(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024890
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240216BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20240216BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20240216BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G05D1/02 P
G05D1/02 T
E02F9/26 B
G08G1/09 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127843
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】一釣 彰吾
【テーマコード(参考)】
2D015
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
2D015HA03
5H181AA07
5H181AA27
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181LL09
5H301BB02
5H301CC03
5H301CC06
5H301DD07
5H301DD17
5H301KK03
5H301LL03
5H301QQ01
(57)【要約】
【課題】無人車両が稼働する作業現場の生産性の低下を抑制すること。
【解決手段】無人車両の管理システムは、積込機との相対位置を検出する対象位置センサを有する第1無人車両と、積込機により積荷が積み込まれるダンプボディを有する第2無人車両と、第1無人車両及び前記第2無人車両のそれぞれの走行を管理する管理装置と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積込機との相対位置を検出する対象位置センサを有する第1無人車両と、
前記積込機により積荷が積み込まれるダンプボディを有する第2無人車両と、
前記第1無人車両及び前記第2無人車両のそれぞれの走行を管理する管理装置と、を備える、
無人車両の管理システム。
【請求項2】
前記積込機は、前記積込機の位置を検出する自己位置センサを有し、
前記管理装置は、
前記自己位置センサの検出データを受信するセンサデータ受信部と、
前記センサデータ受信部が前記自己位置センサの検出データを受信できない場合、前記積込機の周辺に規定される監視点への走行パスを生成する走行パス生成部と、
前記監視点への走行パスを前記第1無人車両へ送信する走行パス送信部と、を有する、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項3】
前記積込機は、前記積込機の位置を検出する自己位置センサを有し、
前記管理装置は、
前記自己位置センサの検出データを受信するセンサデータ受信部と、
前記積込機に無人車両の進入を禁止する進入禁止エリアを設定する進入禁止エリア設定部と、を備え、
前記進入禁止エリア設定部は、前記センサデータ受信部が前記自己位置センサの検出データを受信できない場合、前記進入禁止エリアを拡大する、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
前記対象位置センサの検出データに基づいて算出された前記積込機の位置を前記第1無人車両から取得する位置取得部を備え、
前記進入禁止エリア設定部は、前記位置取得部が前記積込機の位置を取得した場合、前記進入禁止エリアの拡大を停止する、
請求項3に記載の無人車両の管理システム。
【請求項5】
前記進入禁止エリア設定部は、前記位置取得部が前記積込機の位置を取得した場合、前記進入禁止エリアを前記センサデータ受信部が前記自己位置センサの検出データを受信できているときに設定した進入禁止エリアに戻す、
請求項4に記載の無人車両の管理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、
前記対象位置センサの検出データに基づいて算出された前記積込機の位置を前記第1無人車両から取得する位置取得部と、
前記位置取得部により取得された前記積込機の位置に基づいて、積込点への走行パスを生成する走行パス生成部と、
前記積込点への走行パスを前記第2無人車両へ送信する走行パス送信部と、を有する、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、
前記対象位置センサの検出データに基づいて算出された前記積込機の位置を前記第1無人車両から取得する位置取得部と、
前記センサデータ受信部が前記自己位置センサの検出データを受信できない場合、前記位置取得部により取得された前記積込機の位置に基づいて、積込点への走行パスを新たに生成する走行パス生成部と、
前記積込点への走行パスを前記第2無人車両へ送信する走行パス送信部と、を有する、
請求項3に記載の無人車両の管理システム。
【請求項8】
前記対象位置センサは、レーザセンサを含み、
前記第1無人車両は、前記対象位置センサの検出データに基づいて、前記積込機の位置を算出する対象位置算出部を有する、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項9】
前記積込機は、旋回体と、旋回体に支持される作業機とを有するショベルである、
請求項1に記載の無人車両の管理システム。
【請求項10】
第1無人車両が有する対象位置センサで積込機との相対位置を検出することと、
第2無人車両が有するダンプボディに前記積込機で積荷を積み込むことと、
前記第1無人車両及び前記第2無人車両のそれぞれの走行を管理することと、を含む、
無人車両の管理方法。
