(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024725
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】健康リスク低減方法、健康リスク低減システムおよび健康リスク低減プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240216BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127564
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】鏡 太介
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】認知症予防または認知症を遅らせるための運動を提案する健康リスク低減方法、健康リスク低減システムおよび健康リスク低減プログラムを提供する。
【解決手段】この健康リスク低減方法は、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データ3を取得するステップと、デイサービス等の高齢者施設の利用者の認知機能検査による認知機能検査データ4を取得するステップと、体力測定データ3と認知機能検査データ4とに基づいて、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を取得するステップと、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を出力するステップと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データを取得するステップと、
前記被検者の認知機能検査による認知機能検査データを取得するステップと、
前記体力測定データと前記認知機能検査データとに基づいて、前記被検者に提案する運動内容情報を取得するステップと、
前記被検者に提案する前記運動内容情報を出力するステップと、を備える、健康リスク低減方法。
【請求項2】
前記運動内容情報を出力するステップは、前記運動内容情報に加えて、前記体力測定データと前記認知機能検査データとを表示するステップを含む、請求項1に記載の健康リスク低減方法。
【請求項3】
前記運動内容情報を取得するステップにおいて、前記運動内容情報として身体機能を高める前記運動内容情報と、認知機能を高める前記運動内容情報と、を取得する、請求項1に記載の健康リスク低減方法。
【請求項4】
前記運動内容情報を取得するステップは、前記体力測定データと前記認知機能検査データとを分析するステップと、前記体力測定データの分析結果と前記認知機能検査データの分析結果とに基づいて、予め設定された複数の前記運動内容情報のうちから前記運動内容情報を選択するステップと、を含む、請求項3に記載の健康リスク低減方法。
【請求項5】
前記運動内容情報を取得するステップにおいて、前記体力測定データの分析結果と前記認知機能検査データの分析結果とに応じて、前記身体機能を高める運動の割合と、前記認知機能を高める運動の割合と、を異ならせる、請求項4に記載の健康リスク低減方法。
【請求項6】
前記体力測定データを取得するステップは、取得された前記体力測定データと測定時点とを関連付けて保存するステップを含み、
前記認知機能検査データを取得するステップは、取得された前記認知機能検査データと検査時点とを関連付けて保存するステップを含み、
前記表示するステップにおいて、所定期間内の前記体力測定データおよび前記認知機能検査データを、時系列に沿って表示する、請求項2に記載の健康リスク低減方法。
【請求項7】
前記表示するステップにおいて、前記所定期間内の前記体力測定データの時系列変化と、前記所定期間内の前記認知機能検査データの時系列変化と、をそれぞれ表示する、請求項6に記載の健康リスク低減方法。
【請求項8】
前記表示するステップにおいて、前記所定期間内の前記体力測定データの時系列変化のグラフと、前記所定期間内の前記認知機能検査データの時系列変化のグラフと、を並べて表示する、請求項7に記載の健康リスク低減方法。
【請求項9】
前記表示するステップにおいて、前記被検者に提案する前記運動内容情報に加えて、前記体力測定データの時系列変化のグラフと、前記認知機能検査データの時系列変化のグラフと、を並べて表示する、請求項8に記載の健康リスク低減方法。
【請求項10】
前記運動内容情報として、種目および回数を含む、請求項1に記載の健康リスク低減方法。
【請求項11】
被検者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データを取得する体力測定データ取得部と、
前記被検者の認知機能検査による認知機能検査データを取得する検査データ取得部と、
前記体力測定データと前記認知機能検査データとに基づいて、前記被検者に提案する運動内容情報を取得する運動内容情報取得部と、
前記被検者に提案する前記運動内容情報を出力する出力部と、を備える、健康リスク低減システム。
【請求項12】
被検者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データを取得する制御と、
前記被検者の認知機能検査による認知機能検査データを取得する制御と、
前記体力測定データと前記認知機能検査データとに基づいて、前記被検者に提案する運動内容情報を取得する制御と、
