(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024901
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】制御装置、制御装置のためのコンピュータプログラム、及び、制御装置によって実行される方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20240216BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20240216BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240216BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
B41J29/42 F
G06Q10/00 300
B41J29/38 204
G03G21/00 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127870
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘和
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5L049
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ34
2C061HK11
2H270KA59
2H270KA60
2H270KA62
2H270MF16
2H270MF17
2H270MF22
2H270NC02
2H270NC06
2H270NC26
2H270ND02
2H270ND11
2H270ND19
2H270ND21
2H270ND33
2H270QA46
2H270QA55
2H270QA59
2H270QB24
2H270QB27
2H270ZB01
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】ユーザが画面の表示を煩わしいと感じるのを抑制可能な技術を提供する。
【解決手段】制御装置は、メモリ内の契約状態情報を取得する。契約状態情報は、締結中状態と未締結状態と解約済み状態とのいずれかの状態を示す。締結中状態は、プリンタのユーザが、プリンタに関連するサービスの提供を受けるための契約を締結中である状態である。未締結状態は、ユーザが契約を締結したことがない状態である。解約済み状態は、ユーザが契約を解約済みである状態である。制御装置は、契約状態情報が未締結状態を示す場合に、サービスへの加入を促す第1のメッセージを含むメッセージ画面を表示部に表示させ、契約状態情報が締結中状態を示す場合又は解約済み状態を示す場合に、メッセージ画面を表示部に表示させない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置であって、
メモリ内の契約状態情報を取得する取得部であって、前記契約状態情報は、締結中状態と未締結状態と解約済み状態とのいずれかの状態を示し、前記締結中状態は、プリンタのユーザが、前記プリンタに関連するサービスの提供を受けるための契約を締結中である状態であり、前記未締結状態は、前記ユーザが前記契約を締結したことがない状態であり、前記解約済み状態は、前記ユーザが前記契約を解約済みである状態である、前記取得部と、
前記契約状態情報が前記未締結状態を示す場合に、前記サービスへの加入を促す第1のメッセージを含むメッセージ画面を表示部に表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記契約状態情報が前記締結中状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させず、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させない、制御装置。
【請求項2】
前記取得部は、さらに、前記契約状態情報が前記解約済み状態を示す場合に、解約された前記サービスのプランを示すプラン情報を取得し、
前記表示制御部は、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示し、かつ、前記プラン情報によって示される前記プランが前記サービスの現行プランに一致しない場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させ、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示し、かつ、前記プラン情報によって示される前記プランが前記現行プランに一致する場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させない、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記契約状態情報が前記解約済み状態を示す場合に、さらに、解約理由を示す理由情報を取得し、
