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特開2024-24437商品販売データ処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024437
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240215BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
G07G1/12 321N
G07G1/01 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127260
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 英行
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142CA12
3E142DA07
3E142EA04
3E142EA23
3E142FA18
3E142FA31
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、適用する商品の数量を制限したクーポンを適切に使用することが可能な商品販売データ処理装置及びプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の商品販売データ処理装置は、顧客が購入する商品を識別可能な情報と当該商品の数量とを関連付けて登録する登録手段と、前記登録手段で登録された商品の中から、クーポンを適用する対象商品を指定する操作を受け付ける第1受付手段と、前記対象商品の数量が前記クーポンを適用可能な数量の範囲内の場合、前記対象商品の全てに前記クーポンを適用する適用手段と、前記対象商品の数量が前記クーポンを適用可能な数量の範囲外の場合、前記クーポンを適用する前記対象商品の数量を指定する操作を受け付ける第2受付手段と、を備え、前記適用手段は、指定された前記対象商品の数量が前記範囲内の場合、当該数量分の前記対象商品に前記クーポンを適用する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入する商品を識別可能な情報と当該商品の数量とを関連付けて登録する登録手段と、
前記登録手段で登録された商品の中から、クーポンを適用する対象商品を指定する操作を受け付ける第1受付手段と、
前記対象商品の数量が前記クーポンを適用可能な数量の範囲内の場合、前記対象商品の全てに前記クーポンを適用する適用手段と、
前記対象商品の数量が前記クーポンを適用可能な数量の範囲外の場合、前記クーポンを適用する前記対象商品の数量を指定する操作を受け付ける第2受付手段と、
を備え、
前記適用手段は、指定された前記対象商品の数量が前記範囲内の場合、当該数量分の前記対象商品に前記クーポンを適用する、商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記登録手段によって登録された商品の各々を、前記数量及び前記クーポンの適用有無を示す情報と関連付けて表示部に表示させる表示制御手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記第2受付手段が受け付けた操作によって前記対象商品が、前記クーポンを適用する適用商品と、前記クーポンの非適用とする非適用商品とに区分された場合、前記適用商品と前記非適用商品とを区分して前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記対象商品の数量が前記クーポンを適用可能な数量の範囲外の場合、前記クーポンを適用する前記対象商品の数量を指定することが可能な操作画面を前記表示部に表示させ、
前記第2受付手段は、前記操作画面を介して指定された数量を受け付ける、
請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、指定可能な数量を、前記クーポンを適用可能な数量の範囲内に制限した前記操作画面を前記表示部に表示させる、
請求項3に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記クーポンによって適用される特典内容と、当該クーポンを適用可能な数量とをクーポン情報として保持するコードシンボルから、前記クーポン情報を読み取る読取手段を更に備え、
前記適用手段は、前記読取手段が読み取った前記クーポン情報に基づいて、前記対象商品の数量と前記クーポンを適用可能な数量とを比較する、
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
商品願倍データ処理装置のコンピュータを、
顧客が購入する商品を識別可能な情報と当該商品の数量とを関連付けて登録する登録手段と、
前記登録手段で登録された商品の中から、クーポンを適用する対象商品を指定する操作を受け付ける第1受付手段と、
前記対象商品の数量が前記クーポンを適用可能な数量の範囲内の場合、前記対象商品の全てに前記クーポンを適用する適用手段と、
前記対象商品の数量が前記クーポンを適用可能な数量の範囲外の場合、前記クーポンを適用する前記対象商品の数量を指定する操作を受け付ける第2受付手段と、
して機能させ、
前記適用手段は、指定された前記対象商品の数量が前記範囲内の場合、当該数量分の前記対象商品に前記クーポンを適用する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を販売する店舗では、販売促進のためのサービスとして、商品の値引き又は割引等の特典を規定したクーポンを配布することが行われている。近時では、上述したクーポンをバーコード等のコードシンボルの形態でスマートフォンに配信し、当該コードシンボルをPOS(Point Of Sales)端末等の商品販売データ処理装置で読み取ることで、特典を付与することも行われている。例えば、1品だけ割引を適用する等の、クーポンを適用可能な商品の数量を制限したクーポン(以下、数量制限クーポンともいう)を配布又は配信することも行われている。
