(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002469
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】タンクユニット及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
B41J2/175 133
B41J2/175 113
B41J2/175 169
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101660
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】工藤 聖真
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056KC02
2C056KC30
(57)【要約】
【課題】第1カバーに対する第2カバーの位置について自由度が高いタンクユニット及び印刷装置を提供する。
【解決手段】タンクユニット20は、インクを収容するインクタンク21と、インクタンクを保持する保持部31と、保持部に取り付けられる第1カバー41と、保持部に取り付けられる第2カバー51と、を備え、インクタンクには、インクが補充される補充口25が開口し、第1カバーは、保持部に対して第1回転軸A1を中心に回転するように構成され、第1回転軸を中心に回転することによって、補充口を塞ぐ位置と、補充口を露出させる位置との間で変位し、第2カバーは、保持部に対して第2回転軸A2を中心に回転するように構成され、第2回転軸を中心に回転することによって、補充口を塞ぐ位置に位置する第1カバーを覆う位置と、第1カバーを露出させる位置との間で変位し、第1回転軸及び第2回転軸は、互いに異なる方向に延びる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを収容するインクタンクと、
前記インクタンクを保持する保持部と、
前記保持部に取り付けられる第1カバーと、
前記保持部に取り付けられる第2カバーと、を備え、
前記インクタンクには、インクが補充される補充口が開口し、
前記第1カバーは、
前記保持部に対して第1回転軸を中心に回転するように構成され、
前記第1回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置と、前記補充口を露出させる位置との間で変位し、
前記第2カバーは、
前記保持部に対して第2回転軸を中心に回転するように構成され、
前記第2回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置に位置する前記第1カバーを覆う位置と、前記第1カバーを露出させる位置との間で変位し、
前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、互いに異なる方向に延びることを特徴とするタンクユニット。
【請求項2】
前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、互いに直交する方向に延びることを特徴とする請求項1に記載のタンクユニット。
【請求項3】
前記インクタンクは、前記補充口が先端に開口する補充管を有し、
前記第1カバーは、前記補充管を覆うキャップを有し、
前記第2カバーは、前記第1カバーに接触する接触部分を有し、
前記キャップは、前記第1カバーが前記補充口を塞ぐ位置に位置する場合に前記補充管を覆い、
前記接触部分は、前記補充口を塞ぐ位置に位置する前記第1カバーを覆う位置に前記第2カバーが位置する場合に、前記第1カバーを前記補充管に押し付けることを特徴とする請求項2に記載のタンクユニット。
【請求項4】
前記第1カバーは、前記キャップが取り付けられるベースを有し、
前記ベースは、
前記キャップが取り付けられる取付面と、
前記取付面と反対の押付面と、
前記取付面と前記押付面とに連なる規制面と、を有し、
前記押付面は、前記接触部分が前記第1カバーを前記補充管に押し付ける場合に、前記接触部分と接触する面であり、
前記規制面は、前記第1カバーが前記補充口を露出させる位置に位置する場合に、前記接触部分と接触する面であり、
前記第1カバーは、前記規制面に前記接触部分が接触することによって、前記第2カバーが回転することを規制することを特徴とする請求項3に記載のタンクユニット。
【請求項5】
前記第1カバーは、前記規制面と反対の支持面を有し、
前記保持部は、前記支持面と接触する支持部分を有し、
前記支持部分は、前記接触部分が前記規制面に接触する場合に、前記支持面と接触することを特徴とする請求項4に記載のタンクユニット。
【請求項6】
インクを吐出するヘッドと、
前記ヘッドが吐出するインクを収容するインクタンクと、
前記インクタンクを保持する保持部と、
前記保持部に取り付けられる第1カバーと、
前記保持部に取り付けられる第2カバーと、を備え、
