(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024593
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】半導体素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240215BHJP
H01L 21/82 20060101ALI20240215BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240215BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/82 C
H01L21/82 W
H01L27/088 D
H01L21/88 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116798
(22)【出願日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】10-2022-0099430
(32)【優先日】2022-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 秀 賓
(72)【発明者】
【氏名】田 俊 秀
(72)【発明者】
【氏名】姜 在 賢
(72)【発明者】
【氏名】金 柄 武
(72)【発明者】
【氏名】全 衆 源
【テーマコード(参考)】
5F033
5F048
5F064
【Fターム(参考)】
5F033GG00
5F033GG01
5F033GG02
5F033KK07
5F033KK08
5F033KK15
5F033KK17
5F033KK18
5F033KK19
5F033KK20
5F033KK21
5F033KK32
5F033KK33
5F033RR04
5F033RR06
5F033RR08
5F033UU05
5F033UU07
5F048BA01
5F048BA14
5F048BA15
5F048BA20
5F048BB09
5F048BB11
5F048BB12
5F048BB13
5F048BF07
5F048BG13
5F048BG14
5F064EE02
5F064EE03
5F064EE32
5F064GG10
5F064HH10
(57)【要約】
【課題】製造過程における不良の発生を防止する半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の半導体素子の製造方法は、デザインルールが記録されたDRMを使用して半導体素子レイアウトを設計する段階と、設計された半導体素子レイアウトを使用して製造された半導体素子に対してゲート構造不良を含む不良評価を行う段階と、不良評価の結果に基づいて、DRMに記録されたデザインルールをアップデートしてDRMをアップデートする段階と、アップデートされたDRMを使用して半導体素子レイアウトを再設計する段階と、再設計された半導体素子レイアウトを使用して修正された半導体素子を製造する段階と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デザインルールが記録されたDRM(Design Rule Manual)を使用して半導体素子レイアウトを設計する段階と、
設計された前記半導体素子レイアウトを使用して製造された半導体素子に対してゲート構造不良を含む不良評価を行う段階と、
前記不良評価の結果に基づいて、前記DRMに記録された前記デザインルールをアップデートして前記DRMをアップデートする段階と、
アップデートされた前記DRMを使用して前記半導体素子レイアウトを再設計する段階と、
再設計された前記半導体素子レイアウトを使用して修正された半導体素子を製造する段階と、を有することを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項2】
前記半導体素子は、素子分離膜により限定される活性領域を有する基板、前記基板の上側の一部分に互いに離隔されて配置される一対の第1不純物領域及び第2不純物領域、前記一対の第1不純物領域間の前記活性領域上に配置されるゲート電極、前記活性領域と前記ゲート電極との間に介在するゲート誘電膜、並びに複数の配線パターン及び複数の配線ビアを含む配線構造体を含み、
前記ゲート構造不良は、前記ゲート誘電膜の破壊(break)、前記活性領域の焼け(burnt)、又は前記ゲート電極の焼けであり、
前記複数の配線パターンは、第1垂直レベルに位置する複数の第1配線パターン、前記第1垂直レベルよりも高い第2垂直レベルに位置する複数の第2配線パターン、前記第2垂直レベルよりも高い第3垂直レベルに位置する複数の第3配線パターン、及び前記第3垂直レベルよりも高い第4垂直レベルに位置する第4配線パターンを含み、
前記複数の第1配線パターンは、前記ゲート電極に電気的に連結されるゲート配線パターン、前記ゲート配線パターンに隣接する第1隣接配線パターン、及び前記第4配線パターンと前記第2不純物領域との間に介在して前記第4配線パターンと前記第2不純物領域とを電気的に連結する第1連結配線パターンを含み、
前記複数の第2配線パターンは、前記第1隣接配線パターンと前記第4配線パターンとの間に介在して前記第4配線パターンと前記第1隣接配線パターンとを電気的に連結する第2隣接配線パターン、及び前記第4配線パターンと前記第2不純物領域との間に介在して前記第4配線パターンと前記第2不純物領域とを電気的に連結する第2連結配線パターンを含み、
前記複数の第3配線パターンは、前記第1隣接配線パターンと前記第4配線パターンとの間に介在して前記第4配線パターンと前記第1隣接配線パターンとを電気的に連結する対象配線パターン、及び前記第4配線パターンと前記第2不純物領域との間に介在して前記第4配線パターンと前記第2不純物領域とを電気的に連結する第3連結配線パターンを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項3】
前記DRMをアップデートする段階は、前記対象配線パターンの面積が臨界最大面積よりも大きい面積を有する場合、前記ゲート配線パターンと前記第1隣接配線パターンとの離隔間隔を第1離隔間隔から前記第1離隔間隔よりも大きい第2離隔間隔に前記デザインルールを変更して前記DRMに保存することを特徴とする請求項2に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項4】
前記DRMをアップデートする段階は、前記対象配線パターンの面積が臨界最大面積よりも大きい面積を有する場合、前記第1隣接連結パターンと前記第1連結配線パターンとを連結する第1ブリッジ配線パターン、及び前記第2隣接連結パターンと前記第2連結配線パターンとを連結する第2ブリッジ配線パターンのうちの少なくとも1つを追加するように前記デザインルールを変更して前記DRMに保存し、
前記対象配線パターンの面積は、前記複数の第3配線パターンのうちの同一の垂直レベルで互いに連結される第3配線パターンの全面積であることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項5】
デザインルールが記録されたDRMを使用して半導体素子レイアウトを設計する段階と、
設計された前記半導体素子レイアウトを使用したウェーハプロセッシングを行って半導体素子を製造する段階と、
製造された前記半導体素子に関する電気的特性を検査するテストを行う段階と、
製造された前記半導体素子に関する前記テストの結果から前記半導体素子に含まれるゲート誘電膜の破壊、活性領域の焼け、又はゲート電極の焼けに対する不良評価を行う段階と、
前記不良評価の結果に基づいて、前記DRMに記録された前記デザインルールをアップデートして前記DRMをアップデートする段階と、
アップデートされた前記DRMを使用して前記半導体素子レイアウトを再設計する段階と、
再設計された前記半導体素子レイアウトを使用して修正された半導体素子を製造する段階と、を有し、
前記半導体素子は、素子分離膜により限定される前記活性領域を有する基板、前記基板の上側の一部分に互いに離隔されて配置される一対の第1不純物領域及び第2不純物領域、前記一対の第1不純物領域間の前記活性領域上に配置される前記ゲート電極、前記活性領域と前記ゲート電極との間に介在する前記ゲート誘電膜、並びに複数の配線パターン及び複数の配線ビアを含む配線構造体を含み、
前記複数の配線パターンは、
前記ゲート電極上で前記ゲート電極に電気的に連結されるゲート配線パターン、前記ゲート配線パターンに隣接する第1隣接配線パターン、及び前記第2不純物領域上で前記第2不純物領域に電気的に連結される第1連結配線パターンを含む複数の第1配線パターンと、
前記複数の第1配線パターンよりも高い垂直レベルに位置して前記第1隣接配線パターン上で前記第1隣接配線パターンに電気的に連結される第2隣接配線パターン、及び前記第1連結配線パターン上で前記第1連結配線パターンに電気的に連結される第2連結配線パターンを含む複数の第2配線パターンと、
前記複数の第2配線パターンよりも高い垂直レベルに位置して前記第2隣接配線パターン上で前記第2隣接配線パターンに電気的に連結される対象配線パターン、及び前記第2連結配線パターン上で前記第2連結配線パターンに電気的に連結される第3連結配線パターンを含む複数の第3配線パターンと、
前記複数の第3配線パターンよりも高い垂直レベルに位置して前記対象配線パターン及び前記第3連結配線パターン上で前記対象配線パターン及び前記第3連結配線パターンのそれぞれに電気的に連結される第4配線パターンと、を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項6】
前記半導体素子レイアウトを設計する段階は、前記ゲート配線パターンと前記第1隣接配線パターンとの離隔間隔を第1離隔間隔にして前記半導体素子レイアウトを設計し、
前記DRMをアップデートする段階は、前記対象配線パターンの面積が臨界最大面積よりも大きい面積を有する場合、前記ゲート配線パターンと前記第1隣接配線パターンとの離隔間隔を前記第1離隔間隔から前記第1離隔間隔よりも大きい第2離隔間隔に前記デザインルールを変更し、
前記修正された半導体素子を製造する段階は、前記ゲート配線パターンと前記第1隣接配線パターンとの離隔間隔を前記第2離隔間隔にして前記修正された半導体素子を製造することを特徴とする請求項5に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項7】
前記半導体素子レイアウトを設計する段階は、それぞれ同一の垂直レベルで、前記第1隣接配線パターンと前記第1連結配線パターンとが互いに離隔され、第2隣接配線パターンと前記第2連結配線パターンとが互いに離隔され、対象配線パターンと前記第3連結配線パターンとが互いに離隔されるように前記半導体素子レイアウトを設計し、
前記DRMをアップデートする段階は、前記対象配線パターンの面積が臨界最大面積よりも大きい面積を有する場合、それぞれ同一の垂直レベルで、前記第1隣接連結パターンと前記第1連結配線パターンとを連結する第1ブリッジ配線パターン、及び前記第2隣接連結パターンと第2連結配線パターンとを連結する第2ブリッジ配線パターンのうちの少なくとも1つを追加するように前記デザインルールを変更して前記DRMに保存し、
