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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024520
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】外壁パネルの防汚構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/90 20060101AFI20240215BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
E04B2/90
E04F13/08 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127417
(22)【出願日】2022-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】荒井 庸行
(72)【発明者】
【氏名】浅利 徳男
(72)【発明者】
【氏名】藤井 啓介
(72)【発明者】
【氏名】守屋 佳代
【テーマコード(参考)】
2E002
2E110
【Fターム(参考)】
2E002NA04
2E002NB01
2E002NB02
2E002NB03
2E002NC04
2E002PA01
2E002PA04
2E002QA01
2E002QA04
2E002SA01
2E002SA02
2E002UA01
2E002UA02
2E002UA03
2E002UB02
2E002UB03
2E002UB15
2E002UB17
2E002UB19
2E002WA12
2E002XA14
2E110AA13
2E110AA15
2E110AA26
2E110AA55
2E110AA65
2E110AB04
2E110AB15
2E110AB22
2E110BD23
2E110BD26
2E110DA12
2E110DA16
2E110DD08
2E110GB01W
2E110GB32W
(57)【要約】
【課題】雨水が流れることによる外壁パネルの汚れを抑制することが可能な外壁パネルの防汚構造を提供することである。
【解決手段】外壁2aが傾斜するとともにそれぞれ上下方向に対して傾斜して延びる窓部5及び外壁パネル6を有する建築物1における外壁パネルの防汚構造であって、外壁パネル6の窓部5に隣接する上向きの側面6cに、側面6cから突出する水返しの壁10が設けられていることを特徴とする、外壁パネルの防汚構造。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁が傾斜するとともにそれぞれ上下方向に対して傾斜して延びる窓部及び外壁パネルを有する建築物における外壁パネルの防汚構造であって、
前記外壁パネルの前記窓部に隣接する上向きの側面に、前記側面から突出する水返しの壁が設けられていることを特徴とする、外壁パネルの防汚構造。
【請求項2】
前記外壁パネルが、
前記窓部よりも外側に突出して配置された表面と、
前記表面と前記窓部との間に設けられた上向きの第1側面と、
前記表面と前記窓部との間に設けられた下向きの第2側面と、を有し、
前記水返しの壁が前記第1側面に設けられている、請求項1に記載の外壁パネルの防汚構造。
【請求項3】
前記外壁パネルが、それぞれ内部に内樋を備えるとともに上下方向にスリットを介して並べて配置された複数のパネルユニットを備え、
上側の前記パネルユニットの前記側面を流れた雨水が、前記スリットを通して下側の前記パネルユニットの前記内樋に流入するように構成されている、請求項1または2に記載の外壁パネルの防汚構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の外壁に窓に隣接して設けられた外壁パネルの汚れを抑制する、外壁パネルの防汚構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばオフィスビル、商業ビルなどの建築物として、外壁に窓に隣接して外壁パネルが取り付けられた構成のものが知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、外壁パネルが垂直な外壁に上下方向に沿って取り付けられた構成の建築物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-293551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外観上のデザイン性を高めるために、建築物を、外壁が傾斜するとともに窓及び外壁パネルが上下方向に対して傾斜して延びた構成とすることが考えられる。
【0006】
