(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024448
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】蓋、カップ容器、包装体及び内容物入り包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20240215BHJP
【FI】
B65D81/34 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127277
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000208455
【氏名又は名称】大和製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】竹内 裕二
(72)【発明者】
【氏名】滑川 裕子
【テーマコード(参考)】
3E013
【Fターム(参考)】
3E013BB09
3E013BC04
3E013BE01
3E013BF02
3E013BF23
3E013BF31
(57)【要約】
【課題】フランジのシール部よりも前に破断部が開口する蓋、カップ容器、包装体及び内容物入り包装体を提供すること。
【解決手段】蓋は、カップ容器のフランジに熱融着される蓋であって、二軸延伸により分子配向された外層フィルムと、前記外層フィルムに積層された、前記フランジに熱融着可能な内層フィルムと、前記外層フィルムに形成された1以上の配向緩和部と、前記1以上の配向緩和部が所定の間隔を空けて対向する部位に形成され、電子レンジによる容器内圧の上昇によって破断する破断部と、を備え、前記破断部の開口強度は、前記フランジに熱融着されるシール強度よりも小さい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ容器のフランジに熱融着される蓋であって、
二軸延伸により分子配向された外層フィルムと、
前記外層フィルムに積層された、前記フランジに熱融着可能な内層フィルムと、
前記外層フィルムに形成された1以上の配向緩和部と、
前記1以上の配向緩和部が所定の間隔を空けて対向する部位に形成され、電子レンジによる容器内圧の上昇によって破断する破断部と、
を備え、
前記破断部の開口強度は、前記フランジに熱融着されるシール強度よりも小さい、蓋。
【請求項2】
前記内層フィルムの前記フランジに溶着される溶着部の外形状は、前記フランジの外形状よりも小さい、請求項1に記載の蓋。
【請求項3】
前記溶着部は、幅が広い幅広部と、前記幅広部よりも幅が狭い幅狭部と、を有する、請求項2に記載の蓋。
【請求項4】
前記幅広部は、前記溶着部の一部に設けられる、請求項3に記載の蓋。
【請求項5】
前記フランジの外周縁よりも外方に突出するタブを有し、
前記幅広部は、前記タブと対向する位置に設けられる、請求項4に記載の蓋。
【請求項6】
前記幅広部及び前記幅狭部は複数設けられ、
前記複数の幅広部及び前記複数の幅狭部は、前記溶着部の一部に交互に配置される、請求項3に記載の蓋。
【請求項7】
前記幅広部及び前記幅狭部は複数設けられ、
前記複数の幅広部及び前記複数の幅狭部は、前記溶着部の全周に交互に配置される、請求項3に記載の蓋。
【請求項8】
有底筒状の胴部、及び、前記胴部の開口端に設けられる前記フランジを有する容器本体と
前記フランジに熱融着される、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の蓋と、
を備えるカップ容器。
【請求項9】
前記容器本体は、前記胴部の外面及び前記フランジの下面を連続する複数のリブを有する、請求項8に記載のカップ容器。
【請求項10】
請求項8に記載のカップ容器と、
前記カップ容器内に設けられた内容物と、
を備える内容物入りカップ容器。
【請求項11】
シートを熱融着し、シール部を形成することで袋状に構成した包装体であって、
前記シートの少なくとも一部に
二軸延伸により分子配向された外層フィルムと、
前記外層フィルムに積層された、熱融着可能な内層フィルムと、
前記外層フィルムに形成された1以上の配向緩和部と、
前記1以上の配向緩和部が所定の間隔を空けて対向する部位に形成され、電子レンジによる容器内圧の上昇によって破断する破断部と、
を備え、
前記破断部の開口強度は、前記シートが熱融着するシール強度よりも小さい、包装体。
【請求項12】
請求項11に記載の包装体と、
前記包装体内に設けられた内容物と、
