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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024426
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】会議システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20240215BHJP
【FI】
H04N7/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127237
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】今 健一
(72)【発明者】
【氏名】山中 彬弘
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164GA07
5C164VA05P
(57)【要約】
【課題】遠隔参加者に対して会議の状況を把握させ易くする。
【解決手段】会議システム(M1)は、会議参加者(U1)または遠隔参加者(U2)が提示する情報を表示可能な表示手段(1)と、会議空間(MS)に配置されるテーブル(2)と、会議参加者(U1)を撮影する第1撮影手段(3)と、表示手段(1)の表示範囲(11)を撮影可能な第2撮影手段(4)と、を備え、第2撮影手段(4)は、テーブル(2)の天板(21)よりも上に配置される状態を維持しながら移動可能に設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議が実施される会議空間において前記会議に参加する会議参加者と、前記会議空間から離れた遠隔地においてオンラインにより前記会議に参加する遠隔参加者と、が混在する前記会議を実施するための会議システムであって、
前記会議参加者または前記遠隔参加者が提示する情報を表示可能な表示手段と、
前記会議空間に配置されるテーブルと、
前記テーブルを利用する前記会議参加者を撮影する第1撮影手段と、
前記表示手段の表示範囲を撮影可能な第2撮影手段と、を備え、
前記第2撮影手段は、前記会議空間において前記テーブルの天板よりも上に配置される状態を維持しながら移動可能に設けられることを特徴とする会議システム。
【請求項2】
前記第2撮影手段は、前記表示範囲を含む撮影対象物を撮影可能であり、
前記会議参加者が前記撮影対象物を見る目線で、前記遠隔参加者が前記第2撮影手段により前記撮影対象物を見ることが可能なように、前記第2撮影手段は、前記会議空間のフロア面からの高さが所定範囲内の高さとなる領域内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の会議システム。
【請求項3】
前記第2撮影手段を支持しながら、水平移動可能な支持手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の会議システム。
【請求項4】
前記第2撮影手段を支持するとともに、前記第2撮影手段を昇降可能な支持手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の会議システム。
【請求項5】
前記会議参加者が情報を記載するためのボードを備え、
前記第2撮影手段は、前記ボードをさらに撮影可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の会議システム。
【請求項6】
前記会議参加者が情報を記載するためのボードと、
前記ボードを撮影可能であり、前記第2撮影手段とは別の第3撮影手段と、を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の会議システム。
【請求項7】
前記第2撮影手段を旋回可能に支持することにより、前記第2撮影手段が撮影する撮影範囲を変更可能な支持手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の会議システム。
【請求項8】
前記会議空間は、壁面によって他の空間とは仕切られる空間であり、
前記表示手段は、前記壁面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の会議システム。
【請求項9】
前記会議空間は、壁面によって他の空間とは仕切られる空間であり、
前記壁面の少なくとも一部は、前記ボードであることを特徴とする請求項5に記載の会議システム。
【請求項10】
前記支持手段は、
キャスターを有する脚ベースと、
前記脚ベースから立設され、前記第2撮影手段を支持する脚支柱と、を有し、
前記脚支柱は、垂直方向に伸縮可能であることを特徴とする請求項3または4に記載の会議システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の人が対話するときに種々の会議形式が採用される。そのような会議形式の例として、複数の遠隔地にいる複数のユーザが電子通信回線を用いて実施するweb会議形式、複数のユーザが所定の空間に集まって実施する対面式、または、web会議形式と対面式とを併用する会議形式などが挙げられる。
【0003】
一般に、コミュニケーションを取り易い会議方式は対面式と言われている。その理由としては、相手の表情が見える、説明内容に理解を得やすい、臨場感を得やすい、情報共有が容易(同じ資料を共有する等)といった利点が挙げられる。これらの利点によって、対面式の会議は、コミュニケーションの質及び量を高めることができる。
【0004】
一方で、近年、テレワークの普及に伴って、オフィスでの参加者と、オンラインを介して参加する遠隔参加者と、が混在する会議形式が増加している。そのような会議形式においても、前述の利点を得るための工夫がなされている。そのような工夫を開示する文献として特許文献1及び2が挙げられる。