【0003】
また、上述した商品販売データ処理装置では、顧客が購入する商品の会計処理に先駆けて、当該商品を識別可能な情報と購入する数量とを関連付けて記憶(登録)する登録処理が行われている。登録された商品はその数量等とともに商品販売データ処理装置の表示部に表示される。
【0004】
顧客は、クーポンを使用する場合、会計処理の開始前にクーポンを店員等のオペレータに提示する。オペレータは、クーポンを示す情報を商品販売データ処理装置に入力し、表示部に表示された商品の中から適用対象の商品(以下、対象商品ともいう)を選択することで、当該対象商品の値引き又は割引が行われる。
【0005】
しかしながら、従来の商品販売データ処理装置では、数量制限クーポンを適切に使用することができない可能性があった。例えば、複数の数量が登録された商品が対象商品に選択された状態で、当該数量未満に適用数が制限された数量制限クーポンが提示された場合、対象商品の数量を変更することができず、全ての対象商品にクーポンを適用してしまう可能性があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、適用する商品の数量を制限したクーポンを適切に使用することが可能な商品販売データ処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の商品販売データ処理装置は、顧客が購入する商品を識別可能な情報と当該商品の数量とを関連付けて登録する登録手段と、前記登録手段で登録された商品の中から、クーポンを適用する対象商品を指定する操作を受け付ける第1受付手段と、前記対象商品の数量が前記クーポンを適用可能な数量の範囲内の場合、前記対象商品の全てに前記クーポンを適用する適用手段と、前記対象商品の数量が前記クーポンを適用可能な数量の範囲外の場合、前記クーポンを適用する前記対象商品の数量を指定する操作を受け付ける第2受付手段と、を備え、前記適用手段は、指定された前記対象商品の数量が前記範囲内の場合、当該数量分の前記対象商品に前記クーポンを適用する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るPOS端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るPOS端末の機能構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るPOS端末の表示部に表示される商品登録画面の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るPOS端末の表示部に表示される商品登録画面の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るPOS端末の表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るPOS端末の表示部に表示される数量指定画面の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るPOS端末の表示部に表示される商品登録画面の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係るPOS端末の表示部に表示される取引訂正画面の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係るPOS端末の表示部に表示される訂正操作画面の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態のPOS端末が行う商品の登録及び会計に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態のPOS端末が行う取引の訂正に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態の商品販売データ処理装置及びプログラムについて説明する。以下では、スーパーマーケット等の店舗に設けられるPOS端末を商品販売データの一例として説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、実施形態に係るPOS端末1のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示すように、POS端末1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部であるメモリ部14等を備えている。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにデータバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13とメモリ部14が、制御部100を構成する。
【0011】
CPU11は、POS端末1の制御主体となる。ROM12は、CPU11の処理手順を記述したプログラムや、CPU11が各種の処理を実行する上で必要なデータ等を記憶している。
【0012】
RAM13は、CPU11が各種の処理を実行する上で必要なデータを必要に応じて記憶する。例えばRAM13には、表示部17で表示する画像を表す画像情報が記憶される。また、RAM13は、CPU11が各種の処理を行う際のワークエリアとしても利用される。
【0013】
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。メモリ部14は、CPU11が実行可能な各種の制御プログラム141や各種の設定情報等を記憶する。
【0014】
また、メモリ部14は、商品マスタ142を記憶する。商品マスタ142は、店舗で販売される商品に関する情報を記憶するマスタファイルである。例えば、商品マスタ142は、商品コードに関連付けて、当該商品コードに対応する商品の商品名、単価等の商品情報を記憶する。ここで、商品コードは、商品の種別を識別可能な商品識別情報の一例である。商品コードは、例えばJAN(Japanese Article Number)コード等を用いることができる。商品名は、商品の名称である。単価は、商品の1個当たり又は1単位当たりの値段である。