を備える内容物入り包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装した内容物を電子レンジで加熱したときに発生する蒸気を外部に放出する蓋、カップ容器、包装体及び内容物入り包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従前から内容物を収容し、密封した状態で内容物を電子レンジで加熱する包装体が知られている。しかしながら、このような包装体は、電子レンジによって内容物を加熱すると、内圧が増加する。このため、電子レンジ加熱中に、蒸気を自動的に排出し、内圧を低下させる手段を備えた包装体も知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、結晶性延伸配向フィルムの配向部を挟んで対向配置された無配向部を有する破断部を設けることにより、電子レンジ加熱時に水蒸気を放出することができるカップ容器およびフィルムが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、過度に水蒸気を放出することなく蒸らしを行うカップ容器及びフィルムが開示されている。
【0005】
また、これらのフィルムをフランジ付きのカップ容器やパウチ容器の一部に溶着する技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-64642号公報
【特許文献2】特開2017-74965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した技術においては、フィルムの破断部が破断せず、水蒸気が放出されないことにより内圧が上がり過ぎ、フィルムとフランジとが熱溶着されたシール部が開口してしまう場合があった。このため、破断部の開口前に、フランジにおいて開口することを防止できる技術が求められている。
【0008】
本発明は、フランジのシール部よりも前に破断部が開口する蓋、カップ容器、包装体及び内容物入り包装体を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る蓋は、カップ容器のフランジに熱融着される蓋であって、二軸延伸により分子配向された外層フィルムと、前記外層フィルムに積層された、前記フランジに熱融着可能な内層フィルムと、前記外層フィルムに形成された1以上の配向緩和部と、前記1以上の配向緩和部が所定の間隔を空けて対向する部位に形成され、電子レンジによる容器内圧の上昇によって破断する破断部と、を備え、前記破断部の開口強度は、前記フランジに熱融着されるシール強度よりも小さい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、フランジのシール部よりも前に破断部が開口する蓋、カップ容器、包装体及び内容物入り包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る包装体としてのカップ容器の構成を示す斜視図。
【
図2】同カップ容器に設けられる一対の配向緩和部及び破断部の構成の一例を示す平面図。
【
図3】同カップ容器に用いられるフィルムの層構成を、
図2中III-III線断面で示す断面図。
【
図4】同カップ容器の使用の一例として、電子レンジによって加熱した状態を示す斜視図。
【
図5】同カップ容器に設けられる一つの配向緩和部及び破断部の構成の一例を示す平面図。
【
図6】同カップ容器に設けられる一対の配向緩和部及び破断部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図7】同カップ容器に設けられる一対の配向緩和部及び破断部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図8】同カップ容器に設けられる一対の配向緩和部及び破断部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図9】同カップ容器に設けられる一対の配向緩和部及び破断部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図10】同カップ容器に設けられる一対の配向緩和部及び破断部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図11】同カップ容器に設けられる三つ以上の配向緩和部及び破断部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図12】同カップ容器に設けられる三つ以上の配向緩和部及び破断部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図13】同カップ容器に設けられる三つ以上の配向緩和部及び破断部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図14】同カップ容器に設けられるシール部の構成の一例を示す平面図。
【
