(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024819
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】振動素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
H03H 3/02 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
H03H3/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127731
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】山口 啓一
(72)【発明者】
【氏名】坂田 日和
(72)【発明者】
【氏名】白石 茂
(72)【発明者】
【氏名】西澤 竜太
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108MM08
(57)【要約】
【課題】外形と溝とを一括形成することができる振動素子の製造方法を提供する。
【解決手段】振動素子1の製造方法は、第1基板面20A及び第2基板面20Bを有する水晶基板20を準備する準備工程S1と、第1基板面20Aのうち、第1溝形成領域Q1に第1保護膜52を形成する第1保護膜形成工程S3と、第1基板面20Aのうち、第1振動腕形成領域Q2及び第2振動腕形成領域Q3のうち第1溝形成領域Q1を除いた領域に第2保護膜53を形成する第2保護膜形成工程S4と、第1保護膜52及び第2保護膜53を介して水晶基板20を第1基板面20A側からドライエッチングし、第1面2Aと、第1溝221,231と、第1振動腕22及び第2振動腕23の外形と、を形成する第1ドライエッチング工程S5と、を含み、第1保護膜52のエッチングレートをr1、第2保護膜53のエッチングレートをr2としたとき、r1>r2の関係を満たす。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って延出し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ第1振動腕及び第2振動腕を備え、
前記第1振動腕及び前記第2振動腕は、それぞれ、前記第1方向及び前記第2方向に沿っており、表裏関係にある第1面及び第2面と、前記第1面に開口する有底の第1溝と、を有する振動素子の製造方法であって、
表裏関係にある第1基板面及び第2基板面を有する水晶基板を準備する準備工程と、
前記第1基板面のうち、前記第1溝が形成される第1溝形成領域に第1保護膜を形成する第1保護膜形成工程と、
前記第1基板面のうち、前記第1振動腕が形成される第1振動腕形成領域及び前記第2振動腕が形成される第2振動腕形成領域のうち前記第1溝形成領域を除いた領域に第2保護膜を形成する第2保護膜形成工程と、
前記第1保護膜及び前記第2保護膜を介して前記水晶基板を前記第1基板面側からドライエッチングし、前記第1面と、前記第1溝と、前記第1振動腕及び前記第2振動腕の外形と、を形成する第1ドライエッチング工程と、を含み、
前記第1保護膜のエッチングレートをr1、前記第2保護膜のエッチングレートをr2としたとき、r1>r2の関係を満たす、
振動素子の製造方法。
【請求項2】
前記第1保護膜形成工程の前に、前記第1基板面に下地膜を形成する第1下地膜形成工程を更に含み、
前記下地膜の厚みは、前記第1保護膜及び前記第2保護膜よりも薄い、
請求項1に記載の振動素子の製造方法。
【請求項3】
前記第1保護膜形成工程は、前記第1基板面に前記第1保護膜を塗布する塗布工程と、前記第1保護膜を露光する露光工程と、前記第1保護膜を現像する現像工程と、を含む、
請求項1又は請求項2に記載の振動素子の製造方法。
【請求項4】
前記第1ドライエッチング工程において、前記ドライエッチングを前記第2保護膜が残存した状態で終了させ、
残存した前記第2保護膜を除去する第2保護膜除去工程を更に含む、
請求項1又は請求項2に記載の振動素子の製造方法。
【請求項5】
前記第1保護膜及び前記第2保護膜は、樹脂材料からなる、
請求項1又は請求項2に記載の振動素子の製造方法。
【請求項6】
前記第1保護膜及び前記第2保護膜は、金属材料からなる、
請求項1又は請求項2に記載の振動素子の製造方法。
【請求項7】
前記第1保護膜及び前記第2保護膜は、一方が樹脂材料からなるとき、他方は金属材料からなる、
請求項1又は請求項2に記載の振動素子の製造方法。
【請求項8】
前記振動素子は、更に前記第2面に開口する有底の第2溝を有し、
前記第1ドライエッチング工程の後に、
前記第2基板面のうち、前記第2溝が形成される第2溝形成領域に第3保護膜を形成する第3保護膜形成工程と、
