(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024772
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】ロールプレス装置
(51)【国際特許分類】
B21B 29/00 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
B21B29/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127641
(22)【出願日】2022-08-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000233044
【氏名又は名称】株式会社日立パワーソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 貞男
(72)【発明者】
【氏名】田崎 大介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 俊
(72)【発明者】
【氏名】高橋 将徳
(72)【発明者】
【氏名】三田村 貴博
(57)【要約】 (修正有)
【課題】大型化せず、コストアップしない、たわみ補正を行うベンド機構を備えたロールプレス装置を提供する。
【解決手段】両端を主軸受に支持されて所定速度で回転する上側ロール及び下側ロールから成る上下一対のプレスロールと、前記主軸受の外側に配置され、ベンド荷重を受けて前記プレスロールのたわみを補正する上側及び下側ベンド軸受と、前記上側及び下側ベンド軸受に2つずつ設置され、作動油で動作する前記上側ロールに備えられた上側逆動作ベンド機構及び前記下側ロールに備えられた下側逆動作ベンド機構と、を備え、前記上側逆動作ベンド機構に下方向の動力を発生させて前記上側ベンド軸受を上移動させるベンド荷重を付与し、前記下側逆動作ベンド機構に上方向の動力を発生させて前記下側ロールに配置された前記下側ベンド軸受を下移動させるベンド荷重を付与し、前記上下一対のプレスロールに生じたたわみを補正することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜材を圧縮加工するロールプレス装置であって、
両端を主軸受に支持されて所定速度で回転する上側ロール及び下側ロールから成る上下一対のプレスロールと、それぞれの前記主軸受の外側に配置され、ベンド荷重を受けて前記プレスロールのたわみを補正する上側及び下側ベンド軸受と、それぞれの前記上側及び下側ベンド軸受に2つずつ設置され、作動油で動作する前記上側ロールに備えられている上側逆動作ベンド機構及び前記下側ロールに備えられている下側逆動作ベンド機構と、を備え、
前記作動油の油圧により前記上側逆動作ベンド機構に下方向の動力を発生させて前記上側ロールに配置された前記上側ベンド軸受を上移動させるベンド荷重を付与し、前記作動油の油圧により前記下側逆動作ベンド機構に上方向の動力を発生させて前記下側ロールに配置された前記下側ベンド軸受を下移動させるベンド荷重を付与することで、前記上側ロール及び前記下側ロールに生じたたわみを補正することを特徴とするロールプレス装置。
【請求項2】
請求項1に記載のロールプレス装置であって、
前記上側及び下側逆動作ベンド機構は、上側及び下側ピストン及び上側及び下側ピストンロッドを備える上側及び下側シリンダ部と、回転支持部と、前記回転支持部に支持されてその左右両側に前記上側及び下側シリンダ部の前記上側及び下側ピストンロッドに端部が接続する動力受け部と、前記上側及び下側ベンド軸受に端部が当接する動力伝達部とにより構成するリンク部と、を含み、
前記作動油の油圧により前記上側及び下側ピストン及び前記上側及び下側ピストンロッドが動作して動力を発生することにより、前記動力受け部と前記動力伝達部をシーソー動作させて、前記動力伝達部に当接した前記上側及び下側ベンド軸受を上移動又は下移動させることを特徴とするロールプレス装置。
【請求項3】
請求項2に記載のロールプレス装置であって、
前記上側ベンド軸受に前記動力伝達部の端部が当接する前記リンク部は逆への字に形成され、前記下側ベンド軸受に前記動力伝達部の端部が当接する前記リンク部はへの字に形成されていることを特徴とするロールプレス装置。
【請求項4】
請求項2に記載のロールプレス装置であって、
前記上側シリンダ部は、前記上側シリンダ部の上端部の側面に第一の開口部を備え、前記上側シリンダ部の下端部の側面に第二の開口部を備え、前記上側逆動作ベンド機構は、前記第一の開口部及び前記第二の開口部を介して前記作動油が供給される作動油供給機構を有し、
