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特開2024-24424情報処理装置、情報処理プログラム、及び、情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024424
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理プログラム、及び、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/33 20130101AFI20240215BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240215BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240215BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
G06F21/33
G06F3/12 322
G06F3/12 338
H04N1/00 838
H04N1/00 127A
B41J29/38 701
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127235
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 剛
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HN04
2C061HN08
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ05
5C062AA05
5C062AB38
5C062AB41
5C062AC38
5C062AE15
5C062AF02
5C062AF12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】登録サーバへ登録対象装置を登録するために、第1管理者からの許可に応じて登録処理が開始された後、所定時間以内に、第2管理者も登録を許可する必要がある場合において、第1管理者が登録を許可した後、第2管理者が任意のタイミングで登録を許可できる情報処理装置、情報処理プログラム及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システムの登録処理において、登録予約サーバは、第1管理者から受け付けたプリントサーバへの登録指示S10に応じた登録予約要求S12を受信すると、第1管理者からの登録予約の受け付けを示す通知S20を第2管理者端末へ送信する。第2管理者端末から登録依頼の送信S22を受け付けると、登録予約サーバは、画像処理装置をプリントサーバに登録する登録処理を開始させるための登録開始指示を画像処理装置へ送信するS24。登録開始指示を受信した画像処理装置は、登録処理S26を開始する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
登録サーバへの登録のために第1管理者及び前記第1管理者とは異なる第2管理者からの許可を要する登録対象装置についての前記登録サーバへの登録予約であって、前記登録サーバへの前記登録対象装置の登録を許可した前記第1管理者の指示に基づく登録予約を受け付け、
前記登録予約を受け付けたことを示す予約通知を前記第2管理者に対して行い、
前記予約通知を受けた前記第2管理者からの登録依頼に応じて、前記登録対象装置を前記登録サーバへ登録する登録処理であって処理開始から所定時間以内に前記第2管理者からの許可を要する登録処理を開始させるための登録開始指示を前記登録対象装置に送信する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記登録対象装置が前記登録処理の開始が可能な状態であるか否かを示す登録可否情報を前記登録対象装置から受信し、
前記登録対象装置が前記登録処理の開始が可能な状態ではない場合、前記登録開始指示を前記登録対象装置に送信しない、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記予約通知と共に、前記登録対象装置の設置位置を示す位置情報、又は、前記第1管理者の連絡先の少なくとも一方を前記第2管理者に通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータに、
登録サーバへの登録のために第1管理者及び前記第1管理者とは異なる第2管理者からの許可を要する登録対象装置についての前記登録サーバへの登録予約であって、前記登録サーバへの前記登録対象装置の登録を許可した前記第1管理者の指示に基づく登録予約を受け付けさせ、
前記登録予約を受け付けたことを示す予約通知を前記第2管理者に対して行い、
前記予約通知を受けた前記第2管理者からの登録依頼に応じて、前記登録対象装置を前記登録サーバへ登録する登録処理であって処理開始から所定時間以内に前記第2管理者からの許可を要する登録処理を開始させるための登録開始指示を前記登録対象装置に送信させる、
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項5】
第1プロセッサを備える情報処理装置と、第2プロセッサを備える登録対象装置と、を有し、
前記第1プロセッサは、
登録サーバへの登録のために第1管理者及び前記第1管理者とは異なる第2管理者からの許可を要する登録対象装置についての前記登録サーバへの登録予約であって、前記登録サーバへの前記登録対象装置の登録を許可した前記第1管理者の指示に基づく登録予約を受け付け、
前記登録予約を受け付けたことを示す予約通知を前記第2管理者に対して行い、
前記予約通知を受けた前記第2管理者からの登録依頼に応じて登録開始指示を前記登録対象装置に送信し、