前記インクタンクには、インクが補充される補充口が開口し、
前記第1カバーは、第1回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置と、前記補充口を露出させる位置との間で変位し、
前記第2カバーは、第2回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置に位置する前記第1カバーを覆う位置と、前記第1カバーを露出させる位置との間で変位し、
前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、互いに異なる方向に延びることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンクユニット及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インクを吐出するヘッドと、タンクユニットとを備える印刷装置が記載されている。タンクユニットは、ヘッドに供給されるインクを収容するインクタンクを備える。インクタンクには、インクが補充される補充口が開口する。タンクユニットは、補充口を塞ぐ第1カバーと、第1カバーを覆う第2カバーとを備える。第1カバー及び第2カバーは、それぞれの回転軸を中心に回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるタンクユニットにおいては、第1カバーの回転軸と、第2カバーの回転軸とが平行である。この場合、第2カバーが第1カバーを覆う都合上、第2カバーの回転軸と補充口との間の距離は、第1カバーの回転軸と補充口との間の距離よりも長くなりやすい。すなわち、第2カバーの位置が制限されやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するタンクユニットは、インクを収容するインクタンクと、前記インクタンクを保持する保持部と、前記保持部に取り付けられる第1カバーと、前記保持部に取り付けられる第2カバーと、を備え、前記インクタンクには、インクが補充される補充口が開口し、前記第1カバーは、前記保持部に対して第1回転軸を中心に回転するように構成され、前記第1回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置と、前記補充口を露出させる位置との間で変位し、前記第2カバーは、前記保持部に対して第2回転軸を中心に回転するように構成され、前記第2回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置に位置する前記第1カバーを覆う位置と、前記第1カバーを露出させる位置との間で変位し、前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、互いに異なる方向に延びる。
【0006】
上記課題を解決する印刷装置は、インクを吐出するヘッドと、前記ヘッドが吐出するインクを収容するインクタンクと、前記インクタンクを保持する保持部と、前記保持部に取り付けられる第1カバーと、前記保持部に取り付けられる第2カバーと、を備え、前記インクタンクには、インクが補充される補充口が開口し、前記第1カバーは、第1回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置と、前記補充口を露出させる位置との間で変位し、前記第2カバーは、第2回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置に位置する前記第1カバーを覆う位置と、前記第1カバーを露出させる位置との間で変位し、前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、互いに異なる方向に延びる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】タンクユニットの一実施形態を示す斜視図である。
【
図4】第1カバーによって第2カバーの回転が規制されているタンクユニットの斜視図である。
【
図5】第2カバーによって第1カバーが押し付けられているタンクユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、タンクユニットを備える印刷装置の一実施形態について図を参照しながら説明する。印刷装置は、例えば、用紙、布帛などの媒体にインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。印刷装置は、原稿に印刷された画像を読み取る読取機構を備えていてもよい。
【0009】
<印刷装置の構成>
図1に示すように、印刷装置11は、筐体12を備える。筐体12は、排出カバー13を有する。排出カバー13は、開閉可能に構成される。
図1において、排出カバー13は、閉じている。排出カバー13が開かれることによって、排出口が露出する。排出口を通じて、印刷済みの媒体99が排出される。
【0010】
