(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024939
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】作業管理システム、作業管理方法及び作業管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/109 20230101AFI20240216BHJP
【FI】
G06Q10/10 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127940
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】金子 智弥
(72)【発明者】
【氏名】西田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】伊東 未奈子
(72)【発明者】
【氏名】安藤 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】田邊 麻美
(72)【発明者】
【氏名】藤川 滉暉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA13
(57)【要約】
【課題】ユーザに対して、状況に応じたToDoリストを提供するための作業管理システム、作業管理方法及び作業管理プログラムを提供する。
【解決手段】管理装置20は、ユーザが作業すべきToDo情報を記録するToDo記憶部23と、ユーザ端末30に接続される制御部21と、を備える。そして、制御部21が、ユーザのToDo情報を取得し、ToDo情報を、期限に関連付けて、ToDo記憶部23に記録し、ToDo記憶部23に記録されたToDo情報を、状況に応じて優先順位を決定して並び替えたToDoリストを、ユーザ端末30に表示し、ユーザの作業状況に応じて完了したToDo情報を、ToDoリストから削除する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが作業すべきToDo情報を記録するToDo記憶部と、ユーザ端末に接続される制御部と、を備えた作業管理システムであって、
前記制御部が、
前記ユーザのToDo情報を取得し、
前記ToDo情報を、期限に関連付けて、前記ToDo記憶部に記録し、
前記ToDo記憶部に記録されたToDo情報を、状況に応じて優先順位を決定して並び替えたToDoリストを、前記ユーザ端末に表示し、
前記ユーザの作業状況に応じて完了したToDo情報を、前記ToDoリストから削除することを特徴とする作業管理システム。
【請求項2】
ユーザが作業すべきToDo情報を記録するToDo記憶部と、ユーザ端末に接続される制御部と、を備えた作業管理システムを用いて、作業管理を行なう方法であって、
前記制御部が、
前記ユーザのToDo情報を取得し、
前記ToDo情報を、期限に関連付けて、前記ToDo記憶部に記録し、
前記ToDo記憶部に記録されたToDo情報を、状況に応じて優先順位を決定して並び替えたToDoリストを、前記ユーザ端末に表示し、
前記ユーザの作業状況に応じて完了したToDo情報を、前記ToDoリストから削除することを特徴とする作業管理方法。
【請求項3】
ユーザが作業すべきToDo情報を記録するToDo記憶部と、ユーザ端末に接続される制御部と、を備えた作業管理システムを用いて、作業管理を行なうためのプログラムであって、
前記制御部を、
前記ユーザのToDo情報を取得し、
前記ToDo情報を、期限に関連付けて、前記ToDo記憶部に記録し、
前記ToDo記憶部に記録されたToDo情報を、状況に応じて優先順位を決定して並び替えたToDoリストを、前記ユーザ端末に表示し、
前記ユーザの作業状況に応じて完了したToDo情報を、前記ToDoリストから削除する手段として機能させることを特徴とする作業管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ToDoリストを管理する作業管理システム、作業管理方法及び作業管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