前記第2プロセッサは、
前記登録開始指示に基づいて、前記登録対象装置を前記登録サーバへ登録する登録処理であって処理開始から所定時間以内に前記第2管理者からの許可を要する登録処理を開始する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
前記第2プロセッサは、前記登録処理として、
前記第2プロセッサが認証用サーバに登録開始要求を送信して、デバイスコード、ユーザコード、及び認証用アクセス先を示す認証用アクセス先情報を前記認証用サーバから受信し、
前記ユーザコード及び前記認証用アクセス先情報を前記第2管理者へ送信し、
前記登録処理の開始から前記所定時間以内に前記第2管理者が前記ユーザコードを提示して前記認証用アクセス先にアクセスし登録を許可した後に、前記デバイスコードを提示して前記認証用サーバへ問い合わせを行うことで、前記認証用サーバからアクセストークンを受信し、
前記アクセストークンを提示して前記登録サーバへ登録要求を送信する、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理プログラム、及び、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置を登録サーバへ予め登録しておき、ユーザが登録サーバを介して登録済みの装置を利用するシステムが提案されている。例えば、画像形成装置を登録サーバとしてのプリントサーバへ登録しておけば、ユーザは、プリントサーバへ印刷命令を送信することで、プリントサーバから当該画像形成装置に印刷命令が転送されて、当該印刷命令に係る印刷処理を当該画像形成装置に実行させることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、登録サーバとしてのクラウドサーバに印刷装置を登録するシステムであって、印刷装置の管理者権限を有するユーザが、管理者権限よりも制限された権限であるユーザ権限しか有さないユーザからの登録依頼に基づく印刷装置の登録を許可している場合には、ユーザ権限しか有さないユーザからの登録依頼に基づいて、クラウドサーバへの印刷装置の登録を許可するシステムが開示されている。また、特許文献2には、クラウドサーバにデバイスを登録する技術であって、当該クラウドサーバに登録済みのデバイスを介して、登録のための登録キーを取得し、取得した登録キーを使用して新たなデバイスをクラウドサーバに登録するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-25667号公報
【特許文献2】特開2021-184170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、登録サーバへ登録対象装置を登録するために、第1管理者、及び、第1管理者とは異なる第2管理者からの許可を要する場合が考えられる。この場合、第1管理者及び第2管理者の協働(つまり2人とも登録を許可すること)に依らなければ、登録対象装置を登録サーバへ登録することができない。さらに、登録対象装置を登録サーバへ登録するために、第1管理者からの許可に応じて登録処理が開始された後、所定時間以内に、第2管理者からの許可を得なければならないという登録条件が付されている場合がある。当該所定時間は、数分程度など、短い時間が設定されている場合も多い。したがって、従来、登録サーバへ登録対象装置を登録するために、第1管理者と第2管理者との緊密な連携を必要とする場合があった。
【0006】
本発明の目的は、登録サーバへ登録対象装置を登録するために、第1管理者からの許可に応じて登録処理が開始された後、所定時間以内に、第2管理者も登録を許可する必要がある場合において、第1管理者が登録を許可した後、第2管理者が任意のタイミングで登録の許可ができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、登録サーバへの登録のために第1管理者及び前記第1管理者とは異なる第2管理者からの許可を要する登録対象装置についての前記登録サーバへの登録予約であって、前記登録サーバへの前記登録対象装置の登録を許可した前記第1管理者の指示に基づく登録予約を受け付け、前記登録予約を受け付けたことを示す予約通知を前記第2管理者に対して行い、前記予約通知を受けた前記第2管理者からの登録依頼に応じて、前記登録対象装置を前記登録サーバへ登録する登録処理であって処理開始から所定時間以内に前記第2管理者からの許可を要する登録処理を開始させるための登録開始指示を前記登録対象装置に送信する、ことを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に係る発明は、前記プロセッサは、前記登録対象装置が前記登録処理の開始が可能な状態であるか否かを示す登録可否情報を前記登録対象装置から受信し、前記登録対象装置が前記登録処理の開始が可能な状態ではない場合、前記登録開始指示を前記登録対象装置に送信しない、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に係る発明は、前記プロセッサは、前記予約通知と共に、前記登録対象装置の設置位置を示す位置情報、又は、前記第1管理者の連絡先の少なくとも一方を前記第2管理者に通知する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項4に係る発明は、コンピュータに、登録サーバへの登録のために第1管理者及び前記第1管理者とは異なる第2管理者からの許可を要する登録対象装置についての前記登録サーバへの登録予約であって、前記登録サーバへの前記登録対象装置の登録を許可した前記第1管理者の指示に基づく登録予約を受け付けさせ、前記登録予約を受け付けたことを示す予約通知を前記第2管理者に対して行い、前記予約通知を受けた前記第2管理者からの登録依頼に応じて、前記登録対象装置を前記登録サーバへ登録する登録処理であって処理開始から所定時間以内に前記第2管理者からの許可を要する登録処理を開始させるための登録開始指示を前記登録対象装置に送信させる、ことを特徴とする情報処理プログラムである。
