(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024840
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】配線ユニット、シリアルカスケードコネクタシステム
(51)【国際特許分類】
F16P 3/08 20060101AFI20240216BHJP
H01R 31/06 20060101ALI20240216BHJP
G05B 9/03 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
F16P3/08
H01R31/06 M
G05B9/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127765
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 研史
【テーマコード(参考)】
5H209
【Fターム(参考)】
5H209AA05
5H209AA07
5H209BB13
5H209CC03
5H209DD05
5H209DD11
5H209EE05
5H209EE11
5H209GG05
5H209GG20
5H209HH02
5H209HH04
5H209JJ03
5H209JJ07
5H209JJ09
5H209SS01
5H209SS04
5H209TT01
(57)【要約】
【課題】ロック機能付きの安全スイッチを複数配置するときでも安全PLCを要することなく配線の敷設作業を簡略化する。
【解決手段】配線ユニット250には、複数の安全スイッチがカスケード接続される。配線ユニット250は、電源入力部(VCC端子P31、GND端子P34)を介して受け付けた電力を複数の安全スイッチに供給する。配線ユニット250は、最下流の安全スイッチから受け付けたOSSD入力を装置外部にスルー出力する。配線ユニット250は、ロック指示(LOCK)に基づいて上流向きの通信データCOM(ロック入力等)を出力する。配線ユニット250は、下流向きの通信データCOM(AUX出力の束データ等)を受け取り、個別のAUX出力として出力する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータと、当該アクチュエータを検出するスイッチ本体とを有する安全スイッチが、カスケード接続で複数接続される配線ユニットであって、
電力を受け付けるための電源入力部と、
カスケード接続される複数の安全スイッチのうち第一安全スイッチが出力する一対の安全信号である第一安全信号を受ける一対の安全入力端子と、前記電源入力部を介して受け付けた電力を前記複数の安全スイッチに供給するための一対の電源出力端子と、前記第一安全スイッチと双方向通信するための配線ユニット通信端子と、を有する安全スイッチ用ポートと、
前記一対の安全入力端子を介して受ける前記第一安全信号をスルー出力するように、当該一対の安全入力端子と内部接続される安全出力部と、
前記複数の安全スイッチのうち、指示に応じて前記スイッチ本体に対する前記アクチュエータの移動をロック可能な安全スイッチをロックするためのロック指示を受けるロック指示入力部と、
前記複数の安全スイッチの各々の状態を示す情報を個別に出力するための情報出力部と、
前記配線ユニット通信端子を介して受ける前記複数の安全スイッチからの情報に基づいて、前記複数の安全スイッチの各々の状態を示す情報を個別に出力し、前記ロック指示入力部を介して受ける前記ロック指示に基づいてロックを指示するためのロック入力を、前記ロック可能な安全スイッチに出力する配線ユニットMCUと、を備え、
前記安全出力部は、前記第一安全スイッチの故障検知機能により故障検知できるように前記一対の安全入力端子と内部接続される配線ユニット。
【請求項2】
前記配線ユニットMCUは、前記安全入力端子と前記安全出力部とを含む安全出力ラインから絶縁されている、請求項1に記載の配線ユニット。
【請求項3】
前記安全出力ラインに送られる前記第一安全信号を監視してその監視結果を前記配線ユニットMCUに出力する安全信号監視部を備え、前記安全信号監視部は、前記安全出力ラインに送られる前記第一安全信号に基づいて監視信号を送信する送信部と、前記送信部との絶縁通信により前記監視信号を受信して前記配線ユニットMCUに出力する受信部とを備える、請求項2に記載の配線ユニット。
【請求項4】
前記送信部は、前記安全出力ラインに送られる前記第一安全信号に基づいて非電気的な前記監視信号を送信する、請求項3に記載の配線ユニット。
【請求項5】
前記配線ユニットMCUを収容する筐体を備え、
前記安全スイッチ用ポートが前記筐体に設けられるコネクタで構成される、請求項1に記載の配線ユニット。
【請求項6】
前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、
前記筐体外に延びるケーブルと、を備え、
前記安全スイッチ用ポートが前記ケーブルに設けられるコネクタで構成される、請求項1に記載の配線ユニット。
【請求項7】
前記配線ユニットMCUを収容する筐体を備え、
前記筐体に、
前記安全スイッチ用ポートとしての第一安全スイッチ用ポート及び第二安全スイッチ用ポートと、
前記ロック指示入力部として、前記第一安全スイッチ用ポートを介して接続される前
記ロック可能な安全スイッチにロックを指示するためのロック指示を受ける第一ロック指示入力部と、前記第二安全スイッチ用ポートを介して接続される前記ロック可能な安全スイッチにロックを指示するためのロック指示を受ける第二ロック指示入力部と、が設けられる、請求項1に記載の配線ユニット。
【請求項8】
前記複数の安全スイッチとして、複数の前記ロック可能な安全スイッチが接続されるとき、前記配線ユニットMCUが、複数の前記ロック可能な安全スイッチの各々に同一のロック入力を供給する、請求項1に記載の配線ユニット。
【請求項9】
前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、
前記筐体に設けられ、前記配線ユニット通信端子を介して受ける前記複数の安全スイッチからの情報に基づいて、前記複数の安全スイッチの各々の状態を個別に表示する表示灯と、を備える請求項1に記載の配線ユニット。
【請求項10】
前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、
前記筐体に設けられ、前記安全スイッチ用ポートに含まれる前記安全入力端子が受ける第一安全信号の状態を表示するOSSD表示灯と、を備える請求項1に記載の配線ユニット
【請求項11】
前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、
前記筐体外に延びる、前記安全出力部としてのケーブルと、を備える請求項1に記載の配線ユニット。
【請求項12】
前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、
前記筐体外に延びる、前記ロック指示入力部としてのケーブルと、を備える請求項1に記載の配線ユニット。
【請求項13】
前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、
前記筐体外に延びる、前記情報出力部としてのケーブルと、を備える請求項1に記載の配線ユニット。
【請求項14】
前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、
前記筐体外に延びる、前記電源入力部としてのケーブルと、を備える請求項1に記載の配線ユニット。
【請求項15】
前記安全出力部、前記ロック指示入力部、前記情報出力部、及び前記電源入力部、の少なくとも一つが端子台で構成される、請求項1に記載の配線ユニット。
【請求項16】
アクチュエータと、当該アクチュエータを検出するスイッチ本体とを有する安全スイッチとしての第一安全スイッチ及び第二安全スイッチと、
前記第一安全スイッチと前記第二安全スイッチとがカスケード接続で接続される配線ユニットと、
を備え、
前記第一安全スイッチ及び前記第二安全スイッチの少なくとも一方は、ロック入力に応じて前記アクチュエータの移動をロック可能なロック部を備える、ロック可能な安全スイッチであり、
前記第一安全スイッチは、
前記第二安全スイッチが出力する一対の安全信号である第二安全信号を受けるための一対の第一安全入力端子と、
前記配線ユニットに一対の安全信号である第一安全信号を出力するための一対の第一
安全出力端子と、
前記第二安全スイッチと双方向通信するための第一端子と、
前記配線ユニットと双方向通信するための第二端子と、
前記スイッチ本体に対して前記アクチュエータが所定範囲内にあることを検出する検出部と、
前記第一安全入力端子を介して受ける前記第二安全信号と前記検出部による検出結果とに基づいて前記第一安全信号を出力すると共に、前記第一端子を介して受ける前記第二安全スイッチの状態を示す情報に基づいて前記第一安全スイッチと前記第二安全スイッチとの状態を示す情報を、前記第二端子を介して出力する安全スイッチMCUと、
前記第一安全スイッチの故障を検知する故障検知部と、を備え、
前記配線ユニットは、
前記第一安全信号を受ける一対の安全入力端子と、電力を受け付けるための電源入力部と、前記電源入力部を介して受け付けた電力を前記第一安全スイッチ及び前記第二安全スイッチに供給するための一対の電源出力端子と、前記第一安全スイッチと双方向通信するための配線ユニット通信端子と、を有する安全スイッチ用ポートと、
前記安全入力端子を介して受ける前記第一安全信号をスルー出力するように、前記一対の安全入力端子と内部接続される安全出力部と、
前記ロック可能な安全スイッチをロックするためのロック指示を受けるロック指示入力部と、
前記複数の安全スイッチの各々の状態を示す情報を個別に出力するための情報出力部と、
前記配線ユニット通信端子を介して受ける情報に基づいて、前記第一安全スイッチの状態を示す情報と、前記第二安全スイッチの状態を示す情報と、を個別に出力し、前記ロック指示入力部を介して受ける前記ロック指示に基づいてロックを指示するためのロック入力を、前記配線ユニット通信端子を介して前記ロック可能な安全スイッチに出力する配線ユニットMCUと、を備え、
前記安全出力部は、前記安全出力部からスルー出力される前記第一安全信号を受ける先で前記第一安全スイッチが備える故障検知部により故障が検知できるように前記一対の安全入力端子と内部接続される、シリアルカスケードコネクタシステム。
【請求項17】
前記配線ユニットMCUが前記ロック指示入力部を介して前記ロック指示を受けたとき、前記ロック可能な安全スイッチとしての前記第一安全スイッチにおいて前記ロック部が駆動されるタイミングと異なるタイミングで、前記ロック可能な安全スイッチとしての前記第二安全スイッチの前記ロック部を駆動するための前記ロック入力が前記第二安全スイッチに入力される、請求項16に記載のシリアルカスケードコネクタシステム。
【請求項18】
前記配線ユニットMCUは、その起動時に前記配線ユニット通信端子を介して前記第一安全スイッチに切替信号を送信し、
前記第一安全スイッチは、前記切替信号に基づいて、前記第一端子及び前記第二端子の二つの端子の動作モードを、前記第一端子及び前記第二端子の一方を、前記ロック入力を受け付けるロック入力端子として、他方を前記第一安全スイッチの状態を示す情報を出力する状態情報出力端子として使用する第一動作モードから、前記第一端子を前記第二安全スイッチと双方向通信するための上流通信端子として、前記第二端子を前記配線ユニットと双方向通信するための下流通信端子として使用する第二動作モードに切り替える、請求項16に記載のシリアルカスケードコネクタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の安全スイッチをシリアルにカスケード接続するための配線ユニット及びシリアルカスケードコネクタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレス装置、作業ロボット等の危険源から作業者を保護するための安全コンポーネントの一つとして安全スイッチ(安全ドアスイッチ又は安全ドアセンサとも呼ばれる)が知られている。なお、一つの危険源に対して複数の安全スイッチが設置される場合には、省配線の観点から、シリアルカスケードコネクタシステムを使用して複数の安全スイッチを連結することが多い。
【0003】