作業管理のために、作業すべき内容をToDoリストに記録することがある。そして、ユーザのToDoリストに対する通知を提供する技術が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載された支援サーバは、ToDoリストに含まれる各タスクに対し、タスクと関連する場所の位置情報と時間情報を取得する。次に、端末の現在地と位置情報との比較結果、および現在時刻と時間情報との比較結果に基づいてタスクの実行可能性を判断する。そして、タスクの実行可能性に応じてタスクに対する通知を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献に記載された技術では、的確にタスクをToDoリストに記録する必要がある。ToDoリストに記録漏れがあると、的確に作業を行なうことができない。また、ToDoには優先順位がある。この順位の考慮したToDoリストの作成には手間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための作業管理システムは、ユーザが作業すべきToDo情報を記録するToDo記憶部と、ユーザ端末に接続される制御部と、を備える。そして、前記制御部が、前記ユーザのToDo情報を取得し、前記ToDo情報を、期限に関連付けて、前記ToDo記憶部に記録し、前記ToDo記憶部に記録されたToDo情報を、状況に応じて優先順位を決定して並び替えたToDoリストを、前記ユーザ端末に表示し、前記ユーザの作業状況に応じて完了したToDo情報を、前記ToDoリストから削除する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ユーザに対して、状況に応じたToDoリストを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】実施形態のハードウェア構成の説明図である。
【
図3】実施形態のサービス管理サーバの説明図である。
【
図4】実施形態の記憶部の説明図であって、(a)はユーザ情報記憶部、(b)はToDo記憶部、(c)は実績情報記憶部である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1~
図7に従って、作業管理システム、作業管理方法及び作業管理プログラムの一実施形態を説明する。本実施形態では、ユーザが実行すべきToDoを管理する作業管理システムとして説明する。本実施形態では、ユーザに対して、優先順位を考慮したToDoリストを提供する。
図1に示すように、本実施形態では、ネットワークを介して接続されたサービス管理サーバ10、管理装置20、ユーザ端末30を用いる。
【0009】
(ハードウェア構成の説明)
図2を用いて、サービス管理サーバ10、管理装置20、ユーザ端末30を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶装置H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアにより実現することも可能である。
【0010】
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースや無線インタフェース等である。
【0011】
入力装置H12は、各種情報の入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイ等である。
記憶装置H14は、サービス管理サーバ10、管理装置20、ユーザ端末30の各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶装置H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
【0012】
プロセッサH15は、記憶装置H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、サービス管理サーバ10、管理装置20、ユーザ端末30における各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各処理のための各種プロセスを実行する。
【0013】
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行なうものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行なう専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、以下で構成し得る。
【0014】
〔1〕コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ
〔2〕各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは
〔3〕それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)
プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0015】
(システム構成)
次に、
