(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002484
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】防水具及び該防水具を具備した建具装置
(51)【国際特許分類】
E06B 7/23 20060101AFI20231228BHJP
E06B 7/22 20060101ALI20231228BHJP
E06B 5/00 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
E06B7/23 A
E06B7/22 F
E06B5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101685
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】永田 洋一郎
【テーマコード(参考)】
2E036
2E239
【Fターム(参考)】
2E036AA01
2E036BA01
2E036CA01
2E036CA03
2E036DA02
2E036DA07
2E036DA12
2E036EB02
2E036EC05
2E036GA02
2E036HB12
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】 開閉体周囲の隙間を水が通過するのを防ぐ。
【解決手段】 開口部を閉鎖した開閉体10と開閉体10の端部に対する対向面21aとの隙間sに設けられて隙間sに水が浸入するのを阻む防水具であって、隙間sに挿入されるとともに隙間sを水の浸入側から覆うようにした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を閉鎖した開閉体と該開閉体の端部に対する対向面との隙間に設けられて該隙間に水が浸入するのを阻む防水具であって、
前記隙間に挿入されるとともに前記隙間を水の浸入側から覆うようにしたことを特徴とする防水具。
【請求項2】
前記隙間に差し込まれる挿込み部と、前記隙間を前記浸入側から覆う覆部とを有することを特徴とする請求項1記載の防水具。
【請求項3】
前記覆部は、少なくとも裏面側が、弾性を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項2記載の防水具。
【請求項4】
前記挿込み部及び前記覆部が、弾性を有する材料により一体に形成されていることを特徴とする請求項2記載の防水具。
【請求項5】
前記挿込み部は、断面先細状に形成され、その基端側が前記対向面と開閉体に接することを特徴とする請求項2記載の防水具。
【請求項6】
前記挿込み部の少なくとも前記基端側が、弾性を有する材料により形成されていること特徴とする請求項5記載の防水具。
【請求項7】
前記開閉体又は前記対向面の側の部材に対し着脱可能な着脱部を具備したことを特徴とする請求項1記載の防水具。
【請求項8】
前記着脱部には、接着材を含むことを特徴とする請求項7記載の防水具。
【請求項9】
前記着脱部には、マグネットを含むことを特徴とする具備することを特徴とする請求項7記載の防水具。
【請求項10】
請求項1~9何れか1項記載の防水具を具備したことを特徴とする建具装置。
【請求項11】
一端側を支点に回動して開口部を開閉する開閉体を備えた建具装置であって、
前記開閉体に前記防水具を装着したことを特徴とする請求項10記載の建具装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体の周囲の隙間から水が浸入するのを阻む防水具及び該防水具を具備した建具装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、開口部を囲む枠体と、一端側を支点にして回動することで前記開口部を開閉する扉体とを備えた扉装置がある。この扉装置では、前記枠体に設けた上下方向の溝(嵌合凹部)内に、弾性材料からなる気密材を縦方向にわたって設け、この気密材を、閉鎖状態の扉体の裏面や角部分等に圧接して、豪雨等による外部から雨水の侵入を防ぐようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術によれば、気密材のへたりや汚れ、損傷等に起因して、雨水が屋内側へ侵入してしまう場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
