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  • 特開-釣用のルアー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024461
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】釣用のルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/01 20060101AFI20240215BHJP
   A01K 85/16 20060101ALI20240215BHJP
   A01K 85/10 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
A01K85/01 A
A01K85/16
A01K85/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127296
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】早川 賢
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA42
2B307BA44
2B307BA46
2B307BA61
2B307BB02
2B307BB03
2B307BB04
(57)【要約】
【課題】 被視認部材の外部からの視認可能状態・不能状態の変化(オンオフ状態)を創出することを可能としかつ該被視認部材をより立体的に視認可能ならしめることで、更に確実にフィッシュイーターを誘引することが可能な誘引部を備えたルアーを提供する。
【解決手段】 本発明の一実施形態に係る釣用のルアーは、内部に空洞を有する本体部を備え、該空洞は外部からその一部が視認可能であり、前記空洞内には、可動部材が設けられ、該可動部材は、該空洞内の第1の位置では、少なくともその一部が前記外部から視認可能であり、該空洞内の第2の位置では、前記外部から視認可能ではないように構成される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空洞を有する本体部を備える釣用のルアーであって、
該空洞は外部からその一部が視認可能であり、
前記空洞内には、可動部材が設けられ、
該可動部材は、該空洞内の第1の位置では、少なくともその一部が前記外部から視認可能であり、該空洞内の第2の位置では、前記外部から視認可能ではないことを特徴とするルアー。
【請求項2】
前記可動部材は、有色部材又は蓄光部材である、請求項1に記載のルアー。
【請求項3】
前記可動部材は、前記外部からの光を反射可能な反射部材であり、前記反射部材は、前記本体部の一部に直接又は間接的に支持される、請求項1に記載のルアー。
【請求項4】
前記可動部材は、前記外部からの光を反射可能な反射部材であり、前記反射部材は、前記空洞内を移動可能に設けられる、請求項1に記載のルアー。
【請求項5】
前記空洞は、前記本体部の外面に塗装が形成される部分は前記外部から視認可能ではなく、前記本体部の外面に塗装が形成されない部分は、前記外部から視認可能である、請求項1に記載のルアー。
【請求項6】
前記空洞は、前記本体部が有色である部分は前記外部から視認可能ではなく、前記本体部が無色透明である部分は、前記外部から視認可能である、請求項1に記載のルアー。
【請求項7】
前記可動部材が前記外部からの光を反射可能な反射部材である場合、前記反射部材は、1又は複数の反射面又は反射体である、請求項1に記載のルアー。
【請求項8】
前記反射面は、円形、多角形、円弧状又は鱗状に形成される、請求項7に記載のルアー。
【請求項9】
前記反射体は、少なくともその一部が、円柱、波形、多角体、多面体、球体又は瓦状に形成される、請求項7に記載のルアー。
【請求項10】
前記可動部材が前記外部からの光を反射可能な反射部材である場合、前記反射部材は、外部からの光を鏡面反射可能である、請求項1に記載のルアー。
【請求項11】
前記本体部は、樹脂又は金属により形成される、請求項1に記載のルアー。
【請求項12】
前記反射面又は反射体が複数設けられる場合、各反射面又は反射体は同じ形状又は異なる形状である、請求項7に記載のルアー。
【請求項13】
前記可動部材が前記外部からの光を反射可能な反射部材である場合、該反射部材は、前記本体部の一部に一端が支持された支持部材により支持され、該支持部材は、前記反射部材の延伸方向に垂直な断面でみて、該反射部材の中心位置若しくは該中心位置から偏心された位置で該反射部材を支持する、請求項1に記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣用のルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ルアーフィッシングでは、フィッシュイーターを捕獲するため、小魚等のベイトに疑似された疑似餌(ルアー)が用いられている。このようなルアーとして、餌木、スプーン、プラグ、スピナー、ジグ、プラスチックルアー等様々な種類のものが知られている。
【0003】