請求項5に係る発明は、第1プロセッサを備える情報処理装置と、第2プロセッサを備える登録対象装置と、を有し、前記第1プロセッサは、登録サーバへの登録のために第1管理者及び前記第1管理者とは異なる第2管理者からの許可を要する登録対象装置についての前記登録サーバへの登録予約であって、前記登録サーバへの前記登録対象装置の登録を許可した前記第1管理者の指示に基づく登録予約を受け付け、前記登録予約を受け付けたことを示す予約通知を前記第2管理者に対して行い、前記予約通知を受けた前記第2管理者からの登録依頼に応じて登録開始指示を前記登録対象装置に送信し、前記第2プロセッサは、前記登録開始指示に基づいて、前記登録対象装置を前記登録サーバへ登録する登録処理であって処理開始から所定時間以内に前記第2管理者からの許可を要する登録処理を開始する、ことを特徴とする情報処理システムである。
請求項6に係る発明は、前記第2プロセッサは、前記登録処理として、前記第2プロセッサが認証用サーバに登録開始要求を送信して、デバイスコード、ユーザコード、及び認証用アクセス先を示す認証用アクセス先情報を前記認証用サーバから受信し、前記ユーザコード及び前記認証用アクセス先情報を前記第2管理者へ送信し、前記登録処理の開始から前記所定時間以内に前記第2管理者が前記ユーザコードを提示して前記認証用アクセス先にアクセスし登録を許可した後に、前記デバイスコードを提示して前記認証用サーバへ問い合わせを行うことで、前記認証用サーバからアクセストークンを受信し、前記アクセストークンを提示して前記登録サーバへ登録要求を送信する、ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1、4、又は5に係る発明によれば、登録サーバへ登録対象装置を登録するために、第1管理者からの許可に応じて登録処理が開始された後、所定時間以内に、第2管理者も登録を許可する必要がある場合において、第1管理者が登録を許可した後、第2管理者が任意のタイミングで登録の許可をすることができる。
請求項2に係る発明によれば、登録対象装置が登録不可の状態である場合に、登録処理を実行しないようにすることができる。
請求項3に係る発明によれば、第2管理者は、登録対象装置の設置位置を容易に把握することができる。あるいは、請求項3に係る発明によれば、第2管理者は、登録対象装置を登録するか否かの判断に関して第1管理者に連絡を取ることができる。
請求項6に係る発明によれば、登録サーバへ登録対象装置をセキュアに登録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成概略図である。
図2】画像処理装置の構成概略図である。
図3】登録予約サーバの構成概略図である。
図4】登録予約テーブルの内容の例を示す図である。
図5】本実施形態に係る情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図6】登録処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成概略図である。情報処理システム10は、第1管理者が使用する第1管理者端末12、第1管理者とは異なる第2管理者が使用する第2管理者端末14、登録サーバとしての、クラウドプリントサービスを提供するプリントサーバ16、認証用サーバ18、登録対象装置としての画像処理装置20、及び、情報処理装置としての登録予約サーバ22を含んで構成されている。第2管理者端末14、プリントサーバ16、認証用サーバ18、画像処理装置20、及び登録予約サーバ22は、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)などの通信回線24を介して互いに通信可能に接続されている。また、第1管理者端末12と画像処理装置20は、近距離無線通信によって互いに通信可能に接続されている。なお、第1管理者端末12も、通信回線24を介して、第2管理者端末14、プリントサーバ16、認証用サーバ18、画像処理装置20、及び登録予約サーバ22と通信可能に接続されてもよい。
【0011】
情報処理システム10は、登録対象装置である画像処理装置20を、登録サーバであるプリントサーバ16に登録する登録処理を実行する。画像処理装置20をプリントサーバ16に登録することで、ユーザは、プリントサーバ16に印刷命令(印刷ジョブ)を送信することで、当該印刷ジョブに係る印刷処理を登録済みの画像処理装置20にて実行させることができるようになる。なお、本明細書におけるユーザとは、登録済みの画像処理装置20において印刷処理を実行させるべく、プリントサーバ16に印刷ジョブを送信する者を意味する。
【0012】
情報処理システム10においては、画像処理装置20をプリントサーバ16に登録するには、第1管理者及び第2管理者の許可を要する。詳しくは、情報処理システム10においては、第1管理者が、画像処理装置20をプリントサーバ16へ登録する登録処理を開始してから、所定時間以内に、第2管理者が、当該画像処理装置20のプリントサーバ16への登録を許可しなければならない。当該所定時間は、セキュリティなどの観点から、10数分程度あるいはそれ以下の短めの時間に設定される。
【0013】
なお、登録対象装置は、画像処理装置20でなくてもよい。登録対象装置は、登録サーバへの登録の際に、第1管理者及び第2管理者からの許可が必要であり、且つ、第1管理者が登録対象装置を登録サーバへ登録する登録処理を開始してから、所定時間以内に、第2管理者が当該登録対象装置の登録サーバへの登録を許可しなければならない、という登録条件が付されている限りにおいて、どのような装置であってもよい。
【0014】