図1を用いて、作業管理システムの各機能を説明する。
サービス管理サーバ10は、ユーザに対して各種サービスを提供するコンピュータシステムである。
【0016】
図3に示すように、サービス管理サーバ10には、カレンダサーバ11、メールサーバ12、チャットサーバ13、IP電話サーバ14、ワークフロー管理サーバ15等がある。
【0017】
カレンダサーバ11は、ユーザ識別子毎のユーザカレンダを管理する処理を実行する。このユーザカレンダには、年月日及び時間帯毎に予定(スケジュール)が記録される。この予定には、休暇予定、会議予定等のように、日程が決まっている予定が設定される。
【0018】
メールサーバ12は、ユーザのメールアドレス毎に、送受信したメール(通信手段)を管理する処理を実行する。
チャットサーバ13は、ユーザが関わるスレッドで、発信されたチャットメッセージ(通信手段)を管理する処理を実行する。ユーザが関わるスレッドは、各ユーザのチャット識別子を用いて特定される。
【0019】
IP電話サーバ14は、ユーザ毎のIP電話番号毎に、通話(通信手段)の受発信を管理する処理を実行する。
ワークフロー管理サーバ15は、設定された各ワークフローを管理する処理を実行する。設定された各ワークフローには、各タスクを担当するユーザ識別子、タスク内容が記録されている。このタスク内容に応じて、後続タスクの特定や、後続タスクの重要度の判定を行なうことができる。
【0020】
管理装置20は、ユーザのToDoの管理するコンピュータシステムである。管理装置20は、制御部21、ユーザ情報記憶部22、ToDo記憶部23、実績情報記憶部24を備える。
【0021】
制御部21は、後述する処理(取得段階、分析段階、評価段階、管理段階等を含む処理)を行なう。このための各処理のためのプログラムを実行することにより、制御部21は、取得部211、分析部212、評価部213、管理部214等として機能する。
【0022】
取得部211は、サービス管理サーバ10から、各ユーザに関するユーザ宛情報を取得する。ユーザ宛情報には、メール、チャット、IP電話の通話、ワークフロー内のタスク等がある。
【0023】
例えば、取得部211は、メールサーバ12から、ユーザのメールアドレス宛のメールを取得する。また、取得部211は、チャットサーバ13において、ユーザが関わるスレッドを特定し、ユーザのチャット識別子宛のメッセージを取得する。また、取得部211は、IP電話サーバ14から、ユーザのIP電話番号宛の通話を特定し、通話における発話内容を音声認識によりモニタリングを行なう。また、取得部211は、ワークフロー管理サーバ15から、担当者としてユーザ識別子が割り当てられたタスクを取得する。
【0024】
分析部212は、ユーザ宛情報(メール、チャット、IP電話の通話、ワークフロー内のタスク等)を分析して、ToDo情報を特定する。
例えば、分析部212は、メールサーバ12から取得したユーザのメールアドレス宛のメールのメッセージを、自然言語処理の文脈解析により、ToDo情報の有無を確認する。メッセージにおいて、ユーザが作業すべきこと等に関する文脈が含まれる場合には、ToDo情報と判定する。
【0025】
また、分析部212は、ユーザが関わるスレッドを特定し、ユーザのチャット識別子宛のメッセージを、自然言語処理の文脈解析により、ToDo情報の有無を確認する。メッセージにおいて、ユーザが作業すべきこと等に関する文脈が含まれる場合には、ToDo情報と判定する。
【0026】
また、分析部212は、IP電話サーバ14の相手方の発話の音声認識結果を、自然言語処理の文脈解析することにより、ToDo情報の有無を確認する。発話において、ユーザが作業すべきこと等に関する文脈が含まれる場合には、ToDo情報と判定する。
【0027】
また、分析部212は、ワークフロー管理サーバ15から取得したタスクを、ユーザが作業すべきToDo情報として特定する。
分析部212は、作業種別に応じた猶予期間を算出するための猶予期間算出テーブルを備える。
【0028】
評価部213は、ToDo情報に含まれる文言に、複数の評価モデルを適用して、ToDo情報のスコアリング(優先スコアの算出)を行なう。各評価モデルは、ToDo情報に含まれる各評価項目に対してスコアを付与したデータセット(教師情報)を用いた機械学習により生成される。優先スコアの算出には、以下のような複数の評価モデルを用いる。
【0029】
・ToDo情報に含まれる文言に応じたスコア付与
例えば、評価部213は、「至急」、「不具合対応」のように、速やかな作業を促す文言が含まれると認識した場合には、高いスコアを付与する評価モデルを用いる。
【0030】
・後続ToDoへの影響に応じたスコア付与
