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特開2024-24607メモリーアクセスのための集積回路、処理方法、電子機器及び媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024607
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】メモリーアクセスのための集積回路、処理方法、電子機器及び媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/16 20060101AFI20240215BHJP
   G06F 12/00 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
G06F11/16 667
G06F12/00 560A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127517
(22)【出願日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】202210953420.6
(32)【優先日】2022-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522123315
【氏名又は名称】地平▲線▼(上海)人工智能技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】リウ チンユー
(72)【発明者】
【氏名】リー ウェンシン
(72)【発明者】
【氏名】リー ジン
(72)【発明者】
【氏名】ドン ボー
(72)【発明者】
【氏名】チョウ イー
(72)【発明者】
【氏名】シェン ジュンチェン
【テーマコード(参考)】
5B034
5B160
【Fターム(参考)】
5B034CC02
5B034DD01
5B160CB03
5B160MM20
5B160NA01
(57)【要約】
【課題】本開示は、メモリーアクセスのための集積回路、処理方法、電子機器及び媒体を関する。
【解決手段】前記集積回路は、第1メモリーモジュールと、第2メモリーモジュールと、第1メモリーモジュール及び第2メモリーモジュールにそれぞれ接続されるアクセス信号決定モジュールとを含み、アクセス信号決定モジュールは、プロセッサーの第1メモリーアクセス信号を第1メモリーモジュールに伝送するインタフェース回路と、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに対応する目標安全水準を決定するアドレスフィルタリング回路と、目標安全水準が予め設定された水準であることに応じて、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスにアドレスシフトを行い、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を取得し、第2メモリーアクセス信号を第2メモリーモジュールに伝送するアクセス信号処理回路とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリーアクセスのための集積回路であって、
第1メモリーモジュールと、第2メモリーモジュールと、アクセス信号決定モジュールとを含み、前記アクセス信号決定モジュールは、前記第1メモリーモジュール及び前記第2メモリーモジュールにそれぞれ接続され、前記アクセス信号決定モジュールは、
プロセッサーが前記第1メモリーモジュールにアクセスする第1メモリーアクセス信号を前記第1メモリーモジュールに伝送するために用いられるインタフェース回路と、
前記インタフェース回路に接続され、前記第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに対応する目標安全水準を決定するために用いられるアドレスフィルタリング回路と、
前記アドレスフィルタリング回路に接続され、前記目標安全水準が予め設定された水準であることに応じて、前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスにアドレスシフトを行い、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を取得し、前記第2メモリーアクセス信号を前記第2メモリーモジュールに伝送するために用いられるアクセス信号処理回路とを含む、メモリーアクセスのための集積回路。
【請求項2】
前記第1メモリーモジュールから第1データを読み取り、前記第2メモリーモジュールから第2データを読み取るために用いられる読み出しチャネルモジュールと、
前記第1データと前記第2データを比較し、比較結果に基づいて、データエラー信号を決定するために用いられるデータ比較モジュールとをさらに含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記読み出しチャネルモジュールは、
前記第1メモリーモジュールに接続され、前記第1メモリーモジュールから読み取られた前記第1データを受信し、前記第1データを前記プロセッサー及び前記データ比較モジュールに伝送するために用いられる第1バスインタフェース回路と、
前記第2メモリーモジュールに接続され、前記第2メモリーモジュールから読み取られた前記第2データを受信し、前記第2データを前記データ比較モジュールに伝送するために用いられる第2バスインタフェース回路とを含む、請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記読み出しチャネルモジュールは、
前記プロセッサー、前記第1バスインタフェース回路及び前記データ比較モジュールにそれぞれ接続され、前記第1バスインタフェース回路によって受信される前記第1データをキャッシュし、前記第1データを前記プロセッサー及び前記データ比較モジュールに出力するために用いられる第1リードキャッシュユニットと、
前記第2バスインタフェース回路及び前記データ比較モジュールにそれぞれ接続され、前記第2バスインタフェース回路によって受信される前記第2データをキャッシュし、前記第2データを前記データ比較モジュールに出力するために用いられる第2リードキャッシュユニットとをさらに含む、請求項3に記載の集積回路。
【請求項5】
前記データ比較モジュールは、排他的論理和回路ユニットを含み、前記排他的論理和回路ユニットは、第1入力端と、第2入力端と、出力端とを含み、
前記第1入力端は、前記第1リードキャッシュユニットに接続され、前記第1データを入力するために用いられ、
前記第2入力端は、前記第2リードキャッシュユニットに接続され、前記第2データを入力するために用いられ、
前記出力端は、エラー処理モジュールに接続され、前記エラー処理モジュールに前記データエラー信号を出力するために用いられる、請求項4に記載の集積回路。
【請求項6】
前記読み出しチャネルモジュールは、論理和回路をさらに含み、
前記第1バスインタフェース回路は、前記論理和回路にも接続され、前記第1バスインタフェース回路は、バスのバックプレッシャー信号を受信し、前記論理和回路に第1準備信号を出力するためにも用いられ、
前記第2バスインタフェース回路は、前記論理和回路にも接続され、前記第2バスインタフェース回路は、バスのバックプレッシャー信号を受信し、前記論理和回路に第2準備信号を出力するためにも用いられ、
前記論理和回路は、前記第1準備信号及び/又は前記第2準備信号に応じて、前記プロセッサーに第3準備信号を出力するために用いられ、前記第3準備信号は、読み書き動作を開始しないことを前記プロセッサーに通知するためのものである、請求項3に記載の集積回路。
【請求項7】
前記アクセス信号決定モジュールは、
前記予め設定された水準に対応するアドレス範囲の上限値を記憶するために用いられる第1アドレスレジスターと、
前記予め設定された水準に対応するアドレス範囲の下限値を記憶するために用いられる第2アドレスレジスターとをさらに含み、
前記アドレスフィルタリング回路は、
前記インタフェース回路及び前記第1アドレスレジスターにそれぞれ接続され、前記インタフェース回路によって受信される前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスを前記第1アドレスレジスターにおける前記上限値と比較して、第1比較結果を得るために用いられる第1比較ユニットと、
前記インタフェース回路及び前記第2アドレスレジスターにそれぞれ接続され、前記インタフェース回路によって受信される前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスを前記第2アドレスレジスターにおける前記下限値と比較して、第2比較結果を得るために用いられる第2比較ユニットと、
前記第1比較ユニット、前記第2比較ユニット及び前記アクセス信号処理回路にそれぞれ接続され、前記第1比較結果及び前記第2比較結果に基づいて、前記アクセス信号処理回路に安全水準適合状態を出力するために用いられる判断ユニットであって、前記安全水準適合状態は、前記目標安全水準が前記予め設定された水準に適合する又は適合しないという2つの状態を含む判断ユニットとを含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項8】
前記アクセス信号処理回路は、
前記判断ユニットに接続され、前記安全水準適合状態が適合である場合に、前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスに予め設定されたシフト情報を加えて前記シフト後のアドレスを得て、前記シフト後のアドレスに基づいて前記第2メモリーアクセス信号を得て、前記第2メモリーアクセス信号を前記第2メモリーモジュールに伝送するために用いられる有限状態マシンを含む、請求項7に記載の集積回路。