開口部を閉鎖した開閉体と該開閉体の端部に対する対向面との隙間に設けられて該隙間に水が浸入するのを阻む防水具であって、前記隙間に挿入されるとともに前記隙間を水の浸入側から覆うようにしたことを特徴とする防水具。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、開閉体周囲の隙間に水が通過するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る建具装置の一例を示す正面図である。
【
図2】
図1の(II)-(II)線に沿う断面図である。
【
図3】同断面における要部拡大図であり、隙間に対し防水具が挿入される様子を示している。
【
図4】防水具の他例を隙間に挿入しようとする様子を示す要部横断面図である。
【
図5】本発明に係る建具装置の他例を示す正面図である。
【
図6】本発明に係る建具装置の他例を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明に係る実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本明細書中、「見付け方向」とは、枠体20の横幅方向(
図1の左右方向)を意味する。また、「見込み方向」とは、「見付け方向」に略直交する枠厚の方向を意味する。
また、「開口幅方向」とは、開閉体10により開閉される開口部の横幅方向を意味し、本実施態様によれば、「見付け方向」と同方向である。
また、「枠内側」とは、枠体20の内側を示し、「枠外側」とは、建具枠10の外側を示す。
【0009】
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る建具装置の一例を示す。
建具装置Aは、幅方向の一端側を支点に回動して開口部を開閉する開閉体10と、閉鎖状態の開閉体10の外周を囲む枠体20とを備えたドア装置(開き戸)である。
この建具装置Aには、開閉体10の戸先側端部10aとこの戸先側端部10aに対向する対向面21aとの隙間sを、水の侵入側(図示例によれば、屋外側)から覆うように、必要に応じて防水具30が装着される。
【0010】
開閉体10は、枠体20の内側の開口部を開閉する戸体(ドア)であり、戸尻部分が一方の側枠部材22に回動可能に枢支されている。
この開閉体10は、表面板と裏面版をこれらの間の骨材や芯材等により支持するようにして構成される(
図2参照)。
【0011】
枠体20は、左右の側枠部材21,22と、これら側枠部材21,22の上端間に接続された上枠部材23と、側枠部材21,22の下端間に接続された下枠部材24(沓摺と称する場合もある)とから、中央に開口部を有する正面視矩枠状に構成される(
図1参照)。
側枠部材21,22、上枠部材23及び下枠部材24は、予め工場等で一体に溶接接合される。
【0012】
側枠部材21の枠内側に面は、開閉体10の戸先側に嵌り合う横断面略L字状(
図3参照)に形成され、その屋内側の角部分に、弾性気密材26が設けられる。
この側枠部材21の枠内側の面は、開閉体10の戸先側端部10aに対し、隙間sを置いて対向する対向面21aである。
【0013】
弾性気密材26は、弾性材料(例えば、ゴムやエラストマー樹脂等)によって、側枠部材21の上下方向の略全長にわたる長尺状に形成される。この弾性気密材26は、開閉体10戸先側における屋内側の角部分に圧接されて、開閉体10による閉鎖性(気密性や水密性、防音性等)を高める。
【0014】
側枠部材22は、側枠部材21と左右対称形状である。この側枠部材22には、側枠部材21と同様にして弾性気密材26が設けられる。
また、上枠部材23及び下枠部材24についても、側枠部材21と略同様にして弾性気密材26が設けられる(図示せず)。
【0015】
図中符号25は、開閉体10を回動可能に軸支するヒンジである。このヒンジ25は、図示例によれば蝶番であるが、ピポットヒンジ等、他の態様のものを適用可能である。
【0016】
閉鎖状態の開閉体10の戸先側端部、上端部又は下端部と、これら端部にそれぞれ対向する枠体20の対向面21a,22a,23a,24aとの間には、開閉体10の開閉回動を可能にするように隙間sが確保される(
図1参照)。
【0017】
防水具30は、開閉体10の戸先側端部10aと側枠部材21の隙間sに水が浸入するのを阻むように、この隙間sを上下方向の全長にわたって水の浸入側から覆うとともに、この隙間sに挿入される。
【0018】
この防水具30は、隙間sに差し込まれる挿込み部31と、隙間sを水の浸入側から覆う覆部32と、枠体20に対し着脱可能な着脱部33とを一体的に有する(
図3参照)。
【0019】