【0015】
また、メモリ部14は、取引管理ファイル143を記憶する。取引管理ファイル143は、POS端末1で行われた商品登録及び会計処理の内訳を示す取引データを、一取引の単位で記憶・管理するためのデータファイルである。例えば、取引管理ファイル143は、各取引を識別可能な取引番号に関連付けて、当該取引番号に対応する取引の取引データを記憶する。取引データは、例えば、当該取引で登録された各商品の商品コード、商品名、単価、数量、値割引値、及び金額等を含む登録データの他、当該商品の合計金額や支払金額、釣銭額等の情報を含む。値割引値及び金額については後述する。
【0016】
また、データバス15には、データの入出力を制御するI/Oコントローラ16が接続される。I/Oコントローラ16には、表示部17、操作部18、読取部19、及び印字部20等が接続される。
【0017】
表示部17は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスで構成される。表示部17は、CPU11の制御の下、各種の情報を表示する。操作部18は、キーボード、ポインティングデバイス等を有する。操作部18は、店員等の操作者から受け付けた操作内容をCPU11に出力する。なお、操作部18は、表示部17の表示画面に設けられるタッチパネルであってもよい。
【0018】
読取部19は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを読み取ることが可能な読取装置である。読取部19は、例えば、レーザ方式で読み取りを行う読取装置であってもよいし、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いて読み取りを行う撮像装置であってもよい。
【0019】
読取部19は、商品に付されたコードシンボルから当該商品を識別可能な商品コードを読み取り、読み取った商品コードをCPU11に出力する。また、読取部19は、コードシンボルの形態で表されたクーポンからクーポン情報を読み取り、読み取ったクーポン情報をCPU11に出力する。ここで、クーポンは、例えば顧客が所持するスマートフォン等の形態端末に表示されたものであってもよいし、広告やレシート等の紙媒体に印刷されたものであってもよい。
【0020】
クーポン情報には、例えば、値引き額や割引率等の特典内容を示す情報が含まれる。また、適用可能な商品の数量を制限したクーポン(以下、数量制限クーポンともいう)のクーポン情報には、適用可能な商品数量の上限数等、数量を制限する情報も含まれる。なお、数量制限クーポン以外のクーポンは、制限する数量を無制限とした数量制限クーポンとも言い換えることもできる。
【0021】
印字部20は、サーマルプリンタ等の印字装置である。印字部20は、CPU11の制御の下、会計処理の終了時等に取引の内容を示したレシートを印字する。
【0022】
また、データバス15には、通信部21が接続される。通信部21は、図示しない通信回線を介して上位サーバや各種周辺機器等の外部装置と通信を行う。
【0023】
なお、POS端末1のハードウェア構成は、図1の例に限らないものとする。例えば、POS端末1は、例えば、POS端末1は、紙幣及び硬貨の受付と、釣銭の払い出しを行うことが可能な釣銭機を備えてもよい。また、POS端末1は、クレジットカードによるクレジット決済を実行することが可能なクレジット決済装置を備えてもよい。また、POS端末1は、非接触型の電子マネーカード等が備えるICタグから情報の読み取りを行うことが可能なリーダライタ装置を備えてもよい。
【0024】
次に、図2を参照して、POS端末1の機能構成について説明する。図2は、POS端末1の機能構成の一例を示す図である。図2に示すように、POS端末1は、読取制御部101と、登録処理部102と、表示制御部103と、クーポン適用部104と、会計処理部105と、取引訂正部106とを機能構成として備える。
【0025】
具体的には、POS端末1の制御部100(CPU11)は、メモリ部14に記憶された制御プログラム141を実行することで上述した機能構成を実現する。なお、本実施形態では、上述の機能構成は、POS端末1のプロセッサとプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成とするが、これに限らず、機能構成の一部又は全てを専用回路等で実現するハードウェア構成としてもよい。
【0026】
読取制御部101は、読取手段の一例である。読取制御部101は、読取部19と協働することで、コードシンボルから情報の読み取りを行う。例えば、読取制御部101は、商品に付されたコードシンボルから商品コードを読み取る。また、読取制御部101は、クーポンを表すコードシンボルからクーポン情報を読み取る。
【0027】
登録処理部102は、登録手段の一例である。登録処理部102は、顧客が購入する商品の登録処理を実行する。具体的には、登録処理部102は、読取制御部101により商品コードが読み取られると、当該商品コードに対応する商品の商品情報を商品マスタ142から読み出し、読み出した商品情報を商品コード、数量等とともに登録データとしてRAM13等に登録(記憶)する。
【0028】
ここで、数量は、登録データの単位で管理する、同一の商品コードに対応する商品の数量(点数)である。例えば、数量は、商品コードの読み取り時に、操作部18を介して入力される。また、数量は、同一商品コードの商品が読み取られる度に、登録処理部102が、当該商品コードに関連付けられた数量に1を加算することで計上されるものであってもよい。なお、数量のデフォルト値は1であるとする。
【0029】
表示制御部103は、表示制御手段の一例である。表示制御部103は、表示部17に表示する画面を制御する。具体的には、表示制御部103は、他の機能構成と協働することで、POS端末1の操作を支援するための各種の画面を表示部17に表示させる。例えば、表示制御部103は、登録処理部102が登録した登録データに基づき、登録された各商品の商品名や数量や金額等を表した画面を表示部17に表示させる。また、例えば、表示制御部103は、クーポン適用部104や会計処理部105、取引訂正部106等と協働することで、商品の取引に係る各種の画面を表示部17に表示させる。
