IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イトーキの特許一覧

特開2024-24427支持ユニット、及び撮像装置支持システム
<>
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図1
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図2
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図3
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図4
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図5
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図6
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図7
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図8
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図9
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図10
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図11
  • 特開-支持ユニット、及び撮像装置支持システム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024427
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】支持ユニット、及び撮像装置支持システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/15 20060101AFI20240215BHJP
【FI】
H04N7/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127238
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】今 健一
(72)【発明者】
【氏名】山中 彬弘
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164GA07
5C164VA05P
(57)【要約】
【課題】会議の臨場感を高めることが可能な支持ユニット等を提供する。
【解決手段】支持ユニット(3)は、上面を有するテーブル(6)に設けられており、カメラ(2)を支持する支持部(4)と、上面における任意の位置に支持部(4)を固定することが可能な固定部(5)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を有する什器に設けられる、撮像装置を支持する支持ユニットであって、
前記撮像装置を支持する支持部と、
前記上面における任意の位置に前記支持部を固定することが可能な固定部と、を備える支持ユニット。
【請求項2】
前記支持部は、前記撮像装置と前記上面との距離を調整可能な調整機構を備えている、請求項1に記載の支持ユニット。
【請求項3】
前記固定部は、前記上面と対向する底面部を備え、前記底面部に磁性材料を含む、請求項1または2に記載の支持ユニット。
【請求項4】
撮像装置と、
一端において前記撮像装置を支持する支持ユニットと、
前記支持ユニットの他端を受け入れ、該支持ユニットを移動させる軌道を規定する経路構造を有するテーブルと、を備えた撮像装置支持システム。
【請求項5】
前記経路構造は、前記支持ユニットを直線方向に移動させる軌道を規定する、請求項4に記載の撮像装置支持システム。
【請求項6】
前記経路構造は、前記テーブルの上面に形成されたスリットである、請求項4または5に記載の撮像装置支持システム。
【請求項7】
前記スリットは、前記撮像装置が有する配線を挿入可能である、請求項6に記載の撮像装置支持システム。
【請求項8】
前記スリットに挿入された前記配線を前記テーブルのテーブル脚に案内する案内部を備える、請求項7に記載の撮像装置支持システム。
【請求項9】
前記テーブル脚は、前記配線を外部から遮蔽するカバーを有する、請求項8に記載の撮像装置支持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持ユニット及び撮像装置支持システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の人が対話するときに種々の会議形式が採用される。そのような会議形式の例として、複数の遠隔地にいる複数のユーザが電子通信回線を用いて実施するweb会議形式、複数のユーザが所定の空間に集まって実施する対面式、又は、web会議形式と対面式とを併用する会議形式などが挙げられる。
【0003】
一般に、コミュニケーションを取り易い会議方式は対面式と言われている。その理由としては、相手の表情が見える、説明内容に理解を得やすい、臨場感を得やすい、情報共有が容易(同じ資料を共有する等)といった利点が挙げられる。これらの利点によって、対面式の会議は、コミュニケーションの質・量を高めることができる。
【0004】
一方で、近年、テレワークの普及に伴って、オフィスでの参加者と、オンラインを介して参加する遠隔参加者とが混在する会議形式が増加している。そのような会議形式においても、前述の利点を得るための工夫がなされている。そのような工夫を開示する文献として特許文献1~4が挙げられる。
【0005】
特許文献1は、遠隔地との間で出席者の画像を含めた会議情報の通信を行なって会議を行う遠隔会議システムの端末装置である会議装置に関し、特に装置本体とカメラとの配置のための構造を開示する。
【0006】
特許文献2は、マイクの指向性を切り替えることが可能な会議装置を開示する。
【0007】
特許文献3は、筐体に対してカメラを一定に支持する支持手段を備えたビデオ会議装置を開示する。
【0008】