【請求項11】
前記積込機の位置を検出する自己位置センサの検出データを受信することと、
前記自己位置センサの検出データを受信できない場合、前記積込機の周辺に規定される監視点への走行パスを生成することと、
前記監視点への走行パスを前記第1無人車両へ送信することと、を含む、
請求項10に記載の無人車両の管理方法。
【請求項12】
前記積込機の位置を検出する自己位置センサの検出データを受信することと、
前記積込機に無人車両の進入を禁止する進入禁止エリアを設定することと、
前記自己位置センサの検出データを受信できない場合、前記進入禁止エリアを拡大することと、を含む、
請求項10に記載の無人車両の管理方法。
【請求項13】
前記対象位置センサの検出データに基づいて算出された前記積込機の位置を前記第1無人車両から取得することと、
前記積込機の位置を取得した場合、前記進入禁止エリアの拡大を停止することと、を含む、
請求項12に記載の無人車両の管理方法。
【請求項14】
前記積込機の位置を取得した場合、前記進入禁止エリアを前記自己位置センサの検出データを受信できているときに設定した進入禁止エリアに戻す、
請求項13に記載の無人車両の管理方法。
【請求項15】
前記対象位置センサの検出データに基づいて算出された前記積込機の位置を前記第1無人車両から取得することと、
前記積込機の位置に基づいて、積込点への走行パスを生成することと、
前記積込点への走行パスを前記第2無人車両へ送信することと、を含む、
請求項10に記載の無人車両の管理方法。
【請求項16】
前記対象位置センサの検出データに基づいて算出された前記積込機の位置を前記第1無人車両から取得することと、
前記自己位置センサの検出データを受信できない場合、前記積込機の位置に基づいて、積込点への走行パスを新たに生成することと、
前記積込点への走行パスを前記第2無人車両へ送信することと、を含む、
請求項12に記載の無人車両の管理方法。
【請求項17】
前記対象位置センサは、レーザセンサを含み、
前記対象位置センサの検出データに基づいて、前記積込機の位置を算出する、
請求項10に記載の無人車両の管理方法。
【請求項18】
前記積込機は、旋回体と、旋回体に支持される作業機とを有するショベルである、
請求項10に記載の無人車両の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人車両の管理システム及び無人車両の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山のような広域の作業現場において無人車両が稼働する。無人車両は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出された位置に基づいて作業現場を走行する。例えば電離層シンチレーション等によりGNSSが使用できなくなった場合、特許文献1に開示されているような照合航法(SMN:Scan Matching Navigation)の手法を用いて無人車両を走行させる技術が知られている。照合航法とは、作業現場のマップデータと無人車両に搭載されているレーザセンサの検出データとを照合しながら無人車両を走行させる航法をいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
積込機を利用して無人車両のダンプボディに積荷を積み込む場合、積込機の位置を取得する必要がある。作業現場の生産性の低下を抑制するためには、GNSSが使用できない場合においても、積込機の位置を取得できる技術が要望される。
【0005】
本開示は、無人車両が稼働する作業現場の生産性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、積込機との相対位置を検出する対象位置センサを有する第1無人車両と、積込機により積荷が積み込まれるダンプボディを有する第2無人車両と、第1無人車両及び第2無人車両のそれぞれの走行を管理する管理装置と、を備える、無人車両の管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、無人車両が稼働する作業現場の生産性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る無人車両の作業現場を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る作業現場の管理システムを示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る作業現場の管理システムを示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る管理装置のハードウエア構成図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る無人車両の走行データを説明するための模式図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るGNSSが使用できる場合の積込場における無人車両の動作を説明するための模式図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るGNSSが使用できない場合の管理システムの処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係るGNSSが使用できない場合の積込場における無人車両の動作を説明するための模式図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るGNSSが使用できない場合の積込場における無人車両の動作を説明するための模式図である。
【
図10】
図10は、他の実施形態に係るGNSSが使用できない場合の積込場における無人車両の動作を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[作業現場]