前記被検者に提案する前記運動内容情報を出力する制御と、をコンピュータに実行させる、健康リスク低減プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高齢者等の健康を維持するための運動を提案する健康リスク低減方法、健康リスク低減システムおよび健康リスク低減プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高齢者等の健康を維持するための運動を提案する健康リスク低減システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、個人の暦年齢を入力し記録する暦年齢入力記憶手段と、個人の体力を測定する体力測定手段と、体力測定のデータを長期的記録する記録手段と、個人別の運動処方を指示する運動処方指示手段とを備えるシステムが開示されている。このシステムは、個人の暦年齢と、体力測定のデータとを比較することによって、暦年齢に応じた個人別の運動処方を指示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には記載されていないが、認知機能と身体機能とには相関がある。具体的には、身体機能が低下すると、認知機能が低下するリスクが高まる。したがって、体力測定の結果をもとに適切な運動による身体機能の改善が認知機能の改善に繋がることが示唆される。一般的に、年齢が上がるにつれて、認知症になる割合は増加する。一度、認知症を発症すると、症状を改善するのは困難である。しかし、認知症となる前の状態である軽度認知障害(MCI)の段階であれば、適切な対策を取ることにより、認知症の発症を予防または遅らせることができる。しかし、デイサービス等の高齢者施設の施設スタッフは、MCIリスクを抱えたデイサービス等の高齢者施設の利用者に対して認知症予防または認知症を遅らせるための運動を提案できていないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、認知症予防または認知症を遅らせるための運動を提案することが可能な健康リスク低減方法、健康リスク低減システムおよび健康リスク低減プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における健康リスク低減方法は、被検者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データを取得するステップと、被検者の認知機能検査による認知機能検査データを取得するステップと、体力測定データと認知機能検査データとに基づいて、被検者に提案する運動内容情報を取得するステップと、被検者に提案する運動内容情報を出力するステップと、を備える。
【0008】
この発明の第2の局面による健康リスク低減システムは、被検者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データを取得する体力測定データ取得部と、被検者の認知機能検査による認知機能検査データを取得する検査データ取得部と、体力測定データと認知機能検査データとに基づいて、被検者に提案する運動内容情報を取得する運動内容情報取得部と、被検者に提案する運動内容情報を出力する出力部と、を備える。
【0009】
この発明の第3の局面による健康リスク低減プログラムは、被検者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データを取得する制御と、被検者の認知機能検査による認知機能検査データを取得する制御と、体力測定データと認知機能検査データとに基づいて、被検者に提案する運動内容情報を取得する制御と、被検者に提案する運動内容情報を出力する制御と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
上記第1の局面における健康リスク低減方法は、上記のように、体力測定データと認知機能検査データとに基づいて、被検者に提案する運動内容情報を取得するステップと、被検者に提案する運動内容情報を出力するステップと、を備える。これにより、被験者の体力測定データと認知機能検査データとを取得する際に、個々の被検者の体力測定データと認知機能検査データとに基づいて、被験者に応じた認知症予防または認知症を遅らせるための運動内容情報を取得することによって、認知症予防または認知症を遅らせるための運動を提案することが可能な健康リスク低減方法を提供することができる。
【0011】
上記第2の局面における健康リスク低減システムは、上記のように、体力測定データと認知機能検査データとに基づいて、被検者に提案する運動内容情報を取得する運動内容情報取得部と、被検者に提案する運動内容情報とを出力する出力部と、を備える。これにより、上記第1の局面における健康リスク低減方法と同様に、被験者の体力測定データと認知機能検査データを取得する際に、個々の被検者の体力測定データと認知機能検査データとに基づいて、被験者に応じた認知症予防または認知症を遅らせるための運動内容情報を取得することによって、認知症予防または認知症を遅らせるための運動を提案することが可能な健康リスク低減システムを提供することができる。
【0012】
上記第3の局面における健康リスク低減プログラムは、上記のように、体力測定データと認知機能検査データとに基づいて、被検者に提案する運動内容情報を取得する制御と、被検者に提案する運動内容情報とを出力する制御と、をコンピュータに実行させる。これにより、上記第1の局面および上記第2の局面と同様に、被験者の体力測定データと認知機能検査データを取得する際に、個々の被検者の体力測定データと認知機能検査データとに基づいて、被験者に応じた認知症予防または認知症を遅らせるための運動内容情報を取得することによって、認知症予防または認知症を遅らせるための運動を提案することが可能な健康リスク低減プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による健康リスク低減システムの全体構成を示したブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による施設スタッフ用端末の構成例を示すためのブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるサーバの構成例を示すためのブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態による施設スタッフ用端末に表示される画面イメージである。
【
図5】本実施形態の体力測定データおよびMCIリスクデータに基づいて取得される運動内容情報の割合を示した図である。
【
図6】健康リスク低減システムによる運動内容情報の表示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1~