筐体12には、視認口14が開口する。視認口14は、後述するインクタンク21の一部を露出させる開口である。視認口14は、例えば、筐体12の前面に開口する。視認口14は、例えば、インクタンク21の前面を露出させる。ユーザーは、視認口14を通じて、インクタンク21のインク残量を把握できる。
【0011】
印刷装置11は、ヘッド15を備える。ヘッド15は、筐体12に収容される。ヘッド15は、1以上のノズルを有する。ヘッド15は、ノズルからインクを吐出する。ヘッド15は、媒体99にインクを吐出する。これにより、媒体99に画像が印刷される。
【0012】
印刷装置11は、タンクユニット20を備える。タンクユニット20は、インクタンク21を含むユニットである。タンクユニット20は、例えば、筐体12に取り付けられる。
【0013】
<タンクユニットの構成>
タンクユニット20は、インクタンク21を備える。インクタンク21は、筐体12に収容される。インクタンク21は、インクを収容する。インクタンク21は、ヘッド15と接続される。インクタンク21が収容するインクは、ヘッド15に供給される。
【0014】
図2に示すように、インクタンク21は、収容部22を備える。収容部22は、インクを収容するように構成される。収容部22は、例えば、透明又は半透明な材料で構成される。収容部22は、その内部にインクを収容する。収容部22に収容されるインクが、ヘッド15に供給される。
【0015】
収容部22は、視認部23を有する。視認部23は、例えば、目盛りが表示された面である。視認部23は、例えば、収容部22の前面である。視認部23は、視認口14を通じて露出される。ユーザーは、視認口14を通じて視認部23を視認することによって、インクタンク21内におけるインクの液面を視認する。これにより、ユーザーは、インクタンク21のインク残量を把握する。
【0016】
インクタンク21は、補充管24を有してもよい。補充管24は、収容部22から上方に延びる。補充管24を通じて、収容部22にインクが補充される。例えば、インクを収容するインクボトルを補充管24に挿入させることによって、補充管24を通じて収容部22にインクが補充される。
【0017】
インクタンク21には、補充口25が開口する。補充口25を通じて、収容部22にインクが補充される。補充口25は、例えば、補充管24の先端に開口する。補充口25は、収容部22に開口してもよい。
【0018】
タンクユニット20は、保持部31と、第1カバー41と、第2カバー51とを備える。
保持部31は、筐体12に収容される。保持部31は、インクタンク21を保持するように構成される。保持部31は、例えば、インクタンク21の上部に取り付けられる。保持部31は、インクタンク21を上部から覆うように構成される。保持部31は、補充管24を露出させるように構成される。
【0019】
図2、
図3、
図4、及び、
図5に示すように、保持部31は、上面32を有する。上面32は、保持部31において上方を向く面である。保持部31は、第1側面33を有する。保持部31は、第2側面34を有する。第1側面33及び第2側面34は、保持部31において、互いに反対を向く面である。第1側面33及び第2側面34は、例えば、上面32と連なる。
【0020】
保持部31には、挿入穴35が開口する。挿入穴35は、例えば、上面32に開口する。挿入穴35を通じて補充管24が露出する。挿入穴35は、インクボトルが挿入される開口である。挿入穴35にインクボトルが挿入されることによって、インクボトルに補充管24が挿入される。挿入穴35にインクボトルが挿入されることによって、保持部31は、インクボトルを支持する。これにより、インクの補充時に、インクボトルの姿勢が安定する。
【0021】
保持部31には、取付溝36が開口する。取付溝36は、例えば、上面32に開口する。取付溝36は、上面32において、挿入穴35と隣り合う位置に位置する。取付溝36は、第1カバー41が取り付けられる溝である。取付溝36に、第1カバー41の基端が挿入されることによって、第1カバー41が保持部31に取り付けられる。
【0022】
保持部31は、支持部分37を有する。支持部分37は、第1カバー41を支持する部分である。支持部分37は、第1カバー41に接触することによって、第1カバー41に作用する応力を受ける。支持部分37は、第1カバー41に作用する応力を受けることによって、第1カバー41を補強する。支持部分37は、例えば、上面32から上方に突出する。支持部分37は、例えば、突起である。支持部分37は、例えば、上面32において、取付溝36と隣り合う位置に位置する。
【0023】
第1カバー41は、保持部31に取り付けられる。第1カバー41は、保持部31に対して回転可能に取り付けられる。第1カバー41は、保持部31に対して第1回転軸A1を中心に回転するように構成される。第1回転軸A1は、取付溝36に架設されるように延びる仮想軸である。第1回転軸A1は、第1カバー41の基端を貫通するように延びる。第1回転軸A1は、例えば、視認部23に対して垂直な方向に延びる。