前記表示制御部は、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示し、かつ、前記プラン情報によって示される前記プランが前記現行プランに一致せず、かつ、前記理由情報によって示される前記解約理由が前記現行プランによって解消されている場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させ、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示し、かつ、前記プラン情報によって示される前記プランが前記現行プランに一致せず、かつ、前記理由情報によって示される前記解約理由が前記現行プランによって解消されていない場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させない、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記メッセージ画面は、さらに、前記現行プランを示す第2のメッセージを含む、請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記メッセージ画面は、さらに、過去のプランと比べて前記現行プランによって改善された内容を示す第3のメッセージを含む、請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記プリンタに装着されている色材カートリッジ内の色材の残量が閾値より大きい状態から前記閾値以下の状態に変化し、かつ、前記契約状態情報が前記未締結状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させ、
前記残量が前記閾値より大きい状態から前記閾値以下の状態に変化しない場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させない、請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記プリンタの制御部であり、
前記メモリは、前記プリンタとは別体に構成されているサーバのメモリであり、
前記表示部は、前記プリンタの表示部である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
制御装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記制御装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
メモリ内の契約状態情報を取得する取得部であって、前記契約状態情報は、締結中状態と未締結状態と解約済み状態とのいずれかの状態を示し、前記締結中状態は、プリンタのユーザが、前記プリンタに関連するサービスの提供を受けるための契約を締結中である状態であり、前記未締結状態は、前記ユーザが前記契約を締結したことがない状態であり、前記解約済み状態は、前記ユーザが前記契約を解約済みである状態である、前記取得部と、
前記契約状態情報が前記未締結状態を示す場合に、前記サービスへの加入を促す第1のメッセージを含むメッセージ画面を表示部に表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記契約状態情報が前記締結中状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させず、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させない、コンピュータプログラム。
【請求項9】
制御装置によって実行される方法であって、
メモリ内の契約状態情報を取得する取得工程であって、前記契約状態情報は、締結中状態と未締結状態と解約済み状態とのいずれかの状態を示し、前記締結中状態は、プリンタのユーザが、前記プリンタに関連するサービスの提供を受けるための契約を締結中である状態であり、前記未締結状態は、前記ユーザが前記契約を締結したことがない状態であり、前記解約済み状態は、前記ユーザが前記契約を解約済みである状態である、前記取得工程と、
前記契約状態情報が前記未締結状態を示す場合に、前記サービスへの加入を促す第1のメッセージを含むメッセージ画面を表示部に表示させる表示制御工程と、を備え、
前記表示制御工程は、
前記契約状態情報が前記締結中状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させず、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させない、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、プリンタに関係するサービスへの加入をユーザに促す画面を表示可能なプリンタに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、トナーローを検出することに応じてトナー配送契約を勧める画面を表示するプリンタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、ユーザが画面の表示を煩わしいと感じるのを抑制可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示される制御装置は、メモリ内の契約状態情報を取得する取得部であって、前記契約状態情報は、締結中状態と未締結状態と解約済み状態とのいずれかの状態を示し、前記締結中状態は、プリンタのユーザが、前記プリンタに関連するサービスの提供を受けるための契約を締結中である状態であり、前記未締結状態は、前記ユーザが前記契約を締結したことがない状態であり、前記解約済み状態は、前記ユーザが前記契約を解約済みである状態である、前記取得部と、前記契約状態情報が前記未締結状態を示す場合に、前記サービスへの加入を促す第1のメッセージを含むメッセージ画面を表示部に表示させる表示制御部と、を備えてもよい。