(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024625
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】非地上ネットワークにアクセスを提供するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20240215BHJP
H04W 72/20 20230101ALI20240215BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240215BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240215BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20240215BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20240215BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W72/20
H04W72/0446
H04W72/0453 110
H04W72/1268
H04W84/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130499
(22)【出願日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】10-2022-0099593
(32)【優先日】2022-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】516163947
【氏名又は名称】シンクウェア コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】THINKWARE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】9Fl., Samwhan Hipex A, 240, Pangyoyeok-ro, Bundang-gu, Seongnam-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】キム,ダウォン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,テギュ
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジョンギュ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA01
5K067AA22
5K067CC02
5K067CC04
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE07
5K067EE10
5K067EE72
5K067JJ21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】非地上ネットワークにアクセスを提供するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】NR(new radio)アクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置によって実行される方法は、NTNゲートウェイが、NTN設定情報を生成する動作と、生成されたNTN設定情報を含むメッセージを、NTNペイロードを介して、UEに送信する動作とを含む。NTN設定情報は、スケジューリングオフセット情報を含む。スケジューリングオフセット情報は、PDCCH受信とPUCCH送信との間の差又はPDCCH受信とPUSCH送信との間の差に適用される。スケジューリングオフセット情報は、NRのFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NR(new radio)アクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置によって実行される方法において、
NTN設定情報を生成する動作と、
前記生成されたNTN設定情報を含むメッセージを、NTNペイロードを介して、UE(user equipment)に送信する動作とを含み、
前記NTN設定情報は、スケジューリングオフセット情報を含み、
前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され、
前記スケジューリングオフセット情報は、NRのFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示される方法。
【請求項2】
前記NTN設定情報は、MAC(medium access control)CE(control element)オフセット情報をさらに含み、
前記MAC CEオフセット情報は、MAC CE受信及びMAC CE活性時点間の差に適用され、
前記MAC CEオフセット情報は、前記SCSに基づいて、スロットの数を介して指示される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記SCSは、60kHz( kilohertz)であり、
前記メッセージは、SIB(system information block)19を含むSI(system information)メッセージ、RRC再構成(reconfiguration)メッセージ、RRC設定(setup)メッセージ、又はRRC再開(resume)メッセージを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記NTN設定情報は、エポック(epoch)時間に関する情報と、UL(uplink)同期のための有効時間に関する情報とを含み、
前記UL同期のための有効時間に関する情報は、複数の可能な値のうちの1つを指示し、
前記複数の可能な値のうち少なくとも1つは、900秒より大きい値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記エポック時間に関する情報は、HFN(hyper frame number)、SFN(system frame number)、及びサブフレーム番号に基づいて指示される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
UE(user equipment)によって実行される方法において、
NRアクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置から、NTN設定情報を含むメッセージを受信する動作と、
前記NTN設定情報からスケジューリングオフセット情報を識別する動作とを含み、
前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され、
前記スケジューリングオフセット情報は、NR(new radio)のFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示される方法。
【請求項7】
前記NTN設定情報は、MAC(medium access control)CE(control element)オフセット情報をさらに含み、
前記MAC CEオフセット情報は、MAC CE受信及びMAC CE活性時点間の差に適用され、
前記MAC CEオフセット情報は、前記SCSに基づいて、スロットの数を介して指示される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記SCSは、60kHz(kilohertz)であり、
前記メッセージは、SIB(system information block)19を含むSI(system information)メッセージ、RRC再構成(reconfiguration)メッセージ、RRC設定(setup)メッセージ、又はRRC再開(resume)メッセージを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記NTN設定情報は、エポック(epoch)時間に関する情報と、UL(uplink)同期のための有効時間に関する情報とを含み、
前記UL同期のための有効時間に関する情報は、複数の可能な値のうちの1つを指示し、
前記複数の可能な値のうち少なくとも1つは、900秒より大きい値を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記エポック時間に関する情報は、HFN(hyper frame number)、SFN(system frame number)、及びサブフレーム番号に基づいて指示される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
NR(new radio)アクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置において、
少なくとも1つの送受信機と、
前記少なくとも1つの送受信機と結合される少なくとも1つのプロセッサとを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
NTN設定情報を生成し、
前記生成されたNTN設定情報を含むメッセージを、NTNペイロードを介して、UE(user equipment)に送信するように構成され、
前記NTN設定情報は、スケジューリングオフセット情報を含み、
前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され、
前記スケジューリングオフセット情報は、NRのFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示される、NTN装置。
【請求項12】
前記NTN設定情報は、MAC(medium access control)CE(control element)オフセット情報をさらに含み、
前記MAC CEオフセット情報は、MAC CE受信及びMAC CE活性時点間の差に適用され、
前記MAC CEオフセット情報は、前記SCSに基づいて、スロットの数を介して指示される、請求項11に記載のNTN装置。
【請求項13】
前記SCSは、60kHz(kilohertz)であり、
前記メッセージは、SIB(system information block)19を含むSI(system information)メッセージ、RRC再構成(reconfiguration)メッセージ、RRC設定(setup)メッセージ、又はRRC再開(resume)メッセージを含む、請求項11に記載のNTN装置。
【請求項14】
前記NTN設定情報は、エポック(epoch)時間に関する情報と、UL(uplink)同期のための有効時間に関する情報とを含み、
前記UL同期のための有効時間に関する情報は、複数の可能な値のうちの1つを指示し、
前記複数の可能な値のうち少なくとも1つは、900秒より大きい値を有する、請求項11に記載のNTN装置。
【請求項15】
前記エポック時間に関する情報は、HFN(hyper frame number)、SFN(system frame number)、及びサブフレーム番号に基づいて指示される、請求項14に記載のNTN装置。
【請求項16】
UE(user equipment)において、
少なくとも1つの送受信機と、
前記少なくとも1つの送受信機と結合される少なくとも1つのプロセッサとを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
NRアクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置から、NTN設定情報を含むメッセージを受信し、
前記NTN設定情報からスケジューリングオフセット情報を識別するように構成され、
前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され、
前記スケジューリングオフセット情報は、NR(new radio)のFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示される、UE。
【請求項17】
前記NTN設定情報は、MAC(medium access control)CE(control element)オフセット情報をさらに含み、
前記MAC CEオフセット情報は、MAC CE受信及びMAC CE活性時点間の差に適用され、
前記MAC CEオフセット情報は、前記SCSに基づいて、スロットの数を介して指示される、請求項16に記載のUE。
【請求項18】
前記SCSは、60kHz(kilohertz)であり、
前記メッセージは、SIB(system information block)19を含むSI(system information)メッセージ、RRC再構成(reconfiguration)メッセージ、RRC設定(setup)メッセージ、又はRRC再開(resume)メッセージを含む、請求項16に記載のUE。
