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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024494
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/278 20220101AFI20240215BHJP
【FI】
H02K1/278
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127349
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】児玉 光生
【テーマコード(参考)】
5H622
【Fターム(参考)】
5H622AA02
5H622CA01
5H622CA05
5H622CA10
5H622CB02
(57)【要約】
【課題】コギングトルクを抑制する。
【解決手段】モータは、ロータと、ステータと、を備える。前記ロータは、ヨークと、径方向において、前記ヨークと対向する第1マグネットと、前記径方向において、前記ステータと対向する第2マグネットと、を有する。前記径方向において、前記第1マグネットは、前記第2マグネットと対向する。前記第2マグネットは、前記第1マグネットと対向し、前記第1マグネットの前記第2マグネットと対向する極と異なる極と、前記第1マグネットと対向し、前記第1マグネットの前記第2マグネットと対向する極と同じ極と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータと、ステータと、を備え、
前記ロータは、
ヨークと、
径方向において、前記ヨークと対向する第1マグネットと、
前記径方向において、前記ステータと対向する第2マグネットと、
を有し、
前記径方向において、前記第1マグネットは、前記第2マグネットと対向し、
前記第2マグネットは、前記第1マグネットと対向し、前記第1マグネットの前記第2マグネットと対向する極と異なる極と、前記第1マグネットと対向し、前記第1マグネットの前記第2マグネットと対向する極と同じ極と、を有する、
モータ。
【請求項2】
前記第1マグネットは、前記第2マグネットの径方向内側に配置される、
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記径方向において、前記第1マグネットの厚さは、前記第2マグネットの厚さよりも厚い、
請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記第1マグネットと前記第2マグネットとが接触する、
請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【請求項5】
前記第2マグネットの極数は、前記第1マグネットの極数を奇数倍した値である、
請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【請求項6】
前記第2マグネットの極数は、前記第1マグネットの極数よりも大きい、
請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【請求項7】
前記第2マグネットは、周方向に着磁される、
請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【請求項8】
前記第1マグネットの磁束密度は、前記第2マグネットの磁束密度よりも大きい、
請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【請求項9】
前記第1マグネットは、前記第2マグネットを介して前記ステータと対向し、
前記第2マグネットは、前記第1マグネットを介して前記ヨークと対向する、
請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
モータ分野において、従来から、高出力を目的として、磁束密度の大きいマグネットを使用している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-088057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなマグネットを使用すると、表面磁束密度の波形によってはコギングトルクが大きくなるおそれがある。つまり、従来のモータには、コギングトルクの抑制に関して改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、コギングトルクを抑制することができるモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るモータは、ロータと、ステータと、を備え、前記ロータは、ヨークと、径方向において、前記ヨークと対向する第1マグネットと、前記径方向において、前記ステータと対向する第2マグネットと、を有し、前記径方向において、前記第1マグネットは、前記第2マグネットと対向し、前記第2マグネットは、前記第1マグネットと対向し、前記第1マグネットの前記第2マグネットと対向する極と異なる極と、前記第1マグネットと対向し、前記第1マグネットの前記第2マグネットと対向する極と同じ極と、を有する。
【0007】
一つの態様によれば、本発明に係るモータによれば、コギングトルクを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係るモータの斜視図である。
図2図2は、図1に示すモータが有するステータの斜視図である。