前記表示制御部は、前記契約状態情報が前記締結中状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させず、前記契約状態情報が前記解約済み状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させなくてよい。
【0006】
上記の構成によれば、制御装置は、ユーザが契約を締結したことがない場合に、メッセージ画面を表示部に表示させることができる。このために、制御装置は、サービスへの加入をユーザに促すことができる。一方、制御装置は、ユーザが契約を締結中又は解約済みである場合に、メッセージ画面を表示部に表示させない。このために、ユーザがメッセージ画面の表示を煩わしいと感じるのを抑制することができる。
【0007】
上記の制御装置のためのコンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体も新規で有用である。また、上記の制御装置によって実行される方法も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
(通信システム2の構成;
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、プリンタ10と端末装置50とサーバ100とを備える。プリンタ10及び端末装置50は、LAN(Local Area Networkの略)6に接続されており、LAN6を介して相互に通信可能である。LAN6は、有線LANであってもよいし無線LANであってもよい。端末装置50は、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、携帯電話(例えばスマートフォン)等のユーザ端末である。サーバ100は、インターネット8上に設置される。LAN6内のデバイス10等は、インターネット8を介して、サーバ100と通信可能である。
【0010】
(プリンタ10の構成)
プリンタ10は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば端末装置50の周辺装置)である。変形例では、プリンタ10は、印刷機能に加えて、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ10には、プリンタを識別する情報であるデバイスID「P3」が割り当てられている。プリンタ10は、操作部12と、表示部14と、LANインターフェース16と、印刷実行部18と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。
【0011】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をプリンタ10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示させるディスプレイである。表示部14は、いわゆるタッチパネル(即ちユーザの操作を受け付ける操作部)としても機能する。LANインターフェース16は、LAN6に接続されている。本実施例では、印刷実行部18は、インクジェット方式の印刷機構を備える。従って、印刷実行部18にはインクカートリッジが装着される。変形例では、印刷実行部18は、レーザ方式の印刷機構を備えてもよい。
【0012】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ(例えばROM)、不揮発性メモリ(例えばRAM)等によって構成される。
【0013】
(サーバ100の構成)
サーバ100は、プリンタ10のベンダによってインターネット8上に設置され、プリンタ10に関するサービスを提供する。本実施例では、当該サービスは、サブスクリプションサービスであり、より具体的には、定額制の印刷サービスである。定額制の印刷サービスは、所定期間(例えば1ヵ月)単位で設定されている定額料金を支払うと、当該所定期間において予め決められた上限の印刷枚数の利用を許可するサービスである。
【0014】
サーバ100は、メモリ105を備える。メモリ105は、サービス契約テーブル110と、現行プラン情報120と、プラン経緯情報130と、を記憶する。
【0015】