前記作動油供給機構は、前記作動油を貯蔵する作動油貯蔵庫と、前記作動油を前記上側シリンダ部へ供給する作動油供給装置と、電磁駆動により前記作動油の流通方向を切り替える切替弁と、前記上側シリンダ部へ供給する前記作動油の前記油圧を調整する減圧弁と、を備え、
中間位置に前記減圧弁を備えて前記第一の開口部と前記切替弁に備えた第二の接続口とを接続する第一の作動油流通路と、前記第二の開口部と前記切替弁に備えた第四の接続口とを接続する第二の作動油流通路と、中間位置に前記作動油供給装置を備えて前記作動油貯蔵庫に備えた作動油供給口と前記切替弁に備えた第三の接続口とを接続する作動油供給路と、前記作動油貯蔵庫に備えた作動油回収口と前記切替弁に備えた第一の接続口とを接続する作動油回収路と、を備え、
前記切替弁は、前記上側逆動作ベンド機構により前記上側ロールに前記ベンド荷重を付与するときに選択する第一の動作状態においては、前記作動油供給路と前記第一の作動油流通路及び前記第一の開口部とを流通することにより、前記作動油貯蔵庫から供給される前記作動油を前記第一の開口部から前記上側シリンダ部の内部に供給し、
前記上側逆動作ベンド機構により前記上側ロールの前記ベンド荷重を解除するときに選択する第二の動作状態においては、前記作動油供給路と前記第二の作動油流通路及び前記第二の開口部とを流通することにより、前記作動油貯蔵庫から供給される前記作動油を前記第二の開口部から前記上側シリンダ部の内部に供給することを特徴とするロールプレス装置。
【請求項5】
請求項2に記載のロールプレス装置であって、
前記下側シリンダ部は、前記下側シリンダ部の下端部の側面に第一の開口部を備え、前記下側シリンダ部の上端部の側面に第二の開口部を備え、前記下側逆動作ベンド機構は、前記第一の開口部及び前記第二の開口部を介して前記作動油が供給される作動油供給機構を有し、
前記作動油供給機構は、前記作動油を貯蔵する作動油貯蔵庫と、前記作動油を前記下側シリンダ部へ供給する作動油供給装置と、電磁駆動により前記作動油の流通方向を切り替える切替弁と、前記下側シリンダ部へ供給する前記作動油の前記油圧を調整する減圧弁と、を備え、
中間位置に前記減圧弁を備えて前記第一の開口部と前記切替弁に備えた第二の接続口とを接続する第一の作動油流通路と、前記第二の開口部と前記切替弁に備えた第四の接続口とを接続する第二の作動油流通路と、中間位置に前記作動油供給装置を備えて前記作動油貯蔵庫に備えた作動油供給口と前記切替弁に備えた第三の接続口とを接続する作動油供給路と、前記作動油貯蔵庫に備えた作動油回収口と前記切替弁に備えた第一の接続口とを接続する作動油回収路と、を備え、
前記切替弁は、前記下側逆動作ベンド機構により前記下側ロールに前記ベンド荷重を付与するときに選択する第一の動作状態においては、前記作動油供給路と前記第一の作動油流通路及び前記第一の開口部とを流通することにより、前記作動油貯蔵庫から供給される前記作動油を前記第一の開口部から前記下側シリンダ部の内部に供給し、
前記下側逆動作ベンド機構により前記下側ロールの前記ベンド荷重を解除するときに選択する第二の動作状態においては、前記作動油供給路と前記第二の作動油流通路及び前記第二の開口部とを流通することにより、前記作動油貯蔵庫から供給される前記作動油を前記第二の開口部から前記下側シリンダ部の内部に供給することを特徴とするロールプレス装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のロールプレス装置であって、
前記第一の動作状態においては、前記上側及び下側シリンダ部の前記第二の開口部と前記第二の作動油流通路及び前記作動油回収路とを流通することにより、前記上側及び下側ピストンが下方向又は上方向に押されることで前記作動油を前記第二の開口部から前記上側及び下側シリンダ部の外部に排出して前記作動油を前記作動油貯蔵庫に回収し、
一方、第二の動作状態においては、前記上側及び下側シリンダ部の前記第一の開口部と前記第一の作動油流通路及び前記作動油回収路とを流通することにより、前記上側及び下側ピストンが上方向又は下方向に押されることで前記作動油を前記第一の開口部から前記上側及び下側シリンダ部の外部に排出して前記作動油を前記作動油貯蔵庫に回収することを特徴とするロールプレス装置。
【請求項7】
請求項6に記載のロールプレス装置であって、
前記切替弁は、前記第一の動作状態とすることにより、前記動力を発生させて前記リンク部がシーソー動作をして前記上側及び下側ベンド軸受に前記動力をベンド荷重として伝達し、前記第二の動作状態とすることにより、前記リンク部が前記シーソー動作をして前記上側及び下側ベンド軸受の位置を元の位置に戻すことを特徴とするロールプレス装置。
