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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024728
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】足装着具
(51)【国際特許分類】
   A41B 11/00 20060101AFI20240216BHJP
   A61F 13/06 20060101ALI20240216BHJP
   A61H 39/04 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
A41B11/00 J
A41B11/00 F
A61F13/06 B
A41B11/00 A
A61H39/04 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127570
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】592154411
【氏名又は名称】岡本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】吹上 正人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智也
(72)【発明者】
【氏名】▲陰▼山 奈津子
(72)【発明者】
【氏名】澤田 匡弘
(72)【発明者】
【氏名】青柳 一輝
【テーマコード(参考)】
3B018
4C101
【Fターム(参考)】
3B018AA02
3B018AB06
3B018AC00
3B018AD01
3B018AD11
4C101BA01
4C101BB02
4C101BC04
4C101BE03
(57)【要約】
【課題】 本発明の課題は、従前の足装着具に比べて装着者に対して失眠のツボが刺激されていることを効果的に知覚させることができる足装着具を提供することにある。
【解決手段】 本発明に係る足装着具100は、少なくともヒトの足を被覆するための装着具であって、踵被覆部120および隆起部125を備える。隆起部は、少なくとも一つ存在する。この隆起部は、踵被覆部において内側および外側の少なくとも一方に向かって隆起する。そして、この隆起部は、角CNを有する。隆起部は、多角形状を呈することが好ましく、平面透視において十字形状を呈することがより好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
踵被覆部と、
前記踵被覆部において内側および外側の少なくとも一方に向かって隆起する少なくとも一つの隆起部と
を備え、
前記隆起部は、角を有する
足装着具。
【請求項2】
前記隆起部は、多角形状を呈する
請求項1に記載の足装着具。
【請求項3】
前記隆起部は、平面透視において十字形状を呈する
請求項2に記載の足装着具。
【請求項4】
前記隆起部は、平面透視において矩形を呈する矩形部と、前記矩形部から幅方向に沿って両側に延びる第1翼部と、平面透視において前記矩形部から前記幅方向の垂直方向に沿って両側に延びる第2翼部とを有し、
前記矩形部の上端面は、前記第1翼部の上端面および前記第2翼部の上端面よりも高い位置にある
請求項3に記載の足装着具。
【請求項5】
前記踵被覆部は、内側編地層および外側編地層から形成されており、
前記隆起部は、前記内側編地層と前記外側編地層の間に位置する
請求項1から4に記載の足装着具。
【請求項6】
前記隆起部は、前記内側編地層から外側編地層側に向かって突起する第1突起部と、前記外側編地層から内側編地層側に向かって突起し、前記第1突起部と対向するように配置される第2突起部とから構成される
請求項5に記載の足装着具。
【請求項7】
入眠促進用である
請求項1に記載の足装着具。
【請求項8】
両側が開口する筒状を呈する
請求項7に記載の足装着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴下(ソックスやハイソックス等)、レッグウォーマー、ストッキング、タイツ等、少なくとも足に装着され得る足装着具に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「人の足裏にあるツボで失眠と呼ばれる部位の近傍に対応する箇所で踵袋に、隆起部を形成した靴下」が提案されている(例えば、登録実用新案第3210355号公報参照)。この靴下は、装着されることにより、失眠のツボを刺激して、高ぶった神経を落ち着かせて眠気を誘い、集中力の低下等を改善することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3210355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、発明者らの鋭意検討により、隆起部の形状によっては失眠のツボが刺激されていることを装着者が知覚しにくいことが判明されている。
【0005】
本発明の課題は、従前の足装着具に比べて装着者に対して失眠のツボが刺激されていることをより効果的に知覚させることができる足装着具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1局面に係る足装着具は、少なくともヒトの足を被覆するための装着具であって、踵被覆部および隆起部を備える。なお、この足装着具は、ヒトの足の一部のみを被覆してもよいし、ヒトの足の全部を被覆してもよい。また、この足装着具には、ヒトの脚を被覆するための脚被覆部が加えられてもよい。踵被覆部は、踵の一部または全部を被覆するための部位である。隆起部は、少なくとも一つ存在する。この隆起部は、踵被覆部において内側および外側の少なくとも一方に向かって隆起する。そして、この隆起部は、角を有する。なお、ここにいう「角」には、直線が交わって形成される角のみならず、直線と曲線(円弧等)との組み合わせにより形成される角、すなわち、丸角等も含まれる。ただし、失眠にツボを効果的に刺激する観点から丸角の半径は15mm以下であることが好ましい。丸角の半径の下限は特に規定されないが、例えば0.1mmである。また、この隆起部は、装着者が歩行等の運動をする際に装着者の自重がかかると、角の存在で自重がかかる面積が小さくなり、失眠のツボに対してかかる圧力が大きくなる。