図15】同カップ容器に設けられるシール部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図16】同カップ容器に設けられるシール部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図17】同カップ容器に設けられるシール部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図18】同カップ容器に設けられるシール部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図19】同カップ容器に設けられるシール部の構成の他の一例を示す平面図。
【
図20】本発明の第2実施形態に係る包装体としてのパウチ容器の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の第1実施形態に係る蓋11を用いた包装体1を、
図1乃至
図19を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る包装体1の構成を示す斜視図、
図2は、包装体1に設けられる一対の配向緩和部21a及び破断部13の構成の一例を示す平面図、
図3は、包装体1に用いられる蓋11の層構成を模式的に示す断面図である。
図4は、包装体1の使用の一例として、電子レンジによって加熱した状態を示す斜視図である。
【0013】
包装体1は、二以上の部材が熱融着(溶着)されることによって構成される、内容物100を内部に包装する包装容器である。包装体1は、電子レンジで加熱可能に、内容物を収容する電子レンジ加熱用容器である。包装体1は、例えば、カップ容器やパウチ容器である。本実施形態において、包装体1は、二つの部材として、カップ本体及び蓋が熱融着されることで形成されたカップ容器であり、以下、包装体1をカップ容器1として説明する。
【0014】
カップ容器1は、内容物100を内部に充填し、包装する包装容器である。カップ容器1は、電子レンジで加熱可能に、内容物100を収容する電子レンジ加熱用容器である。
図1に示すように、本実施形態において、カップ容器1は、有底筒状のカップ本体10と、カップ本体10を密封する蓋11と、を備える。
【0015】
カップ本体10は、樹脂材料、紙材料、又は、これらの複合材料により形成される。カップ本体10は、有底筒状の胴部10aと、胴部10aの開口の外周縁に形成されるフランジ10bと、を備える。また、カップ本体10は、胴部10aの外周面とフランジ10bの下面とを連続する、複数のリブ10cを備える。
【0016】
胴部10aは、円筒状、矩形筒状、多角形筒状等に形成される。胴部10aは、内部に所望量の内容物100を収容可能な容積に形成される。
【0017】
フランジ10bは、カップ本体10の開口形状に沿って、カップ本体10の軸線方向に対して直交方向に延びる環状の平板状に形成される。
【0018】
複数のリブ10cは、胴部10a及びフランジ10bに連続することで、胴部10aの開口及びフランジ10bの強度を向上させる。複数のリブ10cは、周方向に等間隔、あるいは非等間隔に配置される。なお、リブ10cの数や形状、間隔は、胴部10aの開口及びフランジ10bに求められる強度によって、適宜設定される。
【0019】
蓋11は、二軸延伸配向フィルム21を外面側に有する積層構造のフィルムにより形成される。蓋11は、カップ本体10のフランジ10bに熱融着することで形成されたシール部30によって固定される。蓋11は、固定されたフランジ10bから剥がすときに、摘まむことができるタブ11aを有する。また、蓋11は、カップ容器1の内圧が上昇したときに破断することで蒸気が排出される蒸気口21cを形成する破断部13を備える。ここで、内容物100とは、電子レンジにより加熱調理される食品、電子レンジにより加熱されるおしぼり等、電子レンジによって加熱される水分を含有するものである。
【0020】
蓋11の外形状は、タブ11aを除き、フランジ10bの外周縁形状と同形状又はフランジ10bの外周縁形状よりも若干大きい略同形状に形成されるとともに、タブ11aが手指で摘まむことが可能に、外方へと突出するように、例えば、略三角形状や半円形状に形成される。
【0021】
蓋11(蓋11を構成するフィルム)は、カップ容器1を形成したときのカップ容器1の外面側から、二軸延伸配向フィルム21と、接着剤層22と、シーラントフィルム23と、を備える。また、蓋11は、二軸延伸配向フィルム21の外面や、二軸延伸配向フィルム21及びシーラントフィルム23の間に、製品等の情報や意匠が施されている印刷層を有していても良い。なお、蓋11の層構成はこれに限定されず、2層以上であって、少なくとも一層に二軸延伸配向フィルム21を有する構成であればよい。
【0022】
二軸延伸配向フィルム21は、一部を融点近傍の所定温度以上に加熱することで形成された配向緩和部21aを含む。配向緩和部21aは、破断部13の一部を構成する。配向緩和部21aは、破断部13の構成によって種々の形状に構成される。
【0023】
