(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024911
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240216BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20240216BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 305
B41J29/13
B41J29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127894
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 裕太
(72)【発明者】
【氏名】森山 隆司
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056FA04
2C056FA15
2C056FB09
2C056HA28
2C056HA29
2C056KD10
2C061AQ05
2C061AR01
2C061BB35
2C061CD07
(57)【要約】
【課題】ユーザーの作業の負荷を低減し、媒体Mのセットや交換に関する作業の作業性を高める。
【解決手段】媒体Mを支持する媒体支持部30と、媒体支持部30により支持される媒体Mに記録を行う記録ヘッド89aと、媒体支持部30および記録ヘッド89aを収容する筐体10と、を備え、筐体10は、筐体10の前面10aを開口させる開閉可能なカバー11を有し、前面10aと媒体支持部30との間には、作業用面104が設けられ、カバー11が開かれた状態で、媒体支持部30および作業用面104が露出する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を支持する媒体支持部と、
前記媒体支持部により支持される前記媒体に記録を行う記録部と、
前記媒体支持部および前記記録部を収容する筐体と、を備え、
前記筐体は、前記筐体の第1面を開口させる開閉可能なカバーを有し、
前記第1面と前記媒体支持部との間には、作業用面が設けられ、
前記カバーが開かれた状態で、前記媒体支持部および前記作業用面が露出する、記録装置。
【請求項2】
前記媒体支持部は、前記媒体、及び、前記媒体に装着される治具を支持可能な支持面を有し、
前記第1面から前記作業用面及び前記支持面を見る正面視において、前記作業用面の幅は、前記支持面の幅と同じか前記支持面の幅より大きい、請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記媒体支持部を、前記記録装置の設置状態において高さ方向に移動させる移動機構を備え、
前記作業用面は、前記媒体支持部が最も低い位置にあるときの前記支持面よりも高い位置にある、請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記移動機構を制御する制御部を備え、
前記移動機構は、前記支持面に前記媒体及び前記治具の少なくとも一方が支持された状態で前記媒体支持部を移動可能である、請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
開閉可能な蓋を有する中空の台座部を備え、
前記作業用面は前記蓋の上面である、請求項3に記載の記録装置。
【請求項6】
前記台座部の内部に空気を吸引する吸気装置と、前記吸気装置により吸引された空気を脱臭する脱臭部材と、を有する脱臭部を備え、前記台座部は前記脱臭部を収容する、請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記脱臭部材は前記脱臭部に対して脱着可能であり、前記台座部の前記蓋が開かれた状態で前記脱臭部材が露出する、請求項6に記載の記録装置。
【請求項8】
前記作業用面は、前記台座部の前記蓋に対して脱着可能な平板状部材である、請求項5から請求項7のいずれかに記載の記録装置。
【請求項9】
前記蓋は、前記記録装置の本体に対して脱着可能である、請求項5から請求項7のいずれかに記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクを吐出する装置と、記録媒体とを載置できる支持部とを備えた記録装置が知られている。例えば、特許文献1は、フロントカバーと、吐出装置と、記録媒体が載置されるテーブルとを備えるプリンターを開示する。特許文献1のプリンターは、フロントカバーが開かれることでテーブル上面が露出し、テーブル上面への記録媒体の設置や交換が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたように、ユーザーが媒体のセットや交換の作業を要する記録装置においては、作業性が課題となる。例えば、記録装置が大型の装置である場合、媒体が大きい場合、媒体を支持する治具が大型である場合や、重い治具を使用する場合には、ユーザーの作業の負荷が大きい。このため、媒体のセットや交換に関する作業の作業性を高めることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する一様態は、媒体を支持する媒体支持部と、前記媒体支持部により支持される前記媒体に記録を行う記録部と、前記媒体支持部および前記記録部を収容する筐体と、を備え、前記筐体は、前記筐体の前記第1面を開口させる開閉可能なカバーを有し、前記第1面と前記媒体支持部との間には、作業用面が設けられ、前記カバーが開かれた状態で、前記媒体支持部および前記作業用面が露出する、記録装置である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