特許文献4は、後端同士を対向させて配置した2台の机上に、コンピュータのディスプレー等の電気機器を、複数の者が使用しうるように、側方移動自在かつ回動自在に設置しうるようにした装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011-151536号公報
【特許文献2】特開2015-180042号公報
【特許文献3】特開2011-151536号公報
【特許文献4】実公平5-12815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1~4に開示された技術はいずれも、会議の臨場感を高める点において改善の余地が残されている。
【0011】
例えば、特許文献1の構造は、装置本体を机の上面に単に載置するだけである。この構成によると、装置本体は、机に固定されないため、横転等が発生した場合には会議の円滑な運営が妨げられるとともに、遠隔参加者は、臨場感に欠けた映像を見ざるを得なくなる。同様の課題は、特許文献2の会議装置にも指摘される。
【0012】
特許文献3のビデオ会議装置は、ステー3によってカメラ2をテーブル上の所定の位置に設置するものの、テーブル上の任意の位置にカメラ2を固定できない。そのため、特許文献3のビデオ会議装置は、ビデオ会議の遠隔参加者に対しより好適な映像(発言者の表情、テーブル上の資料/サンプル等の映像)を提供できず、そのため、会議の臨場感を高めることが困難である。
【0013】
特許文献4は、オフィスにいる複数の者の便宜のためにディスプレーをレールに沿って移動させることを開示しているのみであり、会議システムの遠隔参加者に対しより好適な映像(発言者の表情等)を提供し、会議の臨場感を高めるという構成を何ら示唆するものでもない。
【0014】
本開示の一態様は、上述した課題に鑑みなされたものであり、その目的は、会議の臨場感を高めることが可能な、支持ユニット及び撮像装置支持システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る支持ユニットは、上面を有する什器に設けられる、撮像装置を支持する支持ユニットであって、前記撮像装置を支持する支持部と、前記上面における任意の位置に前記支持部を固定することが可能な固定部と、を備える。
【0016】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る撮像装置支持システムは、撮像装置と、一端において前記撮像装置を支持する支持ユニットと、前記支持ユニットの他端を受け入れ、該支持ユニットを移動させる軌道を規定する経路構造を有するテーブルと、を備えている。
【発明の効果】
【0017】
本開示の一態様によれば、会議の臨場感を高めることが可能な、支持ユニット及び撮像装置支持システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の一態様に係る撮像装置支持システム及び支持ユニットの一適用例を説明するための図である。
図2】本開示の一態様に係る支持ユニットを説明するための図である。
図3】支持ユニットがテーブルに載置された様子を説明する図である。
図4】本開示の一態様に係る支持ユニットを説明するための図である。
図5】本開示の一態様に係るレールを説明するための図である。
図6】本開示の一態様に係るトレーを説明するための図である。
図7】本開示の一態様に係るスリットを説明するための図である。
図8】本開示の一態様に係る支持部を説明するための図である。
図9】本開示の一態様に係る支持ユニットを説明するための図である。
図10】本開示の一態様に係るテーブルを説明するための図である。
図11】本開示の一態様に係るテーブルを説明するための図である。
図12】本開示の一態様に係るテーブル脚カバーを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の一態様について、図1等を参照しながら詳細に説明する。図1は、本開示の一態様に係る撮像装置支持システム1及び支持ユニット3の一適用例を説明するための図である。図1において、XYZ座標が記載されている。X方向は、会議室10に配置されたテーブル6(後述)の長手方向を示す。Y方向は、テーブル6の短手方向を示す。Z方向は、会議室10の高さ方向を示す。「上」、「下」は、重力方向を下側、重力方向と反対側を上側とする。
【0020】
(適用例)
理解の容易のため、最初に図1を参照しつつ、本開示に係る撮像装置支持システム1の適用例を説明する。その後で、図2等を参照しつつ、撮像装置支持システム1及び支持ユニット3の詳細を説明する。
【0021】
会議室10は、一例として、撮像装置支持システム1、椅子11、ディスプレー12、壁面カメラ13、ホワイトボード14、及びメディアカート15を備える。会議室10は、会議室10内の1人以上の会議参加者と、オンラインを介して参加する1人以上の遠隔参加者とが混在する会議に使用できる。
【0022】
撮像装置支持システム1は、カメラ2と、一端においてカメラ2を支持する支持ユニット3と、支持ユニット3の他端を受け入れ、支持ユニット3を移動させる軌道を規定するレール(経路構造)7を有するテーブル6と、を備える。撮像装置支持システム1の各部の詳細、及び種々の実施形態については後述する。
【0023】
カメラ2は、例えば、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット端末、又はWebカメラ等であってよい。カメラ2は、会議室10内の会議参加者の様子、テーブル6上に載置された資料、サンプル、又はホワイトボード14に記載されたメモなどの動画及び/又は静止画を撮像(撮影)する。カメラ2は、カメラ2に内蔵されたコンピュータまたはカメラ2と通信可能に接続されたコンピュータ(図示せず)により制御され、自動的に撮影方向を変更することが可能な機能、及び/又は、自動フォーカス機能などを有していてよい。
【0024】
支持ユニット3は、支持部4と固定部5とから構成される。支持部4及び固定部5は、一体に形成されてもよいし、それぞれ別の部品から構成されてもよい。支持ユニット3は、支持部4と固定部5との連結部が周知の方法により伸縮自在に構成されてもよい。
【0025】
