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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024795
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】リモコン
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240216BHJP
   H01H 13/14 20060101ALI20240216BHJP
   H01H 13/02 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H04Q9/00 371A
H01H13/14 Z
H01H13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127685
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】塩田 光平
【テーマコード(参考)】
5G206
5K048
【Fターム(参考)】
5G206AS02H
5G206AS04H
5G206AS32H
5G206AS33H
5G206GS03
5G206HS12
5G206HU13
5K048BA14
5K048FB15
5K048HA11
(57)【要約】
【課題】部品点数を削減して低コスト化を図ることができるリモコンを提供する。
【解決手段】リモコン1の左側に位置する押下ボタン11の穴113の内側において、弾性シート9に設けられた左導光部97の前側導光部971の前端面は、押下ボタン11の前面と面一となる位置に配置される。そして、リモコン1の右側に位置する押下ボタン13の穴133の内側においても、弾性シート9に設けられた右導光部99の前側導光部991の前端面は、押下ボタン13の前面と面一となる位置に配置される。これらに対し、押下ボタン12においては、弾性シート9に設けられた中央導光部98の前側導光部981のうち突出部98Bを押下ボタン12の前面よりも前方に突出させている。そして、その突出部98Bを手掛かりとして機能させることで、押下ボタン12を押下ボタン11,13に対して容易に識別させることができる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の押下ボタンと、前記複数の押下ボタン毎にスイッチと発光部を前面側に備えるケース本体と、前記ケース本体の前面側に装着され、前記複数の押下ボタンを前面側に支持するカバーケースとを備えたリモコンにおいて、
前記カバーケースは、前記押下ボタン毎に、
前記スイッチに対応して設けられ、前記押下ボタンが前後方向に駆動するように装着される装着部を備え、
前記装着部は、
前記スイッチに対向する位置に設けられ、前後方向に貫通する第1装着側穴部と、
前記発光部に対向する位置に設けられ、前後方向に貫通する第2装着側穴部と
を備え、
前記装着部と前記押下ボタンの間であって、前記発光部と前記第2装着側穴部に対向する位置には、透光性を有し且つ前記発光部からの光を前方に導く導光部が設けられ、
前記押下ボタンは、
前記導光部に対向する位置に設けられ、前後方向に貫通するボタン側穴部と、
後面に設けられ、前記第1装着側穴部を介して前記スイッチと当接する当接部と
を備え、
前記複数の押下ボタンのうち所定の第1押下ボタンと前記装着部の間に設けられる前記導光部である第1導光部は、
後方に突出し、前記装着側穴部内に挿入される第1後側導光部と、
前方に突出する第1前側導光部と
を備え、
前記第1前側導光部は、
前記ボタン側穴部内に挿入される被挿入部と、
前記押下ボタンの前記前面よりも前方に突出する突出部と
を備え、 前記複数の押下ボタンのうち前記第1押下ボタンとは異なる第2押下ボタンと前記装着部の間に設けられる前記導光部である第2導光部は、
後方に突出し、前記装着側穴部内に挿入される第2後側導光部と、
前方に突出し、前記ボタン側穴部内に挿入され、その前端部が前記押下ボタンの前面よりも前方に突出しない第2前側導光部と
を備えたことを特徴とするリモコン。
【請求項2】
前記装着部と前記押下ボタンの間には、前記押下ボタンを前方に付勢するシート状の弾性部材が配置され、
前記弾性部材は、
前記第1装着側穴部に対向する位置に設けられ、前後方向に貫通する弾性側穴部と、
前記導光部と
を備え、
前記押下ボタンの前記当接部は、前記第1装着側穴部と前記弾性側穴部を介して前記スイッチと当接すること
を特徴とする請求項1に記載のリモコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯器に有線で接続されたリモコンが知られている(例えば特許文献1参照)。このリモコンの前面の上部には設定温度等を表示する為の表示部が設けられ、その表示部の下側には3つの押下ボタンが横並びに配置される。リモコン内部において、各押下ボタンの後ろ側にはLEDが夫々設けられ、各押下ボタンにはそれらLEDからの光を前方に通過させる為の穴が夫々設けられる。さらに、3つの押下ボタンのうち中央の押下ボタンの前面には、左右両側に位置する他の2つの押下ボタンと識別する為のボス部が前方に突出して設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-115957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
押下ボタンは樹脂成型品であるので、中央の押下ボタンの前面にボス部を形成する必要上、異なる金型を用意する必要があった。部品点数が増えるため、管理コストの面でも不利であった。
【0005】
