、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの少なくとも一方を、上部レール1と離間した位置に容易に配置することができる。
【0086】
また、本実施形態では、上記のように、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの各々は、上部レール1の第1側面1b上および第2側面1c上を転動する転動体である。これにより、スライドドア3をスライド移動させる際に、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの少なくとも一方がスライドドア3に当接したとしても、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの少なくとも一方が転動するので、スライドドア3に対する摩擦抵抗が大きくなることを抑制することができる。その結果、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの少なくとも一方がスライドドア3に当接した場合でも、スライドドア3を容易にスライド移動させることができる。
【0087】
また、本実施形態では、上記のように、上方向移動規制部材4は、上部レール1の下端面1aと離間した位置に設けられている。これにより、上方向移動規制部材4が上部レール1の下端面1aと離間した位置に配置されているので、上方向移動規制部材4と上部レール1の下端面1aとが常に当接する位置に上方向移動規制部材4が設けられる構成と異なり、上部レール1およびスライドドア3の製造時の寸法精度の許容範囲、および、組み立て精度の許容範囲を大きくすることができる。その結果、安全ドア装置100の組み立て性を向上させることができる。
【0088】
また、本実施形態では、上記のように、上方向移動規制部材4は、第2方向(Y方向)に延びる軸線50回りに転動可能な転動体である。これにより、たとえば、上方向移動規制部材4が上部レール1の下端面1aと当接した場合でも、上方向移動規制部材4が上部レール1の下端面1a上を転動するので、上部レール1の下端面1aに対する摩擦抵抗が大きくなることを抑制することができる。その結果、上方向移動規制部材4と上部レール1の下端面1aとが当接した場合でも、スライドドア3を容易にスライド移動させることができる。
【0089】
また、本実施形態では、上記のように、上方向移動規制部材4、および、第2方向移動規制部材6の各々は、第1方向(X方向)において、スライドドア3の複数か所に設けられている。これにより、上方向移動規制部材4および第2方向移動規制部材6が、第1方向において、複数か所に設けられているので、上方向移動規制部材4および第2方向移動規制部材6の各々が1つのみしか設けられていない構成と比較して、スライドドア3をスライド移動する際に、スライドドア3にぐらつきが生じることを抑制することができる。
【0090】
また、本実施形態では、上記のように、第1方向(X方向)は、スライドドア3を開く方向である開方向(X2方向)と、スライドドア3を閉じる方向である閉方向(X1方向)とを含み、閉方向側の上部レール1の端部1dは、閉方向側の下部レール2の端部2bよりも、開方向側に設けられており、スライドドア3の上部3aに設けられ、開方向側のスライドドア3の端面3eから開方向に向けて突出する突出部7をさらに備え、複数の第2方向移動規制部材6の少なくとも1つは、突出部7に設けられている。ここで、たとえば、ダイカストマシン200に用いる金型201を交換する場合には、ダイカストマシン200の設置場所などの制約により、金型201を垂直方向(Z方向)ではなく第2方向(Y方向)に移動させたい場合がある。その際、閉方向側(X1方向側)の上部レール1の端部1dが、閉方向側の下部レール2の端部2bと対向する位置に配置されている場合、上部レール1が干渉し、金型201の交換が困難になる場合がある。そこで、閉方向側の上部レール1の端部1dを閉方向側の下部レール2の端部2bよりも、開方向側に配置することにより開放空間60を形成すること可能となるので、ダイカストマシン200に用いる金型201を交換する際などに、開放空間60によって金型201を容易に交換することができる。また、金型201などを交換するための開放空間60を設けるために、閉方向側の上部レール1の端部1dを、閉方向側の下部レール2の端部2bよりも開方向側に配置した場合でも、開方向(X2方向)に向けて突出する突出部7に第2方向移動規制部材6が設けられるので、閉方向側の上部レール1の端部1dの位置を開方向側にずらした分、第2方向移動規制部材6の配置を閉方向側にずらすことができる。その結果、閉方向側の上部レール1の端部1dを閉方向側の下部レール2の端部2bよりも、開方向側に配置した場合でも、スライドドア3をスライド移動させる際に、スライドドア3にぐらつきが生じることを抑制することができる。
【0091】