図1は、実施形態に係る無人車両2の作業現場1を示す模式図である。実施形態において、作業現場1は、鉱山である。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。鉱山として、金属を採掘する金属鉱山、石灰石を採掘する非金属鉱山、又は石炭を採掘する石炭鉱山が例示される。作業現場1において、複数の無人車両2が稼働する。
【0011】
無人車両2とは、運転者の運転操作によらずに無人で稼働する作業車両をいう。実施形態において、無人車両2は、無人で作業現場1を走行して積荷を運搬する無人ダンプトラックである。無人車両2に運搬される積荷として、作業現場1において採掘された掘削物が例示される。
【0012】
作業現場1に走行エリア3が設定される。走行エリア3とは、無人車両2が走行可能なエリアをいう。走行エリア3は、積込場4、排土場5、及び走行路6を含む。
【0013】
積込場4とは、無人車両2に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積込場4において、積込機7が稼働する。
【0014】
排土場5とは、無人車両2から積荷が排出される排土作業が実施されるエリアをいう。排土場5に、破砕機8が配置される。
【0015】
走行路6とは、積込場4及び排土場5の少なくとも一方に向かう無人車両2が走行するエリアをいう。走行路6は、積込場4と排土場5とを繋ぐように設けられる。無人車両2は、積込場4と排土場5とを往復するように走行路6を走行する。
【0016】
[管理システム]
図2は、実施形態に係る作業現場1の管理システム11を示す模式図である。管理システム11は、管理装置12と、通信システム13とを備える。
【0017】
管理装置12は、コンピュータシステムを含む。管理装置12は、無人車両2、及び積込機7の外部に配置される。管理装置12は、作業現場1の管制施設14に設置される。管理装置12は、作業現場1を管理する。管理装置12は、少なくとも無人車両2及び積込機7を管理する。作業現場1において複数の無人車両2が稼働する。管理装置12は、複数の無人車両2のそれぞれの走行を管理する。
【0018】
通信システム13として、インターネット(internet)、携帯電話通信網、衛星通信網、又はローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)が例示される。ローカルエリアネットワークとして、無線LANの1つの規格であるWi-Fi(登録商標)が例示される。
【0019】
無人車両2は、無人ダンプトラックである。無人車両2は、車体201と、走行装置202と、ダンプボディ203と、制御装置9と、無線通信機13Aとを有する。制御装置9は、コンピュータシステムを含む。無線通信機13Aは、制御装置9に接続される。
【0020】
積込機7は、オペレータによって操作される有人機である。積込機7は、油圧ショベルである。積込機7は、旋回体701と、走行装置702と、作業機703と、作業機シリンダ704と、制御装置10と、無線通信機13Bとを有する。制御装置10は、コンピュータシステムを含む。無線通信機13Bは、制御装置10に接続される。
【0021】
通信システム13は、制御装置9に接続される無線通信機13Aと、制御装置10に接続される無線通信機13Bと、管理装置12に接続される無線通信機13Cとを含む。管理装置12と無人車両2の制御装置9とは、通信システム13を介して無線通信する。管理装置12と積込機7の制御装置10とは、通信システム13を介して無線通信する。
【0022】
車体201は、車体フレームを含む。車体201は、走行装置202に支持される。走行装置202は、車体201を支持して走行する。走行装置202は、車輪と、車輪に装着されるタイヤと、エンジンと、ブレーキ装置と、ステアリング装置とを含む。ダンプボディ203は、積込機7により積荷が積み込まれる部材である。ダンプボディ203は、車体201に支持される。ダンプボディ203は、ダンプ動作及び下げ動作する。ダンプ動作とは、ダンプボディ203を車体201から離隔させてダンプ方向に傾斜させる動作をいう。下げ動作とは、ダンプボディ203を車体201に接近させる動作をいう。積込作業が実施される場合、ダンプボディ203は、下げ動作する。排土作業を実施する場合、ダンプボディ203は、ダンプ動作する。
【0023】
旋回体701は、走行装置702に支持された状態で旋回する。走行装置702は、一対の履帯を有する。走行装置702により、積込機7は、積込場4を含む作業現場1において移動することができる。作業機703は、旋回体701に支持される。作業機703は、旋回体701に回動可能に連結されるブーム703Aと、ブーム703Aに回動可能に連結されるアーム703Bと、アーム703Bに回動可能に連結されるバケット703Cとを含む。作業機シリンダ704は、作業機703を動作させる。作業機シリンダ704は、油圧シリンダである。作業機シリンダ704は、ブーム703Aを上げ動作又は下げ動作させるブームシリンダ704Aと、アーム703Bを引き動作又は押し動作させるアームシリンダ704Bと、バケット703Cをチルト動作又はダンプ動作させるバケットシリンダ704Cとを含む。
【0024】
図3は、実施形態に係る作業現場1の管理システム11を示すブロック図である。無人車両2は、制御装置9と、無線通信機13Aと、自己位置センサ17と、方位センサ18と、速度センサ19と、対象位置センサ20と、走行装置202とを有する。無線通信機13A、自己位置センサ17、方位センサ18、速度センサ19、及び対象位置センサ20のそれぞれは、制御装置9と通信することができる。走行装置202は、制御装置9に制御される。
【0025】