挿込み部31及び覆う覆部32は、弾性を有する材料(例えば、ゴムやエラストマー樹脂等)から横断面T字状に一体成形され、隙間sの上下方向の全長にわたって連続している。
【0020】
挿込み部31は、戸先側端部10aと対向面21aの隙間sの横幅寸法よりも薄い板状に形成される。この構成によれば、開閉体10を開閉回動する場合に、挿込み部31が対向面21aに擦れるのを防ぐことができる。
【0021】
覆部32は、開閉体10と枠体20の間を横幅方向に跨るとともに、隙間sにおける水の浸入側の開口を、隙間sの上下方向の全長にわたって連続的に塞いでいる。
この覆部32は、挿込み部31が隙間sに差し込まれることで、見付け方向において位置決めされる。
そして、この覆部32は、挿込み部31を境にした片半部32aが、側枠部材21の見付け面に接し、その他半部32bが着脱部33を介して開閉体10表面の端部側に接着される。
【0022】
挿込み部31の見込み方向の長さは、隙間sの見込み方向の長さの半分よりも大きい(
図3参照)。この構成によれば、挿込み部31が隙間sの奥までしっかりと入り込むため、防水具30が安易に外れてしまうようなことを防ぐことができる上、奥まで延びた挿込み部31の分、隙間sへの水の浸入を軽減でき、ひいては止水性能の向上に寄与する。
なお、図示例によれば、挿込み部31の見込み方向の長さを覆部32の見付け方向の長さよりも長くしているが、他例としては、これら二つの長さを略同等にした態様や、覆部32の見付け方向の長さを挿込み部31の見込み方向の長さよりも大きくした態様等としてもよい。
【0023】
着脱部33は、両面テープであり、その一方の粘着面が覆部32における他半部32bの内面に接着される。
この着脱部33の他方の粘着面は、図示しない剥離紙が剥がされた後に、開閉体10における屋外側面の隙間s寄りの部分に接着される。
【0024】
なお、着脱部33の他例としては、帯状のマグネットを用いることが可能である。このマグネットは、好ましくは、ゴム磁石等と呼称される可撓性を有するものを適用する。この着脱部33は、開閉体10に繰り返し着脱された場合でも、その着脱性を良好に維持することができる。
【0025】
また、着脱部33の他例としては、上記両面テープ以外の接着剤とすることも可能である。
さらに他例としては、覆部32を嵌合やねじ止め等により開閉体10に対し着脱可能に固定した態様とすることも可能である。
また、着脱部33は、マグネットや粘着剤等の複数の着脱手段による構成とすることも可能である。
【0026】
次に、上記構成の建具装置A及び防水具30について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
豪雨等のために建具装置Aの止水性能を高める場合には、閉鎖状態の開閉体10と側枠部材21の間に、防水具30が装着される(
図3参照)。
詳細に説明すれば、開閉体10と側枠部材21の隙間sに対し挿込み部31が挿入され、挿込み部31と着脱部33の間の内隅部分が、開閉体10の戸先側における屋外側の角部分に嵌め合わせられて、着脱部33が開閉体10に接着される。
なお、防水具30は、建具装置Aを設置した際の初期状態で装着しておいてもよいし、建具装置Aを設置した後、例えば豪雨などが予想される場合等に、後付けされるようにしてもよい。
【0027】
防水具30の装着状態において、挿込み部31は開閉体10の戸先側端部10aに接し、挿込み部31と対向面21aの間には、開閉体10の開閉動作を可能にするように、若干の隙間が確保される。
また、開閉体10と側枠部材21の隙間sは、その水の浸入側の開口が、上下方向の略全長にわたって覆部32によって覆われる。
【0028】
開閉体10及び側枠部材21に風雨が吹き付けられた場合、その風雨等の圧力により、覆部32の片半部32aが側枠部材21に弾性的に圧接される。このため、隙間sの屋外側の開口が、覆部32によって水密に閉鎖される。
【0029】
よって、仮に弾性気密材26が損傷等して弾性気密材26による閉鎖性が低下した場合でも、雨等による水が隙間sに入り込むのを防水具30によって阻むことができ、さらには、水が屋内側へ浸入するのを防ぐことができる。
なお、側枠部材21の見付け面と開閉体10の屋外側面とに段差がある場合でも、片半部32aが弾性的に撓んで側枠部材21及び開閉体10に密接するため、水の浸入を効果的に防ぐことがきる。
【0030】
また、上記建具装置Aによれば、防水具30を開閉体10に装着した後であっても、開閉体10の開閉が容易である(
図2の二点鎖線参照)。
また、風雨等の影響が少ない場合には、着脱部33を開閉体10から剥がすようにして、防水具30を容易に取り外すことができる。