前記修正された半導体素子を製造する段階は、前記第1隣接連結パターンと前記第1連結配線パターンとを連結する第1ブリッジ配線パターン、及び前記第2隣接連結パターンと第2連結配線パターンとを連結する第2ブリッジ配線パターンのうちの少なくとも1つを含むように前記修正された半導体素子を製造することを特徴とする請求項5に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項8】
デザインルールが記録されたDRMを使用して、素子分離膜により限定される活性領域を有する基板、前記基板の上側の一部分に互いに離隔されて配置される一対の第1不純物領域及び第2不純物領域、前記一対の第1不純物領域間の前記活性領域上に配置されるゲート電極、前記活性領域と前記ゲート電極との間に介在する前記ゲート誘電膜、並びに複数の配線パターン及び複数の配線ビアを含む配線構造体を含む半導体素子レイアウトを設計する段階と、
設計された前記半導体素子レイアウトを使用したシミュレーションを行って半導体素子を製造する段階と、
シミュレーションにより製造された前記半導体素子に含まれるゲート誘電膜の破壊、活性領域の焼け、又はゲート電極の焼けに対する不良評価を行う段階と、
前記不良評価の結果に基づいて、前記DRMに記録された前記デザインルールに指定された規則を変更して前記DRMをアップデートする段階と、
アップデートされた前記DRMを使用して前記半導体素子レイアウトを再設計する段階と、
再設計された前記半導体素子レイアウトを使用したウェーハプロセッシングを行って修正された半導体素子を製造する段階と、を有し、
前記複数の配線パターンは、第1垂直レベルに位置する複数の第1配線パターン、前記第1垂直レベルよりも高い第2垂直レベルに位置する複数の第2配線パターン、前記第2垂直レベルよりも高い第3垂直レベルに位置する複数の第3配線パターン、及び前記第3垂直レベルよりも高い第4垂直レベルに位置する第4配線パターンを含み、
前記複数の第1配線パターンは、前記ゲート電極に電気的に連結されるゲート配線パターン、前記ゲート配線パターンに隣接する第1隣接配線パターン、及び前記第4配線パターンと前記第2不純物領域との間に介在して前記第4配線パターンと前記第2不純物領域とを電気的に連結する第1連結配線パターンを含み、
前記複数の第2配線パターンは、前記第1隣接配線パターンと前記第4配線パターンとの間に介在して前記第4配線パターンと前記第1隣接配線パターンとを電気的に連結する第2隣接配線パターン、及び前記第4配線パターンと前記第2不純物領域との間に介在して前記第4配線パターンと前記第2不純物領域とを電気的に連結する第2連結配線パターンを含み、
前記複数の第3配線パターンは、前記第1隣接配線パターンと前記第4配線パターンとの間に介在して前記第4配線パターンと前記第1隣接配線パターンとを電気的に連結する対象配線パターン、及び前記第4配線パターンと前記第2不純物領域との間に介在して前記第4配線パターンと前記第2不純物領域とを電気的に連結する第3連結配線パターンを含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項9】
前記DRMをアップデートする段階は、前記対象配線パターンの面積が臨界最大面積よりも大きい面積を有する場合、前記ゲート配線パターンと前記第1隣接配線パターンとの離隔間隔を第1離隔間隔から前記第1離隔間隔よりも大きい第2離隔間隔に前記デザインルールを変更し、
前記修正された半導体素子を製造する段階は、前記ゲート配線パターンと前記第1隣接配線パターンとの離隔間隔がシミュレーションにより製造された前記半導体素子に含まれる前記ゲート配線パターンと前記第1隣接配線パターンとの離隔間隔である前記第1離隔間隔よりも大きい前記第2離隔間隔を有するように前記修正された半導体素子を製造することを特徴とする請求項8に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項10】
前記半導体素子レイアウトを設計する段階は、それぞれ同一の垂直レベルで、前記第1隣接配線パターンと前記第1連結配線パターンとが互いに離隔され、第2隣接配線パターンと前記第2連結配線パターンとが互いに離隔され、対象配線パターンと前記第3連結配線パターンとが互いに離隔されるように前記半導体素子レイアウトを設計し、
前記DRMをアップデートする段階は、前記対象配線パターンの面積が臨界最大面積よりも大きい面積を有する場合、それぞれ同一の垂直レベルで、前記第1隣接連結パターンと前記第1連結配線パターンとを連結する第1ブリッジ配線パターン、及び前記第2隣接連結パターンと第2連結配線パターンとを連結する第2ブリッジ配線パターンのうちの少なくとも1つを追加するように前記デザインルールを変更して前記DRMに保存し、
前記修正された半導体素子を製造する段階は、前記第1隣接連結パターンと前記第1連結配線パターンとを連結する第1ブリッジ配線パターン、及び前記第2隣接連結パターンと第2連結配線パターンとを連結する第2ブリッジ配線パターンのうちの少なくとも1つを含むように前記修正された半導体素子を製造することを特徴とする請求項8に記載の半導体素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の製造方法に係り、より詳細には、半導体素子の製造過程で発生する不良(failure)を防止する半導体素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発達によって、半導体素子のダウンスケーリング(down-scaling)が急速に進められており、これにより、半導体素子の構成要素のサイズ及び構成要素間の間隔が減少している。
【0003】
従って、製造過程における不良の発生を防止して半導体素子を製造する製造工程技術が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、製造過程における不良の発生を防止する半導体素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による半導体素子の製造方法は、デザインルールが記録されたDRM(Design Rule Manual)を使用して半導体素子レイアウトを設計する段階と、設計された前記半導体素子レイアウトを使用して製造された半導体素子に対してゲート構造不良を含む不良評価を行う段階と、前記不良評価の結果に基づいて、前記DRMに記録された前記デザインルールをアップデートして前記DRMをアップデートする段階と、アップデートされた前記DRMを使用して前記半導体素子レイアウトを再設計する段階と、再設計された前記半導体素子レイアウトを使用して修正された半導体素子を製造する段階と、を有する。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による半導体素子の製造方法は、デザインルールが記録されたDRMを使用して半導体素子レイアウトを設計する段階と、設計された前記半導体素子レイアウトを使用したウェーハプロセッシングを行って半導体素子を製造する段階と、製造された前記半導体素子に関する電気的特性を検査するテストを行う段階と、製造された前記半導体素子に関する前記テストの結果から前記半導体素子に含まれるゲート誘電膜の破壊、活性領域の焼け、又はゲート電極の焼けに対する不良評価を行う段階と、前記不良評価の結果に基づいて、前記DRMに記録された前記デザインルールをアップデートして前記DRMをアップデートする段階と、アップデートされた前記DRMを使用して前記半導体素子レイアウトを再設計する段階と、再設計された前記半導体素子レイアウトを使用して修正された半導体素子を製造する段階と、を有する。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の更に他の態様による半導体素子の製造方法は、デザインルールが記録されたDRMを使用して、素子分離膜により限定される活性領域を有する基板、前記基板の上側の一部分に互いに離隔されて配置される一対の第1不純物領域及び第2不純物領域、前記一対の第1不純物領域間の前記活性領域上に配置されるゲート電極、前記活性領域と前記ゲート電極との間に介在する前記ゲート誘電膜、並びに複数の配線パターン及び複数の配線ビアを含む配線構造体を含む半導体素子レイアウトを設計する段階と、設計された前記半導体素子レイアウトを使用したシミュレーションを行って半導体素子を製造する段階と、シミュレーションにより製造された前記半導体素子に含まれるゲート誘電膜の破壊、活性領域の焼け、又はゲート電極の焼けに対する不良評価を行う段階と、前記不良評価の結果に基づいて、前記DRMに記録された前記デザインルールに指定された規則を変更して前記DRMをアップデートする段階と、アップデートされた前記DRMを使用して前記半導体素子レイアウトを再設計する段階と、再設計された前記半導体素子レイアウトを使用したウェーハプロセッシングを行って修正された半導体素子を製造する段階と、を有し、前記複数の配線パターンは、第1垂直レベルに位置する複数の第1配線パターン、前記第1垂直レベルよりも高い第2垂直レベルに位置する複数の第2配線パターン、前記第2垂直レベルよりも高い第3垂直レベルに位置する複数の第3配線パターン、及び前記第3垂直レベルよりも高い第4垂直レベルに位置する第4配線パターンを含み、前記複数の第1配線パターンは、前記ゲート電極に電気的に連結されるゲート配線パターン、前記ゲート配線パターンに隣接する第1隣接配線パターン、及び前記第4配線パターンと前記第2不純物領域との間に介在して前記第4配線パターンと前記第2不純物領域とを電気的に連結する第1連結配線パターンを含み、前記複数の第2配線パターンは、前記第1隣接配線パターンと前記第4配線パターンとの間に介在して前記第4配線パターンと前記第1隣接配線パターンとを電気的に連結する第2隣接配線パターン、及び前記第4配線パターンと前記第2不純物領域との間に介在して前記第4配線パターンと前記第2不純物領域とを電気的に連結する第2連結配線パターンを含み、前記複数の第3配線パターンは、前記第1隣接配線パターンと前記第4配線パターンとの間に介在して前記第4配線パターンと前記第1隣接配線パターンとを電気的に連結する対象配線パターン、及び前記第4配線パターンと前記第2不純物領域との間に介在して前記第4配線パターンと前記第2不純物領域とを電気的に連結する第3連結配線パターンを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の半導体素子の製造方法によれば、不良が発生した位置周辺のデザインに関連するデザインルールを変更又は追加してアップデートされたデザインルールをDRMに保存し、アップデートされたDRMに基づいて半導体素子レイアウトを再設計又は修正した後、修正された半導体素子を製造することができる。従って、不良の発生を防止して半導体素子を製造することができる。更に、アップデートされたデザインルールを活用して他の製品に適用することで同一の不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図1B】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図1C】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図1D】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図2】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図4A】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
【
