(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024935
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】光学ホルダ、照明装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240216BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20240216BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240216BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V17/00 100
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127934
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】藤本 佳史
【テーマコード(参考)】
3K011
【Fターム(参考)】
3K011BA02
3K011EB05
(57)【要約】
【課題】光の取り出し効率が低下することを抑制することが可能な光学ホルダ、照明装置および照明器具を提供する。
【解決手段】光学ホルダ30は、発光装置100の光出射部113に光学部品10を保持する。光学ホルダ30は、保持部材40と、係合部材50とを備える。保持部材40は、光学部品10を保持する。係合部材50は、発光装置100の外周面111に係合し弾性変形可能である。係合部材50は、発光装置100の周方向CDに沿って延び、外周面111に係合する第1係合部51と、周方向CDと交差する方向に延び、保持部材40と第1係合部51とを接続する接続部52とを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置の光出射部に光学部品を保持する光学ホルダであって、
前記光学部品を保持する保持部材と、
前記発光装置の外周面に係合する弾性変形可能な係合部材と
を備え、
前記係合部材は、
前記発光装置の周方向に沿って延び、前記外周面に係合する第1係合部と、
前記周方向と交差する方向に延び、前記保持部材と前記第1係合部とを接続する接続部と
を有する、光学ホルダ。
【請求項2】
前記外周面は、光軸方向に対して傾斜する傾斜面を有し、
前記傾斜面は、前記光出射部の光出射方向とは反対方向に向かって内側に傾斜し、
前記第1係合部は、前記傾斜面に係合する、請求項1に記載の光学ホルダ。
【請求項3】
前記接続部は、前記係合部材が前記外周面に係合した状態で、光軸を中心とする径方向の外側に弾性変形する、請求項1または請求項2に記載の光学ホルダ。
【請求項4】
前記係合部材は、前記第1係合部を複数有し、
複数の前記第1係合部は、前記周方向に略等間隔に配置される、請求項1または請求項2に記載の光学ホルダ。
【請求項5】
前記第1係合部は、光軸を中心として180°より長く延びる、請求項1または請求項2に記載の光学ホルダ。
【請求項6】
前記係合部材は、前記接続部を複数有し、
前記第1係合部の両端部は、複数の前記接続部によって前記保持部材に接続される、請求項1または請求項2に記載の光学ホルダ。
【請求項7】
前記係合部材は、前記周方向に沿って延び、前記保持部材に係合する第2係合部をさらに有し、
前記保持部材は、
前記光学部品を収容する第1収容部と、
光軸を中心とする径方向において前記第1収容部よりも大きく、前記光出射部を収容する第2収容部と、
前記第1収容部および前記第2収容部により形成される段差部と
を有し、
前記第2係合部は、前記段差部に係合する、請求項1または請求項2に記載の光学ホルダ。
【請求項8】
請求項1に記載の光学ホルダと、
前記光学ホルダに保持される光学部品と、
前記光学ホルダが取り付けられる発光装置と
を備える、照明装置。
【請求項9】
請求項8に記載の照明装置と、
前記照明装置の前記発光装置が取り付けられるソケットと
を備える、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ホルダ、照明装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光装置と、発光装置の光出射部に配置される光学部品と、光学部品を保持する光学ホルダとを備えた照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、LEDランプと、ヒートシンクおよびレンズを含むランプ本体と、ランプ本体の光出射部であるレンズに配置されるアクセサリと、アクセサリを保持する第1の磁石および第2の磁石とを備えたLEDランプが記載されている。
【0003】
