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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002458
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20231228BHJP
   H01H 3/12 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
H01H13/14 Z
H01H3/12 A
H01H3/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101641
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 成幸
(72)【発明者】
【氏名】平田 達也
【テーマコード(参考)】
5G025
5G206
【Fターム(参考)】
5G025AA07
5G025BA04
5G025CA02
5G025CA05
5G206AS02F
5G206AS02H
5G206AS02J
5G206AS02N
5G206AS05F
5G206AS05H
5G206AS05N
5G206AS10F
5G206AS10H
5G206AS10J
5G206AS31F
5G206AS31H
5G206AS31J
5G206ES01F
5G206ES01N
5G206FS12H
5G206FS12J
5G206FS12N
5G206GS14
5G206GS16
5G206GS21
5G206HU05
(57)【要約】
【課題】他の部品や部材等の配置が押圧部材によって制限されにくいスイッチ装置の技術の提供。
【解決手段】スイッチと、筐体と、ユーザの操作によって筐体に対して変位することでスイッチを押すことが可能な押圧部材とを備え、押圧部材はユーザによって押されることが可能なキー部分と、スイッチが押圧される際にスイッチと当接する当接部とを有し、キー部分が配置される孔部と筐体の内部に配される1つ以上の弾性部分であって、押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに少なくとも一部がキー部分と重複し変位した押圧部材を、キー部分と重複する部分を介して弾性力によって逆方向に変位させる1つ以上の弾性部分とを有するスイッチ装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ装置であって、
回路のオンとオフとを切り替えるスイッチと、
内部に前記スイッチを収容する筐体と、
前記筐体を貫通し、ユーザの操作によって前記筐体に対して変位することで、前記スイッチを押すことが可能な押圧部材と、を備え、
前記押圧部材は、
一部が前記筐体の外部に露出するように配置され、露出している部分をユーザによって押されることが可能なキー部分と、
前記キー部分と接続し、前記筐体の内部に配置され、前記スイッチが押圧される際に前記スイッチと当接する当接部と、を有し、
前記筐体は、
前記筐体の前記外部と前記内部を連通しており、前記キー部分が配置される孔部と、
前記筐体の内部に配される1つ以上の弾性部分であって、前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、少なくとも一部が前記キー部分と重複し、前記筐体の内側に向かって変位した前記押圧部材を、前記キー部分と重複する部分を介して弾性力によって逆方向に変位させる1つ以上の弾性部分と、を有する、スイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記弾性部分は、前記筐体の、前記弾性部分以外の部分と一体形成されている、
スイッチ装置。
【請求項3】
請求項1から請求項2のいずれか一項に記載のスイッチ装置であって、
前記1つ以上の弾性部分は、第1弾性部分と第2弾性部分とを含み、
前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、前記第1弾性部分の少なくとも一部と、前記第2弾性部分の少なくとも一部とが、前記当接部を挟んで両側に配されている、スイッチ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチ装置であって、
前記第1弾性部分と、前記第2弾性部分とが、前記押圧部材が押圧される方向を含む面に対して対称に構成されている、スイッチ装置。
【請求項5】
請求項3に記載のスイッチ装置であって、
前記第1弾性部分の、前記キー部分の一部と当接する部分である第1キー接触部が、前記当接部に向かう方向に延びており、
前記第2弾性部分の、前記キー部分の一部と当接する部分である第2キー接触部が、前記当接部に向かう方向に延びている、スイッチ装置。
【請求項6】
請求項1から請求項2のいずれか一項に記載のスイッチ装置であって、
前記筐体は、前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、少なくとも一部が前記キー部分と重複する1つ以上の係止部を備え、
前記押圧部材は、前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、前記係止部に対して、前記キー部分の前記筐体の外部に露出している部分とは逆の側に位置し、前記キー部分がユーザによって押圧されていないときに前記係止部と接触している、1つ以上の爪部を備える、スイッチ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のスイッチ装置であって、
前記1つ以上の弾性部分は、第1弾性部分と第2弾性部分とを含み、
前記1つ以上の爪部は、第1爪部と、第2爪部とを含み、
前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、
前記第1弾性部分と、前記当接部と、前記第2弾性部分とが、この順に並んでおり、
前記第1爪部が、前記第2弾性部分よりも、前記第1弾性部分に近い位置に配置され、
前記第2爪部が、前記第1弾性部分よりも、前記第2弾性部分に近い位置に配置されている、スイッチ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のスイッチ装置であって、
前記1つ以上の爪部は、第3爪部と、第4爪部と、を含み、
前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、