前記第2基板面のうち、前記第1振動腕が形成される前記第1振動腕形成領域及び前記第2振動腕が形成される前記第2振動腕形成領域のうち前記第2溝形成領域を除いた領域に第4保護膜を形成する第4保護膜形成工程と、
前記第3保護膜及び前記第4保護膜を介して前記水晶基板を前記第2基板面側からドライエッチングし、前記第2面と、前記第2溝と、前記第1振動腕及び前記第2振動腕の外形と、を形成する第2ドライエッチング工程と、を含み、
前記第3保護膜のエッチングレートをr3、前記第4保護膜のエッチングレートをr4としたとき、r3>r4の関係を満たす、
請求項1に記載の振動素子の製造方法。
【請求項9】
前記第3保護膜形成工程の前に、前記第2基板面に下地膜を形成する第2下地膜形成工程を更に含み、
前記下地膜の厚みは、前記第3保護膜及び前記第4保護膜よりも薄い、
請求項8に記載の振動素子の製造方法。
【請求項10】
前記第3保護膜形成工程は、前記第2基板面に前記第3保護膜を塗布する塗布工程と、前記第3保護膜を露光する露光工程と、前記第3保護膜を現像する現像工程と、を含む、
請求項8又は請求項9に記載の振動素子の製造方法。
【請求項11】
前記第2ドライエッチング工程において、前記ドライエッチングを前記第4保護膜が残存した状態で終了させ、
残存した前記第4保護膜を除去する第4保護膜除去工程を更に含む、
請求項8又は請求項9に記載の振動素子の製造方法。
【請求項12】
前記第3保護膜及び前記第4保護膜は、樹脂材料からなる、
請求項8又は請求項9に記載の振動素子の製造方法。
【請求項13】
前記第3保護膜及び前記第4保護膜は、金属材料からなる、
請求項8又は請求項9に記載の振動素子の製造方法。
【請求項14】
前記第3保護膜及び前記第4保護膜は、一方が樹脂材料からなるとき、他方は金属材料からなる、
請求項8又は請求項9に記載の振動素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、振動腕に有底の溝を有する音叉型振動子をウエットエッチング及びドライエッチングにより形成する方法が記載されている。この製造方法では、水晶基板をウエットエッチングすることにより音叉型振動子の外形を形成し、然る後、ドライエッチングにより溝を形成している。
特許文献2には、振動腕に有底の溝を有する音叉型振動子をドライエッチングにより形成する方法が記載されている。この製造方法では、圧電材料からなる基板をドライエッチングする際に、一対の振動腕の間の幅に対して溝の幅を狭くすることによりマイクロローディング効果を用いて、一対の振動腕の間のエッチング深さに対して溝のエッチング深さを浅くし、振動子の溝と外形形状とを一括して形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-175933号公報
【特許文献2】特開2007-013382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の製造方法は、外形を形成するウエットエッチングと溝を形成するドライエッチングとがそれぞれ別工程であるため、製造工程が複雑であり、外形に対する溝の位置ずれなどが生じ易い。そのため、この製造方法による振動素子は、不要振動などが発生し易い、という課題があった。
一方、特許文献2の製造方法は、外形と溝とを同一工程で一括して形成するので、上述の課題は生じない。しかしながら、この製造方法では、ドライエッチングにおけるマイクロローディング効果を用いて外形と溝とを一括して形成しているので、振動腕の幅や溝の幅及び深さなどの寸法の設定に制約が生じ、設計自由度が低い、という課題があった。
そこで、外形と溝とを一括して形成することができ、かつ設計自由度の高い振動素子の製造方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
振動素子の製造方法は、第1方向に沿って延出し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って並ぶ第1振動腕及び第2振動腕を備え、前記第1振動腕及び前記第2振動腕は、それぞれ、前記第1方向及び前記第2方向に沿っており、表裏関係にある第1面及び第2面と、前記第1面に開口する有底の第1溝と、を有する振動素子の製造方法であって、表裏関係にある第1基板面及び第2基板面を有する水晶基板を準備する準備工程と、前記第1基板面のうち、前記第1溝が形成される第1溝形成領域に第1保護膜を形成する第1保護膜形成工程と、前記第1基板面のうち、前記第1振動腕が形成される第1振動腕形成領域及び前記第2振動腕が形成される第2振動腕形成領域のうち前記第1溝形成領域を除いた領域に第2保護膜を形成する第2保護膜形成工程と、前記第1保護膜及び前記第2保護膜を介して前記水晶基板を前記第1基板面側からドライエッチングし、前記第1面と、前記第1溝と、前記第1振動腕及び前記第2振動腕の外形と、を形成する第1ドライエッチング工程と、を含み、前記第1保護膜のエッチングレートをr1、前記第2保護膜のエッチングレートをr2としたとき、r1>r2の関係を満たす。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る振動素子の構成を示す平面図。
