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  • 特開-逆流防止用具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024763
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】逆流防止用具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127627
(22)【出願日】2022-08-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】318005405
【氏名又は名称】原 暢利
(72)【発明者】
【氏名】原 暢利
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD02
4C160DD54
4C160DD63
4C160MM43
(57)【要約】
【課題】胃から食道への胃の内容物の逆流を確実に防止する。
【解決手段】胃から食道への胃の内容物の逆流を防止可能に構成され、胃の噴門部を略閉塞可能な閉塞部材11を備え、閉塞部材11は、円錐面Csに沿った螺旋状をなして噴門部を略閉塞する第1形状と、第1形状を円錐面Csの中心軸方向に引き延ばした伸長螺旋状をなして胃の内部に挿入可能な第2形状との間で相互変形可能なコード状に形成され、第2形状の状態において胃の内部に挿入した閉塞部材11が第1形状に変形することによって噴門部を略閉塞可能に構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃から食道への胃の内容物の逆流を防止するための逆流防止用具であって、
前記胃の噴門部を略閉塞可能な閉塞部材を備え、
前記閉塞部材は、円錐面に沿った螺旋状をなして前記噴門部を略閉塞する第1形状と、当該第1形状を前記円錐面の中心軸方向に引き延ばした伸長螺旋状をなして前記胃の内部に挿入可能な第2形状との間で相互変形可能なコード状に形成され、
前記第2形状の状態において前記胃の内部に挿入された前記閉塞部材が前記第1形状に変形することによって前記噴門部を略閉塞可能に構成されている逆流防止用具。
【請求項2】
前記閉塞部材は、弱弾性体で形成されて、前記第2形状から前記第1形状に変形する請求項1記載の逆流防止用具。
【請求項3】
前記閉塞部材は、形状記憶材料で形成されて、温度上昇に伴って前記第2形状から前記第1形状に変形する請求項1記載の逆流防止用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胃から食道への胃の内容物の逆流を防止するための逆流防止用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
就寝時における胃の内容物の胃から食道への逆流を防止する手段として、下記特許文献1に開示された枕が提案されている。この枕は、就寝時に横になった人の上半身を持ち上げるように傾斜させることによって胃の内容物(胃酸)の逆流を防止可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-58695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1に開示されている従来の逆流防止手段(枕)には、解決すべき課題がある。具体的には、上記逆流防止手段は、人の上半身を傾斜させることによって逆流を防止するという間接的な防止手段であって、例えば、寝がえり等で人の姿勢が変わったときには、逆流を防止することが困難となる。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、胃から食道への胃の内容物の逆流を確実に防止し得る逆流防止用具を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、請求項1記載の逆流防止用具は、胃から食道への胃の内容物の逆流を防止するための逆流防止用具であって、前記胃の噴門部を略閉塞可能な閉塞部材を備え、前記閉塞部材は、円錐面に沿った螺旋状をなして前記噴門部を略閉塞する第1形状と、当該第1形状を前記円錐面の中心軸方向に引き延ばした伸長螺旋状をなして前記胃の内部に挿入可能な第2形状との間で相互変形可能なコード状に形成され、前記第2形状の状態において前記胃の内部に挿入された前記閉塞部材が前記第1形状に変形することによって前記噴門部を略閉塞可能に構成されている。
【0007】
また、請求項2記載の逆流防止用具は、請求項1記載の逆流防止用具において、前記閉塞部材は、弱弾性体で形成されて、前記第2形状から前記第1形状に変形する。
【0008】
また、請求項3記載の逆流防止用具は、請求項1記載の逆流防止用具において、前記閉塞部材は、形状記憶材料で形成されて、温度上昇に伴って前記第2形状から前記第1形状に変形する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る逆流防止用具によれば、円錐面に沿った螺旋状をなす第1形状と、第1形状を円錐面の中心軸方向に引き延ばした伸長螺旋状をなす第2形状との間で相互変形可能に形成された閉塞部材を備えたことにより、第2形状の状態の閉塞部材を胃の内部に挿入するだけの簡易な操作で、挿入した閉塞部材が第1形状に変形することによって胃の噴門部を確実に閉塞することができる。
【0010】
また、本発明に係る逆流防止用具によれば、弱弾性体で閉塞部材を形成したことにより、閉塞部材に対して外力を加えることなく、第2形状の閉塞部材が自らの弾性力で第1形状に変形して胃の噴門部が閉塞されるため、閉塞部材を変形させるための手段が不要な結果、逆流防止用具の構成を簡略化することができる。
【0011】
また、本発明に係る逆流防止用具によれば、形状記憶材料で閉塞部材を形成したことにより、閉塞部材に対して外力を加えることなく、第2形状の閉塞部材が自らの復元力で第1形状に変形して胃の噴門部が閉塞されるため、閉塞部材を変形させるための手段が不要な結果、逆流防止用具の構成を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1形状における逆流防止用具100の斜視図である。