【請求項19】
前記NTN設定情報は、エポック(epoch)時間に関する情報と、UL(uplink)同期のための有効時間に関する情報とを含み、
前記UL同期のための有効時間に関する情報は、複数の可能な値のうちの1つを指示し、
前記複数の可能な値のうち少なくとも1つは、900秒より大きい値を有する、請求項16に記載のUE。
【請求項20】
前記エポック時間に関する情報は、HFN(hyper frame number)、SFN(system frame number)、及びサブフレーム番号に基づいて指示される、請求項19に記載のUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示(disclosure)は、一般に非地上ネットワーク(non-terrestrial network、NTN)に関し、より具体的には、非地上ネットワークにアクセスを提供するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムを提供する地上ネットワーク(terrestrial network)を補うために、非地上ネットワーク(non-terrestrial network、NTN)が導入された。非地上ネットワークは、地上ネットワークの構築が困難な地域や災害状況でも、通信サービスを提供することができる。さらに、近年の衛星上げコストの低減により、効率的なアクセスネットワーク環境の提供が可能となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
実施形態では、NR(new radio)アクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置によって実行される方法は、NTN設定情報を生成する動作と、前記生成されたNTN設定情報を含むメッセージを、NTNペイロードを介して、UE(user equipment)に送信する動作とを含むことができる。前記NTN設定情報は、スケジューリングオフセット情報を含むことができる。前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され得る。前記スケジューリングオフセット情報は、NRのFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示され得る。
【0004】
実施形態では、UE(user equipment)によって実行される方法は、NRアクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置から、NTN設定情報を含むメッセージを受信する動作と、前記NTN設定情報からスケジューリングオフセット情報を識別する動作とを含むことができる。前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され得る。前記スケジューリングオフセット情報は、NRのFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示され得る。
【0005】
実施形態では、NR(new radio)アクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置は、少なくとも1つの送受信機と、前記少なくとも1つの送受信機と結合される少なくとも1つのプロセッサとを含むことができる。前記少なくとも1つのプロセッサは、NTN設定情報を生成し、前記生成されたNTN設定情報を含むメッセージを、NTNペイロードを介して、UE(user equipment)に送信するように構成することができる。前記NTN設定情報は、スケジューリングオフセット情報を含むことができる。前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され得る。前記スケジューリングオフセット情報は、NRのFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示され得る。
【0006】
実施形態では、UE(user equipment)は、少なくとも1つの送受信機と、前記少なくとも1つの送受信機と結合される少なくとも1つのプロセッサとを含むことができる。前記少なくとも1つのプロセッサは、NRアクセスを提供するためNTN(non-terrestrial network)装置から、NTN設定情報を含むメッセージを受信し、前記NTN設定情報からスケジューリングオフセット情報を識別するように構成することができる。前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され得る。前記スケジューリングオフセット情報は、NRのFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示され得る。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施形態によれば、非地上ネットワーク(non-terrestrial network)におけるカバレッジ改善(coverage enhancement)に応じたパラメータが、端末に提供されることによって、増加する伝播遅延(propagation delay)及び衛星(satellite)の移動においても、効率的なアクセスをサポートすることができる。
【0008】
本開示で得られる効果は、前記で言及された効果に限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から本開示が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】実施形態による非地上ネットワーク(non-terrestrial network、NTN)の例を示す。
【
図3a】実施形態による制御プレーン(control plane、C-プレーン)の例を示す。
【
図3b】実施形態によるユーザプレーン(user plane、U-プレーン)の例を示す。
【
図4】実施形態による無線通信システムにおいて、時間周波数領域のリソース構造の例を示す。
【
図6】一実施形態によるNTN設定情報をUE(user equipment)に提供するためのシグナリングの例を示す。
【
図7a】一実施形態によるハイパーフレーム(hyperframe)の例を示す。
【
図7b】一実施形態によるNTN設定情報のUL同期パラメータの例を示す。
【
図8】一実施形態によるNTN設定情報の偏波パラメータの例を示す。
【
図9a】一実施形態によるNTN設定情報のスケジューリングオフセットの例を示す。
【
図9b】一実施形態によるNTN設定情報のMAC(medium access control)CE(control element)によって提供されるスケジューリングオフセットの例を示す。
【
図10】一実施形態によるNTNタイプの例を示す。
【
図11a】一実施形態によるNTNペイロード(payload)の構成要素を示す。
【
図11b】一実施形態によるNTNゲートウェイ(gateway)の構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、他の実施形態の範囲を限定することを意図していない。単数の表現は、文脈上、特に断りのない限り、複数の表現を含むことができる。技術的又は科学的な用語を含めて、本明細書で使用される用語は、本開示に記載されている技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することができる。本開示で使用される用語中、一般的な辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈における意味と同一又は類似の意味を有するものとして解釈される場合があり、本開示で明確に定義されない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。場合によっては、本開示で定義された用語であっても、本開示の実施形態を排除するように解釈することはできない。
【0011】
以下に説明される本開示の様々な実施形態では、ハードウェア的なアプローチを例として説明する。しかしながら、本開示の様々な実施形態は、ハードウェアとソフトウェアの両方を使用する技術を含むので、本開示の様々な実施形態は、ソフトウェアベースのアプローチを除外するものではない。
【0012】
以下の説明で使用される信号を指す用語(例えば、信号、情報、メッセージ、シグナリング)、リソースを指す用語(例えば、シンボル(symbol)、スロット(slot)、サブフレーム(subframe)、無線フレーム(radio frame)、サブキャリア(subcarrier)、RE(resource element)、RB(resource block)、BWP(bandwidth part)、機会(occasion))、演算状態のための用語(例えば、ステップ(step)、動作(operation) 、手順(procedure))、データを指す用語(例えば、パケット、ユーザストリーム、情報(information)、ビット(bit)、シンボル(symbol)、コードワード(codeword))、チャネルを指す用語、ネットワークエンティティ(network entity)を指す用語、装置の構成要素を指す用語などは、説明の便宜のために例示されている。したがって、本開示は、後述の用語に限定されず、同等の技術的意味を有する他の用語を使用することができる。
【0013】
以下の説明では、物理チャネル(physical channel)と信号(signal)は、データ又は制御信号と同じ意味で使用される場合がある。例えば、PDSCH(physical downlink shared channel)は、データが送信される物理チャネルを指す用語であるが、データを指すために、PDSCHが使用されることもある。すなわち、本開示では、「物理チャネルを送信する」という表現は、「物理チャネルを介してデータ又は信号を送信する」という表現と同等に解釈することができる。
【0014】
以下、本開示において、上位シグナリングとは、基地局から物理層のダウンリンクデータチャネルを用いて端末に、又は端末から物理層のアップリンクデータチャネルを用いて基地局に伝達される信号伝達方法を意味する。上位シグナリングは、RRC(radio resource control)シグナリング又はMAC制御要素(control element、以下、「CE」という)と理解することができる。
【0015】
さらに、本開示では、特定の条件を満たす(satisfied)、充足する(fulfilled)か否かを判断するために、超過又は未満の表現を使用することができるが、これは、一例を表すための説明に過ぎず、以上又は以下の記載を排除するものではない。「以上」と記載された条件は、「超過」、「以下」と記載された条件は、「未満」、「以上及び未満」と記載された条件は、「超過及び以下」に置き換えることができる。また、以下、「A」~「B」は、Aから(Aを含む)Bまでの(Bを含む)要素のうち少なくとも1つを意味する。
【0016】
本開示は、いくつかの通信規格、例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)、ETSI(European Telecommunications Standards Institute)、xRAN(extensible radio access network)、O-RAN(open-radio access network)で使用される用語を用いて、様々な実施形態を説明するが、これは、説明のための例示に過ぎない。本開示の様々な実施形態は、他の通信システムにおいても、容易に修正及び適用することができる。
【0017】
【0018】
図1を参照すると、
図1は、無線通信システムにおいて無線チャネルを使用するノード(node)の一部として、端末110及び基地局120を示す。
図1は、1つの基地局のみを示しているが、無線通信システムは、基地局120と同一又は類似の他の基地局をさらに含んでもよい。
【0019】
端末110は、ユーザによって用いられる装置であり、端末110と無線チャネルを介して通信を行う。基地局120から端末110に向かうリンクは、ダウンリンク(downlink、DL)、端末110から基地局120に向かうリンクは、アップリンク(uplink、UL)と呼ばれる。また、
図1には示されていないが、端末110とは異なる端末は、相互間無線チャネルを介して通信を行うことができる。このとき、端末110及び他の端末間リンク(device-to-device link、D2D)は、サイドリンク(sidelink)と呼ばれ、サイドリンクは、PC5インターフェースと混用されることがある。他のいくつかの実施形態では、端末110は、ユーザの関与なしで操作することができる。一実施形態によれば、端末110は、機械タイプ通信(machine type communication、MTC)を実行するための装置であり、ユーザによって携帯されなくてもよい。さらに、一実施形態によれば、端末110は、NB(Narrowband)-IoT(Internet of things)機器であってもよい。