このようなルアーの1つとして、特許文献1には、フィッシングに用いる疑似餌等の魚誘引具に係り、特に本体内に光線を反射する物体を液体と共に封入して反射体の移動により複雑な反射光を発現し、釣果を上げることが出来るようにした魚誘引具が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、一対の透明ないし半透明の素材からなる半割りのルアー部材を内部が中空となる間隔をもって貼り合わせてなり、上記半割りのルアー部材が内面に多数の凹凸を有する乱反射層を備えるとともに、乱反射層の表面に反射膜が形成され、かつ外面を平滑層とした発色性ルアーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-75628号公報
【特許文献2】特開平9-154438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の漁誘引具や特許文献2の発色性ルアーでは、外部へ光の反射をもたらし得るものの、反射光に変化(例えば、オンオフ状態の変化)を作り出すことが難しく、フィッシュイーターに気付かれにくいため、魚の誘引効果が必ずしも高くならないという問題があった。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被視認部材の外部からの視認可能状態・不能状態の変化(オンオフ状態)を創出することを可能としかつ該被視認部材をより立体的に視認可能ならしめることで、更に確実にフィッシュイーターを誘引することが可能な誘引部を備えたルアーを提供することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーは、内部に空洞を有する本体部を備え、該空洞は外部からその一部が視認可能であり、前記空洞内には、可動部材が設けられ、該可動部材は、該空洞内の第1の位置では、少なくともその一部が前記外部から視認可能であり、該空洞内の第2の位置では、前記外部から視認可能ではないように構成される。また、本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記可動部材は、有色部材又は蓄光部材である。
【0009】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記可動部材は、前記外部からの光を反射可能な反射部材であり、前記反射部材は、前記本体部の一部に直接又は間接的に支持されるように構成される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記可動部材は、前記外部からの光を反射可能な反射部材であり、前記反射部材は、前記空洞内を移動可能に設けられる。
【0011】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記空洞は、前記本体部の外面に塗装が形成される部分は前記外部から視認可能ではなく、前記本体部の外面に塗装が形成されない部分は、前記外部から視認可能であるように構成される。
【0012】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記空洞は、前記本体部が有色である部分は前記外部から視認可能ではなく、前記本体部が無色透明である部分は、前記外部から視認可能であるように構成される。
【0013】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記反射部材は、1又は複数の反射面又は反射体である。
【0014】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記反射面は、円形、多角形、円弧状又は鱗状に形成される。
【0015】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記反射体は、少なくともその一部が、円柱、波形、多角体、多面体、球体又は瓦状に形成される。
【0016】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記可動部材が前記外部からの光を反射可能な反射部材である場合、前記反射部材は、外部からの光を鏡面反射可能である。
【0017】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記本体部は、樹脂又は金属により形成される。
【0018】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記反射面又は反射体が複数設けられる場合、各反射面又は反射体は同じ形状又は異なる形状である。
【0019】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記可動部材が前記外部からの光を反射可能な反射部材である場合、該反射部材は、前記本体部の一部に一端が支持された支持部材により支持され、該支持部材は、前記反射部材の延伸方向に垂直な断面でみて、該反射部材の中心位置若しくは該中心位置から偏心された位置で該反射部材を支持するように構成される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の様々な実施形態によって、被視認部材の外部からの視認可能状態・不能状態の変化(オンオフ状態)を創出することを可能としかつ該被視認部材をより立体的に視認可能ならしめることで、更に確実にフィッシュイーターを誘引することが可能な誘引部を備えたルアーを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の各位置における反射部材の状態を説明する図である。
