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特開2024-24467通信の省電力化を実現する基地局装置、端末装置、制御方法、及びプログラム
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  • 特開-通信の省電力化を実現する基地局装置、端末装置、制御方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024467
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】通信の省電力化を実現する基地局装置、端末装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/10 20090101AFI20240215BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20240215BHJP
   H04W 72/20 20230101ALI20240215BHJP
【FI】
H04W48/10
H04W72/04 111
H04W72/04 136
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127311
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 ヤンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】武田 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】梅原 雅人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 泰樹
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ22
(57)【要約】
【課題】特定のコンポーネントキャリア(CC)において送信が停止されているシステム情報を端末装置が他のCCにおいて効率的に収集可能とすること。。
【解決手段】端末装置に対して複数のコンポーネントキャリア(CC)の少なくともいずれかを用いて通信サービスが提供される無線通信ネットワークにおける基地局装置は、複数のCCのうちの第1のCCにおいて複数のCCのうちの第2のCCでの送信が停止されているシステム情報が送信されている場合に、第2のCCのためのシステム情報が送信される無線リソースの情報を第2のCCにおいて端末装置へ通知する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置に対して複数のコンポーネントキャリア(CC)の少なくともいずれかを用いて通信サービスが提供される無線通信ネットワークにおける、基地局装置であって、
前記複数のCCのうちの第1のCCにおいて前記複数のCCのうちの第2のCCでの送信が停止されているシステム情報が送信されている場合に、当該第2のCCのための当該システム情報が送信される無線リソースの情報を当該第2のCCにおいて端末装置へ通知する通知手段を有する、
ことを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記無線リソースの情報は、前記第2のCCのための前記システム情報が前記第1のCCにおいて送信されることを示す、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記無線リソースの情報は、前記第2のCCのための前記システム情報が送信される前記第1のCC内の周波数および時間リソースを示す、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記第2のCCのための前記システム情報が、前記第1のCC内の複数の周波数および時間リソースにおいて送信される場合に、当該複数の周波数および時間リソースのうち、1つの周波数および時間リソースを指定する情報が前記無線リソースの情報として前記端末装置へ通知され、
前記1つの周波数および時間リソースにおいて、前記複数の周波数および時間リソースのうちの別の周波数および時間リソースが指定される、ことを特徴とする請求項3に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記第2のCCのための前記システム情報が、前記第1のCC内の複数の周波数および時間リソースにおいて送信される場合に、当該複数の周波数および時間リソースを指定する情報が前記無線リソースの情報として前記端末装置へ通知される、ことを特徴とする請求項3に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記システム情報は、System Information Block Type1(SIB1)であり、前記無線リソースの情報は、前記第2のCCにおけるMaster Information Block(MIB)において送信される、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項7】
前記システム情報は、Master Information Block(MIB)及びSystem Information Block Type1(SIB1)であり、前記無線リソースの情報は、前記MIBの送信が停止されていない場合に当該MIBが送信される前記第2のCC内の無線リソースを用いて送信される、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項8】
前記システム情報は、Master Information Block(MIB)及びSystem Information Block Type1(SIB1)であり、前記無線リソースの情報は、前記第2のCCにおいて同期信号が送信される直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの、当該同期信号が送信されない周波数範囲において送信される、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項9】
前記第1のCCにおいて、前記第2のCCのための前記システム情報を送信する送信手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項10】
前記システム情報は、Master Information Block(MIB)、System Information Block Type1(SIB1)、及び前記SIB1と異なる他のSIBを含み、