【0005】
特許文献1は、会議室の周囲に配設された多数のカメラを有し、どのカメラ視野を選択すべきかを判定するビデオ会議システムを開示している。特許文献2は、人に向けられているカメラと、ディスプレーに向けられているカメラと、を有するビデオ会議システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-005451号公報
【特許文献2】特表2016-506670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2に開示された技術は、多数のカメラの位置が固定されているため、会議空間にいる会議参加者が把握する会議の状況と、遠隔地において会議に参加する遠隔参加者が把握する会議の状況と、の間に差が生じるという問題がある。本発明の一態様は、遠隔参加者に対して会議の状況を把握させ易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る会議システムは、会議が実施される会議空間において前記会議に参加する会議参加者と、前記会議空間から離れた遠隔地においてオンラインにより前記会議に参加する遠隔参加者と、が混在する前記会議を実施するための会議システムであって、前記会議参加者または前記遠隔参加者が提示する情報を表示可能な表示手段と、前記会議空間に配置されるテーブルと、前記テーブルを利用する前記会議参加者を撮影する第1撮影手段と、前記表示手段の表示範囲を撮影可能な第2撮影手段と、を備え、前記第2撮影手段は、前記会議空間において前記テーブルの天板よりも上に配置される状態を維持しながら移動可能に設けられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、遠隔参加者に対して会議の状況を把握させ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る会議システムの構成を示す斜視図である。
図2図1に示す会議システムの構成を示すブロック図である。
図3図1に示す会議システムが備える支持手段の固定部の構成を示す斜視図である。
図4】本発明の変形例1に係る会議システムの構成を示す斜視図である。
図5】本発明の変形例2に係る会議システムが備える支持手段の構成を示す斜視図である。
図6】本発明の変形例3に係る会議システムが備えるテーブルの構成を示す斜視図である。
図7図6に示すテーブルが備えるテーブル脚の付近を示す斜視図である。
図8図7に示すテーブル脚に対して取り付けられるテーブル脚カバーを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(会議システム)
図1は、本発明の実施形態に係る会議システムM1の構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す会議システムM1の構成を示すブロック図である。会議システムM1は、会議参加者U1と遠隔参加者U2とが混在する会議を実施するためのものである。図1において、テーブル2の天板21の長手方向をX軸方向、会議空間MSのフロア面FSから天板21に向かう方向をZ軸方向、天板21の短手方向をY軸方向とする。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに直交する方向である。
【0012】
会議参加者U1は、会議が実施される会議空間MSにおいて会議に参加する参加者である。遠隔参加者U2は、会議空間MSから離れた遠隔地RPにおいてオンラインにより会議に参加する参加者である。なお、会議空間MSにいる会議参加者U1の人数は、図示の1人に限定されず、2人以上であってもよい。また、会議に参加する遠隔参加者U2の人数は、図示の3人に限定されず、少なくとも1人であればよい。
【0013】
会議空間MSで実施される会議は、複数の人が所定の目的または議題に応じてコミュニケーションするものであればよく、例えば、打合せ、ミーティング、ディスカッション、レクチャー、セミナー、講義等と呼ばれるものを含む。また、会議空間MSで実施される会議は、教育機関において行われる会議であってもよい。
【0014】
(会議空間)
会議空間MSは、現実空間において会議が実施される空間である。会議空間MSは、壁面9によって他の空間とは仕切られる空間であってもよい。例えば、会議空間MSは、周囲全体に壁面9がある空間であってもよいし、周囲の一部に壁面9がない空間であってもよい。この場合、会議空間MSは、会議室等のブースである。壁面9には、模造紙または図面等を貼り付け可能である。会議空間MSが壁面9によって他の空間とは仕切られる空間であることにより、会議で生じる情報の秘匿性を向上することができる。
【0015】
会議空間MSは、複数の壁面9によって他の空間とは仕切られる空間である。なお、会議空間MSは、1つの円筒形の壁面9によって他の空間とは仕切られる空間であってもよい。また、会議空間MSにおいて天井が設けられていないが、会議空間MSは、壁面9に加えて天井によって他の空間とは仕切られる空間であってもよい。また、壁面9は、例えば、建造物が有する壁面であってもよく、パーティション等の仕切りであってもよい。
【0016】
会議空間MSは、常設の空間であるが、仮設の空間であってもよい。また、会議空間MSは、周囲全体が開放されているオープンな空間であってもよい。会議空間MSは、屋内の空間であるが、屋外の空間であってもよい。例えば、会議空間MSは、教育機関の敷地内に設けられてもよい。この場合、教育機関の敷地内には、複数の会議空間MSが設けられてもよい。
【0017】
(会議空間に配置される各構成)
