IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フミオ工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-抱っこ紐および収容袋付きの抱っこ紐 図1
  • 特開-抱っこ紐および収容袋付きの抱っこ紐 図2
  • 特開-抱っこ紐および収容袋付きの抱っこ紐 図3
  • 特開-抱っこ紐および収容袋付きの抱っこ紐 図4
  • 特開-抱っこ紐および収容袋付きの抱っこ紐 図5
  • 特開-抱っこ紐および収容袋付きの抱っこ紐 図6
  • 特開-抱っこ紐および収容袋付きの抱っこ紐 図7
  • 特開-抱っこ紐および収容袋付きの抱っこ紐 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002449
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】抱っこ紐および収容袋付きの抱っこ紐
(51)【国際特許分類】
   A47D 13/02 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
A47D13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101628
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】393000733
【氏名又は名称】フミオ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129104
【弁理士】
【氏名又は名称】舩曵 崇章
(72)【発明者】
【氏名】大友 隆
(57)【要約】
【課題】乳幼児などを低めの位置で保持することができ、しかも胴ベルトをしっかりと安定して装着することができる抱っこ紐を提供する。
【解決手段】装着者の胴体部に装着する胴ベルト2と、この胴ベルト2から延びて乳幼児などを保持する保持部3と、装着者の肩にかける左右一対の肩ベルト4と、を備えており、前記保持部3は、胴ベルト2と保持部3の間に乳幼児が入り込むように胴ベルト2の下縁部23から延びている、抱っこ紐1とした。このとき、胴ベルト2の幅を5cm以上とすることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の胴体部に装着する胴ベルトと、
この胴ベルトから延びて乳幼児などを保持する保持部と、
装着者の肩にかける左右一対の肩ベルトと、を備えており、
前記保持部は、
胴ベルトの下縁部から延びている、
抱っこ紐。
【請求項2】
胴ベルトの幅が、5cm以上である、
請求項1に記載の抱っこ紐。
【請求項3】
保持部と肩ベルトを胴ベルトに係止する係止手段を設けた、
請求項1に記載の抱っこ紐。
【請求項4】
係止手段は、
保持部の表面側に一端側を取り付けた下ベルトと、
胴ベルトの上端部に一端側を取り付けた上ベルトと、
前記下ベルトと前記上ベルトに割り振って設けた互いに係合するバックルと、を有する、
請求項3に記載の抱っこ紐。
【請求項5】
請求項1に記載の抱っこ紐を収容する収容袋を有し、
前記収容袋を収容するポケットを、胴ベルトの表面側に設けた、
収容袋付きの抱っこ紐。
【請求項6】
胴ベルトを装着して保持部と肩ベルトが胴ベルトから垂下した状態において、
収容袋は、胴ベルトの上縁から垂下するように設けられており、
ポケットは、胴ベルトの表面で収納袋が垂下する位置に設けられている、
請求項5に記載の収容袋付きの抱っこ紐。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抱っこ紐および収容袋付きの抱っこ紐に関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児などを保持するための抱っこ紐が知られている。このような抱っこ紐は、通常、乳幼児などを保持する保持部と、装着者の肩にかける左右一対の肩ベルトと、装着者の腰付近に取り付けられる胴ベルトと、を備えている。
【0003】
例えば、特許文献1には「本体部と物入とを一体に備え、本体部は、背あてと、尻あてと、肩ベルトと、腰ベルトとを一体に備え、物入は、容体と、容体を開閉する蓋体とを有して尻あて直下に配置されていると共に、容体の側部が腰ベルトに固着されていることを特徴とする抱っこ紐。」が記載されており、尻あてと背あての部分(保持部に相当)は、腰ベルトの上縁から上方に向かって延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新登録第3222667号(図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているような従来の抱っこ紐は、乳幼児などを保持する際の安定性に課題があった。すなわち、胴ベルトをしっかりと安定して装着するためには、腰骨の上部から上あたりに胴ベルトを巻き付けて締め付けることが理想的なのであるが、こうすると、尻あてと背あての部分(保持部に相当)が胴ベルトの上縁から上方に向かって延びているため、乳幼児などの位置が高くなってしまい、かえって安定性が悪くなることがあった。
【0006】
一方、乳幼児の位置を低くすることで安定性を高めようとすると、胴ベルトを巻き付ける位置を下げざるを得ず、そうすると胴ベルトがずり落ちやすくなって、かえって安定性が悪くなることがあった。