【0007】
上述の通り、この足装着具では、隆起部に角が形成される。足装着具の装着者は、なだらかな曲線や曲面により形成されるものよりも、角を有するものの方が接触していることを知覚しやすい。このため、この足装着具は、就寝前に装着したり、就寝前に装着者が軽く歩行したりすることにより、従前の足装着具よりも装着者に対して失眠のツボが刺激されていることを効果的に知覚させることができる。なお、隆起部が踵被覆部の外側に向かって隆起する場合、隆起部により失眠のツボを刺激するには、少なくとも歩行等の軽い運動を要する。
【0008】
本発明の第2局面に係る足装着具は第1局面に係る足装着具であり、隆起部は、多角形状を呈する。
【0009】
このため、この足装着具では、複数の角が形成されている。したがって、この足装着具は、従前の足装着具よりも装着者に対して失眠のツボが刺激されていることをより効果的に知覚させることができる。
【0010】
本発明の第3局面に係る足装着具は第2局面に係る足装着具であり、隆起部は、平面透視において十字形状を呈する。なお、ここで、「平面透視」とは、踵被覆部が下側を向くようにして足装着具を平置きした際に真上から透視することを指す。
【0011】
このため、この足装着具では、一つの隆起部中に比較的尖った角が四方において2つずつ形成される。このため、この足装着具では、失眠のツボを四方の位置で刺激することができると共に、足装着具の装着時において失眠のツボから隆起部の位置が僅かズレたとしても失眠のツボを刺激することができる。
【0012】
本発明の第4局面に係る足装着具は第3局面に係る足装着具であり、隆起部は、矩形部、第1翼部および第2翼部を有する。矩形部は、平面透視において矩形を呈する。第1翼部は、矩形部から幅方向に沿って両側に延びている。第2翼部は、平面透視において矩形部から幅方向の垂直方向に沿って両側に延びている。そして、矩形部の上端面は、第1翼部の上端面および第2翼部の上端面よりも高い位置にある。言い換えると、矩形部は、第1翼部および第2翼部よりも厚くなっている。
【0013】
このため、この足装着具では、中央の矩形部においても角を形成することができる。このため、足装着具が正常に装着された状態において失眠のツボの中央部を効果的に刺激することができる。
【0014】
本発明の第5局面に係る足装着具は第1局面から第4局面のいずれか一局面に係る足装着具であり、踵被覆部は、内側編地層および外側編地層から形成されている。そして、隆起部は、内側編地層と外側編地層の間に位置する。
【0015】
このため、この足装着具では、隆起部が摩耗したり劣化したりするのを抑制することができる。
【0016】
本発明の第6局面に係る足装着具は第5局面に係る足装着具であり、隆起部は、第1突起部および第2突起部から構成されている。第1突起部は、内側編地層から外側編地層側に向かって突起している。第2突起部は、外側編地層から内側編地層側に向かって突起している。そして、この第2突起部は、第1突起部と対向するように配置されている。
【0017】
このため、この足装着具では、比較的シンプルな編み構造を用いて十分な高さの隆起部を形成することができる。
【0018】
本発明の第7局面に係る足装着具は第1局面に係る足装着具であり、この足装着具は、入眠促進用である。
【0019】
このため、この足装着具を装着した者を入眠しやすくすることができる。
【0020】
本発明の第8局面に係る足装着具は第7局面に係る足装着具であり、この足装着具は、両側が開口する筒状を呈する。
【0021】
このため、この足装着具では、装着者の足の趾側に存在する血管領域(例えば、AVA血管領域等)を露出させることができる。したがって、この足装着具では、装着者の深部体温を十分に下げることができ、延いては装着者に対して良質な睡眠を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマーの側面図である。
図2】本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマーを平置きしたときの平面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマーの第1圧締部の縦断面図である。
図4】本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマーの隆起部の平面図である。
図5】本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマーの突起部の編成方法を示す図である。
図6】変形例(N)に係る入眠促進レッグウォーマーの隆起部の形状を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<本発明の実施の形態に係る足装着具の構成>
本発明の実施の形態に係る足装着具は、ヒトの足に装着される装着具であって、例えば、靴下(フットカバー,ソックス,ハイソックス)、レッグウォーマー、ストッキング、タイツ等である。なお、ここにいう「足」とは、踝(くるぶし)から爪先までの部位である。また、この足装着具は、ヒトの足の一部のみを被覆してもよいし、ヒトの足の全部を被覆してもよい。また、この足装着具には、ソックスや、ハイソックス、レッグウォーマー、ストッキング、タイツ等のようにヒトの脚を被覆するための脚被覆部が存在してもよい。
【0024】
