(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024713
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】作業支援方法、作業支援システム、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240216BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127529
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】小島 右資
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】 作業装置の搬送の効率を向上する
【解決手段】 作業支援方法は、第1圃場で作業している作業装置の位置及び時刻を示す第1稼働情報と、作業装置が作業している第1圃場を示す圃場情報と、に基づいて、作業装置が第1圃場での作業を終了するまでの推定終了時間を決定することを含む。また、作業支援方法は、推定終了時間に基づいて、作業装置を搬送する対象搬送装置が第1圃場へと移動すべきことを示す移動指示情報を出力することを更に含む。
【選択図】
図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1圃場で作業している作業装置の位置及び時刻を示す第1稼働情報と、前記作業装置が作業している前記第1圃場を示す圃場情報と、に基づいて、前記作業装置が前記第1圃場での作業を終了するまでの推定終了時間を決定することと、
前記推定終了時間に基づいて、前記作業装置を搬送する搬送装置が前記第1圃場へと移動すべきことを示す移動指示情報を出力することと、
を含む、
作業支援方法。
【請求項2】
前記作業装置の搬送先となるべき第2圃場を示す搬送先情報を取得することと、
前記搬送装置が、取得した前記搬送先情報が示す前記第2圃場へと前記作業装置を搬送すべきことを示す搬送指示情報を出力することと、
を更に含む、
請求項1に記載の作業支援方法。
【請求項3】
前記搬送先情報を取得することが、複数の圃場での前記作業装置の作業計画を示す計画情報と、前記推定終了時間と、前記複数の圃場を更に示す前記圃場情報と、に基づいて、前記複数の圃場から前記第2圃場を決定することを含む、
請求項2に記載の作業支援方法。
【請求項4】
前記計画情報が前記複数の圃場での作業量に関する情報を含み、
前記第2圃場を決定することが、
前記圃場情報に基づいて、前記第1圃場から前記複数の圃場それぞれへと前記作業装置を搬送する推定搬送時間を決定することと、
前記計画情報が示す前記複数の圃場での作業量に基づいて、前記作業装置が前記複数の圃場で作業する推定作業時間を決定することと、
決定した前記推定搬送時間と、決定した前記推定作業時間と、に基づいて、前記複数の圃場から前記第2圃場を決定することと、
を更に含む、
請求項3に記載の作業支援方法。
【請求項5】
複数の搬送装置の位置を示す第2稼働情報を取得することと、
前記作業装置が作業すべき複数の圃場を更に示す前記圃場情報を取得することと、
取得した前記第2稼働情報と、取得した前記圃場情報と、に基づいて、前記複数の搬送装置から、前記作業装置を搬送する前記搬送装置を決定することと、
を更に含む、
請求項1~4のいずれか一つに記載の作業支援方法。
【請求項6】
前記作業装置を搬送すべき前記搬送装置を決定することが、
前記圃場情報と、前記第2稼働情報と、に基づいて、前記複数の搬送装置のそれぞれが前記第1圃場に移動するまでの推定移動時間を推定することと、
推定した前記推定移動時間に基づいて、前記複数の搬送装置から、前記第1圃場へと移動すべき前記搬送装置を選択することと、
を含む、
請求項5に記載の作業支援方法。
【請求項7】
作業装置が作業している第1圃場から前記作業装置が作業すべき複数の圃場のそれぞれに前記作業装置を搬送するための推定搬送時間と、前記作業装置が前記複数の圃場で行うべき作業量と、に基づいて、前記複数の圃場から前記作業装置を搬送すべき第2圃場を決定することと、
前記作業装置を搬送する搬送装置が決定した前記第2圃場へと前記作業装置を搬送すべきことを示す搬送指示情報を出力することと、
を含む、
作業支援方法。
【請求項8】
第1圃場で作業している作業装置の位置及び時刻を示す第1稼働情報と、前記作業装置が作業している前記第1圃場を示す圃場情報と、に基づいて、前記作業装置が前記第1圃場での作業を終了するまでの推定終了時間を決定する時間決定部と、
前記推定終了時間に基づいて、前記作業装置を搬送する対象搬送装置が前記第1圃場へと移動すべきことを示す移動指示情報を出力する移動出力部と、
を備える、
作業支援システム。
【請求項9】
コンピュータに、
第1圃場で作業している作業装置の位置及び時刻を示す第1稼働情報と、前記作業装置が作業している前記第1圃場を示す圃場情報と、に基づいて、前記作業装置が前記第1圃場での作業を終了するまでの推定終了時間を決定することと、
前記推定終了時間に基づいて、前記作業装置を搬送する対象搬送装置が前記第1圃場へと移動すべきことを示す移動指示情報を出力することと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業支援方法、作業支援システム、及び、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
農業の情報化が進む近年、作業装置が圃場で作業を行うにあたり、作業の効率を向上するために支援を行う技術が開発されている。
【0003】
これに関連して、特許文献1は、農作物を収穫する作業装置が収穫した作物を搬送するトラックの運行を遠隔制御するシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業装置が複数の圃場で作業する場合、一つの圃場での作業が終了すると、作業装置は次の圃場へ移動する必要がある。しかし、作業装置は単独で移動することが不可能、あるいは時間的又はコストの面で非効率である場合がある。そこで、作業装置を搬送可能な搬送装置を用いて搬送する場合がある。しかし、例えば作業装置がある圃場での作業を終了してから搬送装置で搬送を開始するまでの待ち時間が長くなるなど、搬送装置の運用が不適切な場合、作業の効率が低下してしまう恐れがある。しかし、特許文献1の技術では、作業装置が収穫した収穫物の搬送を効率化することはできるが、作業装置の搬送を効率化することはできない。
【0006】
上記の状況に鑑み、本開示は、作業装置の搬送の効率を向上することを目的の一つとする。他の目的は、以下の実施形態から把握することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0008】
実施形態に係る作業支援方法は、第1圃場(A1)で作業している作業装置(30)の位置及び時刻を示す第1稼働情報(D1)と、作業装置(30)が作業している第1圃場(A1)を示す圃場情報(D2)と、に基づいて、作業装置(30)が第1圃場(A1)での作業を終了するまでの推定終了時間を決定することと、推定終了時間に基づいて、作業装置(30)を搬送する搬送装置(40A)が第1圃場(A1)へと移動すべきことを示す移動指示情報を出力することと、を含む。
【0009】
他の実施形態に係る作業支援方法は、作業装置(30)が第1圃場(A1)での作業を終了することを予告する予告情報を取得することと、予告情報に基づいて、作業装置(30)を搬送する搬送装置(40A)が、第1圃場(A1)へと移動すべきことを示す移動指示情報を出力することと、第1圃場(A1)から作業装置(30)が作業すべき複数の圃場(A)のそれぞれに作業装置(30)を搬送するために要する推定搬送時間と、作業装置(30)が複数の圃場(A)で行うべき作業量と、に基づいて、複数の圃場(A)から第2圃場(A2)を決定することと、搬送装置(40A)が、決定した第2圃場(A2)へと作業装置(30)を搬送すべきことを示す搬送指示情報を出力することと、を含む。