【
図3】第1実施形態に係る振動素子の製造方法を示すフォローチャート。
【
図5】第1保護膜の形成工程を示すフォローチャート。
【
図22】第2実施形態に係る振動素子の構成を示す平面図。
【
図24】第2実施形態に係る振動素子の製造方法を示すフォローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
1.第1実施形態
第1実施形態に係る振動素子1の製造方法について説明する。先ず、振動素子1の構成について、
図1及び
図2を参照して説明し、次に、振動素子1の製造方法について、
図3~
図13を参照して説明する。
【0008】
尚、説明の便宜上、
図3、
図5、及び
図24を除く各図には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、及びZ軸を図示している。また、X軸に沿った方向を「X方向」、Y軸に沿った方向を「Y方向」、Z軸に沿った方向を「Z方向」と言う。また、各軸の矢印側を「プラス側」、矢印と反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z方向のプラス側を「上」、Z方向のマイナス側を「下」とも言う。また、本明細書では、第1方向がY方向であり、第2方向がX方向である。
【0009】
1.1.振動素子
本実施形態の振動素子1は、
図1及び
図2に示すように、音叉型の振動素子であり、振動基板2と、振動基板2の表面に形成された電極3と、を有する。
【0010】
振動基板2は、Zカットの水晶基板を所望形状にパターニングすることにより形成され、水晶の結晶軸であるX軸及びY軸で規定されるX-Y平面に広がりを有し、Z方向に沿った厚みを有する。X軸は、電気軸とも呼ばれ、Y軸は、機械軸とも呼ばれ、Z軸は、光軸とも呼ばれる。
【0011】
振動基板2は、板状をなし、互いに表裏関係にありZ方向に並んで配置された第1面2A及び第2面2Bを有する。また、振動基板2は、基部21と、基部21から第1方向であるY方向に沿って延出し、第1方向と交差する第2方向であるX方向に沿って並ぶ第1振動腕22及び第2振動腕23と、を有する。
【0012】
第1振動腕22は、第1面2Aに開口する有底の第1溝221と、第1溝221を画定する第1土手部225と、第1面2Aと第2面2Bとを接続する側面101と、を有する。第1土手部225は、平面視で第1面2Aにおいて、X方向に沿って第1溝221を挟んで並んでいる部分である。
【0013】
同様に、第2振動腕23は、第1面2Aに開口する有底の第1溝231と、第1溝231を画定する第1土手部235と、第1面2Aと第2面2Bとを接続する側面102と、を有する。第1土手部235は、平面視で第1面2Aにおいて、X方向に沿って第1溝231を挟んで並んでいる部分である。
【0014】
第1溝221,231は、それぞれY方向に沿って延在している。また、第1土手部225,235は、それぞれ第1溝221,231のX方向両側に形成され、Y方向に沿って延在している。従って、第1振動腕22及び第2振動腕23は、それぞれ、略U状の横断面形状を有する。これにより、熱弾性損失が低減され、優れた振動特性を有する振動素子1となる。
【0015】
電極3は、信号電極31と、接地電極32と、を有する。信号電極31は、第1振動腕22の第1面2A及び第2面2Bと第2振動腕23の側面102とに配置されている。一方、接地電極32は、第1振動腕22の側面101と第2振動腕23の第1面2A及び第2面2Bとに配置されている。接地電極32を接地した状態で信号電極31に駆動信号を印加すると、
図1中の矢印で示すように、第1振動腕22及び第2振動腕23が接近、離間を繰り返すようにしてX方向に屈曲振動する。
【0016】
1.2.振動素子の製造方法
次に、振動素子1の製造方法について説明する。振動素子1の製造方法は、
図3に示すように、準備工程S1、第1下地膜形成工程S2、第1保護膜形成工程S3、第2保護膜形成工程S4、第1ドライエッチング工程S5、第2保護膜除去工程S6、及び電極形成工程S7を含む。
【0017】
1.2.1.準備工程S1