自己位置センサ17は、無人車両2の位置を検出する。無人車両2の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定されるグローバル座標系の位置を検出する。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。自己位置センサ17は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系における無人車両2の位置を検出する。
【0026】
以下の説明において、グローバル座標系における位置を適宜、絶対位置、と称する。また、以下の説明において、GNSSを利用して検出される位置を適宜、GNSS位置、と称する。
【0027】
方位センサ18は、無人車両2の方位を検出する。無人車両2の方位は、無人車両2のヨー角を含む。車体201の重心において上下方向に延伸する軸をヨー軸とした場合、ヨー角とは、ヨー軸を中心とする回転角度をいう。方位センサ18として、ジャイロセンサが例示される。
【0028】
速度センサ19は、無人車両2の走行速度を検出する。速度センサ19として、無人車両2の車輪の回転を検出するパルスセンサが例示される。
【0029】
対象位置センサ20は、無人車両2と無人車両2の周囲に存在する対象物との相対位置を検出する。対象位置センサ20は、対象物を非接触で検出する。実施形態において、対象位置センサ20は、レーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)を含む。なお、対象位置センサ20がレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)を含んでもよい。なお、対象位置センサ20は、対象物を撮像して、対象物との相対位置を検出する撮像装置でもよい。
図2に示すように、対象位置センサ20は、少なくとも車体201の前部に配置される。対象位置センサ20は、車体201の後部に配置されてもよいし、車体201の前部及び後部のそれぞれに配置されてもよい。
【0030】
実施形態において、対象位置センサ20により相対位置が検出される対象は、積込機7を含む。対象位置センサ20は、積込機7との相対位置を検出する。また、対象位置センサ20により相対位置が検出される対象は、作業現場1の地形及び構造物を含む。
【0031】
積込機7は、制御装置10と、無線通信機13Bと、自己位置センサ22とを有する。無線通信機13B及び自己位置センサ22のそれぞれは、制御装置10と通信することができる。
【0032】
自己位置センサ22は、積込機7の位置を検出する。自己位置センサ22は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系における積込機7の位置を検出する。
【0033】
管理装置12は、走行パス生成部121と、走行パス送信部122と、センサデータ受信部123と、進入禁止エリア設定部124と、位置取得部125と、マップ作成部126と、マップ記憶部127とを有する。
【0034】
走行パス生成部121は、無人車両2の走行条件を示す走行データを生成する。走行パス送信部122は、通信システム13を介して無人車両2に走行データを送信する。
【0035】
センサデータ受信部123は、通信システム13を介して少なくとも積込機7の自己位置センサ22の検出データを受信する。実施形態において、センサデータ受信部123は、通信システム13を介して、無人車両2の自己位置センサ17の検出データ、方位センサ18の検出データ、速度センサ19の検出データ、及び対象位置センサ20の検出データのそれぞれを受信することができる。
【0036】
進入禁止エリア設定部124は、積込機7に無人車両2の進入を禁止する進入禁止エリア50を設定する。
【0037】
位置取得部125は、無人車両2の周囲に存在する対象物の位置を、通信システム13を介して無人車両2の制御装置9から取得する。実施形態において、位置取得部125は、少なくとも積込機7の位置を、通信システム13を介して無人車両2の制御装置9から取得する。
【0038】
マップ作成部126は、無人車両2の自己位置センサ17の検出データと対象位置センサ20の検出データとに基づいて、作業現場1のマップデータを作成する。作業現場1のマップデータは、グローバル座標系における作業現場1の3次元マップデータである。対象位置センサ20は、作業現場1の3次元データを検出することができる。作業現場1の3次元データは、作業現場1の地形の3次元データ及び作業現場1の構造物の3次元データを含む。自己位置センサ17は、対象位置センサ20が作業現場1を検出しているときの対象位置センサ20の位置を検出することができる。自己位置センサ17の検出データ及び対象位置センサ20の検出データは、センサデータ受信部123により受信される。そのため、マップ作成部126は、自己位置センサ17の検出データと対象位置センサ20の検出データとに基づいて、作業現場1の3次元マップデータを作成することができる。マップ記憶部127は、マップ作成部126により作成された作業現場1のマップデータを記憶する。
【0039】
制御装置9は、走行パス取得部91と、センサデータ取得部92と、自己位置算出部93と、対象位置算出部94と、走行制御部95とを有する。
【0040】
走行パス取得部91は、走行パス生成部121において生成された無人車両2の走行データを、通信システム13を介して管理装置12から取得する。
【0041】
センサデータ取得部92は、自己位置センサ17の検出データ、方位センサ18の検出データ、速度センサ19の検出データ、及び対象位置センサ20の検出データを取得する。
【0042】
自己位置算出部93は、センサデータ取得部92により取得された自己位置センサ17の検出データに基づいて、無人車両2の位置(絶対位置)を算出する。
【0043】