【0030】
クーポン適用部104は、第1受付手段、適用手段及び第2受付手段の一例である。クーポン適用部104は、クーポンの適用に係る処理を実行する。具体的には、クーポン適用部104は、読取制御部101によりクーポン情報が読み取られると、当該クーポン情報で規定された値引き額又は割引率の特典を対象となる商品に適用する。
【0031】
例えば、クーポン情報に含まれる特典内容が値引き額を規定するものである場合、クーポン適用部104は、クーポンの適用対象となる商品の単価から、クーポン情報に規定された値引き額を減算する。また、例えば、クーポン情報に含まれる特典内容が割引率を規定するものである場合、クーポン適用部104は、クーポンの適用対象となる商品の単価に割引率を乗算して導出した金額を、当該商品の単価から減算する。
【0032】
また、本実施形態では、クーポンの適用対象となる商品は操作者により選択されるものとする。操作者が、クーポンのコードシンボルとともに表示された対象商品の商品名等を示す情報に基づき、登録された商品の中からクーポンの適用対象とする商品(以下、対象商品ともいう)を選択する。この場合、例えば、クーポン適用部104は、読取制御部101によりクーポン情報が読み取られると、表示制御部103と協働することで、登録された商品の中から、対象商品を選択可能な画面を表示部17に表示させる。そして、操作者により対象商品が選択されると、当該対象商品にクーポン情報に規定された値引きや割引の特典を適用する。以下、クーポン情報に規定された特典を適用することを、クーポンを適用するともいう。
【0033】
ところで、例えば、複数の数量が登録された商品が対象商品に選択された状態で、数量制限クーポンが顧客から提示されるような場合がある。この場合、クーポン適用部104は、対象商品の数量と、数量制限クーポンのクーポン情報に規定された適用可能な数量とを比較し、対象商品の数量が制限の範囲内か否かを判定する。ここで、対象商品の数量が制限の範囲内の場合、クーポン適用部104は、対象商品の全てにクーポンを適用する。
【0034】
一方、対象商品の数量が制限の範囲外の場合、クーポン適用部104は、表示制御部103と協働することで、クーポンを適用する対象商品の数量を指定することが可能な画面を表示部17に表示させる。そして、クーポン適用部104は、制限の範囲内の数量が操作者により指定されると、指定された数量分の対象商品にクーポンを適用する。
【0035】
以下、図3図7を参照して、上述したクーポン適用部104の動作例について説明する。図3図4は、POS端末1の表示部17に表示される商品登録画面の一例を示す図である。図3図4に示すように、商品登録画面Gaは、第1表示領域Faと、第2表示領域Fbと、第3表示領域Fcとを有する。
【0036】
第1表示領域Faは、直前に登録された商品に関する情報を表示するための領域である。具体的には、第1表示領域Faには、登録された商品の商品名、数量、単価、金額等が表示される。金額は、1の登録データに登録された数量分の商品の金額を意味する。例えば、値割引値がゼロ(空)の商品については、商品の単価に数量を乗算した金額を意味する。また、値割引値に数値が設定された商品については、当該数値に基づく値引き又は割引後の単価に数量を乗算した金額を意味する。なお、値割引値は、クーポンの適用有無を示す情報の一例である。
【0037】
第2表示領域Fbは、登録された商品に関する情報を一覧表示するための領域である。第2表示領域Fbは、第1表示領域Faと同様、登録された商品の商品名、数量、単価、値割引値、及び金額等を表示するための表示欄を有する。「値割引値」欄には、商品の単価に適用される値引き額(円)又は割引率(%)を表す情報が表示される。なお、「No.」欄には、登録が行われた順序を示す数値が表示される。
【0038】
図3では、第2表示領域Fbの「No.1」に表示された商品Aが登録された後、第1表示領域Faに表示された商品Bの登録が行われた状態を示している。この後、商品Cの登録が行われると、図4に示すように、図3の第1表示領域Faに表示されていた商品Bに関する情報が、第2表示領域Fbの「No.2」に移動され、新たに登録された商品Cに関する情報が第1表示領域Faに表示される。なお、第1表示領域Faから第2表示領域Fbへの移動は、新たな商品が登録された場合に限らないものとする。例えば、図示しない小計キー等が操作されたことをトリガに、第1表示領域Faから第2表示領域Fbへの移動が行われるようにしてもよい。
【0039】
第3表示領域Fcは、登録された商品の合計点数と、合計金額とを表示するための領域である。なお、合計点数及び合計金額の算出は、登録処理部102が行ってもよいし、表示制御部103等の他の機能部が行ってもよい。
【0040】
ここで、例えば、図4の第2表示領域Fb、「No.2」に表示された商品Bをクーポンの適用対象とする場合、操作者は、第2表示領域Fbから商品Bを選択する。表示制御部103は、商品Bの選択操作を受け付けると、図5に示すように、商品Bの登録内容に関する操作を受け付けることが可能な操作画面Gbを表示部17に表示させる。
【0041】
図5は、POS端末1の表示部17に表示される操作画面Gbの一例を示す図である。図5に示すように、操作画面Gbは、登録された商品の登録内容として、商品名(商品B)や、商品コード(XXXXXXXXXX)、数量、単価、値割引値、金額等が表示される表示領域Fdを有する。また、操作画面Gbは、「取消」ボタンBa、「数量変更」ボタンBb、「売変」ボタンBc、「値引」ボタンBd、「割引」ボタンBe、「キャンセル」ボタンBf、「OK」ボタンBg等の各種の操作子を有する。
【0042】
ここで、「取消」ボタンBaは、登録の取り消しを指示するため操作子である。「取消」ボタンBaが操作されると、登録処理部102は、操作の対象となった商品の登録データを削除する。