本発明の実施の形態に係る足装着具の一例として、図1に示される入眠促進レッグウォーマー100が挙げられる。なお、この入眠促進レッグウォーマー100は、以下のa)、b)およびc)に示される3つのコンセプトを実現するために発明されたものである。
a)爪先を除く足を温めることで足が冷たくて眠れないといった不都合を抑制する。
b)爪先側を開口し、装着者の深部体温を下げることにより眠気を誘う。
c)踵に位置する失眠のツボを刺激することにより副交感神経に働きかけて装着者の体をリラックスさせる。
【0025】
以下、この入眠促進レッグウォーマー100について詳述すると共に、本発明において許容され得る構成を説明する。
【0026】
本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100は、両端が開口する略「く」の字の筒状を呈する編み物であって、図1に示されるように、主に、部分足被覆部110、第1圧締部120、接続部130、足首被覆部140、第2圧締部150および脛被覆部160から構成されている。以下、これらの構成部位について詳述する。
【0027】
(1)部分足被覆部
部分足被覆部110は、二重編地構造を有する筒状部位であって、装着者の足の中間部位、すなわち、例えば、足長(足の踵側端部から最も長い足指の端部までの距離)の約50%に相当する領域を被覆するための部位である。上述の通り、この部分足被覆部110は、二重編地構造を有するため、層間に存在する空気層により保温機能を有する。なお、図1および図2に示されるように、この部分足被覆部110の一端は入眠促進レッグウォーマー100の先端となっており、他端は第1圧締部120に繋がっている。すなわち、この入眠促進レッグウォーマー100を装着した場合、装着者の足の爪先側の部位は露出することになる。この部分足被覆部110は、平均的な足形状を有する者であって22cm以上25cm以下の範囲内の足長を有する者を対象として寸法設計されている。また、ここでは、a)足の血管が集中する箇所(例えば、AVA血管が集中する箇所等)を覆うことなく装着者の深部体温の低下を促進して睡眠へ導くと共に、b)血管が集中する箇所以外を覆うことにより足の温度低下速度を緩やかにして足の冷えによる睡眠妨害を防ぐことを目的として、部分足被覆部110の長さは、平均的な足形状を有する者であって22cmの足長を有する者の小趾の付け根あるいは第五中足骨骨頭を超えない長さとされている。かかる場合、入眠促進レッグウォーマー100の装着時において、この部分足被覆部110は、足長に対して踵側から63.3%以上83.1%以下の範囲の部分を覆う。この部分足被覆部110は、不快感が生じないように緩やかに締め付けるという観点から、裏糸(FTY)を用いないゾッキ編みで編成されるのが好ましい。また、同様の観点から、このゾッキ編みにゴム糸が挿入されるのが好ましい。また、同様の観点から、この編地において筒軸方向の伸び率が140%以上160%以下の範囲内であると共に、幅方向の伸び率が270%以上290%以下の範囲内であることが好ましい。また、この部分足被覆部110の周長は、平均的な足形状を有する者であって23.5cmの足長を有する足囲とほぼ同一になるように決定されている。また、この入眠促進レッグウォーマー100は、釜(シリンダー)の直径が5インチ程度である編機で編成されるため、3.5インチ程度の編機で編成されるものよりも部分足被覆部110の周長が長くなり、足の中間部位の締付けが軽減される。また、この部分足被覆部110の着圧は9.50±0.49hPaの範囲内であることが好ましく、9.50±0.16hPaの範囲内であることがより好ましい。なお、この着圧は、室温20℃、相対湿度65%の環境下で、PRESSURE CONVERTER AMI3037-10、丸型エアパックおよびHQL成人女性平均足型(株式会社七彩のトルソー製の平均的人体寸法ダミーMSX-20)を用いて計測した。具体的には、HQL成人女性平均足型に丸型エアパックを貼り付け、その足型に入眠促進レッグウォーマー100を着用させてから1分後にPRESSURE CONVERTER AMI3037-10に表示される着圧計測値を読み取った。ここでは、この計測を3回行ってその平均値を着圧とした。これにより、しっかりとした生地感が得られるだけでなく、縦方向の伸縮を抑制して装着位置のズレを防ぐことができる。そして、これにより、この部分足被覆部110は、装着者の足の中間部位を過度に締め付けることなく足の中間部位にフィットし、装着者に快適感を与えることができる。また、この入眠促進レッグウォーマー100は、上述の構造を有することにより、位置ズレを抑制することができる。
【0028】
(2)第1圧締部
第1圧締部120は、二重編地構造を有する筒状部位であって、装着者の踵部位の爪先側の部位を被覆すると共に、入眠促進レッグウォーマー100の装着時において部分足被覆部110および足首被覆部140の位置ズレ(ずり落ちや、めくれ上がり等)を抑制するための部位である。上述の通り、この第1圧締部120は、二重編地構造を有するため、層間に存在する空気層により保温機能を有する。なお、図1および図2に示されるように、この第1圧締部120の一端は部分足被覆部110に繋がっており、他端は接続部130に繋がっている。また、上述の位置ズレ抑制の点から、第1圧締部120を編成する編地は、部分足被覆部110および足首被覆部140を編成する編地よりも締め付けが強い編地とされるのが好ましい。このため、この第1圧締部120は、裏糸(FTY)を用いた平編みで編成されるのが好ましい。また、同様の観点から、この平編みにゴム糸や柄糸が挿入されるのが好ましい。また、同様の観点から、この編地において筒軸方向の伸び率が240%以上260%以下の範囲内であると共に、幅方向の伸び率が190%以上210%以下の範囲内であることが好ましい。また、この第1圧締部120の着圧は33.20±3.56hPaの範囲内であることが好ましく、33.20±1.19hPaの範囲内であることがより好ましい。これにより、部分足被覆部110および足首被覆部140が位置ズレを起こしにくく、部分足被覆部110および足首被覆部140の機能を十分に発揮させることができる。