しかし、このような構成の建築物では、外壁が傾斜しているため、窓や外壁パネルに雨水が落ち易くなるとともに、窓の下方側に外壁パネルが位置するため、窓に落ちた雨水が窓から外壁パネルの表面に流れることになるので、外壁パネルの表面に雨水が流れることによる筋状の汚れが付着し易い、という問題点があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、雨水が流れることによる外壁パネルの汚れを抑制することが可能な外壁パネルの防汚構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の外壁パネルの防汚構造は、外壁が傾斜するとともにそれぞれ上下方向に対して傾斜して延びる窓部及び外壁パネルを有する建築物における外壁パネルの防汚構造であって、前記外壁パネルの前記窓部に隣接する上向きの側面に、前記側面から突出する水返しの壁が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の外壁パネルの防汚構造は、上記構成において、前記外壁パネルが、前記窓部よりも外側に突出して配置された表面と、前記表面と前記窓部との間に設けられた上向きの第1側面と、前記表面と前記窓部との間に設けられた下向きの第2側面と、を有し、前記水返しの壁が前記第1側面に設けられているのが好ましい。
【0010】
本発明の外壁パネルの防汚構造は、上記構成において、前記外壁パネルが、それぞれ内部に内樋を備えるとともに上下方向にスリットを介して並べて配置された複数のパネルユニットを備え、上側の前記パネルユニットの前記側面を流れた雨水が、前記スリットを通して下側の前記パネルユニットの前記内樋に流入するように構成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、雨水が流れることによる外壁パネルの汚れを抑制することが可能な外壁パネルの防汚構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る外壁パネルの防汚構造が設けられた建築物の正面図である。
図2図1に示す建築物の側面図である。
図3図1に示す建築物の、範囲Aの部分の拡大図である。
図4】外壁パネルの断面構造を示す切り欠き斜視図である。
図5】窓部に落ちた雨水の流れを説明するための説明図である。
図6】建築物の稜線部分における外壁パネルの構成を示す断面図である。
図7】上下のパネルユニットの間のスリット部分の構造を示す断面図である。
図8】上下のパネルユニットの間のスリット部分の変形例の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係る外壁パネルの防汚構造について詳細に例示説明する。
【0014】
図1図2に示す建築物1は、本発明の一実施形態に係る外壁パネルの防汚構造が設けられる建築物の一例として示すものである。この建築物1は、例えばオフィスビル、商業ビルなどとして利用される複数の階層を有するビルディングである。
【0015】
建築物1の1階(地上階)から3階までの部分における正面(図1に示す側の面)の外壁2a、側面(図2に示す側の面)の外壁2b及び正面と側面との間の角面の外壁2cは、それぞれ地面3に垂直である。これに対し、建築物1の4階よりも上階部分における正面の外壁4a、側面の外壁4b及び角面の外壁4cは、それぞれ地面3に垂直な方向(鉛直方向)に対して所定の一定の角度で上向きとなるように傾斜している。
【0016】
図1に示すように、建築物1の4階よりも上階部分における正面の外壁4aには、それぞれ上下方向に対して傾斜して延びる窓部5及び外壁パネル6が設けられている。本実施形態に係る外壁パネルの防汚構造は、正面の外壁4aに設けられた外壁パネル6に設けられて、窓部5に落ちた雨水が外壁パネル6に向けて流れることによる外壁パネル6の汚れを抑制する。
【0017】
より具体的には、本実施形態では、外壁4aには、それぞれ外壁4aの下端から上端にまで傾斜して延びる複数本のストライプ状の窓部5及び外壁パネル6が交互に横並びに配置されている。
【0018】
図3に示すように、本実施形態では、それぞれの窓部5は、縦長で平行四辺形の板状の窓5aが各階層において上下に2枚ずつ並べて配置された構成を有している。なお、窓部5は、縦長で平行四辺形の窓5aが各階層において1枚ずつ配置された構成であってもよく、縦長で平行四辺形の窓5aが各階層において上下に3枚以上並べて配置された構成であってもよく、縦長で平行四辺形の1枚の窓5aが複数の階層に跨って配置された構成であってもよい。
【0019】
本実施形態では、それぞれの外壁パネル6は、縦長で平行四辺形の複数のパネルユニット6aがスリット7を介して上下に並べて配置された構成を有している。それぞれのパネルユニット6aは各階層に対応した上下方向長さを有し、各階層の2つの窓5aに隣接して配置されている。なお、パネルユニット6aは、複数の階層に跨る上下方向長さを有する構成であってもよく、外壁パネル6全体が1つのパネルユニット6aで構成されてもよい。
【0020】
図4に示すように、それぞれのパネルユニット6a(外壁パネル6)は、窓部5よりも建築物1の外側に突出して配置された表面6bと、表面6bの一方側の側縁と窓部5すなわち窓5aとの間に設けられた第1側面6cと、表面6bの他方側の側縁と窓部5すなわち窓5aとの間に設けられた第2側面6dと、を有している。
【0021】