図3図3は、図1に示すモータが有するロータの斜視図である。
図4図4は、図3に示すロータの一部の平面図である。
図5図5は、図4に示す第1マグネットの表面磁束密度と、ロータの回転角度との関係を示すグラフである。
図6図6は、図4に示す第2マグネットの表面磁束密度と、ロータの回転角度との関係を示すグラフである。
図7図7は、第1マグネットに第2マグネットを取り付けた状態における表面磁束密度と、ロータの回転角度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、実施形態に係るモータを図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0010】
図1は、本実施形態に係るモータ1の斜視図である。図2は、図1に示すモータ1が有するステータ2の斜視図である。図3は、図1に示すモータ1が有するロータ3の斜視図である。図4は、図3に示すロータ3の一部の平面図である。
【0011】
各図面において、説明を容易にするため、後述するシャフト31が延びる方向を軸方向Aと言い、後述するロータ3が回転する方向を周方向Cと言い、軸方向Aに対して直交する平面に含まれ、かつ、シャフト31の軸心31oを通過し、周方向Cに直交する方向を径方向Rと言う。
【0012】
実施形態に係るモータ1は、例えば三相交流電源からの電気エネルギーを、シャフト31の周方向Cへ回転する駆動力に変換する電動機である。つまり、モータ1は、三相交流モータである。また、本実施形態に係るモータ1は、例えばインナーロータ型のブラシレスモータである。モータ1は、例えば、図示しないフレームに収容される。モータ1は、図1に示すように、例えばステータ2と、ロータ3と、を備える。
【0013】
ステータ2は、ロータ3を周方向Cへ回転させるための力を発生させる部分である。ステータ2は、例えば図2に示すように、筒部としてのステータヨーク21と、磁極部としてのティース22と、コイル23と、を備える。なお、図2において、ティース22の形状を明示するため、ティース22に設けられる3つのコイル23を省略してある。
【0014】
ステータヨーク21やティース22は、例えば鉄などの磁性材料で円筒状に形成される。また、ティース22は、ステータヨーク21の内周面から、径方向Rの内側へ突出する
形状を備えている。コイル23は、例えば、電線をティース22に巻くことで形成される。本実施形態に係るコイル23は、例えば電線をティース22に集中巻きすることで形成される。また、本実施形態に係るステータ2は、例えば1つのステータヨーク21と、6つのティース22と、6つのコイル23と、を備える。
【0015】
ロータ3は、図1に示すモータ1において回転軸であるシャフト31を中心に回転可能に設けられる。本実施形態に係るロータ3は、図3に示すように、シャフト31と、ロータヨーク(ヨーク)32と、第1マグネット33と、第2マグネット34と、を備える。
【0016】
シャフト31は、回転軸であって、ロータ3における径方向Rの最も内側において円柱状に形成される。ロータヨーク32は、例えば鉄などの磁性材料で円筒状に形成される。そして、ロータヨーク32の内周面は、シャフト31の外周面に接触するように配置される。
【0017】
第1マグネット33は、例えば、焼結または樹脂で円筒状に形成される。そして、第1マグネット33の内周面は、ロータヨーク32の外周面に接触するように配置される。つまり、第1マグネット33は、径方向Rにおいてロータヨーク32と対向する。その上、第1マグネット33は、径方向Rにおいて第2マグネット34を介してステータ2と対向する(図1参照)。
【0018】
また、第1マグネット33の外周面は、第2マグネット34の内周面に接触するように配置される。つまり、第1マグネット33は、第2マグネット34の径方向内側に配置され、径方向Rにおいて、第1マグネット33と第2マグネット34とが接触する。つまり、本実施形態に係るロータ3は、径方向Rにおいてマグネット33、34を2重構造に配置してある。
【0019】
径方向Rにおいて、図4に示すように、第1マグネット33の厚さt33は、第2マグネット34の厚さt34よりも厚い。逆に言うと、第2マグネット34の厚さt34は、第1マグネット33の厚さt33よりも薄い。さらに、第1マグネット33の磁束密度は、第2マグネット34の磁束密度よりも大きい。
【0020】
第1マグネット33は、周方向Cに着磁され、複数の第1磁極(第1マグネット33の極)33aと、複数の第2磁極(第1マグネット33の極)33bと、を有する。より具体的に説明すると、軸方向Aから視た場合、第1磁極33aと第2磁極33bとは、周方向Cにおいて交互に配置される。本実施形態に係る第1マグネット33は、例えば、4つの第1磁極33aと、4つの第2磁極33bとを有する。
【0021】
第2マグネット34は、例えば、焼結または樹脂で円筒状に形成される。そして、第2マグネット34の内周面は、第1マグネット33の外周面に接触するように配置される。その上、第2マグネット34は、径方向Rにおいて第1マグネット33を介してロータヨーク32と対向する。また、第2マグネット34は、径方向Rにおいてステータ2と対向する(図1参照)。
【0022】
第2マグネット34は、周方向Cに着磁され、複数の第3磁極34aと、複数の第4磁極34bと、複数の第5磁極34cと、複数の第6磁極34dと、複数の第7磁極34eと、複数の第8磁極34fと、を有する。より具体的に説明すると、軸方向Aから視た場合、第3磁極34a、第4磁極34b、第5磁極34c、第6磁極34d、第7磁極34e、および、第8磁極34fは、上述した記載の順番に周方向Cに沿って繰り返して配置される。本実施形態に係る第2マグネット34は、例えば、4つの第3磁極34aと、4つの第4磁極34bと、4つの第5磁極34cと、4つの第6磁極34dと、4つの第7磁極34eと、4つの第8磁極34fと、を有する。