【0029】
また、図1および図2に示されるように、この第1圧締部120の足裏被覆側の部位には、失眠のツボに対応する位置に十字型の隆起部125が形成されている。なお、上述した通り、第1圧締部120は、二重編地構造を有しており、この二重編地構造は、図3に示されるように内側編地層120aおよび外側編地層120bから構成されている。そして、隆起部125は、図3に示されるように、内側編地層120aから外側編地層側に向かって突起する第1突起部125aと、外側編地層120bから内側編地層側に向かって突起する第2突起部125bとから構成されている。図3に示されるように、第1突起部125aと第2突起部125bとは、対向配置されている。第1突起部125aおよび第2突起部125bは、図3および図4に示されるように、矩形部RG、第1翼部W1および第2翼部W2から構成されている。矩形部RGは、編地で構成される直方体状の部位である。図3に示されるように、第1突起部125aにおいて矩形部RGの下端面が第1翼部W1の下端面および第2翼部W2の下端面よりも低い位置になると共に、第2突起部125bにおいて矩形部RGの上端面が第1翼部W1の上端面および第2翼部W2の上端面よりも高い位置になるように設計されている。言い換えると、第1突起部125aおよび第2突起部125bにおいて矩形部RGは、第1翼部W1および第2翼部W2より厚くなるように設計されている。第1翼部W1は、図4に示されるように矩形部RGから幅方向Dwに沿って矩形部RGの両側に延びる直方体状の部位である。図3に示されるように、第1突起部125aおよび第2突起部125bにおいて第1翼部W1の下端面あるいは上端面は、第2翼部W2の下端面あるいは上端面と同じ高さ位置にある。また、上述の通り、第1突起部125aにおいて第1翼部W1の下端面が矩形部RGの下端面よりも高い位置になると共に、第2突起部125bにおいて第1翼部W1の上端面が矩形部RGの上端面よりも低い位置になるように設計されている。言い換えると、第1突起部125aおよび第2突起部125bにおいて第1翼部W1は、矩形部RGよりも薄くなるように設計されている。第2翼部W2は、図4に示されるように矩形部RGから幅方向Dwに直交する方向Dl、すなわち、奥行方向(踵と爪先を通る方向)に沿って矩形部RGの両側に延びる直方体状の部位である。図3に示されるように、第1突起部125aおよび第2突起部125bにおいて第2翼部W2の下端面あるいは上端面は、第2翼部W2の下端面あるいは上端面と同じ高さ位置にある。また、上述の通り、第1突起部125aにおいて第1翼部W1の下端面は、矩形部RGの下端面よりも高い位置になると共に、第2突起部125bにおいて第1翼部W1の上端面は、矩形部RGの上端面よりも低い位置になるように設計されている。言い換えると、第1突起部125aおよび第2突起部125bにおいて第2翼部W2は、矩形部RGよりも薄くなるように設計されている。第1突起部125aおよび第2突起部125bが上述の通りに形成されることによって、第1突起部125aおよび第2突起部125bそれぞれにおいて角CNが12個形成される。なお、そのうち4つの角CNは矩形部RGによって形成されており、8つの角CNは第1翼部W1および第2翼部W2によって形成されている。
【0030】
そして、隆起部125が上述の通りにして形成されることによって、装着者が装着して歩行等する際において、第1突起部125aおよび第2突起部125bにより形成される隆起部125が内側(肌側)に向かって隆起する(このとき、第1突起部125aの矩形部RGおよび第2突起部125bの矩形部RGにより形成される矩形部の上端面は、第1突起部125aの第1翼部W1および第2突起部125bの第1翼部W1により形成される第1翼部の上端面、および、第1突起部125aの第2翼部W2および第2突起部125bの第2翼部W2により形成される第2翼部の上端面よりも高い位置になる)と共に、その隆起部において第1突起部125aおよび第2突起部125bの各角CNの対応する位置に12個の角が形成されることになり、これらの角によって失眠のツボを効率的に刺激することができる。
【0031】
なお、突起部125a,125bを編地で構成する際、以下の通りにして突起部125a,125bが形成されるのが好ましい。具体的には、パイル編みなどの編み方や、太い糸などの糸の変化を組み合わせて突起部125a,125bを編成する。これにより第1突起部125aを内側編地層120aに一体化することができると共に、第2突起部125bを外側編地層120bに一体化することができ、突起部125a,125bの形成工程を増やすことなく、接着不良等による突起部125a,125bの位置ズレを抑制することができる。
【0032】
より具体的な編成方法を図5に示した。図5において〇印および△印で示されている領域(以下「第1領域」という場合がある。)は平編み領域であり、表糸、裏糸およびゴム糸で編成されている。△印で示される箇所にゴム糸の挿入されている。
【0033】
行番号3~11/列番号1~4で示される領域(以下「第21領域」という場合がある。)、行番号12~22/列番号5~8で示される領域(以下「第22領域」という場合がある。)、行番号23~31/列番号1~4で示される領域(以下「第23領域」という場合がある。)、行番号3~11/列番号129~132で示される領域(以下「第24領域」という場合がある。)、行番号12~22/列番号125~128で示される領域(以下「第25領域」という場合がある。)、行番号23~31/列番号129~132で示される領域(以下「第26領域」という場合がある。)は、表糸、裏糸、ゴム糸、および疑似パイル糸で編成されている。なお、これらの領域において、疑似パイル糸は、灰色の箇所で編みこまれているが、黒色の箇所で編みこまれていない。黒色の箇所で疑似パイル糸が編みこまれないことによってそれらの領域の生地がパイル調になり、厚みが出る。また、これらの領域にはゴム糸が編みこまれていないため、ゴム糸はそれらの領域の上に横たわっている。このようにゴム糸が編みこまれないことによりゴム糸が押しつぶされず、その分、その箇所に厚みが出る。