【0024】
第1カバー41は、補充口25を塞ぐ。詳しくは、第1カバー41は、第1回転軸A1を中心に回転することによって、補充口25を塞ぐ位置と、補充口25を露出させる位置との間で変位する。したがって、第1カバー41は、補充口25を開閉する。第1カバー41が補充口25を塞ぐことによって、補充口25を通じて異物が収容部22に進入するおそれが低減される。インクタンク21にインクを補充する場合には、第1カバー41が開かれる。
図2、
図3、及び、
図4に示す第1カバー41は、補充口25を露出させる位置に位置する。
図5に示す第1カバー41は、補充口25を塞ぐ位置に位置する。詳しくは、
図5に示す第1カバー41は、補充管24の先端に接触する位置に位置する。
【0025】
第1カバー41は、キャップ42を有する。キャップ42は、補充管24を覆う。詳しくは、第1カバー41が補充口25を塞ぐ位置に位置する場合、すなわち第1カバー41が閉じている場合に、キャップ42は、補充管24の先端を覆う。このとき、キャップ42は、例えば、挿入穴35に進入してもよい。第1カバー41が補充口25を露出させる位置に位置する場合、すなわち第1カバー41が開いている場合、キャップ42は、補充管24から離れる。
【0026】
第1カバー41が閉じると、キャップ42に補充管24の先端が嵌まる。これにより、キャップ42は、補充管24の先端を覆う。
図5に示す第1カバー41においては、キャップ42に補充管24が嵌まり切っていない。キャップ42が補充管24の先端に接触することによって、第1カバー41によって補充口25が塞がれる。キャップ42に補充管24に嵌まることによって、第1カバー41によって補充口25がより好適に塞がれる。
【0027】
キャップ42は、例えば、ゴム、エラストマーなど、弾性のある材料で構成される。これにより、キャップ42は、補充管24に密着できる。キャップ42が補充管24を覆うことによって、補充口25を通じて収容部22に異物が進入したり、収容部22に収容されるインクの蒸発が促進したりするおそれが低減される。
【0028】
第1カバー41は、ベース43を有する。ベース43は、キャップ42が取り付けられる部材である。ベース43の基端が、保持部31に取り付けられる。ベース43が第1回転軸A1を中心に回転することによって、キャップ42が補充管24を覆ったり、キャップ42が補充管24から離れたりする。ベース43は、第1カバー41が補充口25を塞ぐ場合に、挿入穴35に進入してもよい。
【0029】
ベース43は、取付部分44を含む。取付部分44は、ベース43の基端に位置する。取付部分44は、取付溝36に挿入される。取付部分44が保持部31に取り付けられることによって、第1カバー41が保持部31に保持される。したがって、第1回転軸A1は、取付部分44を貫通するように延びる。
【0030】
ベース43は、把持部分45を有する。把持部分45は、ベース43の先端に位置する。ユーザーは、把持部分45を把持することによって、第1カバー41を開閉する。
ベース43は、取付面46、押付面47、規制面48、及び、支持面49を有する。取付面46、押付面47、規制面48、及び、支持面49は、例えば、ベース43において取付部分44と把持部分45との間に位置する中間部分の外周面である。
【0031】
取付面46は、キャップ42が取り付けられる面である。取付面46は、例えば、第1カバー41が補充口25を塞ぐ場合に、下方を向く面である。取付面46は、第1カバー41が補充口25を塞ぐ場合に、インクタンク21と対向する。
【0032】
押付面47は、取付面46と反対の面である。押付面47は、第1カバー41が補充口25を塞ぐ場合に、上方を向く面である。押付面47は、第1カバー41が補充口25を塞ぐ場合に、第2カバー51と接触可能な面である。押付面47に第2カバー51が接触することによって、第1カバー41は、補充管24に押し付けられる。これにより、キャップ42は、補充管24に密着する。
【0033】
規制面48は、取付面46と押付面47とに連なる面である。規制面48は、例えば、印刷装置11において前方を向く面である。すなわち、規制面48は、例えば、視認部23と同じ方向を向く面である。規制面48は、第1カバー41が補充口25を露出させる場合に、第2カバー51と接触可能な面である。規制面48は、第2カバー51と接触することによって、第2カバー51の変位を規制する面である。
【0034】
支持面49は、規制面48と反対の面である。支持面49は、例えば、印刷装置11において後方を向く面である。支持面49は、第1カバー41が補充口25を露出させる場合に、支持部分37と対向する。支持面49は、第1カバー41が補充口25を露出させる場合に、支持部分37と接触する。支持面49は、例えば、規制面48に第2カバー51が接触する場合に、支持部分37と接触する。支持面49に支持部分37が接触することによって、第1カバー41は、支持部分37に支持される。
【0035】