前記第1爪部と、前記第1弾性部分と、前記第3爪部が、この順に並んでおり、
前記第2爪部と、前記第2弾性部分と、前記第4爪部が、この順に並んでいる、スイッチ装置。
【請求項9】
請求項1から請求項2のいずれか一項に記載のスイッチ装置であって、
前記筐体は、前記キー部分を囲む前記孔部の内面を備え、
前記押圧部材は、前記内面と向かい合う前記キー部分の外周面を備え、
前記押圧部材が最も押された状態において、前記孔部の内面の一部と前記キー部分の外周面の少なくとも一部とが、前記押圧部材が押圧される方向に垂直な方向について、向かい合っている、スイッチ装置。
【請求項10】
請求項1から請求項2のいずれか一項に記載のスイッチ装置であって、
前記押圧部材が押圧される方向と垂直な方向から見たときに、前記キー部分の面のうち、ユーザによって押される面と、前記筐体の面とが、同一の平面を構成する、スイッチ装置。
【請求項11】
請求項6に記載のスイッチ装置であって、
前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、前記爪部の全てが、前記キー部分と重複している、スイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、操作ノブを備えるスイッチ装置が開示されている。操作ノブは、操作ノブの一部がケース体の内部に配されるように、ケース体に配置されている。操作ノブは、ケース体の内部に位置し、操作ノブの中心軸を中心としてラジアル方向に広がるバネ部を、備える。操作ノブの第1の軸部が、操作者によって中心軸方向に押されると、操作ノブのバネ部は、ケース体の受部を押圧し、さらにバネ部が弾性変形する。次に、操作ノブの押動部によって、ケース体の内部に収容されているスイッチが押され、操作者による操作が終了する。その後、操作者による押圧が解除されると、バネ部の弾性力によって、操作ノブが元の位置に戻される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009―193740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スイッチを押すための部材の押しやすさや美観上の観点から、スイッチを押すための部材のケース体からの突出量を減らしてスイッチの上面をケース体の上面に近づけ、かつ、押しやすさを考慮して、ユーザによってスイッチが押される方向から見たときの大きさを従来のものよりも大きくすることが考えられる。また、スイッチが配置される装置に、多くの機能を持たせるために、かつ、ユーザによる使用のしやすさを考慮して、複数のスイッチが隣接して設置されることが考えられる。特許文献1のスイッチ装置においては、バネ部が操作ノブの中心軸を中心としてラジアル方向に広がっている。このため、上記のような態様においては、スイッチの周囲に配される他の部品の配置が、ラジアル方向に広がっているバネ部によって制限されるという課題がある。また、ラジアル方向に広がっているバネ部によって、複数のスイッチの配置が制限され、互いに近づけて配することができないという課題がある。そのため、スイッチ装置における、バネ部の工夫が求められた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、スイッチ装置が提供される。このスイッチ装置は、回路のオンとオフとを切り替えるスイッチと、内部に前記スイッチを収容する筐体と、前記筐体を貫通し、ユーザの操作によって前記筐体に対して変位することで、前記スイッチを押すことが可能な押圧部材と、を備え、前記押圧部材は、一部が前記筐体の外部に露出するように配置され、露出している部分をユーザによって押されることが可能なキー部分と、前記キー部分と接続し、前記筐体の内部に配置され、前記スイッチが押圧される際に前記スイッチと当接する当接部と、を有し、前記筐体は、前記筐体の前記外部と前記内部を連通しており、前記キー部分が配置される孔部と、前記筐体の内部に配される1つ以上の弾性部分であって、前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、少なくとも一部が前記キー部分と重複し、前記筐体の内側に向かって変位した前記押圧部材を、前記キー部分と重複する部分を介して弾性力によって逆方向に変位させる1つ以上の弾性部分と、を有する。この形態のスイッチ装置によれば、変位した押圧部材を逆側に変位させる弾性部分が押圧部材に設けられ、押圧部材が押圧される方向から見たときに、押圧部材が占める範囲の外にその弾性部分が位置する態様と比較して、この形態の装置においては、押圧部材が変位する方向から見たときの筐体の内部に位置する押圧部材が占める領域を小さくすることができる。このため、他の部品や部材等の配置や、複数のスイッチの配置が押圧部材によって制限されにくい。
(2)上記形態のスイッチ装置において、前記弾性部分は、前記筐体の、前記弾性部分以外の部分と一体形成されていてもよい。この形態のスイッチ装置によれば、弾性部分が、筐体の、弾性部分以外の部分と一体形成されていない態様と比較して、弾性部分の強度を高くすることができる。
(3)上記形態のスイッチ装置において、前記1つ以上の弾性部分は、第1弾性部分と第2弾性部分とを含み、前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、前記第1弾性部分の少なくとも一部と、前記第2弾性部分の少なくとも一部とが、前記当接部を挟んで両側に配されていてもよい。この形態のスイッチ装置によれば、弾性部分が当接部を挟んで両側に配されていない態様と比べて、安定して押圧部材の位置を維持することができる。
(4)上記形態のスイッチ装置において、前記第1弾性部分と、前記第2弾性部分とが、前記押圧部材が押圧される方向を含む面に対して対称に構成されていてもよい。この形態のスイッチ装置によれば、より安定して、押圧部材の位置を維持することができる。
(5)上記形態のスイッチ装置において、前記第1弾性部分の、前記キー部分の一部と当接する部分である第1キー接触部が、前記当接部に向かう方向に延びており、前記第2弾性部分の、前記キー部分の一部と当接する部分である第2キー接触部が、前記当接部に向かう方向に延びていてもよい。この形態のスイッチ装置によれば、弾性部分が当接部に向かって伸びていない態様と比べて、安定して押圧部材の位置を維持することができる。