【0007】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、乳幼児などを低めの位置で保持することができ、しかも胴ベルトをしっかりと安定して装着することができる抱っこ紐などに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、下記態様の抱っこ紐とした。
【0009】
(態様1)装着者の胴体部に装着する胴ベルトと、この胴ベルトから延びて乳幼児などを保持する保持部と、装着者の肩にかける左右一対の肩ベルトと、を備えており、前記保持部は、胴ベルトの下縁部から延びている、抱っこ紐とした。
【0010】
この抱っこ紐は、保持部が、胴ベルトの下縁部から延びていることによって、腰骨の上部から上あたりに胴ベルトを巻き付けた場合であっても、乳幼児などを低めの位置でしっかりと保持することができる。
【0011】
(態様2)胴ベルトの幅が、5cm以上である、態様1に記載の抱っこ紐とすることができる。
【0012】
この抱っこ紐は、胴ベルトの幅が5cm以上であるため、胴ベルトを巻き付けた際の安定性が増す。また、乳幼児などをよりしっかりと保持することができる。
【0013】
(態様3)保持部と肩ベルトを胴ベルトに係止する係止手段を設けた、態様1又は態様2に記載の抱っこ紐とすることができる。
【0014】
この抱っこ紐は、乳幼児を保持しない場合(抱っこ紐を使用しない場合)に、保持部と肩ベルトを胴ベルトに係止することができ、邪魔になりにくい。
【0015】
(態様4)係止手段は、保持部の表面側に一端側を取り付けた下ベルトと、胴ベルトの上端部に一端側を取り付けた上ベルトと、前記下ベルトと前記上ベルトに割り振って設けた互いに係合するバックルと、を有する、態様3に記載の抱っこ紐とすることが好ましい。
【0016】
この抱っこ紐は、比較的簡単な構成で、保持部と肩ベルトを胴ベルトに係止することができる。保持部と肩ベルトを胴ベルトに係止する際には、例えば、肩ベルトを保持部側に折り込んだ状態で、保持部を(折り込んだ肩ベルトごと)胴ベルト側に巻くように折り畳んだ後、バックルを係合させて保持部と肩ベルトを胴ベルトに係止することができる。
【0017】
(態様5)態様1~4のいずれか1態様に記載の抱っこ紐を収容する収容袋を有し、前記収容袋を収容するポケットを、胴ベルトの表面側に設けた、収容袋付きの抱っこ紐とすることもできる。
【0018】
この抱っこ紐は、乳幼児を保持しない場合(抱っこ紐を使用しない場合)に、抱っこ紐を収容袋に入れることができ、携帯に便利である。
【0019】
(態様6)胴ベルトを装着して保持部と肩ベルトが胴ベルトから垂下した状態において、収容袋は、胴ベルトの上縁から垂下するように設けられており、ポケットは、胴ベルトの表面で収納袋が垂下する位置に設けられている、態様5に記載の抱っこ紐とすることが好ましい。
【0020】
この抱っこ紐は、収容袋自体をポケットに収容することができて便利である。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、乳幼児などを低めの位置で保持することができ、しかも胴ベルトをしっかりと安定して装着することができる抱っこ紐などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】抱っこ紐を装着した状態を例示する前方斜視図(写真)である。
図2】抱っこ紐の正面図(写真)である。
図3図2の抱っこ紐の背面図(写真)である。
図4】保持部と肩ベルトを胴ベルトに係止した状態を例示する斜視図(写真)である。
図5】別例の抱っこ紐(収容袋付きの抱っこ紐)を装着した状態を例示する前方斜視図(写真)である。
図6図5において、肩ベルトを装着者から取り外して、肩ベルトと保持部を胴ベルトから垂下させた状態を例示する斜視図(写真)である。
図7図6において、ポケットから収容袋を取り出して胴ベルトの上縁から垂下させた状態を例示する斜視図(写真)である。
図8】別例の抱っこ紐(収容袋付きの抱っこ紐)において、保持部と肩ベルトを収容袋に入れた状態を例示する斜視図(写真)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図を用いて抱っこ紐を例示説明する。抱っこ紐1は、乳幼児などを収容し保持するためのものであり、胴ベルト2、保持部3および肩ベルト4を備えている。加えて、本実施形態の抱っこ紐1は、保持部3と肩ベルト4を胴ベルト2に係止する係止手段5(51,52,53,54)も備えている。
【0024】
以下、特定の実施形態を挙げて例示説明するが、本発明及びその構成要素は、以下の説明に限定されるものではない。なお、図1では、抱っこ紐をトルソーに装着するとともに、乳幼児などを収容していない状態で例示してある。
【0025】
1.胴ベルト
胴ベルト2は、装着者の胴体部に装着される。本実施形態では、胴ベルト2の左右方向一方端から平ロープ25が延びており、この平ロープ25の先端と胴ベルト2の左右方向他方端に割り振って、互いに着脱自在のバックル26が設けてある。胴ベルト2を胴体に装着した際、バックル26が装着者に直接当たらないように、胴ベルト2の表生地21側にバックル26が位置するように構成されている。平ロープ25には長さ調整手段が設けてある。
【0026】
本実施形態では、胴ベルト2は、図2および図3などに例示するように、表生地21と、この表生地21の裏側に位置する裏生地22と、を有している。そして、裏生地22は、表生地21よりも通気性のよい素材(例えば、メッシュ素材)で構成されており、蒸れにくい構造となっている。
【0027】