【請求項8】
請求項7に記載のロールプレス装置であって、
前記上側ロール及び前記下側ロールのたわみ補正を行うときは、前記切替弁を前記第一の動作状態とすることにより、前記第一の開口部から前記作動油を前記上側及び下側シリンダ部の内部に供給して、前記作動油の油圧により前記上側及び下側ピストンを移動させ、
これにより、前記上側及び下側ピストンのヘッド側からの前記作動油の油圧により前記上側及び下側ピストンロッドに接続されている前記動力受け部に下方向又は上方向へ動力を発生させて前記回転支持部を中心として前記リンク部がシーソー動作をして前記動力伝達部が前記上側及び下側ベンド軸受に動力をベンド荷重として伝達することで、前記上側ロール及び前記下側ロールのたわみ補正し、
前記ベンド荷重を解除して前記上側ロール及び前記下側ロールのたわみ補正を終了するときは、前記切替弁を前記第二の動作状態とすることにより、前記第二の開口部から前記作動油を前記上側及び下側シリンダ部の内部に供給して前記作動油の油圧により前記上側及び下側ピストンを移動させ、
これにより、前記上側及び下側ピストンロッド側からの前記作動油の油圧により前記上側及び下側ピストンロッドに接続されている前記動力受け部に上方向又は下方向へ動力を発生させて前記回転支持部を中心として前記リンク部がシーソー動作をして前記動力伝達部が下方向に下がる又は上方向に上がることで、前記上側及び下側ベンド軸受の位置を元の位置に戻す動作が実施されることを特徴とするロールプレス装置。
【請求項9】
請求項4又は5に記載のロールプレス装置であって、
前記第一の開口部から前記作動油を前記上側及び下側シリンダ部の内部に供給するときは、所定の吐出圧を有する作動油供給装置を駆動して作動油貯蔵庫から前記作動油を供給することを特徴とするロールプレス装置。
【請求項10】
請求項9に記載のロールプレス装置であって、
前記作動油供給装置は、前記プレスロールの直径によって設定する線圧に応じて前記ベンド荷重を設定し、前記ベンド荷重に応じて前記作動油供給装置の吐出圧を設定し、前記上側ロール及び前記下側ロールに配置された前記上側及び下側ベンド軸受に対応する前記上側及び下側シリンダ部に供給する前記作動油の単位時間当たりの供給量を設定することを特徴とするロールプレス装置。
【請求項11】
請求項4又は5に記載のロールプレス装置であって、
前記切替弁と前記減圧弁とを制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記ロールプレス装置による加工を開始するときには前記切替弁を前記第一の動作状態とし、前記ロールプレス装置による加工を終了するときには前記切替弁を前記第二の動作状態とし、前記第一の動作状態としたときの前記ベンド荷重の条件により前記減圧弁の開度を設定することを特徴とするロールプレス装置。
【請求項12】
請求項11に記載のロールプレス装置であって、
前記上側ロールの端部及び前記下側ロールの端部のたわみ量に応じて、前記減圧弁の開度により前記作動油の単位時間当たりの供給量を個別に調整して前記ベンド荷重を設定することを特徴とするロールプレス装置。
【請求項13】
請求項2に記載のロールプレス装置であって、
前記リンク部は、前記動力受け部の長さが前記動力伝達部の長さ以上となるように前記回転支持部の配設位置を設定することを特徴とするロールプレス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロールプレス装置に係り、例えば、リチウムイオン電池などの二次電池用電極材等の薄膜材を圧縮加工するものに好適なロールプレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロールプレス装置を用いてリチウムイオン二次電池用電極材料などの薄膜材を圧縮加工する際には、圧縮材から受ける反力によりロールに凹型のたわみが発生することが知られている。
【0003】
一般に、リチウムイオン二次電池用電極材料は、圧縮加工の誤差を±1~2μm程度が求められているが、上記したロールに発生する凹型のたわみが圧縮加工の誤差に影響する。
【0004】
従って、上記したロールに発生する凹型のたわみを補正する必要があり、例えば、特許文献1では、主軸受の外側に設置したベンド軸受を用いて、材料の加工荷重によるロールのたわみと逆方向にロールへ荷重をかけてロールのたわみの補正を行うベンド機構を備えたロールプレス装置が記載されている。
【0005】