第2カバー51は、保持部31に取り付けられる。第2カバー51は、保持部31に対して回転可能に取り付けられる。第2カバー51は、保持部31に対して第2回転軸A2を中心に回転するように構成される。第2回転軸A2は、例えば、第1側面33及び第2側面34を貫通するように延びる仮想軸である。第2回転軸A2は、第2カバー51の基端を貫通するように延びる。
【0036】
第2回転軸A2は、第1回転軸A1と異なる方向に延びる。第2回転軸A2は、例えば、第1回転軸A1と直交する方向に延びる。第2回転軸A2は、例えば、視認部23と平行な方向に延びる。
【0037】
第2カバー51は、第1カバー41を覆う。詳しくは、第2カバー51は、補充口25を塞ぐ位置に位置する第1カバー41を覆う。より具体的には、第2カバー51は、第2回転軸A2を中心に回転することによって、補充口25を塞ぐ位置に位置する第1カバー41を覆う位置と、第1カバー41を露出させる位置との間で変位する。したがって、第2カバー51は、補充口25を塞ぐ第1カバー41に対して開閉する。補充口25を塞ぐ第1カバー41を第2カバー51が覆うことによって、第1カバー41が不意に開くおそれが低減される。第2カバー51は、第1カバー41を覆うことによって、第1カバー41を保護する。インクタンク21にインクを補充する場合には、第2カバー51が開かれる。
図2、
図3、及び、
図4に示す第2カバー51は、第1カバー41を露出させる位置に位置する。
図5に示す第2カバー51は、第1カバー41を覆う直前の位置に位置する。これは、キャップ42に補充管24が嵌まり切っていないためである。
【0038】
第2カバー51は、本体部分52を有する。本体部分52は、第1カバー41を覆う部分である。ユーザーは、本体部分52を掴むことによって、第2カバー51を開閉させる。本体部分52は、内面53を有する。内面53は、本体部分52が第1カバー41を覆う場合に、第1カバー41を囲う面である。
【0039】
第2カバー51は、保持部分54を有する。保持部分54は、保持部31に取り付けられる部分である。保持部分54は、第2カバー51の基端に位置する。保持部分54は、本体部分52から延びる。保持部分54は、例えば、保持部31を挟むように延びる。詳しくは、保持部分54は、第1側面33及び第2側面34を挟むように延びる。したがって、第2回転軸A2は、保持部分54を貫通するように延びる。
【0040】
第2カバー51は、接触部分55を有する。接触部分55は、第1カバー41に接触する部分である。接触部分55は、例えば、内面53から突出する突出片である。接触部分55は、補充口25を塞ぐ第1カバー41を第2カバー51が塞ぐ位置に位置する場合に、下方に向かって突出する。接触部分55は、第2カバー51において、内面53に囲まれる領域に位置する。
【0041】
接触部分55は、第2カバー51が第1カバー41を露出させる位置から変位することによって、第1カバー41に接触する。詳しくは、接触部分55は、押付面47又は規制面48に接触する。接触部分55が接触する対象は、第1カバー41の位置によって変化する。
【0042】
図4及び
図6に示すように、第1カバー41が補充口25を露出させる位置に位置する場合、すなわち第1カバー41が開いている場合、接触部分55は、規制面48に接触する。規制面48に接触部分55が接触すると、第2カバー51の回転が停止する。規制面48は、第1回転軸A1と垂直な面である。また、第2回転軸A2は、第1回転軸A1と異なる方向に延びる。そのため、規制面48が第2カバー51に押されても、第1カバー41は変位しない。第1カバー41は、規制面48に接触部分55が接触することによって、第2カバー51が回転することを規制する。すなわち、第1カバー41は、第2カバー51のストッパーとして機能する。これにより、第1カバー41による補充口25の塞ぎ忘れが抑制される。
【0043】
規制面48に接触部分55が接触することによって、第2カバー51から第1カバー41に荷重が加わる。このとき、支持面49に支持部分37が接触することによって、第1カバー41が第2カバー51から受ける荷重を支持部分37が受ける。支持部分37がこの荷重を受けることによって、第1カバー41が破損するおそれが低減される。
【0044】
図5及び
図7に示すように、キャップ42に補充管24が嵌まり切っていない場合、すなわち第1カバー41が閉まり切る直前となる位置に位置する場合に、接触部分55は、押付面47に接触する。押付面47に接触部分55が接触すると、第2カバー51が第1カバー41をインクタンク21に向けて押し付ける。これにより、キャップ42に補充管24が嵌まり切る、すなわち第1カバー41が完全に閉じられる。このように、押付面47に接触部分55が接触することによって、第1カバー41が不完全な状態で閉じられるおそれが低減される。
【0045】