[1.記録装置の構成]
図1は、実施形態に係る記録装置1の斜視図である。
図2は、記録装置1の平面図であり、記録装置1の内部構造を模式的に示す。
図3は、記録装置1の斜視図であり、説明のため、カバー11を取り除いた状態を示す。これらの図を参照して、記録装置1の構成を説明する。
【0008】
記録装置1は、記録ヘッド89aから液体を吐出することで、媒体支持部30において支持した媒体Mに対して記録を行う装置である。媒体Mは、シート、布、或いは立体物である。シートは、紙、合成樹脂製のシートであってもよい。布は不織布、ニット、布帛のいずれであってもよい。立体物は、衣服や靴などの装飾品、日用品、機械部品、その他の各種の物体を含む。記録装置1が媒体Mに吐出する液体の種類に制限はなく、流動性を有していればよい。例えば、記録装置1は、1つまたは複数の色のインクを記録ヘッド89aによって媒体Mの表面に向けて噴射し、媒体Mに画像を形成するプリンターである。この場合、媒体Mは、印刷媒体に相当する。
【0009】
図1には、X軸、Y軸、及びZ軸を示す。X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交する。Z軸は、上下方向に延びる軸であり、鉛直方向に延びる軸ということもできる。X軸、及び、Y軸は、水平面に平行である。以下の説明において、X軸に沿った方向を左右方向とし、Y軸に沿った方向を前後方向とする。詳細には、Z軸に沿う正方向を上方向とし、X軸に沿う正方向を右方向とし、Y軸に沿う正方向を前方向とする。左右方向は、「作業平面の幅」の方向の一例に相当する。Z軸と、上下方向とは、「高さ方向」の一例に相当する。
【0010】
記録装置1は、筐体10を備える。筐体10は、略直方体の箱であり、その内部に閉鎖した空間を形成する。筐体10は、媒体支持部30、記録ヘッド89a、照射部89b、および、脱臭部20などを覆い、閉鎖した空間に格納する。筐体10は、前面10aおよび上面10bに沿ったカバー11を備える。カバー11は、前面10aおよび上面10bに沿ったカバー本体11a、および、カバー本体11aの下端に連結された把手11bを備える。カバー11は、カバー本体11aの後端において、図示しないヒンジによって左右方向を軸に回転可能に筐体10の上面10bに対して連結されている。従って、把手11bが上下方向に動かされることによって、カバー11は、前方向から開閉可能である。また、筐体10は、底面10cにおいて、筐体10の設置面に対向する板である底板13を備える。設置面は、図示しない机の天面のような、筐体10が設置される面である。前面10aは、「第1面」の一例に相当する。
【0011】
記録装置1は、上面10bの前部に配置される表示部12を備える。表示部12は、例えば、液晶パネルおよびLEDによって構成される。表示部12は、制御部90の制御に従い、例えば記録装置1による記録の進捗状況、記録時に吐出する液体の残量、および、後述する脱臭部20における消耗品の交換時期等の情報を表示する。
【0012】
図2に示すように、記録装置1は、一対のベース部材15、一対のガイド軸51、脱臭部20、媒体支持部30、駆動機構50および、移動部70を備える。ベース部材15は、左右方向に延びる部材である。2本のベース部材15は、底板13の上に前後方向に並べて配置され、底板13に固定される。ガイド軸51は前後方向に延びる軸であり、2本のガイド軸51のそれぞれは、2本のベース部材15に跨がるように、左右方向に並べて配置される。脱臭部20は、筐体10の内部の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を脱臭して筐体10の外に排気する。脱臭部20についての詳細は、後述する。
【0013】
媒体支持部30は、記録装置1において記録対象となる媒体Mを支持する。
図2から
図3に示すように、媒体支持部30は、テーブル31、落下防止板34、および、高さ移動機構32を備える。テーブル31は、平面視で一対のベース部材15および一対のガイド軸51に囲まれる位置に配置される。テーブル31は、X軸およびY軸に沿い、且つ、上方に対向する長方形の面である支持面31mを有する。
【0014】
支持面31mは、媒体支持部30において媒体Mが載置される面であり、好ましくは平面である。支持面31mには、媒体M、或いは、後述するように媒体Mを支持する治具が載置される。支持面31mは媒体Mを直接または間接的に支持する。
【0015】
図3に示すように、カバー11を開いた状態において、支持面31mは筐体10の前方および上方に露出する。記録装置1を操作するユーザーは、カバー11を開いた状態で、支持面31mの前方から媒体Mを支持面31mにセットする作業、及び、支持面31mに載置された媒体Mを、筐体10の外部に取り出す作業を行うことができる。