(6)上記形態のスイッチ装置において、前記筐体は、前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、少なくとも一部が前記キー部分と重複する1つ以上の係止部を備え、前記押圧部材は、前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、前記係止部に対して前記キー部分の前記筐体の外部に露出している部分とは逆の側に位置し、前記キー部分がユーザによって押圧されていないときに前記係止部と接触している、1つ以上の爪部を備えていてもよい。この形態のスイッチ装置によれば、爪部が係止部と当接することにより、押圧部材が筐体から離れることを防止することができる。
(7)上記形態のスイッチ装置において、前記1つ以上の弾性部分は、第1弾性部分と第2弾性部分とを含み、前記1つ以上の爪部は、第1爪部と、第2爪部とを含み、前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、前記第1弾性部分と、前記当接部と、前記第2弾性部分とが、この順に並んでおり、前記第1爪部が、前記第2弾性部分よりも、前記第1弾性部分に近い位置に配置され、前記第2爪部が、前記第1弾性部分よりも、前記第2弾性部分に近い位置に配置されていてもよい。この形態のスイッチ装置によれば、ユーザによって第2爪部よりも第1爪部に近い側が押されると、第2係止部と接触している第2爪部が支点となり、第1爪部が筐体の内部側に変位する。そして、キー部分によって、第1爪部に近い第1弾性部分が押される。そして、第1弾性部分と第2弾性部分の間にある当接部によって、スイッチが押される。このとき、第2爪部が支点となって押圧部材は傾いて変位している。そして、スイッチを押す作用点としての当接部は、ユーザによって押される力点としての部位よりも、支点としての第2爪部に近い位置にある。そのため、押圧部材が、キー部分の中心で押される場合よりも、ユーザは、少ない力で、スイッチを押すことができる。
(8)上記形態のスイッチ装置において、前記1つ以上の爪部は、第3爪部と、第4爪部と、を含み、前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、前記第1爪部と、前記第1弾性部分と、前記第3爪部が、この順に並んでおり、前記第2爪部と、前記第2弾性部分と、前記第4爪部が、この順に並んでいてもよい。この形態のスイッチ装置によれば、1つの弾性部分が、2つの爪部に挟まれて配置されている。弾性部分が挟まれていない態様に比べて、ユーザによって押されていないときに、押圧部材が傾きにくい。
(9)上記形態のスイッチ装置において、前記筐体は、前記キー部分を囲む前記孔部の内面を備え、前記押圧部材は、前記内面と向かい合う前記キー部分の外周面を備え、前記押圧部材が最も押された状態において、前記孔部の内面の一部と前記キー部分の外周面の少なくとも一部とが、前記押圧部材が押圧される方向に垂直な方向について、向かい合っていてもよい。この形態のスイッチ装置によれば、押圧部材がユーザによって最も押された後に、キー部分が筐体の内部に潜り込むことを防止することができる。
(10)上記形態のスイッチ装置において、前記押圧部材が押圧される方向と垂直な方向から見たときに、前記キー部分の面のうち、ユーザによって押される面と、前記筐体の面とが、同一の平面を構成してもよい。この形態のスイッチ装置によれば、押圧部材が筐体の面よりも突出している態様に比べて、押圧部材の破損を防止することができる。
(11)上記形態のスイッチ装置において、前記押圧部材が押圧される方向に沿って見たときに、前記爪部の全てが、前記キー部分と重複していてもよい。この形態のスイッチ装置によれば、爪部が占める範囲を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態のスイッチ装置の外観の一部を説明する図。
図2】スイッチ装置の内部を説明する図。
図3】筐体の一部を説明する図。
図4図3を別の角度から見た図。
図5】弾性部分を説明する図。
図6図4の筐体に押圧部材が配置された状態で、筐体の中を透かして見た図。
図7】係止部と爪部の接触を説明する図。
図8】押圧部材の外観斜視図。
図9】押圧部材の側面図。
図10】ユーザによって押される押圧部材の面である押圧面の反対側から見た図。
図11図1のXI-XI断面図。
図12】押圧部材が最も押圧された状態を表す図。
図13】抜け止め部を説明する図。
図14】押圧部材の端を押した場合の押圧部材の変位を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A1.実施形態の構成:
図1は、本実施形態のスイッチ装置1の外観の一部を説明する図である。図1は、押圧部材40がユーザによって押圧されていない状態を表している。なお、図1においてスイッチ装置1の筐体10の一部を省略している。図2は、スイッチ装置1の内部を説明する図である。図2図1のII-II断面図である。図2において、筐体10の一部を省略している。図2の押圧部材40と筐体10の間の隙間の寸法を誇張して表している。
【0009】
スイッチ装置1は、例えばロボットの作業のための制御プログラムを作成する際に利用されるティーチングペンダントである。また、スイッチ装置1は、家電や車のキー等の、種々の電子機器の操作を行うための信号の入力を有する他の装置とすることができる。スイッチ装置1は、筐体10と、基板20と、スイッチ30と、押圧部材40と、を備える(図2参照)。
【0010】
図3は、筐体10の一部を説明する図である。図3は、押圧部材40が配置されていない状態を表している。図4は、図3を別の角度から見た図である。図4において、筐体10の一部を省略している。
【0011】
筐体10は、内部の空間に、基板20と、スイッチ30と、押圧部材40の一部と、を収容する箱体である(図2参照)。筐体10は、樹脂によって形成されている。筐体10は、外殻101と、孔部110と、第1弾性部分120と第2弾性部分130、と、第1係止部140と第2係止部150と第3係止部160と第4係止部170と、位置ずれ防止部180と、を備える(図3及び図4参照)。
【0012】
外殻101は、筐体10を構成する(図3参照)。孔部110は、筐体10の面に形成されている。孔部110は、筐体10の外部と内部を連通している。孔部110には、押圧部材40が配置される(図2参照)。孔部110は、孔部面111を備えている。孔部面111は、後述する押圧部材40のキー部分410を囲う内面である。孔部面111は、キー部分410の外周面411bと向かい合っている。孔部面111と外周面411bの詳細は、後述する。