図1に示すように、会議システムM1は、表示手段1と、テーブル2と、第1撮影手段3と、第2撮影手段4と、支持手段5と、ボード6と、第3撮影手段7と、支持手段8と、椅子C1と、操作端末P1と、音声入力手段MIと、を備える。また、図2に示すように、会議システムM1は、会議システム端末CTと、遠隔端末RTと、操作端末P2と、を備える。
【0018】
会議空間MSには、表示手段1と、テーブル2と、第1撮影手段3と、第2撮影手段4と、支持手段5と、ボード6と、第3撮影手段7と、支持手段8と、が配置される。また、会議空間MSには、椅子C1と、操作端末P1と、音声入力手段MIと、会議システム端末CTと、操作端末P2と、が配置される。
【0019】
(表示手段及びテーブル)
表示手段1は、会議参加者U1または遠隔参加者U2が提示する情報を表示可能なものである。表示手段1は、例えば、画像を表示するディスプレーである。なお、表示手段1は、図示しないスクリーンに画像を投影するプロジェクタであってもよい。該スクリーンは、壁面9に沿って配置される。また、表示手段1は、会議参加者U1及び遠隔参加者U2の少なくとも一方を表示可能である。
【0020】
表示手段1は、壁面9に沿って配置されている。表示手段1が壁面9に沿って配置されているため、会議空間MSを広くすることができる。表示手段1は、壁面9に設けられてもよく、モニタースタンド等の支持部材によって支持されていてもよい。
【0021】
表示手段1は、複数存在していてもよい。例えば、会議参加者U1及び遠隔参加者U2の少なくとも一方を表示する表示手段1と、会議参加者U1または遠隔参加者U2が提示する情報を表示する表示手段1と、が存在していてもよい。テーブル2は天板21を有する。天板21には、レール22が設けられている。レール22は、支持手段5及び音声入力手段MIを移動させる軌道を規定する。
【0022】
(第1撮影手段)
第1撮影手段3は、会議空間MSを撮影し、画像を生成する。また、第1撮影手段3は、テーブル2を利用する会議参加者U1を正面から撮影する。第1撮影手段3は、表示手段1の上方に配置される。遠隔参加者U2は、第1撮影手段3により会議空間MSの様子を見ることができる。第1撮影手段3、第2撮影手段4及び第3撮影手段7は、例えば、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット端末またはWebカメラ等であってもよく、これらの撮像装置と該撮像装置を支持する部材とで構成されるものであってもよい。
【0023】
(第2撮影手段)
第2撮影手段4は、表示手段1の表示範囲11を撮影可能なものであり、画像を生成する。表示範囲11は、例えば、ディスプレーの画面、または、上記スクリーンに画像が投影される範囲である。第2撮影手段4は、会議空間MSにおいてテーブル2の天板21よりも上に配置される状態を維持しながら移動可能に設けられる。具体的に以下に説明する。支持手段5は、支持部51及び固定部52を有する。支持部51及び固定部52は、一体に形成されてもよいし、それぞれ別の部品から構成されてもよい。
【0024】
支持手段5は、支持部51と固定部52との連結部が垂直方向、つまり、Z軸方向に伸縮可能であってもよい。これにより、支持手段5は、第2撮影手段4を支持するとともに、第2撮影手段4を昇降可能なものとなる。よって、支持手段5は、第2撮影手段4が天板21よりも上に配置される状態を維持できる。第2撮影手段4を支持する支持手段5が第2撮影手段4を昇降可能であることにより、遠隔参加者U2が第2撮影手段4により、会議参加者U1と同じ目線で物を見ることができる状態を容易に実現できる。
【0025】
支持部51は、上側の一端において第2撮影手段4を支持し、下側の他端において固定部52と連結される。固定部52は、上側の一端において支持部51と連結され、下側の他端においてレール22に受け入れられて、レール22により規定される軌道上を移動する。固定部52は、下側の他端において、テーブル2の天板21の上面の任意の位置に固定されてもよい。
【0026】
固定部52がレール22に受け入れられることにより、支持手段5は、第2撮影手段4を支持しながら、水平移動可能なものとなる。第2撮影手段4を支持する支持手段5が水平移動可能であることにより、第2撮影手段4が撮影する撮影範囲を変更することができる。よって、遠隔参加者U2に対して会議空間MS内の様々な場所の画像を提供することができる。
【0027】
また、第2撮影手段4がテーブル2の天板21よりも上に配置される状態を維持しながら移動可能であるため、遠隔参加者U2が第2撮影手段4により、会議参加者U1と同じ目線で物を見ることができる。したがって、遠隔参加者U2に対して会議の状況を把握させ易くすることができる。
【0028】
第2撮影手段4は、表示範囲11を含む撮影対象物を撮影可能である。該撮影対象物は、例えば、表示範囲11の他に、ボード6または試作品等の物品である。会議参加者U1が上記撮影対象物を見る目線で、遠隔参加者U2が第2撮影手段4により上記撮影対象物を見ることが可能なように、第2撮影手段4は配置されている。具体的には、第2撮影手段4は、会議空間MSのフロア面FSからの高さが所定範囲内の高さとなる領域内に配置されている。
【0029】
フロア面FSからの高さとは、フロア面FSを基準とし、フロア面FSに直交するZ軸方向に沿った高さである。フロア面FSからの高さが上記所定範囲内の高さとなる領域とは、フロア面FSからの高さが上記所定範囲の下限となる第1平面と、フロア面FSからの高さが上記所定範囲の上限となる第2平面と、の間の領域である。第1平面、第2平面及びフロア面FSは、XY平面に平行である。
【0030】
なお、上記所定範囲内の高さは、例えば40cm以上140cm以下であることが好ましい。具体的には、テーブル2がローテーブルである場合、上記所定範囲内の高さは、例えば40cm以上80cm以下であることが好ましい。テーブル2が通常のテーブルである場合、上記所定範囲内の高さは、例えば60cm以上100cm以下であることが好ましい。テーブル2がハイテーブルである場合、上記所定範囲内の高さは、例えば80cm以上140cm以下であることが好ましい。上記通常のテーブルは、ローテーブルよりも天板21の高さが高く、ハイテーブルよりも天板21の高さが低いものである。