【0043】
「数量変更」ボタンBbは、数量の変更を指示するため操作子である。「数量変更」ボタンBbが操作されると、登録処理部102は、表示制御部103と協働することで、操作の対象となった商品の数量を変更可能な状態とする。そして、登録処理部102は、変更後の数量が入力されると、当該数量に基づいて金額の再計算を行い、その結果を反映する。
【0044】
「売変」ボタンBcは、単価の変更を指示するため操作子である。「売変」ボタンBcが操作されると、登録処理部102は、表示制御部103と協働することで、操作の対象となった商品の単価を変更可能な状態とする。そして、登録処理部102は、変更後の数単価が入力されると、当該単価に基づいて金額の再計算を行い、その結果を反映する。
【0045】
「値引」ボタンBd、「割引」ボタンBeは、値引き額又は割引率を直接指定するための操作子である。「値引」ボタンBd又は「割引」ボタンBeが操作されると、登録処理部102は、表示制御部103と協働することで、操作の対象となった商品の値割引値欄を入力(又は変更)可能な状態とする。そして、登録処理部102は、入力された値引き額又は割引率に基づいて金額の再計算を行い、その結果を第2表示領域Fbに反映させる。
【0046】
「キャンセル」ボタンBfは、商品選択のキャンセルを指示するための操作子である。「キャンセル」ボタンBfが操作されると、表示制御部103は、操作画面Gbを消去し、元の画面に表示を戻す。「OK」ボタンBgは、変更操作の適用を指示するための操作子である。「OK」ボタンBgが操作されると、登録処理部102は、ボタンBb~Beの操作で変更された登録内容を、該当する商品のレコードに反映する。また、登録処理部102は、変更後の登録内容に基づいて該当する商品の金額を更新するととともに、取引全体の合計金額を更新する。
【0047】
POS端末1の操作者は、クーポンを適用する場合、操作画面Gbで対象商品を選択した後、当該クーポンのコードシンボルを読取部19に読み取らせる。クーポンのコードシンボルからクーポン情報が読み取られると、クーポン適用部104は、クーポン情報に商品の数量を制限する情報が規定されているか否かを判定する。数量制限が規定されていない場合、クーポン適用部104は、対象商品の全てにクーポンを適用し、商品登録画面Gaに表示を戻す。この場合、第2表示領域Fbに表示される対象商品の値割引値欄には、適用した特典内容の値引額又は割引率が表示される。
【0048】
また、クーポンから読み取られたクーポン情報に上限数が規定されていた場合、つまり数量制限クーポンが読み取られた場合、クーポン適用部104は、対象商品の数量と、クーポン情報に規定された数量とを比較し、対象商品の数量が制限の範囲内か否かを判定する。ここで、対象商品の数量が制限の範囲内の場合には、クーポン適用部104は、対象商品の全てにクーポンを適用し、商品登録画面Gaに表示を戻す。この場合、第2表示領域Fbに表示される対象商品の値割引値欄には、適用した特典内容の値引額又は割引率が表示される。
【0049】
一方、対象商品の数量が制限の範囲外となる場合、クーポン適用部104は、表示制御部103と協働し、図6に示す、数量指定画面Gcを表示部17に表示させる。
【0050】
図6は、POS端末1の表示部17に表示される数量指定画面Gcの一例を示す図である。図6に示すように、数量指定画面Gcは、表示領域Fdと同様の情報を表示するための表示領域Feを有する。
【0051】
ここで、表示領域Feの「数量」欄は、操作部18を介して数値を変更することが可能となっている。操作者は、数量制限クーポンの上限値等に基づき、クーポンを適用する対象商品の数量を「数量」欄に入力する。なお、表示制御部103は、クーポン適用部104と協働することで、入力される数量が制限の範囲内となるように、入力可能な数量を制限してもよい。
【0052】
また、数量指定画面Gcは、「キャンセル」及び「OK」等の各種の操作子(ボタン)を有する。「キャンセル」ボタンBhは、クーポン(数量制限クーポン)の適用をキャンセルするための操作子である。「キャンセル」ボタンBhが操作されると、表示制御部103は、数量指定画面Gcを消去し、商品登録画面Gaに表示を戻す。
【0053】
「OK」ボタンBiは、「数量」欄に入力された数値を、クーポンを適用する商品の数量とすることを指示するための操作子である。「OK」ボタンBiが操作されると、クーポン適用部104は、「数量」欄に入力された数量分の対象商品にクーポン情報で指示された値引きや割引の特典を適用し、商品登録画面Gaに表示を戻す。なお、表示制御部103は、クーポン適用部104と協働し、制限の範囲内の数量が「数量」欄に入力されるまで「OK」ボタンBiを無効化することで、操作不可の状態としてもよい。
【0054】
図7は、POS端末1の表示部17に表示される商品登録画面Gaの一例を示す図である。ここで、図7は、図6の数量指定画面Gcにおいて、クーポンを適用する対象商品の数量として「2」が指定された場合に表示される商品登録画面Gaの状態を示している。
【0055】
図7の商品登録画面Gaに示すように、数量指定画面Gcでの操作により、クーポンの適用対象となった対象商品に関する情報が、第1表示領域Faに表示される。より詳細には、数量指定画面Gcの「数量」欄に入力された数量「2」、クーポンにより適用された値引き額又は割引率を示す情報、値割引の経緯を示す情報が、商品名「商品B」等の他の情報とともに第1表示領域Faに表示される。つまり、第1表示領域Faには、対象商品とされた商品Bのうち、クーポンの適用対象となった適用商品に関する情報が表示される。
【0056】
また、第2表示領域Fbでは、図4の段階で数量が「3」であった商品B(対象商品)に関する表示内容が、数量指定画面Gcの「数量」欄で指定された数値に基づき、数量「1」に変更されている。より具体的には、第2表示領域Fbには、対象商品とされた商品Bのうち、クーポンの非適用対象となった非適用商品に関する情報が表示される。つまり、表示制御部103は、クーポンの適用商品と非適用商品とを、区分した状態で商品登録画面Gaに表示させる。これにより、POS端末1の操作者は、対象商品のうち、クーポンを適用した適用商品に関する登録内容を容易に確認することができる。また、POS端末1の操作者は、対象商品のうち、クーポンを非適用とした非適用商品に関する登録内容を容易に確認することができる。なお、表示制御部103は、非適用商品に表示欄を強調して表示させる等することで、適用商品との比較が容易となるように表示制御を行ってもよい。