特許文献1に記載されたロールプレス装置のベンド機構は、シリンダ部と、このシリンダ部の内部にピストンとを備え、前記ピストンは、ピストンロッドによりベンド軸受に連結されて構成されている。そして、シリンダ部の内部に作動油を供給することにより、ピストン及びピストンロッドを作動させることでベンド軸受が移動し、ロールにベンド荷重による荷重をかけて上記凹型のたわみの補正を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1に記載されたロールプレス装置においては、シリンダにより稼働するピストン及びピストンロッドの稼働方向と、ベンド軸受が移動する方向とは同一方向である。これは、従来は、作動油をピストンロッド側からシリンダの内部に供給しているため、ピストン及びピストンロッドは、ピストンのヘッド側に移動することになる。
【0008】
このため、ピストンを収容しているシリンダは、ピストンヘッド側にピストンを移動するためのスペースを確保する必要があるが、従来よりも高線圧で材料をプレスする必要が生じた場合、それに伴うロールのたわみ量も増大するため、たわみ補正を行うためには、ベンド軸受に荷重するベンド荷重もより大きくする必要がある。
【0009】
しかしながら、ベンド荷重を大きくするためにはシリンダのサイズを大型化しなければならず、従って、シリンダを配置する装置筐体も大型化することになり、装置全体のコストアップにつながるという課題がある。
【0010】
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ロールのたわみ補正を行うベンド機構を備えたものであっても、装置が大型化せず、コストアップにつながることのないロールプレス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のロールプレス装置は、上記目的を達成するために、薄膜材を圧縮加工するロールプレス装置であって、両端を主軸受に支持されて所定速度で回転する上側ロール及び下側ロールから成る上下一対のプレスロールと、それぞれの前記主軸受の外側に配置され、ベンド荷重を受けて前記プレスロールのたわみを補正する上側及び下側ベンド軸受と、それぞれの前記上側及び下側ベンド軸受に2つずつ設置され、作動油で動作する前記上側ロールに備えられている上側逆動作ベンド機構及び前記下側ロールに備えられている下側逆動作ベンド機構と、を備え、前記作動油の油圧により前記上側逆動作ベンド機構に下方向の動力を発生させて前記上側ロールに配置された前記上側ベンド軸受を上移動させるベンド荷重を付与し、前記作動油の油圧により前記下側逆動作ベンド機構に上方向の動力を発生させて前記下側ロールに配置された前記下側ベンド軸受を下移動させるベンド荷重を付与することで、前記上側ロール及び前記下側ロールに生じたたわみを補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ロールのたわみ補正を行うベンド機構を備えたものであっても、装置が大型化せず、コストアップにつながることはない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のロールプレス装置の実施例1の全体構成を示す正面図である。
【
図2】
図1を矢印方向(右方向)から見た右側面図である。
【
図3】本発明のロールプレス装置の実施例1に用いられる逆動作ベンド機構の詳細構成を示す図である。
【
図4(a)】
図3に示した逆動作ベンド機構における切替弁による作動油の流通方向の切り替えの第一の動作状態を示す図である。
【
図4(b)】
図3に示した逆動作ベンド機構における切替弁による作動油の流通方向の切り替えの第二の動作状態を示す図である。
【
図5】
図3に示した逆動作ベンド機構におけるピストンが作動油から受ける受圧面積を、従来のピストンが作動油から受ける受圧面積と比較して示す図である。
【
図6】
図3に示した逆動作ベンド機構を動作させるための作動油供給機構の系統を示す図である。
【
図7】
図7に示した作動油供給機構の系統に用いる作動油供給装置の吐出圧の設定を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図示した実施例に基づいて本発明のロールプレス装置を説明する。なお、各図において、同一構成部品には同符号を使用する。
【実施例0015】
図1は、本発明のロールプレス装置の実施例1の全体構成を示す正面図、
図2は、
図1を矢印方向(右方向)から見た右側面図であり、
図1及び
図2に示す本実施例のロールプレス装置は、主に二次電池の電極材などの薄膜材を圧縮加工する際に用いられる。
【0016】
図1及び