また、本実施形態では、上記のように、ダイカストマシン200は、キャビティが形成された金型201を保持する型締装置202と、キャビティ内に成形材料を供給する射出装置203と、型締装置202を覆う安全ドア装置100とを備え、安全ドア装置100は、水平面内の第1方向(X方向)に沿って延びる上部レール1と、上部レール1の下方に設けられ、第1方向に沿って延びる下部レール2と、上部レール1と下部レール2との間でスライド移動するスライドドア3と、スライドドア3の上部3aの、上部レール1の下端面1aと対向する位置に設けられ、スライドドア3の上方向の移動を規制する上方向移動規制部材4と、スライドドア3の下部3bに設けられ、下部レール2の上面2a上を転動する複数の下部転動体5と、スライドドア3の上部3aに設けられ、水平面内において、第1方向と直交する第2方向(Y方向)から上部レール1に当接することにより、第2方向におけるスライドドア3の移動を規制する第2方向移動規制部材6と、を含む。これにより、上記安全ドア装置100と同様に、スライドドア3の脱輪および転倒を抑制することが可能であるとともに、スライドドア3、上部レール1、および、下部レール2の製造時の寸法精度および組み立て精度の許容範囲を大きくするが可能なダイカストマシン200を提供することができる。また、上記安全ドア装置100と同様に、スライドドア3の重量を小さくすることが可能になるので、操作者がスライドドア3のスライド移動を容易に行うことが可能なダイカストマシン200を提供することができる。
【0092】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0093】
たとえば、上記実施形態では、第2方向移動規制部材6が、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bを備える構成の例を示したが本発明はこれに限られない。たとえば、本発明では、図9に示す第1変形例の安全ドア装置300のように、第2方向移動規制部材6は、1つの移動規制部材(第1移動規制部材6a)のみを備えていてもよい。この場合、上方向移動規制部材4にフランジ4aを設ければよい。具体的には、フランジ4aのうちの、移動規制部材(第1移動規制部材6a)とは反対側(Y1方向側)のフランジ4aが、上部レール1の第2側面1cと対向するような突出量W4を有していればよい。このように構成しても、スライドドア3の転倒を抑制することができる。
【0094】
また、上記実施形態では、第2方向移動規制部材6が、一対の移動規制部材を含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明では、図10に示す第2変形例の安全ドア装置400のように、第2方向移動規制部材6は、上部レール1の一方側(Y2方向側)に設けられた少なくとも1つの移動規制部材6cと、上部レール1の他方側(Y1方向側)に設けられた少なくとも2つの移動規制部材6dおよび移動規制部材6eを備えていてもよい。このように構成しても、スライドドア3の転倒を抑制することができる。
【0095】
また、上記実施形態では、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bが、第2方向(Y方向)において上部レール1を間に配置するとともに、第1方向(X方向)の位置が互いに等しい位置に設けられる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明では、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bは、第2方向において上部レール1を間に挟んでいれば、第1方向の位置は互いに異なっていてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、第2方向移動規制部材6が、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの2つの移動規制部材を含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明では、第2方向移動規制部材6は、3つ以上の移動規制部材を含んでいてもよい。しかしながら、第2方向移動規制部材6が3つ以上の移動規制部材を含む場合、ブラケット12aが大型化するとともに、部品点数が増加する。したがって、第2方向移動規制部材6は、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの2つの移動規制部材を含む構成が好ましい。
【0097】
また、上記実施形態では、上方向移動規制部材4が、転動体である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明では、上方向移動規制部材4は、摺動性を有する部材であれば、転動体でなくてもよい。たとえば、上方向移動規制部材4は、摺動性を有し、上部レール1の下端面1aに向けて突出する突出部であってもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、第2方向移動規制部材6(第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6b)が、転動体である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明では、第2方向移動規制部材6(第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6b)は、摺動性を有していれば、転動体でなくてもよい。