【0010】
実施形態に係る作業支援システムは、第1圃場(A1)で作業している作業装置(30)の位置及び時刻を示す第1稼働情報(D1)と、作業装置(30)が作業している第1圃場(A1)を示す圃場情報(D2)と、に基づいて、作業装置(30)が第1圃場(A1)での作業を終了するまでの推定終了時間を決定する時間決定部(120)と、推定終了時間に基づいて、作業装置(30)を搬送する搬送装置が第1圃場(A1)へと移動すべきことを示す移動指示情報を出力する移動出力部(140)と、を備える。
【0011】
実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、第1圃場(A1)で作業している作業装置(30)の位置及び時刻を示す第1稼働情報(D1)と、作業装置(30)が作業している第1圃場(A1)を示す圃場情報(D2)と、に基づいて、作業装置(30)が第1圃場(A1)での作業を終了するまでの推定終了時間を決定することと、推定終了時間に基づいて、作業装置(30)を搬送する搬送装置が第1圃場(A1)へと移動すべきことを示す移動指示情報を出力することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
上記の実施形態によれば、作業装置の搬送の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態に係る作業支援システムの構成を示す概略図である。
【
図2】一実施形態に係る作業支援装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】一実施形態に係る作業装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】一実施形態に係る作業支援装置、端末装置、及び、作業装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】一実施形態に係る圃場情報の一例を示す図である。
【
図7】一実施形態に係る第2稼働情報の一例を示す図である。
【
図8】一実施形態に係る計画情報の一例を示す図である。
【
図9A】一実施形態に係る作業支援システムの処理を表すフローチャートである。
【
図9B】一実施形態に係る作業支援システムの処理を表すフローチャートである。
【
図10】一実施形態に係る作業支援システムが表示する画面の一例を示す図である。
【
図11】一実施形態に係る作業支援システムが表示する画面の一例を示す図である。
【
図12A】一実施形態に係る作業支援システムの処理を表すフローチャートである。
【
図12B】一実施形態に係る作業支援システムの処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
本実施形態による作業支援システム1を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、作業支援システム1は、作業支援装置10と、端末装置20と、作業装置30と、を備える。作業支援装置10は、端末装置20及び作業装置30と、ネットワークNTを介して通信可能に接続されている。ネットワークNTの例として、インターネット、イントラネットが挙げられる。
図1の例では、作業装置30には複数の圃場Aにおいて行うべき作業が予定されている。そこで、作業装置30は、現在作業中の圃場A1における作業が終了すると、搬送装置40によって搬送されて次に作業すべき圃場A2に移動する。なお、搬送装置40は、例えばトラックや、作業装置30を搬送する搬送車を牽引するトラクターといった、作業装置30を搬送可能な車両である。
【0015】
本実施形態の作業支援システム1は、圃場A1で作業している対象の作業装置30が圃場A1での作業を終えたその時までに、あるいは、作業を終えた時から遅滞なく作業装置30を搬送開始できるように、搬送装置40の運転者が有する端末装置20に、圃場A1へと搬送装置40を移動する旨の指示を表示する。例えば、作業支援システム1は、作業装置30の位置を示す情報(例えば、
図5の第1稼働情報D1)及び圃場A1の面積を示す情報(例えば、
図5の圃場情報D2)に基づいて、作業装置30が圃場A1での作業を終了すると推定される推定終了時間を決定する。そして、作業支援システム1は、この推定終了時間に基づいて、端末装置20に搬送装置40を圃場A1へ移動すべきことを示す画面を表示する。この表示を見たユーザ(例えば、搬送装置40の運転者)は、作業装置30が圃場A1での作業を終了させる前の適切な時期に、搬送装置40を圃場A1へ移動させるべきことを知ることができる。例えば、ユーザがこの表示に基づき搬送装置40を圃場A1に移動させることで、端末装置20を搬送する際の待ち時間が減少し、搬送の効率が向上する。このように、作業支援システム1は、搬送装置40による作業装置30の搬送の作業を支援し得る。
【0016】
なお、以下、各圃場を互いに区別しない場合は圃場Aと呼び、区別する場合は圃場A1のように数字を付して示す。また、1以上の搬送装置40のうち、作業支援システム1によって処理対象の作業装置30を搬送すべきと決定されたものを、特に対象搬送装置40Aと呼ぶ。
【0017】
作業支援システム1の構成を説明する。作業支援システム1に含まれる作業支援装置10は、
図2に示すように、入出力装置12と、演算装置14と、通信装置16と、記憶装置18と、を備える。作業支援装置10は、例えば、コンピュータやクラウドを含むサーバ装置である。
【0018】
入出力装置12には、演算装置14が後述する処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置12は、演算装置14が処理を実行した結果を出力する。入出力装置12は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置12は省略されてもよい。
【0019】
通信装置16は、ネットワークNTと通信可能に接続され、ネットワークNTを介して作業支援装置10の外部の装置(例えば、作業装置30及び端末装置20)との通信を行う。通信装置16は、複数の作業装置30と、端末装置20と、から取得した情報を演算装置14に転送する。また、演算装置14が生成した情報を作業装置30と、端末装置20とのいずれか又は両方に転送する。通信装置16は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0020】
記憶装置18は、本実施形態の作業支援システム1が後述する処理のうちの少なくとも一部を実行するための様々なデータ及び命令を含むプログラムP1等を記憶する。記憶装置18は、これらのデータ及び命令を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。プログラムP1は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体M1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよい。または、記憶媒体M1は、プログラムP1を記憶した外部のサーバの記憶装置であってもよい。この場合、プログラムP1を含むデータはサーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供され得る。
【0021】
演算装置14は、作業装置30が現在作業中の圃場A1へ対象搬送装置40Aを移動させる旨の情報を出力するための命令及びデータを含むプログラムP1を記憶装置18から読み出して実行する。例えば、演算装置14は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0022】
演算装置14は、プログラムP1を読み出し実行することで、作業支援装置10の後述する機能単位(例えば、
図5に示す情報取得部110、時間決定部120、対象搬送決定部130、移動出力部140、搬送先取得部150、搬送出力部160、及び、情報記憶部170等)を実現する。