図3を参照して、本実施形態による健康リスク低減システム100の構成について説明する。
【0016】
健康リスク低減システム100は、デイサービス等の高齢者施設の施設スタッフに対して、認知症の発症を予防または認知症を遅らせるための運動内容を提案する。なお、施設スタッフは、健康リスク低減システム100が提案した運動内容に基づいて、デイサービス等の高齢者施設の利用者に対して運動内容を実施させる。
【0017】
(健康リスク低減システムの全体構成)
図1に示すように、健康リスク低減システム100は、施設スタッフ用端末1と、サーバ2と、を備える。
【0018】
図1に示すように、施設スタッフ用端末1と、サーバ2とは、ネットワーク10を介して接続されている。ネットワーク10は、施設スタッフ用端末1以外からも接続可能なオープンネットワークである。
【0019】
施設スタッフ用端末1は、入力されたデイサービス等の高齢者施設の利用者の体力測定データ3の情報と、認知機能検査データ4とを、サーバ2に、ネットワーク10を介して登録(記憶)するように構成されている。施設スタッフ用端末1は、たとえば、スマートフォン、タブレット端末などを含む。施設スタッフ用端末1の詳細な構成は、後述する。なお、体力測定データ3は、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力測定の結果をもとに、作成された情報を含む。たとえば、体力測定の結果が世代平均以上(体力年齢が平均以上)であればA、体力測定の結果が世代平均以下(体力年齢が平均以下)であればBなどの情報を含む。また、認知機能検査データ4は、血液検査によって得られたMCIスクリーニング検査の結果(MCIリスクデータ)を含む。MCIリスクデータとは、0.00~2.00までの範囲の数値で表される。数値が高くなるにつれて、MCIのリスクが高くなる。たとえば、MCIリスクデータが0.00~0.50の範囲であれば、MCIリスクがほぼないAを示す。MCIリスクデータが0.51~1.00の範囲であれば、MCIリスクが低めであるBを示す。MCIリスクデータが1.01~1.50であれば、MCIリスクが中程度であるCを示す。MCIリスクデータが1.51~2.00であれば、MCIリスクが高めであるDを示す。デイサービス等の高齢者施設の利用者は、特許請求の範囲の「被検者」の一例である。
【0020】
サーバ2には、運動内容情報5である身体機能を高める運動内容情報5aと、認知機能を高める運動内容情報5bとが記憶されている。また、施設スタッフが施設スタッフ用端末1によって入力したデイサービス等の高齢者施設の利用者の体力測定データ3の情報と、認知機能検査データ4とが登録(記憶)されている。また、サーバ2は、登録(記憶)された体力測定データ3と認知機能検査データ4とに基づいて運動内容情報5を選択し、施設スタッフ用端末1に運動内容情報5を出力する。サーバ2の詳細な構成については、後述する。
【0021】
(施設スタッフ用端末)
図2に示すように、施設スタッフ用端末1は、端末制御部1aと、端末通信部1bと、入力受付部1cと、表示部1dと、端末記憶部1eとを備える。施設スタッフ用端末1は、デイサービス等の高齢者施設の利用者の個人情報7と、個人情報7以外の情報である体力測定データ3と、認知機能検査データ4と、個人情報7とは異なるデイサービス等の高齢者施設の利用者識別情報8と、を入力可能なように構成されている。
【0022】
本実施形態では、施設スタッフは、施設スタッフ用端末1によってデータ入力アプリケーション(図示せず)を起動するか、または、データ入力サービス(図示せず)にアクセスし、データ入力することにより、個人情報7およびデイサービス利用者識別情報8を入力する。
【0023】
個人情報7は、デイサービス等の高齢者施設の利用者の氏名7a、生年月日7b、および、住所7cを含む。また、デイサービス等の高齢者施設の利用者識別情報8は、デイサービス等の高齢者施設の利用者ID8aを含む。デイサービス等の高齢者施設の利用者ID8aは、デイサービス等の高齢者施設の利用者の氏名7a、生年月日7b、および、住所7cを含まない情報である。具体的には、デイサービス等の高齢者施設の利用者ID8aは、サーバ2においてデイサービス等の高齢者施設の利用者を識別するために付与されるデイサービス等の高齢者施設の利用者固有の文字列によって構成される。
【0024】
端末制御部1aは、施設スタッフ用端末1を制御するように構成されている。端末制御部1aは、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリとを含む。
【0025】
端末通信部1bは、ネットワーク10を介してサーバ2と接続可能に構成されている。端末通信部1bは、データ入力アプリケーションにおいて、入力された体力測定データ3および認知機能検査データ4をサーバ記憶部2c(
図3参照)に送信するように構成されている。具体的には、施設スタッフ用端末1は、施設スタッフが入力受付部1cに入力した体力測定データ3および認知機能検査データ4を、ネットワーク10を介してサーバ通信部9に送信する。端末通信部1bは、有線通信用のインターフェース、または、無線通信用のインターフェースなどを含む。
【0026】
入力受付部1cは、施設スタッフの操作入力を受け付け可能なように構成されている。入力受付部1cは、たとえば、タッチパッド、キーボードなどの入力デバイスを含む。
【0027】
表示部1dは、施設スタッフが体力測定データ3および認知機能検査データ4を入力する際の体力測定データ3および認知機能検査データ4の内容などを表示するように構成されている。また、表示部1dは、サーバ2から受信した運動内容情報5を表示する。表示部1dは、たとえば、液晶モニタを含む。なお、入力受付部1cと、表示部1dとは、たとえば、タッチパネルなどのように、一体的に構成されていてもよい。
【0028】
端末記憶部1eは、施設スタッフがデイサービス等の高齢者施設の利用者の個人情報7、体力測定データ3および認知機能検査データ4を入力する際に、サーバ2から受信したデイサービス等の高齢者施設の利用者識別情報8、個人情報7、体力測定データ3および認知機能検査データ4を関連付けて記憶するように構成されている。端末記憶部1eは、たとえば、フラッシュメモリを含む。