支持部4は、上側の一端においてカメラ2を支持し、下側の他端において固定部5と連結される。固定部5は、上側の一端において支持部4と連結され、下側の他端においてレール7に受け入れられて、レール7により規定される軌道上を移動する。詳細は後述するが、固定部5は、下側の他端において、テーブル6の上面の任意の位置に固定されてもよい。
【0026】
支持部4は、カメラ2を、水平方向(XY方向)及び上下方向(Z方向)に回動可能に支持できてよい。また、支持部4は、カメラ2とテーブル6の上面との距離を調整可能な調整機構を備えてよい。調整機構の一例として、支持部4は、胴体部を回転することによって長さを伸縮できる周知の伸縮機構を備えてよく、これにより、カメラ2とテーブル6の上面との距離を調整できる。また、後ほど図8を参照して説明する方法によって、支持部4は、カメラを水平方向(XY方向)に回動可能に支持できる。また、支持部4は、周知のヒンジ機構を介してカメラ2を支持することにより、テーブル6の上面と平行ではない方向にカメラ2の撮像方向を設定できる。このように、支持部4は、カメラ2を、水平方向(XY方向)及び上下方向(Z方向)に回動可能に支持できる。
【0027】
テーブル6は、複数人用のテーブルであってよく、特定の形状、種類に限定されない。また、テーブル6は、床からの上面高さも特に限定されない。図1の例では、テーブル6は、4人用のテーブルであり、横長の形状を有する。テーブル6の横長の方向をテーブル6の長手方向(X方向)、長手方向に対して垂直な方向をテーブル6の短手方向(Y方向)と称する。
【0028】
レール7は、一例として、テーブル6に設けられたレールであり、固定部5の下側の端部を受け入れ、支持ユニット3をX軸方向に移動させることができる。詳細は後述するが、レール7はスリットにより構成されてもよい。レール7が固定部5の下側を受け入れる構成については、図6を参照して詳細に説明する。
【0029】
椅子11は、会議室10において会議参加者が着座する。椅子11は、テーブル6の大きさに合わせて適宜の数量があってよい。椅子11は、特定の形状、種類に限定されない。
【0030】
ディスプレー12は、会議室10のY軸方向に平行な一方の壁に掛けられている。ディスプレー12は、特定のサイズ、種類に限定されない。ディスプレー12は、椅子11に着座した会議参加者が視認しやすいように、会議参加者の顔の位置に合わせた高さに設けられてよい。
【0031】
壁面カメラ13は、ディスプレー12の上方に配置され、会議室10における会議参加者を撮像する。壁面カメラ13により撮像され映像は、遠隔参加者の手元にある表示装置に表示される。壁面カメラ13は、水平方向(XY方向)及び高さ方向(Z方向)に撮像方向を調整できる。壁面カメラ13は、特定の種類、形状、大きさに限定されない。壁面カメラ13は、ディスプレー12の側方又は下方に配置されてもよい。
【0032】
ホワイトボード14は、会議室10のX軸方向に平行な一方の壁に掛けられている。ホワイトボード14は、会議室10の四面の壁に設けられてもよく、個数は任意である。ホワイトボード14は、カメラ2及びディスプレー12の少なくとも何れか一方に撮影される。ホワイトボード14は、特定の形状、種類に限定されない。
【0033】
メディアカート15は、ノート型PC、撮像装置(カメラ等)、又は資料等を載置できる。メディアカート15は、会議室10に備えられていなくてもよいし、会議室10に複数備えられていてもよい。メディアカート15は、会議室10の任意の位置に移動できる。メディアカート15は、車輪付きであってよい。メディアカート15は、床からの上面高さも特に限定されない。メディアカート15は、特定の形状、種類に限定されない。
【0034】
前記の構成によれば、会議室10にテーブル6が設けられ、支持ユニット3を介してテーブル6にカメラ2がセットされる。カメラ2は、会議室10における会議参加者によって、レール7の軌道上を任意の位置に移動できる。これにより、カメラ2は、会議室10における会議参加者の様子、ホワイトボード14に書かれたメモの内容、又はテーブル6に載置された資料、サンプル等を最適な距離及び/又は方向から撮像できる。従来の撮像装置であれば、ホワイトボードに書かれた内容を遠隔参加者に視認させること自体が容易ではなかったが、カメラ2は、ホワイトボード14の近くまで移動して、遠隔者が容易に視認できるようにホワイトボード14に書かれた内容を撮影できる。ホワイトボード14は、会議参加者間の情報整理にも頻繁に使用されるため、カメラ2を介して、会議参加者全員によりアイデアの発信又は情報整理を促進できる。
【0035】
このように、撮像装置支持システム1は、臨場感の高まりを遠隔参加者に実感させ、かつ、情報を理解し、会議参加者の納得を得やすいといった共有感を醸成しやすくできる。さらには、撮像装置支持システム1は、どのような会議室にも導入しやすいという利点もある。
【0036】
また、撮像装置支持システム1(支持ユニット3)は、カメラ2とテーブル6の上面との距離を調整可能な調整機構を備えている。これにより、カメラ2は、会議参加者と同じ目線の高さに位置決めされることによって、会議参加者と同じ目線で会議室10内の様子を撮像することもでき、その結果、遠隔参加者に対してより臨場感の高い映像を提供できる。なお、上述した調整機構は、周知の機構が使用されてもよい。
【0037】
このように、撮像装置支持システム1及び支持ユニット3は、前記の構成を備えることにより、会議の臨場感を高めることが可能である。以下、本開示の様々な実施形態を、図2等を参照して説明する。
【0038】
(磁性カバー)
図2は、本開示の一態様に係る支持ユニット23を説明するための図である。なお、図1等を参照して説明した内容についてはその説明を省略する。このことは、以降の説明についても同様である。
【0039】
支持ユニット23は、カメラ22を支持する支持部24と、テーブル20の上面における任意の位置に支持部24を固定することが可能な固定部25と、を備える。カメラ22及び支持部24は、図1に記載のカメラ2及び支持部4と同じ構成であってよい。固定部25は、支持部24を支持する構造であれば良く、特定の構造に限定されない。固定部25は、テーブル20の上面と対向する底面部25aを備え、底面部25aに磁性材料を含む。
【0040】