サービス契約テーブル110は、ユーザIDとデバイスIDと契約状態情報と開始日と解約日と契約プラン情報と解約理由情報とを関連付けて記憶する。ユーザIDは、プリンタのユーザを識別する情報である。デバイスIDは、プリンタのデバイスIDである。契約状態情報は、締結中状態と未締結状態と解約済み状態とのいずれかの状態を示す。締結中状態は、ユーザがサービスの提供を受けるための契約(以下では単に「契約」と記載する)を締結中である状態である。未締結状態は、ユーザが契約を締結したことがない状態である。解約済み状態は、ユーザが契約を解約済みである状態である。開始日は、ユーザにサービスの提供が開始された日、換言すると、ユーザが契約を締結した日を示す。解約日は、ユーザが契約を解約した日を示す。契約プラン情報は、ユーザが契約を締結している(あるいは締結していた)サービスのプランを示す。解約理由情報は、ユーザが契約を解約した理由を示す。
【0016】
サーバ100は、ユーザから、ユーザIDとデバイスIDとを登録するための登録指示を取得する。以下では、当該ユーザ、当該ユーザID、当該デバイスIDのことを、それぞれ、「対象ユーザ」、「対象ユーザID」、「対象デバイスID」と記載する。なお、登録指示は、例えば、ユーザが端末装置(例えば50)を利用してサーバ100にアクセスすることによって、サーバ100に供給される。以下の各指示も同様である。サーバ100は、対象ユーザから登録指示を取得すると、対象ユーザIDと対象デバイスIDと契約状態情報「未契約」とを関連付けてサービス契約テーブル110に記憶する。
【0017】
その後、サーバ100は、対象ユーザから、定額制の印刷サービスに契約するための契約指示を取得すると、対象ユーザIDに関連付けられている契約状態情報を「未契約」から「締結中」に変更する。サーバ100は、さらに、対象ユーザIDに関連付けられている開始日(即ち契約の締結日)を記憶する。サーバ100は、さらに、対象ユーザIDに関連付けられている契約プラン情報として、現行プラン情報120によって示されるプラン(即ち現行プラン)を記憶する。
【0018】
その後、サーバ100は、対象ユーザから、契約を解約するための解約指示を取得し得る。この場合、サーバ100は、対象ユーザIDに関連付けられている契約状態情報を「締結中」から「解約済み」に変更する。サーバ100は、さらに、対象ユーザIDに関連付けられている解約日を記憶する。サーバ100は、対象ユーザから解約指示を取得する際に、対象ユーザに対してアンケートを実施して解約理由を取得する。解約理由としては、例えば、インクカートリッジの配送の仕組みが悪い、コストが高い、プリンタを廃棄する、その他の理由等である。サーバ100は、対象ユーザIDに関連付けられている解約理由情報として、取得済みの解約理由を記憶する。
【0019】
現行プラン情報120は、サーバ100によって現在提供されているサービスのプラン(即ち現行プラン)を示す情報である。本実施例の定額制の印刷サービスでは、第1種のプランがサーバ100によって提供されていたが、その後、第1種のプランに代えて第2種のプランがサーバ100によって提供されたという経緯がある。また、その後、第2種のプランに代えて第3種のプランがサーバ100によって提供されたという経緯がある。現時点では、サーバ100が第3種のプランを提供しているので、現行プラン情報120は、第3種のプランを示す。
【0020】
プラン経緯情報130は、プランの変更の経緯を示す情報である。本実施例の定額制の印刷サービスでは、プリンタ10によって利用されるインクカートリッジ(即ち色材カートリッジ)が自動的にユーザに配送される。例えば、第1種のプランでは、所定数(例えば1個)のインクカートリッジがユーザに毎月配送されていた。しかしながら、当該所定数のインクカートリッジ内の消耗品がなくなってしまうと、新たなインクカートリッジが発送されるまで、ユーザがプリンタに印刷を実行させることができない。このようなユーザの不便性を解消させるために、第1種のプランに代えて第2種のプランが採用された。第2種のプランでは、サーバ100は、各プリンタにおけるインクの残量を監視し、残量が少なくなると、インクカートリッジを自動的に発送する。即ち、第2種のプランでは、第1種のプランと比べて、インクカートリッジの配送の仕組みが改善された。従って、プラン経緯情報130は、第1種のプランから第2種のプランに変更されたことを示す情報と、配送の仕組みが改善されたことを示す情報と、を含む。
【0021】
また、第3種のプランでは、第2種のプランと比べて、ユーザが負担する金額(即ちコスト)が安くなった。従って、プラン経緯情報130は、第2種のプランから第3種のプランに変更されたことを示す情報と、コストが改善されたことを示す情報と、を含む。
【0022】
(プリンタ10のサービス紹介処理:
図2)
図2を参照して、プリンタ10のCPU32によって実行されるサービス紹介処理を説明する。プリンタ10の電源がONされることをトリガとして、
図2の処理が開始される。変形例では、例えば、端末装置50から印刷実行指示が受信されることがトリガであってもよいし、所定時間が経過する毎に
図2の処理が開始されてもよい。
【0023】