図4B】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
【
図5A】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための断面図である。
【
図5B】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための断面図である。
【
図5C】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための断面図である。
【
図5D】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための断面図である。
【
図9A】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9B】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9C】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
【
図12】本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1A~
図1Dは、本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0013】
図1Aを参照すると、デザインルールを決定した後(S10)、デザインルールが適用される半導体素子の開発を行う(S100)。一実施形態において、半導体素子の開発を行う段階(S100)においてデザインルールの決定が共に行われる(S10)。デザインルールは、フォトリソグラフィ技術における解像限界を示す最小ライン幅に基づいて決定される。例えば、デザインルールは、同一レイヤーにおいて、構成の幅(線幅)、構成間の間隔、構成の面積などの最小値のような規則を指定する。例えば、デザインルールは、他のレイヤー間に配置される構成間の規則、例えば取り囲み(enclosure)、延長(extension)、重畳(overlap)などの程度のような規則を更に指定する。デザインルールに指定される上述の規則は、例示的であり、それに限定されない。例えば、デザインルールは、開発しようとする半導体素子によって多様な規則を更に指定する。
【0014】
決定されたデザインルールは、DRM(Design Rule Manual)(S20)に記録又は保存される。DRM(S20)に基づいて半導体素子レイアウトを設計する(S110)。DRMは、半導体素子レイアウトを設計するためのガイドラインを提供する。DRM(S20)に記録されたデザインルールに基づいて、半導体素子開発エンジニアが半導体素子レイアウトを設計するためのデザインルールに指定された規則が多い場合、半導体素子レイアウトを設計するのに制約が多くなる。例えば、DRM(S20)には、必須的な規則が指定されたデザインルール、即ち相対的に少ない数の規則が指定されたデザインルールが保存される。
【0015】
設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して、半導体素子を製造する(S130)。例えば、設計された半導体素子レイアウト(S120)に基づいて半導体素子を製造するための複数のマスクを形成し、複数のマスクを使用してウェーハプロセッシングを行い、半導体素子を製造する。
【0016】
次いで、製造された半導体素子をテストする(S140)。製造された半導体素子に対するテスト(S140)は、半導体素子の電気的特性(electrical characteristics)を検査するテストを行うものであるが、それに限定されない。例えば、製造された半導体素子に対するテスト(S140)は、半導体素子を製造する過程中又は半導体素子を製造した後に行われる破壊検査及び/又は非破壊検査のテストを行うものをいずれも含む。
【0017】
テスト結果から、半導体素子に不良が発生したか否かを識別する不良評価を行う(S160)。製造された半導体素子に対する不良評価は、半導体素子に不良が発生したか否かを識別する不良分析を行い、不良有無を確認し、不良が発生した場合、不良の位置確認、及びデザインルールに指定された規則に対する評価を行った後、変更された規則を決定する過程を含む。
【0018】
半導体素子に不良がない場合、完成した半導体素子を製品として出荷する(S300)。或いは、半導体素子に不良がない場合、設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して半導体素子を量産し、製品として出荷する(S300)。
【0019】
半導体素子に不良が発生する原因は多様であり、原因によって不良を除去する方法も多様である。本発明では、デザインルールに指定された規則に関連する不良のみについて説明するが、他の原因に関連する不良に対しては、別途の評価方法及び除去方法が遂行される。
【0020】
例えば、半導体素子に発生する不良は、ゲート誘電膜の破壊(break)、チャネル領域(活性領域)の焼け(burnt)、又はゲート電極の焼けである。ゲート誘電膜の破壊、チャネル領域の焼け、及びゲート電極の焼けを共にゲート構造不良と称する。例えば、製造された半導体素子に対する不良評価は、ゲート構造不良を含む不良に対するものである。
【0021】
製造された半導体素子に不良が発生した場合、不良評価結果に基づいてDRM(S20)をアップデートする(S170)。即ち、DRM(S20)に記録されたデザインルールを変更又は追加してアップデートされたデザインルールをDRM(S20)に保存する。例えば、製造された半導体素子に不良が発生した場合、不良の位置を確認し、デザインルールに指定された規則に対する評価を行った後、規則を変更するデザインルールのアップデートを行い、それをDRM(S20)に保存するDRMアップデートが行われる(S170)。DRM(S20)には、デザインルールがアップデートされた履歴が共に記録される。例えば、DRM(S20)には、最初に決定されたデザインルール、及びアップデートされたデザインルールが共に記録される。
【0022】
次いで、アップデートされたDRM(S20)に基づいて半導体素子レイアウトを再設計又は修正した後(S110)、修正された半導体素子を製造し(S130)、製造された半導体素子を製品として出荷する(S300)。一実施形態において、アップデートされたDRM(S20)に基づいて製造された半導体素子に対するテスト(S140)及び不良評価(S160)を再び遂行する。
【0023】
図1Bを参照すると、デザインルールを決定した後(S10)、デザインルールが適用される半導体素子の開発を行う(S100)。一実施形態において、半導体素子の開発を行う段階(S100)においてデザインルールの決定が共に行われる(S10)。決定されたデザインルールは、DRM(S20)に記録又は保存される。
【0024】
DRM(S20)に基づいて半導体素子レイアウトを設計する(S110)。設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して、半導体素子を製造するシミュレーションを行う(S150)。半導体素子を製造するシミュレーションを行う段階において、シミュレーションにより製造された半導体素子に対するテスト、又はシミュレーションにより製造する過程中の半導体素子に対するテストが共に行われる。
【0025】
次いで、シミュレーションにより製造された半導体素子に不良が発生したか否かを識別する不良評価を行う(S160)。シミュレーションにより製造された半導体素子に対する不良評価は、半導体素子における不良有無を確認し、不良が発生した場合、不良の位置確認、及びデザインルールに指定された規則に対する評価を行った後、変更された規則を決定する過程を含む。
【0026】
シミュレーションにより製造された半導体素子に不良がない場合、設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して半導体素子を製造/量産(S130)し、製品として出荷する(S300)。
【0027】
シミュレーションにより製造された半導体素子に不良が発生した場合、DRM(S20)をアップデートする(S170)。例えば、シミュレーションにより製造された半導体素子に不良が発生した場合、不良の位置を確認し、デザインルールに指定された規則に対する評価を行った後、規則を変更するデザインルールのアップデートを行い、それをDRM(S20)に保存するDRMアップデートが行われる(S170)。
【0028】
一実施形態において、アップデートされたDRM(S20)に基づいて半導体素子を製造するシミュレーション(S150)及び不良評価(S160)を再び遂行する。
【0029】
図1Cを参照すると、デザインルールを決定した後(S10)、デザインルールが適用される半導体素子の開発を行う(S100)。一実施形態において、半導体素子の開発を行う過程(S100)においてデザインルールの決定が共に行われる(S10)。
【0030】
決定されたデザインルールは、DRM(S20)に記録又は保存される。DRM(S20)に基づいて半導体素子レイアウトを設計する(S110)。設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して、半導体素子を製造する(S130)。次いで、製造された半導体素子をテストする(S140)。テスト結果から、半導体素子に不良が発生したか否かを識別する不良評価を行う(S160)。
【0031】
半導体素子に不良がない場合、完成した半導体素子を製品として出荷する(S300)。或いは、半導体素子に不良がない場合、設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して半導体素子を量産し、製品として出荷する(S300)。
【0032】
一実施形態において、半導体素子を製造する(S130)代わりに、設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して半導体素子を製造するシミュレーションを行う(S150)。或いは、他の実施形態において、半導体素子を製造して(S130)テストする(S140)ものとは別途に、設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して半導体素子を製造するシミュレーションを共に行う(S150)。次いで、シミュレーションにより製造された半導体素子に不良が発生したか否かを識別する不良評価を行う(S160)。
【0033】
製造された半導体素子に不良が発生した場合、及び/又はシミュレーションにより製造された半導体素子に不良が発生した場合、DRM(S20)をアップデートする(S170)。例えば、製造された半導体素子、及び/又はシミュレーションにより製造された半導体素子に不良が発生した場合、不良の位置を確認し、デザインルールに指定された規則に対する評価を行った後、規則を変更するデザインルールのアップデートを行い、それをDRM(S20)に保存するDRMアップデートが行われる(S170)。
【0034】
次いで、アップデートされたDRM(S20)に基づいて半導体素子レイアウトを再設計又は修正した後(S110)、ウェーハプロセッシングを行って修正された半導体素子を製造し(S130)、製造された半導体素子を製品として出荷する(S300)。
【0035】
一実施形態において、アップデートされたDRM(S20)に基づいて製造された半導体素子に対するテスト(S140)、及び/又は半導体素子を製造するシミュレーション(S150)、及び不良評価(S160)を再び遂行する。