テーブル20は、上面にスリット(又は、レール)(不図示)が設けられ、そのスリットを覆うように磁性マット21が載置されている。磁性マット21は、少なくともその上面において、底面部25aに含まれる磁性材料と引き合う磁性材料を含む。これにより、磁性マット21は、支持ユニット23(又は、底面部25a)が載置されると、その位置に支持ユニット23を固定できる。磁性マット21は、その大きさ及び形状が適宜に決められてよい。そのため、磁性マット21の大きさ及び/又は形状を適宜調整することにより、支持ユニット23をテーブル20の上面における任意の位置に固定できる。
【0041】
テーブル20の上面に形成されたスリット(不図示)には各種の配線を挿入できる。そこで、例えばテーブル20にノート型パソコン26が載置されている場合には、ノート型パソコン26のPC配線27を磁性マット21の下方からスリット内に挿入でき、テーブル20の下方に置かれたコンセント(不図示)にPC配線27を接続できる。この構成によれば、テーブル20の上面にPC配線27が乱雑に置かれることもなく、テーブル20における作業性を高めることができる。また、PC配線27がコンパクトに収納されるため、テーブル20の見栄えもよくできる。
【0042】
コネクタ28は、テーブル20上に常時置かれていてよい。コネクタ28は、磁性マット21の下方からスリットの下方を介してテーブル20の上面に設けられる。コネクタ28は、磁性マット21の重みによって固定され、スリット内に落下することもない。このため、コネクタ28は、テーブル20の使用者がいつでも利用可能に置かれている。スリットは、カメラ22の配線が挿入されてもよい。
【0043】
次に、本開示の一態様を図3により説明する。図3は、支持ユニット23がテーブル30に載置された様子を説明する図である。テーブル30は、天面31と、テーブル脚32と、ベース33とで構成される。
【0044】
天面31は、少なくともその上面において、底面部25aに含まれる磁性材料と引き合う磁性材料を含む。天面31は、底面部25aが載置されると、その位置に固定部25を固定する。つまり、天面31は、テーブル30の上面における任意の位置に支持ユニット23を固定できる。天面31は、その大きさ及び形状が適宜に決められてよい。天面31は、一人用に限定されず、複数人が使用するサイズであってもよい。
【0045】
テーブル脚32は、その上端において天面31を支持する。テーブル脚32は、床面からの天面31の高さを調整可能なように伸縮自在に構成されてよい。
【0046】
ベース33は、テーブル脚32の下端と接続され、テーブル30を支持する。ベース33は、その形状及び/又は構造等が適宜に決められてよい。従って、図1に記載されたメディアカート15と同様に複数の車輪を有していてもよい。ベース33は、テーブル脚32と一体に形成されてよい。
【0047】
このように、支持ユニット23は、図2に記載された磁性マット21、又は図3に記載された天面31など、様々な部材(什器)の任意の位置に固定される。図3では、什器の一例としてテーブル30を用いて説明したが、本開示に係る什器は、上面を備えた、棚、陳列台、ラック、ステージ、カウンターなどであってもよい。
【0048】
テーブル20及びテーブル30の上面の任意の位置に支持ユニット23を固定することの作用効果として、次の点を挙げることができる。
【0049】
例えば、従来のテレビ会議では、遠隔参加者の立場からは、会議室内の発言者が不明、誰と誰が会話しているか不明、ホワイトボードが見えない、会議室内の発言者が何を見て、何を指さして話をしているか不明、といった様々な課題があった。これらの課題ゆえに、遠隔参加者は、リアルの会議室側の様子が分からず、取り残された印象を覚え、積極的に会議に参加することが困難であった。
【0050】
これに対して、本開示に係る支持ユニットは、テーブル20の上面の任意の位置に固定される。このため、支持ユニット23は、話者の近く、又は、ホワイトボードの近くに置かれることにより、リアルな会議室にいるような臨場感を遠隔参加者に感じさせられる。その結果、遠隔参加者は、リアルの会議室にいる参加者とスムースに情報交換もできる。このようにして、本開示に係る支持ユニットは、上記種々の課題を解決できる。
【0051】
(レール)
次に、本開示の一態様を図4により説明する。図4は、本開示の一態様に係る支持ユニット43を説明するための図である。図4に記載されたレール41及び支持ユニット43はそれぞれ、図1に記載された、レール7及び支持ユニット3と同じであってよい。レールの詳細は、後ほど図6を参照して説明する。
【0052】
図4の参照番号400に示す図を参照して、支持ユニット43は、支持部44と固定部45とから構成される。支持部44は、上側の一端においてカメラ42を支持し、下側の他端において固定部45と連結される。固定部45は、上側の一端において支持部44と連結され、下側の他端においてレール41に受け入れられる。レール41は、テーブル40の上面に設けられたレールであり、固定部45を受け入れ、支持ユニット43をテーブルの長手方向に移動させることができる。つまり、レール41は、支持ユニット43を直線方向に移動させる軌道を規定する。また、レール41は、種々の配線(カメラ42の配線など)を挿入できる。図4においてレール41が固定部45の下側を受け入れる構成については、図6を参照して詳細に説明する。
【0053】
メディアカート46は、電子機器等を載置できるテーブルであり、天面46a、レール46b、及びカート脚46cを備える。天面46aは、任意の位置にレール46bを有してよい。レール46bは、レール41と同じ形状で長さが異なるレールであってよく、固定部45を受け入れることができる。カート脚46cは、天面46aを支持する支持ベースである。
【0054】
パーソナルテーブル47は、1人用の作業テーブルであり、天面47a、レール47b、及びテーブル脚47cを備える。天面47aは、任意の位置にレール47bを有してよい。レール47bは、レール41と同じ形状で長さが異なるレールであってよく、固定部45を受け入れることができる。テーブル脚47cは、天面47aを支持する支持ベースである。
【0055】