【0057】
このように、クーポン適用部104は、クーポンの読み取りに対応して、当該クーポンに規定された特典を対象商品に適用する。また、クーポン適用部104は、クーポンが数量限定クーポンの場合に、当該数量限定クーポンに規定された数量の範囲内で、当該クーポンに規定された特典を対象商品に適用する。
【0058】
なお、登録処理部102は、クーポン適用部104と協働することで、クーポンが適用した商品の登録(再登録)を行うものとする。具体的には、登録処理部102は、クーポンの適用等により値引き額又は割引率が設定された商品の登録データに、当該値引き額又は割引率を表す情報を値割引値として登録する。また、登録処理部102は、数量指定画面Gcでの操作に応じて、対象商品の登録データを、適用商品の登録データと非適用商品の登録データとに区分して再登録を行う。例えば、登録処理部102は、対象商品の登録データから、適用商品分の登録データを分離し、新たな登録データとして登録を行う。
【0059】
図2に戻り、会計処理部105は、会計手段の一例である。会計処理部105は、RAM13等に登録された取引情報に基づいて、商品の合計金額を算出する。具体的には、会計処理部105は、会計開始を指示する締め操作等に応じて、それまでに登録された商品の取引情報から、一取引に係る商品の合計金額を算出する。
【0060】
また、会計処理部105は、算出した合計金額を、顧客が支払った金額(以下、支払金額)で決済する会計処理を実行する。支払金額の入金方法(又は支払方法)は特に問わず、現金やクレジット決済、コード決済等、種々の方法を採用することが可能である。なお、会計処理部105は、会計処理にあたり支払方法を選択するための画面を表示部17に表示させてもよい。
【0061】
会計処理部105は、会計処理が完了すると、当該取引を識別可能な取引番号に関連付けて、取引の内訳を示す取引データを取引管理ファイル143に記憶する。ここで、取引データには、例えば、当該取引で登録された各商品の商品コード、商品名、単価、数量、金額、値割引値、合計点数、及び合計金額等の他、支払金額や釣銭、支払方法等の情報が含まれる。また、会計処理部105は、会計処理が完了すると、取引番号と、取引の内訳とを印字したレシートを印字部20から発行する。
【0062】
印字部20から発行されたレシートは、POS端末1の操作者により顧客に手渡される。なお、本実施形態では、紙媒体のレシートを顧客に提供する形態としたが、これに限らず、電子レシートとして顧客に提供する形態としてもよい。この場合、例えば、取引の際中に、顧客を識別可能な顧客識別情報(例えば、会員番号等)がPOS端末1に入力される。そして、会計処理部105は、会計処理が完了すると、予め記憶された顧客識別情報に対応する電子メールアドレス等の送信先に、取引番号と取引の内訳を示すデータとを含む電子レシートを送信する。
【0063】
取引訂正部106は、会計処理が完了した取引の登録内容を訂正するための処理を実行する。具体的には、取引訂正部106は、訂正の対象となる取引番号が入力されると、当該取引番号に対応する取引データを取引管理ファイル143から読み出す。そして、取引訂正部106は、表示制御部103と協働することで、読み出した取引データを操作することが可能な取引訂正画面を表示部17に表示させ、操作者の操作に対応して訂正処理を実行する。
【0064】
以下、図8図9を参照して、上述した取引訂正部106の動作例について説明する。図8は、POS端末1の表示部17に表示される取引訂正画面の一例を示す図である。図8に示すように、取引訂正画面Gdは、第1表示領域Ffと、第2表示領域Fgとを有する。
【0065】
第1表示領域Ffは、指定された取引番号の取引で登録された商品に関する情報を表示するための領域である。具体的には、第1表示領域Ffには、登録された商品の商品名、数量、単価、値割引値、及び金額等が表示される。また、第2表示領域Fgは、指定された取引番号の取引で登録された商品の合計点数、合計金額を表示するための領域である。
【0066】
POS端末1の操作者は、取引内容を訂正する場合、第1表示領域Ffから訂正の対象商品(以下、訂正対象商品)を選択する。訂正対象商品が選択されると、取引訂正部106は、表示制御部103と協働し、訂正対象商品の取引内容を訂正することが可能な訂正操作画面を表示部17に表示させる。例えば、クーポンの適用により値割引が行われた商品(例えば、図8のNo.4の商品B)が訂正対象商品に指定された場合、取引訂正部106は、図9に示す訂正操作画面を表示部17に表示させる。
【0067】
図9は、POS端末1の表示部17に表示される訂正操作画面の一例を示す図である。図9に示すように、訂正操作画面Geは、訂正対象商品の登録内容として、商品名(商品B)や、商品コード(XXXXXXXXXX)、数量、単価、値割引値、金額等が表示される表示領域Fhを有する。また、訂正操作画面Geは、「取消」ボタンBj、「数量変更」ボタンBk、「売変」ボタンBl、「値引」ボタンBm、「割引」ボタンBn、「キャンセル」ボタンBo、「OK」ボタンBp等の各種の操作子を有する。なお、各操作子の機能は、図5で説明した操作画面GbのボタンBa~Bgと同様であり、取引訂正部106は、各種ボタンを介して取引内容の訂正指示を受け付ける。
【0068】
例えば、誤操作によりクーポンを適用してしまったような場合、POS端末1の操作者は、「値引」ボタンBm又は「割引」ボタンBnを操作する。取引訂正部106は、「値引」ボタンBm又は「割引」ボタンBnの操作を受け付けると、「値割引値」欄の数値を変更可能な状態とする。この状態で、「値割引値」欄に「0」が入力され、「OK」ボタンBpが操作されると、取引訂正部106は、訂正対象商品をクーポンが適用されていない状態、つまり値割引が行われていない状態に訂正する。具体的には、取引訂正部106は、訂正対象商品の金額を値割引が行われていない状態で算出し、この算出結果に基づいて合計金額を更新する。