【0029】
(サーバ)
サーバ2は、体力測定データ3および認知機能検査データ4を記憶する。また、サーバ2は、体力測定データ3の分析結果と認知機能検査データ4の分析結果とに基づいて、予め設定された複数の運動内容情報5のうちから運動内容情報5を選択する。さらに、サーバ2は、選択されたデイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を端末に出力する。
【0030】
図3に示すように、サーバ2は、サーバ制御部2aと、サーバ記憶部2bと、サーバ通信部9とを含む。サーバ2は、施設スタッフ用端末1に入力された体力測定データ3および認知機能検査データ4を受信する。サーバ2は、ネットワーク10を介して送信された体力測定データ3と、認知機能検査データ4と、デイサービス等の高齢者施設の利用者識別情報8と、を関連付けて記憶するように構成されている。
【0031】
サーバ制御部2aは、サーバ2の制御を行うように構成されている。サーバ制御部2aは、たとえば、CPU、RAM、およびROMなどを含む。
【0032】
サーバ制御部2aは、ネットワーク10を介して施設スタッフ用端末1から受信した体力測定データ3および認知機能検査データ4をサーバ記憶部2bに記憶する。
【0033】
サーバ制御部2aは、出力部11と、データ取得部12と、運動内容情報取得部14とを含む。サーバ制御部2aは、サーバ記憶部2bに記憶されたプログラム13を実行することにより、出力部11、データ取得部12および運動内容情報取得部14として機能をする。出力部11は、施設スタッフ用端末1にデイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を、サーバ通信部9に出力するように構成されている。出力部11は、たとえば、CPUである。データ取得部12は、体力測定データ3を取得する体力測定データ取得部12aと、認知機能検査データ4を取得する検査データ取得部12b、を含む。体力測定データ取得部12aは、施設スタッフ用端末1に入力された体力測定データ3を、ネットワーク10を介して取得する。検査データ取得部12bは、施設スタッフ用端末1に入力された認知機能検査データ4を、ネットワーク10を介して取得する。運動内容情報取得部14は、体力測定データ3と認知機能検査データ4とに基づいて、サーバ記憶部2bに記憶されている身体機能を高める運動内容情報5aと、認知機能を高める運動内容情報5bと、から運動内容情報5を取得する。
【0034】
サーバ記憶部2bは、プログラム13と、体力測定データ3と、認知機能検査データ4と、デイサービス等の高齢者施設の利用者識別情報8のデイサービス等の高齢者施設の利用者ID8aとを記憶するように構成されている。また、サーバ記憶部2cには、サーバ制御部2aが実行するプログラム13と、運動内容情報5が記憶されている。デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5は、体力測定データ3と、認知機能検査データ4と、に基づいて取得される。サーバ記憶部2cには、運動内容情報5である身体機能を高める運動内容情報5aと、認知機能を高める運動内容情報5bと、が記憶されている。プログラム13は、サーバ2で実行されるコンピュータプログラムである。サーバ記憶部2cは、たとえば、HDD、または、SSDを含む。
【0035】
サーバ通信部9は、ネットワーク10を介して施設スタッフ用端末1と接続可能に構成されている。サーバ通信部9は、有線通信用のインターフェース、または、無線通信用のインターフェースなどを含む。
【0036】
(運動内容情報)
本実施形態の運動内容情報5は、
図4に示すように、種目(運動メニュー)17および回数18を含む。また、運動内容情報5は、身体機能を高める運動内容情報5aと認知機能を高める運動内容情報5bとの2種類がある。身体機能を高める運動内容情報5aの種目(運動メニュー)17は、ももあげ、腹筋、背筋などの筋肉トレーニングのメニューとなるものである。また、認知機能を高める運動内容情報5bの種目(運動メニュー)17は、数を数えながら踏み台を昇降するとともに4の倍数で拍手する、横ステップをするとともにしりとりをする、または、リズムに合わせて「グー」と「パー」を入れ替えるグーパー運動などの認知機能を高める行動と、運動とを組み合わせたものである。
【0037】
(運動内容情報の表示までの流れ)
本実施形態では、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データ3を取得する。サーバ2は、デイサービス等の高齢者施設の利用者がデイサービス施設で実施する体力測定の結果を、施設スタッフが施設スタッフ用端末1に体力測定データ3として、入力することにより、体力測定データ3を取得する。
【0038】
また、デイサービス等の高齢者施設の利用者の認知機能検査による認知機能検査データ4を取得する。サーバ2は、デイサービス等の高齢者施設の利用者が医療機関などで実施する血液検査などによるスクリーニング検査の結果を、施設スタッフが施設スタッフ用端末1に認知機能検査データ4として、入力することにより、認知機能検査データ4を取得する。また、取得された体力測定データ3と測定時点とは、関連付けて保存される。同様に、取得された認知機能検査データ4と検査時点とは、関連付けて保存される。測定時点は、デイサービス利用者の体力測定が実施された実施日を示す。検査時点は、デイサービス等の高齢者施設の利用者のスクリーニング検査が実施された検査日を示す。
【0039】
上記で取得した体力測定データ3および認知機能検査データ4が施設スタッフ用端末1に入力されることによって、サーバ記憶部2cに登録(記憶)する。運動内容情報取得部14は、体力測定データ3と認知機能検査データ4とに基づいて、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を取得する。運動内容情報取得部14は、運動内容情報5として、サーバ記憶部2bに記憶された身体機能を高める運動内容情報5aと認知機能を高める運動内容情報5bとを取得する。