【0036】
図1Dを参照すると、製造された半導体素子に対するテストを行った(S140)後、及び/又は半導体素子を製造するシミュレーションを行った(S150)後、半導体素子に不良が発生したか否かを識別する不良評価を行う(S160)。
【0037】
先ず、半導体素子における不良の有無を確認する(S161)。半導体素子に不良がない場合、完成した半導体素子を製品として出荷するか、又は半導体素子を量産して製品として出荷する(S300)。
【0038】
半導体素子に不良が発生した場合、不良の位置を確認する(S162)。例えば、半導体素子に発生する不良は、ゲート誘電膜の破壊、チャネル領域(活性領域)の焼け、又はゲート電極の焼けである。半導体素子に発生した不良の位置を確認した(S162)後、不良の位置において配線パターン間の間隔評価(S164)及び/又は配線層面積評価(S167)を行う。例えば、配線パターン間の間隔評価(S164)は、不良の位置又は不良の位置に連結されている配線パターン、及びそれに隣接する他の配線パターンとの間隔、隣接する他の配線パターンが半導体素子を製造する過程中に電気的にフローティング(floating)されるか否かなどが総合して行われる。例えば、配線層面積評価(S167)は、不良の位置又は不良の位置に連結されている配線パターンに隣接する他の配線パターンが半導体素子を製造する過程中に電気的にフローティングされるか否か、隣接する他の配線パターンの面積などが総合して行われる。
【0039】
配線パターン間の間隔評価(S164)を介して、不良の位置又は不良の位置に連結されている配線パターン、及びそれに隣接する他の配線パターンとの間隔が非常に近いと判断される場合、隣接する配線パターン間の臨界最小距離を決定する(S165)。配線層面積評価(S167)を介して、不良の位置又は不良の位置に連結されている配線パターンに隣接する他の配線パターンの面積が非常に大きいと判断される場合、隣接する配線パターンの臨界最大面積を決定するか、或いは臨界最大面積よりも大きい面積を有する配線パターンがある場合、臨界最大面積よりも大きい面積を有する配線パターンよりも低い垂直レベルに位置する配線パターン間を連結するブリッジパターンを追加する(S168)。
【0040】
臨界最小距離及び/又は臨界最大面積が決定されると、DRM(S20)をアップデートする(S170)。即ち、DRM(S20)に記録されたデザインルールを変更又は追加して、アップデートされたデザインルールをDRM(S20)に保存する。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0042】
図2を参照すると、デザインルールを決定した後(S10)、デザインルールが適用される第1半導体素子の開発を行う(S102)。決定されたデザインルールは、DRM(S20)に記録又は保存される。DRM(S20)に基づいて第1半導体素子レイアウトを設計する(S112)。設計された第1半導体素子レイアウト(S122)を使用して、第1半導体素子を製造する(S132)。次いで、製造された第1半導体素子をテストする(S142)。テスト結果から、第1半導体素子に不良が発生したか否かを識別する不良評価を行う(S160)。
【0043】
第1半導体素子に不良がない場合、完成した第1半導体素子を製品として出荷する(S300)。或いは、第1半導体素子に不良がない場合、設計された第1半導体素子レイアウト(S122)を使用して第1半導体素子を量産し、製品として出荷する(S300)。
【0044】
一実施形態において、第1半導体素子を製造する(S132)代わりに、設計された第1半導体素子レイアウト(S122)を使用して第1半導体素子を製造するシミュレーションを行う(S152)。或いは、他の実施形態において、第1半導体素子を製造して(S132)テストする(S142)ものとは別途に、設計された第1半導体素子レイアウト(S122)を使用して第1半導体素子を製造するシミュレーションを共に行う(S152)。次いで、シミュレーションにより製造された第1半導体素子に不良が発生したか否かを識別する不良評価を行う(S160)。
【0045】
製造された第1半導体素子に不良が発生した場合、及び/又はシミュレーションにより製造された第1半導体素子に不良が発生した場合、DRM(S20)をアップデートする(S170)。
【0046】
次いで、アップデートされたDRM(S20)に基づいて第1半導体素子レイアウトを設計又は修正した後(S112)、第1半導体素子を製造し(S132)、製造された第1半導体素子を製品として出荷する(S300)。
【0047】
第2半導体素子は、アップデートされたデザインルールを使用して開発する(S104)。アップデートされたDRM(S20)に基づいて第2半導体素子レイアウトを設計した後(S114)、設計された第1半導体素子レイアウトS124を使用して第2半導体素子を製造する(S134)。第2半導体素子は、アップデートされたDRM(S20)に基づいて製造される(S134)ため、不良が発生せず、製造された第2半導体素子を製品として出荷することができる(S300)。
【0048】
本発明による半導体素子の製造方法は、アップデートされたDRM(S20)を使用して、類似する半導体素子、例えば第2半導体素子を開発して(S104)製造することができる(S134)ため、不良がない第2半導体素子を、短時間で開発及び製造し、製品として出荷することができる(S300)。
【0049】
図3は、本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0050】
図3を参照すると、デザインルールを決定した(
図1A及び
図1BのS10)後、半導体素子を開発する(S100)。決定されたデザインルールが記録されたDRMを使用して、半導体素子レイアウトを設計する(S110)。設計された半導体素子レイアウトを使用して製造されるか、又はシミュレーションにより製造された半導体素子に対して不良評価(S160)を行い、半導体素子に不良が発生した場合、DRMをアップデートする(S170)。アップデートされたDRMを使用して半導体素子レイアウトを再設計又は修正した後(S110a)、再設計された半導体素子レイアウトを使用して半導体素子を製造し(S130a)、製品として出荷する(S300)。
【0051】
図4A及び
図4B、並びに
図5A~
図5Dは、本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法及び本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための断面図である。
【0052】
図4A及び
図4Bを共に参照すると、半導体素子1は、基板110、基板110の一部分及び基板110上に形成されるトランジスタTR、基板110上に配置される配線構造体MLS、及び基板110上に配線構造体MLSを取り囲む配線絶縁層190を含む。
【0053】
基板110は、III-V族物質及びIV族物質のうちの少なくとも1つからなる。例えば、基板110は、Si又はGeのような半導体物質、或いはSiGe、SiC、GaAs、InAs、又はInPのような化合物半導体物質を含む。III-V族物質は、少なくとも1つのIII族元素と少なくとも1つのV族元素とを含む二元系、三元系、又は四元系化合物である。一実施形態において、基板110の一部上にNMOSトランジスタを形成する場合、基板110の一部は、上述のIII-V族物質のうちのいずれか1つからなる。他の実施形態において、基板110の一部上にPMOSトランジスタを形成する場合、基板110の一部は、Geからなる。他の例において、基板110は、SOI(semiconductor on insulator)構造を有する。基板110は、導電領域、例えば不純物がドーピングされたウェル(well)、又は不純物がドーピングされた構造物を含む。
【0054】
基板110は、素子分離膜120により限定される活性領域FAを有する。素子分離膜120は、基板110の一部分が除去されて形成された基板トレンチの少なくとも一部分を充填するように形成される。素子分離膜120は、例えば酸化物、窒化物、又は酸窒化物を含む。一実施形態において、素子分離膜120は、基板トレンチの底面及び内側面の下側の少なくとも一部分を覆うライナー層、及びライナー層を覆って基板トレンチの下側の少なくとも一部分を充填するトレンチ埋め込み層からなる。一実施形態において、ライナー層は、酸化物、窒化物、又は酸窒化物を含む。例えば、ライナー層は、熱酸化により形成されたシリコン酸化物、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)、シリコンホウ窒化物(SiBN)、シリコン炭化物(SiC)、SiC:H、シリコン炭窒化物(SiCN)、SiCN:H、シリコン酸炭窒化物(SiOCN)、SiOCN:H、シリコン酸炭化物(SiOC)、ポリシリコン、又はそれらの組み合わせからなるが、それらに限定されるものではない。トレンチ埋め込み層は、蒸着工程又はコーティング工程により形成された酸化物を含む。例えば、トレンチ埋め込み層は、FSG(fluoride silicate glass)、USG(undoped silicate glass)、BPSG(boro-phospho-silicate glass)、PSG(phospho-silicate glass)、FOX(flowable oxide)、PE-TEOS(plasma enhanced tetra-ethyl-ortho-silicate)、又はTOSZ(tonen silazene)からなるが、それらに限定されるものではない。
【0055】
一実施形態において、活性領域FAは、上側の一部分が素子分離膜120上にフィン(fin)形状に突出するフィン型活性領域である。活性領域FAがフィン型活性領域である場合、素子分離膜120は、活性領域FAの側壁の下側の一部分を覆う。
【0056】
基板110の上側の一部分には、互いに離隔される第1不純物領域132及び第2不純物領域134が配置される。例えば、第1不純物領域132は、活性領域FAの一部分に不純物を注入して形成される。第2不純物領域134は、基板110の一部分に不純物を注入して形成される。第1不純物領域132は、互いに離隔される活性領域FAの一部分に対をなして配置される。例えば、活性領域FAの上側の一部分に互いに離隔されて配置される一対の第1不純物領域132は、トランジスタTRのソース/ドレイン領域である。
【0057】
活性領域FA上には、ゲート電極150が配置される。活性領域FAとゲート電極150との間には、ゲート誘電膜140が介在する。ゲート電極150は、一対の第1不純物領域132間の活性領域FAの部分上に配置される。例えば、上面視において、一対の第1不純物領域132は、ゲート電極150の両側に配置される。活性領域FAのうちの一対の第1不純物領域132間の部分は、チャネル領域である。
【0058】
ゲート誘電膜140及びゲート電極150のそれぞれは、ALD(atomic layer deposition)、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(physical vapor deposition)、MOALD(metal organic ALD)、又はMOCVD(metal organic CVD)工程によって形成される。
【0059】