S10において、CPU32は、インクカートリッジ内のインクの残量が閾値より大きい状態から閾値以下の状態に変化することを監視する。印刷実行部18は、インクカートリッジ内のインクの残量を検出するセンサ(図示省略)を備える。CPU32は、当該センサから取得される検出値によって示される残量が閾値以下である場合に、S10でYESと判断してS12に進む。このように、プリンタ10は、インクの残量が少なくなる場合に、後述のメッセージ画面200を表示する(S30)。従って、プリンタ10は、ユーザが新しいインクカートリッジを購入すべきタイミング、即ち、ユーザが定額制の印刷サービスに加入することを検討し易いタイミングで、メッセージ画面200を表示することができる。このために、ユーザに対して印刷サービスへの加入を適切に促すことができる。一方、CPU32は、残量が閾値より大きい場合に、S10でNOと判断し、S12以降の処理を実行せずにS10に戻る。
【0024】
S12において、CPU32は、サーバ100から各情報を取得する。具体的には、CPU32は、プリンタ10のデバイスID「P3」を含む情報要求をサーバ100に送信して、サーバ100から、サービス契約テーブル110においてデバイスID「P3」に関連付けられている情報(以下では「テーブル内情報」と記載する)を受信する。テーブル内情報は、例えば、ユーザID「CCC」、契約状態情報「解約済み」、開始日「2021/9/5」、解約日「2022/5/1」、契約プラン情報「第2種のプラン」、及び、解約理由情報「コスト」を含む(
図1のテーブル110参照)。上記の各情報は、さらに、現行プラン情報120と、プラン経緯情報130と、後述のメッセージ画面200を表わすメッセージ画面情報と、を含む。
【0025】
S20において、CPU32は、S12で取得されたテーブル内情報に含まれる契約状態情報が何を示すのかを特定する。CPU32は、契約状態情報が「未契約」を示す場合にS30に進み、契約状態情報が「解約済み」を示す場合にS40に進む。CPU32は、契約状態情報が「締結中」を示す場合に、後述のメッセージ画面200を表示することなく、
図2の処理を終了する。このように、プリンタ10は、ユーザが契約を締結中である場合には、後述のメッセージ画面200を表示しない。ユーザによって既に加入されている印刷サービスへの加入を促すメッセージ画面200を表示すると、ユーザが煩わしいと感じ得るからである。本実施例によると、ユーザがメッセージ画面200の表示を煩わしいと感じるのを抑制することができる。
【0026】
S30において、CPU32は、S12で取得されたメッセージ画面情報によって表わされるメッセージ画面200を表示部14に表示させる。メッセージ画面200は、定額制の印刷サービスへの加入(即ち契約の締結)を促すメッセージ202を含む。これにより、特に未契約のユーザに対して印刷サービスへの加入を適切に促すことができる。メッセージ画面200は、さらに、サーバ100によって現在提供されている第3種のプランを示すメッセージ204を含む。これにより、ユーザは、サーバ100によって現在提供されているプラン(即ち現行プラン)を知ることができる。メッセージ画面200は、さらに、第3種のプランでは、過去のプラン(即ち第1種及び第2種のプラン)と比べて、インクカートリッジの配送の仕組み及びコストが改善されたことを示すメッセージ206を含む。これにより、ユーザは、現行プランのメリットを知ることができる。S30の処理が終了すると、
図2の処理を終了する。
【0027】
S40において、CPU32は、契約が解約された際のプランである解約プランが現行プランに一致するのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、S12で取得されたテーブル内情報に含まれる契約プラン情報によって示されるプラン(即ち解約プラン)が、S12で取得された現行プラン情報によって示されるプラン(即ち現行プラン)に一致する場合に、S40でYESと判断し、S42以降の処理を実行せずに
図2の処理を終了する。このように、プリンタ10は、解約プランが現行プランに一致する場合には、メッセージ画面200を表示しない。ユーザが既に解約したプランと同じプランへの加入を促すメッセージ画面200を表示すると、ユーザが煩わしいと感じ得るからである。本実施例によると、ユーザがメッセージ画面200の表示を煩わしいと感じるのを抑制することができる。一方、CPU32は、解約プランが現行プランに一致しない場合に、S40でNOと判断し、S42に進む。
【0028】
S42において、CPU32は、解約プランから現行プランまでの間に解約理由が改善されたのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、まず、S12で取得されたテーブル内情報に含まれる解約理由情報によって示される解約理由を特定する。次いで、CPU32は、S12で取得されたプラン経緯情報130と解約プランと現行プランとに応じて、特定済みの解約理由が改善されたのか否かを判断する。
【0029】
例えば、解約理由が「コスト」であり、解約プランが「第2種のプラン」であり、現行プランが「第3種のプラン」である状況を想定する。この場合、第2種のプランから第3種のプランに変更される際にコストが改善されたことがプラン経緯情報130によって示されているので、CPU32は、解約理由「コスト」が改善されたと判断する(S42でYES)。また、例えば、解約理由が「配送の仕組み」であり、解約プランが「第2種のプラン」であり、現行プランが「第3種のプラン」である状況を想定する。この場合、第2種のプランから第3種のプランに変更される際に配送の仕組みが改善されていないことがプラン経緯情報130によって示されているので、CPU32は、解約理由「配送の仕組み」が改善されていないと判断する(S42でNO)。また、例えば、解約理由が「その他の理由」である状況では、解約理由が解消されたのか否かがわからないので、CPU32は、解約理由「その他の理由」が改善されていないと判断する(S42でNO)。