【0040】
このとき、サーバ2は、体力測定データ3と認知機能検査データ4とを分析することによって、体力測定データ3の分析結果と認知機能検査データ4の分析結果とに基づいて、予め設定された複数の運動内容情報5のうちから運動内容情報5を選択する。
【0041】
さらに、サーバ2は、運動内容情報5を取得する際に、体力測定データ3の分析結果と認知機能検査データ4の分析結果とに応じて、身体機能を高める運動の割合と、認知機能を高める運動の割合とを、異ならせる。
【0042】
本実施形態では、サーバ2に記憶されている複数の運動内容情報5から4つの運動内容情報5が選択される。体力測定データ3の結果と、認知機能検査データ4との結果に基づいて、運動内容情報5が選択される。たとえば、認知機能検査データ4の結果であるMCIリスクデータが、C(MCIリスク中程度)またはD(MCIリスク高め)のときは、身体機能の改善に繋がる運動が1つ、認知機能の改善に繋がる運動が3つ選択される。他の具体例は、後述する。
【0043】
施設スタッフ用端末1にデイサービス等の高齢者施設の利用者ID8aが施設スタッフにより入力されたときに、取得された運動内容情報5は、施設スタッフ用端末1に出力される。施設スタッフ用端末1は、運動内容情報5が出力された際に、運動内容情報5に加えて、体力測定データ3と認知機能検査データ4とを時系列に沿って表示部1dに表示する。また、施設スタッフ用端末1は、所定期間内の体力測定データ3の時系列変化と、所定期間内の認知機能検査データ4の時系列変化と、をそれぞれ表示する。表示部1dは、表示画面の一例である
図4に示すように、デイサービス利用者に提案する運動内容情報5に加えて、体力測定データ3の時系列変化のグラフ15と、認知機能検査データ4の時系列変化のグラフ16と、を並べて表示する。
【0044】
(運動内容情報の取得)
図5を参照して、サーバ2の運動内容情報5の取得について説明する。本実施形態では、体力測定データ3は、体力年齢が平均以上であるAと、体力年齢が平均以下であるBとの2種類に区別される。MCIリスクデータは、MCIリスクがほぼないAと、MCIリスクが低いBと、MCIリスクが中程度のCと、MCIリスクの高いDと、に区別される。MCIリスクがCまたはDのとき、サーバ2は、身体機能を高める運動内容情報5aを1つ、認知機能を高める運動内容情報5bを3つ提案する。MCIリスクがB、体力年齢がAのとき、サーバ2は、身体機能を高める運動内容情報5aを1つ、認知機能を高める運動内容情報5bを3つ提案する。MCIリスクがB、体力年齢がBのとき、サーバ2は、身体機能を高める運動内容情報5aを2つ、認知機能を高める運動内容情報5bを2つ提案する。MCIリスクがAのとき、サーバ2は、身体機能を高める運動内容情報5aを2つ、認知機能を高める運動内容情報5bを2つ提案する。
【0045】
(運動内容情報の表示処理)
次に、
図6を参照して、本実施形態の健康リスク低減システム100による運動内容情報5の表示処理をフローチャートに基づいて説明する。
【0046】
まず、ステップ101において、施設スタッフ用端末1に入力された体力測定データ3と、認知機能検査データ4とが入力される。入力された体力測定データ3と、認知機能検査データ4とは、ネットワーク10を介して、端末通信部1bからサーバ通信部9に送信される。サーバ制御部2aは、受信した体力測定データ3と、認知機能検査データ4とを、サーバ記憶部2cに登録(記憶)する。
【0047】
そして、ステップ102において、施設スタッフ用端末1にデイサービス等の高齢者施設の利用者ID8aが入力される。施設スタッフ用端末1は、デイサービス等の高齢者施設の利用者ID8aが入力されることによって、デイサービス等の高齢者施設の利用者の運動内容情報5をサーバ2に要求する。データ取得部12は、要求されたデイサービス等の高齢者施設の利用者に関する体力測定データ3と、認知機能検査データ4とをサーバ記憶部2bから取得する。
【0048】
ステップ103において、サーバ制御部2aは、体力測定データ3に関わらず、MCIリスクデータがC(MCIリスク中程度)またはD(MCIリスク高め)でなければ、処理をステップ104に進める。また、ステップ103において、MCIリスクデータがC(MCIリスク中程度)またはD(MCIリスク高め)であれば、ステップ107に進める。
【0049】
ステップ104において、サーバ制御部2aは、MCIリスクデータがB(MCIリスク低め)かつ体力測定データ3がA(体力年齢平均以上)でなければ、処理をステップ105に進める。また、ステップ104において、サーバ制御部2aは、MCIリスクデータがB(MCIリスク低め)かつ体力測定データ3がA(体力年齢平均以上)であれば、処理をステップ107に進める。
【0050】
ステップ105において、サーバ制御部2aは、MCIリスク評価がB(MCIリスク低め)かつ体力測定データ3がB(体力年齢平均以下)でなければ、処理をステップ106に進める。また、ステップ105において、サーバ制御部2aは、MCIリスクデータがB(MCIリスク低め)かつ体力測定データ3がB(体力年齢平均以下)であれば、処理をステップ108に進める。
【0051】
ステップ106において、サーバ制御部2aは、MCIリスクデータがA(MCIリスクほぼなし)のとき、処理をステップ108に進める。
【0052】
ステップ107において、サーバ制御部2aは、身体機能の改善に繋がる運動内容情報5aを1つ、認知機能の改善に繋がる運動内容情報5bを3つ選択する。
【0053】
ステップ108において、サーバ制御部2aは、身体機能の改善に繋がる運動内容情報5aを2つ、認知機能の改善に繋がる運動内容情報5bを2つ選択する。
【0054】
ステップ109において、サーバ制御部2aは、施設スタッフ用端末1にネットワーク10を介して、運動内容情報5と、体力測定データ3の時系列変化のグラフ15と、認知機能検査データ4の時系列変化のグラフ16と、を送信する。施設スタッフ用端末1は、受信した運動内容情報5と、体力測定データ3の時系列変化のグラフ15と、認知機能検査データ4の時系列変化のグラフ16と、を表示部1dに表示する。これにより、サーバ制御部2aの処理が終わる。