【0020】
端末110は、端末(terminal)の他、「ユーザ機器(user equipment、UE)」、「車両(vehicle)」、「顧客宅内装置」(customer premises equipment、CPE)」、「移動局(mobile station)」、「加入者局(subscriber station)」、「遠隔端末(remote terminal)」、「無線端末(wireless terminal)」、電子装置(electronic device)、又は「ユーザ装置(user device)」、又は同等の技術的意味を有する他の用語と称されてもよい。
【0021】
基地局120は、端末110に無線接続を提供するネットワークインフラストラクチャ(infrastructure)である。 基地局120は、信号を送信することができる距離に基づいて定義されるカバレッジ(coverage)を有する。 基地局120は、基地局(base station)の他に、「アクセスポイント(access point、AP)」、「イノード比(eNodeB、eNB)」、「5Gノード(5th generation node)」、「ジノード比(next generation nodeB、gNB)」、「無線ポイント(wireless point)」、「送受信ポイント(transmission/reception point、TRP)」、又は同等の技術的意味を有する他の用語と称されてもよい。
【0022】
基地局120は、コアネットワークエンティティ130と通信を行うことができる。例えば、コアネットワークエンティティ130は、AMF(access and management function)を含むことができる。さらに、例えば、コアネットワークエンティティ130は、UPF(user plane function)を含むことができる。
【0023】
端末110は、基地局120とビームフォーミングを行うことができる。端末110と基地局120とは、比較的に低い周波数帯域(例えば、NRのFR1(frequency range 1))で無線信号を送受信することができる。また、端末110と基地局120とは、比較的に高い周波数帯域(例えば、NRのFR2(又は、FR2-1、FR2-2、FR2-3)、FR3)、ミリ波(mmWave)帯域(例えば、28GHz、30GHz、38GHz、60GHz)で無線信号を送受信することができる。チャネル利得を向上させるために、端末110及び基地局120は、ビームフォーミング(beamforming)を実行することができる。ここで、ビームフォーミングは、送信ビームフォーミング及び受信ビームフォーミングを含むことができる。端末110及び基地局120は、送信信号又は受信信号に方向性(directivity)を与えることができる。このために、端末110及び基地局120は、ビームサーチ(beam search)又はビーム管理(beam management)手順を介して、サービング(serving)ビームを選択することができる。サービングビームが選択された後、通信は、サービングビームを送信したリソースとQCL関係にあるリソースを介して実行することができる。
【0024】
第1のアンテナポート上のシンボルを伝達したチャネルの広範囲な(large-scale)特性が、第2のアンテナポート上のシンボルを伝達したチャネルから推定される(inferred)ことができる場合、第1のアンテナポートと第2のアンテナポートとは、QCL関係にあると評価できる。例えば、広範な特性は、遅延スプレッド(delay spread)、ドップラースプレッド(doppler spread)、ドップラーシフト(doppler shift)、平均利得(average gain)、平均遅延(average delay)、空間的受信パラメータ(spatial receiver parameter)のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0025】
端末110及び基地局120の両方が、ビームフォーミングを実行することができるが、本開示の実施形態は、必ずしもこれに限定されない。いくつかの実施形態では、端末110は、ビームフォーミングを実行しても、実行しなくてもよい。また、基地局120は、ビームフォーミングを行ってもよく、行っていなくてもよい。すなわち、端末110と基地局120のいずれか一方のみが、ビームフォーミングを行ってもよく、又は端末110と基地局120の両方が、ビームフォーミングを行っていなくてもよい。
【0026】
本開示において、ビーム(beam)とは、無線チャネルにおける信号の空間的な流れを意味し、1つ以上のアンテナ(又はアンテナ要素(antenna elements))によって形成され、そのような形成プロセスは、ビームフォーミングと呼ばれることがある。ビームフォーミングは、アナログビームフォーミング又はデジタルビームフォーミング(例えば、プリコーディング)のうち少なくとも1つを含んでもよい。ビームフォーミングに基づいて送信される基準信号(reference signal)は、例えば、DM-RS(demodulation-reference signal)、CSI-RS(channel state information-reference signal)、SS/PBCH(synchronization signal/physical broadcast channel)、SRS(sounding reference signal)を含むことができる。さらに、各基準信号の構成(configuration)として、CSI-RSリソース又はSRSリソースなどのIEを使用することができ、このような構成は、ビームに関連する(associated with)情報を含むことができる。ビームに関連する情報とは、当該構成(例えば、CSI-RSリソース)が、他の構成(例えば、同じCSI-RSリソースセット内の他のCSI-RSリソース)と同じ空間ドメインフィルタ(spatial domain filter)を使用するか、又は他の空間ドメインフィルタを使用するかの可否、又はどの基準信号とQCL(quasi-co-located)されているか、QCLされている場合、どのタイプ(例えば、QCLタイプA、B、C、D)であるかを意味することができる。
【0027】
以下、実施形態を説明するために、端末は、UE110と呼ばれ、基地局は、gNB120と呼ばれる。
【0028】
図2は、実施形態による非地上ネットワーク(non-terrestrial network、NTN)の例を示す。NTNは、航空(airborne)又は宇宙(space-borne)ベースのNTN車両に搭載されたNTNペイロードとNTNゲートウェイを介して、UE(UE110など)への非地上NRアクセスを提供するNG-RANを意味する。NG-RANは、1つ以上のgNB(例えば、gNB120)を含んでもよい。
【0029】
図2を参照すると、NTN200は、gNB120として、NTNペイロード221及びNTNゲートウェイ223を含むことができる。NTNペイロード221は、サービスリンク(後述)とフィーダリンク(後述)との間に、接続機能を提供する衛星又はHAPS(high altitude platform station)に搭載されたネットワークノードである。NTNゲートウェイ223は、フィーダリンクを使用して、NTNペイロード221に接続を提供する、地球の表面に配置された地球局(earth station)である。NTNゲートウェイ223は、TNL(transport network layer)ノードである。NTN200は、UE110に非地上NRアクセスを提供することができる。NTN200は、NTNペイロード221及びNTNゲートウェイ223を介して、UE110に非地上NRアクセスを提供することができる。NTNペイロード221とUE110との間のリンクは、サービスリンク(service link)と呼ばれることがある。NTNゲートウェイ223とUE110との間のリンクは、フィーダリンク(feeder link)と呼ばれることがある。フィーダリンクは、無線リンク(wireless link)に対応し得る。
【0030】
NTNペイロード221は、UE110からサービスリンクを介して、無線プロトコルデータを受信することができる。NTNペイロード221は、無線プロトコルデータを、フィーダリンクを介して、透過的に(transparently)NTNゲートウェイ223に伝達することができる。したがって、NTNペイロード221及びNTNゲートウェイ223は、UE110の観点からは、1つのgNB120のように見えることができる。NTNペイロード221及びNTNゲートウェイ223は、一般的な無線プロトコルであるUuインターフェースを介して、UE110と通信を実行することができる。すなわち、NTNペイロード221とNTNゲートウェイ223とは、1つのgNB120のように、UE110と無線プロトコル通信を行うことができる。NTNゲートウェイ223は、コアネットワークエンティティ235(AMF又はUPF)と、NGインターフェースを介して通信を行うことができる。
【0031】
一実施形態によれば、NTNペイロード221及びNTNゲートウェイ223は、後述する
図3aの制御プレーンにおける無線プロトコルスタックを用いることができる。さらに、一実施形態によれば、NTNペイロード221及びNTNゲートウェイ223は、
図3bのユーザプレーンにおける無線プロトコルスタックを用いることができる。
【0032】
図2では、gNB120に含まれる1つのNTNペイロード221、1つのNTNゲートウェイ223が説明されているが、本開示の実施形態は、これに限定されない。例えば、gNBは、複数のNTNペイロードを含んでもよい。さらに、例えば、NTNペイロードは、複数のgNBによって提供されてもよい。すなわち、
図2に示す実施シナリオは、一例であり、本開示の実施形態を限定しない。
【0033】
図3aは、実施形態による制御プレーン(control plane、C-プレーン)の例を示す。NTNペイロード(例えば、NTNペイロード221)及びNTNゲートウェイ(例えば、NTNゲートウェイ223)は、gNB(例えば、gNB120)として機能することができる。以下、NTNペイロード及びNTNゲートウェイによるプロトコルは、gNB120の動作として理解することができる。
【0034】
図3aを参照すると、Cプレーンにおいて、UE110及びAMF235は、NAS(non-access stratum)シグナリングを実行することができる。Cプレーンでは、UE110及びgNB120は、RRC層、PDCP層、RLC層、MAC層、及びPHY層のそれぞれで指定されたプロトコルに従って通信を実行することができる。
【0035】
NTNアクセスにおいて、RRC層の主な機能は、以下の機能のうち少なくとも一部を含むことができる:
-AS(access stratum)及びNAS関連システム情報放送
-5GC(5Gコア)又はNG-RAN(next generation-radio access network)によって開始されたページング(paging)
-以下を含むUEとNG-RANとの間のRRC接続の設定、維持、及び解除:
-キャリアアグリゲーションの追加、修正、及び解除
-NR又はE-UTRAとNRとの間のデュアルコネクティビティ(dual connectivity)の追加、修正、及び解除
-キー管理を含むセキュリティ機能
-SRB(Signaling Radio Bearer)及びDRB(Data Radio Bearer)の設定、構成、保守及び解除
-以下を含む移動機能:
-ハンドオーバー及びコンテキスト送信
-UEセルの選択及び再選択、及びセル選択及び再選択の制御
-RAT間のモビリティ
-QoS(quality of service)管理機能
-UE測定の報告及び報告の制御
-無線リンク障害(radio link failure)の検出及び回復
-UEから/に、NASに/から、NASにメッセージを送信。
【0036】
NTNアクセスにおいて、PDCP層の主な機能は、以下の機能のうち少なくとも一部を含むことができる:
-ヘッダー圧縮及び圧縮解除機能(Header compression and decompression: ROHC only)
-ユーザデータ送信機能(Transfer of user data)
-順次的な伝達機能(In-sequence delivery of upper layer PDUs)
-非順次的な伝達機能(Out-of-sequence delivery of upper layer PDUs)
-順序の並べ替え機能(PDCP PDU reordering for reception)
-重複検出機能(Duplicate detection of lower layer SDUs)
-再送信機能(Retransmission of PDCP SDUs)
-暗号化及び復号化機能(Ciphering and deciphering)
-タイマーベースのSDU削除機能(Timer-based SDU discard in uplink)。