【0030】
CPU32は、S42でYESと判断する場合に、S30において、メッセージ画面200を表示部14に表示させる。このように、プリンタ10は、解約プランが現行プランに一致せず、かつ、解約理由が改善された場合には、メッセージ画面200を表示する。これにより、解約済みのユーザに対して印刷サービスへの加入を適切に促すことができる。一方、CPU32は、S42でNOと判断する場合に、S30の処理を実行せずに
図2の処理を終了する。このように、プリンタ10は、解約理由が改善されていない場合には、メッセージ画面200を表示しない。解約理由が改善されていないにも関わらずメッセージ画面200を表示すると、ユーザが煩わしいと感じ得るからである。本実施例によると、ユーザがメッセージ画面200の表示を煩わしいと感じるのを抑制することができる。
【0031】
(具体的なケース)
続いて、
図3を参照して、
図2の処理によって実現される具体的なケースを説明する。プリンタ10は、T10において、端末装置50から印刷実行指示を受信する。この場合、プリンタ10は、T12において、印刷を実行し、この結果、T14において、インクカートリッジ内のインクの残量が閾値より大きい状態から閾値以下の状態に変化したと判断する(
図2のS10でYES)。そして、プリンタ10は、T20において、プリンタ10のデバイスID「P3」を含む情報要求をサーバ100に送信する(S12)。
【0032】
サーバ100は、T20において、プリンタ10から情報要求を受信すると、サービス契約テーブル110から、情報要求に含まれるデバイスID「P3」に関連付けられているテーブル内情報(即ち、ユーザID「CCC」、契約状態情報「解約済み」等)を特定する。そして、サーバ100は、T22において、特定済みのテーブル内情報と、現行プラン情報120と、プラン経緯情報130と、メッセージ画面情報と、をプリンタ10に送信する。なお、サーバ100は、新たなプランが導入される際に、新たなメッセージ画面情報を予め記憶しておく。当該新たなメッセージ画面情報は、印刷サービスへの加入を促すメッセージ(例えば
図2のS30の符号202)と、現行プランの種類を示すメッセージ(例えば符号204)と、過去のプランと比べて現行プランによって改善された内容を示すメッセージ(例えば符号206)と、を含む。
【0033】
プリンタ10は、T22において、サーバ100から各情報を受信すると(S12)、T30において、テーブル内情報に含まれる契約状態情報が「解約済み」を示すと判断する(S20で「解約済み」)。さらに、プリンタ10は、T32において、テーブル内情報に含まれる契約プラン情報によって示される解約プラン「第2種のプラン」が、現行プラン情報120によって示される現行プラン「第3種のプラン」に一致しないと判断する(S40でNO)。さらに、プリンタ10は、T34において、プラン経緯情報130によって示される経緯を参照すると、テーブル内情報に含まれる解約理由情報によって示される解約理由「コスト」が改善されたと判断する(S42でYES)。この場合、プリンタ10は、T40において、メッセージ画面情報によって表わされるメッセージ画面200を表示する(S30)。
【0034】
(本実施例の効果)
上記の実施例によれば、プリンタ10は、ユーザが契約を締結したことがない場合(
図2のS20で「未契約」)に、メッセージ画面200を表示する。このために、プリンタ10は、定額制の印刷サービスへの加入をユーザに促すことができる。一方、プリンタ10は、ユーザが契約を締結中である場合(S20で「締結中」)、又は、ユーザが契約を解約済みである場合(S20で「解約済み」及びS40でYES、又は、S20で「解約済み」、S40でNO及びS42でNO)に、メッセージ画面200を表示しない。このために、ユーザがメッセージ画面200の表示を煩わしいと感じるのを抑制することができる。
【0035】
(対応関係)
プリンタ10の制御部30、表示部14が、それぞれ、「制御装置」、「表示部」の一例である。サーバ100のメモリ105が、「メモリ」の一例である。メッセージ画面200内のメッセージ202、メッセージ204、メッセージ206が、それぞれ、「第1のメッセージ」、「第2のメッセージ」、「第3のメッセージ」の一例である。サービス契約テーブル110内のデバイスID「P3」に関連付けられている契約プラン情報が、「解約された前記サービスのプランを示すプラン情報」の一例である。
図2のS12、S30が、それぞれ、「取得部」、「表示制御部」によって実行される処理の一例である。
【0036】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0037】