図2に示すように、本実施例のロールプレス装置は、両端を上側主軸受1a1、1a2及び下側主軸受1b1、1b2に支持されて所定速度で回転する上側ロール2a及び下側ロール2bから成る上下一対のプレスロール2と、上下それぞれの上側主軸受1a1、1a2及び下側主軸受1b1、1b2の外側に配置された上側ベンド軸受3a1、3a2及び下側ベンド軸受3b1、3b2と、それぞれの上側ベンド軸受3a1、3a2及び下側ベンド軸受3b1、3b2に2つずつ配置され、作動油で動作する逆動作ベンド機構4と、を備えて概略構成されている。
【0017】
即ち、上側ベンド軸受3a1、3a2及び下側ベンド軸受3b1、3b2は、上側ロール2aの左右と下側ロール2bの左右とに、それぞれ2つずつ合計で4つ配置され、また、逆動作ベンド機構4は、それぞれの上側ベンド軸受3a1、3a2及び下側ベンド軸受3b1、3b2に2つずつ合計で8つ配置されている。
【0018】
本実施例のロールプレス装置においては、油圧により逆動作ベンド機構4に下方向の動力を発生させて、上側ロール2aに配置された上側ベンド軸受3a1及び3a2にベンド荷重を付与することにより、上側ベンド軸受3a1及び3a2を上移動させ、油圧により逆動作ベンド機構4に上方向の動力を発生させて、下側ロール2bに配置された下側ベンド軸受3b1及び3b2にベンド荷重を付与することにより、下側ベンド軸受3b1及び3b2を下移動させる。
【0019】
これにより、上側ロール2a及び下側ロール2bに生じるたわみを補正して、プレスロール2を平坦化している。
【0020】
図3に、
図2に示したロールプレス装置の実施例1に用いられる逆動作ベンド機構4の詳細構成を示す。なお、
図3に示す逆動作ベンド機構4は、8個配置されているうちの上側の1個を代表して示している。
【0021】
図3に示すように、本実施例の逆動作ベンド機構4は、作動油貯蔵庫6内に貯蔵されている作動油6aが供給されることで、上側ピストン4a1及び上側ピストンロッド4a2が動作して動力を発生させる上側シリンダ部4aと、回転支持部(支点)4hと、この回転支持部4hに支持されて、その左右両側に上側シリンダ部4aの上側ピストンロッド4a2に端部が接続されている動力受け部4c及び上側ベンド軸受3a2に端部が当接する動力伝達部4dにより構成されるリンク部4eと、を含んで構成されている。なお、上側シリンダ部4aは、説明の便宜上、内部を透過図として示す。
【0022】
そして、上側シリンダ部4aの内部に作動油6aが供給されると、この作動油6aの油圧により上側ピストン4a1及び上側ピストンロッド4a2が動作し、これにより、上側ピストンロッド4a2を経由して動力を発生させ、回転支持部4hを中心として動力受け部4cが動力を受けて上側ピストンロッド4a2が動作する方向(矢印(イ)又は(ロ)の方向)とは逆の方向に動力伝達部4dが動作してシーソー動作をさせる。
【0023】
これにより、動力伝達部4dに当接した上側ベンド軸受3a2が上移動(矢印(ハ)の方向)又は下移動(矢印(ニ)の方向)して、ベンド荷重を発生させる(逆動作ベンド)こととなる。
【0024】
その結果、上側シリンダ部4aからの動力は、上側ベンド軸受3a2のベンド荷重として上側ロール軸5aに伝えられ、上側ロール2aに生じるたわみの補正を実施する。なお、動力伝達部4dの端部は、上側ベンド軸受3a2に連結して接続しても良い。
【0025】
また、上側シリンダ部4aからの動力をスムーズに上側ベンド軸受3a2に伝達するために、上側ベンド軸受3a1及び3a2に動力伝達部4dの端部が当接するリンク部4eは逆への字に形成され、下側ベンド軸受3b1及び3b2に動力伝達部4dの端部が当接するリンク部4eはへの字に形成されていることが望ましい。
【0026】
次に、上側ロール2aに配置された逆動作ベンド機構4を例として、その逆動作ベンド機構4を動作させる仕組みについて、
図3を用いて詳述する。
【0027】
図3に示すように、逆動作ベンド機構4には、上側シリンダ部4aに動力を付与する作動油供給機構7が含まれている。上側シリンダ部4aは、上側ピストン4a1を境として上側シリンダ部4aの上端部(ヘッド側:近傍部を含む)の側面に第一の開口部4fを備え、上側シリンダ部4aの下端部(上側ピストンロッド4a2側:近傍部を含む)の側面に第二の開口部4gを備えている。
【0028】
また、作動油供給機構7は、作動油6aを貯蔵するタンクである作動油貯蔵庫6と、作動油6aを作動油貯蔵庫6から上側シリンダ部4aへ供給するポンプである作動油供給装置7aと、電磁駆動により作動油6aの流通方向を切り替える切替弁7bと、上側シリンダ部4aへ供給する作動油6aの油圧を調整する減圧弁7cと、を備えている。
【0029】