評価部213は、ワークフロー管理サーバ15に記録されたワークフローにおいて、今回のToDo(タスク)の終了を開始条件とする後続タスクの有無を判定する。そして、後続タスクの数や重要度に応じて、高いスコアを付与する評価モデルを用いる。
【0031】
・時間的猶予に応じたスコア付与
評価部213は、期限までの残り時間と所要時間との差分が少ない場合には、高いスコアを付与する評価モデルを用いる。
【0032】
・代替性に応じたスコア付与
評価部213は、ToDo内容に応じて、他者への代替可能性を予測し、代替可能性が低いと認識した場合には、高いスコアを付与する評価モデルを用いる。
【0033】
・外的要因に応じたスコア付与
ここでは、ToDoに影響する外部状況(要因情報)により、スコアを調整する。
例えば、評価部213は、天気によって作業が影響されると認識した場合、天候情報サイトから期限までの天候情報を取得し、作業可能な天候期間の長さに応じてスコアを付与する評価モデルを用いる。ここでは、天候によって作業できない期間が長く、作業可能な天候期間が短いと予想される場合には、高いスコアを付与する。
【0034】
また、評価部213は、交通事情によって作業が影響されると認識した場合、交通機関情報サイトから期限までの交通状況情報を取得し、作業可能な期間の長さに応じてスコアを付与する評価モデルを用いる。ここでは、移動時間が長く、作業可能な期間が短いと予想される場合には、高いスコアを付与する。
【0035】
・内的要因に応じたスコア付与
ここでは、ToDoに影響する内的状況(要因情報)により、スコアを調整する。
例えば、評価部213は、健康状態によって作業が影響されると認識した場合、ウェアラブル端末から取得したユーザ本人の健康状態情報から期限までの健康状態を予測し、作業可能な期間の長さに応じてスコアを付与する評価モデルを用いる。健康状態に応じて、作業できない期間が長く、作業可能な期間が短いと予想される場合には、高いスコアを付与する。
【0036】
管理部214は、取得した情報に基づいて、ユーザのToDoリストを作成して、ユーザ端末30に出力する。この場合、管理部214は、ToDoリストにおいて、優先スコアに応じた順番でToDo情報を並べる。
更に、管理部214は、ユーザの行動情報に応じて、ToDo情報に関わる実績を管理する。
【0037】
図4(a)に示すように、ユーザ情報記憶部22には、各ユーザに関するユーザ管理データ220が記録される。ユーザ管理データ220は、ユーザ登録が行なわれた場合に記録される。ユーザ管理データ220は、ユーザ識別子、ユーザ属性、チャット識別子、メールアドレス、電話番号等に関するデータを含む。
ユーザ識別子は、各ユーザを特定するための識別子である。
ユーザ属性は、このユーザの属性情報である。
チャット識別子は、このユーザが、チャットサービスを利用する場合の識別子である。
【0038】
メールアドレスは、このユーザが、メールサービスを利用する場合のアドレスである。
電話番号は、このユーザが、IP電話サービスを利用する場合の電話番号である。
【0039】
図4(b)に示すように、ToDo記憶部23には、各ユーザに関するToDo管理データ230が記録される。ToDo管理データ230は、作成されたToDoが登録された場合に記録される。ToDo管理データ230は、ユーザ識別子、ToDo識別子、作業種別、内容、期限、予想時間、開始条件、優先スコア、ステータス等に関するデータを含む。
ユーザ識別子は、各ユーザを特定するための識別子である。
ToDo識別子は、このユーザのToDoを特定するための識別子である。
作業種別は、このToDoにおける作業の種類である。
【0040】
内容は、このユーザが実行しなければならない作業内容である。
期限は、このToDoを完了すべき期限(年月日)である。
予想時間は、このToDoの作業を完了させるために必要と予想される所要期間である。
【0041】
開始条件は、このToDoに着手可能な条件である。開始条件としては、暦日(年月日や曜日等)、先行タスク等がある。
優先スコアは、このToDoの優先順位を決めるためのスコアである。
【0042】
ステータスは、このToDoの状況を示す。例えば、「待機中」、「作業前」、「作業完了」等を示す各フラグを用いる。「待機中」は、開始条件が整う前の状態である。「作業前」は、開始条件が整った後で作業ができる状態である。「作業完了」は、作業を完了した状態である。
【0043】
図4(c)に示すように、実績情報記憶部24には、各ユーザのToDoの実績に関する実績管理データ240が記録される。実績管理データ240は、ToDoが登録された場合に記録される。実績管理データ240は、ユーザ識別子、ToDo識別子、作業種別、所要時間等に関するデータを含む。
【0044】
ユーザ識別子は、各ユーザを特定するための識別子である。
ToDo識別子は、このユーザのToDoを特定するための識別子である。