前記基地局装置は、前記第1のCC又は前記第2のCCにおいて、前記他のSIBが前記第1のCCにおいて報知されるか否かを示す情報を前記端末装置へ送信することを特徴とする請求項9に記載の基地局装置。
【請求項11】
前記送信手段は、前記他のSIBが前記第1のCCにおいて報知されていない場合であって前記端末装置から当該他のSIBの要求があった場合に、前記第1のCCにおいて当該他のSIBを前記端末装置へ送信する、ことを特徴とする請求項10に記載の基地局装置。
【請求項12】
前記他のSIBが前記第1のCCにおいて報知されるか否かを示す情報は、SI-SchedulingInfoによって通知される、ことを特徴とする請求項10に記載の基地局装置。
【請求項13】
前記第2のCCのための前記他のSIBが前記第1のCCにおいて報知されるか否かを示す情報は、前記第1のCCのための前記他のSIBが当該第1のCCにおいて報知されるか否かを示す情報を含む、ことを特徴とする請求項12に記載の基地局装置。
【請求項14】
端末装置に対して複数のコンポーネントキャリア(CC)の少なくともいずれかを用いて通信サービスが提供される無線通信ネットワークにおける、前記端末装置であって、
前記無線通信ネットワークの基地局装置から、前記複数のCCのうちの第1のCCにおいて前記複数のCCのうちの第2のCCでの送信が停止されているシステム情報が送信されている場合に、当該第2のCCのための当該システム情報が送信される無線リソースの情報を当該第2のCCにおいて受信し、前記無線リソースの情報に基づいて、前記第1のCCにおいて、前記第2のCCのための前記システム情報を受信する受信手段を有する、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項15】
前記無線リソースの情報は、前記第2のCCのための前記システム情報が前記第1のCCにおいて送信されることを示し、
前記受信手段は、前記第1のCCのための前記システム情報を受信して、当該第1のCCのための前記システム情報に基づいて、前記第2のCCのための前記システム情報が送信される前記第1のCC内の周波数および時間リソースを特定して前記第2のCCのための前記システム情報を受信する、ことを特徴とする請求項14に記載の端末装置。
【請求項16】
前記無線リソースの情報は、前記第2のCCのための前記システム情報が送信される前記第1のCC内の周波数および時間リソースを示し、
前記受信手段は、前記無線リソースの情報によって指定された周波数および時間リソースにおいて前記第2のCCのための前記システム情報を受信することを特徴とする請求項14に記載の端末装置。
【請求項17】
前記第2のCCのための前記システム情報が、前記第1のCC内の複数の周波数および時間リソースにおいて送信される場合に、前記受信手段は、当該複数の周波数および時間リソースのうち、1つの周波数および時間リソースを指定する情報を前記無線リソースの情報として受信し、
前記受信手段は、さらに、前記1つの周波数および時間リソースにおいて前記第2のCCのための前記システム情報の一部を受信し、当該1つの周波数および時間リソースにおいて指定される、前記複数の周波数および時間リソースのうちの別の周波数および時間リソースにおいて前記第2のCCのための前記システム情報の別の一部を受信する、ことを特徴とする請求項16に記載の端末装置。
【請求項18】
前記第2のCCのための前記システム情報が、前記第1のCC内の複数の周波数および時間リソースにおいて送信される場合に、前記受信手段は、当該複数の周波数および時間リソースを指定する情報を前記無線リソースの情報として受信し、
前記受信手段は、さらに、前記複数の周波数および時間リソースのそれぞれにおいて、前記第2のCCのための前記システム情報のそれぞれ異なる一部を受信する、ことを特徴とする請求項16に記載の端末装置。
【請求項19】
前記システム情報は、System Information Block Type1(SIB1)であり、前記無線リソースの情報は、前記第2のCCにおけるMaster Information Block(MIB)において受信される、ことを特徴とする請求項14に記載の端末装置。
【請求項20】
前記システム情報は、Master Information Block(MIB)及びSystem Information Block Type1(SIB1)であり、前記無線リソースの情報は、前記MIBの送信が停止されていない場合に当該MIBが送信される前記第2のCC内の無線リソースにおいて受信される、ことを特徴とする請求項14に記載の端末装置。
【請求項21】
前記システム情報は、Master Information Block(MIB)及びSystem Information Block Type1(SIB1)であり、前記無線リソースの情報は、前記第2のCCにおいて同期信号が送信される直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの、当該同期信号が送信されない周波数範囲において受信される、ことを特徴とする請求項14に記載の端末装置。
【請求項22】
前記システム情報は、Master Information Block(MIB)、System Information Block Type1(SIB1)、及び前記SIB1と異なる他のSIBを含み、
前記受信手段は、前記第1のCC又は前記第2のCCにおいて、前記他のSIBが前記第1のCCにおいて報知されるか否かを示す情報を前記基地局装置から受信する、ことを特徴とする請求項14に記載の端末装置。
【請求項23】
前記他のSIBが前記第1のCCにおいて報知されていない場合に当該他のSIBの提供を前記基地局装置へ要求する要求手段をさらに有し、
前記受信手段は、前記要求に基づいて前記基地局装置から送信された前記他のSIBを、前記第1のCCにおいて受信する、ことを特徴とする請求項22に記載の端末装置。
【請求項24】
前記受信手段は、前記他のSIBが前記第1のCCにおいて報知されるか否かを示す情報を、SI-SchedulingInfoによって受信する、ことを特徴とする請求項22に記載の端末装置。
【請求項25】
前記第2のCCのための前記他のSIBが前記第1のCCにおいて報知されるか否かを示す情報は、前記第1のCCのための前記他のSIBが当該第1のCCにおいて報知されるか否かを示す情報を含む、ことを特徴とする請求項24に記載の端末装置。
【請求項26】
端末装置に対して複数のコンポーネントキャリア(CC)の少なくともいずれかを用いて通信サービスが提供される無線通信ネットワークにおける、基地局装置によって実行される制御方法であって、