表面6b、第1側面6c及び第2側面6dは一体に形成されていてもよく、互いに別体に形成されたものを組み合わせて形成されてもよい。表面6bは平面であり、上下に隣接するパネルユニット6aの表面6bは互いに同一面状に配置されている。第1側面6cは表面6bに垂直な平面であり、上下に隣接するパネルユニット6aの第1側面6cは互いに同一面状に配置されている。また、それぞれの第1側面6cは、上下方向に対して上向きとなるように傾斜して窓5aの側部に沿って真っ直ぐに延びている。第2側面6dは表面6bに垂直な平面であり、上下に隣接するパネルユニット6aの第2側面6dは互いに同一面状に配置されている。また、それぞれの第2側面6dは、上下方向に対して下向きとなるように傾斜して窓5aの側部に沿って真っ直ぐに延びている。このように、外壁パネル6すなわちそれぞれのパネルユニット6aは、上下方向に垂直な断面が略コの字形状となっており、建築物1の構造体8に取り付けられている。なお、構造体8は、建築物1を構成する柱、梁、これらに取り付けられた支持材などの建築物1を構成する種々の部材であり、その構成ないし形状は適宜変更可能である。
【0022】
図4に示すように、それぞれのパネルユニット6a(外壁パネル6)の窓部5に隣接する上向きの第1側面6cには、第1側面6cから突出する水返しの壁10が設けられている。本実施形態では、水返しの壁10は板状であり、第1側面6cの表面6bの側の縁部に一体に連ねて設けられて第1側面6cに垂直な方向に突出している。第1側面6cに水返しの壁10が設けられることにより、外壁パネル6の上向きの第1側面6cには、窓部5と水返しの壁10で区画された外樋11が設けられることになる。
【0023】
水返しの壁10は、第1側面6cの上端から下端の全範囲に連続して設けられるのが好ましいが、窓部5からの雨水が表面6bに流れることを阻止することができれば、その範囲は適宜変更可能である。また、水返しの壁10は板状に限らず、外壁パネル6の上向きの第1側面6cに、窓部5と水返しの壁10で区画された外樋11を形成することができれば、例えばブロック状の突起などの他の形状であってもよい。また、水返しの壁10は第1側面6cの表面6bの側の縁部に一体に連ねて設けられる構成に限らず、第1側面6cの窓部5と表面6bとの間の中間部分に設けられてもよく、第1側面6cとは別体に形成されたものを第1側面6cにボルト等の固定手段を用いて固定した構成とすることもできる。
【0024】
図4に示すように、外壁パネル6を上下方向にスリット7を介して並べて配置された複数のパネルユニット6aを備えた構成とした場合には、それぞれのパネルユニット6aを、その内部に内樋12を備えた構成とすることもできる。本実施形態では、それぞれのパネルユニット6aの内部の表面6bと第1側面6cとに隣接する上側角部と表面6bと第2側面6dとに隣接する下側角部の両方に、それぞれ第1側面6cないし第2側面6dに沿ってパネルユニット6aの上端から下端にまで延びる筒状の内樋12が設けられている。内樋12はパネルユニット6aの上端において上方に開口するとともにパネルユニット6aの下端において下方に開口している。これにより、上側のパネルユニット6aの第1側面6cすなわち外樋11を流れてきた雨水は、スリット7を通して下側のパネルユニット6aの内樋12に流入する。なお、外樋11から内樋12に雨水を確実に流入させるために、案内板などを設けるようにしてもよい。また、上側のパネルユニット6aの内樋12の内部を流れてきた雨水も、下側のパネルユニット6aの内樋12に流入することができる。
【0025】
図5は、窓部5に落ちた雨水の流れを説明するための説明図である。
【0026】
図5に一点鎖線の矢印で示すように、外壁パネル6の第1側面6cに水返しの壁10が設けられない場合には、窓部5に落ちた雨水は、そこから下方に向けて窓5aの表面を流れ、外壁パネル6の上向きの第1側面6cを横断して表面6bを流れることになる。そのため、表面6bには、窓部5に落ちた雨水が流れることによる汚れが生じることになる。
【0027】
これに対し、上記構成を有する本実施形態の外壁パネルの防汚構造を有する場合では、第1側面6cに水返しの壁10が設けられることにより、外壁パネル6の上向きの第1側面6cに、窓部5と水返しの壁10で区画された外樋11が設けられているので、図5に実線の矢印で示すように、窓部5に落ちた雨水は、そこから下方に向けて窓5aの表面を流れ、外壁パネル6の上向きの第1側面6cに達するが、第1側面6cにおいて水返しの壁10に当たることで表面6bにまで流れることができず、第1側面6cに沿って外樋11を下方に向けて流れることになる。
【0028】
このように、本実施形態の外壁パネルの防汚構造によれば、外壁2aが傾斜するとともに窓部5及び外壁パネル6がそれぞれ上下方向に対して傾斜して延びる構成の建築物1において、外壁パネル6の第1側面6cに設けた水返しの壁10により、窓部5に落ちた雨水が外壁パネル6の表面6bにまで流れることを阻止して、雨水が流れることによって外壁パネル6の表面6bが汚れることを抑制することができる。
【0029】
また、本実施形態では、外壁パネル6を、それぞれ内部に内樋12を備えるとともに上下方向にスリット7を介して並べて配置された複数のパネルユニット6aを備えた構成とし、上側のパネルユニット6aの第1側面6cを流れた雨水が、スリット7を通して下側のパネルユニット6aの内樋12に流入する構成としたので、それぞれのパネルユニット6a毎に、第1側面6cないし外樋11を流れる雨水を内樋12に流入させるようにして、大雨などにおいて外樋11から雨水が溢れて表面6bに流れることを抑制することができる。