第1の磁石は、レンズの中心に取り付けられる。第2の磁石は、アクセサリの中心に取り付けられる。第1の磁石と第2の磁石との間の磁力によって、アクセサリがレンズ上に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のLEDランプでは、レンズの中心に第1の磁石が配置されるため、光の取り出し効率が低下するという問題点がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、光の取り出し効率が低下することを抑制することが可能な光学ホルダ、照明装置および照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示する光学ホルダは、発光装置の光出射部に光学部品を保持する。光学ホルダは、前記光学部品を保持する保持部材と、前記発光装置の外周面に係合する弾性変形可能な係合部材とを備える。前記係合部材は、前記発光装置の周方向に沿って延び、前記外周面に係合する第1係合部と、前記周方向と交差する方向に延び、前記保持部材と前記第1係合部とを接続する接続部とを有する。
【0008】
本願に開示する光学ホルダにおいて、前記外周面は、光軸方向に対して傾斜する傾斜面を有してもよい。前記傾斜面は、前記光出射部の光出射方向とは反対方向に向かって内側に傾斜してもよい。前記第1係合部は、前記傾斜面に係合してもよい。
【0009】
本願に開示する光学ホルダにおいて、前記接続部は、前記係合部材が前記外周面に係合した状態で、光軸を中心とする径方向の外側に弾性変形してもよい。
【0010】
本願に開示する光学ホルダにおいて、前記係合部材は、前記第1係合部を複数有してもよい。複数の前記第1係合部は、前記周方向に略等間隔に配置されてもよい。
【0011】
本願に開示する光学ホルダにおいて、前記第1係合部は、光軸を中心として180°より長く延びてもよい。
【0012】
本願に開示する光学ホルダにおいて、前記係合部材は、前記接続部を複数有してもよい。前記第1係合部の両端部は、複数の前記接続部によって前記保持部材に接続されてもよい。
【0013】
本願に開示する光学ホルダにおいて、前記係合部材は、前記周方向に沿って延び、前記保持部材に係合する第2係合部をさらに有してもよい。前記保持部材は、前記光学部品を収容する第1収容部と、光軸を中心とする径方向において前記第1収容部よりも大きく、前記光出射部を収容する第2収容部と、前記第1収容部および前記第2収容部により形成される段差部とを有してもよい。前記第2係合部は、前記段差部に係合してもよい。
【0014】
本願に開示する照明装置は、上記の光学ホルダと、前記光学ホルダに保持される光学部品と、前記光学ホルダが取り付けられる発光装置とを備える。
【0015】
本願に開示する照明器具は、上記の照明装置と、前記照明装置の前記発光装置が取り付けられるソケットとを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光の取り出し効率が低下することを抑制することが可能な光学ホルダ、照明装置および照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係る光学ホルダを備えた照明装置の構造を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る光学ホルダを備えた照明装置の構造を示す分解斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る光学ホルダを備えた照明装置の構造を下側から示す分解斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る光学ホルダを備えた照明装置の構造を示す部分断面図である。
【
図5】第1実施形態に係る光学ホルダの構造を示す斜視図である。
【
図6】第1実施形態に係る光学ホルダの係合部材の構造を示す斜視図である。
【
図7】保持部材、光学部品およびシール部材の構造を示す断面図である。
【
図8】第2実施形態に係る光学ホルダを備えた照明装置の構造を示す斜視図である。
【
図9】第2実施形態に係る光学ホルダの係合部材の構造を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第1変形例に係る照明装置の構造を示す図である。
【
図11】本発明の第2変形例に係る照明装置の光学ホルダの保持部材の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本発明の実施形態において、「上」「下」を用いて説明する場合があるが、あくまで便宜のために用いるに過ぎず、本発明に係る光学ホルダ、照明装置および照明器具の使用時の向きを限定しない。
【0019】
(第1実施形態)
図1~
図7を参照して、本発明の第1実施形態に係る光学ホルダ30を備えた照明装置1について説明する。
図1は、本実施形態に係る光学ホルダ30を備えた照明装置1の構造を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る光学ホルダ30を備えた照明装置1の構造を示す分解斜視図である。