【請求項9】
前記アクセス信号処理回路は、
前記有限状態マシンに接続され、前記予め設定されたシフト情報を記憶するために用いられる第1レジスターをさらに含む、請求項8に記載の集積回路。
【請求項10】
前記アクセス信号決定モジュールは、
前記インタフェース回路及び前記アクセス信号処理回路にそれぞれ接続され、チャネルの選択によって前記第1メモリーアクセス信号及び前記第2メモリーアクセス信号の伝送を実現するために用いられるチャネル選択回路をさらに含む、請求項1に記載の集積回路。
【請求項11】
メモリーアクセスのための処理方法であって、
プロセッサーが第1メモリーモジュールにアクセスする第1メモリーアクセス信号を前記第1メモリーモジュールに伝送し、前記第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに対応する目標安全水準を決定するステップと、
前記目標安全水準が予め設定された水準であることに応じて、前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスにアドレスシフトを行い、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を取得するステップと、
前記第2メモリーアクセス信号を第2メモリーモジュールに伝送するステップとを含む、メモリーアクセスのための処理方法。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、請求項11に記載のメモリーアクセスのための処理方法を実行するためのものである、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
プロセッサーと、
前記プロセッサーが実行可能な命令を記憶するために用いられるメモリーとを含む電子機器であって、
前記プロセッサーは、前記メモリーから前記実行可能な命令を読み取り、前記命令を実行することによって請求項11に記載のメモリーアクセスのための処理方法を実現するために用いられ、又は、
前記電子機器は、請求項1~10のいずれか1項に記載のメモリーアクセスのための集積回路を含む、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体技術に関し、特に、メモリーアクセスのための集積回路、処理方法、電子機器及び媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
スマート運転分野では、スマート運転チップのDDR(Double Data Rate SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリー)は、主に、スマート運転の知覚予測機能に用いられ、当該機能において現在要求されている機能安全水準はASILB(Automotive Safety Integrity Level B、自動車安全度水準B)であるが、スマート運転機能における安全水準がASILD(Automotive Safety Integrity Level D、自動車安全度水準D)である制御及び意思決定機能アルゴリズムが進化するのに伴い、制御及び意思決定機能アルゴリズムにはますます高い計算力と記憶能力が必要となり、プロセッサー(又はプロセッサー内のコア(Core))及びRAMによって制御及び意思決定アルゴリズムを開発する場合は記憶能力が不十分となるという問題があり、現在、DDRコントローラーの機能安全水準はいずれもASILB水準であり、ASILDのプロセッサー(又はプロセッサーコア)のアクセスのニーズを満たすことができず、比較的高い安全水準の機能に対応する比較的高い安全水準の記憶能力が不足することを引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、比較的高い安全水準の機能に必要な比較的高い安全水準の記憶能力が不足するなどの技術的課題を解決するために提供される。本開示の実施例は、メモリーアクセスのための集積回路、処理方法、電子機器及び媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例の一態様によれば、第1メモリーモジュールと、第2メモリーモジュールと、アクセス信号決定モジュールとを含むメモリーアクセスのための集積回路を提供し、前記アクセス信号決定モジュールは、前記第1メモリーモジュール及び前記第2メモリーモジュールにそれぞれ接続され、前記アクセス信号決定モジュールは、プロセッサーが前記第1メモリーモジュールにアクセスする第1メモリーアクセス信号を前記第1メモリーモジュールに伝送するために用いられるインタフェース回路と、前記インタフェース回路に接続され、前記第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに対応する目標安全水準を決定するために用いられるアドレスフィルタリング回路と、前記アドレスフィルタリング回路に接続され、前記目標安全水準が予め設定された水準であることに応じて、前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスにアドレスシフトを行い、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を取得し、前記第2メモリーアクセス信号を前記第2メモリーモジュールに伝送するために用いられるアクセス信号処理回路とを含む。
【0005】
本開示の実施例の別の態様によれば、プロセッサーが第1メモリーモジュールにアクセスする第1メモリーアクセス信号を前記第1メモリーモジュールに伝送し、前記第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに対応する目標安全水準を決定するステップと、前記目標安全水準が予め設定された水準であることに応じて、前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスにアドレスシフトを行い、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を取得するステップと、前記第2メモリーアクセス信号を第2メモリーモジュールに伝送するステップとを含むメモリーアクセスのための処理方法を提供する。
【0006】
本開示の実施例のさらにもう1つの態様によれば、コンピューター可読記憶媒体を提供し、前記記憶媒体にはコンピュータープログラムが記憶されており、前記コンピュータープログラムは、本開示の前記いずれかの実施例に記載のメモリーアクセスのための処理方法を実行するためのものである。
【0007】
本開示の実施例のもう1つの態様によれば、電子機器を提供し、前記電子機器は、プロセッサーと、前記プロセッサーの実行可能な命令を記憶するために用いられるメモリーとを含み、ここで、前記プロセッサーは、前記メモリーから前記実行可能な命令を読み取り、前記命令を実行することによって本開示の前記いずれかの実施例に記載のメモリーアクセスのための処理方法を実現するために用いられ、又は、前記電子機器は、本開示の前記いずれかの実施例に記載のメモリーアクセスのための集積回路を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示の前記実施例によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路、処理方法、電子機器及び媒体によれば、2つの比較的低い安全水準のメモリーアクセス動作で比較的高い安全水準の予め設定された水準のメモリーアクセス動作を実現することで、比較的高い安全水準の書き込みしようとするデータを2つのメモリーモジュールに書き込むことができ、これに対応して比較的高い安全水準のデータを読み出す時には、2つのメモリーモジュールから同じデータを読み取り、2つのメモリーモジュールのアクセス結果の一致性により、比較的高い安全水準の機能の機能上の安全性を保証し、メモリーコントローラーが比較的低い安全水準だけを満たす場面でも、比較的高い安全水準の機能のアクセス動作を完了できることを実現し、これにより比較的低い安全水準のメモリーを比較的高い安全水準の機能に用いることができ、比較的高い安全水準の機能が比較的低い安全水準のメモリーにアクセスできるようになり、機能の安全性を保証した上で比較的高い安全水準の機能のためより大きな記憶性能を提供し、比較的高い安全水準の機能の記憶要求を効果的に満たし、比較的高い安全水準の記憶能力が不足するなどの問題を解決する。
【0009】
以下、図面及び実施例を用いて、本開示の技術的解決手段をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面を参照して本開示の実施例をより詳細に説明するによって、本開示の上記の及び他の目的、特徴及び利点がより明瞭になるだろう。図面は本開示の実施例への更なる理解に供するもので、且明細書を構成する部分であり、本開示の実施例と共に本開示を解釈するためのものであり、本開示に対する限定を構成しない。図面で、同じ符号は一般に同じ構成要素又はステップを表す。
図1】本開示によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路の例示的な適用場面である。
図2】本開示の例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路の構造模式図である。
図3】本開示の別の例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路の構造模式図である。
図4】本開示の例示的な実施例によって提供される読み出しチャネルモジュール24の構造模式図である。