キャップ42に補充管24が嵌まっている場合、すなわち第1カバー41が完全に閉じている場合に、接触部分55は、押付面47に接触する。これにより、補充口25を塞ぐ位置に位置する第1カバー41が、補充管24に対して浮き上がりにくくなる。したがって、第1カバー41が不意に開くおそれが低減される。
【0046】
<作用及び効果>
次に、上記実施例の作用及び効果について説明する。
(1)第1回転軸A1及び第2回転軸A2は、互いに異なる方向に延びる。上記構成によれば、第1回転軸A1及び第2回転軸A2は、平行ではない。これにより、第1カバー41に対する第2カバー51の位置について自由度が向上する。例えば、第1回転軸A1及び第2回転軸A2が互いに直交する方向に延びる場合、第1回転軸A1及び第2回転軸A2が互いに平行に延びる場合と比べて、第1カバー41に対する第2カバー51の位置について自由度が向上する。
【0047】
第1回転軸A1及び第2回転軸A2が互いに平行に延びる場合、第2カバー51が第1カバー41を覆う都合上、第2回転軸A2と補充口25との間の距離は、第1回転軸A1と補充口25との間の距離よりも長くなりやすい。特に、第1カバー41が回転することによってキャップ42に補充管24の先端が嵌まる構成では、第1回転軸A1と補充管24との間の距離が近いと、補充管24に対するキャップ42の着脱がし難くなる。したがって、第1回転軸A1と補充管24との間の距離は、補充管24に対するキャップ42の着脱がし易くなる程度に長くする必要がある。そのため、第1回転軸A1及び第2回転軸A2が平行に延びる場合では、第2回転軸A2と補充管24との間の距離が長くなりやすい。この点でも、上記構成によれば、第1カバー41に対する第2カバー51の位置について自由度が向上することによって、第2回転軸A2と補充管24との間の距離を短くできる。
【0048】
(2)第1回転軸A1及び第2回転軸A2は、互いに直交する方向に延びる。
上記構成によれば、第1カバー41に対する第2カバー51の位置について自由度がより向上する。
【0049】
(3)接触部分55は、補充口25を塞ぐ位置に位置する第1カバー41を覆う位置に第2カバー51が位置する場合に、第1カバー41を補充管24に押し付ける。
上記構成によれば、接触部分55が第1カバー41を補充管24に押し付けることによって、第2カバー51が第1カバー41を押さえる。これにより、補充口25を塞ぐ位置に位置する第1カバー41が、補充管24に対して浮き上がりにくくなる。また、キャップ42に補充管24が嵌まり切っていない場合に、接触部分55が第1カバー41を補充管24に押し付けることによって、キャップ42に補充管24が嵌まり切る。これにより、第1カバー41が補充口25をより好適に塞ぐ。
【0050】
(4)第1カバー41は、規制面48に接触部分55が接触することによって、第2カバー51が回転することを規制する。
上記構成によれば、第1カバー41は、補充口25を露出させる位置に位置する場合に、第2カバー51のストッパーとして機能する。これにより、第1カバー41による補充口25の塞ぎ忘れが抑制される。
【0051】
(5)支持部分37は、接触部分55が規制面48に接触する場合に、支持面49と接触する。
第2カバー51の回転が第1カバー41によって規制される場合、第2カバー51から第1カバー41に荷重が加わる。第2カバー51から第1カバー41に加わる荷重の大きさによっては、第1カバー41が破損するおそれがある。この点、上記構成によれば、支持部分37が支持面49と接触することによって、第2カバー51から第1カバー41に加わる荷重を支持部分37が受けることができる。これにより、第1カバー41が破損するおそれが低減される。
【0052】
<変更例>
上記実施例は、以下のように変更して実施できる。上記実施例及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0053】
・第1カバー41は、キャップ42に代えて、例えば、補充管24に挿入される栓を有してもよい。
・第1回転軸A1の延びる方向と、第2回転軸A2の延びる方向とは、逆でもよい。すなわち、第1回転軸A1は、視認部23と平行な方向に延びてもよい。第2回転軸A2は、視認部23と垂直な方向に延びてもよい。
【0054】
<技術的思想>
以下に、上述した実施例及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0055】
(A)タンクユニットは、インクを収容するインクタンクと、前記インクタンクを保持する保持部と、前記保持部に取り付けられる第1カバーと、前記保持部に取り付けられる第2カバーと、を備え、前記インクタンクには、インクが補充される補充口が開口し、前記第1カバーは、前記保持部に対して第1回転軸を中心に回転するように構成され、前記第1回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置と、前記補充口を露出させる位置との間で変位し、前記第2カバーは、前記保持部に対して第2回転軸を中心に回転するように構成され、前記第2回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置に位置する前記第1カバーを覆う位置と、前記第1カバーを露出させる位置との間で変位し、前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、互いに異なる方向に延びる。
