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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024931
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】検査装置及び検査方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/18 20060101AFI20240216BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20240216BHJP
   G01G 11/00 20060101ALN20240216BHJP
【FI】
B07C5/18
B65G47/46 A
G01G11/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127930
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】石田 哲也
【テーマコード(参考)】
3F015
3F079
【Fターム(参考)】
3F015AA06
3F015FA02
3F015GA01
3F079CA11
3F079CA23
3F079CA29
3F079CA41
3F079CB12
3F079CC06
3F079DA12
3F079EA01
(57)【要約】
【課題】後工程における不具合の発生を抑制できる検査装置を提供する。
【解決手段】検査装置1は、物品を搬送する搬送部2と、搬送部2によって搬送される物品を検査する計量部4と、物品を搬送経路の系外に排出する振分部9と、計量部4における検査結果に基づいて振分部9の動作を制御する制御部8と、を備える。制御部8は、計量部4における計量結果において物品Aが不良と判定された場合には、当該物品Aを排出するように振分部9の動作を制御し、搬送部2において物品Aが所定の規則に基づいて搬送される場合、振分部9による不良物品DAの排出によって規則が乱れる場合には、不良物品DAの後続の物品Aにおいて、規則を乱す物品Aを排出するように振分部9を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記物品を検査する検査部と、
前記物品を搬送経路の系外に排出する振分部と、
前記検査部における検査結果に基づいて前記振分部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記検査部における検査結果において前記物品が不良と判定された場合には、当該物品を排出するように前記振分部の動作を制御し、
前記搬送部において前記物品が所定の規則に基づいて搬送される場合、前記振分部による不良物品の排出によって前記規則が乱れる場合には、前記不良物品の後続の前記物品において、前記規則を乱す前記物品を排出するように前記振分部を制御する、検査装置。
【請求項2】
前記振分部は、前記不良物品を排出する第一排出先と、前記検査結果において良品と判定された前記物品を排出する第二排出先と、のいずれかに前記物品を排出する、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記規則は、前記物品の形状、前記物品の方向及び前記物品の種類の少なくも一つに基づいて設定される、請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記規則は、複数の前記物品を含んで構成される物品群の単位で設定されており、
前記制御部は、前記振分部による前記不良物品の排出によって前記規則が乱れる場合には、前記不良物品が属する前記物品群に含まれる前記物品を排出するように前記振分部を制御する、請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項5】
前記検査部は、電磁波検査、金属検査、重量検査及び外観検査の少なくとも一つを行う、請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項6】
物品を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される前記物品を検査する検査部と、前記物品を搬送経路の系外に排出する振分部と、を備える検査装置における検査方法であって、
前記検査部における検査結果において前記物品が不良と判定された場合には、当該物品を排出するように前記振分部の動作を制御し、