図5】本開示の別の例示的な実施例によって提供される読み出しチャネルモジュール24の構造模式図である。
図6】本開示のさらにもう1つの例示的な実施例によって提供される読み出しチャネルモジュール24の構造模式図である。
図7】本開示の例示的な実施例によって提供されるデータ比較モジュール25の構造模式図である。
図8】本開示のもう1つの例示的な実施例によって提供される読み出しチャネルモジュール24の構造模式図である。
図9】本開示の例示的な実施例によって提供されるアクセス信号決定モジュール23の構造模式図である。
図10】本開示の例示的な実施例によって提供されるアクセス信号処理回路233の構造模式図である。
図11】本開示の別の例示的な実施例によって提供されるアクセス信号決定モジュール23の構造模式図である。
図12】本開示のさらにもう1つの例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路の組み合わせ実施の構造模式図である。
図13】本開示の例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための処理方法のフローチャートである。
図14】本開示の別の例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための処理方法のフローチャートである。
図15】本開示のさらにもう1つの例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための処理方法のフローチャートである。
図16】本開示のもう1つの例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための処理方法のフローチャートである。
図17】本開示のさらにもう1つの例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための処理方法のフローチャートである。
図18】本開示の電子機器の適用実施例の構造模式図である。
図19】本開示の電子機器の別の適用実施例の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示の例示的な実施例を詳細に説明する。説明される実施例は本開示の一部の実施例に過ぎず、本開示の全ての実施例ではないということは自明である。本開示は、ここで説明される例示的な実施例から限定されないということを理解されたい。
【0012】
なお、特に具体的な説明がない限り、これらの実施例で述べられる構成要素及びステップの相対的な配置、数式、数値は本開示の範囲を限定しない。
【0013】
当業者は、本開示の実施例で「第1」、「第2」などの用語は、異なるステップ、機器又はモジュールなどを区別するために用いられるもので、技術的に特定の意味を一切持たず、それらに論理的な順番があることを表さないことを理解できる。
【0014】
また、本開示の実施例で、「複数」とは、2つの又はそれ以上を指してもよく、「少なくとも1つ」とは、1つ、2つ又はそれ以上を指してもよいということを理解されたい。
【0015】
本開示の実施例は、端末機器、コンピューターシステム、サーバなどの電子機器に用いることができ、これらは、他の多くの汎用又は専用のコンピューティングシステム環境又は構成と共に動作することができる。端末機器、コンピューターシステム、サーバなどの電子機器と共に使用されるのに適する周知の多くの端末機器、コンピューティングシステム、環境及び/又は構成の例は、パーソナルコンピューターシステム、サーバコンピューターシステム、シンクライアント、シッククライアント、ハンドヘルド又はラップトップ機器、マイクロプロセッサーベースのシステム、セットトップボックス、プログラマブルな家庭用電化製品、ネットワークパソコン、小型コンピューターシステム、大型コンピューターシステム、上記のいずれかのシステムを含む分散クラウドコンピューティング技術環境などを含み、ただしそれらに限定されない。
【0016】
本開示の概要:
本開示を実現する過程で、発明者は次のことを見出している。スマート運転分野では、スマート運転チップのDDR(Double Data Rate SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリー)は、主に、スマート運転の知覚予測機能に用いられ、当該機能において現在要求されている機能安全水準はASILB(Automotive Safety Integrity Level B、自動車安全度水準B)であるが、スマート運転機能における安全水準がASILD(Automotive Safety Integrity Level D、自動車安全度水準D)である制御及び意思決定機能アルゴリズムが進化するのに伴い、制御及び意思決定機能アルゴリズムにはますます高い計算力と記憶能力が必要となり、プロセッサー(又はプロセッサー内のコア(Core))及びRAMによって制御及び意思決定アルゴリズムを開発する場合は記憶能力が不十分となるという問題があり、現在、DDRコントローラーの機能安全水準はいずれもASILB水準であり、ASILDのプロセッサー(又はプロセッサーコア)のアクセスのニーズを満たすことができず、制御及び意思決定機能アルゴリズムなどの比較的高い安全水準の機能の比較的高い安全水準の記憶能力が不足することを引き起こす。
【0017】
例示的な説明:
図1は、本開示によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路の例示的な適用場面である。スマート運転の制御及び意思決定などの予め設定された水準(ASILD水準)の機能場面では、本開示のメモリーアクセスのための集積回路を利用すると、対応する制御及び意思決定機能アルゴリズムを実行するプロセッサーは、その機能安全水準ASILDが保証された上でDDRにアクセスすることで、DDRによってそれにより強力な記憶能力を提供して、そのますます高まる記憶要求を満たすことができる。プロセッサーは、スマート運転チップ内のいずれの可能なプロセッサー又はプロセッサーコアであってもよく、例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)であってもよく、具体的に限定されない。具体的に言えば、本開示のメモリーアクセスのための集積回路は、第1メモリーモジュールと、第2メモリーモジュールと、アクセス信号決定モジュールとを含んでもよく、前記アクセス信号決定モジュールは、前記第1メモリーモジュールと、前記第2メモリーモジュールとにそれぞれ接続され、第1メモリーモジュール、及び第2メモリーモジュールは、スマート運転チップ内の任意の2つのメモリー機器又は1つのメモリー機器の2つのメモリー領域であってもよく、例えば、スマート運転チップ内のDDRにおけるアドレスコードによって区画された2つの記憶領域であってもよく、具体的には、実際のニーズに応じて設置することができる。前記アクセス信号決定モジュールは、プロセッサーが前記第1メモリーモジュールにアクセスする第1メモリーアクセス信号を前記第1メモリーモジュールに伝送し、前記第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに対応する目標安全水準を決定し、前記目標安全水準が予め設定された水準(ASILD水準)であることに応じて、前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスにアドレスシフトを行い、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を取得し、前記第2メモリーアクセス信号を前記第2メモリーモジュールに伝送することを含んでもよく、これにより、予め設定された水準のメモリーアクセスの場合は、2つのメモリーモジュールに同時にアクセスし、2つのモジュールのアクセス結果の一致性により、予め設定された水準のメモリーアクセスの安全性を実現し、これによりASILB水準における大きな記憶能力を備えるメモリー機器がASILD水準の機能場面に記憶能力を提供することを実現し、従来技術のASILD水準の機能場面は記憶能力が不足するなどの問題を効果的に解決することができる。
【0018】
なお、本開示の集積回路は、前記スマート運転の制御及び意思決定の場面に用いるのに限定されず、実際のニーズに応じて、比較的高い安全水準を必要とするあらゆる場面に用いることができ、具体的に限定されない。
【0019】
例示的な装置:
図2は、本開示の例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路の構造模式図である。本実施例は予め設定された水準の機能場面に適用でき、予め設定された水準の機能場面の大きな記憶要求を満たすことができ、図2に示されるとおり、本開示のメモリーアクセスのための集積回路20は、第1メモリーモジュール21と、第2メモリーモジュール22と、アクセス信号決定モジュール23とを含み、アクセス信号決定モジュール23は、第1メモリーモジュール21と、第2メモリーモジュール22とにそれぞれ接続される。
【0020】
アクセス信号決定モジュール23は、インタフェース回路231と、アドレスフィルタリング回路232と、アクセス信号処理回路233とを含む。インタフェース回路231は、プロセッサーが前記第1メモリーモジュール21にアクセスする第1メモリーアクセス信号を前記第1メモリーモジュール21に伝送するために用いられ、アドレスフィルタリング回路232は、前記インタフェース回路231に接続され、前記第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに対応する目標安全水準を決定するために用いられ、アクセス信号処理回路233は、前記アドレスフィルタリング回路232に接続され、前記目標安全水準が予め設定された水準であることに応じて、前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスにアドレスシフトを行い、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を取得し、前記第2メモリーアクセス信号を前記第2メモリーモジュール22に伝送するために用いられる。