【0016】
テーブル31は、支持面31mの四隅の下部において、平面視で支持面31mから外側に突出する突起部31nを備える。突起部31nは後述する昇降機構39に固定され、昇降機構39が突起部31nを上下させることにより、テーブル31がベース部材15に対して昇降する。
【0017】
落下防止板34は、支持面31mの左側、右側、および後側に接して、鉛直に立設される板状部材である。落下防止板34は、支持面31mから媒体Mが落下することを防止する。例えば、支持面31mに比べて顕著に小さい媒体Mや不安定な形状の媒体Mを記録装置1で使用する場合、支持面31mが昇降する際に媒体Mが支持面31m上を移動する可能性がある。このような場合に、落下防止板34により媒体Mの落下を効果的に防止できる。
【0018】
落下防止板34はベース部材15に固定され、支持面31mの昇降にかかわらず、移動しない。落下防止板34は、高さ方向において、支持面31mの最も低い位置から最も高い位置を含む範囲に延在する。落下防止板34の少なくとも一部は、支持面31mが最も低い位置にある場合に、支持面31mよりも上方に位置する。
【0019】
高さ移動機構32は、テーブル31を上下に昇降させる。テーブル31が昇降することにより、支持面31m、および、支持面31mに支持された媒体Mが昇降する。高さ移動機構32は、昇降モーター33、昇降ベルト37、および、昇降機構39を備える。昇降機構39は、鉛直方向に沿って配置されたボールねじと、ボールねじに螺合するナットと、プーリーとを有する。昇降機構39のボールねじはベース部材15に回転可能に支持される。昇降機構39のナットはテーブル31の突起部31nに固定される。昇降機構39のプーリーはボールねじの上部に固定される。昇降機構39のプーリーが回転すると、ボールねじが回転し、ボールねじの回転に伴いナットとともに突起部31nが鉛直方向に沿って移動する。
【0020】
昇降モーター33は、制御部90の制御に従って回転するモーターである。制御部90は、昇降モーター33の回転方向、及び、回転量を制御する。昇降ベルト37は、昇降モーター33の出力軸、及び、4つの昇降機構39のプーリーに掛け渡される環状のベルトである。昇降モーター33が回転することによって昇降ベルト37が循環駆動される。昇降ベルト37は、昇降モーター33の回転を4つの昇降機構39のプーリーに伝達する。これにより、昇降機構39のボールねじが回転し、テーブル31を鉛直方向に沿って移動させる。
【0021】
昇降モーター33の回転方向は、テーブル31を上方に移動させる正方向、及び、テーブル31を下方に移動させる逆方向に切り替え可能である。記録装置1は、昇降モーター33を動作させることによって、テーブル31を上昇および下降させる。
【0022】
高さ移動機構32は、制御部90の制御に従って、例えば媒体支持部30に媒体Mや治具が設置された状態で、媒体支持部30を昇降させることが可能である。
【0023】
駆動機構50は、一対のガイド軸51、及び、フレーム駆動部60を有する。ガイド軸51は、一対のベース部材15に掛け渡され前後方向に沿って配置される軸状部材である。
【0024】
フレーム駆動部60は、フレーム移動モーター61と、伝達ベルト63と、変速機構65と、伝達ベルト67と、を備える。フレーム移動モーター61は、制御部90の制御に従って回転するモーターである。伝達ベルト63は、フレーム移動モーター61の出力軸と変速機構65との間に掛け渡される環状のベルトであり、フレーム移動モーター61の駆動力を変速機構65に伝達する。変速機構65は、第1のプーリーと、第2のプーリーとを有し、第1のプーリーには伝達ベルト63が巻き掛けられ、第2のプーリーには伝達ベルト67が巻き掛けられる。変速機構65は、伝達ベルト63から第1のプーリーに伝達される駆動力によって、第2のプーリーを回転させることにより、伝達ベルト67を駆動する。変速機構65は、第1のプーリーと第2のプーリーの径の比に対応する減速比で、フレーム移動モーター61の駆動力を伝達ベルト67に伝達する。
【0025】
伝達ベルト67は、変速機構65と、ベース部材15の後方向の端部に配置されるフレーム移動プーリー17とに掛け渡される環状のベルトである。フレーム移動プーリー17は、ベース部材15に対し回転自在に設置されるプーリーである。伝達ベルト67はガイド軸51に沿って配置される。
【0026】
移動部70は、メインフレーム71と、一対の脚部73と、キャリッジ89と、を備える。メインフレーム71は、左右方向に長い板状部材である。一対の脚部73は一対のガイド軸51に嵌合し、ガイド軸51に沿って移動可能である。メインフレーム71は、一対の脚部73の上に固定され、一対の脚部73によって下方から支持される。メインフレーム71は、一対の脚部73とともに、一対のガイド軸51によってガイドされて、前後方向に移動する。
【0027】
一対の脚部73のうち、メインフレーム71の左端を支持する脚部73は、ベルト接続部79を介して伝達ベルト67が固定される。このため、伝達ベルト67が循環駆動されることによって、脚部73に対し、脚部73を前後方向に移動させる動力が作用する。これにより、移動部70は、前後方向に移動する。なお、メインフレーム71の下端は、テーブル31が最も上方に位置する場合の支持面31mよりも上方に位置する。従って、メインフレーム71は、支持面31mと干渉することなく、支持面31mの上方を前後方向に移動する。