対象位置算出部94は、センサデータ取得部92により取得された検出データに基づいて、対象物の位置を算出する。実施形態において、対象位置算出部94は、自己位置センサ17の検出データと対象位置センサ20の検出データとに基づいて、グローバル座標系における対象物の位置を算出する。上述のように、自己位置センサ17は、グローバル座標系における無人車両2の位置を検出する。対象位置センサ20は、無人車両2と対象物との相対位置を検出する。対象位置算出部94は、無人車両2の絶対位置と、無人車両2と対象物との相対位置とに基づいて、対象物の絶対位置を算出することができる。
【0044】
走行制御部95は、走行パス取得部91により取得された無人車両2の走行データと、センサデータ取得部92により取得された検出データとに基づいて、走行装置202を制御する。
【0045】
制御装置10は、センサデータ取得部101と、自己位置算出部102とを有する。
【0046】
センサデータ取得部101は、自己位置センサ22の検出データを取得する。
【0047】
自己位置算出部102は、センサデータ取得部101により取得された自己位置センサ22の検出データに基づいて、積込機7の位置を算出する。
【0048】
[コンピュータシステム]
図4は、実施形態に係る管理装置12のハードウエア構成図である。管理装置12は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述の管理装置12の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0049】
制御装置9及び制御装置10のそれぞれも、
図4に示すようなコンピュータシステム1000を含む。上述の制御装置9及び制御装置10のそれぞれの機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。
【0050】
[走行データ]
図5は、実施形態に係る無人車両2の走行データを説明するための模式図である。
【0051】
無人車両2の走行データは、無人車両2の走行条件を規定する。無人車両2の走行データは、走行点31、走行パス32、無人車両2の目標位置、無人車両2の目標方位、及び無人車両2の目標走行速度を含む。走行パス32を含む無人車両2の走行データは、走行パス生成部121において生成される。
【0052】
走行点31は、作業現場1の走行エリア3に複数設定される。走行点31は、無人車両2の目標位置を規定する。複数の走行点31のそれぞれに、無人車両2の目標方位及び無人車両2の目標走行速度が設定される。複数の走行点31は、間隔をあけて設定される。走行点31の間隔は、均一でもよいし、不均一でもよい。
【0053】
走行パス32とは、無人車両2の目標走行経路を示す仮想線をいう。走行パス32は、複数の走行点31を通過する軌跡によって規定される。無人車両2は、走行パス32に従って走行エリア3を走行する。無人車両2は、無人車両2の車幅方向において、無人車両2の中心と走行パス32とが一致するように走行する。
【0054】
無人車両2の目標位置とは、走行点31を通過するときの無人車両2の目標位置をいう。無人車両2の目標位置は、無人車両2のローカル座標系において規定されてもよいし、グローバル座標系において規定されてもよい。
【0055】
無人車両2の目標方位とは、走行点31を通過するときの無人車両2の目標方位をいう。
【0056】
無人車両2の目標走行速度とは、走行点31を通過するときの無人車両2の目標走行速度をいう。
【0057】
[無人車両の走行制御]
GNSSが使用できる場合、走行制御部95は、無人車両2の走行データと、自己位置算出部93により算出された検出データとに基づいて、無人車両2が走行パス32に従って走行するように、走行装置202を制御する。
【0058】
走行制御部95は、走行点31を通過するときに自己位置センサ17により検出された無人車両2の検出位置と走行点31に設定されている無人車両2の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。
【0059】
走行制御部95は、走行点31を通過するときに方位センサ18により検出された無人車両2の検出方位と走行点31に設定されている無人車両2の目標方位との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。
【0060】
走行制御部95は、走行点31を通過するときに速度センサ19により検出された無人車両2の検出走行速度と走行点31に設定されている無人車両2の目標走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。
【0061】
例えば電離層シンチレーション等によりGNSSが使用できない場合がある。GNSSが使用できない場合、走行制御部95は、照合航法(SMN:Scan Matching Navigation)の手法を用いて無人車両2を走行させる。自己位置算出部93は、マップ記憶部127に記憶されている作業現場1のマップデータとセンサデータ取得部92により取得された対象位置センサ20の検出データとを照合して、無人車両2の位置を算出する。上述のように、作業現場1のマップデータは、グローバル座標系において規定される。自己位置算出部93は、マップデータと対象位置センサ20の検出データとを照合して、対象位置センサ20の検出データに一致するマップデータの位置を算出することにより、無人車両2の位置を算出することができる。
【0062】
以下の説明において、作業現場1のマップデータと対象位置センサ20の検出データとの照合に基づいて算出される位置を適宜、照合位置、と称する。無人車両2の照合位置は、グローバル座標系において規定される絶対位置である。走行制御部95は、自己位置算出部93により算出された無人車両2の照合位置と走行点31に設定されている無人車両2の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置202を制御する。