本発明の目的は、部品点数を削減して低コスト化を図ることができるリモコンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のリモコンは、複数の押下ボタンと、前記複数の押下ボタン毎にスイッチと発光部を前面側に備えるケース本体と、前記ケース本体の前面側に装着され、前記複数の押下ボタンを前面側に支持するカバーケースとを備えたリモコンにおいて、前記カバーケースは、前記押下ボタン毎に、前記スイッチに対応して設けられ、前記押下ボタンが前後方向に駆動するように装着される装着部を備え、前記装着部は、前記スイッチに対向する位置に設けられ、前後方向に貫通する第1装着側穴部と、前記発光部に対向する位置に設けられ、前後方向に貫通する第2装着側穴部とを備え、前記装着部と前記押下ボタンの間であって、前記発光部と前記第2装着側穴部に対向する位置には、透光性を有し且つ前記発光部からの光を前方に導く導光部が設けられ、前記押下ボタンは、前記導光部に対向する位置に設けられ、前後方向に貫通するボタン側穴部と、後面に設けられ、前記第1装着側穴部を介して前記スイッチと当接する当接部とを備え、前記複数の押下ボタンのうち所定の第1押下ボタンと前記装着部の間に設けられる前記導光部である第1導光部は、後方に突出し、前記装着側穴部内に挿入される第1後側導光部と、前方に突出する第1前側導光部とを備え、前記第1前側導光部は、前記ボタン側穴部内に挿入される被挿入部と、前記押下ボタンの前記前面よりも前方に突出する突出部とを備え、前記複数の押下ボタンのうち前記第1押下ボタンとは異なる第2押下ボタンと前記装着部の間に設けられる前記導光部である第2導光部は、後方に突出し、前記装着側穴部内に挿入される第2後側導光部と、前方に突出し、前記ボタン側穴部内に挿入され、その前端部が前記押下ボタンの前面よりも前方に突出しない第2前側導光部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2のリモコンの前記装着部と前記押下ボタンの間には、前記押下ボタンを前方に付勢するシート状の弾性部材が配置され、前記弾性部材は、前記第1装着側穴部に対向する位置に設けられ、前後方向に貫通する弾性側穴部と、前記導光部とを備え、前記押下ボタンの前記当接部は、前記第1装着側穴部と前記弾性側穴部を介して前記スイッチと当接してもよい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1のリモコンによれば、複数の押下ボタンのうち第1押下ボタンにおいて、第1導光部の第1前側導光部のうち突出部を第1押下ボタンの前面よりも前方に突出させ、その突出部を手掛かりとして機能させることで、第1押下ボタンを第2押下ボタンと識別させることができる。これにより、第1押下ボタンに直接突起を設けることなく、第1押下ボタンと第2押下ボタンの夫々の形状を完全に一致させることができる。よって、押下ボタンを量産する為の金型を統一し、部品点数を削減できるので、製造・管理コストを削減できる。また、第1導光部の一部が手掛かりを兼ねるので、押下ボタンに手掛かりを設ける為のコストを削減できる。
【0009】
請求項2のリモコンによれば、押下ボタンの押下時に、スイッチからの衝撃を弾性部材で吸収して緩和できる。また、弾性部材をカバーケースに組み込んだ状態でユニット化できるので、組付け工程の簡素化を図ることもできる。なお、スイッチの一例はタクトスイッチである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】リモコン1の斜視図である。
図2】リモコン1の分解斜視図である。
図3】ケース本体3の分解斜視図である。
図4】押下ボタン11~13の左斜め前方からの斜視図である。
図5】押下ボタン11~13の右斜め後方からの斜視図である。
図6】弾性シート9の左斜め前方からの斜視図である。
図7】弾性シート9の右斜め後方からの斜視図である。
図8】カバーケース8に弾性シート9を取り付けた状態の斜視図である。
図9図9に示すカバーケース8に押下ボタン11~13を取り付けた状態の斜視図である。
図10図1に示すI-I線で切断したリモコン1の断面斜視図である。
図11図1に示すI-I線矢視方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に記載される装置構成などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明する為に用いられるものである。本実施形態では、図中に示す前後、左右、上下の向きを使用して説明する。
【0012】
図1を参照し、リモコン1の外観構造について説明する。リモコン1はガス器具(例えば給湯器)を遠隔操作する為のリモートコントローラである。リモコン1は浴室の壁面に設置される浴室リモコンであり、例えば台所の壁面に設置される台所リモコン(図示略)と通信可能である。リモコン1は正面視左右方向に長い矩形の板状である。リモコン1の前面上半分の左右方向略中央部には窓部56が設けられる。窓部56の後方には、リモコン1内部に設けられた液晶36(図3参照)が配置される。液晶36には例えば給湯温度、風呂温度、時計等の各種情報が表示される。ユーザは窓部56を介して液晶36に表示される各種情報を視認できる。
【0013】
窓部56の左側には矩形状の押下ボタン14が設けられる。押下ボタン14の押下操作で台所リモコン(図示略)から呼出音が出力する。押下ボタン14の前面右側には穴141が設けられる。穴141には導光部(図示略)が後方から挿入配置される。導光部は光透過性樹脂である。導光部の後方にはLED34(図2図3参照)が対向配置する。押下ボタン14の押下操作に応じてLED34が点灯又は消灯する。LED34の光は導光部により前方に導かれ、ユーザに視認される。
【0014】
窓部56の右側には矩形状の押下ボタン15が設けられる。押下ボタン15の押下操作で給湯器の運転の「入」・「切」が行われる。押下ボタン15の前面左側には穴151が設けられる。穴151にも導光部(図示略)が後方から挿入配置される。導光部の後方にはLED35(図2図3参照)が配置される。押下ボタン15の押下操作に応じてLED35が点灯又は消灯する。LED35の光は導光部により前方に導かれ、ユーザに視認される。
【0015】
窓部56の下側には、3つの押下ボタン11~13が横並びに設けられる。押下ボタン11は左側、押下ボタン12は中央、押下ボタン13は右側に配置される。押下ボタン11は追い焚き、又はふろ温度まで沸かし直すときに押下される。押下ボタン12は自動でお湯はりするときに押下される。押下ボタン13はリモコンの優先権を切り替えるときに押下される。
【0016】