二軸延伸配向フィルム21は、結晶性延伸配向フィルムである。二軸延伸配向フィルム21は、例えば、二軸延伸PETフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、二軸延伸PPフィルム等の汎用二軸延伸フィルムまたは、これらの複合フィルムにより構成される。また、その他好適な例としては、二軸延伸配向フィルム21は、二軸延伸PVAフィルム、二軸延伸EVOHフィルム等のバリア性を有する二軸延伸フィルムや、PP/EVOH/PP、NY/EVOH/NY、NY/MXD-NY/NY等のバリア性樹脂を中間層に有する共押出二軸延伸フィルムが挙げられる。また、汎用二軸延伸フィルムにPVA系、PVDC、PAA系のバリア性樹脂をコートしたフィルム、あるいは前述のバリア性樹脂に無機物が分散したハイブリットコートフィルムも二軸延伸配向フィルム21に好適に使用できる。二軸延伸配向フィルム21の厚さは、12μm以上50μm以下が好適である。
【0024】
これは、二軸延伸配向フィルム21の厚さを12μm未満とすると、カップ容器1の物理的強度が低下する虞があり、また、成膜技術的に難しく、コストアップとなるためである。また、二軸延伸配向フィルム21の厚さが50μmを超えると、二軸延伸配向フィルム21を含む蓋11が伸長しにくくなるためである。但し、配向緩和部21aの形状等によって破断部13が破断する構成であれば、二軸延伸配向フィルム21の厚さは、限定されない。
【0025】
配向緩和部21aは、二軸延伸配向フィルム21を融点近傍の所定温度以上に加熱し、配向を緩和させるか、又は、配向を消失させることで形成される。即ち、蓋11の二軸延伸配向フィルム21は、融点近傍の所定温度以上に加熱されていない配向を有する配向部21bの一部に、融点近傍の所定温度以上に加熱された配向緩和部21aを有する。なお、融点近傍の所定温度とは、二軸延伸配向フィルム21によって異なるが、少なくとも、配向を緩和し、配向緩和部21a及び配向部21bの引張弾性率及び破断伸度等を所望の関係とできる温度である。
【0026】
ここで、蓋11の分子配向部における引張弾性率をE1、分子配向緩和部における引張弾性率をE2としたときに、配向部21bの引張弾性率E1と、配向緩和部21aの引張弾性率E2との関係は、例えば、0<E2/E1<0.5である。蓋11の分子配向部とは、二軸延伸配向フィルム21、接着剤層22及びシーラントフィルム23を有する蓋11のうち、二軸延伸配向フィルム21の配向部21bが存する部位であり、蓋11の分子配向緩和部とは、蓋11のうち、二軸延伸配向フィルム21の配向緩和部21aが存する部位である。
【0027】
例えば、本実施形態の二軸延伸配向フィルム21が二軸延伸PETフィルムの場合、蓋11の分子配向部の引張弾性率E1はおよそ2000MPaであり、分子配向緩和部の引張弾性率E2はおよそ200MPaである。この場合、E2/E1は約0.1となり、0.5未満の値となる。
【0028】
なお、二軸延伸配向フィルム21に配向緩和部21aを形成するための二軸延伸配向フィルム21の加熱方法は、レーザー光加熱、熱板加熱、インパルス加熱、近赤外線加熱等の方法を用いることが好ましい。
【0029】
例えば、レーザー光加熱、近赤外線加熱は、非接触で二軸延伸配向フィルム21を加熱できる利点があるが、局所的に加熱が可能であることからレーザー光加熱が好ましい。また、使用する二軸延伸配向フィルム21のレーザー光の吸収性が乏しく、配向緩和部21aの形成が困難である場合、二軸延伸配向フィルム21にレーザー光の吸収性を向上させるレーザー光吸収材を事前に延伸配向フィルム21の材料にブレンドしても良く、あるいは二軸延伸配向フィルム21にレーザー光吸収材をコートしても良い。
【0030】
また、レーザー光の種類としては、二軸延伸配向フィルム21に使用される樹脂素材の多くが比較的吸収性が高い炭酸ガスレーザーを用いることが好ましい。レーザー光吸収材としてはレーザー光の種類によって適宜選択することができる。これらの加熱方法は、使用する二軸延伸配向フィルム21の材質等によって適宜選択できる。
【0031】
熱板加熱やインパルス加熱は、押さえヘッド部に溶融した二軸延伸配向フィルム21の樹脂やシーラントフィルム23の樹脂の一部が付かないようテフロン(登録商標)表面処理等の処理を押えヘッド部に行うことが好ましい。例えば、熱板加熱であれば、二軸延伸配向フィルム21の融点近傍の所定温度以上で温度設定され加熱された押さえヘッド(熱板)を二軸延伸配向フィルム21に押し当てて溶融加熱することにより、配向緩和部21aを形成する。
【0032】
また、形成した配向緩和部21aが適正に形成されているか否かについては、形成した二軸延伸配向フィルム21を検査することで判断できる。この検査方法としては、X線回折、FT-IR(フーリエ変換赤外分光法)、DSC(示差走査熱量測定)等による結晶化度測定、偏光板を使用した配向ビュワー等を用いることができる。
【0033】
このような二軸延伸配向フィルム21は、例えば、配向部21bの破断伸度が200%以下に設定され、配向緩和部21aの破断伸度が300%以上に設定される。
【0034】
