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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024454
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20240215BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
H01F27/29 H
H01F27/29 120
H01F27/29 P
H01F27/29 Q
H01F27/28 128
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127285
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】松浦 利典
(72)【発明者】
【氏名】加藤 一
(72)【発明者】
【氏名】占部 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】小池 信太朗
(72)【発明者】
【氏名】遠田 一重
(72)【発明者】
【氏名】風間 拓人
(72)【発明者】
【氏名】後藤 真史
【テーマコード(参考)】
5E043
5E070
【Fターム(参考)】
5E043AB01
5E043EA01
5E070AA01
5E070CA06
5E070DB02
5E070EA06
(57)【要約】
【課題】実装性が向上するコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品1は、側面2bを有する素体2と、素体2内に配置されたコイル部31と、側面2b上に配置された一対の端子部32,33と、コイル部31の両端のうち対応する端と一対の端子部32,33のうち対応する端子部とにそれぞれ連続する一対の接続部34,35と、を有する導電体3と、を備えている。側面2bに直交する第1方向D1から見て、各接続部34,35における対応する端子部32,33との第1接続位置341,351は、各接続部34,35における対応するコイル部31の端との第2接続位置342,352よりもコイル部31から離れている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装面を有する素体と、
前記素体内に配置されたコイル部と、前記実装面上に配置された一対の端子部と、前記コイル部の両端のうち対応する端と前記一対の端子部のうち対応する端子部とにそれぞれ連続する一対の接続部と、を有する導電体と、を備え、
前記実装面に直交する方向から見て、各前記接続部における前記対応する端子部との第1接続位置は、各前記接続部における前記対応する端との第2接続位置よりも前記コイル部から離れている、コイル部品。
【請求項2】
各前記接続部は、前記素体内に配置されている、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
各前記接続部は、平板形状を呈している、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項4】
各前記端子部は、平板形状を呈している、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記素体は、前記コイル部のコイル軸方向において前記コイル部を挟んで互いに対向している第1側面及び第2側面を有し、
前記一対の接続部は、前記コイル部における前記第1側面寄りの端に連続する第1接続部と、前記コイル部における前記第2側面寄りの端に連続する第2接続部とを含み、
前記第1接続部は、前記コイル軸方向において、前記第1接続部での前記第2接続位置が前記第1接続部での前記第1接続位置よりも前記第1側面に近くなるように、配置され、
前記第2接続部は、前記コイル軸方向において、前記第2接続部での前記第2接続位置が前記第2接続部での前記第1接続位置よりも前記第2側面に近くなるように、配置されている、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記素体は、前記コイル部のコイル軸方向において前記コイル部を挟んで互いに対向している第1側面及び第2側面を有し、
前記一対の接続部は、前記コイル部における前記第1側面寄りの端に連続する第1接続部と、前記コイル部における前記第2側面寄りの端に連続する第2接続部とを含み、
前記第1接続部は、前記コイル軸方向において、前記第1接続部での前記第1接続位置が前記第1接続部での前記第2接続位置よりも前記第1側面に近くなるように、配置され、
前記第2接続部は、前記コイル軸方向において、前記第2接続部での前記第1接続位置が前記第2接続部での前記第2接続位置よりも前記第2側面に近くなるように、配置されている、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項7】
各前記端子部は、前記コイル部のコイル軸方向に沿って延在しており、
前記コイル軸方向において、各前記端子部の長さは前記コイル部の長さよりも大きい、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているコイル部品は、実装面を有する素体と、素体内に配置されたコイル部と、実装面上に配置された一対の端子部と、を備えている(例えば、特許文献1を参照)。
コイル部と一対の端子部とは、連続した一つの導電体から形成されている場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-070154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなコイル部品では、実装面において端子部の配置スペースを十分に確保することができず、コイル部品を他の電子機器に安定的に実装することができない場合がある。例えば、低インダクタンスのコイル部品のようなコイル部のターン数が少ないコイル部品では、コイル部の両端の間隔が狭いため、端子部の配置スペースを十分に確保し難い。
【0005】