図2】(a)本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の位置Aにおける反射部材を説明する図である。(b)本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の位置Bにおける反射部材を説明する図である。
図3】(a)本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の位置Aにおける反射部材を説明する図である。(b)本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の位置Bにおける反射部材を説明する図である。
図4】(a)本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の位置Aにおける反射部材を説明する図である。(b)本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の位置Bにおける反射部材を説明する図である。
図5】(a)本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の位置Aにおける反射部材を説明する図である。(b)本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の位置Bにおける反射部材を説明する図である。
図6】(a)本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の位置Aにおける反射部材を説明する図である。(b)本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の位置Bにおける反射部材を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の反射面を説明する図である。
図8】本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の反射体を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の様々な実施形態を適宜図面を参照して説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。各図を参照して、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1について説明する。
【0023】
まず、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1は、内部に空洞11を有する本体部2を備え、該空洞11は外部からその一部が視認可能であり、該空洞11内には、被視認部材(視認可能状態において外部から視認される部材を意味する)として可動部材が設けられ、該可動部材(図1の例では反射部材4)は、該空洞11内の第1の位置Aでは、少なくともその一部が外部から視認可能であり、該空洞11内の第2の位置Bでは、外部から視認可能ではないように構成される。ここで、当該可動部材として、有色部材、蓄光部材、発光部材又は半透明部材等が考えられるがこれらに限られない。また、当該可動部材として、外部からの光を反射可能な反射部材を用いることができる。以下、本明細書では、可動部材として外部からの光を反射可能な反射部材4が空洞11内に設けられる場合を例として説明する。
【0024】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーによれば、被視認部材の外部からの視認可能状態・不能状態の変化(オンオフ状態)を創出することを可能としかつ該被視認部材をより立体的に視認可能ならしめることで、更に確実にフィッシュイーターを誘引することが可能な誘引部を備えたルアーを提供することが可能となる。また、本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、当該可動部材として反射部材を用いる場合、外部光の反射の際の変化(オンオフ状態)を創出することを可能としかつ反射光をより立体的に視認可能ならしめることで、更に確実にフィッシュイーターを誘引することが可能な誘引部を備えたルアーを提供することが可能となる。より具体的には、空洞11内での反射部材4の位置(上記第1の位置A又は上記第2の位置B)のいずれか状態となるようにすることで、外部光の反射の際の変化(オンオフ状態)を創出することを可能とし、また反射光をより立体的に視認可能ならしめることができる(例えば、ルアーの幅方向を利用してルアー本体部の外面と視認可能な空洞内の反射部材との間に距離を形成することで外部から立体感をもって視認可能とすることができる)。上記第1の位置A又は上記第2の位置Bは、図1~6に示すように、ルアー本体のエラと対応する位置が好ましい。餌である小魚は特にエラが複雑な動きをする。このため、ルアー1におけるエラと対応する位置に視認可能状態・不能状態の変化(オンオフ状態)を創出しかつ該被視認部材をより立体的に視認可能とすることで、ルアー1がエラ呼吸しているように見せ、より一層釣魚効果を向上できる。ここでエラと対応する位置とは、ルアー本体の進行方向でみてその前方からおよそ1/3から1/8の範囲の位置である。