【0013】
図5は、弾性部分10Aを説明する図である。図5は、図1のV-V断面図である。図5において、筐体10の一部と、スイッチ30と基板20を省略している。図6は、図4の筐体10に押圧部材40が配置された状態で、筐体10の中を透かして見た図である。図6において、筐体10の一部を破線で表している。
【0014】
第1弾性部分120と第2弾性部分130は、ユーザの操作によって筐体10の内側に向かって変位した押圧部材40を、弾性力によって逆方向に変位させる。以下において、第1弾性部分120と第2弾性部分130とを区別しないときは、「弾性部分10A」と呼ぶ。弾性部分10Aは、ユーザによって押圧部材40が押圧されていない状態において、押圧部材40の筐体10の内部における位置を維持することができる。弾性部分10Aは、筐体10の内部に配されている(図5参照)。弾性部分10Aは、孔部110の内面に接続している。弾性部分10Aの一部は、押圧部材40と当接している。押圧方向に沿って見たときに、弾性部分10Aが、後述するキー部分410と重複している。
【0015】
第1弾性部分120と、第2弾性部分130は、押圧部材40が押圧される方向を含む面RP1対して対称に構成されている(図4参照)。図4において、押圧部材40が押圧される方向は、紙面の表から裏に向かう方向である。図6において同様である。以下において、押圧部材40が押圧される方向を「押圧方向」と呼ぶ。図2図5図7図11図13において、押圧方向を矢印Bで表している。この態様において、第1弾性部分120と第2弾性部分130が対称でない態様に比べて、より安定して、押圧部材40の位置を維持することができる。また、押圧方向に沿って見たときに、第1弾性部分120と、後述する押圧部材40の当接部420と、第2弾性部分130が、この順に並んでいる(図6参照)。弾性部分10Aと押圧部材40との位置の関係により生じる利点については後述する。弾性部分10Aは、略直方の形状を有している(図4及び図5参照)。弾性部分10Aは、筐体10の、弾性部分10A以外の部分と、一体形成されている。これにより、弾性部分10Aが、筐体10の、弾性部分10A以外の部分と一体形成されていない態様と比較して、弾性部分10Aの強度を高くすることができる。なお、本明細書において、「一体形成」とは、鋳造により筐体10または筐体10の素形材が形成される時に、筐体10または筐体10の素形材の一部として形成されることを意味する。第1弾性部分120は、第1キー接触部121を有している(図4参照)。第2弾性部分130は、第2キー接触部131を有している。
【0016】
第1キー接触部121は、第1弾性部分120の孔部110の内面と接続する端部とは逆の端部に位置している。第1キー接触部121は、後述するキー部分410の第1弾性接触部412と当接している(図5参照)。第1キー接触部121は、後述する押圧部材40の当接部420に向かう方向に延びている。第2キー接触部131は、第2弾性部分130の孔部110の内面と接続する端部とは逆の端部に位置している。第2キー接触部131は、後述するキー部分410の第2弾性接触部413と当接している。第2キー接触部131は、押圧部材40の当接部420に向かう方向に延びている。以下、第1キー接触部121と、第2キー接触部131とを区別しないときは、「キー接触部10B」と呼ぶ。キー接触部10Bは、弾性部分10Aの一部である。押圧方向に沿って見たときに、キー接触部10Bが、後述する弾性接触部40Aと重複している(図6参照)。
【0017】
図7は、係止部10Cと爪部40Cの接触を説明する図である。図7は、図1のVII―VII断面図である。爪部40Cについては後述する。
【0018】
第1係止部140と第2係止部150と第3係止部160と第4係止部170は、押圧部材40が筐体10から離れることを防止する。以下において、第1係止部140と第2係止部150と第3係止部160と第4係止部170とを区別しない場合は、「係止部10C」と呼ぶ。係止部10Cは、孔部110の内面から、孔部110の中心112に向かう方向、かつ、押圧方向と垂直な方向に向かって延出している(図4の矢印A1照)。第1係止部140は、第1弾性部分120と、第2係止部150と、接続している。第2係止部150は、第2弾性部分130と、第1係止部140と、接続している。第3係止部160は、第1弾性部分120と、位置ずれ防止部180と、接続している。第4係止部170は、第2弾性部分130と、位置ずれ防止部180と、接続している。係止部10Cは、押圧方向に沿って見たときに、後述するキー部分410と重複している(図6参照)。係止部10Cは、ユーザによって押圧部材40が押圧されていないときに、後述する押圧部材40の抜け止め部40Bの爪部40Cと接触している(図7参照)。係止部10Cと押圧部材40との位置の関係により生じる利点については後述する。
【0019】
位置ずれ防止部180は、押圧部材40が押圧方向と垂直な方向に変位することを防止する(図6参照)。位置ずれ防止部180によって、ユーザによる押圧部材40の押圧の際に、押圧部材40が押圧方向と垂直な方向に変位することを防止し、当接部420によってスイッチ30を確実に押圧することができる。位置ずれ防止部180は、一部が、孔部110の内面から、孔部110の中心112の方向、かつ、押圧方向と垂直な方向に向かって延出している(図4の矢印A2参照)。位置ずれ防止部180は、1つの凹部181と2つの凸部182,183と、を備える。後述する当接部420が、凹部181に嵌ることで、押圧部材40の、押圧方向と垂直な方向への変位が制限される(図6参照)。凸部182と、凹部181と、凸部183とが、孔部110の内面に沿ってこの順に並んでいる。凸部182と、凹部181と、凸部183は、押圧方向と垂直な方向に沿って並んでいる。位置ずれ防止部180が設けられていない態様に比べて、安定した状態で、ユーザによって押圧部材40が押圧方向に押されることが可能となる。
【0020】
基板20は、表面に電子部品が搭載されており、電子回路として作動する(図2参照)。基板20は、スイッチ30が配置される(図2参照)。基板20は、筐体10の内部に収容されている。
【0021】