【0031】
上記所定範囲内の高さが前述した数値範囲内であることにより、第2撮影手段4を天板21よりも上に配置することができ、第2撮影手段4の位置を、テーブル2を利用する会議参加者U1の目線に合わせることができる。また、第2撮影手段4が、上記所定範囲内の高さとなる領域内に配置されていることにより、会議参加者U1が上記撮影対象物を見る目線で、遠隔参加者U2が上記撮影対象物を見ることができる。よって、遠隔参加者U2に対して会議の状況を把握させ易くすることができる。
【0032】
なお、第3撮影手段7についても、会議空間MSのフロア面FSからの高さが上記所定範囲内の高さとなる領域内に配置されていてもよい。これにより、第3撮影手段7が上記撮影対象物を撮影可能である場合、会議参加者U1が上記撮影対象物を見る目線で、遠隔参加者U2が第3撮影手段7により上記撮影対象物を見ることができる。
【0033】
(ボード)
ボード6は、会議参加者U1が情報を記載するためのものであり、例えば、ホワイトボードまたは黒板である。ボード6は壁面9に設けられている。なお、ボード6は、キャスターを有し、水平移動可能に設けられるものであってもよい。第2撮影手段4は、ボード6をさらに撮影可能であってもよい。例えば、支持手段5が、第2撮影手段4を旋回可能に支持することにより、第2撮影手段4が撮影する撮影範囲を変更可能なものであってもよい。
【0034】
この場合、支持部51が、上側の一端において第2撮影手段4を旋回可能に支持する。第2撮影手段4が表示手段1に向かう方向からボード6に向かう方向に旋回することにより、ボード6を撮影可能となる。第2撮影手段4は、フロア面FSに平行な軸と、フロア面FSに直交する軸と、の少なくとも一方に対して360°旋回可能であってもよい。
【0035】
支持手段5は、第2撮影手段4を旋回可能に支持することにより、第2撮影手段4が撮影する撮影範囲を変更することができる。よって、遠隔参加者U2に対して会議空間MS内の様々な場所の画像を提供することができる。また、第2撮影手段4は、ボード6をさらに撮影可能であるため、遠隔参加者U2に対してボード6に記載された情報の画像を提供することができる。よって、遠隔参加者U2は、ボード6に記載された情報を把握することができる。
【0036】
壁面9の少なくとも一部は、ボード6であってもよい。例えば、会議空間MSが複数の壁面9によって仕切られる空間である場合、複数の壁面9のうち少なくとも1つの壁面9の全体がボード6であってもよく、複数の壁面9のうち少なくとも1つの壁面9の一部がボード6であってもよい。また、会議空間MSが1つの円筒形の壁面9によって仕切られる空間である場合、1つの壁面9の少なくとも一部がボード6であってもよい。
【0037】
第2撮影手段4は、壁面9の少なくとも一部であるボード6をさらに撮影可能であるため、遠隔参加者U2に対してボード6に記載された情報の画像を提供することができる。よって、遠隔参加者U2は、ボード6に記載された情報を把握することができる。
【0038】
(第3撮影手段)
第3撮影手段7は、ボード6を撮影可能であり、第2撮影手段4とは別のものである。第3撮影手段7は画像を生成する。第3撮影手段7は、会議空間MSにおいてテーブル2の天板21よりも上に配置される状態を維持しながら移動可能に設けられる。具体的に以下に説明する。支持手段8は、支持部81と、固定部82と、載置部材83と、脚支柱84と、脚ベース85と、を有する。支持部81及び固定部82は、一体に形成されてもよいし、それぞれ別の部品から構成されてもよい。
【0039】
支持部81は、上側の一端において第3撮影手段7を支持し、下側の他端において固定部82と連結される。固定部82は、上側の一端において支持部81と連結され、載置部材83に対して固定可能である。なお、固定部82は、載置部材83に対して載置可能であってもよい。
【0040】
載置部材83には、固定部82の他に、操作端末P1とは別の操作端末等の物品を載置可能である。載置部材83は、脚支柱84に支持されている。脚支柱84は、脚ベース85から立設され、第3撮影手段7を支持する。脚ベース85はキャスターWを有する。脚ベース85は、放射状に斜め下方に延在する複数本の棒状体を有する。該棒状体の先端にキャスターWが設けられる。このような脚ベース85の構造により、支持手段8の安定性を向上できる。なお、脚ベース85は、略U字形状により構成されてもよい。
【0041】
支持部81と固定部82との連結部、及び、脚支柱84の少なくとも一方は、垂直方向に伸縮可能であってもよい。これにより、支持手段8は、第3撮影手段7を支持するとともに、第3撮影手段7を昇降可能なものとなる。脚ベース85がキャスターWを有することにより、第3撮影手段7を支持する脚支柱84が水平移動可能である。つまり、支持手段8は、第3撮影手段7を支持しながら、水平移動可能なものとなる。また、脚支柱84が垂直方向に伸縮可能であることにより、第3撮影手段7を昇降可能である。
【0042】
さらに、会議システムM1は、表示手段1の表示範囲11を撮影可能な第2撮影手段4に加えて、ボード6を撮影可能な第3撮影手段7を備える。このため、第2撮影手段4により表示手段1の表示範囲11を撮影しながら、第3撮影手段7によりボード6を撮影することができる。よって、遠隔参加者U2に対して、表示手段1の表示範囲11の画像と、ボード6に記載された情報の画像と、を同時に提供することができる。
【0043】
なお、第3撮影手段7が上記撮影対象物を撮影可能であってもよい。つまり、第2撮影手段4及び第3撮影手段7が別々の上記撮影対象物を撮影してもよい。例えば、第2撮影手段4及び第3撮影手段7がそれぞれ、表示範囲11、ボード6及び試作品のいずれかを撮影してもよい。また、第2撮影手段4がボード6を撮影し、第3撮影手段7が試作品を撮影してもよい。