前記搬送部において前記物品が所定の規則に基づいて搬送される場合、前記振分部による不良物品の排出によって前記規則が乱れる場合には、前記不良物品の後続の前記物品において、前記規則を乱す前記物品を排出するように前記振分部を制御する、検査方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
検査装置として、物品を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送される物品を検査する検査部と、物品を振り分ける振分部と、検査部における検査結果に基づいて振分部の動作を制御する制御部と、を備える検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-064336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物品は、搬送部において規則性を有して(所定の条件に基づいて)搬送される場合がある。例えば、特定の形状を有する物品の向きが交互に異なるように搬送されたり、複数の種類の物品が種類順に並んだ状態で搬送されたりする場合、検査によって物品が不良品と判定され、当該物品が振分部によって搬送経路から系外に排出されると、搬送部において搬送される物品の規則性が失われる。例えば、検査装置の後工程において実施される物品の箱詰めは、物品の規則性に基づいて行われ得る。そのため、搬送される物品の規則性が失われると、物品の箱詰めの際、物品が箱に収まらなくなったり、箱詰めに手間が掛かったりするなど、検査の後工程において不具合が発生する場合がある。
【0005】
本発明の一側面は、後工程における不具合の発生を抑制できる検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一側面に係る検査装置は、物品を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送される物品を検査する検査部と、物品を搬送経路の系外に排出する振分部と、検査部における検査結果に基づいて振分部の動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、検査部における検査結果において物品が不良と判定された場合には、当該物品を排出するように振分部の動作を制御し、搬送部において物品が所定の規則に基づいて搬送される場合、振分部による不良物品の排出によって規則が乱れる場合には、不良物品の後続の物品において、規則を乱す物品を排出するように振分部を制御する。
【0007】
本発明の一側面に係る検査装置では、制御部は、搬送部において物品が所定の規則に基づいて搬送される場合、振分部による不良物品の排出によって規則が乱れる場合には、不良物品の後続の物品において、規則を乱す物品を排出するように振分部を制御する。すなわち、制御部は、物品の規則が維持されるように、良品の物品であっても排出させる。これにより、検査装置の後工程には、物品の規則が維持された状態で物品が供給される。したがって、後工程における不具合の発生を抑制できる。
【0008】
(2)上記(1)の検査装置において、振分部は、不良物品を排出する第一排出先と、検査結果において良品と判定された物品を排出する第二排出先と、のいずれかに物品を排出してもよい。この構成では、振分部によって排出された物品において、不良物品と良品である物品とを区別することができる。そのため、規則を維持するために排出した良品の物品を無駄にすることなく、再度搬送経路に戻すことなどができる。
【0009】
(3)(1)又は(2)の検査装置において、規則は、物品の形状、物品の方向及び物品の種類の少なくも一つに基づいて設定されてもよい。これらの条件に基づいて設定される規則を維持することにより、後工程における作業に不具合が発生することを抑制できる。
【0010】
(4)(1)~(3)のいずれか一つに記載の検査装置において、規則は、複数の物品を含んで構成される物品群の単位で設定されており、制御部は、振分部による不良物品の排出によって規則が乱れる場合には、不良物品が属する物品群に含まれる物品を排出するように振分部を制御してもよい。この構成では、規則を維持することができる。
【0011】
(5)上記(1)~(4)のいずれか一つの検査装置において、検査部は、電磁波検査、金属検査、重量検査及び外観検査の少なくとも一つを行ってもよい。
【0012】