図3は、本実施形態に係る光学ホルダ30を備えた照明装置1の構造を下側から示す分解斜視図である。
【0020】
図1~
図3に示すように、本実施形態の照明装置1は、発光装置100と、光学部品10と、シール部材20と、光学ホルダ30とを備える。なお、照明装置1は、シール部材20を備えなくてもよい。また、照明装置1と、照明装置1の発光装置100が取り付けられるソケット(図示せず)とによって、照明器具(図示せず)が構成される。照明装置1は、特に限定されるものではないが、例えば、スポットライト(照明器具)に用いられてもよい。また、照明装置1は、例えば、ライティングレールまたはダクトレール等と呼ばれるレールに取り付けられて用いられてもよい。
【0021】
発光装置100は、発光装置本体110と、発光装置本体110の一端部に配置される口金120と、発光装置本体110の内部に配置される光源(図示せず)と、発光装置本体110の内部に配置される電源装置(図示せず)とを含む。口金120は、図示しないソケットに取り付けられ、外部商用電源等から電力が供給される。口金120は、略円筒形状を有し、円筒面に螺旋状のネジ山(図示せず)が形成されている。光源(図示せず)は、特に限定されるものではないが、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子を含む。電源装置は、外部商用電源から供給される交流電力を、光源を点灯させるための直流電力に変換する。
【0022】
発光装置本体110は、特に限定されるものではないが、例えば、熱伝導率が高い材料により形成される。発光装置本体110は、アルミニウム等の金属により形成されることが好ましい。発光装置本体110を熱伝導率の高い材料により形成することによって、内蔵する光源および電源装置で発生する熱を効率良く放熱することができる。また、発光装置本体110は、例えば、略円筒形状または略円錐形状を有する。発光装置本体110は、外周面111と、内周面112とを有する。
【0023】
外周面111は、例えば、略円筒の外周面、または、略円錐の外周面によって形成される。本実施形態では、外周面111は、第1外周面111aと、第2外周面111bと、第3外周面111cとを有する。第1外周面111aは、発光装置100の光軸L1を中心とする径方向RDにおいて、第3外周面111cよりも大きい。本実施形態では、第1外周面111aは、第3外周面111cよりも大きい直径を有する。第2外周面111bは、第1外周面111aと第3外周面111cとを接続する。なお、本実施形態では、発光装置100の光軸L1は、光源の中心軸、および、発光装置本体110の中心軸と略一致する。
【0024】
第1外周面111aは、例えば、略円筒の外周面または略円錐の外周面によって形成される。本実施形態では、第1外周面111aは、略円筒の外周面によって形成される。第2外周面111bは、例えば、略円錐の外周面によって形成される。第3外周面111cは、例えば、略円筒の外周面または略円錐の外周面によって形成される。本実施形態では、第3外周面111cは、略円筒の外周面によって形成される。
【0025】
第2外周面111bは、光軸方向Zに対して傾斜する傾斜面である。第2外周面111bは、後述する光出射部113の光出射方向Z1とは反対方向Z2に向かって内側に傾斜する。言い換えると、第2外周面111bは、反対方向Z2に向かって、光軸L1を中心とする径方向RDの内側に傾斜する。第2外周面111bは、例えば、光軸方向Zに対して20°以上70°以下傾斜する。好ましくは、第2外周面111bは、例えば、光軸方向Zに対して、30°以上60°以下傾斜する。本実施形態では、第2外周面111bは、例えば、光軸方向Zに対して、40°以上50°以下傾斜する。なお、第2外周面111bは、本発明の「傾斜面」の一例である。
【0026】
内周面112は、例えば、反射面である。内周面112は、光源(図示せず)からの光を光出射方向Z1側(ここでは下側)に反射する。
【0027】
発光装置本体110は、光出射部113をさらに有する。光出射部113は、光源(図示せず)からの光を照明装置1(発光装置本体110)の外部に出射する部分である。光出射部113は、照明装置1(発光装置本体110)の光出射方向Z1の端部に配置される。
【0028】
光学部品10は、光出射部113に配置される。光学部品10は、光源(図示せず)からの光を所望の光にして発光装置100から出射するための部材である。光学部品10は、特に限定されるものではないが、例えば、透明または半透明のガラス、樹脂等によって形成される。また、光学部品10は、特に限定されるものではないが、例えば、レンズ、拡散シート、カラーフィルタ、スプレッドレンズ等を用いることができる。本実施形態では、光学部品10は、スプレッドレンズを含む。スプレッドレンズは、光源(図示せず)からの光を所定方向に屈折させる。スプレッドレンズは、例えば、光源(図示せず)からの光を楕円状に拡げて出射する。