【0044】
また、支持手段8が、第3撮影手段7を旋回可能に支持することにより、第3撮影手段7が撮影する撮影範囲を変更可能なものであってもよい。この場合、支持部81が、上側の一端において第3撮影手段7を旋回可能に支持する。第3撮影手段7は、フロア面FSに平行な軸と、フロア面FSに直交する軸と、の少なくとも一方に対して360°旋回可能であってもよい。
【0045】
(操作端末及び音声入力手段)
操作端末P1は、会議参加者U1が利用する端末である。操作端末P1は、例えば、スマートフォン、タブレット、ノート型PCまたはデスクトップ型PC等であってもよい。音声入力手段MIは、会議参加者U1の音声を検出して音声データを生成する。音声入力手段MIは、例えばマイクである。音声入力手段MIは、下側の他端においてレール22に受け入れられて、レール22により規定される軌道上を移動する。音声入力手段MIは、下側の他端において、テーブル2の天板21の上面の任意の位置に固定されてもよい。
【0046】
(会議空間及び遠隔地)
図2に示すように、会議システムM1は、操作端末P2をさらに備える。操作端末P2は、操作端末P1と同様のものであり、会議空間MSに配置され、支持手段8の載置部材83に載置される。会議システム端末CTは、表示手段1と、第1撮影手段3と、音声入力手段MIと、配線により通信可能に接続されているが、無線により通信可能に接続されていてもよい。
【0047】
操作端末P1は、第2撮影手段4と接続され、操作端末P2は、第3撮影手段7と接続されている。なお、操作端末P1は、配線により第2撮影手段4と通信可能に接続されてもよく、無線により第2撮影手段4と通信可能に接続されてもよい。また、操作端末P2は、配線により第3撮影手段7と通信可能に接続されてもよく、無線により第3撮影手段7と通信可能に接続されてもよい。
【0048】
また、第2撮影手段4及び第3撮影手段7はそれぞれ、会議システム端末CTに対して、配線により通信可能に接続されていてもよく、無線により通信可能に接続されていてもよい。第3撮影手段7が配線により会議システム端末CTと接続されている場合、該配線を把持する把持部、または、該配線を保持するフックが、脚ベース85に設けられていてもよい。
【0049】
さらに、表示手段1が複数存在する場合、会議システム端末CTは、複数の表示手段1と配線により通信可能に接続されていてもよい。また、会議システム端末CTは、複数の表示手段1と無線により通信可能に接続されていてもよい。
【0050】
会議システム端末CTは、インターネット接続を行い、会議参加者U1及び遠隔参加者U2が参加する会議を実施するための装置であり、例えばSTB(Set Top Box)である。また、会議システム端末CTは、例えば、テレビ会議システムまたはビデオ会議システムの端末として使用されるパソコン本体である。なお、会議システムM1は、会議システム端末CTに代えて、操作端末P1と同様の操作端末を備えてもよい。この場合、会議システム端末CTが実行可能な処理を該操作端末が実行する。
【0051】
会議システム端末CTは、ネットワークNを介して、遠隔端末RTと通信を行う。会議システム端末CTは、第1撮影手段3が生成した画像を遠隔端末RTに送信する。遠隔端末RTの制御手段R1は、会議システム端末CTから受信した画像を遠隔端末RTの表示手段R2に表示させる。これにより、遠隔参加者U2は、第1撮影手段3が撮影したものを表示手段R2で見ることができる。
【0052】
会議システム端末CTは、音声入力手段MIが生成した音声データを遠隔端末RTに送信する。制御手段R1は、会議システム端末CTから受信した音声データを図示しない音声出力手段に出力し、該音声出力手段に音声を出力させる。上記音声出力手段は、例えばスピーカであり、遠隔端末RTに備えられてもよく、遠隔端末RTとは別体で遠隔端末RTに接続されてもよい。
【0053】
操作端末P1及び操作端末P2は、ネットワークNを介して、遠隔端末RTと通信を行う。会議参加者U1は、操作端末P1または操作端末P2により会議に参加することができる。操作端末P1は、第2撮影手段4が生成した画像を遠隔端末RTに送信する。制御手段R1は、操作端末P1から受信した画像を表示手段R2に表示させる。これにより、遠隔参加者U2は、第2撮影手段4が撮影したものを表示手段R2で見ることができる。
【0054】
操作端末P2は、第3撮影手段7が生成した画像を遠隔端末RTに送信する。制御手段R1は、操作端末P2から受信した画像を表示手段R2に表示させる。これにより、遠隔参加者U2は、第3撮影手段7が撮影したものを表示手段R2で見ることができる。
【0055】
会議参加者U1は、操作端末P1または操作端末P2を操作することにより、表示手段1に情報を提示することができる。会議参加者U1によって操作端末P1または操作端末P2が操作されると、会議システム端末CTは、会議参加者U1が提示する情報を表示手段1に表示させる。遠隔参加者U2は、遠隔端末RTを操作することにより、表示手段1に情報を提示することができる。遠隔参加者U2によって遠隔端末RTが操作されると、会議システム端末CTは、遠隔参加者U2が提示する情報を表示手段1に表示させる。
【0056】
遠隔端末RTは、遠隔参加者U2が利用する端末である。遠隔参加者U2は、遠隔端末RTでオンラインにより会議に参加することができる。遠隔端末RTは、操作端末P1と同様のものであり、遠隔地RPに配置され、制御手段R1と、表示手段R2と、通信手段R3と、を備える。
【0057】
制御手段R1は、例えばCPUであり、遠隔端末RTの各部を制御する。表示手段R2は、例えばディスプレーであり、画像を表示する。通信手段R3は、例えば通信インターフェースであり、ネットワークNを介して会議システム端末CT、操作端末P1及び操作端末P2と通信を行う。