【0034】
行番号12~22/列番号1~4で示される領域(以下「第31領域」という場合がある。)、行番号12~22/列番号129~132で示される領域(以下「第32領域」という場合がある。)は、表糸、裏糸、ゴム糸、および疑似パイル糸で編成されている。なお、これらの領域において、疑似パイル糸は、薄い灰色の箇所で編みこまれているが、濃い灰色の箇所で編みこまれていない。この点は、上述の第21~26領域と同じであるが、これらの領域では、更に平編みからパイル編みに変更されている。これにより、これらの領域は、第21~26領域よりも厚くなる。すなわち、上述の各領域の厚さの関係は、以下の通りとなる。
【0035】
第31領域=第32領域>第21領域=第22領域=第23領域=第24領域=第25領域=第26領域>第1領域。
【0036】
また、第31領域および第32領域には、第21~26領域と同様にゴム糸が編みこまれていないため、ゴム糸はそれらの領域の上に横たわっている。このようにゴム糸が編みこまれないことによりゴム糸が押しつぶされず、その分、その箇所に厚みが出る。
【0037】
(3)接続部
接続部130は、一重編地構造を有する環状部位であって、第1圧締部120と足首被覆部140とを繋ぐ役割を担っている。この接続部130は、装着者の睡眠を妨げない観点から、段差がなく、装着者に締め付けを感じさせないものであることが好ましい。なお、この接続部130の具体的な例としては、例えば、熱融着部位、縫製部位などが挙げられる。なお、この接続部130は、入眠促進レッグウォーマー100の装着時にその装着者の踵よりも爪先側に位置することが好ましい。この接続部130は、装着者に不快感を与えないという観点から、入眠促進レッグウォーマー100の装着時に装着者の足の敏感でない部位に位置することが好ましいからである。
【0038】
(4)足首被覆部
足首被覆部140は、一重編地構造を有する筒状部位であって、装着者の足首回りおよび踵の一部を覆うための部位である。なお、図1および図2に示されるように、この足首被覆部140は接続部130を介して第1圧締部120に繋がっており、その反対側は第2圧締部150に繋がっている。また、この足首被覆部140は、適度な保温性を付与するという観点から、パイル編みなどで編成されるのが好ましい。また、この足首被覆部140は、第1圧締部120の隆起部125の位置合わせを行うという観点から睡眠時の足首および踵の形状に沿うように屈曲していることが好ましい。足首被覆部140は、足首被覆部140の全周編み領域の間に目減らし編み領域を設けることが好ましく、目減らし編み領域に続けて目増し編み領域を設けてもよい。また、この足首被覆部140の着圧は8.17±2.62hPa以下の範囲内であることが好ましく、8.17±0.87hPa以下の範囲内であることがより好ましい。
【0039】
(5)第2圧締部
第2圧締部150は、一重編地を有する筒状部位であって、装着者の足首の上側に位置する部位を被覆すると共に、入眠促進レッグウォーマー100の装着時において足首被覆部140および脛被覆部160の位置ズレ(ずり落ちや、めくれ上がり等)を抑制するための部位である。なお、図1および図2に示されるように、この第2圧締部150の一端は足首被覆部140に繋がっており、他端は脛被覆部160に繋がっている。また、この第2圧締部150の着圧は5.63±0.51hPa以下の範囲内であることが好ましく、5.63±0.17hPa以下の範囲内であることがより好ましい。
【0040】
また、図1および図2に示されるように、この第2圧締部150の側面部には、三陰交のツボに対応する位置にツボ刺激部155が形成されている。
【0041】
(6)脛被覆部
脛被覆部160は、二重編地構造を有する筒状部位であって、装着者の脛を被覆するための部位である。上述の通り、この脛被覆部160は、二重編地構造を有するため、層間に存在する空気層により保温機能を有する。なお、図1および図2に示されるように、この脛被覆部160の一端は第2圧締部150に繋がっており、他端は入眠促進レッグウォーマー100の基端となっている。また、入眠促進レッグウォーマー100の装着時において脛被覆部160の位置ズレ(ずり落ちや、めくれ上がり等)を抑制する観点から、この脛被覆部160の着圧は4.80±3.13hPa以下の範囲内であることが好ましく、4.80±1.04hPa以下の範囲内であることがより好ましい。
【0042】
<各部の着圧比>
上述の通り、各部において好ましい着圧が規定されていたが、これらの比、すなわち、脛被覆部160の着圧:足首被覆部140の着圧:部分足被覆部110の着圧:第2圧締部150の着圧:第1圧締部120の着圧は、4.80±3.13hPa:8.17±2.62hPa:9.50±0.49hPa:5.63±0.51hPa:33.20±3.56hPaであることが好ましく、4.80±1.04hPa:8.17±0.87hPa:9.50±0.16hPa:5.63±0.17hPa:33.20±1.19hPaであることがより好ましい。すなわち、第1圧締部120の着圧は部分足被覆部110の着圧よりも高く、第1圧締部120の着圧は足首被覆部140の着圧よりも高く、足首被覆部140の着圧は第2圧締部150の着圧よりも高く、第2圧締部150の着圧は脛被覆部160の着圧よりも高いことが好ましい。
【0043】
<本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマーの具体的な形成方法>