リモコン1の前面下半分には、蓋カバー10が下端部を中心に手前側に開閉可能に設けられる。閉じた状態の蓋カバー10の前面左側にはスリット102が設けられる。スリット102からは、リモコン1の内部に設けられたスピーカ38(図3参照)から出力されるアラームやガイド音声等が聞こえるようになっている。蓋カバー10を手前に開くと、後述のケース本体3の前面下半分に設けられた操作部57(図2参照)が前方に露出する。操作部57には複数のボタン571が設けられ、例えば給湯温度やタイマ等の各種設定を行う為に押下される。
【0017】
図2図8を参照し、リモコン1の構成について具体的に説明する。図2に示すように、リモコン1は後ろ側から順に、ケース本体3、カバーケース8、弾性シート9、押下ボタン11~13、蓋カバー10を備える。
【0018】
図3を参照し、ケース本体3の構成について説明する。ケース本体3は後ろ側から順に、リアパネル5、回路基板6、フロントパネル7を備える。リアパネル5は正面視左右方向に長い略矩形状の樹脂部材であって、ケース本体3の後面側を形成する。リアパネル5の前面には、その外周部に沿うようにして正面視略矩形枠状のリブ5Aが前方に突出して設けられる。そのリブ5Aの内側には、回路基板6が前方から嵌め込まれて固定される。
【0019】
回路基板6は正面視左右方向に長い略矩形の板状に形成され、その左下角部には縁部6Aが設けられる。縁部6Aは切り欠かれることによって正面視略逆L字状に形成され、リアパネル5の前面左下部に固定されるスピーカ38との干渉を避ける。回路基板6の前面には、液晶36、10個のスイッチ21~30、5個のLED31~35、スイッチ群37等が設けられる。液晶36は回路基板6の前面上半分の左右方向略中央部に設けられ、正面視左右方向に長い略矩形状である。
【0020】
スイッチ21~30は、操作時に明瞭なクリック感を生じる押しボタンスイッチであり、例えばタクトスイッチ(登録商標)を適用できる。これらスイッチ21~30のうち6個のスイッチ21~26は、液晶36の下側において2個一組で横並びに設けられる。スイッチ21,22は回路基板6の左側であって、押下ボタン11の左右両側に対応する位置に配置される。スイッチ23,24は回路基板6の中央であって、押下ボタン12の左右両側に対応する位置に配置される。スイッチ25,26は回路基板6の右側であって、押下ボタン13の左右両側に対応する位置に配置される。スイッチ27,28は回路基板6の前面左上角部に2個一組で上下に配置され、押下ボタン14の上下に対応する位置に配置される。スイッチ29,30は回路基板6の前面右上角部に2個一組で上下に配置され、押下ボタン15の上下に対応する位置に配置される。
【0021】
LED31~35は、押下ボタン11~15の夫々に対応して設けられる。LED31は押下ボタン11に対応する領域に設けられ、スイッチ21の左隣に配置される。LED32は押下ボタン12に対応する領域に設けられ、スイッチ23の右隣に配置される。LED33は押下ボタン13に対応する領域に設けられ、スイッチ25の右隣に配置される、LED34は押下ボタン14に対応する領域に設けられ、スイッチ27と28の間に配置される。LED35は押下ボタン15に対応する領域に設けられ、スイッチ29と30の間に配置される。スイッチ群37はスイッチ21~26の下側に設けられ、複数のメンブレンスイッチ371で構成される。複数のメンブレンスイッチ371は、後述のフロントパネル7に設けられた操作部57の複数のボタン571の夫々に対応して設けられる。メンブレンスイッチは、薄いシート状のスイッチでフィルムに回路と接点を印刷して貼り重ねたものである。
【0022】
フロントパネル7は正面視左右方向に長い略矩形状の樹脂部材であって、ケース本体3の前面側を形成する。フロントパネル7は窓部56、スイッチ穴41~46、スイッチ穴47~50、矩形穴51~55、操作部57、スリット58、磁石591,592等を備える。窓部56はフロントパネル7の前面上半分の左右方向略中央部であって、回路基板6の液晶36に対応する領域に設けられる。窓部56は透明樹脂であり、液晶36の形状に合わせて正面視左右方向に長い略矩形状である。スイッチ穴41~46はフロントパネル7を前後方向に貫通する丸穴であって、回路基板6のスイッチ21~26の夫々に対応する位置に設けられる。スイッチ穴47~50はフロントパネル7を前後方向に貫通する矩形穴であって、回路基板6のスイッチ27~30の夫々に対応する位置に設けられる。
【0023】
矩形穴51~55は回路基板6のLED31~35に対応する位置に設けられ、フロントパネル7を前後方向に貫通する。操作部57はフロントパネル7の前面下半分に設けられ、略矩形状の複数のボタン571を備える。複数のボタン571は、回路基板6の複数のメンブレンスイッチ371の夫々に対応して設けられる。スリット58はフロントパネル7の左下角部であって、スピーカ38に対応する位置に設けられる。磁石591,592は窓部56の下側に左右方向に間隔を空けて設けられる。磁石591はスイッチ穴42と43の間に配置され、磁石592はスイッチ穴44と45の間に配置される。
【0024】
上記各構成において、リアパネル5の前面のリブ5Aの内側に回路基板6が嵌め込まれて固定され、その回路基板6の前面を覆うようにしてフロントパネル7がリアパネル5の前面に固定される。これにより、ケース本体3が一体して完成する(図2参照)。ケース本体3が完成した状態において、フロントパネル7のスイッチ穴41~46には、回路基板6のスイッチ21~26が配置され、フロントパネル7のスイッチ穴47~50の夫々の内側には、回路基板6のスイッチ27~30が夫々配置され、フロントパネル7の矩形穴51~55の夫々の内側には、回路基板6のLED31~35が夫々配置される。
【0025】
図2を参照し、カバーケース8の構造について説明する。カバーケース8はケース本体3と略同一形状の正面視左右方向に長い略矩形状である。カバーケース8は上側部61、装着部62、下枠部63を備える。上側部61はカバーケース8の上側略半分を形成し、正面視左右方向に長い略矩形状である。上側部61の左右方向中央部には開口部611が設けられる。開口部611は正面視左右方向に長い略矩形状に形成され、ケース本体3の窓部56を内側に挿入可能な大きさを備える。開口部611の左側には、押下ボタン14が前後方向に所定のストロークで移動可能に取り付けられる。開口部611の右側には、押下ボタン15が前後方向に所定のストロークで移動可能に取り付けられる。
