(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024694
(43)【公開日】2024-02-22
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/00 20060101AFI20240215BHJP
A47K 13/24 20060101ALI20240215BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
A47K13/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223742
(22)【出願日】2023-12-29
(62)【分割の表示】P 2022012437の分割
【原出願日】2022-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】島田 光浩
(72)【発明者】
【氏名】倉島 ひな子
(72)【発明者】
【氏名】須澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山中 勝美
(57)【要約】
【課題】便鉢内の自動的な撮影を望まない使用者に対して不快感を与えることを防止する。
【解決手段】トイレ装置1、1Aは、便器の上方に配置される便座と、便器の便鉢内を撮影する画像センサ44と、画像センサ44を制御して、便鉢内を自動的に撮影する自動撮影モードを実行する制御部311と、を備え、制御部311は、便鉢内を撮影する意思があるか否かを示す使用者の撮影意思情報を取得した場合、取得した撮影意思情報に基づき、自動撮影モードの実行と停止を切り替える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の上方に配置される便座と、
前記便器の便鉢内を撮影する画像センサと、
前記画像センサを制御して、前記便鉢内を自動的に撮影する自動撮影モードを実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記便鉢内を撮影する意思があるか否かを示す使用者の撮影意思情報を取得した場合、取得した撮影意思情報に基づき、前記自動撮影モードの実行と停止を切り替えることを特徴とする、トイレ装置。
【請求項2】
前記使用者による停止指示を受け付ける停止指示部を備え、
前記制御部は、前記自動撮影モードが実行されているときに前記停止指示部が前記停止指示を受け付けた場合、前記自動撮影モードを実行から停止に切り替えることを特徴とする、請求項1に記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記自動撮影モードを実行から停止に切り替えた場合、停止前に前記撮影で得られた画像を削除することを特徴とする、請求項2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記使用者の前記便座への着座を検知する着座検知部を備え、
前記制御部は、前記着座検知部が前記着座を検知したときから所定時間経過した場合に、前記自動撮影モードによる撮影を開始し、前記所定時間の間に、前記停止指示を前記停止指示部が受け付けた場合、前記自動撮影モードを実行から停止に切り替えることを特徴とする、請求項2又は3に記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記使用者による撮影指示を受け付ける撮影指示部を備え、
前記制御部は、前記撮影指示部が前記撮影指示を受け付けた場合、前記自動撮影モードを停止から実行に切り替えることを特徴とする、請求項2乃至4の何れか1項に記載のトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、画像センサを備えた便座装置を開示している。この便座装置は、画像センサにより便器の便鉢内を自動的に撮影する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、便器は複数の使用者により使用され、その中には、便鉢内の撮影を望まない使用者も存在する場合がある。このような場合に、特許文献1に記載の便座装置のように便鉢内を自動的に撮影すると、撮影を望まない使用者に対しても撮影してしまうため、使用者に不快感を与えるおそれがあった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、便鉢内の自動的な撮影を望まない使用者に対して不快感を与えることを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1態様に係るトイレ装置は、便器の上方に配置される便座と、便器の便鉢内を撮影する画像センサと、画像センサを制御して、便鉢内を自動的に撮影する自動撮影モードを実行する制御部と、を備え、制御部は、便鉢内を撮影する意思があるか否かを示す使用者の撮影意思情報を取得した場合、取得した撮影意思情報に基づき、自動撮影モードの実行と停止を切り替える。
【0007】