【0023】
本実施形態では、端末装置20は、例えばタブレット端末やスマートフォンといった、持ち運び可能なコンピュータ装置であり得る。端末装置20は搬送装置40の運転者といった作業支援システム1のユーザが持ち運ぶ場合がある。
【0024】
端末装置20は、
図3に示すように、入出力装置22と、演算装置24と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。あるいは、端末装置20は、例えばカーナビゲーションシステムといった、搬送装置40のパネル部の表示を制御可能な車載式のコンピュータ装置や、搬送装置40の運転者に指示を出すオペレータが使用する据え置き型のコンピュータ装置であってもよい。
【0025】
入出力装置22には、演算装置24が後述する処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置22は、演算装置24が処理を実行した結果を出力する。入出力装置22は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0026】
通信装置26は、ネットワークNTと通信可能に接続され、ネットワークNTを介して端末装置20の外部の装置(例えば、作業支援装置10及び作業装置30)との通信を行う。通信装置26は、外部の装置から取得した情報を演算装置24に転送する。また、演算装置24が生成した情報を外部の装置に転送する。通信装置26は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラー通信といった無線通信システムで外部の装置と通信可能な通信インタフェースを含む。端末装置20が据え置き型のコンピュータ装置である場合には、通信装置26はNICやUSBなどの種々のインタフェースを含む。
【0027】
記憶装置28は、本実施形態の作業支援システム1が後述する処理のうちの少なくとも一部を実行するための様々なデータ及び命令を含むプログラムP2等を記憶する。記憶装置28は、これらのデータ及び命令を記憶する非一時的記憶媒体として用いられる。プログラムP2は、プログラムP1と共に、あるいはこれと別個に、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体M2に記録されたコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。または、記憶媒体M2は、プログラムP2を記憶した外部のサーバの記憶装置であってもよい。この場合、プログラムP2を含むデータはサーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供され得る。
【0028】
演算装置24は、作業支援装置10が出力した情報(例えば、後述する移動指示情報)に基づき、対象搬送装置40Aを対象の圃場A1へ移動すべきことを示す画面を表示するための命令及びデータを含むプログラムP2を記憶装置28から読み出して実行する。例えば、演算装置24は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0029】
演算装置24は、プログラムP2を読み出し実行することで、端末装置20の後述する機能単位(例えば、
図5に示す表示部210等)を実現する。
【0030】
本実施形態では、作業装置30は、圃場Aでの作業を実行する農機である。作業装置30の例として、収穫機、耕耘機や施肥機等の各種作業機、田植え機等の苗移植機など、圃場Aで農作業を行う車両が挙げられる。
図4に示すように、作業装置30はエンジンや農作業を行う部位のほかに、作業装置30の車載型のコンピュータ装置として、入出力装置32と、演算装置34と、通信装置36と、記憶装置38と、測位装置39と、を備える。
【0031】
入出力装置32には、演算装置34が後述する処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置32は、演算装置34が処理を実行した結果を出力する。入出力装置32は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置32は省略されてもよい。
【0032】
測位装置39は、例えば、全球測位衛星システム(GNSS)のような位置測量システムを用いて、自身の位置と現在の時刻(例えば、日付、時、分、秒など)を、繰り返し取得するセンサ装置を含む。本実施形態の測位装置39は、例えば、所定の周期(例えば、5秒ごと)に作業装置30の位置及び時刻を計測する。
【0033】
通信装置36は、ネットワークNTと通信可能に接続され、ネットワークNTを介して作業装置30の外部の装置(例えば、作業支援装置10及び端末装置20)との通信を行う。通信装置36は、外部の装置から取得した情報を演算装置34に転送する。また、演算装置34が生成した情報を外部の装置に転送する。通信装置36は、例えば、無線LAN(Local Area Network)やセルラー通信といった無線通信システムで外部の装置と通信可能な通信インタフェースを含む。
【0034】
記憶装置38は、本実施形態の作業支援システム1が後述する処理の少なくとも一部を実行するための様々なデータ及び命令を含むプログラムP3等を記憶する。記憶装置38は、これらのデータ及び命令を記憶する非一時的記憶媒体として用いられる。プログラムP3は、プログラムP1及びプログラムP2と共に、あるいはこれらと別個に、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体M3に記録されたコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。または、記憶媒体M3は、プログラムP3を記憶した外部のサーバの記憶装置であってもよい。この場合、プログラムP3を含むデータはサーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供され得る。
【0035】
演算装置34は、測位装置39が計測した作業装置30の現在の位置及び時刻を示す情報(例えば、
図5の第1稼働情報D1)を、作業支援装置10へ出力するための命令及びデータを含むプログラムP3を記憶装置38から読み出して実行する。例えば、演算装置34は、ECU(Electronic Control Unit)などを含む。
【0036】
演算装置34は、プログラムP3を読み出し実行することで、作業装置30の後述する機能単位(例えば、
図5に示す測位部310及び出力部320等)を実現する。
【0037】
なお、例示的な搬送装置40は、作業装置30を搭載可能なトレーラーや、作業装置30を搭載できる台車を牽引可能なトラクター等を含む。搬送装置40は、例えば、全球測位衛星システム(GNSS)のような位置測量システムを用いて、自身の位置と現在の時刻(例えば、日付、時、分、秒など)を、繰り返し取得する測位装置を含む。本実施形態では、搬送装置40の測位装置は、例えば、所定の周期(例えば、5秒ごと)に搬送装置40の位置及び時刻を測位する。搬送装置40は、測位装置が測位した位置及び時刻を示す1以上の測位情報を、当該搬送装置40を示す情報(例えば、測位装置ID)と対応付けて格納する稼働情報を生成する。搬送装置40は、生成した稼働情報を作業支援装置10に出力する。
【0038】
図2~
図4に示したような物理構成により、作業支援システム1の作業支援装置10、端末装置20、及び、作業装置30は、
図5に示す機能単位を実現する。一例として、作業支援装置10の演算装置14は、プログラムP1を実行することで、情報取得部110、時間決定部120、対象搬送決定部130、移動出力部140、搬送先取得部150、搬送出力部160、及び、情報記憶部170の各機能を実現する。また、端末装置20の演算装置24は、プログラムP2を実行することで、表示部210の機能を実現する。更に、作業装置30の演算装置34は、プログラムP3を実行することで、測位部310及び出力部320の機能を実現する。