【0031】
なお、上記実施形態によれば、特に好ましい一例として防水具30全体を弾性材料から形成したが、この防水具30は、少なくとも裏面側を、弾性を有する材料により形成すればよい。具体的には、覆部32における片半部32aの裏面側のみを弾性を有する材料に形成したものであってもよい。
このようにすれば、側枠部材21に対して、片半部32aの裏面側が弾性的に密接するため、良好な防水性能を得ることができる。
【0032】
<第二の実施形態>
図4に要部を示す建具装置は、上記建具装置Aについて、防水具30を防水具30’に置換したものである。
防水具30’は、上記防水具30について、挿込み部31を挿込み部31’に置換したものである。
【0033】
挿込み部31’は、先細状の横断面を、隙間sの上下方向の全長にわたって連続している。この挿込み部31’は、弾性材料によって覆部32と一体に成形される。
【0034】
よって、上記構成の建具装置Bによれば、開閉体10と側枠部材21の隙間sに挿込み部31’が差し込まれると、この挿込み部31’の基端側(別表現をすれば、付け根側)が側枠部材21と開閉体10の両方に密接する。また、覆部32は、上記防水具30と同様にて、側枠部材21と開閉体10を跨る。
このため、側枠部材21と開閉体10の隙間sへ雨水等が浸入するのを、防水具30’によって、より効果的に阻むことができる。
【0035】
なお、
図4に示す建具装置Bでは、特に好ましい一例として、覆部32及び挿込み部31’の全体を弾性材料から形成したが、この防水具30は、少なくとも挿込み部31’の基端側を、弾性を有する材料により形成すればよい。
具体的には、挿込み部31’の基端側の表層側のみが弾性を有する材料により形成され、他の部分が硬質材料により形成された態様とすることが可能である。
この具体例によれば、挿込み部31’の基端側の弾性を有する部分が、その両側に位置する側枠部材21と開閉体10に密接するため、良好な防水性能を得ることができる。
【0036】
<第三の実施形態>
図5に示す建具装置Cは、上記建具装置Aについて、開閉体10の戸先側端部と側枠部材21の隙間s、開閉体10の戸尻側端部と側枠部材22の隙間s、開閉体10の上端部と上枠部材23の隙間s、開閉体10の下端部と下枠部材24の隙間sに、それぞれ、防水具30(又は30’)を装着している。
言い換えれば、開閉体10の四方の端部と、対向する枠体20の内面との間に対し、それぞれ防水具30(又は30’)が装着される。
なお、開閉体10の戸尻側端部と側枠部材22の間は、ヒンジ25を有する部分以外の隙間sに、防水具30(又は30’)が装着される。
【0037】
よって、建具装置Cによれば。開閉体10周囲の隙間sのすべてを屋外側から防水具30(又は30’)によって水密に塞ぐことができ、いっそう防水性能を向上することができる。
特に、開閉体10の屋外側に水が溜まり、その水嵩が増して、建具装置Cの一部分又は全部が水没した場合でも、各防水具30(30’)の覆部32が水圧を受けて枠体20及び開閉体10に密接するため、良好な止水性能を発揮することができる。
【0038】
<第四の実施形態>
図6に示す建具装置Dは、左右両側の開閉体10,10’を開閉するようにした両開き(観音開きとも称する場合もある)のドア装置(開き戸)について、左右の開閉体10,10’の隙間sを、防水具30によって覆っている。
【0039】
一方の開閉体10は、上記建具装置Aのものと略構成である。
他方の開閉体10’は、一方の開閉体10を左右対称にした横断面形状を呈するとともに、その戸先側に、閉鎖された際の開閉体10を受ける受部11’を有する。この開閉体10’は、戸尻側がヒンジ25を介して側枠部材21に枢支される。
この開閉体10’の戸先側端部は、開閉体10の戸先側端部10aとの間に隙間sを置いた対向面10a’である。
【0040】
受部11’は、開閉体10’の戸先側端部の屋内寄り部分から、開閉体10側へ突出している。この受部11’には、上下方向にわたって弾性気密材26が装着される。この弾性気密材26は、開閉体10における屋内側面の角寄り部分に圧接される(
図6参照)。
【0041】
この建具装置Dにおいて、防水具30は、その挿込み部31を隙間sに挿入して、着脱部33を開閉体10の屋外側面に接着し、覆部32の片半部32aを開閉体10’の屋外側面に密接させる。
【0042】
よって、上記構成の建具装置Dによれば、仮に受部11’のヒンジ25が損傷等した場合でも、開閉体10と開閉体10’の間の隙間sへ屋外側から水が浸入するのを、防水具30によって阻むことができる。