図10は、シリアルカスケードコネクタシステムの一従来例を示す図である。本従来例のシリアルカスケードコネクタシステム100は、複数(本図では8つ)の安全スイッチ110(1)~110(8)と、電源ユニット120と、安全コントローラ130と、非安全コントローラ140と、を備える。
【0004】
なお、安全スイッチ110(1)~(8)それぞれに共通する事項が説明される場合には、参照番号の数字に続く括弧書きの数字(1)~(8)が省略され得る。
【0005】
安全スイッチ110は、電源端子P11(VCC)、接地端子P12(GND)、OSSD[Output Signal Switching Device]出力端子P13及びP14(OSSD1_O及びOSSD2_O)、ロック入力端子P17(LOCK)及びAUX出力端子P18(AUX)の6ポートを備えている。
【0006】
なお、OSSD出力は、危険源が安全状態であることを報知するために用いられる安全出力である。ロック入力は、安全スイッチ110のロック部を駆動するための制御入力である。AUX出力は、安全スイッチ110の状態表示を行うために用いられる非安全出力(=OSSD出力以外の出力信号)である。
【0007】
さらに、複数の安全スイッチ110をシリアルにカスケード接続するためには、上記の6ポートに加えて、OSSD入力端子P15及びP16(OSSD1_I及びOSSD2_I)を備える必要がある。OSSD入力は、上流側の安全スイッチから出力されるOSSD出力を受け付けるための安全入力に相当する。
【0008】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のカスケード接続を行えば、OSSD出力を伝送するための配線が1本(
図10では2重化のために2本)にまとめられる。そのため、安全スイッチ110の総数に対して安全コントローラ130に入力される配線の本数を削減することができる。
【0011】
但し、従来のカスケード接続においては、複数の安全スイッチ110の安全出力を関連
付ける(例えば、上流側の安全スイッチの安全出力がOFFのとき、当該上流側の安全スイッチの安全出力を受ける下流側安全スイッチは、自身の判定結果によらず安全出力をOFFにする)ことが主目的である。このため、OSSD出力を伝送するための配線については、それぞれの接続先が安全コントローラ130から隣の安全スイッチ110に変わるが、ロック入力及びAUX出力については、安全スイッチ110に対してロック入力を出力する機器や安全スイッチ110のAUX出力を受ける機器と別途接続する必要がある。このため、カスケード接続を用いずに各安全スイッチ110に対して直接接続するのと同様の配線が必要である、という課題がある。
【0012】
また、安全スイッチ110に対して直接接続する配線を減らす方法としては、特定の安全スイッチ110に対する複数の入出力について1本の通信線でやりとりが可能な機能を持つ機器として知られている安全コントローラ又は安全PLC[Programmable Logic Controller]を用いる構成も考え得る。しかしながら、安全PLCを使用するためには、例えば、通信線から取得した情報をどのように解釈して表示するかをユーザがプログラミングする必要がある。従って、配線の接続自体に係る作業は低減するものの、使用できる状態にするまでの作業が別途生じる。また、安全PLCには、OSSD出力も伝達されるので、安全システム全体での安全パラメータが低下してしまうという課題がある。加えて、安全PLCは高価であることから、安全システム全体のコストアップを招いてしまう。さらに、安全PLCと安全スイッチとの組み合わせが特定機種同士に限定されるので、汎用性が低いという課題もある。
【0013】
さらに、特許文献1の従来技術では、例えば、各安全スイッチのAUX出力の入出力系統(端子)に対応する入出力系統をそれぞれ設け、それらを束ねたケーブルを用いることでロック機能を持たない安全スイッチの配線の敷設作業を簡略化する構成が開示される。しかしながら、本従来技術では、各入出力系統は1つの入出力系統に対して1つの安全スイッチが対応する。つまり、ケーブル及びコネクタの極数に制約がある。そのため、ロック入力が必要なロック機能付きの安全スイッチを接続対象とすることができない。また、AUX出力での状態検出などが可能な安全スイッチの数は、ケーブル及びコネクタの極数により制限される。特に、ロック入力のための入出力系統を別途設けるとすると、1つの安全スイッチに対してAUX出力とロック入力との2つの入出力系統が必要になるため、接続可能な安全スイッチの数がケーブル及びコネクタの極数により制限されやすい。
【0014】
本発明は、上記の課題に鑑み、ロック機能付きの安全スイッチを複数配置するときでも安全PLCを要することなく配線の敷設作業を簡略化することのできる配線ユニットと、当該配線ユニットを用いるシリアルカスケードコネクタシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決する配線ユニットは、
アクチュエータと、当該アクチュエータを検出するスイッチ本体とを有する安全スイッチが、カスケード接続で複数接続される配線ユニットであって、
電力を受け付けるための電源入力部と、
カスケード接続される複数の安全スイッチのうち第一安全スイッチが出力する一対の安全信号である第一安全信号を受ける一対の安全入力端子と、前記電源入力部を介して受け付けた電力を前記複数の安全スイッチに供給するための一対の電源出力端子と、前記第一安全スイッチと双方向通信するための配線ユニット通信端子と、を有する安全スイッチ用ポートと、
前記一対の安全入力端子を介して受ける前記第一安全信号をスルー出力するように、当該一対の安全入力端子と内部接続される安全出力部と、
前記複数の安全スイッチのうち、指示に応じて前記スイッチ本体に対する前記アクチュ
エータの移動をロック可能な安全スイッチをロックするためのロック指示を受けるロック指示入力部と、
前記複数の安全スイッチの各々の状態を示す情報を個別に出力するための情報出力部と、
前記配線ユニット通信端子を介して受ける前記複数の安全スイッチからの情報に基づいて、前記複数の安全スイッチの各々の状態を示す情報を個別に出力し、前記ロック指示入力部を介して受ける前記ロック指示に基づいてロックを指示するためのロック入力を、前記ロック可能な安全スイッチに出力する配線ユニットMCUと、を備え、
前記安全出力部は、前記第一安全スイッチの故障検知機能により故障検知できるように前記一対の安全入力端子と内部接続される。
【0016】
また、上記課題を解決するシリアルカスケードコネクタシステムは、
アクチュエータと、当該アクチュエータを検出するスイッチ本体とを有する安全スイッチとしての第一安全スイッチ及び第二安全スイッチと、
前記第一安全スイッチと前記第二安全スイッチとがカスケード接続で接続される配線ユニットと、
を備え、
前記第一安全スイッチ及び前記第二安全スイッチの少なくとも一方は、ロック入力に応じて前記アクチュエータの移動をロック可能なロック部を備える、ロック可能な安全スイッチであり、
前記第一安全スイッチは、
前記第二安全スイッチが出力する一対の安全信号である第二安全信号を受けるための一対の第一安全入力端子と、
前記配線ユニットに一対の安全信号である第一安全信号を出力するための一対の第一安全出力端子と、
前記第二安全スイッチと双方向通信するための第一端子と、
前記配線ユニットと双方向通信するための第二端子と、
前記スイッチ本体に対して前記アクチュエータが所定範囲内にあることを検出する検出部と、
前記第一安全入力端子を介して受ける前記第二安全信号と前記検出部による検出結果とに基づいて前記第一安全信号を出力すると共に、前記第一端子を介して受ける前記第二安全スイッチの状態を示す情報に基づいて前記第一安全スイッチと前記第二安全スイッチとの状態を示す情報を、前記第二端子を介して出力する安全スイッチMCUと、
前記第一安全スイッチの故障を検知する故障検知部と、を備え、
前記配線ユニットは、
前記第一安全信号を受ける一対の安全入力端子と、電力を受け付けるための電源入力部と、前記電源入力部を介して受け付けた電力を前記第一安全スイッチ及び前記第二安全スイッチに供給するための一対の電源出力端子と、前記第一安全スイッチと双方向通信するための配線ユニット通信端子と、を有する安全スイッチ用ポートと、
前記安全入力端子を介して受ける前記第一安全信号をスルー出力するように、前記一対の安全入力端子と内部接続される安全出力部と、
前記ロック可能な安全スイッチをロックするためのロック指示を受けるロック指示入力部と、
前記複数の安全スイッチの各々の状態を示す情報を個別に出力するための情報出力部と、
前記配線ユニット通信端子を介して受ける情報に基づいて、前記第一安全スイッチの状態を示す情報と、前記第二安全スイッチの状態を示す情報と、を個別に出力し、前記ロック指示入力部を介して受ける前記ロック指示に基づいてロックを指示するためのロック入力を、前記配線ユニット通信端子を介して前記ロック可能な安全スイッチに出力する配線ユニットMCUと、を備え、
前記安全出力部は、前記安全出力部からスルー出力される前記第一安全信号を受ける先で前記第一安全スイッチが備える故障検知部により故障が検知できるように前記一対の安全入力端子と内部接続される。
【0017】
なお、その他の特徴、要素、ステップ、利点、及び、特性については、以下に続く発明を実施するための形態及びこれに関する添付の図面によって、さらに明らかとなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ロック機能付きの安全スイッチを複数配置するときであっても、安全PLCを要することなく配線の敷設作業を簡略化することのできるシリアルカスケードコネクタシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】シリアルカスケードコネクタシステムの第1実施形態を示す図
【
図2】シリアルカスケードコネクタシステムの第2実施形態を示す図
【
図3】シリアルカスケードコネクタシステムの適用例を示す図
【
図8】安全スイッチにおける信号処理の一例を示す図
【
図10】シリアルカスケードコネクタシステムの一従来例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
<シリアルカスケードコネクタシステム(第1実施形態)>
図1は、シリアルカスケードコネクタシステムの第1実施形態を示す図である。第1実施形態のシリアルカスケードコネクタシステム200は、複数(本図では8つ)の安全スイッチ210(1)~210(8)と、電源ユニット220と、安全コントローラ230と、非安全コントローラ240と、省配線ユニット250と、を備える。
【0021】
なお、安全スイッチ210(1)~(8)それぞれに共通する事項が説明される場合には、参照番号の数字に続く括弧書きの数字(1)~(8)が省略され得る。
【0022】
安全スイッチ210は、電源端子P21(VCC)、接地端子P22(GND)、OSSD出力端子P23及びP24(OSSD1_O及びOSSD2_O)、OSSD入力端子P25及びP26(OSSD1_I及びOSSD2_I)、下流通信端子P27(COM_D)及び上流通信端子P28(COM_U)の8ポートを備えている。
【0023】
なお、安全スイッチ210は、スイッチ本体とアクチュエータ(いずれも不図示)を有し、各自に対応するドアの開閉状態を検出するように配置されている。また、安全スイッチ210(1)~210(8)のうち、少なくとも一つは、ロック入力に応じてアクチュエータの移動をロック可能なロック部(電磁石など)を備える。
【0024】
安全スイッチ210(1)~210(8)のうち、最上流の安全スイッチ210(8)は、自身が対応するドアの開閉状態に基づいて、自身の下流側に接続される安全スイッチ210(7)にOSSD出力を送る。
【0025】
中間の安全スイッチ210(i)(ただしi=2、3、…、7)は、それぞれ、自身の上流側に接続される安全スイッチ210(i+1)から出力されるOSSD出力をOSS
D入力として受け取り、当該OSSD入力と自身が対応するドアの開閉状態に基づいて、自身の下流側に接続される安全スイッチ210(i-1)にOSSD出力を送る。
【0026】
最下流の安全スイッチ210(1)は、自身の上流側に接続される安全スイッチ210(2)から出力されるOSSD出力をOSSD入力として受け取り、当該OSSD入力と自身が対応するドアの開閉状態に基づいて、自身の下流側に接続される省配線ユニット250にOSSD出力を送る。
【0027】