本発明の態様は、実装性が向上するコイル部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの態様に係るコイル部品は、実装面を有する素体と、素体内に配置されたコイル部と、実装面上に配置された一対の端子部と、コイル部の両端のうち対応する端と一対の端子部のうち対応する端子部とにそれぞれ連続する一対の接続部と、を有する導電体と、を備えている。実装面に直交する方向から見て、各接続部における対応する端子部との第1接続位置は、各接続部における対応するコイル部の端との第2接続位置よりもコイル部から離れている。
【0007】
上記一つの態様では、各端子部における接続部と連続する部分がコイル部から離れて位置するため、実装面において端子部の配置スペースを十分に確保し得る。この結果、端子部を大きく形成し得るため、コイル部品の実装性が向上する。
【0008】
上記一つの態様では、各接続部は、素体内に配置されていてもよい。
各接続部が素体内に配置されている構成は、各接続部が素体から分離することを抑制する。
【0009】
上記一つの態様では、各接続部は、平板形状を呈していてもよい。
各接続部が平板形状を呈している構成は、各接続部における素体との接触面積を増加させ、各接続部が素体から分離することを一層抑制する。
【0010】
上記一つの態様では、各端子部は、平板形状を呈していてもよい。
各端子部が平板形状を呈している構成は、各端子部における素体との接触面積を増加させ、各端子部が素体から分離することを一層抑制する。
【0011】
上記一つの態様では、素体は、コイル部のコイル軸方向においてコイル部を挟んで互いに対向している第1側面及び第2側面を有していてもよい。一対の接続部は、コイル部における第1側面寄りの端に連続する第1接続部と、コイル部における第2側面寄りの端に連続する第2接続部とを含んでいてもよい。第1接続部は、コイル軸方向において、第1接続部での第2接続位置が第1接続部での第1接続位置よりも第1側面に近くなるように、配置されていてもよい。第2接続部は、コイル軸方向において、第2接続部での第2接続位置が第2接続部での第1接続位置よりも第2側面に近くなるように、配置されていてもよい。
第1接続部及び第2接続部が上述したように配置されている構成は、コイル部品の製造過程において、コイル部の磁路長が設計値よりも長くなることを抑制する。この結果、上記構成は、コイル部品のL値が所望の値からずれることを抑制する。
【0012】
上記一つの態様では、素体は、コイル部のコイル軸方向においてコイル部を挟んで互いに対向している第1側面及び第2側面を有していてもよい。一対の接続部は、コイル部における第1側面寄りの端に連続する第1接続部と、コイル部における第2側面寄りの端に連続する第2接続部とを含んでいてもよい。第1接続部は、コイル軸方向において、第1接続部での第1接続位置が第1接続部での第2接続位置よりも第1側面に近くなるように、配置されていてもよい。第2接続部は、コイル軸方向において、第2接続部での第1接続位置が第2接続部での第2接続位置よりも第2側面に近くなるように、配置されていてもよい。
第1接続部及び第2接続部が上述したように配置されている構成は、各接続部のコイル軸方向での長さを短くしつつ、第1接続位置を第2接続位置よりもコイル部から離して位置させ得る。上記構成では、コイル軸方向に垂直な方向において各接続部がコイル部と重ならない。このため、上記構成は、各接続部とコイル部との間に浮遊容量及び近接効果が発生することを抑制する。
【0013】
上記一つの態様では、各端子部は、コイル部のコイル軸方向に沿って延在しており、コイル軸方向において、各端子部の長さはコイル部の長さよりも大きくてもよい。
コイル軸方向において、各端子部の長さがコイル部の長さよりも大きい構成は、コイル部品の実装性を一層向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一つの態様は、実装性が向上するコイル部品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1実施形態に係るコイル部品を示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る導電体を示す斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係るコイル部品を実装面側から見た図である。
図4図4は、第1実施形態に係るコイル部品の断面構成を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係るコイル部品の断面構成を示す図である。
図6図6は、第1実施形態の第1変形例に係る導電体を示す斜視図である。
図7図7は、第1実施形態の第1変形例に係るコイル部品の断面構成を示す図である。
図8図8は、第1実施形態の第1変形例に係るコイル部品の断面構成を示す図である。
図9図9は、第1実施形態の第2変形例に係る導電体を示す斜視図である。
図10図10は、第2実施形態に係る導電体を示す斜視図である。
図11図11は、第2実施形態に係るコイル部品を実装面側から見た図である。
図12図12は、第2実施形態の第1変形例に係る導電体を示す斜視図である。
図13図13は、第2実施形態の第1変形例に係るコイル部品を実装面側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0017】
[第1実施形態]
図1~5を参照して、第1実施形態に係るコイル部品1の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係るコイル部品1を示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係る導電体3を示す斜視図である。図3は、コイル部品1を実装面側から見た図である。図4及び図5は、第1実施形態に係るコイル部品1の断面構成を示す図である。コイル部品1は、素体2と、導電体3と、を備えている。
【0018】