【0069】
また、例えば、クーポンを適用する商品の数量を訂正する場合、POS端末1の操作者は、「数量変更」ボタンBkを操作する。取引訂正部106は、「数量変更」ボタンBkの操作を受け付けると、「数量」欄の数値を変更可能な状態とする。この状態で、「数量」欄の数値が変更され、「OK」ボタンBpが操作されると、取引訂正部106は、変更後の数量に基づき、クーポンを適用する訂正対象商品の数量、つまり値割引を行う商品の数量を訂正する。
【0070】
なお、訂正操作画面Geの「数量」の変更に伴い、値割引の対象となった訂正対象商品が増減した場合には、取引訂正部106は、表示領域Fhに表示された該当する商品の数量を増減させる。具体的には、取引訂正部106は、「数量」の変更に伴い、訂正対象商品の数量と、訂正対象商品と同一商品コードで且つ値割引の非対象の商品の数量と、を増減させる。
【0071】
このように、取引訂正部106は、操作者からの指示に基づき、クーポンの適用に係る訂正処理を実行する。なお、取引訂正部106は、訂正処理の完了後、訂正後の取引内容を示す訂正レシートを印字部20から発行させる。
【0072】
次に、図10図11を参照して、POS端末1の動作例について説明する。
【0073】
まず、図10を参照して、POS端末1が行う商品の登録及び会計に係る処理の一例について説明する。図10は、POS端末1が行う商品の登録及び会計に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
読取制御部101は、取引の開始を指示する操作に応じて、読取部19を動作させることで、当該読取部19を介したコードシンボルの読み取りを開始する(ステップS11)。また、表示制御部103は、取引の開始指示に応じて、表示部17に商品登録画面Gaを表示させる。
【0075】
登録処理部102は、読取制御部101で商品コードが読み取られると(ステップS12;Yes)、その商品コードに対応する商品の商品情報を商品マスタ142から読み出す。次いで、登録処理部102は、読み出した商品情報を、商品コード及び数量等とともに、一取引分の取引データを構成する商品の登録データとしてRAM13等に登録し(ステップS13)、ステップS14に移行する。なお、登録処理部102は、読取制御部101で商品コードの読み取りが行われない場合(ステップS12;No)、ステップS14に処理を移行させる。
【0076】
続いて、表示制御部103は、登録された商品の中から、操作の対象となる対象商品を選択する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS14)。ここで、対象商品の選択操作を受け付けない場合(ステップS14;No)、表示制御部103は、ステップS23に処理を移行させる。
【0077】
また、表示制御部103は、対象商品の選択操作を受け付けた場合(ステップS14;Yes)、対象商品の登録内容を表した操作画面Gbを表示部17に表示させる(ステップS15)。次いで、クーポン適用部104は、読取制御部101でクーポン情報が読み取られたか否かを判定する(ステップS16)。ここで、操作画面Gbに表示された各種操作子が操作される等、クーポン情報の読み取りが行われない場合(ステップS16;No)、制御部100(登録処理部102等)は操作内容に応じた処理を実行し(ステップS17)、商品登録画面Gaに表示を戻した後、ステップS23に移行する。
【0078】
また、ステップS16でクーポン情報が読み取られた場合(ステップS16;Yes)、クーポン適用部104は、そのクーポン情報に適用可能な商品の数量を制限する規定が含まれるか否かを判定する(ステップS18)。数量を制限する規定が含まれない場合(ステップS18;No)、クーポン適用部104は、対象商品の全てにクーポンを適用し(ステップS20)、ステップS23に移行する。
【0079】
また、クーポン情報に数量を制限する規定が含まれる場合(ステップS18;Yes)、クーポン適用部104は、対象商品の数量とクーポン情報に規定された数量とを比較し、制限の範囲内か否かを判定する(ステップS19)。ここで、商品の数量が制限の範囲内の場合(ステップS19;Yes)、クーポン適用部104は、対象商品の全てにクーポンを適用し(ステップS20)、ステップS23に移行する。
【0080】
一方、商品の数量が制限の範囲外となる場合(ステップS19;No)、表示制御部103は、クーポン情報の特典を適用する商品の数量を指定することが可能な数量指定画面Gcを表示部17に表示させる(ステップS21)。数量指定画面Gcに基づき数量が指定されると、クーポン適用部104は、指定された数量分の対象商品にクーポンを適用し(ステップS22)、ステップS23に移行する。
【0081】
なお、登録処理部102は、ステップS22の処理に伴い、対象商品うち、特典の適用対象となった適用商品と、特典の非適用対象となった非適用商品とに区分して、登録データを登録し直す。なお、適用商品の登録データには、特典内容となる値割引値を示す数値が、クーポンが適用されたことを示す情報として追加登録される。また、表示制御部103は、ステップS22の処理に伴い、適用商品に係る情報と、非適用商品に係る情報とを区分して、数量指定画面Gcに表示させる。
【0082】
続いて、会計処理部105は、会計の開始が指示されたか否かを判定する(ステップS23)。ここで、会計開始が指示されない場合(ステップS23;No)、会計処理部105は、ステップS12に処理を戻す。また、会計処理部105は、会計開始の指示を受け付けると(ステップS23;Yes)、それまでに登録された一取引分の取引データに基づき、登録された商品の合計金額を顧客が支払った支払金額で決済する会計処理を実行する(ステップS24)。
【0083】