なお、安全スイッチ210(1)から省配線ユニット250に出力されるOSSD出力は、安全スイッチ210(1)~210(8)それぞれが対応するドアが全て閉じられているときにON信号(=動作許可信号)となり、一つでもドアが閉じられていないときにOFF信号(=動作不許可信号)となる。
【0028】
また、最下流の安全スイッチ210(1)は、下流通信端子P27(COM_D)に接続される省配線ユニット250との間で双方向通信を行うとともに、上流通信端子P28(COM_U)に接続される安全スイッチ210(2)との間で双方向通信を行う。同様に、中間の安全スイッチ210(i)は、それぞれ、下流通信端子P27(COM_D)に接続される安全スイッチ210(i-1)との間で双方向通信を行うとともに、上流通信端子P28(COM_U)に接続される安全スイッチ210(i+1)との間で双方向通信を行う。上記の双方向通信では、従来例(
図10)のAUX出力及びロック入力が通信データとしてやり取りされる。
【0029】
AUX出力に着目すると、最上流の安全スイッチ210(8)は、自身が対応するドアの開閉状態、ロック状態、及び、エラー状態などに基づくAUX出力を下流向けの通信データとして出力する。1つ下流側の安全スイッチ210(7)は、上流からの通信データに自身のAUX出力を重畳して下流に出力する。以降も同様の信号処理が行われる。その結果、最下流の安全スイッチ210(1)から省配線ユニット250に出力される下流向けの通信データは、安全スイッチ210(1)~210(8)全てのAUX出力が一つに束ねられた内容を含む。
【0030】
安全スイッチ210(1)は、「第一安全スイッチ」に相当する。安全スイッチ210(1)の上流側に接続される安全スイッチ210(2)は、「第二安全スイッチ」に相当する。安全スイッチ210(1)の下流側に接続される省配線ユニット250は、「配線ユニット」に相当する。省配線ユニット250に接続される安全コントローラ230は、「安全制御装置」に相当する。
【0031】
安全スイッチ210(1)から省配線ユニット250に出力されるOSSD出力(OSSD1_O及びOSSD2_O)は、「第一安全信号」に相当する。安全スイッチ210(2)から安全スイッチ210(1)に入力されるOSSD入力(OSSD1_I及びOSSD2_I)は、「第二安全信号」に相当する。
【0032】
安全スイッチ210(1)から省配線ユニット250に出力される通信データ、すなわち、安全スイッチ210(1)~210(8)それぞれの状態を示すAUX出力(AUX1~AUX8)を一つに束ねた通信データは、「第一状態情報」に相当する。安全スイッチ210(2)から安全スイッチ210(1)に出力される通信データ、すなわち、安全スイッチ210(2)~210(8)それぞれの状態を示すAUX出力(AUX2~AUX8)を一つに束ねた通信データ)は、「第二状態情報」に相当する。
【0033】
安全スイッチ210(1)において、OSSD入力端子P25及びP26(OSSD1_I及びOSSD2_I)は、安全スイッチ210(2)からOSSD入力を受けるため
の「第一安全入力端子」に相当する。OSSD出力端子P23及びP24(OSSD1_O及びOSSD2_O)は、省配線ユニット250にOSSD出力を出力するための「第一安全出力端子」に相当する。
【0034】
また、安全スイッチ210(1)において、上流通信端子P28(COM_U)は、安全スイッチ210(2)から下流向きの通信データ(=AUX出力)を受ける一方、安全スイッチ210(2)に上流向きの通信データ(=ロック入力)を出力するための「上流通信端子」に相当する。一方、下流通信端子P27(COM_D)は、省配線ユニット250から上流向きの通信データ(=ロック入力)を受ける一方、省配線ユニット250に下流向きの通信データ(=AUX出力)を出力するための「下流通信端子」に相当する。
【0035】
省配線ユニット250は、最下流の安全スイッチ210(1)と電源ユニット220、安全コントローラ230及び非安全コントローラ240との間に設けられる。
【0036】
省配線ユニット250は、電源ユニット220から入力電圧VCC及び接地電圧GNDの供給を受けて動作する。なお、省配線ユニット250は、電源ユニット220から安全スイッチ210(1)~210(8)への電力供給経路としても機能する。
【0037】
また、省配線ユニット250は、安全スイッチ210(1)から受け取ったOSSD出力(OSSD1及びOSSD2)を安全コントローラ230にスルー出力する。なお、ここでの「スルー出力」とは、OSSD出力にロジック処理が何ら施されていないという意味である。すなわち、OSSD出力が伝達される信号経路上にバッファが設けられている場合、又は、OSSD出力にバイアスが掛けられている場合であっても、省配線ユニット250がOSSD出力を「スルー出力」するものと理解され得る。
【0038】
また、省配線ユニット250は、安全コントローラ230からロック指示(LOCK)を受け取り、当該ロック指示(LOCK)に基づいて上流向きの通信データ(=ロック入力)を安全スイッチ210(1)に出力する。なお、上記のロック入力は、最下流の安全スイッチ210(1)から最上流の安全スイッチ210(8)まで順次伝達される。従って、安全スイッチ210(1)~210(8)のうち、ロック部(電磁石など)を備えているものは、ロック入力に応じてアクチュエータの移動をロックすることが可能となる。
【0039】
さらに、省配線ユニット250は、安全スイッチ210(1)から下流向きの通信データ(=AUX出力の束データ)を受け取り、これを個別のAUX出力(AUX1~AUX8)に分離して非安全コントローラ240に出力する。従って、非安全コントローラ240は、安全スイッチ210(1)~210(8)それぞれの状態を個別に把握することが可能となる。
【0040】
このように、本実施形態のシリアルカスケードコネクタシステム200であれば、先出の従来例(
図10)と同じく、OSSD出力を伝送するための配線が1本(
図1では2重化のために2本)にまとめられる。
【0041】
また、省配線ユニット250は、単一の通信線を介して安全スイッチ210(1)(延いては全ての安全スイッチ210(1)~210(8))と双方向通信を行う機能を備えている。すなわち、先出の従来例(
図10)において、安全コントローラ130及び非安全コントローラ140と安全スイッチ110(1)~110(8)との間に敷設されていた16本(=LOCK×8本+AUX×8本)の配線が1本にまとめられる。
【0042】
従って、安全スイッチ210(1)~210(8)の総数に対して省配線ユニット250に入力される配線の本数を削減することが可能となる。その結果、安全スイッチ210
(1)~210(8)を一括制御するための配線の敷設作業を簡略化することができる。
【0043】
また、本実施形態のシリアルカスケードコネクタシステム200は、特定のセンサと通信する機能を持つ安全コントローラ又は安全PLCを必要としない。安全コントローラ230及び非安全コントローラ240に代えて安全PLCを導入する場合には、制御対象機器(ここでは安全スイッチ210(1)~210(8))からの信号を、安全PLCでどのように処理するかをプログラミングする必要がある。
【0044】
一方、省配線ユニット250(特にこれに内蔵されたMCU)では、安全スイッチ210(1)~210(8)と安全コントローラ230及び非安全コントローラ240との間で、どのような信号入出力処理(及び表示処理)を行えばよいかが予め設定されている。従って、安全コントローラ230及び非安全コントローラ240は、あたかも安全スイッチ210(1)~210(8)が安全コントローラ230及び非安全コントローラ240それぞれに直接接続されているかのように動作することができる。
【0045】
また、安全コントローラ230及び非安全コントローラ240に代えて、安全PLCが導入される場合、安全PLCには、AUX出力(非安全出力)のほかにOSSD出力(安全出力)が入力される。言い替えると、OSSD出力(安全出力)をやり取りする信号系に安全PLCが介在することになる。複数の安全機器から構成される安全システムでは、これを構成する各安全機器の故障率を元にして安全システム全体の安全パラメータが評価される。そのため、複雑な機能を持つ安全PLCが安全システムに組み込まれると、安全パラメータへの影響が大きいと言える。
【0046】
一方、省配線ユニット250は、安全PLCのようにOSSD出力に何らかのロジック処理を施して受け渡しを行う機器ではなく、安全スイッチ210(1)から入力されるOSSD出力(OSSD1及びOSSD2)をそのまま安全コントローラ230にスルー出力する。従って、省配線ユニット250が安全システムに組み込まれても、安全パラメータへの影響を最小限に抑えることができる。また、後述の通り安全スイッチ210は自身に生じた故障を検知して、その故障検知結果をOSSD出力に反映させることができる。このため、安全スイッチ210が備える故障検知機能をそのまま活用することができる。
【0047】
また、本実施形態のシリアルカスケードコネクタシステム200であれば、特許文献1の従来技術と異なり、AUX出力の入出力系統(端子)の数よりも多くの安全スイッチを対象としてそれぞれの状態検出を行うことが可能となる。
【0048】
なお、本図で示すように、安全スイッチ210(1)と省配線ユニット250との間を結ぶ信号線は5本以下で足りる。従って、汎用的なM12コネクタケーブルを使用することが可能である。
【0049】
<ロックタイミングに関する考察>
ところで、本実施形態のシリアルカスケードコネクタシステム200では、安全コントローラ230から出力される上流向きの通信データにより、安全スイッチ210(1)~210(8)それぞれにロック入力が送信される。
【0050】
このとき、入力対象となる安全スイッチ210(1)~210(8)のロック全てが同時に動作すると、機器の仕様によっては、電源ラインに過大電流が流れたり、ケーブル抵抗での電圧降下により正常動作できなかったりする。これを鑑みると、安全スイッチ210(1)~210(8)それぞれのロックタイミングは、互いにずらして制御することが好ましい。
【0051】
すなわち、シリアルカスケードコネクタシステム200は、省配線ユニット250が安全コントローラ230からロック指示(LOCK)を受けたとき、下流側の安全スイッチ210(1)においてロック部が駆動されるタイミングと異なるタイミングで、上流側の安全スイッチ210(2)のロック部を駆動するためのロック入力が安全スイッチ210(2)に時間差で入力されるように構成されるとよい。さらに上流側に設けられる安全スイッチ210(3)~210(8)についても同様である。
【0052】
例えば、省配線ユニット250から出力される上流向きの通信データに一括のロック指示ビットが含まれている場合を考える。この場合、何らかの工夫をしないと、安全スイッチ210(1)~210(8)それぞれのロック全てがほぼ同時に動作し得る。
【0053】
そこで、最上流以外の安全スイッチ210(1)~210(7)のうち、少なくとも一つにロック指示ビットの遅延機能が組み込まれてもよい。この遅延機能を実現する手法としては、例えば、上記のロック指示ビットが立っていることを認識した時点で自身のロック動作を開始する一方、自身の上流側にはロック指示ビットを一旦クリアして送信し、自身のロック動作が完了した時点でロック指示ビットを再セットして自身の上流側に送信すればよい。このような遅延機能によれば、上流側にロック指示ビットが伝わるタイミングを遅らせることができるので、安全スイッチ210(1)~210(8)それぞれのロックタイミングを互いにずらすことが可能となる。
【0054】
<シリアルカスケードコネクタシステム(第2実施形態)>
図2は、シリアルカスケードコネクタシステムの第2実施形態を示す図である。本実施形態のシリアルカスケードコネクタシステム200は、先出の第1実施形態(
図1)を基本としつつ、省配線ユニット250が複数系統のポート(本図ではポートA及びポートBの2系統)を備えている。
【0055】
省配線ユニット250のポートAには、コネクタCNT1~CNT6及びケーブルCBL1~CBL8を介して、6つの安全スイッチ210(A1)~210(A6)がシリアルにカスケード接続されている。なお、コネクタCNT1~CNT6は、それぞれ、下流側ソケット、上流側ソケット、及び、スイッチ側ソケットを備える。
【0056】