【0063】
[GNSSが使用できる場合の積込場における無人車両の動作]
図6は、実施形態に係るGNSSが使用できる場合の積込場4における無人車両2の動作を説明するための模式図である。積込場4において、積込作業が実施される。積込機7が積込場4に配置される。走行路6が積込場4に接続される。第1走行パス32A及び第2走行パス32Bが走行路6に設定される。第3走行パス32Cが積込場4に設定される。無人車両2は、自己位置センサ17の検出データを示すGNSS位置に基づいて走行する。無人車両2は、第1走行パス32Aに従って積込場4から排土場5に走行し、第2走行パス32Bに従って排土場5から積込場4に走行する。
【0064】
走行パス生成部121は、積込場4にスイッチバック点41を設定する。また、走行パス生成部121は、積込場4に積込点42を設定する。スイッチバック点41とは、無人車両2をスイッチバックさせる目標位置をいう。積込点42とは、積込機7により積込作業が実施されるときの無人車両2の目標位置をいう。スイッチバックとは、前進する無人車両2が進行方向を転換して後進しながら積込点42に進入する動作をいう。なお、スイッチバック点41及び積込点42の少なくとも一方は、積込機7の運転者により設定されてもよい。積込機7の運転者は、積込機7に搭載されている操作装置を操作して、スイッチバック点41及び積込点42の少なくとも一方を設定することができる。
【0065】
進入禁止エリア設定部124は、積込機7に無人車両2の進入を禁止する進入禁止エリア50を設定する。進入禁止エリア50は、積込機7の旋回体701を囲むように設定される。無人車両2は、進入禁止エリア50の内側に進入することができない。積込点42は、進入禁止エリア50の外側に設定される。進入禁止エリア50により、無人車両2と積込機7との接触が抑制される。
【0066】
無人車両2は、走行路6から積込場4に進入する。無人車両2は、前進しながら積込場4に進入する。無人車両2は、第3走行パス32Cに従って、積込場4を走行する。積込場4に進入した無人車両2は、前進しながらスイッチバック点41に進入し、スイッチバック点41で停止状態になった後、後進しながら積込点42に進入する。積込点42に進入した無人車両2は、積込点42で停止状態になる。積込点42に配置された無人車両2は、積込作業を実施される。積込作業が終了した無人車両2は、前進しながら積込点42から退去する。積込点42から退去した無人車両2は、積込場4から走行路6に退去する。
【0067】
[GNSSが使用できない場合の積込場における無人車両の動作]
図7は、実施形態に係るGNSSが使用できない場合の管理システム11の処理を示すフローチャートである。
図8及び
図9のそれぞれは、実施形態に係るGNSSが使用できない場合の積込場4における無人車両2の動作を説明するための模式図である。
【0068】
例えば電離層シンチレーション等によりGNSSが使用できなくなると、センサデータ受信部123は、無人車両2のGNSS位置を示す自己位置センサ17の検出データ及び積込機7のGNSS位置を示す自己位置センサ22の検出データを受信できなくなる。センサデータ受信部123は、GNSS位置を取得できないと判定する(ステップSA1)。
【0069】
進入禁止エリア設定部124は、センサデータ受信部123が自己位置センサ17の検出データ及び自己位置センサ22の検出データを受信できない場合、進入禁止エリア50を拡大する(ステップSA2)。
【0070】
図6に示したように、GNSSが使用できる場合、すなわち、センサデータ受信部123が自己位置センサ17の検出データ及び自己位置センサ22の検出データを受信できる場合、進入禁止エリア50は、第1の大きさの進入禁止エリア50Aに設定される。
図8に示すように、GNSSが使用できない場合、すなわち、センサデータ受信部123が自己位置センサ17の検出データ及び自己位置センサ22の検出データを受信できない場合、進入禁止エリア設定部124は、進入禁止エリア50を、第1の大きさの進入禁止エリア50Aから、第1の大きさよりも大きい第2の大きさの進入禁止エリア50Bに拡大する。
【0071】
GNSSが使用できない場合、作業現場1で稼働する複数の無人車両2(2A,2B)のそれぞれは、照合位置を管理装置12に送信する。上述のように、無人車両2の自己位置算出部93は、作業現場1のマップデータと対象位置センサ20の検出データとに基づいて、グローバル座標系で規定される無人車両2の照合位置を算出することができる。センサデータ受信部123は、複数の無人車両2(2A,2B)のそれぞれから無人車両2の照合位置を取得する。
【0072】
GNSSが使用できない場合、すなわち、センサデータ受信部123が自己位置センサ17の検出データ及び自己位置センサ22の検出データを受信できない場合、走行パス生成部121は、積込機7の周辺に規定される監視点43への走行パス32である第4走行パス32Dを積込場4に生成する(ステップSA3)。
【0073】
図8に示すように、監視点43は、進入禁止エリア50Bの外側に規定される。また、監視点43は、積込場4における既存の走行パス32である第3走行パス32Cに重ならない位置に規定される。
【0074】
走行パス送信部122は、走行パス生成部121において生成された第4走行パス32Dを、作業現場1で稼働する複数の無人車両2のうち特定の無人車両2に送信する。走行パス送信部122は、複数の無人車両2のうち例えば積込点42に最も近い位置に存在する無人車両2に第4走行パス32Dを送信する。なお、走行パス送信部122は、複数の無人車両2のうちスイッチバック点41に最も近い位置に存在する無人車両2に第4走行パス32Dを送信してもよい。走行パス送信部122は、複数の無人車両2のうち積込場4の入口に存在する無人車両2に第4走行パス32Dを送信してもよい。
【0075】