部分足被覆部110および第1圧締部120の形成方法としては、例えば、(i)第1圧締部120の接続部側の端から第1圧締部120の部分足被覆部側の端まで編んで第1圧締部120の外側編地層120bを編成した後に、糸を切り替えて部分足被覆部110の第1圧締部側の端から部分足被覆部110の先端まで編んで部分足被覆部110の外側編地層を編成し、そのまま部分足被覆部110の先端から部分足被覆部110の第1圧締部側の端まで編んで部分足被覆部110の内側編地層を編成した後、糸を切り替えて第1圧締部120の部分足被覆部側の端から第1圧締部120の接続部側の端まで編んで第1圧締部120の内側編地層120aを編成し、部分足被覆部110および第1圧締部120の内側編地層を部分足被覆部110および第1圧締部120の外側編地層の内部に押し込む方法や、(ii)第1圧締部120の接続部側の端から第1圧締部120の部分足被覆部側の端まで編んで第1圧締部120の内側編地層120aを編成した後に、糸を切り替えて部分足被覆部110の第1圧締部側の端から部分足被覆部110の先端まで編んで部分足被覆部110の内側編地層を編成し、そのまま部分足被覆部110の先端から部分足被覆部110の第1圧締部側の端まで編んで部分足被覆部110の外側編地層を編成した後、糸を切り替えて第1圧締部120の部分足被覆部側の端から第1圧締部120の接続部側の端まで編んで第1圧締部120の外側編地層120bを編成し、部分足被覆部110および第1圧締部120の内側編地層を部分足被覆部110および第1圧締部120の外側編地層の内部に押し込む方法等が挙げられる。
【0044】
足首被覆部140、第2圧締部150および脛被覆部160の形成方法としては、例えば、(i)足首被覆部140の接続部側の端から足首被覆部140の第2圧締部側の端まで編んで足首被覆部140を編成した後に、糸を切り替えて第2圧締部150の足首被覆部側の端から第2圧締部150の脛被覆部側の端まで編んで第2圧締部150を編成し、さらに糸を切り替えて脛被覆部160の第2圧締部側の端から脛被覆部160の基端まで編んで脛被覆部160の外側編地層を編成し、そのまま脛被覆部160の基端から脛被覆部160の第2圧締部側の端まで編んで脛被覆部160の内側編地層を編成し、脛被覆部160の内側編地層を脛被覆部160の外側編地層の内部に押し込んで第2圧締部側の端でその内側編地層と外側編地層とを接続する方法や、(ii)脛被覆部160の第2圧締部側の端から脛被覆部160の基端まで編んで脛被覆部160の内側編地層を編成し、そのまま脛被覆部160の基端から脛被覆部160の第2圧締部側の端まで編んで脛被覆部160の外側編地層を編成した後、糸を切り替えて第2圧締部150の脛被覆部側の端から第2圧締部150の足首被覆部側の端まで編んで第2圧締部150を編成し、さらに糸を切り替えて足首被覆部140の第2圧締部側の端から足首被覆部140の接続部側の端まで編んで足首被覆部140を編成し、脛被覆部160の内側編地層を脛被覆部160の外側編地層の内部に押し込んで第2圧締部側の端でその内側編地層と外側編地層とを接続する方法などが挙げられる。
【0045】
第1圧締部120と足首被覆部140とを接続する方法としては、上述の「(3)接続部」の項目に説明した通りである。
【0046】
<本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマーの特徴>
(1)
本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100には、第1圧締部120の失眠のツボに相当する位置に隆起部125が設けられ、その隆起部125に角が形成されている。このため、この入眠促進レッグウォーマー100は、就寝前に装着したり、就寝前に装着者が軽く歩行したりすることにより、従前のものよりも装着者に対して失眠のツボが刺激されていることを効果的に知覚させることができる。
【0047】
(2)
本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、内側編地層120aから外側編地層側に向かって突起する第1突起部125aと、外側編地層120bから内側編地層側に向かって突起する第2突起部125bとから隆起部125が構成されている。このため、この入眠促進レッグウォーマー100では、突起部125a,125bの編成時に糸が出てしまう場合であっても、その糸が肌側や接地面側に露出することを防ぐことができる。したがって、この入眠促進レッグウォーマー100では、突起部125a,125bを編成する糸が装着者の爪や指、あるいは、床などに引っ掛かることを防ぐことができる。よって、この入眠促進レッグウォーマー100では、履きやすく、糸がほどけにくい。
【0048】
(3)
本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、脛被覆部160の着圧:足首被覆部140の着圧:部分足被覆部110の着圧:第2圧締部150の着圧:第1圧締部120の着圧は、4.80±3.13hPa:8.17±2.62hPa:9.50±0.49hPa:5.63±0.51hPa:33.20±3.56hPaとされていた。本願発明者の鋭意検討の結果、このような着圧比を有する入眠促進レッグウォーマー100は、装着者の足、足首、足首の上側部位、脛を不快になる程度まで圧迫することなく、入眠中や就寝中に足や、足首、足首の上側部位、脛から脱げにくいことが明らかとなった。したがって、この入眠促進レッグウォーマー100は、入眠中や就寝中に足、足首、足首の上側部位および脛から脱げにくく、装着者に対して快適な入眠や睡眠を提供することができる。
【0049】
(4)