先ず、振動基板2の母材である水晶基板20を準備する。水晶基板20からは、複数の振動素子1が一括形成される。水晶基板20は、板状をなし、互いに表裏関係にありZ方向に並んで配置された第1基板面20A及び第2基板面20Bを有する。ラッピングやポリッシングなどの研磨処理により、水晶基板20は所望の厚みに調整されており、第1基板面20A及び第2基板面20Bは、十分に平滑化されている。また、必要に応じて、水晶基板20にウエットエッチングによる表面処理を行っても構わない。
【0018】
1.2.2.第1下地膜形成工程S2
次に、
図4に示すように、振動基板2の第1基板面20A上にクロム(Cr)等の金属材料である下地膜51を形成する。尚、下地膜51の厚みは、後述する第1保護膜52及び第2保護膜53の厚みよりも薄い。また、本実施形態では、下地膜51を振動基板2の第1基板面20A上のみに形成しているが、振動基板2の第2基板面20Bや側面に形成しても構わない。
【0019】
1.2.3.第1保護膜形成工程S3
水晶基板20の第1基板面20Aに形成された下地膜51上にレジスト等の樹脂材料である第1保護膜52を形成する。尚、第1保護膜形成工程S3は、
図5に示すように、第1保護膜52を塗布する塗布工程S31、第1保護膜52を露光する露光工程S32、及び露光された第1保護膜52を現像する現像工程S33を含む。
【0020】
塗布工程S31では、
図6に示すように、水晶基板20の第1基板面20Aに形成された下地膜51上に第1保護膜52を所定の厚みで塗布する。尚、本実施形態では、第1保護膜52は、ポジ型のフォトレジストであり、ネガ型であっても構わない。また、第1保護膜52を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法やスプレーコート法などを用いることができる。
【0021】
次に、露光工程S32では、水晶基板20の第1基板面20Aに形成された下地膜51上に塗布されている第1保護膜52に露光装置から出射する光を照射する。
【0022】
次に、現像工程S33では、水晶基板20の第1基板面20Aに形成された下地膜51上に塗布されている第1保護膜52を現像する。これにより、
図7に示すように、第1土手部225,235が形成される第1土手部形成領域Qd1の第1保護膜52が現像され、除去される。また、第1溝221,231が形成される第1溝形成領域Q1、第1振動腕22が形成される第1振動腕形成領域Q2、第2振動腕23が形成される第2振動腕形成領域Q3、第1振動腕22と第2振動腕23との間の腕間領域Q4、及び隣接する素子との間の素子間領域Q5に第1保護膜52が形成される。尚、
図7において、各領域を分り易くするために、振動基板2の完成体となる第1振動腕22、第2振動腕23、第1溝221,231、及び第1土手部225,235を破線で示した。
【0023】
1.2.4.第2保護膜形成工程S4
次に、
図8に示すように、第1保護膜52が除去された第1土手部形成領域Qd1に銅(Cu)やニッケル(Ni)等の金属材料である第2保護膜53をメッキ法により形成する。尚、第2保護膜53を形成する方法としては、例えば、蒸着法やスパッタ法で第2保護膜53を成膜し、フォトリソグラフィー技術により形成する方法でも構わない。
ここで、下地膜51の厚みTT1は、第1保護膜52の厚みT1及び第2保護膜53の厚みT2よりも薄い。下地膜51の厚みTT1を薄くすることで、後述する第1ドライエッチング工程S5において、腕間領域Q4及び素子間領域Q5のドライエッチングを最も速く進めることができるため、ドライエッチングする時間を短くすることができ、ドライエッチング工程の短時間化を図ることができる。
その後、
図9に示すように、腕間領域Q4及び素子間領域Q5の第1保護膜52を露光、現像して除去する。
【0024】
1.2.5.第1ドライエッチング工程S5
図10~
図12に示すように、第1振動腕形成領域Q2及び第2振動腕形成領域Q3に形成された第1保護膜52と第2保護膜53を介して水晶基板20を第1基板面20A側からドライエッチングし、第1溝221,231と、振動基板2の外形と、を同時に形成する。振動基板2の外形は、第1振動腕22及び第2振動腕23の外形を含む。尚、「同時に形成」とは、1工程において両者を一括して形成することを言う。より詳細には、本工程は、反応性イオンエッチングであり、RIE(リアクティブイオンエッチング)装置を用いて行われる。また、RIE装置に導入される反応ガスとしては、特に限定されないが、例えば、SF
6、CF
4、C
2F
4、C
2F
6、C
3F
6、C
4F
8等を用いることができる。
【0025】
ドライエッチングを開始すると、先ず、
図10に示すように、腕間領域Q4及び素子間領域Q5の下地膜51と水晶基板20とがエッチングされ、水晶基板20の厚みが薄くなる。また、第1溝形成領域Q1に形成された第1保護膜52がエッチングされ、第1保護膜52の厚みが薄くなる。尚、第1土手部形成領域Qd1の第2保護膜53もエッチングされるが、第2保護膜53のエッチングレートr2が第1保護膜52のエッチングレートr1より小さい。つまり、r1>r2の関係を満たすので、第2保護膜53は、第1保護膜52よりエッチングが遅い。そのため、第1保護膜52の厚みは、第2保護膜53の厚みより薄くなる。