(6)本発明の一側面に係る検査方法は、物品を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送される物品を検査する検査部と、物品を搬送経路の系外に排出する振分部と、を備える検査装置における検査方法であって、検査部における検査結果において物品が不良と判定された場合には、当該物品を排出するように振分部の動作を制御し、搬送部において物品が所定の規則に基づいて搬送される場合、振分部による不良物品の排出によって規則が乱れる場合には、不良物品の後続の物品において、規則を乱す物品を排出するように振分部を制御する。
【0013】
本発明の一側面に係る検査方法では、搬送部において物品が所定の規則に基づいて搬送される場合、振分部による不良物品の排出によって規則が乱れる場合には、不良物品の後続の物品において、規則を乱す物品を排出するように振分部を制御する。すなわち、制御部は、物品の規則が維持されるように、良品の物品であっても排出させる。これにより、検査装置の後工程には、物品の規則が維持された状態で物品が供給される。したがって、後工程における不具合の発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一側面によれば、後工程における不具合の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、一実施形態に係る検査装置を模式的に示す図である。
図2図2(a)は、物品の規則を説明するための図であり、図2(b)は、物品の規則に基づく物品の排出の一例を示す図である。
図3図3(a)及び図3(b)は、物品の規則に基づく物品の排出の一例を示す図である。
図4図4は、物品の規則に基づく物品の排出の一例を示す図である。
図5図5は、振分部を模式的に示す図である。
図6図6は、振分部の動作の一例を示す図である。
図7図7は、振分部の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、一実施形態に係る検査装置を模式的に示す図である。図1に示される検査装置1は、図1中の矢印の方向(以下、単に「搬送方向」とする)に物品Aを搬送しながら物品Aの重量を検査し、検査結果に基づいて物品Aを振り分ける装置である。検査装置1は、物品Aの搬送経路において、例えば、梱包装置(図示省略)の上流側に設けられる。検査装置1は、搬送部2と、架台3と、計量部(検査部)4と、操作部6と、制御部8と、振分部9と、を備える。
【0018】
搬送部2は、物品Aを搬送方向に沿って搬送可能な搬送装置であり、例えばコンベアである。搬送部2は、第一コンベア部2aと、第二コンベア部2bと、第三コンベア部2cと、を備える。第一コンベア部2aと、第二コンベア部2bと、第三コンベア部2cとのそれぞれは、例えば、ローラ、モータなどの回転体、及び搬送ベルトなどを有する。第一コンベア部2a、第二コンベア部2b及び第三コンベア部2cは、搬送方向の上流側から順番に配置される。
【0019】
第一コンベア部2aは、第二コンベア部2bに物品Aを搬入するコンベアである。第二コンベア部2bは、第一コンベア部2aから搬送された物品Aを第三コンベア部2cに搬入するコンベアである。第三コンベア部2cは、第二コンベア部2bから物品Aを搬出するコンベアである。第三コンベア部2cには、重量が適正範囲から逸脱している物品Aを振り分ける振分部9が設けられている。
【0020】
第二コンベア部2bには、計量部4が装着されている。このため、搬送部2にて搬送される物品Aは、第二コンベア部2b上にて計量される。また、第二コンベア部2bの上流側及び下流側のそれぞれには、物品Aの有無を検知するセンサが設けられてもよい。この場合、物品Aの全体が第二コンベア部2b上に位置しているか否かを容易に判断できる。
【0021】
架台3は、計量部4を収容する部材であり、搬送部2の下方にて床Fに固定される。架台3は、計量部4を収容する本体3aと、本体3aと床Fとの間に位置する複数の脚3bと、を有する。図1においては、本体3aは破線にて示される。
【0022】
計量部4は、第二コンベア部2b上に位置する物品Aの重量を計量する。計量部4は、負荷に応じた圧縮及び引張を受ける起歪体11と、第二コンベア部2b上に位置する物品Aを計量する計量セル12と、を備える。起歪体11は、第二コンベア部2bを支持する可動剛体部11aと、架台3に固定される固定剛体部11bと、を有する。可動剛体部11aと固定剛体部11bとのそれぞれは、例えば鉛直方向に延在する部材である。可動剛体部11aの一端は第二コンベア部2bの上流側端部に接続され、可動剛体部11aの他端は計量セル12に接続される。固定剛体部11bの一端は計量セル12に接続され、固定剛体部11bの他端は架台3の本体3aに接続される。図示しないが、計量セル12は、ロードセルからなり、起歪体11に貼着された複数のストレインゲージがホイートストンブリッジ回路に接続される。なお、計量セル12は、ロードセル式の他、フォースバランス式や音叉式など、一般に計量に使用されるものであればよい。