【0026】
装着部62は、カバーケース8の上下方向中央において正面視左右方向に延びる略矩形状に形成され、上側部61と下枠部63に上下から挟まれる位置に設けられる。装着部62の前面には、押下ボタン11~13が横並びに装着される。装着部62の左右両端側を除く中央の領域には、丸穴71~76が2個一組で横並びに設けられ、装着部62を前後方向に貫通する。丸穴71,72は押下ボタン11が装着される領域に設けられ、丸穴73,74は押下ボタン12が装着される領域に設けられ、丸穴75,76は押下ボタン13が装着される領域に設けられる。
【0027】
丸穴71,72は、カバーケース8がケース本体3の前面に取り付けられたときに、フロントパネル7のスイッチ穴41,42を介して、回路基板6のスイッチ21,22と対向する。丸穴73,74は、カバーケース8がケース本体3の前面に取り付けられたときに、フロントパネル7のスイッチ穴43,44を介して、回路基板6のスイッチ23,24と対向する。丸穴75,76は、カバーケース8がケース本体3の前面に取り付けられたときに、フロントパネル7のスイッチ穴45,46を介して、回路基板6のスイッチ25,26と対向する。
【0028】
丸穴71,72の間には溝77が設けられる。溝77は、丸穴71と72の間を左右方向に延びる直線状である。溝77の断面は後方に向けて略円弧状に凹む略U字状である。丸穴73,74の間にも溝77と同一形状の溝78が設けられる。丸穴75,76の間にも溝77と同一形状の溝79が設けられる。丸穴71の左側には矩形穴81が設けられる。丸穴73の左側には矩形穴82が設けられる。丸穴75の左側には矩形穴83が設けられる。これら矩形穴81~83は、カバーケース8がケース本体3の前面に取り付けられたときに、フロントパネル7の矩形穴51~53を介して、回路基板6のLED31~33と対向する。さらに、矩形穴81の左側の上下には、穴84,85が設けられる。矩形穴82の左側の上下には、穴86,87が設けられる。矩形穴83の左側の上下には、穴88,89が設けられる。
【0029】
溝77の上側には横長の係止穴801が設けられる。溝78の上側にも横長の係止穴802が設けられる。溝79の上側にも横長の係止穴803が設けられる。装着部62の前面下端側で且つ矩形穴81の左斜め下方には係止穴804が設けられる。装着部62の前面下端側で且つ金属板771の下方には横長の係止穴805が設けられる。装着部62の前面下端側で且つ金属板772の下方には横長の係止穴806が設けられる。装着部62の前面下端側で且つ丸穴76の右斜め下方には係止穴807が設けられる。
【0030】
丸穴72と73の間には金属板771が埋設される。金属板771は、カバーケース8がケース本体3の前面に取り付けられたときに、フロントパネル7の磁石591と対向する。丸穴74と75の間には金属板772が設けられる。金属板772は、カバーケース8がケース本体3の前面に取り付けられたときに、フロントパネル7の磁石592と対向する。装着部62の前面左端側には磁石701が埋設され、前面右端側には磁石702が埋設される。磁石701は押下ボタン14の下方に位置し、磁石702は押下ボタン15の下方に位置する。
【0031】
下枠部63はカバーケース8の下側略半分を形成し、正面視左右方向に長い略矩形枠状である。下枠部63の内側には開口部64が設けられる。開口部64は正面視左右方向に長い略矩形状である。下枠部63の左右方向に延びる下端部の左右両側には、軸支部631,632が設けられる。軸支部631,632は、蓋カバー10の下端部を回動可能に軸支する。
【0032】
図6図7を参照し、弾性シート9の形状について説明する。弾性シート9は正面視左右方向に細長い帯状に形成されたシート状の弾性体である。弾性シート9の材質は光透過性樹脂であり、例えば金型に光透過性樹脂を流し込み冷やして固めたものである。弾性シート9の左右方向の長さは、押下ボタン11~13を左右方向に並べたときの左右方向の長さと略同一である。弾性シート9の上下方向の長さは、押下ボタン11~13の夫々の上下方向の長さと略同一である。
【0033】
図6に示すように、弾性シート9の前面9Aには、6個の丸穴91~96が左側から順に2個一組で横並びに設けられ、弾性シート9を前後方向に貫通する。丸穴91,92は、押下ボタン11に対応する領域に設けられる。丸穴93,94は、押下ボタン12に対応する領域に設けられる。丸穴95,96は、押下ボタン13に対応する領域に設けられる。弾性シート9がカバーケース8の装着部62の前面に装着されたとき、丸穴91,92は、装着部62の左側の丸穴71,72と対向する。丸穴93,94は、装着部62の中央の丸穴73,74と対向する。丸穴95,96は、装着部62の右側の丸穴75,76と対向する。
【0034】
前面9Aにおいて、丸穴91と92の間には溝901が設けられる。溝901は正面視左右方向に延びる直線状に形成され、長さ方向に直交する断面が前方に向けて開口する略C字状である。他方、図7に示すように、弾性シート9の後面9Bにおいて、溝901に対応する位置には、溝901とは逆形状の突条部902が設けられる。突条部902は背面視左右方向に延びる直線状に形成され、長さ方向に直交する断面が後方に向けて膨出する略C字状である。なお、丸穴93と94の間には溝903が設けられ、丸穴95と96の間には溝905が設けられる。溝903,905は溝901と同一形状である。弾性シート9の後面9Bにおいても、溝903に対応する部分には突条部904が設けられ、溝905に対応する部分には突条部906が設けられる。突条部904,906は突条部902と同一形状である。
【0035】
図6に示すように、弾性シート9の左端側で且つ丸穴91の左側には、左導光部97が設けられる。左導光部97は前側導光部971、後側導光部972、台座部973を備える。台座部973は前面9Aの上下方向の略中央から前方に膨出し、正面視縦長略矩形状であり、その前面は前面9Aと略平行である。前側導光部971は台座部973の前面中央から前方に突出し、正面視縦長の略角柱状である。他方、図7に示すように、後面9Bにおいて、台座部973は前方に窪む背面視略矩形状の溝として形成される。後側導光部972はその台座部973の内面(後面)の中央から後方に突出し、背面視縦長の略角柱状である。
【0036】