【0037】
NTNアクセスにおいて、RLC層の主な機能は、以下の機能のうち少なくとも一部を含むことができる:
-データ送信機能(Transfer of upper layer PDUs)
-順次的な伝達機能(In-sequence delivery of upper layer PDUs)
-非順次的な伝達機能(Out-of-sequence delivery of upper layer PDUs)
-ARQ機能(Error Correction through ARQ)
-接合、分割、再組立機能(Concatenation, segmentation and reassembly of RLC SDUs)
-再分割機能(Re-segmentation of RLC data PDUs)
-順序の並べ替え機能(Reordering of RLC data PDUs)
-重複検出機能(Duplicate detection)
-エラー検出機能(Protocol error detection)
-RLC SDU削除機能(RLC SDU discard)
-RLC再構築機能(RLC re-establishment)。
【0038】
NTNアクセスにおいて、MAC層は、1つの端末に構成されたいくつかのRLC層装置と接続することができ、MACの主な機能は、以下の機能のうち少なくとも一部を含むことができる:
-マッピング機能(Mapping between logical channels and transport channels)
-多重化及び逆多重化機能(Multiplexing/demultiplexing of MAC SDUs)
-スケジューリング情報報告機能(Scheduling information reporting)
-HARQ機能(Error correction through HARQ)
-ロジカルチャネル間の優先順位調整機能(Priority handling between logical channels of one UE)
-端末間の優先順位調整機能(Priority handling between UEs by means of dynamic scheduling)
-MBMSサービス確認機能(MBMS service identification)
-送信フォーマット選択機能(Transport format selection)
-パディング機能(Padding)。
【0039】
NTNアクセスにおいて、物理層は、上位層データをチャネル符号化及び変調し、OFDMシンボルにして、無線チャネルに送信するか、又は無線チャネルを介して受信したOFDMシンボルを復調し、チャネル復号して、上位層に伝達する動作を含むことができる。
【0040】
図3bは、実施形態によるユーザプレーン(user plane、Uプレーン)の例を示す。NTNペイロード(例えば、NTNペイロード221)及びNTNゲートウェイ(例えば、NTNゲートウェイ223)は、gNB(例えば、gNB120)として機能することができる。以下、NTNペイロード及びNTNゲートウェイによるプロトコルは、gNB120の動作として理解することができる。
【0041】
図3bを参照すると、Uプレーンにおいて、UE110及びgNB120は、SDAP層、PDCP層、RLC層、MAC層、及びPHY層のそれぞれで指定されたプロトコルに従って通信を実行することができる。SDAP層を除いて、PDCP層、RLC層、MAC層、及びPHY層については、
図3aの説明を参照することができる。
【0042】
NTNアクセスにおいて、SDAP層は、5GCのQoSフロー(flow)を提供することができる。SDAPの単一プロトコルエンティティは、個々のPDUセッションごとに構成することができ、SDAP層の機能は、以下の機能のうち少なくとも一部を含むことができる:
-QoSフローとデータ無線ベアラとの間のマッピング
-DLパケットとULパケットの両方で、QoSフローID(identifier)(QFI)を表示する。
【0043】
図4は、実施形態による無線通信システムにおいて、時間周波数領域のリソース構造の一例を示す。
図4は、ダウンリンク又はアップリンクでデータ又は制御チャネルが送信される無線リソース領域である時間周波数領域の基本構造を示す。
【0044】
図4を参照すると、横軸は、時間領域を、縦軸は、周波数領域を示す。時間領域における最小送信単位は、OFDMシンボルであり、N
symb個のOFDMシンボル402が集まって、1つのスロット406を構成する。サブフレームの長さは、1.0msと定義され、無線フレーム(radio frame)414の長さは、10msと定義される。周波数領域における最小送信単位は、サブキャリア(subcarrier)であり、リソースグリッド(resource grid)を構成するキャリア帯域幅(carrier bandwidth)は、N
BW個のサブキャリア404で構成される。
【0045】
時間周波数領域におけるリソースの基本単位は、リソース要素(resource element、以下、「RE」という)412であり、OFDMシンボルインデックス及びサブキャリアインデックスとして表すことができる。リソースブロックは、複数のリソース要素を含み得る。LTEシステムでは、リソースブロック(resource block、RB)(又は物理的リソースブロック(physical resource block、以下、「PRB」という))は、時間領域でNsymb個の連続したOFDMシンボルと、周波数領域でNSC
RB個の連続したサブキャリアと定義される。NRシステムでは、リソースブロック(RB)408は、周波数領域において、NSC
RB個の連続したサブキャリア410と定義することができる。1つのRB408は、周波数軸にNSC
RB個のRE412を含む。一般に、データの最小送信単位は、RBであり、サブキャリアの数NSC
RB=12である。周波数領域は、共通リソースブロック(common resource block、CRB)を含むことができる。周波数領域上の帯域幅部分(bandwidth resource block、BWP)において、物理的リソースブロック(PRB)を定義することができる。CRB番号とPRB番号とは、サブキャリア間隔(subcarrier spacing)に基づいて決定できる。端末にスケジュールされているRBの数に比例して、データレート(data rate)が増加する可能性がある。
【0046】
NRシステムにおいて、ダウンリンクとアップリンクとを、周波数で区分して運用するFDD(frequency division duplex)システムの場合、ダウンリンク送信帯域幅と、アップリンク送信帯域幅とは、異なる場合がある。チャネル帯域幅は、システム送信帯域幅に対応するRF(radio frequency)帯域幅を示す。[表1]は、xGHzより低い周波数帯域(例えば、FR(frequency range)1(410MHz~7125MHz))におけるNRシステムで定義されたシステム送信帯域幅、サブキャリア間隔(subcarrier spacing、SCS)及びチャネル帯域幅 (channel bandwidth)の対応関係の一部を示す。そして、[表2]は、yGHzより高い周波数帯域(例:FR2(24250MHz~52600MHz)又はFR2-2(52600MHz~71000MHz))におけるNRシステムで定義された送信帯域幅、サブキャリア間隔、及びチャネル帯域幅の対応関係の一部を示す。例えば、30kHzサブキャリア間隔で100MHzチャネル帯域幅を有するNRシステムは、送信帯域幅が273個のRBで構成される。[表1]及び[表2]において、N/Aは、NRシステムによってサポートされていない帯域幅‐サブキャリアの組み合わせであり得る。
【表1】
【表2】
図5は、一実施形態によるNTNの実施例を示す。
【0047】
図5を参照すると、NTN500は、gNB120として、NTNペイロード221及びNTNゲートウェイ223を含むことができる。NTNペイロード221は、宇宙船(又は空中)車両に搭載され、救助、電力、指揮、遠隔測定、衛星への姿勢制御(対応するHAPS)及び適切な熱環境、輻射遮蔽を提供することができる。
【0048】
NTN500の動作のために、O&M(operation and maintenance)510は、NTN500に関連する1つ以上のパラメータを、gNB120に提供することができる。O&M510は、NTN制御機能520及び非NTNインフラストラクチャgNB機能530を制御することができる。
【0049】
NTN制御機能520は、NTNインフラストラクチャ525(NTNペイロード221及びNTNゲートウェイ223)の無線リソースのみならず、宇宙船(又は航空)車両を制御することができる。さらに、NTN制御機能520は、非NTNインフラストラクチャgNB機能530に、制御データ(例えば、天体力(ephemeris)情報)を提供することができる。
【0050】
gNB120は、非NTNインフラストラクチャgNB機能530と、NTNサービスリンクプロビジョニングシステム535とに細分することができる。NTNインフラストラクチャ525は、NTN制御機能520と、NTNサービスリンクプロビジョニングシステム535とに細分化することができる。NTNサービスリンクプロビジョニングシステム535は、1つ以上のNTNペイロード(例えば、NTNペイロード221)と、NTNゲートウェイ(例えば、NTNゲートウェイ223)とから構成され得る。NTNサービスリンクプロビジョニングシステム535は、NR-Uu無線プロトコルを、NTNインフラストラクチャ525の無線リソース(例えば、ビーム、チャネル、Tx電力)にマッピングすることができる。
【0051】
O&M(operation and maintenance)510は、動作のために、少なくとも次のNTN関連パラメータを、gNB120に提供することができる。
a)地球固定ビーム(earth fixed beams):特定のNTNペイロードによって提供される各ビームについて:
-ビームにマッピングされたセル識別子(NG及びUu)
-セルの基準位置(例えば、セルの中心と範囲)
b)準地球固定ビーム(quasi earth fixed beams):特定のNTNペイロードによって提供される各ビームについて:
-ビームにマッピングされたセル識別子(NG及びUu)及び時間ウィンドウ
-セル/ビームの基準位置(例:セルの中心と範囲)
-連続切り替え(switch-over)の時間ウィンドウ(フィーダリンク、サービスリンク)
-サービスを提供するすべての衛星とNTNゲートウェイの識別子と時間ウィンドウ
c)地球移動ビーム(earth moving beams):特定のNTNペイロードによって提供される各ビームについて:
-ビームにマッピングされたUuセル識別子、及び、NGに報告された固定の地理的領域のマッピング情報、地球上のビームのフットプリント(foot-print)の動きに関する情報
-NTNペイロードの高度(elevation)
-NTNゲートウェイ/gNBの連続サービススケジュール
-連続切り替え(switch-over)スケジュール(フィーダリンク、サービスリンク)。
【0052】
図6は、一実施形態によるNTN設定情報を、UE(user equipment)に提供するためのシグナリングの例を示す。NTN設定情報は、NTNに関連する1つ以上のパラメータを含むことができる。
【0053】
図6を参照すると、NTNペイロード221及びNTNゲートウェイ223は、gNB(例えば、gNB120)として機能することができる。NTNペイロード221は、UE110から受信された信号を、NTNゲートウェイ223に送信するか、又はNTNゲートウェイ223から受信された信号を、NTNペイロード221に送信することができる。
【0054】
動作601において、NTNゲートウェイ223は、NTN設定情報を生成することができる。NTNゲートウェイ223は、1つ以上のNTNパラメータを含むNTN設定情報を生成することができる。1つ以上のNTNパラメータは、NTNを介して、NRアクセスを提供するために用いられる。
【0055】
動作603において、NTNゲートウェイ223は、NTN設定情報をNTNペイロード221に送信することができる。NTNゲートウェイ223は、NTNペイロード221を介して、アクセスネットワークを提供することができる。NTNゲートウェイ223は、NTNペイロード221に基づいて、gNBとして機能することができる。
【0056】
動作605において、NTNペイロード221は、NTN設定情報をUE110に送信することができる。一実施形態によれば、NTNペイロード221は、システム情報(system information、SI)メッセージを生成することができる。NTNペイロード221は、NTN設定情報を含むSIB19を、SIメッセージに含ませることができる。NTNペイロード221は、SIB19を含むSIメッセージをブロードキャストすることができる。さらに、一実施形態によれば、NTNペイロード221は、RRCメッセージを生成することができる。NTNペイロード221は、NTN設定情報を含むRRCメッセージを、UE110に送信することができる。例えば、RRCメッセージは、RRC再構成(reconfiguration)メッセージを含んでもよい。さらに、例えば、RRCメッセージは、RRC再開(resume)メッセージを含んでもよい。さらに、例えば、RRCメッセージは、RRC設定(setup)メッセージを含んでもよい。