一実施形態において、ゲート誘電膜140は、第1誘電膜及び第2誘電膜からなる。第1誘電膜は、活性領域FAの表面をコンフォーマルに覆う。第2誘電膜は、第1誘電膜を覆う。第2誘電膜は、第1誘電膜とゲート電極150との間に介在する。
【0060】
第2誘電膜は、第1誘電膜をなす物質の誘電定数よりも大きい値の誘電定数を有する物質を含む。一実施形態において、第1誘電膜はインターフェース膜であり、第2誘電膜は高誘電膜(high-k dielectric film)である。例えば、第1誘電膜は、酸化物を含む。一実施形態において、第1誘電膜は、熱酸化により形成されたシリコン酸化物を含む。例えば、第2誘電膜は、シリコン酸化物よりも誘電定数が大きい物質を含む。一実施形態において、第2誘電膜は、金属酸化物又は金属酸窒化物を含む。例えば、第2誘電膜は、約10~25の誘電定数を有する。一実施形態において、第2誘電膜は、ハフニウム酸化物(HfO)、ハフニウムシリケート(HfSiO)、ハフニウム酸窒化物(HfON)、ハフニウムシリコン酸窒化物(HfSiON)、ランタン酸化物(LaO)、ランタンアルミニウム酸化物(LaAlO)、ジルコニウム酸化物(ZrO)、ジルコニウムシリケート(ZrSiO)、ジルコニウム酸窒化物(ZrON)、ジルコニウムシリコン酸窒化物(ZrSiON)、タンタル酸化物(TaO)、チタン酸化物(TiO)、バリウムストロンチウムチタン酸化物(BaSrTiO)、バリウムチタン酸化物(BaTiO)、ストロンチウムチタン酸化物(SrTiO)、イットリウム酸化物(YO)、アルミニウム酸化物(AlO)、又は鉛スカンジウムタンタル酸化物(PbScTaO)のうちから選択される少なくとも1つの物質からなる。例えば、第2誘電膜は、HfO2、Al2O3、HfAlO3、Ta2O3、又はTiO2からなる。
【0061】
ゲート電極150は、第1電極層152及び第2電極層154が順に積層された構造を有する。第1電極層152は、Ti、Ta、W、Ru、Nb、Mo、又はHfのうちから選択される少なくとも1つの金属を含み、第2電極層154は、W膜又はAl膜を含む。一実施形態において、第1電極層152は、トランジスタTRの仕事関数を調節するための仕事関数金属含有層である。仕事関数金属含有層は、Ti、W、Ru、Nb、Mo、Hf、Ni、Co、Pt、Yb、Tb、Dy、Er、及びPdのうちから選択される少なくとも1つの金属を含む。一実施形態において、ゲート電極150は、TiAlC/TiN/Wの積層構造、TiN/TaN/TiAlC/TiN/Wの積層構造、又はTiN/TaN/TiN/TiAlC/TiN/Wの積層構造を含むが、上述のものに限定されるものではない。
【0062】
活性領域FA、一対の第1不純物領域132、ゲート誘電膜140、及びゲート電極150は、トランジスタTRを構成する。
図4Aには、トランジスタTRがFinFETであるものとして示しているが、これは例示的であり、それに限定されない。例えば、トランジスタTRは、プレーナ(planar)トランジスタである。或いは、例えばトランジスタTRは、活性領域上にチャネル領域として機能を行う複数のナノシートを含む多重チャネルトランジスタである。
【0063】
一対の第1不純物領域132、第2不純物領域134、及びゲート電極150は、連結導電ラインCLに電気的に連結される。一対の第1不純物領域132、第2不純物領域134、及びゲート電極150と連結導電ラインCLとの間には、コンタクトプラグCPが介在する。例えば、コンタクトプラグCPのそれぞれは、一対の第1不純物領域132、第2不純物領域134、及びゲート電極150のうちのいずれか1つに連結され、連結導電ラインCLは、コンタクトプラグCPに連結される。連結導電ラインCLのそれぞれは、第1配線ビアMV1を介して第1配線パターンML1に電気的に連結される。
【0064】
配線構造体MLSは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線パターンを含む。複数の配線パターンの各々は、平面視において、ライン状、バー状、又は四角形などの多角形状を有する。例えば、複数の配線パターンは、各々それぞれ異なる垂直レベルに位置する第1配線パターンML1、第2配線パターンML2、第3配線パターンML3、第4配線パターンML4、及び第5配線パターンML5を含む。
図4A~
図8には、配線構造体MLSが5個のそれぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線パターンを含むものとして示しているが、これは例示的であり、それに限定されない。例えば、配線構造体MLSは、2個、3個、4個、又は6個以上のそれぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線パターンを含む。
【0065】
図4A~
図8には、第1配線パターンML1、第2配線パターンML2、第3配線パターンML3、第4配線パターンML4、及び第5配線パターンML5のうち、第5配線パターンML5が最も高い垂直レベルに位置するものとして示しているが、それに限定されず、第5配線パターンML5は相対的に上側に位置し、第5配線パターンML5上に他の配線パターンが更に配置され得る。同様に、
図4A~
図8には、第1配線パターンML1、第2配線パターンML2、第3配線パターンML3、第4配線パターンML4、及び第5配線パターンML5のうち、第1配線パターンML1が最も低い垂直レベルに位置するものとして示しているが、それに限定されず、第1配線パターンML1は相対的に下側に位置し、第1配線パターンML1下に他の配線パターンが更に配置され得る。
【0066】
配線構造体MLSは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線ビアを含む。複数の配線ビアの各々は、垂直方向に延びる柱状を有する。一実施形態において、複数の配線ビアの各々は、上側から下側に延びて水平幅が狭くなるテーパー状を有する。例えば、複数の配線ビアは、第1配線ビアMV1、第2配線ビアMV2、第3配線ビアMV3、第4配線ビアMV4、及び第5配線ビアMV5を含む。第1配線ビアMV1は、第1配線パターンML1の下面に連結され、第1配線パターンML1と第1配線パターンML1の下側に位置する構成とを電気的に連結する。例えば、第1配線ビアMV1は、第1配線パターンML1と連結導電ラインCLとを電気的に連結する。第2配線ビアMV2は、第2配線パターンML2の下面に連結され、第2配線パターンML2と第2配線パターンML2の下側に位置する構成とを電気的に連結する。例えば、第2配線ビアMV2は、第2配線パターンML2と第1配線パターンML1とを電気的に連結する。第3配線ビアMV3は、第3配線パターンML3の下面に連結され、第3配線パターンML3と第3配線パターンML3の下側に位置する構成とを電気的に連結する。例えば、第3配線ビアMV3は、第3配線パターンML3と第2配線パターンML2とを電気的に連結する。第4配線ビアMV4は、第4配線パターンML4の下面に連結され、第4配線パターンML4と第4配線パターンML4の下側に位置する構成とを電気的に連結する。例えば、第4配線ビアMV4は、第4配線パターンML4と第3配線パターンML3とを電気的に連結する。第5配線ビアMV5は、第5配線パターンML5の下面に連結され、第5配線パターンML5と第5配線パターンML5の下側に位置する構成とを電気的に連結する。例えば、第5配線ビアMV5は、第5配線パターンML5と第4配線パターンML4とを電気的に連結する。
【0067】
第1配線パターンML1、第2配線パターンML2、第3配線パターンML3、第4配線パターンML4、及び第5配線パターンML5のそれぞれ、並びに第1配線ビアMV1、第2配線ビアMV2、第3配線ビアMV3、第4配線ビアMV4、及び第5配線ビアMV5のそれぞれは、複数個である。
【0068】
配線間絶縁層190は、基板110上で配線構造体MLSを取り囲む。一実施形態において、配線間絶縁層190は、基板110上で配線構造体MLSと共にゲート電極150、連結導電ラインCL、及びコンタクトプラグCPを取り囲む。例えば、配線間絶縁層190は、積層された複数の絶縁膜からなる。配線間絶縁層190は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又はシリコン酸化物よりも誘電率が低い絶縁物質を含む。一実施形態において、配線間絶縁層190の少なくとも一部分は、約2.2~2.4の超低誘電定数(ultra low dielectric constant K)を有するULK(Ultra Low k)膜からなる。ULK膜は、SiOC膜又はSiCOH膜を含む。
【0069】
相対的に上側に位置する配線パターン、例えば第5配線パターンML5は、第5配線ビアMV5、第4配線パターンML4、第4配線ビアMV4、第3配線パターンML3、第3配線ビアMV3、第2配線パターンML2、第2配線ビアMV2、第1配線パターンML1、第1配線ビアMV1、連結導電ラインCL、コンタクトプラグCP、及び第2不純物領域134を介して基板110に電気的に連結される。例えば、第2不純物領域134は、コンタクトプラグCPと基板110との接触抵抗を低くする。第5配線パターンML5と第2不純物領域134との間に介在し、第5配線パターンML5と第2不純物領域134とを電気的に連結する第5配線ビアMV5、第4配線パターンML4、第4配線ビアMV4、第3配線パターンML3、第3配線ビアMV3、第2配線パターンML2、第2配線ビアMV2、第1配線パターンML1、及び第1配線ビアMV1のそれぞれを、第5連結配線ビア、第4連結配線パターン、第4連結配線ビア、第3連結配線パターン、第3連結配線ビア、第2連結配線パターン、第2連結配線ビア、第1連結配線パターン、及び第1連結配線ビアと称する。
【0070】
図4A~
図8には、第5配線パターンML5が第5配線ビアMV5、第4配線パターンML4、第4配線ビアMV4、第3配線パターンML3、第3配線ビアMV3、第2配線パターンML2、第2配線ビアMV2、第1配線パターンML1、第1配線ビアMV1、連結導電ラインCL、コンタクトプラグCP、及び第2不純物領域134を順次に介して基板110に電気的に連結されるものとして示しているが、これは例示的であり、それに限定されない。例えば、第5配線パターンML5は、第5配線ビアMV5、第4配線パターンML4、第4配線ビアMV4、第3配線パターンML3、第3配線ビアMV3、第2配線パターンML2、第2配線ビアMV2、第1配線パターンML1、第1配線ビアMV1、連結導電ラインCL、及びコンタクトプラグCPのうちの少なくとも1つ、並びに第2不純物領域134を介して基板110に電気的に連結される。一実施形態として、第5配線ビアMV5が第5配線パターンML5の下面と第2不純物領域134とを連結する。
【0071】
相対的に上側に位置する配線パターン、例えば第5配線パターンML5は、第5配線パターンML5を介さずに基板110に電気的に連結されていない他の配線パターン、例えば基板110に電気的に連結されていない第4配線パターンML4、第3配線パターンML3、第2配線パターンML2、及び第1配線パターンML1のうちの少なくとも1つに電気的に連結される。第5配線パターンML5を介さずに基板110に電気的に連結されていない他の配線パターン、例えば基板110に電気的に連結されていない第4配線パターンML4、第3配線パターンML3、第2配線パターンML2、及び第1配線パターンML1のうちの少なくとも1つは、第5配線パターンML5が形成される前に基板110から電気的にフローティングされる。
【0072】