たとえば、第2方向移動規制部材6(第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6b)は、摺動性を有し、上部レール1の側面(第1側面1bおよび第2側面1c)に向けてする突出部であってもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの少なくとも一方が上部レール1と離間した位置に配置される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明では、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの両方が、上部レール1と常に当接する位置に配置されるように構成されてもよい。しかしながら、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの両方が上部レール1と常に当接する位置に配置される構成の場合、上部レール1、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの製造精度および組み立て精度に高い精度が要求される。したがって、第1移動規制部材6aおよび第2移動規制部材6bの少なくとも一方は、上部レール1と離間した位置に配置されることが好ましい。
【0100】
また、上記実施形態では、上方向移動規制部材4が、上部レール1の下端面1aと離間した位置に配置される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明では、上方向移動規制部材4は、上部レール1の下端面1aと常に当接する位置に配置されるように構成されていてもよい。しかしながら、上方向移動規制部材4が、上部レール1の下端面1aと常に当接する位置に配置される構成の場合、上部レール1および上方向移動規制部材4の製造精度および組み立て精度に高い精度が要求される。したがって、上方向移動規制部材4は、上部レール1の下端面1aと離間した位置に配置されることが好ましい。
【0101】
また、上記実施形態では、上方向移動規制部材4および第2方向移動規制部材6が、スライドドア3の上部3aにおいて、第1方向の2か所に設けられる構成の例を示したが、本発明これに限られない。たとえば、本発明では、上方向移動規制部材4および第2方向移動規制部材6は、スライドドア3の上部3aにおいて、第1方向の2か所以上の複数か所に設けられていてもよい。たとえば、上方向移動規制部材4および第2方向移動規制部材6は、スライドドア3の上部3aにおいて、第1方向の3か所に設けられていてもよいし、4か所に設けられていてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、閉方向側(X1方向側)の上部レール1の端部1dは、閉方向側の下部レール2の端部2bよりも、開方向側(X2方向側)に設けられ構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、閉方向側(X1方向側)の上部レール1の端部1dは、閉方向側の下部レール2の端部2bと、略等しい位置に配置されていてもよい。しかしながら、閉方向側(X1方向側)の上部レール1の端部1dが下部レール2の端部2bと略等しい位置に配置されている場合、開放空間60が形成されない。そのため、金型201などを交換する際に、上部レール1が干渉し、金型201などの交換が困難になる場合がある。したがって、閉方向側(X1方向側)の上部レール1の端部1dは、下部レール2の端部2bよりも、開方向側(X2方向側)に設けられることが好ましい。
【0103】
また、上記実施形態では、安全ドア装置100が、突出部7を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明では、安全ドア装置100は、突出部7を備えていなくてもよい。安全ドア装置100が突出部7を備えていない場合、上方向移動規制部材4および第2方向移動規制部材6は、スライドドア3の上部3aのうちの、第1方向(X方向)の複数か所に設ければよい。
【0104】
また、上記実施形態では、安全ドア装置100が、ダイカストマシン200に備えられる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、本発明では、安全ドア装置100は、樹脂によって成形品を製造する射出成形機に備えられてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 上部レール
1a 上部レールの下端面
1b 第1側面(上部レールの側面)
1c 第2側面(上部レールの側面)
1d 端部(開方向側の上部レールの端部)
2 下部レール
2a 上面(下部レールの上面)
2b 端部(開方向側の下部レールの端部)
3 スライドドア
3a 上部(スライドドアの上部)
3b 下部(スライドドアの下部)
4 上方向移動規制部材
5 下部転動体(複数の下部転動体)
6 第2方向移動規制部材
6a 第1移動規制部材
6b 第2移動規制部材
7 突出部
100、300、400 安全ドア装置
102 型締装置(金型保持部)
103 射出装置(材料供給部)
200 ダイカストマシン(成形機)
D 上部レールの水平方向の厚み
W2 第1移動規制部材と第2移動規制部材との間の間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10