【0057】
動作607において、UE110は、NTN設定情報に基づいて、1つ以上のNTNパラメータを取得することができる。UE110は、少なくとも1つのNTNパラメータのうち少なくとも一部に基づいて、NTNペイロード221を介してサービスされるセルに接続を実行することができる。
【0058】
動作601から動作607を介して説明される1つ以上のNTNパラメータは、以下のように定義することができる。1つ以上のNTNパラメータは、NRにアクセスするために使用されてもよい。一例として、現在の仕様で定義されているNTNパラメータは、以下の表の通りである。
【表3-1】
【表3-2】
「epochTime-r17」は、エポック時間を指すことができる。「ntn-UlSyncValidityDuration-r17」は、アップリンク同期の有効時間を指すことができる。「cellSpecificKoffset-r17」は、スケジューリングオフセットを指すことができる。「kmac-r17」は、MAC CEに関連するスケジューリングオフセットを指すことができる。「ta-Info-r17」は、TA(timing advance)に関連するパラメータを含み得る。「ntn-PolarizationDL-r17」は、DLでの偏波モードを指すことができる。「ntn-PolarizationUL-r17」は、ULでの偏波モードを指すことができる。「ephemerisInfo-r17」は、衛星の天体力情報を含み得る。「ta-Report-r17」は、ランダムアクセス中に、TA報告が有効になっているかどうかを示すことができる。
【0059】
一方、NTNの需要が高まるにつれて、NR規格は、NTNベースのNG-RANを改善するために、様々なシナリオをさらにサポートすることに合意された。例えば、NTNのために、10GHz以上の周波数帯域での配置がサポートされ得る。さらに、例えば、大きな伝播遅延(propagation delay)及び衛星移動(satellite movement)などのNTN特性を考慮して、モビリティ及びサービス継続性の向上を提供することができる。しかしながら、現在の仕様で定義されているパラメータだけでは、大きな伝播遅延や衛星の移動に応じたシナリオをサポートするのに十分ではないことがある。例えば、衛星の移動は、アクセスネットワーク内の基地局(例えば、gNB120と端末(例えば、UE110))間のRTT(round trip time)を変更することができる。減少されたRTTのために、予め設定されたパラメータ範囲内でアクセスを実行することができる。しかしながら、NTNセルの境界では、UE110は、増加したRTTに基づいて、gNB120に接続することが困難である場合がある。また、例えば、NTNセルにハンドオーバ(handover)を行うUE110は、アップリンク同期の有効時間が十分に確保されない場合、アイドル状態に進入することができる。有効状態に入ったUE110は、RRE(RRC re-establishment)を実行し、ハンドオーバ手順に遅延が発生する可能性がある。
【0060】
増加するシナリオでモビリティ及びサービス継続性の向上を提供するために、本開示の実施形態によるNTNゲートウェイ223は、NTNペイロード221を介して、追加の設定範囲を有する少なくとも1つのNTNパラメータ、又は、新しい設定スキームに従う1つ以上のNTNパラメータを、UE110に提供することができる。
【0061】
図7aは、一実施形態によるハイパーフレーム(hyperframe)の例を示す。
【0062】
図7aを参照すると、サブフレーム701の長さは、1msであってもよい。1つの無線フレーム(radio frame)703は、10個のサブフレームを含むことができる。1つの無線フレーム703の長さは、10msであってもよい。無線フレーム703には、SFN(system frame number)が付けられることがある。無線フレーム703の番号は、0から1023まで昇順に増加し得る。その後、1023番のSFNを有する無線フレームの後の無線フレームは、再び0番に番号を付けることができる。
【0063】
1024個の無線フレーム703は、1つのハイパーフレーム(hyperframe)705と呼ぶことができる。UE110とgNB120との間の長い伝播遅延をサポートするために、NTNパラメータは、より大きなスケールの範囲を有することが必要になる場合がある。ハイパーフレーム705には、HFN(hyper frame number)を付けることができる。ハイパーフレーム705の番号は、0から1023まで昇順に増加し得る。その後、1023番のHFNを有するハイパーフレームの後のハイパーフレームは、再び0番に番号を付けることができる。1024個のハイパーフレーム(hyper-frames)705は、1つのハイパーフレームサイクル707と呼ばれる場合がある。したがって、10ms単位を使用するSFNの代わりに、10.24秒単位を使用するHFNに基づいて、NTNパラメータは、より広い範囲のカバレッジ及び/又は長いRTTに対応するカバレッジをサポートするために使用されてもよい。
【0064】
一実施形態によれば、NTNペイロード221及びNTNゲートウェイ223(以下、NTN基地局という)(例えば、gNB120)は、HFNをサポートするエポック時間を示す情報を、UE110に送信することができる。エポック時間とは、補助情報(すなわち、サービング衛星の天体力情報及び共通TAパラメータ)のためのエポック時間を意味する。サービング衛星の天体力情報及び共通TAパラメータのエポック時間の基準点は、アップリンク時間同期化の基準点であってもよい。
【表4】
NTN基地局は、「hfn-r17」IE(information element)を含むエポック時間情報を、UE110に送信することができる。NTN基地局は、「hfn-r17」IE、「sfn-r17」IE、及び「subframeNR-r17」IEを含むエポック時間情報を、UE110に送信することができる。UE110は、「hfn-r17」IE、「sfn-r17」IE、及び「subframeNR-r17」IEに基づいて、特定のサブフレームを識別することができる。特定のサブフレームは、DLサブフレームの開始時間又はUL同期の基準点を識別するために使用され得る。HFNなしで、エポック時間の最大範囲は、10.24秒である。しかしながら、UL同期の有効時間の範囲が、最大900秒であることを考慮すると、10.24秒の範囲内で、特定のサブフレームの位置を指定すると、エラーを引き起こす可能性がある。また、低軌道の衛星だけでなく、中軌道の衛星又はGEO衛星の公転移動では、より大きなスケールの時間範囲を要求するところ、HFNを利用したエポック時間の指示を通じて、NTN基地局は、UE110に高い視覚同期性を提供することができる。
【0065】
図7bは、一実施形態によるNTN設定情報のUL同期パラメータの例を示す。
【0066】
図7bを参照すると、 NTN設定情報は、UL同期の有効区間753に関する情報を含むことができる。UL同期の有効区間753は、UL同期の有効タイマーの長さを意味することができる。UE110は、NTN設定情報を受信することができる。UE110は、NTN設定情報からUL同期の有効区間に関する情報を取得することができる。UL同期の有効区間は、衛星の天体力情報及び共通TAパラメータなどのアップリンク同期の補助情報が、有効である最大時間を示す。UE110は、
図7aで前述したように、NTN設定情報に基づいて、エポック時間751を取得することができる。UE110は、エポック時間751を起算点として、エポック時間751からUL同期の有効区間753(すなわち、ntn-UlsyncValdityDuration IE)の間に、UL同期が有効であることを識別することができる。有効期間が終了すると、T430タイマーが満了する可能性がある。T430タイマーが満了すると、UE110は、アップリンク同期が失われる(lost)ことを識別することができる。一方、例えば、NTN設定情報を含むSIB19を受信すると(upon receiving)、UE110は、エポック時間751によって指示されるサブフレームから、UL同期の有効区間753に対応する期間でT430を開始してもよく、又は再開してもよい。
【0067】
UL同期の有効区間753は、サービング衛星の位置推定エラー、サービング衛星の天体力フォーマットのビットの割り当てに関連する量子化エラー、又はUEにおける共通TA推定エラーのうち少なくとも1つに基づいて決定することができる。特に、衛星の軌道が高くなるほど、言い換えれば、NTNペイロード(例えば、NTNペイロード221)の高度が高くなるほど、エラー推定の精度を高めるために、長い有効区間が求められることがある。例えば、GEOのために、900秒(seconds、s)の長さを、UL同期のための有効区間753として使用することができる。
【0068】
4ビットでUL同期のための有効区間753を指示するために、16個の候補値を使用することができる。16個の候補値は、s5、s10、s15、s20、s25、s30、s35、s40、s45、s50、s55、s60、s120、s180、s240、及びs900を含むことができる。しかしながら、GEOによる衛星は、「s900」による有効区間のみを適用することができ、s240とs900との間の間隔のため、NTN基地局は、不必要にUL同期の時間を無駄にする問題が発生する可能性がある。4ビットの限定的な情報は、様々な軌道に位置する衛星とUE間の変動性の両方をカバーするのに不十分であり得る。したがって、NTN基地局は、追加のビット又は追加のフィールドを介して、UL同期のための有効区間753をより正確に指示することができる。一実施形態によれば、NTN基地局は、5ビットで15分以内に、UL同期のための有効区間753を分単位で指示することができる。例えば、UL同期のための有効区間753は、以下の表のように示され得る。
【表5】
表3では、可能な値の範囲が最大s900まで示されているが、本開示の実施形態は、これに限定されない。一実施形態によれば、5ビットを最大限に活用するために、追加の値(例えば、s960、s1020、s1200、s1800)が定義されてもよい。
【0069】
一実施形態によれば、NTN基地局は、追加のフィールドを介して、15分より長いUL同期のための有効区間753を指示することができる。例えば、2ビットの追加のフィールドを介して、15分より長い時間に対応する、UL同期のための有効期間753の値を定義することができる。2ビットは、例示的なものであり、追加のフィールドのためのビットの数は、同等の技術的範囲内で変更されてもよい(例えば、1ビット、3ビット、4ビット)。
【表6】
「ntn-UlSyncValidityDuration-ext-r17」IEは、UL同期のための有効期間753の可能な値(30分、1時間、1時間30分、2時間)を指示するための追加のフィールドを意味することができる。
【0070】
図8は、一実施形態によるNTN設定情報の偏波パラメータの例を示す。NTNネットワークにおいて、隣接セルは、セル間の干渉を緩和するために、異なる偏波モード(例えば、RHCP(right hand circular polarization)及びLHCP(left hand circular polarization))を使用することができる。さらに、アンテナの種類が異なるUEがあってもよい。いくつかのUEには、線形偏波アンテナを取り付けることができ、その反面、いくつかの他のUEには、円形偏波アンテナを取り付けることができる。NTN基地局(例えば、NTNペイロード221及びNTNゲートウェイ223)は、セル間の干渉を緩和するために、UE(例えば、UE110)に偏波モードを提供することができる。
【0071】
図8を参照すると、一実施形態によれば、NTN基地局は、サービスリンクのダウンリンク送信又はアップリンク送信のために、円形偏波を指す情報を、UE110に送信することができる。第1の円形偏波801は、RHCPであってもよい。第2の円形偏波803は、LHCPであってもよい。第1の円形偏波801と第2の円形偏波803とは、互いに直交することができる。偏波の直交性は、セル間の干渉を緩和するために使用することができる。
【0072】
一実施形態によれば、NTN基地局は、サービスリンクのダウンリンク送信又はアップリンク送信のために、線形偏波を指す情報を、UE110に送信することができる。第1の線形偏波811は、水平偏波であってもよい。第2の線形偏波813は、垂直偏波であってもよい。第1の線形偏波811と第2の線形偏波813とは、互いに直交することができる。偏波の直交性は、セル間の干渉を緩和するために使用することができる。しかしながら、線形偏波間の区別のために、NTN基地局は、複数の線形偏波モードを、UE110に指示することができる。例えば、NTNのDL偏波情報(例えば、「ntn-PolarizationDL-r17」IE)の可能な値は、「linear1」及び「linear2」を含むことができる。さらに、例えば、NTNのUL偏波情報(例えば「ntn-PolarizationUL-r17」IE)の可能な値は、「linear1」及び「linear2」を含むことができる。