【0029】
図4は、本実施形態に係る光学ホルダ30を備えた照明装置1の構造を示す部分断面図である。
図4に示すように、シール部材20は、発光装置100と光学ホルダ30との隙間をシールする。本実施形態では、シール部材20は、発光装置本体110と光学ホルダ30との隙間をシールする。シール部材20は、発光装置本体110と光学ホルダ30とに挟持される。従って、シール部材20と発光装置本体110との間、および、シール部材20と光学ホルダ30との間に摩擦が生じる。よって、ユーザーが光学ホルダ30を指でつまんで回転させることによって、発光装置100を照明装置1のソケット等に対して着脱できる。つまり、ユーザーが光学ホルダ30を指でつまんで発光装置100を回転させる場合であっても、光学ホルダ30と発光装置本体110との間で滑りが生じることを抑制できる。よって、ソケット等に対する発光装置100の着脱性を向上できる。
【0030】
具体的には、シール部材20は、弾性変形可能な樹脂シートまたはゴムシート等によって形成される。シール部材20は、例えば、リング形状を有する。シール部材20は、発光装置本体110の光出射方向Z1の端縁に沿って配置される。シール部材20は、例えば、発光装置本体110の光出射方向Z1の端部の直径より大きい直径を有する。シール部材20は、例えば、発光装置本体110の光出射方向Z1の端部の内径より小さい内径を有する。また、シール部材20は、開口21を有する。開口21は、発光装置本体110の内部の光を通過させて、発光装置本体110の外部に出射するために形成されている。
【0031】
また、本実施形態では、開口21の内径D21は、光学部品10の外径D10に比べて大きい。従って、光の利用効率が低下することを抑制できる。また、開口21の内径D21を光学部品10の外径D10に比べて大きくすることによって、光学部品10がシール部材20に接触することを抑制できる。このため、光学部品10とシール部材20との間に摩擦が発生することを抑制できるので、光学部品10を小さな力で容易に回転させることができる。例えば、光学部品10がスプレッドレンズのような特定の方向へ光を屈折させる部品である場合、所望の方向に光を照射するために光学部品10を回転させる必要がある。このため、内径D21を外径D10に比べて大きくして光学部品10を容易に回転できるようにすることは、特に効果的である。なお、開口21の内径D21は、光学部品10の外径D10に比べて小さくてもよい。この場合、シール部材20と光学ホルダ30とにより光学部品10を挟むことができるため、光学部品10のがたつきを抑制できる。
【0032】
図2および
図4に示すように、光学ホルダ30は、発光装置100の光出射部113に光学部品10を保持する。光学ホルダ30は、光学部品10を保持する保持部材40と、発光装置100の外周面111に係合する弾性変形可能な係合部材50とを有する。
【0033】
図5は、本実施形態に係る光学ホルダ30の構造を示す斜視図である。
図6は、本実施形態に係る光学ホルダ30の係合部材50の構造を示す斜視図である。
図5および
図6に示すように、係合部材50は、発光装置100の周方向CD(
図2参照)に沿って延びる第1係合部51と、周方向CDと交差する方向に延びる接続部52とを有する。第1係合部51は、例えば、円弧形状を有する。第1係合部51は、外周面111に係合する。接続部52は、例えば、光軸L1に沿った方向に延びる。接続部52は、保持部材40から第1係合部51に延びる。接続部52は、保持部材40と第1係合部51とを接続する。本実施形態では、接続部52は、後述する第2係合部53を介して、保持部材40と第1係合部51とを接続する。
【0034】
このように、係合部材50は、発光装置100の周方向CDに沿って延び、外周面111に係合する第1係合部51と、保持部材40と第1係合部51とを接続する接続部52とを有する。従って、上記特許文献1のようにレンズの中心に磁石が配置される場合と異なり、例えば、接続部52を光の通過経路上に配置する必要がない。よって、照明装置1の光の取り出し効率が低下することを抑制できる。
【0035】
次に、
図4~
図7を参照して、光学ホルダ30の詳細構造について説明する。
図7は、保持部材40、光学部品10およびシール部材20の構造を示す断面図である。
図7に示すように、保持部材40は、第1収容部41と、第2収容部42と、段差部43とを有する。
【0036】
第1収容部41は、光学部品10を収容する。第1収容部41は、光学部品10を支持する第1支持部41aと、光学部品10の周囲を囲う第1側部41bとを有する。第1支持部41aは、光学部品10の周縁を支持する。第1支持部41aは、開口41cを有する。開口41cは、光学部品10からの光を通過させて、照明装置1の外部に出射するために形成されている。
【0037】