【0039】
作業装置30の測位部310は、測位装置39を用いて、作業装置30の現在位置と現在時刻を反復的に測定する。測位部310は、例えば定められた時間ごとに(例えば5秒ごと)に作業装置30の位置及び時刻を測定する。測位部310は、測定した位置及び時刻を示す測位情報を出力部320に伝達する。
【0040】
出力部320は、測位部310からの測位情報に基づいて、作業装置30の位置及び時刻を示す1以上の測位情報と、作業装置30を示す情報(例えば、作業装置ID)と、を含む稼働情報(例えば、第1稼働情報D1)を作業支援装置10に出力する。また、出力部320が出力する稼働情報は、作業装置30が圃場Aで作業する際の作業幅を更に含む。この作業幅は、例えば、工場出荷時に設定情報として記憶装置38に記憶されている。あるいは、作業幅は、入出力装置32を用いたユーザ入力に基づき、予め記憶装置38に記憶されている。
【0041】
作業支援装置10の情報記憶部170は、情報取得部110及び搬送先取得部150が取得した情報と、時間決定部120及び対象搬送決定部130が生成した情報と、を記憶する。また、情報記憶部170は記憶した情報を、情報取得部110を介して、時間決定部120、対象搬送決定部130、移動出力部140、搬送出力部160に提供する。情報記憶部170は、例えば、第1稼働情報D1、圃場情報D2、第2稼働情報D3、及び、計画情報D4を記憶する。
【0042】
第1稼働情報D1は、例えば、作業支援システム1の処理対象となる作業装置30の稼働情報を、作業装置30を特定する情報(例えば、「作業装置ID」)と対応付けて格納している。ここで、作業装置30の稼働情報は、作業装置30の測位情報と、作業装置30の作業幅を示す情報と、を含む。圃場A1で作業したときの作業装置30の測位情報が複数ある場合には、第1稼働情報D1は当該複数の測位情報をその作業装置30の作業装置IDと対応付けて格納する。
【0043】
圃場情報D2は、
図6に一例として示すように、各圃場Aを特定する情報(「圃場ID」)と、その圃場Aの位置を示す情報(「エリア定義情報」)と、圃場Aの面積を示す情報(「面積」)を対応付けて格納する。圃場IDは、各圃場Aの識別子である。エリア定義情報は、圃場Aの地理的な位置及び範囲を示す情報である。面積は、各圃場の面積の数値(例えば、平方メートル)を示す。
【0044】
第2稼働情報D3は、
図7に一例として示すように、複数の搬送装置40の測位情報を、各搬送装置40を特定する情報(例えば、「搬送装置ID」)と、搬送装置40に対応する端末装置20(例えば、その端末装置20の運転者が有する端末装置20)を特定する情報(例えば、「端末装置ID」)と、を対応付けて格納している。例えば、第2稼働情報D3は、搬送装置40が反復測位した複数の測位情報のうち、最新の測位情報を格納している。作業装置30を搬送し得る搬送装置40が複数ある場合は、第2稼働情報D3は複数の搬送装置40の稼働情報を、それぞれ搬送装置IDと対応付けて格納する。
【0045】
計画情報D4は、
図8に一例として示すように、これから作業装置30が行うべき作業を特定する情報(「作業ID」)と、その作業を行う圃場Aを特定する情報(例えば、「圃場ID」)と、その圃場Aで行うべき作業の量を示す情報(例えば、「作業量」)と、を対応付けて格納している。本実施形態では、当該作業量は、作業装置30がそれぞれの圃場Aで行う作業の推定所要時間を示す。例えば、この推定所要時間は、昨年度までの作業装置30の当該圃場Aでの作業時間の平均値である。
【0046】
図5の情報取得部110は、記憶装置18、入出力装置12、作業装置30、搬送装置40等から、第1稼働情報D1、圃場情報D2、第2稼働情報D3、計画情報D4を含む情報を取得する。情報取得部110は、取得した情報を、時間決定部120、対象搬送決定部130、及び、情報記憶部170といった各機能部位へ伝達する。
【0047】
時間決定部120は、第1稼働情報D1及び計画情報D4に基づいて、処理対象の作業装置30が現在作業している圃場A1での作業を終了するまでに要すると推定される推定終了時間を決定する。時間決定部120は、決定した推定終了時間を示す情報を、移動出力部140に伝達する。
【0048】
対象搬送決定部130は、第2稼働情報D3が示す1以上の搬送装置40の位置と、圃場情報D2が示す圃場A1の位置と、に基づいて、端末装置20を搬送可能な1以上の搬送装置40のうち実際に作業装置30を搬送すべき対象搬送装置40Aを決定する。対象搬送決定部130は、決定した対象搬送装置40Aを示す情報を、移動出力部140に伝達する。
【0049】
移動出力部140は、時間決定部120が決定した推定終了時間に基づき、対象搬送決定部130が決定した対象搬送装置40Aに対応する端末装置20に、圃場A1に移動すべきことを示す移動指示情報を出力する。
【0050】
搬送先取得部150は、計画情報D4に基づき、複数の圃場Aのうち、作業装置30が搬送されるべき搬送先の圃場A2を取得する。搬送先取得部150は、取得した搬送先の圃場A2を示す情報を、搬送出力部160に伝達する。
【0051】
搬送出力部160は、搬送先取得部150が決定した圃場A2に端末装置20を搬送すべきことを示す搬送指示情報を、対象搬送決定部130が決定した対象搬送装置40Aに対応する端末装置20に出力する。
【0052】
端末装置20の表示部210は、入出力装置22を用いて、移動出力部140が出力した移動指示情報に基づき、対象搬送装置40Aを圃場A1に移動させるべきことを示す画面を表示する。表示部210は更に、搬送出力部160が出力した搬送指示情報に基づき、作業装置30を圃場A2に搬送すべきことを示す画面を表示する。
【0053】
(作業支援システム1の動作)
作業支援システム1は、上述した機能構成により、作業支援方法の一例である
図9A及び
図9Bに示す処理を実行して、端末装置20の搬送の効率向上を支援する。例えば、作業支援システム1の作業支援装置10は、情報取得部110が外部(例えば、作業装置30)から作業装置30の第1稼働情報D1を取得すると、
図9Aの処理を開始する。
【0054】
まず情報取得部110が、ステップS1002において、処理対象の作業装置30が現在作業している圃場A1を決定する。例えば、情報取得部110は、まず第1稼働情報D1のうちの最新の測位情報が示す作業装置30の最新の位置と、圃場情報D2が示す複数の圃場Aの地理的な範囲と、を比較する。そして、作業装置30の最新の位置を含む圃場Aを、作業装置30が現在作業している圃場A1として決定する。なお、圃場情報D2は、予め外部の装置(例えば、外部サーバ)から取得され、情報記憶部170に記憶されている。あるいは、圃場情報D2は、ユーザ入力に基づき生成され、情報記憶部170に予め記憶される。
【0055】
次に、時間決定部120が、ステップS1004において、作業装置30の位置及び時刻を示す第1稼働情報D1と、圃場情報D2と、に基づいて、ステップS1002で決定した圃場A1での作業が終了するまでに要すると推定される推定終了時間を決定する。時間決定部120は、圃場情報D2と、第1稼働情報D1と、に基づき、現在までの圃場A1での作業装置30の作業の進捗を決定する。例えば、時間決定部120は第1稼働情報D1に含まれる処理対象の作業装置30の測位情報のうち、時間的に最初に圃場A1に含まれる測位情報の時刻を作業開始時の測位情報として決定する。そして、時間決定部120は作業開始時の測位情報から最新の測位情報までの時間を、圃場A1における作業装置30の現在までの作業時間として決定する。そして、時間決定部120は、作業開始時刻の測位情報から最新の測位情報に基づいて、圃場A1のうち作業済みの領域の面積である作業完了面積を決定する。例えば、時間決定部120は、作業開始時刻の測位情報から最新の測位情報までの作業装置30の軌跡の長さに、作業装置30の作業幅を乗算して求まる面積を、現在までに作業済みの作業完了面積として決定する。そして、圃場情報D2が示す圃場A1全体の面積と、上述の作業済みの面積と、上述の作業時間と、に基づいて、推定終了時間を決定する。例えば、時間決定部120は、次の式1を用いて推定終了時間を決定し得る。