【0021】
プロセッサーは、スマート運転チップ内のいずれの可能なプロセッサー又はプロセッサーコアであってもよく、例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、ニューラルネットワークプロセッサーなどであってもよく、具体的に限定されない。第1メモリーモジュール21及び第2メモリーモジュール22は、スマート運転チップ内の任意の2つのメモリー機器又は1つのメモリー機器の2つのメモリー領域であってもよく、例えば、スマート運転チップ内のDDRにおけるアドレスコードによって区画された2つの記憶領域であってもよく、具体的には、実際のニーズに応じて設置することができる。第1メモリーアクセス信号は、読み出しアクセス信号又は書き込みアクセス信号であってもよく、予め設定された水準は、ASILD水準であってもよく、インタフェース回路231は、いずれの実施可能なバスインタフェース回路であってもよく、インタフェース回路231は、AXI(Advanced eXtensible Interface、高度拡張可能インタフェース)、AHB(Advanced High Performance Bus、高度高性能バス)、APB(Advanced Peripheral Bus、高性能周辺バス)、CHI(Coherent Hub Interface、コヒーレントハブインタフェース)などのバスプロトコルをサポートし、具体的には、実際のニーズに応じて設置することができる。インタフェース回路231は対応するバスによってプロセッサーに接続されて、プロセッサーとの通信を実現できる。インタフェース回路231は、プロセッサーの第1メモリーアクセス信号を受信するために用いられ、一方では、第1メモリーアクセス信号をそのアクセスアドレスに対応する第1メモリーモジュール21に伝送し、他方では、第1メモリーアクセス信号をアドレスフィルタリング回路232に伝送し、アドレスフィルタリング回路232は、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスの属する目標安全水準を決定するために用いられ、具体的には、事前に設定されたアドレス安全水準の確定方式に基づいて第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスの目標安全水準を決定することであってもよく、例えば、ASILD水準のアドレス範囲及び/又はASILB水準のアドレス範囲が事前に設定され、アクセスアドレスと予め設定されたアドレス範囲を比較することにより、アクセスアドレスの目標安全水準を決定する。アドレスフィルタリング回路232の具体的な実現方式は、実際のニーズに応じて設置されてもよく、アクセスアドレスの目標安全水準を決定することさえできればよい。アクセス信号処理回路233は、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに対応する目標安全水準が予め設定された水準(例えば、ASILD水準)である時に、アクセスアドレスにアドレスシフトを行い、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を決定し、第2メモリーアクセス信号をシフト後のアドレスに対応する第2メモリーモジュールに伝送することにより、第2メモリーモジュール中の対応するアドレスに対応するメモリーにアクセスするために用いられる。第1メモリーモジュール21及び第2メモリーモジュール22のアドレス範囲は、事前にアドレスコードによって対応するシフト対応関係を実現し、例えば、第1メモリーモジュール21のアドレス範囲は0~2000であり、第2メモリーモジュール22のアドレス範囲は2001~3000であり、ここで、第1メモリーモジュール21中のアドレス0は第2メモリーモジュール22のアドレス2001に対応し、第1メモリーモジュール21中のアドレス1は第2メモリーモジュール22のアドレス2002に対応し、このように類推して、第1メモリーモジュール21にアクセスするアクセスアドレスを2001シフトすることにより第2メモリーモジュール22中の対応するシフト後のアドレスを決定することができ、第1メモリーモジュール21中の1001~2000のアドレス範囲は、例えば、ASILBなどの比較的低い安全水準の記憶に用いられてもよく、第1メモリーアクセス信号中のアクセスアドレスが予め設定された水準(例えば、ASILD水準)に属さない場合はアドレスシフトを行う必要はなく、第1メモリーモジュール21中のアクセスアドレスに対応するメモリーに直接アクセスすればよく、これにより比較的低い安全水準のメモリー機器による異なる安全水準へのアクセスニーズを実現できる。
【0022】
例示的に、第1メモリーアクセス信号が書き込みアクセス信号である場合は、アクセスアドレスが予め設定された水準であれば、書き込みしようとする目標データをそれぞれ、第1メモリーアクセス信号、及び第2メモリーアクセス信号によって同時に第1メモリーモジュール21及び第2メモリーモジュール22に書き込んでもよく、第1メモリーアクセス信号が読み出しアクセス信号で当該目標データを読み取る場合は、同様に第1メモリーアクセス信号によって第1メモリーモジュール21の対応するアドレスから1つの目標データを読み出し、第2メモリーアクセス信号によって第2メモリーモジュール22から1つの目標データを読み出し、これで2つの目標データを比較することができ、2つの目標データが一致していれば、データは正しいと決定することができ、そうでなければ、対応する措置を行ってもよく、例えば、データエラー信号を上に報告し、具体的には、実際のニーズに応じて設置することができる。
【0023】
本開示の各実施例で、メモリーアクセスのための集積回路20を集積回路20と略称することができる。
【0024】
任意選択的に、本開示の集積回路は、いずれの実施可能なバスによって、例えば、AXI、AHB、APB、CHIなどのバスによってプロセッサーに接続されてもよく、これによってプロセッサーはバスによって第1メモリーモジュール21及び第2メモリーモジュール22にアクセスすることができる。
【0025】
本実施例によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路は、2つの比較的低い安全水準のメモリーアクセス動作で比較的高い安全水準の予め設定された水準のメモリーアクセス動作を実現することで、比較的高い安全水準の書き込みしようとするデータを2つのメモリーモジュールに書き込むことができ、これに対応して比較的高い安全水準のデータを読み出す時には、2つのメモリーモジュールから同じデータを読み取り、2つのメモリーモジュールのアクセス結果の一致性により、比較的高い安全水準の機能の機能上の安全性を保証し、メモリーコントローラーが比較的低い安全水準だけを満たす場面でも、比較的高い安全水準のアクセス動作を完了できることを実現し、これにより比較的低い安全水準のメモリーを比較的高い安全水準の機能に用いることができ、比較的高い安全水準の機能が比較的低い安全水準のメモリーにアクセスできるようになり、機能の安全性を保証した上で比較的高い安全水準の機能のため大きな記憶能力を提供し、比較的高い安全水準の機能の記憶要求を効果的に満たし、比較的高い安全水準の記憶能力が不足するなどの問題を解決する。
【0026】
図3は、本開示の別の例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路の構造模式図である。
【0027】
任意選択的な例で、本開示の集積回路20は、読み出しチャネルモジュール24と、データ比較モジュール25とをさらに含む。
【0028】
読み出しチャネルモジュール24は、前記第1メモリーモジュール21から第1データを読み取り、前記第2メモリーモジュール22から第2データを読み取るために用いられ、データ比較モジュール25は、前記第1データと前記第2データを比較し、比較結果に基づいて、データエラー信号を決定するために用いられる。
【0029】
読み出しチャネルモジュール24は、第1メモリーモジュール21、及び第2メモリーモジュール22にそれぞれ接続され、第1メモリーアクセス信号が読み出しアクセス信号である場合は、それを第1メモリーモジュール21に伝送した後、第1メモリーモジュール21は読み出しチャネルモジュール24と通信し、読み出しチャネルモジュール24は第1メモリーモジュール21から第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレス中の第1データを読み取ることができ、同様に、第2メモリーモジュール22は第2メモリーアクセス信号に応答し、読み出しチャネルモジュール24は第2メモリーモジュール22から前記アクセスアドレスのシフト後のアドレス中の第2データを読み取ることができる。読み出しチャネルモジュール24が第1データ及び第2データを読み取った後、それぞれ、データ比較モジュール25に伝送し、データ比較モジュール25は第1データと第2データを比較して、比較結果を得て、比較結果は、第1データと第2データが同じ又は異なるという2つの結果を含んでもよく、第1データと第2データが異なる場合は、データにエラーが生じていることを表し、データエラー信号を発する必要がある。読み出しチャネルモジュール24は、プロセッサーに接続されてもよく、例えば、バスによって接続され、読み出しチャネルモジュール24は第1データを読み取った後、第1データをバスによってプロセッサーに伝送して、プロセッサーに使用させてもよい。データ比較モジュール25はチップ内のエラー処理を取り扱うエラー処理モジュールに接続されてもよく、これによってデータエラー信号をエラー処理モジュールに伝送し、エラー処理モジュールが対応するエラー処理を速やかに行うようにすることができ、例えば、対応するエラー診断、エラー報告などを行い、具体的な説明は省略する。