次に、図4の参照番号410に示す図を参照して、図面中には、本開示に係る4つの支持ユニット(支持ユニット43a、支持ユニット43b、支持ユニット43c、及び支持ユニット43d)が示される。このうち、支持ユニット43cは、参照番号400を参照して説明したレール46bに受け入れられる。また、支持ユニット43dは、参照番号400を参照して説明したレール47bに受け入れられている。このように、本開示に係る支持ユニットは、様々なタイプのテーブルである、メディアカート46及びパーソナルテーブル47の上面にも固定できる。このとき、レール46bは天面46aの任意の位置に設けることができ、レール47bは天面47aの任意の位置に設けることができる。したがって、本開示に係る支持ユニットは、メディアカート46及びパーソナルテーブル47の上面の任意の位置に固定できる、とも言える。レール46b及びレール47bはそれぞれ、レールという構成ではなく、支持ユニット43c及び支持ユニット43dの底面部を嵌合する嵌合孔として構成されてもよい。
【0056】
さらに、図4の参照番号410に示す図を参照して、支持ユニット43bは、テーブル40の上面の任意の位置に固定される。例えば、上述したように、テーブル40と支持ユニット43bの底面部とが磁性材料によって互いに引き合ってもよい。あるいは、支持ユニット43bは、面ファスナー、貼り直し可能な糊、又は、両面テープ等を介してテーブル40の上面の任意の位置に固定されてもよい。これにより、支持ユニット43bは、テーブル40の上面の任意の位置に固定される。
【0057】
次に、本開示の一態様を図5により説明する。図5は、本開示の一態様に係るレール51を説明するための図である。レール51は、図4のレール41と同じレールであってよい。レール51は、テーブル50の上面に設けられ、支持ユニット53を移動させる軌道を規定する。
【0058】
このとき、レール51は、支持ユニット53に加え、トレー56a、トレー56b、及びトレー56cといった、種々のトレーを着脱可能に受け入れ、かつ、該軌道に沿ってトレーを移動させることができる。
【0059】
トレー56aは、その上面に係合部57を備え、既製品を係合可能なトレーである。係合部57は、当該既製品の底面に設けられている凹部と係合する凸部である。例えば、トレー56aは、係合部57において、360°カメラ59、又はタブレットアーム等を取り付けることができる。トレー56bは、例えば、その上面にマイク、スピーカ(指向性スピーカ等)、又はボイスレコーダ等を載置できる。トレー56cは、例えば、オーガナイザトレーであり、リモコン、又は、筆記具(マーカ、ペン等)等を収納できる。
【0060】
以上の構成によれば、レール51は、種々のトレーを着脱可能に受け入れ、かつ、レール51により規定される軌道に沿ってトレーを移動させることができる。これにより、レール51は、会議参加者にストレスを感じさせることなく、より円滑な会議運営を実現できる。これらの効果は、直接的、間接的に、会議の臨場感を高める副次的な効果を生じさせる。
【0061】
次に、テーブル50のレール51に取り付けられるトレー62の一構造例を図6により説明する。図6は、本開示の一態様に係るトレー62を説明するための図である。トレー62は、トレー上部63、トレー本体64、磁石65、及び嵌合部66により構成される。なお、レール51がトレー62を受け入れられる構成は、図1図4、及び図5を参照して説明した、レールが固定部を受け入れる構成として採用してよい。
【0062】
トレー上部63は、トレー上面を構成し、マイク、ボイスレコーダ等を載置できる。トレー上部63は、トレー本体64上に載置され、トレー本体64の上面に嵌め込まれる底面形状を有してよい。
【0063】
トレー本体64は、トレー上部63の底面部が嵌め込まれ、トレー上部63を固定する。トレー上部63(及び、トレー本体64)は、成形品であってよい。トレー本体64は、コードを巻きつけるためのスリットが胴体部の側面に形成されていてよい。
【0064】
磁石65は、トレー上部63の底面部に取り付けられる。磁石65は、1つ以上の任意の数であってよい。トレー62がレール51に受け入れられたときに、磁石65は、レール51に引きつけられ、レール51に固定される。磁石65は、一例としてネオジウム磁石である。
【0065】
嵌合部66は、トレー本体64の底面から突出する凸部であり、嵌合部66a及び嵌合部66bにより構成される。テーブル50の長手方向に延在するレール51と、テーブル50の上面との間には、該長手方向に沿って2つのスリットが形成されている。嵌合部66a及び嵌合部66bは、該2つのスリットに別々に嵌め込まれるよう、互いに離間して設けられている。嵌合部66a及び嵌合部66bが該2つのスリットに嵌め込まれることにより、トレー62は、磁石65がレール51に引き付けられた状態で、レール51の軌道上をスムースに安定して移動できる。
【0066】
図5及び図6等において、レール51は、テーブル50の長手方向に延在し、短手方向では中央付近に位置する。しかしながら、レール51は、テーブル50の任意の位置に設けられてよい。具体的に、レール51は、テーブル50の長手方向に延在し、短手方向では一方の端部側に偏って位置してもよい。レール51は、テーブル50の短手方向にのみ延在し、長手方向では中央付近、又は、長手方向では一方の端部側に偏って位置してもよい。レール51は、複数存在し、長手方向及び短手方向に延在してよい。レール51は、長手方向又は短手方向と直交しない方向に延在してもよい。
【0067】
図5及び図6等において、レール51は、テーブル50の上面内部に組み込まれる構成を説明した。しかしながら、レール51は、テーブル50とは別体として存在し、テーブル50の上面の任意の位置に載置される態様で実現されてもよい。
【0068】
以上の構成によれば、テーブル50の上面における任意の位置に支持ユニット53を設ける構成を容易に実現できる。
【0069】
(スリット)
次に、本開示の一態様を図7により説明する。図7は、本開示の一態様に係るスリット71を説明するための図である。
【0070】
スリット(経路構造)71は、テーブル70の上面に設けられた溝であり、支持ユニット73を移動させる軌道を規定する。スリット71は、テーブル70の長手方向に延在し、短手方向では中央付近に位置する。スリット71は、適宜の長さ及び幅を有してよい。
【0071】