第2収容部42は、径方向RDにおいて、第1収容部41よりも大きい。第2収容部42は、光出射部113(
図4参照)を収容する。つまり、第2収容部42は、第1外周面111a(
図2参照)の下部(光出射方向Z1の端部)の周囲を囲う。第2収容部42は、例えばシール部材20を支持する第2支持部42aと、光出射部113の周囲を囲う第2側部42bとを有する。
【0038】
段差部43は、第1収容部41および第2収容部42により形成される。より詳しくは、段差部43は、第1収容部41の第1側部41bと、第2収容部42の第2支持部42aとによって形成される。
【0039】
保持部材40は、特に限定されるものではないが、例えば、金属または樹脂によって形成される。本実施形態では、保持部材40は、金属によって形成される。また、保持部材40は、例えば、板金をヘラ絞り加工等することによって形成される。
【0040】
図5および
図6に示すように、本実施形態では、係合部材50は、接続部52を複数有する。第1係合部51の両端部は、複数の接続部52によって保持部材40に接続される。これにより、第1係合部51が1つの接続部52によって保持部材40に接続される場合に比べて、強固に第1係合部51を発光装置100の外周面111に係合させることができる。
【0041】
また、接続部52は、係合部材50が発光装置100の外周面111に係合した状態で、光軸L1を中心とする径方向RDの外側に弾性変形している。つまり、接続部52は、係合部材50を発光装置本体110に取り付けることによって、径方向RDの外側に拡がる。従って、第1係合部51は外周面111に対して押圧された状態になるので、光学ホルダ30が発光装置100に対してがたつくことを抑制できる。
【0042】
本実施形態では、係合部材50は、保持部材40の周方向CDに沿って延びる第2係合部53をさらに有する。第2係合部53は、例えば、円弧形状を有する。第2係合部53は、保持部材40に係合する。
【0043】
第2係合部53の端部は、接続部52に接続される。つまり、第1係合部51の端部と、第2係合部53の端部とは、接続部52によって接続される。
【0044】
係合部材50は、例えば、線状または棒状に形成される。係合部材50は、例えば、略一定の太さを有する。第1係合部51、接続部52および第2係合部53は、互いに同じ大きさの、例えば直径または断面積を有する。
【0045】
係合部材50は、特に限定されるものではないが、例えば、金属からなる線材、または、樹脂によって形成される。本実施形態では、係合部材50は、線材によって形成される。本実施形態では、例えば、1本の線材を折り曲げることによって、1つの第1係合部51、2つの接続部52、2つの第2係合部53を有する1つの部材(後述する第1部材50A)が形成される。
【0046】
また、係合部材50を金属により形成することによって、光源および電源装置で発生し発光装置本体110に伝達された熱を、係合部材50に伝達して係合部材50から外部に放熱できる。従って、照明装置1の放熱性を向上できる。
【0047】
また、本実施形態では、係合部材50は、第1部材50Aと第2部材50Bとによって構成される。第2部材50Bは、第1部材50Aと同様の構造を有する。第1部材50Aおよび第2部材50Bは、発光装置100を挟んで対称に配置される。
【0048】
また、第1部材50Aの第1係合部51と、第2部材50Bの第1係合部51とは、周方向CD(
図2参照)に略等間隔(ここでは180°)に配置される。従って、発光装置100の外周面111にかかる力が周方向CDに不均一になることが抑制されるので、光学ホルダ30が発光装置100から外れることを抑制できる。
【0049】
なお、本実施形態では、係合部材50が2つの部材(第1部材50Aおよび第2部材50B)によって構成される例について説明するが、本発明はこれに限らない。例えば、第1部材50Aの一方の第2係合部53と、第2部材50Bの一方の第2係合部53とが繋がって、1つの部材となっていてもよい。さらに、第1部材50Aの他方の第2係合部53と、第2部材50Bの他方の第2係合部53とが繋がっていてもよい。
【0050】
また、係合部材50は、保持部材40に固定される。係合部材50は、例えば、溶接、ろう付け、または、接着剤により保持部材40に固定される。なお、例えば、第1部材50Aの一方の第2係合部53と、第2部材50Bの一方の第2係合部53とが繋がっている場合、係合部材50は、保持部材40に溶接、ろう付け、または、接着剤等により固定されなくてもよい。
【0051】
本実施形態では、
図1に示すように、第1係合部51は、傾斜面である第2外周面111bに係合する。従って、第1係合部51には、第2外周面111bにより反対方向Z2の力が作用する。よって、光学ホルダ30の保持部材40は、発光装置100に押し付けられる。その結果、光学ホルダ30ががたつくことを抑制できる。
【0052】