以下の説明において、監視点43への第4走行パス32Dが送信される無人車両2を適宜、第1無人車両2A、と称する。また、第1無人車両2Aに後続する無人車両2を適宜、第2無人車両2B、と称し、第2無人車両2Bに後続する無人車両2を適宜、第3無人車両2C、と称する。
【0076】
第4走行パス32Dが送信された第1無人車両2Aは、第4走行パス32Dに従って監視点43に向かって走行する。第1無人車両2Aは、照合位置に基づいて走行する。すなわち、第1無人車両2Aは、照合航法により監視点43に向かって移動する(ステップSB1)。
【0077】
図9に示すように、監視点43に配置された第1無人車両2Aは、対象位置センサ20を用いて積込機7との相対位置を検出する。監視点43は、対象位置センサ20の検出範囲に積込機7が配置されるように規定される。第1無人車両2Aが監視点43に停車した状態で、対象位置センサ20による第1無人車両2Aと積込機7との相対位置の検出が実施される。対象位置算出部94は、第1無人車両2Aと積込機7との相対位置を示す対象位置センサ20の検出データを取得する(ステップSB2)。
【0078】
対象位置算出部94は、対象位置センサ20が積込機7を検出しているとき第1無人車両2Aの照合位置を算出する。対象位置算出部94は、第1無人車両2Aの照合位置と、対象位置センサ20の検出データとに基づいて、積込機7の位置を算出する。第1無人車両2Aの照合位置は、絶対位置である。そのため、対象位置算出部94は、第1無人車両2Aの照合位置と、対象位置センサ20の検出データとに基づいて、積込機7の絶対位置を算出する(ステップSB3)。
【0079】
対象位置算出部94は、ステップSB3において算出した積込機7の位置を、通信システム13を介して管理装置12に送信する。位置取得部125は、対象位置センサ20の検出データに基づいて算出された積込機7の位置を第1無人車両2Aから取得する。
【0080】
進入禁止エリア設定部124は、位置取得部125が積込機7の位置を取得した場合、進入禁止エリア50の拡大を停止する。実施形態において、進入禁止エリア設定部124は、位置取得部125が積込機7の位置を取得した場合、進入禁止エリア50を縮小する。
図9に示すように、進入禁止エリア設定部124は、位置取得部125が積込機7の位置を取得した場合、進入禁止エリア50Bを、センサデータ受信部123が自己位置センサ17の検出データ及び自己位置センサ22の検出データを受信できているときに設定した進入禁止エリア50Aに戻す。進入禁止エリア設定部124は、進入禁止エリア50Bを、GNSSが使用できるときに設定した進入禁止エリア50Aに戻す。
【0081】
積込機7のオペレータは、積込機7に搭載されている送信装置(不図示)を操作して、第2無人車両2Bを積込点42へ移動させるための移動指令を管理装置12に送信する。
【0082】
走行パス送信部122は、第2無人車両2Bに積込点42への走行パス32である第3走行パス32Cを送信する。
【0083】
図9に示すように、第3走行パス32Cが送信された第2無人車両2Bは、第3走行パス32Cに従って積込点42に向かって走行する。第2無人車両2Bは、照合位置に基づいて走行する。すなわち、第2無人車両2Bは、照合航法により積込点42に向かって移動する(ステップSC1)。
【0084】
積込機7のオペレータは、積込点42に配置された第2無人車両2Bのダンプボディ203に積荷を積み込む積込作業を開始する(ステップSD1)。
【0085】
積込作業が終了した後、積込機7のオペレータは、積込機7に搭載されている送信装置(不図示)を操作して、第2無人車両2Bを積込点42から退去させるための退去指令を管理装置12に送信する。
【0086】
走行パス送信部122は、第2無人車両2Bに積込点42から退去するための走行パス32を送信する。
【0087】
第2無人車両2Bは、走行パス32に基づいて積込点42から退去する。第2無人車両2Bは、照合位置に基づいて走行する。すなわち、第2無人車両2Bは、照合航法により積込点42から退去するように走行する(ステップSC1)。
【0088】
第1無人車両2Aは、例えばGNSSが使用できる状態になるまで、監視点43において、対象位置センサ20を用いて積込機7の位置を検出し続ける。積込機7の位置が第1無人車両2Aの対象位置センサ20により検出されている期間において、複数の無人車両2に対する積込作業が順次実施される。例えば、第2無人車両2Bが積込点42から退去した後、第2無人車両2Bの次の第3無人車両2Cが第3走行パス32Cに基づいて積込点42まで走行する。
【0089】
[効果]
以上説明したように、実施形態に係る無人車両2の管理システム11は、積込機7との相対位置を検出する対象位置センサ20を有する第1無人車両2Aと、積込機7により積荷が積み込まれるダンプボディ203を有する第2無人車両2Bと、第1無人車両2A及び第2無人車両2Bのそれぞれの走行を管理する管理装置12と、を備える。
【0090】
実施形態によれば、GNSSが使用できない場合においても、管理システム11は、第1無人車両2Aの対象位置センサ20を用いて積込機7の位置を取得することができる。これにより、積込機7の位置に基づいて、第2無人車両2Bを積込点42に進入させることができる。GNSSが使用できなくても、積込機7を利用して第2無人車両2Bのダンプボディ203に積荷を積み込むことができるので、作業現場1の生産性の低下を抑制することができる。
【0091】
GNSSが使用できない場合、走行パス生成部121は、積込機7の周辺に規定される監視点43への第4走行パス32Dを生成する。走行パス送信部122は、監視点43への第4走行パス32Dを第1無人車両2Aへ送信する。これにより、第1無人車両2Aは、第2無人車両2Bに対する積込作業を妨げない適切な位置で、対象位置センサ20を用いて積込機7を監視することができる。
【0092】