図7に示すように、スリット71は、支持ユニット73に加え、一例として、トレー76a、トレー76b、及び係止部79を受け入れることができる。さらに、スリット71は、カメラ72のカメラ配線72a、及び、テーブル70に載置されたノート型パソコン78のPC配線78aなどの各種配線を挿入できる。従って、例えばノート型パソコン78の位置を変える場合に、PC配線78aをスリット71の軌道に沿って移動させることで、ノート型パソコン78も容易に移動できる。スリット71は、スリットの端部の少なくとも何れか一方において、テーブル70上で使用する各種の電子機器に電源を供給するコンセント80を有してもよい。
【0072】
支持ユニット73は、図1等に記載した支持ユニット3とは形状が相違するが、基本的な機能は支持ユニット3と同じである。一例として、固定部75は、スリット71内に挿入される挿入部75aが下方向に延びている。挿入部75aがスリット71に受け入れられることにより、支持ユニット73は、スリット71により規定される軌道を安定的に移動できる。支持ユニット73は、スリット71を規定するテーブル70のスリット側面の任意の位置にフック(例えば、後述のフック76c)、クランプ機構などを用いて固定されてもよい。カメラ72及び支持ユニット73については図8を参照してより詳細に説明する。
【0073】
トレー76a及びトレー76bは、トレー76a及びトレー76bの上面に物品を載置する。例えば、トレー76a及びトレー76bは、その上面に、マイク、ボイスレコーダ等の会議に使用する機材を載置する。トレー76a及びトレー76bは、そのサイズ、形状、又は材質等が適宜に決められてよい。図7では、トレー76aにマイク77が載置されている。トレー76a及びトレー76bは、スリット71を規定するテーブル70のスリット側面の任意の位置にフック76c、又はクランプ機構(不図示)などを用いて係止され、固定されてよい。
【0074】
係止部79は、各種コネクタを係止する。コネクタの一例として、電子機器の充電コネクタが考えられる。会議参加者は、会議参加中に電子機器を充電したい場合、係止部79をスリット71に沿って自分の前に移動させ、係止部79に係止された充電コネクタを充電対象とする電子機器に容易に接続できる。係止部79の一例を説明する。係止部79は、プラスチック製又は木製等であってよく、スリット71の幅より大きい直径を有する略球状に形成されている。係止部79は、コネクタの配線と略同サイズの切欠き部79aを有する。係止部79は、切欠き部79aにコネクタの配線が挿入されることで、該配線を係止する。上記の構成によれば、係止部79は、スリット71から落下することなく、かつ、コネクタをテーブル70上に留め置いた状態を維持できる。
【0075】
以上の構成によれば、スリット71は、支持ユニット73等を着脱可能に受け入れ、かつ、スリット71により規定される軌道に沿って支持ユニット73等を移動させることができる。これにより、スリット71及び支持ユニット73は、臨場感の高まりを遠隔参加者に実感させ、かつ、情報を理解し、会議参加者の納得を得やすいといった共有感を醸成しやすくできる。そして、スリット71は、会議参加者にストレスを感じさせることなく、より円滑な会議運営を実現できる。これらの効果は、直接的、間接的に、会議の臨場感を高める副次的な効果を生じさせる。
【0076】
図7において、スリット71は、テーブル70の長手方向に延在し、短手方向では中央付近に位置する。しかしながら、スリット71は、テーブル70の任意の位置に設けられてよい。つまり、スリット71は、テーブル70の長手方向に延在し、短手方向では一方の端部側に偏って位置してもよい。スリット71は、テーブル70の短手方向にのみ延在し、長手方向では中央付近、又は、長手方向では一方の端部側に偏って位置してもよい。スリット71は、複数存在し、長手方向及び短手方向に延在してよい。
【0077】
また、図7において、スリット71は、テーブル70の上面内部に組み込まれる構成を説明した。しかしながら、スリット71は、テーブル70とは別体として存在し、テーブル70の上面の任意の位置に載置される態様で実現されてもよい。
【0078】
以上の構成によれば、テーブル70の上面における任意の位置に支持ユニット73を移動させ、固定する構成を容易に実現できる。
【0079】
(支持部)
次に、本開示の一態様を図8により説明する。図8は、本開示の一態様に係る支持部82を説明するための図である。
【0080】
支持部82は、本開示に係る支持ユニットの一部を構成し、Webカメラ81を支持する部材であって、一例として、カメラ固定部83、螺合部84、支持部本体85、及びケーブル収納部86を含む。
【0081】
Webカメラ81は、撮像装置の一例であって、任意のサイズ、厚みであってよい。Webカメラ81は、Webカメラ81の側面においてカメラ固定部83に把持され、カメラ固定部83に固定される。カメラ固定部83は、そのような機能を備えるのであれば、特定の構造、形状に限定されない。
【0082】
螺合部84は、一例として、支持部本体85に固定され、かつ、支持部本体85から上方向に延びる螺子部である。螺合部84は、カメラ固定部83に形成された螺子孔(不図示)に螺合し、カメラ固定部83を固定する。
【0083】
支持部本体85は、支持部82の本体部であり、一例として樹脂成型品により形成されてよい。
【0084】
ケーブル収納部86は、支持部本体85から側方に向けて突出している。ケーブル収納部86は、ケーブル収納部86にケーブルが巻きつけられることにより、該ケーブルをコンパクトに収納できる。なお、ケーブル収納部86は、支持部本体85に設けられていなくてもよい。
【0085】
以上の構成によれば、支持部82は、カメラ固定部83と螺合部84との螺合の程度を調整することにより、Webカメラ81を横方向に回動可能に支持できる。
【0086】
次に、本開示の一態様を図9により説明する。図9は、本開示の一態様に係る支持ユニット92を説明するための図である。
【0087】
支持ユニット92は、タブレット端末90を支持する部材であって、一例として、把持部93、支持部94、及び固定部96を含む。
【0088】
タブレット端末90は、撮像装置の一例であって、任意のサイズ、厚みであってよい。タブレット端末90は、他の種類の携帯端末(スマートフォン等)であってもよい。タブレット端末90は、把持部93によって、タブレット端末90の長手方向に延びる両端部が挟み込まれ、把持部93に固定されている。タブレット端末90は、把持部93によって、タブレット端末90の短手方向に延びる両端部が挟み込まれ、把持部93に固定されてもよい。