素体2は、直方体形状を呈している。直方体形状は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、並びに、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含む。素体2は、互いに対向している一対の側面2a,2bと、互いに対向している一対の側面2c,2dと、互いに対向している一対の側面2e,2fと、を有している。側面2cが第1側面を構成する場合、側面2dは第2側面を構成する。一対の側面2a,2b、一対の側面2c,2d、及び一対の側面2e,2fは、長方形状を呈している。一対の側面2a,2bが対向している方向が、第1方向D1である。一対の側面2c,2dが対向している方向が、第2方向D2である。一対の側面2e,2fが対向している方向が、第3方向D3である。本実施形態では、第1方向D1、第2方向D2及び第3方向D3は、互いに直交している。第2方向D2における素体2の長さは、例えば0.2mmであってもよい。第3方向D3における素体2の長さは、例えば0.4mmであってもよい。
【0019】
側面2a,2bは、第1方向D1に垂直な面である。側面2c,2dは、第2方向D2に垂直な面である。側面2e,2fは、第3方向D3に垂直な面である。側面2a,2bは、側面2cと側面2dとを連結している。側面2a,2bは、側面2eと側面2fとを連結している。コイル部品1は、例えば、電子機器にはんだ実装される。電子機器は、例えば、回路基板又は電子部品を含む。側面2bは、実装面であり、電子機器と対向するように配置される。
【0020】
素体2は、例えば樹脂から形成されていてもよい。樹脂は、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂、結晶性ポリスチレン、エポキシ樹脂、又はフッ素樹脂であってもよい。ポリイミド樹脂は、ビスマレイミド樹脂であってもよい。フッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)であってもよい。素体2を形成する樹脂は、コイル部品1の特性を高めるためのフィラー、又は不純物を含んでいてもよい。
【0021】
導電体3は、コイル部31と、一対の端子部32,33と、一対の接続部34,35と、を有している。コイル部31、一対の端子部32,33及び一対の接続部34,35は、連続した一つの導電体から構成されている。コイル部31、一対の端子部32,33及び一対の接続部34,35は、例えば、一本のワイヤから形成されてもよい。導電体3は、例えば、銅、銀、金、ニッケル、又はクロムから形成されていてもよい。
【0022】
コイル部31は、素体2内に配置されている。コイル部31は、螺旋状の部分であり、コイル部品1においてコイルとして機能する。コイル部31は、例えば、ワイヤの一部が螺旋状に巻き回されることにより形成される。この例では、コイル部31のコイル軸方向は、第2方向D2に沿っている。コイル部31は、第2方向D2において側面2c及び側面2dに挟まれている。コイル部31が側面2c及び側面2dに挟まれているとは、側面2c及び側面2dの間にコイル部31が配置されていることであり、側面2c及び側面2dがコイル部31に接触していなくてもよい。コイル部31は、複数のターン311を有している。複数のターン311は、第2方向D2に並んでいる。複数のターン311は、第2方向D2においてコイル部31の両端に位置するターン312,313を含んでいる。ターン312は、第2方向D2において側面2cに最も近いターンである。ターン313は、第2方向D2において側面2dに最も近いターンである。
【0023】
コイル部31の巻き数は、例えば1以上3以下であってもよい。コイル部31の巻き数は、ターン311の数と一致していてもよい。コイル部31の磁路長は、コイル軸方向におけるコイル部31の長さに等しい。この例では、図3に示されるように、第2方向D2におけるコイル部31の長さL1がコイル部31の磁路長である。長さL1は、第2方向D2に垂直であり且つターン312に接する仮想平面と、第2方向D2に垂直であり且つターン313に接する仮想平面とでコイル部31を挟んだときの、第2方向D2での仮想平面同士の間隔で規定される。コイル部品1のインダクタンス値は、コイル部31の巻き数及び長さL1に依存する。コイル部品1のインダクタンス値は、例えば2nH以下であってもよい。コイル部品1は、インダクタンス値が2nH以下である低インダクタンスのコイル部品であってもよい。
【0024】
一対の端子部32,33は、側面2b上に配置されている。端子部32,33が側面2b上に配置されているとは、端子部32,33が側面2bに直接接触している場合だけでなく、端子部32,33と側面2bとの間に介在物が存在している場合を含む。介在物は、例えば、端子部32,33を側面2bに固定するための接着剤であってもよい。端子部32,33は、素体2から露出している。端子部32,33は、コイル部品1を他の電子機器に接続するための端子として機能する。図3に示されるように、一対の端子部32,33は、第3方向D3における側面2bの両端部にそれぞれ配置されている。一対の端子部32,33は、第3方向D3において互いに離間している。端子部32は、端子部33よりも側面2e寄りに配置され、端子部33は、端子部32よりも側面2f寄りに配置されている。
【0025】
端子部32,33は、平板形状を呈している。端子部32,33は、例えば、ワイヤの一部が潰されることにより形成される。端子部32,33は、第1方向D1に厚さを有している。端子部32,33は、第2方向D2及び第3方向D3に沿って延在している。端子部32,33は、平面視において長方形状を呈している。端子部32,33の長手方向は、第2方向D2に沿っている。端子部32,33の短手方向は、第3方向D3に沿っている。図3に示されるように、第2方向D2における端子部32,33の長さL2は、コイル部31の長さL1よりも大きい。長さL2は、第2方向D2における端子部32,33の最大長さで規定される。この例では、長さL2は、第2方向D2における素体2の長さと同等である。以下、「同等」は、必ずしも、値が一致していることだけを意味するのではない。予め設定した範囲での微差、製造誤差、又は測定誤差が値に含まれている場合でも、値が同等であるとしてもよい。
【0026】
一対の接続部34,35は、素体2内に配置されている。一対の接続部34,35は、コイル部31の両端のうち対応する端と一対の端子部32,33のうち対応する端子部とにそれぞれ連続している。この例では、接続部34は、コイル部31における側面2c寄りの端と端子部32とに連続している。コイル部31における側面2c寄りの端は、ターン312の端である。接続部35は、コイル部31における側面2d寄りの端と端子部33とに連続している。コイル部31における側面2d寄りの端は、ターン313の端である。接続部34が第1接続部を構成する場合、接続部35は第2接続部を構成する。