本実施形態では、第1管理者は、画像処理装置20を個別的に管理する者である。例えば、第1管理者は、画像処理装置20が設置された事業所の従業員などである。また、本実施形態では、第2管理者は、プリントサーバ16が提供するクラウドプリントサービスの管理者である。本実施形態では、第1管理者は、自らが管理する画像処理装置20の設定内容を変更する権限を有しているが、画像処理装置20をプリントサーバ16に登録する権限は有していない。一方、第2管理者は、プリントサーバ16に画像処理装置20を登録する権限を有しているが、画像処理装置20の設定内容を変更する権限は有していない。
【0015】
ここで、情報処理システム10においては、画像処理装置20をプリントサーバ16に登録する際に、画像処理装置20の設定内容を変更する(例えば、プリントサーバ16における画像処理装置20の識別情報を画像処理装置20に設定するなど)必要がある。したがって、本実施形態では、画像処理装置20をプリントサーバ16に登録するために、第1管理者からの許可(画像処理装置20の設定内容の変更許可)、及び、第2管理者からの許可(画像処理装置20のプリントサーバ16への登録許可)を要する。さらに、セキュリティの観点などから、第1管理者が、登録対象装置を登録サーバへ登録する登録処理を開始してから、所定時間以内に、第2管理者が、当該登録対象装置の登録サーバへの登録を許可しなければならない、という登録条件が付されている。なお、第1管理者及び第2管理者は上記に限られるものではない。
【0016】
ちなみに、第1管理者及び第2管理者が連携する必要なく、画像処理装置20をプリントサーバ16に登録できるようにするために、第1管理者に対して第2管理者の権限を与える(上述の例では、第1管理者にプリントサーバ16への登録許可の権限を与える)ことが考えられる。しかしながら、このようにすると、第1管理者の管理対象外の画像処理装置20についても、第1管理者にプリントサーバ16への登録許可を与えることになり適切ではない。また、第2管理者に対して第1管理者の権限を与える(上述の例では、第2管理者に各画像処理装置20の設定内容を変更する権限を与える)ことが考えられる。しかしながら、クラウドプリントサービスの管理者である第2管理者が、個々の画像処理装置20の設置状況あるいは稼働状況をすべて把握することは困難であり、このようにすると、第2管理者によって画像処理装置20の設定内容が不適切なものに設定されてしまうおそれがあり、適切ではない。
【0017】
第1管理者端末12及び第2管理者端末14は、それぞれ、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどのコンピュータで構成される。第1管理者端末12及び第2管理者端末14は、それぞれ、通信回線24又は近距離無線通信を介して他の装置と通信するための通信インターフェース、使用者からの命令を受け付けるための入力インターフェース、種々の画面を表示するディスプレイ、データを記憶するためのメモリ、及び、各処理を実行するプロセッサなどを含んで構成される。
【0018】
プリントサーバ16及び認証用サーバ18は、それぞれ、例えばサーバコンピュータなどから構成される。プリントサーバ16及び認証用サーバ18は、それぞれ、通信回線24を介して他の装置と通信するための通信インターフェース、データを記憶するためのメモリ、及び、各処理を実行するプロセッサなどを含んで構成される。
【0019】
上述のように、プリントサーバ16は、クラウドプリントサービスをユーザに提供するサーバである。プリントサーバ16のプロセッサは、後述の登録処理によって画像処理装置20がクラウドプリントサービスに登録されると、当該画像処理装置20を一意に識別する装置IDをプリントサーバ16のメモリに記憶させる。そして、プリントサーバ16は、ユーザが印刷処理を行わせたい画像処理装置20の装置IDを含む印刷ジョブをユーザから受け付けると、当該装置IDが示す画像処理装置20に対して印刷ジョブを送信する。その後、ユーザは、当該画像処理装置20に対して印刷指示を入力することで、当該印刷ジョブの処理結果を得ることができる。クラウドプリントサービスを利用することで、ユーザは、使用するユーザ端末に画像処理装置20のドライバをインストールする必要なく、当該画像処理装置20に印刷処理を実行させることができる。あるいは、クラウドプリントサービスを利用することで、ユーザは、画像処理装置20が接続されているLANに、自らが使用するユーザ端末が接続できない場合であっても、インターネットなどを経由してプリントサーバ16に印刷ジョブを送信することで、当該画像処理装置20に印刷処理を実行させることができる。
【0020】
認証用サーバ18は、権限の認可処理を行うサーバである。後述するように、本実施形態では、第1管理者からの指示により、画像処理装置20が第2管理者の権限を利用してプリントサーバ16への登録処理を行う。この際に、認証用サーバ18が利用される。なお、プリントサーバ16と認証用サーバ18が一体となっていてもよい。すなわち、プリントサーバ16が認証用サーバ18としての機能を発揮してもよい。認証用サーバ18が行う処理の詳細については後述する。
【0021】
図2は、画像処理装置20の構成概略図である。画像処理装置20は、紙などの印刷媒体に画像を印刷する印刷機能(プリント機能)を有するプリンタである。また、画像処理装置20は、プリント機能に加え、印刷媒体から光学的に画像を読み取るスキャン機能、スキャンした画像を印刷媒体に印刷するコピー機能、他の装置へ画像を送信するFAX機能などを有する複合機であってもよい。
【0022】
通信インターフェース30は、NIC(Network Interface Card)などから構成される。通信インターフェース30は、通信回線24を介して他の装置と通信する機能を発揮する。あるいは、通信インターフェース30は、近距離無線通信によって第1管理者端末12と通信する機能を発揮する。