【0023】
計量部4は、起歪体11及び計量セル12に加えて、A/D変換部を有する。計量セル12は、起歪体11から伝達される負荷に応じた電気信号を上記ホイートストンブリッジ回路から取り出す。この電気信号は、計量セル12による物品Aの計量結果を示すアナログ原信号であり、物品Aが第二コンベア部2b上に位置しているときに得られる。このアナログ原信号は、A/D変換部によってデジタル原信号に変換される。計量部4は、当該デジタル原信号を計量データ(原信号)とし、制御部8に出力する。
【0024】
操作部6は、搬送部2及び計量部4を操作する部分である。操作部6は、例えば第二コンベア部2bの近傍に立設される。操作部6は、表示インターフェース7を有する。
【0025】
表示インターフェース7は、制御部8から出力される表示情報に基づく画像を表示する。本実施形態では、表示インターフェース7は、外部からの入力を受け付ける入力部として機能するタッチパネル7aを有する。このため、表示インターフェース7には、操作用の画像などが表示される。表示インターフェース7が作業者(ユーザ)からの入力を受け付けると、入力内容を示す入力情報は、制御部8に出力される。当該入力情報は、例えば、物品Aの種類、搬送部2における物品Aの搬送の規則(搬送形態)、搬送部2の搬送速度、搬送方向に沿った物品Aの寸法、物品Aの搬送頻度、物品Aの計量ピッチなどに関するデータである。物品Aの搬送頻度は、例えば検査装置1の上流に位置する生産機の能力に基づいて設定される。なお、物品Aの計量ピッチは、例えば、搬送部2の搬送速度、物品Aの上記寸法、物品Aの搬送頻度に基づき、制御部8によって算出される。
【0026】
表示インターフェース7は、計量部4による計量結果(例えば、物品Aの重量の計量結果)を示す計量値、検査装置1の計量条件、原信号をフィルタリング処理して得られる計量信号、当該フィルタリング処理の評価情報などを表示する。
【0027】
制御部8は、検査装置1に含まれる各部を制御するコントローラである。制御部8は、例えば、操作部6に内蔵される。制御部8は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などによって構成される。
【0028】
制御部8は、計量部4における計量結果に基づいて振分部9の動作を制御する。制御部8は、計量部4から出力される計量データに基づいて、物品Aの重量の計量値を算出する。計量値は、公知の手法により、計量データを利用して算出される。制御部8は、物品Aの計量値が適正範囲から逸脱しているか否かを判定する。制御部8は、物品Aの計量値が適正範囲内である場合には、当該物品Aが良品であると判定する。制御部8は、物品Aの計量値が適正範囲から逸脱している場合には、当該物品Aが不良品であると判定する。
【0029】
制御部8は、計量部4における計量結果において物品Aが不良と判定した場合には、当該物品Aを排出するように振分部9の動作を制御する。制御部8は、不良と判定した物品Aの排出(振り分け)を指示する振分信号を振分部9に出力する。当該振分信号には、物品Aが不良品であることを示す情報(不良品フラグ)が含まれている。
【0030】
制御部8は、搬送部2において物品Aが所定の規則に基づいて搬送される場合、振分部9による不良物品の排出によって規則が乱れる場合には、不良物品の後続の物品Aにおいて、規則を乱す物品Aを排出するように振分部9を制御する。すなわち、制御部8は、不良物品の排出によって規則が乱れる場合には、規則が維持されるように、規則を乱すことになる物品Aを排出するように振分部9を制御する。規則が乱れるとは、所定のルールに基づいて搬送される物品Aにおいて、物品Aの前後の関係性が変わることをいう。制御部8は、規則を乱す物品Aの排出を指示する振分信号を振分部9に出力する。当該振分信号には、物品Aが良品であることを示す情報(良品フラグ)が含まれている。
【0031】
上記規則は、物品Aの形状、物品Aの方向及び物品の種類の少なくも一つに基づいて設定される。規則は、複数の物品Aを含んで構成される物品群U(図2参照)の単位で設定されている。規則は、物品Aの種類に対応付けられている。操作部6の表示インターフェース7において物品Aの種類が選択されると、当該種類に対応付けられている規則が選択される。制御部8は、規則に応じた処理を実行する。
【0032】