前記複数のCCのうちの第1のCCにおいて前記複数のCCのうちの第2のCCでの送信が停止されているシステム情報が送信されている場合に、当該第2のCCのための当該システム情報が送信される無線リソースの情報を当該第2のCCにおいて端末装置へ通知することを含む、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項27】
端末装置に対して複数のコンポーネントキャリア(CC)の少なくともいずれかを用いて通信サービスが提供される無線通信ネットワークにおける、前記端末装置によって実行される制御方法であって、
前記無線通信ネットワークの基地局装置から、前記複数のCCのうちの第1のCCにおいて前記複数のCCのうちの第2のCCでの送信が停止されているシステム情報が送信されている場合に、当該第2のCCのための当該システム情報が送信される無線リソースの情報を当該第2のCCにおいて受信することと、
前記無線リソースの情報に基づいて、前記第1のCCにおいて、前記第2のCCのための前記システム情報を受信することと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項28】
端末装置に対して複数のコンポーネントキャリア(CC)の少なくともいずれかを用いて通信サービスが提供される無線通信ネットワークにおける、基地局装置に備えられたコンピュータに、
前記複数のCCのうちの第1のCCにおいて前記複数のCCのうちの第2のCCでの送信が停止されているシステム情報が送信されている場合に、当該第2のCCのための当該システム情報が送信される無線リソースの情報を当該第2のCCにおいて端末装置へ通知させる、
ためのプログラム。
【請求項29】
端末装置に対して複数のコンポーネントキャリア(CC)の少なくともいずれかを用いて通信サービスが提供される無線通信ネットワークにおける、前記端末装置に備えられたコンピュータに、
前記複数のCCのうちの第1のCCにおいて前記複数のCCのうちの第2のCCでの送信が停止されているシステム情報が送信されている場合に、前記無線通信ネットワークの基地局装置から、当該第2のCCのための当該システム情報が送信される無線リソースの情報を当該第2のCCにおいて受信させ、
前記無線リソースの情報に基づいて、前記第1のCCにおいて、前記第2のCCのための前記システム情報を受信させる、
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低消費電力での無線通信を実現するための制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))において、ネットワークの消費電力の抑制が重要な課題として議論されている。非特許文献1では、従来、コンポーネントキャリアごとに常に送信されることとなっているSynchronization Signal/Physical Broadcast Channel block(SSB)及びSystem Information Block Type1(SIB1)の少なくとも一部の送信を、一部のコンポーネントキャリア(CC)において停止することが提案されている。非特許文献1では、SSB及びSIB1の少なくとも一部の送信が停止されているCCへの接続のための情報が、他のCCにおいて送信されることが提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP寄書、R1-2203173
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、特定のCCにおいて、SSB及びSIB1の少なくとも一部の送信が停止されている場合に、その特定のCCにおける待ち受けや接続の確立のために、その送信が停止されている情報を効率的に収集することを可能とする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様による基地局装置は、端末装置に対して複数のコンポーネントキャリア(CC)の少なくともいずれかを用いて通信サービスが提供される無線通信ネットワークにおける、基地局装置であって、前記複数のCCのうちの第1のCCにおいて前記複数のCCのうちの第2のCCでの送信が停止されているシステム情報が送信されている場合に、当該第2のCCのための当該システム情報が送信される無線リソースの情報を当該第2のCCにおいて端末装置へ通知する通知手段を有する。
【0006】
本発明の一態様による端末装置は、端末装置に対して複数のコンポーネントキャリア(CC)の少なくともいずれかを用いて通信サービスが提供される無線通信ネットワークにおける、前記端末装置であって、前記無線通信ネットワークの基地局装置から、前記複数のCCのうちの第1のCCにおいて前記複数のCCのうちの第2のCCでの送信が停止されているシステム情報が送信されている場合に、当該第2のCCのための当該システム情報が送信される無線リソースの情報を当該第2のCCにおいて受信し、前記無線リソースの情報に基づいて、前記第1のCCにおいて、前記第2のCCのための前記システム情報を受信する受信手段を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、端末装置が、特定のコンポーネントキャリア(CC)において送信が停止されているシステム情報を他のCCにおいて効率的に収集することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】無線通信ネットワークの構成例を示す図である。
図2】処理の流れの概要を示す図である。
図3】処理の流れの概要を示す図である。
図4】リソースの情報を送信する信号の形式の例を示す図である。
図5】装置のハードウェア構成例を示す図である。
図6】基地局装置の機能構成例を示す図である。
図7】端末装置の機能構成例を示す図である。
図8】無線通信ネットワークにおいて実行される処理の流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
(ネットワーク構成)
図1に、本実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示す。この無線通信ネットワークは、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))のセルラ通信規格に準拠したセルラ通信システムである。無線通信ネットワークは、例えば、基地局装置101と端末装置102とを含んで構成される。基地局装置101は、例えば、複数のコンポーネントキャリア(CC)のうちの1つ以上を用いて端末装置102へ無線通信サービスを提供する。なお、図1では、説明を簡単にするために、1つの基地局装置101及び1つの端末装置102のみを示しているが、基地局装置及び端末装置は当然に2つ以上存在しうる。なお、基地局装置101は、例えば、同じ位置に配置された無線送受信器を用いて複数のCCを提供してもよいし、それぞれ異なる位置に配置された無線送受信器を用いて複数のCCを提供してもよい。また、基地局装置101は、他の基地局装置と協働して、複数のCCを用いた無線通信サービスを提供してもよい。なお、複数の基地局装置が協働する場合、例えばXnインタフェースやS1インタフェースなどを介して相互に制御情報の交換のための通信を行うように構成されうる。