複数個の第1配線パターンML1のうちの少なくとも1つは、ゲート電極150に電気的に連結されるゲート配線パターンML1Gである。複数個の第1配線パターンML1のうちの少なくとも1つは、ゲート配線パターンML1Gに隣接するが、第5配線パターンML5のみを介して基板110に電気的に連結される、即ち第5配線パターンML5が形成される前に基板110から電気的にフローティングされる第1隣接配線パターンML1Nである。複数の配線パターンのうちの少なくとも1つ、例えば複数個の第4配線パターンML4のうちの少なくとも1つは、第5配線パターンML5のみを介して基板110に電気的に連結される、即ち第5配線パターンML5が形成される前に基板110から電気的にフローティングされる、相対的に大きい面積を有する対象配線パターンML4Lである。対象配線パターンML4Lは、同一の垂直レベルに位置する他の配線パターン、例えば第4配線パターンML4よりも相対的に大きい面積AR4Lを有する。対象配線パターンML4Lは、同一の垂直レベルで互いに連結される第4配線パターンML4を共に称する。即ち、相対的に大きい対象配線パターンML4Lの面積AR4Lは、同一の垂直レベルで互いに連結される第4配線パターンML4の全面積を意味する。対象配線パターンML4Lの面積AR4Lは、数百μm2~数千μm2である。一実施形態において、対象配線パターンML4Lの臨界最大面積は、約300μm2である。
【0073】
対象配線パターンML4Lと第1隣接配線パターンML1Nとは、電気的に連結される。例えば、対象配線パターンML4Lと第1隣接配線パターンML1Nとは、第4配線ビアMV4、第3配線パターンML3、第3配線ビアMV3、第2配線パターンML2、及び第2配線ビアMV2を介して電気的に連結される。対象配線パターンML4Lと第1隣接配線パターンML1Nとは、第5配線パターンML5が形成される前に基板110から電気的にフローティングされる。対象配線パターンML4Lと第1隣接配線パターンML1Nとの間に介在して、対象配線パターンML4Lと第1隣接配線パターンML1Nとを電気的に連結する第4配線ビアMV4、第3配線パターンML3、第3配線ビアMV3、第2配線パターンML2、及び第2配線ビアMV2のそれぞれを、第4隣接配線ビア、第3隣接配線パターン、第3隣接配線ビア、第2隣接配線パターン、及び第2隣接配線ビアと称する。
【0074】
同一の垂直レベルで、第1隣接配線パターンML1Nと第1連結配線パターンとは互いに離隔される。同一の垂直レベルで、第2隣接配線パターンと第2連結配線パターンとは互いに離隔される。同一の垂直レベルで、第3隣接配線パターンと第3連結配線パターンとは互いに離隔される。同一の垂直レベルで、対象配線パターンML4Lと第4連結配線パターンとは互いに離隔される。
【0075】
図4A及び
図4Bに示した半導体素子1は、
図1A~
図1Dを介して説明したDRM(S20)に基づいて設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して製造された半導体素子(S130)、又は設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用してシミュレーションにより製造された半導体素子(S150)である。対象配線パターンML4Lの面積AR4Lは、DRM(S20)に記録されたデザインルールを満足する面積である。
【0076】
図5Aを参照すると、半導体素子100aは、基板110、基板110の一部分及び基板110上に形成されるトランジスタTR、基板110上に配置される配線構造体MLSa、及び基板110上に配線構造体MLSaを取り囲む配線絶縁層190を含む。
【0077】
配線構造体MLSaは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線パターンを含む。例えば、複数の配線パターンは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する第1配線パターンML1、第2配線パターンML2、第3配線パターンML3a、第4配線パターンML4、及び第5配線パターンML5を含む。配線構造体MLSaは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線ビアを含む。例えば、複数の配線ビアは、第1配線ビアMV1、第2配線ビアMV2、第3配線ビアMV3、第4配線ビアMV4、及び第5配線ビアMV5を含む。
【0078】
図4A及び
図4Bに示した半導体素子1に含まれる配線構造体MLSに含まれる第3配線パターンML3と比較すると、
図5Aに示した半導体素子100aに含まれる配線構造体MLSaに含まれる第3配線パターンML3aは、ブリッジ配線パターンML3Bを更に含む。
図5Aには、ブリッジ配線パターンML3Bが第3配線パターンML3に含まれるものとして示しているが、これは例示的であり、それに限定されない。例えば、ブリッジ配線パターンML3Bは、対象配線パターンML4Lよりも低い垂直レベルに位置する配線パターンに含まれる。
【0079】
対象配線パターンML4Lは、ブリッジ配線パターンML3Bを介して基板110に電気的に連結される。例えば、対象配線パターンML4Lは、第4配線ビアMV4、ブリッジ配線パターンML3Bを含む第3配線パターンML3a、第3配線ビアMV3、第2配線パターンML2、第2配線ビアMV2、第1配線パターンML1、第1配線ビアMV1、連結導電ラインCL、コンタクトプラグCP、及び第2不純物領域134を順次に介して基板110に電気的に連結される。対象配線パターンML4Lは、相対的に上側に位置する配線パターン、例えば第5配線パターンML5を介さずに、ブリッジ配線パターンML3Bを介して基板110に電気的に連結される。従って、対象配線パターンML4Lは、第5配線パターンML5が形成される前に基板110から電気的にフローティングされずに、ブリッジ配線パターンML3Bを介して基板110に電気的に連結される。
【0080】
図5Bを参照すると、半導体素子100bは、基板110、基板110の一部分及び基板110上に形成されるトランジスタTR、基板110上に配置される配線構造体MLSb、及び基板110上に配線構造体MLSbを取り囲む配線絶縁層190を含む。
【0081】
配線構造体MLSbは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線パターンを含む。例えば、複数の配線パターンは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する第1配線パターンML1、第2配線パターンML2a、第3配線パターンML3、第4配線パターンML4、及び第5配線パターンML5を含む。配線構造体MLSbは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線ビアを含む。例えば、複数の配線ビアは、第1配線ビアMV1、第2配線ビアMV2、第3配線ビアMV3、第4配線ビアMV4、及び第5配線ビアMV5を含む。
【0082】
図4A及び
図4Bに示した半導体素子1に含まれる配線構造体MLSに含まれる第2配線パターンML2と比較すると、
図5Bに示した半導体素子100bに含まれる配線構造体MLSbに含まれる第2配線パターンML2aは、ブリッジ配線パターンML2Bを更に含む。
【0083】
対象配線パターンML4Lは、ブリッジ配線パターンML2Bを介して基板110に電気的に連結される。例えば、対象配線パターンML4Lは、第4配線ビアMV4、第3配線パターンML3、第3配線ビアMV3、ブリッジ配線パターンML2Bを含む第2配線パターンML2a、第2配線ビアMV2、第1配線パターンML1、第1配線ビアMV1、連結導電ラインCL、コンタクトプラグCP、及び第2不純物領域134を順次に介して基板110に電気的に連結される。対象配線パターンML4Lは、相対的に上側に位置する配線パターン、例えば第5配線パターンML5を介さずに、ブリッジ配線パターンML2Bを介して基板110に電気的に連結される。従って、対象配線パターンML4Lは、第5配線パターンML5が形成される前に基板110から電気的にフローティングされずに、ブリッジ配線パターンML2Bを介して基板110に電気的に連結される。
【0084】
図5Cを参照すると、半導体素子100cは、基板110、基板110の一部分及び基板110上に形成されるトランジスタTR、基板110上に配置される配線構造体MLSc、及び基板110上に配線構造体MLScを取り囲む配線絶縁層190を含む。
【0085】
配線構造体MLScは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線パターンを含む。例えば、複数の配線パターンは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する第1配線パターンML1a、第2配線パターンML2、第3配線パターンML3、第4配線パターンML4、及び第5配線パターンML5を含む。配線構造体MLScは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線ビアを含む。例えば、複数の配線ビアは、第1配線ビアMV1、第2配線ビアMV2、第3配線ビアMV3、第4配線ビアMV4、及び第5配線ビアMV5を含む。
【0086】
図4A及び
図4Bに示した半導体素子1に含まれる配線構造体MLSに含まれる第1配線パターンML1と比較すると、
図5Cに示した半導体素子100cに含まれる配線構造体MLScに含まれる第1配線パターンML1aは、ブリッジ配線パターンML1Bを更に含む。
【0087】
対象配線パターンML4Lは、ブリッジ配線パターンML1Bを介して基板110に電気的に連結される。例えば、対象配線パターンML4Lは、第4配線ビアMV4、第3配線パターンML3、第3配線ビアMV3、第2配線パターンML2、第2配線ビアMV2、ブリッジ配線パターンML1Bを含む第1配線パターンML1a、第1配線ビアMV1、連結導電ラインCL、コンタクトプラグCP、及び第2不純物領域134を順次に介して基板110に電気的に連結される。対象配線パターンML4Lは、相対的に上側に位置する配線パターン、例えば第5配線パターンML5を介さずに、ブリッジ配線パターンML1Bを介して基板110に電気的に連結される。従って、対象配線パターンML4Lは、第5配線パターンML5が形成される前に基板110から電気的にフローティングされずに、ブリッジ配線パターンML1Bを介して基板110に電気的に連結される。
【0088】
図5Dを参照すると、半導体素子100dは、基板110、基板110の一部分及び基板110上に形成されるトランジスタTR、基板110上に配置される配線構造体MLSd、及び基板110上に配線構造体MLSdを取り囲む配線絶縁層190を含む。
【0089】
配線構造体MLSdは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線パターンを含む。例えば、複数の配線パターンは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する第1配線パターンML1a、第2配線パターンML2a、第3配線パターンML3a、第4配線パターンML4、及び第5配線パターンML5を含む。配線構造体MLSdは、それぞれ異なる垂直レベルに位置する複数の配線ビアを含む。例えば、複数の配線ビアは、第1配線ビアMV1、第2配線ビアMV2、第3配線ビアMV3、第4配線ビアMV4、及び第5配線ビアMV5を含む。
【0090】