本実施形態では、規則は、物品Aの形状及び方向に基づいて設定されている。本実施形態では、図2(a)に示されるように、物品Aは、例えば、側面視において台形状を呈している。物品Aでは、台形状の短辺と長辺とが対向する方向を、物品Aの上下方向とする。搬送部2において、物品Aは、上下方向が交互に異なるように搬送される。すなわち、搬送部2において、一つの物品Aは、短辺が下となるように(短辺が第三コンベア部2cと当接するように)搬送され、この物品Aの直後(後続)の他の物品Aは、長辺が下となるように(長辺が第三コンベア部2cと当接するように)搬送される。この搬送形態において、物品群Uは、二つの物品Aを含んで構成される。上記規則に基づく物品Aの搬送経路に対するセットは、検査装置1よりも上流側において行われる。物品Aのセットは、包装装置、ロボット、作業者などによって行われ得る。
【0033】
物品Aが上記規則に基づいて搬送される場合における、制御部8の動作(検査方法)の一例について説明する。以下の説明においては、不良と判定された物品Aを不良物品DAと示し、規則を乱すことになる物品Aを排出物品EAと示す。
す。
【0034】
図2(b)に示されるように、制御部8は、物品A(黒の塗り潰し)を不良であると判定した場合、不良物品DAの排出を指示する振分信号を振分部9に指示する。不良物品DAを排出した場合、当該不良物品DAの先行の物品Aと、当該不良物品の後続の物品Aとが、いずれも長辺が下となっているため、規則が乱れる。そのため、制御部8は、不良物品DAの後続の物品Aにおいて、規則を乱す排出物品EA(灰色の塗り潰し)を排出するように振分部9を制御する。すなわち、制御部8は、振分部9による不良物品DAの排出によって規則が乱れる場合には、不良物品DAが属する物品群にU含まれる排出物品EAを排出するように振分部9を制御する。排出物品EAを排出することによって、規則が維持される。排出物品EAは、良品として判定されている(良品フラグが設定されている)。
【0035】
図3(a)に示されるように、制御部8は、連続する二つの物品A(黒の塗り潰し)を不良であると判定した場合、不良物品DAの排出を指示する振分信号を振分部9に指示する。連続する二つの物品Aが物品群Uを構成している場合、規則は乱れない。すなわち、物品群Uに含まれる全ての物品Aが不良物品DAである場合、物品群Uに含まれる全ての不良物品DAが排出されるため、不良物品DAの後続の物品Aにおいて規則が乱れない。そのため、制御部8は、不良物品DAの後続の物品Aの排出は指示しない。
【0036】
図3(b)に示されるように、制御部8は、連続する三つの物品A(黒の塗り潰し)を不良であると判定した場合、不良物品DAの排出を指示する振分信号を振分部9に指示する。三つの不良物品DAを排出した場合、二つの不良物品DAを含む物品群Uの先行の物品Aと、三つ目の不良物品DAの後続の物品Aとが、いずれも長辺が下となっているため、規則が乱れる。そのため、制御部8は、三つ目の不良物品DAの後続の物品Aにおいて、規則を乱す物品A(灰色の塗り潰し)を排出するように振分部9を制御する。すなわち、制御部8は、振分部9による不良物品DAの排出によって規則が乱れる場合には、不良物品DAが属する物品群にU含まれる物品Aを排出するように振分部9を制御する。
【0037】
図4に示されるように、物品Aの間隔が不規則に異なる場合において、制御部8は、物品A(黒の塗り潰し)を不良であると判定した場合、不良物品DAの排出を指示する振分信号を振分部9に指示する。不良物品DAを排出した場合、当該不良物品DAの先行の物品Aと、当該不良物品の後続の物品Aとが、いずれも長辺が下となっているため、規則が乱れる。そのため、制御部8は、不良物品DAの後続の物品Aにおいて、規則を乱す排出物品EA(灰色の塗り潰し)を排出するように振分部9を制御する。すなわち、制御部8は、振分部9による不良物品DAの排出によって規則が乱れる場合には、不良物品DAが属する物品群にU含まれる排出物品EAを排出するように振分部9を制御する。
【0038】
図1に示されるように、振分部9は、物品Aを搬送経路の系外に排出するする装置である。図5に示されるように、振分部9は、計量部4よりも下流側に設けられている。振分部9は、第三コンベア部2cに設けられている。振分部9は、制御部8から出力された振分信号に基づいて、物品Aを振り分ける。振分部9の例には、アームを用いたアーム式振分装置、ドロップアップベルト式振分装置、プッシャ装置を用いたプッシャ式振分装置、ドロップフラップ式振分装置、エアジェット式振分装置、及びフィン式振分装置などが含まれる。本実施形態では、アーム式振分装置を一例に説明する。
【0039】