スイッチ30は、回路の通電のオンとオフとを切り替える。スイッチ30は、基板20に配置される。スイッチ30は、ユーザの操作によって、後述する押圧部材40の当接部420に当接される。押圧方向に沿って見たときに、スイッチ30の一部と位置ずれ防止部180とが重複している。スイッチ30と位置ずれ防止部180の重複については後述する。ユーザによって押圧された押圧部材40がスイッチ30と当接することで、スイッチ30の内部の、スイッチング素子が信号を発する。発信された信号に基づいて、回路の切り替えが行われる。なお、スイッチングの内部は図示していない。スイッチ30は、内部に弾性力を有するバネが配置されている。ユーザの操作によるスイッチ30への押圧で弾性変形したバネが弾性力によって元に戻ることで、ユーザにクリックの感触を与える。
【0022】
図8は、押圧部材40の外観斜視図である。図9は、押圧部材40の側面図である。図9は、図8を矢印C側から見た図である。図10は、ユーザによって押される押圧部材40の面である押圧面411aの反対側から見た図である。図10において、説明のためにスイッチ30を破線で表している。図11は、図1のXI-XI断面図である。図12は、押圧部材40が最も押圧された状態を表す図である。
【0023】
押圧部材40は、ユーザの操作によって、スイッチ30を押すことが可能である。押圧部材40は、外殻101に形成された孔部110を貫通している(図11参照)。押圧部材40は、ユーザの操作によって、筐体10に対して変位する。具体的には、押圧部材40は、ユーザによって押圧されることで、筐体10の孔部110の中を、矢印B方向に変位する(図11及び図12参照)。押圧部材40は、キー部分410と、当接部420と、第1抜け止め部430と第2抜け止め部440と第3抜け止め部450と第4抜け止め部460と、を有している(図8ないし図10参照)。
【0024】
キー部分410は、ユーザによって押されることが可能である。キー部分410は、キートップ部411と、第1弾性接触部412と、第2弾性接触部413と、キー延出部414と、を有している(図9参照)。
【0025】
キートップ部411の面のうち、ユーザによって押される面である押圧面411aが、筐体10の外部に露出するように配置されている(図1参照)。キートップ部411の、押圧面411a以外の面は、筐体10の内部に配置されている。キートップ部411の外周面411bは、孔部110の孔部面111と、向かい合っている(図2及び図11参照)。押圧部材40が最も押された状態において、キートップ部411の外周面411bと、孔部面111の一部とが、押圧方向に垂直な方向について、向かい合っている(図12の矢印A3参照)。押圧部材40が最も押された状態とは、当接部420によってスイッチ30が最大に押された状態をいう。キートップ部411は、略直方の形状を有している。
【0026】
孔部110の内面に、孔部110の中心から離れる方向に向かって凹む段差があり、押圧部材40が最も押された状態のときに、キートップ部411の外周面411bが、孔部面111と向かい合わなくなる態様においては、キー部分410が孔部110の段差の下に潜り込む可能性がある。キー部分410が孔部110の段差の下に潜り込んだ場合、押圧部材40とスイッチ30とが当接した状態が維持される可能性がある。
【0027】
本実施形態においては、押圧部材40が最も押された状態において、キートップ部411の外周面411bと、孔部面111の一部とが、押圧方向に垂直な方向について、向かい合っている。そのため、押圧部材40がユーザによって最も押された後に、キー部分410が筐体10の内部に潜り込むことを防止することができる。
【0028】
本実施形態においては、押圧方向と垂直な方向から見たときに、押圧面411aと、筐体10の面190が、同一の平面を構成している(図1及び図2参照)。これにより、キートップ部411が筐体10の面190よりも突出している態様に比べて、押圧部材40の破損を防止することができる。また、キートップ部411が突出している態様に比べて、スイッチ装置1の美観が優れている。なお、押圧面411aと同一の平面を構成する筐体10の面190とは、孔部110と接続する面の一部をいう。図1に示すように、筐体10の面のうち、一部の面190が押圧面411aと同一の平面を構成し、筐体10の他の面191は段差を形成している。
【0029】
第1弾性接触部412と、第2弾性接触部413は、弾性部分10Aのキー接触部10Bと当接する部分である(図6参照)。以下、第1弾性接触部412と、第2弾性接触部413を区別しないときは、「弾性接触部40A」とよぶ。弾性接触部40Aは、押圧方向と垂直な方向かつ、キートップ部411の中心軸CA1に向かう方向とは反対の方向に向かって突出する凸部である(図10の矢印A4参照)。第1弾性接触部412と、第2弾性接触部413が、キートップ部411の中心軸CA1を挟んで両側に位置している。
【0030】
押圧方向に沿って見たときに、第1弾性接触部412が、第1キー接触部121と、重複している(図6参照)。また、押圧方向に沿って見たときに、第2弾性接触部413が、第2キー接触部131と、重複している。押圧方向に沿って見たときに、弾性接触部40Aは、キー接触部10Bに対して、筐体10の外部側に位置している(図5破線枠内参照)。
【0031】
ユーザによって押圧部材40が押圧されていない状態において、キートップ部411と弾性部分10Aとの間には、押圧部材40が押圧されたときにキートップ部411が変位するためのスペースSPが生じている。
【0032】
弾性接触部40Aが設けられていない態様において、押圧部材40がスイッチ30に対して鉛直方向の上側に位置している場合、ユーザに操作されていないときに、押圧部材40の自重によってキー部分410がスペースSP内を変位する可能性がある。
【0033】
本実施形態においては、押圧部材40がユーザに操作されていない状態において、弾性接触部40Aがキー接触部10Bと当接している。そのため、押圧部材40がスイッチ30に対して鉛直方向の上側に位置している場合でも、押圧部材40の位置を維持することができる。
【0034】
キー延出部414は、押圧部材40の破損を防止するための部分である。キー延出部414は、接続する当接部420がスイッチ30と当接する際に、当接部420が押圧方向以外の方向に変位して破損することを防止する。キー延出部414と当接部420の接続については後述する。キー延出部414は、キートップ部411の、押圧面411aと反対側の面411cに接続している(図9参照)。キー延出部414は、中心軸がキートップ部411の中心軸CA1と一致している(図6参照)。キー延出部414は、筐体10の内部に配置されている(図5参照)。
【0035】