【0058】
なお、会議システムM1は、会議システム端末CTに代えて、操作端末を備えてもよい。この場合、該操作端末は、会議システム端末CTと同様の機能を有し、表示手段1と、第1撮影手段3と、音声入力手段MIと、配線により通信可能に接続されるが、無線により通信可能に接続されていてもよい。該操作端末は、操作端末P1と同様のものである。
【0059】
また、会議システムM1は、画像処理装置をさらに備えてもよい。この場合、該画像処理装置は、会議システム端末CTと、操作端末P1と、操作端末P2と、第1撮影手段3と、第2撮影手段4と、第3撮影手段7と、配線により通信可能に接続されるが、無線により通信可能に接続されていてもよい。
【0060】
上記画像処理装置は、第1撮影手段3が生成した画像と、第2撮影手段4が生成した画像と、第3撮影手段7が生成した画像と、のうち少なくとも2つの画像を切り替える。会議システム端末CTは、上記画像処理装置が切り替えた画像を遠隔端末RTに送信する。また、上記画像処理装置は、該少なくとも2つの画像を合成する。会議システム端末CTは、上記画像処理装置が合成した画像を遠隔端末RTに送信する。
【0061】
(固定部)
図3は、図1に示す会議システムM1が備える支持手段5の固定部52の構成を示す斜視図である。なお、図3において第2撮影手段4及び支持部51を省略している。図3に示すように、固定部52は、トレー上部521と、トレー本体522と、磁石523と、嵌合部524と、を有する。
【0062】
トレー上部521は、トレー上面を構成し、支持部51と連結される。トレー上部521は、トレー本体522上に載置され、トレー本体522の上面に嵌め込まれる底面形状を有する。トレー本体522は、トレー上部521の底面部が嵌め込まれ、トレー上部521を固定する。トレー上部521及びトレー本体522は、成形品であってもよい。トレー本体522の胴体部の側面には、コードを巻きつけるためのスリットが形成されていてもよい。該コードは、第2撮影手段4と、操作端末P1または会議システム端末CTと、を電気的に接続するためのものである。
【0063】
磁石523は、トレー上部521の底面部に取り付けられる。磁石523は、1つ以上の任意の数であってもよい。固定部52がレール22に受け入れられたときに、磁石523は、レール22に引きつけられ、レール22に固定される。磁石523は、例えばネオジウム磁石である。
【0064】
嵌合部524は、トレー本体522の底面から突出する凸部であり、嵌合部524A及び嵌合部524Bにより構成される。天板21の長手方向に延在するレール22と、天板21の上面と、の間には、該長手方向に沿って2つのスリットが形成されている。嵌合部524A及び嵌合部524Bは、該2つのスリットに別々に嵌め込まれるよう、互いに離間して設けられている。嵌合部524A及び嵌合部524Bが該2つのスリットに嵌め込まれることにより、固定部52は、磁石523がレール22に引き付けられた状態で、レール22の軌道上をスムーズに安定して移動できる。
【0065】
図1及び図3において、レール22は、天板21の長手方向に延在し、短手方向では中央付近に位置する。しかしながら、レール22は、天板21の任意の位置に設けられてもよい。具体的には、レール22は、天板21の長手方向に延在し、短手方向では一方の端部側に偏って位置してもよい。レール22は、天板21の短手方向にのみ延在し、長手方向では中央付近、または、長手方向では一方の端部側に偏って位置してもよい。レール22は、複数存在し、長手方向及び短手方向に延在してもよい。レール22は、長手方向または短手方向と直交しない方向に延在してもよい。
【0066】
図1及び図3において、レール22は、天板21の上面の内部に組み込まれる構成を説明した。しかしながら、レール22は、天板21とは別体として存在し、天板21の上面の任意の位置に載置される態様で実現されてもよい。よって、天板21の上面における任意の位置に支持手段5を設ける構成を容易に実現できる。
【0067】
〔変形例1〕
本発明の変形例1について、以下に説明する。図4は、本発明の変形例1に係る会議システムM2の構成を示す斜視図である。会議システムM2は、図1に示す会議システムM1に比べて、1つのテーブル2に代えて複数のテーブル2Aを備える点と、第3撮影手段7及び支持手段5を備えず、第2撮影手段4がテーブル2Aの天板21Aに対して設置されない点と、が異なる。第2撮影手段4は、テーブル2Aの天板21Aよりも上に配置される状態を維持しながら移動可能に設けられる。
【0068】
会議システムM2では、複数のテーブル2Aのそれぞれに対応して椅子C2が配置されている。テーブル2Aは、1人用の作業テーブルである。支持手段8の支持部81は、上側の一端において第2撮影手段4を支持する。載置部材83には、操作端末P2を載置可能である。載置部材83は、脚支柱84に支持されている。脚支柱84は、第2撮影手段4を支持する。第2撮影手段4は、操作端末P1ではなく、操作端末P2に接続される。
【0069】
〔変形例2〕
本発明の変形例2について、以下に説明する。図5は、本発明の変形例2に係る会議システムM1が備える支持手段8A,8B,8Cの構成を示す斜視図である。変形例2では、会議システムM1は、支持手段8に代えて、図5に示す支持手段8A,8B,8Cの少なくとも1つを備えてもよい。
【0070】
図5の符号101に示すように、支持手段8Aは、支持手段8に比べて、脚ベース85が脚ベース85Aに変更されている点が異なる。脚ベース85Aは、フロア面FSに沿って略水平状に延在する。脚ベース85Aは、下端にキャスターWを有する。図5の符号101において、固定部82は、操作端末P2の裏側に配置されている。
【0071】