【表7】
一実施形態によれば、表7とは異なり、偏波を指示する方式の変形が提案されてもよい。NTN基地局は、線形偏波又は円形偏波のうち選択された種類及びその種類に対応する偏波情報を、UE110に提供することができる。
【表8】
偏波情報は、選択された種類が、円形偏波(CIRCULAR)である場合、RHCP又はLHCPを含むことができる。偏波情報は、選択された種類が、線形偏波(LINEAR)である場合、垂直(vertical)偏波又は水平(horizontal)偏波を含むことができる。一実施形態によれば、NTN基地局は、UE固有の(UE-specific)メッセージを介して、NTN設定情報を送信することができる。このとき、NTN基地局は、互いに直交する偏波を提供する情報を、異なるUEに提供することによって、NTNセル内のUEをグループ化することができる。例えば、NTN基地局は、第1のUEのためのUL偏波情報として水平偏波を指示し、第2のUEのためのUL偏波情報として垂直偏波を指示することができる。直交する偏波を介して、第1のUEと第2のUEとの間の干渉を緩和することができる。
【0073】
一実施形態によれば、NTN基地局は、サービスリンクのダウンリンク送信又はアップリンク送信のために、楕円形偏波を指す情報を、UE110に送信することができる。第1の楕円形偏波821は、RHEP(right hand elliptical polarization)であってもよい。第2の楕円形偏波823は、LHEP(left hand elliptical polarization)であってもよい。第1の楕円形偏波821と第2の楕円形偏波823とは、互いに直交することができる。偏波の直交性は、セル間の干渉を緩和するために使用することができる。線形偏波と同様に、NTN基地局は、楕円形偏波に関する情報を、UE110に提供することができる。一実施形態によれば、NTN基地局は、楕円形偏波を示す情報を含むNTN設定情報を、UE110に送信することができる。NTN基地局は、楕円形偏波のLHEP又はRHEPのいずれかを指す情報を含むNTN設定情報を、UE110に送信することができる。
【0074】
図9aは、一実施形態によるNTN設定情報のスケジューリングオフセットの例を示す。スケジューリングオフセットは、NTNのために、修正が必要なタイミング関係を示す。例えば、スケジューリングオフセットは、DLデータの受信とUL制御情報の送信との間の差に適用されてもよい。さらに、例えば、スケジューリングオフセットは、ULリソース割り当ての受信とULデータの送信との間の差に適用されてもよい。
【0075】
図9aを参照すると、UE110は、NTNペイロード221とサービスリンク910を介して接続することができる。NTNペイロード221は、NTNゲートウェイ223とフィーダリンク920を介して接続することができる。基準点(reference point、RP)925と、NTNペイロード221との間のRTTに対応するオフセットは、共通TAと呼ばれることがある。以下、K
offsetは、サービスリンク910のRTTと共通TAの和に対応するスケジューリングオフセットを意味することができる。以下、K
macは、RP925とgNBとの間のRTTに対応するオフセットを意味することができる。NTNの伝播遅延(propagation delay)を受け入れるために、共通のTA、K
offset、及びK
macを一緒に使用することができる。
【0076】
図9bは、一実施形態によるNTN設定情報のMAC(medium access control)CE(control element)に関連の提供されるスケジューリングオフセットの例を示す。スケジューリングオフセットは、K
mac960であり、MAC CEタイミング関係を向上させるために、NTNでサポートされるスケジューリングオフセットである。すなわち、K
mac960は、MAC CEに対応するDL受信と、前記MAC CEの適用時点との間の差に対するオフセットである。K
mac960は、MAC CEタイミング関係を改善するために、NTNでサポートされているスケジューリングオフセットである。ダウンリンク及びアップリンクフレームタイミングが、gNBで整列していない場合、K
mac960は、ネットワークによって提供されてもよい。K
mac960は、PDSCHにおいてMAC-CE命令が指示するダウンリンク設定に対するUEの行動及び仮定のために使用され得る。K
mac960は、アップリンクスロットnからPRACHを送信した後、当該RARウィンドウ内で、ダウンリンクスロット「n+K
mac+4」から始まり、当該PDCCHをモニタリングするビーム失敗回復(beam failure recovery)にも使用することができる。UE110にK
mac960が提供されると、UE110がダウンリンク構成でMAC CE命令を運ぶPDSCHに対応する、アップリンクスロットnからHARQ-ACK情報と共にPUCCHを送信するとき、ダウンリンク構成のUE動作及び仮定は、スロット
【数1】
の後の一番目のスロットから適用され、ここで、μは、PUCCHのためのSCS構成を意味する。例えば、PUCCHのSCSが15kHzであると仮定すると、MAC CEの命令による活性化は、スロットpから開始されてもよい。
【0077】
NTNは、需要の増大のために、10GHz以上の周波数帯域でも、通信を提供することができる。高くなる周波数帯域は、必然的に大きなSCS(subcarrier spacing)が要求される。OFDMシステムでSCSが大きくなるほど、スロットの長は、短くなる。たとえば、SCSが2倍に大きくなると、スロットの長さは、2倍に小さくなる。例えば、SCSが15khzの場合、スロットは、1msであるが、例えば、SCSが30khzの場合、スロットは、0.5msである。 ニューマロジー(μ)によるSCSは、以下の表の通りである。
【表9】
言い換えれば、μ値が大きくなるほど、スロット長は、短くなる。
図9a及び
図9bに記載されているオフセット(K
offset及びK
mac)は、現在のスロット単位で示されているので、周波数帯域がFR1よりも高くなると、RRCシグナリングを介して提供されるオフセットが指す物理的範囲が減少する。例えば、NTN設定情報に含まれる「cellSpecificKoffset-r17」IEは、15kHz(kilohertz)に基づいて、最大1023個のスロットまで指示することができる。
【0078】
NTNペイロード221の軌道に応じて、必要なスケジューリングオフセットが異なる場合がある。例えば、LEOでは、0から49msの範囲のスケジューリングオフセットをサポートすることができる。また、例えば、MEOでは、93から395msの範囲のスケジューリングオフセットをサポートすることができる。さらに、例えば、GEOでは、477から542msの範囲のスケジューリングオフセットをサポートすることができる。しかしながら、NTNのサポート周波数帯域が高くなるにつれて、ニューマロジーは、15kHzをサポートしない可能性がある。最近、10GHz以上の周波数帯域として、Ka帯域(26.5~40GHz)が議論されている。NRのFR2に対応する周波数範囲として、最低60kHzのSCSが要求される。15kHzより大きいSCSのため、1023個のスロットによって示される長さだけでは、542msまでの値を表現することは困難である。したがって、スケジューリングオフセットを指示するための新しい方法が求められる。
【0079】
一実施形態によれば、NTN基地局は、より広い範囲の可能な値を有するスケジューリングオフセットを、UE110に指示することができる。ここで、スケジューリングオフセットは、
図9aのK
offsetを意味する。例えば、以下の表のように、スケジューリングオフセットを定義することができる。一例では、Ka帯域では、60kHzに基づいて、スケジューリングオフセットを定義することができる。
【表10】
LEOでは、0から49msの範囲のスケジューリングオフセット、MEOでは、93から395msの範囲のスケジューリングオフセット、及びGEOでは、477から542msの範囲のスケジューリングオフセットをサポートするために、単位スロットの長さが、0.25msに対応するスケジューリングオフセット(「cellSpecificKoff -r17」IE)は、1から4095までの範囲を有することができる。表10では、4095まで、12ビットが示されているが、本開示の実施形態は、これに限定されない。スケジューリングオフセットを指示するために、異なる数のビットが用いられてもよいことは言うまでもない。
【0080】
別の実施形態によれば、NTN基地局は、高くなる周波数帯域のために、スケジューリングオフセットの最大値を変更する代わりに、FR2に固有の(specific to)スケジューリングオフセットフィールドを含むNTN設定情報を、UE110に送信することができる。例えば、以下の表に示すように、NTN設定情報は、FR2のためのスケジューリングオフセットフィールドを含んでもよい。
【表11】
このとき、いくつかの実施形態では、FR2に対応する周波数帯域の衛星のためのNTN設定情報が提供される場合、NTN設定情報のオーバーヘッドを減らすために、特定のIE(例えば、「cellSpecificKoffset-r17」IE)は、省略することができる。
【0081】
Koffsetと同様に、NTNペイロード221の軌道によって、要求されるKmacオフセットが異なってもよい。例えば、LEOでは、0から25msの範囲のKmacオフセットをサポートすることができる。さらに、例えば、MEOでは、0から198msの範囲のKmacオフセットをサポートすることができる。なお、例えば、GEOでは、0から271msの範囲のKmacオフセットをサポートすることができる。近年、10GHz以上の周波数帯域として、Ka帯域(26.5~40GHz)が議論されているところ、NRのFR2に対応する周波数範囲として、最小60kHzのSCSが要求される。15kHzより大きいSCSのため、512個のスロットによって示される長さだけでは、271msまでの値を表現することは困難である。したがって、Kmacオフセットを指示するための新しい方法が求められる。
【0082】
一実施形態によれば、NTN基地局は、より広い範囲の可能な値を有するK
macオフセットを、UE110に指示することができる。ここで、K
macオフセットは、
図9bのK
offset960を意味する。例えば、以下の表のように、K
macオフセットを定義することができる。一例として、Ka帯域では、60kHzに基づいて、スケジューリングオフセットを定義することができる。
【表12】
別の実施形態によれば、NTN基地局は、高くなる周波数帯域のために、K
macオフセットの最大値を変更する代わりに、FR2に固有の(specific to)K
macオフセットフィールドを含むNTN設定情報を、UE110に送信することができる。例えば、以下の表に示すように、NTN設定情報は、FR2のためのK
macオフセットフィールドを含むことができる。
【表13】
このとき、いくつかの実施形態では、FR2に対応する周波数帯域の衛星のためのNTN設定情報が提供される場合、NTN設定情報のオーバーヘッドを減らすために、特定のIE(例えば、「kmac-r17」IE) は、省略できる。
【0083】
図10は、一実施形態によるNTNタイプの例を示す。
【0084】
図10を参照すると、衛星(satellite)は、曲げられたパイプ(bent pipe)ペイロード又は再生(regenerative)ペイロードの通信送信機を着用する宇宙車両(space-borne vehicle)を意味する。衛星は、GEO1010、MEO1020、又はLEO1030に配置されてもよい。NTNタイプは、例示的に以下の表のように要約することができる。
【表14】
図11aは、一実施形態によるNTNペイロード(payload)の構成要素を示す。NTNペイロードは、NTNペイロード221を例示する。以下で使用される「…部」、「…機」などの用語は、少なくとも1つの機能又は動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア又はソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実装することができる。
【0085】
図11aを参照すると、NTNペイロード221は、送受信機1101、プロセッサ1103、メモリ1105を含むことができる。
【0086】
送受信機1101は、無線チャネルを介して、信号を送受信する機能を実行する。例えば、送受信機1101は、ベースバンド信号をRF帯域信号にアップコンバートした後、アンテナを介して送信し、アンテナを介して受信したRF帯域信号を、ベースバンド信号にダウンコンバートする。例えば、送受信機1101は、送信フィルタ、受信フィルタ、アンプ、ミキサ、発振器、DAC、ADCなどを含むことができる。
【0087】