【0026】
その後、ドライエッチングが進行すると、
図11に示すように、腕間領域Q4及び素子間領域Q5の水晶基板20がエッチングされ、水晶基板20の厚みが更に薄くなる。また、第1溝形成領域Q1に形成された第1保護膜52と下地膜51とがエッチングされ、更に、第1溝形成領域Q1の水晶基板20がエッチングされ、水晶基板20の厚みが薄くなる。
【0027】
ドライエッチングは、
図12に示すように、第2保護膜53が残存した状態で終了される。尚、ドライエッチング終了時には、腕間領域Q4及び素子間領域Q5の水晶基板20がエッチングされ無くなり、振動基板2の外形が形成される。また、第1溝形成領域Q1の水晶基板20がエッチングされ、水晶基板20の厚みが更に薄くなり、第1溝221と第1土手部225とを有する第1振動腕22及び第1溝231と第1土手部235とを有する第2振動腕23が形成される。
よって、本工程により、第1溝221,231と、振動基板2の外形と、を同時に形成することができる。
【0028】
1.2.6.第2保護膜除去工程S6
図13に示すように、第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20の第1基板面20Aに残存する第2保護膜53と下地膜51とを除去する。これにより、水晶基板20の第1基板面20Aが第1振動腕22及び第2振動腕23の第1面2Aとなる。つまり、第1振動腕22及び第2振動腕23の第1面2Aは、第1ドライエッチング工程S5においてエッチングされていないので、第1土手部形成領域Qd1における第1振動腕22及び第2振動腕23の厚みや第1面2Aの表面粗さは、水晶基板20の厚みや第1基板面20Aの表面粗さのまま維持されている。そのため、第1振動腕22及び第2振動腕23の厚み精度が向上し、ねじれ振動などの不要振動の発生が抑制される。
【0029】
1.2.7.電極形成工程S7
振動基板2の表面に金属膜を成膜し、この金属膜をパターニングすることにより、電極3を形成する。
以上により、本実施形態の振動素子1が得られる。
【0030】
尚、本実施形態では、第1保護膜52が樹脂材料であり、第2保護膜53が金属材料であるが、第1保護膜52及び第2保護膜53が樹脂材料からなっても構わない。また、第1保護膜52及び第2保護膜53が金属材料からなっても構わない。また、第1保護膜52及び第2保護膜53の一方が樹脂材料からなるとき、他方は金属材料からなっても構わない。但し、第1保護膜52のエッチングレートをr1、第2保護膜53のエッチングレートをr2としたとき、r1>r2の関係を満たす必要がある。
【0031】
以上で述べたように本実施形態の振動素子1の製造方法は、第2保護膜53よりエッチングレートの大きい第1保護膜52を第1溝形成領域Q1に配置し、第2保護膜53を第1土手部形成領域Qd1に配置しているため、第1ドライエッチング工程S5において、マイクロローディング効果を利用せずに、第1振動腕22及び第2振動腕23を含む振動基板2の外形と第1溝221,231とを一括して形成することができる。そのため、振動素子1の製造工程の削減、振動素子1の低コスト化を図ることができる。また、外形形状に対する第1溝221,231の位置ずれが阻止され、振動基板2の形成精度が高まる。
【0032】
また、第1溝221,231形成用の第1保護膜52と、第1振動腕22及び第2振動腕23を含む振動基板2の外形形成用の第2保護膜53と、を用いているので、第1溝221,231や第1振動腕22及び第2振動腕23等の寸法を制御することができ、腕間領域Q4におけるX方向の幅、素子間領域Q5におけるX方向の幅、第1振動腕22及び第2振動腕23におけるX方向の幅、及び第1溝221,231におけるX方向の幅などの寸法の設定に制約がなく、設計自由度の高い振動素子1の製造方法を提供することができる。
【0033】
1.3.変形例
尚、本発明の振動素子の製造方法で製造される振動素子は、特に限定されない。
【0034】
1.3.1.第1変形例
本発明の振動素子の製造方法で製造される第1変形例の振動素子は、例えば、
図14及び
図15に示すような双音叉型振動素子7であってもよい。尚、
図14及び
図15では、電極の図示を省略している。双音叉型振動素子7は、一対の基部711,712と、基部711,712を連結する第1振動腕72及び第2振動腕73と、を有する。第1振動腕72及び第2振動腕73は、表裏関係にある第1面7A及び第2面7Bを有する。また、第1振動腕72及び第2振動腕73は、それぞれ第1面7Aに開口する有底の第1溝721,731と、第1溝721,731を画定する第1土手部725,735と、を有する。