(式1)[推定終了時間]=([圃場A1全体の面積]-[作業完了面積])*([現在までの作業時間]/[作業完了面積])
【0056】
本実施形態では、時間決定部120は推定終了時間に基づいて、端末装置20が圃場A1での作業を終了すると推定される時刻(推定終了時刻)を更に決定する。例えば、時間決定部120は、端末装置20が圃場A1で作業した最新の測位情報の時刻に、推定終了時間を加えて得られる時刻を、推定終了時刻として決定する。
【0057】
なお、作業装置30が圃場A1で作業を開始してから現在までに、圃場A1で作業を行っていない時間がある場合、上記の算出処理から、その測位情報を排除してもよい。
【0058】
次に、時間決定部120が、ステップS1006において、決定した推定終了時間があらかじめ定められた第1条件を満たすか否かを決定する。例えば、時間決定部120は推定終了時間が所定の閾値(例えば1時間)より短い場合に、第1条件を満たすと決定して(ステップS1006:YES)、処理をステップS1010に移行する。一方、時間決定部120は推定終了時間が所定の閾値(例えば1時間)以上である場合に、条件を満たさないと決定して(ステップS1006:NO)、処理を終了する。なお、第1条件の閾値等の数値は工場出荷時に設定により定められるが、ユーザ入力に基づき決定されてもよい。
【0059】
次に、情報取得部110が、ステップS1010において、第2稼働情報D3を取得する。例えば、情報取得部110は予め情報記憶部170に記憶されている第2稼働情報D3を読み出して、第2稼働情報D3を取得する。この場合、作業支援装置10の演算装置14は
図9Aの処理を開始する前に、1以上の搬送装置40がそれぞれの稼働情報を出力するたびに当該稼働情報を取得して、情報記憶部170に記憶しておく。あるいは、情報取得部110は搬送装置40を管理する外部サーバ(例えば搬送装置40のメーカーのサーバ)から第2稼働情報D3を取得してもよい。更にこれに代えて、情報取得部110は、ステップS1010を実行するときに、処理対象の作業装置30を搬送し得る1以上の搬送装置40(例えば、作業装置30のユーザの所有する搬送装置40)から稼働情報を取得して、第2稼働情報D3を生成してもよい。
【0060】
次に、対象搬送決定部130が、ステップS1012において、第2稼働情報D3に基づいて搬送装置40の現在位置から圃場A1への移動に要すると推定される推定移動時間を決定する。例えば、第2稼働情報D3の1以上の搬送装置40のそれぞれについて、第2稼働情報D3の測位情報が示す位置と、圃場A1と、地図情報と、を用いて経路探索を実行する。そして、経路探索に基づいて、搬送装置40が圃場A1へ移動するための所要時間を算出する。そして、対象搬送決定部130は算出した所要時間を、搬送装置40の現在位置から圃場A1への推定移動時間として決定する。あるいは、対象搬送決定部130は、外部のサーバが提供する経路探索のサービスを用いて、第2稼働情報D3の測位情報が示す位置と、圃場A1と、に基づき搬送装置40が圃場A1へ移動するための推定移動時間を取得してもよい。
【0061】
図9Bに移って次に、対象搬送決定部130が、ステップS1014において、ステップS1012で決定した推定移動時間に基づいて、1以上の搬送装置40から作業装置30を搬送すべき対象搬送装置40Aを選択する。例えば、対象搬送決定部130は、1以上の搬送装置40のうち、ステップS1012で決定した推定移動時間が最も短い搬送装置40を、対象搬送装置40Aとして選択する。
【0062】
次に、移動出力部140が、ステップS1016において、端末装置20に対象搬送装置40Aが対象の圃場A1に移動すべきことを示す移動指示情報を出力する。例えば、移動指示情報は、対象搬送装置40Aを示す情報(例えば、搬送装置ID)と、対象の現在作業中の圃場A1を示す情報(例えば、圃場ID)と、を示す情報を含む。本実施形態では、移動指示情報は、ステップS1004で決定した推定終了時刻を更に含む。本実施形態では、移動出力部140は、第2稼働情報D3が示す対象搬送装置40Aに対応する対象の端末装置20に移動指示情報を出力する。なお、端末装置20が対象搬送装置40Aの車載式の端末である場合には、移動出力部140は対象搬送装置40Aに移動指示情報を出力する。あるいは、搬送装置40が外部のサーバに管理されている場合、移動出力部140は当該外部のサーバに移動指示情報を出力してもよい。
【0063】
このように、移動出力部140は、時間決定部120がステップS1006で推定終了時間が第1条件を満たすと判定したことに基づいて、端末装置20に対象搬送装置40Aが対象の圃場A1に移動すべきことを示す移動指示情報を出力する。
【0064】
次に、端末装置20の表示部210が、ステップS1018において、ステップS1016で出力された移動指示情報に基づいた画面を表示する。例えば、表示部210は
図10に示すような内容を表示する。
図10の例では、圃場A1へ移動すべき対象搬送装置40Aを示す搬送装置ID(「対象の搬送装置」)と、移動すべき圃場A1を示す圃場ID(「現在作業中の圃場」)と、圃場A1に移動すべき旨の指示(「aa時bb分までに圃場A1に向かい、作業装置の搬送準備をしてください」)が関連付けて表示されている。
【0065】
図10の例では、圃場A1に移動すべき旨の指示に合わせて、移動指示情報に含まれる推定終了時刻が、対象搬送装置40Aが圃場A1に到着すべき期限の時刻として表示されている。このために、ユーザが端末装置20の表示を見れば、対象搬送装置40Aをいつまでに圃場A1に移動させればよいかを把握できる。
【0066】
次に、搬送先取得部150が、
図9BのステップS1020において、計画情報D4に基づいて作業装置30の搬送先の圃場A2を取得する。例えば、搬送先取得部150はまず、対象搬送装置40Aが端末装置20を作業中の圃場A1から計画情報D4の各圃場Aまで搬送するために要すると推定される推定搬送時間を決定する。搬送先取得部150が、圃場情報D2が示す圃場A1の位置と、他の圃場Aの位置と、地図情報と、に基づいて、経路探索を実行する。そして、経路探索に基づいて、対象搬送装置40Aが圃場A1から各圃場Aへ作業装置30を搬送するための推定搬送時間を決定する。なお、搬送先取得部150は、外部のサーバが提供する経路探索のサービスを用いて、圃場情報D2が示す圃場A1の位置と、計画情報D4に含まれる1以上の圃場Aの位置と、に基づき推定搬送時間を取得してもよい。
【0067】
そして、搬送先取得部150は、搬送装置40が作業装置30の搬送を開始すると推定される推定搬送開始時刻を決定する。本実施形態では、搬送先取得部150は、移動出力部140が移動指示情報を出力した時刻に推定移動時間を加算した時間である推定到着時間と、ステップS1004で決定した推定終了時間に端末装置20が圃場A1で作業した最新の測位情報の時刻を加えた推定終了時刻と、のうち遅いほうの時間を推定搬送開始時刻として決定する。そのうえで、搬送先取得部150は推定搬送開始時刻と、推定搬送時間と、計画情報D4が示す各圃場Aでの作業量についての情報(
図8の「作業量」)に基づいて、計画情報D4に含まれる各圃場Aにおける作業が終了すると推定される推定終了時刻を決定する。例えば、計画情報D4の「作業量」が当該圃場Aにおける統計的な作業時間を示す場合、搬送先取得部150はこの統計的な作業時間を圃場A2における作業に要する推定作業時間として決定する。なお、計画情報D4の「作業量」が圃場Aの面積と、面積当たりの作業時間と、を示す場合、搬送先取得部150は圃場Aの面積を面積当たりの作業時間で割った結果を、推定作業時間として決定する。
【0068】