【0027】
接続部34,35は、平板形状を呈している。接続部34,35は、例えば、ワイヤの一部が潰されることにより形成される。接続部34,35は、第1方向D1に厚さを有している。接続部34,35は、第2方向D2及び第3方向D3に沿って延在している。第2方向D2における接続部34,35の長さは、端子部32,33の長さL2よりも小さい。第3方向D3における接続部34,35の長さは、第3方向D3における端子部32,33の長さと同等である。接続部34は、第1方向D1から見た場合に端子部32と重なっている。すなわち、接続部34は、第1方向D1において端子部32に積層されるように配置されている。接続部34は、第1方向D1において端子部32と接触していない。接続部35は、第1方向D1から見た場合に端子部33と重なっている。すなわち、接続部35は、第1方向D1において端子部33に積層されるように配置されている。接続部35は、第1方向D1において端子部33と接触していない。
【0028】
接続部34は、第1接続位置341と、第2接続位置342とを有している。接続部34は、第1接続位置341において端子部32と連続しており、第2接続位置342においてコイル部31と連続している。第1接続位置341は、接続部34と端子部32との機能的な境界位置である。すなわち、第1接続位置341は、導電体3において、接続部34としての機能と端子部32としての機能とを分ける位置である。第1接続位置341において接続部34と端子部32との物理的な境目は存在し難く、接続部34と端子部32とは互いに連続している。
【0029】
第2接続位置342は、接続部34とコイル部31との機能的な境界位置である。すなわち、第2接続位置342は、導電体3において、接続部34としての機能とコイル部31としての機能とを分ける位置である。第2接続位置342において接続部34とコイル部31との物理的な境目は存在し難く、接続部34とコイル部31とは互いに連続している。
【0030】
第1方向D1から見て、第1接続位置341は、第2接続位置342よりもコイル部31から離れている。この例では、第1接続位置341は、第2方向D2において、第2接続位置342よりもコイル部31から離れている。図4に示されるように、第2接続位置342は、第2方向D2において素体2の略中央にある。第1接続位置341は、第2方向D2において第2接続位置342よりも側面2dに近い。すなわち、第2接続位置342は、第2方向D2において第1接続位置341よりも側面2cに近い。
【0031】
接続部34は、第2方向D2において、コイル部31における側面2c寄りの端と、側面2dとの間に配置されている。接続部34は、第2接続位置342を基準とした場合に側面2d寄りに配置されている。この例では、第1接続位置341が第2接続位置342よりも側面2dの近くにあるため、端子部32における接続部34と連続する一端32aが側面2dの近くに位置している。端子部32の他端32bは、第2接続位置342よりも側面2cの近くに位置している。一端32a及び他端32bは、端子部32の第2方向D2における両端である。端子部32は、第2方向D2において側面2bの略全体にわたって配置されている。
【0032】
接続部35は、第1接続位置351と、第2接続位置352とを有している。接続部35は、第1接続位置351において端子部33と連続しており、第2接続位置352においてコイル部31と連続している。第1接続位置351は、接続部35と端子部33との機能的な境界位置である。すなわち、第1接続位置351は、導電体3において、接続部35としての機能と端子部33としての機能とを分ける位置である。第1接続位置351において接続部35と端子部33との物理的な境目は存在し難く、接続部35と端子部33とは互いに連続している。
【0033】
第2接続位置352は、接続部35とコイル部31との機能的な境界位置である。すなわち、第2接続位置352は、導電体3において、接続部35としての機能とコイル部31としての機能とを分ける位置である。第2接続位置352において接続部35とコイル部31との物理的な境目は存在し難く、接続部35とコイル部31とは互いに連続している。
【0034】
第1方向D1から見て、第1接続位置351は、第2接続位置352よりもコイル部31から離れている。この例では、第1接続位置351は、第2方向D2において、第2接続位置352よりもコイル部31から離れている。図5に示されるように、第2接続位置352は、第2方向D2において素体2の略中央にある。第1接続位置351は、第2方向D2において第2接続位置352よりも側面2cに近い。すなわち、第2接続位置352は、第2方向D2において第1接続位置351よりも側面2dに近い。
【0035】
接続部35は、第2方向D2において、コイル部31における側面2d寄りの端と、側面2cとの間に配置されている。接続部35は、第2接続位置352を基準とした場合に側面2c寄りに配置されている。この例では、第1接続位置351が第2接続位置352よりも側面2cの近くにあるため、端子部33における接続部35と連続する一端33aが側面2cの近くに位置している。端子部33の他端33bは、第2接続位置352よりも側面2dの近くに位置している。一端33a及び他端33bは、端子部33の第2方向D2における両端である。端子部33は、第2方向D2において側面2bの略全体にわたって配置されている。
【0036】
本実施形態に係るコイル部品1では、導電体3が、コイル部31の両端のうち対応する端と一対の端子部32,33のうち対応する端子部とにそれぞれ連続する一対の接続部34,35を備え、第1方向D1から見て、各接続部34,35における第1接続位置341,351が、各接続部34,35における第2接続位置342,352よりもコイル部31から離れている。この場合、各端子部32,33における接続部34,35と連続する一端32a,33aがコイル部31から離れて位置するため、側面2bにおいて端子部32,33の配置スペースを十分に確保し得る。この結果、端子部32,33を大きく形成し得るため、コイル部品1の実装性が向上する。