この構成によれば、例えば、便器の便鉢内を撮影する意思がないことを撮影意思情報が示す場合、自動撮影モードを停止に切り替えることができるため、自動的に便鉢内が撮影されることを回避でき、もって撮影を望まない使用者に対して不快感を与えることを防止することができる。
【0008】
本発明の第2態様に係るトイレ装置では、使用者による停止指示を受け付ける停止指示部を備え、制御部は、自動撮影モードが実行されているときに停止指示部が停止指示を受け付けた場合、自動撮影モードを実行から停止に切り替える。
【0009】
この構成によれば、自動撮影モードが実行されているときでも、使用者による停止指示により自動撮影モードを停止に切り替えることができるため、撮影を望む使用者に対しては撮影のために余計な手間を要さずに使い勝手を良くし、撮影を望まない使用者に対してはプライバシーを配慮することができる。
【0010】
本発明の第3態様に係るトイレ装置では、制御部は、自動撮影モードを実行から停止に切り替えた場合、停止前に撮影で得られた画像を削除する。
【0011】
この構成によれば、自動撮影モードを実行から停止に切り替えた場合、停止前に撮影された画像を削除するので、撮影を望まない使用者のプライバシーを一層配慮することができる。
【0012】
本発明の第4態様に係るトイレ装置では、使用者の便座への着座を検知する着座検知部を備え、制御部は、着座検知部が着座を検知したときから所定時間経過した場合に、自動撮影モードによる撮影を開始し、所定時間の間に、停止指示を停止指示部が受け付けた場合、自動撮影モードを実行から停止に切り替える。
【0013】
この構成によれば、便座に着座した使用者が、急遽、撮影を望まなくなった場合でも、使用者による停止指示により、自動撮影モードを実行から停止に切り替えるので、使い勝手を一層良くすることができる。
【0014】
本発明の第5態様に係るトイレ装置では、使用者による撮影指示を受け付ける撮影指示部を備え、制御部は、撮影指示部が撮影指示を受け付けた場合、自動撮影モードを停止から実行に切り替える。
【0015】
この構成によれば、自動撮影モードが停止となっていても、撮影指示部が撮影指示を受け付けた場合、自動撮影モードを停止から実行に切り替えるので、急遽、撮影を望む使用者にとって使い勝手を良くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、便鉢内の自動的な撮影を望まない使用者に対して不快感を与えることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、トイレ装置が設置されたトイレルームを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す操作装置の一例を示す正面図である。
【
図5】
図5は、トイレ装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図1に示す操作装置の変形例を示す正面図である。
【
図7】
図7は、トイレ装置の処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0019】
[第1実施形態]
まず、
図1から
図5を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るトイレ装置1について説明する。
図1は、トイレ装置1が設置されたトイレルームRを示す斜視図であり、
図2は、
図1のII-II断面を示す断面図であり、
図3は、トイレ装置1のブロック図であり、
図4は、
図1に示す操作装置7の一例を示す正面図であり、
図5は、トイレ装置1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0020】
<全体構成>
図1に示すように、トイレルームRの床面F上には便器9が設置されている。便器9は、大便器であり、使用者の便を受ける便鉢91と、便鉢91の周囲で立設するリム92と、を有している。例えば、トイレルームRに設けられた洗浄操作部(不図示)が使用者により操作されると、便鉢91に洗浄水が供給され、便鉢91の洗浄及び便鉢91からの便の排出が行われる。洗浄操作部は、トイレルームRに設けられる操作レバーや、後述する操作装置7に設けられたスイッチ70等、種々の形態を採用し得る。
【0021】
トイレ装置1は、この便器9に適用される。トイレ装置1は、便座装置2と、操作装置7とを備える。なお、以下の説明では、後述する便座41に着座した使用者から見て前方を「前」、後方を「後」、左方を「左」、右方を「右」という。また、鉛直方向上方を「上」、鉛直方向下方を「下」という。
【0022】
便座装置2は、便器9の上部に取り付けられ、本体3と、便座41と、ノズル42と、便蓋43とを備えている。便座装置2は、便器9に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、便器9と一体となるように取り付けられてもよい。
【0023】