省配線ユニット250のポートAは、ケーブルCBL1を介してコネクタCNT1の下流側ソケットに接続されている。コネクタCNT1の上流側ソケットは、ケーブルCBL2を介してコネクタCNT2の下流側ソケットに接続されている。コネクタCNT2の上流側ソケットは、ケーブルCBL3を介してコネクタCNT3の下流側ソケットに接続されている。コネクタCNT3の上流側ソケットは、ケーブルCBL4を介してコネクタCNT4の下流側ソケットに接続されている。コネクタCNT4の上流側ソケットは、ケーブルCBL5を介してコネクタCNT5の下流側ソケットに接続されている。コネクタCNT5の上流側ソケットは、ケーブルCBL6を介してコネクタCNT6の下流側ソケットに接続されている。コネクタCNT6の上流側ソケットは、ターミネータTM1(終端抵抗又はダミーロードとも呼ばれる)に接続されている。
【0057】
コネクタCNT1、CNT2、CNT5及びCNT6のスイッチ側ソケットは、それぞれ、安全スイッチ210(A1)、210(A2)、210(A5)及び210(A6)に直接的に接続されている。なお、安全スイッチ210(A1)、210(A2)、210(A5)及び210(A6)は、いずれも電磁石を用いたロック部を備えている。従って、安全スイッチ210(A1)、210(A2)、210(A5)及び210(A6)は、省配線ユニット250から伝達されるロック入力を受けてドアロックを実施することが可能である。
【0058】
コネクタCNT3のスイッチ側ソケットは、ケーブルCBL7を介して安全スイッチ210(A3)に接続されている。コネクタCNT4のスイッチ側ソケットは、ケーブルCBL8を介して安全スイッチ210(A4)に接続されている。なお、安全スイッチ210(A3)は、スプリングロックを用いたロック部を備えている。一方、安全スイッチ210(A4)は、何らロック部を備えていない。従って、安全スイッチ210(A3)及び210(A4)は、省配線ユニット250から伝達されるロック入力を受けてもドアロックを実施することができない。
【0059】
省配線ユニット250のポートBには、コネクタCNT7及びCNT8とケーブルCBL9及びCBL10を介して、2つの安全スイッチ210(B1)及び210(B2)がシリアルにカスケード接続されている。なお、コネクタCNT7及びCNT8は、それぞれ、下流側ソケット、上流側ソケット、及び、スイッチ側ソケットを備える。
【0060】
省配線ユニット250のポートBは、ケーブルCBL9を介してコネクタCNT7の下流側ソケットに接続されている。コネクタCNT7の上流側ソケットは、ケーブルCBL10を介してコネクタCNT8の下流側ソケットに接続されている。コネクタCNT8の上流側ソケットは、ターミネータTM2に接続されている。
【0061】
コネクタCNT7及びCNT8のスイッチ側ソケットは、それぞれ、安全スイッチ210(B1)及び210(B2)に直接的に接続されている。安全スイッチ210(B1)及び210(B2)は、いずれも電磁石を用いたロック部を備えている。従って、安全スイッチ210(B1)及び210(B2)は、省配線ユニット250から伝達されるロック入力を受けてドアロックを実施することが可能である。
【0062】
上記したように、本実施形態のシリアルカスケードコネクタシステム200において、省配線ユニット250のポートA及びBには、合計で最大8つの安全スイッチを接続することができる。すなわち、ポートAにx台(ただし0≦x≦8)の安全スイッチが接続される場合、ポートBには最大(8-x)台の安全スイッチが接続され得る。
【0063】
省配線ユニット250は、電源ユニット220から入力電圧VCC及び接地電圧GNDの供給を受けて動作する。なお、省配線ユニット250は、電源ユニット220からポートA及びBそれぞれへの電力供給経路としても機能する。
【0064】
また、省配線ユニット250は、安全スイッチ210(A1)及び210(B1)からポートA及びBにそれぞれ入力されるOSSD出力(OSSD1_A/B及びOSSD2_A/B)を安全コントローラ230にスルー出力する。
【0065】
また、省配線ユニット250は、安全コントローラ230から2系統のロック指示(LOCK_A/B)を受け取り、上流向きの通信データとしてポートA及びBそれぞれから安全スイッチ210(A1)及び210(B1)に出力する。
【0066】
さらに、省配線ユニット250は、安全スイッチ210(A1)及び210(B1)からポートA及びBそれぞれに入力される下流向きの通信データを受け取り、これを個別のAUX出力(AUX1~AUX8)に分離して非安全コントローラ240に出力する。
【0067】
上記のように、省配線ユニット250は、2系統のポートA及びBを備えていること以外、基本的に第1実施形態(
図1)と同様に動作する。従って、安全スイッチ210(A1)~210(A6)、210(B1)及び210(B2)を一括制御するための配線の敷設作業を簡略化することができる。
【0068】
図3は、第2実施形態におけるシリアルカスケードコネクタシステム200の適用例を示す図である。本図で示すように、危険源(工作機械など)の四方が隔離壁で取り囲まれており、複数のドアが異なる側面にそれぞれ設けられている場合を考える。この場合、ドア毎に設けられる安全スイッチへの配線については、配線の敷設作業上、省配線ユニット250から複数系統に分岐されていることが望ましいと言える。
【0069】
本図に即して述べると、省配線ユニット250のポートAには、紙面手前側の隔離壁に配置される安全スイッチ210(A1)~210(A3)がカスケード接続されている。一方、省配線ユニット250のポートBには、紙面奥側の隔離壁に配置される安全スイッチ210(B1)及び210(B2)がカスケード接続されている。
【0070】
また、上記した配線理由の他にも、作業者用のドアと、メンテナンス用のドアとでは、それぞれに設けられる安全スイッチの入出力制御(例えばロック制御)を個別に設定したい場合もあり得る。そのためには、省配線ユニット250が複数系統のポートを備えており、系統毎にOSSD出力とロック入力とが独立されていることが望ましい。
【0071】
<省配線ユニット>
図4は、第2実施形態における省配線ユニット250の外観を示す図である。本図に即して述べると、省配線ユニット250は、スイッチ接続用コネクタ251A及び251Bと、OSSD表示灯252A及び252Bと、スイッチ状態表示灯253と、設定切替用スイッチ254と、を備える。
【0072】
スイッチ接続用コネクタ251Aは、ポートAに対応するコネクタである。
図2に倣うと、スイッチ接続用コネクタ251Aには、ケーブルCBL1が接続される。例えば、スイッチ接続用コネクタ251Aは、本図で示すように、省配線ユニット250の正面視において、上部領域の右寄りに設けてもよい。
【0073】
スイッチ接続用コネクタ251Bは、ポートBに対応するコネクタである。
図2に倣うと、スイッチ接続用コネクタ251Bには、ケーブルCBL9が接続される。例えば、スイッチ接続用コネクタ251Bは、本図で示すように、省配線ユニット250の正面視において、スイッチ接続用コネクタ251Bの下方に設けてもよい。本実施例においてポートA及びポートBはそれぞれ、省配線ユニット250の筐体に設けられるスイッチ接続用コネクタ251A及びスイッチ接続用コネクタ251Bにより構成されるが、省配線ユニット250の筐体の内部から外部に延びるケーブルが設けられ、ケーブルの先端に設けられるコネクタによって構成されても良い。
【0074】
OSSD表示灯252Aは、ポートAにカスケード接続された安全スイッチ210のOSSD出力に応じて点消灯制御される。
図2に倣うと、OSSD表示灯252Aは、安全スイッチ210(A1)~210(A6)それぞれのOSSD出力がいずれもONであるときに緑点灯し、少なくとも1つがOFFであるときに消灯する。例えば、OSSD表示灯252Aは、本図で示すように、省配線ユニット250の正面視において、スイッチ接続用コネクタ251Aの右上隅に設けてもよい。
【0075】
OSSD表示灯252Bは、ポートBにカスケード接続された安全スイッチ210のOSSD出力に応じて点消灯制御される。
図2に倣うと、OSSD表示灯252Bは、安全スイッチ210(B1)及び210(B2)それぞれのOSSD出力がいずれもONであるときに緑点灯し、少なくとも一方がOFFであるときに消灯する。例えば、OSSD表示灯252Bは、本図で示すように、省配線ユニット250の正面視において、スイッチ接続用コネクタ251Bの右上隅に設けてもよい。
【0076】
スイッチ状態表示灯253は、ポートA及びBそれぞれに入力される下流向きの通信データ(=AUX出力の束データ)に基づき、最大8つの安全スイッチ210それぞれの状態を表示する。例えば、スイッチ状態表示灯253は、本図で示すように、省配線ユニット250の正面視において、上部領域の左寄り(=スイッチ接続用コネクタ251A及び251Bそれぞれの左側)で縦に8つ並べて配列してもよい。
【0077】
なお、8つ並べられたスイッチ状態表示灯253は、ポートAに接続された安全スイッチ210が上から順に対応しており、ポートBに接続された安全スイッチ210が下から順に対応している。
図2に倣うと、8つのスイッチ状態表示灯253のうち、上から順に6つが安全スイッチ210(A1)~210(A6)の状態を示し、下から順に2つが安全スイッチ210(B1)及び210(B2)の状態を示す。このような配列であれば、最小限の表示灯数でポートA及びBそれぞれに接続される安全スイッチ210(A1)~210(A6)、210(B1)及び210(B2)の状態表示が区別し易くなる。
【0078】
スイッチ状態表示灯253の点消灯状態と安全スイッチ210との対応関係は次の通りである。例えば、安全スイッチ210がアクチュエータ212を検出しかつロックしているときには、対応するスイッチ状態表示灯253が緑点灯される。安全スイッチ210がアクチュエータ212を検出しかつロック解除しているときには、対応するスイッチ状態表示灯253が緑点滅される。安全スイッチ210がアクチュエータ212を検出していないときには、対応するスイッチ状態表示灯253が赤点灯される。安全スイッチ210がエラー状態であるときには、対応するスイッチ状態表示灯253が赤点滅される。安全スイッチ210が接続されていないときには、スイッチ状態表示灯253が消灯される。
【0079】
このように、スイッチ状態表示灯253は、先出のOSSD表示灯252A及び252Bと比べて表示種類(=緑点灯、緑点滅、赤点灯、赤点滅及び消灯)が多い。
【0080】
設定切替用スイッチ254は、ポートA及びBそれぞれにカスケード接続される安全スイッチ210それぞれの各種設定を切り替えるためのスイッチである。例えば、設定切替用スイッチ254は、本図で示すように、省配線ユニット250の正面視において、下部領域で縦に5つ並べてもよい。
【0081】
なお、設定切替用スイッチ254で切替可能な設定パラメータとしては、OSSD出力形式(PNP/NPN)、OSSD出力条件(ロック連動/開閉連動)、大型表示灯の消灯固定、大型表示灯の緑消灯、及び、電磁石ロックのラッチ力切替などが挙げられる。設定切替用スイッチ254の入力結果は、設定切替コマンドとして省配線ユニット250から出力される上流向きの通信データに含めるとよい。
【0082】
図5は、第2実施形態における省配線ユニット250の機能ブロックを示す図である。本構成例の省配線ユニット250は、ユニット外部との電気的な導通を確立するための手段として、複数の外部端子P31~P48及びP49(1)~P49(8)(VCC、VCC_A、VCC_B、GND、GND_A、GND_B、OSSD1_I_A、OSSD2_I_A、OSSD1_O_A、OSSD2_O_A、OSSD1_I_B、OSSD2_I_B、OSSD1_O_B、OSSD2_O_B、COM_A、COM_B、LOCK_A、LOCK_B、及び、AUX1~AUX8)を備えている。
【0083】
VCC端子P31は、電源ユニット220から入力電圧VCCを受けるための電源入力端子である。VCC_A端子P32は、省配線ユニット250の内部でVCC端子に接続されており、入力電圧VCCをポートAに出力するための電源出力端子である。VCC_B端子P33は、省配線ユニット250の内部でVCC端子に接続されており、入力電圧VCCをポートBに出力するための電源出力端子である。
【0084】
GND端子P34は、電源ユニット220から接地電圧GNDを受けるための接地入力端子である。GND_A端子P35は、省配線ユニット250の内部でGND端子に接続されており、接地電圧GNDをポートAに出力するための接地出力端子である。GND_B端子P36は、省配線ユニット250の内部でGND端子に接続されており、接地電圧GNDをポートBに出力するための接地出力端子である。VCC端子P31とGND端子P34とは、配線ユニット250に電源を入力する電源入力部として機能する。VCC端子P31とGND端子P34とはいずれも、配線ユニット250の筐体から延びるケーブルの先端に設けられる。すなわち、配線ユニット250に電源を入力するための電源入力部はケーブルである。