例えば、コイル部品1のように、第1接続位置341が第2接続位置342よりもコイル部31から離れて側面2dの近くに位置していることにより、端子部32における接続部34と連続する一端32aが側面2dの近くに位置する。この場合、端子部32は、例えば第2方向D2における側面2bの略全体にわたって配置され得る。すなわち、端子部32は、第2方向D2における素体2の長さと同等の長さを有し得る。同様に、第1接続位置351が第2接続位置352よりもコイル部31から離れて側面2cの近くに位置していることにより、端子部33が、例えば第2方向D2における側面2bの略全体にわたって配置され得る。すなわち、端子部33は、第2方向D2における素体2の長さと同等の長さを有し得る。
これに対して、コイル部31の端と同じ位置に端子部32の一端32aが位置する構成、すなわち、第1接続位置341と第2接続位置342とが同じ位置にある構成では、端子部32の長さは、例えば、端子部32と連続するコイル部31の端から側面2dまでの第2方向D2での長さである。同様に、コイル部31の端と同じ位置に端子部33の一端33aが位置する構成では、端子部33の長さは、例えば、端子部33と連続するコイル部31の端から側面2cまでの第2方向D2での長さである。
したがって、コイル部品1は、コイル部31の両端と同じ位置に端子部32,33の一端32a,33aが位置する構成と比べて、端子部32,33を大きく形成し得る。この結果、コイル部品1の実装性が向上する。
【0037】
各接続部34,35は、素体2内に配置されている。したがって、コイル部品1は、各接続部34,35が素体2から分離することを抑制する。
【0038】
各接続部34,35は、平板形状を呈している。したがって、コイル部品1は、各接続部34,35における素体2との接触面積を増加させ、各接続部34,35が素体2から分離することを一層抑制する。
【0039】
各端子部32,33は、平板形状を呈している。したがって、コイル部品1は、各端子部32,33における素体2との接触面積を増加させ、各端子部32,33が素体2から分離することを一層抑制する。
【0040】
素体2は、第2方向D2においてコイル部31を挟んで互いに対向している側面2c及び側面2dを有している。一対の接続部34,35は、コイル部31における側面2c寄りの端に連続する接続部34と、コイル部31における側面2d寄りの端に連続する接続部35とを含んでいる。接続部34は、第2方向D2において、第2接続位置342が第1接続位置341よりも側面2cに近くなるように、配置されている。接続部35は、第2方向D2において、第2接続位置352が第1接続位置351よりも側面2dに近くなるように、配置されている。
例えば、仮に、コイル部品の製造過程において、接続部34を側面2c側に折り曲げて配置する場合、接続部34に連続するターン312がコイル部31の外側、すなわち側面2c側に移動してコイル部31の磁路長が設計値よりも長くなるおそれがある。これに対して、第2接続位置342が第1接続位置341よりも側面2cに近くなるように接続部34が配置されるコイル部品1の製造過程では、接続部34は、側面2d側、すなわちコイル部31の内側に向かって折り曲げられる。このため、ターン312が側面2c側に移動し難い。同様に、コイル部品1の製造過程では、接続部35は、第1方向D1に対して側面2c側、すなわちコイル部31の内側に向かって折り曲げられる。このため、ターン313が側面2d側に移動し難い。このように、コイル部品1は、コイル部31の磁路長が設計値よりも長くなることを抑制し、L値が所望の値からずれることを抑制する。
【0041】
各端子部32,33は、第2方向D2に沿って延在している。第2方向D2において、各端子部32,33の長さL2はコイル部31の長さL1よりも大きい。したがって、コイル部品1は、実装性を一層向上する。
【0042】
[第1変形例]
図6図8を参照して、第1実施形態の第1変形例に係るコイル部品1Aの構成を説明する。図6は、第1実施形態の第1変形例に係る導電体3Aを示す斜視図である。図7及び図8は、第1実施形態の第1変形例に係るコイル部品1Aの断面構成を示す図である。本変形例に係るコイル部品1Aは、接続部34,35の構成に関して、上述したコイル部品1と相違する。以下、上述した第1実施形態と本変形例との相違点を主として説明する。
【0043】
第1方向D1から見て、第1接続位置341は、第2接続位置342よりもコイル部31から離れている。第1接続位置341は、第2方向D2において、第2接続位置342よりもコイル部31から離れている。図7に示されるように、本変形例では、第1接続位置341は、第2方向D2において第2接続位置342よりも側面2cに近い。すなわち、第2接続位置342は、第2方向D2において第1接続位置341よりも側面2dに近い。
【0044】
本変形例では、接続部34は、第2方向D2において、コイル部31における側面2c寄りの端と、側面2cとの間に配置されている。接続部34は、第2接続位置342を基準とした場合に側面2c寄りに配置されている。接続部34は、第1方向D1においてコイル部31と重なっていない。本変形例では、第1接続位置341が第2接続位置342よりも側面2cの近くにあるため、端子部32における接続部34と連続する一端32aが側面2cの近くに位置している。端子部32の他端32bは、第2接続位置342よりも側面2dの近くに位置している。端子部32は、第2方向D2において側面2bの略全体にわたって配置されている。
【0045】
第1方向D1から見て、第1接続位置351は、第2接続位置352よりもコイル部31から離れている。第1接続位置351は、第2方向D2において、第2接続位置352よりもコイル部31から離れている。図8に示されるように、本変形例では、第1接続位置351は、第2方向D2において第2接続位置352よりも側面2dに近い。すなわち、第2接続位置352は、第2方向D2において第1接続位置351よりも側面2cに近い。
【0046】
本変形例では、接続部35は、第2方向D2において、コイル部31における側面2d寄りの端と、側面2dとの間に配置されている。接続部35は、第2接続位置352を基準とした場合に側面2d寄りに配置されている。接続部35は、第1方向D1においてコイル部31と重なっていない。本変形例では、第1接続位置351が第2接続位置352よりも側面2dの近くにあるため、端子部33における接続部35と連続する一端33aが側面2dの近くに位置している。端子部33の他端33bは、第2接続位置352よりも側面2cの近くに位置している。端子部33は、第2方向D2において側面2bの略全体にわたって配置されている。