また、本実施形態では、第2係合部53は、保持部材40の段差部43に係合する。従って、係合部材50を保持部材40に対して上下方向に位置決めできる。また、第2係合部53が保持部材40から外れることを抑制できる。
【0053】
次に、
図2を参照して、発光装置100に対する光学ホルダ30の取付方法について簡単に説明する。
【0054】
図2に示すように、光学ホルダ30の保持部材40の内部に光学部品10およびシール部材20を配置する。このとき、光学部品10は、第1収容部41の第1支持部41a上に配置される。また、シール部材20は、第2収容部42の第2支持部42a上に配置される。
【0055】
次に、光学ホルダ30の係合部材50の第1係合部51を径方向RDの外側に拡げながら、係合部材50を発光装置100の外周面111に取り付ける。このとき、第1係合部51を発光装置100の第2外周面111bに係合させる。
【0056】
このようにして、光学ホルダ30を発光装置100に取り付ける。
【0057】
(第2実施形態)
図8および
図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る光学ホルダ30を備えた照明装置1について説明する。
図8は、第2実施形態に係る光学ホルダ30を備えた照明装置1の構造を示す斜視図である。
図9は、第2実施形態に係る光学ホルダ30の係合部材50の構造を示す斜視図である。第2実施形態では、第1実施形態と異なり、係合部材50が第1係合部51を1つだけ有する例について説明する。
【0058】
図8および
図9に示すように、係合部材50は、1つの第1係合部51、2つの接続部52、2つの第2係合部53を有する。第1係合部51は、光軸L1を中心として180°より長く延びる。従って、第1係合部51の両端部同士の間の距離は、第1係合部51の内径よりも小さい。よって、第1係合部51が発光装置100から径方向RDの外側に外れることを抑制できる。
【0059】
第1係合部51の両端部は、複数(ここでは2つ)の接続部52によって保持部材40に接続される。第2係合部53の端部は、接続部52に接続される。つまり、第1係合部51の端部と、第2係合部53の端部とは、接続部52によって接続される。
【0060】
本実施形態では、2つの第2係合部53は、所定距離をおいて離隔する。ただし、2つの第2係合部53同士は繋がっていてもよい。言い換えると、係合部材50は、1つの第1係合部51、2つの接続部52、1つの第2係合部53によって構成されてもよい。
【0061】
本実施形態のその他の構造、効果および取付方法は、第1実施形態と同様である。
【0062】
(第1変形例)
図10を参照して、本発明の第1変形例に係る照明装置1を備えた照明器具200について説明する。
図10は、本発明の第1変形例に係る照明装置1を備えた照明器具200の構造を示す図である。本発明の第1変形例では、第1実施形態および第2実施形態と異なり、照明装置1がソケット150に取り付けられて照明器具200を構成する例について説明する。
【0063】
図10に示すように、照明器具200は、照明装置1と、照明装置1の発光装置100が取り付けられるソケット150とを備える。ソケット150は、本体151と、ソケット部152とを有する。本体151は、ソケット部152を支持する。本体151は、例えば、上述のレールに移動可能に取り付けられてもよい。
【0064】
ソケット部152は、発光装置100が取り付けられる。ソケット部152は、本体151に対して所定角度範囲内で揺動する。これにより、発光装置100の照明方向を変更することができる。
【0065】
第1変形例のその他の構造および効果は、第1実施形態および第2実施形態と同様である。
【0066】
(第2変形例)
図11を参照して、本発明の第2変形例に係る照明装置1について説明する。
図11は、本発明の第2変形例に係る照明装置1の光学ホルダ30の保持部材40の構造を示す斜視図である。本発明の第2変形例では、第1実施形態および第2実施形態と異なり、光学ホルダ30の保持部材40に凹凸形状が形成されている例について説明する。
【0067】
図11に示すように、光学ホルダ30の保持部材40は、凹凸形状が形成された凹凸部45を有する。凹凸部45は、保持部材40の少なくとも外周面に配置される。第2変形例では、保持部材40は板金から形成されるため、保持部材40の外周面と同様、内周面にも凹凸形状が形成される。
【0068】
凹凸部45は、特に限定されるものではないが、保持部材40のうち、少なくとも光出射方向Z1側の部分に配置される。第2変形例では、凹凸部45は、第1収容部41に配置される。また、凹凸部45は、第1収容部41の外周面の、光軸方向Zの全域(光出射方向Z1の端部から反対方向Z2の端部)に配置される。なお、凹凸部45は、第1収容部41の外周面のうち、例えば光出射方向Z1側の端部のみに配置されてもよい。また、凹凸部45は、第1収容部41および第2収容部42の両方に配置されてもよいし、第2収容部42のみに配置されてもよい。