【0030】
任意選択的に、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスが予め設定された水準に属する場合にしか、第1メモリーモジュール21、及び第2メモリーモジュール22からそれぞれデータを読み取ることが起こらず、アクセスアドレスが予め設定された水準に属しない場合には、第1メモリーアクセス信号だけが第1メモリーモジュール21に伝送され、第2メモリーアクセス信号は第2メモリーモジュール22に伝送されず、したがって第1メモリーモジュール21だけが第1メモリーアクセス信号に応答し、読み出しチャネルモジュール24は第1メモリーモジュール21から第1データを読み取り、プロセッサーに伝送して、比較的低い安全水準(例えば、ASILB)のアクセスを実現し、この場合において、第1メモリーモジュール21には比較的高い安全水準のアドレス範囲と比較的低い安全水準のアドレス範囲の両方が存在する。実際の適用において、実際のニーズに応じて比較的高い安全水準だけに対してアクセスする第1メモリーモジュール21及び第2メモリーモジュール22を設置してもよく、この場合において、第1メモリーモジュール21のアドレス範囲と第2メモリーモジュール22のアドレス範囲は一対一で対応する。具体的には、実際のニーズに応じて設置することができる。
【0031】
本開示は、第1メモリーモジュール21から読み取られた第1データと第2メモリーモジュール22から読み取られた第2データを比較し、比較結果に基づいてデータエラー信号を決定することにより、第1データと第2データの一致性を保証し、一致しない場合には速やかに上に報告して、比較的高い安全水準のアクセスの安全性を実現できる。
【0032】
図4は、本開示の例示的な実施例によって提供される読み出しチャネルモジュール24の構造模式図である。
【0033】
任意選択的な例で、前記読み出しチャネルモジュール24は、第1バスインタフェース回路241と、第2バスインタフェース回路242とを含む。
【0034】
第1バスインタフェース回路241は、前記第1メモリーモジュール21に接続され、前記第1メモリーモジュール21から読み取られた前記第1データを受信し、前記第1データを前記プロセッサー及び前記データ比較モジュール25に伝送するために用いられ、第2バスインタフェース回路242は、前記第2メモリーモジュール22に接続され、前記第2メモリーモジュール22から読み取られた前記第2データを受信し、前記第2データを前記データ比較モジュール25に伝送するために用いられる。
【0035】
第1バスインタフェース回路241及び第2バスインタフェース回路242としては、いずれも、いずれの実施可能なバスインタフェース回路を用いてもよく、具体的には、実際のニーズに応じて設置することができ、例えば、第1バスインタフェース回路241及び第2バスインタフェース回路242は、AXI、AHB、APB、CHIなどのバスプロトコルをサポートするバスインタフェース回路であってもよい。
【0036】
例示的に、図5は、本開示の別の例示的な実施例によって提供される読み出しチャネルモジュール24の構造模式図である。本例で、第1バスインタフェース回路241及び第2バスインタフェース回路242は、それぞれ、バスによって第1メモリーモジュール21と第2メモリーモジュール22に接続され、第1データ及び第2データの読み取りを実現する。
【0037】
本開示は、2つのバスインタフェース回路がそれぞれ2つのメモリーモジュールのデータを読み取ることにより、2つのアクセス動作の並列処理を実現し、アクセス効率を向上させる。
【0038】
図6は、本開示のさらにもう1つの例示的な実施例によって提供される読み出しチャネルモジュール24の構造模式図である。
【0039】
任意選択的な例で、前記読み出しチャネルモジュール24は、第1リードキャッシュユニット243と、第2リードキャッシュユニット244とをさらに含む。
【0040】
第1リードキャッシュユニット243は、前記プロセッサー、前記第1バスインタフェース回路241、前記データ比較モジュール25にそれぞれ接続され、前記第1バスインタフェース回路241によって受信される前記第1データをキャッシュし、前記第1データを前記プロセッサー及び前記データ比較モジュール25に出力するために用いられ、第2リードキャッシュユニット244は、前記第2バスインタフェース回路242及び前記データ比較モジュール25にそれぞれ接続され、前記第2バスインタフェース回路242によって受信される前記第2データをキャッシュし、前記第2データを前記データ比較モジュール25に出力するために用いられる。
【0041】
第1リードキャッシュユニット243及び第2リードキャッシュユニット244としては、いずれの実施可能なキャッシュメモリーを用いてもよい。例えば、スタティックランダムアクセスメモリー(Static Random-Access Memory、略称SRAM)であってもよく、具体的には、実際のニーズに応じて設置することができる。第1バスインタフェース回路241は、第1メモリーモジュール21から第1データを読み取った後に第1リードキャッシュユニット243にキャッシュし、第1リードキャッシュユニット243は第1データをプロセッサー及びデータ比較モジュール25に伝送し、第2バスインタフェース回路242は第2メモリーモジュール22から第2データを読み取った後に第2リードキャッシュユニット244にキャッシュし、第2リードキャッシュユニット244は、第1データとの比較に備えて、第2データをデータ比較モジュール25に伝送する。
【0042】
任意選択的に、第1リードキャッシュユニット243は、バスによってプロセッサーに接続されてもよく、プロセッサーは、バスによって第1リードキャッシュユニット243から第1データを取得する。
【0043】
本開示は、2つのリードキャッシュユニットを、それぞれ、2つのメモリーモジュールから読み取られたデータをキャッシュするために用いることにより、データ比較モジュール25に入力される第1データと第2データの同期性を効果的に保証することができ、バスのバックプレッシャーに対処するために役立ち、例えば、バスがビジーであるため第1データは読み取られたが第2データはまだ読み取られないことがあり得るが、この時にはデータの比較を行うことができず、キャッシュによってすでに読み取られた第1データをキャッシュしてもよく、第2データがキャッシュされた後、データ比較モジュール25の動作はトリガーされる。
【0044】
図7は、本開示の例示的な実施例によって提供されるデータ比較モジュール25の構造模式図である。
【0045】
任意選択的な例で、前記データ比較モジュール25は、排他的論理和回路ユニット251を含み、前記排他的論理和回路ユニット251は、第1入力端2511と、第2入力端2512と、出力端2513とを含む。
【0046】
前記第1入力端2511は、前記第1リードキャッシュユニット243に接続され、前記第1データを入力するために用いられ、前記第2入力端2512は、前記第2リードキャッシュユニット244に接続され、前記第2データを入力するために用いられ、前記出力端2513は、エラー処理モジュール30に接続され、前記エラー処理モジュール30に前記データエラー信号を出力するために用いられる。
【0047】
排他的論理和回路ユニット251は、第1入力端2511から入力される第1データ及び第2入力端2512から入力される第2データに基づいて、排他的論理和論理処理を実行し、即ち、第1データと第2データが異なる場合は、出力結果は1であり、データエラー信号とする。排他的論理和論理の具体的な実現については、ここで説明を省略する。
【0048】
本開示は、排他的論理和論理ユニットによって第1データと第2データの比較を実現し、第1データと第2データが異なる場合は、データエラー信号を発して、メモリーアクセスの安全性を保証する。
【0049】
図8は、本開示のもう1つの例示的な実施例によって提供される読み出しチャネルモジュール24の構造模式図である。
【0050】
任意選択的な例で、前記読み出しチャネルモジュール24は、論理和回路245をさらに含む。
【0051】
前記第1バスインタフェース回路241は、前記論理和回路245にも接続され、前記第1バスインタフェース回路241は、バスのバックプレッシャー信号を受信し、前記論理和回路245に第1準備信号を出力するためにも用いられ、前記第2バスインタフェース回路242は、前記論理和回路245にも接続され、前記第2バスインタフェース回路242は、バスのバックプレッシャー信号を受信し、前記論理和回路に第2準備信号を出力するためにも用いられ、前記論理和回路245は、前記第1準備信号及び/又は前記第2準備信号に応じて、前記プロセッサーに第3準備信号を出力するために用いられ、前記第3準備信号は、読み書き動作を開始しないことを前記プロセッサーに通知するためのものである。
【0052】