【0028】
フレーム移動モーター61の回転方向は、メインフレーム71を前方向に移動させる正方向、及び、メインフレーム71を後方向に移動させる逆方向に切り替え可能である。記録装置1は、フレーム移動モーター61を動作させることによって、メインフレーム71を前方および後方に移動させる。
【0029】
キャリッジ89は、略直方体の箱であり、キャリッジガイド軸83を介してメインフレーム71に支持される。キャリッジガイド軸83は、メインフレーム71に対して固定された軸状部材であり、メインフレーム71に沿って左右方向に延在する。キャリッジガイド軸83は、キャリッジ89を左右方向に移動可能に支持する。なお、キャリッジ89の下端は、テーブル31が最も上方に位置する場合の支持面31mよりも上方に位置する。従って、キャリッジ89は、支持面31mと干渉することなく、支持面31mの上方を前後方向および左右方向に移動する。
【0030】
また、キャリッジ89は、キャリッジ駆動ベルト85に対して連結される。キャリッジ駆動ベルト85は、一端をキャリッジ駆動プーリー86に掛け渡され、他端をキャリッジ駆動モーター87の出力軸に掛け渡されることにより、キャリッジガイド軸83に沿って配置される環状のベルトである。キャリッジ駆動プーリー86は、メインフレーム71の右端に回転可能に固定されるプーリーである。キャリッジ駆動モーター87は、メインフレーム71の左端に固定され、制御部90による制御に従い、その出力軸を回転させるモーターである。キャリッジ駆動モーター87は、出力軸を回転させることにより、キャリッジ駆動ベルト85を循環駆動させる。これにより、キャリッジ駆動モーター87は、キャリッジ駆動ベルト85に連結されたキャリッジ89をキャリッジガイド軸83に沿って左右方向に移動させる。
【0031】
キャリッジ89は、記録ヘッド89a、および、照射部89bを備える。記録ヘッド89aは、キャリッジ89の下端面から下方に開口する不図示の複数のノズルを有する。記録ヘッド89aは、不図示のピエゾアクチュエータの駆動により、これらのノズルから液体を吐出する。記録ヘッド89aがノズルから液体を吐出すると、吐出された液体は、ノズルと、テーブル31に載置された媒体Mとの間を飛行し、媒体Mに着弾する。なお、本実施の形態において、記録ヘッド89aがノズルから吐出する液体は、紫外線によって硬化するインクである。記録ヘッド89aは、媒体支持部30に媒体Mに液体を着弾させることにより、液体によって形成された文字や画像を媒体Mに対して記録する。記録ヘッド89aは、「記録部」の一例に相当する。
【0032】
照射部89bは、キャリッジ89の下端面から下方に対向する不図示の照射窓を備える。照射窓は、透光性の材料によって構成された板によって構成される。照射部89bは、図示しない光源ユニットから照射窓を介して照射光を出射する。照射部89bから出射された照射光は、照射窓と、テーブル31に載置された媒体Mとの間を通過し、記録ヘッド89aによって記録された媒体Mに対して照射される。本実施形態において、照射部89bは紫外線を発光するUV-LED(Ultraviolet Light Emitting Diode)を備え、照射光は紫外線である。すなわち、本実施形態において、照射部89bは、媒体Mに対して着弾した紫外線によって硬化するインクに対して紫外線を照射し、インクを媒体Mに対して固着させる。
【0033】
[2.台座部の構成]
図2及び
図3に示すように、記録装置1の前部には台座部102が配置される。台座部102は、箱形で中空の構造物である。台座部102の上面には、平板状のセッター19が配置される。
【0034】
台座部102の内部空間には、記録装置1の構成部品を収容することが可能である。また、記録装置1のメンテナンスや、記録装置1に取り付けて使用される補助的な部材が台座部102に収容されてもよい。記録装置1の構成部品としては、記録装置1のインクの臭気を脱臭する脱臭部20が挙げられる。また、記録装置1のメンテナンスに用いる部材として、例えば、記録装置1の清掃に用いる清掃用具が挙げられる。
【0035】
本実施形態では、台座部102に脱臭部20を設置する例を示す。例えば、
図2及び
図3に示すように、台座部102に2つの脱臭部20が収容される。これら2つの脱臭部20は、左右方向に並べて配置される。セッター19には、台座部102の内外で通気を行うための2つの通気孔19aが開口する。通気孔19a、19aは、台座部102の内部に配置された脱臭部20に対応する位置に設けられる。
【0036】
[3.脱臭部の構成]
図4は、脱臭部20の斜視図である。
脱臭部20は、中空の脱臭ダクト21を備える。脱臭ダクト21の上端は開口しており、この開口を吸気口23と呼ぶ。吸気口23は、脱臭部20を記録装置1に装着した状態で通気孔19aの直下に位置する。
【0037】
脱臭部20は送風機29を有する。送風機29は、不図示の送風ファンを内蔵し、送風ファンの動作によって脱臭ダクト21を通じて空気を吸引し、吐出口29aから排気する。送風機29は、「吸気装置」の一例に相当する。
【0038】