【0047】
本変形例に係るコイル部品1Aでは、コイル部品1と同様に、導電体3Aが、コイル部31の両端のうち対応する端と一対の端子部32,33のうち対応する端子部とにそれぞれ連続する一対の接続部34,35を備え、第1方向D1から見て、各接続部34,35における第1接続位置341,351が、各接続部34,35における第2接続位置342,352よりもコイル部31から離れている。この場合、コイル部品1と同様に、側面2bにおいて端子部32,33の配置スペースを十分に確保し得る。この結果、端子部32,33を大きく形成し得るため、コイル部品1Aの実装性が向上する。
【0048】
コイル部品1Aは、第2方向D2において、第1接続位置341が第2接続位置342よりも側面2cに近くなるように、接続部34が配置され、第2方向D2において、第1接続位置351が第2接続位置352よりも側面2dに近くなるように、接続部35が配置されている構成を備える。この構成は、各接続部34,35の第2方向D2での長さを短くしつつ、第1接続位置341,351を第2接続位置342,352よりもコイル部31から離して位置させ得る。コイル部品1Aでは、第1方向D1において各接続部34,35がコイル部31と重ならない。このため、コイル部品1Aは、各接続部34,35とコイル部31との間に浮遊容量及び近接効果が発生することを抑制する。
【0049】
[第2変形例]
図9を参照して、第1実施形態の第2変形例に係るコイル部品の構成を説明する。図9は、第1実施形態の第2変形例に係る導電体3Bを示す斜視図である。本変形例に係る導電体3Bは、接続部34の構成に関して、上述した第1実施形態に係る導電体3と相違する。本変形例に係る導電体3Bの接続部34の構成は、上述した第1変形例に係る導電体3Aの接続部34と同様の構成を有している。
【0050】
第1方向D1から見て、第1接続位置341は、第2接続位置342よりもコイル部31から離れている。第1接続位置341は、第2方向D2において、第2接続位置342よりもコイル部31から離れている。図7に示される第1変形例と同様に、本変形例での第1接続位置341は、第2方向D2において第2接続位置342よりも側面2cに近い。すなわち、第2接続位置342は、第2方向D2において第1接続位置341よりも側面2dに近い。本変形例では、接続部34は、第2方向D2において、コイル部31における側面2c寄りの端と、側面2cとの間に配置されている。接続部34は、第2接続位置342を基準とした場合に側面2c寄りに配置されている。接続部34は、第1方向D1においてコイル部31と重なっていない。
【0051】
第1方向D1から見て、第1接続位置351は、第2接続位置352よりもコイル部31から離れている。第1接続位置351は、第2方向D2において、第2接続位置352よりもコイル部31から離れている。図5に示される第1実施形態と同様に、本変形例での第1接続位置351は、第2方向D2において第2接続位置352よりも側面2cに近い。すなわち、第2接続位置352は、第2方向D2において第1接続位置351よりも側面2dに近い。本変形例では、接続部35は、第2方向D2において、コイル部31における側面2d寄りの端と、側面2cとの間に配置されている。接続部35は、第2接続位置352を基準とした場合に側面2c寄りに配置されている。
【0052】
本変形例に係るコイル部品では、コイル部品1と同様に、導電体3Bが、コイル部31の両端のうち対応する端と一対の端子部32,33のうち対応する端子部とにそれぞれ連続する一対の接続部34,35を備え、第1方向D1から見て、各接続部34,35における第1接続位置341,351が、各接続部34,35における第2接続位置342,352よりもコイル部31から離れている。この場合、側面2bにおいて端子部32,33の配置スペースを十分に確保し得る。この結果、端子部32,33を大きく形成し得るため、コイル部品の実装性が向上する。
【0053】
[第2実施形態]
図10及び図11を参照して、第2実施形態に係るコイル部品1Cの構成を説明する。図10は、第2実施形態に係る導電体3Cを示す斜視図である。図11は、コイル部品1Cを実装面側から見た図である。本実施形態に係るコイル部品1Cは、端子部32,33及び接続部34,35の構成に関して、上述したコイル部品1と相違する。以下、上述した第1実施形態と本実施形態との相違点を主として説明する。
【0054】
図11に示されるように、本実施形態に係る一対の端子部32,33は、第2方向D2における側面2bの両端部にそれぞれ配置されている。一対の端子部32,33は、第2方向D2において互いに離間している。端子部32は、端子部33よりも側面2d寄りに配置され、端子部33は、端子部32よりも側面2c寄りに配置されている。端子部32は、コイル部31よりも側面2d寄りに配置され、端子部33は、コイル部31よりも側面2c寄りに配置されている。
【0055】
端子部32,33は、平板形状を呈している。端子部32,33は、第1方向D1に厚さを有している。端子部32,33は、第2方向D2及び第3方向D3に沿って延在している。第3方向D3における端子部32,33の長さは、第2方向D2における端子部32,33の長さよりも大きい。第3方向D3における端子部32,33の長さは、第2方向D2における素体2の長さよりも大きい。第3方向D3における端子部32,33の長さは、第3方向D3におけるコイル部31の長さと同等である。
【0056】
本実施形態では、一対の接続部34,35は、側面2b上に配置されている。接続部34,35が側面2b上に配置されているとは、接続部34,35が側面2bに直接接触している場合だけでなく、接続部34,35と側面2bとの間に介在物が存在している場合を含む。介在物は、例えば、接続部34,35を側面2bに固定するための接着剤であってもよい。接続部34,35は、素体2から露出している。本実施形態では、接続部34,35は、端子部32,33と同一平面上に配置されている。接続部34は、第1方向D1から見た場合に端子部32と重なっていない。接続部35は、第1方向D1から見た場合に端子部33と重なっていない。接続部34は、接続部35よりも側面2d寄りに配置され、接続部35は、接続部34よりも側面2c寄りに配置されている。接続部34は、接続部35よりも側面2e寄りに配置され、接続部35は、接続部34よりも側面2f寄りに配置されている。