図6に示すように、弾性シート9の中央よりも左側であって丸穴93の左側には、中央導光部98が設けられる。中央導光部98は左導光部97と同様に、前側導光部981、後側導光部982、台座部983を備える。前側導光部981は台座部983の前面中央から前方に突出し、正面視縦長の略角柱状である。前側導光部981は正面視縦長の略角柱状に形成され、被挿入部98Aと突出部98Bを備える。被挿入部98Aは、左導光部97の基端側(前面9A側)であって、左導光部97の前側導光部971と同一長さである。突出部98Bは被挿入部98Aの前端部からさらに前方に突出する。それ故、前側導光部981は左導光部97の前側導光部971よりも長い。他方、図7に示すように、後面9Bにおいて、後側導光部982は台座部983の内面(後面)の中央から後方に突出し、背面視縦長の略角柱状である。
【0037】
図6に示すように、弾性シート9の中央よりも右側であって丸穴95の左側には、右導光部99が設けられる。右導光部99も左導光部97と同様に、前側導光部991、後側導光部992、台座部993を備える。前側導光部991は台座部993の前面中央から前方に突出し、正面視縦長の略角柱状である。前側導光部991の長さは、左導光部97の前側導光部971と同一長さである。他方、図7に示すように、後面9Bにおいて、後側導光部992は台座部993の内面(後面)の中央から後方に突出し、背面視縦長の略角柱状である。
【0038】
図6に示すように、前面9Aにおいて、溝901の右端側を上下から挟み込むようにして、一対の当接部921,922が設けられる。当接部921,922は短軸円柱状に形成され且つ中空である。よって、図7に示すように、後面9Bにおいて、当接部921,922は前方に窪む短軸円柱状の溝として形成される。さらに、前面9Aにおいて、溝903の右端側を上下から挟み込むようにして、一対の当接部923,924が設けられ、溝905の右端側を上下から挟み込むようにして、一対の当接部925,926が設けられる。これら当接部923~926の各形状は、当接部921,922の各形状と同一である。
【0039】
図7に示すように、後面9Bにおいて、左導光部97の左側の上下には、円柱状のピン931,932が設けられる。中央導光部98の左側の上下には、円柱状のピン933,934が設けられる。右導光部99の左側の上下には、円柱状のピン935,936が設けられる。これらピン931~939は中実である。
【0040】
図6に示すように、弾性シート9の上端部の左側には縁部911が設けられ、上端部の中央には縁部912が設けられ、上端部の右側には縁部913が設けられる。これら縁部911~913は切り欠かれることによって正面視略U字状に形成される。弾性シート9の左下角部には縁部914が設けられ、右下角部には縁部917が設けられる。縁部914,917は切り欠かれることによって正面視略逆L字状に形成される。弾性シート9の下端部の中央よりも左側には縁部915が設けられ、下端部の中央よりも右側には縁部916が設けられる。縁部915,916は切り欠かれることによって正面視略逆U字状に形成される。
【0041】
また、上記構成の弾性シート9は、左導光部97、中央導光部98、右導光部99以外の部分は黒色でコーティングするのがよい。つまり、左導光部97、中央導光部98、右導光部99の部分は透明であって光を透過する性質を有し、それ以外の部分は黒色で光を透過させない性質を有する。従って、弾性シート9は、左導光部97、中央導光部98、右導光部99においてLED31~33からの光を前方に透過させると共に、その光が周囲に漏れないようにできる。
【0042】
図4図5を参照し、押下ボタン11~13の形状について説明する。なお、押下ボタン11~13について、前面に印刷されている文字以外は構造が同一なので、本実施形態では押下ボタン11の形状を中心に説明する。図4に示すように、押下ボタン11は正面視左右方向に長い略矩形状の樹脂製板部材である。押下ボタン11の前面左側には矩形状の穴113が設けられ、押下ボタン11を前後方向に貫通する。穴113の右隣には「おいだき」の文字が印刷される。
【0043】
図5に示すように、押下ボタン11の後面において、上下方向略中段には左右方向に並ぶ一対の突出部111,112が設けられる。突出部111,112は、押下ボタン11の後面から後方に突出し、背面視略十字状である。突出部111,112の間にはリブ117が設けられる。リブ117は突出部111と112の間を左右方向に直線状に延び、押下ボタン11の後面から後方に突出する。リブ117の高さは、突出部111,112の高さよりも低い。
【0044】
押下ボタン11の後面の上端よりやや下側で且つ左右方向中央部には、上側突起114が設けられる。上側突起114は脚部14Aと係止部14Bを備える。脚部14Aは背面視左右方向に延びる直線状であって押下ボタン11の後面から後方に突出する。係止部14Bは脚部14Aの後端部に設けられ、側面視略三角形状で上方に突出する。押下ボタン11の後面左下角部には、下側突起115が設けられる。下側突起115は脚部15Aと係止部15Bを備える。脚部15Aは押下ボタン11の後面から後方に突出する。係止部15Bは脚部15Aの後端部に設けられ、側面視略三角形状で下方に突出する。押下ボタン11の後面右下角部には、下側突起116が設けられる。下側突起116は脚部16Aと係止部16Bを備える。脚部16Aは押下ボタン11の後面から後方に突出する。係止部16Bは脚部16Aの後端部に設けられ、側面視略三角形状で下方に突出する。
【0045】
押下ボタン11の後面の下端部には補強リブ118が直線状に設けられ、後方に突出する。押下ボタン11の後面の上端部であって左右方向中央部を除く部位には補強リブ119が設けられ、後方に突出する。
【0046】
なお、詳述しないが、押下ボタン12も押下ボタン11と同様に、前面左側には矩形状の穴123が設けられる。穴123の右隣には「自動」の文字が印刷される。図5に示すように、押下ボタン12の後面側には、押下ボタン11と同様に、一対の突出部121,122、リブ127、上側突起124、下側突起125,126、補強リブ128,129が設けられる。また、押下ボタン13も押下ボタン11,12と同様に、前面左側には矩形状の穴133が設けられる。穴133の右隣には「優先」の文字が印刷される。押下ボタン13の後面側には、押下ボタン11と同様に、一対の突出部131,132、リブ137、上側突起134、下側突起135,136、補強リブ138,139が設けられる。