便座41は、使用者が排便の際に着座する要素であり、その着座面41cにより使用者の臀部を支持する。便座41は環状を呈し、その中央部には開口41aが形成されている。開口41aは、便座41がリム92上に載置されているとき、便鉢91を開放する。便座41の後端部は軸支されており、これにより、便座41は、リム92上に載置される姿勢と、リム92から離れて便鉢91を大きく開放する姿勢との間で回動可能とされている。
【0024】
図2に示すように、便座41は、底板5と、天板6とを有している。底板5及び天板6はいずれも樹脂材料で形成されている。底板5の内周縁5aと天板6の内周縁6aとが溶着され、底板5の外周縁5bと天板6の外周縁6bとが溶着されることにより、底板5及び天板6は接合されて便座41を構成している。底板5及び天板6の中央部は互いに間隔を空けて配置されており、これにより、便座41の内部に空隙41bが形成されている。便座41は、この他にも、底板5の上面に立設されたリブと天板6の下面に立設されたリブとを溶着して接合するもの等、種々の形態を採用し得る。
【0025】
便座41が便器9のリム92上に載置されているとき、
図2に示すように、底板5は、その一部がリム92と上下方向に対向するとともに、他部が便鉢91の上方に位置するように配置される。底板5のこの他部には、開口5cが開設されている。便座41の裏側の例えば空隙41bには、この開口5cを介して便鉢91内を撮影する撮影部としての画像センサ44が設けられている。画像センサ44は、
図2に示すような側面視で、画角θ1の範囲に存在する物体を撮影し得る。画像センサ44の周辺の構成については後述する。
【0026】
天板6は、曲面である着座面41cを上方に向けるように配置される。天板6の下面には、ヒータ411が取り付けられている。ヒータ411は、電力の供給を受けてジュール熱を発生させる電熱線である。
【0027】
図1に示すノズル42は、使用者の局部の洗浄に用いられる。ノズル42は、電動モータ(不図示)により本体3から便鉢91内に進退可能に構成されている。ノズル42が便鉢91内に位置しているときに電磁バルブ(不図示)が開かれることにより、ノズル42は、使用者の局部に向けて水を吐出する。
【0028】
便蓋43は、その後端部が軸支され、便座41を覆う姿勢と、便座41を開放する姿勢との間で回動可能に構成されている。
【0029】
操作装置7は、便座装置2を操作するものであり、例えばトイレルームRの壁面に設置される。操作装置7は、便座装置2の複数の動作にそれぞれ対応する複数のスイッチ70を有している。
図3に示すように、操作装置7は、さらに、通信部71と、表示部72とを有している。通信部71は、後述する便座装置2の通信部313と無線で信号の送受信を行う。表示部72は、操作装置7の外側面に設けられた液晶パネルであり、種々の情報を表示する。
【0030】
また、操作装置7と同様に、携帯情報端末C1を用いて、便座装置2と無線通信を行うことにより、便座装置2を遠隔操作してもよい。この携帯情報端末C1は、例えば、使用者の所有するスマートフォンやタブレット端末などである。ただし、携帯情報端末C1は、これらに限ることなく、使用者が携帯可能な任意の端末でよい。
【0031】
図3に示すように、便座装置2の本体3内には、制御装置31が配置されている。制御装置31は、その一部又は全部が、アナログ回路で構成されるか、デジタルプロセッサ又はメモリで構成され、機能ブロックとして制御部311、記憶部312及び通信部313を有している。制御部311は、制御装置31が外部から受信した信号等に基づいて種々の制御を行う。記憶部312は、各種設定情報やパラメータを記憶する。通信部313は、例えば使用者の携帯情報端末C1やクラウドサービスC2等、便座装置2の外部との信号の送受信を行う。
【0032】
なお、制御装置31に組み込まれるソフトウェアのモジュールは、必ずしも
図3に示される機能ブロックのように分割されている必要はない。すなわち、実際のアナログ回路やモジュールは、
図3に示す複数の機能ブロックの働きをするものとして構成されていてもよいし、更に細分化されていてもよい。制御装置31の構成は、後述する処理を実行できるように構成されていれば、当業者が適宜変更できる。
【0033】
制御装置31は、ヒータ411、ノズル42、人体検知部としての人体検知センサ412、着座検知部としての着座検知センサ413及び画像センサ44に、制御信号を送信可能に接続されている。人体検知センサ412は、トイレルームRに入ってくる使用者(人体)を検知するものである。着座検知センサ413は、使用者の便座41への着座を検知するものである。制御装置31は、これら人体検知センサ412や着座検知センサ413から検知信号を受信したり、画像センサ44から画像信号を受信したりすることができる。
【0034】
<動作例>
制御装置31の制御部311は、着座検知センサ413から受信した信号に基づいて、使用者が便座41に着座したと判定すると、ヒータ411に制御信号を送信する(つまり、ヒータ411に電力を供給する)。これにより、ヒータ411が発生させるジュール熱を受けて天板6の温度が上昇し、便座41の暖房が行われる。
【0035】