【0011】
従来、基地局装置101は、複数のCCのそれぞれにおいて、Synchronization Signal/Physical Broadcast Channel block(SSB)及びSystem Information Block Type1(SIB1)を送信するように構成されている。すなわち、各CCでは、周期的に必ずSSB及びSIB1が送信される。このため、基地局装置101は、そのSSB及びSIB1の送信のために電力を消費することとなる。
【0012】
これに対して、非特許文献1に記載のように、第1のCCにおいてSSBやSIB1の送信を行わずに、第1のCCと異なる第2のCCにおいて、第1のCCのための接続情報(例えばMaster Information Block(MIB)やSIB1)を送信することにより、第2のCCにおける消費電力を削減することができる。一方で、この場合、端末装置102は、第2のCCにおいて接続先を探索する場合、第2のCCではMIBやSIB1等が送信されないため、この第2のCCのみを観測した場合、第2のCCでの待ち受けや接続の確立を行うことができない。すなわち、端末装置102は、第2のCCのMIBやSIB1が送信されている第1のCCを観測しなければ、第2のCCの情報を取得することができず、待ち受けや接続の確立を行うことができない。ここで、基地局装置101が多数のCCでの通信を提供していることが想定されうる。この場合、端末装置102は、その多数のCCの中から、第2のCCのためのMIBやSIB1を送信している第1のCCを特定するために、各CCを観測することとなりうる。このため、CCの数が多い場合、端末装置102が第2のCCの情報を取得するまでに長時間を要してしまいうる。また、CCの数が少ない場合であっても、端末装置102は、第1のCCのうちのどの無線リソース(周波数および時間リソース)において第2のCCのMIBやSIB1が送信されているかを特定するまでの時間が長期化しうる。
【0013】
本実施形態では、基地局装置101は、MIBやSIB1などの少なくとも一部のシステム情報の送信が省略されている第2のCCにおいて、そのMIBやSIB1を取得可能なCCや無線リソースを特定可能とする手法を提供する。これにより、第2のCCのMIBやSIB1等の、第2のCCにおいて送信が省略されている情報を、端末装置102が迅速に取得することができ、第2のCCにおける待ち受けや接続の確立を効率的に行うことが可能となる。
【0014】
例えば、第2のCCのためのMIBやSIB1が送信される無線リソースを特定可能とする情報が、第2のCCで送信されるようにする。一例において、第2のCCでは、MIBやSIB1が送信されない場合であっても、タイミング同期の確立のために、同期信号(プライマリ同期信号およびセカンダリ同期信号(PSS/SSS))が送信される。基地局装置101は、この同期信号と共に、MIBやSIB1が送信される無線リソースを特定可能な情報を第2のCCで送信しうる。
【0015】
基地局装置101は、例えば、第2のCCにおいて、SIB1の送信を省略し、MIBの送信については省略しないものとする。この場合に、基地局装置101は、図2に示すように、第2のCCのMIBにおいて、第2のCCのSIB1に関する情報が第1のCCにおいて送信されることを通知しうる。一例において、MIB内に含まれる、PDCCH-configsib1によって、この通知が行われうる。そして、基地局装置101は、第1のCCにおいて、第2のCCのSIB1が、第1のCC内のどの周波数および時間リソースにおいて送信されるかを示す情報を送信しうる。この情報は、例えば、第5世代(5G)の規格において定義されている「controlresourceset」や「searchspaceset」などの情報として与えられうる。これによれば、端末装置102は、第2のCCにおいてMIBを確認した後に、第1のCCを確認して、第2のCCのためのSIB1が送信される無線リソースを特定することができる。そして、端末装置102は、その無線リソースにおいて第2のCCのSIB1を受信することにより、第2のCCでの待ち受けや接続の確立を行うことができる。なお、SIB1の他のシステムインフォメーションの扱いについては後述する。
【0016】
なお、第2のCCにおいて送信される、第2のCCのSIB1に関する情報が第1のCCにおいて送信されることを示す情報は、例えば、第1のCCの物理セル識別子(PCI)、第1のCCのバンドを示す情報、第2のCCのためのSIB1が送信される周波数位置の情報でありうる。一例において、CCの中心周波数等の基準周波数とPCIとが事前に関連付けられている場合、端末装置102は、第1のCCのPCIの情報を用いて第1のCCの基準周波数を特定することができる。また、第2のCCのためのSIB1が送信される周波数位置は、絶対無線周波数チャネル番号(ARFCN)や、グローバル同期チャネル番号(GSCN)によって指定されうる。端末装置102は、このような情報によって特定される周波数やバンドにアクセスすることにより、まず、第1のCCにおけるMIBやSIB1を復号しうる。そして、端末装置102は、その第1のCCにおけるMIBやSIB1等によって指定される、第2のCCのSIB1が送信される無線リソースを特定し、その無線リソースを参照することにより、第2のCCのSIB1を復号することができる。これによれば、端末装置102は、第1のCCに関連付けられた周波数以外の周波数にアクセスせずに、第1のCCにアクセスし、第2のCCのためのSIB1の情報を効率的に取得することができる。また、第2のCCのためのSIB1が送信される周波数位置が、所定の基準周波数からの周波数オフセットとして指定されてもよい。例えば、「第2のCCのためのSIB1が送信される周波数位置=所定の基準周波数+周波数オフセット」として指定されうる。ここで、所定の基準周波数は、第1のCC又は第2のCCの、同期信号およびMIBが送信されている帯域の中心周波数でありうる。また、この所定の基準周波数は、第1のCCのキャリアの周波数の下限値や上限値であってもよい。また、これら以外の周波数が所定の基準周波数として用いられてもよい。また、周波数オフセットの量は、例えば、周波数幅を示す値であってもよいし、リソースブロックの量によって表現されてもよい。また、周波数オフセットの量は、正の値と負の値とのいずれかによって表現されうる。