【0055】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0056】
本実施形態では、上記のように、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データ3を取得するステップと、デイサービス等の高齢者施設の利用者の認知機能検査による認知機能検査データ4を取得するステップと、体力測定データ3と認知機能検査データ4とに基づいて、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を取得するステップと、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を出力するステップと、を備える。
【0057】
これにより、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力測定データ3と認知機能検査データ4とを取得する際に、個々のデイサービス等の高齢者施設の利用者の体力測定データ3と認知機能検査データ4とに基づいて、デイサービス等の高齢者施設の利用者に応じた認知症予防または認知症を遅らせるための運動内容情報5を取得することによって、認知症予防または認知症を遅らせるための運動を提案することが可能な健康リスク低減方法を提供することができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように運動内容情報5を出力するステップは、運動内容情報5に加えて、体力測定データ3と認知機能検査データ4とを表示するステップを含む。これにより、施設スタッフは、運動内容情報5と、体力測定データ3と、認知機能検査データ4とを視覚的に確認できる。したがって、施設スタッフは、デイサービス等の高齢者施設の利用者により適した運動内容を提案することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、運動内容情報5を取得するステップにおいて、運動内容情報5として認知機能を高める運動内容情報5aと、身体機能を高める運動内容情報5bと、を取得する。これにより、施設スタッフは、認知機能を高める運動内容情報5aと、身体機能を高める運動内容情報5bとを取得できる。したがって、施設スタッフがデイサービス等の高齢者施設の利用者に認知機能を高める運動内容と、身体機能を高める運動内容と、を全て考える必要なく、取得した運動内容情報5から選択してデイサービス等の高齢者施設の利用者に運動をさせることができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、運動内容情報5を取得するステップは、体力測定データ3と認知機能検査データ4とを分析するステップと、体力測定データ3の分析結果と認知機能検査データ4の分析結果とに基づいて、予め設定された複数の運動内容情報5のうちから運動内容情報5を選択するステップと、を含む。これにより、施設スタッフが、体力測定データ3と認知機能検査データ4とから、分析を行う必要がなくなる。したがって、施設スタッフの負担を軽減することができるとともに、デイサービス等の高齢者施設の利用者に適した運動を提案することができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、運動内容情報5を取得するステップにおいて、体力測定データ3の分析結果と認知機能検査データ4の分析結果とに応じて、身体機能を高める運動の割合と、認知機能を高める運動の割合と、を異ならせる。これにより、施設スタッフは、デイサービス等の高齢者施設の利用者にとって、必要としている身体機能を高める運動の割合と、認知機能を高める運動の割合とが分かるため、より適切な運動の割合を提案することにより、デイサービス等の高齢者施設の利用者の認知症予防に繋がるより適切な運動を提案することができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、体力測定データ3を取得するステップは、取得された体力測定データ3と測定時点とを関連付けて保存するステップを含み、認知機能検査データ4を取得するステップは、取得された認知機能検査データ4と検査時点とを関連付けて保存するステップを含み、表示するステップにおいて、所定期間内の体力測定データ3および認知機能検査データ4を、時系列に沿って表示する。これにより、施設スタッフは、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力測定データ3と認知機能検査データ4とを時系列に沿って視覚的に確認することができるため、過去から現在に掛けて状態の変化といったデイサービス等の高齢者施設の利用者の状態を的確に判断することができる。したがって、施設スタッフは、デイサービス等の高齢者施設の利用者の状態に合わせて、運動内容を提案することができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、表示するステップにおいて、所定期間内の体力測定データ3の時系列変化と、所定期間内の認知機能検査データ4の時系列変化と、をそれぞれ表示する。これにより、施設スタッフは、デイサービス等の高齢者施設の利用者が過去から現在までに実施してきた運動による身体と認知機能に基づく効果を確認することができる。したがって、過去に実施した効果の高い運動を選択的にデイサービス等の高齢者施設の利用者に実施することができる。
【0064】
また、本実施形態では、上記のように、表示するステップにおいて、所定期間内の体力測定データ3の時系列変化のグラフ15と、所定期間内の認知機能検査データ4の時系列変化のグラフ16と、を並べて表示する。これにより、施設スタッフは、時系列変化をグラフで確認することができるため、身体機能が改善された時点および認知機能が改善された時点を容易に見つけ出すことができる。
【0065】