そして、搬送先取得部150は、推定搬送開始時刻に、推定搬送時間と、推定作業時間と、を加えた推定終了時刻を決定する。搬送先取得部150は、この推定終了時刻が所定の時刻(作業停止時刻)よりも早い圃場Aのうち、推定作業時間が最も長い圃場Aを圃場A2として決定する。本実施形態では、作業停止時刻は、例えば、予め決められた作業装置30が作業を停止又は完了すべき期限となる時刻である。作業停止時刻は、ユーザ入力により定められた、作業装置30の作業者の終業時刻(当日の18時00分、又は、当日の24時00分、等)であってよい。あるいは、作業停止時刻は、設定により定められた、作業装置30の使用期限や、季節的な要因で当該農作業を完了すべき期限であってもよい。このような処理により、作業支援システム1は、作業停止時刻までで作業を終了可能な圃場Aのうち、最も長く作業が可能な圃場Aに作業装置30を搬送するように指示し得るので、作業装置30の搬送の効率を向上し得る。
【0069】
あるいは、搬送先取得部150は、推定終了時刻が作業停止時刻よりも早い圃場Aのうち、現在作業中の圃場A1からの距離が最も近い圃場Aを、搬送先の圃場A2として決定してもよい。
【0070】
なお、推定終了時刻が作業停止時刻よりも早い圃場Aがない場合、搬送先取得部150は、推定された推定終了時刻が最も時間的に早い圃場Aを、搬送先の圃場A2として決定する。あるいは、搬送先取得部150は作業装置30の保存場所(例えば設定で定められた作業装置30のガレージ)を、搬送先として決定してもよい。
【0071】
次に、搬送出力部160が、ステップS1022において、処理対象の作業装置30を圃場A2に搬送すべきことを示す搬送指示情報を出力する。例えば、搬送出力部160は、対象搬送装置40Aに対応する端末装置20に、ステップS1020で決定した搬送先の圃場A2を指定する情報を含む搬送指示情報を出力する。
【0072】
次に、端末装置20の表示部210が、ステップS1024において、ステップS1022で出力された搬送指示情報に基づいた画面を表示する。例えば、表示部210は
図11に示すような内容を表示する。
図11の例では、圃場A2へ作業装置30を搬送すべき対象搬送装置40Aを示す搬送装置ID(「対象の搬送装置」)と、搬送先の圃場A2を示す圃場ID(「搬送先の圃場」)と、対象の作業装置30を圃場A2に搬送すべき旨の指示(「圃場A2へ対象作業装置を搬送してください」)が関連付けて表示されている。
【0073】
このように、作業支援システム1は、作業装置30を搬送可能な1以上の搬送装置40から実際に搬送を行う対象搬送装置40Aを決定し、当該対象搬送装置40Aに対応する端末装置20に、作業装置30が圃場A1での作業を終了するまでに要すると推定される推定終了時間に基づく移動指示情報を出力する。このため、作業支援システム1は、適切な対象搬送装置40Aが適切なタイミングで移動及び作業装置30の搬送を行うことを支援できる。よって、作業支援システム1は作業装置30の搬送の効率を向上することができる。
【0074】
(第2実施形態)
第1実施形態の作業支援システム1は、ステップS1006で推定終了時間が所定の第1条件を満たすと決定したことに応じて移動出力部140が移動指示情報を出力した。本実施形態の作業支援システム1は、推定終了時刻が第1条件とは異なる第2条件を満たすと決定したことに応じて移動指示情報を出力する点が、第1実施形態と異なる。その他については第1実施形態と同様である。
【0075】
本実施形態の作業支援システム1は、第1実施形態で
図1を参照して説明した作業支援システム1と同様に、作業支援装置10と、端末装置20と、作業装置30と、を備える。作業支援装置10~作業装置30及び第1稼働情報D1~計画情報D4の構成は、
図2~
図8を参照して説明した第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0076】
(作業支援システム1の動作)
本実施形態の作業支援システム1は、上述した機能構成により、作業支援方法の一例である
図12A及び
図12Bに示す処理を実行して、端末装置20の搬送の効率向上を支援する。例えば、作業支援システム1の作業支援装置10は、情報取得部110が外部(例えば、作業装置30)から作業装置30の第1稼働情報D1を取得すると、
図12Aの処理を開始する。
【0077】
まず情報取得部110が、ステップS1102において、
図9AのステップS1002と同様に、処理対象の作業装置30が現在作業している圃場A1を決定する。
【0078】
次に、時間決定部120が、ステップS1104において、
図9AのステップS1004と同様に、推定終了時間を決定する。
【0079】
次に、情報取得部110が、ステップS1106において、
図9AのステップS1010と同様の処理を実行して、第2稼働情報D3を取得する。
【0080】
更に、搬送先取得部150が、ステップS1108において、
図9AのステップS1012と同様の処理を実行して、第2稼働情報D3に基づいて、1以上の搬送装置40の現在位置から圃場A1への移動に要すると推定される推定移動時間を決定する。
【0081】
次に、時間決定部120が、ステップS1110において、ステップS1108で決定した推定移動時間と、ステップS1104で決定した推定終了時間と、を第2条件で比較する。例えば、時間決定部120は、ステップS1108で決定した推定移動時間のうち最も短いものと、ステップS1104で決定した推定終了時間と比較することを決定する。
【0082】
次に、時間決定部120が、ステップS1112において、ステップS1110で比較した結果が、第2条件を満たすか否かを決定する。例えば、時間決定部120は、対象搬送装置40Aの推定移動時間のうちの最短の値に所定の値を加えた値が、ステップS1104で決定した推定終了時間よりも長い場合には、第2条件を満たさないと決定する(ステップS1112:NO)。この場合、作業支援システム1は
図12A及び
図12Bの処理を終了させる。
【0083】
一方、時間決定部120は、搬送装置40の推定移動時間のうちの最短の値に所定の値を加えた値が、ステップS1104で決定した推定終了時間以下である場合、第2条件を満たすと決定する(ステップS1112:YES)。この場合、作業支援システム1は処理をステップS1114に進める。
【0084】
なお、ここで推定移動時間の最小値に加えられる所定の値は、例えば、工場出荷時の設定又はユーザ入力により定められた値である。この所定の値は、一例として、対象搬送装置40Aが圃場A1に到着してから作業装置30の作業終了を待つ許容可能な上限の時間に対応する。例えば、所定の値は、0から30分までの値をとり得る。また、この所定の値は、推定移動時間の誤差や安全用のマージンを含んでもよい。あるいは、作業装置30が圃場A1での作業を終了してから搬送装置40が圃場A1に到着するまでに所定の待ち時間を許容する場合には、所定の値としてマイナスの値(例えば、0分から-30分)が用いられてもよい。
【0085】
ステップS1116~ステップS1124の処理は、
図9BのステップS1016~1024と同様であるため、説明を省略する。
【0086】
本実施形態の作業支援システム1は、搬送装置40が圃場A1に移動するための推定移動時間と、圃場A1における作業が終了すると推定される推定終了時間と、を比較した結果に基づいて、移動出力部140が移動指示情報を出力する。そのため、作業支援システム1は現在の搬送装置40の位置に対応した適切な時期に移動指示情報を出力し得る。例えば、作業支援システム1は、作業装置30の作業が終了するよりも過度に早い時間に搬送装置40が圃場A1に到着して、待ち時間が発生することを低減することができる。
【0087】
なお、上記の第2実施形態では、ステップS1112において時間決定部120は、ステップS1108で決定した推定移動時間のうち最短のもの(最小値)を推定終了時間と比較した。これに代えて、時間決定部120は複数の推定移動時間の中央値や平均値を推定終了時間と比較してもよい。また、推定移動時間の平均値や中央値、最小値の大小を比較する代わりに、推定移動時間の平均値や中央値、最小値等の大きさと、推定終了時間の大きさの比を、所定の閾値と比較してもよい。例えば、時間決定部120は、推定移動時間の最小値が推定終了時間の1.2倍よりも大きい場合に、比較結果が第2条件を満たすと決定してもよい。