また、使用者が、局部洗浄の開始に対応する操作装置7のスイッチ70を押下操作すると、操作装置7の通信部71がこのスイッチ70に対応する信号を生成し、無線で便座装置2に送信する。便座装置2は、この信号を制御装置31の通信部313で受信し、制御装置31は、例えば、ノズル42に制御信号を送信する。制御信号を受信したノズル42は、本体3から便鉢91内に進出するとともに、開かれた電磁バルブから供給される水を、使用者の局部に向けて吐出する。
【0036】
また、制御装置31の制御部311は、使用者の排便後又は排便中に、画像センサ44を制御して、使用者の操作なしに、便鉢91内を自動的に撮影(以下、適宜、「自動撮影」という。)する自動撮影モードを実行する。この自動撮影では、所定時間の間に、便鉢91内を複数回撮影する。画像センサ44は、撮影した便鉢91内の画像に対応する画像信号を制御装置31に送信する。画像信号を受信した制御装置31は、画像信号に基づく画像を記憶部312に保存するとともに、制御部311において、予め定められたプログラムに基づいて、画像信号に基づく画像から、使用者の便の有無、便の色、形、及び量のうち少なくとも1つを判定する。制御装置31の通信部313は、この判定結果に対応する信号を生成し、外部のクラウドサービスC2に送信する。医療従事者等は、このクラウドサービスC2にアクセスして上記判定結果を取得することにより、使用者の健康状態を把握し、それに基づく助言をすることが可能になる。
【0037】
<不快感の防止>
トイレ装置1は、便鉢91内の自動的な撮影を望まない使用者に対して不快感を与えることを防止するための工夫が施されている。以下、この点について説明する。
【0038】
制御装置31の制御部311は、便鉢91内を撮影する意思があるか否かを示す使用者の撮影意思情報を取得した場合、取得した撮影意思情報に基づき、自動撮影モードの実行と停止の設定を切り替える。なお、
図4に示すように、自動撮影モードの実行(オン)と停止(オフ)の状態が使用者に分かるように、オン又はオフの文字が操作装置7の表示部72に表示されていてもよい。また、撮影意思情報は、例えば、通信部313が、携帯情報端末C1やクラウドサービスC2から取得(受信)してもよい。また、撮影意思情報は、制御部311が、本体3に設けられた記憶部312や操作装置7から取得してもよい。
【0039】
また、
図4に示すように、操作装置7の複数のスイッチ70の中には、使用者による停止指示を受け付ける停止指示部としての停止指示スイッチ701と、使用者による撮影指示を受け付ける撮影指示部としての撮影指示スイッチ702と、が含まれている。制御部311は、自動撮影モードが実行されているときに停止指示スイッチ701が停止指示を受け付けた場合、すなわち停止指示スイッチ701が押下操作された場合、自動撮影モードを実行から停止に切り替える。また、制御部311は、自動撮影モードを実行から停止に切り替えた場合、停止前に撮影で得られた画像を制御装置31の記憶部312から削除する。また、制御部311は、撮影指示スイッチ702が撮影指示を受け付けた場合、すなわち、撮影指示スイッチ702が押下操作された場合、制御部311による自動撮影モードを停止から実行に切り替える。
【0040】
また、制御部311は、着座検知センサ413が着座を検知したときから所定時間経過した場合に、自動撮影モードによる撮影を開始し、当該所定時間の間に、停止指示スイッチ701が押下操作された場合、自動撮影モードを実行から停止に切り替える。
【0041】
以下、
図5を用いて使用者に対して不快感を与えることを防止するための一連の処理の流れの一例を説明する。なお、
図5に示す一連の処理は、例えば数秒毎に繰り返される。
【0042】
(ステップSP10)
制御部311は、例えば使用者の携帯情報端末C1から当該使用者の撮影意思情報を通信部313が取得したか否かを判定する。当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP11の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP12の処理に移行する。
【0043】
(ステップSP11)
制御部311は、取得した撮影意思情報が、便鉢91内を撮影する意思があることを示している場合、自動撮影モードを実行に切り替える。また、制御部311は、取得した撮影意思情報が、便鉢91内を撮影する意思がないことを示している場合、自動撮影モードを停止に切り替える。そして、処理はステップSP12の処理に移行する。
【0044】
(ステップSP12)
制御部311は、停止指示スイッチ701が押下操作を受け付けたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP13の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP14の処理に移行する。
【0045】
(ステップSP13)
制御部311は、記憶部312に設定されている停止フラグをオンに設定する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0046】
(ステップSP14)