作業種別は、このToDoにおける作業の種類である。
【0045】
所要時間は、作業開始から作業終了までの所要時間である。
ユーザ端末30は、ToDoリストを利用するユーザが利用するコンピュータ端末である。
【0046】
(ToDo管理処理)
次に、
図5~
図7を用いて、上記のように構成された管理装置20において行なわれるToDo管理処理の処理手順を説明する。このToDo管理処理には、ToDo登録処理(
図5)、ToDoリスト管理処理(
図6)、実績管理処理(
図7)が含まれる。
【0047】
(ToDo登録処理)
まず、
図5を用いて、ToDo登録処理を説明する。
ここでは、管理装置20の制御部21は、ユーザ宛情報の取得処理を実行する(ステップS11)。具体的には、制御部21の取得部211は、サービス管理サーバ10において、ユーザが関わる新たな情報(ユーザ宛情報)を取得する。
【0048】
次に、管理装置20の制御部21は、ToDo情報の特定処理を実行する(ステップS12)。具体的には、制御部21の分析部212は、ユーザ宛情報においてToDo情報を特定する。
【0049】
次に、管理装置20の制御部21は、時間指定があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS13)。具体的には、制御部21の分析部212は、ToDo情報の中に、指定された作業日時(作業指定日時)に関する情報を検索する。そして、分析部212は、指定された作業指定日時を特定した場合には、時間指定があると判定する。なお、分析部212は、ToDo情報に含まれるイベント種別に応じて、時間指定の有無を判定するようにしてもよい。
【0050】
時間指定があると判定した場合(ステップS13において「YES」の場合)、管理装置20の制御部21は、他の予定と競合かどうかについての判定処理を実行する(ステップS14)。具体的には、制御部21の分析部212は、カレンダサーバ11に記録されたこのユーザのユーザカレンダにおいて、作業指定日時におけるスケジュールの有無を確認する。作業指定日時に重畳する日時にスケジュール(競合スケジュール)が登録されている場合には、他のスケジュールと競合と判定する。
【0051】
他の予定と競合と判定した場合(ステップS14において「YES」の場合)、管理装置20の制御部21は、代替者調整処理を実行する(ステップS15)。具体的には、制御部21の分析部212は、ユーザ端末30に対して、ToDo情報及び競合スケジュールに関するメッセージを出力する。この場合、ユーザは、ユーザ端末30を用いて、既存スケジュールの変更やToDoについて代替者の割当を検討する。
【0052】
一方、時間指定がないと判定した場合や、他の予定と競合しないと判定した場合(ステップS13,S14において「NO」の場合)、管理装置20の制御部21は、ToDo作業の所要時間の推定処理を実行する(ステップS16)。具体的には、制御部21の分析部212は、ToDo情報の作業種別を特定する。更に、分析部212は、同じユーザ識別子、作業種別が付与された実績管理データ240を実績情報記憶部24から抽出する。そして、分析部212は、抽出した実績管理データ240の所要時間の統計値を算出する。なお、同じユーザ識別子の実績管理データ240を実績情報記憶部24から抽出できない場合には、他のユーザの実績管理データ240を用いてもよい。
【0053】
次に、管理装置20の制御部21は、期限の設定処理を実行する(ステップS17)。具体的には、制御部21の分析部212は、ToDo情報において期限指定を特定した場合には、指定された期限を設定する。一方、分析部212は、期限指定を特定しない場合には、猶予期間算出テーブルを用いて、作業種別に応じた猶予期間を算出する。そして、分析部212は、現在日時に猶予期間を加算して期限を算出する。
【0054】
次に、管理装置20の制御部21は、優先スコアの計算処理を実行する(ステップS18)。具体的には、制御部21の評価部213は、評価モデルにToDo情報を適用して、優先スコアを算出する。
【0055】
次に、管理装置20の制御部21は、優先スコアに応じてToDoの登録処理を実行する(ステップS19)。具体的には、制御部21の分析部212は、各評価モデルにより算出した優先スコアを合計した優先スコア(統合値)を算出する。そして、取得部211は、優先スコア(統合値)を記録したToDo管理データ230を生成し、ToDo記憶部23に記録する。
【0056】
(ToDoリスト管理処理)
次に、
図6を用いて、ToDoリスト管理処理を説明する。このToDoリスト管理処理は、ユーザ毎に、定期的にくり返して実行される。
【0057】
ここでは、管理装置20の制御部21は、ToDo記憶部23に記録されているToDo管理データ230毎に、以下の処理を実行する。