【0056】
上記構成によれば、第1回転軸及び第2回転軸は、平行ではない。これにより、第1カバーに対する第2カバーの位置について自由度が向上する。例えば、第1回転軸及び第2回転軸が互いに直交する方向に延びる場合、第1回転軸及び第2回転軸が互いに平行に延びる場合と比べて、第1カバーに対する第2カバーの位置について自由度が向上する。
【0057】
(B)上記タンクユニットにおいて、前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、互いに直交する方向に延びてもよい。
上記構成によれば、第1カバーに対する第2カバーの位置について自由度がより向上する。
【0058】
(C)上記タンクユニットにおいて、前記インクタンクは、前記補充口が先端に開口する補充管を有し、前記第1カバーは、前記補充管を覆うキャップを有し、前記第2カバーは、前記第1カバーに接触する接触部分を有し、前記キャップは、前記第1カバーが前記補充口を塞ぐ位置に位置する場合に前記補充管を覆い、前記接触部分は、前記補充口を塞ぐ位置に位置する前記第1カバーを覆う位置に前記第2カバーが位置する場合に、前記第1カバーを前記補充管に押し付けてもよい。
【0059】
上記構成によれば、接触部分が第1カバーを補充管に押し付けることによって、第2カバーが第1カバーを押さえる。これにより、補充口を塞ぐ位置に位置する第1カバーが、補充管に対して浮き上がりにくくなる。
【0060】
(D)上記タンクユニットにおいて、前記第1カバーは、前記キャップが取り付けられるベースを有し、前記ベースは、前記キャップが取り付けられる取付面と、前記取付面と反対の押付面と、前記取付面と前記押付面とに連なる規制面と、を有し、前記押付面は、前記接触部分が前記第1カバーを前記補充管に押し付ける場合に、前記接触部分と接触する面であり、前記規制面は、前記第1カバーが前記補充口を露出させる位置に位置する場合に、前記接触部分と接触する面であり、前記第1カバーは、前記規制面に前記接触部分が接触することによって、前記第2カバーが回転することを規制してもよい。
【0061】
上記構成によれば、第1カバーは、補充口を露出させる位置に位置する場合に、第2カバーのストッパーとして機能する。これにより、第1カバーによる補充口の塞ぎ忘れが抑制される。
【0062】
(E)上記タンクユニットにおいて、前記第1カバーは、前記規制面と反対の支持面を有し、前記保持部は、前記支持面と接触する支持部分を有し、前記支持部分は、前記接触部分が前記規制面に接触する場合に、前記支持面と接触してもよい。
【0063】
第2カバーの回転が第1カバーによって規制される場合、第2カバーから第1カバーに荷重が加わる。第2カバーから第1カバーに加わる荷重の大きさによっては、第1カバーが破損するおそれがある。この点、上記構成によれば、支持部分が支持面と接触することによって、第2カバーから第1カバーに加わる荷重を支持部分が受けることができる。これにより、第1カバーが破損するおそれが低減される。
【0064】
(F)印刷装置は、インクを吐出するヘッドと、前記ヘッドが吐出するインクを収容するインクタンクと、前記インクタンクを保持する保持部と、前記保持部に取り付けられる第1カバーと、前記保持部に取り付けられる第2カバーと、を備え、前記インクタンクには、インクが補充される補充口が開口し、前記第1カバーは、第1回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置と、前記補充口を露出させる位置との間で変位し、前記第2カバーは、第2回転軸を中心に回転することによって、前記補充口を塞ぐ位置に位置する前記第1カバーを覆う位置と、前記第1カバーを露出させる位置との間で変位し、前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、互いに異なる方向に延びる。上記構成によれば、上述したタンクユニットと同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0065】
11…印刷装置、12…筐体、13…排出カバー、14…視認口、15…ヘッド、20…タンクユニット、21…インクタンク、22…収容部、23…視認部、24…補充管、25…補充口、31…保持部、32…上面、33…第1側面、34…第2側面、35…挿入穴、36…取付溝、37…支持部分、41…第1カバー、42…キャップ、43…ベース、44…取付部分、45…把持部分、46…取付面、47…押付面、48…規制面、49…支持面、51…第2カバー、52…本体部分、53…内面、54…保持部分、55…接触部分、99…媒体、A1…第1回転軸、A2…第2回転軸。