【0047】
図2を参照し、蓋カバー10の形状について説明する。蓋カバー10は正面視略矩形状である。蓋カバー10の上端部の左右両側を除く中央部には、縁部101が設けられる。縁部101は切り欠かれることによって正面視略U字状に形成される。縁部101の左右方向の長さは、横並びに配置された押下ボタン11~13を内側に配置できる程度である。蓋カバー10の左上部には金属板103が埋設され、右上部には金属板104が埋設される。蓋カバー10はその下端部がカバーケース8の前面下側の軸支部631,632に軸支され、開閉可能な状態となる。蓋カバー10が閉じた状態において、金属板103,104は、カバーケース8の磁石701,702に対向する。これにより、蓋カバー10は、磁石701,702による磁力に吸着され、閉じた状態でその姿勢が保持される。
【0048】
図2図9図10を参照し、リモコン1の組付工程について説明する。本実施形態では説明の便宜上、図9図10において蓋カバー10を省略している。ケース本体3は予め一体して組み立てておくとよい。図2図9に示すように、作業者はカバーケース8の装着部62の前面に対して、弾性シート9を前方から組み付ける。このとき、弾性シート9の後面9Bに設けられた突条部902,904,906を、装着部62に設けられた溝77,78,79に嵌合する。さらに、弾性シート9の後面9Bに設けられたピン931~936を、装着部62に設けられた穴84~89に嵌合する。さらに、左導光部97の後側導光部972、中央導光部98の後側導光部982、右導光部99の後側導光部992を、装着部62に設けられた矩形穴81~83に嵌合する。これにより、図9に示すように、弾性シート9は装着部62において所定位置に位置決めされる。
【0049】
弾性シート9が装着部62に位置決めされた状態で、弾性シート9の後面9Bは、装着部62の前面と密着する。弾性シート9に設けられた丸穴91~96の夫々は、装着部62に設けられた丸穴71~76の夫々と対向する。この状態でカバーケース8を正面から見たときに、弾性シート9の上端部の縁部911~913の内側には、装着部62に設けられた係止穴801~803が夫々露出する。弾性シート9の下端部の縁部914~917の夫々の内側には、装着部62に設けられた係止穴804~807が夫々露出する。
【0050】
次いで、図9に示すように、弾性シート9が組み付けられたカバーケース8の装着部62に対して、押下ボタン11~13を順に組み付ける。押下ボタン11を組み付ける為、押下ボタン11の後面の上端部に設けられた上側突起114を、装着部62に設けられた係止穴801に差し込み、押下ボタン11の後面の下端部に設けられた下側突起115,116を、装着部62に設けられた係止穴804,805に差し込む。
【0051】
ここで、上側突起114の脚部14A、下側突起116の脚部16A、下側突起115の脚部15Aは、装着部62の板厚よりも長い。これにより、押下ボタン11は装着部62の前面から前方に所定ストロークで移動可能となる。押下ボタン11が装着部62の前面から最大限移動したとき、上側突起114の係止部14Bは係止穴801の内縁部に対して後方から係止する。下側突起115の係止部15Bは係止穴804の内縁部に対して後方から係止する。下側突起116の係止部16Bは係止穴805の内縁部に対して後方から係止する。これにより、上側突起114、下側突起115,116が係止穴801,804,805から前方に抜けないことから、リモコン1は押下ボタン11が装着部62から外れてしまうのを防止できる。
【0052】
そして、上記のように、押下ボタン11を装着部62に対して組み付けることによって、押下ボタン11の後面から突出する一対の突出部111,112が、弾性シート9の丸穴91,92を介して、装着部62の丸穴71,72に前方から挿入される。このとき、押下ボタン11の穴113に対して、弾性シート9の左導光部97の前側導光部971を嵌合させる。前側導光部971の基端側を取り囲むように形成された台座部973の前面の外周部に対して、押下ボタン11の穴113の周縁部の後面が係合する。さらに、弾性シート9の前面9Aに設けられた一対の当接部921,922に対して、押下ボタン11の後面の右側が当接する。
【0053】
ここで、弾性シート9の台座部973と当接部921,922は、押下ボタン11の後面の左右両側の各位置と当接する。当接部921,922の高さと台座部973の高さは互いに同一なので、それら当接部921,922と台座部973に対して押下ボタン11の後面が平行に当接する。これにより、押下ボタン11は弾性シート9を間に挟んだ状態で、装着部62の前面に対して偏りなく平行に組み付けることができる。
【0054】
続いて、押下ボタン12を押下ボタン11と同じ方法で組み付ける。押下ボタン12の後面の上端部に設けられた上側突起124を、装着部62に設けられた係止穴802に差し込み、押下ボタン12の後面の下端部に設けられた下側突起115,116を、装着部62に設けられた係止穴804,805に差し込む。これにより、押下ボタン12の後面から突出する一対の突出部121,122が、弾性シート9の丸穴93,94を介して、装着部62の丸穴73,74に前方から挿入される。
【0055】
押下ボタン12の穴123に対して、弾性シート9の中央導光部98の前側導光部981を嵌合させる。前側導光部981の基端側を取り囲むように形成された台座部983の前面の外周部に対して、押下ボタン12の穴123の周縁部の後面が係合する。このとき、前側導光部981のうち突出部98Bが穴123の内側から押下ボタン12の前面よりも前方に突出する。さらに、弾性シート9の前面9Aに設けられた一対の当接部923,924に対して、押下ボタン12の後面の右側が当接する。これにより、押下ボタン12は弾性シート9を間に挟んだ状態で、装着部62の前面に対して偏りなく平行に組み付けることができる。
【0056】