接着剤層22は、一般的な食品用途のドライラミ用接着剤から適宜選択して使用できる。ただし、カップ容器1は、電子レンジ加熱に用いるため、接着剤層22は、耐熱性を有するものが好適である。接着剤層22の厚さは、2μm~5μmが性能的、経済的観点より好ましい。
【0035】
シーラントフィルム23は、例えば、未延伸低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、未延伸直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、未延伸ポリプロピレン(PP)フィルム、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等により構成される。シーラントフィルム23の厚さは、10μm以上100μm以下が好適である。なお、シーラントフィルム23の厚さは、20μm以上60μm以下がより好ましい。
【0036】
これは、シーラントフィルム23の厚さが10μm未満では包装体1の実用的な強度が不足する虞があり、輸送時の振動や落下の衝撃でシール部30が破断し易くなる虞があるためである。また、シーラントフィルム23の厚さが100μmを超えると、伸長しにくくなるため、蒸気抜きに対する確実性の問題が生じる虞があるためである。
【0037】
破断部13は、対向する配向緩和部21aの間に配置される配向部21bにより形成される。即ち、破断部13は、蓋11の一部に設けられ、直線又は曲線等の線状に延び、自身の二箇所が所定の間隔を開けて対向する形状の単数の配向緩和部21aが配置されるか又は複数の配向緩和部21aが対向して配置されることで、配向緩和部21aの間に存する配向部21bによって構成される。即ち、破断部13は、二軸延伸配向フィルム21の融点近傍の所定温度以上に加熱されていない配向部21b、換言すると配向を有する二軸延伸配向フィルム21の配向部21bを介在して配向緩和部21aの一部が対向することで構成される。
【0038】
具体例として、
図2、
図5乃至
図13に示すように、配向緩和部21aは、短辺及び長辺を有し、一以上設けられる。配向緩和部21aが一つ設けられるときは、
図5に示すように、配向緩和部21aは、自身の短辺同士が所定の間隔を開けて対向するか、又は、自身の短辺及び長辺が所定の間隔を開けて対向する。
【0039】
配向緩和部21aが二つ設けられるときは、二つの配向緩和部21aは、
図2、
図6乃至
図8に示すように、それぞれの短辺同士が所定の間隔を開けて対向するか、又は、
図9及び
図10に示すように、一方の配向緩和部21aの短辺及び他方の配向緩和部21aの長辺が所定の間隔を開けて対向する。同様に、配向緩和部21aが三つ以上設けられるときは、
図11乃至
図13に示すように、いずれか二つの配向緩和部21a又は三以上の配向緩和部21aは、短辺同士又は短辺及び長辺が所定の間隔を開けて対向する。なお、複数の配向緩和部21aを破断部13に設ける場合には、
図2に示すように、配向緩和部21aをサイズ及び形状を同じとすることが好ましいが、破断部13が破断する構成であれば、
図13に示すように、異なるサイズ及び形状であってもよい。
【0040】
より具体的には、破断部13は、二軸延伸配向フィルム21が加熱された一以上の配向緩和部21aが、二軸延伸配向フィルム21の配向を有する配向部21bを挟んで所定の距離だけ間隔を開けて近接することで構成される。ここで、所定の距離とは、電子レンジ加熱時に破断部13が破断して蒸気口21cを形成できる距離であれば、適宜設定可能であるが、好ましくは5mm未満である。また、長辺及び短辺は、直線状に限らず、曲線状であってもよい。即ち、破断部13は、配向緩和部21aがいずれかの方向に延びる形状に構成され、一の配向緩和部21aの一つの端部が、同配向緩和部21aの他の部位又は他の配向緩和部21aの一部と所定の間隔を開けて対向すればよい。なお、破断部13が破断して蒸気口21cを形成できるのであれば、対向する配向緩和部21aに挟まれた配向部21bの一部が配向緩和されていても良い。
【0041】
また、一つの配向緩和部21aは、形状としては、
図5に示すように、一部が切欠する円環状や多角環状等が考えられる。二つの配向緩和部21aは、例えば、
図2、
図6及び
図7に示すように、直線状に構成され、互いに短辺同士が直線状に又は所定の角度で交差する様に対向する構成や、
図9及び
図10に示すように、T字状に短辺と長辺が対向する構成が考えられる。また、二つの配向緩和部21aは、直線状以外にも、
図8に示すように、波状等の構成が考えられる。また、三つ以上の配向緩和部21aとしては、
図12及び
図13に示すように、一方向に長手方向が沿って並ぶ構成や、
図11に示すように、破断部13を中心として、周方向に並ぶ構成が考えられる。
【0042】
なお、配向緩和部21aは、製造コスト等を考慮すると、
図2に示すように、一方向に長い矩形状に形成されるとともに一対設けられ、短辺同士が対向する構成が好ましい。また、