【0035】
1.3.2.第2変形例
第2変形例の振動素子は、例えば、
図16、
図17、及び
図18に示すようなジャイロ振動素子8であってもよい。尚、
図16、
図17、及び
図18では、電極の図示を省略している。ジャイロ振動素子8は、基部81と、基部81からY方向両側に延出する一対の検出振動腕82,83と、基部81からX方向両側に延出する一対の連結腕84,85と、連結腕84の先端部からY方向両側に延出する駆動振動腕86,87と、連結腕85の先端部からY方向両側に延出する駆動振動腕88,89と、を有する。このようなジャイロ振動素子8においては、駆動振動腕86,87,88,89を
図16中の矢印SD方向に屈曲振動させている状態でZ軸まわりの角速度ωzが作用すると、コリオリの力によって検出振動腕82,83に矢印SS方向への屈曲振動が新たに励振され、当該屈曲振動により検出振動腕82,83から出力される電荷に基づいて角速度ωzを検出する。
【0036】
検出振動腕82,83及び駆動振動腕86,87,88,89は、表裏関係にある第1面8A及び第2面8Bを有する。また、検出振動腕82,83は、第1面8Aに開口する有底の第1溝821,831と、第1溝821,831を画定する第1土手部825,835と、を有する。また、駆動振動腕86,87,88,89は、第1面8Aに開口する有底の第1溝861,871,881,891と、第1溝861,871,881,891を画定する第1土手部865,875,885,895と、を有する。このようなジャイロ振動素子8においては、例えば、駆動振動腕86,88又は駆動振動腕87,89が第1振動腕及び第2振動腕となる。
【0037】
1.3.3.第3変形例
第3変形例の振動素子は、例えば、
図19、
図20、及び
図21に示すようなジャイロ振動素子9であってもよい。尚、
図19、
図20、及び
図21では、電極の図示を省略している。ジャイロ振動素子9は、基部91と、基部91からY方向プラス側に延出し、X方向に並ぶ一対の駆動振動腕92,93と、基部91からY方向マイナス側に延出し、X方向に並ぶ一対の検出振動腕94,95と、を有する。このようなジャイロ振動素子9においては、駆動振動腕92,93を
図19中の矢印SD方向に屈曲振動させている状態でY軸まわりの角速度ωyが作用すると、コリオリの力によって、検出振動腕94,95に矢印SS方向への屈曲振動が新たに励振され、当該屈曲振動により検出振動腕94,95から出力される電荷に基づいて角速度ωyを検出する。
【0038】
駆動振動腕92,93及び検出振動腕94,95は、表裏関係にある第1面9A及び第2面9Bを有する。また、駆動振動腕92,93は、第1面9Aに開口する有底の第1溝921,931と、第1溝921,931を画定する第1土手部925,935と、を有する。また、検出振動腕94,95は、第1面9Aに開口する有底の第1溝941,951と、第1溝941,951を画定する第1土手部945,955と、を有する。このようなジャイロ振動素子9においては、駆動振動腕92,93又は検出振動腕94,95が第1振動腕及び第2振動腕となる。
【0039】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る振動素子1aの製造方法について説明する。先ず、振動素子1aの構成について、
図22及び
図23を参照して説明し、次に、振動素子1aの製造方法について、
図24~
図31を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
本実施形態の振動素子1aは、第2面2Bに開口する有底の第2溝222,232と、第2溝222,232を画定する第2土手部226,236と、を有すること以外は、第1実施形態の振動素子1と同様である。尚、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。また、本実施形態の振動素子1aの製造方法は、第1面2A側に第1溝221,231を形成した後に、第2面2B側に第2溝222,232を形成すること以外は、第1実施形態の振動素子1の製造方法と同様である。
【0040】
2.1.振動素子
本実施形態の振動素子1aは、
図22及び
図23に示すように、音叉型の振動素子であり、振動基板2aと、振動基板2aの表面に形成された電極3と、を有する。
【0041】
振動基板2aは、Zカットの水晶基板を所望形状にパターニングすることにより形成され、水晶の結晶軸であるX軸及びY軸で規定されるX-Y平面に広がりを有し、Z方向に沿った厚みを有する。
【0042】