振分部9は、第一アーム20と、第二アーム21と、第一排出部(第一排出先)22と、第二排出部(第二排出先)23と、を備えている。振分部9は、第一アーム20及び第二アーム21を駆動させるモータなどを制御する制御系として、モータドライバなどを更に有していてもよい。
【0040】
第一アーム20及び第二アーム21のそれぞれは、例えばモータなどの駆動力により基端側を基軸に先端が揺動する。図6に示されるように、第一アーム20は、第三コンベア部2cの幅方向における一方側(図2では上側)へ物品Aを案内し、当該物品Aを搬送経路の系外に振り分ける。第一アーム20は、物品Aを第一排出部22に案内する。図7に示されるように、第二アーム21は、第三コンベア部2cの幅方向における他方側へ物品Aを案内し、当該物品を搬送経路の系外に振り分ける。第二アーム21は、物品Aを第二排出部23に案内する。
【0041】
第一排出部22は、第一アーム20によって案内された物品Aが排出される。第一排出部22は、物品Aを収容する。第二排出部23は、第二アーム21によって案内された物品Aが排出される。第二排出部23は、物品Aを収容する。
【0042】
振分部9は、第一アーム20又は第二アーム21を作動させることによって、物品Aを第一排出部22又は第二排出部23に排出する。振分部9は、制御部8から出力された振分信号において、不良品であることを示す情報(不良品フラグ)が含まれている場合には、第一アーム20を作動させる。これにより、不良品である物品Aは、第一排出部22に排出される。振分部9は、制御部8から出力された振分信号において、良品であることを示す情報(良品フラグ)が含まれている場合には、第二アーム21を作動させる。これにより、良品である物品Aは、第二排出部23に排出される。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係る検査装置1では、制御部8は、搬送部2において物品Aが所定の規則に基づいて搬送される場合、振分部9による不良物品DAの排出によって規則が乱れる場合には、不良物品DAの後続の物品Aにおいて、規則を乱す物品A(排出物品EA)を排出するように振分部9を制御する。すなわち、制御部8は、物品Aの規則が維持されるように、良品の物品Aであっても排出させる。これにより、検査装置1の後工程には、物品Aの規則が維持された状態で物品が供給される。したがって、後工程における不具合の発生を抑制できる。
【0044】
本実施形態に係る検査装置1では、振分部9は、不良物品DAを排出する第一排出部22と、検査結果において良品と判定された物品A(排出物品EA)を排出する第二排出部23と、のいずれかに物品Aを排出する。この構成では、振分部9によって排出された物品Aにおいて、不良物品DAと良品である物品Aとを区別することができる。そのため、規則を維持するために排出した良品の物品Aを無駄にすることなく、再度搬送経路に戻すことなどができる。
【0045】
本実施形態に係る検査装置1では、規則は、複数の物品Aを含んで構成される物品群Uの単位で設定されており、制御部8は、振分部9による不良物品DAの排出によって規則が乱れる場合には、不良物品DAが属する物品群Uに含まれる物品A(排出物品EA)を排出するように振分部9を制御する。この構成では、規則を維持することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0047】
上記実施形態では、検査装置1が計量部4を備える形態を一例に説明した。すなわち、検査装置1が重量検査装置である形態を一例に説明した。しかし、検査部は、電磁波検査、金属検査、重量検査及び外観検査の少なくとも一つを行えばよい。すなわち、検査装置は、電磁波(X線、近赤外線)検査装置、外観検査装置などであってもよい。また、検査装置は、複数の検査を行う装置であってもよい。
【0048】
上記実施形態では、上記規則が、物品Aの形状及び方向に基づいて設定されている形態を一例に説明した。しかし、規則は、物品Aの形状、物品Aの方向及び物品Aの種類の少なくも一つに基づいて設定されればよい。種類としては、物品Aの色、物品Aが食品の場合には味などがある。例えば、規則は、複数種類の物品に基づいて設定されてもよい。具体的には、物品Aが二つの種類を含む場合、二つの種類の物品Aを含んで物品群Uが構成される。
【符号の説明】
【0049】
1…検査装置、2…搬送部、8…制御部、9…振分部、22…第一排出部(第一排出先)、23…第二排出部(第二排出先)、A…物品、DA…不良物品、U…物品群。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7