まず、管理装置20の制御部21は、ToDo状況の確認処理を実行する(ステップS21)。具体的には、制御部21の管理部214は、ToDo記憶部23において、ステータスが「待機中」のToDo管理データ230を特定する。次に、管理部214は、ToDo管理データ230の開始条件を特定し、開始条件の充足を判定する。開始条件の充足する場合には、管理部214は、ToDo管理データ230のステータスを「作業前」に更新する。
【0058】
次に、管理装置20の制御部21は、優先スコアの再計算処理を実行する(ステップS22)。具体的には、制御部21の評価部213は、ステータスとして「作業前」が記録されたToDo管理データ230の優先スコアを再計算する。
【0059】
次に、管理装置20の制御部21は、優先スコアに応じてToDoリストの更新処理を実行する(ステップS23)。具体的には、制御部21の管理部214は、ステータス「作業前」が記録されたToDo管理データ230を用いて、優先スコアが高い順番にToDo情報を並べたToDoリストを作成する。そして、管理部214は、作成したToDoリストをユーザ端末30に出力する。このToDoリストには、ステータス「作業前」のToDo情報が含まれる。
【0060】
(実績管理処理)
次に、
図7を用いて、実績管理処理を説明する。
ここでは、管理装置20の制御部21は、ユーザの行動情報の取得処理を実行する(ステップS31)。具体的には、制御部21の管理部214は、ユーザ端末30を用いたユーザの行動情報(作業状況)を取得する。例えば、行動情報として、ユーザ端末30において、施工確認の作業結果の入力を取得する。
【0061】
次に、管理装置20の制御部21は、ToDo関連判定処理を実行する(ステップS32)。具体的には、制御部21の管理部214は、行動内容とToDo記憶部23に記録されたToDo情報とを比較する。例えば、作業結果に含まれる文言を用いて、対応する文言が含まれるToDo情報を、ToDo記憶部23において検索する。そして、対応するToDo情報を抽出した場合には、管理部214は、ユーザ端末30に確認画面を出力する。この確認画面には、ToDo情報、終了入力欄、所要時間入力欄を含む。
【0062】
次に、管理装置20の制御部21は、ToDoの削除・実績登録処理を実行する(ステップS33)。具体的には、ユーザは、ユーザ端末30の確認画面に出力されたToDo情報を確認し、作業を終了した場合には作業終了を入力する。更に、この作業に要した所要時間を入力する。この場合、制御部21の管理部214は、ユーザ端末30からToDoの終了情報を取得する。ToDoの終了情報を取得した管理部214は、ToDo記憶部23のToDo管理データ230のステータスを「作業完了」に更新する。次に、管理部214は、ユーザ端末30から取得した所要時間を記録した実績管理データ240を生成し、実績情報記憶部24に記録する。この場合、このToDoリストから、ステータス「作業完了」のToDo情報が削除される。
【0063】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、管理装置20の制御部21は、ユーザ宛情報の取得処理(ステップS11)、ToDo情報の特定処理(ステップS12)を実行する。これにより、ユーザが利用するサービス管理サーバ10を用いて、このユーザのToDoを特定することができる。
【0064】
(2)本実施形態では、時間指定があると判定した場合(ステップS13において「YES」の場合)管理装置20の制御部21は、他の予定と競合かどうかについての判定処理を実行する(ステップS14)。これにより、他の予定との競合を確認して、ダブルブッキングを抑制することができる。
【0065】
(3)本実施形態では、他の予定と競合と判定した場合(ステップS14において「YES」の場合)、管理装置20の制御部21は、代替者調整処理を実行する(ステップS15)。これにより、他の予定と競合する場合、代替者に依頼する等、重畳する作業への対応を行なうことができる。
【0066】
(4)本実施形態では、管理装置20の制御部21は、ToDo作業の所要時間の推定処理を実行する(ステップS16)。これにより、ToDoの作業時間を考慮したToDoリストを作成することができる。
【0067】
(5)本実施形態では、管理装置20の制御部21は、優先スコアの付与処理を実行する(ステップS18)。これにより、ToDoの重み付けを行なうことができる。
例えば、ToDo情報に含まれる文言に応じたスコア付与を行なうことにより、文脈に応じてToDoの重み付けを行なうことができる。
【0068】
また、後続ToDoへの影響に応じたスコア付与を行なうことにより、他のタスクへの影響を考慮してToDoの重み付けを行なうことができる。