【0030】
図1に示すように、建築物1の正面の外壁2aに設けられた外壁パネル6の一部は、正面の外壁2aと角面の外壁2cとの境界の稜線部分20を跨ぐため、稜線部分20において分断されることになる。そこで、図6に示すように、正面の外壁2aの側のパネルユニット6aと角面の外壁2cの側のパネルユニット6aとの間に、竪樋21を設けるようにしてもよい。この場合、稜線部分20に、建築物1の構造体8に固定されて正面の外壁2aの側のパネルユニット6aを支持する第1支持体22と、構造体8に固定されて角面の外壁2cの側のパネルユニット6aを支持する第2支持体23とを設け、これらの間を2重のシール材24で密封することで竪樋21を設ける構成とすることができる。なお、第1支持体22とパネルユニット6aとの間及び第2支持体23とパネルユニット6aとの間にも、それぞれ2重にシール体25を設けるのが好ましい。
【0031】
このような構成により、外壁パネル6の第1側面6cないし外樋11を下方に向けて稜線部分20にまで流れた雨水が、稜線部分20において竪樋21に流入するようにして、当該雨水が稜線部分20において外樋11から離脱してパネルユニット6aの表面6bに流れることを抑制することができる。
【0032】
なお、竪樋21の途中に止め板とキャッチパンを設けるなどしてパネルユニット6aの内部通路に接続し、当該内部通路を介して竪樋21をパネルユニット6aの内樋12に連通させた構成としてもよい。
【0033】
図4図7に示すように、スリット7の内部に横樋30を設けた構成とすることもできる。この場合、横樋30は、スリット7に対して下側となるパネルユニット6aを構造体8に固定するための支持体31に一体に設けられ、スリット7の内部において水平方向に延びている。横樋30の第1側面6cの端部は内樋12に連通している。一方、横樋30の第2側面6dの側には止め板32が設けられ、第2側面6dの側の端部への流路が遮断されている。
【0034】
パネルユニット6aの表面6bに落ちた雨水が下方に向けて流れてスリット7に流入すると、当該雨水は横樋30を流れて第1側面6cの側の内樋12に流入する。これにより、上側のパネルユニット6aの表面6bに落ちた雨水が、下側のパネルユニット6aの表面6bを流れることを抑制して、雨水が流れることによって外壁パネル6の表面6bが汚れることをさらに効果的に抑制することができる。
【0035】
また、横樋30の第2側面6dの側に止め板32を設けるようにしたので、スリット7を通して横樋30に流入した雨水が、横樋30の第2側面6dの側の端部から窓部5に流れることを防止して、雨水が流れることによって窓部5の表面が汚れることを抑制することができる。
【0036】
図4図7に示すように、パネルユニット6aの表面6bの下端側に、当該表面6bから表面6bに垂直な方向に向けて突出する水返しの下端壁40を設けるとともに、表面6bの第2側面6dの側の側部に、表面6bから表面6bに垂直な方向に向けて突出する水返しの側端壁41を設けた構成とすることもできる。
【0037】
水返しの下端壁40はパネルユニット6aの表面6bと同等の幅で水平方向に延びており、表面6bを下方に向けて流れる雨水を受け、当該雨水をパネルユニット6aの下端との隙間を通して横樋30に流すことができる。水返しの下端壁40の第2側面6dの側の端部は水返しの側端壁41に当接しており、水返しの下端壁40が受けた雨水が第2側面6dの側から窓部5に流出することが防止される。水返しの側端壁41は、パネルユニット6aの表面6bと同等の上下方向長さで第2側面6dに沿って延びており、表面6bを下方に向けて流れる雨水を受け、当該雨水を下側の窓部5に流すことなく、パネルユニット6aの側端との間の隙間を通して内樋12に流すことができる。このように、パネルユニット6aに水返しの下端壁40及び水返しの側端壁41を設けることにより、雨水が流れることによって窓部5ないしパネルユニット6aの表面が汚れることをさらに効果的に抑制することができる。
【0038】
図8に示すように、横樋30を形成する部材50を、パネルユニット6aを支持する支持体31とは別体とし、上下の支持体31の間に固定した構成とすることもできる。この場合、当該部材50と下側のパネルユニット6aとの間に、2重にシール体51を設けるのが好ましい。これにより、正面の外壁2aが傾斜した構成においても、部材50と下側のパネルユニット6aとの間のシール性を十分に確保することができる。
【0039】
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 建築物
2a 正面の外壁
2b 側面の外壁
2c 角面の外壁
3 地面
4a 正面の外壁
4b 側面の外壁
4c 角面の外壁
5 窓部
5a 窓
6 外壁パネル
6a パネルユニット
6b 表面
6c 第1側面
6d 第2側面
7 スリット
8 構造体
10 水返しの壁
11 外樋
12 内樋
20 稜線部分
21 竪樋
22 第1支持体
23 第2支持体
24 シール材
25 シール体
30 横樋
31 支持体
32 止め板
40 水返しの下端壁
41 水返しの側端壁
50 部材
51 シール体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8