制御部311は、停止フラグがオンに設定されてから所定時間が経過したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP15の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP16の処理に移行する。
【0047】
(ステップSP15)
制御部311は、停止フラグをオフに設定する。そして、処理はステップSP16の処理に移行する。
【0048】
(ステップSP16)
制御部311は、着座検知センサ413が使用者の便座41への着座を検知したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP17の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には
図5に示す一連の処理が終了する。
【0049】
(ステップSP17)
制御部311は、自動撮影モードが実行に設定されているか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP18の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP19の処理に移行する。
【0050】
(ステップSP18)
制御部311は、停止フラグがオンに設定されているか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP19の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP20の処理に移行する。
【0051】
(ステップSP19)
制御部311は、撮影指示スイッチ702が押下操作を受け付けたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP20の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には
図5に示す一連の処理が終了する。
【0052】
(ステップSP20)
制御部311は、時間の計時を開始する。そして、処理はステップSP21の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP21)
制御部311は、使用者に対して撮影を開始する予告をするために、画像センサ44を制御して、画像センサ44に設けられた照明をオンに設定する。そして、処理はステップSP22の処理に移行する。
【0054】
(ステップSP22)
制御部311は、使用者による停止指示スイッチ701の押下操作を受け付けたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP26の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP22の処理に移行する。
【0055】
(ステップSP23)
制御部311は、計時した時間が予め定められた待機時間を経過したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP24の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP22の処理に戻る。
【0056】
(ステップSP24)
制御部311は、画像センサ44を制御して、便鉢91内を自動的に撮影する自動撮影を開始する。そして、処理はステップSP25の処理に移行する。
【0057】
(ステップSP25)
制御部311は、停止指示スイッチ701の押下操作を受け付けたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP26の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP28の処理に移行する。
【0058】
(ステップSP26)
制御部311は、自動撮影モードを常時又は一時的に停止に切り替える。そして、処理はステップSP27の処理に移行する。
【0059】
(ステップSP27)
制御部311は、自動撮影モードを停止に切り替える前に自動撮影で得られた画像を削除する。言い換えれば、制御部311は、ステップSP24の撮影開始で得られた画像を削除する。そして、処理はステップSP29の処理に移行する。
【0060】
(ステップSP28)
ステップSP25で否定判定された場合、制御部311は、自動撮影で得られた画像から、使用者の便の有無や便の色、形、量等、便の性状を判定する。通信部313は、この判定結果に対応する信号を生成し、外部のクラウドサービスC2又は携帯情報端末C1に送信する。そして、処理はステップSP29の処理に移行する。
【0061】
(ステップSP29)
制御部311は、画像センサ44を制御して、当該画像センサ44に設けられた照明をオフに設定する。そして、
図5に示す一連の処理が終了する。
【0062】
<作用効果>