【0017】
一例において、上述のような情報により、SIB1が送信される詳細な周波数リソースが特定されてもよい。例えば、図3に示すように、第1のCCの周波数範囲のうち、どの周波数範囲において、第2のCCのSIB1が送信されるかを特定可能とする情報が、基地局装置101から端末装置102へ通知されうる。この情報は、第2のCCのSIB1が送信される周波数リソースを直接指定する情報であってもよいし、基準周波数からのオフセット値を指定する情報であってもよい。さらに、第2のCCにおいてSIB1が送信されるタイミングの情報が基地局装置101から端末装置102へ通知されてもよい。このタイミングの情報は、例えば、第2のCCにおいてSIB1が送信される第1のCCにおける周波数リソースを指定する情報が送信された時間リソースから、第2のCCのためのSIB1が送信される時間リソースまでの時間オフセット値でありうる。また、タイミングの情報は、フレーム番号や時刻の情報など、時間リソースを直接指定する情報であってもよい。例えば、第2のCCにおいてSIB1が送信される第1のCCにおける周波数リソースを指定する情報が送信された時間リソースと、第2のCCのためのSIB1が送信される時間リソースが同一無線フレームに内に存在するか否かが示されてもよい。双方のリソースが同一フレーム内に存在する場合には、時間オフセットは、一例において、フレーム番号ではなく、スロット番号とシンボル番号で構成されるオフセット情報となりうる。この場合、フレーム番号を省略し、スロット番号とシンボル番号が直接指定されてもよい。双方のリソースが同一無線フレーム内に存在しない場合は、フレーム番号及びスロット番号とシンボル番号が、直接指定され又はオフセットによって指定されうる。双方のリソースが、異なるフレーム番号の、同一のスロット番号及びシンボル番号で送信される場合は、フレーム番号のみが指定され、スロット番号及びシンボル番号は省略されてもよい。これらの情報によれば、例えば、端末装置102は、第2のCCのためのSIB1が送信される無線リソースの情報を第2のCCにおいて取得すると、第1のCCに含まれる無線リソースのうち第2のCCについてのSIB1が送信される無線リソースを直接参照することができる。この場合、第1のCCのMIBやSIB1等によって、第2のCCのSIB1が送信される無線リソースが指定されなくてよくなる。また、端末装置102は、その第1のCCのMIBやSIB1の復号を行う必要がなくなり、効率的に第2のCCにおける待ち受けや接続の確立を行うことができるようになる。なお、第1のCCと第2のCCとでタイミング同期が取れている場合には、端末装置102は、第1のCCにおいて同期信号による下りリンクの時間同期の確立を省略することもできる。
【0018】
なお、第2のCCのSIB1が送信される周波数リソース、時間リソースが、第2のCC又は第1のCCで送信されるPDCCHによって指定されてもよい。この場合、例えば、第5世代(5G)の規格において、端末装置は、SIB1のPDCCH-configsib1に含まれる「controlresourceset」や「searchspaceset」で指定される情報に基づいて、PDCCHの送信される周波数リソースや時間リソースを特定して、PDCCHを受信しうる。そして、端末装置は、PDCCHに含まれる情報から、SIB1が送信されるPDSCHの周波数および時間リソースを特定する。第2のCCにおいてPDCCHが送信される場合は、第2のCCのMIBに含まれる「controlresourceset」や「searchspaceset」が、第2のCCで送信されるPDCCHの周波数および時間リソースを示し、そのPDCCHに含まれる情報が、第1のCCで送信されるPDSCHにおいてSIB1が送信されることを示しうる。第1のCCにおいてPDCCHが送信される場合は、第2のCCのMIBに含まれる「controlresourceset」や「searchspaceset」が、第1のCCにおいて送信されるPDCCHの周波数および時間リソースを示し、そのPDCCHに含まれる情報が、第1のCCで送信されるPDSCHでSIB1が送信されることを示しうる。
【0019】
なお、上述の例では、第2のCCにおいて、MIBが送信されるが、SIB1の送信が省略される場合の例について説明した。これに加えて、MIBが省略されてもよい。この場合、上述の例における第2のCCのためのSIB1に加えてMIBが、第1のCCにおいて送信される。ここで、基地局装置101は、第2のCCにおいて、上述の例でのMIBに代えて、MIB及びSIB1が送信される無線リソースの情報が送信される。ここで送信される無線リソースの情報は、上述の例と同様である。すなわち、例えば、第1のCCのPCI、第1のCCのバンドを示す情報、第1のCCのARFCNやGSCN、基準周波数からのオフセット値などが、第2のCCのためのMIB及びSIB1が送信される無線リソースの情報として送信されうる。このように、第2のCCのMIBが第1のCCにおいて送信される際には、そのMIBは、第1のCCのPBCHにおいて送信されうる。PBCHの送信周期は、例えばSIB1に比べて短いため、第1のCCのSIB1の内部にMIBの内容を含める場合や、第1のCCのSIB1によって指定された無線リソースにおいてMIBが送信される場合と比べて、端末装置102が第2のCCのMIBを早期に受信することができる。また、第2のCCのMIBは、第1のCCのSIB1に含められて、又は、第1のCCのSIB1によって指定される無線リソースにおいて送信されてもよい。これによれば、第1のCCのMIBを変更する必要がなくなり、また、例えばレガシシステムの端末装置は、その第2のCCのMIBを無視することができるため、システム全体への影響を抑制することができる。
【0020】
なお、基地局装置101は、第2のCCのためのMIB及びSIB1が送信される無線リソースを指定する情報を、第2のCCにおいて従来PBCHが送信されるのに使用されている無線リソース(MIBが送信される場合にそのMIBが送信される無線リソース)を用いて送信しうる。ただし、これに限られず、例えば、同期信号(PSS/SSS)が送信される直交周波数分割多重(OFDM)シンボルにおいて、この第2のCCのためのMIB及びSIB1が送信される無線リソースを指定する情報が送信されてもよい。例えば、PSSは、図4(A)に示すように、OFDMシンボルのうちの一部の周波数範囲(例えば、サブキャリア番号56~182のサブキャリア)でのみ送信され、その他の周波数範囲は使用されないように構成されている。このため、図4(B)に示すように、その他の周波数範囲を、第2のCCのためのMIB及びSIB1が送信される無線リソースを指定する情報の送信に使用しうる。また、図4(A)に示すように、SSSも、OFDMシンボルのうちの一部の周波数範囲でのみ送信され、その他の周波数範囲は報知信号(PBCH)の送信に使用される。この従来PBCHの送信に利用されているリソースも、図4(B)に示すように、第2のCCのためのMIB及びSIB1が送信される無線リソースを指定する情報の送信に使用されうる。PSSとSSSとの少なくともいずれかと同じOFDMシンボルのうちの、同期信号の送信に使用されていない周波数範囲を用いて情報が送信されることにより、従来PBCHのみが送信されていたOFDMシンボルを送信しないようにすることができる。これにより、ネットワークの一層の省電力化を図ることが可能となる。