【0085】
OSSD1_I_A端子P37及びOSSD2_I_A端子P38は、それぞれ、ポートAに接続される安全スイッチ210のOSSD出力(OSSD1及びOSSD2)を受けるための安全入力端子である。OSSD1_O_A端子P39及びOSSD2_O_A端子P40は、それぞれ、省配線ユニット250の内部でOSSD1_I_A端子及びOSSD2_I_A端子に接続されており、ポートAのOSSD出力を安全コントローラ230にスルー出力するための安全出力端子である。OSSD1_O_A端子P39及びOSSD2_O_A端子P40は、配線ユニット250の筐体から延びるケーブルの先端に設けられる。すなわち、ポートAのOSSD出力をスルー出力するための安全出力部はケーブルである。
【0086】
OSSD1_I_B端子P41及びOSSD2_I_B端子P42は、それぞれ、ポートBに接続される安全スイッチ210のOSSD出力(OSSD1及びOSSD2)を受けるための安全入力端子である。OSSD1_O_B端子P43及びOSSD2_O_B端子P44は、それぞれ、省配線ユニット250の内部でOSSD1_I_B端子及びOSSD2_I_B端子に接続されており、ポートBのOSSD出力を安全コントローラ230にスルー出力するための安全出力端子である。OSSD1_O_B端子P43及びOSSD2_O_B端子P440は、配線ユニット250の筐体から延びるケーブルの先端に設けられる。すなわち、ポートBのOSSD出力をスルー出力するための安全出力部はケーブルである。
【0087】
COM_A端子P45は、ポートAに接続される安全スイッチ210から下流向きの通信データ(=ポートAにおけるAUX出力の束データ)を受けると共に、上流向きの通信データ(=ポートAのロック入力)を出力するための配線ユニット通信端子である。
【0088】
COM_B端子P46は、ポートBに接続される安全スイッチ210から下流向きの通信データ(=ポートBにおけるAUX出力の束データ)を受けると共に、上流向きの通信データ(=ポートBのロック入力)を出力するための配線ユニット通信端子である。
【0089】
LOCK_A端子P47及びLOCK_B端子P48は、それぞれ、安全コントローラ230からポートA及びBそれぞれのロック指示を受けるロック指示入力端子である。LOCK_A端子P47及びLOCK_B端子P48は、配線ユニット250の筐体から延びるケーブルの先端に設けられる。すなわちロック指示を受けるロック指示入力部はケーブルである。
【0090】
AUX1端子P49(1)~AUX8端子P49(8)は、それぞれ、ポートA及びBに接続される最大8つの安全スイッチ210それぞれに対応するAUX出力(AUX1~AUX8)を非安全コントローラ240に個別出力するための非安全出力端子である。AUX1端子P49(1)~AUX8端子P49(8)は、配線ユニット250の筐体から延びるケーブルの先端に設けられる。すなわち、安全スイッチ210の状態を個別出力す
るための情報出力部はケーブルである。なお、本実施例において、配線ユニット250に電源を入力するための電源入力部、ポートAとポートBとのOSSD出力をスルー出力するための安全出力部、ロック指示を受けるためのロック指示入力部、及び安全スイッチ210の状態を個別出力するための情報出力部は、いずれもケーブルであるが、それぞれに対応する端子を有する端子台で構成されても良い。
【0091】
また、省配線ユニット250は、その機能ブロックとして、MCU250aと、ロック入力部250bと、電圧レギュレータ250cと、OSSD監視部250dと、AUX出力部250eと、LED[Light Emitting Diode]250fと、を備える。
【0092】
MCU250a(=配線ユニットMCUに相当)は、COM_A端子P45及びCOM_B端子P46それぞれを介して受ける下流向きの通信データ(=ポートA及びBそれぞれにおけるAUX出力の束データ)に基づき、ポートA及びBにカスケード接続される最大8つの安全スイッチ210について、それぞれの状態を個別に把握する。
【0093】
そして、MCU250aは、AUX出力部250e及びLED250fそれぞれを制御することにより、安全スイッチ210それぞれの状態に応じた外部出力制御、及び、表示出力制御(=スイッチ状態表示制御)を行う。なお、MCU250aは、OSSD監視部250dからOSSD出力の監視結果を受けて表示出力制御(=OSSD表示制御)を行う機能も備えている。
【0094】
また、MCU250aは、LOCK_A端子P47及びLOCK_B端子P48からロック入力部250bを介して受けるロック指示に基づき、COM_A端子P45及びCOM_B端子P46から上流向きの通信データ(=ポートA及びBそれぞれのロック入力)を出力する。
【0095】
なお、上記の信号入出力処理(及び表示処理)については、MCU250aに予めプログラミングしておけばよい。
【0096】
ロック入力部250bは、安全コントローラ230からLOCK_A端子P47及びLOCK_B端子P48を介してポートA及びBそれぞれのロック指示を受け取り、これらのロック指示をMCU250aに送出する。
【0097】
電圧レギュレータ250cは、電源ユニット220からVCC端子P31及びGND端子P34を介して入力電圧VCC(例えばDC+24V)及び接地電圧GND(例えば0V)の供給を受け、省配線ユニット250の各部に電力供給を行う。電圧レギュレータ250cとしては、例えばDC-DCコンバータが用いられる。
【0098】
OSSD監視部250dは、省配線ユニット250の内部を伝達されるOSSD出力を監視してその監視結果をMCU250aに出力する安全信号監視部に相当する。例えば、OSSD監視部250dは、二重化されたOSSD出力(OSSD1及びOSSD2)のうち、一方のOSSD出力(OSSD1)を監視すればよい。
【0099】
本図に即して述べると、OSSD監視部250dは、OSSD1_I_A端子P37とOSSD1_O_A端子P39との間に敷設された安全出力ラインからポートAのOSSD出力(OSSD1_A)を引き出して監視するとともに、OSSD1_I_B端子P41とOSSD1_O_B端子P43との間に敷設された安全出力ラインからポートBのOSSD出力(OSSD1_B)を引き出して監視する。
【0100】
なお、OSSD監視部250dは、監視対象となるOSSD出力(OSSD1_A及び
OSSD1_B)に基づいて監視信号を送信する送信部と、送信部との絶縁通信により上記の監視信号を受信してMCU250aに出力する受信部と、を備えるとよい。
【0101】
例えば、上記の送信部は、監視対象となるOSSD出力(OSSD1_A及びOSSD1_B)に基づいて非電気的な監視信号(例えば光信号)を送信してもよい。この場合、上記の送信部及び受信部としては、発光素子(発光ダイオードなど)と受光素子(フォトトランジスタなど)を含むフォトカプラを好適に用いることができる。
【0102】
もちろん、OSSD監視部250dの内部(=上記した送信部と受信部との間)における絶縁通信の方式は、何ら光絶縁方式に限定されるものではなく、トランス絶縁方式又は容量絶縁方式などを採用しても構わない。
【0103】
先にも述べたように、複数の安全機器から構成される安全システムでは、これを構成する各安全機器の故障率を元にして安全システム全体の安全パラメータが評価される。そのため、OSSD出力に影響を及ぼし得る構成要素は、できるだけ少ない方が好ましい。
【0104】
これを鑑みると、MCU250aは、OSSD出力が伝送される安全出力ラインから絶縁されていることが望ましい。本構成であれば、OSSD出力自体は、専用の安全出力ラインを介して省配線ユニット250を素通りさせると共に、MCU25aでは、OSSD出力の独立性を担保しつつそのモニタリングを行うことが可能となる。
【0105】
なお、OSSD出力への影響を一切無くしたベストモードは、OSSD監視部250dを設けないことである。ただし、既存の安全スイッチには、安全状態(≒ドア開閉状態)を通信データとして出力する機能を持っていない機種も存在し、このような安全スイッチが省配線ユニット250に接続されることも想定され得る。そのため、少なくともポート毎の安全状態を把握して表示出力等を行うためには、省配線ユニット250にOSSD監視部250dを設けておく必要がある。
【0106】
AUX出力部250eは、MCU205aの指示に応じて安全スイッチ210毎のAUX出力(AUX1~AUX8)を非安全コントローラ240に個別出力する。
【0107】
LED250fは、MCU205aの指示に応じてOSSD表示及びスイッチ状態表示を行う。なお、LED250fは、例えば、
図4のOSSD表示灯252A並びに252B、及びスイッチ状態表示灯253として理解され得る。
【0108】
<安全スイッチ(適用例)>
図6は、安全スイッチ210の適用例を示す図である。本図では、工作機械などの危険源を包囲したガード300が図示されている。ガード300は、隔離による安全防護の一例であり、本図では隔離壁を備える包囲箱の一部(特に安全スイッチが設けられるドア周辺)が描写されている。ただし、本図の描写はあくまで一例であり、本図の隔離壁を鉄柵などに置き換えて理解することもできる。
【0109】
ガード300は、開閉可能な可動ガードとして両開きのドア301L及び301Rを備えている。ドア301L及び301Rは、それぞれ、透明な樹脂製又は強化ガラス製などであってもよい。左側のドア301Lの右上隅には、安全スイッチ210Lが設けられている。右側のドア301Rの左上隅には、安全スイッチ210Rが設けられている。安全スイッチ210L及び210Rは、それぞれ、先に説明した安全スイッチ210に相当するものとして理解され得る。
【0110】
なお、参照番号の数字に続くアルファベットL及びRは、同一または類似した複数の部
材を区別するために使用されている。複数の部材に共通する事項が説明される場合には、アルファベットL及びRが省略される。
【0111】
安全スイッチ210Lのスイッチ本体211L、及び、安全スイッチ210Rのスイッチ本体211Rは、それぞれ、ガード300のドア枠302に固定されている。このように、ケーブルが接続されるスイッチ本体211は、開閉(移動)が可能なドア301ではなく、固定のドア枠302に設置することが望ましい。
【0112】
一方、安全スイッチ210Lのアクチュエータ212Lは、ドア301Lに固定された支持部材303Lに固定されている。また、安全スイッチ210Rのアクチュエータ212Rは、ドア301Rに固定された支持部材303Rに固定されている。
【0113】
なお、安全スイッチ210は、安全システムに寄与する安全機能として、アクチュエータ212がスイッチ本体211に対して所定の範囲内にあるか否かを検出し、その検出結果を安全信号(OSSD)として出力する。
【0114】
例えば、ガード300のドア301が閉じられたときには、ドア枠302に設けられたスイッチ本体211の検出部(アンテナコイル)に対して、ドア301に設けられたアクチュエータ212のRFIDが近接する。このとき、スイッチ本体211は、検出部によりRFIDが識別されたことを以て、アクチュエータ212がスイッチ本体211に対して所定の範囲内にあること、すなわち、ドア301が閉じられていることを検出する。
【0115】
一方、ガード300のドア301が開けられたときには、ドア枠302に設けられたスイッチ本体211の検出部(アンテナコイル)に対して、ドア301に設けられたアクチュエータ211のRFIDが離れる。このとき、スイッチ本体211は、検出部とRFIDとの通信が確立しないことを以てアクチュエータ212がスイッチ本体211に対して所定の範囲内にないこと、すなわち、ドア301が開けられていることを検出する。
【0116】
このように、安全スイッチ210は、各自に対応するドア301の開閉状態を検出するように配置されている。
【0117】
ドア301L及び301Rのうち少なくとも一方(本図ではドア301L)が開かれている場合には、ガード300により包囲された工作機械の稼働が禁止される状態となる。一方、ドア301L及び301Rの双方がいずれも閉じられている場合には、ガード300により包囲された工作機械の稼働が許可され得る状態(=稼働許可条件の一つを満たした状態)となる。
【0118】