振動基板2aは、板状をなし、互いに表裏関係にありZ方向に並んで配置された第1面2A及び第2面2Bを有する。また、振動基板2aは、基部21と、基部21から第1方向であるY方向に沿って延出し、第1方向と交差する第2方向であるX方向に沿って並ぶ第1振動腕22a及び第2振動腕23aと、を有する。
【0043】
第1振動腕22aは、第1面2Aに開口する有底の第1溝221と、第1溝221を画定する第1土手部225と、第2面2Bに開口する有底の第2溝222と、第2溝222を画定する第2土手部226と、第1面2Aと第2面2Bとを接続する側面101と、を有する。
【0044】
同様に、第2振動腕23aは、第1面2Aに開口する有底の第1溝231と、第1溝231を画定する第1土手部235と、第2面2Bに開口する有底の第2溝232と、第2溝232を画定する第2土手部236と、第1面2Aと第2面2Bとを接続する側面102と、を有する。
【0045】
第1溝221,231及び第2溝222,232は、それぞれY方向に沿って延在している。また、第1土手部225,235及び第2土手部226,236は、それぞれ第1溝221,231及び第2溝222,232のX方向両側に形成され、Y方向に沿って延在している。従って、第1振動腕22a及び第2振動腕23aは、それぞれ、略U状の横断面形状を有する。これにより、熱弾性損失が低減され、優れた振動特性を有する振動素子1aとなる。
【0046】
電極3は、信号電極31と、接地電極32と、を有する。信号電極31は、第1振動腕22aの第1面2A及び第2面2Bと第2振動腕23aの側面102とに配置されている。一方、接地電極32は、第1振動腕22aの側面101と第2振動腕23aの第1面2A及び第2面2Bとに配置されている。接地電極32を接地した状態で信号電極31に駆動信号を印加すると、
図22中の矢印で示すように、第1振動腕22a及び第2振動腕23aが接近、離間を繰り返すようにしてX方向に屈曲振動する。
【0047】
2.2.振動素子の製造方法
次に、振動素子1aの製造方法について説明する。振動素子1aの製造方法は、
図24に示すように、準備工程S11、第1下地膜形成工程S12、第1保護膜形成工程S13、第2保護膜形成工程S14、第1ドライエッチング工程S15、第2保護膜除去工程S16、第2下地膜形成工程S17、第3保護膜形成工程S18、第4保護膜形成工程S19、第2ドライエッチング工程S20、第4保護膜除去工程S21、及び電極形成工程S22を含む。
【0048】
準備工程S11~第2保護膜形成工程S14は、第1実施形態と同一なので、説明を省略し、第1ドライエッチング工程S15から説明する。
【0049】
2.2.1.第1ドライエッチング工程S15
ドライエッチングは、
図25に示すように、第2保護膜53が残存した状態で終了される。尚、ドライエッチング終了時には、腕間領域Q4及び素子間領域Q5の水晶基板20がエッチング前の厚みの約半分になるようにエッチングされている。また、第1溝形成領域Q1の第1溝221,231の第1基板面20Aからの深さは所望の深さにエッチングされている。従って、第1振動腕22aを構成する第1溝221と第1土手部225とが形成され、第2振動腕23aを構成する第1溝231と第1土手部235とが形成される。
【0050】
2.2.2.第2保護膜除去工程S16
次に、
図26に示すように、第1土手部形成領域Qd1における水晶基板20の第1基板面20Aに残存する第2保護膜53と下地膜51とを除去する。
【0051】
2.2.3.第2下地膜形成工程S17
次に、
図27に示すように、振動基板2aの第2基板面20B上にクロム(Cr)等の金属材料である下地膜61を形成する。尚、下地膜61の厚みは、後述する第3保護膜62及び第4保護膜63の厚みよりも薄い。また、本実施形態では、下地膜61を振動基板2aの第2基板面20B上のみに形成しているが、振動基板2aの第1基板面20Aや側面及び第1溝221,231の内面に形成しても構わない。
【0052】
2.2.4.第3保護膜形成工程S18
水晶基板20の第2基板面20Bに形成された下地膜61上にレジスト等の樹脂材料である第3保護膜62を形成する。尚、第3保護膜形成工程S18は、第3保護膜62を塗布する塗布工程、第3保護膜62を露光する露光工程、及び露光された第3保護膜62を現像する現像工程を含む。
【0053】
第3保護膜形成工程S18は、第1実施形態の第1保護膜形成工程S3と同一なので、説明を省略する。
【0054】
2.2.5.第4保護膜形成工程S19
次に、
図28に示すように、第3保護膜62が除去された第2土手部形成領域Qd2に銅(Cu)やニッケル(Ni)等の金属材料である第4保護膜63をメッキ法により形成する。尚、第4保護膜63を形成する方法としては、例えば、蒸着法やスパッタ法で第4保護膜63を成膜し、フォトリソグラフィー技術により形成する方法でも構わない。また、