以上の構成によれば、例えば、便鉢91内を撮影する意思がないことを撮影意思情報が示す場合、自動撮影モードを停止に切り替えることができるため、自動的に便鉢91内が撮影されることを回避でき、もって撮影を望まない使用者に対して不快感を与えることを防止することができる。
【0063】
また、制御部311は、自動撮影モードが実行されているときに停止指示スイッチ701が停止指示を受け付けた場合、自動撮影モードを実行から停止に切り替える。
【0064】
この構成によれば、自動撮影モードが実行されているときでも、使用者による停止指示により自動撮影モードを停止に切り替えることができるため、撮影を望む使用者に対しては撮影のために余計な手間を要さずに使い勝手を良くし、撮影を望まない使用者に対してはプライバシーを配慮することができる。
【0065】
また、制御部311は、自動撮影モードを実行から停止に切り替えた場合、停止前に撮影で得られた画像を削除する。
【0066】
この構成によれば、自動撮影モードを実行から停止に切り替えた場合、停止前に撮影された画像を削除するので、撮影を望まない使用者のプライバシーを一層配慮することができる。
【0067】
また、制御部311は、着座検知センサ413が着座を検知したときから所定時間経過した場合に、自動撮影モードによる撮影を開始し、所定時間の間に、停止指示を停止指示スイッチ701が受け付けた場合、自動撮影モードを実行から停止に切り替える。
【0068】
この構成によれば、便座41に着座した使用者が、急遽、撮影を望まなくなった場合でも、使用者による停止指示により、自動撮影モードを実行から停止に切り替えるので、使い勝手を一層良くすることができる。
【0069】
また、制御部311は、撮影指示スイッチ74が撮影指示を受け付けた場合、自動撮影モードを停止から実行に切り替える。
【0070】
この構成によれば、自動撮影モードが停止となっていても、撮影指示スイッチ74が撮影指示を受け付けた場合、自動撮影モードを停止から実行に切り替えるので、急遽、撮影を望む使用者にとって使い勝手を良くすることができる。
【0071】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るトイレ装置1Aについて、
図3、
図6及び
図7を参照しながら説明する。
図6は、
図1に示す操作装置7の変形例を示す正面図であり、
図7は、トイレ装置1Aの処理の流れの変形例を示すフローチャートである。第2実施形態に係るトイレ装置1Aでは、操作装置7に設けられたスイッチ70と、トイレ装置1Aの処理の流れが第1実施形態と異なる。第2実施形態に係るトイレ装置1Aのうち、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して、説明を適宜省略する。
【0072】
図3に示すように、第2実施形態に係るトイレ装置1Aは、第1実施形態に係るトイレ装置1と同様の構成を備える。ただし、
図6に示すように、トイレ装置1Aにおける操作装置7のスイッチ70の中には、自動撮影スイッチ703と、識別スイッチ704~707と、が含まれている。自動撮影スイッチ703は、自動撮影モードの実行と停止を切り替えるためのスイッチである。識別スイッチ704~707は、使用者を識別するためのスイッチである。例えば、識別スイッチ704は、「父親」を識別するためのスイッチであり、識別スイッチ705は、「母親」を識別するためのスイッチであり、識別スイッチ705は、「男子」を識別するためのスイッチであり、識別スイッチ706は、「女子」を識別するためのスイッチである。
【0073】
以下、
図7を用いて使用者に対して不快感を与えることを防止するための一連の処理の流れの一例を説明する。なお、
図7に示す一連の処理は、例えば数秒毎に繰り返される。
【0074】
(ステップSP50)
制御部311は、識別スイッチ704~707が押下操作を受け付けたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP51の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP53の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP51)
制御部311は、識別スイッチ704~707のうち押下操作された識別スイッチに対応する設定情報を記憶部312から取得する。この設定情報の中には、便鉢91内を撮影する意思があるか否かを示す使用者の撮影意思情報も含まれている。そして、処理はステップSP52の処理に移行する。
【0076】
(ステップSP52)
制御部311は、取得した設定情報に基づき、各種設定をする。この際、制御部311は、取得した設定情報に含まれる撮影意思情報に基づき、自動撮影モードの実行と停止を切り替える。例えば、識別スイッチ704に対応する撮影意思情報が、撮影する意思があることを示しているときに、識別スイッチ704が押下操作された場合、制御部311は、その撮影意思情報に従って自動撮影モードを実行に切り替える。また、識別スイッチ705に対応する撮影意思情報が、撮影する意思がないことを示しているときに、識別スイッチ705が押下操作された場合、制御部311は、その撮影意思情報に従って自動撮影モードを停止に切り替える。そして、処理はステップSP53の処理に移行する。