図4A及び
図4Bに示した半導体素子1に含まれる配線構造体MLSに含まれる第1配線パターンML1、第2配線パターンML2、及び第3配線パターンML3と比較すると、
図5Dに示した半導体素子100dに含まれる配線構造体MLSdに含まれる第1配線パターンML1a、第2配線パターンML2a、及び第3配線パターンML3aは、ブリッジ配線パターン(ML1B、ML2B、ML3B)を更に含む。第1配線パターンML1aに含まれるブリッジ配線パターンML1Bは、第1ブリッジ配線パターンと称し、第2配線パターンML2aに含まれるブリッジ配線パターンML2Bは、第2ブリッジ配線パターンと称し、第3配線パターンML3aに含まれるブリッジ配線パターンML3Bは、第3ブリッジ配線パターンと称する。
【0091】
対象配線パターンML4Lは、ブリッジ配線パターン(ML1B、ML2B、ML3B)を介して基板110に電気的に連結される。対象配線パターンML4Lは、相対的に上側に位置する配線パターン、例えば、第5配線パターンML5を介さずに、ブリッジ配線パターン(ML1B、ML2B、ML3B)を介して基板110に電気的に連結される。従って、対象配線パターンML4Lは、第5配線パターンML5が形成される前に基板110から電気的にフローティングされずに、ブリッジ配線パターン(ML1B、ML2B、ML3B)を介して基板110に電気的に連結される。
【0092】
図5A~
図5Dに示した半導体素子(100a、100b、100c、100d)は、
図1A~
図1Dを介して説明したアップデートされたDRM(S20)に基づいて設計された半導体素子レイアウトS120を使用して製造された半導体素子S130である。アップデートされたDRM(S20)には、相対的に大きい面積AR4L、例えば臨界最大面積よりも大きい面積を有する対象配線パターンML4Lが存在する場合、対象配線パターンML4Lよりも低い垂直レベルに位置する配線パターンを連結するブリッジ配線パターン(ML1B、ML2B、ML3B)を追加するようにするデザインルールが記録される。
【0093】
図6、
図7、及び
図8は、本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法及び本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための断面図である。
【0094】
図6を参照すると、半導体素子2は、基板110、基板110の一部分及び基板110上に形成されるトランジスタTR、基板110上に配置される配線構造体MLS、及び基板110上に配線構造体MLSを取り囲む配線絶縁層190を含む。半導体素子2は、
図4A及び
図4Bに示した半導体素子1と略同様であり、同一部材番号を有する構成は同一構成であるため、重複内容は省略する。
【0095】
複数個の第1配線パターンML1のうちの少なくとも1つは、ゲート電極150に電気的に連結されるゲート配線パターンML1Gである。複数個の第1配線パターンML1のうちの少なくとも1つは、ゲート配線パターンML1Gに隣接するが、第5配線パターンML5のみを介して基板110に電気的に連結される、即ち、第5配線パターンML5が形成される前に基板110から電気的にフローティングされる第1隣接配線パターンML1Nである。ゲート配線パターンML1Gと第1隣接配線パターンML1Nとは、第1離隔間隔SLを有して水平方向に互いに離隔される。第1離隔間隔SLは、数nm~数十nmである。
【0096】
図6に示した半導体素子2は、
図1A~
図1Dを介して説明したDRM(段落S20)に基づいて設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して製造された半導体素子(S130)、又は設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用してシミュレーションにより製造された半導体素子(S150)である。ゲート配線パターンML1Gと第1隣接配線パターンML1Nとの第1離隔間隔SLは、DRM(S20)に記録されたデザインルールを満足する面積である。
【0097】
図7を参照すると、半導体素子200は、基板110、基板110の一部分及び基板110上に形成されるトランジスタTR、基板110上に配置される配線構造体MLS、及び基板110上に配線構造体MLSを取り囲む配線絶縁層190を含む。
【0098】
図6に示した半導体素子2と比較すると、
図7に示した半導体素子200に含まれるゲート配線パターンML1Gと第1隣接配線パターンML1Nとは、第2離隔間隔ESLを有して水平方向に互いに離隔される。第2離隔間隔ESLは、第1離隔間隔SLよりも大きい。第2離隔間隔ESLは、第1離隔間隔SLよりも大きく、数nm~数十nmである。
【0099】
図7に示した半導体素子200は、
図1A~
図1Dを介して説明したアップデートされたDRM(段落S20)に基づいて設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して製造された半導体素子S130である。アップデートされたDRM(S20)には、ゲート配線パターンML1Gに隣接するが、第5配線パターンML5が形成される前に基板110から電気的にフローティングされる第1隣接配線パターンML1Nが他の第1配線パターンML1間の最小離隔間隔よりも大きい最小離隔間隔を有するようにするデザインルールが記録される。
【0100】
図8を参照すると、半導体素子202は、基板110、基板110の一部分及び基板110上に形成されるトランジスタTR、基板110上に配置される配線構造体MLS、及び基板110上に配線構造体MLSaを取り囲む配線絶縁層190を含む
【0101】
図6に示した半導体素子2と比較すると、
図8に示した半導体素子202に含まれるゲート配線パターンML1Gと第1隣接配線パターンML1Nとは、第2離隔間隔ESLを有して水平方向に互いに離隔される。第2離隔間隔ESLは、第1離隔間隔SLよりも大きい。
【0102】
図6に示した半導体素子2に含まれる配線構造体MLSに含まれる第3配線パターンML3と比較すると、
図8に示した半導体素子202に含まれる配線構造体MLSaに含まれる第3配線パターンML3aは、ブリッジ配線パターンML3Bを更に含む。
図8には、ブリッジ配線パターンML3Bが第3配線パターンML3に含まれるものとして示しているが、これは例示的であり、それに限定されない。例えば、
図8に示した半導体素子202は、
図5Bに示した半導体素子1bのようにブリッジ配線パターンML2Bを含みく、
図5Cに示した半導体素子1cのようにブリッジ配線パターンML1Bを含み、
図5Dに示した半導体素子1dのようにブリッジ配線パターン(ML1B、ML2B、ML3B)を含む。
【0103】
図8に示した半導体素子202は、
図1A~
図1Dを介して説明したアップデートされたDRM(S20)に基づいて設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して製造された半導体素子S130である。アップデートされたDRM(S20)には、ゲート配線パターンML1Gに隣接するが、第5配線パターンML5が形成される前に基板110から電気的にフローティングされる第1隣接配線パターンML1Nが他の第1配線パターンML1間の最小離隔間隔よりも大きい最小離隔間隔を有するようにするデザインルール及び相対的に大きい面積AR4Lを有する対象配線パターンML4Lが存在する場合、ブリッジ配線パターン(ML1B、ML2B、ML3B)を形成するようにするデザインルールが記録される。
【0104】
図9A~
図9C、及び
図10は、本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法及び本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための断面図である。具体的に、
図9A~
図9C、及び
図10は、
図1A~
図3を参照し、
図4A及び
図4Bに示した半導体素子1に対して不良評価を行った後(S160)、アップデートされたDRM(S20)を使用して
図5Aに示した半導体素子100aを製造する過程を説明するための断面図であり、
図1A~
図5Aを共に参照する。
【0105】
図9Aを参照すると、基板110に基板トレンチを形成した後、基板トレンチの少なくとも一部を充填する素子分離膜120を形成する。素子分離膜120により限定される基板110の一部分は、活性領域120になる。一実施形態において、活性領域FAは、上側の一部分が素子分離膜120上にフィン形状に突出するフィン型活性領域として形成される。
【0106】
基板110の上側の一部分には、第1不純物領域132及び第2不純物領域134を形成する。例えば、第1不純物領域132は、活性領域FAの一部分に不純物を注入して形成する。第2不純物領域134は、基板110の一部分に不純物を注入して形成する。第1不純物領域132は、互いに離隔される活性領域FAの一部分に対をなすように形成される。
【0107】
活性領域FA上には、ゲート電極150を形成する。ゲート誘電膜140は、活性領域FAとゲート電極150との間に介在するように形成される。例えば、活性領域FA上にゲート誘電膜140及びゲート電極150を順次に形成する。
【0108】
基板110上には、一対の第1不純物領域132、第2不純物領域134、ゲート電極150に連結されるコンタクトプラグCP、及びコンタクトプラグCPに連結される連結導電ラインCLを形成する。連結導電ラインCLは、コンタクトプラグCPを介して、一対の第1不純物領域132、第2不純物領域134、及びゲート電極150に電気的に連結されるように形成される。
【0109】
基板110上には、ゲート電極150、連結導電ラインCL、及びコンタクトプラグCPを取り囲む第1予備配線間絶縁層190aを形成する。第1予備配線間絶縁層190aは、
図4Aに示した配線間絶縁層190の下側部分である。例えば、第1予備配線間絶縁層190aは、
図4Aに示した配線間絶縁層190のうち、ゲート電極150、連結導電ラインCL、及びコンタクトプラグCPを取り囲む部分である。
【0110】
図9Bを参照すると、連結導電ラインCL上に複数個の第1配線ビアMV1及び複数個の第1配線パターンML1を形成する。複数個の第1配線パターンML1のうちの少なくとも一部は、下面に複数個の第1配線ビアMV1のうちの少なくとも1つが連結される。
【0111】
複数個の第1配線パターンML1のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの第1配線ビアMV1を介してゲート電極150に電気的に連結されるゲート配線パターンML1Gである。複数個の第1配線パターンML1のうちの少なくとも1つは、ゲート配線パターンML1Gに隣接するが、基板110から電気的にフローティングされる第1隣接配線パターンML1Nである。
【0112】
第1予備配線間絶縁層190a上には、複数個の第1配線ビアMV1及び複数個の第1配線パターンML1を取り囲む第2予備配線間絶縁層190bを形成する。第2予備配線間絶縁層190bは、
図4Aに示した配線間絶縁層190の一部分である。例えば、第2予備配線間絶縁層190bは、
図4Aに示した配線間絶縁層190のうちの複数個の第1配線ビアMV1及び複数個の第1配線パターンML1を取り囲む部分である。
【0113】