(変形例1)「サービス」は、定額制の印刷サービスに限られず、他のサービスであってもよい。例えば、「サービス」は、インク、トナー等の色材を収容する色材カートリッジを自動的に発送するサービスであってもよいし、ニュース情報をプリンタに供給するサービスであってもよいし、印刷対象の画像に対する特殊な画像処理を実行可能なサーバを利用するサービスであってもよい。一般的に言うと、「サービス」は、プリンタに関連するサービスであればよい。
【0038】
(変形例2)
図2のS12において、プリンタ10は、サーバ100から現行プラン情報120及びプラン経緯情報130を受信しなくてもよい。そして、プリンタ10は、
図2のS20で解約済みと判断する場合に、S40及びS42を実行せず、さらにはS30を実行せずに、
図2の処理を終了してもよい。一般的に言うと、「取得部」は、プラン情報を取得しなくてもよいし、「表示制御部」は、契約状態情報が解約済み状態を示す場合に、解約プラン、現行プラン、及び、解約理由に関わらずに、メッセージ画面を表示部に表示させなくてもよい。
【0039】
(変形例3)
図2のS12において、プリンタ10は、プラン経緯情報130を受信しなくてもよい。そして、プリンタ10は、
図2のS40でNOと判断する場合に、S42を実行せず、S30を実行してもよい。一般的に言うと、「表示制御部」は、契約状態情報が解約済み状態を示し、かつ、プラン情報によって示されるプランが現行プランに一致しない場合に、解約理由に関わらずに、メッセージ画面を表示部に表示させてもよい。
【0040】
(変形例4)メッセージ画面200は、メッセージ204を含まなくてもよい。別の変形例では、メッセージ画面200は、メッセージ206を含まなくてもよい。一般的に言うと、「メッセージ画面」は、第2のメッセージ及び/又は第3のメッセージを含まなくてもよい。
【0041】
(変形例5)プリンタ10は、
図2のS10を実行しなくてもよい。一般的に言うと、「表示制御部」は、契約状態情報が未締結状態を示す場合に、色材の残量に関わらず、メッセージ画面を表示部に表示させてもよい。
【0042】
(変形例6)サーバ100は、サービス契約テーブル110内の各情報を各プリンタのメモリ(例えばプリンタ10のメモリ34)に記憶させてもよい。例えば、サーバ100は、サービス契約テーブル110内のプリンタ10に関連する情報(ユーザID「CCC」、契約状態情報「解約済み」等)が変化する毎に、当該情報をプリンタ10に送信して、当該情報をプリンタ10のメモリ34に記憶させる。この場合、プリンタ10は、
図2のS12において、プリンタ10自身のメモリ34から当該情報を取得すればよい。本変形例では、プリンタ10のメモリ34が、「メモリ」の一例である。
【0043】
(変形例7)
図2の処理は、プリンタ10の制御部30によって実行されなくてもよい。例えば、サーバ100は、プリンタ10からインクの残量を定期的に受信し、当該残量が閾値以下になる場合に、S10でYESと判断し、S12において、サービス契約テーブル110からプリンタ10に関連する情報を取得してもよい。この場合、サーバ100は、S20、S40、及び、S42の判断を実行し、S30において、メッセージ画面情報をプリンタ10に送信して、メッセージ画面200をプリンタ10の表示部14に表示させてもよい。本変形例では、サーバ100が、「制御装置」の一例である。別の変形例では、端末装置50は、プリンタ10からインクの残量を定期的に受信し、当該残量が閾値以下になる場合に、S10でYESと判断し、S12において、サーバ100からプリンタ10に関連する情報を取得してもよい。この場合、端末装置50は、S20、S40、及び、S42の判断を実行し、S30において、メッセージ画面情報をプリンタ10に送信して、メッセージ画面200をプリンタ10の表示部14に表示させてもよい。あるいは、端末装置50は、メッセージ画面200を端末装置50の表示部(図示省略)に表示させてもよい。本変形例では、端末装置50が、「制御装置」の一例である。
【0044】
(変形例8)上記の実施例では、1台のサーバ100が様々なプランのサービスを提供することを前提としている。複数台のサーバがサービスを提供する環境においても、上記の実施例の技術を利用可能である。例えば、第1のサーバが第1種のサービスを提供し、第2のサーバが第2種のサービスを提供する。ここで、サーバ100は、第1のサーバ及び第2のサーバと連携しており、各サービスに関する情報をサービス契約テーブル110に
記憶しておく。プリンタ10は、例えば、第1種のサービスを締結中(又は解約済み)であり、第2種のサービスを未締結である場合には、第2種のサービスへの加入を促すメッセージ画面を表示する。
【0045】
(変形例9)プリンタ10は、
図2のS30でメッセージ画面200を表示する場合に、タイマをスタートさせてもよい。そして、プリンタ10は、S10でYESと判断する場合に、さらに、タイマが閾値(例えば1週間)以上であるのか否かを判断してもよい。この場合、プリンタ10は、タイマが閾値以上である場合に、S12に進み、タイマが閾値未満である場合に、
図2の処理を終了する。この構成によると、メッセージ画面200が表示された後に、タイマが閾値以上にならないと、メッセージ画面200が再び表示されない。このために、ユーザがメッセージ画面200の表示を煩わしいと感じるのを抑制することができる。
【0046】