続いて、押下ボタン13を押下ボタン11、12と同じ方法で取り付ける。押下ボタン13の後面の上端部に設けられた上側突起134を、装着部62に設けられた係止穴803に差し込み、押下ボタン13の後面の下端部に設けられた下側突起135,136を、装着部62に設けられた係止穴806,807に差し込む。これにより、押下ボタン13の後面から突出する一対の突出部131,132が、弾性シート9の丸穴95,96を介して、装着部62の丸穴75,76に前方から挿入される。
【0057】
押下ボタン13の穴133に対して、弾性シート9の右導光部99の前側導光部991を嵌合させる。このとき、前側導光部991の基端側を取り囲むように形成された台座部993の前面の外周部に対して、押下ボタン13の穴133の周縁部の後面が係合する。さらに、弾性シート9の前面9Aに設けられた一対の当接部925,926に対して、押下ボタン13の後面の右側が当接する。これにより、押下ボタン13は弾性シート9を間に挟んだ状態で、装着部62の前面に対して偏りなく平行に取り付けられる。このようにして、図10に示すように、カバーケース8の装着部62に対して、3つの押下ボタン11~13が平行に組み付けられる。
【0058】
次いで、作業者は、弾性シート9と押下ボタン11~13が組み付けられたカバーケース8を、ケース本体3の前面に組み付ける。カバーケース8に弾性シート9と押下ボタン11~13が一体化したユニットとして、ケース本体3にまとめて組み付けることができるので、作業効率を向上できる。
【0059】
ここで、カバーケース8をケース本体3の前面に組み付けるとき、カバーケース8の上側の開口部611の内側に、ケース本体3の窓部56を後方から挿入する。このとき、装着部62の丸穴71~76は、ケース本体3の前面のスイッチ穴41~46に夫々対向して配置される。カバーケース8の下枠部63の開口部64の内側には、ケース本体3の前面下側に設けられた操作部57が配置される。このようにしてリモコン1の組付工程が完了する。
【0060】
そして、図10図11に示すように、リモコン1の内部構造において、押下ボタン11の後面の突出部111,112の夫々の先端部は、弾性シート9の丸穴91,92、装着部62の丸穴71,72、ケース本体3のスイッチ穴41,42を介して、回路基板6のスイッチ21,22と当接する。また、押下ボタン12の後面の突出部121,122の夫々の先端部は、弾性シート9の丸穴93,94、装着部62の丸穴73,74、ケース本体3のスイッチ穴43,44を介して、回路基板6のスイッチ23,24と当接する。また、押下ボタン13の後面の突出部131,132の夫々の先端部は、弾性シート9の丸穴95,96、装着部62の丸穴75,76、ケース本体3のスイッチ穴45,46を介して、回路基板6のスイッチ25,26と当接する。この状態で、装着部62と押下ボタン11~13との間に挟まれた弾性シート9は、押下ボタン11~13を前方に常時付勢する。
【0061】
以上説明したように、本実施形態のリモコン1によれば、図10図11に示すように、リモコン1の左側に位置する押下ボタン11の穴113の内側において、弾性シート9に設けられた左導光部97の前側導光部971の前端面は、押下ボタン11の前面と面一となる位置に配置される。そして、リモコン1の右側に位置する押下ボタン13の穴133の内側においても、弾性シート9に設けられた右導光部99の前側導光部991の前端面は、押下ボタン13の前面と面一となる位置に配置される。これらに対し、押下ボタン12においては、弾性シート9に設けられた中央導光部98の前側導光部981のうち突出部98Bを穴123の内側から押下ボタン12の前面よりも前方に突出させている。そして、その突出部98Bを手掛かりとして機能させることで、押下ボタン12を押下ボタン11,13と容易に識別させることができる。また、押下ボタン12の前面に直接突起を設けることなく、押下ボタン11~13の夫々の形状を完全に一致させることができる。よって、押下ボタン11~13を量産する為の金型を統一し、部品点数を削減できるので、製造・管理コストを削減できる。また、中央導光部98の一部が手掛かりを兼ねるので、押下ボタン12に手掛かりを設ける為のコストを削減できる。
【0062】
また、カバーケース8の装着部62と押下ボタン11~13の間に、弾性シート9が挟み込まれている。押下ボタン11の後面に設けた突出部111,112は、装着部62に設けた丸穴71,72、弾性シート9に設けた丸穴91,92を介して、ケース本体3の前面側に設けたスイッチ21,22と当接する。これにより、例えば押下ボタン11を押下したとき、回路基板6のスイッチ21,22から指先に伝わる衝撃を弾性シート9の弾性力により吸収して緩和できる。よって、リモコン1は押下ボタン11を押下した時のクリック感(操作感)を向上できる。また、上記のように、弾性シート9と押下ボタン11~13をカバーケース8に一体的に組み付けてユニット化できるので、組付工程の簡素化及び効率化を図ることもできる。
【0063】
また、装着部62には、押下ボタン11~13の穴113,123,133の夫々の対向位置に、矩形穴81~83が設けられる。他方、弾性シート9には、左導光部97、中央導光部98、右導光部99が直接設けられており、それら左導光部97、中央導光部98、右導光部99の夫々の後端部である後側導光部972,982,992が矩形穴81~83に挿入固定される。そして、左導光部97、中央導光部98、右導光部99の夫々の前端部である前側導光部971,981,991が、押下ボタン11~13の穴113,123,133に挿入固定される。こうすることで、リモコン1は左導光部97、中央導光部98、右導光部99を通じてLED31~33からの光を押下ボタン11~13にまで確実に導くことができる。
【0064】
また、カバーケース8に設けられる装着部62は左右方向に延びるように形成され、その前面に3つの押下ボタン11~13が横並びに装着される。このような構成において、ケース本体3のフロントパネル7の装着部62に対応する部分には磁石591,592が埋設され、装着部62には、磁石591,592に対応する位置に金属板771,772が埋設される。こうすることで、装着部62をフロントパネル7に磁着させることができるので、装着部62がフロントパネル7から浮いてしまうのを防止できる。これにより、美観が損なわれることを防止すると共に、LED31~33からの光を押下ボタン11~13にまでより確実に導くことができる。
【0065】