【0021】
なお、基地局装置101は、第2のCCのSIB1(及び場合によってはMIB)など、システム情報の少なくとも一部が第2のCCにおいて送信されないことを示す識別情報を、第2のCCにおいて送信するようにしてもよい。端末装置102は、この識別情報を受信した場合に、第2のCCにおいて、そのSIB1が送信される無線リソースの情報を確認するようにする。すなわち、端末装置102は、この識別情報に基づいて、通常のMIB及びSIB1の復号を行うか、SIB1(及び場合によってはMIB)が送信される他のCC等の無線リソースの情報を確認するか、処理を切り替えることができる。また、基地局装置101は、第1のCCにおいて、第2のCCのためのMIBやSIB1を送信している場合に、その第2のCCのための情報を送信していることを示す識別情報を送信するようにしてもよい。これによれば、端末装置102は、第1のCCにおいて待ち受け中又は接続中に第2のCCを使用する意図がある場合に、第1のCCにおいて送信された信号を受信するだけで、第2のCCのシステム情報を取得することができるようになる。このため、端末装置102は、例えば、第2のCCの信号を観測して、その第2のCCで送信された情報に基づいて、第2のCCのシステム情報を取得するために再度第1のCCの情報を復号する、という手順を踏む必要がなくなる。これにより、端末装置102は、だい2のCCのシステム情報を効率的に取得することができるようになる。
【0022】
なお、SIB1には、セルにアクセスするために必要なパラメータ、他のシステム情報をスケジューリングするための情報、及び、セル共通のアクセス規制に関する設定の情報が含まれる。ここで、第1のCCにおいて送信される第2のCCのためのSIB1は、それぞれ異なる複数の無線リソースに分散されて送信されてもよい。同様に、第1のCCにおいてMIBが送信される場合、MIBも、複数の異なる無線リソースに分散されて送信されてもよい。これによれば、第1のCCにおいて、無線リソースの空き状況に応じて第2のCCのSIB1を送信することができるため、第1のCCの通信に大きい影響を与えることなく、第2のCCのMIBやSIB1を送信することが可能となる。なお、この場合には、複数の無線リソースのうち、例えば最も早いタイミングで到来する、1つの第1の無線リソースの位置が、第2のCCにおいて通知されうる。端末装置102は、この通知に従って、第1の無線リソースにアクセスして、情報を取得する。ここで、第1の無線リソースでは、複数の無線リソースのうちの次に早いタイミングで到来する第2の無線リソースの位置が通知されうる。端末装置102は、第1の無線リソースでの情報の取得の後に、通知された第2の無線リソースにアクセスして、情報取得する。そして、第2の無線リソースでは、複数の無線リソースのうちの次に早いタイミングで到来する第3の無線リソースの位置が通知されうる。このようにして、1つの無線リソースの位置が指定された後、端末装置102がその指定されたリソースにアクセスすることにより、次にアクセスすべきリソースが順次指定されることにより、第2のCCで通知すべき無線リソースの位置の情報の情報量を削減することができる。なお、第2のCCにおいて、複数の無線リソースのうちの2つ以上(一部または全部)の位置を一括して通知してもよい。
【0023】
上述の例において、基地局装置101は、1つのCCの中で、複数のCCに関するシステム情報を送信する。なお、システム情報は、上述のMIB及びSIB1に加えて、SIB2等の他のタイプのSIBを含みうる。ここで、基地局装置101がそのような複数のCCのシステム情報を第1のCCにおいて常時通知する場合、第1のCCにおいてユーザデータに使用可能な無線リソースが不足する場合がありうる。この場合、基地局装置101は、第1のCCで通知される第2のCCの(又は他のCCに関する)システム情報を要求するメッセージを端末装置102から受信した場合にのみ、そのシステム情報を送信するようにしてもよい。なお、MIB及びSIB1は常時送信され、その他のタイプのSIBのみが、このような要求に基づいて送信されるようにしうる。
【0024】
基地局装置101は、第1のCCのSIBのスケジューリング情報に加えて、第2のCCのSIBのスケジューリング情報を、第1のCCの周波数帯域を用いて端末装置102へ通知しうる。この場合、SIBのスケジューリング情報は、一例として、3GPPで定義されているSI-SchedulingInfoによって、端末装置102へ通知される。端末装置102は、第2のCCのSIBのうち、SI-SchedulingInfoにおいて報知されないと通知された(「notBroadcasting」と通知された)SIBがあるか否かを判定する。そして、端末装置102は、そのようなSIBが存在する場合に、そのSIBを要求する要求メッセージであるRRCSystemInfoRequestを送信する。基地局装置101は、その要求メッセージを受信した場合に、System Infomation massageにより、要求されたSIBを送信する。このようにして、端末装置102は、基地局装置101に対して要求したSIBを受信することができる。なお、第2のCCのSIBのうち、SI-SchedulingInfoにおいて報知されると通知された(「Broadcasting」と通知された)SIBについては、第1のCCにおいて報知されるため、端末装置102は、そのSIBを受信することができる。
【0025】
端末装置102は、SI-SchedulingInfoに含まれるschedulingInfoListを用いて、いずれのSIBの提供を要求するかを指定することができる。SchedulingInfoListによって、複数のSIBの提供の要否が示されるビットマップ形式のリストが送信される。ビットマップでは、「1」によってそのビット対応するSIBの提供が要求されることが示され、「0」によってそのビットに対応するSIBの提供が要求されないことが示される。一例として、ビットマップの1ビット目がSIB2に対応し、2ビット目がSIB3に対応し、3ビット目がSIB4に対応するものとする。そして、端末装置102は、SIB2、SIB3、SIB4の全てを要求する場合、ビット系列「111」をSchedulingInfoListとして含んだRRCSystemInfoRequestを基地局装置101へ送信する。また、端末装置102は、SIB2及びSIB3の提供を要求せず、SIB4の提供を要求する場合、ビット系列「001」をSchedulingInfoListとして含んだRRCSystemInfoRequestを基地局装置101へ送信する。