当接部420は、ユーザの操作によってスイッチ30が押圧される際に、スイッチ30と当接する(図2及び図10参照)。スイッチ30と当接部420は押圧方向に沿って見たときに重複している(図10参照)。また、当接部420は、押圧部材40が配置された状態において、位置ずれ防止部180の凹部181に嵌り、押圧部材40が押圧方向と垂直な方向に変位することを防止する(図6の矢印A5参照)。当接部420は、筐体10の内部に位置している(図2参照)。当接部420は、スイッチ30と当接する側とは逆側の端部が、キートップ部411と接続している。当接部420は、側面がキー延出部414と接続している(図10参照)。当接部420は、第1弾性部分120と、第2弾性部分130に挟まれて配されている(図6参照)。当接部420は、略直方の形状を有する。当接部420は、キー延出部414の側面に沿って、押圧方向に延びるように形成されている(図5参照)。
【0036】
上述したように、当接部420は、スイッチ30を押圧する機能と、押圧部材40の、筐体10の内部での押圧方向と垂直な方向への変位の防止との、2つの機能を有している。そのため、それぞれの機能を果たす部分が押圧部材40に別個に形成される態様に比べて、押圧部材40の形状を簡単にすることができる。
【0037】
また、当接部420が、第1弾性部分120と、第2弾性部分130に挟まれて配されている(図6参照)。そのため、当接部420が2つの弾性部分10Aの間に配置されていない態様と比べて、安定して押圧部材40の位置を維持することができる。
【0038】
また、上述したように、本実施形態においては、キー接触部10Bが、当接部420に向かう方向に延びている。このため、キー接触部10Bが当接部420に向かって伸びていない態様と比べて、安定して押圧部材40の位置を維持することができる。なお、ここでいう当接部420に向かう方向に延びるとは、押圧方向に沿って見たときに、キー接触部10Bの延長上に当接部420が位置していることと、キー接触部10Bが延長されると、延長される前と比べてキー接触部10Bが当接部420に近くなることをいう。
【0039】
図13は、抜け止め部40Bを説明する図である。図13は押圧部材40の側面図である。図13は、図9の矢印D方向から見た図である。図13において、押圧部材40の一部を省略している。
【0040】
第1抜け止め部430と第2抜け止め部440と第3抜け止め部450と第4抜け止め部460は、押圧部材40が筐体10から離れることを防止する(図7参照)。以下、第1抜け止め部430と第2抜け止め部440と第3抜け止め部450と第4抜け止め部460を区別しない場合は、「抜け止め部40B」と呼ぶ。抜け止め部40Bは、キートップ部411の、押圧面411aと反対側の面411cに接続している(図13参照)。抜け止め部40Bは、押圧方向と平行な方向であって、筐体10の内側に向かって延びている(図11参照)。
【0041】
第1抜け止め部430と第2抜け止め部440は、キートップ部411の辺のうち、第1辺411dに沿って並んでいる(図10参照)。第3抜け止め部450と第4抜け止め部460は、キートップ部411の辺のうち、第1辺411dと対向する第2辺411eに沿って並んでいる。第1抜け止め部430と第3抜け止め部450は、押圧方向を含む面RP2に対して対称に構成されている。第2抜け止め部440と第4抜け止め部460は、押圧方向を含む面RP2に対して対称に構成されている。押圧方向に沿って見たときに、抜け止め部40Bの全てが、キー部分410のキートップ部411と重複している(図6参照)。これにより、抜け止め部40Bの一部がキー部分410と重複していない態様と比べて、押圧方向に沿って見たときのキー部分410の範囲の外に対する、抜け止め部40Bが占める範囲を小さくすることができる。
【0042】
押圧方向から見たときに、第1抜け止め部430と、第1弾性部分120と、第3抜け止め部450が、この順に並んでいる(図6参照)。押圧方向から見たときに、第2抜け止め部440と、第2弾性部分130と、第4抜け止め部460が、この順に並んでいる。第1抜け止め部430は、第1爪部431を有している。第2抜け止め部440は、第2爪部441を有している。第3抜け止め部450は、第3爪部451を有している。第4抜け止め部460は、第4爪部461を有している。
【0043】
第1爪部431と、第2爪部441と、第3爪部451と、第4爪部461は、係止部10Cと接触することで押圧部材40が筐体10から離れることを防止する部位である(図7参照)。以下、第1爪部431と、第2爪部441と、第3爪部451と、第4爪部461とを区別しないときは、「爪部40C」と呼ぶ。爪部40Cは、抜け止め部40Bの、キートップ部411と接続する端部とは逆の端部側に形成されている(図13参照)。押圧方向に沿って見た時に、爪部40Cは、爪部40Cの全てが、キートップ部411が占める範囲内に位置している(図6参照)。爪部40Cは、押圧方向に沿って見た時に、キートップ部411が占める範囲の外に向かう方向かつ、押圧方向と垂直な方向に向かって突出する形状を有している(図7の矢印A6参照)。
【0044】
爪部40Cは、押圧方向に沿って見たときに、一部が係止部10Cと重複している(図6参照)。具体的には、第1爪部431と第1係止部140が、重複している。第2爪部441と第2係止部150が、重複している。第3爪部451と第3係止部160が、重複している。第4爪部461と第4係止部170が、重複している。爪部40Cは、押圧方向に沿って見た時に、係止部10Cに対して、キートップ部411とは逆の側に位置している(図11参照)。キー部分410がユーザによって押圧されていないときに、爪部40Cは係止部10Cと接触している。キー部分410がユーザによって押圧されると、爪部40Cは押圧方向に変位する(図12参照)。これにより、爪部40Cは係止部10Cと離れる。その後、ユーザによる押圧が解除されると、弾性部分10Aの弾性力によって押圧部材40が変位し、爪部40Cが係止部10Cと再び当接する(図11参照)。これにより、ユーザの操作によって押圧部材40が筐体10から離れることを防止することができる。また、ユーザに操作されていない状態においても、押圧部材40が筐体10から離れることを防止することができる。
【0045】
上述したように、1つの弾性部分10Aが、2つの抜け止め部40Bに挟まれて配置されている。つまり、1つの弾性部分10Aが、2つの爪部40Cに挟まれて配置されている(図6参照)。弾性部分10Aが爪部40Cによって挟まれていない態様に比べて、ユーザによって押されていないときに、押圧部材40が傾きにくい。
【0046】