図28において、各領域を分り易くするために、振動基板2aの完成体となる第1振動腕22a、第2振動腕23a、第2溝222,232、及び第2土手部226,236を破線で示した。
その後、
図29に示すように、腕間領域Q4及び素子間領域Q5の第3保護膜62を露光、現像して除去する。
【0055】
ここで、第2溝形成領域Q6に形成された第3保護膜62のエッチングレートr3は、第2土手部形成領域Qd2に形成された第4保護膜63のエッチングレートr4よりも大きい。つまり、r3>r4の関係を満たすので、後述する第2ドライエッチング工程S20において、第2溝222,232と振動基板2aの外形とを同時に形成することができる。
【0056】
また、下地膜61の厚みTT2は、第3保護膜62の厚みT3及び第4保護膜63の厚みT4よりも薄い。下地膜61の厚みTT2が薄いので、後述する第2ドライエッチング工程S20において、腕間領域Q4及び素子間領域Q5のドライエッチングを最も速く進めることができ、ドライエッチングする時間を短くすることができる。そのため、ドライエッチング工程の短時間化を図ることができる。
【0057】
2.2.6.第2ドライエッチング工程S20
図30に示すように、第1振動腕形成領域Q2及び第2振動腕形成領域Q3に形成された第3保護膜62と第4保護膜63を介して水晶基板20を第2基板面20B側からドライエッチングし、第2溝222,232と振動基板2aの外形とを同時に形成する。振動基板2aの外形は、第1振動腕22a及び第2振動腕23aの外形を含む。
尚、ドライエッチングは、
図30に示すように、第4保護膜63が残存した状態で終了される。
【0058】
2.2.7.第4保護膜除去工程S21
図31に示すように、第2土手部形成領域Qd2における水晶基板20の第2基板面20Bに残存する第4保護膜63と下地膜61とを除去する。これにより、水晶基板20の第2基板面20Bが第1振動腕22a及び第2振動腕23aの第2面2Bとなる。また、第1振動腕22a及び第2振動腕23aの第2面2Bは、第2ドライエッチング工程S20においてエッチングされていないので、第2土手部形成領域Qd2における第1振動腕22a及び第2振動腕23aの厚みや第2面2Bの表面粗さは、水晶基板20の厚みや第2基板面20Bの表面粗さのまま維持されている。そのため、第1振動腕22a及び第2振動腕23aの厚み精度が向上し、ねじれ振動などの不要振動の発生が抑制される。
【0059】
2.2.8.電極形成工程S22
振動基板2aの表面に金属膜を成膜し、この金属膜をパターニングすることにより、電極3を形成する。
以上により、本実施形態の振動素子1aが得られる。
【0060】
尚、本実施形態では、第3保護膜62が樹脂材料であり、第4保護膜63が金属材料であるが、第3保護膜62及び第4保護膜63が樹脂材料からなっても構わない。また、第3保護膜62及び第4保護膜63が金属材料からなっても構わない。また、第3保護膜62及び第4保護膜63の一方が樹脂材料からなるとき、他方は金属材料からなっても構わない。但し、第3保護膜62のエッチングレートをr3、第4保護膜63のエッチングレートをr4としたとき、r3>r4の関係を満たす必要がある。
【0061】
以上で述べたように本実施形態の振動素子1aの製造方法は、水晶基板20の第1基板面20A側に第1溝221,231と第1土手部225,235を形成した後に、第2基板面20B側に、第4保護膜63よりエッチングレートの大きい第3保護膜62を第2溝形成領域Q6に配置し、第4保護膜63を第2土手部形成領域Qd2に配置しているため、第2ドライエッチング工程S20において、マイクロローディング効果を利用せずに、第1振動腕22a及び第2振動腕23aを含む振動基板2aの外形と、第1溝221,231と、第2溝222,232と、を一括して形成することができ、且つ、設計自由度の高い振動素子1aの製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0062】
1,1a…振動素子、2…振動基板、2A…第1面、2B…第2面、3…電極、20…水晶基板、20A…第1基板面、20B…第2基板面、21…基部、22…第1振動腕、23…第2振動腕、31…信号電極、32…接地電極、51…下地膜、52…第1保護膜、53…第2保護膜、101,102…側面、221,231…第1溝、225,235…第1土手部、Q1…第1溝形成領域、Q2…第1振動腕形成領域、Q3…第2振動腕形成領域、Q4…腕間領域、Q5…素子間領域、Qd1…第1土手部形成領域、S1…準備工程、S2…第1下地膜形成工程、S3…第1保護膜形成工程、S4…第2保護膜形成工程、S5…第1ドライエッチング工程、S6…第2保護膜除去工程、S7…電極形成工程、r1,r2…エッチングレート、T1,T2,TT1…厚み。