【0089】
把持部93は、タブレット端末90を把持可能な周知の技術によって構成されてよく、上下方向及び水平方向の何れの方向にも回動可能にタブレット端末90を把持できてよい。
【0090】
固定部96は、図7を参照して説明した固定部75と同じ構成であってよい。
【0091】
以上のように、本開示に係る支持ユニットは、様々な撮像装置に好適に適用でき、かつ、撮像装置を様々な方向に向けることができる。これにより、本開示に係る支持ユニットは、臨場感の高まりを遠隔参加者に実感させ、かつ、情報を理解し、会議参加者の納得を得やすいといった共有感を醸成しやすくできる。
【0092】
(テーブル)
次に、本開示の一態様を図10により説明する。図10は、本開示の一態様に係るテーブル100を説明するための図である。
【0093】
テーブル100は、会議の遠隔参加者に対して会議の臨場感を高めることが可能な、本開示に係る支持ユニット及び撮像装置支持システムに好適に適用できる。テーブル100は、スリット101を有する上面と、テーブル脚102a及びテーブル脚102bと、案内部103と、足置き部104と、を備える。
【0094】
スリット101は、図7を参照して説明したスリット71と同じであってよい。また、スリット101は、図1を参照して説明したレール7に代替されてもよい。
【0095】
テーブル脚102a及びテーブル脚102bは、テーブル100の天板を支持すると共に、上下方向に延びて床に設置された部分である。テーブル脚102a及びテーブル脚102bは、テーブル脚の骨格を構成するテーブル脚本体と、テーブル脚本体を覆うカバーとを含めてテーブル脚と称することもできる。テーブル脚102a及びテーブル脚102bは、2本脚で図示されているが、3本脚又は4本脚であってもよい。テーブル脚の変形例については、図11図12を参照してより詳しく説明する。
【0096】
案内部103は、テーブル上面の裏側であって、テーブル脚102aとテーブル脚102bとの間に設けられる。案内部103は、スリット101に挿入された配線、及び/又は、スリット101の端部にコンセントが設けられている場合(図7のコンセント80参照)にはコンセント80からの配線を集積し、テーブル脚102a及びテーブル脚102bの少なくとも一方の方向に配線を案内する。案内部103は、配線ダクトとして機能する。
【0097】
これにより、案内部103は、スリット101に挿入された各種配線が会議参加者の足に当たり、配線が意図せず引き抜かれるといった事故を防止できる。また、案内部103は、スリット101に挿入された配線を外部から遮蔽できるため、テーブル100、及び、テーブル100が使用される会議室の見栄えを良くできる。
【0098】
足置き部104は、会議参加者の足置きとして使用され、会議が長時間に及ぶ場合の会議参加者の疲労の蓄積を軽減できる。
【0099】
次に、本開示の一態様を図11により説明する。図11は、本開示の一態様に係るテーブル110を説明するための図である。
【0100】
テーブル110は、テーブル脚112a及びテーブル脚112b(不図示)と、案内部113と、足置き部114とを含む。案内部113及び足置き部114はそれぞれ、図10を参照して説明した案内部103及び足置き部104と同じであってよい。
【0101】
テーブル脚112aは、テーブル脚112aの側壁(内側)に複数の配線116が敷設されている。図11に示す例では、配線116は、配線116a、配線116b、及び配線116cから構成される。一例として、配線116aはマイク用の配線、配線116bはカメラ用の配線、配線116cはHDMI(登録商標)用の配線である。
【0102】
会議システム端末117は、例えば、テレビ会議システム又はビデオ会議システムの端末として使用されるパソコン本体であり、テーブル脚112aの側壁に取り付けられるとともに、配線116が接続される。会議システム端末117は、テーブル110及び会議システム端末117の寿命を延ばすため、Vesa(Video Electronics Standards Association)金具を用いた汎用的な取り付け方でテーブル脚112aの側壁に取り付けられてよい。
【0103】
配線118は、配線116とは別の配線であって、テーブル脚112aの側壁に取り付けられている。テーブル110は、図7のコンセント80と同様のコンセントを上面に備えてよく、そのコンセントからの配線が配線118であると考えてもよい。
【0104】
このように、本開示に係るテーブル110では、配線及びパソコン本体など、テレビ会議又はビデオ会議に使用される設備がテーブル脚112aの側壁に集積して取り付けられており、テーブル脚112aの側壁を配線空間等として機能させている。これにより、配線及びパソコン本体などのメンテナンスが容易になる。続いて、テーブル脚112aの側壁に取り付けられるカバーを図12により説明する。
【0105】
図12は、本開示の一態様に係るテーブル脚カバー120を説明するための図である。図11を参照して説明した内容は、その説明を省略する。
【0106】
テーブル脚カバー120は、テーブル脚112aの側壁に取り付けられ、テーブル脚112aに取り付けられた配線及びパソコン本体などを外部から遮蔽する。さらに、テーブル脚カバー120は、複数の孔を有してよく、その複数の孔を介して、会議システム端末117(不図示)等に由来する熱を外部に排出できる。
【0107】
以上の構成によれば、本開示に係るテーブル110は、配線及びパソコン本体など、テレビ会議又はビデオ会議に使用される設備、さらには当該設備を取り付けるテーブル110の長寿命化を実現できる。さらに、テーブル110は、テーブル脚112aにテーブル脚カバー120を取り付けることにより、テーブル110、及び、テーブル110が使用される会議室の見栄えを良くできる。
【0108】
〔まとめ〕
本開示の第1の態様に係る支持ユニットは、上面を有する什器に設けられる、撮像装置を支持する支持ユニットであって、前記撮像装置を支持する支持部と、前記上面における任意の位置に前記支持部を固定することが可能な固定部と、を備えている。
【0109】
前記の構成によれば、本支持ユニットは、上面の任意の位置に固定されることにより、会議の遠隔参加者に対して、より好適な映像(発言者の表情、テーブル上の資料/サンプル等の映像)を提供できる。これにより、本支持ユニットは、遠隔参加者に対して会議の臨場感を高めることができる。