A2.押圧部材40と弾性部分10Aにより生じる利点:
ユーザの操作によって筐体10の内側に向かって変位した押圧部材40が、キー接触部10Bを介して、弾性部分10Aの弾性力によって逆方向に変位される。これにより、ユーザの操作によって変位した押圧部材40の位置を、押圧されていないときの位置に戻すことができる。
【0047】
変位した押圧部材40を逆側に変位させる弾性部分10Aが押圧部材40に設けられ、押圧方向から見たときに、押圧部材40が占める範囲の外にその弾性部分10Aが位置する態様と比較して、押圧方向から見たときの筐体10の内部に位置する押圧部材40が占める領域を小さくすることができる。このため、他の部品や部材等の配置や、複数のスイッチの配置が押圧部材40によって制限されにくい。
【0048】
A3.押圧部材40の端を押した場合の効果:
図14は、押圧部材40の端を押した場合の押圧部材40の変位を説明する図である。図14において、ハッチングを省略し、スイッチ装置1の図を簡略化している。上述したように、押圧方向に沿って見たときに、第1弾性部分120と、当接部420と、第2弾性部分130が、この順に並んでいる。第4抜け止め部460が、第1弾性部分120よりも、第2弾性部分130に近い位置に配置されている。第3抜け止め部450が、第2弾性部分130よりも、第1弾性部分120に近い位置に配置されている。
【0049】
ユーザによって第3抜け止め部450よりも第4抜け止め部460に近い側が押されると、第3係止部160と接触している第3抜け止め部450の第3爪部451が支点となり、第4抜け止め部460が筐体10の内部側に変位する(図14の矢印E及び点F参照)。そして、キー部分410のキートップ部411によって、第4爪部461に近い第2弾性部分130が押される。そして、第1弾性部分120と第2弾性部分130の間にある当接部420によって、スイッチ30が押される。このとき、第3爪部451が支点となって押圧部材40は傾いて変位している。そして、スイッチ30を押す作用点としての当接部420は、ユーザによって押される力点としての部位よりも、支点としての第3爪部451に近い位置にある。
【0050】
そのため、押圧部材40が、キートップ部411の中心に近い部位で押される場合よりも、ユーザは、少ない力で、スイッチ30を押すことができる。このように、第1弾性部分120と第2弾性部分130の、いずれか一方に近い側から押圧部材40が押された場合であっても、キートップ部411の中心で押される場合に比べて、ユーザが押圧のために必要とする力が少なくなる。なお、同様の効果が、第1抜け止め部430と第2抜け止め部440のいずれか近い部位が押圧された場合にも言える。
【0051】
B.他の実施形態:
B1)上記実施形態において、弾性部分10Aは第1弾性部分120と第2弾性部分130とを含んでいた。弾性部分は1つでもよく、3つや4つの任意の数でもよい。押圧方向に沿って見たときに、弾性部分の全てが、キートップ部と重複していてもよく、弾性部分の一部が、キートップ部と重複していてもよい。
【0052】
B2)上記形態において、弾性部分10Aは略直方の形状を有している。略円柱や略三角や多角形断面の形状を有していてもよく、任意の形状とすることが可能である。複数の弾性部分の形状がそれぞれ異なっていてもよい。第1弾性部分が略直方の形状を有しており、第2弾性部分が略円柱の形状を有していてもよい。
【0053】
B3)上記形態において、第1弾性部分120と第2弾性部分130が、当接部420を挟んで両側に配されている。第1弾性部分と第2弾性部分は、当接部を挟んで両側に配されていなくてもよい。押圧方向に沿って見たときに、第1弾性部分の側面と第2弾性部分の側面とが接続して配置されていてもよい。第1弾性部分を延長した部分と、第2弾性部分を延長した部分とが垂直に交わるように配置されていてもよい。第1弾性部分の一部と、第2弾性部分の一部が、当接部を挟んで両側に配されていてもよい。
【0054】
B4)上記形態において、第1弾性部分120と、第2弾性部分130とが、押圧部材40が押圧される方向を含む面に対して対称に構成されている。第1弾性部分と第2弾性部分とは、押圧部材が押圧される方向を含む面に対して対称に構成されていなくてもよい。第1弾性部分と第2弾性部分とが、押圧部材が押圧される方向を含む面に対して対向していてもよい。
【0055】
B5)上記形態において、キー接触部10Bが、当接部420に向かう方向に延びている。キー接触部は、当接部に向かう方向に延びていなくてもよい。弾性部分の中間部で屈曲する形状を有することで、弾性部分の孔部と接続する側とは逆の端部に構成されるキー接触部が当接部に向かう方向とは異なる方向に延びていてもよい。
【0056】
B6)上記形態において、押圧方向に沿って見たときに、弾性部分10Aの一部であるキー接触部10Bと、キートップ部411の弾性接触部40Aが重複していた。弾性部分の全てが、キートップ部の弾性接触部と当接し、弾性接触部と重複していてもよい。
【0057】
B7)上記形態において、スイッチ装置1は係止部10Cと抜け止め部40Bを有していた。スイッチ装置は係止部と抜け止め部を有していなくてもよい。筐体が係止部を有し、押圧部材が抜け止め部を有していなくてもよい。筐体が係止部を有しておらず、押圧部材が抜け止め部を有していてもよい。
【0058】
B8)上記形態において、係止部10Cは第1係止部140ないし第4係止部170を有していた。係止部は1つでもよく、5つや6つなど任意の数でもよい。
【0059】
B9)上記形態において、第1係止部140は、第1弾性部分120と、第2係止部150と、接続している。第2係止部150は、第2弾性部分130と、第1係止部140と、接続している。第3係止部160は、第1弾性部分120と、筐体10の位置ずれ防止部180と、接続している。第4係止部170は、第2弾性部分130と、位置ずれ防止部180と、接続している。第1係止部は、孔部の内面から突出する突出部であり、第1弾性部分と第2係止部と接続していなくてもよい。第2係止部と第3係止部と第4係止部についても、同様である。
【0060】
B10)上記形態において、抜け止め部40Bは第1抜け止め部430ないし第4抜け止め部460を有していた。抜け止め部は1つでもよく、5つや6つなど任意の数でもよい。
【0061】
スイッチ装置が複数の係止部と抜け止め部を有するとき、全ての係止部と抜け止め部が互いに接触していなくてもよい。例えば、スイッチ装置が2つの係止部と2つの抜け止め部を有するときに、1つの係止部と1つの抜け止め部が接触しており、他の係止部と抜け止め部が接触していなくてもよい。