【0057】
接続部34,35は、平板形状を呈している。接続部34,35は、第1方向D1に厚さを有している。接続部34,35は、第2方向D2及び第3方向D3に沿って延在している。第2方向D2における接続部34,35の長さは、第3方向D3における接続部34,35の長さよりも大きい。第2方向D2における接続部34の一端は、第3方向D3における端子部32の一端と連続している。端子部32及び接続部34からなる部分は、側面2d及び側面2eに沿って延在し、第1方向D1から見た場合にL字形状を呈している。端子部32及び接続部34からなる部分は、第1方向D1から見た場合に90°に折れ曲がった形状を呈している。第2方向D2における接続部35の一端は、第3方向D3における端子部33の一端と連続している。第1方向D1から見た場合に、端子部33及び接続部35からなる部分は、側面2c及び側面2fに沿って延在し、L字形状を呈している。端子部33及び接続部35からなる部分は、第1方向D1から見た場合に90°に折れ曲がった形状を呈している。
【0058】
第1方向D1から見て、第1接続位置341は、第2接続位置342よりもコイル部31から離れている。第1接続位置341は、第2方向D2において、第2接続位置342よりもコイル部31から離れている。図11に示されるように、第1接続位置341は、第2方向D2において第2接続位置342よりも側面2dに近い。すなわち、第2接続位置342は、第2方向D2において第1接続位置341よりも側面2cに近い。接続部34は、第2方向D2において、コイル部31における側面2c寄りの端と側面2dとの間に配置されている。コイル部31における側面2c寄りの端は、ターン312の端である。接続部34は、第2接続位置342を基準とした場合に側面2d寄りに配置されている。
【0059】
第1方向D1から見て、第1接続位置351は、第2接続位置352よりもコイル部31から離れている。第1接続位置351は、第2方向D2において、第2接続位置352よりもコイル部31から離れている。図11に示されるように、第1接続位置351は、第2方向D2において第2接続位置352よりも側面2cに近い。すなわち、第2接続位置352は、第2方向D2において第1接続位置351よりも側面2dに近い。接続部35は、第2方向D2において、コイル部31における側面2d寄りの端と側面2cとの間に配置されている。コイル部31における側面2d寄りの端は、ターン313の端である。接続部35は、第2接続位置352を基準とした場合に側面2c寄りに配置されている。
【0060】
本変形例に係るコイル部品1Cでは、コイル部品1と同様に、導電体3が、コイル部31の両端のうち対応する端と一対の端子部32,33のうち対応する端子部とにそれぞれ連続する一対の接続部34,35を備え、第1方向D1から見て、各接続部34,35における第1接続位置341,351が、各接続部34,35における第2接続位置342,352よりもコイル部31から離れている。この場合、側面2bにおいて端子部32,33の配置スペースを十分に確保し得る。この結果、端子部32,33を大きく形成し得るため、コイル部品1の実装性が向上する。
例えば、コイル部品1Cのように、第1接続位置341が第2接続位置342よりもコイル部31から離れて側面2dの近くに位置していることにより、端子部32も側面2dの近くに位置する。同様に、第1接続位置351が第2接続位置352よりもコイル部31から離れて側面2cの近くに位置していることにより、端子部33も側面2cの近くに位置する。この場合、例えば、第3方向D3における端子部32,33の長さをコイル部31の長さと同等の大きさにした場合であっても、端子部32,33を互いに接触させることなく側面2b上に配置し得る。すなわち、コイル部品1Cでは、側面2bにおいて、端子部32,33の配置スペースを第3方向D3において十分に確保し得る。したがって、コイル部品1Cは、端子部32,33を大きく形成し得る。この結果、コイル部品1Cの実装性が向上する。
【0061】
[第1変形例]
図12及び図13を参照して、第2実施形態の第1変形例に係るコイル部品1Dの構成を説明する。図12は、第2実施形態の第1変形例に係る導電体3Dを示す斜視図である。図13は、コイル部品1Dを実装面側から見た図である。本変形例に係るコイル部品1Dは、端子部32,33及び接続部34,35の構成に関して、上述したコイル部品1Dと相違する。以下、上述した第2実施形態と本変形例との相違点を主として説明する。
【0062】
図13に示されるように、本変形例に係る一対の端子部32,33は、第2方向D2における側面2bの両端部にそれぞれ配置されている。一対の端子部32,33は、第2方向D2において互いに離間している。端子部32は、端子部33よりも側面2c寄りに配置され、端子部33は、端子部32よりも側面2d寄りに配置されている。端子部32は、コイル部31よりも側面2c寄りに配置され、端子部33は、コイル部31よりも側面2d寄りに配置されている。
【0063】
本変形例では、接続部34は、接続部35よりも側面2c寄りに配置され、接続部35は、接続部34よりも側面2d寄りに配置されている。接続部34は、接続部35よりも側面2e寄りに配置され、接続部35は、接続部34よりも側面2f寄りに配置されている。第1方向D1から見た場合に、端子部32及び接続部34からなる部分は、側面2c及び側面2eに沿って延在し、第1方向D1から見た場合にL字形状を呈している。端子部32及び接続部34からなる部分は、第1方向D1から見た場合に90°に折れ曲がった形状を呈している。第1方向D1から見た場合に、端子部33及び接続部35からなる部分は、側面2d及び側面2fに沿って延在し、第1方向D1から見た場合にL字形状を呈している。端子部33及び接続部35からなる部分は、第1方向D1から見た場合に90°に折れ曲がった形状を呈している。
【0064】
第1方向D1から見て、第1接続位置341は、第2接続位置342よりもコイル部31から離れている。第1接続位置341は、第2方向D2において、第2接続位置342よりもコイル部31から離れている。図13に示されるように、本変形例では、第1接続位置341は、第2方向D2において第2接続位置342よりも側面2cに近い。すなわち、第2接続位置342は、第2方向D2において第1接続位置341よりも側面2dに近い。接続部34は、第2方向D2において、コイル部31における側面2c寄りの端と、側面2cとの間に配置されている。接続部34は、第2接続位置342を基準とした場合に側面2c寄りに配置されている。接続部34は、第1方向D1においてコイル部31と重なっていない。