また、作動油供給機構7は、各構成機器を繋ぐ配管として、中間位置に減圧弁7cを備えて第一の開口部4fと切替弁7bに備えた第二の接続口7b2とを接続する第一の作動油流通路7hと、第二の開口部4gと切替弁7bに備えた第四の接続口7b4とを接続する第二の作動油流通路7iと、中間位置に作動油供給装置7aを備えて作動油貯蔵庫6に備えた作動油供給口6bと切替弁7bに備えた第三の接続口7b3とを接続する作動油供給路7jと、作動油貯蔵庫6に備えた作動油回収口6cと切替弁7bに備えた第一の接続口7b1とを接続する作動油回収路7kと、を備えている。
【0030】
次に、
図4(a)及び
図4(b)を用いて、上記した切替弁7bによる作動油6aの流通方向の切り替えについて、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、内部を透過図として示していることは、
図3の上側シリンダ部4aと同様である。
【0031】
上記の第一の作動油流通路7h、第二の作動油流通路7i、作動油供給路7j及び作動油回収路7kは、電磁駆動により弁を駆動する切替弁7bに接続されている。切替弁7bは、逆動作ベンド機構4により、上下一対の上側ロール2a及び下側ロール2bにベンド荷重を付与するときに選択する第一の動作状態(
図4(a)の状態)においては、作動油供給路7jと第一の作動油流通路7h及び第一の開口部4fとを流通することにより、作動油貯蔵庫6から供給される作動油6aを第一の開口部4fから上側シリンダ部4aの内部に供給する。
【0032】
一方、上側シリンダ部4aの第二の開口部4gと第二の作動油流通路7i及び作動油回収路7kとを流通することにより、上側ピストン4a1が下方向に押されることで作動油6aを第二の開口部4gから上側シリンダ部4aの外部に排出して、作動油6aを作動油貯蔵庫6に回収する。
【0033】
また、切替弁7bは、逆動作ベンド機構4により上下一対の上側ロール2a及び下側ロール2bに付与されているベンド荷重を解除するときに選択する第二の動作状態(
図4(b)の状態)においては、作動油供給路7jと第二の作動油流通路7i及び第二の開口部4gとを流通することにより、作動油貯蔵庫6から供給される作動油6aを第二の開口部4gから上側シリンダ部4aの内部に供給する。
【0034】
一方、上側シリンダ部4aの第一の開口部4fと第一の作動油流通路7h及び作動油回収路7kとを流通することにより、上側ピストン4a1が上方向に押されることで作動油6aを第一の開口部4fから上側シリンダ部4aの外部に排出して、作動油6aを作動油貯蔵庫6に回収する。
【0035】
上側ロール2a及び下側ロール2bのたわみ補正を行うときは、切替弁7bを
図4(a)の第一の動作状態とすることにより、第一の開口部4fから作動油6aを上側シリンダ部4aの内部に供給して、作動油6aの油圧により上側ピストン4a1を移動させる。このとき、第二の作動油流通路7iは開放状態とされていて、上側ピストン4a1のヘッド側からの油圧により上側ピストンロッド4a2側の作動油6aは、第二の開口部4gから排出される。
【0036】
これにより、
図3に示すように、上側ピストン4a1のヘッド側からの作動油6aの油圧により、上側ピストンロッド4a2に接続されている動力受け部4cに下方向へ動力を発生させて、回転支持部4hを中心としてリンク部4eが矢印(ロ)及び(ハ)の方向にシーソー動作をすることにより、動力受け部4cと対向する位置にある動力伝達部4dが上側ベンド軸受3a2に動力をベンド荷重として伝達することで、上側ロール2aのたわみ補正が実施される(下側ロール2bも同様にたわみ補正が実施される)。
【0037】
また、ベンド荷重を解除して上側ロール2aのたわみ補正を終了するときは、切替弁7bを
図4(b)の第二の動作状態とすることにより、第二の開口部4gから作動油6aを上側シリンダ部4aの内部に供給して、作動油6aの油圧によりピストン4a1を移動させる。このとき、第一の作動油流通路7hは開放状態とされていて、上側ピストンロッド4a2側からの油圧によりヘッド側の作動油6aは、第一の開口部4fから排出される。
【0038】
これにより、
図3に示すように、上側ピストンロッド4a2側からの作動油6aの油圧により、上側ピストンロッド4a2に接続された動力受け部4cに上方向へ動力を発生させて、回転支持部4hを中心としてリンク部4eが矢印(イ)及び(ニ)の方向にシーソー動作をすることにより、動力受け部4cと対向する位置にある動力伝達部4dが下方向に下がり、上側ベンド軸受3a2の位置を元の位置に戻す動作が実施される。
【0039】
なお、逆動作ベンド機構4におけるリンク部4eは、動力受け部4cの長さが動力伝達部4dの長さより長くなるように回転支持部4hの配置位置を設定しており、その比率は、動力伝達部4d:動力受け部4c=1:1以上となるように設定することが望ましい。