送受信機1101は、複数の送受信経路(path)を含むことができる。さらに、送受信機1101は、アンテナ部を含むことができる。送受信機1101は、複数のアンテナ要素から構成される少なくとも1つのアンテナアレイを含むことができる。ハードウェアの観点からは、送受信機1101は、デジタル回路及びアナログ回路(例えば、RFIC(radio frequency integrated circuit))から構成することができる。ここで、デジタル回路及びアナログ回路は、1つのパッケージで実現することができる。さらに、送受信機1101は、複数のRFチェーンを含むことができる。送受信機1101は、ビームフォーミングを実行することができる。送受信機1101は、送受信しようとする信号に、プロセッサ1103の設定に応じた方向性を付与するために、信号にビームフォーミング重みを適用することができる。一実施形態によれば、送受信機1101は、RF(radio frequency)ブロック(又はRF部)を含むことができる。
【0088】
送受信機1101は、無線アクセスネットワーク(radio access network)上で信号を送受信することができる。例えば、送受信機1101は、ダウンリンク信号を送信することができる。ダウンリンク信号は、同期信号(synchronization signal、SS)、基準信号(reference signal、RS)(例えば、CRS(cell-specific reference signal)、DM(demodulation)-RS)、システム情報(例:MIB、SIB、 RMSI(remaining system information)、OSI(other system information))、設定メッセージ(configuration message)、制御情報(control information)、又はダウンリンクデータなどを含むことができる。さらに、例えば、送受信機1101は、アップリンク信号を受信することができる。アップリンク信号は、ランダムアクセス関連信号(例えば、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble、RAP)(又はMsg1(message 1))、Msg3(message 3))、基準信号(例えば、SRS(sounding reference signal)、DM-RS)、又は電力ヘッドルーム報告(power headroom report、PHR)などを含むことができる。
図11aには、送受信機1101のみが示されているが、他の実施形態によれば、NTNペイロード221は、2つ以上のRF送受信機を含んでもよい。
【0089】
プロセッサ1103は、NTNペイロード221の全体的な動作を制御する。プロセッサ1103は、制御部と呼ぶことができる。例えば、プロセッサ1103は、送受信機1101を介して信号を送信及び受信する。また、プロセッサ1103は、メモリ1105にデータを書き込み、読み取る。そして、プロセッサ1103は、通信規格で要求されるプロトコルスタックの機能を実行することができる。
図11aには、プロセッサ1103のみが示されているが、他の実施形態によれば、NTNペイロード221は、2つ以上のプロセッサを含んでもよい。プロセッサ1103は、メモリ470に格納された命令セット又はコードであり、プロセッサ1103に少なくとも一時的に常駐する(resided)命令 /コード又は命令/コードを格納した記憶空間であっても、又はプロセッサ1103を構成する回路(circuitry)の一部であってもよい。さらに、プロセッサ1103は、通信を実行するための様々なモジュールを含むことができる。プロセッサ1103は、NTNペイロード221が実施形態による動作を実行するように制御することができる。
【0090】
メモリ1105は、NTNペイロード221の動作のための基本プログラム、アプリケーションプログラム、設定情報などのデータを記憶する。メモリ1105は、記憶部と呼ばれることがある。メモリ1105は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又は揮発性メモリと不揮発性メモリとの組み合わせで構成することができる。そして、メモリ1105は、プロセッサ1103の要求に応じて、記憶されたデータを提供する。一実施形態によれば、メモリ1105は、SRS送信方式に関連する条件、命令、又は設定値のためのメモリを含んでもよい。
【0091】
図11bは、一実施形態によるNTNゲートウェイ(gateway)の構成要素を示す。NTNゲートウェイは、NTNゲートウェイ223を例示する。以下で使用される「…部」、「…機」などの用語は、少なくとも1つの機能又は動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア又はソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実装することができる。
【0092】
図11bを参照すると、NTNゲートウェイ223は、送受信機1151、プロセッサ1153、メモリ1155、及びバックホール送受信機1157を含むことができる。
【0093】
送受信機1151は、有線通信の環境において、信号を送受信するための機能を実行することができる。送受信機1151は、伝送媒体(transmission medium)(例えば、銅線、光ファイバ)を介して、装置と装置との間の直接接続を制御するための有線インタフェースを含み得る。例えば、送受信機1151は、銅線を介して、他の装置に電気信号を伝達するか、電気信号と光信号との間の変換を実行することができる。NTNゲートウェイ223は、送受信機1151を介して、NTNペイロード221と通信を行うことができる。NTNゲートウェイ223は、送受信機1151を介して、コアネットワーク又は分散配置のCUに接続することができる。
【0094】
送受信機1151は、無線通信の環境において、信号を送受信するための機能を実行することもできる。例えば、送受信機1151は、システムの物理層規格に従って、ベースバンド信号及びビット列間の変換機能を実行することができる。例えば、データ送信時に、送受信機1151は、送信ビット列を符号化及び変調することによって、複素シンボル(complex-valued smbols)を生成する。また、データを受信するとき、送受信機1151は、ベースバンド信号を復調及び復号化して、受信ビット列を復元する。さらに、送受信機1151は、複数の送受信経路(path)を含むことができる。さらに、一実施形態によれば、送受信機1151は、コアネットワークに接続されてもよく、他のノード(例えば、IAB(integrated access backhaul))に接続されてもよい。
【0095】
送受信機1151は、前述したように信号を送信及び受信する。したがって、送受信機1151の全部又は一部は、「通信部」、「送信部」、「受信部」、又は「送受信部」と呼ばれることがある。なお、以下の説明では、無線チャネルを介して行われる送信及び受信は、送受信機1151によって、前述したような処理が実行されることを含む意味として使用される。
【0096】
プロセッサ1153は、NTNゲートウェイ223の全体的な動作を制御する。プロセッサ1153は、制御部と呼ぶことがある。例えば、プロセッサ1153は、送受信機1151を介して(又はバックホール送受信機1157を介して)信号を送受信する。また、プロセッサ1153は、メモリ1155にデータを書き込み、読み取る。そして、プロセッサ1153は、通信規格で要求されるプロトコルスタック(protocol stack)の機能を実行することができる。
図11bには、プロセッサ1153のみが示されているが、他の実施形態によれば、NTNゲートウェイ223は、2つ以上のプロセッサを含んでもよい。
【0097】
メモリ1155は、NTNゲートウェイ223の動作のための基本プログラム、アプリケーションプログラム、設定情報などのデータを記憶する。メモリ1155は、記憶部と呼ばれることがある。メモリ1155は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又は揮発性メモリと不揮発性メモリとの組み合わせで構成することができる。そして、メモリ1155は、プロセッサ1153の要求に応じて、記憶されたデータを提供する。
【0098】
NTNゲートウェイ223は、コアネットワーク又は他の基地局と接続するためのバックホール送受信機1157をさらに含むことができる。バックホール送受信機1157は、ネットワーク内の他のノードと通信を実行するためのインターフェースを提供する。すなわち、バックホール送受信機1157は、基地局において、他のノード、例えば、他の接続ノード、他の基地局、上位ノード、コアネットワークなどに送信されるビット列を、物理信号に変換し、他のノードから受信した物理信号を、ビット列に変換する。
【0099】
図12は、一実施形態による端末の構成要素を示す。端末は、UE110を例示する。UE110は、NTNを介してNRアクセスを提供するgNB(例えば、gNB120)に接続を実行することができる。
【0100】
図12を参照すると、UE110は、少なくとも1つのプロセッサ1201、少なくとも1つのメモリ1203、少なくとも1つの送受信機1205を含むことができる。以下、構成要素は、単数で記述されるが、複数の構成要素又はサブ構成要素の実装は、排除されない。
【0101】
プロセッサ1201は、UE110の全体的な動作を制御する。例えば、プロセッサ1201は、メモリ1203にデータを書き込み、読み取る。例えば、プロセッサ1201は、送受信機1205を介して信号を送受信する。
図12は、1つのプロセッサを示しているが、本開示の実施形態は、これに限定されない。UE110は、本開示の実施形態を実行するために、少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。プロセッサ1201は、制御部(control unit)又は制御手段(control means)と呼ばれることがある。実施形態によれば、プロセッサ1201は、UE110が本開示の実施形態による動作又は方法のうち少なくとも1つを実行するように制御することができる。
【0102】
メモリ1203は、UE110の動作のための基本プログラム、アプリケーションプログラム、設定情報などのデータを記憶することができる。メモリ1203は、少なくとも1つの構成要素(例えば、送受信機1205、プロセッサ1201)によって使用される様々なデータを記憶することができる。データは、例えば、ソフトウェアと、それに関連する命令に対する入力データ又は出力データとを含んでもよい。メモリ1203は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又は揮発性メモリと不揮発性メモリとの組み合わせで構成することができる。そして、メモリ1203は、プロセッサ1201の要求に従って、記憶されたデータを提供することができる。
【0103】
送受信機1205は、無線チャネルを介して、信号を送受信する機能を実行する。例えば、送受信機1205は、システムの物理層規格に従って、ベースバンド信号及びビット列間の変換機能を実行する。例えば、データ送信時に、送受信機1205は、送信ビット列を符号化及び変調することによって、複素シンボルを生成する。また、データを受信するとき、送受信機1205は、ベースバンド信号を復調及び復号化して、受信ビット列を復元する。また、送受信機1205は、ベースバンド信号をRF(radio frequency)帯域信号にアップコンバートした後、アンテナを介して送信し、アンテナを介して受信したRF帯域信号を、ベースバンド信号にダウンコンバートする。
【0104】
この目的のために、送受信機1205は、送信フィルタ、受信フィルタ、アンプ、ミキサ(mixer)、発振器(oscillator)、DAC(digital to analog convertor)、ADC(analog to digital convertor)などを含むことができる。さらに、送受信機1205は、複数の送受信経路(path)を含むことができる。さらに、送受信機1205は、複数のアンテナ要素(antenna elements)から構成された少なくとも1つのアンテナアレイ(antenna array)を含むことができる。ハードウェアの観点からは、送受信機1205は、デジタルユニット(digital unit)及びアナログユニット(analog unit)から構成することができ、アナログユニットは、動作電力、動作周波数などに応じて、複数のサブユニット(sub-unit)で構成することができる。
【0105】
送受信機1205は、前述したように信号を送受信する。したがって、送受信機1205は、「送信部」、「受信部」又は「送受信部」と呼ばれることがある。なお、以下の説明において、無線チャネル、バックホールネットワーク、光ケーブル、イーサネット、その他の有線経路を介して行われる送信及び受信は、送受信機1205によって、前述したような処理が行われることを含む意味として使用される。一実施形態によれば、送受信機1205は、ネットワーク内の他のノードと通信を実行するためのインターフェースを提供することができる。すなわち、送受信機1205は、UE110において、他のノード、例えば、他の接続ノード、他の基地局、上位ノード、コアネットワークなどに送信されるビット列を、物理信号に変換し、他のノードから受信される物理信号を、ビット列に変換できる。