また、脚ベース85Aには、図示しないバッテリーが搭載されている。当該バッテリーには、第3撮影手段7及び操作端末P2が接続されていてもよい。これにより、第3撮影手段7及び操作端末P2が、支持手段8Aの外部の電源に配線を介して接続される場合に比べて、支持手段8Aをフレキシブルに移動させることができる。
【0072】
図5の符号102に示すように、支持手段8Bは、支持手段8Aに比べて、支持部81、固定部82及び載置部材83を有しない点が異なる。つまり、支持手段8Bは、脚支柱84及び脚ベース85Aのみを有する。脚支柱84の上側の一端には、第3撮影手段7が固定されているが、第2撮影手段4が固定されていてもよい。図5の符号103に示すように、支持手段8Cは、支持手段8Bに比べて、脚ベース85Aが脚ベース85に変更されている点が異なる。なお、支持手段8A,8B,8Cがそれぞれ有する脚支柱84は、垂直方向に伸縮可能であってもよい。これにより、第3撮影手段7を昇降可能である。
【0073】
〔変形例3〕
本発明の変形例3について、以下に説明する。図6は、本発明の変形例3に係る会議システムM1が備えるテーブル2Bの構成を示す斜視図である。変形例3では、会議システムM1は、テーブル2に代えて、図6に示すテーブル2Bを備えてもよい。
【0074】
(テーブル)
テーブル2Bは、天板21Bと、テーブル脚23B,24Bと、案内部25Bと、足置き部26Bと、を備える。テーブル脚23B,24Bは、テーブル2Bの天板21Bを支持するとともに、上下方向に延びてフロア面FSに設置された部分である。テーブル脚23B,24Bは、テーブル脚の骨格を構成するテーブル脚本体と、テーブル脚本体を覆うカバーとを含めてテーブル脚と称することもできる。テーブル脚23B,24Bは、2本脚で構成されているが、3本脚または4本脚で構成されてもよい。
【0075】
案内部25Bは、天板21Bの上面の裏側であって、テーブル脚23Bとテーブル脚24Bとの間に設けられる。案内部25Bは、天板21Bの上面に形成されたスリット22Bに挿入された配線と、スリット22Bの端部にコンセントが設けられている場合にはコンセントからの配線と、の少なくとも一方を集積する。案内部25Bは、テーブル脚23B及びテーブル脚24Bの少なくとも一方に向かって、集積した配線を案内する。案内部25Bは、配線ダクトとして機能する。
【0076】
これにより、案内部25Bは、スリット22Bに挿入された各種配線が会議参加者U1の足に当たり、配線が意図せず引き抜かれることを低減できる。また、案内部25Bは、スリット22Bに挿入された配線を外部から遮蔽できるため、テーブル2Bの見栄えを良くでき、テーブル2Bが使用される会議空間MSの見栄えを良くできる。足置き部26Bは、会議参加者U1の足置きとして使用され、会議が長時間に及ぶ場合の会議参加者U1の疲労の蓄積を軽減できる。
【0077】
(テーブル脚の付近)
図7は、図6に示すテーブル2Bが備えるテーブル脚24Bの付近を示す斜視図である。図7に示すように、テーブル脚24Bの側壁の内側には、複数の配線WI1,WI2,WI3が敷設されていてもよい。配線WI1は、音声入力手段MIと会議システム端末CTとを電気的に接続する配線であり、配線WI2は、第2撮影手段4と会議システム端末CTとを電気的に接続する配線であり、配線WI3は、HDMI(登録商標)用の配線である。
【0078】
会議システム端末CTは、テーブル脚24Bの側壁の内側に取り付けられる。会議システム端末CTは、テーブル2B及び会議システム端末CTの寿命を延ばすため、Vesa(Video Electronics Standards Association)金具を用いた汎用的な取り付け方でテーブル脚24Bの側壁に取り付けられてもよい。
【0079】
配線27Bは、配線WI1,WI2,WI3とは別の配線であって、テーブル脚24Bの側壁の内側に取り付けられている。テーブル2Bは、コンセントを天板21Bの上面に備えてもよく、該コンセントからの配線が配線27Bであると考えてもよい。
【0080】
このように、テーブル2Bでは、配線及びパソコン本体など、テレビ会議またはビデオ会議に使用される設備がテーブル脚24Bの側壁に集積して取り付けられており、テーブル脚24Bの側壁を配線空間等として機能させている。これにより、配線及びパソコン本体などのメンテナンスが容易になる。
【0081】
(テーブル脚カバー)
図8は、図7に示すテーブル脚24Bに対して取り付けられるテーブル脚カバー241Bを説明するための図である。テーブル脚カバー241Bは、テーブル脚24Bの側壁に取り付けられ、テーブル脚24Bに取り付けられた配線WI1,WI2,WI3、会議システム端末CT及び配線27Bなどを外部から遮蔽する。また、テーブル脚カバー241Bには、複数の孔が形成されてもよく、該複数の孔を介して、会議システム端末CT等に由来する熱を外部に排出できる。
【0082】
以上により、テーブル2Bは、配線及びパソコン本体など、テレビ会議またはビデオ会議に使用される設備、さらには該設備が取り付けられるテーブル2Bの長寿命化を実現できる。また、テーブル脚24Bにテーブル脚カバー241Bが取り付けられることにより、テーブル2Bの見栄えを良くでき、テーブル2Bが使用される会議空間MSの見栄えを良くできる。
【0083】
会議システムM1,M2を、例えば、学校等の教育機関に設けられた会議のための施設に適用すれば、遠隔地RPにいる学生に対して、会議の状況を把握させ易くすることができ、該学生に教育内容を理解させ易くすることができる。このような効果は、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標4「質の高い教育をみんなに」等の達成にも貢献するものである。
【0084】
〔まとめ〕
