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  • 特開-キャンピングカー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024774
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】キャンピングカー
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/34 20060101AFI20240216BHJP
   A01K 1/02 20060101ALI20240216BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
B60P3/34 Z
A01K1/02 E
B60J5/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127644
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000191353
【氏名又は名称】新明工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173222
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100151149
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 幸城
(72)【発明者】
【氏名】竹中 孝洋
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101FB01
(57)【要約】
【課題】ドアからのペットの飛び出し防止を図ることができ、また、ペットをキャリーバッグ等の狭い空間に閉じ込めることなく車外に出ないようにしつつドアを開けたままにしておくことも可能とするキャンピングカーを提供すること。
【解決手段】本発明に係るキャンピングカーは、前部座席1より後方に位置する収容部2を構成するドア4、7の内側に間隔をあけて内扉5、8を設け、前記前部座席1と前記収容部2との間に間仕切り3を設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部座席より後方に位置する収容部を構成するドアの内側に間隔をあけて内扉を設けたキャンピングカー。
【請求項2】
前記前部座席と前記収容部との間に間仕切りを設けた請求項1に記載のキャンピングカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ペットを乗せるのに好適なキャンピングカーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年はキャンピングカーを使用したアウトドアライフや旅行が流行っていて、ペット(犬、猫等)と一緒にドライブ、旅行、キャンプ等に出かける機会も増えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-274171号公報
【特許文献2】特開2000-25530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、キャンピングカーから搭乗者がドアを開けて降りようとした際、先にペットがそのドアから外に飛び出すと、他の自動車等との接触事故に遭ってしまう恐れがある。また、ペットが例えば大型犬の場合、急に車外に飛び出すと、その迫力のために付近の人をひどく驚かせ、転倒等による怪我を負わせてしまうといったことも起こりかねない。
【0005】
一方、キャンプ場等では、ペットを車内に残したまま、頻繁に出入りしたり車内を換気したりするためにキャンピングカーのドアを開けておきたいという場合があるが、こうした場合、キャンピングカーの室内空間は比較的広いにもかかわらず、ペットをキャリーバッグやゲージ等の狭い空間に押し込めざるを得ないことも多く、ペットをこのように扱うことに抵抗を感じる飼い主も少なくないと考えられる。
【0006】
例えば、特許文献1のペット飛び出し防止装置は、車窓に取り付けられ、車窓からのペットの飛び出しを防止しようとするものであり、ペットのドアからの飛び出しは防止できない。
【0007】
また、特許文献2に記載のペット移動防止柵装置は、車内にペット専用の収容スペースを形成し、ペットの移動範囲を制限しようとするものであり、ドアからのペットの飛び出しを防止し得るとしても、やはり狭い空間にペットを閉じ込めてしまうことになる。
【0008】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、ドアからのペットの飛び出し防止を図ることができ、また、ペットをキャリーバッグ等の狭い空間に閉じ込めることなく車外に出ないようにしつつドアを開けたままにしておくことも可能とするキャンピングカーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係るキャンピングカーは、前部座席より後方に位置する収容部を構成するドアの内側に間隔をあけて内扉を設けた(請求項1)。
【0010】
上記キャンピングカーにおいて、前記前部座席と前記収容部との間に間仕切りを設けてもよい(請求項2)。
【発明の効果】
【0011】
本願発明では、ドアからのペットの飛び出し防止を図ることができ、また、ペットをキャリーバッグ等の狭い空間に閉じ込めることなく車外に出ないようにしつつドアを開けたままにしておくことも可能とするキャンピングカーが得られる。
【0012】