【0110】
加えて、本支持ユニットは、遠隔参加者を含む会議の参加者全員に対して、同じ資料を見せ、誰が何を話しているかを容易に把握させられるため、高い共有感を与えることができる。さらに、本支持ユニットは、上面の任意の位置に固定されることで、横転等を防止しつつ、同時に什器の上面における作業性を改善できる。
【0111】
また、本開示の第2の態様に係る支持ユニットにおいては、前記第1の態様において、前記支持部は、前記撮像装置と前記上面との距離を調整可能な調整機構を備えている。
【0112】
前記の構成によれば、前記支持部は、前記什器の上面からの前記撮像装置の高さも調整できる。それゆえ、前記固定部は、水平方向に加え、高さ方向においても前記撮像装置を任意の位置に固定でき、会議の臨場感をさらに高めることができる。
【0113】
また、本開示の第3の態様に係る支持ユニットにおいては、前記第1又は第2の態様において、前記固定部は、前記上面と対向する底面部を備え、前記底面部に磁性材料を含んでいる。
【0114】
例えば、前記什器の上面の任意の位置に、前記底面部に含まれた磁性材料と引き合う他の磁性材料が含まれている構成を考える。この構成において、前記上面の任意の位置に前記支持部を載置するだけで、磁性材料が互いに引き合う力を利用して前記支持部を前記上面に固定できる。あるいは、前記底面部に含まれた磁性材料と引き合う他の磁性材料を含む什器カバーが前記上面に設けられた構成を考える。この構成においても、前記上面の任意の位置に前記支持部を載置するだけで、磁性材料が互いに引き合う力を利用して前記支持部を前記上面に固定できる。
【0115】
このように、前記の構成によれば、前記上面における任意の位置に前記支持部を容易に固定できるため、会議参加者に高い臨場感を与えやすくなる。
【0116】
本開示の第4の態様に係る撮像装置支持システムは、撮像装置と、一端において前記撮像装置を支持する支持ユニットと、前記支持ユニットの他端を受け入れ、該支持ユニットを移動させる軌道を規定する経路構造を有するテーブルと、を備える。
【0117】
前記の構成によれば、本撮像装置支持システムは、前記経路構造によって前記支持ユニットを前記軌道に沿って移動させられる。これにより、本撮像装置支持システムは、会議の遠隔参加者に対して、より好適な映像(発言者の表情、テーブル上の資料/サンプル等の映像)を提供でき、遠隔参加者に対して会議の臨場感を高めることができる。
【0118】
加えて、本撮像装置支持システムは、遠隔参加者を含む会議の参加者全員に対して、同じ資料を見せ、誰が何を話しているかを容易に把握させられるため、高い共有感を与えることができる。さらに、本撮像装置支持システムは、前記支持ユニットを前記軌道に沿って移動させられるため、横転等を防止しつつ、同時にテーブルの上面における作業性を改善できる。
【0119】
また、本開示の第5の態様に係る撮像装置支持システムにおいては、前記第4の態様において、前記経路構造は、前記支持ユニットを直線方向に移動させる軌道を規定する。
【0120】
前記の構成によれば、前記経路構造は、例えば、複数人が使用するテーブルの長手方向に亘って直線方向に設けられる。これにより、撮像装置を支持する支持ユニットは、テーブルに着座する複数の会議参加者のうち発話者の位置近辺に迅速に移動でき、会議の遠隔参加者に対して、より好適な映像(発言者の表情、テーブル上の資料/サンプル等の映像)を素早く提供できる。このようにして、前記経路構造は、遠隔参加者に対して会議の臨場感を高めることができる。
【0121】
また、本開示の第6の態様に係る撮像装置支持システムにおいては、前記第4又は第5の態様において、前記経路構造は、前記テーブルの上面に形成されたスリットである。
【0122】
前記の構成によれば、例えば前記スリットに前記支持ユニットが受け入れられることにより、支持ユニットを前記スリットに沿って移動させることができる。前記スリットは、その幅、長さ、及び/又は形成される方向が適宜に決められてよい。
【0123】
また、本開示の第7の態様に係る撮像装置支持システムにおいては、前記第6の態様において、前記スリットは、前記撮像装置が有する配線を挿入可能である。
【0124】
前記の構成によれば、前記撮像装置の配線が前記テーブルに置かれた資料、サンプル等に衝突することもなく、テーブル上の作業性及び会議の円滑な進行を促進できる。
【0125】
また、本開示の第8の態様に係る撮像装置支持システムにおいては、前記第7の態様において、前記スリットに挿入された前記配線を前記テーブルのテーブル脚に案内する案内部を備える。
【0126】
前記の構成によれば、前記案内部は、前記スリットに挿入された前記配線を前記テーブル脚に集約できる。これにより、会議参加者は、足元の配線を気にすることなく会議に集中できる。また、前記配線を前記テーブル脚に集約することにより、前記テーブルの審美性を高めることができる。
【0127】
また、本開示の第9の態様に係る撮像装置支持システムにおいては、前記第8の態様において、前記テーブル脚は、前記配線を外部から遮蔽するカバーを有する。
【0128】
前記の構成によれば、前記カバーによって前記配線そのものが外部から遮蔽されるため、前記テーブルの審美性をさらに高めることができる。
【0129】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、それぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0130】
1 撮像装置支持システム
2、22、42、72、81 カメラ
3、23、43、43a、43b、43c、43d、53、73、92 支持ユニット
4、24、44、82、94 支持部
5、25、45、75、96 固定部
6、20、30、40、50、70、100、110 テーブル
7、41、46b、47b、51 レール(経路構造)
14 ホワイトボード
21 磁性マット
25a 底面部
66、66a、66b 嵌合部
71、101 スリット(経路構造)
83 カメラ固定部
84 螺合部
85 支持部本体
90 タブレット端末
103、113 案内部
120 テーブル脚カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12