そして、会計処理部105は、会計処理が完了すると、当該取引の取引番号と取引の内訳を印字したレシートを発行し(ステップS25)、本処理を終了する。なお、読取制御部101は、会計処理の終了に伴い、読取部19の動作を停止させてもよい。
【0084】
次に、図11を参照して、POS端末1が行う取引の訂正に係る処理の一例について説明する。図11は、POS端末1が行う取引の訂正に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
まず、取引訂正部106は、取引の訂正の開始を指示する操作が行われた後、操作部18等を介して取引番号の入力を受け付けると(ステップS31)、当該取引番号に対応する取引データを取引管理ファイル143から読み出す(ステップS32)。
【0086】
次いで、表示制御部103は、ステップS32で読み出された取引データに基づき、当該取引データに含まれる商品の中から、訂正対象商品を指定することが可能な取引訂正画面Gdを表示部17に表示させる(ステップS33)。
【0087】
続いて、表示制御部103は、訂正対象商品が指定されたか否かを判定する(ステップS34)。ここで、訂正対象商品が指定されない場合には、ステップS39に処理を移行させる。また、訂正対象商品が指定された場合(ステップS34;Yes)、表示制御部103は、訂正対象商品の取引内容を訂正することが可能な訂正操作画面Geを表示部17に表示させる(ステップS35)。
【0088】
次いで、取引訂正部106は、取引内容を訂正する訂正操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS36)。訂正操作を受け付けない場合、取引訂正部106は、ステップS38に処理を移行する。また、訂正操作を受け付けた場合、(ステップS36;Yes)、取引訂正部106は、その操作内容に基づき、訂正対象商品の取引内容を訂正する訂正処理を実行し(ステップS37)、ステップS38に移行する。
【0089】
例えば、値引き額又は割引率が訂正された場合、取引訂正部106は、取引データに含まれる訂正対象商品の値引き額又は割引率を変更後の値に訂正するとともに、訂正対象商品の金額及び全商品の合計金額を訂正する。また、例えば、値割引の特典を適用する商品の数量が訂正された場合、取引訂正部106は、取引データに含まれる訂正対象商品の数量を訂正後の値に訂正するとともに、訂正対象商品の金額及び全商品の合計金額を訂正する。
【0090】
続いて、取引訂正部106は、訂正対象商品に対する訂正操作を終了するか否かを判定する(ステップS38)。ここで、訂正操作の終了が指示されない場合には(ステップS38;No)、取引訂正部106は、ステップS36に処理を戻す。また、訂正操作の終了が指示された場合には(ステップS38;Yes)、取引訂正部106は、訂正操作画面Geを消去し、訂正処理を終了するか否かを判定する(ステップS39)。
【0091】
訂正処理の終了が指示されない場合には(ステップS39;No)、取引訂正部106は、ステップS34に処理を戻す。また、訂正処理の終了が指示された場合には(ステップS39;Yes)、取引訂正部106は、訂正後の取引データに基づいて訂正レシートを発行した後(ステップS40)、本処理を終了する。
【0092】
以上のように、POS端末1は、顧客が購入する商品の商品コードと当該商品の数量とを関連付けて登録する。また、POS端末1は、登録された商品の中から、クーポンを適用する対象商品を指定する操作を受け付けると、当該対象商品の数量とクーポンを適用可能な数量の範囲内か否かを判定する。POS端末1は、対象商品の数量がクーポンを適用可能な数量の範囲内の場合、対象商品の全てに前記クーポンを適用する。また、POS端末1は、対象商品の数量がクーポンを適用可能な数量の範囲外の場合、クーポンを適用する対象商品の数量を指定する操作を受け付け、指定された数量が範囲内の場合に、当該数量分の対象商品にクーポンを適用する。
【0093】
これにより、POS端末1は、顧客が提示したクーポンが数量制限クーポンの場合であっても、特典を適用する商品の数量を、数量制限クーポンの適用範囲内に制限してクーポンを適用することができる。したがって、POS端末1は、特典を適用する商品の数量を制限したクーポンを適切に使用することができる。
【0094】
なお、上述した実施形態は、上述したPOS端末1が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0095】
(変形例1)
上述の実施形態では、対象商品の選択をPOS端末1の操作者が行う形態としたが、これに限らず、自動で選択する形態としてもよい。
【0096】
本変形例を採用する場合、例えば、クーポン情報に、クーポンの対象となる商品の商品コードを予め含めておいてもよい。これにより、クーポン適用部104は、クーポン情報が読み取られると、登録された商品の中から、クーポン情報に含まれた商品コードに対応する商品を対象商品として自動で選択することができる。
【0097】
(変形例2)
上述の実施形態では、POS端末1は、商品マスタ142や取引管理ファイル143をローカルに保持する形態としたが、これに限らず、サーバ等の外部装置に記憶された商品マスタ142や取引管理ファイル143を参照又は操作する形態としてもよい。
【0098】
なお、上述した実施形態において、各装置で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、各装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成してもよい。
【0099】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1 POS端末
101 読取制御部
102 登録処理部
103 表示制御部
104 クーポン適用部
105 会計処理部
106 取引訂正部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【特許文献1】特開2018-077922号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11