このように、安全スイッチ210は、動く機器(機械的な危険源)に対する保護方策のための機器である。特に、安全スイッチ210は、停止による安全防護の類型である。この類型では、危険源が稼働する稼働領域が区画され、当該可動領域への人体の侵入可能性がある状態、又は、人体が侵入したことを検出したときに、危険源の稼働を停止する。特に、安全スイッチ210を備えた安全システムでは、ドア301が閉じられた状態からドア301が開放された状態になったときに危険源を停止する。
【0119】
すなわち、稼働領域に人体が侵入していないことなどの諸条件が満たされていて、かつその状態がドア301の閉鎖により維持されている間は「安全状態」として、安全スイッチ210からON信号が出力され、危険源が稼働する。一方、「安全状態」からドア301が移動して、稼働領域が開放されると、安全スイッチ210からOFF信号が出力されて、危険源が停止する。
【0120】
安全システム全体では、安全スイッチ210から一度OFF信号が出力されると、ドア301自体が閉じ位置に移動しても、危険源が再稼働せず、別途リセット信号が入力されることにより再稼働する。ドア301が一度開放されると、その後にドア301が閉じられたとしても、稼働領域内に人体が侵入していないことを確認できないためである。
【0121】
また、安全スイッチ210は、上記安全機能に加えて、ドア301の開放を制限するためのロック部を有する。
【0122】
例えば、安全スイッチ210は、アクチュエータ212がスイッチ本体211に対して所定の範囲内にあること(=ドア301が閉じられていること)を検出している状態で、外部機器(例えば先出の安全コントローラ230)から出力されるロック入力を受けたときにスイッチ本体211の電磁石を駆動する。このとき、アクチュエータ212の鉄板が磁化される。その結果、電磁石と鉄板との吸着力によりドア301の開放が制限される。なお、安全スイッチ210は、外部機器から特定の信号が入力されない限り、ドア301のロックを解除しないようにしてもよい。また、ロック部の機構としては、電磁石と鉄板との吸着に代えて、ボルトとピンとの係合を利用してもよい。
【0123】
ロック機能を持つ安全スイッチ210であれば、ユーザが誤ってドア301を開放する度にOSSD出力に基づいて工作機械など(機械的な危険源)が止まるといった不具合を未然に防止することができる。
【0124】
このように、上記のロック機能は、工作機械などの円滑な稼働を維持するための補助機能(=非安全機能)として理解され得る。すなわち、安全システムの安全機能は、あくまで安全スイッチ210のOSSD出力により実現される。
【0125】
<安全スイッチ(機能ブロック)>
図7は、安全スイッチ210の機能ブロックを示す図である。本構成例の安全スイッチ210において、スイッチ本体211は、制御回路410と、入出力回路420と、スイッチングデバイス430と、OSSD監視回路440と、電源部450と、通信部460と、表示部470と、電磁石480と、を備える。本図では、ヒンジタイプでスイッチ本体211の後方側(背面側)に設けられる構成要素(主に端子に関する構成要素)がブロックの左側に集約して描写されている。また、ヒンジタイプでスイッチ本体211の前方側(正面側)に設けられる構成要素がブロックの右側に集約して描写されている。
【0126】
制御回路410(=安全スイッチMCUに相当)は、第一MCU411と第二MCU412を含む。入出力回路420は、第一安全入力部421と、第二安全入力部422と、上流通信部423と、下流通信部424を含む。スイッチングデバイス430は、第一安全出力部431と、第二安全出力部432を含む。電源部450は、電源回路451と電源監視回路452を含む。通信部460は、アンテナコイル463を含む。表示部470は、表示灯制御部471と表示灯472を含む。
【0127】
また、本構成例の安全スイッチ210において、アクチュエータ212は、通信部510を備える。なお、通信部510は、アンテナコイル511と応答回路512を含む。
【0128】
第一MCU411及び第二MCU412は、相互に通信することで相手方を監視する。第一MCU411及び第二MCU412は、アンテナコイル463に接続されている。
【0129】
第一MCU411は、アンテナコイル463を駆動し、アンテナコイル463から無線信号をアクチュエータ212の通信部510(特にアンテナコイル511)に送信する。通信部510は、無線タグ(RF-IDタグ)であってもよい。
【0130】
応答回路512は、アンテナコイル511に発生する誘導電流を電源として動作する。また、応答回路512は、アンテナコイル511により受信された無線信号を復調して情報を取得し、さらにアンテナコイル511を介して無線信号(応答信号)を送信する。
【0131】
第一MCU411及び第二MCU412は、それぞれ、アクチュエータ212のアンテナコイル511から送信された無線信号(応答信号)をアンテナコイル463を介して受信する。
【0132】
第一MCU411は、測定部411aと、復調部411bと、安全判定回路411cとを含む。また、第二MCU412は、測定部412aと、復調部412bと、安全判定回路412cと、表示制御部412dと、を含む。
【0133】
測定部411a及び412aは、それぞれ、アンテナコイル463を介して受信された無線信号(応答信号)の強度を測定し、その測定結果に基づいてスイッチ本体211のアンテナコイル463とアクチュエータ212のアンテナコイル511とのコイル間距離d(延いては、スイッチ本体211からアクチュエータ212までの距離)を推定する。なお、アンテナコイル463は、スイッチ本体211に対してアクチュエータ212が所定範囲内にあることを検出する検出部として機能する。また、コイル間距離dの代わりに無線信号の強度がそのままアクチュエータ212の位置の検知に使用されてもよい。
【0134】
また、スイッチ本体211に対してアクチュエータ212が所定範囲内にあることを検出する検出部は、アンテナコイル463を用いた上記の手法に限定されるものではない。例えば、スイッチ本体211に物理スイッチが設けられており、ドアが閉じられてアクチュエータ212がスイッチ本体211に近付いたときに、アクチュエータ212に設けられた突起部材等により上記の物理スイッチが押されるような検出原理による検出部が採用されても構わない。
【0135】
復調部411b及び412bは、それぞれ、アンテナコイル463を介して受信された無線信号(応答信号)により搬送されてきた情報を復調し、この情報に基づいてアクチュエータ212を識別する。なお、この情報には、固有の識別情報(ID情報)が含まれていてもよい。
【0136】
第一MCU411の安全判定回路411cは、測定部411aで測定されたコイル間距離dが閾値dth以下であるかどうかを判定し、その判定結果を第二MCU412に送信する。同様に、第二MCU412の安全判定回路412cは、測定部412aで測定されたコイル間距離dが閾値dth以下であるかどうかを判定し、その判定結果を第一MCU411に送信する。そして、安全判定回路411c及び412cは、それぞれ、自己の判定結果と相手方の判定結果とが一致している場合(双方ともコイル間距離dが閾値dth以下であると判定している場合)には、アクチュエータ212がスイッチ本体211に対して所定の範囲内にある状態(ドア閉状態)と判定する。
【0137】
入出力回路420において、第一安全入力部421及び第二安全入力部422は、複数の安全スイッチ210をシリアルにカスケード接続するための入力回路である。例えば、第一安全入力部421及び第二安全入力部422は、それぞれ、上流側に設けられた別の安全スイッチ210の第一安全出力部431及び第二安全出力部432に接続される。
【0138】
第一MCU411は、第一安全入力部421に接続されている。第一MCU411は、第一安全入力部421を通じてON信号が入力されているときに、アクチュエータ212の近接状態(=ドアの開閉状態)と電磁石480のロック状態に基づいて、第一安全出力
部431を制御する。一方、第一MCU411は、第一安全入力部421を通じてOFF信号が入力されているときに、アクチュエータ212の近接状態と電磁石480のロック状態に依拠することなく、第一安全出力部431にOFF信号を出力させる。
【0139】
同様に、第二MCU412は、第二安全入力部422に接続されている。第二MCU412は、第二安全入力部422を通じてON信号が入力されているときに、アクチュエータ212の近接状態と電磁石480のロック状態に基づいて、第二安全出力部432を制御する。一方、第二MCU412は、第二安全入力部422を通じてOFF信号が入力されているときに、アクチュエータ212の近接状態と電磁石480のロック状態に依拠することなく、第二安全出力部432にOFF信号を出力させる。
【0140】
これにより、複数の安全スイッチ210をカスケード接続することが可能となる。複数の安全スイッチ210のうちいずれか一つでも安全状態でない場合には、外部機器(例えば安全コントローラ230)に対してOFF信号が出力される。従って、例えば、危険源を包囲する鉄柵に対して複数のドアが設けられている場合、全てのドアが安全状態でなければ、危険源は動作できなくなる。一方、複数の安全スイッチ210の全てが安全状態である場合には、外部機器に対してON信号が出力される。
【0141】
上流通信部423は、上流側に設けられた別の安全スイッチ210に接続されており、上流向きの通信データ(ロック入力を含む)を送信するとともに、下流向きの通信データ(AUX出力の束データを含む)を受信する。
【0142】
下流通信部424は、下流側に設けられた別の安全スイッチ210又は省配線ユニット250に接続されており、下流向きの通信データ(AUX出力の束データを含む)を送信するとともに、上流向きの通信データ(ロック入力を含む)を受信する。
【0143】
例えば、制御回路410は、上流通信部423を介して受ける通信データ(=上流側のAUX出力を束ねた通信データ)と安全スイッチ210自身の状態とに基づいて、下流向きの通信データを生成し、これを下流通信部424から出力する。
【0144】
第一安全出力部431及び第二安全出力部432は、それぞれ、下流側に設けられた別の安全スイッチ210又は省配線ユニット250にOSSD出力(OSSD1_O及びOSSD2_O)を出力する。
【0145】
例えば、制御回路410は、第一安全入力部421及び第二安全入力部422それぞれを介して受けるOSSD入力(OSSD1_I及びOSSD2_I)と、アクチュエータ212の近接状態(=検出部による検出結果)とに基づいて、第一安全出力部431及び第二安全出力部432からそれぞれOSSD出力(OSSD1_O及びOSSD2_O)を出力する。
【0146】
スイッチングデバイス430において、第一安全出力部431及び第二安全出力部432は、例えば、PNP型のトランジスタを用いたオープンコレクタ出力回路として構成され得る。この場合、PNP型のトランジスタがONすると、出力端子には+側電源が接続されるため、ON信号(=ハイレベル)が出力される。一方、PNP型のトランジスタがOFFすると、出力端子はプルダウン抵抗を介して接地されるため、OFF信号(=ローレベル)が出力される。
【0147】
なお、第一安全出力部431及び第二安全出力部432は、それぞれ、NPN型のトランジスタを用いたオープンコレクタ出力回路として構成することもできる。この場合、出力論理レベルが上記とは逆になる。具体的に述べると、ON信号がローレベルとなり、O
FF信号がハイレベルとなる。
【0148】
第一安全出力部431及び第二安全出力部432には、それぞれOSSD監視回路440が接続されてもよい。OSSD監視回路440は、第一MCU411及び第二MCU412に接続されている。第一MCU411は、OSSD監視回路440を通じて、第二安全出力部432の動作が正常かどうかを監視する。第二MCU412は、OSSD監視回路440を通じて、第一安全出力部431の動作が正常かどうかを監視する。
【0149】
例えば、第一安全出力部431及び第二安全出力部432は、それぞれ、ON信号を出力するときに定期的に微小時間にわたり出力信号をOFFに遷移させる。OSSD監視回路440は、ON信号の出力期間中に微小時間のOFFを検出できればOSSDを正常と判定し、微小時間のOFFを検出できなければOSSDを正常ではないと判定する。OSSDが正常ではないと判定されたとき、第一安全出力部431及び第二安全出力部432のOSSD出力はOFFに遷移される。このように、OSSD監視回路440により、スイッチ本体に生じた故障が検知され、当該故障の検知結果は第一安全出力部431及び第二安全出力部432のOSSD出力に反映される。