本発明の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、部分足被覆部110の第1圧締部側の反対側に、部分足被覆部110より強い着圧領域が存在しない。一方、従来の足装着具には、着用時にズレないように部分足被覆部に相当する部位の先端側に、部分足被覆部に相当する部位より強い着圧領域が設けられていることが多い。
【0050】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100は、足長が22cm以上25cm以下の範囲内の装着者を想定して寸法設計されていたが、例えば、1cm単位でその寸法範囲が設計されてもよい。すなわち、例えば、足長が22cm以上23cm以下の範囲である装着者、足長が23cm以上24cm以下の範囲内である装着者、足長が24cm以上25cm以下の範囲内である装着者をそれぞれ想定して3種類の寸法のものを設計してもよい。
【0051】
(B)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、部分足被覆部110の長さが、平均的な足形状を有する者であって22cm以上25cm以下の範囲内の足長を有する者の小趾の付け根を超えない長さとされていたが、平均的な足形状を有する者であって22cmの足長を有する者の小趾の先端まで覆う長さとされてもよい。なお、かかる場合、平均的な足形状を有する者であって25cmの足長を有する者がその入眠促進レッグウォーマー100を装着した場合、その者の小趾の付け根までの部位が覆われることになる。
【0052】
(C)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、部分足被覆部110が装着の足の踵側の部位の全周を覆うように設計されていたが、入眠促進レッグウォーマー100は、少なくとも外踏まずの一部を覆うように設計されてもよいし、少なくとも外踏まずの全部を覆うように設計されてもよい。
【0053】
(D)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、部分足被覆部110および足首被覆部140の位置ズレを抑制することを目的として部分足被覆部110と接続部130と間に第1圧締部120が設けられたが、部分足被覆部110のみの位置ズレを抑制することを目的として部分足被覆部110の爪先側の部位に第1圧締部を設けてもよいし、足首被覆部140のみの位置ズレを抑制することを目的として足首被覆部140の内部に第1圧締部を設けてもよい。なお、前者の場合、一般的な一重編みのオープントゥソックスと同様の編み構造とするのが好ましく、後者の場合、特許第6195139号明細書に開示されるようなダブルウェルトの袋状部と同様の編み構造とするのが好ましい。
【0054】
(E)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、部分足被覆部110や、第1圧締部120、脛被覆部160が二重編地構造とされていたが、これらの部位110,120,160は一重編地構造とされてもかまわない。かかる場合、部分足被覆部110は、パイル編み等の保温性の高い編地に編成されたり、アクリル糸やウール等の保温性の高い糸で編成されたり、eks(登録商標)等のような吸湿発熱糸で編成されることが好ましい。
【0055】
(F)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、部分足被覆部110や、第1圧締部120、脛被覆部160が二重編地構造とされていたが、これらの部位110,120,160は三重以上の多重編地構造とされてもかまわない。かかる場合、各編地層に異なる素材の糸を用いて、その保温性等を調節してもよい。
【0056】
(G)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、接続部130、足首被覆部140および第2圧締部150が一重編地構造とされていたが、これらの部位130,140,150も二重編地構造されてもよい。
【0057】
(H)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、部分足被覆部110の踵側の領域を発熱性編地または保温性編地に編成し、部分足被覆部110の先端側に向かうに従って段階的に発熱性または保温性の低い編地に編成してもよい。部分足被覆部110をこのように編成することによって、装着者の体温を上昇させながらも、放熱が必要な爪先付近を温めすぎないようにすることで、効率的な放熱を実現することができる。
【0058】
(I)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、隆起部125の形状が十字柱形状とされていたが、隆起部の形状は、角が存在すれば特に限定されず、例えば、三角柱形、四角柱形、五角柱形、六角柱形、八角柱形、星型柱形などの多角形状や、円柱形などとされてもよい。なお、隆起部125の角は、平面透視においてのみ認識することができなければならないものでなく、360°全ての方位から見たときに認識することができればよい。また、かかる形状において角は丸角とされてもよいが、失眠にツボを効果的に刺激する観点から丸角の半径は15mm以下であることが好ましい。丸角の半径の下限は特に規定されないが、例えば0.1mmである。
【0059】
(J)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、比較的大きな隆起部125が一つだけ配設されたが、比較的小さな隆起部が複数配設されてもよい。
【0060】