【0026】
また、端末装置102は、RRCSystemInfoRequestを用いてSIBの提供を要求する際には、どのCC(セル)についてのSIBを要求するかを指定するために、そのRRCSystemInfoRequestにおいてPCIを通知しうる。従来は、第1のCCにおいてSIBを要求した場合、第1のCCについてのSIBが受信される。これに対して、本実施形態のように、第1のCCにおいて、第1のCCと第2のCC(及び必要に応じてさらに別のCC)のSIBが送信される場合、いずれのCCに関するSIBを要求するかが、端末装置102から基地局装置101へ、明示的に通知されるようにしうる。
【0027】
なお、RRCSystemInfoRequestを送信する際のランダムアクセス手順(RACH)等に関する通信パラメータsi-RequestConfigは、第1のCCのSIBを要求する場合と同じものを第2のCCのSIBを要求する場合に流用することができる。ただし、これは一例であり、第1のCCのSIBを要求する場合と第2のCCのSIBを要求する場合とで異なる通信パラメータが使用されるようにしてもよい。また、第2のCCのSIBのスケジューリング情報SI-SchedulingInfoと、第2のCCのSIBを要求するRRCSystemInfoRequestを送信する際の通信パラメータsi-RequestConfigは、第1のCCで送信されてもよいし、第2のCCで送信されてもよい。なお、これらが全て第1のCCと第2のCCとのいずれか一方で送信されてもよいし、一部のみが第1のCCで送信され、残りの情報が第2のCCで送信されるなど、複数のCCに分散されて送信されてもよい。
【0028】
また、第1のCCのSI-SchedulingInfoにおいて、第1のCCのSIBのみならず、第2のCCのSIBの送信タイミングが指定されてもよい。この場合、SchedulingInfoListの1番目~3番目の要素が第1のCCのSIB2~SIB4にそれぞれ対応し、4番目~6番目の要素が第2のCCのSIB2~SIB4に対応するようにしうる。そして、それぞれのListにおけるsi-WindowPosition及びsi-Periodicityにより、第1のCCと第2のCCとのそれぞれのSIBの送信タイミングが指定される。また、この場合に、SchedulingInfoListの中に、第2のCCのMIB及び第2のCCのSIBを含んでもよい。また、基地局装置101は、第2のCCのSIBについて、notBroadcastingを端末装置102へ通知し、オンデマンドでの取得対象のSIBとしてもよい。基地局装置が、notBroadcastingを通知する場合は、端末装置は、notBroadcastingとされる第2のCCのMIB又は第2のCCのSIBを基地局装置へ要求した後に、上述のListにおけるsi-WindowPosition及びsi-Periodicityによって指定されるトランスポートブロックを受信する。これにより、端末装置は、所望のMIB又はSIBを受信することができる。
【0029】
また、端末装置102は、第2のCCのSIBのスケジュール情報に含まれる報知情報エリア識別子であるsystemInformationAreaIDが、自身がすでに保持しているSIB情報の報知情報エリア識別子と一致している場合は、SIBの受信を省略しうる。第2のCCのSIBの報知情報エリア識別子が第1のCCのSIBの報知情報エリア識別子と同値の場合、端末装置102は、第1のCCのSIBを取得することにより、第2のCCのSIBの取得を省略することができる。また、第2のCCのSIBの報知情報エリア識別子が第1のCCのSIBの報知情報エリア識別子と異なる場合、端末装置102は、第2のCCのSIBのみを取得し、第1のCCのSIBの取得を省略することができる。
【0030】
(装置構成)
図5を用いて、基地局装置および端末装置のハードウェア構成例について説明する。基地局装置および端末装置は、一例において、プロセッサ501、ROM502、RAM503、記憶装置504、及び通信回路505を含んで構成される。プロセッサ501は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM502や記憶装置504に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、装置の全体の処理や、上述の各処理を実行する。ROM502は、基地局装置および端末装置が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM503は、プロセッサ501がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置504は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。通信回路505は、例えば、LTEや5Gの無線通信用の回路によって構成される。なお、図5では、1つの通信回路505が図示されているが、基地局装置および端末装置は、複数の通信回路を有しうる。例えば、基地局装置および端末装置は、LTE用および5G用の無線通信回路と共通のアンテナを有しうる。なお、基地局装置および端末装置は、LTE用のアンテナと5G用のアンテナとを別個に有してもよい。また、基地局装置は、さらに、他の基地局装置やコアネットワークのノードと通信する際に使用される有線通信回路を有しうる。また、端末装置は、無線LAN等の他の無線通信ネットワークのための通信回路を有してもよい。なお、基地局装置および端末装置は、使用可能な複数の周波数帯域のそれぞれについて別個の通信回路505を有してもよいし、それらの周波数帯域の少なくとも一部に対して共通の通信回路505を有してもよい。
【0031】