脱臭ダクト21の下部は送風機29に接続される。また、脱臭ダクト21の本体部25は直方体形状の空間を形成し、この空間に、脱臭部材25bが配置される。脱臭部材25bは、例えば、活性炭を含む多数の細かなペレットが、ペレットよりも細かい目を持つ袋状のネットに封入されることで構成される。脱臭部材25bは、本体部25の内部空間のほぼ全体に設置される。
また、吸気口23には第1フィルター23aが配置される。第1フィルター23aは、吸気口23から吸い込まれて脱臭部材25bに流入する空気中の異物を除去する。
【0039】
送風機29の動作によって本体部25に流入した空気は、脱臭部材25bのペレット同士の間にある空隙を通過する。ここで、脱臭部材25bのペレットに含まれる活性炭によって臭気成分が吸着される。これにより、通気孔19a、19aから吸引された空気は脱臭されて吐出口29aから排気される。
【0040】
脱臭部材25bは、使用に伴って性能が低下する消耗品であるため、定期的な交換を要する。脱臭部材25bは、脱臭部20に対して脱着可能である。記録装置1を操作するユーザーは、台座部102の上面を開放して第1フィルター23aを露出させ、第1フィルター23aを取り外して脱臭部材25bを露出させることにより、脱臭部材25bを交換することができる。
【0041】
脱臭ダクト21は、例えば、金属製の板材により構成される。脱臭ダクト21の上端がセッター19の下面に接することにより、脱臭ダクト21がセッター19を下方から支持する作用が期待できる。
【0042】
[4.作業用面の利用]
図5は、支持面31mと作業用面104との相対位置の説明図である。
作業用面104は、セッター19の上面である。作業用面104は、記録装置1の前方からみて支持面31mの手前に位置する。このため、作業用面104は、支持面31mに媒体Mを設置する際に、一時的に媒体Mを置いておく仮置き場として利用可能である。また、例えば、後述するように治具を利用する場合、治具を支持面31mに設置する作業中に、一時的に治具を置いておく仮置き場として作業用面104を利用可能である。
【0043】
作業用面104は、記録装置1の設置状態においてほぼ水平となる平面である。このため、治具や媒体Mが転がり落ちる心配が少なく、一時的に治具や媒体Mを仮置きする場所として好適である。
【0044】
治具や媒体Mを記録装置1にセットする作業は、上述したようにカバー11を開いた状態で行われる。カバー11を開くと、作業用面104が露出するため、一時的に治具や媒体Mを仮置きする場所として作業用面104は特に好適である。
【0045】
図5において、支持面31mの昇降範囲を符号Fで示す。昇降範囲Fは、テーブル31の昇降に伴って支持面31mの高さが変化する範囲である。作業用面104の高さ方向における位置は、支持面31mが昇降範囲Fの最下部に位置する状態に対応する。具体的には、支持面31mが昇降範囲Fにおいて最も低い位置にあるとき、支持面31mと作業用面104の上面とが面一となる。このため、作業用面104に仮置きした媒体Mや治具を支持面31mに移動させる作業は、非常に簡単に行える。
【0046】
また、Y軸に沿う方向における作業用面104と支持面31mとの距離は短い方が好ましい。この場合、作業用面104に仮置きした媒体Mや治具を支持面31mに移動させる作業が、より容易になる。例えば、作業用面104と支持面31mとがほぼ接する状態であってもよい。また、作業用面104と支持面31mとの隙間に媒体M等が落ちる心配が少ないという利点がある。
【0047】
作業用面104の左右方向の幅は、支持面31mの左右方向の幅と等しいか、それ以上に大きいことが好ましい。本実施形態においては、これらの幅は等しく形成されている。これにより、作業用面104に仮置きした媒体Mや治具を支持面31mに移動させる作業が、より容易になる。
【0048】
[5.セッターの支持構造]
セッター19は、台座部102に対して開閉可能に設置され、セッター19を持ち上げると、台座部102の内部が露出するよう構成される。セッター19は、「蓋」の一例に相当する。
【0049】
記録装置1において、台座部102の側方には壁材108が位置する。壁材108は、記録装置1においてインクタンク等を収容するケーシングを構成する板材である。セッター19の支持構造としては種々の方法が採用されるが、本実施形態では一例として、セッター19を壁材108に回動可能に取り付けた構成を示す。
【0050】
図6は、セッター19の要部を拡大して示す斜視図である。
セッター19は、その左右両端において壁材108に支持される。
図6にはセッター19の+X側の端部を拡大して示す。セッター19の-X側の端部も同様に構成される。
【0051】
セッター19の端部には、フック106が設けられる。フック106は、セッター19の端部に立設された爪部112と、爪部112からX軸に沿う方向に突出する円柱突起部105と、を有する。セッター19の端部において、爪部112の根元には溝114が切り欠かれている。このため、爪部112は、細長い腕部104aを介してセッター19に繋がっている。セッター19は、合成樹脂や金属により構成されるため、腕部104aは、弾性変形可能である。溝114が切り欠かれたことにより、腕部104aは、より容易に弾性変形可能である。
【0052】