すなわち、本願の各請求項に係る発明のキャンピングカーでは、ドアとこの内側に設けた内扉とで構成される二重扉を利用することにより、ドアからのペットの飛び出し防止を図ることができる。具体的には、搭乗者がキャンピングカーから降りる際、ドアを閉めた状態で内扉を開けて搭乗者だけが内扉とドアの間に出た後、内扉を閉めてペットを内扉の内側に残し、この状態でドアを開けて搭乗者が先に外に出て安全を確認した後、内扉を開けるようにすれば、ドアからペットが急に飛び出して事故に遭ったり第三者を怪我させたりする危険を回避するのが容易となる。
【0013】
また、内扉を閉めてペットを内扉の内側に残し、この状態でペットが内扉の外側に出られないようにしてあれば、ペットをキャリーバッグ等の狭い空間に閉じ込めることなく車外に出ないようにしつつドアを開けたままにしておくことも可能となり、ペットがドアに挟まれて怪我をするといったことも起こり難い。
【0014】
請求項2に係る発明のキャンピングカーでは、間仕切りによってペットが収容部から前部座席側へ移動できないようにしてあれば、ペットを収容部に乗せることにより、運転席や助手席に座っていた搭乗者がドアを開けてキャンピングカーから降りる際にペットがそのドアから外に飛び出してしまうことを確実に防止することができる。また、ペットを収容部に乗せることにより、そのペットが運転者の近くにきて運転操作を邪魔したりすることも無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(A)及び(B)は、本発明の一実施の形態に係るキャンピングカーの前側の一部及び後ろ側の一部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0017】
本例のキャンピングカーは、図1(A)に示すように、前部座席(運転席、助手席)1より後方に位置する収容部2を有し、前部座席1と収容部2との間に間仕切り3を設け、収容部2から前部座席1への移動及びその逆の移動は間仕切り3によってできないように構成してある。なお、間仕切り3は、例えばリクライニングシートである前部座席1の背もたれを後方にある程度傾斜させることを妨げない位置に設けることが考えられる。また、間仕切り3を開閉可能にし、開状態では人やペットが通行可能となるように構成してもよい。
【0018】
収容部2は、キャンピングカーの天壁、床壁、左右の側壁及び後壁(本例ではさらに間仕切り3)によって囲まれて構成され、キャンピングカーの側壁には、収容部2(の一部)を構成する開閉自在なドア(例えばスライドドア)4が設けられていて、このドア4の内側に間隔をあけて開閉自在な内扉5を設けることにより、ペット飛び出し防止二重扉を構成してある。
【0019】
本例では、ドア4から車内に向かって通路6が延び、この通路6中に内扉5を設けてある。内扉5は、開状態では人やペットの通行を可能とし、閉状態で少なくともペットの通行を遮断し、その開操作を人であれば容易に行えるがペットにとっては一般的には困難と考えられる構造を有するものであればよく、扉のタイプは、開き戸タイプ、引き戸タイプ、折れ戸タイプ、アコーディオンドアタイプ等、種々のものが考えられ、この他、例えばペット用ゲートと同様の構造のものを用いることもできる。なお、内扉5は、開けたドア4から入ってくる空気を少なくとも完全には遮断しない構造とするのが換気等の点で好ましい。
【0020】
また、図1(B)に示すように、本例では、キャンピングカーの後壁にも、収容部2(の一部)を構成する開閉自在なドア(例えばスライドドア)7を設け、このドア7の内側に間隔をあけて開閉自在な内扉8を設けてある。ドア7、内扉8は、上述のドア4、内扉5と同様の構成とすることができ、この内扉8も、ドア7から車内に向かって延びる通路9中に設けてある。
【0021】
上記のように構成したキャンピングカーでは、ドア4、7とこの内側に設けた内扉5、8とでそれぞれ構成される(ペット飛び出し防止)二重扉を利用することにより、ドア4、7からのペットの飛び出し防止を図ることができる。具体的には、搭乗者がキャンピングカーから降りる際、ドア4(7)を閉めた状態で内扉5(8)を開けて搭乗者だけが内扉5(8)とドア4(7)の間に出た後、内扉5(8)を閉めてペットを内扉5(8)の内側に残し、この状態でドア4(7)を開けて搭乗者が先に外に出て安全を確認した後、内扉5(8)を開けるようにすれば、ドア4(7)からペットが急に飛び出して事故に遭ったり第三者を怪我させたりする危険を回避するのが容易となる。
【0022】
また、内扉5(8)を閉めてペットを内扉5(8)の内側に残し、この状態でペットが内扉5(8)の外側に出られないようにしてあるので、ペットをキャリーバッグ等の狭い空間に閉じ込めることなく車外に出ないようにしつつドア4(7)を開けたままにしておくことも可能となり、ペットがドア4(7)に挟まれて怪我をするといったことも起こり難い。
【0023】
さらに、本例では、間仕切り3によってペットが収容部2から前部座席1側へ移動できないようにしてあるので、ペットを収容部2に乗せることにより、運転席や助手席に座っていた搭乗者がドア4(7)を開けてキャンピングカーから降りる際にペットがそのドアから外に飛び出してしまうことを確実に防止することができる。また、ペットを収容部2に乗せることにより、そのペットが運転者の近くにきて運転操作を邪魔したりすることも無くすことができる。
【0024】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
【0025】
上記実施の形態では、通路6,9中に内扉5、8を設けてあるが、内扉5、8を迂回してドア4,7にたどり着けないようにしてあればよいので、例えばそうした迂回を防止する迂回防止柵等を内扉5,8に設けた場合には、内扉5,8を通路6,9中に設ける必要はない。
【0026】
本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0027】
1 前部座席
2 収容部
3 間仕切り
4 ドア
5 内扉
6 通路
7 ドア
8 内扉
9 通路
図1