図6に、基地局装置の機能構成例を示す。基地局装置は、その機能として、例えば、システム情報送信部601及びリソース通知部602を有する。なお、図6では、本実施形態に特に関係する機能のみを示しており、基地局装置が有しうる他の各種機能については図示を省略している。例えば、基地局装置は、LTEや5Gの基地局装置が一般的に有する他の機能を当然に有する。また、図6の機能ブロックは概略的に示したものであり、それぞれの機能ブロックが一体化されて実現されてもよいし、さらに細分化されてもよい。また、図6の各機能は、例えば、プロセッサ501がROM502や記憶装置504に記憶されているプログラムを実行することにより実現されてもよいし、例えば通信回路505の内部に存在するプロセッサが所定のソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。なお、各機能部が実行する処理の詳細について、上述の詳細についてはここでは説明せず、その大まかな機能のみを概説する。
【0032】
システム情報送信部601は、第1のCCにおいて、第1のCCのためのMIB及びSIB1を送信する。また、システム情報送信部601は、第1のCCのための他のSIB(SIB2等)を送信しうる。さらに、システム情報送信部601は、第1のCCと異なる第2のCCにいて送信が停止されているSIB1(及び必要に応じてMIB)等のシステム情報を、第1のCCにおいて送信する。また、システム情報送信部601は、第2のCCのための他のSIBを送信しうる。なお、他のSIBについては、端末装置からの要求が受信された場合にのみ、送信されてもよいし、常時送信されてもよい。また、基地局装置は、必ずしも第1のCCにおいて信号を送信しなくてもよい。すなわち、基地局装置と協働する他の基地局装置が第1のCCにおいて信号を送信する場合に、他の基地局装置が、第1のCCにおけるシステム情報の送信を行い、基地局装置は、システム情報の送信を行わなくてもよい。リソース通知部602は、第2のCCにおいて送信が停止されているシステム情報(例えば、MIB、SIB1、及び他のSIB)が他のCCにおいて送信されている場合に、そのシステム情報が送信されるリソースの情報を、端末装置へ通知する。なお、この通知は例えばブロードキャストにより行われうるが、その少なくとも一部がユニキャスト又はマルチキャストで行われてもよい。リソースの情報は、上述のように、例えば、第2のCCのためのシステム情報が送信されている第1のCCを示す情報、第1のCC内での特定の周波数および時間リソースの情報などでありうる。通知される情報については上述の通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0033】
図7に、端末装置の機能構成例を示す。端末装置は、その機能として、例えば、リソース情報受信部701及びシステム情報受信部702を有する。なお、図7では、本実施形態に特に関係する機能のみを示しており、端末装置が有しうる他の各種機能については図示を省略している。例えば、端末装置は、LTEや5Gの端末装置が一般的に有する他の機能を当然に有する。また、図7の機能ブロックは概略的に示したものであり、それぞれの機能ブロックが一体化されて実現されてもよいし、さらに細分化されてもよい。また、図7の各機能は、例えば、プロセッサ501がROM502や記憶装置504に記憶されているプログラムを実行することにより実現されてもよいし、例えば通信回路505の内部に存在するプロセッサが所定のソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。なお、各機能部が実行する処理の詳細について、上述の詳細についてはここでは説明せず、その大まかな機能のみを概説する。なお、ここでの端末装置は、第2のCCでの同期信号の検出などを実行しており、第2のCCのためのシステム情報の取得を試みているものとする。
【0034】
リソース情報受信部701は、第2のCCにおいてシステム情報の送信が停止されている場合に、その第2のCCのためのシステム情報が送信されているリソースの情報を、第2のCCにおいて基地局装置から受信する。システム情報受信部702は、リソース情報受信部701で受信したリソースの情報に基づいて、第2のCCのためのシステム情報が送信されている第1のCCを参照し、第2のCCのためのシステム情報を受信する。なお、端末装置が第2のCCのみをサポートしている場合が想定されうる。この場合、端末装置は第1のCCを観測することができない。このため、第1のCCを観測することのできない端末装置は、システム情報の送信が停止されている第2のCCでの待ち受け及び接続の確立ができないと判定する。そして、端末装置は、待ち受け等を行うことができないと判定した第2のCCにおける参照信号の測定結果等の情報を取得していた場合にはその情報を破棄し、同じ周波数帯域を使用する他のセルを探索する。
【0035】
(処理の流れ)
続いて、無線通信ネットワークにおいて実行される処理の流れの例について、図8を用いて説明する。なお、ここで説明する処理ステップの詳細については上述の通りであるため、ここでは処理の流れの概要を述べるにとどめる。なお、本処理例では、1つの基地局装置が第1のCC及び第2のCCの両方を使用可能であるものとする。
【0036】
本処理例では、基地局装置は、第2のCCにおけるシステム情報(SIB1やMIB)の送信を停止しており、そのシステム情報が送信されるリソースの情報を報知する(S801)。端末装置は、第2のCCでの同期信号等を受信する際に、この情報を受信する。そして、端末装置は、この受信した情報に基づいて、第2のCCのためのシステム情報が第1のCCで送信されること等を特定する。その後、端末装置は、S801において指定された情報に基づいて、第1のCCの観測を行う。端末装置は、例えば、第1のCCにおいてSSBを受信し、第1のCCのシステム情報を取得しうる(S802)。なお、端末装置は、例えば、第1のCCと第2のCCとでフレームのタイミングが同期しており、S801において第2のCCのためのシステム情報が送信されるのに使用される周波数および時間リソースの詳細な情報を受信できている場合、第1のCCのシステム情報を受信する必要はない。その後、端末装置は、S801で指定された情報に基づいて、第2のCCのためのシステム情報を、第1のCCにおいて受信する(S803)。なお、端末装置は、例えば報知されていないさらなるシステム情報が存在し、そのさらなるシステム情報の受信が必要な場合には、第1のCCにおいて、そのさらなるシステム情報の提供を要求する。そして、端末装置は、その要求に応答して基地局装置から送信されたさらなるシステム情報を、第1のCCにおいて受信しうる。
【0037】
このようにして、第2のCCにおいてシステム情報の送信が停止されており、そのシステム情報が他のCC(第1のCC)において送信される場合に、端末装置がその第2のCCのシステム情報を効率的に受信することができるようになる。よって、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0038】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8