なお、左側の開閉体10’と右側の開閉体10で段差がある場合でも、片半部32aが弾性的に撓んでこれら両開閉体10,10’に密接するため、水の浸入を効果的に防ぐことがきる。
また、防水具30を装着した状態であっても、両方の開閉体10,開閉体10’を開閉することができる。
【0043】
なお、上記建具装置Dにおいても、防水具30を防水具30’(
図4参照)に置換したり、上記建具装置C(
図5参照)と同様にして、開閉体10,10’の四方の隙間にそれぞれ防水具30(又は30’)を設けたりすることが可能である。
【0044】
<他の変形例>
なお、上記実施形態によれば、防水具30(30’)を屋外側に設けて屋外側で発生する水が隙間sを通って屋内側へ浸入するのを阻むようにしたが、他例としては、防水具30(30’)を屋内側に設けて、屋内側で発生する水が隙間sを通って屋外側へ流れるのを阻むことも可能である。すなわち、水の浸入側を屋内側とすることも可能である。
【0045】
また、上記実施形態によれば、特に好ましい態様として、防水具30(30’)を開閉体10側に装着したが、他例としては、防水具30(30’)を枠体20側(又は開閉体10’側)に装着することも可能である。
この場合、着脱部33は、開閉体10の端部に対する対向面21a(又は10a‘)の側の部材である側枠部材21(又は開閉体10’)に設ける。
すなわち、例えば、防水具30における片半部32aの裏側に着脱部33を設け、この着脱部33を側枠部材21の見付け面に接着する。そして、同防水具30の他半部32bは、着脱部33を設けずに、開閉体10の開閉動作に応じて弾性的に撓んで開閉体10の開閉動作を妨げないように、横幅方向の寸法が適宜(図示よりも短め)に設定される。
【0046】
図示例では、特に好ましい態様として、防水具30(30’)を開き戸に適用したが、図示例以外の他例としては、防水具30(30’)を、折戸装置や、バランスドア装置、開閉回動する窓装置等、開閉体を回動させて開閉する建具装置に適用することが可能である。
さらに、他例としては、引き戸装置や、引き戸タイプの窓装置等において、戸体(開閉体)と、閉鎖状態の前記戸体に対向する側枠部材との隙間を覆うように、防水具30(30’)を設けることも可能である。
【0047】
また、本発明は上述した具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0048】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
開口部を閉鎖した開閉体と該開閉体の端部に対する対向面との隙間に設けられて該隙間に水が浸入するのを阻む防水具であって、前記隙間に挿入されるとともに前記隙間を水の浸入側から覆うようにしたことを特徴とする防水具(
図1~
図6参照)。
(2)
前記隙間に差し込まれる挿込み部と、前記隙間を前記浸入側から覆う覆部とを有することを特徴とする(1)記載の防水具(
図3及び
図4参照)。
(3)
前記覆部は、少なくとも裏面側が、弾性を有する材料により形成されていることを特徴とする(2)に記載の防水具(
図3及び
図4参照)。
(4)
前記挿込み部及び前記覆部が、弾性を有する材料により一体に形成されていることを特徴とする(2)又は(3)に記載の防水具(
図3及び
図4参照)。
(5)
前記挿込み部は、断面先細状に形成され、その基端側が前記対向面と開閉体に接することを特徴とする(2)~(4)いずれかに記載の防水(
図4参照)具。
(6)
前記挿込み部の少なくとも前記基端側が、弾性を有する材料により形成されていること特徴とする(5)に記載の防水具(
図4参照)。
(7)
前記開閉体又は前記対向面の側の部材に対し着脱可能な着脱部を具備したことを特徴とする(1)~(7)いずれかに記載の防水具(
図3及び
図4参照)。
(8)
前記着脱部には、接着材を含むことを特徴とする(7)に記載の防水具。
(9)
前記着脱部には、マグネットを含むことを特徴とする具備することを特徴とする(7)又は(8)に記載の防水具。
(10)
(1)~(9)いずれかに記載の防水具を具備したことを特徴とする建具装置(
図1~
図6参照)。
(11)
一端側を支点に回動して開口部を開閉する開閉体を備えた建具装置であって、前記開閉体に前記防水具を装着したことを特徴とする(10)に記載の建具装置(
図2及び
図6参照)。
【符号の説明】
【0049】
10:開閉体
10a:戸先側端部
20:枠体
21:側枠部材
21a:対向面
30,30’:防水具
31,31’:挿込み部
32:覆部
33:着脱部
A~D:建具装置
s:隙間