バスは、第1バスインタフェース回路241、第2バスインタフェース回路242と第1メモリーモジュール21、第2メモリーモジュール22との連通を実現するものであり、バックプレッシャー信号は、バスの入口トラフィックが出口トラフィックより大きいことを表す。第1バスインタフェース回路241は、バスのバックプレッシャー信号を受信した後、論理和回路245に、一時的に読み書き動作を開始しないことを表すための第1準備信号を出力し、例えば、当該第1準備信号はローレベル又は「0」によって表すことができ、第2バスインタフェース回路242の第2準備信号については同様であり、説明は省略する。論理和回路245は、第1バスインタフェース回路241の第1準備信号及び/又は第2バスインタフェース回路242の第2準備信号を受信した後、プロセッサーに第3準備信号を出力し、第3準備信号は、読み書き動作を開始しないことをプロセッサーに通知するためのものである。第3準備信号も、ローレベル又は「0」によって表すことができる。即ち、論理和回路245によって実現される機能は、2つの入力端のいずれかが0であれば0を出力することである。
【0053】
実際の適用において、準備信号(第1準備信号、第2準備信号、第3準備信号を含む)は、ハンドシェイクプロトコルにおけるready信号によって実現され、ready信号が高いほうにセットされる(1である)場合は、読み書き動作を開始してもよいことを表し、ready信号が低いほうにセットされる(0である)場合は、読み書き動作を開始しないことを表し、当然ながら、ハンドシェイクプロトコルには、さらに有效信号(valid)が含まれ、ハンドシェイクの具体的な原理については、ここで説明を省略する。実際の適用において、プロトコルによって異なる表示方法で実現してもよく、対応する目的を達成することさえできればよく、本開示では限定しない。
【0054】
本開示は、論理和回路によって、いずれかのバスインタフェース回路(第1バスインタフェース回路241及び/又は第2バスインタフェース回路242)がバスのバックプレッシャー信号を受信した時に、いずれもプロセッサーに通知を発することができ、読み書き動作を開始しないことをプロセッサーに通知することにより、バスの負荷を緩和させる。
【0055】
図9は、本開示の例示的な実施例によって提供されるアクセス信号決定モジュール23の構造模式図である。
【0056】
任意選択的な例で、前記アクセス信号決定モジュール23は、第1アドレスレジスター234と、第2アドレスレジスター235とをさらに含む。
【0057】
第1アドレスレジスター234は、前記予め設定された水準に対応するアドレス範囲の上限値を記憶するために用いられ、第2アドレスレジスター235は、前記予め設定された水準に対応するアドレス範囲の下限値を記憶するために用いられ、前記アドレスフィルタリング回路232は、第1比較ユニット2321と、第2比較ユニット2322と、判断ユニット2323とを含む。
【0058】
第1比較ユニット2321は、前記インタフェース回路231及び前記第1アドレスレジスター234にそれぞれ接続され、前記インタフェース回路231によって受信される前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスを前記第1アドレスレジスター234における前記上限値と比較して、第1比較結果を得るために用いられ、第2比較ユニット2322は、前記インタフェース回路231及び前記第2アドレスレジスター235にそれぞれ接続され、前記インタフェース回路231によって受信される前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスを前記第2アドレスレジスター235における前記下限値と比較して、第2比較結果を得るために用いられ、判断ユニット2323は、前記第1比較ユニット2321、前記第2比較ユニット2322、及び前記アクセス信号処理回路233にそれぞれ接続され、前記第1比較結果及び前記第2比較結果に基づいて、前記アクセス信号処理回路233に安全水準適合状態を出力するために用いられ、前記安全水準適合状態は、前記目標安全水準が前記予め設定された水準に適合する又は適合しない2つの状態を含む。
【0059】
予め設定された水準に対応するアドレス範囲の上限値及び下限値は、それぞれ、第1アドレスレジスター234及び第2アドレスレジスター235に事前に配置されてもよく、具体的な配置方式は限定せず、例えば、チップのメインプロセッサーによってレジスターに配置を行ってもよい。例えば、予め設定された水準に対応するアドレス範囲は0~1000であり、上限値0に対応するバイナリー数値を第1アドレスレジスター234に書き込み、1000に対応するバイナリー値を第2アドレスレジスター235に書き込んでもよく、具体的な説明は省略する。第1比較ユニット2321及び第2比較ユニット2322は、コンパレーターによって比較機能を実現でき、具体的には、実際のニーズに応じて設置することができる。第1比較結果は、アクセスアドレスが上限値より小さい、上限値に等しい、上限値より大きいという3つのケースを含んでもよく、第2比較結果は、アクセスアドレスが下限値より大きい、下限値に等しい、下限値より小さいという3つのケースを含んでもよい。又は、実際のニーズに応じて、第1比較結果における上限値より小さいことと上限値に等しいことを1つにまとめ、即ち上限値より小さい又は等しいことにしてもよく、第2比較結果におけるアクセスアドレスが下限値より大きいことと下限値に等しいことを1つにまとめ、即ち下限値より大きい又は等しいことにしてもよく、具体的には、実際のニーズに応じて設置することができる。異なるケースは異なる出力で表示することができ、例えば、第1比較ユニット2321にとって、アクセスアドレスが上限値より小さい又は等しいと決定される場合に出力される第1比較結果は1であり、そうでなければ、出力される第1比較結果は0であり、第2比較ユニット2322によってアクセスアドレスが下限値より大きい又は等しいと決定される場合に出力される第2比較結果は1であり、そうでなければ、第2比較結果は0と出力する。これにより、判断ユニット2323は、第1比較結果及び第2比較結果の異なるケースに基づいて、安全水準適合状態を決定することができ、安全水準適合状態は、適合及び不適合の2つの状態を含んでもよく、異なる状態は異なる符号で表すことができ、例えば、適合を1と表し、不適合を0と表し、そうすると、第1比較結果が1であり且第2比較結果が1である場合は、アクセスアドレスは予め設定された水準に対応するアドレス範囲内にあることを表し、安全水準適合状態は1であり、この場合において、判断ユニット2323は論理積回路によって実現でき、即ち2つの入力がいずれも1である場合は1を出力する。実際の適用において、第1比較ユニット2321、第2比較ユニット2322及び判断ユニット2323の具体的な実現方式は、実際のニーズに応じて設置することができ、上記の例示的な方式に限らない。
【0060】
本開示は、予め設定された水準に対応するアドレス範囲が事前に配置される第1アドレスレジスター234及び第2アドレスレジスター235が、第1比較ユニット2321及び第2比較ユニット2322にそれぞれ比較の根拠を提供することにより、比較的高い安全水準のアクセスアドレスの認識を実現し、これによって比較的高い安全水準の安全要求に適合するメモリーアクセスを提供し、機能の安全性を一層保証する。
【0061】
任意選択的な例で、前記アクセス信号処理回路233は、前記判断ユニット2323に接続される有限状態マシン2331を含み、前記安全水準適合状態が適合である場合に、前記第1メモリーアクセス信号の前記アクセスアドレスに予め設定されたシフト情報を加えて前記シフト後のアドレスを得て、前記シフト後のアドレスに基づいて前記第2メモリーアクセス信号を得て、前記第2メモリーアクセス信号を前記第2メモリーモジュール22に伝送するために用いられる。
【0062】
有限状態マシン2331をFSM(Finite-State Machine)と略称することができ、その役割は、対象がそのライフサイクルにおいて経験する状態シーケンス、及び、外部のイベントにどのように応答するかを説明することであり、本開示では、有限状態マシン2331は判断ユニット2323によって出力される異なる安全水準適合状態に基づいて異なる応答を行い、安全水準適合状態が適合(例えば、1)である場合は、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに予め設定されたシフト情報を加えてシフト後のアドレスを得て、さらに、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を決定し、第2メモリーアクセス信号を第2メモリーモジュール22に伝送する。第1メモリーアクセス信号は、アドレスフィルタリング回路232から得られてもよいし、インタフェース回路231から得られてもよく、具体的には、実際のニーズに応じて設定することができる。予め設定されたシフト情報は、レジスターに事前に配置されてもよく、有限状態マシン2331は、当該レジスターから当該予め設定されたシフト情報を取得して第1メモリーアクセス信号におけるアクセスアドレスにアドレスシフトを行って、シフト後のアドレスを得ることができ、さらに、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を決定して第2メモリーモジュール22に伝送する。
【0063】
任意選択的な例で、アクセス信号処理回路233は、他の方式によって実現されてもよく、前記有限状態マシン2331の実現方式には限らない。
【0064】
図10は、本開示の例示的な実施例によって提供されるアクセス信号処理回路233の構造模式図である。
【0065】
任意選択的な例で、前記アクセス信号処理回路233は、前記有限状態マシン2331に接続され、前記予め設定されたシフト情報を記憶するために用いられる第1レジスター2332をさらに含む。
【0066】
予め設定されたシフト情報は、いずれの可能なタイミングに第1レジスター2332に配置されてもよく、例えば、チップが起動するたびにチップのメインプロセッサーによって配置されてもよく、具体的には、実際のニーズに応じて設置することができ、本開示では限定しない。