【0088】
(変形例)
実施形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。
【0089】
例えば、上記の実施形態において作業支援装置10が実行する機能の一部もしくは全体を、作業装置30の演算装置34が実現してもよい。作業支援装置10の機能の全部(情報取得部110~情報記憶部170)を作業装置30の演算装置34が実現する場合、作業支援システム1は作業支援装置10を含まなくてもよい。
【0090】
また、情報記憶部170が記憶する第1稼働情報D1、圃場情報D2、第2稼働情報D3、計画情報D4はそれぞれ、上述の実施形態とは異なるデータであってもよい。例えば、第1稼働情報D1は、複数の作業装置30の稼働情報を含んでいてもよい。この場合、作業支援装置10は、複数の作業装置30のそれぞれについて、
図9A及び
図9Bの処理を実行する。このとき、作業支援装置10の対象搬送決定部130は、ある作業装置30を対象とした処理のステップS1014で対象搬送装置40Aを決定したときに、第2稼働情報D3に移動搬送中のフラグを立てて、別の作業装置30についての処理におけるステップS1014では選択対象から除外する。そして、対象搬送決定部130は、端末装置20から搬送終了の情報を取得したときに、当該移動搬送中のフラグを除去してもよい。この場合、ユーザ、例えば搬送装置40の運転者は、作業装置30の搬送を終了すると、端末装置20の入出力装置22に搬送終了を表す情報を入力する。端末装置20の表示部210は、搬送終了を表す情報を作業支援装置10に出力する。
【0091】
また、計画情報D4は、未作業の圃場Aのみを記憶するに限らず、作業済みの圃場Aを含む、処理対象の作業装置30が作業すべきすべての圃場Aを含んでいてもよい。この場合、作業支援装置10の移動出力部140は、
図9BのステップS1022で搬送指示情報を出力したときなどに、搬送装置40が作業装置30の搬送のために移動した圃場A1について作業済みのフラグを立てる。そして、搬送先取得部150が、作業済みのフラグが立った圃場Aについては、次に実行される
図9A及び
図9Bの処理において、ステップS1020で搬送先の圃場A2を決定する候補から除外してもよい。
【0092】
また、計画情報D4において作業装置30が作業すべき複数の圃場Aが作業済み乃至未作業にかかわらず作業順に並んでいる場合、搬送先取得部150はステップS1020において、計画情報D4で現在作業中の圃場A1の次に格納されている圃場Aを、搬送先の圃場A2として決定し得る。
【0093】
作業支援システム1が実行する処理は、
図9A及び
図9Bと順序又は処理内容が異なっていてもよい。例えば、処理対象の作業装置30を搬送可能な搬送装置40が一台のみの場合、作業支援システム1はステップS1014を省略して、当該搬送可能な搬送装置40を対象搬送装置40Aとして決定してもよい。あるいは、外部のサーバや作業支援装置10の入出力装置12(又は作業装置30の入出力装置32)が受け付けたユーザ入力から作業装置30を搬送すべき対象搬送装置40Aを指定する情報を取得してもよい。この場合、情報取得部110が対象搬送装置40Aを示す情報を既知の情報として取得してもよい。なお、
図9A及び
図9Bのステップで実行される処理の変形例は、
図12A及び
図12Bの対応するステップについても適用可能である。
【0094】
上記実施形態では、作業支援システム1の情報取得部110は
図9AのステップS1002で作業装置30が現在作業している圃場A1を決定した。しかし、情報取得部110は、作業装置30や、外部のサーバ、入出力装置12が受け付けたユーザ入力から圃場A1を指定する情報を取得してもよい。
【0095】
また、作業支援システム1の搬送先取得部150は、
図9BのステップS1020の処理で、作業装置30を搬送すべき圃場A2を決定した。しかし、搬送先取得部150は、外部のサーバや入出力装置12が受け付けたユーザ入力から次に作業すべき圃場A2を指定する情報を取得してもよい。
【0096】
更に、作業支援システム1の搬送先取得部150は、
図9BのステップS1020の処理で、作業装置30を搬送すべき圃場A2を一つ決定した。しかし、これに限らず、搬送先取得部150は搬送先の圃場A2を複数決定してもよい。例えば、ステップS1020で推定終了時刻が所定の時刻(作業停止時刻)よりも早い圃場Aが複数あった場合、搬送先取得部150は、これらの圃場Aすべてを搬送先の圃場A2として決定してもよい。この場合、搬送出力部160は複数の搬送先の圃場A2を含む搬送指示情報を出力する。そして、表示部210は、複数の搬送先の圃場A2を示す画面において、「これらの圃場のいずれかに搬送してください」等の、複数の圃場A2のいずれかに搬送すべきことを表示してもよい。
【0097】
また、作業支援装置10の移動出力部140は、時間決定部120が第1稼働情報D1及び圃場情報D2に基づき作業の推定終了時間を決定し、推定終了時間に基づいて移動指示情報を出力した。しかし、作業支援装置10の情報取得部110が、外部装置(例えば作業装置30)からもうすぐ作業を終了することを示す予告情報を取得してもよい。この場合、
図9AのステップS1006の処理が省略され、予告情報に基づいて、移動出力部140が移動指示情報を出力してもよい。例えば、作業装置30の出力部320は、圃場A1での作業を終了することを予告するユーザ操作を入出力装置32が受け付けたことに応答して、予告情報を作業支援装置10に出力する。そして、情報取得部110が予告情報を受け付けたことに応答して、移動出力部140が端末装置20に移動指示情報を出力する。
【0098】
次に、搬送先取得部150が、計画情報D4に基づいて各圃場Aでの推定作業時間を決定する。なお、搬送先取得部150が推定作業時間を決定する代わりに、情報取得部110が既知の情報として推定作業時間を取得してもよい。そして、搬送先取得部150が当該推定搬送時間と、当該推定作業時間と、に基づき複数の圃場Aでの作業が終了する推定終了時刻を決定する。そして、搬送先取得部150は、この推定終了時刻に基づいて、複数の圃場Aから搬送先の圃場A2を決定する。一例として、搬送先取得部150は推定終了時刻が所定の終業時刻よりも早い圃場Aのうち、推定作業時間が最も長い圃場Aを圃場A2として決定してもよい。
【0099】
また、
図9AのステップS1014では、対象搬送決定部130はステップS1012で決定した移動時間が最も短い搬送装置40を、対象搬送装置40Aとして決定した。これに限らず、対象搬送決定部130は他の方法で対象搬送装置40Aを決定してもよい。
例えば、対象搬送決定部130は、直線距離で圃場A1から最も近い位置にある搬送装置40を対象搬送装置40Aとして決定してもよい。あるいは、対象搬送決定部130は入出力装置12等を用いて受け付けたユーザ入力に基づいて対象搬送装置40Aを決定してもよい。
【0100】
更に、
図9BのステップS1016では、移動出力部140が、ステップS1006で推定終了時刻が所定の条件を満たすと判別されたことに基づいて、推定終了時刻と、対象搬送装置40Aの搬送装置IDと、圃場A1の圃場IDと、を含む移動指示情報を出力した。しかし、移動出力部140は、推定終了時刻が所定の条件を満たすと判別されたことに基づいて、推定終了時刻を含まず、単に移動指示情報の「搬送装置ID」に対応する対象搬送装置40Aを圃場A1に移動させるべきことを示す移動指示情報を出力してもよい。この場合、表示部210は単に対象搬送装置40Aを圃場A1に移動するべき旨の指示のみを表示する。この場合でも、作業支援システム1は適切なタイミングで搬送装置40の移動を指示することができる。
【0101】
また搬送先取得部150は、