【0040】
従来の上側ロール2a及び下側ロール2bのたわみ補正においては、上側シリンダ部4aが作動油6aの油圧により出力する動力の方向と、上側ベンド軸受3a2がロール軸5aに付与するベンド荷重との方向とは、同じ方向であった。つまり、上側ピストンロッド4a2と上側ベンド軸受3a2とが直接接続されていたため、上側ロール2aにおいて、上側ベンド軸受3a2を上側に引き上げてベンド補正を行う場合は、上側シリンダ部4a内部の上側ピストンロッド4a2側に作動油6aを供給して、上側ピストン4a1を上方向に移動する必要があった。
【0041】
このため、従来よりも高線圧でプレスする必要がある場合には、ベンド荷重も大きくする必要があり、その結果、上側シリンダ部4aを上方向に大型化する必要が生じることとなり、上側シリンダ部4aが配置される装置本体も大型化しなければならなくなり、コストアップとなってしまっていた。
【0042】
しかし、本実施例においては、上側ピストンロッド4a2と上側ベンド軸受3a2との間にリンク部4eを配置して、上側シリンダ部4a内部の上側ピストン4a1のヘッド側に作動油6aを供給して上側ピストン4a1を下方向に移動し、上側シリンダ部4aの動力を出力する方向と、上側ベンド軸受3a2がベンド荷重を上側ロール軸5aに伝える方向とを逆方向(逆動作ベンド)とすることにより、上側ピストン4a1の上側ピストンロッド4a2側である下方向のスペースを有効活用して、上側ピストンロッド4a2を下方向に動作できるため、上側シリンダ部4aを上方向に大型化する必要がなくなった。
【0043】
また、
図5に示すように、従来は、上側ピストン4a1の上側ピストンロッド4a2側に作動油6aを供給していたため、上側ピストン4a1が作動油6aから受ける受圧面積A
2は、上側ピストンロッド4a2の長手方向に垂直な断面積に相当する部分を除いた面積(およそ70%)でしか受けられなかった。
【0044】
これに対して、本実施例のロールプレス装置においては、上側ピストン4a1のヘッド側に作動油6aを供給することにより、上側ピストン4a1のヘッド側全面(100%)を作動油6aからの受圧面積A1とすることができるため、同じ作動油6aの圧力で比較すると、上側シリンダ部4aの発生する出力が大きいため、シリンダサイズを大型化する必要が無くなった。
【0045】
以上の理由により、本実施例のロールプレス装置においては、上側シリンダ部4aを配置する装置本体も大型化する必要はなくなり、装置全体のコストを抑えることが可能となるものである。
【0046】
なお、下側ロール2bに配置した逆動作ベンド機構4については、その構成機器の上下の位置関係(下側シリンダ部4bの下端部の側面に第一の開口部4fを備え、上端部の側面に第二の開口部4gを備えること、など)や動力及びベンド荷重の伝達方向、下側ベンド軸受3b1及び3b2の移動方向などが上側ロール2aとは逆方向となるが、その他の構造や動作については、上側ロール2aに配置した逆動作ベンド機構4と同一である。
【0047】
次に、
図6に、逆動作ベンド機構4を動作させるための作動油供給機構7の系統を示し、
図7に、作動油供給機構7の系統に用いる作動油供給装置7aの吐出圧の設定について示す。
【0048】
図6に示すように、作動油貯蔵庫6は、所定の量の作動油6aを貯蔵するものであり、作動油供給機構7以外にも、図示していない主軸受などの動作を行う機構にも作動油6aを供給及び回収を行っている。これにより、作動油6aの貯蔵レベルが変動するため、上部に通気口を設けて内部の圧力を調整している。
【0049】
上側シリンダ部4aと切替弁7bとの間の第一の作動油流通路7hと第二の作動油流通路7iとは、上側シリンダ部4aの第一の開口部4f及び第二の開口部4gにそれぞれ接続され、切替弁7bにより作動油6aが流れる方向を切り替えている。第一の開口部4f又は第二の開口部4gから作動油6aを上側シリンダ部4aの内部に供給するときは、所定の吐出圧を有する作動油供給装置(ポンプ)7aを駆動して作動油貯蔵庫6から作動油6aが供給される。
【0050】
図7に示すように、作動油供給装置7aは、上側ロール2a及び下側ロール2bから成るプレスロール2の直径によって設定する線圧に応じてベンド荷重を設定し、このベンド荷重に応じて作動油供給装置7aの吐出圧を設定し、上側ロール2a及び下側ロール2bに配置された上側ベンド軸受3a1、3a2及び下側ベンド軸受3b1、3b2に対応する上下のシリンダ部に供給する作動油6aの単位時間当たりの供給量を設定する。
【0051】
また、本実施例におけるロールプレス装置は、切替弁7bと減圧弁7cとを制御する制御装置8(