【0062】
B11)上記形態において、押圧方向に沿って見たときに、係止部10Cの全てとキートップ部411が重複していた。係止部の一部が、キートップ部と重複していてもよい。押圧方向に沿って見たときに、一部がキートップ部と重複し、他の部分が、キートップ部が占める範囲の外に配されていてもよい。爪部が、キートップ部が占める範囲の外に配されている係止部と接触していてもよい。
【0063】
B12)上記形態において、押圧方向に沿って見たときに、第1弾性部分120と、当接部420と、第2弾性部分130とが、この順に並んでおり、第1爪部431が、第2弾性部分130よりも、第1弾性部分120に近い位置に配置され、第2爪部441が、第1弾性部分120よりも、第2弾性部分130に近い位置に配置されている。第1弾性部分と第2弾性部分と当接部とがこの順で並んでいなくてもよく、第1爪部が第1弾性部分に近い位置に配置され、第2爪部が第2弾性部分に近い位置に配置されていなくてもよい。第1弾性部分と、第2弾性部分と、当接部とが、この順に並んでいてもよい。第1爪部が、第1弾性部分よりも第2弾性部分に近い位置に配置されてもよい。第2爪部が、第2弾性部分よりも第1弾性部分に近い位置に配置されてもよい。
【0064】
B13)上記形態において、押圧方向に沿って見たときに、第1爪部431と、第1弾性部分120と、第3爪部451が、この順に並んでおり、第2爪部441と、第2弾性部分130と、第4爪部461が、この順に並んでいる。これらはこの順番に並んでいなくてもよい。第1爪部と第3爪部と第1弾性部分とが、この順に並んでいてもよい。第2爪部と、第4爪部と、第2弾性部分とが、この順に並んでいてもよい。
【0065】
B14)上記形態において、爪部40Cは、押圧方向に沿って見たときに、一部が係止部10Cと重複していた。爪部は、全てが係止部と重複していてもよい。
【0066】
B15)上記形態において、押圧部材40が最も押された状態において、孔部110の内面の一部とキー部分410の外周面411bとが、押圧方向に垂直な方向について、向かい合っている。押圧部材が最も押された状態において、キートップ部の外周面の一部と、孔部面の一部とが、押圧方向に垂直な方向について、向かい合っていてもよい。押圧部材が最も押された状態において、孔部の内面の一部とキー部分の外周面の少なくとも一部とが、押圧方向に垂直な方向について、向かい合っていなくてもよい。
【0067】
B16)上記形態において、押圧方向と垂直な方向から見たときに、押圧面411aと、筐体10の面190とが、同一の平面を構成している。押圧面と、筐体の面とは、同一の平面を構成していなくてもよい。押圧部材が、筐体の面よりも突出していてもよい。押圧部材の押圧面が、筐体の面よりも筐体の内部に向かって凹んでいてもよい。
【0068】
B17)上記形態において、押圧方向に沿って見たときに、爪部40Cの全てが、キー部分410と重複している。爪部の全てが、キー部分と重複していなくてもよい。爪部の一部が、キー部分と重複し、他の部分が、キー部分と重複していなくてもよい。
【0069】
B18)上記形態において、筐体10には位置ずれ防止部180が設けられていた。筐体には位置ずれ防止部が設けられていなくてもよい。上記形態において、押圧部材40の、位置ずれ防止部180と嵌る部分と当接部420は同一であった。押圧部材に、当接部以外の、位置ずれ防止部に嵌る部分が形成されていてもよい。
【0070】
B19)上記形態において、弾性接触部40Aは、押圧方向と垂直な方向かつ、キー延出部414の中心軸に向かう方向とは反対の方向に向かって突出する凸部である。弾性接触部は、押圧方向に沿って見たときに、略円柱や略三角や多角形断面の形状を有していてもよく、任意の形状とすることが可能である。
【0071】
B20)ユーザによる操作とは、人によって、直接、押圧部材が押圧される場合と、ユーザによって操作されたロボットにより押圧部材が押圧される場合等、様々な操作を含む。
【0072】
B21)上記形態において、キートップ部411は、略直方の形状を有している。キートップ部は、略円柱や略三角や多角形断面の形状を有していてもよく、任意の形状とすることが可能である。
【0073】
B22)上記形態において、スイッチ装置1は基板20を備えていた。スイッチ装置1は基板を備えていなくてもよい。当接部によってスイッチが押圧されると、スイッチ内部から信号が発信され、筐体の外の回路のオンとオフとを切り替えてもよい。
【0074】
B23)筐体の他の面は、段差を形成していなくてもよい。筐体の他の面は、孔部以外の穴を形成していてもよい。
【0075】
B24)筐体10は、樹脂によって形成されている。筐体は、樹脂によって形成されていなくてもよく、例えば金属によって形成されていてもよい。また、弾性部分10Aは、筐体の、弾性部分10A以外の部分と一体形成されている。弾性部分は、筐体の、弾性部分以外の部分とは一体形成されていなくてもよい。筐体の弾性部分以外の部分が金属で形成され、弾性部分が樹脂で形成された後に、接続されてもよい。
【0076】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0077】
1…スイッチ装置、10…筐体、10A…弾性部分、10B…キー接触部、10C…係止部、20…基板、30…スイッチ、40…押圧部材、40A…弾性接触部、40B…抜け止め部、40C…爪部、101…外殻、110…孔部、111…孔部面、112…孔部の中心、120…第1弾性部分、121…第1キー接触部、130…第2弾性部分、131…第2キー接触部、140…第1係止部、150…第2係止部、160…第3係止部、170…第4係止部、180…位置ずれ防止部、181…凹部、182、183…凸部、190…筐体の面、191…筐体の他の面、410…キー部分、411…キートップ部、411a…押圧面、411b…外周面、411c…押圧面と反対側の面、411d…第1辺、411e…第2辺、412…第1弾性接触部、413…第2弾性接触部、414…キー延出部、420…当接部、430…第1抜け止め部、431…第1爪部、440…第2抜け止め部、441…第2爪部、450…第3抜け止め部、451…第3爪部、460…第4抜け止め部、461…第4爪部、CA1…中心軸、SP…スペース、RP1…押圧部材が押圧される方向を含む面、RP2…押圧方向を含む面
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