【0067】
任意選択的な例で、予め設定されたシフト情報は、実際のニーズに応じて常に更新されてもよく、例えば、メモリーアドレスコードを更新することにより新しい第1メモリーモジュール21及び第2メモリーモジュール22のアドレス範囲を設定する場合は、新しいアドレス範囲のシフト関係に基づいて、新しい予め設定されたシフト情報を第1レジスター2332に書き込み、具体的には、実際のニーズに応じて設定することができる。
【0068】
本開示は、第1レジスター2332が予め設定されたシフト情報を記憶することにより、ユーザーは、実際のニーズに応じて、予め設定されたシフト情報を配置して、汎用性及びユーザーエクスペリエンスを向上させることに役立つ。
【0069】
図11は、本開示の別の例示的な実施例によって提供されるアクセス信号決定モジュール23の構造模式図である。
【0070】
任意選択的な例で、前記アクセス信号決定モジュール23は、前記インタフェース回路231及び前記アクセス信号処理回路233にそれぞれ接続され、チャネルを選択して前記第1メモリーアクセス信号及び前記第2メモリーアクセス信号を伝送するために用いられるチャネル選択回路236をさらに含む。
【0071】
チャネル選択回路236は、バスによって、第1メモリーモジュール21及び第2メモリーモジュール22にそれぞれ接続され、チャネル選択回路236は、いずれの実施可能な方式によってチャネルの選択を実現でき、例えば、データセレクタ(MUX)によってチャネルの切り替えを実現して、第1メモリーアクセス信号及び第2メモリーアクセス信号を第1メモリーモジュール21及び第2メモリーモジュール22に伝送することができる。具体的な説明は省略する。
【0072】
任意選択的に、チャネル選択回路236を備える場合は、有限状態マシン2331の出力によってチャネル選択回路236は1回発送するか2回発送するかを決定することができ、1回発送するとは、アクセスアドレスが予め設定された水準のアドレス範囲に属さない場合に、アドレスシフトによる第2メモリーアクセス信号の生成はせず、チャネル選択回路236が直接インタフェース回路231チャネルに切り替えて第1メモリーアクセス信号を第1メモリーモジュール21に伝送することを指し、2回発送するとは、アクセスアドレスが予め設定された水準のアドレス範囲に属する場合に、第1メモリーアクセス信号を送信する必要もあれば第2メモリーアクセス信号を送信する必要もあるため、チャネル選択回路236は2回発送する必要があり、インタフェース回路231のチャネルにおいて第1メモリーアクセス信号を第1メモリーモジュール21に伝送してから、アクセス信号処理回路233のチャネルに切り替えて第2メモリーアクセス信号を第2メモリーモジュール22に伝送してもよい。
【0073】
本開示は、チャネル選択回路236によって第1メモリーアクセス信号及び第2メモリーアクセス信号の伝送を実現し、インタフェース回路231及びアクセス信号処理回路233が、それぞれ、バスによって第1メモリーモジュール21及び第2メモリーモジュール22に接続されるのと比べると(即ち、インタフェース回路231では1つのバスインタフェースによってバスに接続される必要があり、バスは1つのバスインタフェースによって第1メモリーモジュール21に接続され、アクセス信号処理回路233では1つのバスインタフェースによってバスに接続される必要があり、バスは1つのバスインタフェースによって第2メモリーモジュール22に接続され、合計で4つのバスインタフェースを必要とする)、1つのバスインタフェースによって2つのメモリーアクセス信号の伝送を実現することが実現され(即ち、チャネル選択回路は1つのバスインタフェースによってバスに接続され、バスは2つのバスインタフェースによって、第1メモリーモジュール21及び第2メモリーモジュール22にそれぞれ接続され、合計で3つのバスインタフェースを必要とする)、これによってバスインタフェースを1つ減らすことができる。
【0074】
本開示の前記各実施例又は任意選択的な例は単独で実施してもよいし、矛盾がない限り自由に組み合わせる方式で組み合わせて実施してもよく、ここで説明は省略する。
【0075】
任意選択的な例で、図12は、本開示のさらにもう1つの例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路の組み合わせ実施の構造模式図である。本例で、当該集積回路20は、第1メモリーモジュール21と、第2メモリーモジュール22と、アクセス信号決定モジュール23と、読み出しチャネルモジュール24と、データ比較モジュール25とを含む。各モジュールの具体的な実現及び機能は前記実施例又は任意選択的な例を参照し、ここで更なる説明は省略する。
【0076】
本開示の図面における構造図は、いずれも接続の模式図であり、実際に実現する時には集積回路の各部分の配置は、実際のニーズに応じて設定することができ、本開示では限定しない。
【0077】
本開示の集積回路の各構成部分の全て又は一部をハードウェアによって論理的に実現することにより、リアルタイム性を保証することができ、具体的には、実際のニーズに応じて設置することができる。
【0078】
本実施例によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路は、ハードウェアのアドレスシフトによってソフトウェアを介しないプロセッサーアクセス動作を実現でき、2つのメモリーコントローラー(例えば、DDRコントローラー)を同時に制御して、比較的高い安全水準(例えば、ASILD水準)のアクセスを2つの独立的な比較的低い安全水準(例えば、ASILB水準)のデータアクセスパスに分解することにより、比較的低い安全水準のメモリー機器によって比較的高い安全水準の場面のための記憶能力を提供することを実現し、比較的高い安全水準の場面の記憶要求を効果的に満たす。
【0079】
例示的な方法:
図13は、本開示の例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための処理方法のフローチャートである。本実施例は、比較的高い安全水準のメモリーアクセスを必要とするいずれの電子機器に適用されてもよく、具体的には、例えば、チップに用いられ、図13に示されるとおり、本開示の方法は、下記のステップを含む。
ステップ501において、プロセッサーが第1メモリーモジュールにアクセスする第1メモリーアクセス信号を第1メモリーモジュールに伝送し、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに対応する目標安全水準を決定する。
【0080】
ステップ502において、目標安全水準が予め設定された水準であることに応じて、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスにアドレスシフトを行い、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を取得する。
【0081】
ステップ503において、第2メモリーアクセス信号を第2メモリーモジュールに伝送する。
【0082】
本実施例の各ステップの具体的な動作は、前記実施例を参照し、ここで更なる説明は省略する。
【0083】
図14は、本開示の別の例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための処理方法のフローチャートである。
【0084】
任意選択的な例で、本開示の方法は、さらに、以下を含む。
ステップ504において、第1メモリーモジュールから第1データを読み取り、第2メモリーモジュールから第2データを読み取り、
ステップ505において、第1データと第2データを比較し、比較結果に基づいて、データエラー信号を決定する。
【0085】
任意選択的な例で、ステップ504で第1メモリーモジュールから第1データを読み取った後、さらに、以下を含む。
ステップ506において、第1データをプロセッサーに伝送する。
【0086】
図15は、本開示のさらにもう1つの例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための処理方法のフローチャートである。
【0087】
任意選択的な例で、ステップ504で第1メモリーモジュールから第1データを読み取り、第2メモリーモジュールから第2データを読み取った後、さらに、以下を含む。
ステップ507において、第1データを第1リードキャッシュユニットにキャッシュし、これにより第1リードキャッシュユニットは、第2データとの比較に備えて、第1データをプロセッサーに伝送する。
【0088】
ステップ508において、第1データとの比較に備えて、第2データを第2リードキャッシュユニットにキャッシュする。
【0089】
任意選択的な例で、ステップ505で第1データと第2データを比較し、比較結果に基づいて、データエラー信号を決定した後、さらに、以下を含む。
ステップ509において、エラー処理モジュールにデータエラー信号を出力する。
【0090】
図16は、本開示のもう1つの例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための処理方法のフローチャートである。
【0091】
任意選択的な例で、本開示の方法は、さらに、以下を含む。
ステップ601において、バスのバックプレッシャー信号を受信し、バックプレッシャー信号に応じてプロセッサーに第3準備信号を出力し、第3準備信号は、読み書き動作を開始しないことをプロセッサーに通知するためのものである。
【0092】
ステップ601と前記各ステップに順番が設けられない。
【0093】
図17は、本開示のさらにもう1つの例示的な実施例によって提供されるメモリーアクセスのための処理方法のフローチャートである。
【0094】