図2に示す配向緩和部21aは、短辺の長さを0.5~10mm、長辺の長さを3~100mmの範囲とし、且つ、短辺の長さは長辺の長さよりも短い範囲に設定することが好ましく、カップ容器1のサイズや蓋11の構成によって適宜選択する。また、二つの配向緩和部21aの対向する短辺間の距離は、5mm未満に設定され、さらにいえば0.5~3.0mmに設定することがより好ましく、カップ容器1のサイズや蓋11の構成によって適宜選択する。
【0043】
これは、配向緩和部21aの寸法が当該範囲未満では伸長する範囲が狭すぎて蒸気抜きがうまく発動できない虞があり、当該範囲を超えると蓋11の強度の低下やガスバリア性低下の影響が大きくなる虞があるためである。また、二つの配向緩和部21aの対向する短辺間の距離は、当該範囲未満では対向する配向緩和部21aの先端同士が一体化してしまい蒸気口21cを形成できずに破裂してしまう虞があり、また、当該範囲を超えると二つの配向緩和部21aの対向する短辺間の領域が伸長できなくなるため、破断部13が破断せずに、カップ容器1が蒸気口21cを形成できずに破裂してしまう虞があるためである。
【0044】
蓋11をフランジ10bに熱融着することで形成されるシール部30は、フランジ10bに沿って環状に形成されるとともに、フランジ10bの幅、円環状のフランジ10bの場合には、フランジ10bの径方向の幅よりも小さい幅に設定される。また、シール部30は、フランジ10bの外周縁よりも内方向、より具体例としては、フランジ10bの内周縁側に設けられる。シール部30による蓋11のフランジ10bへのシール強度は、破断部13がカップ容器1の容器内圧の上昇によって破断する開口強度よりも高い。ここで、シール強度及び開口強度は、例えば、内圧が上昇して蓋11が膨張したとき、即ち、電子レンジによって内容物が加熱した、加熱後の強度である。
【0045】
また、例えば、シール部30は、シール部30の延び方向に直交する方向である幅方向、本実施のように円環状に形成される場合には、径方向の幅が狭い複数の幅狭部31及び径方向の幅が広い複数の幅広部32を少なくとも一部に有する。例えば、複数の幅狭部31及び複数の幅広部32は、少なくともタブ11aと幅方向(径方向)で対向する位置に設けられる。換言すると、シール部30は、環状に形成されるとともに、内周縁がフランジ10bに沿った形状、例えば円形状に形成され、外周縁が、少なくとも一部に、周方向に間隔を空けて間欠的に凸状に突出することで複数の幅狭部31及び複数の幅広部32が形成される。
【0046】
具体例として、
図2に示すように、シール部30は、周方向の全ての領域において、等間隔に複数の幅狭部31及び複数の幅広部32が交互に設けられ、このうち、少なくとも一部の複数の幅狭部31及び複数の幅広部32がタブ11aと幅方向で対向する。
【0047】
複数の幅狭部31及び複数の幅広部32の幅は、それぞれ、フランジ10bの幅よりも小さい。幅狭部31は、一定の幅に形成される。幅広部32は、径方向外方に向かって突出するとともに、径方向外方に向かって漸次、径方向に直交する方向の幅が狭くなる形状、例えば、
図2及び
図14に示す半円状又は
図15及び
図16に示す三角形状に形成される。
【0048】
なお、幅広部32は、例えば、
図17及び
図18に示すように、径方向に直交する方向の幅が一定となるように、径方向外方に向かって延びる矩形状等であってもよい。なお、シール部30は、
図19に示すように、幅広部32を有さず、同一幅の環状の幅狭部31によって形成される構成であってもよい。
【0049】
次に、このようなカップ容器1の製造方法について説明する。
先ず、蓋11を構成するフィルムの一部を二軸延伸配向フィルム21の融点近傍の所定温度以上に加熱し、二軸延伸配向フィルム21の一部の配向を消失させて、所定の形状の配向緩和部21aを形成する。具体例として、二軸延伸配向フィルム21を融点近傍の所定温度以上とする出力で炭酸ガスレーザー等のレーザー光を蓋11の一部に照射する。
【0050】
次いで、形成する配向緩和部21aの形状にレーザー光を走査する。例えば、一対の配向緩和部21aを形成する場合には、一方の配向緩和部21aの形状にレーザー光を走査その後、レーザー光の照射を停止し、他方の配向緩和部21aを形成する位置に再びレーザー光を照射する。次いで、他方の配向緩和部21aの形状にレーザー光を走査する。なお、このとき、配向緩和部21aは、配向が緩和されていれば良く、配向がなくなる無配向となるまでレーザー光を照射する必要はないが、無配向としてもよい。これらの工程によって、蓋11の一部を加熱して、配向緩和部21aを形成する。これにより、一部に破断部13が形成された蓋11が製造される。なお、破断部13の形成は、フィルムを蓋11の形状に切断した後であっても良く、また、フィルムを蓋11の形状に切断する前であってもよい。
【0051】