図9Cを参照すると、複数個の第1配線パターンML1上に複数個の配線ビア及び複数個の配線パターンを形成する。例えば、複数個の第1配線パターンML1上に、複数個の第2配線ビアMV2、複数個の第2配線パターンML2、複数個の第3配線ビアMV3、複数個の第3配線パターンML3、複数個の第4配線ビアMV4、及び複数個の第4配線パターンML4を順次に形成する。
【0114】
第2予備配線間絶縁層190b上には、複数個の第2配線ビアMV2、複数個の第2配線パターンML2、複数個の第3配線ビアMV3、複数個の第3配線パターンML3、複数個の第4配線ビアMV4、及び複数個の第4配線パターンML4を取り囲む第3予備配線間絶縁層190cを形成する。第3予備配線間絶縁層190cは、
図4Aに示した配線間絶縁層190の一部分である。例えば、第3予備配線間絶縁層190cは、
図4Aに示した配線間絶縁層190のうち、複数個の第2配線ビアMV2、複数個の第2配線パターンML2、複数個の第3配線ビアMV3、複数個の第3配線パターンML3、複数個の第4配線ビアMV4、及び複数個の第4配線パターンML4を取り囲む部分である。
【0115】
複数の配線パターンのうちの少なくとも1つ、例えば複数個の第4配線パターンML4のうちの少なくとも1つは、基板110から電気的にフローティングされ、相対的に大きい面積を有する対象配線パターンML4Lである。対象配線パターンML4Lは、同一の垂直レベルに位置する他の配線パターン、例えば第4配線パターンML4よりも相対的に大きい面積(
図4BのAR4L)を有する。
【0116】
第3予備配線間絶縁層190cを形成する工程中に、対象配線パターンML4Lには電荷がチャージング(charging)される。例えば、第3予備配線間絶縁層190cを形成する工程に使用されるプラズマにより、対象配線パターンML4Lには電荷がチャージングされる。対象配線パターンML4L、及び対象配線パターンML4Lに電気的に連結される第1隣接配線パターンML1Nは、基板110から電気的にフローティングされる。従って、第3予備配線間絶縁層190cを形成する工程中に、対象配線パターンML4Lにチャージングされた電荷は、第1隣接配線パターンML1Nに移動し、第1隣接配線パターンML1Nもチャージングされる。第1隣接配線パターンML1Nとゲート配線パターンML1Gとの離隔間隔が十分に大きくない場合、第1隣接配線パターンML1Nにチャージングされた電荷がゲート配線パターンML1Gにカップリング効果(coupling effect)を起こし、対象配線パターンML4Lから、ゲート電極150、ゲート誘電膜140又はチャネル領域、即ち活性領域FAまで電荷移動経路CFPが生成される。この場合、ゲート誘電膜140の破壊、チャネル領域、即ち活性領域FAの焼け、又はゲート電極150の焼けが発生し、
図4A及び
図4Bに示した半導体素子1には不良が発生する。
【0117】
図10を参照すると、
図9Cに示した第3配線パターンML3の代わりに、
図5Aに示した半導体素子100aのようにブリッジ配線パターンML3Bを含む第3配線パターンML3aを形成する。
【0118】
第3予備配線間絶縁層190cを形成する工程中に、対象配線パターンML4Lに電荷がチャージングされる場合、ブリッジ配線パターンML3Bを介してチャージングされた電荷が基板110に移動する修正された電荷移動経路CFPMが生成される。この場合、対象配線パターンML4Lにチャージングされた電荷が、ゲート電極150、ゲート誘電膜140又はチャネル領域、即ち活性領域FAに伝達されないため、ゲート誘電膜140の破壊、チャネル領域、即ち活性領域FAの焼け、又はゲート電極150の焼けが発生せず、
図5Aに示した半導体素子100aには不良が発生しない。
【0119】
図9A~
図9Cは、
図1A~
図1Dを介して説明したDRM(S20)に基づいて設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して半導体素子を製造するか(S130)、或いは設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用してシミュレーションにより半導体素子を製造する(S150)過程である。
図10は、
図1A~
図1Dを介して説明したアップデートされたDRM(S20)に基づいて設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して半導体素子を製造する(S130)過程である。
【0120】
図11及び
図12は、本発明の一実施形態による半導体素子の製造方法及び本発明の一実施形態による半導体素子を説明するための断面図である。具体的に、
図11は、
図1A~
図3を参照し、
図6に示した半導体素子2に対して不良評価を行った後(S160)、アップデートされたDRM(S20)を使用して
図7に示した半導体素子200を製造する過程を説明するための断面図であり、
図1A~
図3、並びに
図6及び
図7を共に参照する。
【0121】
図11を参照すると、基板110に基板トレンチを形成した後、基板トレンチの少なくとも一部を充填して活性領域FAを限定する素子分離膜120を形成し、基板110の上側の一部分には、第1不純物領域132及び第2不純物領域134を形成する。活性領域FA上にゲート誘電膜140及びゲート電極150を順次に形成する。
【0122】
基板110上には、一対の第1不純物領域132、第2不純物領域134、ゲート電極150に連結されるコンタクトプラグCP、コンタクトプラグCPに連結される連結導電ラインCL、並びにゲート電極150、連結導電ラインCL、及びコンタクトプラグCPを取り囲む第1予備配線間絶縁層190aを形成する。
【0123】
連結導電ラインCL及び第1予備配線間絶縁層190a上に、複数個の第1配線ビアMV1、複数個の第1配線パターンML1、並びに複数個の第1配線ビアMV1及び複数個の第1配線パターンML1を取り囲む第2予備配線間絶縁層190bを形成する。複数個の第1配線パターンML1のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの第1配線ビアMV1を介してゲート電極150に電気的に連結されるゲート配線パターンML1Gである。複数個の第1配線パターンML1のうちの少なくとも1つは、ゲート配線パターンML1Gに第1離隔間隔SLを有して隣接するが、基板110から電気的にフローティングされる第1隣接配線パターンML1Nである。
【0124】
複数個の第1配線パターンML1及び第2予備配線間絶縁層190b上に、複数個の第2配線ビアMV2、複数個の第2配線パターンML2、複数個の第3配線ビアMV3、複数個の第3配線パターンML3、複数個の第4配線ビアMV4、複数個の第4配線パターンML4、並びに複数個の第2配線ビアMV2、複数個の第2配線パターンML2、複数個の第3配線ビアMV3、複数個の第3配線パターンML3、複数個の第4配線ビアMV4、及び複数個の第4配線パターンML4を取り囲む第3予備配線間絶縁層190cを形成する。複数個の第4配線パターンML4のうちの少なくとも1つは、基板110から電気的にフローティングされる、相対的に大きい面積を有する対象配線パターンML4Lである。
【0125】
第3予備配線間絶縁層190cを形成する工程中に、対象配線パターンML4Lには電荷がチャージングされる。例えば、第3予備配線間絶縁層190cを形成する工程に使用されるプラズマにより、対象配線パターンML4Lには電荷がチャージングされる。対象配線パターンML4L、及び対象配線パターンML4Lに電気的に連結される第1隣接配線パターンML1Nは、基板110から電気的にフローティングされる。従って、第3予備配線間絶縁層190cを形成する工程中に、対象配線パターンML4Lにチャージングされた電荷は、第1隣接配線パターンML1Nに移動し、第1隣接配線パターンML1Nもチャージングされる。第1隣接配線パターンML1Nとゲート配線パターンML1Gとの離隔間隔が相対的に小さい第1離隔間隔SLを有する場合、第1隣接配線パターンML1Nにチャージングされた電荷がゲート配線パターンML1Gにカップリング効果を起こし、対象配線パターンML4Lから、ゲート電極150、ゲート誘電膜140又はチャネル領域、即ち活性領域FAまで電荷移動経路CFPが生成される。この場合、ゲート誘電膜140の破壊、チャネル領域、即ち活性領域FAの焼け、又はゲート電極150の焼けが発生し、
図6に示した半導体素子2には不良が発生する。
【0126】
図12を参照すると、ゲート配線パターンML1Gと第1隣接配線パターンML1Nとが、
図11に示した第1離隔間隔SLよりも大きい第2離隔間隔ESLを有するように形成される。
【0127】
第3予備配線間絶縁層190cを形成する工程中に、対象配線パターンML4Lに電荷がチャージングされても、ゲート配線パターンML1Gと第1隣接配線パターンML1Nとが十分に大きい第2離隔間隔ESLを有して互いに離隔される場合、対象配線パターンML4Lにチャージングされた電荷が第1隣接配線パターンML1Nに移動しても、ゲート配線パターンML1Gにカップリング効果を起こさない。この場合、対象配線パターンML4Lにチャージングされた電荷が、ゲート電極150、ゲート誘電膜140又はチャネル領域、即ち活性領域FAに伝達されないため、ゲート誘電膜140の破壊、チャネル領域、即ち活性領域FAの焼け、又はゲート電極150の焼けが発生せず、
図7に示した半導体素子200には不良が発生しない。
【0128】
図11は、
図1A~
図1Dを介して説明したDRM(S20)に基づいて設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して半導体素子を製造するか(S130)、或いは設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用してシミュレーションにより半導体素子を製造する(S150)過程である。
図12は、
図1A~
図1Dを介して説明したアップデートされたDRM(S20)に基づいて設計された半導体素子レイアウト(S120)を使用して半導体素子を製造する(S130)過程である。
【0129】
図1A~
図12を共に参照すると、本発明による半導体素子の製造方法は、不良が発生した位置周辺のデザインルールを変更又は追加してアップデートされたデザインルールをDRM(S20)に保存し、アップデートされたDRM(S20)に基づいて半導体素子レイアウトを再設計又は修正した後(S110)、半導体素子を製造し(S130)、製造された半導体素子を製品として出荷する(S300)。従って、不良の発生を防止して半導体素子を製造することができる。
【0130】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0131】
1、2、100a、100b、 100c、100d、200、202 半導体素子
110 基板
120 素子分離膜
132、134 第1、第2不純物領域
140 ゲート誘電膜
150 ゲート電極
152、154 第1、第2電極層
190 配線間絶縁層
190a~190c 第1~第3予備配線間絶縁層
CFP 電荷移動経路
CFPM 修正された電荷移動経路
CL 連結導電ライン
CP コンタクトプラグ
ESL、SL 第2、第1離隔間隔
FA 活性領域
ML1~ML5 第1~第5配線パターン
ML1a~ML3a 第1~第3配線パターン
ML1B、ML2B、ML3B ブリッジ配線パターン
ML1G ゲート配線パターン
ML1N 第1隣接配線パターン
ML4L 対象配線パターン
MLS、MLSa、MLSb、MLSc、MLSd 配線構造体
MV1~MV5 第1~第5配線ビア TR トランジスタ