【0025】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1において、該反射部材4は、該本体部2の一部に間接的に支持されるように構成される。これは、例えば、図2(a)、(b)に示すように、反射部材4は、本体部2の空洞11内で、ルアー1の長手方向に垂直な面に平行かつルアー1の幅方向に延伸した軸部材12の中央領域に反射部材4の一端部が該軸部材12回りに回転(揺動)可能に軸支されるようにしてもよい。このようにして、空洞11内での反射部材4の回転(揺動)位置によって、上記第1の位置A又は上記第2の位置Bのいずれか状態となる。これにより、上述の通り、外部光の反射の際の変化(オンオフ状態)を創出することを可能とし、また反射光をより立体的に視認可能ならしめることができる(ルアーの幅方向を利用してルアー本体部の外面と視認可能な空洞内の反射部材との間に距離を形成することで外部から立体感をもって視認可能とすることができる)。
【0026】
また、例えば、図3(a)、(b)に示すように、反射部材4は、本体部2の空洞11内で、ルアー1の本体部2の上部の幅方向でみて中央領域から吊り下げられたばね部材13に反射部材4の一端部が取付けられるようにしてもよい。このようにして、空洞11内でのばね部材13の振動により反射部材4が揺動することで、上記第1の位置A又は上記第2の位置Bのいずれか状態となるようにすることができる。これにより、外部光の反射の際の変化(オンオフ状態)を創出することを可能とし、また反射光をより立体的に視認可能ならしめることができる(ルアーの幅方向を利用してルアー本体部の外面と視認可能な空洞内の反射部材との間に距離を形成することで外部から立体感をもって視認可能とすることができる)。なお、上記ばね部材13に代えて、ワイヤー又は樹脂部材を用いてもよいが、これらに限られない。
【0027】
次に、本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記反射部材は、前記空洞内を移動可能に設けられる。これは、例えば、図4(a)、(b)、図5(a)、(b)、図6(a)、(b)に示すように、反射部材4が、本体部2の空洞11内で、本体部2の空洞11(図4の場合は、ルアー1の長手方向に対して傾斜した方向に、図5の場合は、ルアー1の長手方向に垂直又は略垂直な方向(ルアー1の上下方向)に、図6の場合は、ルアー1の長手方向に平行又は略平行に設けられている)内で該空洞11に沿って移動可能となるようにしてもよいし、反射部材4が、本体部2の空洞11内で、本体部2の空洞11内に設けられた支持軸部材(図示しない)が反射部材4の中央領域を貫通するように設けられ、該反射部材4が該支持軸部材に沿って移動可能となるようにしてもよい。このようにして、空洞11内での反射部材4の移動位置によって、上記第1の位置A又は上記第2の位置Bのいずれか状態となる。これにより、外部光の反射の際の変化(オンオフ状態)を創出することを可能とし、また反射光をより立体的に視認可能ならしめることができる(ルアーの幅方向を利用してルアー本体部の外面と視認可能な空洞内の反射部材との間に距離を形成することで外部から立体感をもって視認可能とすることができる)。
【0028】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該空洞は、該本体部の外面に塗装が形成される部分は前記外部から視認可能ではなく、該本体部の外面に塗装が形成されない部分は、外部から視認可能であるように構成される。また、本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該空洞は、該本体部が有色である部分は外部から視認可能ではなく、該本体部が無色透明である部分は、外部から視認可能であるように構成される。このようにして、上記第1の位置A又は上記第2の位置B(例えば、エラやヒレのある位置等)を任意に形成することができる。すなわち、空洞が形成されていても、一部が外部から視認可能にされ、その余の部分は外部から視認できないようにされている。
【0029】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該反射部材4は、1又は複数の反射面又は反射体である。以下、反射部材4が、1又は複数の反射面である場合、1又は複数の反射体である場合のそれぞれについてより詳細に説明する。
【0030】
次に、図7に示すように、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1において、該反射面は、円形、三角、四角、五角や六角等を含む多角形(図7a、図7b、図7c、図7f、図7gの場合)、円弧状又は鱗状(図7d、図7eの場合)に形成される。また、複数の反射面が設けられる場合、各反射面は、同一面に配置してもよいし、本体部2の形状に沿って曲面に配置してもよい(以下同様)。また、各反射面は、所定の同じ角度(図8の場合)若しくは異なる角度分だけ傾斜して配置されるようにしてもよい(以下同様)。このようにして、反射面を多数設け、ベイトフィッシュのようにリアルな反射光を放つようにせしめることで効果的なアピールが可能となる。
【0031】
次に、図8に示すように、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1において、該反射体は、少なくともその一部が、円柱(図8aの場合)、波形(図8bの場合)、多角柱や多角錐などの多角体(図8cの場合)、多面体(図8dの場合)、球体(図8eの場合)、瓦状(図8fの場合、瓦状の積層)に形成される。このようにして、より多くの方向からの入射光に対して鏡面反射を行わしめることが可能となる。