また、装着部62には穴84~89が設けられ、弾性シート9の後面9Bに設けられたピン931~936を嵌合させる。さらに、押下ボタン11~13の夫々の後面にはリブ117,127,137が設けられ、弾性シート9の前面に設けられた溝901,903,905に嵌合させる。これにより、押下ボタン11~13の押下操作に伴い、左導光部97、中央導光部98、右導光部99の夫々の位置がずれるのを防止でき、LED31~33からの光を押下ボタン11~13にまでより確実に導くことができる。
【0066】
また、左導光部97、中央導光部98、右導光部99の夫々は、押下ボタン11~13の左側に対応する位置に設けられる。そして、弾性シート9で押下ボタン11~13の右側に対応する位置には、当接部921~926が設けられる。当接部921~926は、前方に突出して押下ボタン11~13の夫々の後面に当接する。これにより、押下ボタン11~13を左右方向において均一に後方から支持できるので、押下ボタン11~13の位置が偏ったり、操作時に違和感が生じるのを防止できる。
【0067】
なお説明は省略するが、押下ボタン14,15においても、押下ボタン11~13のように、弾性シートを挟み込んだ組付構造を採用するのがよい。これにより、押下ボタン14,15においても、押下ボタン11~13と同様に押下時のクリック感を緩和できる。
【0068】
上記説明において、押下ボタン11~15は本発明の「押下ボタン」の一例である。中央の押下ボタン12は本発明の「第1押下ボタン」の一例であり、押下ボタン11,13は本発明の「第2押下ボタン」の一例である。装着部62の丸穴71~76は本発明の「第1装着側穴部」の一例である。装着部62の矩形穴81~83は本発明の「第2装着側穴部」の一例である。押下ボタン11~13の穴113,123,133は本発明の「ボタン側穴部」の一例である。押下ボタン11~13の突出部111,112、121,122、131,132は本発明の「当接部」の一例である。弾性シート9の中央導光部98は本発明の「第1導光部」の一例、左導光部97と右導光部99は本発明の「第2導光部」の一例である。弾性シート9は本発明の「弾性部材」の一例である。弾性シート9の丸穴91~96は本発明の「弾性側穴部」の一例である。回路基板6のLED31~33は本発明の「発光部」の一例である。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。リモコン1はガス器具(例えば給湯器)を遠隔操作する為のリモートコントローラであるが、その他用途のリモコンにも本発明の適用が可能である。例えば、リモコン1は浴室リモコンであるが、台所リモコンであってもよい。リモコン1は正面視左右方向に長い略矩形状であるが、それ以外の形状であってもよい。
【0070】
上記実施形態では、弾性シート9の中央導光部98の前側導光部981に突出部98Bを形成し、その突出部98Bを押下ボタン12の穴123から前方に突出させている。例えば、中央導光部98の代わりに、左導光部97又は右導光部98の前側導光部に突出部を形成し、その突出部を押下ボタン11又は13の穴113又は123から前方に突出させてもよい。
【0071】
リモコン1の前面には5つ押下ボタン11~15が設けられているが、押下ボタンの数、形状、配置については上記実施形態に限定されない。例えば窓部56の下側には3つの押下ボタン11~13が設けられているが、1つでもよく3つ以上であってもよい。押下ボタン11~13の配置についても横並びではなく、上下方向、斜め方向に並んでいてもよい。例えば窓部56の位置を下方に移動し、その窓部56の上側に押下ボタン11~13を配置してもよい。窓部56の左側又は右側に縦方向に配置してもよい。回路基板6の液晶36は省略してもよい。
【0072】
リモコン1のケース本体3は、リアケースの前面に回路基板6を固定し、その前面を覆うようにしてフロントパネル7を固定するが、例えばフロントパネル7を省略してもよい。なお、本実施形態のリモコン1は浴室リモコンなので、回路基板6の防水性の観点からフロントパネル7を固定するのが好ましい。
【0073】
押下ボタン11の後面には一対の突出部111,112を設け、回路基板6の対応する一対のスイッチ21,22に当接して押下するようになっているが、突起部の数は押下するスイッチの数に対応させればよいので、一対に限らず2つ以上、又は一つであってもよい。突出部111,112の位置は押下ボタン11の左右両側の各位置でなくてもよいが、押下時において押下ボタン11にかかる力を均等に分散するには、押下ボタン11の左右両側の各位置がよい。
【0074】
弾性シート9には左導光部97、中央導光部98、右導光部99が同一の材質で一体的に形成されているが、別部材として設けてもよい。回路基板6にLED31~35が無ければ省略してもよい。省略する場合、弾性シート9は透明でなくてよい。また、LED31~35は本発明の「発光部」の一例であって、例えばランプ等の電球であってもよい。
【0075】
弾性シート9の左導光部97は、前側導光部971、後側導光部972、及び台座部973を備えるが、これらを省略して、弾性シート9の前面及び後面と同一平面状に形成してもよい。中央導光部98、右導光部99も同様である。例えば黒色でコーティングされた弾性シート9において、同一平面に形成された左導光部97、中央導光部98、右導光部99の各部分を透明にしてもよい。
【0076】
ケース本体3のフロントパネル7の装着部62に対応する部分には磁石591,592が埋設され、装着部62には、磁石591,592に対応する位置に金属板771,772が埋設されているが、フロントパネル7側に金属板771,772を埋設し、装着部62側に金属板771,772を埋設してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 リモコン
3 ケース本体
8 カバーケース
9 弾性シート
11~13 押下ボタン
21~26 スイッチ
31~33 LED
62 装着部
71~76 丸穴
81~83 矩形穴
97 左導光部
98 中央導光部
98A 被挿入部
98B 突出部
99 右導光部
111,112 突出部
971,981,991 前側導光部
972,982,982 後側導光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11