【0023】
次に、径方向Rにおいて、第1マグネット33の第1磁極33aに対向する第2マグネット34の磁極について説明する。第1マグネット33の第1磁極33aには、径方向Rにおいて、第3磁極34aと、第4磁極34bと、第5磁極34cと、が対向する。
【0024】
第1マグネット33における第1磁極33aは、例えばN極である。そして、第1マグネット33の第1磁極33aに対して径方向Rに対向する第2マグネット34の第3磁極34aと第5磁極34cとはS極である。つまり、第2マグネット34は、第1マグネット33と対向し、第1マグネット33の第2マグネット34と対向する極(第1マグネット33における第1磁極33aであるN極)と異なるS極(第2マグネット34の第3磁極34aおよび第5磁極34c)を有する。
【0025】
その上、第1マグネット33の第1磁極33a(N極)に対して径方向Rに対向する第2マグネット34の第4磁極34bはN極である。つまり、第2マグネット34は、第1マグネット33と対向し、第1マグネット33の第2マグネット34と対向する極(第1マグネット33における第1磁極33aであるN極)と同じN極(第2マグネット34の第4磁極34b)も有する。
【0026】
次いで、径方向Rにおいて、第1マグネット33における第2磁極33bに対向する第2マグネット34の磁極について説明する。第1マグネット33の第2磁極33bには、径方向Rにおいて、第6磁極34dと、第7磁極34eと、第8磁極34fと、が対向する。
【0027】
第1マグネット33における第2磁極33bは、例えばS極である。そして、第1マグネット33の第2磁極33bに対して径方向Rに対向する第2マグネット34の第6磁極34dと第8磁極34fとはN極である。つまり、第2マグネット34は、第1マグネット33と対向し、第1マグネット33の第2マグネット34と対向する極(第1マグネット33における第2磁極33bであるS極)と異なる極(第2マグネット34の第6磁極34dおよび第8磁極34f)を有する。
【0028】
その上、第1マグネット33の第2磁極33b(S極)に対して径方向Rに対向する第2マグネット34の第7磁極34eはS極である。つまり、第2マグネット34は、第1マグネット33と対向し、第1マグネット33の第2マグネット34と対向する極(第1マグネット33における第2磁極33bであるS極)と同じ極(第2マグネット34の第7磁極34e)も有する。
【0029】
つまり、本実施形態に係る第2マグネット34は、第1マグネット33の1つの極に対向する極として、1つの極と異なる極と、1つの極と同じ極と、を有する。
【0030】
上述したように、第2マグネット34の極数は、第1マグネット33の極数よりも大きい。本実施形態に係るロータ3は、例えば第2マグネット34が24極で構成され、第1マグネット33が8極で構成される。つまり、本実施形態に係るロータ3において、第2マグネット34の極数は、第1マグネット33の極数の3倍(奇数倍)した値である。
【0031】
次に、上記のように構成した第1マグネット33の表面磁束密度と、ロータ3の回転角度との関係について図5を用いて説明する。図5は、図4に示す第1マグネット33の表面磁束密度と、ロータ3の回転角度との関係を示すグラフである。
【0032】
図5に示すように、第1マグネット33の表面磁束密度と、ロータ3の回転角度との関係を示すグラフは、特定の基本波と、当該基本の3倍の周期を持つ高調波とを合わせた形状である。
【0033】
次に、上記のように構成した第2マグネット34の表面磁束密度と、ロータ3の回転角度との関係について図6を用いて説明する。図6は、図4に示す第2マグネット34の表面磁束密度と、ロータ3の回転角度との関係を示すグラフである。
【0034】
図6に示すように、第2マグネット34の表面磁束密度と、ロータ3の回転角度との関係を示すグラフは、図5に示すグラフにおける基本波の3倍の周期である。また、図6に示す、第2マグネット34の表面磁束密度と、ロータ3の回転角度との関係を示すグラフは、図5に示すグラフにおける3倍の周期を持つ高調波と同一の周期であって、磁極の向きが反対である。
【0035】
次に、第1マグネット33に第2マグネット34を取り付けた状態における表面磁束密度と、ロータ3の回転角度との関係について図7を用いて説明する。図7は、第1マグネット33に第2マグネット34を取り付けた状態における表面磁束密度と、ロータ3の回転角度との関係を示すグラフである。
【0036】
上記のように第1マグネット33および第2マグネット34を構成することで、図5に示す第1マグネット33のグラフの高調波が、第2マグネット34のグラフで相殺されるため、図7に示すグラフは、正弦波のような滑らかな曲線となる。ロータ3の表面磁束密度が、図7に示すグラフのように、正弦波のような滑らかな曲線となると、磁束密度の変化を緩やかにすることによってコギングトルクを抑制することができる。一方、ロータ3で形成される表面磁束密度のグラフが、特許文献1の図7に示されるような矩形波に近い曲線では、磁束密度の変化が急であることによって、コギングトルクが大きくなる。本実施形態に係るロータ3は、径方向Rにおいて第1マグネット33の1つの磁極に、第2マグネット34の3つの磁極を対向させることで、第1マグネット33の磁極で形成される磁束の高調波を第2マグネット34の磁極で形成される磁束によって相殺する。