【0065】
第1方向D1から見て、第1接続位置351は、第2接続位置352よりもコイル部31から離れている。第1接続位置351は、第2方向D2において、第2接続位置352よりもコイル部31から離れている。図13に示されるように、本変形例では、第1接続位置351は、第2方向D2において第2接続位置352よりも側面2dに近い。すなわち、第2接続位置352は、第2方向D2において第1接続位置351よりも側面2cに近い。接続部35は、第2方向D2において、コイル部31における側面2d寄りの端と、側面2dとの間に配置されている。接続部35は、第2接続位置352を基準とした場合に側面2d寄りに配置されている。接続部35は、第1方向D1においてコイル部31と重なっていない。
【0066】
本変形例に係るコイル部品1Dでは、コイル部品1Cと同様に、導電体3Dが、コイル部31の両端のうち対応する端と一対の端子部32,33のうち対応する端子部とにそれぞれ連続する一対の接続部34,35を備え、第1方向D1から見て、各接続部34,35における第1接続位置341,351が、各接続部34,35における第2接続位置342,352よりもコイル部31から離れている。この場合、コイル部品1Cと同様に、側面2bにおいて端子部32,33の配置スペースを十分に確保し得る。この結果、端子部32,33を大きく形成し得るため、コイル部品1Dの実装性が向上する。
【0067】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0068】
例えば、導電体3は、被覆を有していてもよい。被覆は、例えば、コイル部31を形成するワイヤの周囲に配置され、端子部32,33及び接続部34,35の周囲には配置されていなくてもよい。被覆は、例えば電気絶縁性を有する材料から形成されていてもよい。
【0069】
接続部34,35の形状は、平板形状に限定されない。例えば、接続部34,35は、コイル部31と同様に、ワイヤ状を呈していてもよい。この場合、接続部34,35の周囲に被覆が配置されていてもよい。
【0070】
コイル部品1は、素体2内に配置されたコアを更に備えていてもよい。コアは、コイル部31の内側に配置されていてもよい。すなわち、コイル部31は、コアの外側に巻き付けられていてもよい。コアは、樹脂、フェライト又はアルミナから形成されていてもよい。
【0071】
端子部32,33の形状は限定されない。例えば、第2実施形態において、第3方向D3における端子部32,33の長さは、第3方向D3におけるコイル部31の長さよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。端子部32,33は、第1方向D1から見た場合に、側面2bの外縁から離れて配置されていてもよい。この構成は、例えば、コイル部品1の製造過程において、それぞれがコイル部品1となる複数の部分を切断する際に、端子部32,33が切断されてしまうことを抑制する。
【0072】
上述した実施形態の記載から把握されるとおり、本明細書では以下に示す態様の開示を含んでいる。
(付記1)
実装面を有する素体と、
前記素体内に配置されたコイル部と、前記実装面上に配置された一対の端子部と、前記コイル部の両端のうち対応する端と前記一対の端子部のうち対応する端子部とにそれぞれ連続する一対の接続部と、を有する導電体と、を備え、
前記実装面に直交する方向から見て、各前記接続部における前記対応する端子部との第1接続位置は、各前記接続部における前記対応する端との第2接続位置よりも前記コイル部から離れている、コイル部品。
(付記2)
各前記接続部は、前記素体内に配置されている、付記1に記載のコイル部品。
(付記3)
各前記接続部は、平板形状を呈している、付記1又は2に記載のコイル部品。
(付記4)
各前記端子部は、平板形状を呈している、付記1~3のいずれか一つの付記に記載のコイル部品。
(付記5)
前記素体は、前記コイル部のコイル軸方向において前記コイル部を挟んで互いに対向している第1側面及び第2側面を有し、
前記一対の接続部は、前記コイル部における前記第1側面寄りの端に連続する第1接続部と、前記コイル部における前記第2側面寄りの端に連続する第2接続部とを含み、
前記第1接続部は、前記コイル軸方向において、前記第1接続部での前記第2接続位置が前記第1接続部での前記第1接続位置よりも前記第1側面に近くなるように、配置され、
前記第2接続部は、前記コイル軸方向において、前記第2接続部での前記第2接続位置が前記第2接続部での前記第1接続位置よりも前記第2側面に近くなるように、配置されている、付記1~4のいずれか一つの付記に記載のコイル部品。
(付記6)
前記素体は、前記コイル部のコイル軸方向において前記コイル部を挟んで互いに対向している第1側面及び第2側面を有し、
前記一対の接続部は、前記コイル部における前記第1側面寄りの端に連続する第1接続部と、前記コイル部における前記第2側面寄りの端に連続する第2接続部とを含み、
前記第1接続部は、前記コイル軸方向において、前記第1接続部での前記第1接続位置が前記第1接続部での前記第2接続位置よりも前記第1側面に近くなるように、配置され、
前記第2接続部は、前記コイル軸方向において、前記第2接続部での前記第1接続位置が前記第2接続部での前記第2接続位置よりも前記第2側面に近くなるように、配置されている、付記1~4のいずれか一つの付記に記載のコイル部品。
(付記7)
各前記端子部は、前記コイル部のコイル軸方向に沿って延在しており、
前記コイル軸方向において、各前記端子部の長さは前記コイル部の長さよりも大きい、付記1~6のいずれか一つの付記に記載のコイル部品。
【符号の説明】
【0073】
1,1A,1C,1D…コイル部品、2…素体、2b,2c,2d…側面、3,3A,3B,3C,3D…導電体、31…コイル部、32,33…端子部、34,35…接続部、341,351…第1接続位置、342,352…第2接続位置。
図1
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図13