【0032】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1において、本体部2は、樹脂(例えば、ABS、アクリル等)又は金属(例えば、亜鉛、鉛、タングステン等)により形成される。また、本体部2は、その一部が樹脂(例えば、ABS、アクリル等)又は金属(例えば、亜鉛、鉛、タングステン等)の少なくともいずれかにより形成されるようにしてもよい。
【0033】
また、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー2において、反射面又は反射体が複数設けられる場合、各反射面又は反射体は同じ形状又は異なる形状のいずれであってもよい。
【0034】
なお、上記説明した各態様において、揺動させる反射部材4は、複数の反射部分を備えるよう構成してもよい。この場合、1又は複数の支持部材により、反射部材4を支持するように構成することができる。このようにして、反射部材4の複数の揺動部分が外部から受光する光を様々な方向に反射させることが可能となることで、反射光がフィッシュイーターにも確実に届くため、誘引効果を大幅に高めることが可能となる。
【0035】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、前記反射部材は、外部からの光を鏡面反射可能となるようにしてもよい。ここで、鏡面反射とは、「反射の法則(反射において入射角と反射角は等しく逆符号である)が成り立つ反射」と定義され、通常の拡散反射と比して反射光の輝度が高いため、外部光の鏡面反射を行わしめることで反射光の強さを大幅に高めることができ、その結果反射光を遠くまで伝達することができることが判っている(以下同様)。ここで、鏡面反射と拡散反射の反射輝度は諸条件により変化するが、同一条件下であれば拡散反射は鏡面反射の概ね1/5以下の輝度である。本発明において「鏡面反射」という場合、理想的な鏡面反射だけでなく、それに比して40%以上の輝度の反射(本明細書では準鏡面反射と呼ぶ)も含むことに留意されたい。
【0036】
また、反射部材4(反射面)が空洞11内に設けられる場合、外部からの光が空洞11内に設けられた反射部材4(反射面)で鏡面反射されるまでの過程で、当該外部からの光はその一部が当該本体部2を透過することとなるが、当該空洞11内に到達する際に拡散透過がなされるため、当該空洞11内への入射光は様々な方向に拡散されることとなるが、こうした入射光の多くが当該空洞11内の反射部材4(反射面)で鏡面反射されることで、相対的に弱い入射光も反射の際の減衰を低減し強い光輝度で確実に反射させることができ、また反射光をより広い範囲の方向へ反射せしめることができる。
【0037】
次に、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1における1又は複数の反射面又は反
射体の鏡面反射を行う反射面の形成方法について説明する。鏡面反射を行う反射面の形
成方法としては、例えば、樹脂射出成型、金属やガラス等の成形、極薄被膜の積層成型又
は金属・樹脂成型表面への被膜形成等が考えられるが、その他従来公知の技術を用いるこ
とができる。このようにして、ルアーの本体部の内面や外面に直接鏡面反射面を形成した
り、鏡面反射面部材をルアーの空洞部形成し、これを本体部に接着するようにして形成で
きる。
【0038】
また、形成する反射面が、鏡面反射を行うか又は拡散反射を行うかは、形成する反射面
の表面粗度や材質などの要素に大きく左右されるが、本発明の一実施形態に係る釣用のル
アー1における1又は複数の反射面又は反射体の鏡面反射面は、理想的な鏡面反射に
比して40%以上の輝度の反射を可能とする材質及び表面粗度を決定し、上述の形成方法
を用いることで形成可能である。例えば、樹脂射出成型の場合、特に、金型面の表面粗度
に影響されるが、成型材料による差(例えば、アクリルと比較した場合、ルアーへの使用
頻度の高いABSは表面粗度が粗い等)も鏡面形成に大きく影響し得る。このような場合
でも、透明塗料を鏡面に薄く塗装することで表面粗度の影響を低減することができる。
【0039】
次に、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1は、1又は複数の反射面又は反射体が空洞11内に設けられる場合、該1又は複数の反射面又は反射体を有する反射部材4が設けられ、該反射部材4は、該本体部2の一部に一端が支持された支持部材により支持され、該支持部材は、該反射部材4の延伸方向に垂直な断面でみて、該反射部材4の中心位置若しくは該中心位置から偏心された位置で該反射部材4を支持するように構成される。
【0040】
このように、支持部材の支持位置を反射部材4の中心位置から偏心させることで、反射部材4を揺動させることで、鏡面反射を行う反射部材4が外部から受光する光を様々な方向に強く反射させることが可能となることで、反射光がフィッシュイーターにも確実に届くため、誘引効果を大幅に高めることが可能となる。
【0041】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0042】
1 ルアー
2 本体部
4 反射部材(可動部材)
11 空洞
12 軸部材
13 ばね部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8