積込機7に無人車両2の進入を禁止する進入禁止エリア50が設定されることにより、無人車両2と積込機7との接触が抑制される。GNSSが使用できない場合、進入禁止エリア50が一旦拡大されるので、GNSSが使用できない場面においても、無人車両2と積込機7との接触が抑制される。
【0093】
対象位置センサ20の検出データに基づいて積込機7の位置が算出された場合、進入禁止エリア50の拡大が停止される。実施形態においては、第2の大きさの進入禁止エリア50Bが第1の大きさの進入禁止エリア50Aに戻される。進入禁止エリア50が拡大されたままだと、無人車両2が積込機7に近付けず、積込作業の実施が困難になる。対象位置センサ20の検出データに基づいて積込機7の位置が算出された場合、進入禁止エリア50が縮小されるので、無人車両2は積込点42に進入することができる。これにより、積込作業が実施されるので、作業現場1の生産性の低下が抑制される。
【0094】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、積込機7は、自己位置センサ22(GNSS受信機)を備えていなくてもよい。位置取得部125は、対象位置センサ20の検出データに基づいて算出された積込機7の位置を第1無人車両2Aから取得し、走行パス生成部121は、位置取得部125により取得された積込機7の位置に基づいて、積込点42への走行パス32を生成してもよい。走行パス送信部122が走行パス生成部121において生成された積込点42への走行パス32を第2無人車両2Bへ送信してもよい。
【0095】
上述の実施形態においては、GNSSが使用できない場合、積込場4における既存の第3走行パス32Cに重ならない位置に監視点43が規定され、第2無人車両2Bは、既存の第3走行パス32Cに基づいて積込点42に進入することとした。監視点43は、既存の第3走行パス32Cに重なるように規定されてもよい。
【0096】
図10は、他の実施形態に係るGNSSが使用できない場合の積込場4における無人車両2の動作を説明するための模式図である。GNSSが使用できない場合、すなわち、センサデータ受信部123が自己位置センサ17の検出データ及び自己位置センサ22の検出データを受信できない場合、走行パス生成部121は、位置取得部125により取得された積込機7の位置に基づいて、積込点42への走行パス32である第5走行パス32Eを新たに生成してもよい。監視点43は、既存の第3走行パス32Cに重なるように規定されてもよい。走行パス生成部121は、既存の第3走行パス32C及び監視点43を避けるように、積込点42への第5走行パス32Eを新たに生成してもよい。走行パス送信部122は、新たに生成された積込点42への第5走行パス32Eを第2無人車両2Bへ送信してもよい。第2無人車両2Bは、新たに生成された第5走行パス32Eに基づいて積込点42に進入してもよい。
【0097】
上述の実施形態においては、無人ダンプトラックである第1無人車両2Aが、監視点43において積込機7の位置を監視することとした。監視点43において積込機7の位置を監視する無人車両は、無人ダンプトラックでなくてもよい。すなわち、監視点43において積込機7の位置を監視する無人車両は、ダンプボディを備えている必要はなく、任意の無人作業機械でもよい。
【0098】
上述の実施形態において、管理装置12の機能の少なくとも一部が制御装置9に設けられてもよいし、制御装置9の機能の少なくとも一部が管理装置12に設けられてもよい。例えば、マップ作成部126の機能及びマップ記憶部127の機能が制御装置9に設けられてもよい。対象位置算出部94の機能が管理装置12に設けられてもよい。
【0099】
上述の実施形態において、走行パス生成部121、走行パス送信部122、センサデータ受信部123、進入禁止エリア設定部124、位置取得部125、マップ作成部126、及びマップ記憶部127のそれぞれが、別々のハードウエア(コンピュータシステム)により構成されてもよい。また、走行パス取得部91、センサデータ取得部92、自己位置算出部93、対象位置算出部94、及び走行制御部95のそれぞれが、別々のハードウエア(コンピュータシステム)により構成されてもよい。
【0100】
上述の実施形態において、無人車両2は、運搬車両の一種であるダンプトラックであることとした。無人車両2は、作業現場1で作業を実施可能な作業車両であればよい。
【符号の説明】
【0101】
1…作業現場、2…無人車両、2A…第1無人車両、2B…第2無人車両、2C…第3無人車両、3…走行エリア、4…積込場、5…排土場、6…走行路、7…積込機、8…破砕機、9…制御装置、10…制御装置、11…管理システム、12…管理装置、13…通信システム、13A…無線通信機、13B…無線通信機、13C…無線通信機、14…管制施設、17…自己位置センサ、18…方位センサ、19…速度センサ、20…対象位置センサ、22…自己位置センサ、31…走行点、32…走行パス、32A…第1走行パス、32B…第2走行パス、32C…第3走行パス、32D…第4走行パス、32E…第5走行パス、41…スイッチバック点、42…積込点、43…監視点、50…進入禁止エリア、50A…進入禁止エリア、50B…進入禁止エリア、91…走行パス取得部、92…センサデータ取得部、93…自己位置算出部、94…対象位置算出部、95…走行制御部、101…センサデータ取得部、102…自己位置算出部、121…走行パス生成部、122…走行パス送信部、123…センサデータ受信部、124…進入禁止エリア設定部、125…位置取得部、126…マップ作成部、127…マップ記憶部、201…車体、202…走行装置、203…ダンプボディ、701…旋回体、702…走行装置、703…作業機、703A…ブーム、703B…アーム、703C…バケット、704…作業機シリンダ、704A…ブームシリンダ、704B…アームシリンダ、704C…バケットシリンダ、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インターフェース。