【0106】
実施形態では、NR(new radio)アクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置によって実行される方法は、NTN設定情報を生成する動作と、前記生成されたNTN設定情報を含むメッセージを、NTNペイロードを介して、UE(user equipment)に送信する動作とを含むことができる。前記NTN設定情報は、スケジューリングオフセット情報を含むことができる。前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され得る。前記スケジューリングオフセット情報は、NRのFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示されてもよい。
【0107】
一実施形態によれば、前記NTN設定情報は、MAC(medium access control) CE(control element)オフセット情報を含むことができる。前記MAC CEオフセット情報は、MAC CE受信とMAC CE活性時点との間の差に適用されてもよい。前記MAC CEオフセット情報は、前記SCSに基づいて、スロットの数を介して指示されてもよい。
【0108】
一実施形態によれば、前記SCSは、60kHz(kilohertz)であってもよい。前記メッセージは、SIB(system information block)19を含むSI(system information)メッセージ、RRC再構成(reconfiguration)メッセージ、RRC設定(setup)メッセージ、又はRRC再開(resume)メッセージを含むことができる。
【0109】
一実施形態によれば、前記NTN設定情報は、エポック(epoch)時間に関する情報及びUL(uplink)同期のための有効時間に関する情報を含むことができる。前記UL同期のための有効時間に関する情報は、複数の可能な値のうちの1つを示すことができる。前記複数の可能な値のうち少なくとも1つは、900秒より大きい値を有することができる。
【0110】
一実施形態によれば、前記エポック時間に関する情報は、HFN(hyper frame number)、SFN(system frame number)、及びサブフレーム番号に基づいて指示されてもよい。
【0111】
実施形態では、UE(user equipment)によって実行される方法は、NRアクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置から、NTN設定情報を含むメッセージを受信する動作と、前記NTN設定情報からスケジューリングオフセット情報を識別する動作とを含むことができる。前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され得る。前記スケジューリングオフセット情報は、NRのFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示されてもよい。
【0112】
一実施形態によれば、前記NTN設定情報は、MAC(medium access control) CE(control element)オフセット情報を含むことができる。前記MAC CEオフセット情報は、MAC CE受信とMAC CE活性時点との間の差に適用されてもよい。前記MAC CEオフセット情報は、前記SCSに基づいて、スロットの数を介して指示されてもよい。
【0113】
一実施形態によれば、前記SCSは、60kHz(kilohertz)であってもよい。前記メッセージは、SIB(system information block)19を含むSI(system information)メッセージ、RRC再構成(reconfiguration)メッセージ、RRC設定(setup)メッセージ、又はRRC再開(resume)メッセージを含むことができる。
【0114】
一実施形態によれば、前記NTN設定情報は、エポック(epoch)時間に関する情報及びUL(uplink)同期のための有効時間に関する情報を含むことができる。前記UL同期のための有効時間に関する情報は、複数の可能な値のうちの1つを示すことができる。前記複数の可能な値のうち少なくとも1つは、900秒より大きい値を有することができる。
【0115】
一実施形態によれば、前記エポック時間に関する情報は、HFN(hyper frame number)、SFN(system frame number)、及びサブフレーム番号に基づいて指示されてもよい。
【0116】
実施形態では、NR(new radio)アクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置は、少なくとも1つの送受信機と、前記少なくとも1つの送受信機と結合される少なくとも1つのプロセッサとを含むことができる。前記少なくとも1つのプロセッサは、NTN設定情報を生成し、前記生成されたNTN設定情報を含むメッセージを、NTNペイロードを介して、UE(user equipment)に送信するように構成することができる。前記NTN設定情報は、スケジューリングオフセット情報を含むことができる。前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され得る。前記スケジューリングオフセット情報は、NRのFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示されてもよい。
【0117】
一実施形態によれば、前記NTN設定情報は、MAC(medium access control) CE(control element)オフセット情報を含むことができる。前記MAC CEオフセット情報は、MAC CE受信とMAC CE活性時点との間の差に適用されてもよい。前記MAC CEオフセット情報は、前記SCSに基づいて、スロットの数を介して指示されてもよい。
【0118】
一実施形態によれば、前記SCSは、60kHz(kilohertz)であってもよい。前記メッセージは、SIB(system information block)19を含むSI(system information)メッセージ、RRC再構成(reconfiguration)メッセージ、RRC設定(setup)メッセージ、又はRRC再開(resume)メッセージを含むことができる。
【0119】
一実施形態によれば、前記NTN設定情報は、エポック(epoch)時間に関する情報及びUL(uplink)同期のための有効時間に関する情報を含むことができる。前記UL同期のための有効時間に関する情報は、複数の可能な値のうちの1つを示すことができる。前記複数の可能な値のうち少なくとも1つは、900秒より大きい値を有することができる。
【0120】
一実施形態によれば、前記エポック時間に関する情報は、HFN(hyper frame number)、SFN(system frame number)、及びサブフレーム番号に基づいて指示されてもよい。
【0121】
一実施形態では、UE(user equipment)は、少なくとも1つの送受信機と、前記少なくとも1つの送受信機と結合される少なくとも1つのプロセッサとを含むことができる。前記少なくとも1つのプロセッサは、NRアクセスを提供するためのNTN(non-terrestrial network)装置から、NTN設定情報を含むメッセージを受信し、前記NTN設定情報からスケジューリングオフセット情報を識別するように構成することができる。前記スケジューリングオフセット情報は、PDCCH(physical downlink control channel)受信とPUCCH(physical uplink control channel)送信との間の差、又はPDCCH受信とPUSCH(physical uplink shared channel)送信との間の差に適用され得る。前記スケジューリングオフセット情報は、NRのFR(frequency range)2帯域のためのSCS(subcarrier spacing)に基づいて、スロットの数を介して指示されてもよい。
【0122】
一実施形態によれば、前記NTN設定情報は、MAC(medium access control) CE(control element)オフセット情報を含むことができる。前記MAC CEオフセット情報は、MAC CE受信とMAC CE活性時点との間の差に適用されてもよい。前記MAC CEオフセット情報は、前記SCSに基づいて、スロットの数を介して指示されてもよい。
【0123】
一実施形態によれば、前記SCSは、60kHz(kilohertz)であってもよい。前記メッセージは、SIB(system information block)19を含むSI(system information)メッセージ、RRC再構成(reconfiguration)メッセージ、RRC設定(setup)メッセージ、又はRRC再開(resume)メッセージを含むことができる。
【0124】
一実施形態によれば、前記NTN設定情報は、エポック(epoch)時間に関する情報及びUL(uplink)同期のための有効時間に関する情報を含むことができる。前記UL同期のための有効時間に関する情報は、複数の可能な値のうちの1つを示すことができる。前記複数の可能な値のうち少なくとも1つは、900秒より大きい値を有することができる。
【0125】
一実施形態によれば、前記エポック時間に関する情報は、HFN(hyper frame number)、SFN(system frame number)、及びサブフレーム番号に基づいて指示されてもよい。
【0126】
本開示の特許請求の範囲又は明細書に記載の実施形態による方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせの形で実装される(implemented)ことができる。
【0127】
ソフトウェアで実施される場合、1つ以上のプログラム(ソフトウェアモジュール)を格納するコンピュータ可読記憶媒体を提供することができる。コンピュータ可読記憶媒体に格納された1つ以上のプログラムは、電子装置(device)内の1つ以上のプロセッサによって実行可能に構成される(configured for execution)。1つ以上のプログラムは、電子装置に本開示の特許請求の範囲又は明細書に記載の実施形態による方法を実行させる命令(instructions)を含む。
【0128】
このようなプログラム(ソフトウェアモジュール、ソフトウェア)は、ランダムアクセスメモリ(random access memory)、フラッシュ(flash)メモリを含む不揮発性(non-volatile)メモリ、ローム(read only memory、ROM)、電気的消去可能プログラム可能ローム(electrically erasable programmable read only memory、EEPROM)、磁気ディスク記憶装置(magnetic disc storage device)、コンパクトディスクローム(compact disc-ROM, CD-ROM)、デジタル多目的ディスク(digital versatile discs, DVDs)、又は他の形式の光学記憶装置、磁気カセット(magnetic cassette)に格納することができる。あるいは、それらの一部又は全部の組み合わせから構成されたメモリに記憶することができる。また、各構成メモリは、複数含まれてもよい。
【0129】
また、プログラムは、インターネット(Internet)、イントラネット(Intranet)、LAN(local area network)、WAN(wide area network)、SAN(storage area network)などの通信ネットワーク、又はそれらの組み合わせから構成された通信ネットワークを介して、アクセス(access)できる取り付け可能な(attachable)記憶装置(storage device)に記憶することができる。そのような記憶装置は、外部ポートを介して、本開示の実施形態を実行する装置に接続することができる。さらに、通信ネットワーク上の別途の記憶装置が、本開示の実施形態を実行する装置に接続することもできる。
【0130】
前記の本開示の特定の実施形態では、開示に含まれる構成要素は、提示された特定の実施形態に従って、単数又は複数で表されている。ただし、単数又は複数の表現は、説明の便宜のために提示した状況に適して選択されたものであり、本開示が単数又は複数の構成要素に限定されるものではなく、複数で表される構成要素であってもよく、単数で構成されても、単数で表現された構成要素であっても、複数で構成されてもよい。
【0131】
なお、本開示の詳細な説明では、具体的な実施形態について説明したが、本開示の範囲から逸脱しない限り、様々な変形が可能であることは言うまでもない。