【0023】
入力インターフェース32は、例えば各種ボタンやタッチパネルを含んで構成される。入力インターフェース32は、ユーザ又は第1管理者からの指示を画像処理装置20に入力するために用いられる。
【0024】
ディスプレイ34は、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルを含んで構成される。ディスプレイ34には、種々の画面が表示される。
【0025】
メモリ36は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multi Media Card)、ROM(Read Only Memory)あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。メモリ36には、プリントサーバ16への登録の際に必要なデータ(後述のデバイスコードなど)、あるいは、印刷処理に必要なデータ(印刷ジョブなど)が記憶される。
【0026】
第2プロセッサとしてのプロセッサ38は、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)など)、及び、専用の処理装置(例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ38としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。図2に示す通り、プロセッサ38は、登録処理部40としての機能を発揮する。
【0027】
登録処理部40は、第1管理者からの指示に応じて、プリントサーバ16へ画像処理装置20(自装置)を登録する登録処理を実行する。登録処理部40が実行する処理の詳細については、図5及び図6に示されたフローチャートを参照しつつ後述する。
【0028】
図3は、登録予約サーバ22の構成概略図である。登録予約サーバ22は、例えばサーバコンピュータなどから構成される。登録予約サーバ22は、第1管理者及び第2管理者に対して、プリントサーバ16への画像処理装置20の登録処理を予約する登録予約サービスを提供するサーバである。
【0029】
通信インターフェース50は、NICなどから構成される。通信インターフェース50は、通信回線24を介して他の装置と通信する機能を発揮する。
【0030】
メモリ52は、HDD、SSD、eMMC、ROM、あるいはRAMなどを含んで構成される。メモリ52には、登録予約サーバ22の各部を動作させるための情報処理プログラムが記憶される。なお、情報処理プログラムは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体に格納することもできる。登録予約サーバ22は、そのような記憶媒体から情報処理プログラムを読み取って実行することができる。また、図3に示すように、メモリ52には、登録予約テーブル54が記憶される。
【0031】
登録予約テーブル54には、プリントサーバ16への登録が予約された画像処理装置20を示す情報が記憶される。後述するように、第1管理者は、プリントサーバ16へ画像処理装置20を登録する登録処理の予約をすることができる。本明細書では、これを「登録予約」と呼ぶ。登録予約は、当該登録予約に係る画像処理装置20をプリントサーバ16へ登録することを第1管理者が許可した上で行うものである。言うまでもなく、登録予約に係る画像処理装置20は、未だプリントサーバ16への登録がされていないものである。
【0032】
図4は、登録予約テーブル54の内容の例を示す図である。登録予約テーブル54には、登録予約に係る画像処理装置20の装置名、当該画像処理装置20を一意に識別する装置ID、及び、当該画像処理装置20が登録処理の開始が可能な状態であるか否かを示す登録可否情報が互いに関連付けられて記憶される。登録予約テーブル54への情報の記憶方法やその利用方法については後述する。
【0033】
第1プロセッサとしてのプロセッサ56は、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPUなど)、及び、専用の処理装置(例えばGPU、ASIC、FPGA、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ56としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。プロセッサ56は、登録予約サーバ22の各部を制御する。特に、プロセッサ56は、メモリ52に記憶された情報処理プログラムによって、登録予約処理部58としての機能を発揮する。
【0034】
登録予約処理部58は、第1管理者からの指示に応じて、登録予約に関する予約処理を実行する。登録予約処理部58が実行する処理の詳細については、図5及び図6に示されたフローチャートを参照しつつ後述する。
【0035】
以下、図5及び図6に示すフローチャートに従って、画像処理装置20の登録処理部40が行う処理の詳細、登録予約サーバ22の登録予約処理部58が行う処理の詳細と共に、情報処理システム10の処理の流れを説明する。
【0036】
ステップS10において、第1管理者は、プリントサーバ16への登録指示を画像処理装置20に入力する。換言すれば、画像処理装置20は、第1管理者からプリントサーバ16への登録指示を受け付ける。第1管理者が登録指示を画像処理装置20に入力するということは、この時点で、第1管理者は、当該画像処理装置20をプリントサーバ16へ登録することを許可していると言える。
【0037】
例えば、第1管理者は、第1管理者端末12から近距離無線通信にて画像処理装置20にアクセスし、これにより画像処理装置20に登録指示を入力することができる。あるいは、第1管理者は、画像処理装置20の入力インターフェース32を操作することによって、画像処理装置20に登録指示を入力することができる。
【0038】