また、本実施形態では、上記のように、表示するステップにおいて、体力測定データ3の時系列変化のグラフ15と、認知機能検査データ4の時系列変化のグラフ16とに加えて、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を並べて表示する。これにより、施設スタッフは、身体機能が改善された時点および認知機能が改善された時点を容易に見つけ出すことができるとともに、デイサービス等の高齢者施設の利用者にとって適切な運動内容情報5を確認できる。したがって、身体機能および認知機能の改善に繋がる運動を提案することができる。
【0066】
また、本実施形態では、上記のように、運動内容情報5として、種目17および回数18を含む。これにより、施設スタッフは、デイサービス等の高齢者施設の利用者にどのような種目17を何回行うのが適切かを容易に判断できるため、デイサービス等の高齢者施設の利用者にとって適切な運動を提案することができる。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、健康リスク低減システム100は、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データ3を取得する体力測定データ取得部12aと、デイサービス等の高齢者施設の利用者の認知機能検査による認知機能検査データ4を取得する検査データ取得部12bと、体力測定データ3と認知機能検査データ4とに基づいて、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を取得する運動内容情報取得部14と、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を出力する出力部11と、を備える。
【0068】
これにより、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力測定データ3と認知機能検査データ4を取得する際に、個々のデイサービス等の高齢者施設の利用者の体力測定データ3と認知機能検査データ4とに基づいて、にデイサービス等の高齢者施設の利用者に応じた認知症予防または認知症を遅らせるための運動内容情報5を取得することによって、認知症予防または認知症を遅らせるための運動を提案することが可能な健康リスク低減システム100を提供することができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、健康リスク低減プログラムは、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データ3を取得する制御と、デイサービス等の高齢者施設の利用者の認知機能検査による認知機能検査データ4を取得する制御と、体力測定データ3と認知機能検査データ4とに基づいて、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を取得する制御と、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5を出力する制御と、をコンピュータに実行させる。
【0070】
これにより、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力測定データ3と認知機能検査データ4を取得する際に、個々のデイサービス等の高齢者施設の利用者の体力測定データ4と認知機能検査データ4とに基づいて、にデイサービス等の高齢者施設の利用者に応じた認知症予防または認知症を遅らせるための運動内容情報5を取得することによって、認知症予防または認知症を遅らせるための運動を提案することが可能な健康リスク低減プログラムを提供することができる。
【0071】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0072】
たとえば、上記実施形態では、運動内容情報5を4つ選択する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力に合わせて、運動内容情報5を1つ~3つまたは5つ以上取得するように構成してもよい。
【0073】
たとえば、上記実施形態では、体力測定データ3の評価基準は、体力測定の結果が世代平均以上(体力年齢が平均以上)であればA、体力測定の結果が世代平均以下(体力年齢が平均以下)であればBの2種類から選択する例を示したが、本発明はこれに限られない。3種類以上でもよい。たとえば、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体力測定データ3を年代別平均値に即して、『40~50代の体力年齢』または『45歳の平均体力年齢』などで表してもよい。
【0074】
たとえば、上記実施形態では、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5に加えて、体力測定データ3の時系列変化のグラフ15と、認知機能検査データ4のグラフ16とを並べて表示する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、運動内容情報5のみを表示してもよい。この他、体力測定データ3および認知機能検査データ4について、時系列変化ではなく、直近(最新)のデータのみを表示してもよい。
【0075】
たとえば、上記実施形態では、デイサービス等の高齢者施設の利用者に提案する運動内容情報5に加えて、体力測定データ3の時系列変化のグラフ15と、認知機能検査データ4のグラフ16とを並べて表示する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、時系列変化はグラフではなく表として表示してもよい。時系列変化は、少なくとも異なる2つの時点のデータを含めばよい。時系列変化として表示対象とする期間の長さは特に限定されない。
【0076】
たとえば、上記実施形態では、認知機能検査データ4は、血液検査によるスクリーニング検査データによる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、認知機能検査データ4は、NIRS(近赤外分光法)fMRI、EEGなどによる脳計測による検査データなどでもよい。
【0077】