任意選択的な例で、本開示の方法は、さらに、以下を含む。
ステップ602において、予め設定された水準に対応するアドレス範囲の上限値を第1アドレスレジスターに記憶する。
【0095】
具体的には、プロセッサーの第1書き込み命令に応じて、予め設定された水準に対応するアドレス範囲の上限値を第1アドレスレジスターに記憶することであってもよい。第1書き込み命令は、ユーザーが端末機器によってトリガーしたものであってもよく、レジスターの具体的な配置方式は限定されない。
【0096】
ステップ603において、予め設定された水準に対応するアドレス範囲の下限値を第2アドレスレジスターに記憶する。
【0097】
レジスターの具体的な配置は、第1アドレスレジスターを参照し、説明は省略する。
【0098】
プロセッサーが第1メモリーモジュールにアクセスする第1メモリーアクセス信号を第1メモリーモジュールに伝送し、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに対応する目標安全水準を決定するステップ501は、以下を含む。
ステップ5011において、プロセッサーが第1メモリーモジュールにアクセスする第1メモリーアクセス信号を第1メモリーモジュールに伝送する。
【0099】
ステップ5012において、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスと第1アドレスレジスターにおける上限値を比較して、第1比較結果を得、
ステップ5013において、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスと第2アドレスレジスターにおける下限値を比較して、第2比較結果を得、
ステップ5014において、第1比較結果及び第2比較結果に基づいて、安全水準適合状態を決定し、安全水準適合状態は、目標安全水準が予め設定された水準に適合する又は適合しないという2つの状態を含む。
【0100】
ここで、ステップ5011とステップ5012に順番が設けられない。
【0101】
任意選択的な例で、目標安全水準が予め設定された水準であることに応じて、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスにアドレスシフトを行い、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を取得するステップ502は、以下を含む。
ステップ5021において、安全水準適合状態が適合であることに応じて、第1メモリーアクセス信号のアクセスアドレスに予め設定されたシフト情報を加えてシフト後のアドレスを得て、シフト後のアドレスに基づいて第2メモリーアクセス信号を得て、第2メモリーアクセス信号を第2メモリーモジュールに伝送する。
【0102】
任意選択的な例で、本開示の方法は、さらに、以下を含む。
ステップ604において、予め設定されたシフト情報を第1レジスターに記憶する。
【0103】
第1レジスターの配置原理は、前記第1アドレスレジスターに似ており、ここで説明は省略する。
【0104】
任意選択的な例で、本開示の方法は、チャネルの選択によって第1メモリーアクセス信号及び第2メモリーアクセス信号の伝送を実現することをさらに含む。
【0105】
本開示の方法実施例における各ステップの具体的な動作は、前記集積回路実施例を参照し、ここで説明は省略する。
【0106】
本開示の実施例によって提供されるいずれのメモリーアクセスのための処理方法は、データ処理能力を備えるいずれの適切な機器によって実行されてもよく、それは、端末機器、サーバなどを含み、ただしそれらに限定されない。又は、本開示の実施例によって提供されるいずれのメモリーアクセスのための処理方法はプロセッサーによって実行されてもよく、例えば、プロセッサーは、メモリーに記憶されている対応する命令を呼び出すことによって本開示の実施例において言及されるいずれのメモリーアクセスのための処理方法を実行する。以下、説明は省略する。
【0107】
例示的な電子機器:
本開示の実施例は、また、コンピュータープログラムを記憶するために用いられるメモリーと、
前記メモリーに記憶されているコンピュータープログラムを実行するために用いられ、且前記コンピュータープログラムが実行される時に、本開示の前記いずれかの実施例に記載のメモリーアクセスのための処理方法が実現されるプロセッサーとを含む電子機器を提供する。
【0108】
図18は、本開示の電子機器の1つの適用実施例の構造模式図である。本実施例で、当該電子機器10は、1つ又は複数のプロセッサー11と、メモリー12とを含む。
【0109】
プロセッサー11は、中央処理装置(CPU)、又はデータ処理能力及び/若しくは命令実行能力を備える他の形式の処理ユニットであってもよく、且、電子機器10における他の構成要素を制御して所望の機能を実行させることができる。
【0110】
メモリー12は、1つ又は複数のコンピュータープログラム製品を含んでもよく、前記コンピュータープログラム製品は、例えば、揮発性メモリー及び/又は不揮発性メモリーなど、様々な形式のコンピューター可読記憶媒体を含んでもよい。前記揮発性メモリーは、例えば、ランダムアクセスメモリー(RAM)及び/又はキャッシュ(cache)などを含んでもよい。前記不揮発性メモリーは、例えば、読み取り専用メモリー(ROM)、ハードディスク、フラッシュメモリーなどを含んでもよい。前記コンピューター可読記憶媒体には1つ又は複数のコンピュータープログラム命令が記憶されていてもよく、プロセッサー11は、前記プログラム命令を実行して、上述した本開示の各実施例の方法及び/又は他の所望の機能を実現できる。前記コンピューター可読記憶媒体には、入力信号、信号成分、ノイズ成分などの様々な内容が記憶されてもよい。
【0111】
一例で、電子機器10は、入力装置13と、出力装置14とをさらに含んでもよく、これらの構成要素は、バスシステム及び/又は他の形式の接続機構(不図示)によって互いに接続される。
【0112】
例えば、当該入力装置13は、音源の入力信号を捉えるために用いられるマイクロフォン又はマイクロフォンアレイであってもよい。
【0113】
また、当該入力装置13は、例えば、キーボード、マウスなどをさらに含んでもよい。
【0114】
当該出力装置14は、外部に、決定された距離情報、方向情報などの様々な情報を出力することができる。当該出力装置14は、例えば、ディスプレイ、スピーカー、プリンター、及び通信ネットワークとそれに接続された遠隔出力機器などを含んでもよい。
【0115】
当然ながら、簡素化のために、図18では、当該電子機器10における本開示に関係のある構成要素の一部だけが示されており、バス、入力/出力インタフェースなどの構成要素は省略される。また、具体的な適用場面に応じて、電子機器10は、他にいずれの適切な構成要素をさらに含んでもよい。
【0116】
任意選択的な例で、図19は、本開示の電子機器の別の適用実施例の構造模式図である。本実施例で、当該電子機器10は、上記のいずれかの実施例又は任意選択的な例によって提供されるメモリーアクセスのための集積回路20を含む。
【0117】
例示的なコンピュータープログラム製品及びコンピューター可読記憶媒体:
上記の方法及び機器に加え、本開示の実施例は、コンピュータープログラム命令を含むコンピュータープログラム製品であってもよく、前記コンピュータープログラム命令がプロセッサーによって実行される時に、前記プロセッサーは本明細書に記載の「例示的な方法」の部分で説明されている本開示の様々な実施例による方法のステップを実行する。
【0118】
なお、上記で特定の実施例を用いて本開示の基本原理を説明しているが、本開示で言及される長所、利点、効果などはいずれも限定ではなく例であり、これらの長所、利点、効果などは本開示の各実施例が備えなければならないと考えることはできない。また、上記で開示されている詳細な内容は限定ではなく例示及び理解のために供するものであり、上述した詳細は、本開示は上記の詳細な内容で実現しなければならないと限定するものではない。
【0119】
本明細書で各実施例はいずれも芋づる式で説明されており、各実施例の説明では、他の実施例と異なる部分に重点が置かれ、各実施例で同じ又は似ている部分は互いに参照することができる。システム実施例としては、方法実施例に基本的に対応しているため、簡単に説明されているが、関連する箇所は方法実施例の部分の説明を参照してよい。
【0120】
本開示に係るデバイス、装置、機器、システムのブロック図は例示的なものに過ぎず、ブロック図に示される方式で接続、配置、構成しなければならないと要求又は示唆するものではない。当業者は、これらのデバイス、装置、機器、システムはいかなる方式で接続、配置、構成されてもよいということに想到するのだろう。
【0121】
本開示の方法及び装置は多くの方式で実現できる。例えば、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアのいかなる組み合わせでも本開示の方法及び装置を実現できる。前記方法のステップの上述した順番は、説明をするためにつけたものに過ぎず、本開示の方法のステップは上記で具体的に説明されている順番に限定されず、他に特に説明される場合は除く。また、一部の実施例で、本開示は、記録媒体に記録されるプログラムとして実施されてもよく、これらのプログラムは、本開示に係る方法を実現するための機械可読命令を含む。したがって、本開示は、本開示に係る方法を実行するためのプログラムを記憶する記録媒体をカバーしている。
【0122】
なお、本開示の装置、機器及び方法において、各構成要素又は各ステップは分解され且/又は改めて組み合わされてもよい。これらの分解及び/又は組み合わせを本開示と同等な構成と見なすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19