ステップS12において、画像処理装置20の登録処理部40は、第1管理者からの登録指示に応じて、登録予約サーバ22に登録予約を要求する。換言すれば、登録予約サーバ22は、第1管理者からの指示に基づく登録予約を画像処理装置20から受け付ける。具体的には、登録処理部40は、画像処理装置20の装置名を登録予約サーバ22に送信した上で、登録予約を要求する。
【0039】
好適には、登録処理部40は、登録予約を要求する際に、当該画像処理装置20の設置位置を示す位置情報、又は、第1管理者の連絡先の少なくとも一方を登録予約サーバ22に通知するとよい。位置情報は、第1管理者などによって画像処理装置20のメモリ36に予め記憶されているか、あるいは、画像処理装置20に設けられたGPS(Global Positioning System)受信機から取得される。第1管理者の連絡先は、メモリ36に予め記憶されているか、あるいは、登録指示と共に第1管理者から入力される。
【0040】
ステップS14において、登録予約サーバ22の登録予約処理部58は、画像処理装置20から登録予約を受け付けると、当該画像処理装置20を一意に識別する装置IDを採番し、当該装置IDと、ステップS12で受信した装置名とを関連付けて登録予約テーブル54に記憶させる。好適には、登録予約処理部58は、当該装置IDに対して、当該画像処理装置20の位置情報、又は、第1管理者の連絡先の少なくとも一方を関連付けておく。そして、登録予約処理部58は、当該装置IDを当該画像処理装置20に通知する。
【0041】
なお、本実施形態では、登録予約の要求は、画像処理装置20から登録予約サーバ22に送信されているが、登録予約の要求は、第1管理者端末12から登録予約サーバ22に送信されてもよい。この場合、第1管理者は、プリントサーバ16に登録したい画像処理装置20の装置名を第1管理者端末12に入力し、第1管理者端末12は、当該装置名を登録予約サーバ22に送信した上で、登録予約を要求する。登録予約を受け付けた登録予約サーバ22は、当該装置名が示す画像処理装置20に装置IDを通知する。
【0042】
ステップS16において、登録処理部40は、画像処理装置20がプリントサーバ16への登録処理の開始が可能な状態であるか否かを示す登録可否情報と装置IDとの組み合わせを登録予約サーバ22へ定期的に送信するポーリングを開始する。登録処理部40は、画像処理装置20の状態や設定内容に応じて、画像処理装置20が登録処理の開始が可能であるか否かを判定する。例えば、登録処理には、画像処理装置20が通信回線24を介してプリントサーバ16と確実に通信できる必要がある。したがって、例えば、第1管理者などによって画像処理装置20のネットワーク設定が変更されている間は、登録処理の開始が不可である、と判定する。画像処理装置20が登録処理の開始が可能であるか否かは、動的に変化し得るため、登録処理部40は、定期的なポーリングによって、定期的に登録可否情報を登録予約サーバ22へ送信する。ポーリングは、例えば数分間隔など、かなり短い時間間隔で行われる。
【0043】
登録予約サーバ22は、上記のポーリングにより、装置IDと登録可否情報の組み合わせを画像処理装置20から受信する。そして、ステップS18において、登録予約処理部58は、受信した装置IDに関連付けて、受信した登録可否情報を登録予約テーブル54に追加する。既に装置IDに対応する登録可否情報が登録予約テーブル54に記憶されている状態において、新たに当該装置IDと登録可否情報の組み合わせを受信した場合は、登録予約処理部58は、登録予約テーブル54における、当該装置IDに対応する登録可否情報を更新する。上述のように、ポーリングはかなり短い時間間隔で行われるため、登録予約テーブル54に記憶されている登録可否情報は、ほぼリアルタイムで更新される。なお、登録予約処理部58は、画像処理装置20からのポーリングではなく、登録予約処理部58から画像処理装置20に自発的に問い合わせることで、画像処理装置20の登録可否情報を取得するようにしてもよい。
【0044】
ステップS20において、登録予約処理部58は、第1管理者からの登録予約を受け付けたことを示す予約通知を第2管理者に対して行う。特に、登録予約処理部58は、予約通知に加え、当該登録予約に係る画像処理装置20の装置名、及び、当該画像処理装置20の登録可否情報を第2管理者に通知する。本実施形態では、登録予約処理部58は、予約通知に加え、登録予約サービスの所定のページであって、当該画像処理装置20の装置名及び登録可否情報が示されたページのURL(Uniform Resource Locator)を第2管理者端末14に送信する。なお、第2管理者への予約通知の方法はその他の方法であってもよい。
【0045】
本実施形態では、登録予約処理部58は、画像処理装置20から登録予約の要求を受信した時点に基づくタイミング(登録予約の要求を受信して直ぐ、あるいは、登録予約の要求を受信した後の所定の時点)で、第2管理者に対して予約通知を行っているが、登録予約処理部58は、例えば第2管理者からの問い合わせに応じて、第2管理者に対して予約通知を行うようにしてもよい。
【0046】
なお、第2管理者への通知先(例えば第2管理者端末14を識別する情報や第2管理者のメールアドレスなど)は、予め登録予約サーバ22のメモリ52に記憶させておけばよい。
【0047】
ここで、好適には、登録予約処理部58は、予約通知と共に、当該予約通知に係る画像処理装置20の設置位置を示す位置情報、又は、第1管理者の連絡先の少なくとも一方を第2管理者に通知するとよい。例えば、登録予約サービスの上記のページに、これらの情報も併せて示されているとよい。
【0048】