また、胴ベルト2の幅(上下方向の長さ)は5cm以上が好ましい。胴ベルト2の幅の上限は特に限定されないが、例えば30cm以下とすることができる。胴ベルト2の幅はより好ましくは7~25cm、さらに好ましくは8~20cm、最も好ましくは9~15cmである。本実施形態では、胴ベルト2の幅は概ね10cmとした。
【0028】
2.保持部
保持部3は、胴ベルト2から延びて乳幼児などを保持する。そして、保持部3は、抱っこ紐1の装着時において、胴ベルト2の下縁部23から上方に向かって延びている。これによって、胴ベルト2と保持部3の間に乳幼児が入り込むことになる。換言すると、保持部3は、胴ベルト2と保持部3の間に乳幼児が入り込むように胴ベルト2の下縁部23から延びている。
本実施形態でも、図1などに例示するように、保持部3は、抱っこ紐1の装着時において、胴ベルト2の下縁部23から上方に向かって延びている。
【0029】
本実施形態の保持部3は、図1などに例示するように、底面部32と、この底面部32の前縁から立ち上がる正面部31を有している。本実施形態において、底面部32と正面部31には明確な境界があるわけではない。
【0030】
3.肩ベルト
肩ベルト4は、左右一対であり、装着者の肩にかけられる。本実施形態では、左右の肩ベルト4の前端が保持部3の左右上端に取り付けられ、左右の肩ベルト4の後端が、長さ調整手段45を介して保持部3の左右中央部に取り付けられている。
【0031】
また、本実施形態では、左右の肩ベルト4は、ウレタンなどの緩衝部材を取り付けることができるように構成されている。具体的には、左右の肩ベルト4の裏側に、緩衝部材を入れ出しするための前後方向が開口した筒状部(図示せず)が設けてある。
【0032】
4.係止手段
係止手段5は、保持部3と肩ベルト4を胴ベルト2に係止する。詳細には、係止手段5は、折り畳んだ状態の保持部3と肩ベルト4を胴ベルト2に係止する手段である。
【0033】
本実施形態では、係止手段5は、下ベルト51、上ベルト52および互いに係合するバックル53,54を有する。
下ベルト51は、図2に例示するように、保持部3の表面側に一端側が取り付けられている。本実施形態では、下ベルト51として左右二本の平ロープを用いており、左右二本の平ロープの一端側(図2において上端)を、保持部3の表面側上下方向略中央部の左右二箇所にそれぞれ取り付けてある。
上ベルト52は、図3に例示するように、胴ベルト2の上端部に一端側が取り付けられる。本実施形態では、上ベルト52として左右二本の平ロープを用いており、左右二本の平ロープの一端側(図3において下端)を、胴ベルト2の略中央部の上端部左右二箇所にそれぞれ取り付けてある。
互いに係合するバックル53,54は、下ベルト51と上ベルト52に割り振って設けられている。本実施形態では、互いに係合するバックル53,54として雄雌型のバックルを用いてある。
【0034】
そして、保持部3と肩ベルト4を胴ベルト2に係止する際には、図4に例示するように、保持部3と肩ベルト4を胴ベルト2側に巻くように折り畳んで、バックル53,54を互いに係合させて保持部3と肩ベルト4を胴ベルト2に係止する。
【0035】
5.別例の抱っこ紐
図5図8を用いて別例の抱っこ紐(収容袋付きの抱っこ紐)を例示説明する。なお、図5では、抱っこ紐をトルソーに装着するとともに、乳幼児などを収容していない状態で例示してある。
【0036】
別例の抱っこ紐1は、前述した抱っこ紐と同様の胴ベルト2、保持部3および肩ベルト4を有する。しかし係止手段は備えておらず、収容袋6とポケット7を備える。
【0037】
収容袋6は、抱っこ紐1を収容する。収容袋6は、図7に例示するように、装着者の胴体部に胴ベルト2を装着して保持部3と肩ベルト4が胴ベルト2から垂下した状態において、胴ベルト2の上縁から垂下するように設けられている。このとき、収容袋6は、保持部3の前側に重なるように垂下する。収納袋6は、胴ベルト2の上縁から垂下した状態において、裏側の上方が開口している(開口部60)。
【0038】
ポケット7は、収容袋6を収容する。ポケット7は上方が開口しており(ポケット開口70)、ここから収容袋6を内部に収容する。ポケット7は、図6および図7に例示するように、胴ベルト2の表面で収納袋6が垂下する位置(収容袋6の裏側の位置)に設けられている。
【0039】
ポケット7から出した収容袋6に抱っこ紐1の全体を収容すると、図8に例示するような状態となる。収容袋6に抱っこ紐(1)がすっきりと収容されており、携帯性が高い。
【0040】
また、この収容袋6には、胴ベルト2を装着した状態で、保持部3と肩ベルト4を収容することもできる(図示せず)。
【0041】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を例示説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【0042】
例えば、保持部の前面にヘッドカバー収納部を設け、ここに乳幼児などの頭部を保護するヘッドカバーを収納してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 抱っこ紐

2 胴ベルト
20 開口部
21 表生地
22 裏生地
23 下縁部
25 平ロープ
26 バックル

3 保持部
31 正面部
32 底面部

4 肩ベルト
40 開口部
41 表生地
42 裏生地
45 長さ調整手段

5 係止手段
51 下ベルト
52 上ベルト
53 バックル(雄)
54 バックル(雌)

6 収容袋
60 開口部

7 ポケット
70 ポケット開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8