次に、カップ本体10に所定の量の内容物100を充填する。次いで、フランジ10b上に蓋11を配置し、蓋11をフランジ10bにヒートシールし、シール部30を形成することで、内容物が収容され、密封されたカップ容器1(内容物入りカップ容器)が製造される。ヒートシールは、例えば、シール部30の形状に形成された熱融着用の型を蓋11に押し当てることで行われる。
【0052】
次に、このようなカップ容器1の使用方法について説明する。
内容物が収容されたカップ容器1は電子レンジに配置され、次いで電子レンジにより内容物が加熱される。電子レンジにより内容物を加熱すると、内容物から水蒸気が生じ、内圧が上昇してカップ容器1が膨張して蓋11が伸長する。蓋11が伸長すると、配向緩和部21aの対向する短辺間か、又は、対向する短辺及び長辺間の破断部13が破断し、カップ容器1の蒸気が外部に逃げて、内圧が減少し、蒸気抜きが行われる。なお、内容物から生じる蒸気は、アルコール蒸気が含まれていても良い。
【0053】
破断部13が破断し、カップ容器1から蒸気が排出される機能について具体的に説明する。水分を含有する内容物を包装したカップ容器1を電子レンジで加熱すると、内容物から水蒸気が発生し、内圧が上昇し、結果、カップ容器1が膨張する。このときシーラントフィルム23に使用するLDPE、LLDPE、CPP等は通常無延伸、即ち無配向であるため、延伸フィルムよりも引張強度は低く、また破断伸度の数値も高い。一方で二軸延伸配向フィルム21は、通常引張強度が高く、また破断伸度の数値も低いため、二軸延伸配向フィルム21及びシーラントフィルム23を貼りあわせた蓋11は伸長しにくい。
【0054】
しかし、二軸延伸配向フィルム21の配向緩和部21aは、二軸延伸配向フィルム21の配向が緩和された、あるいは無配向の状態となっている領域であるため、二軸延伸配向フィルム21の配向部21bである配向領域と比較して、引張強度は低い。また、蓋11は、分子配向緩和部の引張弾性率E2が分子配向部の引張弾性率E1よりも低い。そして、内圧が上昇してカップ容器1が膨張し、蓋11が伸長すると、配向緩和部21aの領域の蓋11が応力集中により幅方向に伸長する。
【0055】
このとき配向緩和部21aの対向する短辺間又は対向する短辺及び長辺間に位置する配向部21bの領域の蓋11も配向緩和部21aの領域の伸長に追従して伸長するが、配向緩和部21aの領域の方が破断伸度の数値が高く、引張弾性率が低い。また、シール部30のシール強度は、破断部13の開口強度よりも高い。結果、配向緩和部21a及び配向部21bの破断伸度差及び引張弾性率差により、蓋11がある程度伸長したときに、配向緩和部21aの対向する短辺間又は対向する短辺及び長辺間に位置する配向部21bを含む領域である破断部13が、蓋11の他の箇所よりも先に破断し、水蒸気を排出する小孔が生じる。この小孔を蒸気口21cとしてカップ容器1から蒸気が排出される。
【0056】
カップ容器1の内容物100を電子レンジで加熱後、ユーザがタブ11aを摘まんで蓋11をカップ本体10から離れる方向に移動させることで、蓋11は、フランジ10bから剥がれる。これにより、カップ本体10から内容物を取り出せる様になる。
【0057】
このように構成されたカップ容器1によれば、カップ本体10及び蓋11をヒートシール(熱融着)したときのシール強度を、破断部13の開口強度よりも高くした。これにより、電子レンジでカップ容器1の内容物100を加熱したときに、破断部13が先に開口し、破断部13を確実に開口させることが可能となる。よって、カップ容器1は、電子レンジ加熱時に破断部13を破断させて、内部の蒸気を排出することができる。
【0058】
また、カップ本体10及び蓋11のシール部30がフランジ10bの外周縁側に存せず、フランジ10bの内周縁側でヒートシールされることで、フランジ10bから蓋11が剥離するときに、フランジ10bが変形することを防止できる。よって、フランジ10bから蓋11を剥がす方向の力が、シール部30に集中することから、シール部30のシール強度が破断部13の開口強度より高い構成であっても、蓋11を容易に剥離させることができる。
【0059】
また、カップ本体10は、胴部10a及びフランジ10bに複数のリブ10cを設けることで、フランジ10bの変形を抑制できることから、蓋11を容易に剥がすことが可能となる。
【0060】
また、シール部30は、幅狭部31及び幅広部32を、少なくともタブ11aと対向する部位に設け、そして、幅広部32が径方向外方に突出する構成とすることで、幅広部32の先端に蓋11を剥離方向に移動させたときの応力が集中する。よって、蓋11がフランジ10bから剥離する基点が幅広部32の先端に生じることになり、蓋11の剥離性が高くなり、蓋11を容易に剥がすことができる。また、幅広部32において、シール部30が内方に突出せず、シール部30の内周縁がフランジ10bと同形状であることから、カップ容器1の加熱時に内圧が上昇し、蓋11が変形しても、シール部30が剥離することを防止できる。