【0069】
第2変形例では、凹凸部45は、保持部材40の外周面の、周方向CD(
図2参照)の全域に配置される。なお、凹凸部45は、保持部材40の外周面のうち、周方向CDの一部に配置されてもよい。例えば、凹凸部45は、保持部材40の外周面に、周方向CDに略等間隔で配置されてもよい。
【0070】
凹凸部45は、複数の凸部45aと複数の凹部45bとを有する。凸部45aおよび凹部45bは、特に限定されるものではないが、例えば、周方向CDに交互に配置される。凸部45aおよび凹部45bの各々は、光軸方向Zに沿って延びる。なお、凸部45aおよび凹部45bは、例えば、マトリクス状に配置されてもよい。言い換えると、凸部45aおよび凹部45bは、例えば、略ドット形状を有し、周方向CDに交互に配置されるとともに、光軸方向Zにも交互に配置されてもよい。
【0071】
第2変形例では、保持部材40に凹凸形状を形成することによって、ユーザーが光学ホルダ30の保持部材40を指でつまんで回転させる際に、指が保持部材40に対して滑ることを抑制できる。
【0072】
第2変形例のその他の構造および効果は、第1実施形態および第2実施形態と同様である。
【0073】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0074】
例えば、上記の実施形態では、保持部材40と係合部材50とを別々の部材で形成する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、保持部材40と係合部材50とを、樹脂を用いて一体で成型してもよい。
【0075】
また、上記の実施形態では、係合部材50が第2係合部53を有する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、係合部材50は、第2係合部53を有しなくてもよい。この場合、係合部材50は、第1係合部51と接続部52とを有し、例えば、接続部52が保持部材40に溶接、ろう付けまたは接着剤により固定されてもよい。
【0076】
また、上記の実施形態では、第1係合部51が、傾斜面である第2外周面111bに係合する例について示したが、本発明はこれに限らない。第1係合部51は、傾斜面に係合しなくもよい。例えば、第1係合部51は、径方向RDに平行な面に係合してもよい。また、例えば、第1外周面111aは、略円筒の外周面に形成され、略円筒の外周面には、凸部または凹部が形成され、第1係合部51は、略円筒の外周面に形成された凸部または凹部に係合してもよい。
【0077】
また、上記の第1実施形態では、第1係合部51が2つである例について示したが、本発明はこれに限らず、第1係合部51は、3つ以上であってもよい。
【0078】
また、接続部52を第1係合部51の端部に接続する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、接続部52は、第1係合部51の中央部に接続されてもよい。つまり、接続部52と第1係合部51とによって、T字状の部分が形成されてもよい。また、接続部52は、第1係合部51の中央部と端部との両方に接続されてもよい。
【0079】
同様に、接続部52を第2係合部53の端部に接続する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば、接続部52は、第2係合部53の中央部に接続されてもよい。つまり、接続部52と第2係合部53とによって、T字状の部分が形成されてもよい。また、接続部52は、第2係合部53の中央部と端部との両方に接続されてもよい。
【0080】
また、上記の実施形態では、発光装置100の外周面111が略円筒の外周面、または、略円錐の外周面によって形成される例について示したが、本発明はこれに限らない。外周面111は、略円筒または略円錐以外の外周面によって形成されてもよい。外周面111は、例えば、多角柱または多角錐の外周面によって形成されてもよい。
【0081】
また、上記の実施形態では、第1係合部51および第2係合部53が、円弧形状を有する例について示したが、本発明はこれに限らない。第1係合部51および第2係合部53は、周方向CDに沿って延びていれば、例えば、屈曲していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、光学ホルダ、照明装置および照明器具の分野に有用である。
【符号の説明】
【0083】
1 :照明装置
10 :光学部品
30 :光学ホルダ
40 :保持部材
41 :第1収容部
42 :第2収容部
43 :段差部
50 :係合部材
51 :第1係合部
52 :接続部
53 :第2係合部
100 :発光装置
111 :外周面
111b :第2外周面(傾斜面)
113 :光出射部
150 :ソケット
200 :照明器具
CD :周方向
L1 :光軸
RD :径方向
Z :光軸方向
Z1 :光出射方向
Z2 :反対方向