また、時間的猶予に応じたスコア付与を行なうことにより、時間的な猶予を考慮してToDoの重み付けを行なうことができる。
【0069】
また、代替性に応じたスコア付与を行なうことにより、代替可否を考慮してToDoの重み付けを行なうことができる。
また、外的要因に応じたスコア付与を行なうことにより、ユーザ自身でコントロールできない状況を考慮してToDoの重み付けを行なうことができる。
また、内的要因に応じたスコア付与を行なうことにより、ユーザ自身の状況を考慮してToDoの重み付けを行なうことができる。
【0070】
(6)本実施形態では、管理装置20の制御部21は、優先スコアの再計算処理(ステップS22)、優先スコアに応じてToDoリストの更新処理(ステップS23)を実行する。これにより、状況の変化に応じて、ToDoの優先順位を変更することができる。そして、この優先順位に応じたToDoリストを出力することができる。
【0071】
(7)本実施形態では、管理装置20の制御部21は、ユーザの行動情報の取得処理(ステップS31)、ToDo関連判定処理(ステップS32)を実行する。これにより、ユーザの行動に応じて、作業実績を効率的に登録することができる。
【0072】
(8)本実施形態では、管理装置20の制御部21は、ToDoの削除・実績登録処理を実行する(ステップS33)。これにより、実績に応じて、ToDoリストを更新することができる。
【0073】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、管理装置20の制御部21は、ユーザ宛情報の取得処理(ステップS11)、ToDo情報の特定処理(ステップS12)を実行する。この場合、メールサービス、チャットサービス、IP電話サービス、ワークフローにおいて、ユーザのToDo情報を特定する。ユーザのToDo情報の特定に用いるサービスは、これらに限定されるものではない。
【0074】
・上記実施形態では、他の予定と競合と判定した場合(ステップS14において「YES」の場合)、管理装置20の制御部21は、代替者調整処理を実行する(ステップS15)。ここで、管理装置20の制御部21は、先にToDoの優先スコアを計算して、優先スコアに応じて、代替させるToDoを決定してもよい。
【0075】
・上記実施形態では、管理装置20の制御部21は、ToDo作業の所要時間の推定処理を実行する(ステップS16)。この場合、実績情報記憶部24に記録された実績管理データ240の所要時間を用いる。これに代えて、管理装置20の制御部21は、作業種別毎に設定された所要時間の初期値を用いてもよい。
【0076】
・上記実施形態では、管理装置20の制御部21は、優先スコアの付与処理(ステップS18)、優先スコアの再計算処理(ステップS22)を実行する。この場合、ToDo情報に含まれる文言に応じたスコア付与~内的要因に応じたスコア付与を用いる。優先スコアの算出方法は、これらに限定されるものではない。
【0077】
・上記実施形態では、ToDoリスト管理処理は、定期的にくり返して実行される。実行タイミングは、定期的実行に限定されるものではない。例えば、ユーザ端末30の利用時や、ToDo情報の取得時に行なうようにしてもよい。
【0078】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(a)前記制御部が、ワークフローにおいて、前記ユーザが担当するタスクを前記ToDo情報として特定することを特徴とする請求項1に記載の作業管理システム。
【0079】
(b)前記制御部が、通信手段で取得したメッセージにおいて、前記ユーザのToDo情報を特定することを特徴とする請求項1又は(a)に記載の作業管理システム。
(c)前記制御部が、
前記ユーザのToDoの所要時間を予測し、
前記所要時間及び前記期限に応じて、前記優先順位を決定することを特徴とする請求項1、(a)又は(b)に記載の作業管理システム。
【0080】
(d)前記制御部が、
前記ユーザのToDoに影響する要因情報を取得して、
前記要因情報に応じて、前記優先順位を決定することを特徴とする請求項1、(a)~(c)の何れか1項に記載の作業管理システム。
【0081】
(e)前記制御部が、
前記ユーザのToDoについて、他のユーザの代替可能性を予測し、
前記代替可能性に応じて、前記優先順位を決定することを特徴とする請求項1、(a)~(d)の何れか1項に記載の作業管理システム。
【符号の説明】
【0082】
10…サービス管理サーバ、20…管理装置、21…制御部、211…取得部、212…評価部、213…分析部、214…管理部、22…ユーザ情報記憶部、23…ToDo記憶部、24…実績情報記憶部、30…ユーザ端末。