ステップS22において、第2管理者は、第2管理者端末14を用いて、登録予約サーバ22から送信されてきたURLが示す登録予約サービスのページにアクセスし、登録予約された画像処理装置20の装置名及び登録可否情報を確認する。当該ページには、登録開始ボタンが含まれており、第2管理者は、画像処理装置20の装置名及び登録可否情報に基づいて、画像処理装置20をプリントサーバ16に登録してもよいと判断した場合は、登録開始ボタンを操作する。登録可否情報が登録不可を示す場合には、登録開始ボタンが操作できないようになっていてもよい。また、当該ページに画像処理装置20の位置情報が示されている場合には、第2管理者は、画像処理装置20の位置情報も参考にして、画像処理装置20をプリントサーバ16に登録してもよいか否かを判断することができる。また、当該ページに第1管理者の連絡先が示されている場合には、画像処理装置20をプリントサーバ16に登録する否かの判断に関して、第1管理者に連絡を取ることができる。
【0049】
第2管理者により登録開始ボタンが操作されることで、登録予約サーバ22は、第2管理者から画像処理装置20に関する登録依頼を受け付ける。そして、登録予約処理部58は、ステップS24において、画像処理装置20をプリントサーバ16に登録する登録処理を開始させるための登録開始指示を画像処理装置20に送信する。なお、上述のように、本実施形態では、画像処理装置20が登録不可である状態(登録処理の開始が可能でない状態)の場合は、登録予約処理部58は、登録予約サービスのページにおいて登録開始ボタンを操作できないようにする。これにより、第2管理者は、登録依頼を登録予約サーバ22に送ることができない。したがって、画像処理装置20が登録不可である状態の場合は、登録予約処理部58は、登録開始指示を画像処理装置20に送信しない。
【0050】
上述のように、当該登録処理は、処理開始から所定時間以内に第2管理者からの許可を要する処理である。しかしながら、本実施形態では、第1管理者が、プリントサーバ16への画像処理装置20の登録を許可した上で、登録予約サーバ22に登録処理を予約し、第2管理者が登録依頼をしたことに応じて、登録処理が開始される。つまり、本実施形態によれば、第1管理者が登録を許可した後、第2管理者は、任意のタイミングで登録処理を開始することができる。
【0051】
登録予約サーバ22が画像処理装置20に登録開始指示を送信すると、ステップS26において、登録処理部40は、画像処理装置20をプリントサーバ16に登録するための登録処理を開始する。登録処理において、登録処理部40は、第2管理者の権限の認可を得た上でプリントサーバ16への登録を行う。第2管理者の権限の認可は、例えばOAuth2.0を利用することができる。以下、図6を参照し、登録処理の流れを説明する。
【0052】
ステップS30において、登録処理部40は、登録処理を開始するための登録開始要求を認証用サーバ18に送信する。
【0053】
ステップS32において、認証用サーバ18は、登録開始要求に応じて、認証処理に用いる符号であるデバイスコード及びユーザコード、並びに、認証用アクセス先としての認証用ページを生成する。そして、認証用サーバ18は、デバイスコード、ユーザコード、及び認証用ページのアドレスを示す認証用アクセス先情報としての認証用URLを画像処理装置20に送信する。なお、上述のように、当該登録処理は、処理開始から所定時間以内に第2管理者の許可を要するが、当該所定時間の起点は、認証用サーバ18がデバイスコード、ユーザコード、及び認証用URLを発行した時点である。換言すれば、デバイスコード、ユーザコード、及び認証用URLの有効期限が、発行時点から所定時間後となっている。
【0054】
ステップS34において、登録処理部40は、受信したデバイスコードをメモリ36に保持し、ユーザコード及び認証用URLを登録予約サーバ22に転送する。
【0055】
ステップS36において、登録処理部40は、デバイスコードを提示して、当該デバイスコードに対応する認証用URLが示す認証用ページにおいて第2管理者が登録許可をしたか否かを定期的に問い合わせるための、認証用サーバ18に対するポーリングを開始する。当該ポーリングも、例えば数分間隔など、かなり短い時間間隔で行われる。
【0056】
ステップS38において、登録予約サーバ22の登録予約処理部58は、受信したユーザコード及び認証用URLを第2管理者に通知する。ここでは、登録予約処理部58は、ユーザコード及び認証用URLを第2管理者端末14に転送する。
【0057】
ステップS40において、第2管理者は、ユーザコードを提示しつつ、認証用URLが示す認証用ページにアクセスする。認証用ページにアクセスするためには、ユーザコードの提示が必要となっている。これにより、ユーザコードを有さないものが認証用ページにアクセスすることが防止される。
【0058】
ステップS42において、第2管理者は、認証用ページにある登録許可ボタンを操作することで、プリントサーバ16への画像処理装置20の登録を許可する。なお、第2管理者が認証用ページにアクセスしたことをもって、画像処理装置20をプリントサーバ16への画像処理装置20の登録を第2管理者が許可したとみなすようにしてもよい。ここでは、認証用サーバ18が、デバイスコード、ユーザコード、及び認証用URLを発行してから所定時間以内に第2管理者が登録を許可したとする。
【0059】
ステップS44において、認証用サーバ18は、第2管理者からの登録許可に応じて、アクセストークンを生成する。当該アクセストークンは、画像処理装置20がプリントサーバ16に登録する際に必要なものである。アクセストークンを生成した後、登録処理部40からのポーリングを受信すると、認証用サーバ18は、生成したアクセストークンを画像処理装置20に送信する。
【0060】
なお、仮に、認証用サーバ18が、デバイスコード、ユーザコード、及び認証用URLを発行してから所定時間が経過した後に、第2管理者が登録を許可した場合には、認証用サーバ18はアクセストークンを生成しない。この場合、画像処理装置20はプリントサーバ16に登録されない。
【0061】