たとえば、上記実施形態では、体力測定を3か月に1回程度で実施する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、体力測定を月に1回程度など頻度を増やしてもよい。また、デイサービス等の高齢者施設の利用者の体調に合わせて、頻度を減らしてもよい。
【0078】
たとえば、上記実施形態では、スクリーニング検査を半年に1回程度で実施する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、スクリーニング検査を月に1回程度など頻度を増やしてもよい。また、デイサービス等の高齢者施設の利用者の状態に合わせて、頻度を減らしてもよい。
【0079】
たとえば、上記実施形態では、デイサービス等の高齢者施設での利用を実施する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、医療機関、教育機関、商業施設など使用できる機関はどこでもよい。
【0080】
たとえば、上記実施形態では、データの入力は施設スタッフが実施する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、デイサービス等の高齢者施設の利用者、デイサービス等の高齢者施設の利用者の家族、医療スタッフなどでもよい。
【0081】
たとえば、上記実施形態では、運動内容の提案は施設スタッフに対して行う例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、デイサービス等の高齢者施設の利用者、デイサービス等の高齢者施設の利用者の家族、医療スタッフなどに提案してもよい。
【0082】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0083】
(項目1)
被検者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データを取得するステップと、
前記被検者の認知機能検査による認知機能検査データを取得するステップと、
前記体力測定データと前記認知機能検査データとに基づいて、前記被検者に提案する運動内容情報を取得するステップと、
前記被検者に提案する前記運動内容情報を出力するステップと、を備える、健康リスク低減方法。
【0084】
(項目2)
前記運動内容情報を出力するステップは、前記運動内容情報に加えて、前記体力測定データと前記認知機能検査データとを表示するステップを含む、項目1に記載の健康リスク低減方法。
【0085】
(項目3)
前記運動内容情報を取得するステップにおいて、前記運動内容情報として身体機能を高める前記運動内容情報と、認知機能を高める前記運動内容情報と、を取得する、項目1に記載の健康リスク低減方法。
【0086】
(項目4)
前記運動内容情報を取得するステップは、前記体力測定データと前記認知機能検査データとを分析するステップと、前記体力測定データの分析結果と前記認知機能検査データの分析結果とに基づいて、予め設定された複数の前記運動内容情報のうちから前記運動内容情報を選択するステップと、を含む、項目3に記載の健康リスク低減方法。
【0087】
(項目5)
前記運動内容情報を取得するステップにおいて、前記体力測定データの分析結果と前記認知機能検査データの分析結果とに応じて、前記身体機能を高める運動の割合と、前記認知機能を高める運動の割合と、を異ならせる、項目4に記載の健康リスク低減方法。
【0088】
(項目6)
前記体力測定データを取得するステップは、取得された前記体力測定データと測定時点とを関連付けて保存するステップを含み、
前記認知機能検査データを取得するステップは、取得された前記認知機能検査データと検査時点とを関連付けて保存するステップを含み、
前記表示するステップにおいて、所定期間内の前記体力測定データおよび前記認知機能検査データを、時系列に沿って表示する、項目2に記載の健康リスク低減方法。
【0089】
(項目7)
前記表示するステップにおいて、前記所定期間内の前記体力測定データの時系列変化と、前記所定期間内の前記認知機能検査データの時系列変化と、をそれぞれ表示する、項目6に記載の健康リスク低減方法。
【0090】
(項目8)
前記表示するステップにおいて、前記所定期間内の前記体力測定データの時系列変化のグラフと、前記所定期間内の前記認知機能検査データの時系列変化のグラフと、を並べて表示する、項目7に記載の健康リスク低減方法。
【0091】
(項目9)
前記表示するステップにおいて、前記被検者に提案する前記運動内容情報に加えて、前記体力測定データの時系列変化のグラフと、前記認知機能検査データの時系列変化のグラフと、を並べて表示する、項目8に記載の健康リスク低減方法。
【0092】
(項目10)
前記運動内容情報として、種目および回数を含む、項目1に記載の健康リスク低減方法。
【0093】
(項目11)
被検者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データを取得する体力測定データ取得部と、
前記被検者の認知機能検査による認知機能検査データを取得する検査データ取得部と、
前記体力測定データと前記認知機能検査データとに基づいて、前記被検者に提案する運動内容情報を取得する運動内容情報取得部と、
前記被検者に提案する前記運動内容情報を出力する出力部と、を備える、健康リスク低減システム。
【0094】
(項目12)
被検者の体力を測定するために実施する体力測定による体力測定データを取得する制御と、
前記被検者の認知機能検査による認知機能検査データを取得する制御と、
前記体力測定データと前記認知機能検査データとに基づいて、前記被検者に提案する運動内容情報を取得する制御と、
前記被検者に提案する前記運動内容情報を出力する制御と、をコンピュータに実行させる、健康リスク低減プログラム。
【符号の説明】
【0095】
1 施設スタッフ用端末
3 体力測定データ
4 認知機能検査データ
5、5a、5b 運動内容情報
11 出力部
12a 体力測定データ取得部
12b 検査データ取得部
14 運動内容情報取得部
15、16 グラフ
17 種目
18 回数
100 健康リスク低減システム