(変形例10)上記の実施例では、CPU32がプログラム36を実行することによって、
図23の各処理が実現される。これに代えて、
図2のいずれかの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0047】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0048】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
制御装置であって、
メモリ内の契約状態情報を取得する取得部であって、前記契約状態情報は、締結中状態と未締結状態と解約済み状態とのいずれかの状態を示し、前記締結中状態は、プリンタのユーザが、前記プリンタに関連するサービスの提供を受けるための契約を締結中である状態であり、前記未締結状態は、前記ユーザが前記契約を締結したことがない状態であり、前記解約済み状態は、前記ユーザが前記契約を解約済みである状態である、前記取得部と、
前記契約状態情報が前記未締結状態を示す場合に、前記サービスへの加入を促す第1のメッセージを含むメッセージ画面を表示部に表示させる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記契約状態情報が前記締結中状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させず、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させない、制御装置。
(項目2)
前記取得部は、さらに、前記契約状態情報が前記解約済み状態を示す場合に、解約された前記サービスのプランを示すプラン情報を取得し、
前記表示制御部は、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示し、かつ、前記プラン情報によって示される前記プランが前記サービスの現行プランに一致しない場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させ、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示し、かつ、前記プラン情報によって示される前記プランが前記現行プランに一致する場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させない、項目1に記載の制御装置。
(項目3)
前記取得部は、前記契約状態情報が前記解約済み状態を示す場合に、さらに、解約理由を示す理由情報を取得し、
前記表示制御部は、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示し、かつ、前記プラン情報によって示される前記プランが前記現行プランに一致せず、かつ、前記理由情報によって示される前記解約理由が前記現行プランによって解消されている場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させ、
前記契約状態情報が前記解約済み状態を示し、かつ、前記プラン情報によって示される前記プランが前記現行プランに一致せず、かつ、前記理由情報によって示される前記解約理由が前記現行プランによって解消されていない場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させない、項目2に記載の制御装置。
(項目4)
前記メッセージ画面は、さらに、前記現行プランを示す第2のメッセージを含む、項目2又は3に記載の制御装置。
(項目5)
前記メッセージ画面は、さらに、過去のプランと比べて前記現行プランによって改善された内容を示す第3のメッセージを含む、項目2から4のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目6)
前記表示制御部は、
前記プリンタに装着されている色材カートリッジ内の色材の残量が閾値より大きい状態から前記閾値以下の状態に変化し、かつ、前記契約状態情報が前記未締結状態を示す場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させ、
前記残量が前記閾値より大きい状態から前記閾値以下の状態に変化しない場合に、前記メッセージ画面を前記表示部に表示させない、項目1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
(項目7)
前記制御装置は、前記プリンタの制御部であり、
前記メモリは、前記プリンタとは別体に構成されているサーバのメモリであり、
前記表示部は、前記プリンタの表示部である、項目1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【符号の説明】
【0049】
2:通信システム、6:LAN、10:プリンタ、12:操作部、14:表示部、16:LANインターフェース、18:印刷実行部、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、50:端末装置、100:サーバ、105:メモリ、110:サービス契約テーブル、120:現行プラン情報、130:プラン経緯情報、200:メッセージ画面