図6参照)を備えており、この制御装置8は、ロールプレス装置による加工を開始するときには、切替弁7bを
図4(a)に示す第一の動作状態とし、ロールプレス装置による加工を終了するときには、切替弁7bを
図4(b)に示す第二の動作状態とする。
【0052】
切替弁7bを
図4(a)に示す第一の動作状態とすることにより、作動油6aを第一の作動油流通路7hを経由して第一の開口部4fから上側シリンダ部4aの内部へ供給することとなるが、このとき、ベンド荷重の条件により減圧弁7cの開度を設定している。
【0053】
即ち、作動油供給装置7aは、常に一定の吐出圧(21Mpa)で連続運転を行うことにより作動油6aを供給しているため、作動油6aは、供給後に分岐してからそれぞれの切替弁7bまでは同じ供給量で供給されるが、上側ロール2aの端部及び下側ロール2bの端部のたわみ量に応じて、減圧弁7cの開度により作動油6aの単位時間当たりの供給圧力を個別に調整しベンド荷重を設定している。
【0054】
これにより、それぞれの上側ベンド軸受3a1、3a2及び下側ベンド軸受3b1、3b2におけるベンド力を、それぞれ任意に調整することが可能となる。なお、減圧弁7cによってドレンした作動油6aについては、作動油貯蔵庫6に回収される。
【0055】
このように、それぞれの逆動作ベンド機構4において、作動油貯蔵庫6から作動油供給装置7aによって作動油6aを供給し、切替弁7bによって作動油6aの流路を第一の開口部4f又は第二の開口部4gに切り替えて供給し、第二の開口部4g又は第一の開口部4fから作動油6aを回収して作動油貯蔵庫6に戻す流路により作動油6aを循環させることにより、逆動作ベンド機構4を動作することを実現している。
【0056】
このような本実施例のロールプレス装置とすることにより、上側ロール2a及び下側ロール2bのたわみ補正を行うベンド機構を備えたものであっても、装置が大型化せず、コストアップにつながることはない。
【0057】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1a1、1a2…上側主軸受、1b1、1b2…下側主軸受、2…プレスロール、2a…上側ロール、2b…下側ロール、3a1、3a2…上側ベンド軸受、3b1、3b2…下側ベンド軸受、4…逆動作ベンド機構、4a…上側シリンダ部、4a1…上側ピストン、4a2…上側ピストンロッド、4b…下側シリンダ部、4b1…下側ピストン、4b2…下側ピストンロッド、4h…回転支持部、4c…動力受け部、4d…動力伝達部、4e…リンク部、4f…第一の開口部、4g…第二の開口部、5a…上側ロール軸、5b…下側ロール軸、6…作動油貯蔵庫、6a…作動油、6b…作動油供給口、6c…作動油回収口、7…作動油供給機構、7a…作動油供給装置、7b…切替弁、7b1…第一の接続口、7b2…第二の接続口、7b3…第三の接続口、7b4…第四の接続口、7c…減圧弁、7h…第一の作動油流通路、7i…第二の作動油流通路、7j…作動油供給路、7k…作動油回収路、8…制御装置。
本発明のロールプレス装置は、上記目的を達成するために、薄膜材を圧縮加工するロールプレス装置であって、両端を主軸受に支持されて所定速度で回転する上側ロール及び下側ロールから成る上下一対のプレスロールと、それぞれの前記主軸受の外側に配置され、ベンド荷重を受けて前記プレスロールのたわみを補正する上側及び下側ベンド軸受と、それぞれの前記上側及び下側ベンド軸受に2つずつ設置され、作動油で動作する前記上側ロールに備えられている上側逆動作ベンド機構及び前記下側ロールに備えられている下側逆動作ベンド機構と、を備え、前記作動油の油圧により前記上側逆動作ベンド機構に下方向の動力を発生させて前記上側ロールに配置された前記上側ベンド軸受を上移動させるベンド荷重を付与し、前記作動油の油圧により前記下側逆動作ベンド機構に上方向の動力を発生させて前記下側ロールに配置された前記下側ベンド軸受を下移動させるベンド荷重を付与することで、前記上側ロール及び前記下側ロールに生じたたわみを補正するものであり、
前記上側及び下側逆動作ベンド機構は、上側及び下側ピストン及び上側及び下側ピストンロッドを備える上側及び下側シリンダ部と、回転支持部と、前記回転支持部に支持されてその左右両側に前記上側及び下側シリンダ部の前記上側及び下側ピストンロッドに端部が接続する動力受け部と、前記上側及び下側ベンド軸受に端部が当接する動力伝達部とにより構成するリンク部と、を含み、前記作動油の油圧により前記上側及び下側ピストン及び前記上側及び下側ピストンロッドが動作して動力を発生することにより、前記動力受け部と前記動力伝達部をシーソー動作させて、前記動力伝達部に当接した前記上側及び下側ベンド軸受を上移動又は下移動させることを特徴とする。