円柱突起部105は、壁材108に穿設された凹部110に嵌合する。凹部110は断面円形であるため、円柱突起部105を回動可能に、かつ、円柱突起部105がY軸に沿う方向およびZ軸に沿う方向に移動しないよう支持する。これにより、セッター19は、図中に符号Rで示すように回動可能に、壁材108に支持される。
【0053】
爪部112を、X軸に沿ってセッター19の中央に向かう方向、すなわち図中のP方向に移動させると、円柱突起部105は凹部110から離脱する。これにより、セッター19を壁材108から取り外すことが可能となる。腕部104aが容易に弾性変形可能であることから、爪部112をP方向に変位させることは容易である。従って、ユーザーは、爪部112を操作することにより、セッター19を記録装置1から取り外すことができる。また、上述のように、セッター19をRで示すように回動させることによって、台座部102に収容された脱臭部20を露出させることも可能である。
【0054】
爪部112、溝114、腕部104aの形状やサイズは、フック106の材質に応じて適宜変更可能である。例えば、腕部104aが可撓性に富む材料で構成される場合、溝114が小さくてもよい。
【0055】
[6.治具の構成]
図7は、記録装置1で使用される治具200の一例を示す斜視図である。
図7に例示する治具200は、例えば、スマートフォンのケースが媒体Mとして使用される場合に、媒体Mを支持面31mに保持するために使用される。
【0056】
治具200は、略矩形の平板である治具台座202を備える。治具台座202には6つの治具ユニット204が取り付けられる。治具ユニット204は、スマートフォンのケースを装着可能な形状である。媒体Mとしてのスマートフォンケースを治具ユニット204に装着し、治具200とともに媒体支持部30に設置することで、記録装置1によってスマートフォンケースに印刷を行うことができる。スマートフォンケースは立体物であり、複雑な形状であることもあるが、治具200を利用することによって、記録装置1によって印刷される間にスマートフォンのケースを安定して保持できる。
【0057】
治具台座202の四隅のそれぞれには脚210が取り付けられる。脚210の先端には連結部212が形成される。
【0058】
媒体支持部30には、例えば
図3に示すように、連結部212を差し込み可能な脚用孔201が形成される。この場合、脚用孔201のそれぞれに、脚210の連結部212を差し込むことにより、治具200が媒体支持部30に連結され、支持される。
【0059】
媒体Mを支持する治具は、記録装置1が印刷可能な範囲内で、できるだけ大きいことが好ましい。例えば
図7に示した治具200は、複数のスマートフォンケースをまとめて装着し、保持することができる。この治具200を用いると、多数のスマートフォンケースへの印刷を短時間で行うことができ、効率がよい。また、媒体Mを安定させるために、媒体Mを支持する治具には剛性が高いことが求められるので、剛性の高い合成樹脂や金属により構成される。従って、記録装置1で使用される治具は、サイズが大きく、かつ、重いものとなる傾向がある。このような治具を媒体支持部30に設置する作業の負担は軽くない。
【0060】
しかしながら、記録装置1は、媒体支持部30の支持面31mよりも手前に、媒体Mや治具を一時的に置くことができる作業用面104を有する。ユーザーは、媒体支持部30に媒体Mや治具を設置する作業において、作業用面104を利用することにより、より容易に作業を行うことが可能である。例えば、重量の重い治具を作業用面104にいったん設置し、ユーザーが体勢を整えてから、治具を媒体支持部30に設置することができる。また、予め作業用面104に治具を置いておくことで、治具を一度に運ぶ距離を短縮できる。また、作業用面104に媒体Mを仮置きし、媒体支持部30に治具を設置してから、治具に媒体Mを装着する作業を行うこともできる。
【0061】
作業用面104は、カバー11を開くことにより露出するので、媒体支持部30に媒体Mや治具を設置する作業の際には常に、使用可能である。また、カバー11を閉じた状態では作業用面104が記録装置1の外部に露出しないため、不要な物が作業用面104に置かれる心配がなく、作業用面104の汚損や破損の心配も少ない。
【0062】
[7.効果等]
以上説明したように、実施形態に係る記録装置1は、媒体Mを支持する媒体支持部30と、媒体支持部30により支持される媒体Mに記録を行う記録ヘッド89aと、記媒体支持部30および記録ヘッド89aを収容する筐体10と、を備え、筐体10は、筐体10の前面10aを開口させる開閉可能なカバー11を有し、前面10aと媒体支持部30との間には、作業用面104が設けられ、カバー11が開かれた状態で、媒体支持部30および作業用面104が露出する構成である。このため、ユーザーが媒体Mや治具200を媒体支持部30に設置する作業において、作業用面104を利用することにより、作業を容易に行うことができる。従って、ユーザーの作業負荷を低減させ、作業性を高めることができる。
【0063】
媒体支持部30は、媒体M、及び、媒体Mに装着される治具200を支持可能な支持面31mを有し、正面視において、作業用面104の幅は支持面31mの幅と同じか支持面31mの幅より大きい。このため、支持面31mに媒体Mや治具200を設置する場合に、作業用面104に媒体Mや治具200を一時的に置くことが可能であり、作業性をより高めることができる。また、作業用面104に置いた媒体Mや治具200を支持面31mに設置する作業も容易であり、作業性をより一層、高めることができる。