その結果、本実施形態に係るモータ1は、コギングトルクを抑制することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係るモータ1において、ロータ3は、径方向Rにおいて、ロータヨーク32と対向する第1マグネット33と、径方向Rにおいて、ステータ2と対向する第2マグネット34と、を有する。径方向Rにおいて、第1マグネット33は、第2マグネット34と対向する。第2マグネット34は、第1マグネット33と対向し、第1マグネット33の第2マグネット34と対向する磁極と異なる磁極と、第1マグネット33と対向し、第1マグネット33の第2マグネット34と対向する磁極と同じ磁極と、を有する。その上、第2マグネット34の極数は、第1マグネット33の極数を奇数倍した値である。そのため、本実施形態に係るモータ1は、第1マグネット33の磁極で形成される磁束の高調波を第2マグネット34の磁極で形成される磁束によって相殺することができる。その結果、本実施形態に係るモータ1は、コギングトルクを抑制することができる。
【0038】
本実施形態に係るモータ1において、径方向Rにおいて、第1マグネット33の厚さt33は、第2マグネット34の厚さt34よりも厚い。そのため、第1マグネット33が形成する磁束密度を、第2マグネット34が形成する磁束密度よりも大きくしてモータ1の効率を向上することができる。
【0039】
本実施形態に係るモータ1において、第1マグネット33と第2マグネット34とが接触する。そのため、第1マグネット33と第2マグネット34との間で、第1マグネット33の磁束密度が小さくなることを抑制することができるため、モータ1の効率を向上することができる。
【0040】
本実施形態に係るモータ1において、第1マグネット33の磁束密度は、第2マグネット34の磁束密度よりも大きい。そのため、モータ1の効率を向上することができる。
【0041】
なお、上述した実施形態に係るモータ1は、例えばインナーロータ型のブラシレスモータに適用したものを説明したが、これに限られない。本実施形態に係るモータ1は、例えばアウターロータ型のモータに適用することができる。
【0042】
また、本実施形態に係るモータ1は、三相交流モータを説明した。しかし、本実施形態に係るモータ1は、それに限られない。
【0043】
さらに、本実施形態に係るステータ2は、6つのティース22と、6つのコイル23と、を備えるものを説明した。しかし、本実施形態に係るステータ2において、ティース22の個数、および、コイル23の個数は、それらに限られず、任意の個数に設定することができる。
【0044】
また、上述した実施形態に係るロータ3において、第1マグネット33の極数が8個のものを説明した。しかし、本実施形態に係るロータ3において、第1マグネット33の極数は、それに限られず、任意の個数に設定することができる。
【0045】
さらに、上述した実施形態に係るロータ3において、第2マグネット34の極数が24個のものを説明した。しかし、本実施形態に係るロータ3において、第2マグネット34の極数は、それに限られず、任意の個数に設定することができる。
【0046】
また、上述した実施形態に係るロータ3において、第2マグネット34の極数は、第1マグネット33の極数の3倍であるものを説明した。しかし、本実施形態に係るロータ3は、それに限られない。例えば、本実施形態に係るロータ3において、第2マグネット34の極数は、第1マグネット33の極数の5倍、7倍等の奇数倍に設定することができる。より具体的に説明すると、第1マグネット33の表面磁束密度を表すグラフに、特定の基本波と、当該基本の5倍の周期を持つ高調波とが含まれる場合、第2マグネット34の極数は、第1マグネット33の極数の5倍とし、かつ、第1マグネット33の1つの極に対して径方向Rに第2マグネット34の5つの極を対向させる(さらに詳細に説明すると、第2マグネット34の5つの極のうち、第1マグネット33の1つの極と異なる極が3つであり、かつ、異なる極が2つである)。一方、第1マグネット33の表面磁束密度を表すグラフに、特定の基本波と、当該基本の7倍の周期を持つ高調波とが含まれる場合、第2マグネット34の極数は、第1マグネット33の極数の7倍とし、かつ、第1マグネット33の1つの極に対して径方向Rに第2マグネット34の7つの極を対向させる(さらに詳細に説明すると、第2マグネット34の7つの極のうち、第1マグネット33の1つの極と異なる極が4つであり、かつ、異なる極が3つである)。
【0047】
以上、本発明に係るモータ1の実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能であることも言うまでもない。そのような要旨を逸脱しない範囲での種々の変更を行ったものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0048】
1 モータ、 2 ステータ、 3 ロータ、 32 ロータヨーク(ヨーク)、 33 第1マグネット、 33a 第1磁極(第1マグネットの極)、 33b 第2磁極(第1マグネットの極)、 34 第2マグネット、 34a 第3磁極(第2マグネットの極)、 34b 第4磁極(第2マグネットの極)、 34c 第5磁極(第2マグネットの極)、 34d 第6磁極(第2マグネットの極)、 34e 第7磁極(第2マグネットの極)、 34f 第8磁極(第2マグネットの極)、 A 軸方向、 C 周方向、 R 径方向、 t33 第1マグネットの厚さ、 t34 第2マグネットの厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7