図2】第2形状における逆流防止用具100の斜視図である。
図3】逆流防止用具100の使用方法を説明する第1の説明図である。
図4】逆流防止用具100の使用方法を説明する第2の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る逆流防止用具の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0014】
最初に、図1に示す逆流防止用具1の構成について説明する。逆流防止用具1は、本発明に係る逆流防止用具の一例であって、図3に示すように、人の胃100から食道200への胃の内容物の逆流を防止可能に構成されている。本実施例では逆流防止用具1は、図1に示すように、閉塞部材11、挿入部材12および保持紐13を備えて構成されている。
【0015】
閉塞部材11は、図1,3に示すように、円錐面Csに沿った螺旋状をなして胃100の噴門部101を略閉塞する第1形状(初期状態の形状)と、図2に示すように、第1形状を円錐面の中心軸方向に引き延ばした伸長螺旋状をなして胃100内部に挿入可能な第2形状との間で相互変形可能なコード状(紐状)に形成されている。この場合、閉塞部材11は、弱弾性体(一例として、軟質のポリ塩化ビニル)で形成され、外力を加えることなく、自らの弾性力によって第2形状から第1形状に変形するように構成されている。
【0016】
挿入部材12は、図1に示すように、柔軟性を有する材料(一例として、軟質のポリ塩化ビニル)によって円筒状に形成されている。また、挿入部材12は、先端部12aが閉塞部材11の基端部11bに着脱可能に接続されている。
【0017】
保持紐13は、図1に示すように、挿入部材12の内部を通して先端部13aが閉塞部材11の基端部11bに連結され、基端部13bが挿入部材12の基端部12bから引き出されている。保持紐13は、基端部13bを装着者の歯間等に係止させることによって閉塞部材11を保持する(落下を防止する)機能を有している。
【0018】
次に、逆流防止用具1の使用方法について説明する。なお、逆流防止用具1は、医師により、または医師等の指導のもと使用することが好ましい。
【0019】
まず、図1に示す第1形状(初期状態)の状態閉塞部材11の先端部11aおよび閉塞部材11を持って引き延ばすことにより、図2に示すように、閉塞部材11を第2形状に変形させる。次いで、挿入部材12の基端部12bを保持して、閉塞部材11を装着者の口300から食道200を通して胃100の内部に挿入する。
【0020】
次いで、第2形状の閉塞部材11が胃100の内部に挿入した状態を所定時間維持する。続いて、所定時間が経過する間に、閉塞部材11が自らの弾性力によって第2形状から第1形状に変形(初期状体に復帰)する。次いで、第1形状の閉塞部材11が胃100の噴門部101に位置するまで挿入部材12を引き上げる。続いて、挿入部材12を引き抜き、次いで、保持紐13の基端部13bを装着者の歯間に係合させ、閉塞部材11を保持する。これにより、胃100の噴門部101が略閉塞される。
【0021】
以上のようにして逆流防止用具1を装着することにより、胃100の噴門部101が閉塞部材11によって略閉塞され、これによって胃100から食道200への胃の内容物の逆流を防止することができる。
【0022】
なお、本発明は、上記した実施例に限定されず、適宜変更することができる。例えば、上記の逆流防止用具1では、閉塞部材11を弱弾性体で形成することで、外力を加えることなく、自らの弾性力によって第2形状から第1形状に変形するように閉塞部材11を構成しているが、形状記憶材料で閉塞部材11を形成し、体外から胃100の内部に閉塞部材11が挿入されたときの温度上昇に伴って第2形状から第1形状に変形するように閉塞部材11を構成することもできる。
【0023】
また、上記の例では、第1形状において上部が大径で下部が小径となるようにして使用しているが、これとは逆に、第1形状において上部が小径で下部が大径となるようにして使用することもできる。
【符号の説明】
【0024】
1 逆流防止用具
11 閉塞部材
100 胃
200 食道
101 噴門部
Cs 円錐面
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-11-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃から食道への胃の内容物の逆流を防止するための逆流防止用具であって、
前記胃の噴門部を略閉塞可能な閉塞部材を備え、
前記閉塞部材は、円錐面に沿った螺旋状をなして前記噴門部を略閉塞する第1形状と、当該第1形状を前記円錐面の中心軸方向に引き延ばした伸長螺旋状をなして前記胃の内部に挿入可能な第2形状との間で相互変形可能なコード状に形成されて、外部からの規制を受けることなく前記第2形状を所定時間維持した後に外力を加えることなく当該第2形状から前記第1形状に変形するように構成され
前記第2形状の状態において前記胃の内部に挿入された前記閉塞部材が前記第1形状に変形することによって前記噴門部を略閉塞可能に構成されている逆流防止用具。
【請求項2】
前記閉塞部材は、弱弾性体で形成されて、前記第2形状から前記第1形状に変形する請求項1記載の逆流防止用具。
【請求項3】
前記閉塞部材は、形状記憶材料で形成されて、温度上昇に伴って前記第2形状から前記第1形状に変形する請求項1記載の逆流防止用具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記課題を解決すべく、請求項1記載の逆流防止用具は、胃から食道への胃の内容物の逆流を防止するための逆流防止用具であって、前記胃の噴門部を略閉塞可能な閉塞部材を備え、前記閉塞部材は、円錐面に沿った螺旋状をなして前記噴門部を略閉塞する第1形状と、当該第1形状を前記円錐面の中心軸方向に引き延ばした伸長螺旋状をなして前記胃の内部に挿入可能な第2形状との間で相互変形可能なコード状に形成されて、外部からの規制を受けることなく前記第2形状を所定時間維持した後に外力を加えることなく当該第2形状から前記第1形状に変形するように構成され、前記第2形状の状態において前記胃の内部に挿入された前記閉塞部材が前記第1形状に変形することによって前記噴門部を略閉塞可能に構成されている。