【0077】
(ステップSP53)
制御部311は、自動撮影スイッチ703が押下操作を受け付けたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP54の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はステップSP55の処理に移行する。
【0078】
(ステップSP54)
制御部311は、自動撮影モードが実行されている場合、自動撮影モードを停止に切り替え、自動撮影モードが停止されている場合、自動撮影モードを実行に切り替える。そして、処理は、ステップSP55の処理に移行する。
【0079】
(ステップSP55)
制御部311は、着座検知センサ413が使用者の便座41への着座を検知したか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP56の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には
図7に示す一連の処理が終了する。
【0080】
(ステップSP56)
制御部311は、自動撮影モードが実行に設定されているか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP57の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には
図7に示す一連の処理が終了する。
【0081】
(ステップSP57)
制御部311は、画像センサ44を制御して、便鉢91内を自動的に撮影する自動撮影を開始する。そして、処理はステップSP58の処理に移行する。
【0082】
(ステップSP58)
通信部313は、自動撮影により得られた画像を、外部のクラウドサービスC2に送信する。クラウドサービスC2では、受信した画像から、使用者の便の有無や便の色、形、量等、便の性状を判定し、判定結果を使用者に通知する。
【0083】
<作用効果>
第2実施形態では、制御部311は、撮影意思情報を識別スイッチ704~707を介して取得することができるので、撮影意思情報を携帯情報端末C1やクラウドサービスC2等の外部から取得する場合に比べて使用者の手間を省くことができるとともに、外部との通信環境がなくても撮影意思情報を取得できる。
【0084】
[変形例]
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【0085】
例えば、第1実施形態では、操作装置7が、停止指示スイッチ701と、撮影指示スイッチ702と、を備える場合を説明したが、これらのスイッチの全部又は一部を省略してもよい。また、停止指示スイッチ701と、撮影指示スイッチ702とを第2実施形態のトイレ装置1Aに適用してもよい。また、停止指示部は、停止指示スイッチ701である場合を説明したが、表示部72や携帯情報端末C1、クラウドサービスC2であってもよい。同様に、撮影指示部は、撮影指示スイッチ702である場合を説明したが、表示部72や携帯情報端末C1、クラウドサービスC2であってもよい。
【0086】
また、第2実施形態では、識別スイッチ704~707によって使用者を識別する場合を説明したが、操作装置7に対する使用者の操作方法や操作内容により使用者の識別を行ってもよい。また、操作装置7は、使用者を識別する使用者識別装置として機能してもよい。例えば、操作装置7は、個人認証により使用者を識別する。操作装置7は、使用者の指紋や静脈、体重、目の虹彩等の生体情報に基づいて、使用者を識別してもよい。また、携帯情報端末C1とトイレ装置1とが通信して、携帯情報端末C1又はトイレ装置1Aが使用者の個人認証をすることによって、使用者を識別してもよい。また、使用者が所持している識別カードをトイレ装置1Aが読み取ることによって使用者を識別してもよい。
【0087】
また、第1実施形態では、自動撮影しない場合には制御部312が画像センサ44の照明をオフする場合を説明したが、自動撮影しない場合には制御部312は便座41に設けられる遮蔽部材(不図示)を制御して、画像センサ44のレンズ部分を隠し、自動撮影する場合には制御部312は便座41に設けられる遮蔽部材(不図示)を制御して、画像センサ44のレンズ部分を露出させるようにしてもよい。これにより、便鉢91内の自動的な撮影を望まない使用者に対して不快感を与えることを一層防止することができる。
【0088】
また、第1実施形態では、画像センサ44は、便座41の裏側に設けられる場合を説明したが、便座41の側面等、便座41の裏側以外の位置に設けられてもよく、また便器9や操作装置7、トイレルームR等に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1、1A…トイレ装置、9…便器、41…便座、44…画像センサ、91…便鉢、311…制御部、413…着座検知センサ(着座検知部)、701…停止指示スイッチ(停止指示部)、702…撮影指示スイッチ(撮影指示部)