【0064】
記録装置1は、媒体支持部30を高さ方向に移動させる高さ移動機構32を備え、作業用面104は、媒体支持部30が最も低い位置にあるときの支持面31mよりも高い位置にある。このため、媒体Mや治具200の大きさ及び形状に合わせて媒体支持部30の高さを変更可能な記録装置1において、作業用面104の高さが支持面31mよりも高くならない。このため、作業用面104に置いた媒体Mや治具200を支持面31mへ移動するときに、支持面31mと作業用面104との高さの違いが障害にならない。従って、媒体Mのセットや交換に関する作業の作業性を、より一層高めることができる。
【0065】
高さ移動機構32は、支持面31mに媒体M及び治具200の少なくとも一方が支持された状態で媒体支持部30を移動可能である。このため、支持面31mに媒体Mや治具200を設置してから、媒体支持部30を昇降させることができる。これにより、媒体Mや治具200のセットや交換に関する作業の作業性を高めることができる。例えば、媒体Mや治具200を媒体支持部30にセットする作業において、媒体支持部30の高さを低くして作業性を高めておき、その後、印刷を実行する前に媒体支持部30を上昇させることが可能となる。
【0066】
記録装置1は、開閉可能なセッター19を有する中空の台座部102を備え、作業用面104はセッター19の上面である。このため、作業用面104を構成する台座部102の内部に、記録装置1の構成やその他の物品を収容することができる。これにより、作業用面104を設けるためのスペースを新たに確保する必要がない。従って、記録装置の大型化を招くことなく作業用面104を設けることができる。
【0067】
記録装置1は、脱臭部20を備え、台座部102は脱臭部20を収容する。このため、インクの臭気を脱臭する脱臭部20を、台座部102の内部に配置することができる。従って、脱臭機能により使用者の不快感を低減可能な記録装置1を、小型化することができる。
【0068】
脱臭部材25bは脱臭部20に対して脱着可能であり、台座部102のセッター19が開かれた状態で脱臭部材25bが露出する。このため、セッター19を開くことにより、脱臭部材25bを容易に取り換えることが可能となる。
【0069】
作業用面104は、台座部102のセッター19に対して脱着可能な平板状部材であってもよい。例えば、セッター19の上に重ねて、作業用面104として利用可能な平板状の部材を設けてもよい。作業用面104となる平板状部材は、セッター19の上面によって支持されるため、媒体Mや治具200の荷重に耐える剛性を有していなくてもよく、例えば可撓性のシートであってもよい。この種の平板状の部材は、例えば滑り止めのために複数の凸部を有した樹脂材であってもよい。また、この種の平板状の部材には、媒体Mや治具200を位置決めするボスや突起部を設けてもよい。また、この種の平板状の部材は、ユーザーの使用目的に合わせて、又は消耗に応じて、セッター19から取り外して交換可能な構成であってもよい。この場合、作業用面104が消耗したとき、又は使用目的に合わせて、作業用面104を交換できるので、作業用面104に様々な機能を持たせることができる。
【0070】
セッター19は、記録装置1の本体すなわち筐体10に対して脱着可能である。このため、セッター19が消耗したとき、又は使用目的に合わせて、セッター19を交換できる。また、セッター19離脱させると台座部102の内部が露出する。従って、セッター19に様々な機能を持たせることができる。
【0071】
[8.他の実施形態]
上記実施形態は、本発明を適用した一具体例を示したものに過ぎない。本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0072】
例えば、上記実施形態において、セッター19及び作業用面104に通気孔19aを設けた構成としたが、台座部102に脱臭部20を備えない場合等では、通気孔19aを形成する必要はない。
【0073】
また、上記実施形態において、台座部102を記録装置1から取り外し可能な構成としてもよい。この構成において、セッター19は、壁材108ではなく、台座部102本体に取り付けられた構成としてもよい。この構成によれば、台座部102を記録装置1から取り外すことが可能となり、セッター19単独ではなく、台座部102を交換することが可能となる。
【0074】
また、上記実施形態において、セッター19が記録装置1から取り外しできない状態で回動可能に取り付けられ、セッター19の上面に装着された作業用面104を交換可能な構成としてもよい。
【0075】
また、記録装置1の記録方式はインクジェット式に制限されず、熱昇華式であってもよいし、その他の方式を採用してもよい。また、記録装置1はいわゆる3Dプリンターであり、熱可塑性樹脂をインクとして吐出し、インクそのものを媒体Mとして立体構造物を形成する構成としてもよい。
【0076】
[9.実施形態により説明される構成]
上記の実施形態により、以下の構成が説明される。
【0077】