【0150】
なお、ON信号が継続するケースは、出力端子と+側電源との短絡が原因である。この場合、安全判定回路411c及び412cは、それぞれ、OFF信号を出力させるための制御信号を第一安全出力部431及び第二安全出力部432に出力する。これにより、第一安全出力部431及び第二安全出力部432のうち正常な方がOFF信号を出力する。
【0151】
外部機器(例えば安全コントローラ230)は、第一安全出力部431及び第二安全出力部432がともにON信号を出力している期間にだけ、危険源の稼働を許可し得る状態となる。言い換えると、外部機器は、第一安全出力部431及び第二安全出力部432のうち少なくとも一方がOFF信号を出力している期間には、危険源の稼働を許可しない。なお、外部機器は、先述したON信号における微小時間のOFFには反応しないように構成されている。
【0152】
電源部450において、電源回路451は、外部から入力電圧VCC(例えばDC+24V)と接地電圧GND(例えば0V)の供給を受け、所望の出力電圧VREG(例えばDC+10V、+5V又は+3.3V)を生成するDC-DCコンバータである。なお、電源回路451は、スイッチ本体211の各部(=電力を必要とする全ての回路)に電力を供給する。
【0153】
ところで、入力電圧VCC又は出力電圧VREGが所定の範囲内でない場合、第一MCU411及び第二MCU412などが正常に動作しない可能性がある。そこで、電源監視回路452は、入力電圧VCC及び出力電圧VREGが所定の範囲内かどうかを判定し、判定結果を第一安全出力部431と第二安全出力部432へ出力する。
【0154】
第一安全出力部431及び第二安全出力部432は、それぞれ、電源回路451が正常に動作していないことを示す判定結果を受けると、第一MCU411及び第二MCU412からそれぞれ出力される制御信号に依存することなくOFF信号を出力する。
【0155】
一方、第一安全出力部431及び第二安全出力部432は、それぞれ、電源回路451が正常に動作していることを示す判定結果を受けると、第一MCU411及び第二MCU412からそれぞれ出力される制御信号に依存してON信号又はOFF信号を出力する。このように電源監視回路452によって、スイッチ本体211の電源に関する故障が検知され、その故障検知結果が第一安全出力部431及び第二安全出力部432のOSSD出力に反映される。
【0156】
表示灯制御部471は、制御回路410(例えば、第二MCU412の表示制御部412d)からの指示に基づき、アクチュエータ212の近接状態(=ドアの開閉状態)と電磁石480のロック/アンロック状態などに応じて、表示灯472(例えば大型表示灯)を点灯/消灯又は緑色点灯/赤色点灯する。
【0157】
また、表示灯制御部471は、OSSD出力、INPUT信号及びロック状態/アンロック状態などに応じて表示灯472(例えば複数の小型表示灯)を点灯/消灯又は緑色点灯/赤色点灯する。なお、上記のOSSD出力とは、第一安全出力部431及び第二安全出力部432それぞれの出力信号である。
【0158】
電磁石480は、制御回路410(例えば第二MCU412)から供給される駆動電流により磁力を発生させる。このとき、スイッチ本体211に近接しているアクチュエータ212の鉄板(不図示)が磁化される。その結果、電磁石480と鉄板との吸着力によりドアロックが実現される。
【0159】
<端子機能切替>
ところで、安全スイッチ210は、先出の従来例(
図10)と同様にロック入力及びAUX出力をそれぞれパラレルに入出力する第一動作モードと、先出の第1実施形態(
図1)及び第2実施形態(
図2)と同様に1系統の通信線を介してロック入力及びAUX出力をシリアルに入出力する第二動作モードと、を備えておくとよい。
【0160】
上記した第1及び第2の動作モードを実現するための手段として、例えば、安全スイッチ210には、ロック入力端子又は下流通信端子として切替可能な第一端子と、AUX出力端子又は上流通信端子として切替可能な第二端子とが設けられる。
【0161】
また、安全スイッチ210(特に制御回路410)は、例えば、第一端子に入力される切替信号に基づいて、第一端子及び第二端子をそれぞれ、ロック入力端子及びAUX出力端子として使用する第一動作モードから、下流通信端子及び上流通信端子として使用する第二動作モードに切り替えるとよい。
【0162】
なお、省配線ユニット250(特にMCU250a)は、例えば起動時に上流向きの通信データとしてロック入力の代わりに特定のパターンを示す切替信号を送出するとよい。
【0163】
本構成例の安全スイッチ210であれば、カスケード接続と非カスケード接続の両方に対応可能な兼用モデルとして市場展開することが可能となる。
【0164】
<信号処理>
図8は、安全スイッチ210における信号処理の一例を示す図である。なお、本図のステップS101~S108は、基本的に、スイッチ本体211の制御回路410により実行されるソフトウェア処理として理解され得る。
【0165】
ステップS101では、スイッチ本体211のアンテナコイル463と、アクチュエータ212のアンテナコイル511とのコイル間距離dが測定される。
【0166】
ステップS102では、ステップS101で測定されたコイル間距離dが所定の範囲内(閾値dth以下)であるか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、フローがステップS103に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローが先出のステップS101に戻される。また、ステップS102でノー判定が下された場合には、表示部470を赤点灯させてもよい。
【0167】
ステップS103では、アクチュエータ212からの無線信号(応答信号)が復調されて、アクチュエータ212の識別情報(ID)が取得される。
【0168】
ステップS104では、ステップS103で取得されたIDが期待値と一致しているか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、フローがステップS105に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローが先出のステップS101に戻される。また、ステップS104でノー判定が下された場合には、表示部470を赤点灯させてもよい。
【0169】
ステップS105では、スイッチ本体211の電磁石480とアクチュエータ212の鉄板が密着しているか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、フローがステップS106に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローが先出のステップS101に戻される。
【0170】
図9は、ステップS105における密着判定処理の一例を示す図であり、上から順番に、電磁石480の電流制御信号、及び、電磁石480に流れる検査電流(アンカープレートなし/アンカープレートあり)が描写されている。
【0171】
電流制御信号のON期間(本図ではハイレベル期間)には、電磁石480に検査電流が流される。なお、検査電流の電流値は、ロック・吸着時に流される駆動電流の電流値よりも小さい。ロック・吸着用の駆動電流と同程度の検査電流を流すと、ロック入力をしていないのにドアが開きにくくなりユーザビリティに影響がある。そのため、吸着力が発生しないよう微小な検査電流を流して密着判定を実施することが望ましい。
【0172】
ステップS105の密着判定処理では、電磁石480に流れる検査電流の電流値が監視される。電磁石480に鉄板(アンカープレート)が密着していると、電磁石480のインダクタンスが大きくなる。従って、検査電流の応答時間(=電流制御信号をONしてから検査電流が一定値に達するまでの時間)が長くなる。
【0173】
そこで、電流制御信号をONしてから一定時間後のAD値確認タイミングで、検査電流の電流値(AD値)が閾値を超えるかどうかが判定される。
【0174】
例えば、AD値確認タイミングで検査電流の電流値が閾値を超えている場合には、電磁石480のインダクタンスが小さく、応答時間が短いと言える。従って、鉄板が密着していないと判定される。一方、AD値確認タイミングで検査電流の電流値が閾値を超えていない場合には、電磁石480のインダクタンスが大きく、応答時間が長いと言える。従って、鉄板が密着していると判定される。
【0175】
このように、ステップS105では、電磁石480のインダクタンスの変化によって鉄板との密着が判定される。なお、ステップS105でイエス判定が下される前には、たとえロック入力を受けても電磁石480は駆動されない。一方、ステップS105でイエス判定が下された後であれば、ロック入力に応じて電磁石480が駆動される。
【0176】
電磁石480と鉄板が密着していない状態で電磁石480が駆動されると、磁性体の異物を引き寄せる。そのため、電磁石480と鉄板とが密着状態であることを電磁石480の駆動条件に含めておくことが望ましい。
【0177】
図8に戻りフローの説明を続ける。ステップS106では、種々の入力判定処理が行われる。本図に即して述べると、ステップS106では、第1の入力判定として、安全スイ
ッチ210を制御する制御装置(安全コントローラ230など)からのロック入力がONになっているか否かが判定される。ロック機能を備えていない安全スイッチ(例えば、先出の
図2における安全スイッチ210(A4))では、第1の入力判定が省略される。
【0178】
また、ステップS106では、第2の入力判定として、上流側にカスケード接続された別の安全スイッチ210からのOSSD入力がいずれもONになっているか否かの判定が行われる。
【0179】
なお、上記した第2の入力判定は、複数の安全スイッチ210がカスケード接続されている場合にのみ実施されればよい。なお、カスケード接続の有無判定は、ステップS101~S108のフローで示した制御回路410のソフトウェア処理から独立して実施されればよい。例えば、カスケード接続の有無判定は、ステップS101~S108に含まれる判定処理タイミング(例えばステップS102、S104及びS105)又は所定の時間間隔で実施されてもよい。
【0180】
また、表示部470では、ステップS106の入力判定結果に応じた表示制御が行われてもよい。表示制御の一例を挙げると、ロック入力がONで安全入力がOFFである場合には、表示部470が橙点灯されてもよい。一方、ロック入力がOFFで安全入力がONである場合には、表示部470が緑点滅されてもよい。また、ロック入力及び安全入力がいずれもOFFである場合には、表示部470が橙点滅されてもよい。
【0181】
ステップS107では、ステップS106における第1及び第2の入力判定がいずれもONであるか否か、言い換えると、ロック入力及びOSSD入力がいずれもONであるか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、フローがステップS108に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS107に戻されて上記の判定処理が継続される。
【0182】
ステップS108では、第一安全出力部431及び第二安全出力部432を介してON信号が出力される。すなわち、OSSD出力がONされる。このような安全出力は、下流側にカスケード接続された別の安全スイッチ210における入力判定処理に供される。また、OSSD出力がONされていることを示すべく表示部470を緑点灯させてもよい。
【0183】
その後、フローは、安全出力をONにした状態を維持するか否かを判定するために、先出のステップS101に戻される。なお、本実施例においては、ステップS101とステップS106の判定が安全出力に影響する。そのため、安全出力をONにした状態を維持するか否かの判定フローにおいては、ステップS105が省略されてもよい。
【0184】
<総括>
以下では、上記で説明した種々の実施形態について総括的に述べる。
【0185】