図9BのステップS1020において、計画情報D4に基づいて作業装置30の搬送先の圃場A2を決定することで、搬送先の圃場A2を示す搬送先情報を取得した。しかし、搬送先取得部150は外部から搬送先の圃場A2を示す搬送先情報を取得してもよい。例えば、端末装置20の入出力装置22や、作業装置30の入出力装置32を用いたユーザ入力に基づいて、搬送先情報を取得してもよい。あるいは、搬送先取得部150は、作業装置30のメーカーが運用する外部サーバから、搬送先の圃場A2を示す搬送先情報を取得してもよい。
【0102】
例えば、上記の実施形態では、移動指示情報を出力及び表示した後に、作業支援システム1はステップS1020~ステップS1024を実行して、作業装置30を搬送先の圃場A2へ搬送すべきことを示す搬送指示情報を出力及び表示していた。しかし、作業支援システム1が行う処理はこれに限らない。例えば、作業支援システム1は、ステップS1016~ステップS1018で移動指示情報を表示乃至出力する前に、ステップS1022~ステップS1024を実行して、移動指示情報及び搬送指示情報を同時に表示してもよい。あるいは、前にステップS1020以降の処理を省略して、ステップS1018で適切な時期に移動指示情報を出力することで、作業装置30の搬送の効率を向上させる効果を奏し得る。
【0103】
また、表示部210が表示する画面は
図10及び
図11に限らない。例えば、表示部210は、
図10における対象搬送装置40Aが圃場A1へ移動すべきことを示す表示の下に、作業装置30の搬送準備が完了したことを示すユーザ入力を受け付けるユーザインタフェース(例えば、クリック可能なアイコン)を表示してもよい。ユーザは、対象搬送装置40Aを圃場A1に移動させ、作業装置30の搬送準備が終わり次第、このユーザインタフェースを用いて搬送準備が完了したことを示すユーザ入力を行う。端末装置20の入出力装置22は、このユーザ入力に応答して、搬送準備が完了したことを示す情報を作業支援装置10に出力する。そして、作業支援装置10は、搬送準備が完了したことを示す情報に応答して
図9BのステップS1020又はステップS1022の処理を開始してもよい。このような処理によれば、作業支援装置10は、処理対象の作業装置30の搬送準備が完了した適切なタイミングで、搬送指示情報を出力できる。
【0104】
また、表示部210は、
図11において、作業装置30を搬送先の圃場A2へ搬送する期限時刻を更に表示してもよい。例えば、搬送出力部160は、終業時刻から、
図9BのステップS1020で決定した圃場A2の推定作業時間を引いた時刻を、作業装置30を搬送先の圃場A2へ搬送する期限時刻として決定して、当該期限時刻を示す情報を含む搬送指示情報を、端末装置20に出力してもよい。
【0105】
また、移動出力部140と搬送出力部160は、移動指示情報と搬送指示情報を同時に端末装置20に出力してもよい。この場合、出力部220は、対象搬送装置40Aを圃場A1に移動させるべきことと、対象搬送装置40Aを用いて端末装置20を圃場A2に搬送すべきことと、を同時に表示してもよい。
【0106】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。
【0107】
(付記)
各実施の形態で記載した作業支援方法と、作業支援システムと、プログラムとは以下のように言うことができる。
【0108】
第1の態様に係る作業支援方法は、
第1圃場で作業している作業装置の位置及び時刻を示す第1稼働情報と、前記作業装置が作業している前記第1圃場を示す圃場情報と、に基づいて、前記作業装置が前記第1圃場での作業を終了するまでの推定終了時間を決定することと、
前記推定終了時間に基づいて、前記作業装置を搬送する搬送装置が前記第1圃場へと移動すべきことを示す移動指示情報を出力することと、
を含む。
【0109】
第2の態様に係る作業支援方法は、第1の態様に係る作業支援方法であり、
前記作業装置の搬送先となるべき第2圃場を示す搬送先情報を取得することと、
前記搬送装置が、取得した前記搬送先情報が示す前記第2圃場へと前記作業装置を搬送すべきことを示す搬送指示情報を出力することと、
を更に含む。
【0110】
第3の態様に係る作業支援方法は、第2の態様に係る作業支援方法であり、
前記搬送先情報を取得することが、複数の圃場での前記作業装置の作業計画を示す計画情報と、前記推定終了時間と、前記複数の圃場を更に示す前記圃場情報と、に基づいて、前記複数の圃場から前記第2圃場を決定することを含む。
【0111】
第4の態様に係る作業支援方法は、第3の態様に係る作業支援方法であり、
前記計画情報が前記複数の圃場での作業量に関する情報を含み、
前記第2圃場を決定することが、
前記圃場情報に基づいて、前記第1圃場から前記複数の圃場それぞれへと前記作業装置を搬送する推定搬送時間を決定することと、
前記計画情報が示す前記複数の圃場での作業量に基づいて、前記作業装置が前記複数の圃場で作業する推定作業時間を決定することと、
決定した前記推定搬送時間と、決定した前記推定作業時間と、に基づいて、前記複数の圃場から前記第2圃場を決定することと、
を更に含む。
【0112】
第5の態様に係る作業支援方法は、第1~第4の態様のいずれか一つに係る作業支援方法であり、
複数の搬送装置の位置を示す第2稼働情報を取得することと、
前記第1圃場を示す圃場情報を取得することと、
取得した前記第2稼働情報と、取得した前記圃場情報と、に基づいて、前記複数の搬送装置から、前記作業装置を搬送する前記搬送装置を決定することと、
を更に含む。
【0113】
第6の態様に係る作業支援方法は、第5の態様に係る作業支援方法であり、
前記作業装置を搬送すべき前記搬送装置を決定することが、
前記圃場情報と、前記第2稼働情報と、に基づいて、前記複数の搬送装置のそれぞれが前記第1圃場に移動するまでの推定移動時間を推定することと、
推定した前記推定移動時間に基づいて、前記複数の搬送装置から、前記第1圃場へと移動する前記搬送装置を選択することと、
を含む。
【0114】
第7の態様に係る作業支援方法は、
作業装置が作業している第1圃場から前記作業装置が作業すべき複数の圃場のそれぞれに前記作業装置を搬送するための推定搬送時間と、前記作業装置が前記複数の圃場で行うべき作業量と、に基づいて、前記複数の圃場から前記作業装置を搬送すべき第2圃場を決定することと、
前記作業装置を搬送する搬送装置が決定した前記第2圃場へと前記作業装置を搬送すべきことを示す搬送指示情報を出力することと、
を含む。
【0115】
第8の態様に係る作業支援システムは、
第1圃場で作業している作業装置の位置及び時刻を示す第1稼働情報と、前記作業装置が作業している前記第1圃場を示す圃場情報と、に基づいて、前記作業装置が前記第1圃場での作業を終了するまでの推定終了時間を決定する時間決定部と、
前記推定終了時間に基づいて、前記作業装置を搬送する搬送装置が前記第1圃場へと移動すべきことを示す移動指示情報を出力する移動出力部と、
を備える。
【0116】
第9の態様に係るプログラムは、
コンピュータに、
第1圃場で作業している作業装置の位置及び時刻を示す第1稼働情報と、前記作業装置が作業している前記第1圃場を示す圃場情報と、に基づいて、前記作業装置が前記第1圃場での作業を終了するまでの推定終了時間を決定することと、
前記推定終了時間に基づいて、前記作業装置を搬送する搬送装置が前記第1圃場へと移動すべきことを示す移動指示情報を出力することと、
を実行させる。
【符号の説明】
【0117】
1 作業支援システム
10 作業支援装置
12 入出力装置
14 演算装置
16 通信装置
18 記憶装置
110 情報取得部
120 時間決定部
130 対象搬送決定部
140 移動出力部
150 搬送先取得部
160 搬送出力部
170 情報記憶部
20 端末装置
22 入出力装置
24 演算装置
26 通信装置
28 記憶装置
210 表示部
30 作業装置
32 入出力装置
34 演算装置
36 通信装置
38 記憶装置
39 測位装置
310 測位部
320 出力部
40 搬送装置
40A 対象搬送装置
A、A1、A2 圃場
NT ネットワーク
M1、M2、M3 記憶媒体
D1 第1稼働情報
D2 圃場情報
D3 第2稼働情報
D4 計画情報
P1~P3 プログラム