(K)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、第1突起部125aにおいて矩形部RGの下端面が第1翼部W1の下端面および第2翼部W2の下端面よりも低い位置になると共に、第2突起部125bにおいて矩形部RGの上端面が第1翼部W1の上端面および第2翼部W2の上端面よりも高い位置になるように設計されたが、第1突起部125aにおいて矩形部RGの下端面が第1翼部W1の下端面および第2翼部W2の下端面と同一の高さ位置とされると共に、第2突起部125bにおいて矩形部RGの上端面が第1翼部W1の上端面および第2翼部W2の上端面と同一の高さ位置とされてもよいし(すなわち、第1突起部125aおよび第2突起部125bにおいて互い対向する面が平面(フラット面)とされてもよい。言い換えると、第1突起部125aおよび第2突起部125bにおいて矩形部RGが第1翼部W1および第2翼部W2と同じ厚みとされてもよい。)、第1突起部125aにおいて矩形部RGの下端面が第1翼部W1の下端面および第2翼部W2の下端面よりも高い位置になると共に、第2突起部125bにおいて矩形部RGの上端面が第1翼部W1の上端面および第2翼部W2の上端面よりも低い位置となるように設計されてもよい(すなわち、第1突起部125aおよび第2突起部125bにおいて、矩形部RGが第1翼部W1および第2翼部W2よりも薄くされてもよい。)。
【0061】
(L)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、第1突起部125aが内側編地層120aから外側編地層側に向かって突起すると共に、第2突起部125bが外側編地層120bから内側編地層側に向かって突起していたが、第1突起部が内側編地層120aから内側すなわち肌側に向かって突起すると共に、第2突起部が外側編地層120bから内側編地層側に向かって突起していてもよいし、第1突起部が内側編地層120aから外側編地層側に向かって突起すると共に、第2突起部が外側編地層120bから外側すなわち肌側の反対側に向かって突起していてもよいし、第1突起部が内側編地層から内側すなわち肌側に向かって突起すると共に、第2突起部125bが外側編地層120bから外側すなわち肌側の反対側に向かって突起していてもよい。なお、上記いずれの場合でも第1突起部と第2突起部は平面透視において重なっている必要がある。
【0062】
(M)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、第1圧締部120が二重編地構造とされ、その間に突起部125a,125bが形成されていたが、第1圧締部120を一重編地構造とし、その内側(肌側)または外側に突起部を形成してもよい。
【0063】
(N)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、突起部125a,125bの第1翼部W1および第2翼部W2の角CNが直角とされたが、その突起部125a,125bに代えて図6に示されるように第1翼部W1および第2翼部W2の角CNが鋭角である突起部225a,225bが設けられてもかまわない。また、同角CNは鈍角とされてもかまわないが、鈍角が大きすぎると本発明の効果が薄くなるため、あまり好ましくない。また、突起部125a,125bの矩形部RGの角CNが直角とされたが、矩形部RGの角CNが鋭角とされてもかまわない。また、同角CNは鈍角とされてもかまわないが、鈍角が大きすぎると本発明の効果が薄くなるため、あまり好ましくない。
【0064】
(O)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、隆起部125が編地で構成されたが、隆起部125は、例えば、塩化ビニル樹脂や、シリコーン樹脂、エラストマー樹脂、ゴム等で形成されてもよい。かかる場合、磁気による健康効果のために、樹脂やゴムに磁性粒子や磁性粉を含ませたもので隆起部125を形成してもよい。
【0065】
(P)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、隆起部125は圧力で失眠のツボを刺激するものであったが、隆起部は、温熱で失眠のツボを刺激するものであってもよいし、寒冷で失眠のツボを刺激するものであってもよいし、電気で失眠のツボを刺激するものであってもよい。また、隆起部は、圧力および温熱で失眠のツボを刺激するものであってもよい。なお、隆起部に温熱刺激機能を設けるには、発熱性を有する糸としてアクリレート系繊維や、ウール、キュプラ(登録商標)、レーヨン(登録商標)などを用いて隆起部を編成する必要がある。
【0066】
(Q)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では、失眠のツボに対応する位置に隆起部125が設けられたが、隆起部は、三陰交や、湧泉などのツボに対応する位置に設けられてもかまわない。
【0067】
(R)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では第1圧締部120の足裏被覆側の部位に十字型の隆起部125が形成されていたが、X字型の隆起部が形成されてもよい。X字型の隆起部では、第1翼部および第2翼部は、図2に示されるように筒軸方向および幅方向に沿って延びるのではなく、例えば、それらの方向の45°傾いた方向に沿って延びることになる。なお、X字型の隆起部において第1翼部および第2翼部が、上記以外の方向に沿って延びてもよい。
【0068】
(S)
先の実施の形態に係る入眠促進レッグウォーマー100では部分足被覆部110が、平均的な足形状を有する者であって22cm以上25cm以下の範囲内の足長を有する者を対象として寸法設計されていたが、他の足形状や他の足長を有する者を対象として寸法設計されてもよい。
【0069】
なお、上述の各変形例は単独で採用されてもよいし、矛盾がない範疇で適宜組み合わせて採用されてもよい。
【符号の説明】
【0070】
100 入眠促進レッグウォーマー(足装着具)
120 第1圧締部(踵被覆部)
120a 内側編地層
120b 外側編地層
125 隆起部
125a 第1突起部
125b 第2突起部
CN 角
RG 矩形部
W1 第1翼部
W2 第2翼部

図1
図2
図3
図4
図5
図6