例えば、本明細書中に開示される配線ユニットは、アクチュエータと、当該アクチュエータを検出するスイッチ本体とを有する安全スイッチが、カスケード接続で複数接続されるものであって、電力を受け付けるための電源入力部と、カスケード接続される複数の安全スイッチのうち第一安全スイッチが出力する一対の安全信号である第一安全信号を受ける一対の安全入力端子と、前記電源入力部を介して受け付けた電力を前記複数の安全スイッチに供給するための一対の電源出力端子と、前記第一安全スイッチと双方向通信するための配線ユニット通信端子と、を有する安全スイッチ用ポートと、前記一対の安全入力端子を介して受ける前記第一安全信号をスルー出力するように、当該一対の安全入力端子と内部接続される安全出力部と、前記複数の安全スイッチのうち、指示に応じて前記スイッチ本体に対する前記アクチュエータの移動をロック可能な安全スイッチをロックするため
のロック指示を受けるロック指示入力部と、前記複数の安全スイッチの各々の状態を示す情報を個別に出力するための情報出力部と、前記配線ユニット通信端子を介して受ける前記複数の安全スイッチからの情報に基づいて、前記複数の安全スイッチの各々の状態を示す情報を個別に出力し、前記ロック指示入力部を介して受ける前記ロック指示に基づいてロックを指示するためのロック入力を、前記ロック可能な安全スイッチに出力する配線ユニットMCUと、を備え、前記安全出力部は、前記第一安全スイッチの故障検知機能により故障検知できるように前記一対の安全入力端子と内部接続される構成(第1の構成)とされている。
【0186】
なお、上記第1の構成による配線ユニットにおいて、前記配線ユニットMCUは、前記安全入力端子と前記安全出力部とを含む安全出力ラインから絶縁されている構成(第2の構成)にしてもよい。
【0187】
また、上記第2の構成による配線ユニットは、前記安全出力ラインに送られる前記第一安全信号を監視してその監視結果を前記配線ユニットMCUに出力する安全信号監視部を備え、前記安全信号監視部は、前記安全出力ラインに送られる前記第一安全信号に基づいて監視信号を送信する送信部と、前記送信部との絶縁通信により前記監視信号を受信して前記配線ユニットMCUに出力する受信部とを備える構成(第3の構成)にしてもよい。
【0188】
また、上記第3の構成による配線ユニットにおいて、前記送信部は、前記安全出力ラインに送られる前記第一安全信号に基づいて非電気的な前記監視信号を送信する構成(第4の構成)にしてもよい。
【0189】
また、上記第1の構成による配線ユニットは、前記配線ユニットMCUを収容する筐体を備え、前記安全スイッチ用ポートが前記筐体に設けられるコネクタで構成される構成(第5の構成)にしてもよい。
【0190】
また、上記第1の構成による配線ユニットは、前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、前記筐体外に延びるケーブルと、を備え、前記安全スイッチ用ポートが前記ケーブルに設けられるコネクタで構成される構成(第6の構成)にしてもよい。
【0191】
また、上記第1の構成による配線ユニットは、前記配線ユニットMCUを収容する筐体を備え、前記筐体に、前記安全スイッチ用ポートとしての第一安全スイッチ用ポート及び第二安全スイッチ用ポートと、前記ロック指示入力部として、前記第一安全スイッチ用ポートを介して接続される前記ロック可能な安全スイッチにロックを指示するためのロック指示を受ける第一ロック指示入力部と、前記第二安全スイッチ用ポートを介して接続される前記ロック可能な安全スイッチにロックを指示するためのロック指示を受ける第二ロック指示入力部と、が設けられる構成(第7の構成)にしてもよい。
【0192】
また、上記第1の構成による配線ユニットは、前記複数の安全スイッチとして、複数の前記ロック可能な安全スイッチが接続されるとき、前記配線ユニットMCUが、複数の前記ロック可能な安全スイッチの各々に同一のロック入力を供給する構成(第8の構成)にしてもよい。
【0193】
また、上記第1の構成による配線ユニットは、前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、前記筐体に設けられ、前記配線ユニット通信端子を介して受ける前記複数の安全スイッチからの情報に基づいて、前記複数の安全スイッチの各々の状態を個別に表示する表示灯と、を備える構成(第9の構成)にしてもよい。
【0194】
また、上記第1の構成による配線ユニットは、前記配線ユニットMCUを収容する筐体
と、前記筐体に設けられ、前記安全スイッチ用ポートに含まれる前記安全入力端子が受ける第一安全信号の状態を表示するOSSD表示灯と、を備える構成(第10の構成)にしてもよい。
【0195】
また、上記第1の構成による配線ユニットは、前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、前記筐体外に延びる、前記安全出力部としてのケーブルと、を備える構成(第11の構成)にしてもよい。
【0196】
また、上記第1の構成による配線ユニットは、前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、前記筐体外に延びる、前記ロック指示入力部としてのケーブルと、を備える構成(第12の構成)にしてもよい。
【0197】
また、上記第1の構成による配線ユニットは、前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、前記筐体外に延びる、前記情報出力部としてのケーブルと、を備える構成(第13の構成)にしてもよい。
【0198】
また、上記第1の構成による配線ユニットは、前記配線ユニットMCUを収容する筐体と、前記筐体外に延びる、前記電源入力部としてのケーブルと、を備える構成(第14の構成)にしてもよい。
【0199】
また、上記第1の構成による配線ユニットは、前記安全出力部、前記ロック指示入力部、前記情報出力部、及び前記電源入力部、の少なくとも一つが端子台で構成される構成(第15の構成)にしてもよい。
【0200】
また、例えば、本明細書中に開示されているシリアルカスケードコネクタシステムは、アクチュエータと、当該アクチュエータを検出するスイッチ本体とを有する安全スイッチとしての第一安全スイッチ及び第二安全スイッチと、前記第一安全スイッチと前記第二安全スイッチとがカスケード接続で接続される配線ユニットと、を備え、前記第一安全スイッチ及び前記第二安全スイッチの少なくとも一方は、ロック入力に応じて前記アクチュエータの移動をロック可能なロック部を備える、ロック可能な安全スイッチであり、前記第一安全スイッチは、前記第二安全スイッチが出力する一対の安全信号である第二安全信号を受けるための一対の第一安全入力端子と、前記配線ユニットに一対の安全信号である第一安全信号を出力するための一対の第一安全出力端子と、前記第二安全スイッチと双方向通信するための第一端子と、前記配線ユニットと双方向通信するための第二端子と、前記スイッチ本体に対して前記アクチュエータが所定範囲内にあることを検出する検出部と、前記第一安全入力端子を介して受ける前記第二安全信号と前記検出部による検出結果とに基づいて前記第一安全信号を出力すると共に、前記第一端子を介して受ける前記第二安全スイッチの状態を示す情報に基づいて前記第一安全スイッチと前記第二安全スイッチとの状態を示す情報を、前記第二端子を介して出力する安全スイッチMCUと、前記第一安全スイッチの故障を検知する故障検知部と、を備え、前記配線ユニットは、前記第一安全信号を受ける一対の安全入力端子と、電力を受け付けるための電源入力部と、前記電源入力部を介して受け付けた電力を前記第一安全スイッチ及び前記第二安全スイッチに供給するための一対の電源出力端子と、前記第一安全スイッチと双方向通信するための配線ユニット通信端子と、を有する安全スイッチ用ポートと、前記安全入力端子を介して受ける前記第一安全信号をスルー出力するように、前記一対の安全入力端子と内部接続される安全出力部と、前記ロック可能な安全スイッチをロックするためのロック指示を受けるロック指示入力部と、前記複数の安全スイッチの各々の状態を示す情報を個別に出力するための情報出力部と、前記配線ユニット通信端子を介して受ける情報に基づいて、前記第一安全スイッチの状態を示す情報と、前記第二安全スイッチの状態を示す情報と、を個別に出力し、前記ロック指示入力部を介して受ける前記ロック指示に基づいてロックを指示するため
のロック入力を、前記配線ユニット通信端子を介して前記ロック可能な安全スイッチに出力する配線ユニットMCUと、を備え、前記安全出力部は、前記安全出力部からスルー出力される前記第一安全信号を受ける先で前記第一安全スイッチが備える故障検知部により故障が検知できるように前記一対の安全入力端子と内部接続される構成(第16の構成)とされている。
【0201】
なお、上記第16の構成によるシリアルカスケードコネクタシステムは、前記配線ユニットMCUが前記ロック指示入力部を介して前記ロック指示を受けたとき、前記ロック可能な安全スイッチとしての前記第一安全スイッチにおいて前記ロック部が駆動されるタイミングと異なるタイミングで、前記ロック可能な安全スイッチとしての前記第二安全スイッチの前記ロック部を駆動するための前記ロック入力が前記第二安全スイッチに入力される構成(第17の構成)にしてもよい。
【0202】
また、上記第16の構成によるシリアルカスケードコネクタシステムにおいて、前記配線ユニットMCUは、その起動時に前記配線ユニット通信端子を介して前記第一安全スイッチに切替信号を送信し、前記第一安全スイッチは、前記切替信号に基づいて、前記第一端子及び前記第二端子の二つの端子の動作モードを、前記第一端子及び前記第二端子の一方を、前記ロック入力を受け付けるロック入力端子として、他方を前記第一安全スイッチの状態を示す情報を出力する状態情報出力端子として使用する第一動作モードから、前記第一端子を前記第二安全スイッチと双方向通信するための上流通信端子として、前記第二端子を前記配線ユニットと双方向通信するための下流通信端子として使用する第二動作モードに切り替える構成(第18の構成)にしてもよい。
【0203】
<その他の変形例>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲により規定されるものであって、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0204】
100、200 シリアルカスケードコネクタシステム
110、210 安全スイッチ
120、220 電源ユニット
130、230 安全コントローラ
140、240 非安全コントローラ
211L、211R スイッチ本体
212L、212R アクチュエータ
250 省配線ユニット
250a MCU
250b ロック入力部
250c 電圧レギュレータ
250d OSSD監視部
250e AUX出力部
250f LED
251A、251B スイッチ接続用コネクタ
252A、252B OSSD表示灯
253 スイッチ状態表示灯
254 設定切替用スイッチ
300 ガード
301L、301R ドア
302 ドア枠
303L、303R 支持部材
410 制御回路
411 第一MCU
411a 測定部
411b 復調部
411c 安全判定回路
412 第二MCU
412a 測定部
412b 復調部
412c 安全判定回路
412d 表示制御部
420 入出力回路
421 第一安全入力部
422 第二安全入力部
423 上流通信部
424 下流通信部
430 スイッチングデバイス
431 第一安全出力部
432 第二安全出力部
440 OSSD監視回路
450 電源部
451 電源回路
452 電源監視回路
460 通信部
463 アンテナコイル
470 表示部
471 表示灯制御部
472 表示灯
480 電磁石
510 通信部
511 アンテナコイル
512 応答回路
A、B ポート
CBL1~CBL10 ケーブル
CNT1~CNT8 コネクタ
P11、P21 電源端子
P12、P22 接地端子
P13、P23 OSSD出力端子
P14、P24 OSSD出力端子
P15、P25 OSSD入力端子
P16、P26 OSSD入力端子
P17 ロック入力端子
P18 AUX出力端子
P27 下流通信端子
P28 上流通信端子
P31 VCC端子
P32 VCC_A端子
P33 VCC_B端子
P34 GND端子
P35 GND_A端子
P36 GND_B端子
P37 OSSD1_I_A端子
P38 OSSD2_I_A端子
P39 OSSD1_O_A端子
P40 OSSD2_O_A端子
P41 OSSD1_I_B端子
P42 OSSD2_I_B端子
P43 OSSD1_O_B端子
P44 OSSD2_O_B端子
P45 COM_A端子
P46 COM_B端子
P47 LOCK_A端子
P48 LOCK_B端子
P49(1)~P49(8) AUX1端子~AUX8端子
TM1、TM2 ターミネータ