本開示の第1の態様に係る会議システムは、会議が実施される会議空間において前記会議に参加する会議参加者と、前記会議空間から離れた遠隔地においてオンラインにより前記会議に参加する遠隔参加者と、が混在する前記会議を実施するための会議システムであって、前記会議参加者または前記遠隔参加者が提示する情報を表示可能な表示手段と、前記会議空間に配置されるテーブルと、前記テーブルを利用する前記会議参加者を撮影する第1撮影手段と、前記表示手段の表示範囲を撮影可能な第2撮影手段と、を備え、前記第2撮影手段は、前記会議空間において前記テーブルの天板よりも上に配置される状態を維持しながら移動可能に設けられる。
【0085】
第2撮影手段がテーブルの天板よりも上に配置される状態を維持しながら移動可能であるため、遠隔参加者が第2撮影手段により、会議参加者と同じ目線で物を見ることができる。したがって、遠隔参加者に対して会議の状況を把握させ易くすることができる。
【0086】
本開示の第2の態様に係る会議システムは、前記第1の態様において、前記第2撮影手段は、前記表示範囲を含む撮影対象物を撮影可能であり、前記会議参加者が前記撮影対象物を見る目線で、前記遠隔参加者が前記第2撮影手段により前記撮影対象物を見ることが可能なように、前記第2撮影手段は、前記会議空間のフロア面からの高さが所定範囲内の高さとなる領域内に配置されている。
【0087】
第2撮影手段が、所定範囲内の高さとなる領域内に配置されていることにより、会議参加者が撮影対象物を見る目線で、遠隔参加者が撮影対象物を見ることができる。よって、遠隔参加者に対して会議の状況を把握させ易くすることができる。
【0088】
本開示の第3の態様に係る会議システムは、前記第1または第2の態様において、前記第2撮影手段を支持しながら、水平移動可能な支持手段を備える。第2撮影手段を支持する支持手段が水平移動可能であることにより、第2撮影手段が撮影する撮影範囲を変更することができる。よって、遠隔参加者に対して会議空間内の様々な場所の画像を提供することができる。
【0089】
本開示の第4の態様に係る会議システムは、前記第1から第3のいずれかの態様において、前記第2撮影手段を支持するとともに、前記第2撮影手段を昇降可能な支持手段を備える。第2撮影手段を支持する支持手段が第2撮影手段を昇降可能であることにより、遠隔参加者が第2撮影手段により、会議参加者と同じ目線で物を見ることができる状態を容易に実現できる。
【0090】
本開示の第5の態様に係る会議システムは、前記第1から第4のいずれかの態様において、前記会議参加者が情報を記載するためのボードを備え、前記第2撮影手段は、前記ボードをさらに撮影可能である。第2撮影手段は、ボードをさらに撮影可能であるため、遠隔参加者に対してボードに記載された情報の画像を提供することができる。よって、遠隔参加者は、ボードに記載された情報を把握することができる。
【0091】
本開示の第6の態様に係る会議システムは、前記第1から第5のいずれかの態様において、前記会議参加者が情報を記載するためのボードと、前記ボードを撮影可能であり、前記第2撮影手段とは別の第3撮影手段と、を備える。
【0092】
会議システムは、表示手段の表示範囲を撮影可能な第2撮影手段に加えて、ボードを撮影可能な第3撮影手段を備える。このため、第2撮影手段により表示手段の表示範囲を撮影しながら、第3撮影手段によりボードを撮影することができる。よって、遠隔参加者に対して、表示手段の表示範囲の画像と、ボードに記載された情報の画像と、を同時に提供することができる。
【0093】
本開示の第7の態様に係る会議システムは、前記第1から第6のいずれかの態様において、前記第2撮影手段を旋回可能に支持することにより、前記第2撮影手段が撮影する撮影範囲を変更可能な支持手段を備える。支持手段は、第2撮影手段を旋回可能に支持することにより、第2撮影手段が撮影する撮影範囲を変更することができる。よって、遠隔参加者に対して会議空間内の様々な場所の画像を提供することができる。
【0094】
本開示の第8の態様に係る会議システムは、前記第1から第7のいずれかの態様において、前記会議空間は、壁面によって他の空間とは仕切られる空間であり、前記表示手段は、前記壁面に沿って配置されている。会議空間が壁面によって他の空間とは仕切られる空間であることにより、会議で生じる情報の秘匿性を向上することができる。また、表示手段が壁面に沿って配置されているため、会議空間を広くすることができる。
【0095】
本開示の第9の態様に係る会議システムは、前記第5または第6の態様において、前記会議空間は、壁面によって他の空間とは仕切られる空間であり、前記壁面の少なくとも一部は、前記ボードである。第2撮影手段は、壁面の少なくとも一部であるボードをさらに撮影可能であるため、遠隔参加者に対してボードに記載された情報の画像を提供することができる。よって、遠隔参加者は、ボードに記載された情報を把握することができる。
【0096】
本開示の第10の態様に係る会議システムは、前記第3、第4及び第7のいずれかの態様において、前記支持手段は、キャスターを有する脚ベースと、前記脚ベースから立設され、前記第2撮影手段を支持する脚支柱と、を有し、前記脚支柱は、垂直方向に伸縮可能である。脚ベースがキャスターを有することにより、第2撮影手段を支持する脚支柱が水平移動可能である。また、脚支柱が垂直方向に伸縮可能であることにより、第2撮影手段を昇降可能である。
【0097】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1 表示手段
2、2A、2B テーブル
3 第1撮影手段
4 第2撮影手段
5、8、8A、8B、8C 支持手段
6 ボード
7 第3撮影手段
9 壁面
11 表示範囲
21、21A、21B 天板
84 脚支柱
85、85A 脚ベース
FS フロア面
M1、M2 会議システム
MS 会議空間
RP 遠隔地
U1 会議参加者
U2 遠隔参加者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8