ステップS46において、登録処理部40は、認証用サーバ18から受信したアクセストークンを提示して、プリントサーバ16へ登録要求を送信する。これにより、プリントサーバ16において画像処理装置20が登録される。具体的には、プリントサーバ16は、自装置のメモリに、クラウドプリントサービスにおける画像処理装置20の識別情報を記憶する。また、画像処理装置20の登録処理部40は、第1管理者の権限によって、プリントサーバ16への画像処理装置20の登録に必要な種々の設定を行う。
【0062】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0063】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
登録サーバへの登録のために第1管理者及び前記第1管理者とは異なる第2管理者からの許可を要する登録対象装置についての前記登録サーバへの登録予約であって、前記登録サーバへの前記登録対象装置の登録を許可した前記第1管理者の指示に基づく登録予約を受け付け、
前記登録予約を受け付けたことを示す予約通知を前記第2管理者に対して行い、
前記予約通知を受けた前記第2管理者からの登録依頼に応じて、前記登録対象装置を前記登録サーバへ登録する登録処理であって処理開始から所定時間以内に前記第2管理者からの許可を要する登録処理を開始させるための登録開始指示を前記登録対象装置に送信する、
ことを特徴とする情報処理装置。
(((2)))
前記プロセッサは、
前記登録対象装置が前記登録処理の開始が可能な状態であるか否かを示す登録可否情報を前記登録対象装置から受信し、
前記登録対象装置が前記登録処理の開始が可能な状態ではない場合、前記登録開始指示を前記登録対象装置に送信しない、
ことを特徴とする(((1)))に記載の情報処理装置。
(((3)))
前記プロセッサは、前記予約通知と共に、前記登録対象装置の設置位置を示す位置情報、又は、前記第1管理者の連絡先の少なくとも一方を前記第2管理者に通知する、
ことを特徴とする(((1)))に記載の情報処理装置。
(((4)))
コンピュータに、
登録サーバへの登録のために第1管理者及び前記第1管理者とは異なる第2管理者からの許可を要する登録対象装置についての前記登録サーバへの登録予約であって、前記登録サーバへの前記登録対象装置の登録を許可した前記第1管理者の指示に基づく登録予約を受け付けさせ、
前記登録予約を受け付けたことを示す予約通知を前記第2管理者に対して行い、
前記予約通知を受けた前記第2管理者からの登録依頼に応じて、前記登録対象装置を前記登録サーバへ登録する登録処理であって処理開始から所定時間以内に前記第2管理者からの許可を要する登録処理を開始させるための登録開始指示を前記登録対象装置に送信させる、
ことを特徴とする情報処理プログラム。
(((5)))
第1プロセッサを備える情報処理装置と、第2プロセッサを備える登録対象装置と、を有し、
前記第1プロセッサは、
登録サーバへの登録のために第1管理者及び前記第1管理者とは異なる第2管理者からの許可を要する登録対象装置についての前記登録サーバへの登録予約であって、前記登録サーバへの前記登録対象装置の登録を許可した前記第1管理者の指示に基づく登録予約を受け付け、
前記登録予約を受け付けたことを示す予約通知を前記第2管理者に対して行い、
前記予約通知を受けた前記第2管理者からの登録依頼に応じて登録開始指示を前記登録対象装置に送信し、
前記第2プロセッサは、
前記登録開始指示に基づいて、前記登録対象装置を前記登録サーバへ登録する登録処理であって処理開始から所定時間以内に前記第2管理者からの許可を要する登録処理を開始する、
ことを特徴とする情報処理システム。
(((6)))
前記第2プロセッサは、前記登録処理として、
前記第2プロセッサが認証用サーバに登録開始要求を送信して、デバイスコード、ユーザコード、及び認証用アクセス先を示す認証用アクセス先情報を前記認証用サーバから受信し、
前記ユーザコード及び前記認証用アクセス先情報を前記第2管理者へ送信し、
前記登録処理の開始から前記所定時間以内に前記第2管理者が前記ユーザコードを提示して前記認証用アクセス先にアクセスし登録を許可した後に、前記デバイスコードを提示して前記認証用サーバへ問い合わせを行うことで、前記認証用サーバからアクセストークンを受信し、
前記アクセストークンを提示して前記登録サーバへ登録要求を送信する、
ことを特徴とする(((5)))に記載の情報処理システム。
【0064】
(((1)))、(((4)))、又は(((5)))に係る発明によれば、登録サーバへ登録対象装置を登録するために、第1管理者からの許可に応じて登録処理が開始された後、所定時間以内に、第2管理者も登録を許可する必要がある場合において、第1管理者が登録を許可した後、第2管理者が任意のタイミングで登録の許可をすることができる。
(((2)))に係る発明によれば、登録対象装置が登録不可の状態である場合に、登録処理を実行しないようにすることができる。
(((3)))に係る発明によれば、第2管理者は、登録対象装置の設置位置を容易に把握することができる。あるいは、請求項3に係る発明によれば、第2管理者は、登録対象装置を登録するか否かの判断に関して第1管理者に連絡を取ることができる。
(((6)))に係る発明によれば、登録サーバへ登録対象装置をセキュアに登録することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 情報処理システム、12 第1管理者端末、14 第2管理者端末、16 プリントサーバ、18 認証用サーバ、20 画像処理装置、22 登録予約サーバ、24 通信回線、30,50 通信インターフェース、32 入力インターフェース、34 ディスプレイ、36,52 メモリ、38,56 プロセッサ、40 登録処理部、54 登録予約テーブル、58 登録予約処理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6