(構成1)媒体を支持する媒体支持部と、前記媒体支持部により支持される前記媒体に記録を行う記録部と、前記媒体支持部および前記記録部を収容する筐体と、を備え、前記筐体は、前記筐体の第1面を開口させる開閉可能なカバーを有し、前記第1面と前記媒体支持部との間には、作業用面が設けられ、前記カバーが開かれた状態で、前記媒体支持部および前記作業用面が露出する、記録装置。
構成1の記録装置によれば、ユーザーが媒体等を媒体支持部に設置する作業において、作業用面を利用することにより、作業を容易に行うことができる。従って、ユーザーの作業負荷を低減させ、作業性を高めることができる。
【0078】
(構成2)前記媒体支持部は、前記媒体、及び、前記媒体に装着される治具を支持可能な支持面を有し、前記第1面から前記作業用面及び前記支持面を見る正面視において、前記作業用面の幅は、前記支持面の幅と同じか前記支持面の幅より大きい、構成1に記載の記録装置。
構成2の記録装置によれば、支持面に媒体等を設置する場合に、作業用面に媒体等を一時的に置くことが可能であり、作業性をより高めることができる。また、作業用面に置いた媒体等を支持面に設置する作業も容易であり、作業性をより一層、高めることができる。
【0079】
(構成3)前記媒体支持部を、前記記録装置の設置状態において高さ方向に移動させる移動機構を備え、前記作業用面は、前記媒体支持部が最も低い位置にあるときの前記支持面よりも高い位置にある、構成1または構成2に記載の記録装置。
構成3の記録装置によれば、媒体や治具の大きさ及び形状に合わせて媒体支持部の高さを変更可能な記録装置において、作業用面の高さが支持面よりも高くならない。このため、作業用面に置いた媒体等を支持面へ移動するときに、支持面と作業用面との高さの違いが障害にならない。従って、媒体のセットや交換に関する作業の作業性を、より一層高めることができる。
【0080】
(構成4)前記移動機構を制御する制御部を備え、前記移動機構は、前記支持面に前記媒体及び前記治具の少なくとも一方が支持された状態で前記媒体支持部を移動可能である、構成3に記載の記録装置。
構成4の記録装置によれば、支持面に媒体等を設置してから、媒体支持部を昇降させることができる。これにより、媒体等のセットや交換に関する作業の作業性を高めることができる。例えば、媒体等を媒体支持部にセットする作業において、媒体支持部の高さを低くして作業性を高めておき、その後、印刷を実行する前に媒体支持部を上昇させることが可能となる。
【0081】
(構成5)開閉可能な蓋を有する中空の台座部を備え、前記作業用面は前記蓋の上面である、構成1から構成3のいずれかに記載の記録装置。
構成5の記録装置によれば、作業用面を構成する台座部の内部に、記録装置の構成やその他の物品等を収容することができる。これにより、作業用面を設けるためのスペースを新たに確保する必要がない。従って、記録装置の大型化を招くことなく作業用面を設けることができる。
【0082】
(構成6)前記台座部の内部に空気を吸引する吸気装置と、前記吸気装置により吸引された空気を脱臭する脱臭部材と、を有する脱臭部を備え、前記台座部は前記脱臭部を収容する、構成1から構成4のいずれかに記載の記録装置。
構成6の記録装置によれば、脱臭部を台座部の内部に配置し、印刷に用いるインク等の臭気を脱臭することができる。従って、脱臭機能により使用者の不快感を低減可能な記録装置を、小型化できる。
【0083】
(構成7)前記脱臭部材は前記脱臭部に対して脱着可能であり、前記台座部の前記蓋が開かれた状態で前記脱臭部材が露出する、構成6に記載の記録装置。
構成7の記録装置によれば、蓋を開くことにより、脱臭部材を容易に取り換えることができる。
【0084】
(構成8)前記作業用面は、前記台座部の前記蓋に対して脱着可能な平板状部材である、構成5から構成7のいずれかに記載の記録装置。
構成8の記録装置によれば、作業用面が消耗した場合、あるいは作業用面の使用目的に合わせて、作業用面を交換できるので、作業用面に様々な機能を持たせることができる。
【0085】
(構成9)前記蓋は、前記記録装置の本体に対して脱着可能である、構成5から構成7のいずれかに記載の記録装置。
構成9の記録装置によれば、蓋が消耗したとき、あるいは使用目的に合わせて、蓋を交換できる。
【符号の説明】
【0086】
1…記録装置、10…筐体、10a…前面(第1面)、11…カバー、13…底板、15…ベース部材、17…フレーム移動プーリー、19…セッター(蓋)、19a…通気孔、20…脱臭部、21…脱臭ダクト、23…吸気口、23a…第1フィルター、25…本体部、25b…脱臭部材、29…送風機(吸気装置)、29a…吐出口、30…媒体支持部、31…テーブル、31m…支持面、31n…突起部、32…高さ移動機構、33…昇降モーター、34…落下防止板、37…昇降ベルト、39…昇降機構、50…駆動機構、51…ガイド軸、60…フレーム駆動部、61…フレーム移動モーター、63…伝達ベルト、65…変速機構、67…伝達ベルト、70…移動部、71…メインフレーム、73…脚部、79…ベルト接続部、83…キャリッジガイド軸、85…キャリッジ駆動ベルト、86…キャリッジ駆動プーリー、87…キャリッジ駆動モーター、89…キャリッジ、89a…記録ヘッド(記録部)、89b…照射部、90…制御部、102…台座部、104…作業用面、104a…腕部、105…円柱突起部、106…フック、108…壁材、110…凹部、112…爪部、114…溝、200…治具、M…媒体。