【0061】
上述した実施形態に係るカップ容器1及び蓋11によれば、カップ本体10及び蓋11のシール部30のシール強度を破断部13の開口強度よりも高くすることで、破断部13を確実に開口させることが可能となる。
【0062】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上述した例では、包装体1をカップ容器とする構成を説明したが、これに限定されず、包装体1は、二以上の部材がヒートシールによって一体に形成され、そして、一部に破断部13を有する構成であれば各種包装容器に適用することができる。例えば、
図20に示すように、包装体1は、パウチ容器であってもよい。
【0063】
次に、第2の実施形態として、包装体としてのパウチ容器1Aの構成を、
図20を用いて説明する。なお、第2の実施形態のパウチ容器1Aの構成のうち、上述した第1の実施形態のカップ容器1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0064】
図20に示すように、パウチ容器1Aは、袋状容器であって、食品等の内容物100を収容し、電子レンジで加熱できる容器である。また、パウチ容器1Aは、例えば、自立できるスタンディングパウチである。
【0065】
図20に示すように、パウチ容器1Aは、胴部41と、胴部41と一体に設けられる底部42と、を備える。パウチ容器1Aは、矩形状の一対の胴部シート51及び一方向に長い矩形状の一枚の底部シート52を熱融着することで、胴部41及び底部42を有する袋状に構成される。即ち、パウチ容器1Aは、三つの部材を熱融着することで構成される包装体である。
【0066】
胴部41は、一対の胴部シート51により構成される。底部42は、一対の胴部シート51の下端部及び底部シート52により構成される。
【0067】
胴部シート51及び底部シート52は、上述した蓋11を形成するフィルムと同一の層構成を有する。即ち、胴部シート51及び底部シート52は、
図3に示すように、二軸延伸配向フィルム21を外面側に有する積層構造のフィルムにより形成される。例えば、胴部シート51及び底部シート52は、二軸延伸配向フィルム21、接着剤層22及びシーラントフィルム23を有する。なお、胴部シート51及び底部シート52は、印刷層を有していても良い。
【0068】
また、一対の胴部シート51の少なくとも一方に、一以上の配向緩和部21aが設けられ、一以上の配向緩和部21aによって、破断部13が形成される。
【0069】
胴部41及び底部42は、一対の胴部シート51のシーラントフィルム23同士が対向し、且つ、一対の胴部シート51の下部の間に、底部42を構成する底部シート52が、胴部シート51のシーラントフィルム23及び底部シート52のシーラントフィルム23が対向するように配置され、一対の胴部シート51の上部以外の側部及び一対の胴部シート51及び底部シート52が熱融着することで形成される。即ち、一対の胴部シート51及び底部シート52にシール部60が形成されて、胴部41及び底部42が袋状に形成される。そして、上部開口から内容物100が充填された後に、一対の胴部41の上部が熱溶着することで形成されたシール部61によって、密封されたパウチ容器1Aが形成される。
【0070】
また、パウチ容器1Aのシール部60、61のシール強度は、破断部13の開口強度よりも高く設定される。これにより、パウチ容器1Aは、破断部13を確実に開口させることが可能となる。
【0071】
即ち、本発明は、複数の部材を熱融着によって形成した包装体とし、熱融着によって形成されるシール部のシール強度を、一部に設けた破断部13の開口強度よりも高くすることで、破断部13を確実に開口させることが可能となる。
【0072】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した例では、蓋11及び胴部シート51は、配向緩和部21aの領域の方が配向部21bよりも破断伸度の数値が高く、且つ、蓋11の分子配向部における引張弾性率E1及び分子配向緩和部における引張弾性率E2の関係を0<E2/E1<0.5とする例を説明した。しかしながら、蓋11及び胴部シート51は、配向緩和部21a及び配向部21bの破断伸度及び引張弾性率E2/E1のいずれかが上述した関係に設定される構成であってもよい。
【0073】
即ち、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0074】
1…カップ容器(包装体)、1A…パウチ容器(包装体)、10…カップ本体、10a…胴部、10b…フランジ、10c…リブ、11…蓋、11a…タブ、13…破断部、21…二軸延伸配向フィルム、21a…配向緩和部、21b…配向部、21c…蒸気口、22…接着剤層、23…シーラントフィルム、30…シール部、31…幅狭部、32…幅広部、41…胴部、42…底部、51…胴部シート、52…底部シート、60、61…シール部、100…内容物。